降雨検知装置
【課題】安価で正確に降雨を検知することができ、また、障害物があっても正確に降雨を検知することができる降雨検知装置を得る。
【解決手段】送信手段100は、送信漏洩同軸ケーブル2から放射する電波を表面波モードで動作させる。送信漏洩同軸ケーブル2から放射された電波は表面波モードで動作して受信漏洩同軸ケーブル3に到達する。また、降雨によりケーブルに雨が付着すると表面波モードが崩れた電波が受信漏洩同軸ケーブル3に到達する。受信手段200は、受信漏洩同軸ケーブル3で電波を受信して受信信号の振幅と位相と周波数を算出し、検知手段300で降雨による受信信号の受信強度を算出し、算出された受信強度の変動を閾値で判定し降雨を検知する。
【解決手段】送信手段100は、送信漏洩同軸ケーブル2から放射する電波を表面波モードで動作させる。送信漏洩同軸ケーブル2から放射された電波は表面波モードで動作して受信漏洩同軸ケーブル3に到達する。また、降雨によりケーブルに雨が付着すると表面波モードが崩れた電波が受信漏洩同軸ケーブル3に到達する。受信手段200は、受信漏洩同軸ケーブル3で電波を受信して受信信号の振幅と位相と周波数を算出し、検知手段300で降雨による受信信号の受信強度を算出し、算出された受信強度の変動を閾値で判定し降雨を検知する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電波を利用して雨を検知する降雨検知装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の降雨検知装置は、狭ビーム幅の送信アンテナ、受信アンテナ、送信機、受信機及び検知機で構成されている。送信機は、大電力の信号を送信アンテナに入力して、送信アンテナからミリ波として放射する。送信アンテナは、一定の周期で回転しながら電波を放射する。放射された電波は雨粒によって反射し、その反射波を受信アンテナで受信し受信機で増幅して受信信号を得る。そして、検知機は、受信信号の強度や、送信から受信までの時間、ドップラ周波数により雨を検知する(例えば、特許文献1、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3286107号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】上瀧實他22名著、「ミリ波技術の手引と展開」、(株)リアライズ社(REALIZE INC.)、平成5年6月30日発行、第139頁−第148頁、図−3
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術には、以下のような課題がある。従来装置では、大電力の電波を放射するための増幅器、送信アンテナから放射された直接波が受信アンテナに直接回り込まないようにアイソレーションをとる機構、狭ビーム幅を得るための巨大アンテナなど装置構成が大掛かりでコストがかかるのと設置場所が必要となるという問題点があった。
【0006】
また、山などの障害物がある箇所では、電波が遮断され影となるエリアでは降雨検知ができないという問題点があった。影をなくすために複数の降雨検知装置を配置する方法があるが、さらに設置コストがかかるという問題点があった。
【0007】
本発明は、前記のような課題を解決するためになされたものであり、安価で正確に降雨を検知することができ、また、障害物があっても正確に降雨を検知することができる降雨検知装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る降雨検知装置は、放射する電波が表面波モードで動作する周波数帯域内で周波数を連続的にもしくは時分割に変化させた発振信号を送信信号として出力する送信手段と、前記送信信号を電波として放射する送信漏洩同軸ケーブルと、表面波モードで放射された電波、降雨により表面波モードが崩れて放射された電波、又は両者を受信し、受信信号として出力する受信漏洩同軸ケーブルと、前記発振信号を基準信号として前記受信信号を検波して前記受信信号の振幅及び位相を求め、前記発振信号の周波数とともに解析信号として保持する受信手段と、前記解析信号を演算して時間領域の伝搬特性を求め、この伝搬特性である判定信号の受信強度が所定の閾値よりも大きい場合に降雨を検知する検知手段とを備え、前記送信及び受信漏洩同軸ケーブルは、降雨を検知したいエリアに略平行に設置され、それぞれスロットが周期的に開けられているものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る降雨検知装置によれば、降雨を検知したいエリアに略平行に2本の漏洩同軸ケーブルを設置し、漏洩同軸ケーブルから放射する電波を表面波モードで動作させて降雨によって生じる表面波モードの崩れから降雨を検知するので、障害物があっても電波が遮断されずに正確に検知できるという効果がある。また、送信する電波に大電力なものを必要とせず、巨大なアンテナを設置するスペースも必要ないので、装置構成を簡略化することができるという効果がある。さらに、表面波モードが崩れている箇所が特定できるので、降雨場所を検知することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の実施の形態1に係る降雨検知装置の構成を示す図である。
【図2】受信信号を直交検波して得られたパワースペクトルを説明する図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係る降雨検知装置の降雨検知を説明する図である。
【図4】この発明の実施の形態2に係る降雨検知装置の構成を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態2に係る降雨検知装置の降雨検知を説明する図である。
【図6】この発明の実施の形態3に係る降雨検知装置の構成を示す図である。
【図7】この発明の実施の形態3に係る降雨検知装置の降雨検知を説明する図である。
【図8】この発明の実施の形態4に係る降雨検知装置の構成を示す図である。
【図9】この発明の実施の形態4に係る降雨検知装置の降雨検知を説明する図である。
【図10】この発明の実施の形態5に係る降雨検知装置の構成を示す図である。
【図11】この発明の実施の形態5に係る降雨検知装置の降雨検知を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の降雨検知装置の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
【0012】
実施の形態1.
この発明の実施の形態1に係る降雨検知装置について図1から図3までを参照しながら説明する。図1は、この発明の実施の形態1に係る降雨検知装置の構成を示す図である。なお、以降では、各図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0013】
図1において、この発明の実施の形態1に係る降雨検知装置は、無線機1と、送信漏洩同軸ケーブル2と、この送信漏洩同軸ケーブル2に略平行に敷設された受信漏洩同軸ケーブル3と、終端器4と、終端器5とが設けられている。
【0014】
無線機1は、送信漏洩同軸ケーブル2の一端に接続された送信手段100と、受信漏洩同軸ケーブル3の一端に接続された受信手段200と、検知手段300とが設けられている。
【0015】
送信手段100は、周波数設定器101と、発振器102と、増幅器103とが設けられている。
【0016】
受信手段200は、増幅器201と、バンドパスフィルタ(BPF)202と、検波器203と、メモリ204とが設けられている。
【0017】
検知手段300は、FFT演算器301と、判定器302と、閾値303と、警報器304とが設けられている。
【0018】
終端器4は、送信手段100と接続されていない送信漏洩同軸ケーブル2の他端に接続されている。また、終端器5は、受信手段200と接続されていない受信漏洩同軸ケーブル3の他端に接続されている。
【0019】
つぎに、この実施の形態1に係る降雨検知装置の動作について図面を参照しながら説明する。
【0020】
図1において、送信手段100は、送信漏洩同軸ケーブル2から放射する電波が表面波モードで動作する周波数帯域内で周波数を連続的にもしくは時分割に変化させた発振信号を送信信号として送信漏洩同軸ケーブル2へ出力する。この送信漏洩同軸ケーブル2は、送信信号を電波として放射する。送信漏洩同軸ケーブル2に周期的に設けられたスロットからの放射が均一であるときに、送信漏洩同軸ケーブル2は、表面波モードで動作する。表面波モードでは、電波は送信漏洩同軸ケーブル2の鉛直方向の伝搬距離が増加すると指数関数で急激に電界エネルギーが減衰するので、送信漏洩同軸ケーブル2に沿った方向に伝搬する。
【0021】
降雨で送信漏洩同軸ケーブル2に水が付着すると、送信漏洩同軸ケーブル2の長手方向に周期的に空けられたスロットからの放射が均一でなくなり表面波モードが崩れ、表面波モードが崩れた箇所では、電波は鉛直方向の伝搬距離が増加しても電界エネルギーの減衰は小さくなる。
【0022】
受信漏洩同軸ケーブル3は、表面波モードで放射された電波または表面波モードが崩れて放射された電波もしくはその両方を受信し、受信信号として受信手段200へ出力する。表面波モードが崩れると電界エネルギーの減衰が小さくなるので、表面波モードで動作した受信信号レベルと比較して受信信号レベルは大きくなる。
【0023】
受信手段200は、送信手段100の発振信号を基準として受信信号を検波して得られた受信信号の振幅と位相を基準とした発振信号の周波数とともに解析信号として記憶する。
【0024】
検知手段300は、送信手段100から送信された信号が送信漏洩同軸ケーブル2と空間と受信漏洩同軸ケーブル3を通って受信手段200まで到達する周波数領域での伝搬特性を得る。記憶された解析信号をIFFT演算(逆FFT演算)して時間領域での伝搬特性を算出する。算出された伝搬特性の受信強度と予め設定した所定の閾値を比較し降雨の有無を判定し、降雨を検知した際に警報を鳴らす。
【0025】
送信手段100内の周波数設定器101は、送信漏洩同軸ケーブル2から放射する電波が表面波モードで動作する周波数帯域内で、開始周波数、終了周波数、周波数刻み、及びスイープ速度の値を予め設定し、設定に従って周波数を指示する設定信号を発振器102と受信手段200内のメモリ204へ出力する。
【0026】
また、周波数設定器101は、開始周波数もしくは終了周波数を指示したタイミング等のトリガ信号を検知手段300内のFFT演算器301へ出力する。
【0027】
送信手段100内の発振器102は、設定信号の指示に従った周波数の信号を発振信号として増幅器103と受信手段200内の検波器203へ出力する。
【0028】
送信手段100内の増幅器103は、発振信号を所定のレベルに増幅し送信信号として送信漏洩同軸ケーブル2へ出力する。
【0029】
送信漏洩同軸ケーブル2は、送信信号を電波として空間へ放射する。放射した電波は、表面波モードで動作する。
【0030】
表面波モードは、送信漏洩同軸ケーブル2に送信される信号の周波数と、送信漏洩同軸ケーブル2の表面の長手方向に周期的(等間隔)に開けられたスロットの周期間隔で決定する。周期間隔Pでスロットが開けられた送信漏洩同軸ケーブル2の場合、表面波モードで動作する最大周波数fmaxは、次の式(1)として表される。
【0031】
fmax=c/(P(√(εr)+1))
【0032】
ここで、cは電波の速度、εrは送信漏洩同軸ケーブル2内の誘電体の比誘電率である。最大周波数fmaxよりも低い周波数であれば、表面波モードで動作する。例えば、周期間隔P=1mで、比誘電率εr=1.23である送信漏洩同軸ケーブル2の場合、最大周波数fmaxは約142MHzとなる。
【0033】
受信漏洩同軸ケーブル3においても、同様にスロットの周期間隔Pと受信漏洩同軸ケーブル3内の比誘電率εrより表面波モードで動作する最大周波数が得られる。送信漏洩同軸ケーブル2と受信漏洩同軸ケーブル3で同一の周期間隔と比誘電率のケーブルを用いた場合、表面波モードで動作する最大周波数は同一となる。
【0034】
表面波モードで動作した際、送信漏洩同軸ケーブル2の各スロットから均一に放射された電波はケーブル鉛直方向で位相干渉し、ケーブル長手方向に伝搬する。そのため、電界エネルギーは鉛直方向の距離の増大に伴って指数的に急激に減衰する。
【0035】
降雨で送信漏洩同軸ケーブル2と受信漏洩同軸ケーブル3に雨が付着すると、雨が付着した部分では表面波モードが崩れて、送信漏洩同軸ケーブル2から放射された電波は、ケーブル鉛直方向の距離が増加しても電界エネルギーの減衰は小さくなる。
【0036】
受信漏洩同軸ケーブル3は、空間へ放射された電波を受信し受信信号として受信手段200へ出力する。
【0037】
受信手段200内の増幅器201は、受信信号を所定のレベルにまで増幅しバンドパスフィルタ(BPF)202に出力する。バンドパスフィルタ202の通過周波数帯域は、送信手段100内の周波数設定器101で設定した開始周波数と終了周波数である。このバンドパスフィルタ202は、不要周波数帯域の信号を取り除いた受信信号を検波器203へ出力する。検波器203は、発振器102からの発振信号を基準信号として、受信信号を直交検波(IQ検波)し、IQ信号をメモリ204へ出力する。メモリ204は、設定信号とIQ信号から各周波数におけるIQ信号を解析信号として記憶する。
【0038】
直交検波とは、基準信号の0度成分と90度成分で乗算し低域のベースバンド信号を得るものであり、ここでのIQ信号は0度成分で得られたI信号と90度成分で得られたQ信号をまとめて呼んだものである。I信号とQ信号の二乗和は受信信号の強度に相当し、I信号とQ信号の二乗和の平方根は受信信号の振幅に相当し、I信号とQ信号の逆正接は位相に相当する。
【0039】
メモリ204に記憶された設定信号とIQ信号から、周波数領域での伝搬特性が求まり、横軸を周波数、縦軸を受信強度となるパワースペクトル、周波数ごとの電力が得られる。
【0040】
検知手段300内のFFT演算器301は、送信手段100内の周波数設定器101からのトリガ信号を受け取ると、メモリ204から読み込んだ解析信号を用いてIFFT(逆FFT)演算を実行して解析信号を周波数領域の信号から時間領域の信号に変換し、演算結果を判定信号として判定器302へ出力する。
【0041】
メモリ204に記憶された解析信号は、周波数ごとの受信信号を記憶し、横軸を周波数軸、縦軸を受信強度軸となる各周波数における受信強度が得られたのに対し、判定信号は、横軸を時間軸、縦軸を受信強度軸とした際の受信強度が得られる。つまり、送信信号を出力して電波として放射し、放射した電波を受信して受信信号として入力されるのに要する電波の伝搬時間毎の受信強度などの伝搬特性が導出される。伝搬時間に光速を乗算して得られた長さは、送信信号が入力された送信漏洩同軸ケーブル2の一端を基準として、送信漏洩同軸ケーブル2内の伝搬距離と、空間の伝搬距離と、受信漏洩同軸ケーブル3内の伝搬距離の和に相当する。
【0042】
検知手段300内の判定器302は、判定信号の受信強度が予め設定した閾値303と比較し、閾値303よりも大きい場合に降雨と検知して発報信号を警報器304へ出力する。警報器304は発報信号を受け取ると警報を発する。
【0043】
図2は、受信信号を直交検波して得られたパワースペクトルを説明する図である。図中の波形400ように表面波モードを形成する周波数帯域内に高い受信強度を持った波形を得る。
【0044】
図3は、この発明の実施の形態1に係る降雨検知装置の降雨検知を説明する図である。図3(a)中の送信漏洩同軸ケーブル2の周囲の矢印(実線)は、表面波モードを形成した電波の伝搬の様子を表している。降雨により送信漏洩同軸ケーブル2に水滴が付着すると付着部における誘電率などの電気特性が変動する。降雨でない時は送信漏洩同軸ケーブル2の近傍における電気特性が一様であるのに対して、降雨時は水滴付着部の電気特性の変動により送信漏洩同軸ケーブル2の近傍における電気特性に不連続点が生じる。この不連続点では、電波の反射、吸収、透過がおこり表面波モードが崩れる。表面波モードが崩れると電波は、送信漏洩同軸ケーブル2の鉛直方向の距離の増加に対して電界エネルギーの減衰が小さくなるので、送信漏洩同軸ケーブル2の遠方まで伝搬し図中の矢印(破線)にように受信漏洩同軸ケーブル3に到達する。
【0045】
図3(b)は、逆FFT演算で時間領域に変換した判定信号を説明する図である。判定器302では得られた信号を時間領域に変換した波形が得られる。表面波モードが崩れた付近から放射された電波は、表面波モードで放射された電波と比較して遠方まで減衰せずに受信漏洩同軸ケーブル3に到達する。表面波モードが崩れて電波が送信から受信までに要した伝搬時間付近にピーク波形500が現れる。先述したとおり、伝搬時間に光速を乗算して得られた長さは、送信信号が入力された送信漏洩同軸ケーブル2の一端を基準として、送信漏洩同軸ケーブル2内の伝搬距離と、空間の伝搬距離と、受信漏洩同軸ケーブル3内の伝搬距離の和に相当する。そのため、ピーク波形500の位置における伝搬時間から表面波モードが崩れた箇所が特定できる。判定器302は、時間領域に変換した波形の受信強度と閾値600を比較して、受信強度が閾値600を超えると降雨検知と判定する。
【0046】
以上のように、この実施の形態1によれば、降雨を検知したいエリアに略平行に2本の漏洩同軸ケーブルを設置し、漏洩同軸ケーブルから放射する電波を表面波モードで動作させて降雨によって生じる表面波モードの崩れから降雨を検知するので、障害物があっても電波が遮断されずに正確に検知できるという効果がある。また、送信する電波に大電力なものを必要とせず、巨大なアンテナを設置するスペースも必要ないので、装置構成を簡略化することができるという効果がある。さらに、表面波モードが崩れている箇所が特定できるので、降雨場所を検知することができるという効果がある。
【0047】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係る降雨検知装置について図4及び図5を参照しながら説明する。図4は、この発明の実施の形態2に係る降雨検知装置の構成を示す図である。
【0048】
図4において、この発明の実施の形態2に係る降雨検知装置は、無線機1と、送信漏洩同軸ケーブル2と、この送信漏洩同軸ケーブル2に略平行に敷設された受信漏洩同軸ケーブル3と、終端器4と、終端器5と、送信漏洩同軸ケーブル2、受信漏洩同軸ケーブル3の両方もしくは一方に設置された雨保持手段6とが設けられている。なお、雨保持手段6は、例えば、乾燥時に空気の含有率の高いスポンジや、多孔質岩石などの多孔質物質(多孔質ブロック)である。また、雨保持手段6は、敷設された送信漏洩同軸ケーブル2や、受信漏洩同軸ケーブル3の周囲全体や、周囲の一部(上部)だけに設けられている。
【0049】
無線機1は、送信漏洩同軸ケーブル2の一端に接続された送信手段100と、受信漏洩同軸ケーブル3の一端に接続された受信手段200と、検知手段300とが設けられている。
【0050】
送信手段100は、周波数設定器101と、発振器102と、増幅器103とが設けられている。
【0051】
受信手段200は、増幅器201と、バンドパスフィルタ(BPF)202と、検波器203と、メモリ204とが設けられている。
【0052】
検知手段300は、FFT演算器301と、判定器302と、閾値303と、警報器304とが設けられている。
【0053】
終端器4は、送信手段100と接続されていない送信漏洩同軸ケーブル2の他端に接続されている。また、終端器5は、受信手段200と接続されていない受信漏洩同軸ケーブル3の他端に接続されている。
【0054】
つぎに、この実施の形態2に係る降雨検知装置の動作について図面を参照しながら説明する。
【0055】
図4において、送信手段100は、送信漏洩同軸ケーブル2から放射する電波が表面波モードで動作する周波数帯域内で周波数を連続的にもしくは時分割に変化させた発振信号を送信信号として送信漏洩同軸ケーブル2へ出力する。
【0056】
送信漏洩同軸ケーブル2は、送信信号を電波として放射する。電波は、表面波モードで動作し、送信漏洩同軸ケーブル2の鉛直方向の伝搬距離が増加すると指数関数で急激に電界エネルギーが減衰するので、送信漏洩同軸ケーブル2に沿った方向に伝搬する。
【0057】
降雨で送信漏洩同軸ケーブル2に水が付着し、また雨保持手段6に雨が付着し一定時間保持されると表面波モードが崩れ、表面波モードが崩れた箇所では、電波は鉛直方向の伝搬距離が増加しても電界エネルギーの減衰は小さくなる。
【0058】
この時、雨保持手段6の設置箇所の表面波モードの崩れは、送信漏洩同軸ケーブル2に雨が付着した箇所の表面波モードの崩れと比較して、水分量が大きいので大きくなる。さらに、雨保持手段6により、雨を一定時間保持するので、表面波モードが崩れている時間は、送信漏洩同軸ケーブル2に雨が付着した場合と比較して長くなる。
【0059】
受信漏洩同軸ケーブル3は、表面波モードで放射された電波もしくは表面波モードが崩れて放射された電波を受信し受信信号として受信手段200へ出力する。受信手段200は、送信手段100の発振信号を基準として受信信号を検波して得られた受信信号の振幅と位相を発振信号の周波数とともに解析信号として記憶する。検知手段300は、記憶された解析信号をIFFT演算(逆FFT演算)して得られた受信強度と予め設定した所定の閾値を比較し降雨の有無を判定し、降雨を検知した際に警報を鳴らす。
【0060】
図5は、この発明の実施の形態2に係る降雨検知装置の降雨検知を説明する図である。図5(a)中の送信漏洩同軸ケーブル2の周囲の矢印(実線)は表面波モードを形成した電波の伝搬の様子を表している。降雨により送信漏洩同軸ケーブル2に水滴が付着すると付着部における誘電率などの電気特性が変動する。また、降雨により雨保持手段6に水滴が付着すると付着部における誘電率などの電気特性が変動する。雨保持手段6の水滴付着による電気特性の変動量と変動している時間は、送信漏洩同軸ケーブル2の水滴付着による電気特性の変動量と変動している時間と比較して、変動量は大きく変動している時間は長くなる。
【0061】
降雨でない時は送信漏洩同軸ケーブル2の近傍における電気特性が一様であるのに対して、降雨時は水滴付着箇所の送信漏洩同軸ケーブル2と雨保持手段6の設置箇所の電気特性が変化し、送信漏洩同軸ケーブル2の近傍における電気特性に不連続点が生じるので、電波の反射、吸収、透過がおこり表面波モードが崩れる。雨保持手段6が設置された部分では、電気特性の変化がより大きいので、表面波モードが大きく崩れる。表面波モードが崩れると電波は送信漏洩同軸ケーブル2の遠方まで伝搬し、図中の矢印にように受信漏洩同軸ケーブル3まで到達する。
【0062】
図5(b)中のピーク波形500は、送信漏洩同軸ケーブル2に付着した水滴によって表面波モードが崩れた場合の受信強度で、ピーク波形700は雨保持手段6に付着した水滴によって表面波モードが崩れた場合の受信強度で、雨保持手段6によって表面波モードが崩れた場合の受信強度のほうが強いことを示している。図中の閾値601のように雨保持手段6によるピーク波形700のみが検知できるように閾値を設定してもよい。また、図3の閾値600と同じ閾値でもよい。
【0063】
以上のように、この実施の形態2によれば、降雨を検知したいエリアに略平行に2本の漏洩同軸ケーブルを設置し、漏洩同軸ケーブルから放射する電波を表面波モードで動作させて降雨によって生じる表面波モードの崩れから降雨を検知するので、障害物があっても電波が遮断されずに正確に検知できるという効果がある。また、雨保持手段6を漏洩同軸ケーブルに設置することで表面波モードの崩れを大きくし、より正確に雨を検知できるという効果がある。また、送信する電波に大電力なものを必要とせず、巨大なアンテナを設置するスペースも必要ないので、装置構成を簡略化することができるという効果がある。さらに、表面波モードが崩れている箇所が特定できるので、降雨場所を検知することができるという効果がある。なお、雨保持手段6を送信漏洩同軸ケーブル2に設けた場合について説明したが、受信漏洩同軸ケーブル3に設けた場合についても同様の作用効果を奏する。さらに、雨保持手段6を送信漏洩同軸ケーブル2と受信漏洩同軸ケーブル3の両方に設けた場合にも同様の作用効果を奏するだけでなく、片方だけに設けた場合に比べて、より正確に降雨を検知できる。
【0064】
実施の形態3.
この発明の実施の形態3に係る降雨検知装置について図6及び図7を参照しながら説明する。図6は、この発明の実施の形態3に係る降雨検知装置の構成を示す図である。
【0065】
図6において、この発明の実施の形態3に係る降雨検知装置は、無線機1と、送信漏洩同軸ケーブル2と、この送信漏洩同軸ケーブル2に略平行に敷設された受信漏洩同軸ケーブル3と、終端器4と、終端器5とが設けられている。また、送信漏洩同軸ケーブル2、受信漏洩同軸ケーブル3の両方もしくは一方の被覆に雨をためる機構である溝7が形成されている。なお、溝7は、例えば、×印や、平行線など様々な形状である。また、溝7は、敷設された送信漏洩同軸ケーブル2や、受信漏洩同軸ケーブル3の周囲全体や、周囲の一部(上部)だけに設けられている。
【0066】
無線機1は、送信漏洩同軸ケーブル2の一端に接続された送信手段100と、受信漏洩同軸ケーブル3の一端に接続された受信手段200と、検知手段300とが設けられている。
【0067】
送信手段100は、周波数設定器101と、発振器102と、増幅器103とが設けられている。
【0068】
受信手段200は、増幅器201と、バンドパスフィルタ(BPF)202と、検波器203と、メモリ204とが設けられている。
【0069】
検知手段300は、FFT演算器301と、判定器302と、閾値303と、警報器304とが設けられている。
【0070】
終端器4は、送信手段100と接続されていない送信漏洩同軸ケーブル2の他端に接続されている。また、終端器5は、受信手段200と接続されていない受信漏洩同軸ケーブル3の他端に接続されている。
【0071】
つぎに、この実施の形態3に係る降雨検知装置の動作について図面を参照しながら説明する。
【0072】
図6において、送信手段100は、送信漏洩同軸ケーブル2から放射する電波が表面波モードで動作する周波数帯域内で周波数を連続的にもしくは時分割に変化させた発振信号を送信信号として送信漏洩同軸ケーブル2へ出力する。
【0073】
送信漏洩同軸ケーブル2は、送信信号を電波として放射する。電波は、表面波モードで動作し、送信漏洩同軸ケーブル2の鉛直方向の伝搬距離が増加すると指数関数で急激に電界エネルギーが減衰するので、送信漏洩同軸ケーブル2に沿った方向に伝搬する。
【0074】
降雨で送信漏洩同軸ケーブル2に水が付着し、また付着した雨が溝7に溜まって一定時間保持されると表面波モードが崩れ、表面波モードが崩れた箇所では、電波は鉛直方向の伝搬距離が増加しても電界エネルギーの減衰は小さくなる。
【0075】
この時、溝7を形成した箇所の表面波モードの崩れは、送信漏洩同軸ケーブル2に雨が付着した箇所の表面波モードの崩れと比較して、水分量が大きいので大きくなる。さらに、溝7により、雨を一定時間保持するので、表面波モードが崩れている時間は、溝7がない送信漏洩同軸ケーブル2に雨が付着した場合と比較して長くなる。
【0076】
受信漏洩同軸ケーブル3は、表面波モードで放射された電波もしくは表面波モードが崩れて放射された電波を受信し受信信号として受信手段200へ出力する。受信手段200は、送信手段100の発振信号を基準として受信信号を検波して得られた受信信号の振幅と位相を発振信号の周波数とともに解析信号として記憶する。検知手段300は、記憶された解析信号をIFFT演算(逆FFT演算)して得られた受信強度と予め設定した所定の閾値を比較し降雨の有無を判定し、降雨を検知した際に警報を鳴らす。
【0077】
図7は、この発明の実施の形態3に係る降雨検知装置の降雨検知を説明する図である。図7(a)中の送信漏洩同軸ケーブル2の周囲の矢印は表面波モードを形成した電波の伝搬の様子を表している。降雨により送信漏洩同軸ケーブル2に水滴が付着すると付着部における誘電率などの電気特性が変動する。また、降雨により溝7に水滴が付着すると付着部における誘電率などの電気特性が変動する。溝7の水滴付着による電気特性の変動量と変動している時間は、送信漏洩同軸ケーブル2の水滴付着による電気特性の変動量と変動している時間と比較して変動量は大きく変動している時間は長くなる。
【0078】
降雨でない時は送信漏洩同軸ケーブル2の近傍における電気特性が一様であるのに対して、降雨時は水滴付着箇所の送信漏洩同軸ケーブル2と溝7の電気特性が変化し、送信漏洩同軸ケーブル2の近傍における電気特性に不連続点が生じるので、電波の反射、吸収、透過がおこり表面波モードが崩れる。溝7が設置された部分では、電気特性の変化がより大きいので、表面波モードが大きく崩れる。表面波モードが崩れると電波は送信漏洩同軸ケーブル2の遠方まで伝搬し図中の矢印にように受信漏洩同軸ケーブル3まで到達する。
【0079】
図7(b)中のピーク波形500は、送信漏洩同軸ケーブル2に付着した水滴によって表面波モードが崩れた場合の受信強度で、ピーク波形800は溝7に付着した水滴によって表面波モードが崩れた場合の受信強度で、溝7によって表面波モードが崩れた場合の受信強度のほうが強いことを示している。図中の閾値602のように溝7によるピーク波形800のみが検知できるように閾値を設定してもよい。また、図3の閾値600と同じ閾値でもよい。
【0080】
また、上記の実施の形態2で説明した雨保持手段6と溝7を組み合わせて使用してもよい。
【0081】
以上のように、この実施の形態3によれば、降雨を検知したいエリアに略平行に2本の漏洩同軸ケーブルを設置し、漏洩同軸ケーブルから放射する電波を表面波モードで動作させて降雨によって生じる表面波モードの崩れから降雨を検知するので、障害物があっても電波が遮断されずに正確に検知できるという効果がある。また、ケーブル被覆に形成された溝7により表面波モードの崩れを大きくし、より正確に雨を検知できるという効果がある。また、送信する電波に大電力なものを必要とせず、巨大なアンテナを設置するスペースも必要ないので、装置構成を簡略化することができるという効果がある。さらに、表面波モードが崩れている箇所が特定できるので、降雨場所を検知することができる効果がある。なお、溝7を送信漏洩同軸ケーブル2に設けた場合について説明したが、受信漏洩同軸ケーブル3に設けた場合についても同様の作用効果を奏する。さらに、溝7を送信漏洩同軸ケーブル2と受信漏洩同軸ケーブル3の両方に設けた場合にも同様の作用効果を奏するだけでなく、片方だけに設けた場合に比べて、より正確に降雨を検知できる。
【0082】
実施の形態4.
この発明の実施の形態4に係る降雨検知装置について図8及び図9を参照しながら説明する。図8は、この発明の実施の形態4に係る降雨検知装置の構成を示す図である。
【0083】
図8において、この発明の実施の形態4に係る降雨検知装置は、無線機1と、送信漏洩同軸ケーブル2と、この送信漏洩同軸ケーブル2に略平行に敷設された受信漏洩同軸ケーブル3と、終端器4と、終端器5と、減衰器8とが設けられている。
【0084】
無線機1は、送信漏洩同軸ケーブル2の一端に接続された送信手段100と、受信漏洩同軸ケーブル3の一端に接続された受信手段200と、検知手段300とが設けられている。
【0085】
送信手段100は、周波数設定器101と、発振器102と、増幅器103とが設けられている。
【0086】
受信手段200は、増幅器201と、バンドパスフィルタ(BPF)202と、検波器203と、メモリ204とが設けられている。
【0087】
検知手段300は、FFT演算器301と、判定器302と、閾値303と、警報器304とが設けられている。
【0088】
終端器4は、送信手段100と接続されていない送信漏洩同軸ケーブル2の他端に接続されている。また、終端器5は、受信手段200と接続されていない受信漏洩同軸ケーブル3の他端に接続されている。さらに、減衰器8は、終端器4が接続されている送信漏洩同軸ケーブル2の他端と終端器5が接続されている受信漏洩同軸ケーブル3の他端をつなぐように接続されている。
【0089】
つぎに、この実施の形態4に係る降雨検知装置の動作について図面を参照しながら説明する。
【0090】
図8において、送信手段100は、送信漏洩同軸ケーブル2から放射する電波が表面波モードで動作する周波数帯域内で周波数を連続的にもしくは時分割に変化させた発振信号を送信信号として送信漏洩同軸ケーブル2へ出力する。
【0091】
送信漏洩同軸ケーブル2は、送信信号を電波として放射する。電波は、表面波モードで動作し、送信漏洩同軸ケーブル2の鉛直方向の伝搬距離が増加すると指数関数で急激に電界エネルギーが減衰するので、送信漏洩同軸ケーブル2に沿った方向に伝搬する。
【0092】
降雨で送信漏洩同軸ケーブル2に水が付着すると表面波モードが崩れ、表面波モードが崩れた箇所では、電波は鉛直方向の伝搬距離が増加しても電界エネルギーの減衰は小さくなる。
【0093】
受信漏洩同軸ケーブル3は、表面波モードで放射された電波もしくは表面波モードが崩れて放射された電波を受信し受信信号として受信手段200へ出力する。また、送信手段100から送信され送信漏洩同軸ケーブル2内を伝送し減衰器8を通って受信漏洩同軸ケーブル3内を伝送した信号も受信信号として受信手段200へ出力する。受信手段200は、送信手段100の発振信号を基準として受信信号を検波して得られた受信信号の振幅と位相を発振信号の周波数とともに解析信号として記憶する。検知手段300は、記憶された解析信号をIFFT演算(逆FFT演算)して得られた受信強度と予め設定した所定の閾値を比較し降雨の有無を判定し、降雨を検知した際に警報を鳴らす。
【0094】
図9は、この発明の実施の形態4に係る降雨検知装置の降雨検知を説明する図である。図9(a)中の送信漏洩同軸ケーブル2の周囲の矢印は表面波モードを形成した電波の伝搬の様子を表している。降雨により送信漏洩同軸ケーブル2に水滴が付着すると付着部における誘電率などの電気特性が変動する。
【0095】
降雨でない時は送信漏洩同軸ケーブル2の近傍における電気特性が一様であるのに対して、降雨時は水滴付着箇所の電気特性が変化し、送信漏洩同軸ケーブル2の近傍における電気特性に不連続点が生じるので、電波の反射、吸収、透過がおこり表面波モードが崩れる。表面波モードが崩れると電波は送信漏洩同軸ケーブル2の遠方まで伝搬し図中の矢印にように受信漏洩同軸ケーブル3まで到達する。
【0096】
また、表面波モードが崩れると送信漏洩同軸ケーブル2から放射された電波は、ケーブル鉛直方向の距離が増加しても電界エネルギーの減衰は小さくなる。よって、送信漏洩同軸ケーブル2から放射せずに伝送する電波の電界エネルギーの減衰は大きくなる。
【0097】
図9(b)中のピーク波形500は、送信漏洩同軸ケーブル2に付着した水滴によって表面波モードが崩れた場合の受信強度で、ピーク波形900は送信漏洩同軸ケーブル2内を伝送し減衰器8を介して受信漏洩同軸ケーブル3内を伝送してきた信号の受信強度である。表面波モードが崩れると、送信漏洩同軸ケーブル2から放射する電波の電界エネルギーが大きくなるので、受信漏洩同軸ケーブル3内を伝送する電波の電界エネルギーは小さくなる。図中の閾値603によって、減衰器8におけるピーク波形900の受信強度が降雨によって小さくなる変動を検知して、降雨と判定してもよい。
【0098】
以上のように、この実施の形態4によれば、降雨を検知したいエリアに略平行に2本の漏洩同軸ケーブルを設置し、漏洩同軸ケーブルから放射する電波を表面波モードで動作させて降雨によって生じる表面波モードの崩れから降雨を検知するので、障害物があっても電波が遮断されずに正確に検知できるという効果がある。また、送信する電波に大電力なものを必要とせず、巨大なアンテナを設置するスペースも必要ないので、装置構成を簡略化することができるという効果がある。また、表面波モードが崩れている箇所が特定できるので、降雨場所を検知することができるという効果がある。さらに、減衰器8を介して伝送された信号の変動から、検知エリア全体において降雨を検知することができるという効果がある。
【0099】
実施の形態5.
この発明の実施の形態5に係る降雨検知装置について図10及び図11を参照しながら説明する。図10は、この発明の実施の形態5に係る降雨検知装置の構成を示す図である。
【0100】
図10において、この発明の実施の形態5に係る降雨検知装置は、無線機1と、送信漏洩同軸ケーブル2と、この送信漏洩同軸ケーブル2に略平行に敷設された受信漏洩同軸ケーブル3と、終端器4と、終端器5と、送信漏洩同軸ケーブル2、受信漏洩同軸ケーブル3の両方もしくは一方に設置され、保水能力が異なる複数の雨保持手段6及び複数の雨保護手段9とが設けられている。
【0101】
なお、図10では雨保持手段6と雨保護手段9が若干離れて図示されているが、両者が隣接している状態が理想的である。また、雨保持手段6は、例えば、乾燥時に空気の含有率の高いスポンジや、多孔質岩石などの多孔質物質(多孔質ブロック)である。また、雨保持手段6は、敷設された送信漏洩同軸ケーブル2や、受信漏洩同軸ケーブル3の周囲全体や、周囲の一部(上部)だけに設けられている。さらに、雨保護手段9は、例えば、水分を弾く物質であり、敷設された送信漏洩同軸ケーブル2や、受信漏洩同軸ケーブル3の周囲全体に設けられている。
【0102】
無線機1は、送信漏洩同軸ケーブル2の一端に接続された送信手段100と、受信漏洩同軸ケーブル3の一端に接続された受信手段200と、検知手段300とが設けられている。
【0103】
送信手段100は、周波数設定器101と、発振器102と、増幅器103とが設けられている。
【0104】
受信手段200は、増幅器201と、バンドパスフィルタ(BPF)202と、検波器203と、メモリ204とが設けられている。
【0105】
検知手段300は、FFT演算器301と、判定器302と、閾値303と、警報器304とが設けられている。
【0106】
終端器4は、送信手段100と接続されていない送信漏洩同軸ケーブル2の他端に接続されている。また、終端器5は、受信手段200と接続されていない受信漏洩同軸ケーブル3の他端に接続されている。
【0107】
つぎに、この実施の形態5に係る降雨検知装置の動作について図面を参照しながら説明する。
【0108】
図10において、送信手段100は、送信漏洩同軸ケーブル2から放射する電波が表面波モードで動作する周波数帯域内で周波数を連続的にもしくは時分割に変化させた発振信号を送信信号として送信漏洩同軸ケーブル2へ出力する。
【0109】
送信漏洩同軸ケーブル2は、送信信号を電波として放射する。電波は、表面波モードで動作し、送信漏洩同軸ケーブル2の鉛直方向の伝搬距離が増加すると指数関数で急激に電界エネルギーが減衰するので、送信漏洩同軸ケーブル2に沿った方向に伝搬する。
【0110】
降雨では、雨保護手段9と雨保持手段6によって、雨保持手段6を設置した箇所でのみ水が付着し表面波モードが崩れた状態で動作する。さらに、雨保持手段6により、雨を一定時間保持するので、表面波モードが崩れている時間は、送信漏洩同軸ケーブル2に雨が付着した場合と比較して長くなる。複数の雨保持手段6を設置した際に、雨を吸着できる量および保持できる時間が異なる物質を設置することにより、同じ降雨量でも各雨保持手段6で保持している水分量に違いを持たせることができる。
【0111】
雨保持手段6は、上述したように、例えば、乾燥時に空気の含有率の高いスポンジや、多孔質岩石などの多孔質物質であるが、保持できる水分量や保水時間に差をつけるためには、例えば、孔の中に吸水材料をつめるとか、異なる孔径の多孔質物質を用いるなどがある。
【0112】
受信漏洩同軸ケーブル3は、表面波モードで放射された電波もしくは表面波モードが崩れて放射された電波を受信し受信信号として受信手段200へ出力する。受信手段200は、送信手段100の発振信号を基準として受信信号を検波して得られた受信信号の振幅と位相を発振信号の周波数とともに解析信号として記憶する。検知手段300は、記憶された解析信号をIFFT演算(逆FFT演算)して得られた受信強度と予め設定した所定の閾値を比較し降雨の有無を判定し、降雨を検知した際に警報を鳴らす。
【0113】
図11は、この発明の実施の形態5に係る降雨検知装置の降雨検知を説明する図である。図11(a)中の送信漏洩同軸ケーブル2の周囲の矢印は表面波モードを形成した電波の伝搬の様子を表している。また、送信漏洩同軸ケーブル2に設置された雨保持手段6は、雨保持可能な量および時間が異なる物質を用いているとする。
【0114】
降雨により雨保護手段9によって保護されておらず雨保持手段6が設置されている部分に水滴が付着すると付着部における誘電率などの電気特性が変動する。降雨でない時は送信漏洩同軸ケーブル2の近傍における電気特性が一様であるのに対して、降雨時は雨保持手段6の設置箇所の電気特性が変化し、送信漏洩同軸ケーブル2の近傍における電気特性に不連続点が生じるので、電波の反射、吸収、透過がおこり表面波モードが崩れる。また、異なる性質の雨保持手段6を設置しているので、表面波モードの崩れ方も異なってくる。表面波モードが崩れると電波は送信漏洩同軸ケーブル2の遠方まで伝搬し図中の矢印にように受信漏洩同軸ケーブル3まで到達する。
【0115】
図11(b)中のピーク波形700は雨保持手段6に付着した水滴によって表面波モードが崩れた場合の受信強度で、雨量によって雨保持手段6により保持される雨の量も時間も異なるので表面波モードの崩れ方が異なり、受信強度のピークが異なることが分かる。保水性が高い材質は、弱い雨でも十分に保水し、表面波モードの崩れが大きくなる。一方で、保水性の低い材質は、弱い雨だと保水できず、表面波モードの崩れが小さくなる。図11(c)に示すように、強い雨では、両方とも十分に保水できるので、表面波モードの崩れが同一となる。このように降雨量によって、ピーク波形700が異なる材料を雨保持手段6として採用することで降雨量を計測することができる。
【0116】
以上のように、この実施の形態5によれば、降雨を検知したいエリアに略平行に2本の漏洩同軸ケーブルを設置し、漏洩同軸ケーブルから放射する電波を表面波モードで動作させて降雨によって生じる表面波モードの崩れから降雨を検知するので、障害物があっても電波が遮断されずに正確に検知できるという効果がある。また、雨保持手段6を漏洩同軸ケーブルに設置することで表面波モードの崩れを大きくし、より正確に雨を検知できるという効果がある。また、送信する電波に大電力なものを必要とせず、巨大なアンテナを設置するスペースも必要ないので、装置構成を簡略化することができるという効果がある。さらに、表面波モードが崩れている箇所が特定できるので、降雨場所を検知することができる効果がある。なお、雨保持手段6及び雨保護手段9を送信漏洩同軸ケーブル2に設けた場合について説明したが、受信漏洩同軸ケーブル3に設けた場合についても同様の作用効果を奏する。さらに、雨保持手段6及び雨保護手段9を送信漏洩同軸ケーブル2と受信漏洩同軸ケーブル3の両方に設けた場合にも同様の作用効果を奏するだけでなく、片方だけに設けた場合に比べて、より正確に降雨を検知できる。
【符号の説明】
【0117】
1 無線機、2 送信漏洩同軸ケーブル、3 受信漏洩同軸ケーブル、4 終端器、5 終端器、6 雨保持手段、7 溝、8 減衰器、9 雨保護手段、100 送信手段、101 周波数設定器、102 発振器、103 増幅器、200 受信手段、201 増幅器、202 バンドパスフィルタ、203 検波器、204 メモリ、300 検知手段、301 演算器、302 判定器、303 閾値、304 警報器。
【技術分野】
【0001】
この発明は、電波を利用して雨を検知する降雨検知装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の降雨検知装置は、狭ビーム幅の送信アンテナ、受信アンテナ、送信機、受信機及び検知機で構成されている。送信機は、大電力の信号を送信アンテナに入力して、送信アンテナからミリ波として放射する。送信アンテナは、一定の周期で回転しながら電波を放射する。放射された電波は雨粒によって反射し、その反射波を受信アンテナで受信し受信機で増幅して受信信号を得る。そして、検知機は、受信信号の強度や、送信から受信までの時間、ドップラ周波数により雨を検知する(例えば、特許文献1、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3286107号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】上瀧實他22名著、「ミリ波技術の手引と展開」、(株)リアライズ社(REALIZE INC.)、平成5年6月30日発行、第139頁−第148頁、図−3
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術には、以下のような課題がある。従来装置では、大電力の電波を放射するための増幅器、送信アンテナから放射された直接波が受信アンテナに直接回り込まないようにアイソレーションをとる機構、狭ビーム幅を得るための巨大アンテナなど装置構成が大掛かりでコストがかかるのと設置場所が必要となるという問題点があった。
【0006】
また、山などの障害物がある箇所では、電波が遮断され影となるエリアでは降雨検知ができないという問題点があった。影をなくすために複数の降雨検知装置を配置する方法があるが、さらに設置コストがかかるという問題点があった。
【0007】
本発明は、前記のような課題を解決するためになされたものであり、安価で正確に降雨を検知することができ、また、障害物があっても正確に降雨を検知することができる降雨検知装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る降雨検知装置は、放射する電波が表面波モードで動作する周波数帯域内で周波数を連続的にもしくは時分割に変化させた発振信号を送信信号として出力する送信手段と、前記送信信号を電波として放射する送信漏洩同軸ケーブルと、表面波モードで放射された電波、降雨により表面波モードが崩れて放射された電波、又は両者を受信し、受信信号として出力する受信漏洩同軸ケーブルと、前記発振信号を基準信号として前記受信信号を検波して前記受信信号の振幅及び位相を求め、前記発振信号の周波数とともに解析信号として保持する受信手段と、前記解析信号を演算して時間領域の伝搬特性を求め、この伝搬特性である判定信号の受信強度が所定の閾値よりも大きい場合に降雨を検知する検知手段とを備え、前記送信及び受信漏洩同軸ケーブルは、降雨を検知したいエリアに略平行に設置され、それぞれスロットが周期的に開けられているものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る降雨検知装置によれば、降雨を検知したいエリアに略平行に2本の漏洩同軸ケーブルを設置し、漏洩同軸ケーブルから放射する電波を表面波モードで動作させて降雨によって生じる表面波モードの崩れから降雨を検知するので、障害物があっても電波が遮断されずに正確に検知できるという効果がある。また、送信する電波に大電力なものを必要とせず、巨大なアンテナを設置するスペースも必要ないので、装置構成を簡略化することができるという効果がある。さらに、表面波モードが崩れている箇所が特定できるので、降雨場所を検知することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の実施の形態1に係る降雨検知装置の構成を示す図である。
【図2】受信信号を直交検波して得られたパワースペクトルを説明する図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係る降雨検知装置の降雨検知を説明する図である。
【図4】この発明の実施の形態2に係る降雨検知装置の構成を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態2に係る降雨検知装置の降雨検知を説明する図である。
【図6】この発明の実施の形態3に係る降雨検知装置の構成を示す図である。
【図7】この発明の実施の形態3に係る降雨検知装置の降雨検知を説明する図である。
【図8】この発明の実施の形態4に係る降雨検知装置の構成を示す図である。
【図9】この発明の実施の形態4に係る降雨検知装置の降雨検知を説明する図である。
【図10】この発明の実施の形態5に係る降雨検知装置の構成を示す図である。
【図11】この発明の実施の形態5に係る降雨検知装置の降雨検知を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の降雨検知装置の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
【0012】
実施の形態1.
この発明の実施の形態1に係る降雨検知装置について図1から図3までを参照しながら説明する。図1は、この発明の実施の形態1に係る降雨検知装置の構成を示す図である。なお、以降では、各図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0013】
図1において、この発明の実施の形態1に係る降雨検知装置は、無線機1と、送信漏洩同軸ケーブル2と、この送信漏洩同軸ケーブル2に略平行に敷設された受信漏洩同軸ケーブル3と、終端器4と、終端器5とが設けられている。
【0014】
無線機1は、送信漏洩同軸ケーブル2の一端に接続された送信手段100と、受信漏洩同軸ケーブル3の一端に接続された受信手段200と、検知手段300とが設けられている。
【0015】
送信手段100は、周波数設定器101と、発振器102と、増幅器103とが設けられている。
【0016】
受信手段200は、増幅器201と、バンドパスフィルタ(BPF)202と、検波器203と、メモリ204とが設けられている。
【0017】
検知手段300は、FFT演算器301と、判定器302と、閾値303と、警報器304とが設けられている。
【0018】
終端器4は、送信手段100と接続されていない送信漏洩同軸ケーブル2の他端に接続されている。また、終端器5は、受信手段200と接続されていない受信漏洩同軸ケーブル3の他端に接続されている。
【0019】
つぎに、この実施の形態1に係る降雨検知装置の動作について図面を参照しながら説明する。
【0020】
図1において、送信手段100は、送信漏洩同軸ケーブル2から放射する電波が表面波モードで動作する周波数帯域内で周波数を連続的にもしくは時分割に変化させた発振信号を送信信号として送信漏洩同軸ケーブル2へ出力する。この送信漏洩同軸ケーブル2は、送信信号を電波として放射する。送信漏洩同軸ケーブル2に周期的に設けられたスロットからの放射が均一であるときに、送信漏洩同軸ケーブル2は、表面波モードで動作する。表面波モードでは、電波は送信漏洩同軸ケーブル2の鉛直方向の伝搬距離が増加すると指数関数で急激に電界エネルギーが減衰するので、送信漏洩同軸ケーブル2に沿った方向に伝搬する。
【0021】
降雨で送信漏洩同軸ケーブル2に水が付着すると、送信漏洩同軸ケーブル2の長手方向に周期的に空けられたスロットからの放射が均一でなくなり表面波モードが崩れ、表面波モードが崩れた箇所では、電波は鉛直方向の伝搬距離が増加しても電界エネルギーの減衰は小さくなる。
【0022】
受信漏洩同軸ケーブル3は、表面波モードで放射された電波または表面波モードが崩れて放射された電波もしくはその両方を受信し、受信信号として受信手段200へ出力する。表面波モードが崩れると電界エネルギーの減衰が小さくなるので、表面波モードで動作した受信信号レベルと比較して受信信号レベルは大きくなる。
【0023】
受信手段200は、送信手段100の発振信号を基準として受信信号を検波して得られた受信信号の振幅と位相を基準とした発振信号の周波数とともに解析信号として記憶する。
【0024】
検知手段300は、送信手段100から送信された信号が送信漏洩同軸ケーブル2と空間と受信漏洩同軸ケーブル3を通って受信手段200まで到達する周波数領域での伝搬特性を得る。記憶された解析信号をIFFT演算(逆FFT演算)して時間領域での伝搬特性を算出する。算出された伝搬特性の受信強度と予め設定した所定の閾値を比較し降雨の有無を判定し、降雨を検知した際に警報を鳴らす。
【0025】
送信手段100内の周波数設定器101は、送信漏洩同軸ケーブル2から放射する電波が表面波モードで動作する周波数帯域内で、開始周波数、終了周波数、周波数刻み、及びスイープ速度の値を予め設定し、設定に従って周波数を指示する設定信号を発振器102と受信手段200内のメモリ204へ出力する。
【0026】
また、周波数設定器101は、開始周波数もしくは終了周波数を指示したタイミング等のトリガ信号を検知手段300内のFFT演算器301へ出力する。
【0027】
送信手段100内の発振器102は、設定信号の指示に従った周波数の信号を発振信号として増幅器103と受信手段200内の検波器203へ出力する。
【0028】
送信手段100内の増幅器103は、発振信号を所定のレベルに増幅し送信信号として送信漏洩同軸ケーブル2へ出力する。
【0029】
送信漏洩同軸ケーブル2は、送信信号を電波として空間へ放射する。放射した電波は、表面波モードで動作する。
【0030】
表面波モードは、送信漏洩同軸ケーブル2に送信される信号の周波数と、送信漏洩同軸ケーブル2の表面の長手方向に周期的(等間隔)に開けられたスロットの周期間隔で決定する。周期間隔Pでスロットが開けられた送信漏洩同軸ケーブル2の場合、表面波モードで動作する最大周波数fmaxは、次の式(1)として表される。
【0031】
fmax=c/(P(√(εr)+1))
【0032】
ここで、cは電波の速度、εrは送信漏洩同軸ケーブル2内の誘電体の比誘電率である。最大周波数fmaxよりも低い周波数であれば、表面波モードで動作する。例えば、周期間隔P=1mで、比誘電率εr=1.23である送信漏洩同軸ケーブル2の場合、最大周波数fmaxは約142MHzとなる。
【0033】
受信漏洩同軸ケーブル3においても、同様にスロットの周期間隔Pと受信漏洩同軸ケーブル3内の比誘電率εrより表面波モードで動作する最大周波数が得られる。送信漏洩同軸ケーブル2と受信漏洩同軸ケーブル3で同一の周期間隔と比誘電率のケーブルを用いた場合、表面波モードで動作する最大周波数は同一となる。
【0034】
表面波モードで動作した際、送信漏洩同軸ケーブル2の各スロットから均一に放射された電波はケーブル鉛直方向で位相干渉し、ケーブル長手方向に伝搬する。そのため、電界エネルギーは鉛直方向の距離の増大に伴って指数的に急激に減衰する。
【0035】
降雨で送信漏洩同軸ケーブル2と受信漏洩同軸ケーブル3に雨が付着すると、雨が付着した部分では表面波モードが崩れて、送信漏洩同軸ケーブル2から放射された電波は、ケーブル鉛直方向の距離が増加しても電界エネルギーの減衰は小さくなる。
【0036】
受信漏洩同軸ケーブル3は、空間へ放射された電波を受信し受信信号として受信手段200へ出力する。
【0037】
受信手段200内の増幅器201は、受信信号を所定のレベルにまで増幅しバンドパスフィルタ(BPF)202に出力する。バンドパスフィルタ202の通過周波数帯域は、送信手段100内の周波数設定器101で設定した開始周波数と終了周波数である。このバンドパスフィルタ202は、不要周波数帯域の信号を取り除いた受信信号を検波器203へ出力する。検波器203は、発振器102からの発振信号を基準信号として、受信信号を直交検波(IQ検波)し、IQ信号をメモリ204へ出力する。メモリ204は、設定信号とIQ信号から各周波数におけるIQ信号を解析信号として記憶する。
【0038】
直交検波とは、基準信号の0度成分と90度成分で乗算し低域のベースバンド信号を得るものであり、ここでのIQ信号は0度成分で得られたI信号と90度成分で得られたQ信号をまとめて呼んだものである。I信号とQ信号の二乗和は受信信号の強度に相当し、I信号とQ信号の二乗和の平方根は受信信号の振幅に相当し、I信号とQ信号の逆正接は位相に相当する。
【0039】
メモリ204に記憶された設定信号とIQ信号から、周波数領域での伝搬特性が求まり、横軸を周波数、縦軸を受信強度となるパワースペクトル、周波数ごとの電力が得られる。
【0040】
検知手段300内のFFT演算器301は、送信手段100内の周波数設定器101からのトリガ信号を受け取ると、メモリ204から読み込んだ解析信号を用いてIFFT(逆FFT)演算を実行して解析信号を周波数領域の信号から時間領域の信号に変換し、演算結果を判定信号として判定器302へ出力する。
【0041】
メモリ204に記憶された解析信号は、周波数ごとの受信信号を記憶し、横軸を周波数軸、縦軸を受信強度軸となる各周波数における受信強度が得られたのに対し、判定信号は、横軸を時間軸、縦軸を受信強度軸とした際の受信強度が得られる。つまり、送信信号を出力して電波として放射し、放射した電波を受信して受信信号として入力されるのに要する電波の伝搬時間毎の受信強度などの伝搬特性が導出される。伝搬時間に光速を乗算して得られた長さは、送信信号が入力された送信漏洩同軸ケーブル2の一端を基準として、送信漏洩同軸ケーブル2内の伝搬距離と、空間の伝搬距離と、受信漏洩同軸ケーブル3内の伝搬距離の和に相当する。
【0042】
検知手段300内の判定器302は、判定信号の受信強度が予め設定した閾値303と比較し、閾値303よりも大きい場合に降雨と検知して発報信号を警報器304へ出力する。警報器304は発報信号を受け取ると警報を発する。
【0043】
図2は、受信信号を直交検波して得られたパワースペクトルを説明する図である。図中の波形400ように表面波モードを形成する周波数帯域内に高い受信強度を持った波形を得る。
【0044】
図3は、この発明の実施の形態1に係る降雨検知装置の降雨検知を説明する図である。図3(a)中の送信漏洩同軸ケーブル2の周囲の矢印(実線)は、表面波モードを形成した電波の伝搬の様子を表している。降雨により送信漏洩同軸ケーブル2に水滴が付着すると付着部における誘電率などの電気特性が変動する。降雨でない時は送信漏洩同軸ケーブル2の近傍における電気特性が一様であるのに対して、降雨時は水滴付着部の電気特性の変動により送信漏洩同軸ケーブル2の近傍における電気特性に不連続点が生じる。この不連続点では、電波の反射、吸収、透過がおこり表面波モードが崩れる。表面波モードが崩れると電波は、送信漏洩同軸ケーブル2の鉛直方向の距離の増加に対して電界エネルギーの減衰が小さくなるので、送信漏洩同軸ケーブル2の遠方まで伝搬し図中の矢印(破線)にように受信漏洩同軸ケーブル3に到達する。
【0045】
図3(b)は、逆FFT演算で時間領域に変換した判定信号を説明する図である。判定器302では得られた信号を時間領域に変換した波形が得られる。表面波モードが崩れた付近から放射された電波は、表面波モードで放射された電波と比較して遠方まで減衰せずに受信漏洩同軸ケーブル3に到達する。表面波モードが崩れて電波が送信から受信までに要した伝搬時間付近にピーク波形500が現れる。先述したとおり、伝搬時間に光速を乗算して得られた長さは、送信信号が入力された送信漏洩同軸ケーブル2の一端を基準として、送信漏洩同軸ケーブル2内の伝搬距離と、空間の伝搬距離と、受信漏洩同軸ケーブル3内の伝搬距離の和に相当する。そのため、ピーク波形500の位置における伝搬時間から表面波モードが崩れた箇所が特定できる。判定器302は、時間領域に変換した波形の受信強度と閾値600を比較して、受信強度が閾値600を超えると降雨検知と判定する。
【0046】
以上のように、この実施の形態1によれば、降雨を検知したいエリアに略平行に2本の漏洩同軸ケーブルを設置し、漏洩同軸ケーブルから放射する電波を表面波モードで動作させて降雨によって生じる表面波モードの崩れから降雨を検知するので、障害物があっても電波が遮断されずに正確に検知できるという効果がある。また、送信する電波に大電力なものを必要とせず、巨大なアンテナを設置するスペースも必要ないので、装置構成を簡略化することができるという効果がある。さらに、表面波モードが崩れている箇所が特定できるので、降雨場所を検知することができるという効果がある。
【0047】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係る降雨検知装置について図4及び図5を参照しながら説明する。図4は、この発明の実施の形態2に係る降雨検知装置の構成を示す図である。
【0048】
図4において、この発明の実施の形態2に係る降雨検知装置は、無線機1と、送信漏洩同軸ケーブル2と、この送信漏洩同軸ケーブル2に略平行に敷設された受信漏洩同軸ケーブル3と、終端器4と、終端器5と、送信漏洩同軸ケーブル2、受信漏洩同軸ケーブル3の両方もしくは一方に設置された雨保持手段6とが設けられている。なお、雨保持手段6は、例えば、乾燥時に空気の含有率の高いスポンジや、多孔質岩石などの多孔質物質(多孔質ブロック)である。また、雨保持手段6は、敷設された送信漏洩同軸ケーブル2や、受信漏洩同軸ケーブル3の周囲全体や、周囲の一部(上部)だけに設けられている。
【0049】
無線機1は、送信漏洩同軸ケーブル2の一端に接続された送信手段100と、受信漏洩同軸ケーブル3の一端に接続された受信手段200と、検知手段300とが設けられている。
【0050】
送信手段100は、周波数設定器101と、発振器102と、増幅器103とが設けられている。
【0051】
受信手段200は、増幅器201と、バンドパスフィルタ(BPF)202と、検波器203と、メモリ204とが設けられている。
【0052】
検知手段300は、FFT演算器301と、判定器302と、閾値303と、警報器304とが設けられている。
【0053】
終端器4は、送信手段100と接続されていない送信漏洩同軸ケーブル2の他端に接続されている。また、終端器5は、受信手段200と接続されていない受信漏洩同軸ケーブル3の他端に接続されている。
【0054】
つぎに、この実施の形態2に係る降雨検知装置の動作について図面を参照しながら説明する。
【0055】
図4において、送信手段100は、送信漏洩同軸ケーブル2から放射する電波が表面波モードで動作する周波数帯域内で周波数を連続的にもしくは時分割に変化させた発振信号を送信信号として送信漏洩同軸ケーブル2へ出力する。
【0056】
送信漏洩同軸ケーブル2は、送信信号を電波として放射する。電波は、表面波モードで動作し、送信漏洩同軸ケーブル2の鉛直方向の伝搬距離が増加すると指数関数で急激に電界エネルギーが減衰するので、送信漏洩同軸ケーブル2に沿った方向に伝搬する。
【0057】
降雨で送信漏洩同軸ケーブル2に水が付着し、また雨保持手段6に雨が付着し一定時間保持されると表面波モードが崩れ、表面波モードが崩れた箇所では、電波は鉛直方向の伝搬距離が増加しても電界エネルギーの減衰は小さくなる。
【0058】
この時、雨保持手段6の設置箇所の表面波モードの崩れは、送信漏洩同軸ケーブル2に雨が付着した箇所の表面波モードの崩れと比較して、水分量が大きいので大きくなる。さらに、雨保持手段6により、雨を一定時間保持するので、表面波モードが崩れている時間は、送信漏洩同軸ケーブル2に雨が付着した場合と比較して長くなる。
【0059】
受信漏洩同軸ケーブル3は、表面波モードで放射された電波もしくは表面波モードが崩れて放射された電波を受信し受信信号として受信手段200へ出力する。受信手段200は、送信手段100の発振信号を基準として受信信号を検波して得られた受信信号の振幅と位相を発振信号の周波数とともに解析信号として記憶する。検知手段300は、記憶された解析信号をIFFT演算(逆FFT演算)して得られた受信強度と予め設定した所定の閾値を比較し降雨の有無を判定し、降雨を検知した際に警報を鳴らす。
【0060】
図5は、この発明の実施の形態2に係る降雨検知装置の降雨検知を説明する図である。図5(a)中の送信漏洩同軸ケーブル2の周囲の矢印(実線)は表面波モードを形成した電波の伝搬の様子を表している。降雨により送信漏洩同軸ケーブル2に水滴が付着すると付着部における誘電率などの電気特性が変動する。また、降雨により雨保持手段6に水滴が付着すると付着部における誘電率などの電気特性が変動する。雨保持手段6の水滴付着による電気特性の変動量と変動している時間は、送信漏洩同軸ケーブル2の水滴付着による電気特性の変動量と変動している時間と比較して、変動量は大きく変動している時間は長くなる。
【0061】
降雨でない時は送信漏洩同軸ケーブル2の近傍における電気特性が一様であるのに対して、降雨時は水滴付着箇所の送信漏洩同軸ケーブル2と雨保持手段6の設置箇所の電気特性が変化し、送信漏洩同軸ケーブル2の近傍における電気特性に不連続点が生じるので、電波の反射、吸収、透過がおこり表面波モードが崩れる。雨保持手段6が設置された部分では、電気特性の変化がより大きいので、表面波モードが大きく崩れる。表面波モードが崩れると電波は送信漏洩同軸ケーブル2の遠方まで伝搬し、図中の矢印にように受信漏洩同軸ケーブル3まで到達する。
【0062】
図5(b)中のピーク波形500は、送信漏洩同軸ケーブル2に付着した水滴によって表面波モードが崩れた場合の受信強度で、ピーク波形700は雨保持手段6に付着した水滴によって表面波モードが崩れた場合の受信強度で、雨保持手段6によって表面波モードが崩れた場合の受信強度のほうが強いことを示している。図中の閾値601のように雨保持手段6によるピーク波形700のみが検知できるように閾値を設定してもよい。また、図3の閾値600と同じ閾値でもよい。
【0063】
以上のように、この実施の形態2によれば、降雨を検知したいエリアに略平行に2本の漏洩同軸ケーブルを設置し、漏洩同軸ケーブルから放射する電波を表面波モードで動作させて降雨によって生じる表面波モードの崩れから降雨を検知するので、障害物があっても電波が遮断されずに正確に検知できるという効果がある。また、雨保持手段6を漏洩同軸ケーブルに設置することで表面波モードの崩れを大きくし、より正確に雨を検知できるという効果がある。また、送信する電波に大電力なものを必要とせず、巨大なアンテナを設置するスペースも必要ないので、装置構成を簡略化することができるという効果がある。さらに、表面波モードが崩れている箇所が特定できるので、降雨場所を検知することができるという効果がある。なお、雨保持手段6を送信漏洩同軸ケーブル2に設けた場合について説明したが、受信漏洩同軸ケーブル3に設けた場合についても同様の作用効果を奏する。さらに、雨保持手段6を送信漏洩同軸ケーブル2と受信漏洩同軸ケーブル3の両方に設けた場合にも同様の作用効果を奏するだけでなく、片方だけに設けた場合に比べて、より正確に降雨を検知できる。
【0064】
実施の形態3.
この発明の実施の形態3に係る降雨検知装置について図6及び図7を参照しながら説明する。図6は、この発明の実施の形態3に係る降雨検知装置の構成を示す図である。
【0065】
図6において、この発明の実施の形態3に係る降雨検知装置は、無線機1と、送信漏洩同軸ケーブル2と、この送信漏洩同軸ケーブル2に略平行に敷設された受信漏洩同軸ケーブル3と、終端器4と、終端器5とが設けられている。また、送信漏洩同軸ケーブル2、受信漏洩同軸ケーブル3の両方もしくは一方の被覆に雨をためる機構である溝7が形成されている。なお、溝7は、例えば、×印や、平行線など様々な形状である。また、溝7は、敷設された送信漏洩同軸ケーブル2や、受信漏洩同軸ケーブル3の周囲全体や、周囲の一部(上部)だけに設けられている。
【0066】
無線機1は、送信漏洩同軸ケーブル2の一端に接続された送信手段100と、受信漏洩同軸ケーブル3の一端に接続された受信手段200と、検知手段300とが設けられている。
【0067】
送信手段100は、周波数設定器101と、発振器102と、増幅器103とが設けられている。
【0068】
受信手段200は、増幅器201と、バンドパスフィルタ(BPF)202と、検波器203と、メモリ204とが設けられている。
【0069】
検知手段300は、FFT演算器301と、判定器302と、閾値303と、警報器304とが設けられている。
【0070】
終端器4は、送信手段100と接続されていない送信漏洩同軸ケーブル2の他端に接続されている。また、終端器5は、受信手段200と接続されていない受信漏洩同軸ケーブル3の他端に接続されている。
【0071】
つぎに、この実施の形態3に係る降雨検知装置の動作について図面を参照しながら説明する。
【0072】
図6において、送信手段100は、送信漏洩同軸ケーブル2から放射する電波が表面波モードで動作する周波数帯域内で周波数を連続的にもしくは時分割に変化させた発振信号を送信信号として送信漏洩同軸ケーブル2へ出力する。
【0073】
送信漏洩同軸ケーブル2は、送信信号を電波として放射する。電波は、表面波モードで動作し、送信漏洩同軸ケーブル2の鉛直方向の伝搬距離が増加すると指数関数で急激に電界エネルギーが減衰するので、送信漏洩同軸ケーブル2に沿った方向に伝搬する。
【0074】
降雨で送信漏洩同軸ケーブル2に水が付着し、また付着した雨が溝7に溜まって一定時間保持されると表面波モードが崩れ、表面波モードが崩れた箇所では、電波は鉛直方向の伝搬距離が増加しても電界エネルギーの減衰は小さくなる。
【0075】
この時、溝7を形成した箇所の表面波モードの崩れは、送信漏洩同軸ケーブル2に雨が付着した箇所の表面波モードの崩れと比較して、水分量が大きいので大きくなる。さらに、溝7により、雨を一定時間保持するので、表面波モードが崩れている時間は、溝7がない送信漏洩同軸ケーブル2に雨が付着した場合と比較して長くなる。
【0076】
受信漏洩同軸ケーブル3は、表面波モードで放射された電波もしくは表面波モードが崩れて放射された電波を受信し受信信号として受信手段200へ出力する。受信手段200は、送信手段100の発振信号を基準として受信信号を検波して得られた受信信号の振幅と位相を発振信号の周波数とともに解析信号として記憶する。検知手段300は、記憶された解析信号をIFFT演算(逆FFT演算)して得られた受信強度と予め設定した所定の閾値を比較し降雨の有無を判定し、降雨を検知した際に警報を鳴らす。
【0077】
図7は、この発明の実施の形態3に係る降雨検知装置の降雨検知を説明する図である。図7(a)中の送信漏洩同軸ケーブル2の周囲の矢印は表面波モードを形成した電波の伝搬の様子を表している。降雨により送信漏洩同軸ケーブル2に水滴が付着すると付着部における誘電率などの電気特性が変動する。また、降雨により溝7に水滴が付着すると付着部における誘電率などの電気特性が変動する。溝7の水滴付着による電気特性の変動量と変動している時間は、送信漏洩同軸ケーブル2の水滴付着による電気特性の変動量と変動している時間と比較して変動量は大きく変動している時間は長くなる。
【0078】
降雨でない時は送信漏洩同軸ケーブル2の近傍における電気特性が一様であるのに対して、降雨時は水滴付着箇所の送信漏洩同軸ケーブル2と溝7の電気特性が変化し、送信漏洩同軸ケーブル2の近傍における電気特性に不連続点が生じるので、電波の反射、吸収、透過がおこり表面波モードが崩れる。溝7が設置された部分では、電気特性の変化がより大きいので、表面波モードが大きく崩れる。表面波モードが崩れると電波は送信漏洩同軸ケーブル2の遠方まで伝搬し図中の矢印にように受信漏洩同軸ケーブル3まで到達する。
【0079】
図7(b)中のピーク波形500は、送信漏洩同軸ケーブル2に付着した水滴によって表面波モードが崩れた場合の受信強度で、ピーク波形800は溝7に付着した水滴によって表面波モードが崩れた場合の受信強度で、溝7によって表面波モードが崩れた場合の受信強度のほうが強いことを示している。図中の閾値602のように溝7によるピーク波形800のみが検知できるように閾値を設定してもよい。また、図3の閾値600と同じ閾値でもよい。
【0080】
また、上記の実施の形態2で説明した雨保持手段6と溝7を組み合わせて使用してもよい。
【0081】
以上のように、この実施の形態3によれば、降雨を検知したいエリアに略平行に2本の漏洩同軸ケーブルを設置し、漏洩同軸ケーブルから放射する電波を表面波モードで動作させて降雨によって生じる表面波モードの崩れから降雨を検知するので、障害物があっても電波が遮断されずに正確に検知できるという効果がある。また、ケーブル被覆に形成された溝7により表面波モードの崩れを大きくし、より正確に雨を検知できるという効果がある。また、送信する電波に大電力なものを必要とせず、巨大なアンテナを設置するスペースも必要ないので、装置構成を簡略化することができるという効果がある。さらに、表面波モードが崩れている箇所が特定できるので、降雨場所を検知することができる効果がある。なお、溝7を送信漏洩同軸ケーブル2に設けた場合について説明したが、受信漏洩同軸ケーブル3に設けた場合についても同様の作用効果を奏する。さらに、溝7を送信漏洩同軸ケーブル2と受信漏洩同軸ケーブル3の両方に設けた場合にも同様の作用効果を奏するだけでなく、片方だけに設けた場合に比べて、より正確に降雨を検知できる。
【0082】
実施の形態4.
この発明の実施の形態4に係る降雨検知装置について図8及び図9を参照しながら説明する。図8は、この発明の実施の形態4に係る降雨検知装置の構成を示す図である。
【0083】
図8において、この発明の実施の形態4に係る降雨検知装置は、無線機1と、送信漏洩同軸ケーブル2と、この送信漏洩同軸ケーブル2に略平行に敷設された受信漏洩同軸ケーブル3と、終端器4と、終端器5と、減衰器8とが設けられている。
【0084】
無線機1は、送信漏洩同軸ケーブル2の一端に接続された送信手段100と、受信漏洩同軸ケーブル3の一端に接続された受信手段200と、検知手段300とが設けられている。
【0085】
送信手段100は、周波数設定器101と、発振器102と、増幅器103とが設けられている。
【0086】
受信手段200は、増幅器201と、バンドパスフィルタ(BPF)202と、検波器203と、メモリ204とが設けられている。
【0087】
検知手段300は、FFT演算器301と、判定器302と、閾値303と、警報器304とが設けられている。
【0088】
終端器4は、送信手段100と接続されていない送信漏洩同軸ケーブル2の他端に接続されている。また、終端器5は、受信手段200と接続されていない受信漏洩同軸ケーブル3の他端に接続されている。さらに、減衰器8は、終端器4が接続されている送信漏洩同軸ケーブル2の他端と終端器5が接続されている受信漏洩同軸ケーブル3の他端をつなぐように接続されている。
【0089】
つぎに、この実施の形態4に係る降雨検知装置の動作について図面を参照しながら説明する。
【0090】
図8において、送信手段100は、送信漏洩同軸ケーブル2から放射する電波が表面波モードで動作する周波数帯域内で周波数を連続的にもしくは時分割に変化させた発振信号を送信信号として送信漏洩同軸ケーブル2へ出力する。
【0091】
送信漏洩同軸ケーブル2は、送信信号を電波として放射する。電波は、表面波モードで動作し、送信漏洩同軸ケーブル2の鉛直方向の伝搬距離が増加すると指数関数で急激に電界エネルギーが減衰するので、送信漏洩同軸ケーブル2に沿った方向に伝搬する。
【0092】
降雨で送信漏洩同軸ケーブル2に水が付着すると表面波モードが崩れ、表面波モードが崩れた箇所では、電波は鉛直方向の伝搬距離が増加しても電界エネルギーの減衰は小さくなる。
【0093】
受信漏洩同軸ケーブル3は、表面波モードで放射された電波もしくは表面波モードが崩れて放射された電波を受信し受信信号として受信手段200へ出力する。また、送信手段100から送信され送信漏洩同軸ケーブル2内を伝送し減衰器8を通って受信漏洩同軸ケーブル3内を伝送した信号も受信信号として受信手段200へ出力する。受信手段200は、送信手段100の発振信号を基準として受信信号を検波して得られた受信信号の振幅と位相を発振信号の周波数とともに解析信号として記憶する。検知手段300は、記憶された解析信号をIFFT演算(逆FFT演算)して得られた受信強度と予め設定した所定の閾値を比較し降雨の有無を判定し、降雨を検知した際に警報を鳴らす。
【0094】
図9は、この発明の実施の形態4に係る降雨検知装置の降雨検知を説明する図である。図9(a)中の送信漏洩同軸ケーブル2の周囲の矢印は表面波モードを形成した電波の伝搬の様子を表している。降雨により送信漏洩同軸ケーブル2に水滴が付着すると付着部における誘電率などの電気特性が変動する。
【0095】
降雨でない時は送信漏洩同軸ケーブル2の近傍における電気特性が一様であるのに対して、降雨時は水滴付着箇所の電気特性が変化し、送信漏洩同軸ケーブル2の近傍における電気特性に不連続点が生じるので、電波の反射、吸収、透過がおこり表面波モードが崩れる。表面波モードが崩れると電波は送信漏洩同軸ケーブル2の遠方まで伝搬し図中の矢印にように受信漏洩同軸ケーブル3まで到達する。
【0096】
また、表面波モードが崩れると送信漏洩同軸ケーブル2から放射された電波は、ケーブル鉛直方向の距離が増加しても電界エネルギーの減衰は小さくなる。よって、送信漏洩同軸ケーブル2から放射せずに伝送する電波の電界エネルギーの減衰は大きくなる。
【0097】
図9(b)中のピーク波形500は、送信漏洩同軸ケーブル2に付着した水滴によって表面波モードが崩れた場合の受信強度で、ピーク波形900は送信漏洩同軸ケーブル2内を伝送し減衰器8を介して受信漏洩同軸ケーブル3内を伝送してきた信号の受信強度である。表面波モードが崩れると、送信漏洩同軸ケーブル2から放射する電波の電界エネルギーが大きくなるので、受信漏洩同軸ケーブル3内を伝送する電波の電界エネルギーは小さくなる。図中の閾値603によって、減衰器8におけるピーク波形900の受信強度が降雨によって小さくなる変動を検知して、降雨と判定してもよい。
【0098】
以上のように、この実施の形態4によれば、降雨を検知したいエリアに略平行に2本の漏洩同軸ケーブルを設置し、漏洩同軸ケーブルから放射する電波を表面波モードで動作させて降雨によって生じる表面波モードの崩れから降雨を検知するので、障害物があっても電波が遮断されずに正確に検知できるという効果がある。また、送信する電波に大電力なものを必要とせず、巨大なアンテナを設置するスペースも必要ないので、装置構成を簡略化することができるという効果がある。また、表面波モードが崩れている箇所が特定できるので、降雨場所を検知することができるという効果がある。さらに、減衰器8を介して伝送された信号の変動から、検知エリア全体において降雨を検知することができるという効果がある。
【0099】
実施の形態5.
この発明の実施の形態5に係る降雨検知装置について図10及び図11を参照しながら説明する。図10は、この発明の実施の形態5に係る降雨検知装置の構成を示す図である。
【0100】
図10において、この発明の実施の形態5に係る降雨検知装置は、無線機1と、送信漏洩同軸ケーブル2と、この送信漏洩同軸ケーブル2に略平行に敷設された受信漏洩同軸ケーブル3と、終端器4と、終端器5と、送信漏洩同軸ケーブル2、受信漏洩同軸ケーブル3の両方もしくは一方に設置され、保水能力が異なる複数の雨保持手段6及び複数の雨保護手段9とが設けられている。
【0101】
なお、図10では雨保持手段6と雨保護手段9が若干離れて図示されているが、両者が隣接している状態が理想的である。また、雨保持手段6は、例えば、乾燥時に空気の含有率の高いスポンジや、多孔質岩石などの多孔質物質(多孔質ブロック)である。また、雨保持手段6は、敷設された送信漏洩同軸ケーブル2や、受信漏洩同軸ケーブル3の周囲全体や、周囲の一部(上部)だけに設けられている。さらに、雨保護手段9は、例えば、水分を弾く物質であり、敷設された送信漏洩同軸ケーブル2や、受信漏洩同軸ケーブル3の周囲全体に設けられている。
【0102】
無線機1は、送信漏洩同軸ケーブル2の一端に接続された送信手段100と、受信漏洩同軸ケーブル3の一端に接続された受信手段200と、検知手段300とが設けられている。
【0103】
送信手段100は、周波数設定器101と、発振器102と、増幅器103とが設けられている。
【0104】
受信手段200は、増幅器201と、バンドパスフィルタ(BPF)202と、検波器203と、メモリ204とが設けられている。
【0105】
検知手段300は、FFT演算器301と、判定器302と、閾値303と、警報器304とが設けられている。
【0106】
終端器4は、送信手段100と接続されていない送信漏洩同軸ケーブル2の他端に接続されている。また、終端器5は、受信手段200と接続されていない受信漏洩同軸ケーブル3の他端に接続されている。
【0107】
つぎに、この実施の形態5に係る降雨検知装置の動作について図面を参照しながら説明する。
【0108】
図10において、送信手段100は、送信漏洩同軸ケーブル2から放射する電波が表面波モードで動作する周波数帯域内で周波数を連続的にもしくは時分割に変化させた発振信号を送信信号として送信漏洩同軸ケーブル2へ出力する。
【0109】
送信漏洩同軸ケーブル2は、送信信号を電波として放射する。電波は、表面波モードで動作し、送信漏洩同軸ケーブル2の鉛直方向の伝搬距離が増加すると指数関数で急激に電界エネルギーが減衰するので、送信漏洩同軸ケーブル2に沿った方向に伝搬する。
【0110】
降雨では、雨保護手段9と雨保持手段6によって、雨保持手段6を設置した箇所でのみ水が付着し表面波モードが崩れた状態で動作する。さらに、雨保持手段6により、雨を一定時間保持するので、表面波モードが崩れている時間は、送信漏洩同軸ケーブル2に雨が付着した場合と比較して長くなる。複数の雨保持手段6を設置した際に、雨を吸着できる量および保持できる時間が異なる物質を設置することにより、同じ降雨量でも各雨保持手段6で保持している水分量に違いを持たせることができる。
【0111】
雨保持手段6は、上述したように、例えば、乾燥時に空気の含有率の高いスポンジや、多孔質岩石などの多孔質物質であるが、保持できる水分量や保水時間に差をつけるためには、例えば、孔の中に吸水材料をつめるとか、異なる孔径の多孔質物質を用いるなどがある。
【0112】
受信漏洩同軸ケーブル3は、表面波モードで放射された電波もしくは表面波モードが崩れて放射された電波を受信し受信信号として受信手段200へ出力する。受信手段200は、送信手段100の発振信号を基準として受信信号を検波して得られた受信信号の振幅と位相を発振信号の周波数とともに解析信号として記憶する。検知手段300は、記憶された解析信号をIFFT演算(逆FFT演算)して得られた受信強度と予め設定した所定の閾値を比較し降雨の有無を判定し、降雨を検知した際に警報を鳴らす。
【0113】
図11は、この発明の実施の形態5に係る降雨検知装置の降雨検知を説明する図である。図11(a)中の送信漏洩同軸ケーブル2の周囲の矢印は表面波モードを形成した電波の伝搬の様子を表している。また、送信漏洩同軸ケーブル2に設置された雨保持手段6は、雨保持可能な量および時間が異なる物質を用いているとする。
【0114】
降雨により雨保護手段9によって保護されておらず雨保持手段6が設置されている部分に水滴が付着すると付着部における誘電率などの電気特性が変動する。降雨でない時は送信漏洩同軸ケーブル2の近傍における電気特性が一様であるのに対して、降雨時は雨保持手段6の設置箇所の電気特性が変化し、送信漏洩同軸ケーブル2の近傍における電気特性に不連続点が生じるので、電波の反射、吸収、透過がおこり表面波モードが崩れる。また、異なる性質の雨保持手段6を設置しているので、表面波モードの崩れ方も異なってくる。表面波モードが崩れると電波は送信漏洩同軸ケーブル2の遠方まで伝搬し図中の矢印にように受信漏洩同軸ケーブル3まで到達する。
【0115】
図11(b)中のピーク波形700は雨保持手段6に付着した水滴によって表面波モードが崩れた場合の受信強度で、雨量によって雨保持手段6により保持される雨の量も時間も異なるので表面波モードの崩れ方が異なり、受信強度のピークが異なることが分かる。保水性が高い材質は、弱い雨でも十分に保水し、表面波モードの崩れが大きくなる。一方で、保水性の低い材質は、弱い雨だと保水できず、表面波モードの崩れが小さくなる。図11(c)に示すように、強い雨では、両方とも十分に保水できるので、表面波モードの崩れが同一となる。このように降雨量によって、ピーク波形700が異なる材料を雨保持手段6として採用することで降雨量を計測することができる。
【0116】
以上のように、この実施の形態5によれば、降雨を検知したいエリアに略平行に2本の漏洩同軸ケーブルを設置し、漏洩同軸ケーブルから放射する電波を表面波モードで動作させて降雨によって生じる表面波モードの崩れから降雨を検知するので、障害物があっても電波が遮断されずに正確に検知できるという効果がある。また、雨保持手段6を漏洩同軸ケーブルに設置することで表面波モードの崩れを大きくし、より正確に雨を検知できるという効果がある。また、送信する電波に大電力なものを必要とせず、巨大なアンテナを設置するスペースも必要ないので、装置構成を簡略化することができるという効果がある。さらに、表面波モードが崩れている箇所が特定できるので、降雨場所を検知することができる効果がある。なお、雨保持手段6及び雨保護手段9を送信漏洩同軸ケーブル2に設けた場合について説明したが、受信漏洩同軸ケーブル3に設けた場合についても同様の作用効果を奏する。さらに、雨保持手段6及び雨保護手段9を送信漏洩同軸ケーブル2と受信漏洩同軸ケーブル3の両方に設けた場合にも同様の作用効果を奏するだけでなく、片方だけに設けた場合に比べて、より正確に降雨を検知できる。
【符号の説明】
【0117】
1 無線機、2 送信漏洩同軸ケーブル、3 受信漏洩同軸ケーブル、4 終端器、5 終端器、6 雨保持手段、7 溝、8 減衰器、9 雨保護手段、100 送信手段、101 周波数設定器、102 発振器、103 増幅器、200 受信手段、201 増幅器、202 バンドパスフィルタ、203 検波器、204 メモリ、300 検知手段、301 演算器、302 判定器、303 閾値、304 警報器。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射する電波が表面波モードで動作する周波数帯域内で周波数を連続的にもしくは時分割に変化させた発振信号を送信信号として出力する送信手段と、
前記送信信号を電波として放射する送信漏洩同軸ケーブルと、
表面波モードで放射された電波、降雨により表面波モードが崩れて放射された電波、又は両者を受信し、受信信号として出力する受信漏洩同軸ケーブルと、
前記発振信号を基準信号として前記受信信号を検波して前記受信信号の振幅及び位相を求め、前記発振信号の周波数とともに解析信号として保持する受信手段と、
前記解析信号を演算して時間領域の伝搬特性を求め、この伝搬特性である判定信号の受信強度が所定の閾値よりも大きい場合に降雨を検知する検知手段とを備え、
前記送信及び受信漏洩同軸ケーブルは、降雨を検知したいエリアに略平行に設置され、それぞれスロットが周期的に開けられている
ことを特徴とする降雨検知装置。
【請求項2】
前記送信漏洩同軸ケーブル及び前記受信漏洩同軸ケーブルの両方又はどちらか一方に設置され、雨を一定時間保持する雨保持手段をさらに備えた
ことを特徴とする請求項1記載の降雨検知装置。
【請求項3】
前記送信漏洩同軸ケーブル及び前記受信漏洩同軸ケーブルの被覆の両方又はどちらか一方に形成され、雨をためる機構である溝をさらに備えた
ことを特徴とする請求項1記載の降雨検知装置。
【請求項4】
前記送信漏洩同軸ケーブル及び前記受信漏洩同軸ケーブルの両方又はどちらか一方に設置され、保水能力が異なる複数の雨保持手段と、
前記雨保持手段の間に設置され、ケーブルを雨から保護する雨保護手段とをさらに備え、
前記検知手段は、前記解析信号を演算して時間領域の伝搬特性を求め、この伝搬特性である判定信号の受信強度が所定の閾値よりも大きい場合に降雨を検知するとともに、前記複数の雨保持手段に対応する複数の受信強度の変動から降雨量を検知する
ことを特徴とする請求項1記載の降雨検知装置。
【請求項5】
降雨を検知したいエリアに略平行に設置され、それぞれスロットが周期的に開けられている送信及び受信漏洩同軸ケーブルを備える降雨検知装置であって、
前記送信漏洩同軸ケーブル及び前記受信漏洩同軸ケーブルの終端間に接続された減衰器と、
放射する電波が表面波モードで動作する周波数帯域内で周波数を連続的にもしくは時分割に変化させた発振信号を送信信号として出力する送信手段と、
前記送信信号を電波として放射する前記送信漏洩同軸ケーブルと、
前記送信手段から送信され前記送信漏洩同軸ケーブル内を伝送し前記減衰器を通って前記受信漏洩同軸ケーブル内を伝送した信号を受信信号として出力する前記受信漏洩同軸ケーブルと、
前記発振信号を基準信号として前記受信信号を検波して前記受信信号の振幅及び位相を求め、前記発振信号の周波数とともに解析信号として保持する受信手段と、
前記解析信号を演算して時間領域の伝搬特性を求め、この伝搬特性である判定信号のうち、前記減衰器に対応する受信強度が所定の閾値よりも大きい場合から小さい場合に変動したときに降雨を検知する検知手段と
を備えたことを特徴とする降雨検知装置。
【請求項1】
放射する電波が表面波モードで動作する周波数帯域内で周波数を連続的にもしくは時分割に変化させた発振信号を送信信号として出力する送信手段と、
前記送信信号を電波として放射する送信漏洩同軸ケーブルと、
表面波モードで放射された電波、降雨により表面波モードが崩れて放射された電波、又は両者を受信し、受信信号として出力する受信漏洩同軸ケーブルと、
前記発振信号を基準信号として前記受信信号を検波して前記受信信号の振幅及び位相を求め、前記発振信号の周波数とともに解析信号として保持する受信手段と、
前記解析信号を演算して時間領域の伝搬特性を求め、この伝搬特性である判定信号の受信強度が所定の閾値よりも大きい場合に降雨を検知する検知手段とを備え、
前記送信及び受信漏洩同軸ケーブルは、降雨を検知したいエリアに略平行に設置され、それぞれスロットが周期的に開けられている
ことを特徴とする降雨検知装置。
【請求項2】
前記送信漏洩同軸ケーブル及び前記受信漏洩同軸ケーブルの両方又はどちらか一方に設置され、雨を一定時間保持する雨保持手段をさらに備えた
ことを特徴とする請求項1記載の降雨検知装置。
【請求項3】
前記送信漏洩同軸ケーブル及び前記受信漏洩同軸ケーブルの被覆の両方又はどちらか一方に形成され、雨をためる機構である溝をさらに備えた
ことを特徴とする請求項1記載の降雨検知装置。
【請求項4】
前記送信漏洩同軸ケーブル及び前記受信漏洩同軸ケーブルの両方又はどちらか一方に設置され、保水能力が異なる複数の雨保持手段と、
前記雨保持手段の間に設置され、ケーブルを雨から保護する雨保護手段とをさらに備え、
前記検知手段は、前記解析信号を演算して時間領域の伝搬特性を求め、この伝搬特性である判定信号の受信強度が所定の閾値よりも大きい場合に降雨を検知するとともに、前記複数の雨保持手段に対応する複数の受信強度の変動から降雨量を検知する
ことを特徴とする請求項1記載の降雨検知装置。
【請求項5】
降雨を検知したいエリアに略平行に設置され、それぞれスロットが周期的に開けられている送信及び受信漏洩同軸ケーブルを備える降雨検知装置であって、
前記送信漏洩同軸ケーブル及び前記受信漏洩同軸ケーブルの終端間に接続された減衰器と、
放射する電波が表面波モードで動作する周波数帯域内で周波数を連続的にもしくは時分割に変化させた発振信号を送信信号として出力する送信手段と、
前記送信信号を電波として放射する前記送信漏洩同軸ケーブルと、
前記送信手段から送信され前記送信漏洩同軸ケーブル内を伝送し前記減衰器を通って前記受信漏洩同軸ケーブル内を伝送した信号を受信信号として出力する前記受信漏洩同軸ケーブルと、
前記発振信号を基準信号として前記受信信号を検波して前記受信信号の振幅及び位相を求め、前記発振信号の周波数とともに解析信号として保持する受信手段と、
前記解析信号を演算して時間領域の伝搬特性を求め、この伝搬特性である判定信号のうち、前記減衰器に対応する受信強度が所定の閾値よりも大きい場合から小さい場合に変動したときに降雨を検知する検知手段と
を備えたことを特徴とする降雨検知装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−27664(P2011−27664A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−176011(P2009−176011)
【出願日】平成21年7月29日(2009.7.29)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成20年度、独立行政法人科学技術振興機構、「都市基盤の災害事故リスクの監視とマネジメント」の中で「LCXを用いたデータ/電源伝送および地圏異常現象の検出に関する研究」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(504137912)国立大学法人 東京大学 (1,942)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月29日(2009.7.29)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成20年度、独立行政法人科学技術振興機構、「都市基盤の災害事故リスクの監視とマネジメント」の中で「LCXを用いたデータ/電源伝送および地圏異常現象の検出に関する研究」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(504137912)国立大学法人 東京大学 (1,942)
【Fターム(参考)】
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