説明

防水コネクタ用シール部材

【課題】 作業性を向上させる。
【解決手段】 雌ハウジング10には、雌端子金具14やダミー栓20を挿入可能なキャビティ13が設けられている。ダミー栓20の本体部21の外周面には、キャビティ13の内周面に対して密着可能なリップ22が膨出形成されている。リップ22には、径方向外方へ張り出す張出部23が設けられることで、外周面の一部に径方向について相対的に張り出す張出面24が設けられている。この張出面24は、テーパ状に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防水コネクタ用シール部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、防水コネクタでは、ハウジングのキャビティ内を防水すべく、端子金具が接続される電線の端部に防水ゴム栓を嵌着しておき、この防水ゴム栓をキャビティの内周面に密着させるものがあった。このような防水コネクタにおいて、複数あるキャビティのうち端子金具を挿入しないものについては、その防水性を保つためにダミー栓と言われるゴム栓を装着することが行われている。このダミー栓の本体部の外周面には、前後に複数条のリップが外方へ膨出して形成されており、これらのリップがキャビティの内周面に密着することで、空きキャビティの防水性が保たれるようになっている。
なお、ダミー栓を備えた防水コネクタの一例として下記特許文献1に記載されたものが知られている。
【特許文献1】特開平8−236247号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、ダミー栓を挿入する際には、リップの外周面の全周が同時にキャビティの内周面に当接し、リップの全域が圧縮されつつキャビティ内に進入することになるため、リップの全域が硬くなり勝ちとなって、挿入に必要な力が大きくなっており、作業性が芳しくないという問題があった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、作業性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、ハウジングに設けられた凹部内に挿入されて、その凹部を水密にシールするために用いる弾性材料からなるシール部材であって、本体部の外周面には、前記凹部の内周面に対して密着可能なリップが膨出形成されており、このリップは、外周面の一部に径方向について相対的に張り出す張出面を有する形状とされ、且つこの張出面がテーパ状に形成されている構成としたところに特徴を有する。
【0005】
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記シール部材は、ハウジングに形成されたキャビティのうち端子金具が収容されないキャビティ内に挿入されて、そのキャビティを水密にシールするために用いるダミー栓であるところに特徴を有する。
【0006】
請求項3の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記シール部材は、端子金具とともに電線の端末に固着され、ハウジングに形成されたキャビティ内に挿入されてその入り口側をシールするために用いる防水ゴム栓であるところに特徴を有する。
【0007】
請求項4の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記シール部材は、互いに嵌合される一対のハウジングのうち、一方のハウジングの凸部の外周面に装着され、嵌合に伴って他方のハウジングの凹部内に挿入されることで、両ハウジング間を水密にシールするために用いるシールリングであるところに特徴を有する。
【0008】
請求項5の発明は、請求項1、請求項2または請求項4のいずれかに記載のものにおいて、前記リップは、断面形状が略山形に形成されるとともに、前記張出面がリップの頂点部を挟んだ前後にそれぞれ設けられることで、全体が略対称形状に形成されているところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0009】
<請求項1の発明>
凹部内に挿入する過程では、リップの外周面のうちテーパ状の張出面が凹部の内周面に当接することで、挿入動作が案内されるようになっており、リップの外周面の全周が同時に凹部の内周面に当接して全域が同時に弾縮されることが避けられる。従って、凹部への挿入に必要な力を低減でき、もって作業性を良好なものとすることができる。
【0010】
<請求項2の発明>
ダミー栓においても作業性が良好なものとなる。
<請求項3の発明>
防水ゴム栓においても作業性が良好なものとなる。
<請求項4の発明>
シールリングにおいても作業性が良好なものとなる。
【0011】
<請求項5の発明>
凹部内に挿入する際に、前後いずれの向きでも挿入することができるから、作業性がさらに良好なものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図5によって説明する。この実施形態1では、防水コネクタに用いられるダミー栓20について例示する。防水コネクタは、大まかには図示しない相手の雄ハウジングが嵌合可能な雌ハウジング10と、雌ハウジング10のキャビティ13内に収容される雌端子金具14と、雌端子金具14が収容されないキャビティ13内に収容されるダミー栓20とを備えている。なお以下では、雌ハウジング10に対する雌端子金具14やダミー栓20の挿入方向を前方、逆の抜き取り方向を後方として説明する。
【0013】
雌ハウジング10は、合成樹脂製とされており、図1に示すように、略ブロック状をなす端子収容部11と、端子収容部11の周りを取り囲む外筒部12とから構成されており、これら端子収容部11と外筒部12との間に相手の雄ハウジングが前方から嵌合可能とされている。端子収容部11内には、後方から雌端子金具14やダミー栓20を挿入可能なキャビティ13が上下2段、幅方向に複数室(例えば2室)ずつ並んで設けられている。雌端子金具14は、略箱型をなすとともに相手の雄端子金具(図示せず)と接続可能な接続部14aと、電線Wの端末に圧着接続されるバレル部14bとを前後に繋げた構成とされている。バレル部14bは、前後に一対ずつのかしめ片を有し、前側の両かしめ片が電線Wの芯線に、後側の両かしめ片が電線Wの被覆に嵌着されたゴム製の防水ゴム栓15にかしめ付けられている。キャビティ13は、雌端子金具14の接続部14aが収容される前半部分が角形状に形成されるのに対し、防水ゴム栓15やダミー栓20が収容される後半部分が円形状に形成される。また各キャビティ13の前半部分の下面側には、雌端子金具14の接続部14aの後端部に係止することで、雌端子金具14を抜け止め可能な片持ち状のランス16が設けられている。
【0014】
端子収容部11のうち外筒部12に取り囲まれる部分の後端部外周面には、嵌合時に雄ハウジングの内周面に対して密着するとともに両ハウジングの嵌合周面間にて挟圧されることで、両ハウジング間を水密にシール可能な略環状をなすゴム製のシールリング17が嵌着されている。また外筒部12は、略角筒状に形成されており、その上部を所定形状に切欠することで、雄ハウジングの被ロック部に対して係止することで、両ハウジングを嵌合状態に保持可能なシーソー状をなすロックアーム18が設けられている。
【0015】
続いて、各キャビティ13のうち雌端子金具14が挿入されない、いわゆる空きキャビティ13の入り口側を水密にシールするためのダミー栓20について詳細に説明する。ダミー栓20は、含油シリコンなどのゴム材(弾性材料)を素材としており、図1及び図2に示すように、前後方向(キャビティ13に対する挿抜方向)に沿って延びる略円柱状をなす本体部21を備えている。本体部21は、前後両端部に対して中央部分が拡径した形状に形成されており、このうち拡径部分の外周面には、リップ22が周設されている。リップ22は、前後に3条並んで設けられており、各リップ22間にはそれぞれ所定の間隔が空けられている。リップ22は、本体部21の外周面から全周にわたって径方向外方へ膨出して形成されており、断面形状が略山形をなしている。これらのリップ22は、ダミー栓20がキャビティ13内に挿入されたときにキャビティ13の内周面に密着しつつ弾縮されることで、キャビティ13内を水密にシールできるようになっている。
【0016】
そして、ダミー栓20の外周面には、部分的に径方向外方へ張り出す張出部23が本体部21と各リップ22とに跨る領域に設けられている。詳しくは、張出部23は、各リップ22における頂点部22aを挟んだ前後に一対並び、且つ周方向について約90度の角度間隔を空けた4箇所に、計8個ずつ配設されている。リップ22の前後に配される両張出部23は、互いに前後対称となる形状に形成されており、これにより各リップ22が前後対称形状とされるともに、ダミー栓20全体も前後対称形状とされている。
【0017】
各張出部23は、幅方向の両側面が径方向に沿ってほぼ真っ直ぐな面とされるのに対し、径方向外側に配される外周面が前後方向に対して傾斜した面とされている。この張出部23の外周面は、リップ22における張出部23が設けられていない部分の外周面(ここを相対的に径方向について引っ込んだ引込面25という)に対して相対的に径方向について外方へ張り出しており、ここが張出面24とされる。この張出面24は、前後方向に対してなす傾斜角度が上記引込面25よりも緩やかに設定されている。このようにリップ22の外周面は、径方向について引っ込むとともに比較的急な傾斜を有する引込面25と、引込面25よりも径方向外方へ部分的に張り出す張出面24とから構成されており、キャビティ13への挿入時にはその初期において張出面24が引込面25に先行してキャビティ13の内周面に当接するようになっている。
【0018】
また各張出部23は、長さ寸法がリップ22の長さ寸法の1/2程度とされているものの、リップ22の頂点位置に対して所定長さ分ずつ前後にずれた位置に配されているので、その分だけ前後の端部がリップ22よりも前後に突出し、本体部21に跨る形態とされる。また各張出部23は、幅寸法がリップ22の径寸法の1/5程度の大きさとされている。
【0019】
本実施形態は以上のような構造であり、続いてその作用を説明する。図示上段側のキャビティ13内に雌端子金具14を挿入する一方、雌端子金具14を挿入しない下段側のキャビティ13内にはダミー栓20を挿入する。このとき、ダミー栓20は、前後対称形状となっているので、前後どちらの向きでもキャビティ13内に挿入することができる。
【0020】
ダミー栓20をキャビティ13内に挿入すると、まず本体部21の前端部がキャビティ13内に進入した後、挿入方向最前位置のリップ22がキャビティ13内に進入することになる。この挿入初期の段階では、図3に示すように、リップ22における前側の張出部23の張出面24(リップ22の外周面のうちの一部分)のみがキャビティ13の内周面におけるテーパ状の後端部に当接し、他の引込面25については当接しない。この状態からダミー栓20を前方へ押し込むと、張出面24の傾斜に案内されつつリップ22のうち張出部23が設けられた部分が弾縮されるものの、張出部23が設けられていない部分(引込面25が設けられた部分)については殆ど弾縮されない。従って、仮に挿入初期においてリップの外周面が全周にわたって同時にキャビティの内周面に当接して全域が同時に弾縮されるものと比較すると、比較的小さな力でもってダミー栓20を押し込むことができる。
【0021】
このようにリップ22のうち前側の張出部23を有する部分(頂点部22aよりも前側部分)がキャビティ13内に進入した後、図4に示すように、頂点部22a及びその後側部分が弾縮されつつキャビティ13内に進入する。さらにダミー栓20を押し込むのに伴って、中央のリップ22、挿入方向最後端のリップ22が上記と同様に弾縮されつつ順次にキャビティ13内に進入する。ここで、特に挿入方向最後端のリップ22については弾縮時に硬くなり勝ちであるものの、張出面24に挿入動作が案内されることでスムーズにキャビティ13内に進入できるようになっている。ダミー栓20が正規深さまで挿入されると、図5に示すように、各リップ22が弾縮された状態でキャビティ13の内周面に密着することで、雌端子金具14が挿入されないキャビティ13の入り口側(後半部分)を水密にシールすることができる。
【0022】
以上説明したように本実施形態によれば、リップ22は、張出部23が設けられることで、外周面の一部に径方向について相対的に張り出す張出面24を有する形状とされ、且つ張出面24がテーパ状に形成されているから、挿入初期においてリップ22の外周面の全周が同時にキャビティ13の内周面に当接してリップ22の全域が同時に弾縮されるのを避けることができる。従って、キャビティ13への挿入に必要な力を低減でき、もって作業性を良好なものとすることができる。
【0023】
しかも、リップ22が断面形状略山形に形成されるとともに、張出部23及び張出面24がリップ22の頂点部22aを挟んだ前後にそれぞれ設けられることで、全体が略対称形状となっているから、キャビティ13内に挿入する際に前後いずれの向きでも挿入可能とされ、作業性がさらに良好なものとなっている。
【0024】
<実施形態2>
本発明の実施形態2を図6ないし図8によって説明する。この実施形態2では、電線Wに嵌着される防水ゴム栓15Aに適用した場合を示す。なおこの実施形態2では、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。またダミー栓について図示を省略する。
【0025】
防水ゴム栓15Aは、図6及び図7に示すように、電線Wを挿通できるよう略円筒状に形成された本体部15aを有している。本体部15aのうち前側部分には、バレル部14bのかしめ片によりかしめ付けられるのに対し、後側部分の外周面には、キャビティ13の内周面に密着可能なリップ15bが前後に3条、径方向外方へ膨出して設けられている。リップ15bは、上記した実施形態1のダミー栓20のリップ22に比べて前後方向に対して外周面がなす角度が急に設定されている。そして、各リップ15bには、部分的に径方向外方へ張り出す張出部15cが設けられており、その外面にはテーパ状をなす張出面15dが形成されている。張出部15cは、各リップ15bの頂点部を挟んだ前後に配され、且つ周方向について180度の角度間隔を空けて2箇所ずつに、計4個設けられている。なお、最後端のリップ15bにおける頂点部の後側(防水ゴム栓15Aの後端部)には、上記のような張出部15cが設けられておらず、全周にわたって拡径した形状とされる。
【0026】
電線Wの端部に防水ゴム栓15Aを嵌着した後、雌端子金具14のバレル部14bを固着する。その後キャビティ13内に雌端子金具14を挿入するのに伴って、防水ゴム栓15Aがキャビティ13内に挿入される。この挿入初期の段階では、図7に示すように、リップ15bの外周面のうち張出部15cの張出面15dがキャビティ13の内周面に当接し、その部分のみが弾縮されることになるから、仮にリップの全域が同時に弾縮されるものと比較すると、挿入に必要な力が小さく済む。雌端子金具14が正規深さまで挿入されると、図8に示すように、各リップ15bが弾縮されてキャビティ13の内周面に対して密着することで、キャビティ13内が水密にシールされる。
【0027】
<実施形態3>
本発明の実施形態3を図9ないし図11によって説明する。この実施形態3では、両ハウジング10,30間をシールするためのシールリング17Aに適用した場合を示す。なおこの実施形態3では、上記した実施形態1,2と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。また雌端子金具やダミー栓について図示を省略する。
【0028】
シールリング17Aは、図9及び図10に示すように、端子収容部11の外周面に沿って略四角形の枠状に形成された本体部17aを有している。本体部17aの外周面には、径方向外方へ膨出するリップ17bが前後に3条並んだ状態で周設されている。各リップ17bは、断面形状が略山形に形成されるとともにその頂点部を挟んだ前後には、テーパ状の張出面17dを有する張出部17cが設けられている。張出部17cは、周方向についてリップ17bの外周面において所定の間隔毎に複数箇所ずつに設けられている。各リップ17bは、前後対称の形状とされるとともに、シールリング17A全体も前後対称の形状とされているので、前後いずれの向きであっても端子収容部11に対して装着することができる。
【0029】
雌ハウジング10に対して嵌合される雄ハウジング30は、合成樹脂製とされ、前方へ突出する略角筒状をなすフード部31を備えている。フード部31内には、端子収容部11を嵌合可能な嵌合凹部32が形成されており、この嵌合凹部32の内周面に対してシールリング17Aの各リップ17bが密着されるようになっている。嵌合凹部32の奥面からは、図示しない雌端子金具と導通接続可能なタブ状をなす雄端子金具33がフード部31内に突き出した状態で配されている。またフード部31の上面には、ロックアーム18が係止可能な被ロック部34が上方へ突出して設けられている。
【0030】
両ハウジング10,30を嵌合すると、嵌合凹部32内に端子収容部11が進入し、所定深さに達すると、フード部31の先端部がシールリング17Aのうち最前位置のリップ17bに当接する。このとき、図10に示すように、嵌合凹部32の内周面は、リップ17bの外周面のうち前側の張出部17cの張出面17dにのみ当接し、他の引込面については当接しない。この状態から嵌合を進行させると、張出面17dの傾斜に案内されつつリップ17bのうち張出部17cが設けられた部分が先行して弾縮されるので、リップ17bの全域が同時に弾縮されることがなく、嵌合に必要な力が低減されている。
【0031】
そして、両ハウジング10,30が正規深さまで嵌合されると、図11に示すように、シールリング17Aが端子収容部11とフード部31との間で挟圧されるとともに、嵌合凹部32の内周面に対して各リップ17bが弾縮した状態で密着することで、両ハウジング10,30間のシールがとられる。このとき、一旦弾性変形していたロックアーム18が復元して被ロック部34に対して係止することで、両ハウジング10,30が嵌合状態に保持されるとともに、雄端子金具33が雌端子金具に対して正規に導通接続される。
【0032】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)リップにおける張出部(張出面)の周方向・前後方向の大きさや数や形状については任意に変更可能である。また張出面の傾斜角度についても任意に変更可能である。
【0033】
(2)上記した各実施形態では、リップに張出部を設けることで張出面を形成した場合を示したが、例えばリップに凹部を形成することで、凹部の外面に対してリップの外面を相対的に径方向へ張り出させてここを張出面としてもよく、そのようなものも本発明に含まれる。
(3)上記した実施形態では、リップの頂点部を挟んだ前後に張出部(張出面)を設けた場合を示したが、挿入方向前側にのみ設けるようにしてもよい。さらには、挿入時に最も硬くなり易い挿入方向最後端位置のリップにのみ張出部(張出面)を設けるようにしてもよい。
(4)上記した実施形態1,2では、雌ハウジングに使用するダミー栓と防水ゴム栓について示したが、雄ハウジングに使用するものにも本発明は適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施形態1に係る防水コネクタにおいてダミー栓を挿入する前の状態を示す側断面図
【図2】ダミー栓の斜視図
【図3】ダミー栓を挿入する途中で張出面がキャビティの内周面に当接した状態を示す拡大側断面図
【図4】リップの頂点部がキャビティ内に進入した状態を示す拡大側断面図
【図5】ダミー栓が正規深さまで挿入された状態を示す側断面図
【図6】本発明の実施形態2に係る防水コネクタにおいて雌端子金具及び防水ゴム栓を挿入する前の状態を示す側断面図
【図7】雌端子金具及び防水ゴム栓を挿入する途中の状態を示す拡大側断面図
【図8】雌端子金具及び防水ゴム栓が正規深さまで挿入された状態を示す側断面図
【図9】本発明の実施形態3に係る防水コネクタにおいて両ハウジングを嵌合する前の状態を示す側断面図
【図10】両ハウジングを嵌合する途中の状態を示す拡大側断面図
【図11】両ハウジングが正規に嵌合された状態を示す側断面図
【符号の説明】
【0035】
10…雌ハウジング(ハウジング、一方のハウジング)
11…端子収容部(凸部)
13…キャビティ(凹部)
14…雌端子金具(端子金具)
15A…防水ゴム栓(シール部材)
15a…本体部
15b…リップ
15d…張出面
17A…シールリング(シール部材)
17a…本体部
17b…リップ
17d…張出面
20…ダミー栓(シール部材)
21…本体部
22…リップ
22a…頂点部
24…張出面
30…雄ハウジング(他方のハウジング)
32…嵌合凹部(凹部)
W…電線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングに設けられた凹部内に挿入されて、その凹部を水密にシールするために用いる弾性材料からなるシール部材であって、
本体部の外周面には、前記凹部の内周面に対して密着可能なリップが膨出形成されており、このリップは、外周面の一部に径方向について相対的に張り出す張出面を有する形状とされ、且つこの張出面がテーパ状に形成されていることを特徴とする防水コネクタ用シール部材。
【請求項2】
前記シール部材は、ハウジングに形成されたキャビティのうち端子金具が収容されないキャビティ内に挿入されて、そのキャビティを水密にシールするために用いるダミー栓であることを特徴とする請求項1記載の防水コネクタ用シール部材。
【請求項3】
前記シール部材は、端子金具とともに電線の端末に固着され、ハウジングに形成されたキャビティ内に挿入されてその入り口側をシールするために用いる防水ゴム栓であることを特徴とする請求項1記載の防水コネクタ用シール部材。
【請求項4】
前記シール部材は、互いに嵌合される一対のハウジングのうち、一方のハウジングの凸部の外周面に装着され、嵌合に伴って他方のハウジングの凹部内に挿入されることで、両ハウジング間を水密にシールするために用いるシールリングであることを特徴とする請求項1に記載の防水コネクタ用シール部材。
【請求項5】
前記リップは、断面形状が略山形に形成されるとともに、前記張出面がリップの頂点部を挟んだ前後にそれぞれ設けられることで、全体が略対称形状に形成されていることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項4のいずれかに記載の防水コネクタ用シール部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−4843(P2006−4843A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−181800(P2004−181800)
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【Fターム(参考)】