説明

限定受信システム

【課題】映像や音声データのスクランブル方式を変更でき、耐タンパ性にも優れた限定受信システムを提供する。
【解決手段】送信装置と受信側端末装置を備える限定受信システムにおいて、デスクランブル手段、又は鍵暗号復号化手段を限定受信更新管理手段から送出される更新データにより更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有料放送など視聴者を限定するためやコピー防止などのコンテンツ保護のために用いられる映像や音声データのスクランブルとその制御システムであるデジタル放送の限定受信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のデジタル放送の限定受信システムでは、スクランブルは受信機端末に内蔵されており、スクランブルの制御にICカードが用いられるのが一般的である。社団法人電波産業会の標準規格ARIB-STD-B25「デジタル放送におけるアクセス制御方式」がその一例である。
【0003】
一方、視聴制御機能をICカード交換によらずソフトウエアによって変更可能な限定受信システムを実現する方法として特許文献1が挙げられる。特許文献1では、視聴制御機能を実現する処理のうち、復号処理部と鍵をセキュリティモジュールで提供する。視聴制御機能を実現するためのその他の処理はセキュリティモジュールの外部にあるCPUで処理を行う。また外部のCPUで実施する処理部分はソフトウエアとして、外部からダウンロードにて更新することを可能としている。
【0004】
放送と同様に、ソフトウエア配布システムにおいても、必要なユーザのみ限定して配布する必要があり、オープンなネットワークあるいは高密度の媒体を使用して配布されるソフトウエアを保護することが必要であった。特許文献2記載のソフトウエア配布システムでは、複数のソフトウエア・ファイルの各々を、これに対応するファイル暗号化キーを使用してそれぞれ暗号化した媒体を配布しておき、ユーザからの要求に応答して、要求中のファイルに対応する暗号化されたファイル暗号化キーをユーザへ返送することで実現している。
【0005】
【特許文献1】特開2004-289847号公報
【特許文献2】特開平7−93148号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1の技術によれば、復号処理部と鍵の交換がダウンロードにて更新可能であり、特許文献2の技術によれば、ファイル暗号化キーをユーザへ返送することを可能としているが、映像や音声データのスクランブル方式を変更できない。
【0007】
よって本発明の目的は、映像や音声データのスクランブル方式を変更できること、すなわち、送信側のスクランブル方式と受信側のデスクランブル方式の変更を基本に、また、送信側の鍵暗号化方式と受信側の鍵暗号復号化方式の全部あるいは一部をソフトウエアで変更可能とし、端末改造による悪用を防止する耐タンパ(tamper:開封・改ざん)性にも優れた更新可能な限定受信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
送信装置と受信側端末装置を備える限定受信システムにおいて、デスクランブル手段、又は鍵暗号復号化手段を限定受信更新管理手段から送出される更新データにより更新する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、デスクランブル手段又は鍵暗号復号化手段の少なくとも一方の全部又は一部をソフトウエアで変更可能であり、耐タンパ性の優れた更新可能な限定受信システムを実現できる。
【0010】
さらに、限定受信更新管理手段と端末側情報管理制御手段でさらなる耐タンパ性の優れた更新可能な限定受信システムを実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0012】
図1は本発明の1実施例のケーブルテレビの限定受信システムの例を示すブロック図である。
【0013】
限定受信システムを有したケーブルテレビの送信装置は、送信装置10で構成され、その詳細は、暗号化装置101、送信側映像信号源装置200、送信側鍵等管理装置300および送信側限定受信システム更新データ等管理装置301等で構成され、送信側映像信号源装置200からの映像音声等のコンテンツデータ151は暗号化装置101の映像音声等のコンテンツスクランブル回路111に入力されて、送信側鍵等管理装置300からの第1の鍵データ152でスクランブル映像音声データ155とされ、時分割多重回路102に入力される。
【0014】
また、送信側鍵等管理装置300から出力された第1の鍵データ152は、第1の鍵暗号化回路112に入力され、第1の鍵暗号化回路112において、送信側鍵等管理装置300から出力され第1の鍵暗号化回路112に入力された第2の鍵データにより、暗号化され、暗号化された第1の鍵情報154とされ、時分割多重化色102に入力される。
【0015】
時分割多重回路102では、入力された暗号化された第1の鍵情報154およびスクランブル映像音声データ155が時分割多重されて、スクランブル映像音声鍵情報等多重データ158とされる。そのスクランブル映像音声鍵情報等多重データ158は、64QAM変調回路103に入力され、64QAM変調回路103において、スクランブル映像音声鍵情報等多重データ158が誤り訂正用符号の付加、インターリーブ処理、エネルギー拡散処理などによって、64QAMデジタル被変調波信号159に変換された後に出力され、信号合波分波回路104を経由して、その他の被変調波信号(変調装置などは図示していない)と周波数多重されてケーブルテレビ伝送路40に送出される。
【0016】
送信側限定受信システム更新データ等管理装置301は、端末に対して限定受信システム情報を更新するために限定受信システムの更新データ156を出力するものである。更新データ156は、更新データ暗号化装置302に入力されて暗号化されて、暗号化された更新のためのデータ157とされて出力され、時分割多重回路102を経て、ケーブルテレビ伝送路40に送出される。
【0017】
一方、限定受信システムを有したケーブルテレビの受信装置は、受信側端末装置50等で構成される。受信側端末装置50では、信号合波分波回路500から出力された周波数多重されている64QAMデジタル被変調波信号を周波数多重信号分離回路501に入力する。
【0018】
周波数多重信号分離回路501では、選局制御回路502からの制御信号551に応じて選局された64QAM被変調波信号552を64QAM復調回路503に入力する。
【0019】
64QAM復調回路503では、入力された64QAM被変調波信号552に対して64QAM復調を行なって、64QAM復調デジタルデータ553として出力する。64QAM復調回路503から出力された64QAM復調デジタルデータ553は、誤り訂正回路504に入力され、伝送路で生じたデータの誤りを訂正され、誤り訂正後デジタルデータ555として出力される。また、誤り訂正回路504においては、誤り訂正回路504では、インターリーブ処理やエネルギー拡散処理されたデータの復号がなされる。
【0020】
そして、誤り訂正回路504から出力された誤り訂正後デジタルデータ555は、鍵情報分離回路505やコンテンツスクランブル回路508に出力される。
【0021】
鍵情報分離回路505においては、入力された誤り訂正後デジタルデータ555から第1の鍵情報556を分離し、第1の鍵復号回路506に出力する。また、更新データ復号化蓄積装置507には、第2の鍵情報557が蓄積されており、第2の鍵情報557を第1の鍵復号回路506に出力する。
【0022】
第1の復号回路506においては、第2の鍵情報557を用いて、暗号化されている第1の鍵情報556の暗号を復号して第1の鍵データ560を得て、コンテンツスクランブル回路508に出力する。コンテンツスクランブル回路508では、入力された第1の鍵データ560を用いて、暗号化されている誤り訂正後デジタルデータ555を復号して、復号映像音声等のコンテンツデータ558に戻し、映像音声分離回路509に出力する。
【0023】
映像音声分離回路509においては、入力されたコンテンツデータ558を圧縮映像データ562と圧縮オーディオデータ563に分離し、圧縮映像データ562をビデオでコーダ510に出力し、映像圧縮データ562をオーディオデコーダ512に出力する。
【0024】
ビデオデコーダ510は、入力された圧縮映像データ562をビデオ信号564に変換し、映像音声表示器600に出力する。一方、オーディオデコーダ512は、入力された圧縮オーディオデータ563をオーディオ信号565に変換し、映像音声表示器600に出力する。映像音声表示機600は、入力されたビデオ信号564及びオーディオ信号563に基づいて映像及び音声などの情報を視聴者に提供する。
【0025】
ここで、送信側限定受信システム更新データ等管理装置301により、受信側端末装置50の更新データ復号化蓄積装置507、第1の鍵復号回路506あるいはコンテンツデスクランブル回路508を更新する過程を説明する。
【0026】
先ず、端末確認を行うために送信側限定受信システム更新データ等管理装置301から更新データ暗号化装置302を経由して、受信側端末装置50の鍵情報分離回路505に信号が送られる。そして、鍵情報分離回路505が、その信号を受けて更新のための受信データ559を更新データ複合化蓄積装置507を経由して端末側限定受信システム情報制御装置600に入力することで、端末側限定受信システム情報制御装置600に端末の個別番号やその限定受信システムのバージョン番号などを要求する。
【0027】
かかる要求に応じて、端末側限定受信システム情報制御装置600は、要求された情報を暗号化した上り信号データ652をのぼり信号変調装置に出力し、上り信号変調装置601は入力された上り信号データ652を上り変調信号653に変調して出力する。そして、上り変調信号653は、信号合波分波回路500とケーブルテレビ伝送路40を経由して、送信装置10に伝送される。
【0028】
送信装置10に伝送された上り変調信号563は、まず信号合波分波回路104に入力され、上り信号351に分波されて、上り信号復調装置304に入力される。上り信号復調装置304は、入力された上り信号351を上り信号データ352に復調し、送信側端末限定受信システム情報制御装置303に入力する。送信側端末限定受信システム情報制御装置303は、上り信号データ352を送信側限定受信システム更新データ等管理装置301に出力するとともに、必要に応じて送信側鍵等管理装置300のデータとの検証を行う。その検証の結果、受信側端末装置50の端末の個別番号が正しく、その限定受信システムのバージョン番号から更新が必要となれば、次に更新の段階に進む。
【0029】
更新の段階では、送信側端末限定受信システム情報制御装置303が第2の鍵情報のみの更新、第1の鍵復号回路506の一部、全ての更新、又はコンテンツデスクランブル回路508の一部の更新かを判断して必要な更新を行う。
【0030】
いずれの更新においても、送信側限定受信システム更新データ等管理装置301から出力される更新データは、更新データ暗号化装置302で暗号化され、暗号化された更新のためのデータ157として、時分割多重回路102を経て、64QAM変調回路103に入力され、信号合波分波回路104、ケーブルテレビ伝送路40、信号合波分波回路500、64QAM復調回路503、鍵情報分離回路505などを経由して、端末側限定受信システム情報制御装置600に入力される。
【0031】
端末側限定受信システム情報制御装置600は、入力されたデータの暗号を解読して、更新すべきデータなどの情報を得て、その情報が完結しているかどうかの判断をするとともに、更新情報が完結して受け取れたこととその情報の一部を確認データとして上り信号データ652として上り信号変調装置601、ケーブルテレビ伝送路40などを経由して、送信側限定受信システム更新データ等管理装置301に送出する。
【0032】
送信側限定受信システム更新データ等管理装置301は、受信側端末装置50へ送った更新情報が正しいことを確認すると、その結果を受けて、再度、端末側限定受信システム情報制御装置600に対して、限定受信システムを更新するように指示を行う。
【0033】
その指示を受けて、端末側限定受信システム情報制御装置600は、第2の鍵情報のみの更新の場合には、端末側限定受信システム情報制御データ651で更新データ復号化蓄積装置507に蓄積している第2の鍵情報を更新する。第1の鍵復号回路506の一部あるいは全ての更新の場合には、端末側限定受信システム情報制御データ651で更新データ復号化蓄積装置507を介して限定受信システム更新データ561を第1の鍵復号回路506へ送ることで更新を行う。
【0034】
また、コンテンツデスクランブル回路508の一部の更新の場合には、端末側限定受信システム情報制御データ651で更新データ復号化蓄積装置507を介して限定受信システム更新データ561をコンテンツデスクランブル回路508へ送ることで更新する。
【0035】
これらの更新が終了した時点で、端末側限定受信システム情報制御装置600から送信側限定受信システム更新データ等管理装置301へ更新完了の報告を行い、更新された限定受信システムでの動作確認を行い、正常に更新された場合に、更新作業は完了する。
【0036】
正常に更新されない場合には、上記した更新を再度行う。なお、更新が正常に動作しないことを考慮して、以前の状態に戻すことができるように、更新する限定受信システムの事前データは別途格納しておいて、正常に更新されない場合には戻すこととしてもよい。正常に更新された場合には、その事前データは、廃棄する。
【0037】
なお、第1の鍵復号回路506の一部あるいは全ての更新あるいはコンテンツデスクランブル回路508の一部の更新をすることも可能である。一般的に、更新可能な一部はソフトウエア構成する。そのため、端末改造による悪用を防止する耐タンパ(tamper:開封・改ざん)性が弱いとされるが、本発明では、その一部を改ざんできなくすべくハード構成をすることで、耐タンパ性も保っている。
【0038】
本実施例によれば、第1の鍵復号回路506あるいはコンテンツデスクランブル回路508の一部を更新可能とし、送信側限定受信システム更新データ等管理装置301から時分割多重回路102を経て64QAM変調回路103で受信側端末装置50へに情報を送り、受信側端末装置50からは上り信号変調装置601で送信装置10へ返答し、送信側限定受信システム更新データ等管理装置301と端末側限定受信システム情報制御装置600との情報交換や動作確認することで、第2の鍵情報のみの更新あるいは第1の鍵復号回路506の一部あるいは全ての更新あるいはコンテンツデスクランブル回路508の一部の更新を可能としているので、耐タンパ性の優れた更新可能な限定受信システムを実現できる。
【0039】
即ち、耐タンパ性の優れた更新可能な限定受信システムを実現できるため、改造によって不正に映像や音声データを得る不正受信端末が現れたとしても、それ以外の端末の限定受信システムを更新することで、不正受信端末へのサービスを停止することができ、ケーブルテレビ伝送路や通信回線での映像や音声などのコンテンツサービスを提供することができる。
【0040】
図2は本発明の説明のためのケーブルテレビ伝送路の周波数配置例を示す概念図である。同図は、横軸が周波数で示したケーブルテレビ伝送路40の伝送信号形態の一例であり、下り回線221には、スクランブル映像音声データを伝送する64QAMデジタル被変調波信号やアナログの映像音声を伝送する被変調波など複数の被変調波信号が周波数多重されている被変調波信号群223と、複数の制御信号が下り制御信号群225が、多重変調されている。一方、上り回線222には複数の上り信号が上り信号群224として周波数多重されている。
【0041】
図1に示した送信側限定受信システム更新データ等管理装置301の信号や64QAMデジタル被変調波信号159は被変調波信号群223のあるデジタル被変調波信号であり、端末側限定受信システム情報制御装置600からの上り信号351は上り信号群224のある上り信号である。
【実施例2】
【0042】
図3は本発明の1実施例のケーブルテレビの限定受信システムの他の例を示すブロック図である。図3において、図1で示した同一符号のものとは同一機能あるいは同一信号データを示す。
【0043】
本実施例では、暗号化された更新データのためのデータ157を下り信号変調回路801で変調して、下り信号851としてケーブルテレビ伝送路40に送出する。受信側端末装置50では、信号合波分波回路500から出力された下り信号852を下り信号復調回路802で復調して得られた更新のための受信データ853が更新データ復号化蓄積装置507へ送られる。なお、下り信号851は、図2に示す下り制御信号群225のある信号である。
【0044】
本実施例によれば、第1の鍵復号回路506あるいはコンテンツデスクランブル回路508の一部を更新可能とし、送信側限定受信システム更新データ等管理装置301から下り信号変調回路801で受信側端末装置50へに情報を送り、受信側端末装置50からは上り信号変調装置601で送信装置10へ返答することで、送信側限定受信システム更新データ等管理装置301と端末側限定受信システム情報制御装置600の情報交換や動作確認することで、第2の鍵情報のみの更新あるいは第1の鍵復号回路506の一部あるいは全ての更新あるいはコンテンツデスクランブル回路508の一部の更新を可能としているので、耐タンパ性の優れた更新可能な限定受信システムを実現できる。
【実施例3】
【0045】
図4は、本発明の1実施例のケーブルテレビの限定受信システムの他の例を示すブロック図である。図4において、図1で示した同一符号のものとは同一機能あるいは同一信号データを示す。
【0046】
本実施例では、図1のケーブルテレビ伝送路40ではなく、下りデータ通信路41と上りデータ通信路42で表す双方向のデータ通信路を介して映像音声等のコンテンツデータを送信装置11から受信側端末装置51へサービスするものである。下りデータ通信路41と上りデータ通信路42は、共にデータ通信路であるが、便宜上、送信装置11から受信側端末装置51へのデータ通信路を下りデータ通信路41、受信側端末装置51から送信装置11へのデータ通信路を上りデータ通信路42と分けて記載している
送信装置11の暗号化された第1の鍵情報154、スクランブル映像音声データ155ならびに暗号化された更新のためのデータ157が時分割多重回路102で時分割多重されて、下りデータ送出装置901を介して下りデータ通信路41に送出される。受信側端末装置51では、下りデータ通信路41から送信されてきたデータを下りデータ受信装置902で受信して、デジタルデータ951を得て、コンテンツデスクランブル回路508や鍵情報分離回路505に入力する。
【0047】
一方、受信側端末装置51からの上り信号は、端末側限定受信システム情報制御装置600から出力された上り信号データ652が上りデータ送出装置903を介して上りデータ通信路42に送出される。送信装置11では、上りデータ通信路42からのデータを上りデータ受信装置904で受信して、上り信号データ352を得て、送信側端末限定受信システム情報制御装置303に入力する。
【0048】
本実施例によれば、第1の鍵復号回路506あるいはコンテンツデスクランブル回路508の一部を更新可能とし、送信側限定受信システム更新データ等管理装置301から下りデータ送出装置901で受信側端末装置51へに情報を送り、受信側端末装置51からは上りデータ送出装置903で送信装置11へ返答し、送信側限定受信システム更新データ等管理装置301と端末側限定受信システム情報制御装置600の情報交換や動作確認することで、第2の鍵情報のみの更新あるいは第1の鍵復号回路506の一部あるいは全ての更新あるいはコンテンツデスクランブル回路508の一部の更新を可能としているので、耐タンパ性の優れた更新可能な限定受信システムを実現できる。
【0049】
なお、図4の記載では、上り回線と下り回線の双方向回線を別線で記載しているが、同一の光ファイバーによる回線の上で波長を分けて使用する光波長多重による通信回線や上り信号と下り信号が時分割で通信する通信回線でも同様に実現することができる。
【0050】
また、図1、図3ならびに図4に記載の鍵構造は鍵1でスクランブルし、その鍵1を鍵2によって暗号化する二重鍵の構造で、スクランブル手段とデスクランブル手段あるいは鍵暗号化手段と鍵暗号復号化手段を更新可能として説明したが、鍵1でスクランブルし、その鍵1を鍵2によって暗号化し、さらに鍵2を鍵3によって暗号化する三重鍵構造の場合でも、スクランブル手段とデスクランブル手段あるいは鍵1と鍵2を暗号化する2種の鍵暗号化手段と暗号化された鍵1と鍵2の暗号を復号する2種の鍵暗号復号化手段を更新することは可能である。また、それ以上の鍵構造でも更新可能である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】第1の実施例に係るケーブルテレビの限定受信システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】ケーブルテレビ伝送路の周波数配置例を示す概念図である。
【図3】第2の実施例に係るケーブルテレビの限定受信システムの構成例を示すブロック図である。
【図4】第3の実施例に係るケーブルテレビの限定受信システムの構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0052】
10…送信装置、11…送信装置、40…ケーブルテレビ伝送路、41…下りデータ通信、
42…上りデータ通信路、50…受信側端末装置、51…受信側端末装置、70…映像音表示器、101…暗号化装置、102…時分割多重回路、111…映像音声等のコンテンスクランブル回路、112…第1の鍵暗号化回路、200…送信側映像信号源装置、300…送信側鍵等管理装置、301…送信側限定受信システム更新データ等管理装置、302…更新データ暗号化装置、303…送信側端末限定受信システム情報制御装置、304…上り信号復調装置、506…第1の鍵復号回路、507…更新データ復号化蓄積装置、
600…端末側限定受信システム情報制御装置、601…上り信号変調装置、801…下り信号変調回路、802…下り信号復調回路、901…下りデータ送出装置、902…下りデータ受信装置、903…上りデータ送出装置、904…上りデータ受信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の鍵データ、第2鍵データ、更新データ又は管理データの管理又は出力を行う限定受信更新管理手段と、
前記限定受信更新管理手段から出力された前記第1の鍵データを用いて、映像信号などのデジタルデータをスクランブルするスクランブル手段と、
前記限定受信更新管理手段から送出された前記第1の鍵データを用いて前記限定受信更新管理手段から出力された前記第2の鍵データで暗号化する鍵暗号化手段と、
前記限定受信更新管理手段から出力された更新データを暗号化する更新暗号化手段と、
前記スクランブル手段から出力されたデータ、前記鍵暗号化手段から出力されたデータ、及び前記更新暗号化手段から出力されたデータを時分割多重する時分割多重手段と、
前記時分割多重手段から出力されたデータを変調して送信する変調送信手段と、
を備える送信装置と、
前記変調送信手段から送信された信号を復調する復調手段と、
前記復調手段から出力されたスクランブルされているデジタルデータと暗号化されている第1の鍵データと暗号化されている更新データを分離する分離手段と、
前記分離手段から出力された暗号化されている更新データから更新データを復号し記憶する更新復号化手段と、
前記分離手段から出力された暗号化されている第1の鍵データを前記更新復号化手段で得られた第2の鍵データで復号する鍵暗号復号化手段と、
前記分離手段から出力されたスクランブルされているデジタルデータを前記鍵暗号復号手段で復号された第1の鍵データで元のデジタルデータに戻すデスクランブル手段とを備える受信側端末装置と、
を備える限定受信システムであって、
前記デスクランブル手段、又は前記鍵暗号復号化手段を前記限定受信更新管理手段から送出される更新データにより更新することを特徴とする限定受信システム。
【請求項2】
前記デスクランブル手段、又は、前記鍵暗号復号化手段の更新は、前記デスクランブル手段、又は、前記鍵暗号復号化手段の全部又は一部であることを特徴とする請求項1に記載の限定受信システム。
【請求項3】
前記受信側端末装置は更に、
前記更新復号化手段からの更新データからデスクランブル手段あるいは鍵暗号復号化手段のデータの更新データや管理データを管理制御する端末側情報管理制御手段と、
前記限定受信更新管理手段からの情報によって前記端末側情報管理制御手段の情報を送出する上り信号発生手段と、
前記上り信号発生手段から送られた信号を復調する上り信号復調手段と、
前記上り信号復調手段から前記限定受信更新管理手段に情報を伝える端末情報制御手段とを備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の限定受信システム。
【請求項4】
第1の鍵データ、第2鍵データ、更新データ又は管理データの管理又は出力を行う限定受信更新管理手段と、
前記限定受信更新管理手段から出力された前記第1の鍵データを用いて、映像信号などのデジタルデータをスクランブルするスクランブル手段と、
前記限定受信更新管理手段から送出された前記第1の鍵データを用いて前記限定受信更新管理手段から出力された前記第2の鍵データで暗号化する鍵暗号化手段と、
前記スクランブル手段から出力されたデータ、及び前記鍵暗号化手段から出力されたデータを時分割多重する時分割多重手段と、
前記時分割多重手段から出力されたデータを変調して送信する第1の変調送信手段と、
前記限定受信更新管理手段から出力された更新データを暗号化する更新暗号化手段と、
前記更新暗号化手段の出力データを変調して送信する第2の変調送信手段と、
を備える送信装置と、
前記第1の変調送信手段から送信された信号を復調する第1の復調手段と、
前記第1の復調手段から出力されたスクランブルされているデジタルデータと暗号化されている第1の鍵データと暗号化されている更新データを分離する分離手段と、
前記分離手段から出力された暗号化されている第1の鍵データを前記更新復号化手段で得られた第2の鍵データで復号する鍵暗号復号化手段と、
前記第2の変調送信手段から送信された信号を復調する第2の復調手段と、
前記第2の復調手段から出力された暗号化されている更新データから更新データを復号し記憶する更新復号化手段と、
前記分離手段から出力されたスクランブルされているデジタルデータを前記鍵暗号復号手段で復号された第1の鍵データで元のデジタルデータに戻すデスクランブル手段と、
を備える限定受信システムであって、
前記デスクランブル手段、又は、前記鍵暗号復号化手段を前記限定受信更新管理手段から送出される更新データにより更新することを特徴とする限定受信システム。
【請求項5】
前記受信端末は、更に
前記更新復号化手段から出力された更新データに応じてデスクランブル手段又は鍵暗号復号化手段から出力されたデータの更新データ又は管理データを管理制御する端末側情報管理制御手段とを備え、
前記送信装置は、
前記限定受信更新管理手段から出力された情報によって前記端末側情報管理制御手段の情報を前記送信装置に送出する上り信号発生手段と、
前記上り信号発生手段から出力された信号を復調する上り信号復調手段と、
前記上り信号復調手段から前記限定受信更新管理手段に情報を伝える端末情報制御手段と、
を備えることを特徴とする請求項4に記載の限定受信システム。
【請求項6】
第1の鍵データ、第2鍵データ、更新データ又は管理データの管理又は出力を行う限定受信更新管理手段と、
前記限定受信更新管理手段から出力された前記第1の鍵データを用いて、映像信号などのデジタルデータをスクランブルするスクランブル手段と、
前記限定受信更新管理手段から送出された前記第1の鍵データを用いて前記限定受信更新管理手段から出力された前記第2の鍵データで暗号化する鍵暗号化手段と、
前記限定受信更新管理手段から出力された更新データを暗号化する更新暗号化手段と、
前記スクランブル手段から出力されたデータ、前記鍵暗号化手段から出力されたデータ、及び前記更新暗号化手段から出力されたデータを時分割多重する時分割多重手段と、
前記時分割多重手段の出力データを送出する下り信号送出手段と、
を備える送信装置と、
前記下り信号送出手段から送出された下り信号を受信する下り信号受信手段と、
前記下り受信手段から出力されたスクランブルされているデジタルデータと暗号化されている第1の鍵データと暗号化されている更新データを分離する分離手段と、
前記分離手段から出力された暗号化されている更新データから更新データを復号し記憶する更新復号化手段と、
前記分離手段から出力された暗号化されている第1の鍵データを前記更新復号化手段で得られた第2の鍵データで復号する鍵暗号復号化手段と、
前記分離手段から出力されたスクランブルされているデジタルデータを前記鍵暗号復号手段で復号された第1の鍵データで元のデジタルデータに戻すデスクランブル手段と
を備える受信側端末装置と、
を備える限定受信システムであって、
前記デスクランブル手段、又は、前記鍵暗号復号化手段を前記限定受信更新管理手段から送出される更新データにより更新することを特徴とする限定受信システム。
【請求項7】
前記受信端末は、更に
前記更新復号化手段から出力された更新データからデスクランブル手段又は鍵暗号復号化手段から出力されたデータの更新データ又は管理データを管理制御する端末側情報管理制御手段と、
前記送信装置は、
前記限定受信更新管理手段から出力された情報によって前記端末側情報管理制御手段の情報を前記送信装置に送出する上り信号発生手段と、
を備え、
前記上り信号発生手段から出力された信号を復調する上り信号復調手段と、
前記上り信号復調手段から前記限定受信更新管理手段に情報を伝える端末情報制御手段と、
を備えることを特徴とする請求項6に記載の限定受信システム。
【請求項8】
送信装置から送信されるスクランブル処理されている映像信号や音声信号等のデジタル信号を受信する限定受信システムの受信装置において、

受信した信号からスクランブルされたデジタルデータと暗号化された第1の鍵データと暗号化された更新データを分離する分離手段と、
前記分離手段から出力された暗号化されている第1の鍵データを復号する鍵暗号復号手段と、
前記分離手段から出力されたスクランブルされているデジタルデータを前記鍵暗号復号手段で復号された第1の鍵データで元のデジタルデータに戻すデスクランブル手段から構成される受信側装置とを備え、
前記デスクランブル手段又は前記鍵暗号復号化手段の少なくとも一方の全部又は一部をソフトウエアで変更可能としたことを特徴とする限定受信システムの受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−205987(P2008−205987A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−41669(P2007−41669)
【出願日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】