説明

防護柵継手構造および固定構造

【課題】防護柵継手構造および固定構造を提供すること。
【解決手段】 ブラケット2を有する支柱1と、インナースリーブ19とビーム3との接合による防護柵継手構造で、支柱1のブラケット2と、ビーム3及びインナースリーブ19の接合穴とが同心で配置され、ブラケット1に隣接する位置のビーム3の接合穴とインナースリーブ19の接合穴が同心で配置され、各々の接合穴を利用して固定する接合金具は、ビーム3外面またはブラケット2の外面の外面に配置される板状座金30と、舌片付き座金14と、回転止め座金8及びボルト4とからなり、板状座金30は、回転したときに、ブラケット2または支柱1のウエブ21に係合して回転不能とされ、舌片付き座金14は、一端に板状座金30の側辺に接する折り曲げ部と折り曲げ可能な舌片18によるストッパ29を備えており、回転止め座金8は、折り曲げ片11と、アーム13を備えてなる。同様な接合金具を使用して支柱を固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防護柵における支柱とビームの継手接合構造や、支柱の固定のための固定構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、防護柵における継手構造の中でも、ボルトまたはナットの廻り止め機能を有する構造として、(1)支柱側のブラケットに矩形状凹部を設け、前記凹部に矩形状のナットを嵌合して、ナットの廻り止めを図るようにした構造が知られている。(例えば、特許文献1参照 実開昭60−50219号公報)。
【0003】
また、(2)ビーム側に間隔をおいて凹部を設けて、前記凹部にナットを溶接により固定するようにした形態の構造も知られている(例えば特許文献2参照 実公昭63−38265号公報)。
【0004】
また、(3)図16に示すように、支柱1におけるブラケット2に、インナースリーブ29を内装したビーム3を架設する場合に、ボルト4の弛み止めとして、ボルト頭部5と平ワッシャ6の間に、さらにスプリングワッシャ7を介在させて、ボルト4を締付ける際に、このスプリングワッシャ7の本体の段差部がなくなるまで(スプリング作用がなくなるまで)締付けることによって廻り止め機能を果たし、軸方向のスプリング作用部のずれ(段差)がなくなっていることが外観上わかる廻り止め機能を備えている形態も知られている。
【0005】
また、部材間の締結構造として、(4)ワッシャーに係止フックを設けると共に、折り曲げ部を設けて、前記係止フックを締結物の側面に係止させ、折り曲げ部をボルト頭部側に折り曲げて、前記折り曲げ部により廻り止め機能をもたせる回り止めワッシャーを使用した部材相互間の締結構造も知られている(例えば、特許文献3参照 特開2002−39141号公報)。
【0006】
また、防護柵における支柱の固定構造として、(5)前記支柱におけるベースプレートを、道路体近傍のコンクリート基礎に埋め込み固定の雌ねじ金具またはアンカーボルトに固定する固定構造として場合、ボルトまたはナットの弛み止めとして、ボルト頭部またはナットと平ワッシャの間に、さらにスプリングワッシャを介在させて、ボルトまたはナットを締付ける際に、このスプリングワッシャの本体の段差部がなくなるまで(スプリング作用がなくなるまで)締付けることによって廻り止め機能を果たし、軸方向のスプリング作用部のずれ(段差)がなくなっていることが外観上わかる廻り止め機能を備えている形態も知られている。
【特許文献1】実開昭60−50219号公報
【特許文献2】実公昭63−38265号公報
【特許文献3】特開2002−39141号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記(1)および(2)従来の場合は、ブラケットまたはビーム側に特殊な加工が必要になるので、コストアップの要因になるという問題があり、また、前記(3)および(5)の場合には、スプリング作用がなくなるまで締め付けると、軸方向のスプリング部のずれ(段差)がなくなっていることが外観上わかるので、回り止め機能が働いていることが判別できるが、より簡単に外観上判別できる廻り止め機能を備えている形態が求められる。(4)の場合には、部材の上面と側面とが直角に外形状露出する形態では利用できるが、ほぼ筒状の部材となるビーム型の防護柵の継手構造あるいは平坦なベースプレート部分の防護柵の固定構造では適用できないという問題がある。
本発明は、前記の課題を有利に解決することができる防護柵継手構造および固定構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の課題を有利に解決するために、第1発明の防護柵継手構造においては、支柱とビームを接合する防護柵継手構造であって、
支柱とビームの接合金具は、板状座金と、舌片付き座金と、回転止め座金及びボルトとからなり、
前記板状座金は、これが回転したときに、支柱または支柱に固定された部材に突き当たり回転不能とされる大きさで形成され、
前記舌片付き座金は、一端に板状座金の側辺に接する折り曲げ部と他の端部に折り曲げ可能な少なくとも一つの舌片を備えており、かつ前記少なくとも一つの舌片がボルト軸方向のボルト頭部側に位置するように折り曲げられて舌片によるストッパが形成され、
前記回転止め座金は、ボルト頭部に係合してその回転を規制する折り曲げ片を備え、かつ前記ストッパに係合可能なアームを備えてなる。
【0009】
また、第2発明の防護柵継手構造では、
支柱とビームを接合する防護柵継手構造であって、
支柱と、インナースリーブと、そのインナースリーブの外側に嵌合したビームを備え、
支柱の上端部にはブラケットが固設され、このブラケットにインナースリーブを内挿した前記ビームが載置され、
支柱のブラケットとビームとインナースリーブとを接合する接合部Aと、ビームとインナースリーブとを接合する接合部Bの少なくとも一方の接合部を接合金具で接合してなり、
該接合金具は、ブラケットの外面またはビーム外面のいずれかの外面に配置される板状座金と、舌片付き座金と、回転止め座金及びボルトとからなり、
前記板状座金は、これが回転したときに、ビーム外面に配置される板状座金ではブラケットに、ブラケットの外面に配置される板状座金では支柱のウエブに、係合されて回転不能とされ、
前記舌片付き座金は、一端に板状座金の側辺に接する折り曲げ部と他の端部に折り曲げ可能な少なくとも一つの舌片を備えており、かつ前記少なくとも一つの舌片がボルト軸方向のボルト頭部側に位置するように折り曲げられて舌片によるストッパが形成され、
前記回転止め座金は、ボルト頭部に係合してその回転を規制する折り曲げ片を備え、かつ前記ストッパに係合可能なアームを備えてなる。
【0010】
また、第3発明では、第1発明または第2発明の防護柵継手構造において、板状座金と舌片付き座金と、回転止め座金及びボルトからなる接合金具に代えて、接合金具は、板状座金と舌片付き座金と、ボルトとからなり、
板状座金の外面に舌片付き座金が配置され、
前記舌片付き座金は、一端に板状座金の側辺に接する折り曲げ部と他の端部に折り曲げ可能な舌片を備えており、
前記舌片付き座金における舌片をボルト頭部側の多角形外側面に近接または当接するように折り曲げてなる。
【0011】
また、第4発明の防護柵継手構造では、第1発明または第2発明の板状座金と舌片付き座金と、回転止め座金及びボルトとからなる接合金具に代えて、接合金具は、板状座金と回転止め座金とボルトとからなり、
前記板状座金は、回転したときに、ブラケットまたは支柱のウエブに係合されて回転不能とされ、
前記回転止め座金は、ボルト頭部の回転を規制する折り曲げ片を備えていると共に、一端に舌片を備えており、その舌片が板状座金の側片に近接または当接するように折り曲げられてなる。
【0012】
また、第5発明では、第1発明または第2発明の防護柵継手構造において、舌片付き座金に、折り曲げ可能な舌片が、間隔をおいて複数設けられ、かつ少なくとも一つの舌片がボルト軸方向のボルト頭部側に位置するように折り曲げられて舌片によるストッパが形成されている。
【0013】
また、第6発明の防護柵の固定構造においては、防護柵の支柱を基礎に埋め込み固定されたアンカーボルトに接合金具により固定する防護柵の固定構造において、
接合金具は、板状座金と、舌片付き座金と、回転止め座金およびナットからなり、前記板状座金は、これが回転したときに、支柱または支柱に固定された部材に突き当たり回転不能とされる大きさで形成され、
前記舌片付き座金は、一端に板状座金の側辺に接する折り曲げ部と他の端部に折り曲げ可能な少なくとも一つの舌片を備えており、かつ前記少なくとも一つの舌片がナット側に位置するように折り曲げられて舌片によるストッパが形成され、
前記回転止め座金は、ナットに係合してその回り止めを規制する折り曲げ片を備え、かつ前記ストッパに係合可能なアームを備えてなる。
【0014】
また、第7発明の防護柵の固定構造においては、防護柵の支柱を基礎に埋め込み固定された雌ねじ金具に接合金具により固定する防護柵の固定構造において、
接合金具は、板状座金と、舌片付き座金と、回転止め座金およびボルトからなり、前記板状座金は、これが回転したときに、支柱または支柱に固定された部材に突き当たり回転不能とされる大きさで形成され、
前記舌片付き座金は、一端に板状座金の側辺に接する折り曲げ部と他の端部に折り曲げ可能な少なくとも一つの舌片を備えており、かつ前記少なくとも一つの舌片がボルト頭部側に位置するように折り曲げられて舌片によるストッパが形成され、
前記回転止め座金は、ボルト頭部に係合してその回り止めを規制する折り曲げ片を備え、かつ前記ストッパに係合可能なアームを備えてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
第1発明によると、支柱とビームとの接合金具に、板状座金と、舌片付き座金と、回転止め座金と、ボルトとからなる接合金具を使用して、板状座金を支柱または支柱に固定された部材に突き当たらせて係合させて、板状座金を回転不能にすることができる。また、板状座金に当接される舌片付き座金は摩擦により回転が防止されるばかりでなく、板状座金の側片に接する折り曲げ部を有する舌片付き座金であるので、積極的に舌片付き座金の回転を防止することができる。また、前記舌片付き座金には舌片を備えていると共に、前記舌片付き座金に当接する回転止め座金にはアームを備えているので、前記舌片をボルト軸方向のアーム側に折り曲げることによりストッパを形成して、アーム側が回転した場合に係合させて、回転止め座金の回転を防止することができ、その回転止め座金における折り曲げ片により回転を防止されているボルト頭部の廻り止めを果たして、ボルトの弛み止め機能を果たすことができる。
また、板状座金と、回転止め座金におけるアームと、舌片付き座金におけるストッパとは、ボルト頭部から側方に離れて外観に現れているので、これらが係合して廻り止め機能を果たす位置関係にあるか否か容易に判別することができ、また、ボルトを締め込んだ後、舌片付き座金における舌片を折り曲げてストッパを形成するだけで、これらが係合して廻り止め機能を果たす位置関係にあるか否か容易に判別することができ、これらのセッティング作業および管理作業が容易になる。
【0016】
第2発明によると、支柱のブラケットとビームとインナースリーブとの接合部A、またはビームとインナースリーブとの接合部Bの一方または両方の接合部に、板状座金と、舌片付き座金と、回転止め座金と、ボルトとからなる接合金具を使用して、板状座金をブラケットまたは支柱のウエブに係合させて板状座金を回転不能にすることができる。また、板状座金に当接される舌片付き座金は摩擦により回転が防止されるばかりでなく、板状座金の側片に接する折り曲げ部を有する舌片付き座金であるので、積極的に舌片付き座金の回転を防止することができる。また、前記舌片付き座金には舌片を備えていると共に、前記舌片付き座金に当接する回転止め座金にはアームを備えているので、前記舌片をボルト軸方向のアーム側に折り曲げることによりストッパを形成して、アーム側が回転した場合に係合させて、回転止め座金の回転を防止することができ、その回転止め座金における折り曲げ片により回転を防止されているボルト頭部の廻り止めを果たして、ボルトの弛み止め機能を果たすことができる。
また、板状座金と、回転止め座金におけるアームと、舌片付き座金におけるストッパとは、ボルト頭部から側方に離れて外観に現れているので、これらが係合して廻り止め機能を果たす位置関係にあるか否か容易に判別することができ、また、ボルトを締め込んだ後、舌片付き座金における舌片を折り曲げてストッパを形成するだけで、これらが係合して廻り止め機能を果たす位置関係にあるか否か容易に判別することができ、これらのセッティング作業および管理作業が容易になる。
【0017】
第3発明によると、板状座金をブラケットまたは支柱のウエブに係合させて板状座金の回転不能にすることができる。また、板状座金に当接される舌片付き座金は摩擦により回転が防止されるばかりでなく、板状座金の側片に接する折り曲げ部を有する舌片付き座金であるので、積極的に舌片付き座金の回転を防止することができる。また、舌片付き座金には舌片を備えているので、前記舌片を適宜ボルト頭部側の多角形外側面に近接または当接するように折り曲げて、ボルトの弛み回転を防止することができる。
【0018】
第4発明によると、板状座金をブラケットまたは支柱のウエブに係合させて板状座金の回転不能にすることができる。また、板状座金に圧着される回転止め座金は摩擦により回転が防止され、前記回転止め座金の舌片を板状座金の側辺に近接または当接するように折り曲げることにより、積極的に回転止め座金の回転を防止することができる。また、前記回転止め座金にボルト頭部下面が圧着されているので、摩擦により回転が防止され、しかも、回転止め座金における折り曲げ片にボルト頭部が係合して回転が防止されているので、ボルト自身の回転を防止することができるため、ボルト自身の回転によるボルトの弛みを防止することができる。
【0019】
第5発明によると、折り曲げ可能な複数の舌片を備えているので、回転止め座金におけるアームが、舌片付き座金における一方の舌片に重なり、舌片の折り曲げが適当でない場合も、残りの他方の舌片を折り曲げてストッパを形成し、ボルトと共に回転止め座金のアームが回転しても、前記ストッパにアームを係合させて、ボルトの弛み回転を防止することができる。
【0020】
第6発明によると、支柱と基礎に埋め込み固定されたアンカーボルトとの接合金具に、板状座金と、舌片付き座金と、回転止め座金と、ナットとからなる接合金具を使用して、板状座金を支柱または支柱に固定された部材に突き当たらせて係合させて、板状座金を回転不能にすることができる。また、板状座金に当接される舌片付き座金は摩擦により回転が防止されるばかりでなく、板状座金の側片に接する折り曲げ部を有する舌片付き座金であるので、積極的に舌片付き座金の回転を防止することができる。また、前記舌片付き座金には舌片を備えていると共に、前記舌片付き座金に当接する回転止め座金にはアームを備えているので、前記舌片をボルト軸方向のアーム側に折り曲げることによりストッパを形成して、アーム側が回転した場合に係合させて、回転止め座金の回転を防止することができ、その回転止め座金における折り曲げ片により回転を防止されているナットの廻り止めを果たして、ナットの弛み止め機能を果たすことができる。
したがって、防護柵の支柱を基礎に確実に固定することができ、防護柵の支柱の固定手段の信頼性のより高い固定構造とすることができる。
また、板状座金と、回転止め座金におけるアームと、舌片付き座金におけるストッパとは、ナットから側方に離れて外観に現れているので、これらが係合して廻り止め機能を果たす位置関係にあるか否か容易に判別することができ、また、ナットを締め込んだ後、舌片付き座金における舌片を折り曲げてストッパを形成するだけで、これらが係合して廻り止め機能を果たす位置関係にあるか否か容易に判別することができ、これらのセッティング作業および管理作業が容易になる。
【0021】
第7発明によると、支柱と基礎に埋め込み固定された雌ねじ金具との接合金具に、板状座金と、舌片付き座金と、回転止め座金と、ボルトとからなる接合金具を使用して、板状座金を支柱または支柱に固定された部材に突き当たらせて係合させて、板状座金を回転不能にすることができる。また、板状座金に当接される舌片付き座金は摩擦により回転が防止されるばかりでなく、板状座金の側片に接する折り曲げ部を有する舌片付き座金であるので、積極的に舌片付き座金の回転を防止することができる。また、前記舌片付き座金には舌片を備えていると共に、前記舌片付き座金に当接する回転止め座金にはアームを備えているので、前記舌片をボルト軸方向のアーム側に折り曲げることによりストッパを形成して、アーム側が回転した場合に係合させて、回転止め座金の回転を防止することができ、その回転止め座金における折り曲げ片により回転を防止されているボルト頭部の廻り止めを果たして、ボルトの弛み止め機能を果たすことができる。
したがって、防護柵の支柱を基礎に確実に固定することができ、防護柵の支柱の固定手段の信頼性のより高い固定構造とすることができる。
また、板状座金と、回転止め座金におけるアームと、舌片付き座金におけるストッパとは、ボルト頭部から側方に離れて外観に現れているので、これらが係合して廻り止め機能を果たす位置関係にあるか否か容易に判別することができ、また、ボルトを締め込んだ後、舌片付き座金における舌片を折り曲げてストッパを形成するだけで、これらが係合して廻り止め機能を果たす位置関係にあるか否か容易に判別することができ、これらのセッティング作業および管理作業が容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
次に、本発明を図示の実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1〜図7は本発明の一実施形態の橋梁等に使用される防護柵継手構造を示し、図8は前記防護柵継手構造に使用される一形態の回転止め座金の部品図を、図9は舌片付き座金の部品図を、図10は、角座金からなる板状座金を示すものである。
【0023】
まず、本発明において使用する主要な部品について説明する。図8は、鋼製等の回転止め座金8を示すものであって、ボルト軸部挿通孔9を有する本体10の外周側に、等角度間隔おいて本体10から起立された、ボルト頭部外側面に係合する回り止め片11が複数(図示の場合は、120°間隔をおいて3つ)設けられ、前記各回り止め片11の内面側によって形成された溝内面に六角ボルト4の頭部5が配置され、前記各回り止め片11の内面側が、図1および図5に示すように、六角ボルト4等のボルト頭部5の多角形外側面12に近接または係合されるように構成されている。
なお、回転止め金具8の回り止め11の内面側に内向きに突出する凸状の突起(図示を省略)を設けて前記外側面12に圧着するように係合させてもよい。前記の突起により、ボルト頭部がより密接に係合され、回転止め金具8およびボルト4の一体性が向上し、ボルト4が抜けにくくなり、作業性も向上する。
【0024】
前記本体10における一対の回り止め片11間において、本体10と同面状で、本体10の半径方向外側に延長するように、廻り止め用のアーム13が設けられている。この廻り止め用のアーム13は、後記する舌片付き座金14における折り曲げ形成されたストッパ29に係合されるようにされる部分である。
【0025】
図9は、前記回転止め座金8の下側に配置される、鋼製等の舌片付き座金14を示すものであって、この舌片付き座金14は、前記回転止め座金8を支承する座金支承部15を有しており、その座金支承部15には、ボルト軸部挿通孔17が設けられていると共に、座金支承部15の外周側には、座金支承部15と同面状で、前記各ボルト軸部挿通孔17の中心から半径方向外側に突出する複数の舌片18が設けられている。座金支承部15に一体に設けられた前記の各舌片18は、座金支承部15において対称位置に設けられて、舌片付き座金14の製作を容易にしている。
【0026】
また、前記舌片付き座金14における座金支承部15から半径方向外側に離れた位置において、座金支承部15と一体に連設されていると共に直角に折り曲げられて形成された回転防止用の折り曲げ部34が設けられ、その前記回転防止用の折り曲げ部34の突出寸法は、後記する板状座金30の板厚寸法よりも大きく設定され、前記折り曲げ部34に一体に直角に折り曲げられて形成された係止部37が座金支承部15と平行にボルト軸部挿通孔17に重ならないように設けられている。前記係止部37と折り曲げ部34が共同して板状座金30に係合して、前記舌片付き座金14の回転を防止している。なお、前記の折り曲げ部34および係止部37を対称に設けて板状座金30の両側に係止するようにしてもよい。前記の実施形態では、前記の折り曲げ部34および係止部37は、一対の対称に設けられた舌片18の中心軸線と平行に設けられている。ボルト軸部挿通孔17の中心から半径方向の前記の回転防止用の折り曲げ部34の内側までの寸法は、板状座金30におけるボルト軸部挿通孔32の中心から側辺35までの距離に等しいか、若干大きく設定されて、前記舌片付き座金14における折り曲げ部34の内側が板状座金30の側辺(側面)35に係合することにより、舌片付き座金14の回転が、板状座金30により規制されるように構成されている。
【0027】
また、各座金支承部15に複数の舌片18を周方向に偏心した位置に複数設ける理由は、一方の舌片18に、前記回転止め座金8における廻り止め用のアーム13が重なるようになった場合に、前記一方の舌片18を折り曲げることができなくなるため、複数の舌片18を設けて、いずれか他方の舌片18を前記廻り止め用のアーム13と重ならないようにし、その他方の舌片18を折り曲げ可能にするためである。ただし、ボルトの締め込みを強くして、前記各舌片18からアーム13が離れた位置とすることも可能であり、このような場合には、1つの舌片18でもよい。
【0028】
このように舌片18をアーム13の幅以上の間隔をおいて複数設けることにより、回転止め座金8における廻り止め用のアーム13が、ボルトと共に締め付けるように回転されて、いずれの位置に停止しても、一つの舌片18をボルト頭部側に起立させるように折り曲げて、振動等によるボルト4の弛みが生じた場合に、ボルト4と共に廻り止め用のアーム13が回転した場合でも、前記廻り止め用のアーム13が、起立された他方の舌片18に係合し、廻り止め用のアーム13の回転が阻止され、回転止め座金8を介してこれに回転不能に係合するボルト4の回転を防止し、ボルト4の弛み止めを図ることが可能にされている。
【0029】
図10は、鋼板製の角座金からなる板状座金30を示すものであって、後記するビーム3の外面またはブラケット2の外面に当接されて使用され、縦断面で断面円弧状の座金本体31の中央部にボルト軸部挿通用透孔32からなる接合穴が設けられ、座金本体31の半径方向内側の円弧状内面33の曲率半径は、ブラケット2またはビーム3の外面の曲率半径よりも小さくされ、ボルト4により板状座金30をその外側からブラケット2またはビーム3の外面に向って圧着した場合に、前記座金本体31が弾性変形してブラケット2またはビーム3の外面に密着される。また、前記の板状座金30の板厚寸法は、ブラケット2の板厚寸法よりも小さくされて、板状座金30が弾性変形した場合に、ブラケット2が変形することなく、その外面に当接可能にされている。
【0030】
また、前記板状座金30が湾曲しているため、ボルト4を締め込んで板状座金30を弾性変形させた場合、前記の板状座金30の弾性変形している状態のばね作用により、ボルト4の頭部が圧着する作用があるので、これによりボルト4の弛み止め作用を有している。
【0031】
次に、図1〜図7を参照して、図10に示す板状座金30と、図8に示す前記の回転止め座金8と、図9に示す前記の舌片付き座金14とを使用した本発明の防護柵継手構造を説明する。なお、図7(A)および(B)に、回転止め座金におけるアームが舌片付き座金における舌片と重ならない位置である場合の図1(A)(B)に相当する図が示されている。
【0032】
橋梁等の道路側部に沿って、断面H形の鋼製の支柱1が間隔をおいて設置され、その支柱1の上端部は、道路側に向って位置する内側フランジ20の上端部が所定の低レベル位置に配置されると共に、ウエブ21が円弧状に切り欠され、かつ横向きに屈曲するように道路反対側に位置する外側フランジ22が設けられて、これらに支承されるように道路側に向って窪む、断面円弧状の鋼製のブラケット2の背面側が溶接W等により固設されている。
【0033】
前記ブラケット2には、支柱1のフランジ20,22とウエブ21により形成される両側の溝内に位置するように、ボルト軸部挿通用孔からなる接合穴23がそれぞれ一つ設けられている。
【0034】
前記ブラケット2には、端部にインナースリーブ19を内挿した直列配置の2本の各ビーム3の端部が載置され、前記インナースリーブ19には、部材長手方向に間隔をおいて、部材軸方に2つづつ合計4つのボルト接合穴(第1の接合穴が2つと、第2の接合穴が2つ)が間隔をおいて直列に設けられている。図4に示すように、前記インナースリーブ19の軸方向内側に配置されている各接合穴(第1の接合穴)24は、それぞれ支柱1の左右両側の溝に対応した位置に設けられていると共に、ブラケット2の接合穴23に対応した位置に配置されて、これらの接合穴が利用されてボルトにより接合される接合部Aとされ、かつ各ビーム3の軸方向外側に位置する接合穴(第1の接合穴)26に対応する位置に設けられ、前記インナースリーブ19の軸方向外側の2つの接合穴25は、軸方向のブラケット2の外側に位置し、インナースリーブ19の接合穴25と各ビーム3の接合穴(第2の接合穴)27が同心に配置されるようにされて、これらの接合穴が利用されてボルトにより接合される接合部Bとされる。
【0035】
前記インナースリーブ19の各接合穴は、図示のように、ボルト軸部挿通孔およびこれと同心状に内面に固定されたナット28の雌ねじ孔により構成されるか、前記インナースリーブ19に直接設けられた雌ねじ孔(図示を省略した)により構成される。
【0036】
前記のように、インナースリーブ19と各ビーム3の各接合穴24(25),26(27)が配置された状態で、前記ブラケット2に配置され、支柱1の左右両側において、それぞれ板状座金30および舌片付き座金14の穴に、回転止め座金8を装着した六角ボルト4の軸部が挿通された状態で、板状座金30をブラケット2またはビーム3の円弧状外面に沿って配置するようにして、前記各六角ボルト4の軸部36が各接合孔に挿通されると共に、インナースリーブ19の接合穴24(25)を構成するナット28の雌ねじ孔にねじ込まれて、ブラケット2とインナースリーブ19と各ビーム3とが一体化される。なお、インナースリーブ19と各ビーム3とを、板状座金30および舌片付き座金14ならびに回転止め座金8を装着した六角ボルト4をナット28の雌ねじ孔にねじ込んで一体化する。
【0037】
前記六角ボルト4を回動するときには、その六角頭部に装着されている回り止め片11の外側から回動工具により回動されて締め込まれ、所定の値に締め込まれた状態で、前記回転止め座金8における廻り止め用のアーム13から外れた位置となっている、前記舌片付き座金14における少なくとも一つの舌片18を、ボルト軸方向の頭部側に位置するように折り曲げる。
【0038】
前記のように、少なくと一つの舌片18を折り曲げることにより、廻り止め用のアーム13の回転可能な範囲において交差する位置に、舌片18によるストッパ29が形成される。
【0039】
前記のように、舌片18によりストッパ29が形成されることにより、回転止め座金8と共にボルト4が回転した場合には、廻り止め用のアーム13がストッパ29に係合して回転が阻止され、ボルト4の回転による弛みが防止される。前記本発明のように、アーム13とストッパ29が外観上明確に現れているため、ボルトの弛み止め機能が作用していることを簡単に点検することができるので、管理が容易である。また、板状座金30自体が回転しようとした時は、図5(a)また(b)に示すように、ビーム3の外側面においてブラケット2と同面上に設置される板状座金30の中心からブラケット2または支柱1のウエブ21側面までの距離よりも、板状座金30の中心から板状座金30の上下方向の端部までの長さ寸法が長いため、板状座金30のコーナー部をブラケット2の側端部または支柱1のウエブ21側面に当接させて、前記板状座金30の回転を防止し、これにより板状座金30の回転によるボルト4の弛みを防止することができる。
【0040】
前記実施形態では、舌片付き座金14における各座金支承部15に2つの舌片18を設けるようにしているが、本発明を実施する場合、各座金支承部15に1つの舌片18を設けるようにしてもよい。この場合には、適宜回転止め座金8におけるアーム13を前記舌片18から外れた位置に設定すればよい。また、舌片18を等角度等の間隔をおいて3つ以上設けて、アーム13と舌片18によるストッパ29を早期に係合して、ボルト4の弛み止めを図るようにしてもよい。
【0041】
また、本発明実施する場合、舌片付き座金における舌片と、回転止め座金におけるアームとは、いずれか一方が折り曲げられてストッパ機能を果たすようになればよいので、舌片付き座金における舌片の折り曲げによるストッパに代えて、折り曲げられない舌片によるストッパとされていてもよい。舌片付き座金における舌片を外側に折り曲げてもよいが、回転止め座金におけるアームを内向きに折り曲げてもよい。舌片の折り曲げにより、外向きに突出部が生じる場合に比べて、内向きに突出部が隠れるようにした方が、美観上好ましいが、保守・点検あるいは防錆塗装上は、舌片の外向き折り曲げが有利である。
【0042】
次に、図11から図15を参照して、前記実施形態と同様な接合金具を使用し、防護柵における支柱1を道路橋における基礎コンクリート40に埋め込み固定されたアンカーボルト41(図11の場合)または雌ねじ金具42(図14の場合)に固定する固定構造について説明する。
【0043】
図11〜図13は、防護柵における支柱1を、基礎コンクリート40に埋め込み固定されたアンカーボルト41に接合金具により固定する防護柵の固定構造の形態を示したもので、接合金具は、板状座金30と、舌片付き座金14と、回転止め座金8およびナット43から構成している。図2に示す実施形態のボルト4がナット43に置き換えられている。
【0044】
コンクリート製基礎40に、前後方向および左右方向に間隔をおいて複数のアンカーボルト41の下部が埋め込み固定され、各アンカーボルト41に、防護柵における支柱1のベースプレート44のボルト挿通孔がそれぞれ挿通されるように、支柱1が基礎コンクリート40上に載置され、ベースプレート44の上面に、板状座金30と、舌片付き座金11と、回転止め座金8およびナット43が配置されている。前記の板状座金30と、舌片付き座金14と、回転止め座金8とは、前記実施形態と同じ構成であるので、同様な符号を付している。回転止め座金8における各回転止め片11を六角ナット43の多角形外側面12に係合して、回転止め座金8を前記ナット43に装着してこれらをアンカーボルト41にねじ込み装着するようにすればよい。
【0045】
この形態では、前記の板状座金30からなる板状座金30は、これが回転した場合には、支柱1の内側フランジ20あるいは外側フランジ22あるいはウエブ21あるいは、隣接して支柱1のベースプレート44に固定される板状座金30等、支柱に固定される部材に突き当たり、その回転が防止され、板状座金30の回転の防止により、ナット43の弛み回転を防止している。
【0046】
この形態では、アンカーボルト41にねじ込み固定される部材がナット43であるために、このナット43の回り止めを確実に図るようにしている。防護柵の支柱1の固定構造としてより信頼性の高い固定構造とすることができる。
【0047】
図14および図15の形態では、防護柵における支柱1を道路橋における基礎コンクリート40に埋め込み固定された雌ねじ金具42に固定する形態が示されている。雌ねじ金具42は基礎コンクリート40に埋め込み固定されたアンカーボルト41の上部に雌ねじ金具42の下部がねじ込み固定され、必要に応じ溶接により固定されている。この形態では、接合金具は、板状座金30と、舌片付き座金14と、回転止め座金8およびボルト4から構成している。
【0048】
コンクリート製基礎40に、前後方向および左右方向に間隔をおいて複数の雌ねじ金具42が埋め込み固定され、各雌ねじ金具42に、防護柵における支柱1のベースプレート44のボルト挿通孔がそれぞれ位置するように、支柱1がコンクリート基礎40上に載置され、ベースプレート44の上面に、板状座金30と、舌片付き座金14と、回転止め座金8およびボルト4が配置されている。前記の板状座金30と、舌片付き座金14と、回転止め座金8およびボルト4は図2に示す前記実施形態と同様な構成であるので、同様な符号を付している。各ボルト4が、雌ねじ金具42にねじ込まれて、ベースプレート44をコンクリート基礎40に固定している以外は、図2に示す形態と同様である。
【0049】
この形態でも、図11に示す形態と同様に、前記の板状座金30からなる板状座金30は、これが回転した場合には、支柱1の内側フランジ20あるいは外側フランジ22あるいはウエブ21あるいは、支柱1のベースプレート44に固定される隣接する板状座金30等、支柱に固定される部材に突き当たり、その回転が防止され、板状座金30の回転の防止により、しいては、ボルト4の弛み回転を防止している。
【0050】
この形態では、雌ねじ金具42にねじ込み固定される部材がボルト4であるために、このボルト4の回り止めを確実に図るようにしている。防護柵の支柱1を固定するボルト4の緩みが生じない信頼性の高い固定構造とすることができる。
【0051】
次に、前記実施形態の変形形態について説明する。
【0052】
(変形形態1)
前記各実施形態において、接合金具として、板状座金30と、舌片付き座金14と、回転止め座金8と、ボルト4(またはナット43)とを備えた接合金具としている場合、前記の回転止め座金8または舌片付き座金14のいずれか一方を省略するようにしてもよい。
【0053】
例えば、図示を省略するが、板状座金30と、舌片付き座金14と、ボルト4(またはナット43)の3つの部品からなる接合金具としてもよく、この場合には、板状座金30に舌片付き座金14が直接当接され、舌片付き座金14における舌片18をボルト頭部側の六角頭部(多角形外側面)の一辺(一面)に近接または当接するように折り曲げて、ボルト4(またはナット43)の回転を防止することができる。
【0054】
(変形形態2)
また、他の変形形態として、(2)板状座金30と、回転止め座金8と、ボルト4(またはナット43)の3つの部品からなる接合金具としてもよく、この場合には、板状座金30に回転止め座金8が直接当接され、回転止め座金8におけるアーム13を板状座金30の側面に係合するように折り曲げて、回転止め座金8と板状座金30相互間の回転を防止するようにしてもよい。
【0055】
なお、本発明では、回転止め座金8とボルト4(またはナット43)の頭部等の圧着面材の摩擦により廻り止め作用が当然あり、回転止め座金8とボルト4(またはナット43)の頭部等の当接面を粗面として、ボルト(またはナット43)の廻り止めを図るようにしてもよい。
【0056】
また、本発明を実施する場合、ボルト頭部(またはナット43)と回転止め座金との非回転の係合関係は、前記実施形態のように回転止め座金の折り曲げ片としてもよいが、これに代えて、ボルト頭部(またはナット43)に係合し、互いに相対的に回転しないような六角凹部等の非回転係合部を回転止め座金に設け、前記非回転係合部と同心状に、ボルト軸部挿通孔とを設けるようにしてもよい。
【0057】
なお、本発明の防護柵継手構造および固定構造は、新設の防護柵における継手構造または固定構造ばかりでなく、既存の防護柵における継手構造あるいは固定構造に適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】(a)は本発明の一実施形態の防護柵継手構造を示す一部縦断背面図、(b)はその一部拡大図である。
【図2】(a)は図1に示す防護柵継手構造の縦断側面図、(b)は(a)の一部を拡大して示す図である。
【図3】(A)および(B)は、図1に示す防護柵継手構造におけるボルト等を分解して示す一部分解側面図および斜視図である。
【図4】インナースリーブとブラケットとビームとの関係の一部を示す横断平面図である。
【図5】板状座金に側辺の係合する折り曲げ部を有する舌片付き座金と、その両端部に設けられた上下の一方の舌片を起立し、回転止め座金が回転した場合に、そのアームが起立された舌片に係合し、回転が防止されることを示す斜視図である。
【図6】(a)はビーム側に配置された板状座金が回転した場合にブラケットに係合して、その回転が防止されることを説明するための説明図、(b)は板状座金が支柱のウエブに係合して、その回転が防止されることを説明するための説明図である。
【図7】(A)および(B)は、回転止め座金におけるアームが舌片付き座金における舌片と重ならない位置である場合の図1(A)(B)に相当する図である。
【図8】回転止め座金を示すものであって、(a)は正面図、(b)は底面図である。
【図9】舌片付き座金を示すものであって、(a)は正面図、(b)は平面図である。
【図10】板状座金を示すものであって、(a)は側面図、(b)は正面図である。
【図11】防護柵における支柱の固定構造の一形態を示す縦断側面図である。
【図12】図11の一部横断平面図である。
【図13】コンクリート基礎に埋め込み固定されたアンカーボルトと支柱との関係を示す概略斜視図である。
【図14】防護柵における支柱の固定構造の他の形態を示す縦断側面図である。
【図15】図14の一部横断平面図である。
【図16】従来の防護柵継手構造を示す一部分解斜視図である。
【符号の説明】
【0059】
1 支柱
2 ブラケット
3 ビーム
4 ボルト
5 ボルト頭部
6 平ワッシャ
7 スプリングワッシャ
8 回転止め座金
9 ボルト軸部挿通孔
10 本体
11 回転止め片
12 多角形外側面
13 廻り止め用のアーム
14 舌片付き座金
15 座金支承部
16 連結板
17 ボルト軸部挿通孔
18 舌片
19 インナースリーブ
20 内側フランジ
21 ウエブ
22 外側フランジ
23 ブラケットの接合穴
24 インナースリーブの第1の接合穴
25 インナースリーブの第2の接合穴
26 ビームの第1の接合穴
27 ビームの第2の接合穴
28 ナット
29 ストッパ
30 板状座金
31 座金本体
32 ボルト軸部挿通用孔
33 円弧状内面
34 回転防止用の折り曲げ部
35 側辺(側面)
36 軸部
37 係止部
40 基礎コンクリート
41 アンカーボルト
42 雌ねじ金具
43 ナット
44 ベースプレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支柱とビームを接合する防護柵継手構造であって、
支柱とビームの接合金具は、板状座金と、舌片付き座金と、回転止め座金及びボルトとからなり、
前記板状座金は、これが回転したときに、支柱または支柱に固定された部材に突き当たり回転不能とされる大きさで形成され、
前記舌片付き座金は、一端に板状座金の側辺に接する折り曲げ部と他の端部に折り曲げ可能な少なくとも一つの舌片を備えており、かつ前記少なくとも一つの舌片がボルト軸方向のボルト頭部側に位置するように折り曲げられて舌片によるストッパが形成され、
前記回転止め座金は、ボルト頭部に係合してその回転を規制する折り曲げ片を備え、かつ前記ストッパに係合可能なアームを備えてなる防護柵継手構造。
【請求項2】
支柱とビームを接合する防護柵継手構造であって、
支柱と、インナースリーブと、そのインナースリーブの外側に嵌合したビームを備え、
支柱の上端部にはブラケットが固設され、このブラケットにインナースリーブを内挿した前記ビームが載置され、
支柱のブラケットとビームとインナースリーブとを接合する接合部Aと、ビームとインナースリーブとを接合する接合部Bの少なくとも一方の接合部を接合金具で接合してなり、
該接合金具は、ブラケットの外面またはビーム外面のいずれかの外面に配置される板状座金と、舌片付き座金と、回転止め座金及びボルトとからなり、
前記板状座金は、これが回転したときに、ビーム外面に配置される板状座金ではブラケットに、ブラケットの外面に配置される板状座金では支柱のウエブに、係合されて回転不能とされ、
前記舌片付き座金は、一端に板状座金の側辺に接する折り曲げ部と他の端部に折り曲げ可能な少なくとも一つの舌片を備えており、かつ前記少なくとも一つの舌片がボルト軸方向のボルト頭部側に位置するように折り曲げられて舌片によるストッパが形成され、
前記回転止め座金は、ボルト頭部に係合してその回転を規制する折り曲げ片を備え、かつ前記ストッパに係合可能なアームを備えてなる防護柵継手構造。
【請求項3】
請求項1または2の板状座金と舌片付き座金と、回転止め座金及びボルトからなる接合金具に代えて、接合金具は、板状座金と舌片付き座金と、ボルトとからなり、
板状座金の外面に舌片付き座金が配置され、
前記舌片付き座金は、一端に板状座金の側辺に接する折り曲げ部と他の端部に折り曲げ可能な舌片を備えており、
前記舌片付き座金における舌片をボルト頭部側の多角形外側面に近接または当接するように折り曲げてなる防護柵継手構造。
【請求項4】
請求項1または2の板状座金と舌片付き座金と、回転止め座金及びボルトとからなる接合金具に代えて、接合金具は、板状座金と回転止め座金とボルトとからなり、
前記板状座金は、回転したときに、ブラケットまたは支柱のウエブに係合されて回転不能とされ、
前記回転止め座金は、ボルト頭部の回転を規制する折り曲げ片を備えていると共に、一端に舌片を備えており、その舌片が板状座金の側片に近接または当接するように折り曲げられてなる防護柵継手構造。
【請求項5】
舌片付き座金に、折り曲げ可能な舌片が、間隔をおいて複数設けられ、かつ少なくとも一つの舌片がボルト軸方向のボルト頭部側に位置するように折り曲げられて舌片によるストッパが形成されてなる請求項1または2に記載の防護柵継手構造。
【請求項6】
防護柵の支柱を基礎に埋め込み固定されたアンカーボルトに接合金具により固定する防護柵の固定構造において、
接合金具は、板状座金と、舌片付き座金と、回転止め座金およびナットからなり、前記板状座金は、これが回転したときに、支柱または支柱に固定された部材に突き当たり回転不能とされる大きさで形成され、
前記舌片付き座金は、一端に板状座金の側辺に接する折り曲げ部と他の端部に折り曲げ可能な少なくとも一つの舌片を備えており、かつ前記少なくとも一つの舌片がナット側に位置するように折り曲げられて舌片によるストッパが形成され、
前記回転止め座金は、ナットに係合してその回り止めを規制する折り曲げ片を備え、かつ前記ストッパに係合可能なアームを備えてなる防護柵の固定構造。
【請求項7】
防護柵の支柱を基礎に埋め込み固定された雌ねじ金具に接合金具により固定する防護柵の固定構造において、
接合金具は、板状座金と、舌片付き座金と、回転止め座金およびボルトからなり、前記板状座金は、これが回転したときに、支柱または支柱に固定された部材に突き当たり回転不能とされる大きさで形成され、
前記舌片付き座金は、一端に板状座金の側辺に接する折り曲げ部と他の端部に折り曲げ可能な少なくとも一つの舌片を備えており、かつ前記少なくとも一つの舌片がボルト頭部側に位置するように折り曲げられて舌片によるストッパが形成され、
前記回転止め座金は、ボルト頭部に係合してその回り止めを規制する折り曲げ片を備え、かつ前記ストッパに係合可能なアームを備えてなる防護柵の固定構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−23598(P2007−23598A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−206788(P2005−206788)
【出願日】平成17年7月15日(2005.7.15)
【出願人】(000231110)JFE建材株式会社 (150)
【出願人】(000192615)神鋼建材工業株式会社 (61)
【出願人】(000101949)住友金属建材株式会社 (44)
【出願人】(000003528)東京製綱株式会社 (139)
【出願人】(000006839)日鐵住金建材株式会社 (371)
【Fターム(参考)】