説明

防水器具

【課題】外部配線にかかわらず安定した防水性能を確保することができるとともに防水ケースの内部で電気配線および電気特性の点検を行うことができる防水器具を提供する。
【解決手段】防水ケース1は点検口7を有するとともに防水処理された電線引き出し口9を有する。透光カバー8は点検口7を着脱自在に密閉する。電線12は電線引き出し口9より外部に引き出されて外部配線14と防水結線される。点検用端子6は防水ケース1内で電線12に接続されて点検口7より点検可能である。電線12は絶縁被覆を有し、防水ケース1内で電線12の心線が露出した絶縁被覆の端部に防水性絶縁材を含浸している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、器具配線点検用端子を有する防水器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
施工時に外部配線との結線部が器具と一体で埋設される防水器具において、施工後に配線の電気特性を確認する際、防水器具の取り出しなどの作業をすることなく、点検が可能な防水器具がある。
【0003】
従来例は、図7に示すように、地中50に埋設された防水ケース51の外殻に設けられた引き込み口52より外部配線53を引き込み、防水ケース51の内部の結線部54で結線し、射光穴を兼ねた点検口55よりケース内部で電気配線および電気特性の点検を行うものであった。56は結線部54に接続されたランプソケット、57はランプ、58は着脱自在な反射板、59は点検口55を着脱自在に密閉する透光カバーである。
【0004】
また別の従来例(例えば特許文献1参照)は、路面等に敷設されるLED埋設コンクリートブロックに内蔵されたり、LED埋設コンクリートブロックとともに埋設される結線ボックスが開示されている。
【特許文献1】特開平6−108426号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、外部配線53を防水ケース等に引き込むため、現場で用意された外部配線53の種類やサイズおよび施工品質レベルにより、引き込み口における防水性能が保たれないことがあり、防水ケースが浸水し不具合を引き起す可能性があった。また上記別の従来例では結線ボックスが地中に埋設されているため、結線部分での電気特性の確認が困難である。
【0006】
したがって、この発明の目的は、外部配線にかかわらず安定した防水性能を確保することができるとともに防水ケースの内部で電気配線および電気特性の点検を行うことができる防水器具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の防水器具は、防水ケースが点検口を有するとともに防水処理された電線引き出し口を有する。カバーは前記点検口を着脱自在に密閉する。電線は前記電線引き出し口より外部に引き出されて外部配線と防水結線される。点検用端子は前記防水ケース内で前記電線に接続されて前記点検口より点検可能である。
【0008】
上記構成において、前記電線は絶縁被覆を有し、前記防水ケース内で前記電線の心線が露出した前記絶縁被覆の端部に防水性絶縁材を含浸している。
【発明の効果】
【0009】
この発明の防水器具によれば、防水ケースの電線引き出し口は特定の電線のみが引き出され、その外部で外部配線と接続するため、電線引き出し口での防水性能を安定して保つことができ、外部配線の種類やサイズおよび施工品質レベル等の影響を受けない。しかも施工後に防水ケースの内部で防水ケースを取り出すことなく配線の電気特性を確認する作業が行える。
【0010】
電線の絶縁被覆の内端部を防水性絶縁材料で含浸することにより心線の内部を伝って防水ケース内が浸水することを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
この発明の一実施の形態を図1から図6により説明する。この防水器具は、地中に埋設する地中埋設器具であり、防水ケース1内にはソケット台13に取付けられたランプソケット2および反射板4を配置し、ランプソケット2にランプ3を装着し、またランプソケット2の接続線2aが接続された点検用端子6を防水ケース1内に配置している。
【0012】
防水ケース1の上面の地面5に露出する部分は射光穴を兼ねた点検口7を設け、点検口7を透光カバー8で着脱自在に密閉している。防水ケース1の外殻の側部には防水パッキン22により防水処理された電線引き出し口9を設け、この電線引き出し口9を覆うように外殻の外側に補助ケース10を設け、補助ケース10に外部配線引き込み口11を設けている。補助ケース10は防水ケース1とともに地中に埋設される。外部配線引き込み口11には外部配線14を通す電線管16の端部が接続され、外部配線14が補助ケース10の内部に通される。
【0013】
防水処理された電線引き出し口9には電線12が挿通される。電線12は絶縁被覆12aを有し、外端部が補助ケース10内で外部配線14と防水結線部15で防水結線される。このため、補助ケース10は防水構造としてもしなくてもよい。防水ケース1内の電線12の心線12bが露出した絶縁被覆12aの端部に防水性絶縁材を含浸し、この含浸部12cにより、結露等によって心線12bを伝って外部から浸水するのを防止することができる。外部配線14と電線12の各3本のうち1本はアース線であり、点検用端子5とランプソケット2間では1本の接続線2bがソケット台13と接続されている。
【0014】
点検用端子6は充電部が露出しており、端子台18に取付けられている。この場合、点検用端子6を絶縁カバーで覆って充電部を露出可能にしてもよい。
【0015】
図4から図6は防水器具の詳細図であり、ランプソケット2を支持するソケット台13および反射板4はフレーム20に取付けられて、透部カバー8を開いた点検口7から反射板4等の付いたフレーム20を取り出すことができ、これにより点検口7から点検用端子6を用いて電気特性の確認を容易に行うことができる。また補助ケース10は外部配線引き込み口を両側に形成し、これらに外部配線14の電線管16を接続し、外部配線14の一方を電源入力側とし、他方を電源送り側としている。
【0016】
この実施の形態によれば、防水ケース1の埋設後は防水接続部15が地中に埋設されているため、この部位での電気特性確認作業は困難であるが、防水ケース1内に点検用端子6を設けているため、施工後や運用中において透光カバー8を開き電気特性を容易に確認することができる。また防水ケース1内に外部配線14が引き込まれていないため防水性の高い器具構造が実現される。
【0017】
さらに、点検用端子6の電線接続を着脱可能にすると、万一施工時に電線12と外部配線14と防水結線において、誤結線が生じても施工後に点検用端子6で電線12を振り替え接続することができるため、容易に正常な配線に修正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】この発明の一実施の形態の要部説明図である。
【図2】電線の引き出し部分の説明図である。
【図3】全体の概略断面図である。
【図4】防水器具の断面図である。
【図5】その半断面図である。
【図6】外観斜視図である。
【図7】従来例の半断面側面図である。
【符号の説明】
【0019】
1 防水ケース
2 ランプソケット
3 ランプ
4 反射板
5 地面
6 点検用端子
7 点検口
8 透光カバー
9 電線引き出し口
12 電線
14 外部配線
15 防水結線部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
点検口を有するとともに防水処理された電線引き出し口を有する防水ケースと、前記点検口を着脱自在に密閉するカバーと、前記電線引き出し口より外部に引き出されて外部配線と防水結線される電線と、前記防水ケース内で前記電線に接続されて前記点検口より点検可能な点検用端子とを備えた防水器具。
【請求項2】
前記電線は絶縁被覆を有し、前記防水ケース内で前記電線の心線が露出した前記絶縁被覆の端部に防水性絶縁材を含浸した請求項1記載の防水器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−265891(P2006−265891A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−83568(P2005−83568)
【出願日】平成17年3月23日(2005.3.23)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【出願人】(000149376)大谷ナショナル電機株式会社 (9)
【Fターム(参考)】