説明

防振装置のリサイクル方法

【課題】微風振動防止用ダンパや電線着雪防止のために径間内に分散して取付けられる捻れ防止ダンパ等の構成部品のうち、特に、亜鉛めっきが施された重錘類を回収して再めっきし、リサイクル製品として再利用を図ると共に、環境汚染の防止に役立て、地球温暖化防止のための省エネルギーに貢献し、これらのリサイクル製品を安価に提供することを目的とするものである。
【解決手段】架空送電線に使用されている微風振動防止のための防振装置および難着雪対策のために使用されている捻れ防止ダンパなどの重錘類を含む防振装置のリサイクル方法であって、重錘のリサイクル工程は、重錘と鋼撚り線を分離する第一工程に続き、重錘の腐食生成物除去および脱亜鉛からなる第二工程を経て、重錘を再めっき処理する第三工程とから成ることを特徴とする防振装置のリサイクル方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、架空送電線等の径間端末に取付けられて使用される微風振動防止用ダンパや、電線着雪防止のために径間内に分散して取付けられる捻れ防止ダンパ等の防振装置のリサイクル方法にかかり、その構成部品のうち、特に、亜鉛めっきが施された重錘類を含む防振装置のリサイクル技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
微風振動防止用ダンパとしては、例えば、特許文献1に示されるような構造のダンパが広く使用されている。また、捻れ防止ダンパとしては、例えば、特許文献2に示されるような構造のものが広く使用されている。
【0003】
また、上記したようなダンパ類は、微風振動やギャロッピング振動などを受けて摩耗劣化するほかに、いずれも屋外で長年月に亘って使用されるため、使用環境条件の如何によっては、亜鉛めっきされた重錘や鋼撚り線などでも著しく腐食劣化しているものが散見されている。しかも、使用年数も20〜30年以上経過していることもあり、安全保守上の問題から計画的に新品と交換する必要に迫られている。
【0004】
本発明の技術に関連した特許文献としては、例えば次のようなものがある。
【特許文献1】特開2001−309534号公報
【特許文献2】実公昭63−41800号公報
【特許文献3】特開昭57−85936号公報
【特許文献4】特開昭63−96224号公報
【特許文献5】特開平2−298225号公報
【特許文献6】特開平7−90394号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記したようなダンパ類は全国の電力会社に採用されており、その数量は膨大なものであるので、資源の有効活用の面から、再生して使用できる部品はリサイクルを図る必要があったが、現地に埋設投棄されたり、屑として回収されたりすることはあっても、リサイクルされた例は無く、すべて屑鉄として再溶解されて処理され、多くのエネルギーを消費し、地球環境を悪化させていた。地球温暖化防止が叫ばれている現今の趨勢から考えれば、リサイクルできる部材については積極的にリサイクルを推進し、環境汚染の防止に役立て、地球温暖化防止のための省エネルギーに貢献する必要がある。
【0006】
これらのダンパ類の代表的構成材料としては、以下の材料が使用されていた。
(1) 重錘:亜鉛めっき鉄鋳物(FC材)
(2) 電線クランプ:アルミ鋳物(AC4C,AC7Aなど)
(3) 鋼撚り線:亜鉛めっき鋼撚り線(硬鋼線材)
(4) ボルト類:一般構造用圧延鋼材(SS材)
【0007】
上記構成材料のうち、(1)の構成部材は亜鉛めっき鉄鋳物で、いずれも重錘として使用されており、ボリュームも大きく、表面に錆などが生じてもこれらを除去して再めっきすれば、性能に影響することなくリサイクル可能な部材である。
また、(2)の材料については材質が明確であるので、分別して回収し溶解鋳造すれば、再びこれらの製品の構成部品としてリサイクルできる。
【0008】
本発明の目的は、以上に述べたような微風振動防止用ダンパや電線着雪防止のために、電線の径間内に分散して取付けられる捻れ防止ダンパ等の構成部品のうち、特に、亜鉛めっきが施された重錘類を回収して再めっきし、リサイクル製品として再利用を図ると共に、これらの製品を安価に提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)使用済みの架空電線用防振装置をリサイクルする方法であって、
前記防振装置は、重錘、鋼撚り線、電線把持部、および締付用部材を備え、
リサイクル工程として、
前記重錘と鋼撚り線とを分離する第一処理工程と、
前記第一工程に続いて、前記重錘の腐食生成物除去処理および/または脱亜鉛処理を含む第二処理工程と、
前記重錘を再めっき処理する第三処理工程と、を備えることを特徴とする防振装置のリサイクル方法である。
【0010】
(2)(1)の防振装置のリサイクル方法において、本方法は、鋼撚り線と重錘との固着部を分離する第一工程は、重錘の一端を固定し前記重錘の外側方よりから、前記重錘の六角穴に圧入固着されている金属体を、前記六角穴より僅かに小さな寸法の押出し治具を用いて適当な油圧治具などにより押出し分離することを特徴とする重錘のリサイクル方法である。
また、鋼撚り線11に固着されている把持部12を分離する方法としては、前記第一工程で重錘18から分離された鋼撚り線11の一端を固定して把持部を引っ張り試験器などにより引抜く方法や、プレスその他の装置により鋼撚り線11に固着されている把持部12を圧潰/破壊するなどの方法等により分別回収できる。
【0011】
(3)(1)の防振装置のリサイクル方法において、本方法は、前記第二工程は、(1)重錘の脱脂処理、(2)腐食生成物除去処理および(3)脱亜鉛処理の三つの前処理工程を含み、前記前処理工程の少なくとも一つ以上の前処理工程を経て処理される。
(4)(3)の防振装置のリサイクル方法において、本方法は、前記脱亜鉛処理がなされる場合は、その脱亜鉛処理においては必要最小限にとどめて亜鉛めっきすることを特徴とする。
【0012】
前記第二の処理工程において、亜鉛めっきされていた重錘18は、表面外観が使用環境条件などにより腐食して発錆していたり、汚損されていたりする場合が大部分であるから、これらの生成物を除去するために、以下のような前処理工程を経る。
即ち、撤去重錘18のめっき工程に入る前の前処理として、重錘18への油分などの付着を除去する脱脂処理(アルカリ脱脂または有機溶剤脱脂処理)に続いて、表面腐食生成物および劣化亜鉛めっきなどの除去(ブラスト処理または酸洗い処理)工程を経るが、前者の脱脂処理については撤去品の汚損状況により省略できる場合がある。なお、亜鉛めっきを施された鋼材をリサイクルする方法としては、以下の処理方法が知られている。
【0013】
(1) スクラップを加熱して、亜鉛めっき鋼材の表面に付着している亜鉛を蒸発させる方法 (例えば特許文献3)。
(2) スクラップを急速に加熱した後ショットブラスト処理を施し、加熱処理によって除去できない亜鉛めっき鋼材の表面に付着している酸化・変質亜鉛を機械的に除去する方法(例えば特許文献4)。
(3) スクラップを加熱すると同時に、酸化性ガスと接触させて亜鉛めっき鋼材の表面の亜鉛を除去する方法 (例えば特許文献5)。
(4) 亜鉛を含有するフェロスクラップをアンモニヤ性水溶液に浸漬し、前記水溶液中に酸素含有ガスを吹き込みながら亜鉛を溶解し、この水溶液の液面上部のガスを前記水溶液中に再循還させて吹き込む方法(例えば特許文献6)等がある。
【0014】
上記のいずれの方法もめっき鋼鈑から亜鉛を完全に除去する方法であるが、本発明では重錘18にめっきされた亜鉛を完全に除去する必要はなく、重錘18に亜鉛を再めっきして再利用するのであるから、付着亜鉛の除去については必要最小限にとどめ、重錘表面の腐食生成物が再めっきするのに支障とならない程度に除去されていれば、亜鉛が完全に除去されていなくとも良い。
【0015】
(5)(1)〜(4)の防振装置のリサイクル方法において、本方法は、再めっきされた重錘18を用いて防振装置として組み立てたとき、重錘18あるいは把持部12のいずれかに、リサイクル製品であることを識別できる表示または標識を設けることを特徴とする重錘のリサイクル方法である。
標識の一例としては、重錘18の適当な箇所に、ドリルなどで皿状の窪みを設けて亜鉛めっき後でも前記窪みが明瞭に判別できるようにしたり、アルミ合金製の把持部12を鋳造する際に鋳型にリサイクル製品であることを示す適当な文字記号を刻設したり、さらにはリサイクル品の組み立て時などに前記の適当な文字記号を刻設したりして表示することもできる。
【発明の効果】
【0016】
以上の説明から明らかなように、本発明の架空送電線用ダンパ類重錘のリサイクル方法によれば以下のような効果がある。
即ち、ダンパ類の主要な構成部品である重錘などを、新たに鋳造することなく撤去品を再めっきしてリサイクルするので、
1)リサイクル製品を安価に提供できる。
2)資源の有効利用による廃棄物削減に貢献できる。
3)環境汚染の防止に役立つ製品開発が出来る。
4)地球温暖化防止のための省エネルギーに貢献できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して、本発明によるダンパの実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明が適用される[特許文献1]のダンパの構成図である。また、図2は、図1に示した鋼撚り線に重錘を取付ける状態を示す斜視図である。図3は、図2に示した金属体16を加締める状態を示す要部の断面図であり、図3(a)は加締める前の状態を、図3(b)は加締めた後の状態を各々示している。また、図4は図2に示したA−A線の断面を示す断面図である。図5は、図1に示したダンパを架空電線1に取り付けた状態を示す斜視図である。
図6は[特許文献2]に示す捻れ防止ダンパ20の一部切開正面図である。
【0018】
図1に示すように、[特許文献1]によるダンパの実施の形態は、架空電線1に取り付ける把持部12と、この把持部12に支持されて架空電線1と平行に延在する鋼撚り線11と、この鋼撚り線11の両端部に各々嵌入して固着する重錘18とを備えている。
また、本発明によるダンパの実施の形態は、この鋼撚り線11の両端部に筒状の穴を有して差し込む金属体16(円筒状スリーブ)を備えている。
【0019】
ここで、把持部12は、架空電線1の両側から挟むように装着するクランプ13と押え金具14とを備えており、ボルト15を締結することにより架空電線1に装着される。このクランプ13と押え金具14とには、架空電線1を嵌入させて挟持する挟持溝13a、14aが各々形成されている。また、クランプ13は、挟持溝13aから所定の間隔を備えた位置に鋼撚り線11を支持している。
【0020】
このクランプ13は、挟持溝13aを架空電線1に取り付けた際に、鋼撚り線11を支持する位置が、架空電線1の鉛直方向(図1に示した上下方向)に対して所定の角度θに傾いた位置で支持するように取り付けられている。そして、この鋼撚り線11は、所定の角度θに傾けた位置から架空電線1と平行して、図1に示した前後方向に延在するとともに、この両端部に重錘18を図1に示した左右方向水平に突出させて各々固着している。
【0021】
この重錘18は、略球形状に形成され、この球形状の中心から偏心した所定の位置に六角穴18aを形成している。この六角穴18aは、鋼撚り線11の両端部を嵌入できるように形成している。そして、重錘18は、鋼撚り線11の両端部に各々異なる向き(図1に示した左右方向)に装着し、鋼撚り線11に捩じりモーメントを加えるように固着している。また、重錘18は、六角穴18aに鋼撚り線11の両端部を嵌入して固着する際、鋼撚り線11との間に金属体16を介在させている。この金属体16は、アルミニウムまたは軟鋼などの軟質金属からなる圧縮スリーブであり、円筒状で一端側を封止した形状に形成している。
【0022】
ここで、金属体16を介在させて鋼撚り線11に重錘18を固着する方法について、図2乃至図4参照して詳細に説明する。まず、金属体16は、図2に示すように、鋼撚り線11の両端に挿入して、外側を六角形状に圧縮することで、鋼撚り線11に圧着する。この金属体16は、六角形状に圧縮することで、図4に示すように、鋼撚り線11の素線間に圧入されて圧着した状態で固定される。そして、金属体16は、六角形状に圧縮して図2に示した重錘18の六角穴18aに嵌入することで、重錘18を鋼撚り線11の両端部に回動しないように固定する。これにより、鋼撚り線11と重錘18との接続部では、過大な繰り返し応力が加わっても、ガタ付き、折損などの破損を防止でき、極めて耐久性に優れた接合構造となっている。
【0023】
また、鋼撚り線11に圧着した金属体16を重錘18の六角穴18aに嵌入した後、図3(a)に示すように、金属体16の両端を重錘18の六角穴18a両端に合わせた状態で配置する。そして、この重錘18の六角穴18aに金属体16を加締める(カシメる)ことで、図3(b)に示すように、六角穴18aの両端で金属体16が変形して、金属体16及び鋼撚り線11の抜けを防止となる。
【0024】
このような構成からなる[特許文献1]によるダンパの実施の形態は、図5に示すように、架空電線1に取り付けた際に、重錘18の自重によって、鋼撚り線11に鉛直方向(図5に示した矢印B方向)の力が加わり、両端部が下方向に撓むとともに、重錘18の偏心構造により重錘18が矢印C方向に回動して、鋼撚り線11に捩じりモーメントを加える。また、本発明によるダンパの実施の形態は、鋼撚り線11が架空電線1の鉛直方向に対して所定の角度θの位置に支持しているため、ダンパ全体の自重により把持部12が図5に示した矢印D方向に回動して、架空電線1に捩じりモーメントを加える。
【0025】
従って、[特許文献1]によるダンパの実施の形態では、一対の重錘18が電線1を捩る共振モードと、重錘18が把持部12を中心とする上下共振モード、および把持部12を中心として重錘18が鋼撚り線11を捩る共振モード、の3つの共振モードを有して、これらの共振モード近傍の周波数領域で、振動エネルギーを吸収する構造のダンパ(防振装置)となっている。
【0026】
以上、[特許文献1]のダンパの構造と振動エネルギー吸収原理を説明したが、リサイクルのために撤去されるダンパの形状は、図5に示したような構成で撤去されるので、次に[特許文献1]の製品のリサイクルを図る場合の処理工程について説明する。
本発明における回収されたダンパの重錘リサイクルは、次の3つの処理工程からを経て行われる。
【0027】
(1)鋼撚り線と重錘の分離解体工程
解体の第一工程は、重錘18の六角穴18aに圧入固着されている鋼撚り線11を重錘18から分離する工程である。この分離方法としては、図2において、鋼撚り線18の端部に六角形に圧縮固着されている金属体16が、六角穴18aに嵌着された後、その両端を鋼撚り線18の軸方向に加締めて固着されているので、前記六角穴18aより僅かに小さな寸法の押出し治具を用いて、例えば、図5の図面手前側より重錘18の奥側を固定して、適当な油圧治具などにより押出す方法により分離することが出来る。
別法としては、アムスラー引張り試験機などで強制的に重錘18に張力を掛けて引き抜く工程としても良いが、この場合は、金属体16が重錘18側の六角穴18aに残留してしまうので良い方法とは言えない。
【0028】
一方、把持部12のリサイクルのために、鋼撚り線11から把持部12を分離する方法に関しては、以下のようにする。即ち、把持部12の固着部をプレスなどで圧潰/破壊して分離する方法や、把持部12近傍で鋼撚り線11を切断し、残りの重錘18と把持部12間にアムスラー引張り試験機などで、張力を掛けて鋼撚り線11から把持部12を引き抜いて分離する方法、などが採用出来る。
【0029】
(2)重錘の前処理工程
鋼撚り線11から分離され単体となった重錘18は、表面外観が腐食して赤色状に発錆していたり、汚損されていたりする場合が大部分であるから、これらの生成物を除去するために、例えば、JIS H9124に示されるような「溶融亜鉛めっき作業標準」に基づいて、重錘18の再めっき処理工程を経て、重錘18のリサイクルが行われる。また、撤去重錘18のめっき工程に入る前の前処理として、重錘18の表面に油脂などが附着している場合は、脱脂処理としてアルカリ洗浄液または有機溶剤などを用いて脱脂処理を行うが、防振装置は架空送電線に取り付けて使用されるので、雨水などに直接晒されることはあっても、油脂などが付着するケースは考えにくいので、この処理工程は殆どの場合省略して良い。
【0030】
一方、表面腐食生成物および劣化亜鉛被膜の除去については、ブラスト処理または酸洗い処理により除去処理する。
特に、本発明では重錘18にめっきされた亜鉛を完全に除去する必要はなく、重錘18に亜鉛を再めっきして再使用するのであるから、付着亜鉛については再めっきするのに支障とならない程度に除去されていれば十分である。
なお、本発明の工程(1)において、鋼撚り線と重錘の分離解体工程と鋼撚り線11から把持部12を分離する工程は、両者間で前後して行われてもよい。
【0031】
以上、本発明の[特許文献1]に示された実施例について説明したが、[特許文献2、]のような図6に示す捻れ防止ダンパ20の割型重錘か(28,28’)のリサイクルに関しては、次のようにして行うことが出来る。
即ち、重錘(28,28’)はいずれも2つ割りの対称な形状であり、アーム14の両端部に形成された半球状重錘取付体(26,26’)に、それらを対向して組み合わせて、重錘加締めボルト(22,22’)で締付けて、重錘(28,28’)が、前記半球状重錘取付体(26,26’)の半球面外周上を割方重錘の内部の球面部29と摩擦回転可能に、取付けられている。
【0032】
なお、上記のアーム21の一方側に形成されている半球状重錘取付体26は、アーム14と一体的に形成され、他方側はアーム先端部に小径部25が形成され、電線クランプ23の下方に形成されたアーム固着部27を備え、前記小径部25側からアーム固着部27に挿通後、アーム先端部に半球状重錘取付体26’を装着し、前記半球状重錘取付体26’から突出したアーム小径部25の先端部を加締めて一体化する構成となっている。アーム固着部27は、ダイスなどで外側方よりより圧縮してアーム21と一体化する。
【0033】
捻れ防止ダンパ20は以上のような構造であるので、割型重錘(28,28’)を半球状重錘取付体(26,26’)から分離するためには、重錘加締めボルト(22,22’)を緩めることにより簡単に分離させることが出来る。これらの重錘(28,28’)をリサイクルするための再めっき工程は防振装置の重錘18の工程と同様であり、且つ、前記重錘(28,28’)あるいは電線クランプ23の適当箇所に、リサイクル製品であることを示す文字記号を刻設して、容易に識別できる表示または標識を設けることは、前述のとおりである。
【0034】
以上では、再めっきが亜鉛めっきである場合についてのみ説明したが、耐食性に優れた亜鉛アルミ合金メッキを施すことも出来る。例えば、特公昭63−63626号や特公平04−19299号などのメッキ方法が利用出来る。
また、特に言及しなかったが、分離された把持部のアルミ材などは溶解鋳造されてリサイクルされることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明が適用される[特許文献1]のダンパの構成図である。
【図2】図1に示した鋼撚り線に重錘を取付ける状態を示す斜視図である。
【図3】図2に示した金属体16を加締める状態を示す断面図であり、図3(a)は加締める前の状態を、図3(b)は加締めた後の状態を示す断面図である。
【図4】図2に示したA−A線の断面を示す断面図である。
【図5】図1に示したダンパを架空電線1に取り付けた状態を示す斜視図である。
【図6】本発明が適用される[特許文献2]に示す捻れ防止ダンパの一部切開正面図である。
【符号の説明】
【0036】
1, 架空電線
11 鋼撚り線
12 把持部
13 クランプ
13a,14a 挟持溝
14 押え金具
15 ボルト
16 金属体
18,18’ 重錘
18a 六角穴
20 捻れ防止ダンパ
21 アーム
22,22’重錘加締めボルト
23 電線クランプ
24 スプリング
25 アーム小径部
26,26’ 半球状重錘取付体
27 電線クランプ固着部
28 割型重錘
29 球面部
30 取付けボルト
θ 角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用済みの架空電線用防振装置をリサイクルする方法であって、
前記防振装置は、重錘、鋼撚り線、電線把持部、および締付用部材を備え、
リサイクル工程として、
前記重錘と鋼撚り線とを分離する第一処理工程と、
前記第一工程に続いて、前記重錘の腐食生成物除去処理および/または脱亜鉛処理を含む第二処理工程と、
前記重錘を再めっき処理する第三処理工程と、を備える、ことを特徴とする防振装置のリサイクル方法。
【請求項2】
請求項1に記載の防振装置のリサイクル方法において、
前記第一工程は、前記重錘と鋼撚り線との固着部を分離する工程であって、
前記重錘の一端を固定し、前記重錘の外側方よりから、前記重錘の六角穴に圧入固着されている金属体を押出し分離する、ことを特徴とする防振装置のリサイクル方法。
【請求項3】
請求項1に記載の防振装置のリサイクル方法において、
前記第二処理工程は、1)重錘の脱脂処理、2)腐食生成物除去処理、および3)脱亜鉛処理、の三つの前処理工程の内、少なくとも一つ以上の処理工程を経て処理される、ことを特徴とする防振装置のリサイクル方法。
【請求項4】
請求項3に記載の防振装置のリサイクル方法において、
前記の3)脱亜鉛処理がなされる場合には、そこでの脱亜鉛処理は必要最小限にとどめて、次の第三処理工程において亜鉛めっきを行う、ことを特徴とする防振装置のリサイクル方法。
【請求項5】
請求項1〜4いずれかに記載の防振装置のリサイクル方法において、
再めっき処理された前記重錘を用いて、新たな防振装置として組み立てる工程と、
組み立てられた前記防振装置に、リサイクル製品であることを識別できる表示または標識を設ける工程と、を備える、ことを特徴とする防振装置のリサイクル方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−228459(P2008−228459A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−63763(P2007−63763)
【出願日】平成19年3月13日(2007.3.13)
【出願人】(000117010)旭電機株式会社 (127)
【Fターム(参考)】