説明

長さ方向に対して角度をなして延伸されているポリマーフィルムの製造のための方法および装置

柔軟なチューブ状のフィルム(10)が螺旋状に切断されて平坦なストリップにされる。これはタンブリング巻出機(1)により平坦な形態でチューブ状のフィルムが巻出され、平坦なフィルムチューブがチューブエクスパンジョンゾーン(17)へ進み、ここで平坦なチューブが円筒状のチューブに膨張され、膨張されたチューブの直径よりも若干小さい外径を有する中空マンドレル(14)の上を軸方向に通過し、ナイフ(18)により螺旋状に切断され、平坦なストリップとされ、マンドレルの軸と角度をなして回収される。平坦なチューブは、タンブリング巻出機により振動される延伸ローラー(107−112)により長さ方向に延伸される。装置はさらにマンドレルから引き出された後に螺旋状に切断されたフィルムストリップに、タンブリング延伸ローラーにより加えられた配向を安定化するための安定化手段を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の目的はタイトルに表現される。斜めに延伸されたフィルムはクロスラミネートの製造に主に使用される。2つまたはそれ以上のそのようなフィルムは、互いに延伸方向がクロスするような方向で連続して運ばれる。ボンディングは延伸されたフィルムが出会う場所に押し出されたタイフィルムを提供すること(すなわち押出ラミネーション)、または共押出された表面層を通して熱または圧力を加えることにより行われる。クロスラミネートを製造する技術は、WIPOによって発行されたWO08/006858(ラスムッセン)に広く記載されている。クロスラミネートに工業的に使用されていたフィルムのポリマー組成は、HDPE、LLDPE(および2つのブレンド)または結晶性PPに主に基づいた。
【0002】
ほとんどすべての工業的に使用されるクロスラミネート技術は、延伸されたチューブ状フィルムの螺旋状の切断を利用する。最初の特許は、この趣旨で1954年からの優先権を請求するGB816,607である(ラスムセン)。特にそのような方法および装置を実行する実用的な方法としては、たとえば1988年の優先権をともに請求する米国特許5,248,366(ラスムセン)、および米国特許5,361,469(ラスムセン)が知られている。本出願の請求項1の序段部分はこれらの特許から知られている。
【0003】
クロスラミネートのための斜めに配向しているフィルムの製造は、ラミネーションの前に配向の安定化を必要とする。さもなければ、リールに格納された時、ラミネート中の異なったフィルムが徐々に内部張力を蓄積し、異なったフィルムにおいて、それらの異なる配向方向に対応する異なる方向での張力が生じ、リールからリリースされるときに、曲がるか、またはカールする強い傾向をラミネート製品に与える。従来技術においては、少なくともこの安定化の一部が配向されたレイフラットチューブ(lay−flat tube)が巻かれる前に行われなければならず、さもなければ、リールの上のフィルムはひずみ、そしてリールのコアは破壊される場合があることが知られていた。
【0004】
WO05/102669(ラスムセン)で説明されたように、望ましくは、延伸は比較的低い温度で行われる。HDPEまたはPPフィルムについては好ましくは約20−50℃の範囲である。これが最も良い全般的な強度特性を与えるからである。後者は引張り強度、降伏点、引裂伝播抵抗、および穿刺抵抗の適切な組み合わせについて言及する。しかしながら、低温を選択すると安定化条件の選択がより難しくなる。少なすぎる安定化は、最終のクロスラミネートがカールする高い傾向を与え、高過ぎる安定化はフィルムを過度に引き裂き可能とし、その結果、クロスラミネートの引裂伝播抵抗を低下させる。問題の一部は、比較的速いフィルム速度を有する工業的条件では、フィルムの機械方向、すなわち配向方向と平行方向に比較的高い張力が存在することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際特許出願公開WO05/102669
【特許文献1】米国特許第5,248,366号
【特許文献1】米国特許第5,361,469号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明には、そのような安定化の問題を減少させる主な目的を持っているが、また、クロスラミネートの製造における生産工程を合理化することにも目的がある。特に薄いクロスラミネートを作って、その結果、原料費を節約するために強さの利点を利用するとき、これは特に重要である。その時、そのような削減が過度の変換コストによって主に相殺されないことが重要である。
【0007】
本発明に先行するトライアルでは、発明者は、2O℃で比較的短い長さのレイフラットチューブである厚さ0.10mmのHDPEフィルムを伸ばして、安定化することなくそれを巻いた。その後すぐに、それは、45度で切断され、次にお互いに近接して離隔して配置された、70℃の暖かいローラーの上を通して安定した。その結果、安定化がより効率的であり、そして引き裂き性は低下したことがわかった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発見に基づき、本発明は、タンブリング巻出機(tumbling unwinder)内で延伸を行う。これは螺旋状の切断が使用され、螺旋状の切断の後に安定化が行われる。本発明をより正確に表現すると、本発明は長さ方向に対して角度を有して一軸配向したポリマーフィルムの製造方法に関し、レイフラットチューブ状フィルムが複数の延伸ロールの間で長さ方向に配向され、安定化され、次いで最初に巻出スタンド(5)中のリール(9)から巻き出される。この巻出スタンドはタンブリング動作を行い、レイフラットチューブを、その長さ方向に伸びる中心線の周りに回転させ、次いでマンドレル(16)の上にドラッギングすることによってふくらませ、スクリュー運動により均等に推進する。これにより、フィルム表面の各ポイントは螺旋運動をし、そして、切断が固定された場所にあるナイフ(18)で行われ、その後螺旋状に切断されたフィルムがマンドレルから引き離される。本発明は、前記延伸ローラー(108〜112)がタンブリング巻出スタンド内に配置され、レイフラットフィルムの巻出とインフレーションの間の工程として配向を行う点に特徴を有し、さらには安定化が螺旋状の切断の後に行われるという点で特徴を有する。巻出スタンドの認識としては、2つの異なった構造が可能で、かつそれぞれは上記の米国特許No.5,248,366と5,361,469の図1と3に示されている。図1では、巻き出されるリールが、タンブリング巻出スタンド内に、その軸が回転軸と垂直になるよう配置され、図3では、リールの軸はスタンドの回転軸と同じとされ、フィルムの中心線が巻出機の回転軸と同じになるようにフィルムを回転されるスピナーが配置されている。
【0009】
前述の2つの米国特許では、レイフラットチューブは中空のマンドレルを通して連続的にブローされた空気によりチューブ状にされた。この空気はマンドレルの外部表面とチューブ状フィルムの内部表面の間のスペースを通して環境に逆に吹き出す。そして、その結果、ナイフに向かってマンドレルの上を通るフィルムの通路は、空気により潤滑される。さらに、フィルムはコンベアベルトによってインフレーションの間、誘導される。これらの2つの注意点、ブロー空気とサポートベルトの使用は望ましいが、本発明に関して義務的でない。あるいはまた、マンドレルのチップの周りに配置されたガイドホイールのリングが、チューブ状フィルムのインフレーションと螺旋状の推進を行ってもよい。そのようなホイールは巻出スタンドの回転、および該スタンド中でフィルムが巻き出される手段と協調して動かされなければならない。
【0010】
螺旋状に切断された安定化されていないフィルムは歪みを生じることなくリール上に巻かれることができる。なぜなら、新しい機械方向における弾性率(E)が低くて、したがって必要とされる安定を別のラインで行うことができるが、通常は安定化は螺旋状の切断とともに行われるべきだからである。
【0011】
必ずではないが、通常は、安定化は熱によって行われ、好ましくはS−経路で一連の近接して離して設置された熱ローラーの上にフィルムを通すことによって行われることができる。また、これらのローラーが新しい機械方向で小さい延伸、好ましくは5-10%の延伸をフィルムに与えるとき、最も良い結果が獲得される。これはフィルムの小さい折り目または他の不規則にアイロンをかけるとともに、引き裂き性を低減するのにも役立つ。
【0012】
特にフィルムのエンボス構造が望ましい用途において、安定化を行う好ましい方法は、互いにかみ合う円形の、または螺旋状の溝付きローラーの間で横方向にフィルムを伸ばすことである。これにより鋭い溝の付いたローラーは最も顕著なエンボスと最も効率的な安定化を起こす。
【0013】
本発明の1つの実施態様では、巻出スタンドにおける延伸は、フィルムがS−経路で通過する、近接して離して配置された溝付きローラーの間で起きる。巻出スタンドにおける巻出と延伸の間、フィルムにはその幅方向の全体にわたり長さ方向に伸びるプリーツを提供することができる。それぞれのプリーツのサイズは十分に細かく、プリーツの分布は延伸の間にプリーツが消えるほど十分に均一である。この注意により、長さ方向に伸ばされたときに、フィルムは幅を減少させる固有の傾向に追随することを容易にし、これは配向工程を容易にする。長さ方向への延伸の前にフィルムにプリーツをつける方法は、米国特許3,233,029(ラスムセン)およびWO09/056601(ラスムセン)に記載されている。
【0014】
上記から理解されるように、本発明は特に製造プロセスを簡素化して、機械コストを下げるのが本質であるローゲージフィルム(low gauge film)の延伸と螺旋状の切断に有用である。そのようなローゲージフィルムは既に比較的高い溶融配向を示すだろう。その結果、タンブリング巻出スタンドでの延伸比は比較的低く、例えば、1.5:1と2.5:1の間である。その結果、プリーツの必要な深さは低く、プリーツ加工のための装置は比較的簡単である。
【0015】
しかしながら、巻出スタンドでの近接して離して配置された平滑なローラーの間での延伸は、フィルムの先立つプリーツ加工なしで行われることができる。これはレイフラットチューブの端が他の部分より厚くなることを意味する。なぜなら、自己の横方向の寸法を減少させるが、フィルムの残りが同様になることを防止するからである。したがって、端部での厚みの減少はフィルムの残りの部分の厚みの減少より少ないだろう。フィルムの回転と螺旋状の切断が行われない従来の延伸手順では、縁の厚さが増大して徐々にフィルムを歪めるので、これは、延伸フィルムの規則的な巻き取りが不可能になることを意味する。本発明を使用するとき、レイフラットチューブの端部は他の部分よりも厚いが、螺旋状の切断の後には当初の端部は機械方向と角度をなし、フィルムがリール上に巻かれた際に厚さの相違が蓄積しない。
【0016】
本発明の別の実施態様では、少なくとも巻出スタンドの延伸の一部が、それぞれの組のローラーの歯が互いにかみ合う、ローラー軸の向きに伸びる歯が提供された一組以上のローラーの間で行われる。この場合も、歯のあるローラーの最初の組に会う前に、縦方向にプリーツを伸ばしてもよい。またはそのようなプリーツ加工なしで延伸を行ってもよい。
通常、そのような歯のあるローラーによる延伸の結果は、配向の程度が順次異なるフィルムとなることが公知である。これは特別なケース、すなわちエンボス構造が望ましい場合には利点である。また、タンデムで作動する2組の歯のあるローラーが調和して作動し、一緒になってほぼ均一に延伸されたフィルムを形成する公知技術が存在することに留意されるべきである。
【0017】
上記の本願発明のいずれの実施態様が使用されても、多くの用途において有用なフィルムの好適な組成物は、50%以上のHDPE、LLDPEまたは結晶性のPPを含む。これらのポリマーの値段が比較的低く、それらの延伸性は非常に高く、達成可能な強度が高いからである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、実行される製造工程のフローチャートである。
【図2】図2は、図1を参照して、延伸されたレイフラットチューブの巻き出しからマンドレル上での螺旋状の切断までの製造工程を実行するための装置を示す図である。
【図3】図3は、図2の延伸システム(ローラー107〜112)の異なる態様を示す図である。
【0019】
本発明は図面を参照してより詳細に説明される。
図1は、実行される製造工程のフローチャートである。
図2は、図1を参照して、延伸されたレイフラットチューブの巻き出しからマンドレル上での螺旋状の切断までの製造工程を実行するための装置を示す図である。図面の簡略化のために、通常は安定化は螺旋状の切断とともに行われるべきであるが、安定化の前に螺旋状の切断されたフィルムをスプールされる場合を示す。
図3は、図2の延伸システム(ローラー107〜112)の異なる態様を示す。すなわち、延伸が互いにかみ合う歯を有するローラー(103と104)の間で延伸が一部行われる態様を示している。ローラー(101)から(106)は、タンブリングスタンド内にマウントされ、ローラー(107)から(112)を置き換えると理解されるべきである。
【0020】
図1に関しては、マンドレル上の螺旋状の切断を含むそれまでの工程は、図2に関連して説明される。
「安定化」工程は、通常熱による安定化を意味するが、エンボス構造のフィルムが許容される場合、または望まれる場合には、互いにかみ合う溝付きローラーの間を通過することによる安定化、および非常に特別の場合には放射線による安定化も可能である。
【0021】
通常、熱による安定化は、たとえば70−90℃に加熱され、お互いに近接して離して配置された一連のローラーの上を通すことにより行われる。この通過の間、フィルムは、好ましくは通常、1.05:1から1.2:1の間の比率で延伸される。これは安定化を向上し、同時に引き裂き性が低減される。ローラーは、延伸ローラー(107)−(112)をタンブリング延伸するために、図2に示されると同様の態様で配置することができる。互いにかみ合う溝付きローラーを通すことによる安定化は、通常円形の溝付きローラーを使用する。この場合には各ローラーの上の溝のピッチは、機械的に約1.0−1.2mmまでにされることができる。しかしながら、また、溝も螺旋状であることができる。そのような溝付きローラーの安定化は、周囲温度、または昇温下で行われることができる。
【0022】
「任意のさらなる工程」のボックスは異なったオプションを含む。1つはエンボス加工である。第2は、配向されたフィルムのフィブリル化の従来技術において公知のような、配向の方向に沿ってフィブリル化して、フィブリルネットワークを形成するものである。しかしながら、最も重要には、この任意の工程は同様に、同時に生産される斜めに配向したフィルムとのクロスラミネートから成ることができる。しかしながら、クロスラミネートは引き続いて別の製造ラインで行われることができる。
【0023】
図2の装置は「タンブリングスタンド」ユニット(1)を含む。これは1つの端にシャフト(2)を有し、ヘビーローラーベアリング(4)を通して、カラム(3)によってサポートされたシャフトの軸の周りを回転する。カラム(3)は部屋の床に取り付けられる。単純化のために、巻出ユニット(1)はエンドプレート(5)と2個の側板(6)から成るハウジングを有するように表示される。図面は、これらの側板が水平方向にある回転状態のユニットを示している。そして、点線で示した上方の板だけが示されている。実際には、主にプロフィール鉄鋼の枠組がより明るくて、より便利であるので、望ましい。
【0024】
「タンブリングスタンド」(以下で説明するローラーを含むユニット(1))はヘビーローラーベアリング(4) 単独でサポートするには重すぎ、したがって、このサポートは一個以上の鉄鋼リングによって補助される。該リングは、回転する巻出ユニットの一部を囲みその一部を形成し、立って、多くのサポートローラーの上を転がるか、またはホイールをサポートし、ベアリングリングとして機能する。あるいはまた、床に固定されたサポートは、一個以上のベアリングリングの一部を形成してもよく、その上にスタンド、ローラーまたはホイールの一個以上の円形配列があり、回転する巻出ユニットを取り囲み取り付けられる。そのようなシステムは米国特許5,248,366(ラスムセン)、および米国特許5,361,469(ラスムセン)の図3に示されているが、簡素化のために、それは本明細書の図2に示されていない。
【0025】
サポートカラム(3)は、エンドプレート(5)に取り付けられる別のギアホイール(8)と噛み合っている固定ギアホイール(7)を有し、遊星運動をする。ホイール(8)はユニット(1)の様々なローラーとホイールに駆動力を供給するが、簡単さのために、これらの動きの伝達は示されていない。
レイフラットの押し出されたチューブ状のシート(10)のリール(9)は、側板のベアリングを通して取り付けられ、ブレーキが提供される。ベアリング、およびブレーキは図示されない。1セットのニップ・ローラ(107)と(108)によってリール(9)からフラットシート(10)が取り出される。後者は駆動スチールローラであり、前者はゴムでコーティングされたアイドルローラーである。
【0026】
スチールローラ(109)は、(108)に近接して離隔して配置され、同じ円周速度で駆動される。スチールローラ(110)は所望の延伸比を達成するために選択された高い円周速度で運転される(円周速度はギアホイールまたはチェーンホイールの交換により変えることができる)。スチールローラ(111)は(110)と同じ円周速度で運転され、延伸力の一部を担う。(112)はゴムでコーティングされたニップ・ローラである。ニップ・ローラ(11)は(111)および(112)と同じ円周速度で回転する。
【0027】
ローラー(109)と(110)のゆるやかな加熱を避けるために、これらのローラーのそれぞれを循環冷却/加熱流体、好ましくは水によって一定の温度に保つことは重要である。「タンブリングスタンド」(1)への水の入り口、およびそれからの水の出口のために、シャフト(2)は、同心のパイプから成り、ロータリーフィッティングに接続されなければならない。
【0028】
しかしながら、最も便利には、ローラー(108)と(109)に1つの循環水システムが配置され高温での延伸を許容し、ローラー(110)と(111)に他の循環水システムが配置され延伸フィルムを冷却するようにされ、どちらのシステムもシャフト(2)およびロータリーフィッティングを通り抜けるシステムとされる。これらの循環装置は簡素化のために図示されない。
【0029】
延伸ローラーのライン中のリール(9)と第一のローラー(107)の間で、フィルム(10)にきめ細かな均等に分配されたプリーツが提供されてもよい。プリーツは縦方向の延伸の間、横方向への収縮を許容する。そのようなプリーツ加工のための装置は上記の米国特許3,233,029とWO09/056601に開示されている。フィルムが既に、本質的に縦方向の溶融配向を受けている場合、「タンブリング巻出機」での延伸比率が限定、例えば1.5:1から2.5:1の間の範囲に限定されている場合、プリーツ加工装置は、例えば上記の米国特許3,233,029に示されているように、クラウン形状のアイドルローラーと1組の互いにかみ合う溝付きローラーから成るように単純化されることができる。
【0030】
ギア(8)とローラー(11)の間のトランスミッションは、切断角度を決定する。例えば、ギアホイールの変更の可能性を提供することにより、好ましくはギアレシオを可変にする。筒状の切断マンドレル(14)も存在する。
シート(10)をふくらませるためのエアージェットはファン(13)により吹かれ、マンドレルを通して遠心送風機などのファンによってローラー(11)に向かって吹かれる。
【0031】
マンドレルは、カラム(15)を通して床に取り付けられ、比較的きついフィットをチューブ状のシート(10)と形成し、シートはマンドレルの上を滑る。空気は、マンドレルとシートの間の狭いスペースを通して逃げて、潤滑効果を発生させる。マンドレルの先(16)は、シートのハングアップを避けるために丸められる。インフレート・チューブの軸(23)は、すくなくとも実質的に巻出ユニット1の回転軸、およびローラー(11)の間を通るレイフラットチューブ状フィルム(10)の中心線と一致する。
【0032】
インフレートチューブ状シートの滑らかなスクリュー運動を達成するために、第1ポジションからチューブがインフレートされる位置までのサポートを提供するのは、非常に有利であるし、そしてシートが幅広い場合には必要であろう。インフレーティングチューブの適切なサポートは1組のベルトであることができ、また図2に示されるように2組の駆動ベルト(17)であることができ、これはマンドレル(14)から第1ポジションに向かって流れる空気の後方に向けた力に対してチューブをサポートし、チューブの平坦な形から円筒状への滑らかな変化を促進する。ベルトはシートについてのものと同じ速度、またはより速い速度で運転される。2列のベルトを使用する代わりに、1組の1本のベルトまたは比較的小さい直径の2列のローラー(最後のローラーだけが、運転される必要がある)を使用することができる。比較的細長いフラットシートでは、1組の大口径の駆動バレル様ローラー(barrel−like rollers)が十分に使用できる。
【0033】
チューブ状シートは調節可能な角度でマンドレルに簡単に固定されることができるサポート(18)上の簡単なナイフまたは刃によって切られる。図面でナイフの左に示されている縁(19)、これは最終的なシートの右側の縁になる、この縁は下向きに最初に動き、切断マンドレルの下に動く。ナイフは、回転してもよいし、または挽く動作を行うために振動してもよい。
【0034】
切断されたシートは、図式的に示される駆動される巻き取りユニット(20)によって引かれる。言及されたように、切断角度はユニット1とロール11の回転速度の比率によって決定されるが、また、ナイフまたは刃の方向、ユニット(20)によって加えられる牽引力の方向は、回転により決定されている切断角度と適合するように調整されなければならない。巻き取りユニット(20)は、巻取機(20)の速度を制御して、その結果適当な張力をセットアップするためにダンサーローラー(21)と2個の補助のアイドルローラー(22)を含む。
【0035】
チューブ内側の空気圧の(チューブの周りの環境空気圧に対する)適当な調整により、ユニット(20)により高い張力が適用されることができる。ただし低い張力が使用されなければならない非常にこわれやすいシートに関する場合を除く。約100ミクロンのゲージと1mの幅を有するフラットシートを切るときは、通常、5〜20キログラム/メートルの張力が適切である。
【0036】
図3に示されていたローラーの配置は、図2のローラー(107)からローラー(112)までのローラーの配置で置き換えられる。それは同じタンブリング巻出機(1)内で便利に互いに2つのローラー配置を交換できるように配置されてもよい。
【0037】
フィルム(10)はニップ・ローラ(101)と(102)に入る。先に説明したきめ細かく均等にプリーツをつけられた状態で入ることが可能である。ローラー(102)は駆動スチールローラであるが、ローラー(101)はゴムでコーティングされたアイドルローラーである。ローラー(103)と(104)は駆動された歯を有するローラー、すなわち、アキシャル溝付きローラー(axial grooved rollers)である。該歯は軸と平行に伸び、操作の間互いにiかみ合う。(105)および(106)はニップ・ローラであり、(105)は駆動スチールローラであり、(106)はゴムでコーティングされたアイドルローラーである。
【0038】
ローラー(102)と(103)との間では延伸が行われる。この延伸はフィルムに永久的な伸びを与えるほぼ限界である。主な永久的な伸張は通常ローラー(103)と(104)の歯の間の噛合いによって起こされるべきであるが、更なる幾分かの永久的な伸張が、ローラー(104)とローラー(106)の間での延伸によって、起こされてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長さ縦方向に対して角度を為して一軸配向されたポリマーフィルムを製造する方法であって、レイフラットチューブ状フィルムは、延伸ローラーの間で長さ方向に配向されて、安定され、配向に次いで、長さ方向に伸びる中心線の周りをレイフラットチューブを回転させるタンブリング動作を行う、巻出スタンド(5)内のリール(9)から巻き出し、次にマンドレル(16)の上にドラッギングすることによってインフレートされ、スクリュー運動により均等に推進され、フィルム表面の各ポイントは螺旋状に進み、固定位置に配置されたナイフ(18)で切断を行うことにより螺旋状に切断され、該螺旋状に切断されたフィルムがマンドレルから離されることを含み、該延伸ローラー(107−112、101−106)は、タンブリング巻出スタンド内に配置され、レイフラットチューブの巻き出しとインフレートの間の工程として配向が行われ、さらに、安定化が螺旋状の切断の後に行われることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記の安定化が螺旋状の切断とインラインで行われる、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記の安定化が熱によって行われる、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記の安定化が一連の近接して離隔して配置された熱ローラーの上にS−経路でフィルムを通過させることによって行われる、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記の通過の間に、好ましくは5〜20%の間、フィルムが新しい機械方向に延伸される、請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記の安定化が噛合い溝付きローラーの間で、横方向の延伸により起こり、その溝は円形または螺旋状であり、好ましくは延伸が近接して離隔して配置された溝付きローラーの鋭い端の間で起こる、請求項1または2記載の方法。
【請求項7】
該巻出スタンドにおける延伸が、フィルムがS−経路で通過する近接して離隔して配置された滑らかなローラーの間で行われる、請求項1または2記載の方法。
【請求項8】
少なくとも延伸の一部がローラー軸の方向に伸びる歯が提供された一以上の組のローラーの間で行われ、各組のローラーの該歯が互いに噛合う、請求項1または2記載の方法。
【請求項9】
前記の巻出スタンド内での巻出と延伸の間で、プリーツをフィルムに全体の幅で提供することを含み、延伸加工の間にプリーツが消滅するほどに、それぞれのプリーツのサイズが十分に小さく、プリーツの分布が十分に均一である、請求項1または2記載の方法。
【請求項10】
フィルムの50重量%以上がHDPE、LLDPEまたは結晶性のPPから成る、請求項1から9のいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項記載の方法を実施するための装置であって、レイフラットチューブ状フィルムを巻き出し、長さ方向に伸びる中心線(23)の周りに該フィルムを回転させるように配置されるタンブリング巻出装置を含む、レイフラットチューブ状フィルムのリール(9)を取り付けることができる巻出スタンド(1)、マンドレル(14)、引き出されたフィルムを開いて開かれたチューブを形成し、該開かれたチューブをスクリュー運動でマンドレルの上を引きずる手段、該開かれたチューブを螺旋状に切るための固定位置に配置されるナイフ(18)、螺旋状に切断されたフィルムをマンドレルから引き出す手段を含む装置であって、リールから巻きだした後であってマンドレルの上に引きずられるために開かれる前に長さ方向にレイフラットチューブ状フィルムを伸ばすため、およびタンブリング巻出装置とともにタンブリングするために取り付けられる延伸ローラー (107-112, 101 -106)を含み、さらにマンドレルから引き出された後に螺旋状に切断されたフィルム中の延伸ローラーにより与えられた配向を安定化させるための安定化手段を含む、装置。
【請求項12】
該安定化手段がナイフとインラインで提供される、請求項11記載の方法。
【請求項13】
該安定化手段がS−経路を螺旋状に切断されたフィルムに提供するように配置された少なくとも1つの熱ローラー、好ましくは複数の加熱されたローラーを含む、請求項11または12記載の方法。
【請求項14】
該安定化手段が、螺旋状に切断されたフィルムに長さ方向の延伸、好ましくは5から20%の延伸を提供するように配置された、請求項13記載の方法。
【請求項15】
該安定化手段が螺旋状に切断されたフィルムの横方向の延伸のために円形のまたは螺旋状の溝を有する噛合い溝付きローラーを含み、好ましくは溝付きローラーが鋭い端のリッジを有する、請求項11または12記載の方法。
【請求項16】
該タンブリング延伸ローラーが、S−経路でレイフラットフィルムがそれらの間を通過するように配置された、少なくとも1組の滑らかな表面を有するローラー(107−112、101−102、105−106)を含む、請求項11から15のいずれか1項記載の装置。
【請求項17】
該タンブリング延伸ローラーが、それらの間でレイフラットチューブが長さ方向に延伸されるように配置された、軸に平行に伸びる互いにかみ合う溝を有する、一対の歯を有するローラー(103−104)を含む、請求項11から15のいずれか1項記載の装置。
【請求項18】
前記のレイフラットチューブ状フィルムのリール(9)が、巻き出されるレイフラットチューブ状フィルムの長さ方向に伸びる中心線(23)に対して、その軸が垂直になるように巻出スタンド中に取り付けられ、その軸が該中心線の周囲を回転し、巻出し装置をタンブリングするように取り付けられる、請求項11から17のいずれか1項記載の装置。
【請求項19】
前記のレイフラットチューブ状フィルムのリールが、巻き出されるレイフラットチューブ状フィルムの長さ方向に伸びる中心線に対してその軸が並ぶように固定され、タンブリング巻出装置がリールの周りをスピンし、それによりチューブ状フィルムが回転される、請求項11から17のいずれか1項記載の装置。
【請求項20】
リールとタンブリング長さ方向延伸ローラーの間にあるレイフラットチューブ状フィルムに、長さ方向に伸びるプリーツを提供するためのプリーツ提供手段をさらに含む、請求項11から19のいずれか1項記載の装置。
【請求項21】
フィルムのチューブをふくらませるためにマンドレルを通して空気を供給する空気供給手段(13)を含む、請求項11から20のいずれか1項記載の装置。
【請求項22】
所定の直径のフレキシブルなチューブ状のポリマーフィルムを螺旋状に切断して平坦なストリップにするための装置であって、
レイフラット形態のチューブ状フィルムのリールを取り付けるための取り付け手段を備える巻出スタンド、
該リールから平坦なチューブ状フィルムを巻出すための巻出装置、
該巻出装置は所定のタンブリング軸の周囲をタンブリングし、該長さ方向の中心線の周囲を回転するように取り付けられ、それにより該平坦なチューブ状フィルムがリールから巻き出され、その長さ方向の中心線が該所定のタンブリング軸に並ぶようにしてエクスパンジョンゾーンに供給される、
該装置はさらに実質的に円形の断面のフィルムチューブにレイフラットチューブ状フィルムを開くための手段を備えたエクスパンジョンゾーン、
外径がフィルムチューブ直径よりも小さく、該所定のタンブリング軸と同軸であるマンドレル、
スクリュー運動でフィルムチューブをマンドレルの上に引きずる手段、
螺旋状に切断された平坦なフィルムストリップを形成するために所定の角度でチューブのフィルムを切断するための、マンドレルに対して所定の固定された位置に備えられるナイフ、
マンドレルから螺旋状に切断されたフラットフィルムストリップ取り出す手段をさらに含み、
該装置は、リールから巻き出された後であってエクスパンジョンゾーンに達する前に、長さ方向にレイフラットフィルムを伸ばすための延伸ローラーをさらに含み、該延伸ローラーはタンブリング巻出装置に、所定のタンブリング軸の周囲をともにタンブリングするように取り付けられ、
さらにマンドレルから引き出した後に、螺旋状に切断されたフラットフィルムストリップに前述の延伸ローラーにより与えられた配向を安定させる手段をさらに含む、装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2011−529811(P2011−529811A)
【公表日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−521514(P2011−521514)
【出願日】平成21年7月22日(2009.7.22)
【国際出願番号】PCT/EP2009/059429
【国際公開番号】WO2010/015512
【国際公開日】平成22年2月11日(2010.2.11)
【出願人】(507143060)
【Fターム(参考)】