防塵カバー及び防塵カバーを備えた箱体
【課題】部品コスト及び作業コストの増大を抑制しながら、箱体内に並置された空瓶等の空容器内への紙粉等の塵の侵入を効果的に防止することができる、実用性の高い防塵カバー及び防塵カバーを備えた箱体を提供する。
【解決手段】防塵カバーを備えた箱体11を、外箱である段ボール箱12、段ボール箱12内の下部に収容され、空瓶A,A,…を整列するための容器挿入穴8A,8A,…が形成された支持体7、及び、支持体7により整列され段ボール箱12内に収納された状態の空瓶A,A,…上に載置され、空瓶A,A,…内への紙粉等の塵の侵入を防止する防塵カバー1により構成し、防塵カバー1を、水平板材2と水平板材2の下面に添設されたフィルム材3により構成した。
【解決手段】防塵カバーを備えた箱体11を、外箱である段ボール箱12、段ボール箱12内の下部に収容され、空瓶A,A,…を整列するための容器挿入穴8A,8A,…が形成された支持体7、及び、支持体7により整列され段ボール箱12内に収納された状態の空瓶A,A,…上に載置され、空瓶A,A,…内への紙粉等の塵の侵入を防止する防塵カバー1により構成し、防塵カバー1を、水平板材2と水平板材2の下面に添設されたフィルム材3により構成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、箱体内に並置された空容器内への紙粉等の侵入を防止するために空容器の口部を塞ぐ防塵カバー及びこの防塵カバーを備えた箱体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ガラス瓶は、気密性が高く雑菌の侵入を阻止することができるため保存性が高いという特長があることから、薬品メーカー又は食品メーカー等によって多数使用されている。
しかしながら、ガラス瓶は、脆性材料であるガラス製であることから割れやすく、また重量が重くなるという欠点もあるため、その輸送の際には破損防止のための十分な配慮が必要になる(例えば、特許文献1参照。)。
また、薬品メーカー又は食品メーカー等が、製品である薬品又は食品等を収容する容器としてガラス瓶を仕入先から仕入れた際には、仕入先から多数の空瓶が段ボール箱内に並置された状態で届けられるのが一般的であり、空瓶の輸送又は運搬の際には、段ボール箱内に井桁状の仕切を入れることにより(例えば、特許文献2及び3参照。)、空瓶同士が直接接触しない状態を保持するようにして破損を防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平4−121227号公報
【特許文献2】特開2004−331160号公報
【特許文献3】特開2008−260563号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
仕入れ先が空瓶を洗浄して段ボール箱内に収納したとしても、空瓶には蓋がないため輸送又は運搬の際に段ボール箱や仕切の紙粉が空瓶内に侵入してしまい、仕入れ元(エンドユーザー)である薬品メーカー又は食品メーカー等において、空瓶の洗浄作業に必要以上の手間が掛かる場合があることから、空瓶内への塵の侵入を防止するニーズがある。
また、空瓶に多くの紙粉等が侵入、付着している場合には、仕入元から仕入れ先に対してクレームが付く場合があり、仕入れ先にとっても空瓶内への塵の侵入を防止することの意義は大きい。
ここで、空瓶内への塵の侵入を防止する方策として、空瓶を梱包する際に空瓶の全てに仮の栓やキャップをすること又はシュリンク包装して空瓶の口部を塞ぐことが考えられるが、このような方策では部品コスト及び作業コストが大幅に増大してしまうため、実用的な解決策にはならない。
【0005】
そこで本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、部品コスト及び作業コストの増大を抑制しながら、箱内に並置された空瓶等の空容器内への紙粉等の塵の侵入を効果的に防止することができる、実用性の高い防塵カバー及び防塵カバーを備えた箱体を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る防塵カバーは、前記課題解決のために、水平板材と該水平板材の下面に添設されたフィルム材とからなり、箱内に収納された空容器上に載置された状態で前記空容器の口部を前記フィルム材で封止することを特徴とする。
このような構成によれば、空容器上に防塵カバーを載置するだけで空容器の口部がフィルム材により封止されるため、部品コスト及び作業コストの増大を抑制しながら、空容器
内への紙粉等の塵の侵入を効果的に防止することができる。
【0007】
ここで、前記水平板材の前記空容器の口部に対応する各位置に、前記口部の外径よりも大きい穴を形成してなると好ましい。
このような構成によれば、梱包完了状態でフィルム材を水平板材の穴内で上方へ弾性変形させることにより、輸送時等に変動荷重が作用して箱が振動してもフィルム材が空容器の口部に密着した状態を保持する効果が高くなるため、空容器内への紙粉等の塵の侵入防止効果がさらに高くなる。
その上、フィルム材を弾性変形させた状態では、空容器の水平方向への移動が規制されて隣り合う空容器同士の衝突が抑制されることから、空容器を整列するための仕切体等の上下方向の高さを低くすることができるため、仕切体等の材料使用量を少なくすることができる。
【0008】
また、本発明に係る防塵カバーは、前記課題解決のために、水平板材と該水平板材の上面に添設されたフィルム材とからなり、箱内に収納された空容器の口部に対応する前記水平板材の各位置に、前記口部の外径よりも大きい穴を形成してなり、前記空容器上に載置された状態で前記空容器の口部を前記フィルム材で封止することを特徴とする。
このような構成によっても前記防塵カバーと同様の作用効果を奏する。
【0009】
さらに、前記水平板材下面の前記空容器の口部に対応する各位置に、前記口部の外径よりも大きい凹部又は前記口部内に入る凸部を形成してなると好ましい。
このような構成によれば、前記凹部を形成したものでは、梱包完了状態でフィルム材を水平板材下面の凹部内で上方へ弾性変形させることにより、輸送時等に変動荷重が作用して箱が振動してもフィルム材が空容器の口部に密着した状態を保持する効果が高くなるため、空容器内への紙粉等の塵の侵入防止効果がさらに高くなる。
その上、前記凹部を形成したものではフィルム材を弾性変形させた状態で空容器の水平方向への移動が規制されて隣り合う空容器同士の衝突が抑制され、前記凸部を形成したものでは凸部が空容器の口部内に入って空容器の水平方向への移動が規制されて隣り合う空容器同士の衝突が抑制されることから、空容器を整列するための仕切体等の上下方向の高さを低くすることができるため、仕切体等の材料使用量を少なくすることができる。
【0010】
さらにまた、本発明に係る防塵カバーは、前記課題解決のために、水平板材の周端縁から延出する折曲げ舌片又は前記水平板材の周端部に複数の取付穴を形成し、これらの取付穴を覆うように下側からフィルム材を添わせた状態で前記取付穴に嵌合片を嵌合させることにより前記フィルム材を挟み込んで取り付けるとともに、箱内に収納された空容器の口部に対応する前記水平板材の各位置に、前記口部の外径よりも大きい穴を形成してなり、前記空容器上に載置された状態で前記口部を前記フィルム材で封止することを特徴とする。
このような構成によれば、前記防塵カバーと同様の作用効果に加え、接着等によらずにフィルム材を容易に取り付けて防塵カバーを構成することができるとともに、嵌合片を取り外すことによりフィルム材を水平板材から容易に分離することができるため、これらを容易に分別して再利用することができる。
その上、嵌合片を折曲げ舌片又は水平板材から作成することができるため、コストを削減することができる。
【0011】
また、本発明に係る防塵カバーは、前記課題解決のために、開口部を囲む水平枠材と該水平枠材に添設されて前記開口部を塞ぐフィルム材とからなり、箱内に収納された空容器上に載置された状態で前記空容器の口部を前記フィルム材で封止することを特徴とする。
このような構成によれば、空容器上に防塵カバーを載置するだけで空容器の口部がフィルム材により封止されるため、部品コスト及び作業コストの増大を抑制しながら、空容器
内への紙粉等の塵の侵入を効果的に防止することができる。
【0012】
ここで、前記水平枠材の周端縁から延出する折曲げ舌片に複数の取付穴を形成し、これらの取付穴を覆うように前記フィルム材を添わせた状態で前記取付穴に嵌合片を嵌合させることにより前記フィルム材を挟み込んで取り付けてなると好ましい。
このような構成によれば、接着等によらずにフィルム材を容易に取り付けて防塵カバーを構成することができるとともに、嵌合片を取り外すことによりフィルム材を水平枠材から容易に分離することができるため、これらを容易に分別して再利用することができる。
その上、嵌合片を折曲げ舌片から作成することができるため、コストを削減することができる。
【0013】
さらに、本発明に係る防塵カバーは、前記課題解決のために、箱内に収納する空容器を整列させる、容器挿入穴が形成された矩形水平板材と、該矩形水平板材の一対の対辺から延出し、下方へ折り曲げられる一対の第1折曲げ舌片と、該第1折曲げ舌片を折り曲げた状態で、その下端部から延出し、外側かつ上方へ前記第1折曲げ舌片に添って前記矩形水平板材よりも上側まで延びる一対の第2折曲げ舌片と、該第2折曲げ舌片により支持され、前記矩形水平板材から上側に離間した状態で張架されるフィルム材とからなり、前記容器挿入穴内に挿入され、箱内に収納された空容器の口部を前記フィルム材で封止することを特徴とする。
このような構成によれば、防塵カバーの矩形水平板材に容器挿入穴が形成されていることから、この矩形水平板材により空容器を整列させることができるため、高さの低い空容器を箱内に収納する際に、防塵カバーと別体の容器挿入穴が形成された支持体又は井桁状の仕切体を設ける必要がない。
そして、矩形水平板材により空容器を整列させた状態で、矩形水平板材から上側に離間した状態で張架されたフィルム材により空容器の口部が封止されるため、部品コスト及び作業コストの増大を抑制しながら、空容器内への紙粉等の塵の侵入を効果的に防止することができる。
【0014】
本発明に係る防塵カバーを備えた箱体は、前記課題解決のために、箱と、該箱内に収納する空容器を整列させる、前記空容器の高さよりも高さが低い、容器挿入穴が形成された支持体又は井桁状の仕切体と、水平板材及び該水平板材の下面に添設されたフィルム材からなる防塵カバーとを備え、前記箱を閉じた状態で前記空容器の口部を前記フィルム材で封止することを特徴とする。
このような構成によれば、空容器上に防塵カバーを載置するだけで空容器の口部がフィルム材により封止されるため、部品コスト及び作業コストの増大を抑制しながら、空容器内への紙粉等の塵の侵入を効果的に防止することができる。
【0015】
ここで、前記箱内に収納された空容器の口部に対応する前記防塵カバーの水平板材の各位置に、前記口部の外径よりも大きい穴を形成してなると好ましい。
このような構成によれば、箱を閉じた状態でフィルム材を水平板材の穴内で上方へ弾性変形させることにより、輸送時等に変動荷重が作用して箱が振動してもフィルム材が空容器の口部に密着した状態を保持する効果が高くなるため、空容器内への紙粉等の塵の侵入防止効果がさらに高くなる。
その上、フィルム材を弾性変形させた状態では、空容器の水平方向への移動が規制されて隣り合う空容器同士の衝突が抑制されることから、空容器を整列するための前記支持体又は仕切体の上下方向の高さを低くすることができるため、前記支持体又は仕切体の材料使用量を少なくすることができる。
【0016】
また、本発明に係る防塵カバーを備えた箱体は、前記課題解決のために、箱と、該箱内に収納する空容器を整列させる、前記空容器の高さよりも高さが低い、容器挿入穴が形成
された支持体又は井桁状の仕切体と、水平板材の周端縁から延出する折曲げ舌片又は前記水平板材の周端部に複数の取付穴を形成し、これらの取付穴を覆うように下側からフィルム材を添わせた状態で前記取付穴に嵌合片を嵌合させることにより前記フィルム材を挟み込んで取り付けるとともに、前記箱内に収納された空容器の口部に対応する前記水平板材の各位置に、前記口部の外径よりも大きい穴を形成してなる防塵カバーとを備え、前記箱を閉じた状態で前記空容器の口部を前記フィルム材で封止することを特徴とする。
このような構成によれば、前記防塵カバーを備えた箱体と同様の作用効果に加え、接着等によらずにフィルム材を容易に取り付けて防塵カバーを構成することができるとともに、嵌合片を取り外すことによりフィルム材を水平板材から容易に分離することができるため、これらを容易に分別して再利用することができる。
その上、嵌合片を折曲げ舌片又は水平板材から作成することができるため、コストを削減することができる。
【0017】
ここで、前記箱を閉じた状態で前記防塵カバーを下側に押圧する押圧手段を備えてなると好ましい。
このような構成によれば、押圧手段により下側に押圧された状態で防塵カバーのフィルム材が空容器の口部に当接することから、輸送時等に変動荷重が作用して箱が振動してもフィルム材が空容器の口部に密着した状態を保持する効果がさらに高くなるため、空容器内への紙粉等の塵の侵入防止効果をさらに高めることができる。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、本発明に係る防塵カバー及び防塵カバーを備えた箱体によれば、簡素な構成の防塵カバーを用いて、そのフィルム材により空容器の口部が封止されるため、部品コスト及び作業コストの増大を抑制しながら、箱内に並置された空瓶等の空容器内への紙粉等の塵の侵入を効果的に防止することができるため、実用性の高い防塵カバー及び防塵カバーを備えた箱体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態1に係る防塵カバーを備えた箱体の上面フラップを開けた状態を示す斜視図である。
【図2】同箱体の分解斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る防塵カバーを示す斜視図であり、(a)は折曲げ舌片を折り曲げる前の状態を、(b)は折曲げ舌片を折り曲げた状態を示している。
【図4】空容器を整列されるための支持体の斜視図であり、(a)は折曲げ舌片を折り曲げる前の状態を、(b)は折曲げ舌片を折り曲げた状態を示している。
【図5】防塵カバーの構成説明図であり、(a)は水平板材及び折曲舌片の斜視図、(b)は防塵カバーの分解斜視図である。
【図6】取付穴と嵌合片を拡大して示す斜視図である。
【図7】箱体の要部拡大縦断面図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係る防塵カバーを備えた箱体の分解斜視図である。
【図9】同箱体の要部拡大縦断面図である。
【図10】本発明の実施の形態3に係る防塵カバーを備えた箱体の要部拡大縦断面図である。
【図11】本発明の実施の形態4に係る防塵カバーを備えた箱体の要部拡大縦断面図である。
【図12】本発明の実施の形態5に係る防塵カバーを示す斜視図である。
【図13】本発明の実施の形態6に係る防塵カバーを示す斜視図であり、(a)は使用状態、(b)は防塵カバーのみを輸送若しくは運搬又は保管する際の状態を示している。
【図14】同じく分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に本発明の実施の形態を添付図面に基づき詳細に説明するが、本発明は、添付図面に示された形態に限定されず特許請求の範囲に記載の要件を満たす実施形態の全てを含むものである。
【0021】
実施の形態1.
図1及び図2に示すように、本発明の実施の形態1に係る防塵カバーを備えた箱体11は、外箱である段ボール箱12、段ボール箱12内の下部に収容され、空容器であるガラス製の空瓶A,A,…を整列するための容器挿入穴8A,8A,…が形成された支持体7、及び、支持体7により整列され段ボール箱12内に収納された状態の空瓶A,A,…上に載置され、空瓶A,A,…内への紙粉等の塵の侵入を防止する防塵カバー1により構成される。
なお、空容器は、ガラス製の空瓶Aではなくプラスチック製の空瓶であってもよく、また、瓶ではなく他の容器であってもよい。
【0022】
図3に示すように、防塵カバー1は、矩形状の水平板材2、水平板材2の下面に添設された矩形状のフィルム材3、水平板材2の4辺である周端縁2D,2D,…から延出する折曲げ舌片4,4,…からなり、水平板材2には、空瓶A,A,…の口部(入口)B,B,…に対応する位置に、口部B,B,…の外径よりも大きい穴2A,2A,…が形成されており、図3(b)及び図7に示すように折曲げ舌片4,4,…を下側に折り曲げて折曲げ舌片4,4,…の外面を段ボール箱12の側壁12Cの内面に当接させた状態で空瓶A,A,…上に載置される。
【0023】
図4に示すように、支持体7は、矩形状の水平板材8、水平板材8の4辺である周端縁8B,8B,…から延出する折曲げ舌片9,9,…からなり、水平板材8には、空瓶A,A,…を整列するための容器挿入穴8A,8A,…が形成されており、図4(b)及び図7に示すように折曲げ舌片9,9,…を下側に折り曲げて折曲げ舌片9,9,…の外面を段ボール箱12の側壁12Cの内面に当接させた状態で段ボール箱12内の下部に収容される。
なお、空瓶A,A,…を整列させる支持体7に代えて、井桁状の仕切体を用いてもよい。
【0024】
ここで、防塵カバー1の水平板材2及び折曲げ舌片4,4,…並びに支持体7の水平板材8及び折曲げ舌片9,9,…は、2〜3mm程度の厚さの段ボールシート、コートボール紙又は樹脂シート等により形成され、本実施の形態では、低コスト化等のために段ボールシートを採用している。
また、防塵カバー1のフィルム材3は、15〜30μm程度の厚さのポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン若しくはセロファン等のフィルム又はポリ乳酸等の生分解性プラスチックのフィルム等により形成され、本実施の形態では、低コスト化等のために梱包用フィルムとして一般的なポリエチレンフィルムを採用している。
なお、フィルム材3は、図1に示すように透明であるが、半透明又は不透明であってもよい。
【0025】
次に、防塵カバー1におけるフィルム材3の取付手段の詳細について説明する。
図5(a)に示すように、トムソン加工により水平板材2、折曲げ舌片4,4,…及び穴2A,2A,…をくり抜く際に、折曲げ舌片9,9,…の水平板材8に近い部分を所定の取付穴5の形状(例えば、凸字状)にくり抜き(くり抜き片C,C,…)、折曲げ舌片4,4,…の端縁部を、くり抜き片Cと同様の形状で且つくり抜き片Cよりも若干大きな形状にくり抜き(くり抜き片D,D,…)、くり抜き片D,D,…を取付穴5,5,…に
嵌合する嵌合片6,6,…としている。
【0026】
ここで、取付穴5(くり抜き片C)及び嵌合片6(くり抜き片D)の大きさについては、図6に示すように、水平板材2の辺(周端縁2D)に沿う方向の取付穴5の長さL1よりも嵌合片6の長さL2を大きく、水平板材2の辺に直交する方向の取付穴5の長さW1よりも嵌合片6の長さW2を大きくしており、例えばL1=40mmに対してL2=41mm程度、W1=15mmに対してW2=16mm程度と、長さL2,W2の両方を長さL1,W1よりも1mm程度大きくしているが、長さL2,W2の一方のみを長さL1,W1よりも大きくしてもよい。
また、長さL2,W2を長さL1,W1に対して大きく(L2>L1,W2>W1)する程度(比率)は、嵌合片6,6,…の取付穴5,5,…への嵌合させやすさ及びフィルム材3の抜け止め効果を勘案して設定する。
なお、くり抜き片C(取付穴5)及びくり抜き片D(嵌合片6)の形状は、凸形状に限定されるものではなく、矩形状、楕円形状等の他の形状であってもよい。
【0027】
このようなフィルム材3の取付手段により、図5(b)に示すように、水平板材2の下面にフィルム材3を添わせ、その下側から嵌合片6,6,…を取付穴5,5,…に嵌合させることにより、フィルム材3を挟み込んで容易に取り付けることができる。
また、嵌合片6,6,…の大きさを取付穴5,5,…の大きさよりも、L2>L1,W2>W1と上述のとおり大きく設定していることから、嵌合片6,6,…が弾性変形した状態で取付穴5,5,…に嵌合するため、挟み込まれるフィルム材3の抜け止め効果を高めることができる。
ここで、取付穴5,5,…を水平板材2に、その周端縁2D,2D,…の近傍に形成するようにしてもよく、水平板材2をくり抜いて嵌合片6,6,…を製作するようにしてもよい。
【0028】
以上のようなフィルム材3の取付手段によれば、接着等によらずにフィルム材3を容易に取り付けて防塵カバー1を構成することができるとともに、嵌合片6,6,…を取り外すことによりフィルム材3を水平板材2及び折曲げ舌片4,4,…から容易に分離することができるため、これらを容易に分別して再利用することができる。
その上、折曲げ舌片4,4,…又は水平板材2から嵌合片6,…を作成することができるため、コストを削減することができる。
なお、防塵カバー1におけるフィルム材3の取付手段は、上述の嵌合片6,6,…を用いた取付手段がより好ましいものではあるが、このような取付手段に限定されるものではなく、フィルム材3を接着剤により取り付けてもよいし、水平板材2及び折曲げ舌片4,4を例えばコートボール紙により製作して、フィルム材3を熱溶着により接合してもよい。
【0029】
以上のような防塵カバー1及び箱体11の構成によれば、空瓶A,A,…上に防塵カバー1を載置するだけで空瓶A,A,…の口部B,B,…がフィルム材3により塞がれるため、部品コスト及び作業コストの増大を抑制しながら、空瓶A,A,…内への紙粉等の塵の侵入を効果的に防止することができる。
また、図7に示すように、図1及び図2の段ボール箱12の天面内フラップ12A,12A及び天面外フラップ12B,12Bを閉じた梱包完了状態で、フィルム材3が空瓶A,A,…により水平板材2の穴2A,2A,…内で上方へ弾性変形した状態となるようにすれば、輸送時等に変動荷重が作用して段ボール箱12が振動してもフィルム材3が空瓶A,A,…の口部B,B,…に密着した状態を保持する効果が高くなるため、空瓶A,A,…内への紙粉等の塵の侵入防止効果がさらに高くなる。
さらに、上述のとおりフィルム材3を弾性変形させた状態では、空瓶A,A,…の水平方向への移動が規制されて隣り合う空瓶A,A同士の衝突が抑制されることから、空瓶A
,A,…を整列するための支持体7又は井桁状の仕切体の上下方向の高さを低くすることができるため、支持体7又は井桁状の仕切体の材料使用量を少なくすることができる。
【0030】
以上の説明においては、穴2A,2A,…が形成された水平板材2の下面にフィルム材3を添設する場合を示したが、用途によっては穴2A,2A,…をなくしてもよい。
また、フィルム材3は水平板材2の下面に添設させるのが好ましいものであるが、穴2A,2A,…が形成された水平板材2において、フィルム材3を水平板材2の上面に添設させてもよい。
【0031】
実施の形態2.
図8及び図9に示すように、本発明の実施の形態2に係る防塵カバーを備えた箱体11は、ダンボール箱12を閉じた状態で防塵カバー1を下側に押圧する押圧手段である水平板材13を備えたことを特徴としており、図8及び図9において実施の形態1の図1〜図7と同一符号は、同一又は相当部分を示している。
水平板材13には、防塵カバー1の穴2A,2A,…に対応する位置に、穴13A,13A,…が形成されており、図9に示すように、図8の段ボール箱12の天面内フラップ12A,12A及び天面外フラップ12B,12Bを閉じた梱包完了状態で、天面内フラップ12A,12Aの下側に位置する水平板材13により防塵カバー1が下側に押し下げられる。
【0032】
以上のような構成によっても実施の形態1と同様の作用効果を奏するとともに、図9に示すように、押圧手段である水平板材13により下側に押圧された状態で防塵カバー1のフィルム材3が空瓶A,A,…の口部B,B,…に当接することから、フィルム材3の弾性変形量が大きくなり、輸送時等に変動荷重が作用してダンボール箱12が振動してもフィルム材3が空瓶A,A,…の口部B,B,…に密着した状態を保持する効果がさらに高くなるため、空瓶A,A,…内への紙粉等の塵の侵入防止効果をさらに高めることができる。
【0033】
実施の形態3.
図10に示すように、本発明の実施の形態3に係る防塵カバーを備えた箱体11は、その防塵カバー1の水平板材2に、実施の形態1及び2における穴2A,2A,…ではなく、水平板材2下面の空瓶A,A,…の口部B,B,…に対応する位置に、口部B,B,…の外径よりも大きい凹部2B,2B,…を形成したことを特徴としており、図10において実施の形態1の図1〜図7と同一符号は、同一又は相当部分を示している。
なお、天面内フラップ12A,12Aの下側にはスペーサ14が設けられているため、水平板材2下面に凹部2B,2B,…を形成することにより上側に突出する部分と天面内フラップ12A,12Aとの干渉を防止している。
以上のような構成によっても実施の形態1と同様の作用効果を奏するとともに、凹部2B,2B,…の深さを深くしてスペーサ14の厚さを厚くすることにより、スペーサ14が押圧手段として機能するため実施の形態2と同様の作用効果を奏する。
【0034】
実施の形態4.
図11に示すように、本発明の実施の形態4に係る防塵カバーを備えた箱体11は、その防塵カバー1の水平板材2に、実施の形態1及び2における穴2A,2A,…及び実施の形態3の凹部2B,2B,…ではなく、水平板材2下面の空瓶A,A,…の口部B,B,…に対応する位置に、口部B,B,…内に入る凸部2C,2C,…を形成したことを特徴としおり、図11において実施の形態1の図1〜図7と同一符号は、同一又は相当部分を示している。
以上のような構成によっても実施の形態1と同様の作用効果を奏する。
なお実施の形態4では、空瓶A,A,…の口部B,B,…内に凸部2C,2C,…が入
るため、空瓶A,A,…の水平方向への移動が規制されて隣り合う空瓶A,A同士の衝突が抑制される。
【0035】
実施の形態5.
図12に示すように、本発明の実施の形態5に係る防塵カバー1は、実施の形態1及び2における穴2A,2A,…、実施の形態3における凹部2B,2B,…及び実施の形態4における凸部2C,2C,…が形成された水平板材2並びにその下面に添設されたフィルム材3からなる構成と異なり、空瓶A,A,…の口部B,Bの全てを覆う大きさの開口10Aが形成された水平枠材10並びに水平枠材10の下面に添設されて開口部10Aを塞ぐフィルム材3からなることを特徴としており、図12において実施の形態1の図2、図3及び図5と同一符号は、同一又は相当部分を示している。
なお、フィルム材3は、水平枠材10の下面ではなく上面に添設させてもよい。
【0036】
以上のような本発明の実施の形態5に係る防塵カバー1を備えた箱体11によっても、薬品又は食品等を収容する容器がガラス製の空瓶A,A,…ではなく、例えばプラスチック製の軽量容器である場合等においては、実施の形態1と同様の作用効果を奏する。
また、空瓶A,A,…を整列するための支持体7(例えば、図7参照。)の高さを高くしたり、適切な高さの井桁状の仕切体を使用することにより、薬品又は食品等を収容する容器がガラス製の空瓶A,A,…であっても、実施の形態5に係る防塵カバー1を使用することができる。
さらに、実施の形態5に係る防塵カバー1を備えた箱体11において、ダンボール箱12を閉じた状態で防塵カバー1を下側に押圧する押圧手段を備えるようにしてもよい。
【0037】
以上の説明においては、防塵カバー1が折曲げ舌片4,4,…を備えている場合について説明したが、折曲げ舌片4,4,…は必須の構成ではなく、防塵カバー1を、水平板材2及び水平板材2の下面に添設されたフィルム材3、又は、水平枠材10及び水平枠材10の下面又は上面に添設されたフィルム材3のみにより構成してもよい。
【0038】
実施の形態6.
図13及び図14に示すように、本発明の実施の形態6に係る防塵カバー1は、高さの低い空容器(例えば空瓶)を整列させる容器挿入穴15A,15A,…が形成された矩形状の水平板材15と、該水平板材15の一対の対辺から延出し、下方へ折り曲げられる一対の第1折曲げ舌片16,16と、第1折曲げ舌片16,16を折り曲げた状態で、その下端部から延出し、外側かつ上方へ第1折曲げ舌片16,16に添って水平板材15よりも上側まで延びる一対の第2折曲げ舌片17,17と、第2折曲げ舌片17,17により支持され、図13(a)に示す使用状態で水平板材15から上側に離間した状態で張架されるフィルム材3とからなることを特徴としており、図13及び図14において実施の形態1の図3(a)及び図5と同一符号は、同一又は相当部分を示している。
【0039】
図14に示すように、矩形水平板材15に対し、上述のように第1折曲げ舌片16,16及び第2折曲げ舌片17,17を折り曲げた状態とし、この状態における第2折曲げ舌片17,17の上端縁間にわたってフィルム材3を張架し、フィルム材3を下側へ折り曲げて第2折曲げ舌片17,17の外側へ添わせた状態とし、さらに外側から嵌合片6,6,…を取付穴5,5,…に嵌合させることにより、フィルム材3を挟み込んで図13(a)に示すように容易に取り付けることができ、フィルム材3は第2折曲げ舌片17,17により支持される。
また、図13(a)に示す防塵カバー1の使用状態から、第1折曲げ舌片16,16及び第2折曲げ舌片17,17を同方向へ倒すことにより、図13(b)に示すように防塵カバー1全体がシート状になることから、このような形態とした防塵カバー1,…を積み重ねても嵩張らないため、輸送若しくは運搬又は保管する際の効率を高めることができる
。
【0040】
以上のような本発明の実施の形態6に係る防塵カバー1によれば、防塵カバー1の矩形水平板材15に容器挿入穴15A,15A,…が形成されていることから、この矩形水平板材15により空容器を整列させることができるため、高さの低い空容器を箱内に収納する際に、防塵カバー1と別体の容器挿入穴が形成された支持体又は井桁状の仕切体を設ける必要がない。
そして、矩形水平板材15により空容器を整列させた状態で、矩形水平板材15から上側に離間した状態で張架されたフィルム材3により空容器の口部が封止されるため、部品コスト及び作業コストの増大を抑制しながら、空容器内への紙粉等の塵の侵入を効果的に防止することができる。
【符号の説明】
【0041】
A 空瓶(空容器)
B 口部
C,D くり抜き片
1 防塵カバー
2 水平板材
2A 穴
2B 凹部
2C 凸部
2D 周端縁
3 フィルム材
4 折曲げ舌片
5 取付穴
6 嵌合片
7 支持体
8 水平板材
8A 容器挿入穴
8B 周端縁
9 折曲舌片
10 水平枠材
10A 開口部
11 箱体
12 段ボール箱(外箱)
12A 天面内フラップ
12B 天面外フラップ
12C 側壁
13 水平板材(押圧手段)
13A 穴
14 スペーサ
15 水平板材
15A 容器挿入穴
16 第1折曲げ舌片
17 第2折曲げ舌片
【技術分野】
【0001】
本発明は、箱体内に並置された空容器内への紙粉等の侵入を防止するために空容器の口部を塞ぐ防塵カバー及びこの防塵カバーを備えた箱体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ガラス瓶は、気密性が高く雑菌の侵入を阻止することができるため保存性が高いという特長があることから、薬品メーカー又は食品メーカー等によって多数使用されている。
しかしながら、ガラス瓶は、脆性材料であるガラス製であることから割れやすく、また重量が重くなるという欠点もあるため、その輸送の際には破損防止のための十分な配慮が必要になる(例えば、特許文献1参照。)。
また、薬品メーカー又は食品メーカー等が、製品である薬品又は食品等を収容する容器としてガラス瓶を仕入先から仕入れた際には、仕入先から多数の空瓶が段ボール箱内に並置された状態で届けられるのが一般的であり、空瓶の輸送又は運搬の際には、段ボール箱内に井桁状の仕切を入れることにより(例えば、特許文献2及び3参照。)、空瓶同士が直接接触しない状態を保持するようにして破損を防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平4−121227号公報
【特許文献2】特開2004−331160号公報
【特許文献3】特開2008−260563号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
仕入れ先が空瓶を洗浄して段ボール箱内に収納したとしても、空瓶には蓋がないため輸送又は運搬の際に段ボール箱や仕切の紙粉が空瓶内に侵入してしまい、仕入れ元(エンドユーザー)である薬品メーカー又は食品メーカー等において、空瓶の洗浄作業に必要以上の手間が掛かる場合があることから、空瓶内への塵の侵入を防止するニーズがある。
また、空瓶に多くの紙粉等が侵入、付着している場合には、仕入元から仕入れ先に対してクレームが付く場合があり、仕入れ先にとっても空瓶内への塵の侵入を防止することの意義は大きい。
ここで、空瓶内への塵の侵入を防止する方策として、空瓶を梱包する際に空瓶の全てに仮の栓やキャップをすること又はシュリンク包装して空瓶の口部を塞ぐことが考えられるが、このような方策では部品コスト及び作業コストが大幅に増大してしまうため、実用的な解決策にはならない。
【0005】
そこで本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、部品コスト及び作業コストの増大を抑制しながら、箱内に並置された空瓶等の空容器内への紙粉等の塵の侵入を効果的に防止することができる、実用性の高い防塵カバー及び防塵カバーを備えた箱体を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る防塵カバーは、前記課題解決のために、水平板材と該水平板材の下面に添設されたフィルム材とからなり、箱内に収納された空容器上に載置された状態で前記空容器の口部を前記フィルム材で封止することを特徴とする。
このような構成によれば、空容器上に防塵カバーを載置するだけで空容器の口部がフィルム材により封止されるため、部品コスト及び作業コストの増大を抑制しながら、空容器
内への紙粉等の塵の侵入を効果的に防止することができる。
【0007】
ここで、前記水平板材の前記空容器の口部に対応する各位置に、前記口部の外径よりも大きい穴を形成してなると好ましい。
このような構成によれば、梱包完了状態でフィルム材を水平板材の穴内で上方へ弾性変形させることにより、輸送時等に変動荷重が作用して箱が振動してもフィルム材が空容器の口部に密着した状態を保持する効果が高くなるため、空容器内への紙粉等の塵の侵入防止効果がさらに高くなる。
その上、フィルム材を弾性変形させた状態では、空容器の水平方向への移動が規制されて隣り合う空容器同士の衝突が抑制されることから、空容器を整列するための仕切体等の上下方向の高さを低くすることができるため、仕切体等の材料使用量を少なくすることができる。
【0008】
また、本発明に係る防塵カバーは、前記課題解決のために、水平板材と該水平板材の上面に添設されたフィルム材とからなり、箱内に収納された空容器の口部に対応する前記水平板材の各位置に、前記口部の外径よりも大きい穴を形成してなり、前記空容器上に載置された状態で前記空容器の口部を前記フィルム材で封止することを特徴とする。
このような構成によっても前記防塵カバーと同様の作用効果を奏する。
【0009】
さらに、前記水平板材下面の前記空容器の口部に対応する各位置に、前記口部の外径よりも大きい凹部又は前記口部内に入る凸部を形成してなると好ましい。
このような構成によれば、前記凹部を形成したものでは、梱包完了状態でフィルム材を水平板材下面の凹部内で上方へ弾性変形させることにより、輸送時等に変動荷重が作用して箱が振動してもフィルム材が空容器の口部に密着した状態を保持する効果が高くなるため、空容器内への紙粉等の塵の侵入防止効果がさらに高くなる。
その上、前記凹部を形成したものではフィルム材を弾性変形させた状態で空容器の水平方向への移動が規制されて隣り合う空容器同士の衝突が抑制され、前記凸部を形成したものでは凸部が空容器の口部内に入って空容器の水平方向への移動が規制されて隣り合う空容器同士の衝突が抑制されることから、空容器を整列するための仕切体等の上下方向の高さを低くすることができるため、仕切体等の材料使用量を少なくすることができる。
【0010】
さらにまた、本発明に係る防塵カバーは、前記課題解決のために、水平板材の周端縁から延出する折曲げ舌片又は前記水平板材の周端部に複数の取付穴を形成し、これらの取付穴を覆うように下側からフィルム材を添わせた状態で前記取付穴に嵌合片を嵌合させることにより前記フィルム材を挟み込んで取り付けるとともに、箱内に収納された空容器の口部に対応する前記水平板材の各位置に、前記口部の外径よりも大きい穴を形成してなり、前記空容器上に載置された状態で前記口部を前記フィルム材で封止することを特徴とする。
このような構成によれば、前記防塵カバーと同様の作用効果に加え、接着等によらずにフィルム材を容易に取り付けて防塵カバーを構成することができるとともに、嵌合片を取り外すことによりフィルム材を水平板材から容易に分離することができるため、これらを容易に分別して再利用することができる。
その上、嵌合片を折曲げ舌片又は水平板材から作成することができるため、コストを削減することができる。
【0011】
また、本発明に係る防塵カバーは、前記課題解決のために、開口部を囲む水平枠材と該水平枠材に添設されて前記開口部を塞ぐフィルム材とからなり、箱内に収納された空容器上に載置された状態で前記空容器の口部を前記フィルム材で封止することを特徴とする。
このような構成によれば、空容器上に防塵カバーを載置するだけで空容器の口部がフィルム材により封止されるため、部品コスト及び作業コストの増大を抑制しながら、空容器
内への紙粉等の塵の侵入を効果的に防止することができる。
【0012】
ここで、前記水平枠材の周端縁から延出する折曲げ舌片に複数の取付穴を形成し、これらの取付穴を覆うように前記フィルム材を添わせた状態で前記取付穴に嵌合片を嵌合させることにより前記フィルム材を挟み込んで取り付けてなると好ましい。
このような構成によれば、接着等によらずにフィルム材を容易に取り付けて防塵カバーを構成することができるとともに、嵌合片を取り外すことによりフィルム材を水平枠材から容易に分離することができるため、これらを容易に分別して再利用することができる。
その上、嵌合片を折曲げ舌片から作成することができるため、コストを削減することができる。
【0013】
さらに、本発明に係る防塵カバーは、前記課題解決のために、箱内に収納する空容器を整列させる、容器挿入穴が形成された矩形水平板材と、該矩形水平板材の一対の対辺から延出し、下方へ折り曲げられる一対の第1折曲げ舌片と、該第1折曲げ舌片を折り曲げた状態で、その下端部から延出し、外側かつ上方へ前記第1折曲げ舌片に添って前記矩形水平板材よりも上側まで延びる一対の第2折曲げ舌片と、該第2折曲げ舌片により支持され、前記矩形水平板材から上側に離間した状態で張架されるフィルム材とからなり、前記容器挿入穴内に挿入され、箱内に収納された空容器の口部を前記フィルム材で封止することを特徴とする。
このような構成によれば、防塵カバーの矩形水平板材に容器挿入穴が形成されていることから、この矩形水平板材により空容器を整列させることができるため、高さの低い空容器を箱内に収納する際に、防塵カバーと別体の容器挿入穴が形成された支持体又は井桁状の仕切体を設ける必要がない。
そして、矩形水平板材により空容器を整列させた状態で、矩形水平板材から上側に離間した状態で張架されたフィルム材により空容器の口部が封止されるため、部品コスト及び作業コストの増大を抑制しながら、空容器内への紙粉等の塵の侵入を効果的に防止することができる。
【0014】
本発明に係る防塵カバーを備えた箱体は、前記課題解決のために、箱と、該箱内に収納する空容器を整列させる、前記空容器の高さよりも高さが低い、容器挿入穴が形成された支持体又は井桁状の仕切体と、水平板材及び該水平板材の下面に添設されたフィルム材からなる防塵カバーとを備え、前記箱を閉じた状態で前記空容器の口部を前記フィルム材で封止することを特徴とする。
このような構成によれば、空容器上に防塵カバーを載置するだけで空容器の口部がフィルム材により封止されるため、部品コスト及び作業コストの増大を抑制しながら、空容器内への紙粉等の塵の侵入を効果的に防止することができる。
【0015】
ここで、前記箱内に収納された空容器の口部に対応する前記防塵カバーの水平板材の各位置に、前記口部の外径よりも大きい穴を形成してなると好ましい。
このような構成によれば、箱を閉じた状態でフィルム材を水平板材の穴内で上方へ弾性変形させることにより、輸送時等に変動荷重が作用して箱が振動してもフィルム材が空容器の口部に密着した状態を保持する効果が高くなるため、空容器内への紙粉等の塵の侵入防止効果がさらに高くなる。
その上、フィルム材を弾性変形させた状態では、空容器の水平方向への移動が規制されて隣り合う空容器同士の衝突が抑制されることから、空容器を整列するための前記支持体又は仕切体の上下方向の高さを低くすることができるため、前記支持体又は仕切体の材料使用量を少なくすることができる。
【0016】
また、本発明に係る防塵カバーを備えた箱体は、前記課題解決のために、箱と、該箱内に収納する空容器を整列させる、前記空容器の高さよりも高さが低い、容器挿入穴が形成
された支持体又は井桁状の仕切体と、水平板材の周端縁から延出する折曲げ舌片又は前記水平板材の周端部に複数の取付穴を形成し、これらの取付穴を覆うように下側からフィルム材を添わせた状態で前記取付穴に嵌合片を嵌合させることにより前記フィルム材を挟み込んで取り付けるとともに、前記箱内に収納された空容器の口部に対応する前記水平板材の各位置に、前記口部の外径よりも大きい穴を形成してなる防塵カバーとを備え、前記箱を閉じた状態で前記空容器の口部を前記フィルム材で封止することを特徴とする。
このような構成によれば、前記防塵カバーを備えた箱体と同様の作用効果に加え、接着等によらずにフィルム材を容易に取り付けて防塵カバーを構成することができるとともに、嵌合片を取り外すことによりフィルム材を水平板材から容易に分離することができるため、これらを容易に分別して再利用することができる。
その上、嵌合片を折曲げ舌片又は水平板材から作成することができるため、コストを削減することができる。
【0017】
ここで、前記箱を閉じた状態で前記防塵カバーを下側に押圧する押圧手段を備えてなると好ましい。
このような構成によれば、押圧手段により下側に押圧された状態で防塵カバーのフィルム材が空容器の口部に当接することから、輸送時等に変動荷重が作用して箱が振動してもフィルム材が空容器の口部に密着した状態を保持する効果がさらに高くなるため、空容器内への紙粉等の塵の侵入防止効果をさらに高めることができる。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、本発明に係る防塵カバー及び防塵カバーを備えた箱体によれば、簡素な構成の防塵カバーを用いて、そのフィルム材により空容器の口部が封止されるため、部品コスト及び作業コストの増大を抑制しながら、箱内に並置された空瓶等の空容器内への紙粉等の塵の侵入を効果的に防止することができるため、実用性の高い防塵カバー及び防塵カバーを備えた箱体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態1に係る防塵カバーを備えた箱体の上面フラップを開けた状態を示す斜視図である。
【図2】同箱体の分解斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る防塵カバーを示す斜視図であり、(a)は折曲げ舌片を折り曲げる前の状態を、(b)は折曲げ舌片を折り曲げた状態を示している。
【図4】空容器を整列されるための支持体の斜視図であり、(a)は折曲げ舌片を折り曲げる前の状態を、(b)は折曲げ舌片を折り曲げた状態を示している。
【図5】防塵カバーの構成説明図であり、(a)は水平板材及び折曲舌片の斜視図、(b)は防塵カバーの分解斜視図である。
【図6】取付穴と嵌合片を拡大して示す斜視図である。
【図7】箱体の要部拡大縦断面図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係る防塵カバーを備えた箱体の分解斜視図である。
【図9】同箱体の要部拡大縦断面図である。
【図10】本発明の実施の形態3に係る防塵カバーを備えた箱体の要部拡大縦断面図である。
【図11】本発明の実施の形態4に係る防塵カバーを備えた箱体の要部拡大縦断面図である。
【図12】本発明の実施の形態5に係る防塵カバーを示す斜視図である。
【図13】本発明の実施の形態6に係る防塵カバーを示す斜視図であり、(a)は使用状態、(b)は防塵カバーのみを輸送若しくは運搬又は保管する際の状態を示している。
【図14】同じく分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に本発明の実施の形態を添付図面に基づき詳細に説明するが、本発明は、添付図面に示された形態に限定されず特許請求の範囲に記載の要件を満たす実施形態の全てを含むものである。
【0021】
実施の形態1.
図1及び図2に示すように、本発明の実施の形態1に係る防塵カバーを備えた箱体11は、外箱である段ボール箱12、段ボール箱12内の下部に収容され、空容器であるガラス製の空瓶A,A,…を整列するための容器挿入穴8A,8A,…が形成された支持体7、及び、支持体7により整列され段ボール箱12内に収納された状態の空瓶A,A,…上に載置され、空瓶A,A,…内への紙粉等の塵の侵入を防止する防塵カバー1により構成される。
なお、空容器は、ガラス製の空瓶Aではなくプラスチック製の空瓶であってもよく、また、瓶ではなく他の容器であってもよい。
【0022】
図3に示すように、防塵カバー1は、矩形状の水平板材2、水平板材2の下面に添設された矩形状のフィルム材3、水平板材2の4辺である周端縁2D,2D,…から延出する折曲げ舌片4,4,…からなり、水平板材2には、空瓶A,A,…の口部(入口)B,B,…に対応する位置に、口部B,B,…の外径よりも大きい穴2A,2A,…が形成されており、図3(b)及び図7に示すように折曲げ舌片4,4,…を下側に折り曲げて折曲げ舌片4,4,…の外面を段ボール箱12の側壁12Cの内面に当接させた状態で空瓶A,A,…上に載置される。
【0023】
図4に示すように、支持体7は、矩形状の水平板材8、水平板材8の4辺である周端縁8B,8B,…から延出する折曲げ舌片9,9,…からなり、水平板材8には、空瓶A,A,…を整列するための容器挿入穴8A,8A,…が形成されており、図4(b)及び図7に示すように折曲げ舌片9,9,…を下側に折り曲げて折曲げ舌片9,9,…の外面を段ボール箱12の側壁12Cの内面に当接させた状態で段ボール箱12内の下部に収容される。
なお、空瓶A,A,…を整列させる支持体7に代えて、井桁状の仕切体を用いてもよい。
【0024】
ここで、防塵カバー1の水平板材2及び折曲げ舌片4,4,…並びに支持体7の水平板材8及び折曲げ舌片9,9,…は、2〜3mm程度の厚さの段ボールシート、コートボール紙又は樹脂シート等により形成され、本実施の形態では、低コスト化等のために段ボールシートを採用している。
また、防塵カバー1のフィルム材3は、15〜30μm程度の厚さのポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン若しくはセロファン等のフィルム又はポリ乳酸等の生分解性プラスチックのフィルム等により形成され、本実施の形態では、低コスト化等のために梱包用フィルムとして一般的なポリエチレンフィルムを採用している。
なお、フィルム材3は、図1に示すように透明であるが、半透明又は不透明であってもよい。
【0025】
次に、防塵カバー1におけるフィルム材3の取付手段の詳細について説明する。
図5(a)に示すように、トムソン加工により水平板材2、折曲げ舌片4,4,…及び穴2A,2A,…をくり抜く際に、折曲げ舌片9,9,…の水平板材8に近い部分を所定の取付穴5の形状(例えば、凸字状)にくり抜き(くり抜き片C,C,…)、折曲げ舌片4,4,…の端縁部を、くり抜き片Cと同様の形状で且つくり抜き片Cよりも若干大きな形状にくり抜き(くり抜き片D,D,…)、くり抜き片D,D,…を取付穴5,5,…に
嵌合する嵌合片6,6,…としている。
【0026】
ここで、取付穴5(くり抜き片C)及び嵌合片6(くり抜き片D)の大きさについては、図6に示すように、水平板材2の辺(周端縁2D)に沿う方向の取付穴5の長さL1よりも嵌合片6の長さL2を大きく、水平板材2の辺に直交する方向の取付穴5の長さW1よりも嵌合片6の長さW2を大きくしており、例えばL1=40mmに対してL2=41mm程度、W1=15mmに対してW2=16mm程度と、長さL2,W2の両方を長さL1,W1よりも1mm程度大きくしているが、長さL2,W2の一方のみを長さL1,W1よりも大きくしてもよい。
また、長さL2,W2を長さL1,W1に対して大きく(L2>L1,W2>W1)する程度(比率)は、嵌合片6,6,…の取付穴5,5,…への嵌合させやすさ及びフィルム材3の抜け止め効果を勘案して設定する。
なお、くり抜き片C(取付穴5)及びくり抜き片D(嵌合片6)の形状は、凸形状に限定されるものではなく、矩形状、楕円形状等の他の形状であってもよい。
【0027】
このようなフィルム材3の取付手段により、図5(b)に示すように、水平板材2の下面にフィルム材3を添わせ、その下側から嵌合片6,6,…を取付穴5,5,…に嵌合させることにより、フィルム材3を挟み込んで容易に取り付けることができる。
また、嵌合片6,6,…の大きさを取付穴5,5,…の大きさよりも、L2>L1,W2>W1と上述のとおり大きく設定していることから、嵌合片6,6,…が弾性変形した状態で取付穴5,5,…に嵌合するため、挟み込まれるフィルム材3の抜け止め効果を高めることができる。
ここで、取付穴5,5,…を水平板材2に、その周端縁2D,2D,…の近傍に形成するようにしてもよく、水平板材2をくり抜いて嵌合片6,6,…を製作するようにしてもよい。
【0028】
以上のようなフィルム材3の取付手段によれば、接着等によらずにフィルム材3を容易に取り付けて防塵カバー1を構成することができるとともに、嵌合片6,6,…を取り外すことによりフィルム材3を水平板材2及び折曲げ舌片4,4,…から容易に分離することができるため、これらを容易に分別して再利用することができる。
その上、折曲げ舌片4,4,…又は水平板材2から嵌合片6,…を作成することができるため、コストを削減することができる。
なお、防塵カバー1におけるフィルム材3の取付手段は、上述の嵌合片6,6,…を用いた取付手段がより好ましいものではあるが、このような取付手段に限定されるものではなく、フィルム材3を接着剤により取り付けてもよいし、水平板材2及び折曲げ舌片4,4を例えばコートボール紙により製作して、フィルム材3を熱溶着により接合してもよい。
【0029】
以上のような防塵カバー1及び箱体11の構成によれば、空瓶A,A,…上に防塵カバー1を載置するだけで空瓶A,A,…の口部B,B,…がフィルム材3により塞がれるため、部品コスト及び作業コストの増大を抑制しながら、空瓶A,A,…内への紙粉等の塵の侵入を効果的に防止することができる。
また、図7に示すように、図1及び図2の段ボール箱12の天面内フラップ12A,12A及び天面外フラップ12B,12Bを閉じた梱包完了状態で、フィルム材3が空瓶A,A,…により水平板材2の穴2A,2A,…内で上方へ弾性変形した状態となるようにすれば、輸送時等に変動荷重が作用して段ボール箱12が振動してもフィルム材3が空瓶A,A,…の口部B,B,…に密着した状態を保持する効果が高くなるため、空瓶A,A,…内への紙粉等の塵の侵入防止効果がさらに高くなる。
さらに、上述のとおりフィルム材3を弾性変形させた状態では、空瓶A,A,…の水平方向への移動が規制されて隣り合う空瓶A,A同士の衝突が抑制されることから、空瓶A
,A,…を整列するための支持体7又は井桁状の仕切体の上下方向の高さを低くすることができるため、支持体7又は井桁状の仕切体の材料使用量を少なくすることができる。
【0030】
以上の説明においては、穴2A,2A,…が形成された水平板材2の下面にフィルム材3を添設する場合を示したが、用途によっては穴2A,2A,…をなくしてもよい。
また、フィルム材3は水平板材2の下面に添設させるのが好ましいものであるが、穴2A,2A,…が形成された水平板材2において、フィルム材3を水平板材2の上面に添設させてもよい。
【0031】
実施の形態2.
図8及び図9に示すように、本発明の実施の形態2に係る防塵カバーを備えた箱体11は、ダンボール箱12を閉じた状態で防塵カバー1を下側に押圧する押圧手段である水平板材13を備えたことを特徴としており、図8及び図9において実施の形態1の図1〜図7と同一符号は、同一又は相当部分を示している。
水平板材13には、防塵カバー1の穴2A,2A,…に対応する位置に、穴13A,13A,…が形成されており、図9に示すように、図8の段ボール箱12の天面内フラップ12A,12A及び天面外フラップ12B,12Bを閉じた梱包完了状態で、天面内フラップ12A,12Aの下側に位置する水平板材13により防塵カバー1が下側に押し下げられる。
【0032】
以上のような構成によっても実施の形態1と同様の作用効果を奏するとともに、図9に示すように、押圧手段である水平板材13により下側に押圧された状態で防塵カバー1のフィルム材3が空瓶A,A,…の口部B,B,…に当接することから、フィルム材3の弾性変形量が大きくなり、輸送時等に変動荷重が作用してダンボール箱12が振動してもフィルム材3が空瓶A,A,…の口部B,B,…に密着した状態を保持する効果がさらに高くなるため、空瓶A,A,…内への紙粉等の塵の侵入防止効果をさらに高めることができる。
【0033】
実施の形態3.
図10に示すように、本発明の実施の形態3に係る防塵カバーを備えた箱体11は、その防塵カバー1の水平板材2に、実施の形態1及び2における穴2A,2A,…ではなく、水平板材2下面の空瓶A,A,…の口部B,B,…に対応する位置に、口部B,B,…の外径よりも大きい凹部2B,2B,…を形成したことを特徴としており、図10において実施の形態1の図1〜図7と同一符号は、同一又は相当部分を示している。
なお、天面内フラップ12A,12Aの下側にはスペーサ14が設けられているため、水平板材2下面に凹部2B,2B,…を形成することにより上側に突出する部分と天面内フラップ12A,12Aとの干渉を防止している。
以上のような構成によっても実施の形態1と同様の作用効果を奏するとともに、凹部2B,2B,…の深さを深くしてスペーサ14の厚さを厚くすることにより、スペーサ14が押圧手段として機能するため実施の形態2と同様の作用効果を奏する。
【0034】
実施の形態4.
図11に示すように、本発明の実施の形態4に係る防塵カバーを備えた箱体11は、その防塵カバー1の水平板材2に、実施の形態1及び2における穴2A,2A,…及び実施の形態3の凹部2B,2B,…ではなく、水平板材2下面の空瓶A,A,…の口部B,B,…に対応する位置に、口部B,B,…内に入る凸部2C,2C,…を形成したことを特徴としおり、図11において実施の形態1の図1〜図7と同一符号は、同一又は相当部分を示している。
以上のような構成によっても実施の形態1と同様の作用効果を奏する。
なお実施の形態4では、空瓶A,A,…の口部B,B,…内に凸部2C,2C,…が入
るため、空瓶A,A,…の水平方向への移動が規制されて隣り合う空瓶A,A同士の衝突が抑制される。
【0035】
実施の形態5.
図12に示すように、本発明の実施の形態5に係る防塵カバー1は、実施の形態1及び2における穴2A,2A,…、実施の形態3における凹部2B,2B,…及び実施の形態4における凸部2C,2C,…が形成された水平板材2並びにその下面に添設されたフィルム材3からなる構成と異なり、空瓶A,A,…の口部B,Bの全てを覆う大きさの開口10Aが形成された水平枠材10並びに水平枠材10の下面に添設されて開口部10Aを塞ぐフィルム材3からなることを特徴としており、図12において実施の形態1の図2、図3及び図5と同一符号は、同一又は相当部分を示している。
なお、フィルム材3は、水平枠材10の下面ではなく上面に添設させてもよい。
【0036】
以上のような本発明の実施の形態5に係る防塵カバー1を備えた箱体11によっても、薬品又は食品等を収容する容器がガラス製の空瓶A,A,…ではなく、例えばプラスチック製の軽量容器である場合等においては、実施の形態1と同様の作用効果を奏する。
また、空瓶A,A,…を整列するための支持体7(例えば、図7参照。)の高さを高くしたり、適切な高さの井桁状の仕切体を使用することにより、薬品又は食品等を収容する容器がガラス製の空瓶A,A,…であっても、実施の形態5に係る防塵カバー1を使用することができる。
さらに、実施の形態5に係る防塵カバー1を備えた箱体11において、ダンボール箱12を閉じた状態で防塵カバー1を下側に押圧する押圧手段を備えるようにしてもよい。
【0037】
以上の説明においては、防塵カバー1が折曲げ舌片4,4,…を備えている場合について説明したが、折曲げ舌片4,4,…は必須の構成ではなく、防塵カバー1を、水平板材2及び水平板材2の下面に添設されたフィルム材3、又は、水平枠材10及び水平枠材10の下面又は上面に添設されたフィルム材3のみにより構成してもよい。
【0038】
実施の形態6.
図13及び図14に示すように、本発明の実施の形態6に係る防塵カバー1は、高さの低い空容器(例えば空瓶)を整列させる容器挿入穴15A,15A,…が形成された矩形状の水平板材15と、該水平板材15の一対の対辺から延出し、下方へ折り曲げられる一対の第1折曲げ舌片16,16と、第1折曲げ舌片16,16を折り曲げた状態で、その下端部から延出し、外側かつ上方へ第1折曲げ舌片16,16に添って水平板材15よりも上側まで延びる一対の第2折曲げ舌片17,17と、第2折曲げ舌片17,17により支持され、図13(a)に示す使用状態で水平板材15から上側に離間した状態で張架されるフィルム材3とからなることを特徴としており、図13及び図14において実施の形態1の図3(a)及び図5と同一符号は、同一又は相当部分を示している。
【0039】
図14に示すように、矩形水平板材15に対し、上述のように第1折曲げ舌片16,16及び第2折曲げ舌片17,17を折り曲げた状態とし、この状態における第2折曲げ舌片17,17の上端縁間にわたってフィルム材3を張架し、フィルム材3を下側へ折り曲げて第2折曲げ舌片17,17の外側へ添わせた状態とし、さらに外側から嵌合片6,6,…を取付穴5,5,…に嵌合させることにより、フィルム材3を挟み込んで図13(a)に示すように容易に取り付けることができ、フィルム材3は第2折曲げ舌片17,17により支持される。
また、図13(a)に示す防塵カバー1の使用状態から、第1折曲げ舌片16,16及び第2折曲げ舌片17,17を同方向へ倒すことにより、図13(b)に示すように防塵カバー1全体がシート状になることから、このような形態とした防塵カバー1,…を積み重ねても嵩張らないため、輸送若しくは運搬又は保管する際の効率を高めることができる
。
【0040】
以上のような本発明の実施の形態6に係る防塵カバー1によれば、防塵カバー1の矩形水平板材15に容器挿入穴15A,15A,…が形成されていることから、この矩形水平板材15により空容器を整列させることができるため、高さの低い空容器を箱内に収納する際に、防塵カバー1と別体の容器挿入穴が形成された支持体又は井桁状の仕切体を設ける必要がない。
そして、矩形水平板材15により空容器を整列させた状態で、矩形水平板材15から上側に離間した状態で張架されたフィルム材3により空容器の口部が封止されるため、部品コスト及び作業コストの増大を抑制しながら、空容器内への紙粉等の塵の侵入を効果的に防止することができる。
【符号の説明】
【0041】
A 空瓶(空容器)
B 口部
C,D くり抜き片
1 防塵カバー
2 水平板材
2A 穴
2B 凹部
2C 凸部
2D 周端縁
3 フィルム材
4 折曲げ舌片
5 取付穴
6 嵌合片
7 支持体
8 水平板材
8A 容器挿入穴
8B 周端縁
9 折曲舌片
10 水平枠材
10A 開口部
11 箱体
12 段ボール箱(外箱)
12A 天面内フラップ
12B 天面外フラップ
12C 側壁
13 水平板材(押圧手段)
13A 穴
14 スペーサ
15 水平板材
15A 容器挿入穴
16 第1折曲げ舌片
17 第2折曲げ舌片
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平板材と該水平板材の下面に添設されたフィルム材とからなり、箱内に収納された空容器上に載置された状態で前記空容器の口部を前記フィルム材で封止する防塵カバー。
【請求項2】
前記水平板材の前記空容器の口部に対応する各位置に、前記口部の外径よりも大きい穴を形成してなる請求項1記載の防塵カバー。
【請求項3】
水平板材と該水平板材の上面に添設されたフィルム材とからなり、箱内に収納された空容器の口部に対応する前記水平板材の各位置に、前記口部の外径よりも大きい穴を形成してなり、前記空容器上に載置された状態で前記空容器の口部を前記フィルム材で封止する防塵カバー。
【請求項4】
前記水平板材下面の前記空容器の口部に対応する各位置に、前記口部の外径よりも大きい凹部又は前記口部内に入る凸部を形成してなる請求項1記載の防塵カバー。
【請求項5】
水平板材の周端縁から延出する折曲げ舌片又は前記水平板材の周端部に複数の取付穴を形成し、これらの取付穴を覆うように下側からフィルム材を添わせた状態で前記取付穴に嵌合片を嵌合させることにより前記フィルム材を挟み込んで取り付けるとともに、箱内に収納された空容器の口部に対応する前記水平板材の各位置に、前記口部の外径よりも大きい穴を形成してなり、前記空容器上に載置された状態で前記口部を前記フィルム材で封止する防塵カバー。
【請求項6】
開口部を囲む水平枠材と該水平枠材に添設されて前記開口部を塞ぐフィルム材とからなり、箱内に収納された空容器上に載置された状態で前記空容器の口部を前記フィルム材で封止する防塵カバー。
【請求項7】
前記水平枠材の周端縁から延出する折曲げ舌片に複数の取付穴を形成し、これらの取付穴を覆うように前記フィルム材を添わせた状態で前記取付穴に嵌合片を嵌合させることにより前記フィルム材を挟み込んで取り付けてなる請求項6記載の防塵カバー。
【請求項8】
箱内に収納する空容器を整列させる、容器挿入穴が形成された矩形水平板材と、
該矩形水平板材の一対の対辺から延出し、下方へ折り曲げられる一対の第1折曲げ舌片と、
該第1折曲げ舌片を折り曲げた状態で、その下端部から延出し、外側かつ上方へ前記第1折曲げ舌片に添って前記矩形水平板材よりも上側まで延びる一対の第2折曲げ舌片と、
該第2折曲げ舌片により支持され、前記矩形水平板材から上側に離間した状態で張架されるフィルム材とからなり、
前記容器挿入穴内に挿入され、箱内に収納された空容器の口部を前記フィルム材で封止する防塵カバー。
【請求項9】
箱と、
該箱内に収納する空容器を整列させる、前記空容器の高さよりも高さが低い、容器挿入穴が形成された支持体又は井桁状の仕切体と、
水平板材及び該水平板材の下面に添設されたフィルム材からなる防塵カバーとを備え、
前記箱を閉じた状態で前記空容器の口部を前記フィルム材で封止する、防塵カバーを備えた箱体。
【請求項10】
前記箱内に収納された空容器の口部に対応する前記防塵カバーの水平板材の各位置に、前記口部の外径よりも大きい穴を形成してなる請求項9記載の防塵カバーを備えた箱体。
【請求項11】
箱と、
該箱内に収納する空容器を整列させる、前記空容器の高さよりも高さが低い、容器挿入穴が形成された支持体又は井桁状の仕切体と、
水平板材の周端縁から延出する折曲げ舌片又は前記水平板材の周端部に複数の取付穴を形成し、これらの取付穴を覆うように下側からフィルム材を添わせた状態で前記取付穴に嵌合片を嵌合させることにより前記フィルム材を挟み込んで取り付けるとともに、前記箱内に収納された空容器の口部に対応する前記水平板材の各位置に、前記口部の外径よりも大きい穴を形成してなる防塵カバーとを備え、
前記箱を閉じた状態で前記空容器の口部を前記フィルム材で封止する、防塵カバーを備えた箱体。
【請求項12】
前記箱を閉じた状態で前記防塵カバーを下側に押圧する押圧手段を備えてなる請求項9〜11のいずれかに記載の防塵カバーを備えた箱体。
【請求項1】
水平板材と該水平板材の下面に添設されたフィルム材とからなり、箱内に収納された空容器上に載置された状態で前記空容器の口部を前記フィルム材で封止する防塵カバー。
【請求項2】
前記水平板材の前記空容器の口部に対応する各位置に、前記口部の外径よりも大きい穴を形成してなる請求項1記載の防塵カバー。
【請求項3】
水平板材と該水平板材の上面に添設されたフィルム材とからなり、箱内に収納された空容器の口部に対応する前記水平板材の各位置に、前記口部の外径よりも大きい穴を形成してなり、前記空容器上に載置された状態で前記空容器の口部を前記フィルム材で封止する防塵カバー。
【請求項4】
前記水平板材下面の前記空容器の口部に対応する各位置に、前記口部の外径よりも大きい凹部又は前記口部内に入る凸部を形成してなる請求項1記載の防塵カバー。
【請求項5】
水平板材の周端縁から延出する折曲げ舌片又は前記水平板材の周端部に複数の取付穴を形成し、これらの取付穴を覆うように下側からフィルム材を添わせた状態で前記取付穴に嵌合片を嵌合させることにより前記フィルム材を挟み込んで取り付けるとともに、箱内に収納された空容器の口部に対応する前記水平板材の各位置に、前記口部の外径よりも大きい穴を形成してなり、前記空容器上に載置された状態で前記口部を前記フィルム材で封止する防塵カバー。
【請求項6】
開口部を囲む水平枠材と該水平枠材に添設されて前記開口部を塞ぐフィルム材とからなり、箱内に収納された空容器上に載置された状態で前記空容器の口部を前記フィルム材で封止する防塵カバー。
【請求項7】
前記水平枠材の周端縁から延出する折曲げ舌片に複数の取付穴を形成し、これらの取付穴を覆うように前記フィルム材を添わせた状態で前記取付穴に嵌合片を嵌合させることにより前記フィルム材を挟み込んで取り付けてなる請求項6記載の防塵カバー。
【請求項8】
箱内に収納する空容器を整列させる、容器挿入穴が形成された矩形水平板材と、
該矩形水平板材の一対の対辺から延出し、下方へ折り曲げられる一対の第1折曲げ舌片と、
該第1折曲げ舌片を折り曲げた状態で、その下端部から延出し、外側かつ上方へ前記第1折曲げ舌片に添って前記矩形水平板材よりも上側まで延びる一対の第2折曲げ舌片と、
該第2折曲げ舌片により支持され、前記矩形水平板材から上側に離間した状態で張架されるフィルム材とからなり、
前記容器挿入穴内に挿入され、箱内に収納された空容器の口部を前記フィルム材で封止する防塵カバー。
【請求項9】
箱と、
該箱内に収納する空容器を整列させる、前記空容器の高さよりも高さが低い、容器挿入穴が形成された支持体又は井桁状の仕切体と、
水平板材及び該水平板材の下面に添設されたフィルム材からなる防塵カバーとを備え、
前記箱を閉じた状態で前記空容器の口部を前記フィルム材で封止する、防塵カバーを備えた箱体。
【請求項10】
前記箱内に収納された空容器の口部に対応する前記防塵カバーの水平板材の各位置に、前記口部の外径よりも大きい穴を形成してなる請求項9記載の防塵カバーを備えた箱体。
【請求項11】
箱と、
該箱内に収納する空容器を整列させる、前記空容器の高さよりも高さが低い、容器挿入穴が形成された支持体又は井桁状の仕切体と、
水平板材の周端縁から延出する折曲げ舌片又は前記水平板材の周端部に複数の取付穴を形成し、これらの取付穴を覆うように下側からフィルム材を添わせた状態で前記取付穴に嵌合片を嵌合させることにより前記フィルム材を挟み込んで取り付けるとともに、前記箱内に収納された空容器の口部に対応する前記水平板材の各位置に、前記口部の外径よりも大きい穴を形成してなる防塵カバーとを備え、
前記箱を閉じた状態で前記空容器の口部を前記フィルム材で封止する、防塵カバーを備えた箱体。
【請求項12】
前記箱を閉じた状態で前記防塵カバーを下側に押圧する押圧手段を備えてなる請求項9〜11のいずれかに記載の防塵カバーを備えた箱体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−16552(P2011−16552A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−162790(P2009−162790)
【出願日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【出願人】(509194987)株式会社加地商店 (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【出願人】(509194987)株式会社加地商店 (1)
【Fターム(参考)】
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