説明

除湿装置

【課題】除湿装置において、除湿能力の更なる向上を図ることを目的とする。
【解決手段】第一の吸気口1と第二の吸気口2と排気口3を有する本体ケース4内にヒートポンプ5と、第一の吸気口1から放熱器7、吸熱器9、第一の送風手段11を順次介して排気口3へと送風する第一の送風路10と、第二の吸気口2から吸熱器9、第一の送風手段11を介して排気口3へと送風する第二の送風路12と、第一の吸気口1から放熱器7、第二の送風手段14を介して排気口3へと送風する第三の送風路13と、第一の送風路10の放熱器7と吸熱器9の間に除湿ローター15の放湿部16を設け、吸湿部17は第一の送風路10と第二の送風路12の吸熱器9と排気口3の間に設け、第二の送風路12の吸熱器9の上流側送風路と第二の送風手段14とを連通する連通路21を備え、この連通路21に静電霧化手段22を設け、連通路21の送風手段側に負圧発生手段23を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒートポンプを活用した除湿装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種、除湿装置の構成は以下のようになっていた。
【0003】
すなわち、吸気口と排気口を有する本体ケースと、この本体ケース内に設けられたヒートポンプとを備え、前記ヒートポンプは、圧縮機と、圧縮機の下流に順次設けた放熱器、膨張手段、吸熱器とにより形成し、前記吸気口から本体ケース内に吸気した空気を放熱器、吸熱器を順次介して排気口へと送風する送風手段を設けた構成となっていた(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平06−331167号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来例における課題は、洗濯物からの臭い発生が起きるということであった。
【0005】
すなわち、従来の物においては、室内に洗濯物を干し、その洗濯物に室内の空気を除湿し温風として送風することにより、洗濯物を乾燥させていた。しかし、洗濯物の汚れがひどく、洗濯をしても完全に汚れが落ちていない場合には、生乾き部分があると洗濯物から臭いが発生する場合があった。
【0006】
そこで本発明は、洗濯物の生乾き部分からの臭い発生を抑制することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そしてこの目的を達成するために本発明は、第一、第二の吸気口と排気口を有する本体ケースと、この本体ケース内に設けられたヒートポンプとを備え、前記ヒートポンプは、圧縮機と、圧縮機の下流に順次設けた放熱器、膨張手段、吸熱器とにより形成し、前記第一の吸気口から本体ケース内に吸気した空気を放熱器、吸熱器を順次介して排気口へと送風する第一の送風路と、前記第二の吸気口から本体ケース内に吸気した空気を吸熱器を介して排気口へと送風する第二の送風路と、前記第一の吸気口から本体ケース内に吸気した空気を放熱器を介して排気口へと送風する第三の送風路と、これら第一、第二の送風路に送風するための第一の送風手段と、前記第三の送風路に送風するための第二の送風手段とを設けるとともに、前記第一の送風路の放熱器と吸熱器の間に除湿ローターの放湿部を設け、この除湿ローターの吸湿部は前記第一と第二の送風路の吸熱器と排気口の間に設け、前記第二の送風路の吸熱器の上流側送風路と前記第二の送風手段とを連通する連通路を備え、この連通路に静電霧化手段を設け、前記連通路の前記送風手段側に負圧発生手段を設け、これにより初期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0008】
以上のように本発明は、第一、第二の吸気口と排気口を有する本体ケースと、この本体ケース内に設けられたヒートポンプとを備え、前記ヒートポンプは、圧縮機と、圧縮機の下流に順次設けた放熱器、膨張手段、吸熱器とにより形成し、前記第一の吸気口から本体ケース内に吸気した空気を放熱器、吸熱器を順次介して排気口へと送風する第一の送風路と、前記第二の吸気口から本体ケース内に吸気した空気を吸熱器を介して排気口へと送風する第二の送風路と、前記第一の吸気口から本体ケース内に吸気した空気を放熱器を介して排気口へと送風する第三の送風路と、これら第一、第二の送風路に送風するための第一の送風手段と、前記第三の送風路に送風するための第二の送風手段とを設けるとともに、前記第一の送風路の放熱器と吸熱器の間に除湿ローターの放湿部を設け、この除湿ローターの吸湿部は前記第一と第二の送風路の吸熱器と排気口の間に設け、前記第二の送風路の吸熱器の上流側送風路と前記第二の送風手段とを連通する連通路を備え、この連通路に静電霧化手段を設け、前記連通路の前記送風手段側に負圧発生手段を設けたものであり、洗濯物の生乾き部分からの臭い発生を抑制することが出来るものである。
【0009】
すなわち、本発明では、第二の送風路の吸熱器の上流側送風路と第二の送風手段とを連通する連通路を備え、この連通路に静電霧化手段を設け、この連通路の送風手段側に負圧発生手段を設けたので、第二の吸気口から本体ケース内に吸気した室内の空気を、負圧発生手段によって連通路の静電霧化手段に送り、この静電霧化手段によって室内の空気から帯電微粒子水を発生させる。この帯電微粒子水は除湿された乾燥空気と共に、洗濯物に送風され、ここで、帯電微粒子水と洗濯物の臭気成分が反応し、帯電微粒子水中のヒドロキシルラジカルによって臭気成分を分解除去することができるものである。つまり、ヒドロキシルラジカルとはヒドロキシ基(水酸基)に対応するラジカルであり、このラジカルは、通常は 2個1組で軌道上を回転しているはずの電子が1つしかなく、電気的に非常に不安的であり、周りの原子や分子から欠けた電子を奪おうとするため、酸化力が強いものである。この酸化力によって臭気成分を分解除去することができるものである。
【0010】
これらの結果により、洗濯物の生乾き部分からの臭い発生を抑制することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下本発明の一実施形態を添付図面を用いて説明する。
【0012】
図1に示すように、本実施形態の除湿装置は、第一の吸気口1と第二の吸気口2と排気口3とを有する本体ケース4と、この本体ケース4内に設けられたヒートポンプ5とを備えている。このヒートポンプ5は、圧縮機6と、圧縮機6の下流に順次設けた放熱器7、膨張手段8、吸熱器9とにより形成している。ここで、第一の吸気口1および第二の吸気口2から本体ケース4内に空気が吸気され、この吸気された空気は、3つの送風路に分かれ、本体ケース4内を流れた後再び1つに集まり、排気口3から室内へと送風される。
【0013】
まず、第一の送風路10は、第一の吸気口1から本体ケース4内に吸気した空気を放熱器7、吸熱器9、第一の送風手段11を順次介して排気口3へと連通する送風路である。次に、第二の送風路12は、第二の吸気口2から本体ケース4内に吸気した空気を吸熱器9、第一の送風手段11を介して排気口3へと連通する送風路である。最後に、第三の送風路13は、第一の吸気口1から本体ケース内に吸気した空気を放熱器7、第二の送風手段14を介して排気口3へと連通する送風路である。ここで、第一の送風路10の放熱器7と吸熱器9の間に除湿ローター15の放湿部16を設け、この除湿ローター15の吸湿部17は第一の送風路10と第二の送風路12の吸熱器9と排気口3の間に設けたものである。
【0014】
すなわち、圧縮機6で加圧された冷媒は、放熱器7に送られ、ここで第一の吸気口1および第二の吸気口2から本体ケース4内に吸気された空気を加熱する。次に、放熱器7を通過した冷媒は、膨張手段8に到達し、その後、吸熱器9を介して、圧縮機6へと戻るサイクルになっている。
【0015】
第一の送風路10では、第一の送風手段11によって、第一の吸気口1から本体ケース4内に吸気した空気を放熱器7で加熱し、その空気は、次にヒーター18で加熱され、その後除湿ローター15の放湿部16を通過し、ここで放湿部16からの湿気を奪った状態で吸熱器9へと流れることになる。また、第二の送風路12では、第一の送風手段11によって、第二の吸気口2から本体ケース4内に吸気した空気が吸熱器9へと流れることになる。これらの空気はまず、吸熱器9で結露が行われ、この結露水は貯水タンク19へと貯められることになる。
【0016】
さて、吸熱器9を通過した空気は、この吸熱器9によって低温となるが、低温ながらも湿度は極めて高い状態となっている。この高い湿度を含んだ低温の空気は、次に除湿ローター15の吸湿部17を通過することになるのであるが、この吸湿部17は、駆動手段20により回転駆動されることにより図1の上方の放湿部16部分ですでに放湿し、湿度が低い状態となっているものであるので、上記低温ながらも湿度は極めて高い状態の空気から湿気を吸湿することができる。このように、除湿ローター15の吸湿部17で更に除湿された空気が、第一の送風手段11によって排気口3へと送風する。一方、第三の送風路13では、第二の送風手段14によって、第一の吸気口1から本体ケース4内に吸気した空気を放熱器7で加熱し、その空気を排気口3へと送風するものである。
【0017】
すなわち、第一の送風路10と第二の送風路12を通り除湿された空気と、第三の送風路13を通り加熱された空気が排気口3で集まり、排気口3から室内に送風されるものである。
【0018】
本実施形態における特徴は、第二の送風路12と第二の送風手段14とを連通する連通路21を備え、この連通路21に静電霧化手段22を設け、連通路21の送風手段側に負圧発生手段23を設けたことである。
【0019】
すなわち、本実施形態では、第二の送風路12の吸熱器9の上流側送風路と第二の送風手段14とを連通する連通路21を備え、この連通路21に静電霧化手段22を設け、この連通路21の送風手段側に負圧発生手段23を設けたので、第二の吸気口2から本体ケース4内に吸気した室内の空気を、負圧発生手段23によって連通路21の静電霧化手段22に送り、この静電霧化手段22によって室内の空気から帯電微粒子水24を発生させる。この帯電微粒子水24は除湿された乾燥空気と共に、排気口3から洗濯物に送風され、ここで、帯電微粒子水24と洗濯物の臭気成分が反応し、帯電微粒子水24中のヒドロキシラジカルによって臭気成分を分解除去することができるものである。つまり、ヒドロキシルラジカルとはヒドロキシ基(水酸基)に対応するラジカルであり、このラジカルは、通常は 2個1組で軌道上を回転しているはずの電子が1つしかなく、電気的に非常に不安的であり、周りの原子や分子から欠けた電子を奪おうとするため、酸化力が強いものである。この酸化力によって臭気成分を分解除去することができるものである。
【0020】
これらの結果により、洗濯物の生乾き部分からの臭い発生を抑制することができるものである。
【0021】
これらの結果により、洗濯物を乾燥させるのに時間がかかる場合にも、洗濯物からの臭いの発生を抑制し、乾燥能力を更に高くすることができるものである。
【0022】
また、図2、3に示すように、静電霧化手段22は、放電電極25と、この放電電極25に対向して配置された対向電極26と、放電電極25と対向電極26との間に高電圧を印加する高圧印加部27と、放電電極25を冷却する冷却部28と、この冷却部28の熱を放熱する放熱フィン部29とから形成し、この放熱フィン部29を第一の送風手段11内に突出させ設けたものである。具体的には、放電電極25は略四角平板形状の平板部30と、この平板部30の中央から垂直方向に延びた円柱形状の円柱部31とから形成されている。この円柱部31の先端側には、円柱部先端から所定の距離を有し略円筒形状の対向電極26を備え、放電電極25の円柱部31の根元側には、平板部30に接触した平板形状の冷却部28であるペルチェ素子32を設けている。このペルチェ素子32の他面側には、放熱フィン部29が接触し設けられている。放熱フィン部29は、ペルチェ素子32に接した放熱平板部33と、この放熱平板部33から垂直方向に延びた複数のフィン部34から形成されたものである。この複数のフィン部34が、第一の送風手段11内に突出している。
【0023】
ここで、静電霧化手段22の動作について説明する。まず、ペルチェ素子32に通電を行なうと、放電電極25の平板部30との接触面側から、放熱フィン部29の放熱平板部33との接触面側へ熱が移動する。つまり、放電電極25の平板部30から放熱フィン部29へ熱が移動し、放電電極25が冷却されることになる。これにより、放電電極25の円柱部31の先端部が冷却されるので、この先端部35で結露が発生し、先端部35表面に水が生成される。次に、高圧印加部27によって、放電電極25と対向電極26との間に高電圧が印加すると、放電電極25の先端部35がマイナス電極となって電荷が集中し、先端部35表面の水と対向電極26との間にクーロン力が働いて、水が錘状に盛り上がる錘状部を形成する。この錘状部の先端に更に電荷が集中すると、水の表面張力を超えて分裂、飛散を繰返し、マイナスに帯電した帯電微粒子水24を生成する。ここで、放電電極25から放熱フィン部29へ移動した熱が、放熱フィン部29で冷却されることにより、放電電極25から放熱フィン部29へ熱の移動が繰り返されるものである。
【0024】
すなわち、放熱フィン部29は、第一の送風手段11内に突出しており、この第一の送風手段11には、吸熱器9によって結露が行われると共に、低温となった空気が流れ込むので、放熱フィン部29の冷却が容易にでき、放電電極25の円柱部31の先端部35での結露発生が容易にできる。
【0025】
また、図3,4に示すように、第一の送風手段11と第二の送風手段14とは、両吸込型のケーシング36と、このケーシング36内に設けた電動機37と、この電動機37により回転する羽根38とから形成し、ケーシング36は、第一のケーシング39と第二のケーシング40とから形成し、羽根38は主板41の一方面から延びた第一のブレード部42と、主板41の他方面から延びた第二のブレード部43とから成り、第一のケーシング39と第二のケーシング40との間に仕切板44を備え、第一の送風手段11は、電動機37と第一のケーシング39と羽根38の第一のブレード部42とから形成し、第二の送風手段14は、電動機37と第二のケーシング40と羽根38の第二のブレード部43とから形成し、第二のケーシング40の吐出口近傍に連通路21を設けたものである。具体的には、第一の送風手段11と第二の送風手段14とは、両吸込型の送風手段46によって形成され、一方の吸込側が第一の送風手段11で、他方の吸込側が第二の送風手段14である。つまり、両吸込型のケーシング36内に電動機37を設け、この電動機37により回転する両吸込型の羽根38を備えている。両吸込型のケーシング36は、一方の吸込側である第一のケーシング39と他方の吸込側である第二のケーシング40とから形成し、羽根38は、主板41の一方面から延びた一方の吸込側である第一のブレード部42と、主板41の他方面から延びた他方の吸込側である第二のブレード部43とから形成している。第一のケーシング39と第二のケーシング40との間であり、羽根38の主板41と同一平面上に仕切板44を備えている。すなわち、この仕切板44によって第一の送風手段11と第二の送風手段14とは仕切られ、第一の送風手段11は、電動機37と第一のケーシング39と第一のブレード部42とから形成し、第二の送風手段14は、電動機37と第二のケーシング40と第二のブレード部43とから形成している。ここで、第二の送風手段14である第二のケーシング40の吐出口45近傍に連通路21を設けたものである。
【0026】
すなわち、第一の送風手段11によって、第二の吸気口2から本体ケース4内に吸気した室内の空気を、第二の送風路12の吸熱器9の上流側送風路から負圧発生手段23によって連通路21の静電霧化手段22に送り、この静電霧化手段22によって室内の空気から帯電微粒子水24を発生させる。ここで、第二のケーシング40の吐出口45近傍に連通路21を設けているので、静電霧化手段22によって発生した帯電微粒子水24は、第二の送風手段14である第二のブレード部43に当たることなく、第二の送風手段14の送風によって、排気口3から室内に送風されるものである。結果として、静電霧化手段22によって発生した帯電微粒子水24が、第二の送風手段14である第二のブレード部43に当たることにより減少することを抑制することが出来る。
【0027】
また、図4に示すように、負圧発生手段23は、第二のケーシング40の側周面47から舌部48側へ突出した突出部49である。具体的には、突出部49は、略四角形状の平板で、第二のケーシング40の側周面47から舌部48側へ傾斜し、突出している。つまり、第二のケーシング40の側周面47の一部が、第二のケーシング40の側周面47から舌部側へ傾斜しているものである。
【0028】
すなわち、第二の送風手段14である第二のブレード部43から、第二のケーシング40内に送風される空気が、第二のケーシング40内面側周面に沿うように、ケーシングの巻き始めである舌部48付近からケーシングの巻き終わりである吐出口45の方向に送風される。この途中で、一部の空気が、第二のケーシング40内面側周面から負圧発生手段23である突出部49に沿って流れ、吐出口45の方向に流れるものである。ここで、突出部49に沿って流れる空気は、この突出部49の風下側の端部から吐出口45または第二のケーシング40内面側周面方向に流れるが、この時に渦を発生する。この渦の部分が負圧になるので、連通路21内の空気が第二のケーシング40内に流れる。つまり、室内の空気が、第二の送風路12の吸熱器9の上流側送風路から連通路21の静電霧化手段22に流れ、静電霧化手段22によって発生した帯電微粒子水24が、第二の送風手段14によって、排気口3から室内に送風されるものである。結果として、静電霧化手段22によって発生した帯電微粒子水24が、負圧発生手段23に当たることにより減少することを抑制することが出来る。
【0029】
また、図3に示すように、負圧発生手段23は、第二のケーシング40の仕切板44寄りに設けたものである。具体的には、突出部49は、仕切板44から延びた略四角形状の平板で、第二のケーシング40側周面から舌部48側へ傾斜し、突出している。
【0030】
すなわち、負圧発生手段23である突出部49が、第二のケーシング40の仕切板44寄り、つまり、第二のケーシングの吸込口50から離れて位置しているので、第二のケーシング40内面側周面に沿うように、ケーシングの巻き始めである舌部48付近からケーシングの巻き終わりである吐出口45の方向に送風される空気は、第二のケーシングの吸込口50寄りに比べ、第二のケーシング40の仕切板44寄りの方が風量が大きいので、負圧発生手段23である突出部49に沿って流れる風量も大きくなり、渦の発生も多くなる。そこで、第二の送風路12の吸熱器9の上流側送風路から連通路21の静電霧化手段22に流れる風量が大きくなり、結果として、静電霧化手段22によって発生する帯電微粒子水24を増加させることができる。
【0031】
また、図4に示すように、負圧発生手段23は、連通路21の一部である。具体的には、連通路21は、第二のケーシング40側周面から舌部48側へ突出した略四角筒形状の略四角筒部で、第二のケーシング40の仕切板44に対して垂直方向に延びた一面が負圧発生手段23の突出部49である。
【0032】
すなわち、負圧発生手段23である突出部49が、連通路21である略四角筒形状の略四角筒部の一部を兼ねているので、第二のケーシング40内に突出する部分をコンパクトにできるので、負圧発生手段23および連通路21に、第二のケーシング40内の空気が当たり発生する風切り音を抑制することができる。
【0033】
また、図3に示すように、静電霧化手段22の放熱フィン部29は、冷却部28に接した放熱平板部33と、この放熱平板部33から垂直方向に延びた複数のフィン部34から形成されたものである。具体的には、放熱フィン部29は、冷却部28に接した略四角平板形状の放熱平板部33と、この放熱平板部33から垂直方向に延びた略四角平板形状の複数のフィン部34から形成されたものである。この略四角平板形状のフィン部34は、隣合ったフィン部34同士は所定の距離を有してほぼ平行に位置するものである。
【0034】
すなわち、静電霧化手段22の放熱フィン部29は、冷却部に接した放熱平板部33から垂直方向に延びた複数のフィン部34により形成しているので、放熱フィン部29の表面積が大きくなり、第一のケーシング39内の空気との接触面積を大きくすることができるので、結果として、放熱フィン部29からの放熱量を増やすことができる。
【0035】
また、図3に示すように、静電霧化手段22の放熱フィン部29は、仕切板44より第一の送風手段11内に突出させたものである。具体的には、放熱フィン部29は、冷却部28に接した略四角平板形状の放熱平板部33と、この放熱平板部33から垂直方向に延びた略四角平板形状の複数のフィン部34から形成されたものである。この略四角平板形状のフィン部34は、仕切板44より第一の送風手段11内に突出させたものである。
【0036】
すなわち、放熱フィン部29であるフィン部34が、第一のケーシング39の仕切板44より突出しており、つまり、第一のケーシングの吸込口51から離れて位置しているので、第一のケーシング内面側周面に沿うように、ケーシングの巻き始めである舌部53付近からケーシングの巻き終わりである吐出口52の方向に送風される空気は、第一のケーシングの吸込口51寄りに比べ、第一のケーシング39の仕切板44寄りの方が風量が大きいので、放熱フィン部29に流れる風量が大きくなり、結果として、放熱フィン部29からの放熱量を増やすことができる。
【0037】
また、図5に示すように、静電霧化手段22の放熱フィン部29のフィン部34は、略四角形平板形状で、第一の送風手段11内の風向とほぼ平行に設けられたものである。具体的には、放熱フィン部29は、冷却部28に接した略四角平板形状の放熱平板部33と、この放熱平板部33から垂直方向に延びた略四角平板形状の複数のフィン部34から形成されたものである。この略四角平板形状のフィン部34は、隣合ったフィン部34同士は所定の距離を有してほぼ平行に位置すると共に、第一の送風手段11内の風向とほぼ平行に、つまり、近傍の第一のケーシング39内面側周面とほぼ平行に設けたものである。
【0038】
すなわち、第一の送風手段11である第一のブレード部42から、第一のケーシング39内に送風される空気が、第一のケーシング39内面側周面に沿うように、ケーシングの巻き始めである舌部53付近からケーシングの巻き終わりである吐出口52の方向に送風される。この途中で、一部の空気が、第一のケーシング39内面側周面に沿いながら放熱フィン部29の略四角平板形状の複数のフィン部34に沿って平行に流れるので、複数のフィン部34の表面全体に満遍なく空気が流れ、結果として、放熱フィン部29からの放熱量を増やすことができる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
以上のように本発明は、第一、第二の吸気口と排気口を有する本体ケースと、この本体ケース内に設けられたヒートポンプとを備え、前記ヒートポンプは、圧縮機と、圧縮機の下流に順次設けた放熱器、膨張手段、吸熱器とにより形成し、前記第一の吸気口から本体ケース内に吸気した空気を放熱器、吸熱器を順次介して排気口へと送風する第一の送風路と、前記第二の吸気口から本体ケース内に吸気した空気を吸熱器を介して排気口へと送風する第二の送風路と、前記第一の吸気口から本体ケース内に吸気した空気を放熱器を介して排気口へと送風する第三の送風路と、これら第一、第二の送風路に送風するための第一の送風手段と、前記第三の送風路に送風するための第二の送風手段とを設けるとともに、前記第一の送風路の放熱器と吸熱器の間に除湿ローターの放湿部を設け、この除湿ローターの吸湿部は前記第一と第二の送風路の吸熱器と排気口の間に設け、前記第二の送風路の吸熱器の上流側送風路と前記第二の送風手段とを連通する連通路を備え、この連通路に静電霧化手段を設け、前記連通路の前記送風手段側に負圧発生手段を設けたものであり、洗濯物の生乾き部分からの臭い発生を抑制することができるものである。
【0040】
すなわち、本発明では、第二の送風路の吸熱器の上流側送風路と第二の送風手段とを連通する連通路を備え、この連通路に静電霧化手段を設け、この連通路の送風手段側に負圧発生手段を設けたので、第二の吸気口から本体ケース内に吸気した室内の空気を、負圧発生手段によって連通路の静電霧化手段に送り、この静電霧化手段によって室内の空気から帯電微粒子水を発生させる。この帯電微粒子水は除湿された乾燥空気と共に、洗濯物に送風され、ここで、帯電微粒子水と洗濯物の臭気成分が反応し、帯電微粒子水中のヒドロキシラジカルによって臭気成分を除去することができるものである。つまり、ヒドロキシルラジカルとはヒドロキシ基(水酸基)に対応するラジカルであり、このラジカルは、通常は 2個1組で軌道上を回転しているはずの電子が1つしかなく、電気的に非常に不安的であり、周りの原子や分子から欠けた電子を奪おうとするため、酸化力が強いものである。この酸化力によって臭気成分を除去することができるものである。
【0041】
これらの結果により、洗濯物の生乾き部分からの臭い発生を抑制することができるものである。
【0042】
従って、家庭用や事務所用などの、除湿装置として活用が期待されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の一実施形態の断面図
【図2】同静電霧化手段を示す図
【図3】同送風手段を示す断面図
【図4】同第二の送風手段を示す断面図
【図5】同第一の送風手段を示す断面図
【図6】同除湿装置を示す図
【符号の説明】
【0044】
1 第一の吸気口
2 第二の吸気口
3 排気口
4 本体ケース
5 ヒートポンプ
6 圧縮機
7 放熱器
8 膨張手段
9 吸熱器
10 第一の送風路
11 第一の送風手段
12 第二の送風路
13 第三の送風路
14 第二の送風手段
15 除湿ローター
16 放湿部
17 吸湿部
18 ヒーター
19 貯水タンク
20 駆動手段
21 連通路
22 静電霧化手段
23 負圧発生手段
24 帯電微粒子水
25 放電電極
26 対向電極
27 高圧印加部
28 冷却部
29 放熱フィン部
30 平板部
31 円柱部
32 ペルチェ素子
33 放熱平板部
34 フィン部
35 先端部
36 ケーシング
37 電動機
38 羽根
39 第一のケーシング
40 第二のケーシング
41 主板
42 第一のブレード部
43 第二のブレード部
44 仕切板
45 吐出口
46 送風手段
47 側周面
48 舌部
49 突出部
50 第二のケーシングの吸込口
51 第一のケーシングの吸込口
52 吐出口
53 舌部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の吸気口と第二の吸気口と排気口を有する本体ケースと、この本体ケース内に設けられたヒートポンプとを備え、前記ヒートポンプは、圧縮機と、圧縮機の下流に順次設けた放熱器、膨張手段、吸熱器とにより形成し、前記第一の吸気口から本体ケース内に吸気した空気を放熱器、吸熱器を順次介して排気口へと送風する第一の送風路と、前記第二の吸気口から本体ケース内に吸気した空気を吸熱器を介して排気口へと送風する第二の送風路と、前記第一の吸気口から本体ケース内に吸気した空気を放熱器を介して排気口へと送風する第三の送風路と、これら第一、第二の送風路に送風するための第一の送風手段と、前記第三の送風路に送風するための第二の送風手段とを設けるとともに、前記第一の送風路の放熱器と吸熱器の間に除湿ローターの放湿部を設け、この除湿ローターの吸湿部は前記第一と第二の送風路の吸熱器と排気口の間に設け、前記第二の送風路の吸熱器の上流側送風路と前記第二の送風手段とを連通する連通路を備え、この連通路に静電霧化手段を設け、前記連通路の前記送風手段側に負圧発生手段を設けた除湿装置。
【請求項2】
静電霧化手段は、放電電極と、この放電電極に対向して配置された対向電極と、前記放電電極と前記対向電極との間に高電圧を印加する高圧印加部と、前記放電電極を冷却する冷却部と、この冷却部の熱を放熱する放熱フィン部とから形成し、この放熱フィン部を第一の送風手段内に突出させ設けた請求項1記載の除湿装置。
【請求項3】
第一の送風手段と第二の送風手段とは、両吸込型のケーシングと、このケーシング内に設けた電動機と、この電動機により回転する羽根とから形成し、前記ケーシングは、第一のケーシングと第二のケーシングとから形成し、前記羽根は主板の一方面から延びた第一のブレード部と、主板の他方面から延びた第二のブレード部とから成り、前記第一のケーシングと前記第二のケーシングとの間に仕切板を備え、前記第一の送風手段は、電動機と前記第一のケーシングと前記羽根の前記第一のブレード部とから形成し、前記第二の送風手段は、電動機と前記第二のケーシングと前記羽根の前記第二のブレード部とから形成し、前記第二のケーシングの吐出口近傍に前記連通路を設けた請求項1または2のいずれかに記載の除湿装置。
【請求項4】
負圧発生手段は、第二のケーシング側周面から舌部側へ突出した突出部である請求項1〜3のいずれかに記載の除湿装置。
【請求項5】
負圧発生手段は、前記第二のケーシングの前記仕切板寄りに設けた請求項1〜4のいずれかに記載の除湿装置。
【請求項6】
負圧発生手段は、前記連通路の一部である請求項1〜5のいずれかに記載の除湿装置。
【請求項7】
静電霧化手段の前記放熱フィン部は、前記冷却部に接した放熱平板部と、この放熱平板部から垂直方向に延びた複数のフィン部から形成された請求項2〜6のいずれかに記載の除湿装置。
【請求項8】
静電霧化手段の放熱フィン部は、前記仕切板より第一の送風手段内に突出させた請求項7記載の除湿装置。
【請求項9】
静電霧化手段の前記放熱フィン部の前記フィン部は、略四角形平板形状で、第一の送風手段内の風向とほぼ平行に設けられた請求項7記載の除湿装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−234252(P2010−234252A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−84597(P2009−84597)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】