説明

防風防水可能な編物の作製方法

【課題】特殊加工により防雨防風の機能が実現される防風防水可能な編物の作製方法を提供する。
【解決手段】特殊な工程で作製される防風防水可能な編物であり、作製過程は、織物設計により織物の原料を決定し、原料をグレークロスに作製し、また、グレークロスを糊抜きやプリセット、染色、ブラッシング工程及び仕上げ加工等の処理を介して、製品に作製され、製品は、レインテスト(AATCC35)及び防風透気度テスト(ASTMD737)の基準により評価される。工程は、例えば、織物設計や糊抜き及びブラッシング工程である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防風防水可能な編物の作製方法に関し、特に、特殊工程により、防風防水可能な機能を有する単1層の編物の作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、中華民国專利公報公告第92215858号公報に記載される「高透気透湿防水/防風クイックドライ機能布」は、陰イオンラジカルポリエステル繊維織物と、表面織物と、ポリ四弗化エチレンフィルムとが含有され、当該ポリ四弗化エチレンフィルムは、当該陰イオンラジカルポリエステル繊維織物と表面織物との間に介在する。陰イオンラジカルポリエステル繊維織物は、親水性織物である。ポリ四弗化エチレンフィルムは、防水防風可能な機能を有する、水蒸気が透過できるフィルムである。
【0003】
例えば、中華民国專利公報公告第112590号公報に記載される「弾性層状防水透湿布」は、層状弾性布であり、実質な弾性を有する層伸展性物質と、透気且つ防水可能な当該伸展性物質と同じ、弾性をゆするポリマーフィルム層と、当該フィルム層と当該伸展性物質層とを粘着するための粘着剤とが含有され、当該粘着剤は、粘着方式が、実質上、不連続的である。
【0004】
例えば、中華民国專利公報公告第444076号公報に記載される「環境保護水性樹脂透湿防水加工布及びその加工方法」は、環境保護水性樹脂透湿防水加工布の加工方法であり、加工方法の工程は、(1)一般の前処理で織物のピックアップレートを5〜25%にし、(2)塗布量が70〜200g/m2である水性樹脂を底層泡沫として塗布するステップ、発泡比が1:3〜1:7である発泡するステップ、乾燥温度が60〜150℃で、乾燥時間が45秒乃至1分である乾燥するステップ、圧縮するステップ等を行い、(3)塗布量が100〜150g/m2である水性PU樹脂を表面層として塗布するステップ、乾燥温度が60〜150℃/0.5〜1.5分である乾燥するステップ、120〜200℃/0.5〜2.5分である熱処理するステップ等を行い、主として、表面層を水性PU樹脂により底層発泡層に結合させることにより、5000mm.H2O以上の高耐水圧及び5000g/m2/Day以上の高透湿度を有する環境保護性織物である製品を実現する。
【0005】
上記の従来の方法により防水の機能が得られるが、多層構造であるため、布が厚くなり、また、作製工程が複雑になる。そのため、実用上、不便と適用し難い事になる。
【特許文献1】中華民国專利公報公告第92215858号公報
【特許文献2】中華民国專利公報公告第112590号公報
【特許文献3】中華民国專利公報公告第444076号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そのため、本発明の主な目的は、防風防水可能な機能を有する単1層の編物の作製方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の目的を達成するため、複雑な工程により作製される防風防水可能な編物の作製方法を提供し、当該作製過程において、織物の特性は、3種類のパラメータを用いる織物設計により決定され、原料をグレークロスに作製し、また、グレークロスに対して、布面にある不純物を除去する処理や油分処理及び高度収縮工程が含まれる糊抜きを行う。糊抜きの後、プリセットと染色を行い、当該染色後の織物に対して、高密度処理やブラッシング処理及びナッピング処理が含まれるブラッシング工程を行う。上記のブラッシング工程後、当該織物の表面に、ミクロンのナッピング織物構造が形成され、そして、特殊な助剤を添加しながら、仕上げ加工を行い、製品を作製する。当該製品に対して、レインテスト(AATCC35)及び防風透気度テスト(ASTMD737)の基準により評価される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1は、本発明の実施例の流れ図である。図のように、本発明は、次のステップを有する工程で作製される防風防水可能な編物の作製方法である。
【0009】
a.織物設計1:番手、製織、糸特性である3種類のパラメータにより、織物の特性を決定する。また、当該番手であるパラメータの値が1乃至0.1デニールであり、当該製織の特徴が高密度組織構造であり、その製織であるパラメータの値が40~45course/inであり、当該糸特性の特徴が高収縮性を有することであり、当該糸特性であるパラメータが沸騰水収縮性標準値であり、そのパラメータの値が30%乃至50%である。
【0010】
b.グレークロス2:上記の原料をニット機器により作製される。
【0011】
c.糊抜き3:目的としては、布面にある不純物と油分を除去して、布面の清潔を向上し、後加工工程において、瑕の生成を防止することと、高度収縮工程を介して、布面に、より良い充実感及び弾性を与えることとである。上記の当該充実感により、高密度の特性が示され、また、当該高密度であるパラメータが、50~60course/inである。当該弾性であるパラメータが、20%至40%の間である。
【0012】
d.プリセット4:糊抜き3を行った織物に対して、プリセット4の処理を行い、当該プリセット4は、温度が170度乃至190度の間である。当該プリセット4の処理の目的は、後加工において、原構造が変更されることを防止することにある。
【0013】
e.染色5:プリセット4を行った織物を、水と混合して加熱された染料に浸漬染色する。当該織物を染料に浸漬染色する期間において、適当に攪拌して、染色5を均一的にすることが必要である。当該染色5された織物は、洗浄と色止め添加により、退色しない。
【0014】
g.ブラッシング工程6:染色5後の布に対して、ブラッシング工程6を行い、これにより、当該布の手触れが良くなる。多い処理を行う目的は、高密度である織物の表面に、ミクロンのナッピング織物構造を形成して、防風防水可能な機能を実現することにある。図2は、本発明に係わるブラッシング工程の流れ図である。図のように、多い処理が含まれ、例えば、高密度処理61やブラッシング処理62及びナッピング処理63(ミクロン)などである。
【0015】
h.仕上げ加工7:ブラッシング工程6後のミクロンのナッピング織物を、ナノ程度のフッ素である特殊な助剤に浸漬し、その目的は、織物の表面に強化された防風防水特性を持たせる。
【0016】
図3は、本発明の製品の検査結果図である。図のように、当該製品に対して、レインテスト及び防風透気度テストを行い、当該防風透気度テストが、米国材料とテスト協会による基準(ASTMD737)に従って、当該レインテストがAATCC35の基準に従って、当該製品を評価する。上記の工程による製品によれば、軽薄や快適、防雨、防風及び弾性等の特性を有する。当該製品は、布に対する圧力が600mmhg以下である雨であれば、防雨という特性を持ち、また、当該製品の防風値が、20~50ft3/ft2xminの間であるため、防風の特性を持つ。図4〜7は、本発明の織物の写真図、本発明のレインテストの写真図、本発明の他の織物の写真図、本発明の他のレインテストの写真図である。レインテストの写真図には、織物製品8と及水玉9とがある。当該水玉9は、当該織物製品8に浸透できず、当該織物製品8は、防水の機能を持つ。
【0017】
以上のように、本発明に係わる防風防水可能な編物の作製方法は、有効に、従来の各々の欠点を解消でき、簡単の工程により作製され、また、特殊な加工を介して、例えば、織物設計や糊抜き及びブラッシング工程等の工程であり、防風防水可能な機能を持ち、また、弾性を有する単1層編物であり、本発明は、より進歩的かつ実用的であって、ユーザーにとってより便利な品物であり、また、発明特許の要件を満たすため、法に従って出願する。
【0018】
以上は、ただ、本発明のより良い実施例であり、本発明は、それによって制限されることなく、本発明の請求の範囲や発明明細書の内容に従って簡単に等価の変更や修正は、全てが、本発明の請求の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明方法の実施例の流れ図
【図2】本発明方法のブラッシング工程の流れ図
【図3】本発明方法による製品の検査結果図
【図4】本発明方法による織物の写真図
【図5】本発明方法による織物のレインテストの写真図
【図6】本発明方法による他の織物の写真図
【図7】本発明方法による他の織物のレインテストの写真図
【符号の説明】
【0020】
1 織物設計
2 グレークロス
3 糊抜き
4 プリセット
5 染色
6 ブラッシング工程
61 高密度処理
62 ブラッシング処理
63 ナッピング処理
7 仕上げ加工
8 織物製品
9 水玉

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a、パラメータの値が1乃至0.1デニールの間である番手と、パラメータの値が40乃至5course/inである製織と、パラメータの値が30%乃至50%の間である糸特性との3種類のパラメータによる織物設計と、
b、上記の原料を機器でグレークロスに作製するステップと、
c、布面にある不純物と油分を除去する処理と高度収縮工程とが含有される糊抜きと、
d、糊抜き後の織物に対して、処理温度が170度乃至190度の間であるプリセットと、
e、プリセット処理後の織物を染料で浸漬染色する染色と、
f、高密度処理とブラッシング処理及びナッピング処理等の複数の処理が含まれるブラッシング工程と、
g、ブラッシング工程処理後の織物に対して、ナノ程度のフッ素を添加しながら行う仕上げ加工と、
が含有される、
ことを特徴とする防風防水可能な編物の作製方法。
【請求項2】
当該織物は、収縮性を有する細い繊維織物である、ことを特徴とする請求項1に記載の防風防水可能な編物の作製方法。
【請求項3】
当該ブラッシング工程処理後の織物は、表面がミクロンのナッピング織物構造である、ことを特徴とする請求項1に記載の防風防水可能な編物の作製方法。
【請求項4】
当該製織の特徴は、高密度組織構造を有することである、ことを特徴とする請求項1に記載の防風防水可能な編物の作製方法。
【請求項5】
当該糸特性の特徴は、高収縮性を有することである、ことを特徴とする請求項1に記載の防風防水可能な編物の作製方法。
【請求項6】
当該糊抜きの目的は、布面に充実感及び弾性を持たせる、ことを特徴とする請求項1に記載の防風防水可能な編物の作製方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−191825(P2007−191825A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−11868(P2006−11868)
【出願日】平成18年1月20日(2006.1.20)
【出願人】(504285202)興采實業股▲ふん▼有限公司 (4)
【Fターム(参考)】