閉磁路コイルおよびその製造方法
【課題】 低背で大電流に対応可能で、低価格の閉磁路コイルおよびその製造方法を提供すること。
【解決手段】 複合磁性材料と予め巻線された空芯コイルとを共に型1又は外郭ケースに注入し、トロイダル形状、楕円形状、又は四角形状のコアに、磁性粉末と非磁性樹脂とを混合した前記複合磁性材料からなる巻線コイルとで構成される閉磁路コイルにおいて、前記複合磁性材料を100vol%とした時に、前記磁性粉末を60vol%以上から83vol%以下の範囲で混合し、キュアして形成された閉磁路コイルにすること。
【解決手段】 複合磁性材料と予め巻線された空芯コイルとを共に型1又は外郭ケースに注入し、トロイダル形状、楕円形状、又は四角形状のコアに、磁性粉末と非磁性樹脂とを混合した前記複合磁性材料からなる巻線コイルとで構成される閉磁路コイルにおいて、前記複合磁性材料を100vol%とした時に、前記磁性粉末を60vol%以上から83vol%以下の範囲で混合し、キュアして形成された閉磁路コイルにすること。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、民生用や産業用電子機器等に使用される閉磁路コイルおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
民生用や産業用電子機器等に使用される閉磁路コイルに用いられるコアの形状は、トロイダル形状やロの字形状が一般的である。トロイダルのコア形状の場合は、手動巻線が主流で、ロの字コア形状の場合は、半自動巻線が主流である。どちらのコア形状でも自動巻線できる自動巻線機が存在する。しかし、加工スピードが遅く、自動巻線可能な線径に制約があるという生産技術上の問題点があった。
【0003】
また、コアがトロイダル形状の巻線の場合には、塗装等を施したコアへ直接巻線を施し、コアがロの字形状の巻線の場合には、円筒形歯車ボビンを用いて巻線を施すのが一般的である。従来の巻線法では、コア形状、強度、ボビンの形状に依存して製造工程が大幅に変動するので、大電流定格に対応した小型化の閉磁路コイルの製造は非常に困難になるという製造上の問題点があった。更に、このような巻線の場合は、閉磁路コイル製造工程の中で、巻線工程が最も製造時間が長いので、加工費が増大し、コストに制約があるという問題点があった。
【0004】
ところで、強磁性金属粉末と強磁性金属粉末を被覆する絶縁材であるシリコーン樹脂を、強磁性金属粉末に対して、1.0〜6.0wt%含む圧粉体から構成され、シリコーン樹脂が有機チタンモノマーにより架橋された磁心が、特許文献1に開示されている。
【0005】
特許文献1では、絶縁体としてシリコーン樹脂を用い、シリコーン樹脂の架橋剤として有機チタンモノマーを用い、強磁性金属粉末と混合した後の乾燥工程の乾燥温度を特定することで、強度および耐電圧性に優れた磁心を作製している。
【0006】
【特許文献1】特開2005−268685号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した特許文献1では、シリコーン樹脂の架橋剤として有機チタンモノマーを用い、かつ強磁性金属粉末と混合した後の乾燥工程の乾燥温度を特定し、乾燥した混合物にコイルを配置した後に加圧成形することで、強度及び耐電圧性に優れた磁心を得ているので、乾燥工程以降の工程が複雑で、工程削減によるコスト削減に制約があるという問題点があった。
【0008】
本発明は、上述した問題点を解決すべくなされたもので、その技術課題は、低背で大電流に対応可能で、低価格の閉磁路コイルおよびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための第1の発明は、磁性粉末と非磁性樹脂とを混合した複合磁性材料からなるコアと巻線コイルとで構成される閉磁路コイルにおいて、前記コアは、前記複合磁性材料を100vol%とした時に、非磁性樹脂に対して、前記磁性粉末を60vol%以上から83vol%以下の範囲で混合し、キュアして形成された閉磁路コイルである。
【0010】
上記目的を達成するための第2の発明は、予め巻線された空芯コイルと前記複合磁性材料とを共に型又は外郭ケースに注入し、キュアして形成された閉磁路コイルである。
【0011】
上記目的を達成するための第3の発明は、前記閉磁路コイルの形状が、トロイダル形状、楕円形状、又は四角形状にした閉磁路コイルである。
【0012】
上記目的を達成するための第4の発明は、磁性粉末と非磁性樹脂とを混合した複合磁性材料からなるコアと巻線コイルとで構成した閉磁路コイルの製造方法において、前記コイルは、前記複合磁性材料を100vol%とした時に、非磁性樹脂に対して、前記磁性粉末を60vol%以上から83vol%以下の範囲で混合し、キュアして形成する工程を含む閉磁路コイルの製造方法である。
【0013】
上記目的を達成するための第5の発明は、予め巻線された空芯コイルと前記複合磁性材料とを共に型又は外郭ケースに注入し、キュアして形成する工程を含む閉磁路コイルの製造方法である。
【0014】
上記目的を達成するための第6の発明は、前記コアをトロイダル形状、楕円形状、又は四角形状にした型又は外郭ケースに注入し、キュアして形成する工程を含む閉磁路コイルの製造方法である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、磁性粉末と非磁性樹脂とを混合した複合磁性材料からなるコアと巻線コイルとで構成される閉磁路コイルにおいて、前記コアは、前記複合磁性材料を100vol%とした時に、非磁性樹脂に対して、前記磁性粉末を60vol%以上から83vol%以下の範囲で混合し、キュアして形成される複合磁性材料と予め巻線された空芯コイルとを共に型又は外郭ケースに注入し、トロイダル形状、楕円形状、又は四角形状のコアにキュアして形成された閉磁路コイルにすることで、加圧成形を必要としない複合磁性材料の形態を実現し、乾燥工程以降の工程を単純化(加圧成形工程不要で、比較的低温のキュア工程)し、自由な形状に容易に設計できるので、低背で大電流に対応可能な、低価格の閉磁路コイルの提供が可能になる。
【0016】
また、磁性粉末と非磁性樹脂とを混合した複合磁性材料からなるコアと巻線コイルで構成した閉磁路コイルの製造方法において、前記コアは、前記複合磁性材料を100vol%とした時に、前記磁性粉末を60vol%以上から83vol%以下の範囲で混合し、キュアして形成する複合磁性材料と予め巻線された空芯コイルとを共にトロイダル形状、楕円形状、又は四角形状にした型又は外郭ケースに注入し、キュアして形成する工程を含む閉磁路コイルの製造方法により、加圧成形を必要としない複合磁性材料の形態の製造方法を実現し、乾燥工程以降の工程を単純化(加圧成形工程不要で、比較的低温のキュア工程)し、自由な形状に容易に設計が可能な閉磁路コイルの製造方法が得られる。
【0017】
その結果、低背で大電流に対応可能で、低価格の閉磁路コイルおよびその製造方法の提供が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明を実施するための最良の形態に係る閉磁路コイルおよびその製造方法を以下に図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の閉磁路コイルを製造するためのトロイダル形状にした型又は外郭ケースの外観を示す平面図である。図2は、本発明の閉磁路コイルを製造するためのトロイダル形状にした型又は外郭ケースの外観を示す側面図である。図3は、本発明の閉磁路コイルを製造するための楕円形状にした型又は外郭ケースの外観を示す平面図である。図4は、本発明の閉磁路コイルを製造するための楕円形状にした型又は外郭ケースの外観を示す側面図である。図5は、本発明の閉磁路コイルを製造するための四形状にした型又は外郭ケースの外観を示す平面図である。図6は、本発明の閉磁路コイルを製造するための四形状にした型又は外郭ケースの外観を示す側面図である。図7は、本発明の閉磁路コイルにおける空芯コイルの外観を示す図で、図7(a)はトロイダル形状の空芯コイルの側面図で、図7(b)はトロイダル形状の空芯コイルの平面図で、図7(c)は四角形状の空芯コイルの側面図で、図7(d)は四角形状の空芯コイルの上面図である。図8は、空芯コイルを巻線する巻線機を示す外観斜視図である。図9は、本発明の閉磁路コイルの平面図である。図10は、図9の本発明の閉磁路コイルにおける右側面図である。図11は、図9の本発明の閉磁路コイルにおける断面図である。図12は、本発明の閉磁路コイルの磁性粉末の含有率(vol%)と透磁率(μ)の相関を示すグラフである。
【0020】
本発明を実施するための最良の形態に係る閉磁路コイルおよびその製造方法では、磁性粉末と非磁性樹脂とを混合した複合磁性材料で、前記複合磁性材料を100vol%とした時に、非磁性樹脂に対して、前記磁性粉末を60vol%以上から83vol%以下の範囲で混合し、キュアして形成される複合磁性材料から構成される。本発明の複合磁性材料を構成する磁性粉末としては、Fe、Fe−Ni−Mo(スーパーマロイ)、Fe−Al−Si(センダスト)、Fe−Co、Fe−Si、Fe−P等が用いられる。本発明を実施するための最良の形態に係る閉磁路コイルに好適な磁性粉末の材質は必要な磁気特性に応じて適切な材質を選択すれば良い。低背で、大電流に対応可能で、低価格の本発明の閉磁路コイルには、飽和磁束密度が高く、かつ保磁力の小さいFe−Si系合金であるSi6.5wt%−残部Fe合金が好適である。磁性粉末を構成する粒子の形状は特に制限がないが、高磁界までインダクタンスを大きく保つには、球状の粉末もしくは楕円状の粉末が好適である。
【0021】
磁性粉末は、必要な組成のインゴットを振動ミル等で粗粉砕し、この粗粉砕粉をボールミル等の粉砕機で粉砕して作製する。なお、ガスアトマイズ法、回転ディスク法、水平アトマイズ法等により磁性粉末を作製できる。磁性粉末は、150μm以上の平均粒径を有するのが好適である。200μmを超えると透磁率は増大するものの、コアロスが大きくなり、発熱、効率に影響が出てくる。
【0022】
本発明を実施するための最良の形態における閉磁路コイルの磁性粉末は、Siを6.5wt%、残部Feからなる磁性粉末を77.0vol%と非磁性樹脂であるエポキシ樹脂23.0vol%とをあわせて100vol%になるように秤量する。非磁性樹脂であるエポキシ樹脂は、2液硬化タイプのものを架橋剤として用いる。図12に示すように、磁性粉末が83.1〜100vol%でエポキシ樹脂0〜16.9vol%で、あわせて100vol%にした複合磁性材料では、流動性がなく、十分な混合分散ができないために、ペースト化が困難であった。また、磁性粉末が、50vol%以下で、エポキシ樹脂50vol%以下にして、あわせて100vol%にした複合磁性材料では、必要な周波数での磁心コアの透磁率μが4程度と小さいので、製品化が困難になる。また、磁性粉末が、75vol%未満では、沈降防止用に新たな添加剤を添加して、沈降を防止する必要がある。本発明を実施するための最良の形態における閉磁路コイルの磁性粉末は、Siを6.5wt%、残部Feからなる磁性粉末を60.0以上で83.0vol%以下で、非磁性樹脂であるエポキシ樹脂17.0vol%以上で40.0vol%以下にして、あわせて100vol%にした複合磁性材料では、必要な周波数での磁心コアの透磁率μが高く、ペースト化が容易である。なお、磁性粉末の含有率(vol%)は、磁性粉末と非磁性樹脂とを合わせて100vol%とした時の磁性粉末の割合を示す。
【0023】
なお、本発明の複合磁性材料を構成する磁性粉末は、Fe、Fe−Ni−Mo(スーパーマロイ)、Fe−Al−Si(センダスト)、Fe−Co、Fe−Si、Fe−P等においても、その組成に依存しないで、同様の効果を奏する。本発明では、磁性粉末として(Fe、Fe−Ni−Mo(スーパーマロイ)、Fe−Al−Si(センダスト)、Fe−Co、Fe−Si、Fe−P等)60.0vol%以上で83.0vol%以下で、非磁性樹脂であるエポキシ樹脂を17.0vol%以上で40.0vol%以下にして、あわせて100vol%にした複合磁性材料の組成を規定している。
【0024】
Siを6.5wt%、残部Feからなる磁性粉末を60.0vol%以上で83.0vol%以下で、非磁性樹脂であるエポキシ樹脂を17.0vol%以上で40.0vol%以下にして、あわせて100vol%にした複合磁性材料を秤量した後に、プロペラ式の攪拌機により室温で混合する。本発明では、プロペラ式の攪拌機を用いているが、攪拌機は十分混合分散できるものであれば良い。なお、本発明の複合磁性材料は、低粘度なので、通常の攪拌機で30分以上攪拌すれば、十分混合分散が可能である。
【0025】
得られたSiを6.5wt%、残部Feからなる磁性粉末を60.0vol%以上で83.0vol%以下で、非磁性樹脂であるエポキシ樹脂を17.0vol%以上で40.0vol%以下にして、あわせて100vol%にした複合磁性材料の混合物と自動巻線機によって予め巻線された空芯コイルとを共にトロイダル形状、楕円形状、又は四角形状のコアに形状の柔軟性を付加する型又は外郭ケースに注入する。なお、ここで示された非磁性樹脂は、エポキシ樹脂に限定されたものではない。
【0026】
なお、注入では、この複合磁性材料の混合物にある程度の流動性をもたせる必要があるので、この複合磁性材料の混合物と自動巻線機によって予め巻線された空芯コイルとトロイダル形状又は楕円形状又は四角形状のコアに形状の柔軟性を付加する型又は外郭ケースとを加熱し、注入しやすくするために恒温器で加熱する。この加熱温度は、110℃で、加熱時間は1時間でおこなう。
【0027】
次に、キュア工程(熱硬化工程)に進む。キュア工程では、更に温度を高く、加熱時間を長くする。本発明の最良の形態では、加熱温度は、150℃で、加熱時間は、3時間でおこなう。
【0028】
図1、図2、図3、図4、図5、図6に示されるように、得られたSiを6.5wt%、残部Feからなる磁性粉末を60.0vol%以上で83.0vol%以下で、非磁性樹脂であるエポキシ樹脂を17.0vol%以上で40.0vol%以下にして、あわせて100vol%にした複合磁性材料混合物と自動巻線機によって予め巻線された空芯コイルとを共に型1又は外郭ケースに注入し、トロイダル形状又は楕円形状又は四角形状のコアに形状の柔軟性を付加し、キュアして形成された閉磁路コイルにする。なお、型1には、注型部2が備えてある。本発明により、加圧成形を必要としない複合磁性材料の形態を実現し、乾燥工程以降の工程を単純化(加圧成形工程不要で、比較的低温のキュア工程)し、自由な形状に容易に設計が可能にできるので、低背で大電流に対応可能な、低価格の閉磁路コイルの提供が可能になる。
【0029】
図1、図2、図3、図4、図5、図6に示されるように、磁性粉末と非磁性樹脂とを混合した複合磁性材料からなるコアと巻線コイルで構成した閉磁路コイルの製造方法において、得られたSiを6.5wt%、残部Feからなる磁性粉末を60.0vol%以上で83.0vol%以下で、非磁性樹脂であるエポキシ樹脂を17.0vol%以上で40.0vol%以下にして、あわせて100vol%にした複合磁性材料混合物と自動巻線機によって予め巻線された空芯コイルとを共に形状の柔軟性を付加したトロイダル形状又は楕円形状又は四角形状にした型1又は外郭ケースに注入し、キュアして形成するコア製造工程を含んでなる閉磁路コイルの製造方法である。本発明により、加圧成形を必要としない複合磁性材料の形態の製造方法を実現し、乾燥工程以降の工程を単純化(加圧成形工程不要で、比較的低温のキュア工程)し、自由な形状に容易に設計が可能な閉磁路コイルの製造方法が得られる。
【0030】
なお、予め巻線された空芯コイルは、図8に示されるように空芯コイルを巻線する自動巻線機で作製される。なお、この自動巻線機は、銅線(丸線)9を巻線モーター7を回転させることで、巻軸部8で銅線9を四角形状に巻線する。図7に示すように、巻軸部8の注型部の形状を丸形状4にしたり、四角形状6にできる。また、丸銅線3や平角銅線5で巻線することもできる。更に、このような予め巻線された空芯コイルと磁性粉末と非磁性樹脂とを混合した複合磁性材料とをキュアして構成した閉磁路コイルは、図9、10、図11に示され、コア11に丸銅線からなる銅線(丸線/平角線)10の巻線形状も実現できる。
【0031】
また、本発明を実施するための最良の形態では、自動巻線機によって予め巻線された空芯コイルと前記複合磁性材料とを共に型又は外郭ケースに注入し、キュアして形成された閉磁路コイルの形状を、形状の柔軟性を付加したトロイダル形状又は楕円形状又は四角形状に限定しているが、この形状に限定されるわけではなく、この形状を組み合わせたいかなる形状をも含むものである。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明の閉磁路コイルおよびその製造方法は、電源部におけるEMI対策、力率改善リアクター、平滑用チョークコイル等に利用される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の閉磁路コイルを製造するためのトロイダル形状にした型又は外郭ケースの外観を示す平面図。
【図2】本発明の閉磁路コイルを製造するためのトロイダル形状にした型又は外郭ケースの外観を示す側面図。
【図3】本発明の閉磁路コイルを製造するための楕円形状にした型又は外郭ケースの外観を示す平面図。
【図4】本発明の閉磁路コイルを製造するための楕円形状にした型又は外郭ケースの外観を示す側面図。
【図5】本発明の閉磁路コイルを製造するための四角形状にした型又は外郭ケースの外観を示す平面図。
【図6】本発明の閉磁路コイルを製造するための四角形状にした型又は外郭ケースの外観を示す側面図。
【図7】本発明の閉磁路コイルにおける空芯コイルの外観を示す図、図7(a)はトロイダル形状の空芯コイルの側面図、図7(b)はトロイダル形状の空芯コイルの平面図、図7(c)は四角形状の空芯コイルの側面図、図7(d)は四角形状の空芯コイルの上面図。
【図8】空芯コイルを巻線する巻線機を示す外観斜視図。
【図9】本発明の閉磁路コイルの平面図。
【図10】図9の本発明の閉磁路コイルにおける右側面図。
【図11】図9の本発明の閉磁路コイルにおける断面図。
【図12】本発明の閉磁路コイルの磁性粉末の含有率(vol%)と透磁率(μ)の相関を示すグラフ。
【符号の説明】
【0034】
1 型
2 注型部
3 丸銅線
4 丸形状
5 平角銅線
6 四角形状
7 巻線モーター
8 巻軸部
9 銅線
10 銅線(丸線/平角線)
11 コア
【技術分野】
【0001】
本発明は、民生用や産業用電子機器等に使用される閉磁路コイルおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
民生用や産業用電子機器等に使用される閉磁路コイルに用いられるコアの形状は、トロイダル形状やロの字形状が一般的である。トロイダルのコア形状の場合は、手動巻線が主流で、ロの字コア形状の場合は、半自動巻線が主流である。どちらのコア形状でも自動巻線できる自動巻線機が存在する。しかし、加工スピードが遅く、自動巻線可能な線径に制約があるという生産技術上の問題点があった。
【0003】
また、コアがトロイダル形状の巻線の場合には、塗装等を施したコアへ直接巻線を施し、コアがロの字形状の巻線の場合には、円筒形歯車ボビンを用いて巻線を施すのが一般的である。従来の巻線法では、コア形状、強度、ボビンの形状に依存して製造工程が大幅に変動するので、大電流定格に対応した小型化の閉磁路コイルの製造は非常に困難になるという製造上の問題点があった。更に、このような巻線の場合は、閉磁路コイル製造工程の中で、巻線工程が最も製造時間が長いので、加工費が増大し、コストに制約があるという問題点があった。
【0004】
ところで、強磁性金属粉末と強磁性金属粉末を被覆する絶縁材であるシリコーン樹脂を、強磁性金属粉末に対して、1.0〜6.0wt%含む圧粉体から構成され、シリコーン樹脂が有機チタンモノマーにより架橋された磁心が、特許文献1に開示されている。
【0005】
特許文献1では、絶縁体としてシリコーン樹脂を用い、シリコーン樹脂の架橋剤として有機チタンモノマーを用い、強磁性金属粉末と混合した後の乾燥工程の乾燥温度を特定することで、強度および耐電圧性に優れた磁心を作製している。
【0006】
【特許文献1】特開2005−268685号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した特許文献1では、シリコーン樹脂の架橋剤として有機チタンモノマーを用い、かつ強磁性金属粉末と混合した後の乾燥工程の乾燥温度を特定し、乾燥した混合物にコイルを配置した後に加圧成形することで、強度及び耐電圧性に優れた磁心を得ているので、乾燥工程以降の工程が複雑で、工程削減によるコスト削減に制約があるという問題点があった。
【0008】
本発明は、上述した問題点を解決すべくなされたもので、その技術課題は、低背で大電流に対応可能で、低価格の閉磁路コイルおよびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための第1の発明は、磁性粉末と非磁性樹脂とを混合した複合磁性材料からなるコアと巻線コイルとで構成される閉磁路コイルにおいて、前記コアは、前記複合磁性材料を100vol%とした時に、非磁性樹脂に対して、前記磁性粉末を60vol%以上から83vol%以下の範囲で混合し、キュアして形成された閉磁路コイルである。
【0010】
上記目的を達成するための第2の発明は、予め巻線された空芯コイルと前記複合磁性材料とを共に型又は外郭ケースに注入し、キュアして形成された閉磁路コイルである。
【0011】
上記目的を達成するための第3の発明は、前記閉磁路コイルの形状が、トロイダル形状、楕円形状、又は四角形状にした閉磁路コイルである。
【0012】
上記目的を達成するための第4の発明は、磁性粉末と非磁性樹脂とを混合した複合磁性材料からなるコアと巻線コイルとで構成した閉磁路コイルの製造方法において、前記コイルは、前記複合磁性材料を100vol%とした時に、非磁性樹脂に対して、前記磁性粉末を60vol%以上から83vol%以下の範囲で混合し、キュアして形成する工程を含む閉磁路コイルの製造方法である。
【0013】
上記目的を達成するための第5の発明は、予め巻線された空芯コイルと前記複合磁性材料とを共に型又は外郭ケースに注入し、キュアして形成する工程を含む閉磁路コイルの製造方法である。
【0014】
上記目的を達成するための第6の発明は、前記コアをトロイダル形状、楕円形状、又は四角形状にした型又は外郭ケースに注入し、キュアして形成する工程を含む閉磁路コイルの製造方法である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、磁性粉末と非磁性樹脂とを混合した複合磁性材料からなるコアと巻線コイルとで構成される閉磁路コイルにおいて、前記コアは、前記複合磁性材料を100vol%とした時に、非磁性樹脂に対して、前記磁性粉末を60vol%以上から83vol%以下の範囲で混合し、キュアして形成される複合磁性材料と予め巻線された空芯コイルとを共に型又は外郭ケースに注入し、トロイダル形状、楕円形状、又は四角形状のコアにキュアして形成された閉磁路コイルにすることで、加圧成形を必要としない複合磁性材料の形態を実現し、乾燥工程以降の工程を単純化(加圧成形工程不要で、比較的低温のキュア工程)し、自由な形状に容易に設計できるので、低背で大電流に対応可能な、低価格の閉磁路コイルの提供が可能になる。
【0016】
また、磁性粉末と非磁性樹脂とを混合した複合磁性材料からなるコアと巻線コイルで構成した閉磁路コイルの製造方法において、前記コアは、前記複合磁性材料を100vol%とした時に、前記磁性粉末を60vol%以上から83vol%以下の範囲で混合し、キュアして形成する複合磁性材料と予め巻線された空芯コイルとを共にトロイダル形状、楕円形状、又は四角形状にした型又は外郭ケースに注入し、キュアして形成する工程を含む閉磁路コイルの製造方法により、加圧成形を必要としない複合磁性材料の形態の製造方法を実現し、乾燥工程以降の工程を単純化(加圧成形工程不要で、比較的低温のキュア工程)し、自由な形状に容易に設計が可能な閉磁路コイルの製造方法が得られる。
【0017】
その結果、低背で大電流に対応可能で、低価格の閉磁路コイルおよびその製造方法の提供が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明を実施するための最良の形態に係る閉磁路コイルおよびその製造方法を以下に図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の閉磁路コイルを製造するためのトロイダル形状にした型又は外郭ケースの外観を示す平面図である。図2は、本発明の閉磁路コイルを製造するためのトロイダル形状にした型又は外郭ケースの外観を示す側面図である。図3は、本発明の閉磁路コイルを製造するための楕円形状にした型又は外郭ケースの外観を示す平面図である。図4は、本発明の閉磁路コイルを製造するための楕円形状にした型又は外郭ケースの外観を示す側面図である。図5は、本発明の閉磁路コイルを製造するための四形状にした型又は外郭ケースの外観を示す平面図である。図6は、本発明の閉磁路コイルを製造するための四形状にした型又は外郭ケースの外観を示す側面図である。図7は、本発明の閉磁路コイルにおける空芯コイルの外観を示す図で、図7(a)はトロイダル形状の空芯コイルの側面図で、図7(b)はトロイダル形状の空芯コイルの平面図で、図7(c)は四角形状の空芯コイルの側面図で、図7(d)は四角形状の空芯コイルの上面図である。図8は、空芯コイルを巻線する巻線機を示す外観斜視図である。図9は、本発明の閉磁路コイルの平面図である。図10は、図9の本発明の閉磁路コイルにおける右側面図である。図11は、図9の本発明の閉磁路コイルにおける断面図である。図12は、本発明の閉磁路コイルの磁性粉末の含有率(vol%)と透磁率(μ)の相関を示すグラフである。
【0020】
本発明を実施するための最良の形態に係る閉磁路コイルおよびその製造方法では、磁性粉末と非磁性樹脂とを混合した複合磁性材料で、前記複合磁性材料を100vol%とした時に、非磁性樹脂に対して、前記磁性粉末を60vol%以上から83vol%以下の範囲で混合し、キュアして形成される複合磁性材料から構成される。本発明の複合磁性材料を構成する磁性粉末としては、Fe、Fe−Ni−Mo(スーパーマロイ)、Fe−Al−Si(センダスト)、Fe−Co、Fe−Si、Fe−P等が用いられる。本発明を実施するための最良の形態に係る閉磁路コイルに好適な磁性粉末の材質は必要な磁気特性に応じて適切な材質を選択すれば良い。低背で、大電流に対応可能で、低価格の本発明の閉磁路コイルには、飽和磁束密度が高く、かつ保磁力の小さいFe−Si系合金であるSi6.5wt%−残部Fe合金が好適である。磁性粉末を構成する粒子の形状は特に制限がないが、高磁界までインダクタンスを大きく保つには、球状の粉末もしくは楕円状の粉末が好適である。
【0021】
磁性粉末は、必要な組成のインゴットを振動ミル等で粗粉砕し、この粗粉砕粉をボールミル等の粉砕機で粉砕して作製する。なお、ガスアトマイズ法、回転ディスク法、水平アトマイズ法等により磁性粉末を作製できる。磁性粉末は、150μm以上の平均粒径を有するのが好適である。200μmを超えると透磁率は増大するものの、コアロスが大きくなり、発熱、効率に影響が出てくる。
【0022】
本発明を実施するための最良の形態における閉磁路コイルの磁性粉末は、Siを6.5wt%、残部Feからなる磁性粉末を77.0vol%と非磁性樹脂であるエポキシ樹脂23.0vol%とをあわせて100vol%になるように秤量する。非磁性樹脂であるエポキシ樹脂は、2液硬化タイプのものを架橋剤として用いる。図12に示すように、磁性粉末が83.1〜100vol%でエポキシ樹脂0〜16.9vol%で、あわせて100vol%にした複合磁性材料では、流動性がなく、十分な混合分散ができないために、ペースト化が困難であった。また、磁性粉末が、50vol%以下で、エポキシ樹脂50vol%以下にして、あわせて100vol%にした複合磁性材料では、必要な周波数での磁心コアの透磁率μが4程度と小さいので、製品化が困難になる。また、磁性粉末が、75vol%未満では、沈降防止用に新たな添加剤を添加して、沈降を防止する必要がある。本発明を実施するための最良の形態における閉磁路コイルの磁性粉末は、Siを6.5wt%、残部Feからなる磁性粉末を60.0以上で83.0vol%以下で、非磁性樹脂であるエポキシ樹脂17.0vol%以上で40.0vol%以下にして、あわせて100vol%にした複合磁性材料では、必要な周波数での磁心コアの透磁率μが高く、ペースト化が容易である。なお、磁性粉末の含有率(vol%)は、磁性粉末と非磁性樹脂とを合わせて100vol%とした時の磁性粉末の割合を示す。
【0023】
なお、本発明の複合磁性材料を構成する磁性粉末は、Fe、Fe−Ni−Mo(スーパーマロイ)、Fe−Al−Si(センダスト)、Fe−Co、Fe−Si、Fe−P等においても、その組成に依存しないで、同様の効果を奏する。本発明では、磁性粉末として(Fe、Fe−Ni−Mo(スーパーマロイ)、Fe−Al−Si(センダスト)、Fe−Co、Fe−Si、Fe−P等)60.0vol%以上で83.0vol%以下で、非磁性樹脂であるエポキシ樹脂を17.0vol%以上で40.0vol%以下にして、あわせて100vol%にした複合磁性材料の組成を規定している。
【0024】
Siを6.5wt%、残部Feからなる磁性粉末を60.0vol%以上で83.0vol%以下で、非磁性樹脂であるエポキシ樹脂を17.0vol%以上で40.0vol%以下にして、あわせて100vol%にした複合磁性材料を秤量した後に、プロペラ式の攪拌機により室温で混合する。本発明では、プロペラ式の攪拌機を用いているが、攪拌機は十分混合分散できるものであれば良い。なお、本発明の複合磁性材料は、低粘度なので、通常の攪拌機で30分以上攪拌すれば、十分混合分散が可能である。
【0025】
得られたSiを6.5wt%、残部Feからなる磁性粉末を60.0vol%以上で83.0vol%以下で、非磁性樹脂であるエポキシ樹脂を17.0vol%以上で40.0vol%以下にして、あわせて100vol%にした複合磁性材料の混合物と自動巻線機によって予め巻線された空芯コイルとを共にトロイダル形状、楕円形状、又は四角形状のコアに形状の柔軟性を付加する型又は外郭ケースに注入する。なお、ここで示された非磁性樹脂は、エポキシ樹脂に限定されたものではない。
【0026】
なお、注入では、この複合磁性材料の混合物にある程度の流動性をもたせる必要があるので、この複合磁性材料の混合物と自動巻線機によって予め巻線された空芯コイルとトロイダル形状又は楕円形状又は四角形状のコアに形状の柔軟性を付加する型又は外郭ケースとを加熱し、注入しやすくするために恒温器で加熱する。この加熱温度は、110℃で、加熱時間は1時間でおこなう。
【0027】
次に、キュア工程(熱硬化工程)に進む。キュア工程では、更に温度を高く、加熱時間を長くする。本発明の最良の形態では、加熱温度は、150℃で、加熱時間は、3時間でおこなう。
【0028】
図1、図2、図3、図4、図5、図6に示されるように、得られたSiを6.5wt%、残部Feからなる磁性粉末を60.0vol%以上で83.0vol%以下で、非磁性樹脂であるエポキシ樹脂を17.0vol%以上で40.0vol%以下にして、あわせて100vol%にした複合磁性材料混合物と自動巻線機によって予め巻線された空芯コイルとを共に型1又は外郭ケースに注入し、トロイダル形状又は楕円形状又は四角形状のコアに形状の柔軟性を付加し、キュアして形成された閉磁路コイルにする。なお、型1には、注型部2が備えてある。本発明により、加圧成形を必要としない複合磁性材料の形態を実現し、乾燥工程以降の工程を単純化(加圧成形工程不要で、比較的低温のキュア工程)し、自由な形状に容易に設計が可能にできるので、低背で大電流に対応可能な、低価格の閉磁路コイルの提供が可能になる。
【0029】
図1、図2、図3、図4、図5、図6に示されるように、磁性粉末と非磁性樹脂とを混合した複合磁性材料からなるコアと巻線コイルで構成した閉磁路コイルの製造方法において、得られたSiを6.5wt%、残部Feからなる磁性粉末を60.0vol%以上で83.0vol%以下で、非磁性樹脂であるエポキシ樹脂を17.0vol%以上で40.0vol%以下にして、あわせて100vol%にした複合磁性材料混合物と自動巻線機によって予め巻線された空芯コイルとを共に形状の柔軟性を付加したトロイダル形状又は楕円形状又は四角形状にした型1又は外郭ケースに注入し、キュアして形成するコア製造工程を含んでなる閉磁路コイルの製造方法である。本発明により、加圧成形を必要としない複合磁性材料の形態の製造方法を実現し、乾燥工程以降の工程を単純化(加圧成形工程不要で、比較的低温のキュア工程)し、自由な形状に容易に設計が可能な閉磁路コイルの製造方法が得られる。
【0030】
なお、予め巻線された空芯コイルは、図8に示されるように空芯コイルを巻線する自動巻線機で作製される。なお、この自動巻線機は、銅線(丸線)9を巻線モーター7を回転させることで、巻軸部8で銅線9を四角形状に巻線する。図7に示すように、巻軸部8の注型部の形状を丸形状4にしたり、四角形状6にできる。また、丸銅線3や平角銅線5で巻線することもできる。更に、このような予め巻線された空芯コイルと磁性粉末と非磁性樹脂とを混合した複合磁性材料とをキュアして構成した閉磁路コイルは、図9、10、図11に示され、コア11に丸銅線からなる銅線(丸線/平角線)10の巻線形状も実現できる。
【0031】
また、本発明を実施するための最良の形態では、自動巻線機によって予め巻線された空芯コイルと前記複合磁性材料とを共に型又は外郭ケースに注入し、キュアして形成された閉磁路コイルの形状を、形状の柔軟性を付加したトロイダル形状又は楕円形状又は四角形状に限定しているが、この形状に限定されるわけではなく、この形状を組み合わせたいかなる形状をも含むものである。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明の閉磁路コイルおよびその製造方法は、電源部におけるEMI対策、力率改善リアクター、平滑用チョークコイル等に利用される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の閉磁路コイルを製造するためのトロイダル形状にした型又は外郭ケースの外観を示す平面図。
【図2】本発明の閉磁路コイルを製造するためのトロイダル形状にした型又は外郭ケースの外観を示す側面図。
【図3】本発明の閉磁路コイルを製造するための楕円形状にした型又は外郭ケースの外観を示す平面図。
【図4】本発明の閉磁路コイルを製造するための楕円形状にした型又は外郭ケースの外観を示す側面図。
【図5】本発明の閉磁路コイルを製造するための四角形状にした型又は外郭ケースの外観を示す平面図。
【図6】本発明の閉磁路コイルを製造するための四角形状にした型又は外郭ケースの外観を示す側面図。
【図7】本発明の閉磁路コイルにおける空芯コイルの外観を示す図、図7(a)はトロイダル形状の空芯コイルの側面図、図7(b)はトロイダル形状の空芯コイルの平面図、図7(c)は四角形状の空芯コイルの側面図、図7(d)は四角形状の空芯コイルの上面図。
【図8】空芯コイルを巻線する巻線機を示す外観斜視図。
【図9】本発明の閉磁路コイルの平面図。
【図10】図9の本発明の閉磁路コイルにおける右側面図。
【図11】図9の本発明の閉磁路コイルにおける断面図。
【図12】本発明の閉磁路コイルの磁性粉末の含有率(vol%)と透磁率(μ)の相関を示すグラフ。
【符号の説明】
【0034】
1 型
2 注型部
3 丸銅線
4 丸形状
5 平角銅線
6 四角形状
7 巻線モーター
8 巻軸部
9 銅線
10 銅線(丸線/平角線)
11 コア
【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性粉末と非磁性樹脂とを混合した複合磁性材料からなるコアと巻線コイルとで構成される閉磁路コイルにおいて、前記コアは、前記複合磁性材料を100vol%とした時に、非磁性樹脂に対して、前記磁性粉末を60vol%以上から83vol%以下の範囲で混合し、キュアして形成されたことを特徴とする閉磁路コイル。
【請求項2】
予め巻線された空芯コイルと前記複合磁性材料とを共に型又は外郭ケースに注入し、キュアして形成されたことを特徴とする請求項1記載の閉磁路コイル。
【請求項3】
前記閉磁路コイルの形状が、トロイダル形状、楕円形状、又は四角形状にしたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の閉磁路コイル。
【請求項4】
磁性粉末と非磁性樹脂とを混合した複合磁性材料からなるコアと巻線コイルで構成した閉磁路コイルの製造方法において、前記コアは、前記複合磁性材料を100vol%とした時に、非磁性樹脂に対して、前記磁性粉末を60vol%以上から83vol%以下の範囲で混合し、キュアして形成する工程を含むことを特徴とする閉磁路コイルの製造方法。
【請求項5】
前記コアを予め巻線された空芯コイルと前記複合磁性材料とを共に型又は外郭ケースに注入し、キュアして形成する工程を含むことを特徴とする請求項4記載の閉磁路コイルの製造方法。
【請求項6】
前記コアをトロイダル形状、楕円形状、又は四角形状にした型又は外郭ケースに注入し、キュアして形成する工程を含むことを特徴とする請求項5記載の閉磁路コイルの製造方法。
【請求項1】
磁性粉末と非磁性樹脂とを混合した複合磁性材料からなるコアと巻線コイルとで構成される閉磁路コイルにおいて、前記コアは、前記複合磁性材料を100vol%とした時に、非磁性樹脂に対して、前記磁性粉末を60vol%以上から83vol%以下の範囲で混合し、キュアして形成されたことを特徴とする閉磁路コイル。
【請求項2】
予め巻線された空芯コイルと前記複合磁性材料とを共に型又は外郭ケースに注入し、キュアして形成されたことを特徴とする請求項1記載の閉磁路コイル。
【請求項3】
前記閉磁路コイルの形状が、トロイダル形状、楕円形状、又は四角形状にしたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の閉磁路コイル。
【請求項4】
磁性粉末と非磁性樹脂とを混合した複合磁性材料からなるコアと巻線コイルで構成した閉磁路コイルの製造方法において、前記コアは、前記複合磁性材料を100vol%とした時に、非磁性樹脂に対して、前記磁性粉末を60vol%以上から83vol%以下の範囲で混合し、キュアして形成する工程を含むことを特徴とする閉磁路コイルの製造方法。
【請求項5】
前記コアを予め巻線された空芯コイルと前記複合磁性材料とを共に型又は外郭ケースに注入し、キュアして形成する工程を含むことを特徴とする請求項4記載の閉磁路コイルの製造方法。
【請求項6】
前記コアをトロイダル形状、楕円形状、又は四角形状にした型又は外郭ケースに注入し、キュアして形成する工程を含むことを特徴とする請求項5記載の閉磁路コイルの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−34617(P2008−34617A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−206223(P2006−206223)
【出願日】平成18年7月28日(2006.7.28)
【出願人】(000134257)NECトーキン株式会社 (1,832)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月28日(2006.7.28)
【出願人】(000134257)NECトーキン株式会社 (1,832)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]