説明

長鎖分枝を有する溶融加工可能なフルオロポリマー、それらの調製法および使用法

本発明の開示は、長鎖分枝を有するフルオロポリマーおよびこれらのフルオロポリマーの作製方法を記載する。これらのフルオロポリマーは、改善された溶融加工特性を有する場合がある。これらのフルオロポリマーを含有する成形物品がまた提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長鎖分枝を有するフルオロポリマーを調製するための方法に関する。こうしたポリマーは、例えば、成形物品へのそれらの押出しまたはコーティングへのそれらの押出しにおいて改善された溶融加工特性を有する場合がある。本発明はまた、これらのフルオロポリマーの作製法、および前記ポリマーを含有する成形物品に関する。
【背景技術】
【0002】
フルオロポリマーは、耐熱性、耐化学性、耐候性、UV安定性などのようなそれらの望ましい特性のために多様な用途に使用されてきた。フルオロポリマーの様々な用途は、例えば「最新のフルオロポリマー(Modern Fluoropolymers)」、ジョン・シェアーズ(John Scheirs)編集、ワイリー・サイエンス(Wiley Science)1997に記載されている。フルオロポリマーは、フッ素化または非フッ素化オレフィンのホモポリマーおよびコポリマーを包含する。
【0003】
フルオロポリマーは、溶融加工可能なおよび非溶融加工可能なポリマーを包含する。例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、およびテトラフルオロエチレン(TFE)とコモノマーの少量(例えば、0.5重量%以下)とのコポリマーは、熱可塑性ポリマーの加工に使用される従来の装置を用いては、それらの高分子量および高溶融粘度(約380℃の融点で約10Pas)のために一般に溶融加工可能でない。溶融加工可能なフルオロポリマーは、様々なフッ素化モノマーならびに/またはフッ素化および非フッ素化モノマーの組み合わせから得られる。調製に使用されるモノマーに依存して、溶融加工可能なフルオロポリマーは、完全フッ素化であってもよいし、部分フッ素化であってもよい。溶融加工可能なポリマーは、成形、射出成形、コーティングまたは押出しのような熱可塑性ポリマーの加工のために典型的に使用される装置を用いて加工され得る。
【0004】
溶融加工可能なフルオロポリマーの押出し速度は、ポリマー溶融物が溶融破壊を経る速さに制限される。これは、ワイヤーおよびケーブル押出し、フィルム押出し、ブローンフィルム押出し、射出成形などのような熱成形加工において重要な場合がある押出しの速度が、溶融破壊が起こる速度(臨界剪断速度として知られる)を超える場合、押出し物品の望ましくない粗面が得られる場合がある。
【0005】
相対的に大きいオリフィスを有する押出しダイを使用し、次いで押出された溶融物を望ましい最終直径に延伸することは、溶融加工可能なフルオロポリマーの加工速度を高める場合がある。本明細書では、溶融延伸は、ダイ開口部の断面積と完成した押出品の断面積との比として計算されるドローダウン比により一般的に特徴付けられる。例えば、最大100程度の高いドローダウン比を得るために、ポリマー溶融物は、十分に高い伸張粘度を呈するべきである。さもなければ、押出成形においてポリマー溶融物のコーンの安定性は不十分であり、頻繁なコーンの破損に加えて、押出し物品の望ましくない直径の変動を結果として生じる。
【0006】
それ故に、より高い剪断速度において溶融加工できおよび高い伸張粘度を有するフルオロポリマーへの継続的要求が存在する。こうしたフルオロポリマーを得るためにまたはより速く加工できるフルオロポリマーを得るために、当該技術分野において様々な試みがなされてきた。
【0007】
当該技術分野における既知の手法は、フルオロポリマーの分子量分布を実質的に広げ、それによって剪断速度を高めることである。しかしながら、臨界剪断速度の上昇は通常、全体的機械特性がより弱くなるという対価を払うことになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
代替的手法は、特別な変性剤分子を使用することによってフルオロポリマーのトポグラフィーを変更して、直鎖状ポリマーではなく分枝状の形成をもたらすというものである。この手法は、例えば、PCT国際公開特許WO2004/094491、PCT国際公開特許WO2006/031316、および米国特許第4,612,357号に記載されている。これらの変性剤は、典型的には、1つ以上のハロゲン、典型的には臭素またはヨウ素を含有するオレフィンであり、臭素またはヨウ素は、ラジカル重合中に鎖から容易に脱離され得る。しかしながら、臭素またはヨウ素含有生成物の形成は、ポリマーを更に安定化するために、後続のプロセス工程を必要とする場合がある。
【0009】
JP 2002/012626では、脂肪族完全フッ素化ジビニルエーテルが、長鎖分枝を生成する変性剤として記載されている。しかしながら、脂肪族ビニルエーテル鎖は、高PH環境に置かれたときに不安定になることが見出されている。そのため、下流プロセスおよびワークアップ処置においては、予防措置を講じる必要がある。更に、脂肪族ジビニルエーテルは、やや高価な原材料であり、プロセス費用の増加をもたらす。
【課題を解決するための手段】
【0010】
良好な熱安定性、良好な溶融加工および機械的特性を有し、ならびに効率的および経済的なプロセスによって調製され得るフルオロポリマーへの要求がなお存在する。代替的変性剤、および非直鎖状フルオロポリマー、即ち長鎖分枝を有するフルオロポリマーを調製するための方法への要求も、なお存在する。望ましくは、フルオロポリマーは不安定ではなく、広範囲の試案手順に耐える。理想的には、変性剤は、フルオロポリマーの中に容易に組み込まれ、および長側鎖を有する分枝状ポリマーの生成において効率的である。望ましくは、フルオロポリマーは、高い剪断速度で溶融加工でき、高い伸張粘度を有する。
【0011】
長鎖分枝および良好なレオロジー特性を有するフルオロポリマーは、ビスオレフィンの変性剤を使用して調製され得ることが現在見出されている。
【0012】
そのため、1つの態様では、少なくとも
(a)1つ以上のフッ素化モノオレフィンモノマーと、
(b)次の一般式:
CR=CF−(CF−O−(CF−CF=CR (I)、
CR=CF−CF−O−Rf−O−CF−CF=CR (II)、または
X−Rf−Y (III)
(式中
XおよびYは、互いに独立し、
C=CR−、RC=CR−O−;RC=CR−CR−O−;であり、
、R、R、R4、およびRは、それぞれ独立し、Rf、F、またはHから選択され、
Rfは、Rfからなる群から選択されるか、直鎖状もしくは分枝状ペルフルオロアルキル、ペルフルオロアルキルエーテル、またはペルフルオロアルキルポリエーテル残基であり、および
Rfは、非フッ素化またはフッ素化もしくは完全フッ素化アリールであり、(オレフィン部分に加えて)アリールは、非置換であってもよいし、次のもの:
− F以外の1つ以上のハロゲン;
− 1つ以上の完全フッ素化アルキル残基;
− 1つ以上の完全フッ素化アルコキシ残基;
− 1つ以上の完全フッ素化ポリオキシアルキル残基;
− 1つ以上のフッ素化、完全フッ素化、もしくは非フッ素化フェニル、またはフェノキシ部分、またはこれらの組み合わせ、(ここで、フェニルまたはフェノキシ残基は、非置換であってもよいし、1つ以上の完全フッ素化アルキル、アルコキシ、もしくはポリオキシアルキル残基、またはF以外の1つ以上のハロゲン、またはこれらの組み合わせで置換されてもよい);で置換されてもよく、
nおよびmがともに0ではないことを条件として、nおよびmは互いに独立して0〜6の整数である)で構成される1つ以上のフッ素化ビスオレフィンモノマーと、から得られる、フルオロポリマーが提供される。
【0013】
別の態様では、フルオロポリマーの作製法が提供され、前記方法は、1つ以上のフッ素化ビスオレフィンの存在下で1つ以上のフッ素化モノオレフィンを重合する工程を含み、前記ビスオレフィンは上記の式(I)、(II)または(III)によって表わされる一般構造を有する。
【0014】
更なる態様では、フルオロポリマーを含有する成形物品が提供され、前記物品は、ブロー成形物品、押出成形物品、および射出成形物品からなる群から選択される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施例2に記載された実験により得られおよび方法の部分に記載されたように測定されたポリマーの角周波数(ω)に対する位相角(δ)のプロットを示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
フッ素化ビスオレフィン
以下に示される一般構造のフッ素化ビスオレフィンは、ポリマー構造中への長鎖分枝の生成に関与することが見出された。こうした分枝は、長鎖分枝または「LCB」として当該技術分野において既知である。長鎖分枝の生成に関与すると考えられているフッ素化ビスオレフィンは、次ではまた「変性剤」とも称される。
【0017】
本明細書で提供されるフッ素化ビスオレフィンは次の一般式のものである
CR=CF−(CF−O−(CF−CF=CR (I)、
CR=CF−CF−O−Rf−O−CF−CF=CR (II)、または
X−Rf−Y (III)。
式(I)および(II)中、R〜Rは、同じであってもまたは異なっていてもよく、F、またはHを表す。
Rfは、直鎖状または分枝状ペルフルオロアルキル、ペルフルオロアルキルエーテル、もしくはペルフルオロアルキルポリエーテル残基からなる群から選択される残基、またはRfに従う残基を表す。
【0018】
Rfは、非フッ素化、フッ素化または完全フッ素化アリールを表す。アリールは、(それが結合する、2つのオレフィン残基とは別に)非置換であってもよいし、またはそれは(2つのオレフィン残基に加えて)置換されていてもよい。好適な置換基は、1つ以上の直鎖状または分枝状の完全フッ素化アルキル、アルコキシ、またはポリオキシアルキル残基、およびこれらの組み合わせであってもよい。他の好適な置換基には、F以外のハロゲン、例えばCl、Br、またはIが挙げられるが、Clが好ましい。
なお、更に好適な置換基には、1つ以上のフッ素化、完全フッ素化または非フッ素化フェニルもしくはフェノキシ残基が挙げられる。フェニルもしくはフェノキシ残基は、非置換であってもよいし、または1つ以上の直鎖状もしくは分枝状完全フッ素化アルキル、アルコキシ、もしくはポリオキシアルキル残基、またはこれらの組み合わせによって置換されていてもよい。更にまたは代替的に、フェニルまたはフェノキシ残基はまた、F以外の1つ以上のハロゲン、例えばCl、Br、またはIによって置換されていてもよいが、Clが好ましい。
nおよびmが、ともに0ではないことを条件として、式(I)中のnおよびmは、互いに独立して0〜6の整数である。
【0019】
式(III)では、XおよびYは、互いに独立し、次の一般構造のオレフィン残基を表す:
C=CR−;RC=CR−O−;またはRC=CR−CR−O−であり、R、R、R、RおよびRはそれぞれ独立し、FまたはHである。
式(III)中のRfは、式(I)または(II)の中においての意味と同じ意味を有する。
【0020】
式(I)に従うビスオレフィンの例には、次のものが挙げられるがこれらに限定されない:
CF=CF−CF−O−CF−CF=CF、CH=CF−CF−O−CF−CF=CF、CH=CF−CF−O−CF−CF=CH
【0021】
式(II)に従うビスオレフィンの例には、次のものが挙げられるがこれらに限定されない:
CF=CF−CF−O−Rf−O−CF−CF=CF、CF=CF−CF−O−Rf−O−CF−CF=CH、CH=CF−CF−O−Rf−O−CF−CF=CH、CF=CF−CF−O−Rf−O−CF−CF=CF、CF=CF−CF−O−Rf−O−CF−CF=CH、CH=CF−CF−O−Rf−O−CF−CF=CH
【0022】
Rfの典型的な例には、次のものが挙げられるがこれらに限定されない:
CF、(CF、(式中、nは2〜8)、CF−O−CF、CF−O−CF−CF、CF(CF)、(CF−O−CF(CF)−CF、CF(CF)−CF−O−CF(CF)、(CF−O−CF(CF)−CF−O−CF(CF)−CF−O−CFなど。
Rfの典型的な例には、フェニル、モノ−、ジ−、トリ−またはテトラフルオロ−フェニル残基でオレフィン残基がオルト、パラまたはメタを介して結合しているものが挙げられるがこれらに限定されない。Rfの他の典型的な例には、フッ素化、完全フッ素化もしくは非フッ素化フェノキシフェニル残基またはフッ素化、非フッ素化もしくは完全フッ素化(1,1−ジトリフルオロメチルベンジル)フェニル残基が挙げられる。これらの残基はまた置換されていてもよい。典型的な置換基には、非フッ素化、フッ素化または完全フッ素化フェニルもしくはフェノキシ残基または完全フッ素化アルキル(例えば、−CF、−CFCF3、などの基)または完全フッ素化アルコキシもしくはポリオキシ基(例えば、−O−CF、−O−CF−CF、またはO−CF−O−CF、などの基)が挙げられる。
【0023】
式(III)に従うビスオレフィンの例には、次のものが挙げられるがこれらに限定されない:
C=CH−Rf−CH=CH、FC=CH−Rf−CH=CF、HC=CH−O−Rf−O−CH=CH、HC=CH−O−Rf−O−CH−CH=CH、FC=CF−Rf−CF=CF、FC=CF−O−Rf−CF=CF、FC=CF−O−Rf−O−CF=CF、FC=CF−CF−O−Rf−O−CF=CF、FC=CF−CF−O−Rf−O−CF−CF=CF、HC=CF−Rf−CF=CF、HC=CH−O−Rf−O−CF−CF=CF、HC=CH−O−Rf−CF=CF、FC=CF−O−Rf−O−CF=CH、HC=CF−CF−O−Rf−O−CF=CF、HC=CF−CF−O−Rf−O−CF−CF=CHなど。
【0024】
Rfの典型的な例は、上記の式(II)に関連してRfについて記載されたものと同じである。好ましくは、Rfは、フェニル、フェノキシフェニル、(1,1,−ジトリフルオロメチルベンジル)フェニルである。
【0025】
フッ素化モノオレフィン
フルオロポリマーの調製のために使用される典型的なモノマーは、フッ素化モノオレフィン、例えば、テトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、フッ化ビニリデン(VDF)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、フッ素化または完全フッ素化アリルエーテル、フッ素化または完全フッ素化ビニルエーテル、例えば、ペルフルオロメチルビニルエーテル(PMVE)、ペルフルオロプロピルビニルエーテル(PPVE−1)もしくはペルフルオロイソプロピルビニルエーテル、またはペルフルオロアルコキシビニルもしくはアリルエーテルまたはペルフルオロポリアルコキシビニルもしくはアリルエーテルである。好適なペルフルオロビニルエーテルの例には、次の式に対応するものが挙げられる:
CF=CF−O−R
(式中、Rは、1つ以上の酸素原子を含有してもよい完全フッ素化脂肪族基を表す。)好適な完全フッ素化ビニルエーテルの他の例は次の式に対応する:
CF=CFO(RO)(RO)
(式中、RおよびRは、1〜6個の炭素原子、特に2〜6個の炭素原子からなる異なる直鎖状または分枝状ペルフルオロアルキレン基であり、mおよびnは、独立して、0〜10であり、Rは、1〜6個の炭素原子からなるペルフルオロアルキル基である。)完全フッ素化ビニルエーテルの具体例には、PMVE、PPVE−1、PPVE−2、ペルフルオロ−3−メトキシ−n−プロピルビニルエーテル、ペルフルオロ−2−メトキシ−エチルビニルエーテルおよび
CF−(CF−O−CF(CF)−CF−O−CF(CF)−CF−O−CF=CFが挙げられる。
【0026】
フッ素化モノオレフィンに加えて、非ハロゲン化オレフィン、例えばエチレン(E)またはプロピレン(P)がフルオロポリマーの調製に使用されてもよい。
【0027】
フルオロポリマー
本発明は、溶融加工可能なフルオロポリマーに関する。フルオロポリマーは、ポリマーの溶融粘度が十分に低く、ポリマーを押出すために使用される従来の押出し装置中でポリマーが加工できる場合には、溶融加工可能であると見なされる。これは、典型的には、加工温度における溶融粘度が10Pas以下、好ましくは10〜10Pasであることを必要とする。典型的な加工温度は、ポリマーの融点または融点より高い温度であり、例えば、約100℃〜約400℃である。
【0028】
溶融加工可能なフルオロポリマーは非晶質であってもよいし、(実質的な)結晶化度を有してもよい。典型的には、結晶質または部分的に結晶質のポリマーは明確な融点を有し、および「フルオロ熱可塑性樹脂(fluorothermoplasts)」として一般に既知である。それらは典型的には、約100℃〜約320℃または約200℃〜約270℃の融点を有する。
【0029】
非晶質のフルオロポリマーは、明確でかつ検出可能な融点を有しない。それらは典型的には、フルオロポリマーを硬化または加硫処理することによりフルオロエラストマーを作製するために使用される。そのため、非晶質ポリマーは、3次元の架橋結合網状組織を形成するように反応できる硬化部位を含有してもよい。典型的な硬化部位は、臭素、ヨウ素またはニトリル残基である。これらの残基は、ぺルオキシド硬化剤と反応してポリマーを架橋する。そのため、臭素、ヨウ素またはニトリル基含有オレフィンモノマーは、(典型的には、全モノマー組成物の1重量%までまたは0.5重量%までの量で)ポリマーの調製に使用されてもよい。エラストマー特性は、一般に硬化後に得られるが、フルオロエラストマーを作製するために使用されるフルオロポリマーは多くの場合また「フルオロエラストマー」とも称される。
【0030】
フルオロポリマーは、完全フッ素化されていてもよいし、部分フッ素化されていてもよい。完全フッ素化ポリマーでは、ポリマー主鎖中のすべての水素原子は、フッ素原子によって置換されているが、しかしながら、カテナリーヘテロ原子、例えばO、S、またはN(好ましくはO)も存在してもよい。部分フッ素化ポリマーでは、ポリマー主鎖中のすべての水素原子がフッ素原子によって置換されているわけではなく、即ちポリマー主鎖は、炭素−水素結合を含有する。また部分フッ素化ポリマーは、カテナリーヘテロ原子、例えばO、S、またはN(好ましくはO)を含有してもよい。フルオロエラストマーは、一般に部分フッ素化されている。
【0031】
本発明に従うフルオロポリマーの例には、TFEとE(エチレン)のコポリマー(ETFE)、TFEとHFPのコポリマー(FEP)、TFE、HFPおよびVDFのコポリマー(THV)、ならびにペルフルオロアルコキシコポリマー(PFA)が挙げられる。他の例には、TFE、EおよびHFP;TFEおよびP(プロピレン);VDFおよびHFP;VDF、HFPおよびE;VDF、HFPおよびPから得られるフルオロポリマーが挙げられる。
【0032】
本発明に関連して、用語「コポリマー」は、列挙されたモノマーから得られる反復単位を含むポリマーを意味するが、明示的に列挙されない他のモノマーから得られる、他の更なる反復単位の選択肢の存在を除外しないことを一般に理解すべきである。それ故に、例えば、用語「AおよびBのコポリマー」は、AおよびBの2元ポリマー、ならびに、例えば、ターポリマーのように、AおよびB以外の更なるモノマーを有するポリマーを包含する。用語「バイポリマー」または「ターポリマー」などは、2元(AおよびB)または3元(A、B、およびC)のモノマー組成物から構築される反復単位の存在に限定されることを理解すべきである。
【0033】
本明細書で提供されるフルオロポリマーは、直鎖状構造を有さず、長鎖分枝を含有する。ポリマー中の長鎖分枝の存在は、様々なレオロジー的実験によって決定され得る。例えば、分枝または非直線性の程度は、長鎖分枝指数(LCBI)によって特徴付けられる。LCBIは、R.N.シュロフ(R.N. Shroff)、H.マヴリディス(H.Mavridis);マクロモレキュールズ(Macromol.)、32、8464〜8464(1999)および;34、7362〜7367(2001)に記載されるように、次の等式に従って決定され得る:
【数1】

【0034】
上記の等式では、分枝フルオロポリマーが溶解され得る溶媒中で、η0,brは、温度Tで測定された分枝フルオロポリマーのゼロ剪断粘度(単位Pas)であり、[η]brは、温度T’における分枝フルオロポリマーの固有粘度(単位ml/g)であり、ならびにaおよびkは定数である。これらの定数は、次の等式から決定される:
【数2】


式中、η0,linおよび[η]linはそれぞれ、対応する直鎖状フルオロポリマーのそれぞれ同じ温度TおよびT’ならびに同じ溶媒中で測定されたゼロ剪断粘度および固有粘度を表す。したがって、当然ながら同じ溶媒および温度が等式1および2において使用されることを条件とする限り、LCBIは選ばれた測定温度および溶媒の選択とは無関係である。フルオロポリマーのLCBIは、例えば、少なくとも約0.1の値を有してもよい。フルオロポリマーのLCBIは、少なくとも約0.2、少なくとも約0.3、または更には少なくとも約0.4であってもよい。LCBIは、約5未満、約2.0未満または約0.1未満であってもよい。一般にLCBIは、約0.1から約5まで、例えば約0.2〜約2.0であってもよい。
【0035】
長鎖分枝の存在を決定するための代替的方法は、臨界緩和係数の計算による。この方法は、特に、不溶性ポリマーに好適である。ウッド−アダムズ(Wood-Adams)ら(マクロモレキュールズ(Macromolecules)2000、33、20号、7489〜7499)によって開示されたように、測定周波数ωに対して位相角δをプロットするとき、長鎖分枝を有するポリマーは、δ(ω)の関数において平坦域または追加的湾曲を呈するが、直鎖状ポリマーは呈しない。ポリマーが直鎖状であるとき、結果として生じるプロットは、単一の湾曲のみを有する(シュタンゲ(Stange)らのマクロモレキュールズ(Macromolecules)2007、40、2409〜2416と比較すると、図6では、位相角は、角周波数(ω)の代わりに剛性率に対してプロットされているが、角周波数(ω)に対して位相角(ω)をプロットするときには同様な湾曲部が得られる)。臨界緩和指数nは、ゲル点における位相角(δc)を90°で除算すること、即ち、n=δc/90°により得られる。ゲル点における位相角(δc)は、長鎖分枝が存在する場合に、δ(ω)−関数が平坦になるかまたは第2湾曲を形成するところ、即ちプロットの1次導関数がその最大値を有するおよび/または2次導関数がゼロを通るところの角度である。長鎖分枝を有するポリマーの関数δ(ω)の代表的なプロットは、図1に示される。ガルシア−フランコ(Garcia-Franco)ら(マクロモレキュールズ(Macromolecules)2001、34、10号、3115〜3117)に従うと、前述のδ(ω)−関数の中の平坦域は、ポリマー中のLCBの量が増加するとき、より低い位相角δへとシフトする。nが1に近づくにつれて、存在する長鎖分枝はより少なくなる。本明細書で開示されるフルオロポリマーについての臨界緩和指数nは、典型的には1未満でありかつ0より大きい。一般に、nは0.3〜0.92であり、好ましくは0.35〜0.85である。
【0036】
フルオロポリマーの用途
フルオロポリマーの典型的な用途には、例えばコーティング用途、例えば屋外用布地のコーティング、ならびに例えばケーブルおよびワイヤー絶縁の絶縁材料としての使用が挙げられる。フルオロポリマーの更なる用途には、管(例えば、燃料管)の作製、フィルムの押出しおよび射出成形物品が挙げられる。そのため、本発明はまた、フルオロポリマーを含有する成形物品、例えばケーブル、ワイヤー、フィルム、ブロー成形物品、射出成形物品およびコーティング物品に関する。
【0037】
フルオロポリマーの調製
本明細書で記載されるフルオロポリマーは、変性剤の存在下でモノマーを重合する工程により得られてもよい。溶媒(スラリー)重合、懸濁重合、マイクロエマルション、超臨界媒体(例えば、CO)中の重合または水性乳化重合が挙げられる既知の重合技術が使用されてもよい。例えば、変性剤またはモノマーのシード重合、予備乳化もまた重合に使用されてもよい。
【0038】
水性乳化重合プロセスに使用するための反応槽は、典型的には、重合反応中に内部圧力に耐えることができる加圧可能な槽である。典型的には、反応槽は機械的攪拌器を包含し、これは反応装置内容物と熱交換システムとの完全な混合を生み出す。フルオロモノマー(類)のいずれの量が反応槽に装填されてもよい。バッチ式、または連続的もしくは半連続的な様式において、モノマーが装填されてもよい。モノマーがケトルに添加される独立した速度は、特定のモノマーの経時的な消費速度に依存する。好ましくは、モノマーの添加速度は、モノマーのポリマーへの変換である、モノマーの消費速度に等しい。
【0039】
水性乳化重合の場合には、水相を提供するために反応ケトルに水が装填されるが、その量は重要ではない。水相には一般にまた、フッ素化界面活性剤、典型的には、テロゲンでないフッ素化界面活性剤が添加される。当然のことながら、フッ素化界面活性剤を添加しない重合方法を用いる方法もまた好適である。使用されるとき、フッ素化界面活性剤は、典型的には、0.01重量%〜1重量%の量で使用される。好適なフッ素化界面活性剤には、水性乳化重合で一般的に用いられるいずれのフッ素化界面活性剤も挙げられる。特に好ましいフッ素化界面活性剤は、次の一般式に対応するものである:
Y−R−Z−M
(式中、Yは水素、ClまたはFを表し;Rは4〜10個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状完全フッ素化アルキレンを表し;ZはCOOまたはSOを表し、およびMはアルカリ金属イオンまたはアンモニウムイオンを表す。)本発明に使用するための特定のフッ素化界面活性剤は、ペルフルオロオクタン酸およびペルフルオロオクタンスルホン酸のアンモニウム塩である。フッ素化界面活性剤の混合物もまた使用することができる。本明細書で記載されるポリマーの調製に使用するためにまた想到されるのは、次の一般式のフッ素化界面活性剤である:
[R−O−L−COO
(式中、Lは、直鎖状の部分フッ素化または完全フッ素化アルキレン基または脂肪族炭化水素基を表わし、Rは、直鎖状の部分フッ素化もしくは完全フッ素化脂肪族基または1つ以上の酸素原子により中断された直鎖状の部分フッ素化または完全フッ素化基を表わし、Xは、価数iを有するカチオンを表し、iは、1、2、および3である。)具体例はUS2007/0015937に記載されている。
【0040】
本明細書に記載されるポリマーの調製に使用するためにまた想到されるのは、EP 1,189,953に記載されるようなフッ素化ポリエーテル界面活性剤である。
連鎖移動剤がまた反応ケトルに装填されてもよい。有用な連鎖移動剤には、エタンのようなC〜C炭化水素、アルコール、エーテル、脂肪族カルボン酸エステルおよびマロン酸エステルを包含するエステル、ケトン、およびハロカーボンが挙げられる。特に有用な連鎖移動剤は、ジアルキルエーテル、例えばジメチルエーテルおよびメチル第3ブチルエーテルである。重合中に連続的または半連続的な方式で、連鎖移動剤の添加もまた行われてよい。例えば、二峰性の分子量分布を有するフルオロポリマーは、連鎖移動剤の初期量の存在下で、フッ素化モノマーを最初に重合し、次いで重合の後の時点で、更なる連鎖移動剤を追加のモノマーと共に添加することにより、都合良く調製される。それ故に、フルオロポリマーは、単峰性、二峰性または多峰性の分子量分布を有してもよい。
重合は、モノマーの初期装填後、反応開始剤または反応開始剤システムを水相に添加することにより、通常開始される。例えば、ペルオキシドはフリーラジカル反応開始剤として使用され得る。ペルオキシド反応開始剤の具体例には、過酸化水素、ジアシルペルオキシド、例えばジアセチルペルオキシド、ジプロピオニルペルオキシド、ジブチリルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、ベンゾイルアセチルペルオキシド、ジグルタル酸ペルオキシド、およびジラウリルペルオキシド、ならびに更なる水溶性過酸およびそれらの水溶性塩、例えばアンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩が挙げられる。過酸の例には過酢酸が挙げられる。過酸のエステルも同様に使用することができ、およびそれらの例には、第3ブチルペルオキシアセテート、および第3ブチルペルオキシピバレートが挙げられる。使用され得る反応開始剤の更なる部類は水溶性アゾ化合物である。反応開始剤として使用するために好適なレドックス系には、例えば、ペルオキソジスルフェートとハイドロジェンスルフィットもしくはジスルフィットとの組み合わせ、チオスルフェートとペルオキソジスルフェートとの組み合わせ、またはペルオキソジスルフェートとヒドラジンとの組み合わせが挙げられる。使用され得る更なる反応開始剤は、過硫酸塩、過マンガン酸またはマンガン酸もしくはマンガン酸類のアンモニウム塩、アルカリ塩、またはアルカリ土類金属塩である。用いられる反応開始剤の量は、重合混合物の全重量に基づく、典型的には0.03〜2重量%、好ましくは0.05〜1重量%である。反応開始剤の全量が重合の開始時に添加されてもよいし、または反応開始剤は重合中に連続的な方式で70〜80%の変換まで重合に添加され得る。また反応開始剤の一部を開始時に添加し、重合中に残りを1回のまたは別の追加分として添加することができる。また、例えば鉄、銅および銀の水溶性塩のような促進剤が添加されてもよい。
【0041】
重合反応の開始中、密閉した反応ケトルおよびその内容物は都合良く反応温度まで予熱される。重合温度は、20℃から、30℃から、または更には40℃からであってもよく、および更には100℃まで、110℃まで、または更には150℃までであってもよい。重合圧力は、例えば、400〜3000kPa(4〜30バール)、特には800〜2000kPa(8〜20バール)の範囲であってもよい。水性乳化重合システムは更に、緩衝剤および錯体形成剤のような助剤を含んでもよい。
【0042】
重合の終わりに得られるポリマー固体の量は、典型的には少なくとも10重量%、または更には少なくとも20重量%、および40重量%まで、および更には45重量%までであり、ならびに結果として生じるフルオロポリマーの平均粒度は、典型的には50nm〜500nmである。
【0043】
変性剤は、分割してまたは連続的な方式で重合槽に、添加されてもよい。変性剤は別々の注入口または保存シリンダーから重合に供給されてもよい。あるいは、重合に変性剤を供給するために、変性剤とモノマーとの混合物が使用されてもよい。後の方法は、変性剤のフルオロポリマー中への改善された均質な混和を提供して、長鎖分枝のより均一な分布をもたらす場合がある。
【0044】
本発明の1つの実施形態では、変性剤および1つ以上の非ハロゲン化オレフィン、例えば、エチレンまたはプロピレンが重合に使用される。この方式で、変性剤のポリマー中への混和が改善される場合がある。典型的には、非ハロゲン化オレフィンは、使用されるモノマーの全量に基づく約20重量%までまたは約30重量%までの量で使用されてもよい。
【0045】
変性剤は、長鎖分枝の所望の度合いを実現する有効量で使用される。変性剤は、重合中に過剰な分枝が発生するのを避けるために、かなり低い濃度で使用されてもよい。フルオロポリマーの分枝の所望の量を生じさせるために、重合中に典型的に使用される変性剤の量は、変性剤の性質および重合条件、例えば反応時間および温度に依存する。変性剤の最適量は、例えば結果として生じるポリマーのレオロジー的特性を決定することにより(例えばLCBIまたは緩和指数として表現され得る、長鎖分枝の度合いを決定することにより)、当業者によって容易に決定され得る。一般に、変性剤の量は、1重量%未満、または0.01%から、または更には0.05%から、および0.25%までまたは更には0.4%までまたは0.8%までであってもよい。パーセンテージは、重合に供給されるモノマーの全重量に基づく重量によるものである。
【0046】
フルオロポリマーの試案手順は、例えば、凝固、アグロメレーション、デカンテーション、限外濾過などのような既知の方法を包含してもよい。フルオロポリマーはまた後処理、例えば後フッ素化、または不安定な末端基を取り除くためのガス状アンモニアを用いる処理を受けてもよい。
【0047】
水性乳化重合の代わりに、他の重合技術が使用されてもよい。例として、溶媒重合が記載される。溶媒(スラリー)重合は、少なくとも1つのフッ素化モノマーをハイドロフルオロカーボン(HFC)溶媒および水を含有する反応装置の中に導入する工程、ならびにモノマーを重合してフルオロポリマーのスラリーを生成する工程を含む。典型的には、10〜1000 1/sの剪断速度が反応中に維持される。一般に、ミキサーを使用する反応装置中では、接線流および軸流の構成成分の両方を与える流れ場が作り上げられる。反応装置攪拌器は、二重惑星ミキサーおよび同軸タービン二重螺旋リボンミキサーから選択されてもよい。同軸ミキサーの場合、二重螺旋リボン攪拌器は、タービン攪拌器の速さよりも遅い速さ(毎分の回転数で測定されるとき)で作動する場合がある。同軸ミキサーの二重螺旋リボン攪拌器およびタービン攪拌器は、タービン攪拌器および二重螺旋リボン攪拌器と反対の回転で作動して、攪拌器の各々から反対向きの溶媒および水の流れパターンを生成してもよい。同軸タービン攪拌器は多段であってもよい。同軸タービン二重螺旋リボンミキサーは、0.90より大きいまたは更には0.99より大きい、二重螺旋リボン攪拌器直径と反応装置内径との比を有してもよい。攪拌システムは、例えば、チャールズ・ロス・アンド・カンパニー(Charles Ross and Company)(ニューヨーク州ハーパーグ(Hauppaugee))から市販される「DPM 10」〜「DPM 750」により例示される種類の二重惑星ミキサー、およびエカト・リュール・ウント・ミッシュテヒニック社(EKATO Ruhr- und Mischtechnik GmbH)(ドイツ、ショップハイム(Schopfheim))から市販される「KOAX 2035」の種類の同軸タービン二重螺旋リボンミキサーを包含してもよい。
【0048】
溶媒スラリープロセスは、フルオロポリマーおよび水を溶媒から分離する工程と、フルオロポリマーを凝集させる工程と、フルオロポリマーを乾燥させる工程と、別のプロセスのために溶媒を再利用する工程とを包含してもよい。水性乳化重合に関して既に記載された成分(変性剤、反応開始剤、連鎖移動剤)および試案工程はまた、溶媒重合においても使用され得る。
【0049】
典型的には、溶媒はハイドロフルオロエーテル(HFE)溶媒であってもよい。HFE溶媒は、50℃〜200℃の沸点を有してもよい。HFE溶媒は、2つ以上の異なるHFEのブレンドであってもよい。存在する水の量は、重合媒体に添加されるモノマーの全重量に基づく、典型的には約1:10〜10:1である。溶媒の量は、重合媒体に添加されるモノマーの全重量に両方とも基づく約1:20〜20:1であってもよい。
【0050】
有用な溶媒には、ROCH(式中、R=C4〜C6)、ROC(式中、R=C4〜C6)、HCF−CF−O−CH3、HCF−CF−O−CH−(CF−XまたはCF−CHF−CF−O−CH−(CF−Xまたは(CFCH−CF−O−CH−(CF−X(式中、X=HまたはFおよびn=1〜6)、HCF−CF−OCH−CF2−CHF−CF、CF−CHF−CF−OCH−CF−CHF−CF、(CFCF−CF(OCH)−CHF−CF、(CFCHF−CF−O−CH−CF−CHF−CF、(CFCF−CHF−CF(OCH)−CF、CO−CF−CFH、CO−CF−CHF−CF、CO−CF−CH(CF、R−CH−O−CFH、(式中、Rは、直鎖状の部分フッ素化アルキル基、1つ以上の酸素原子により中断された直鎖状の部分フッ素化アルキル基、分枝状の部分フッ素化アルキル基、1つ以上の酸素原子により中断された分枝状の部分フッ素化アルキル基、および完全フッ素化アルケニル基)から選択され、(CFCH−CF−O−CH、(CFC=CF−O−CH、CFCFCFO[CF(CF)CFO]CFHCF、CHOCFCFHCF、CF(CFCFH(CFCF、CF(CFCH(CFCF、CF(CFCFHCH(CFCF、1,1,2,2−テトラフルオロシクロブタン、1−トリフルオロメチル−1,2,2−トリフルオロシクロブタン、1,2−ビス(ペルフルオロ−n−ブチル)エチレンおよび2,2−ビス(トリフルオロメチル)−1,3−ジオキソラン(式中、qは0〜3であり;zは2〜約10の整数であり;xは0または1〜約8の整数であり;およびyは独立して0または1〜約8の整数)が挙げられるがこれらに限定されない。更に、HFCは、X−(CF−H(式中、n=2〜14およびX=HまたはF、CF−(CF−H(式中、n=2〜14)、R−(CH−CF−X(式中、n=1〜4およびX=H)、ならびにR−(CHF−CF−X、(式中、n=1〜4およびX=FまたはH)を含む。好ましいのは、それらの低オゾン破壊可能性のためにHFEである。更に、液体または液化モノマー、例えば、HFP、VDF、ビニル/アリルエーテル、例えば、CF=CF−O−R、CF=CF−O−R−SO−FまたはCF=CF−O−R−COOCHが反応媒体として使用され得る。ポリエーテルHFEにはまた、RO(CFCFCFOCHFCF(式中、n=0〜4およびRはペルフルオロアルキル);CFCHFO(CFOCHFCF(式中、n=1〜6);HCF(OCFOCFH(式中、n=1〜6);ならびにHCF(OCFCFOCFH、(式中、n=1〜6)を挙げてもよい。
これらの溶媒は米国特許第2,409,274号および米国化学会誌(J. Am. Chem. Soc.)73、1785((1958)に開示されるように、オレフィン例えばTFEまたはHFPと適切なアルコールを塩基性条件下で反応させることにより容易に調製され得る。例えば、R−CHO−CFHは、例えば、フッ素化学誌(J. of Fluorine Chem.)、127、(2006)、400〜404に記載されるように、対応するアルコールとR22との反応により得られる。フッ素化エーテルを結果として生じる、部分フッ素化アルコールとフッ素化オレフィンとの反応は、グリーン化学(Green Chemistry)4、60(2002)に記載されている。ペルフルオロイソブテンまたは2量体HFPのような分枝状フルオロオレフィンも同様に、塩基性条件下でアルコールを使用して、部分フッ素化エーテルに変換され得る。こうした反応は、ロシアン・ケミカル・レビュー(Russian Chem. Rev.)53、256(1984)、英語版(Engl. Ed.)、および日本化学会会報(Bull. Chem. Soc. Jap.)54、1151(1981)に明示されている。
HFEは、対応するケトンまたは酸フッ化物から、例えば、PCT国際公開特許WO/9937598、米国特許第6,046,368号、またはフッ素化学誌(J. Fluorine Chem.)126、1578(2006)に記載される方法を使用して作製されてもよい。
1または2個の−OCHFCF基を担持するテトラフルオロエチルエーテルは、アンゲヴァンテ・ケミー・インターナショナル・エディション(英)(Angwandte Chemie Int. Ed. Engl.)24、161(1985)に開示されるように、HFPOオリゴマー、またはケトンもしくは酸フッ化物へのHFPO付加生成物に基づいて作製され得る。
HCFO(CFOCFH(式中、nは1または2)の合成が、EP 879839に開示されている。1つ以上の−O−CFH基(類)を担持する他のフッ素化エーテルが、フッ素化学誌(J. Fluorine Chem.)127、400(2005)に従って、塩基存在下でのフッ素化アルコールとCFClH(R22)との反応により作製される。
プロトン供与体存在下での一級カルボン酸の脱炭酸は、米国化学会誌(J.Am.Chem.Soc.)75、4525(1953)に示されるように、CFH基の形成を結果として生じる。この反応により、フッ素化エーテル、ならびに−CFH基を担持するフルオロアルカンが創出される。
テトラフルオロシクロブタンおよび置換された部分フッ素化シクロブタンは、PCT国際公開特許WO/0075092に従って合成される。
2,2−ビス(トリフルオロメチル)−1,3−ジオキソランは、フッ素化学誌(J. Fluorine Chem.)9、359(1977)に記載される方法によって作製され得る。
部分フッ素化アルカンは、フッ素化アルキルヨウ化物と、例えば、フッ化ビニリデンとのテロマー化(マクロモレキュールズ(Macromolecules)38、10353(2005))、およびヨウ素原子の置換または更なる反応によって得られる。
【0051】
プロセス中で使用される溶媒は、1以上の機能を実行することができる。それらは、モノマーもしくはフリーラジカル供給源(即ち、重合反応開始剤)または変性剤のような構成成分の1つ以上のための溶媒として使用されてもよいが、それは、こうした成分を溶液として添加することはより都合良くおよび/または正確な場合があり、ならびに用いられる反応媒体構成成分(例えば、反応開始剤、連鎖移動剤、およびコモノマー)の良好な分散を大いに促進する場合があるためである。溶媒はまた、プロセスにおいて作製されるポリマーのための溶媒または膨張剤として機能する場合がある。更に、超臨界モノマー、またはHFPもしくはCHFのような物質を含む超臨界流体を包含する混合物も使用され得る。
【0052】
重合温度は、使用される反応開始剤に主に依存して、0℃から150℃まで、または更には20℃〜100℃であり得る。重合圧力は通常、200kPa(2バール)から30000kPa(300バール)まで、または500〜6000kPa(5〜60バール)である。重合は、バッチプロセスとして、ならびに連続的に実行され得る。
【0053】
溶媒は、蒸留または蒸発によって取り除かれてもよい。蒸発または蒸留中に、攪拌と熱の連続した適用により、フルオロポリマーのアグロメレーションが生じる場合がある。典型的には、自由に流れる扱いやすい凝集体が得られる。
【0054】
実施例
溶融ピーク:
フッ素樹脂の溶融ピークは、ASTM 4591に従い、パーキン−エルマー(Perkin-Elmer)DSC 7.0を用いて、窒素を流しながらおよび10℃/分の加熱速度で決定された。示された融点は、溶融ピーク最大値に合致している。
【0055】
粒度測定:
ラテックス粒度測定が、ISO/DIS 13321に従い、マルバーン・ゼータザイザー(Malvern Zetazizer)1000 HSAによる動的光散乱を用いて実施された。報告された平均粒度は、z−平均である。測定前に、重合から得られたポリマーラテックスは、0.001mol/LのKCL溶液により希釈された。すべての場合において、測定温度は20℃であった。
【0056】
溶液粘度
希釈されたポリマー溶液の溶液粘度が、DIN 53726に従い、35℃でメチルエチルケトン(MEK)中の0.16%ポリマー溶液について測定された。ISO/DIS 3105およびASTM D 2515を満たすキャノン・フェンスケ・ルーチン粘度計(Connon-Fenske-Routine-Viskosimeter)(Fa.ショット(Fa. Schott)、マインツ(Mainz)/ドイツ)が測定のために使用され、ハーゲンバッハ(Hagenbach)補正が適用された。そのようにして得られた減少した粘度ηred.は固有粘度[η]に、ハギンズ(Huggins)の等式(ηred.=[η]+kHx[η]×c)を使用して変換され、およびハギンズ(Huggins)定数のk=0.34であった。
【0057】
LCBI:
長鎖分枝指数LCBIが、本明細書で記載されたように、溶液粘度からの[η]および以下に記載される溶融レオロジー調査からのηを使用して計算された。溶融加工可能ポリマー組成物中に使用されてもよいフルオロポリマーのいくつかについて、試験条件と共にaおよびkの値が、次の表中に説明される:
【表1】

【0058】
上記の表において、ポリマー中のモノマー単位のインデックスは、モル%によるそれぞれの単位の量を示しており、および試験条件は次のようである:
A:265℃での剪断粘度および35℃でのメチルエチルケトン中の固有粘度
B:230℃での剪断粘度および23℃でのジメチルホルムアミド中の固有粘度
C:230℃での剪断粘度および110℃でのジメチルホルムアミド中の固有粘度
【0059】
フルオロポリマー溶融物のレオロジーデータ:
周波数掃引実験において振動剪断流測定を実行しおよび溶融フルオロポリマーの位相角または粘度を記録するために、200gまでのフォース範囲を有する、2KFRT 200フォースリバランストランスデューサー(ドイツ、ライヒェルスハイム(Reichelsheim)のレオサービス(RheoService)より供給される)装備、レオメトリック/サイエンティフィック/TAインスツルメンツ(Rheometric Scientific/TA Instuments)(ドイツ、アルツェナウ(Alzenau))のひずみ制御ARESレオメーター(アドバンスト・レオロジカル・エクスパンションシステム(Advanced Rheological Expansion System);3ARES−13;ファームウェアバージョン4.04.00)が使用された。周波数掃引実験において、動的機械データが、窒素雰囲気中で、25mm直径の平行プレート形状を有する回転プレートを使用して記録された。特に記述がない限り、測定中は265℃の温度が適用された(ポリマーが、265℃より高い溶融温度を有する場合、測定は、ポリマーがその溶融形態にある温度で行われ得る)。
オーブンの熱制御は、サンプル/ツール熱素子を使用して操作された。1から20%に典型的に上昇するひずみが適用された。
【0060】
Pasで報告されるゼロ剪断粘度ηが、オーケストレーター・ソフトウェア(Orchestrator software)(バージョン7.0.8.13)により提供された4パラメータのキャロー(Carreau)フィット関数を使用して、粘度関数η(ω)(溶融物の粘度対回転プレートに適用された角周波数)から外挿された。
【0061】
臨界緩和係数は、位相角(第1回転プレートに適用された角周波数(ω)(プレートが回転する周波数)に対して回転プレートを使用して掃引実験で得られたδ)をプロットすることにより決定された。臨界緩和指数nは、ゲル点における位相角(δc)を90°で除算すること、即ち、n=δc/90°により得られる。
ゲル点における位相角(δc)は、プロットの1次導関数δ(ω)がその最大値を有するおよび/または2次導関数がゼロを通るところの角度である。
2mmの厚さおよび23mmの直径を有する焼結サンプルがこれらの測定のために使用された。焼結は、170℃の温度でホットプレス中で行われた。サンプルは、500秒以内に170℃まで加熱され、5500kPa(55バール)の圧力下で300秒間保持され200秒以内に冷却された。
【0062】
溶融物流動指数:
g/10分で報告される、溶融物流動指数(MFI)が、DIN EN ISO 1133に従って5.0kgの支持重量において測定された。MFIは、2.1mm直径および8.0mmの長さの標準化押出しダイを用いて得られた。特に記述のない限り、265℃の温度が適用された。
【0063】
次の実施例は本発明のより良い理解を助けるために提供される。これらの実施例は本発明のすべての実施形態を網羅的に収集したものとして解釈されるべきではなく、本発明の範囲を限定するものとしていたずらに解釈されるべきではない。
【0064】
(実施例1)
次の実施例では、長鎖分枝状TFE39/HFP11/VDF50フルオロポリマーが、変性剤としてジビニルベンゼンを使用して生成された。
【0065】
羽根車攪拌器システムを装備した、48.5Lの全体積を有する、酸素を含まない重合ケトルは、脱イオン水28.0L、シュウ酸2g、シュウ酸アンモニウム12gおよびペルフルオロオクタノエートアンモニウム塩の30重量%水溶液の252gを装填され、次いで60℃まで加熱された。攪拌システムは、240rpmに設定された。ケトルは更に、200kPa(2.0バール)の絶対圧までエタンを装填され、その後ヘキサフルオロプロピレン(HFP)1000gを絶対圧850kPa(8.5バール)まで、その後フッ化ビニリデン(VDF)240gを絶対圧1290kPa(12.9バール)まで、その後テトラフルオロエチレン(TFE)410gを絶対圧1680kPa(16.8バール)の反応圧力まで装填された。重合は、0.5%過マンガン酸カリウム(KMnO)水溶液65mLの添加により開始された。KMnO溶液の連続的供給が、144mL/hの供給速度で維持された。反応が開始したとき、反応温度は60℃に保たれ、TFE、VDF、およびHFPを気相に、0.423のHFP(kg)/TFE(kg)の供給比および0.820のVDF(kg)/TFE(kg)の供給比で供給することにより絶対圧1680kPa(16.8バール)の反応圧力が維持された。
ジビニルベンゼンの6g(46mmol)がまた、重合の過程中にケトルの中に供給された。使用前に、フルカ/リーデル・デ・ハーン(FLUKA/Riedel-deHaen)から市販される工業銘柄ジビニルベンゼン(約80%、GCによる)が蒸留により精製され、第3ブタノール(フルカ/リーデル・デ・ハーン(FLUKA/Riedel-deHaen)から入手可能)16g中に溶解され、加熱された(35℃)ガラス管中に保存された。ジビニルベンゼン/第3ブタノール溶液を供給するためのラインもまた、第3ブタノールの結晶化を避けるために35℃に加熱された。338分後、TFEの3510gが供給され、モノマーのバルブが閉じられた。7分後、ケトル中の圧力は1400kPa(14.0バール)まで下がった。次にケトルは通気され、3サイクルにおいて、Nで洗い流された。結果として生じたポリマー分散体は21.3重量%の固体含有量を有した。ラテックス粒子は、78nmの平均直径を有した(動的光散乱により決定された)。分散体の1000mLは、DOWEX 650Cカチオン交換樹脂(ダウ・ケミカル社(Dow Chemical Co.))を含有するガラスカラム(40cm長さ×30mm直径)を通され、一晩冷凍庫室中で−18℃で凍結凝固された。解凍後、そのようにして得られた凝集体は、強攪拌下で脱イオン水により5回洗浄され、次いで12時間130℃のオーブン中で乾燥された。そのようにして得られたポリマー凝集体の物理的特徴は以下に示される:
【表2】

【0066】
(実施例2)
次の実施例では、長鎖分枝状HFP/VDFフルオロポリマーが、変性剤として完全フッ素化ジアリルエーテルを使用して生成された。
【0067】
実施例1の同じ酸素を含まない重合ケトルが、29.0Lの脱イオン水を装填され、70℃まで加熱された。攪拌システムは、240rpmに設定され、ケトルは、ジメチルエーテル(MeO)3.5gを装填され、ならびにヘキサフルオロプロピレン(HFP)1000gを絶対圧800kPa(8.0バール)まで、およびフッ化ビニリデン(VDF)440gを絶対圧1550kPa(15.5バール)の反応圧力まで装填された。次には、FC=CF−CF−O−(CF−O−CF−CF=CF(ロシア、サンクト・ペテルスブルク(St. Petersburg)のアンレス(ANLES)から入手可能)の25gがHFP保存シリンダーに装填され、乱流条件下でHFP5,300gの中に分散された。次に、120mLの水中に溶解されたペルオキソ二硫酸アンモニウム(APS)の40gを添加することにより、重合が開始された。反応が開始したとき、反応温度は維持され、絶対圧1550kPa(15.5バール)の反応圧力もまた、VDFおよびHFPを気相に、0.653のHFP(kg)/VDF(kg)の供給比で供給することにより維持された。220分後、VDF 8,122gの全供給が達成されたとき、モノマーの供給は、モノマーバルブを閉じることにより中断された。10分以内に、モノマー気相は反応して、820kPa(8.2バール)の槽圧力に下がった。次に、反応装置は通気され、3サイクルにおいて、Nで洗い流された。このようにして得られたポリマー分散体42.5kgは、32.6%の固体含有量を有し、ラテックス粒子は、動的光散乱に従って、直径357nmであった。ポリマー分散体の1.0Lは、一晩冷凍庫室中で凍結凝固された。解凍後、得られたスポンジ様の粗ポリマーである物質は、脱塩水により5回洗浄され、12時間130℃のオーブン中で乾燥された。ポリマーは半透明であり、変退色のいずれの徴候も示さなかった。
このサンプルから得られた、角周波数(ω)に対する位相角(δ)のプロットが、図1に示されている。
実施例2のLCB−フルオロポリマーの物理的特徴は、以下に示されている:
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも
(a)1つ以上のフッ素化モノオレフィンモノマーと、
(b)次の一般式:
CR=CF−(CF−O−(CF−CF=CR (I)、
CR=CF−CF−O−Rf−O−CF−CF=CR (II)、または
X−Rf−Y (III)
(式中
XおよびYは、互いに独立し、
C=CR−、RC=CR−O−;RC=CR−CR−O−;
であり、
、R、R、R、およびRは、それぞれ独立し、Rf、F、またはHから選択され、
Rfは、Rfからなる群から選択されるか、直鎖状もしくは分枝状ペルフルオロアルキル、ペルフルオロアルキルエーテル、またはペルフルオロアルキルポリエーテル残基であり、および
Rfは、非フッ素化またはフッ素化もしくは完全フッ素化アリールであり、(オレフィン部分に加えて)アリールは、非置換であってもよいし、次のもの:
F以外の1つ以上のハロゲン;
1つ以上の完全フッ素化アルキル残基;
1つ以上の完全フッ素化アルコキシ残基;
1つ以上の完全フッ素化ポリオキシアルキル残基;
1つ以上のフッ素化、完全フッ素化、もしくは非フッ素化フェニル、またはフェノキシ部分、またはこれらの組み合わせ(ここで、前記フェニルまたはフェノキシ残基は、非置換であってもよいし、1つ以上の完全フッ素化アルキル、アルコキシもしくはポリオキシアルキル残基、またはF以外の1つ以上のハロゲン、またはこれらの組み合わせで置換されてもよい);
で置換されてもよく、
nおよびmがともに0ではないことを条件として、nおよびmは互いに独立して0〜6の整数である)
で構成される1つ以上のフッ素化ビスオレフィンモノマーと、
から得られる、フルオロポリマー。
【請求項2】
約0.1〜約5の長鎖分枝指数(LCBI)を有する、請求項1に記載のフルオロポリマー。
【請求項3】
少なくとも、エチレン、プロピレン、またはこれらの組み合わせからなる群から選択される非ハロゲン化オレフィンモノマーから更に得られる、請求項1または2に記載のフルオロポリマー。
【請求項4】
非晶質である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のフルオロポリマー。
【請求項5】
約100℃より高くかつ約320℃未満の融点を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のフルオロポリマー。
【請求項6】
モノマー全量に基づく約0.8重量%までの前記ビスオレフィンモノマーから得られる、請求項1〜5のいずれか一項に記載のフルオロポリマー。
【請求項7】
モノマー全量に基づく約0.8重量%までの前記ビスオレフィンと、
エチレン、プロピレン、またはこれらの組み合わせからなる群から選択される約30.0重量%までの非ハロゲン化オレフィンとから得られる、請求項1〜6のいずれか一項に記載のフルオロポリマー。
【請求項8】
265℃の温度で溶融物の形態であり、265℃の温度で測定された約0.3〜0.92の臨界緩和係数を有する、請求項1に記載のフルオロポリマー。
【請求項9】
372℃の温度で溶融物の形態であり、372℃の温度で測定された約0.3〜約0.92の臨界緩和係数を有する、請求項1に記載のフルオロポリマー。
【請求項10】
フルオロポリマーを調製するための方法であって、
式(I)、(II)、および/または(III)に従う1つ以上のフッ素化ビスオレフィンモノマーの存在下で1つ以上のフッ素化モノオレフィンモノマーを重合する工程を含む、方法。
【請求項11】
モノマー全量に基づく、エチレン、プロピレン、またはこれらの組み合わせからなる群から選択される約10重量%までの非ハロゲン化オレフィンモノマーの存在下で、前記1つ以上のフッ素化モノオレフィンモノマーが重合される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記1つ以上のフッ素化ビスオレフィンモノマーが、モノマー全量に基づく約0.8重量%までの量で存在する、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
請求項1〜9のいずれか一項に記載のフルオロポリマーを含有する物品であって、押出成形物品、ブロー成形物品、または射出成形物品からなる群から選択される、物品。

【図1】
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【公表番号】特表2010−526908(P2010−526908A)
【公表日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−507519(P2010−507519)
【出願日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際出願番号】PCT/US2008/061424
【国際公開番号】WO2008/140914
【国際公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】