除湿装置
【課題】装置のコンパクト化を図ると共に原ガスからの水分の除湿そして吸着剤の再生を効率的に行える除湿装置を提供することを課題とする。
【解決手段】水分を含有する原ガスから水分を除去し乾燥ガスを得る除湿装置であって、原ガス中の水分を吸着して除湿する吸着剤を収納する吸着塔A,Bと、原ガス中の水分を吸着させ除湿を行うために吸着塔に送る除湿手段10と、水分を吸着した吸着剤から水分を脱着して、吸着剤の再生を行うために吸着塔に加熱ガスを供給する再生手段20とを備え、吸着塔に収納される吸着剤が、吸着塔内に装入及び取り外し可能なカートリッジ50として形成され、カートリッジは、吸着剤により形成された平板状の充填層52が、複数平行となるように配置されていると共に、各充填層の一方の側面側に供給された原ガスが、充填層を通過して他方の側面側に抜けるようなガス流を形成するように構成されている。
【解決手段】水分を含有する原ガスから水分を除去し乾燥ガスを得る除湿装置であって、原ガス中の水分を吸着して除湿する吸着剤を収納する吸着塔A,Bと、原ガス中の水分を吸着させ除湿を行うために吸着塔に送る除湿手段10と、水分を吸着した吸着剤から水分を脱着して、吸着剤の再生を行うために吸着塔に加熱ガスを供給する再生手段20とを備え、吸着塔に収納される吸着剤が、吸着塔内に装入及び取り外し可能なカートリッジ50として形成され、カートリッジは、吸着剤により形成された平板状の充填層52が、複数平行となるように配置されていると共に、各充填層の一方の側面側に供給された原ガスが、充填層を通過して他方の側面側に抜けるようなガス流を形成するように構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水分を含む原ガスの除湿装置に関し、特に、吸着剤により水分を吸着させ除去して乾燥ガスを得る除湿装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、様々な産業分野において高度な除湿システムが求められるようになっている。特に、電機製造分野や電子分野では、リチウムイオン電池、偏光フィルム、半導体、有機ELなどの製造工程において、非常に低い湿度管理が求められるため、専用の低露点空間が工場内に設けられ、低露点空間への乾燥空気の供給に除湿システムが使用される。また、一般空調分野でも、ビル空調向けや、スーパーマーケットにおける冷蔵、冷凍ショーケースへの着霜防止のための店内空調や、病院や福祉施設における冷房病防止のため室温を下げずに除湿する空調に、除湿システムが使用される。
【0003】
除湿にも様々な方式があるが、中でも吸着により水分を除湿する吸着剤を用いる方式(以下、デシカント空調方式)は、エネルギー効率に優れ、ガス温度を低下させることがなく、また冷媒としてフロンを使用しないため、普及が進んできている。
【0004】
デシカント空調では、除湿ロータを用いた方式が提案されている(特許文献1,2参照)。これらの特許文献1そして特許文献2の装置においては、吸着剤を備えたハニカム構造体の除湿ロータを回転させ、吸着除湿と脱着再生を行うこととしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−336637
【特許文献2】特開2003−214655
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1,2に開示されている除湿ロータを用いる方式では、原ガス中の水分を吸着剤に吸着させる際に発生する吸着熱が、吸着剤構造体内部に蓄積することを抑制するため、ハニカム構造体を採用し、熱の放散を容易にしている。また、ハニカム構造体であるため、通ガス時の圧力損失を低く抑えるようにしている。
【0007】
一方、ハニカム構造体による除湿ロータを採用しているため、装置構成が複雑で大掛かりであり、吸着除湿効率が低いという問題や運転コストが高いという問題がある。すなわち、除湿ロータはハニカム構造体であるため空隙が多く吸着剤構造体の体積当たりの吸着剤比表面積が小さく、吸着除湿効率が低いという問題がある。また、このような構造であるため、短時間で完全に再生を行おうとすると、再生時に供給する加熱ガス流量の除湿ガス流量に対する比率が30%から100%となって、過大となり、結果として送風ファンや加熱ヒータの運転費用が過大となり運転コストが高くなる。
【0008】
そこで、本発明は、装置全体のコンパクト化を図ると共に原ガスから水分の除湿そして吸着剤の再生を効率的に行うことが可能な除湿装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る除湿装置は、水分を含有する原ガスから水分を除去し乾燥ガスを得る。
【0010】
かかる除湿装置において、本発明は、原ガス中の水分を吸着して除湿する吸着剤を収納する吸着塔と、原ガス中の水分を吸着させ除湿を行うために該吸着塔に原ガスを送る除湿手段と、水分を吸着した上記吸着剤から水分を脱着して吸着剤の再生を行うために上記吸着塔に加熱ガスを供給する再生手段とを備え、上記吸着塔に収納される吸着剤が、吸着塔内に装入及び取り外し可能なカートリッジとして形成され、該カートリッジは、上記吸着剤により形成された平板状の充填層が、複数平行となるように配置されていると共に、各充填層の一方の側面側に供給された原ガスが、上記充填層を通過して他方の側面側に抜けるようなガス流を形成するように構成されていることを特徴としている。
【0011】
かかる構成の本発明にあっては、吸着塔は、除湿手段と協働して吸着剤によって原ガス中の水分を除湿すると共に、再生手段と協働して吸着剤が吸着した水分を脱着して吸着剤を再生する。吸着塔に設けられた吸着剤は、本発明においては、平板状の充填層として形成され、カートリッジ内に該充填層が平行に複数配置されており、各充填層に対し一方の側面側から供給された原ガスあるいは加熱ガスが該充填層を透気して抜け他方の側面側に至り排気される。原ガスが透気するときには充填層で吸着剤により原ガス中の水分が吸着除去され、加熱ガスが透気するときには吸着された水分が充填層の吸着剤から脱着除去されて吸着剤が再生される。
【0012】
本発明では、充填層のガスとの接触面積が大きいこと、充填層がカートリッジ内で平行に複数配置されていることに起因して、原ガス中の水分の除湿そして吸着剤の再生が効率的に行われると共に、吸着剤量が少なくても十分に除湿できるため、除湿装置が小型化される。
【0013】
本発明において、吸着塔は、吸着剤充填層内に冷却水管を備えることが好ましい。
【0014】
本発明において、吸着塔は、吸着剤充填層内に冷却・加熱管を備え、冷却・加熱管は、原ガスの除湿を行う時に冷却媒体の供給を受け、吸着剤の再生を行う時に加熱媒体の供給を受けることが好ましい。
【0015】
本発明において、吸着塔は、吸着剤充填層を冷却する冷却ジャケットを備えることが好ましい。
【0016】
本発明において、吸着塔は、吸着剤充填層を冷却及び加熱する冷却・加熱ジャケットを備え、冷却・加熱ジャケットは、原ガスの除湿を行う時に冷却媒体の供給を受け、吸着剤の再生を行う時に加熱媒体の供給を受けることが好ましい。
【0017】
本発明において、再生手段は、原ガスの露点温度を計測する露点計と、露点計により計測された原ガスの露点温度計側値に基づき、吸着剤の再生を行う時に再生手段が吸着塔に供給する加熱ガスの温度及び流量のうち少なくとも一つを調整する再生運転制御手段を備えることが好ましい。
【0018】
本発明において、再生手段は、吸着塔から排出される乾燥ガスの露点温度を計測する露点計と、露点計により計測された乾燥ガスの露点温度計側値に基づき、吸着剤の再生を行う時に再生手段が吸着塔に供給する加熱ガスの温度及び流量のうち少なくとも一つを調整する再生運転制御手段を備えることが好ましい。
【0019】
本発明において、吸着塔は少なくとも二つ設けられていて、一つの吸着塔において除湿を行うとともに、他の吸着塔において吸着剤の再生を行うように、除湿手段と再生手段とが構成されているようにすることができる。こうすることで、一方の吸着塔と他方の吸着塔で、除湿と再生を交互に行うことができ、その結果、除湿と再生を中断させることなく連続して実行できる。
【0020】
本発明において、吸着塔は少なくとも二つのカートリッジを備え、一つのカートリッジにおいて除湿を行うとともに、他のカートリッジにおいて吸着剤の再生を行うように、除湿手段と再生手段とが構成されているようにすることができる。こうすることで、吸着塔が一つでも、二つのカートリッジの切り換えにより、吸着塔全体としては、除湿と再生を中断なく連続して実行できる。
【0021】
本発明において、再生手段が、吸着塔から抜き出された乾燥ガスの一部、大気中から得る空気及び乾燥ガスの一部と大気中から得る空気との混合ガスのうちいずれかを加熱し加熱ガスとして吸着塔に供給する手段を備えることが好ましい。こうすることにより、吸着除湿後の乾燥ガスの一部を吸着剤の再生のために有効利用できる。この乾燥ガスに代えて、もしくは一緒に、大気中の空気を用いることもできる。
【0022】
本発明において、再生手段が、吸着塔から抜き出された乾燥ガスの一部、大気中から得る空気及び乾燥ガスの一部と大気中から得る空気との混合ガスのうちいずれかを、吸着剤に吸着させた水分を脱着して吸着塔から抜き出された含水ガスとの熱交換により、予熱する手段を備えることが好ましい。こうすることにより、再生に使用する乾燥ガスの一部等の加熱用として上記含水ガスが保有する熱を予熱に有効利用して、加熱のための手段の負担を軽減する。
【0023】
本発明において、再生手段が、吸着塔に新品の吸着剤を収納した時に所定の除湿度(露点温度)を保持して除湿を行うことができる時間に対する、吸着剤を再生した後に所定の除湿度を保持して除湿を行うことができる時間の比率である再生率を50%以上80%以下とするように、吸着剤の再生のために供給する加熱ガスの流量を調整する加熱ガス流量調整手段を備えることが好ましい。
【0024】
本発明において、再生手段が、吸着塔に供給する加熱ガスの流量を、吸着塔から抜き出す乾燥ガスの流量の1/40以上1/5以下に調整して供給する加熱ガス流量調整手段を備えることが好ましい。
【0025】
本発明において、吸着塔が、脱臭用吸着剤をさらに収納することが好ましい。こうすることにより、吸着剤により原ガス中の水分を吸着して除湿するとともに、脱臭用吸着剤により原ガスを脱臭することができる。除湿用吸着剤と脱臭用吸着剤を混合して充填層を形成してもよいし、除湿用吸着剤の充填層の下流側に脱臭用吸着剤の充填層を形成するように構成してもよい。脱臭用吸着剤としては、活性炭や、ゼオライト等の無機吸着剤を用いる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、以上のように、吸着剤を平板状の充填層として、これをカートリッジ内に複数平行に配列させて、吸着塔に備えることとしたので、装置全体のコンパクト化を図ると共に、原ガス中からの除湿、吸着剤の再生を効率的に行うことが可能な除湿装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係る除湿装置の第一実施形態装置を示す概略構成図である。
【図2】本発明に係る除湿装置の第二実施形態装置を示す概略構成図である。
【図3】本発明に係る除湿装置の第三実施形態装置を示す概略構成図である。
【図4】本発明に係る除湿装置の第四実施形態装置を示す概略構成図である。
【図5】本発明に係るカートリッジの構成の一例を示す図である。
【図6】本発明に係るカートリッジに用いられる充填層の一例を示す図である。
【図7】本発明に係るカートリッジに用いられる充填層の他の例を示す図である。
【図8】本発明に係る再生手段でのガス引込量の制御の一例を示す図である。
【図9】本発明に係る再生手段でのガス引込量の制御の他の例を示す図である。
【図10】本発明に係る再生手段でのガス引込量の制御のさらに他の例を示す図である。
【図11】本発明に係る再生手段でのガス引込量の制御のさらに他の例を示す図である。
【図12】再生ガス量/除湿ガス量と再生率の関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付図面にもとづき、本発明の実施の形態を説明する。
【0029】
図1は、本発明に係る除湿装置の第一実施形態を示す概略構成図である。図1に示すように、本実施形態の除湿装置は、水分を含有するガス(以下、「原ガス」ともいう)中から水分の吸着除湿を行い、水分を吸着した吸着剤の再生を行う装置である。本実施形態における除湿装置は、原ガス中の水分を吸着させるための吸着剤を収納する同一構成の二つの吸着塔A,Bと、原ガス中の水分を吸着させ除湿を行うためにこの吸着塔A,Bに原ガスを送る除湿手段10と、水分を吸着した吸着剤から水分を脱着して吸着剤の再生を行うために吸着塔A,Bに加熱ガスを供給する再生手段20とを有する。本実施形態では、上記吸着塔A,Bに収納される吸着剤が充填された平板状の充填層を平行に複数配置してカートリッジとして構成されていて、吸着塔内に装着及び取り外しが可能、つまり着脱可能となっている。このカートリッジについては、後に詳述する。
【0030】
本実施形態では、上記除湿手段10と再生手段20は、一方が吸着塔Aに接続されているときは他方が吸着塔Bに接続され、そして、その逆の接続も交互になされるように、接続切り換え可能となっている。図1は、除湿手段10が吸着塔Aに、そして再生手段20が吸着塔Bに接続されている状態を示している。
【0031】
上記除湿手段10は、図1の状態において、原ガスを吸着塔A内に導入するための導入配管11と、この導入配管11の途中に設けられ、原ガス中のダストを除去するフィルタ12、原ガスを吸着塔A内に所定の圧力で導入するためのファン13、後述するクーラ14とにより構成されている。原ガスは、上記ファン13により所定の圧力に加圧されて、吸着塔Aのガス流入側から塔内へ供給される。吸着塔A内に供給された原ガスは、収納される吸着剤の間を通過する際に、その中に含有される水分が吸着剤に吸着され、除湿された乾燥ガスが吸着塔のガス流出側から抜き出され、クーラ14により冷却され、除湿空間16に送られる。除湿空間16内のガスの一部が、一部循環ガスとして抜き出され、原ガスと混合されて除湿される。
【0032】
一方、上記再生手段20は、図1の状態において、吸着剤に吸着された水分を脱着するために該吸着剤を加熱する加熱ガスを上記吸着塔Bに供給する導入配管21と、吸着塔Bから含水ガスを排出する排出配管22と、上記導入配管21の途中に設けられたヒータ23と、ヒータ23へ上記吸着塔Aからの冷却前の乾燥ガスの一部または大気を圧送するファン24と、該ファン24で送られる上記乾燥ガスの一部または大気を、上記排出配管22を流れる含水ガスと熱交換して予熱する間接熱交換器25と、大気のダストを除去するフィルタ26とを有している。この予熱された上記乾燥ガスの一部または大気はヒータ23で加熱され、加熱ガスとなって吸着塔Bへ供給され、ここで吸着剤を加熱して水分を脱着する。水分脱着後の含水ガスは、吸着剤を加熱した後も熱を保有しており、上記間接熱交換器25でファン24からの乾燥ガスの一部または大気を間接熱交換により予熱する。また、図示していないが、吸着剤の再生に用いるガスとして、吸着塔Aからの冷却前の乾燥ガスの一部と大気とを混合したガスを加熱して用いてもよい。
【0033】
本実施形態では、図1に示すように、一方の吸着塔Aで原ガス中の水分の吸着、除湿を行っている間に、他方の吸着塔Bにおいて、吸着剤に吸着させた水分の脱着、再生を行う。逆に、吸着塔Bで原ガス中の水分の吸着、除湿を行っている間は、吸着塔Aにおいて、吸着剤に吸着させた水分の脱着、再生を行う。このように、吸着除湿と脱着再生をそれぞれの吸着塔A,Bで交互に行うことで、原ガスの吸着除湿処理を連続して行うことができる。
【0034】
図1の例では、上述したように、二つの吸着塔A,Bに対して、除湿手段10そして再生手段20を交互に切り換え可能に接続されているが、吸着塔A,Bのそれぞれに対して、除湿手段10と再生手段20の両方を専用に備えるようにして、それぞれの吸着塔A,Bにおいて、専用の除湿手段10と再生手段20とを切り換えて使用するようにしてもよい。
【0035】
このようにして、吸着塔A,Bと、除湿手段10そして再生手段20とにより、原ガスの吸着除湿と吸着剤の脱着再生は、連続的になされる。その際、原ガスの吸着除湿を行っている吸着塔Aと、吸着剤の脱着再生を行っている吸着塔Bの作動について、以下、さらに詳述する。
【0036】
<吸着塔A>
除湿処理前に水分を含んでいる原ガスをフィルタ12により除塵し、ファン13により吸着塔Aに供給する。水分は吸着剤に吸着され原ガスが除湿される。吸着剤は吸着熱により、発熱するので、除湿後のこの乾燥ガスの利用用途により、必要に応じてクーラ14で冷却する。冷却後の乾燥ガスは、適宜、除湿空間16等の利用設備に供給される。除湿空間16から空間内ガスの一部が、一部循環ガスとして抜き出され、原ガスと混合されて除湿される。
【0037】
<吸着塔B>
水分を吸着した吸着剤に、加熱ガスを導入配管21を経て供給し、吸着剤を加熱して水分を脱着し、吸着剤を再生する。吸着塔Aから抜き出された冷却前の乾燥ガスの一部をファン24を介しヒータ23により、吸着剤の水分脱着に適した温度(100〜140℃)に加熱し、加熱ガスとすることができる。
【0038】
吸着塔Bから排出配管22を経て抜き出された含水ガスは、高温であるので熱エネルギーを利用するため、排出配管22を流通している間に、間接熱交換器25で、導入配管21内の冷却前乾燥ガスと間接熱交換して予熱に用いられる。間接熱交換器25で熱交換により冷却された含水ガスは大気中へ放散される。
【0039】
本実施形態では、吸着塔Aから抜き出される冷却前の乾燥ガスの一部を再生用ガスとして用いることにより、吸着剤が吸着熱により発熱してこのガスが保有する熱量を、再生のための熱エネルギーの一部として有効利用でき、ヒータ23で要する加熱エネルギーを低減でき、その結果、運転費を低減することができる。
【0040】
また、再生用ガスとして大気を用いる場合に比べて、湿度の低い乾燥ガスを再生用として用いるため水分の脱着効率が高い。言うまでもないが、本実施形態では、再生用ガスとして冷却前の乾燥ガスに代え、大気を用いてもよいし、あるいは、冷却前の乾燥ガスと大気を併用してもよい。
【0041】
吸着塔B内で脱着再生された吸着剤は、加熱されたままで、また冷却されていない状態であるので、吸着除湿に適した温度にまで冷却される。この冷却は、自然放冷でも乾燥ガスとの接触による冷却でも、あるいは吸着剤充填層内に設けた冷却管や水冷ジャケットによる冷却でもよい。適温にまで温度が低下した後、吸着除湿運転に供される。除湿に用いる吸着剤としては、ゼオライト、シリカゲル等の一般的な除湿剤を使用できる。
【0042】
水を吸着した吸着剤を加熱ガスにより加熱し脱着して再生する際、吸着塔Bにおける吸着剤の再生率は50%以上80%以下とすることが好ましい。ここで、 再生率とは、吸着塔に新品の吸着剤を収納した時に所定の除湿度(露点温度)を保持して除湿を行うことができる時間に対する、吸着剤を再生した後に所定の除 湿度を保持して除湿を行うことができる時間の比率をいう。再生率の好ましい範囲の根拠は、以下のとおりである。
【0043】
すなわち、再生率が50%より低いと、除湿運転できる時間が短くなり、頻繁に吸着塔の除湿運転と再生運転とを切り替える必要があり、吸着塔内で脱着再生された吸着剤を冷却するのに自然放冷や少量の冷却用ガスの送風では間に合わず、多量の冷却用ガスの送風や冷却管、水冷ジャケットによる冷却が必要となり、そのための冷却エネルギーが嵩み 好ましくない。
【0044】
また、吸着剤充填層内で吸着剤が水分を吸着している帯域を吸着帯というが、再生率が80%より高くなると、比較的狭い吸着帯の吸着剤で水分の吸着が生じるようになり、水分吸着時に発生する吸着熱による発熱が局所的に発生するため、吸着剤温度の過度な上昇を招き、平衡吸着量が低下し、吸着除湿性能が低下する。更に、再生ガス流量の増加割合と比較して、吸着剤における再生率の増加割合が低下するため、エネルギー効率が低くなるため、好ましくない。
【0045】
このように、吸着剤の再生率を50%以上80%以下とすることにより、再生した吸着剤を吸着除湿に用いるとき、除湿効率を大きく低下させることなく、水分の吸着熱による吸着剤温度の上昇を原ガスの水分濃度に合わせて適切な範囲に制御でき、平衡吸着量の低下による吸着除湿性能の低下を抑制できるし、また、乾燥ガスをクーラにより冷却することを不要にするか、少なくできるので、運転費を低減できる。
【0046】
水を吸着した吸着剤を加熱ガスにより加熱し脱着して再生する際、上記のように、再生率を50%以上80%以下とするように、吸着塔に供給する加熱ガスの流量を調整する加熱ガス流量調整手段を備えることが好ましい。吸着塔Aから抜き出された冷却前の乾燥ガスの一部を、吸着剤を脱着再生する吸着塔Bに供給し、再生用加熱ガスとして用いる場合について、以下に説明する。
【0047】
吸着塔Aから抜き出された冷却前の乾燥ガスの一部を、吸着剤を脱着再生する吸着塔Bに供給し、再生用加熱ガスとして用いる場合に、吸着塔Aから排出される冷却前の乾燥ガスのガス流量(除湿ガス量)に対する、吸着塔Bに再生用加熱ガスとして供給する再生ガス量の流量比(再生ガス量/除湿ガス量)を変えたときの再生率との関係を、種々の再生運転条件について、求めた結果を図12に示す。
【0048】
図12に表すように、流量比が1/40のとき再生率が50%であり、流量比が1/5のとき再生率が80%である。このことから、流量比を1/40以上1/5以下とすると、吸着剤を再生率50%以上80%以下に再生することが容易に行えることが分かる。
すなわち、吸着塔Aから排出される冷却前の乾燥ガスのガス流量の1/40以上1/5以下の流量比で、吸着塔Aから抜き出された冷却前の乾燥ガスの一部を、吸着塔Bに再生用加熱ガスとして供給することが好ましい。流量比を1/40未満とすると、再生率が50%未満となり好ましくないし、吸着剤から水を脱着する効率が著しく低いために再生運転時間が長大になり好ましくない。流量比を1/5より大きくすると、再生率が80%となり好ましくないし、再生ヒータによる加熱効率が低下し、ヒータとして加熱容量が過大なものを必要とするので好ましくない。
【0049】
図1に示された第一実施形態においては、吸着塔を吸着塔A,Bとして2基設置する場合を示していたが、図2に示される第二実施形態のように、吸着塔を3基以上設置してもかまわない。この場合、それぞれの吸着塔を、吸着除湿、脱着再生、冷却の各工程に振り分けて運転することができる。
【0050】
第二実施形態を示す図2において、図1の第一実施形態と同一部位には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0051】
本実施形態では、第一実施形態の場合と同様に、除湿手段と、再生手段の両方を切り換え可能に有している同一構成の吸着塔を三つ有している。さらに、本実施形態では、除湿手段と再生手段とが三つの吸着塔A,B,Cに対して順次切り換え可能に設けられている。図示の例では、吸着塔Aに対しては除湿手段が作用している状態、吸着塔Bに対しては再生手段が作用している状態、そして吸着塔Cに対しては自然放冷等による冷却状態で示されている。
【0052】
かかる第二実施形態では、各吸着塔A,B,Cが除湿、再生、冷却工程を一サイクルとし順に繰り返すが、その際、各吸着塔A,B,Cは、それぞれ一工程ずつずれて、行われる。換言すれば、同一時期には、各吸着塔で除湿、再生、冷却がそれぞれ行われている。上記冷却は、第一実施形態の場合同様、自然放冷でも冷却後の乾留ガスの一部による冷却でもよい。
【0053】
このような第二実施形態では、三つの吸着塔A,B,Cに対して、再生手段のヒータは、常時いずれかの吸着塔に加熱ガスを供給すべく作動しているので、二つの吸着塔A,Bが設置され除湿、再生、冷却工程を繰り返し、冷却工程中はヒータが停止する場合に比べて、熱ロスがないので、その分、運転費を低減できる。
【0054】
図3に示される第三実施系形態では、一つの吸着塔内に2基のカートリッジ50,50を独立の2系統として分割して設置されている二段カートリッジの形態となっている。この場合、吸着塔内のそれぞれの系統において吸着除湿操作、あるいは脱着再生操作が可能となる。これにより、従来2塔必要であった吸着塔を1塔とすることが可能となり、装置全体を更にコンパクト化することが可能となる。なお、図3では図示を省略し、一つのカートリッジ50で原ガス中の水分の吸着除湿を行う場合の除湿手段と、他のカートリッジ50で吸着剤に吸着させた水分の脱着、再生を行う場合の再生手段とのみを記載しているが、二つのカートリッジ50には、それぞれ除湿手段及び再生手段を共に有しているか、除湿手段及び再生手段との接続を切り換えるようにしている。
【0055】
ここでは、図1に示す第一実施形態の場合と同様に、原ガス中から水分の除湿を行った乾燥ガス、つまり一つのカートリッジ50を通過した乾燥ガスの一部を脱着再生中の他のカートリッジ50に再生用ガスとして供給するようにしている。
【0056】
本発明においては、第四実施形態として図4に示されるように、一つの吸着塔内に3基のカートリッジ50,50,50を独立の3系統として分割して設置してもよい。この場合、吸着塔内のそれぞれの系統で、吸着除湿操作、脱着再生操作、冷却操作がそれぞれ可能になる。吸着塔が1塔となって装置がコンパクト化することは、第三実施形態と同様である。また、この第四実施形態でも三つのカートリッジ50には、それぞれ除湿手段及び再生手段を共に有しているか、除湿手段及び再生手段との接続を切り換えて、除湿、再生、そして冷却を順次行うようにすることができる点でも、第三実施形態に類似している。
【0057】
次に、第一ないし第四実施形態で採用されるカートリッジ式吸着剤充填層構造について説明する。
【0058】
<カートリッジ式吸着剤充填層構造>
本発明のカートリッジ式吸着剤充填層構造を側流式複層構造ということもある。
【0059】
図5に、本実施形態のカートリッジ50の構成の一例を示す。図5に示すように、該カートリッジ50は、例えば、原ガスに対して耐腐食性を有する剛体で構成される筺体51の内部に、既述の吸着剤により形成された平板状の充填層52を、それぞれが平行となるように、さらには、好ましくはそれぞれが面対称となるように複数配置することにより構成される。そして、この筺体51を吸着塔A,B内部に、装入及び取り外し可能、つまり着脱可能に構成することで、カートリッジとしての吸着剤が構成できる。ここでは、吸着剤をカートリッジ構造として、吸着塔内に着脱可能とすることで、吸着剤の交換や装置内の点検等のメンテナンスを容易に行なうことが可能となる。
【0060】
ここで、上記充填層52の構成の一例について説明する。この充填層52は、その外枠となる収納ケースに、吸着剤を充填することで構成できる。なお、該収納ケースには、その中に充填される吸着剤の交換を容易とするための開閉可能な蓋部が設けられており、吸着剤は、収納ケース内において、該蓋部との隙間がなく圧密充填される。収納ケース内に吸着剤を圧密充填する方法としては、例えば、バイブレータで振動を与えながら充填する、充填時に棒などで上から押さえつけるなどの方法が挙げられる。また、吸着剤と蓋部との間にも隙間が生じない様に、グラスウールなどの緩衝材を用いて圧着させてもよい。これにより、この充填層52を通過する原ガスのショートパス(吸着剤を透過しない吹き抜け)を防止でき、吸着剤と原ガスとの接触効率を高くすることが可能となる。さらに、原ガスの充填層52を通過する流速を速くした場合においても、吸着剤の流動を防止できる。
【0061】
上記収納ケースの形状は、充填層52内を原ガスが均一に通過できること、さらに、ケースの製作が比較的容易であることなどを考慮すると、平板状が一般的であるが、この収納ケースが、実質的に平行な表裏1組の面を、一方をガス流入側面、他方をガス流出側面として有していれば平板状に限られるものではない。
【0062】
また、上記収納ケースの材質は耐久性、耐熱性の観点から鋼鉄製、ステンレス製などの金属製とすることが好ましく、また、ガス流入側面及びガス流出側面は、これらの金属からなる金網、パンチングメタル(打抜金網)などの通気性を有する素材から形成することが好ましい。上記ガス流入側面及びガス流出側面は通常は平面であり、また、互いに実質的に平行であることが好ましい。なお、これらガス流入側面及びガス流出側面は通常は共に四角形で、かつ、面対称とすることが好ましい。
【0063】
また、吸着剤としては、シリカゲルやゼオライト等の無機吸着剤を用いることができ、吸着、脱着性能に優れた吸着剤が好ましい。使用する吸着剤の粒径は、小さいほど吸着/脱着速度が上がり有利である。しかし、粒径が小さすぎる場合は、充填層52での圧力損失が大きくなってしまう。また、上記収納ケースにおけるガス流入側面及びガス流出側面として必要な強度を確保しながら、より粒径の小さい吸着剤の保持が可能な、充分に小さい孔を有するガス透過面の作製が困難ないし実用的でなくなる。そのため、吸着剤の粒径は0.5〜2.4mm程度のものが好ましい。
【0064】
次に、図5により、カートリッジ50内でのガス流れの挙動を説明する。原ガスは、図5に示すように、上記カートリッジ50のガス流入側に設けられた流入口53から、上記カートリッジ50の内部に配置された充填層52の一方の側面側であるガス流入側面側にのみ供給される。そして、上記充填層52のガス流入側面側に供給された原ガスは、充填層52を通過して他方の側面側であるガス流出側面側に抜けて、上記カートリッジ50のガス流出側に設けられた流出口54から排出される。このように、カートリッジ50内に供給された原ガスは、いわゆる側流式のガス流れを形成するように、吸着剤の充填された充填層52を通過するように構成される。
【0065】
上記カートリッジ50の内部には、複数の充填層52が平行となるように、好ましくはそれぞれが面対称となるように配置されているが、充填層52を挟んで一方の側面がガス流入側面、他方の側面がガス流出側面となるように配置される。ここで、充填層52のガス流出側面側のガス流入側(図では上方)には、原ガスが直接供給されないように、ガスの進入を遮断するための遮断板55が設けられている。また、充填層52のガス流入側面側のガス流出側(図では下方)には、充填層52を通過しないガスがそのままカートリッジ50の外に排出されないように遮断板55が設けられている。これにより、充填層52のガス流入側面側に供給された原ガスは、必ず充填層52を通過して、ガス流出側面側から排出されるという側流式のガス流れが形成される。
【0066】
カートリッジ50内において、充填層52を、複数が平行となるように、好ましくはそれぞれが面対称となるように配置し、さらに、原ガスのガス流れを側流式のガス流れとすることで、カートリッジ50内における原ガスの流れが均一化され、原ガスが接触する充填層52の有効面積を大きくとることが可能となる。これにより、吸着剤と原ガスとの接触効率が高まり、高い吸着性能が発揮され、同じ吸着性能の装置であれば吸着塔A,Bの設置面積を小さくすることが可能となり、設備費及びランニングコストを低減でき経済的である。さらに、原ガスが接触する充填層52の有効面積を大きくとることができるため、充填層52を通過する原ガスの流速が遅くなり、充填層52での圧力損失が小さく、ファン又はブロワーが小型化でき経済的である。
【0067】
カートリッジ50内に供給された原ガスは、充填層52を通過する際に、その中に含有される水分が吸着剤に吸着される。これにより、充填層52を通過し、水分が吸着剤に吸着され除湿された乾燥ガスがカートリッジ50から排出される。
【0068】
ここで、上記充填層52の層厚は、10mm以上、100mm以下とすることが好ましく、さらに好ましくは30mm以上、50mm以下である。
【0069】
本発明においては、上述の構成とすることで、カートリッジ50内における原ガスのガス流れが均一化され、原ガスが接触する充填層52の有効面積を大きくとることが可能となる。そのため、充填層52の層厚を、好ましくは10mm以上、100mm以下、さらに好ましくは30mm以上、50mm以下と薄くした場合においても、原ガス中から水分を除湿するために必要な吸着剤との最低限の接触時間を確保できる。また、充填層52の層厚を薄くできるため、充填層52を通過する際の圧力損失を低く抑えることが可能となる。これにより、低圧損と吸着及び脱着性能を共に両立でき、非常に効率的である。
【0070】
また、充填層52は、層厚が100mm以下と薄いため、原ガス中の水分が吸着剤に吸着する時に発生する吸着熱の放熱が容易であり、吸着剤の温度上昇による吸着性能の低下が防止できる。さらに、加熱ガスを供給し吸着剤を加熱して脱着再生を行う場合は、吸着剤における熱の出入りを早くでき、温度変化が迅速に行われるため、効率的に再生運転することができる。
【0071】
ここで、上記充填層52の設置数は、原ガスの流量や水分の含有率等により適宜設定し得るものである。
【0072】
また、本発明においては、吸着塔内において、上記カートリッジ50を2基以上分割して吸着塔内に並列または直列に設置してもよい。この場合、それぞれのカートリッジ50を、独立に吸着塔A,B内に装入及び取り外し可能、つまり着脱可能に構成することが好ましい。
【0073】
吸着塔内にカートリッジを並列に設置する場合は、吸着塔の圧力損失を低く維持することが可能となる。また、カートリッジを直列に設置する場合には、その分圧力損失は上昇するものの、本発明においては、上述のカートリッジ構造とすることで、そもそもカートリッジ1基あたりの圧力損失が低いため、問題にならない程度に維持できる。
【0074】
さらに、吸着剤の性能が劣化した場合や、原ガス側のフィルタ等の除塵設備の不具合等により原ガス中に含まれるダストが増加し、それが吸着剤に堆積した場合等においても、上流側のカートリッジから交換することで、全ての吸着剤を交換する必要が無くなり、非常に効率的である。また、カートリッジ構造とすることで交換も容易である。なお、カートリッジの配置を並列、直列いずれに配置するか、あるいはどのようにこれらを組み合わせて配置するかは、装置の使用条件等に応じて適宜設定し得るものである。
【0075】
このように、吸着剤充填層を側流式複層構造とすることにより、吸着剤充填層の体積当たりの吸着剤比表面積を大きくすることができ、吸着除湿効率、脱着再生効率を高くすることができる。
【0076】
また、吸着剤層を薄く、多層にしているので、吸着除湿時に発生する吸着熱を効果的に放熱でき、吸着除湿性能の低下を抑制できる。
【0077】
さらに、吸着除湿時に吸着塔の抜熱を行うことを省略または小さくすることができるので、装置をコンパクトにできる。
【0078】
さらに、脱着再生時に吸着剤に供給する加熱ガス量を従来技術に比べて低減できるので装置をコンパクトにでき、再生ヒータの運転費を低減できる。
【0079】
上述のカートリッジ50内の吸着剤の各充填層52は、図6のごとく、冷却水管52Aを備えていることが好ましい。冷却水管52A内に冷却水を流通させることにより、除湿時には吸着剤を容易に冷却でき、再生後の冷却時には吸着剤を容易に冷却できる。また、これに代えて、図7のごとく、例えば充填層52の側面(図示では、両側面)に冷却ジャケット52Bを備えるようにしてもよい。冷却ジャケット52Bは、図示の例の場合、枠状をなしていて、その窓部で原ガスと乾燥ガスの貫流を許容しており、上記吸着剤あるいは乾燥ガスを冷却する。
【0080】
本発明にあっては、吸着塔は、吸着剤充填層を冷却及び加熱する冷却・加熱ジャケットを備え、冷却・加熱ジャケットは、原ガスの除湿を行う時に冷却媒体の供給を受け、吸着剤の再生を行う時に加熱媒体の供給を受けるようになっていることが好ましい。この構成は、図7のジャケットを冷却用と加熱用に切り換えて用い、ジャケットに流通させる媒体をその時期によって変えることにより実施できる。すなわち、除湿運転時には、冷却媒体(例えば、冷水)をジャケットに供給し、再生運転時には、加熱媒体(例えば、蒸気)を供給する。
【0081】
本発明にあっては、除湿されるべき原ガスの状況に応じて、再生運転条件を変えて装置を運転制御することが好ましい。例えば、図8のように、原ガスの露点温度を計測する原ガス露点計31をフィルタ12の手前位置に設けると共に、冷却前の乾燥ガスの一部を吸着塔Aから再生手段のファン24へ導く管路に乾燥ガスダンパ33を、そして上記ファン24へ大気を導く管路に大気ダンパ34を設け、再生運転制御装置32で、上記露点温度の計測値に基づき上記ファン24から送風する再生用加熱ガスの流量を調整する。上記乾燥ガスダンパ33、大気ダンパ34がファン24と相俟って加熱ガス流量調整手段を形成する。
【0082】
具体的には、原ガスの露点温度が低いとき(低水分率のとき)は、乾燥ガスの湿度が低いので、吸着剤充填層での水分が脱着し易くなるため、再生手段のファン24でのガスの引込量を低減させ、ヒータ23による加熱量を低減できる。その結果、運転費が抑制される。上記ファン24から送風する再生用加熱ガスの流量の調整は、図8のごとく、ファン24の回転数をインバータ等により調整して送風量を調整することによってできるし、図9のごとく、乾燥ガスダンパ33と大気ダンパ34の開度を変えることによってもできる。図9の実施形態では、原ガスの露点温度が低いとき、大気ダンパ34の開度を小さくし、乾燥ガスダンパ33の開度を大きくするか固定の開度として、乾燥ガスの割合を大きくして、かつファン24から送風する再生用ガスの流量を少なくする。その結果、ヒータ23による加熱量を低減でき、運転費が抑制される。また、上記原ガスの露点温度に応じて、加熱ガスの温度を変えるようにヒータ23の加熱量を調整することもできる。
【0083】
上記再生手段のファン24でのガスの引込量は、図8、図9のごとくに除湿手段への原ガスの露点温度の計測値に基づいて調整することに代え、除湿した乾燥ガスを供給する除湿空間(図示せず)に設けた露点計により計測した除湿空間の露点温度の計測値に基づいて調整するようにしてもよい。
【0084】
また、上記再生手段のファン24でのガスの引込量は、図8、図9のごとくに除湿手段への原ガスの露点温度の計測値に基づいて調整することに代え、図10、11のごとく、吸着塔Aからの冷却前の乾燥ガスの露点温度を乾燥ガス露点計31’を用いて計測し、その計測値に基づいて制御できる。この場合も、図8、図9のときと同様に、乾燥ガスの湿度が低いときには、再生手段のファン24でのガスの引込量を低減させる。これは、図10のように、ファン24の送風量を制御してもよいし、図11のように、乾燥ガスダンパ33あるいは大気ダンパ34の開度を制御してもよい。
【0085】
以上、本発明においては、吸着剤をカートリッジ構造としているため、吸着塔内でのレイアウトをある程度自由に変更することが可能となる。これにより、目的に合った最適のレイアウトに吸着剤を配置できる。さらに、カートリッジの内部構造を上述の構成とすることで、装置全体のコンパクト化を図ると共に原ガスからの水分の除湿、吸着剤の再生を効率的に行うことが可能な除湿装置が提供される。
【0086】
本発明にあっては、吸着塔が、原ガスを脱臭する吸着剤をさらに収納することが好ましい。こうすることにより、吸着剤により原ガス中の水分を吸着して除湿するとともに、脱臭用吸着剤により原ガスを脱臭することができる。除湿用吸着剤と脱臭用吸着剤を混合して充填層を形成してカートリッジ構造としてもよいし、除湿用吸着剤の充填層を設けたカートリッジの下流側に脱臭用吸着剤の充填層を設けたカートリッジを設けるように構成してもよい。吸着塔に原ガスを脱臭する吸着剤の充填層を設けることにより、空調対象の空間から導いた空気から、アンモニア系やアセトアルデヒド系臭気成分等の臭気を除去して、脱臭され除湿された快適な空気を供給することができる。脱臭用吸着剤としては、活性炭や、ゼオライト等の無機吸着剤を用いる。
【0087】
本発明にあっては、大気中から空気を導くファンの入り口側に、花粉を捕集するフィルタを設けるようにして、花粉が除去され除湿された快適な空気を供給することができる。フィルタとしては、数十マイクロメーターの花粉を捕集できるフィルタであればよく、中高性能フィルタを用いれば十分に除去できるが、必要に応じて、ULPAフィルタ、HEPAフィルタ、準HEPAフィルタを用いることができる。
【実施例1】
【0088】
図1に示す2塔式装置を用い、露点15℃の湿り空気を100Nm3/hの流量で吸着塔Aに供給し除湿処理を行った。除湿剤としては粒径2〜2.4mmのゼオライトを用いた。吸着塔Bで吸着剤の再生を行い、再生用加熱ガスを流量5Nm3/h(流量比1/20)、再生温度140℃の条件で供給し吸着剤を再生した。再生後、自然放冷にて冷却した。2塔切り換えによる除湿運転90分、再生運転45分、冷却運転45分の運転サイクルで、連続運転を行った。
【0089】
除湿運転中に吸着塔出口における除湿処理ガスの露点は常時−65〜−60℃に保持された。
【0090】
上記のような構成の除湿装置により、高い除湿性能で除湿できるとともに、少ない再生ガス量で吸着剤の再生を円滑に行うことができることを確認できた。
【0091】
また、新品の吸着剤を用いた時に露点−60℃以下に保持して除湿運転できる時間を100とした場合、連続運転後の定常状態にて吸着剤の除湿性能を評価した結果、露点−60℃に保持して除湿運転できる時間は70であり、吸着剤の再生率は70%であった。吸着剤の温度上昇について確認するため、除湿運転時の吸着剤層内の温度を連続測定した結果、最大温度は新品の吸着剤を用いた場合は60℃であったが、連続運転後の定常状態では40℃であり、吸着運転時の吸着熱による温度上昇を抑制することができることを確認できた。
【実施例2】
【0092】
実施例1と同じ手法にて、再生用加熱ガス流量を変化させた時の再生率の評価を行った。その結果、再生用加熱ガス流量2.5Nm3/h(流量比1/40)のとき、再生率は50%であった。また、これ以下の流量のときは再生率が著しく低下した。一方、再生ガス流量20Nm3/h(流量比1/5)のとき、再生率は80%であり、それ以上の流量のときは、再生率の大幅な向上は見られなかった。
【符号の説明】
【0093】
10 除湿手段
20 再生手段
31 露点計
32 再生運転制御手段
33,34 加熱ガス流量調整手段
50 カートリッジ
52 充填層
52A 冷却水管
52B 冷却ジャケット
【技術分野】
【0001】
本発明は、水分を含む原ガスの除湿装置に関し、特に、吸着剤により水分を吸着させ除去して乾燥ガスを得る除湿装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、様々な産業分野において高度な除湿システムが求められるようになっている。特に、電機製造分野や電子分野では、リチウムイオン電池、偏光フィルム、半導体、有機ELなどの製造工程において、非常に低い湿度管理が求められるため、専用の低露点空間が工場内に設けられ、低露点空間への乾燥空気の供給に除湿システムが使用される。また、一般空調分野でも、ビル空調向けや、スーパーマーケットにおける冷蔵、冷凍ショーケースへの着霜防止のための店内空調や、病院や福祉施設における冷房病防止のため室温を下げずに除湿する空調に、除湿システムが使用される。
【0003】
除湿にも様々な方式があるが、中でも吸着により水分を除湿する吸着剤を用いる方式(以下、デシカント空調方式)は、エネルギー効率に優れ、ガス温度を低下させることがなく、また冷媒としてフロンを使用しないため、普及が進んできている。
【0004】
デシカント空調では、除湿ロータを用いた方式が提案されている(特許文献1,2参照)。これらの特許文献1そして特許文献2の装置においては、吸着剤を備えたハニカム構造体の除湿ロータを回転させ、吸着除湿と脱着再生を行うこととしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−336637
【特許文献2】特開2003−214655
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1,2に開示されている除湿ロータを用いる方式では、原ガス中の水分を吸着剤に吸着させる際に発生する吸着熱が、吸着剤構造体内部に蓄積することを抑制するため、ハニカム構造体を採用し、熱の放散を容易にしている。また、ハニカム構造体であるため、通ガス時の圧力損失を低く抑えるようにしている。
【0007】
一方、ハニカム構造体による除湿ロータを採用しているため、装置構成が複雑で大掛かりであり、吸着除湿効率が低いという問題や運転コストが高いという問題がある。すなわち、除湿ロータはハニカム構造体であるため空隙が多く吸着剤構造体の体積当たりの吸着剤比表面積が小さく、吸着除湿効率が低いという問題がある。また、このような構造であるため、短時間で完全に再生を行おうとすると、再生時に供給する加熱ガス流量の除湿ガス流量に対する比率が30%から100%となって、過大となり、結果として送風ファンや加熱ヒータの運転費用が過大となり運転コストが高くなる。
【0008】
そこで、本発明は、装置全体のコンパクト化を図ると共に原ガスから水分の除湿そして吸着剤の再生を効率的に行うことが可能な除湿装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る除湿装置は、水分を含有する原ガスから水分を除去し乾燥ガスを得る。
【0010】
かかる除湿装置において、本発明は、原ガス中の水分を吸着して除湿する吸着剤を収納する吸着塔と、原ガス中の水分を吸着させ除湿を行うために該吸着塔に原ガスを送る除湿手段と、水分を吸着した上記吸着剤から水分を脱着して吸着剤の再生を行うために上記吸着塔に加熱ガスを供給する再生手段とを備え、上記吸着塔に収納される吸着剤が、吸着塔内に装入及び取り外し可能なカートリッジとして形成され、該カートリッジは、上記吸着剤により形成された平板状の充填層が、複数平行となるように配置されていると共に、各充填層の一方の側面側に供給された原ガスが、上記充填層を通過して他方の側面側に抜けるようなガス流を形成するように構成されていることを特徴としている。
【0011】
かかる構成の本発明にあっては、吸着塔は、除湿手段と協働して吸着剤によって原ガス中の水分を除湿すると共に、再生手段と協働して吸着剤が吸着した水分を脱着して吸着剤を再生する。吸着塔に設けられた吸着剤は、本発明においては、平板状の充填層として形成され、カートリッジ内に該充填層が平行に複数配置されており、各充填層に対し一方の側面側から供給された原ガスあるいは加熱ガスが該充填層を透気して抜け他方の側面側に至り排気される。原ガスが透気するときには充填層で吸着剤により原ガス中の水分が吸着除去され、加熱ガスが透気するときには吸着された水分が充填層の吸着剤から脱着除去されて吸着剤が再生される。
【0012】
本発明では、充填層のガスとの接触面積が大きいこと、充填層がカートリッジ内で平行に複数配置されていることに起因して、原ガス中の水分の除湿そして吸着剤の再生が効率的に行われると共に、吸着剤量が少なくても十分に除湿できるため、除湿装置が小型化される。
【0013】
本発明において、吸着塔は、吸着剤充填層内に冷却水管を備えることが好ましい。
【0014】
本発明において、吸着塔は、吸着剤充填層内に冷却・加熱管を備え、冷却・加熱管は、原ガスの除湿を行う時に冷却媒体の供給を受け、吸着剤の再生を行う時に加熱媒体の供給を受けることが好ましい。
【0015】
本発明において、吸着塔は、吸着剤充填層を冷却する冷却ジャケットを備えることが好ましい。
【0016】
本発明において、吸着塔は、吸着剤充填層を冷却及び加熱する冷却・加熱ジャケットを備え、冷却・加熱ジャケットは、原ガスの除湿を行う時に冷却媒体の供給を受け、吸着剤の再生を行う時に加熱媒体の供給を受けることが好ましい。
【0017】
本発明において、再生手段は、原ガスの露点温度を計測する露点計と、露点計により計測された原ガスの露点温度計側値に基づき、吸着剤の再生を行う時に再生手段が吸着塔に供給する加熱ガスの温度及び流量のうち少なくとも一つを調整する再生運転制御手段を備えることが好ましい。
【0018】
本発明において、再生手段は、吸着塔から排出される乾燥ガスの露点温度を計測する露点計と、露点計により計測された乾燥ガスの露点温度計側値に基づき、吸着剤の再生を行う時に再生手段が吸着塔に供給する加熱ガスの温度及び流量のうち少なくとも一つを調整する再生運転制御手段を備えることが好ましい。
【0019】
本発明において、吸着塔は少なくとも二つ設けられていて、一つの吸着塔において除湿を行うとともに、他の吸着塔において吸着剤の再生を行うように、除湿手段と再生手段とが構成されているようにすることができる。こうすることで、一方の吸着塔と他方の吸着塔で、除湿と再生を交互に行うことができ、その結果、除湿と再生を中断させることなく連続して実行できる。
【0020】
本発明において、吸着塔は少なくとも二つのカートリッジを備え、一つのカートリッジにおいて除湿を行うとともに、他のカートリッジにおいて吸着剤の再生を行うように、除湿手段と再生手段とが構成されているようにすることができる。こうすることで、吸着塔が一つでも、二つのカートリッジの切り換えにより、吸着塔全体としては、除湿と再生を中断なく連続して実行できる。
【0021】
本発明において、再生手段が、吸着塔から抜き出された乾燥ガスの一部、大気中から得る空気及び乾燥ガスの一部と大気中から得る空気との混合ガスのうちいずれかを加熱し加熱ガスとして吸着塔に供給する手段を備えることが好ましい。こうすることにより、吸着除湿後の乾燥ガスの一部を吸着剤の再生のために有効利用できる。この乾燥ガスに代えて、もしくは一緒に、大気中の空気を用いることもできる。
【0022】
本発明において、再生手段が、吸着塔から抜き出された乾燥ガスの一部、大気中から得る空気及び乾燥ガスの一部と大気中から得る空気との混合ガスのうちいずれかを、吸着剤に吸着させた水分を脱着して吸着塔から抜き出された含水ガスとの熱交換により、予熱する手段を備えることが好ましい。こうすることにより、再生に使用する乾燥ガスの一部等の加熱用として上記含水ガスが保有する熱を予熱に有効利用して、加熱のための手段の負担を軽減する。
【0023】
本発明において、再生手段が、吸着塔に新品の吸着剤を収納した時に所定の除湿度(露点温度)を保持して除湿を行うことができる時間に対する、吸着剤を再生した後に所定の除湿度を保持して除湿を行うことができる時間の比率である再生率を50%以上80%以下とするように、吸着剤の再生のために供給する加熱ガスの流量を調整する加熱ガス流量調整手段を備えることが好ましい。
【0024】
本発明において、再生手段が、吸着塔に供給する加熱ガスの流量を、吸着塔から抜き出す乾燥ガスの流量の1/40以上1/5以下に調整して供給する加熱ガス流量調整手段を備えることが好ましい。
【0025】
本発明において、吸着塔が、脱臭用吸着剤をさらに収納することが好ましい。こうすることにより、吸着剤により原ガス中の水分を吸着して除湿するとともに、脱臭用吸着剤により原ガスを脱臭することができる。除湿用吸着剤と脱臭用吸着剤を混合して充填層を形成してもよいし、除湿用吸着剤の充填層の下流側に脱臭用吸着剤の充填層を形成するように構成してもよい。脱臭用吸着剤としては、活性炭や、ゼオライト等の無機吸着剤を用いる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、以上のように、吸着剤を平板状の充填層として、これをカートリッジ内に複数平行に配列させて、吸着塔に備えることとしたので、装置全体のコンパクト化を図ると共に、原ガス中からの除湿、吸着剤の再生を効率的に行うことが可能な除湿装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係る除湿装置の第一実施形態装置を示す概略構成図である。
【図2】本発明に係る除湿装置の第二実施形態装置を示す概略構成図である。
【図3】本発明に係る除湿装置の第三実施形態装置を示す概略構成図である。
【図4】本発明に係る除湿装置の第四実施形態装置を示す概略構成図である。
【図5】本発明に係るカートリッジの構成の一例を示す図である。
【図6】本発明に係るカートリッジに用いられる充填層の一例を示す図である。
【図7】本発明に係るカートリッジに用いられる充填層の他の例を示す図である。
【図8】本発明に係る再生手段でのガス引込量の制御の一例を示す図である。
【図9】本発明に係る再生手段でのガス引込量の制御の他の例を示す図である。
【図10】本発明に係る再生手段でのガス引込量の制御のさらに他の例を示す図である。
【図11】本発明に係る再生手段でのガス引込量の制御のさらに他の例を示す図である。
【図12】再生ガス量/除湿ガス量と再生率の関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付図面にもとづき、本発明の実施の形態を説明する。
【0029】
図1は、本発明に係る除湿装置の第一実施形態を示す概略構成図である。図1に示すように、本実施形態の除湿装置は、水分を含有するガス(以下、「原ガス」ともいう)中から水分の吸着除湿を行い、水分を吸着した吸着剤の再生を行う装置である。本実施形態における除湿装置は、原ガス中の水分を吸着させるための吸着剤を収納する同一構成の二つの吸着塔A,Bと、原ガス中の水分を吸着させ除湿を行うためにこの吸着塔A,Bに原ガスを送る除湿手段10と、水分を吸着した吸着剤から水分を脱着して吸着剤の再生を行うために吸着塔A,Bに加熱ガスを供給する再生手段20とを有する。本実施形態では、上記吸着塔A,Bに収納される吸着剤が充填された平板状の充填層を平行に複数配置してカートリッジとして構成されていて、吸着塔内に装着及び取り外しが可能、つまり着脱可能となっている。このカートリッジについては、後に詳述する。
【0030】
本実施形態では、上記除湿手段10と再生手段20は、一方が吸着塔Aに接続されているときは他方が吸着塔Bに接続され、そして、その逆の接続も交互になされるように、接続切り換え可能となっている。図1は、除湿手段10が吸着塔Aに、そして再生手段20が吸着塔Bに接続されている状態を示している。
【0031】
上記除湿手段10は、図1の状態において、原ガスを吸着塔A内に導入するための導入配管11と、この導入配管11の途中に設けられ、原ガス中のダストを除去するフィルタ12、原ガスを吸着塔A内に所定の圧力で導入するためのファン13、後述するクーラ14とにより構成されている。原ガスは、上記ファン13により所定の圧力に加圧されて、吸着塔Aのガス流入側から塔内へ供給される。吸着塔A内に供給された原ガスは、収納される吸着剤の間を通過する際に、その中に含有される水分が吸着剤に吸着され、除湿された乾燥ガスが吸着塔のガス流出側から抜き出され、クーラ14により冷却され、除湿空間16に送られる。除湿空間16内のガスの一部が、一部循環ガスとして抜き出され、原ガスと混合されて除湿される。
【0032】
一方、上記再生手段20は、図1の状態において、吸着剤に吸着された水分を脱着するために該吸着剤を加熱する加熱ガスを上記吸着塔Bに供給する導入配管21と、吸着塔Bから含水ガスを排出する排出配管22と、上記導入配管21の途中に設けられたヒータ23と、ヒータ23へ上記吸着塔Aからの冷却前の乾燥ガスの一部または大気を圧送するファン24と、該ファン24で送られる上記乾燥ガスの一部または大気を、上記排出配管22を流れる含水ガスと熱交換して予熱する間接熱交換器25と、大気のダストを除去するフィルタ26とを有している。この予熱された上記乾燥ガスの一部または大気はヒータ23で加熱され、加熱ガスとなって吸着塔Bへ供給され、ここで吸着剤を加熱して水分を脱着する。水分脱着後の含水ガスは、吸着剤を加熱した後も熱を保有しており、上記間接熱交換器25でファン24からの乾燥ガスの一部または大気を間接熱交換により予熱する。また、図示していないが、吸着剤の再生に用いるガスとして、吸着塔Aからの冷却前の乾燥ガスの一部と大気とを混合したガスを加熱して用いてもよい。
【0033】
本実施形態では、図1に示すように、一方の吸着塔Aで原ガス中の水分の吸着、除湿を行っている間に、他方の吸着塔Bにおいて、吸着剤に吸着させた水分の脱着、再生を行う。逆に、吸着塔Bで原ガス中の水分の吸着、除湿を行っている間は、吸着塔Aにおいて、吸着剤に吸着させた水分の脱着、再生を行う。このように、吸着除湿と脱着再生をそれぞれの吸着塔A,Bで交互に行うことで、原ガスの吸着除湿処理を連続して行うことができる。
【0034】
図1の例では、上述したように、二つの吸着塔A,Bに対して、除湿手段10そして再生手段20を交互に切り換え可能に接続されているが、吸着塔A,Bのそれぞれに対して、除湿手段10と再生手段20の両方を専用に備えるようにして、それぞれの吸着塔A,Bにおいて、専用の除湿手段10と再生手段20とを切り換えて使用するようにしてもよい。
【0035】
このようにして、吸着塔A,Bと、除湿手段10そして再生手段20とにより、原ガスの吸着除湿と吸着剤の脱着再生は、連続的になされる。その際、原ガスの吸着除湿を行っている吸着塔Aと、吸着剤の脱着再生を行っている吸着塔Bの作動について、以下、さらに詳述する。
【0036】
<吸着塔A>
除湿処理前に水分を含んでいる原ガスをフィルタ12により除塵し、ファン13により吸着塔Aに供給する。水分は吸着剤に吸着され原ガスが除湿される。吸着剤は吸着熱により、発熱するので、除湿後のこの乾燥ガスの利用用途により、必要に応じてクーラ14で冷却する。冷却後の乾燥ガスは、適宜、除湿空間16等の利用設備に供給される。除湿空間16から空間内ガスの一部が、一部循環ガスとして抜き出され、原ガスと混合されて除湿される。
【0037】
<吸着塔B>
水分を吸着した吸着剤に、加熱ガスを導入配管21を経て供給し、吸着剤を加熱して水分を脱着し、吸着剤を再生する。吸着塔Aから抜き出された冷却前の乾燥ガスの一部をファン24を介しヒータ23により、吸着剤の水分脱着に適した温度(100〜140℃)に加熱し、加熱ガスとすることができる。
【0038】
吸着塔Bから排出配管22を経て抜き出された含水ガスは、高温であるので熱エネルギーを利用するため、排出配管22を流通している間に、間接熱交換器25で、導入配管21内の冷却前乾燥ガスと間接熱交換して予熱に用いられる。間接熱交換器25で熱交換により冷却された含水ガスは大気中へ放散される。
【0039】
本実施形態では、吸着塔Aから抜き出される冷却前の乾燥ガスの一部を再生用ガスとして用いることにより、吸着剤が吸着熱により発熱してこのガスが保有する熱量を、再生のための熱エネルギーの一部として有効利用でき、ヒータ23で要する加熱エネルギーを低減でき、その結果、運転費を低減することができる。
【0040】
また、再生用ガスとして大気を用いる場合に比べて、湿度の低い乾燥ガスを再生用として用いるため水分の脱着効率が高い。言うまでもないが、本実施形態では、再生用ガスとして冷却前の乾燥ガスに代え、大気を用いてもよいし、あるいは、冷却前の乾燥ガスと大気を併用してもよい。
【0041】
吸着塔B内で脱着再生された吸着剤は、加熱されたままで、また冷却されていない状態であるので、吸着除湿に適した温度にまで冷却される。この冷却は、自然放冷でも乾燥ガスとの接触による冷却でも、あるいは吸着剤充填層内に設けた冷却管や水冷ジャケットによる冷却でもよい。適温にまで温度が低下した後、吸着除湿運転に供される。除湿に用いる吸着剤としては、ゼオライト、シリカゲル等の一般的な除湿剤を使用できる。
【0042】
水を吸着した吸着剤を加熱ガスにより加熱し脱着して再生する際、吸着塔Bにおける吸着剤の再生率は50%以上80%以下とすることが好ましい。ここで、 再生率とは、吸着塔に新品の吸着剤を収納した時に所定の除湿度(露点温度)を保持して除湿を行うことができる時間に対する、吸着剤を再生した後に所定の除 湿度を保持して除湿を行うことができる時間の比率をいう。再生率の好ましい範囲の根拠は、以下のとおりである。
【0043】
すなわち、再生率が50%より低いと、除湿運転できる時間が短くなり、頻繁に吸着塔の除湿運転と再生運転とを切り替える必要があり、吸着塔内で脱着再生された吸着剤を冷却するのに自然放冷や少量の冷却用ガスの送風では間に合わず、多量の冷却用ガスの送風や冷却管、水冷ジャケットによる冷却が必要となり、そのための冷却エネルギーが嵩み 好ましくない。
【0044】
また、吸着剤充填層内で吸着剤が水分を吸着している帯域を吸着帯というが、再生率が80%より高くなると、比較的狭い吸着帯の吸着剤で水分の吸着が生じるようになり、水分吸着時に発生する吸着熱による発熱が局所的に発生するため、吸着剤温度の過度な上昇を招き、平衡吸着量が低下し、吸着除湿性能が低下する。更に、再生ガス流量の増加割合と比較して、吸着剤における再生率の増加割合が低下するため、エネルギー効率が低くなるため、好ましくない。
【0045】
このように、吸着剤の再生率を50%以上80%以下とすることにより、再生した吸着剤を吸着除湿に用いるとき、除湿効率を大きく低下させることなく、水分の吸着熱による吸着剤温度の上昇を原ガスの水分濃度に合わせて適切な範囲に制御でき、平衡吸着量の低下による吸着除湿性能の低下を抑制できるし、また、乾燥ガスをクーラにより冷却することを不要にするか、少なくできるので、運転費を低減できる。
【0046】
水を吸着した吸着剤を加熱ガスにより加熱し脱着して再生する際、上記のように、再生率を50%以上80%以下とするように、吸着塔に供給する加熱ガスの流量を調整する加熱ガス流量調整手段を備えることが好ましい。吸着塔Aから抜き出された冷却前の乾燥ガスの一部を、吸着剤を脱着再生する吸着塔Bに供給し、再生用加熱ガスとして用いる場合について、以下に説明する。
【0047】
吸着塔Aから抜き出された冷却前の乾燥ガスの一部を、吸着剤を脱着再生する吸着塔Bに供給し、再生用加熱ガスとして用いる場合に、吸着塔Aから排出される冷却前の乾燥ガスのガス流量(除湿ガス量)に対する、吸着塔Bに再生用加熱ガスとして供給する再生ガス量の流量比(再生ガス量/除湿ガス量)を変えたときの再生率との関係を、種々の再生運転条件について、求めた結果を図12に示す。
【0048】
図12に表すように、流量比が1/40のとき再生率が50%であり、流量比が1/5のとき再生率が80%である。このことから、流量比を1/40以上1/5以下とすると、吸着剤を再生率50%以上80%以下に再生することが容易に行えることが分かる。
すなわち、吸着塔Aから排出される冷却前の乾燥ガスのガス流量の1/40以上1/5以下の流量比で、吸着塔Aから抜き出された冷却前の乾燥ガスの一部を、吸着塔Bに再生用加熱ガスとして供給することが好ましい。流量比を1/40未満とすると、再生率が50%未満となり好ましくないし、吸着剤から水を脱着する効率が著しく低いために再生運転時間が長大になり好ましくない。流量比を1/5より大きくすると、再生率が80%となり好ましくないし、再生ヒータによる加熱効率が低下し、ヒータとして加熱容量が過大なものを必要とするので好ましくない。
【0049】
図1に示された第一実施形態においては、吸着塔を吸着塔A,Bとして2基設置する場合を示していたが、図2に示される第二実施形態のように、吸着塔を3基以上設置してもかまわない。この場合、それぞれの吸着塔を、吸着除湿、脱着再生、冷却の各工程に振り分けて運転することができる。
【0050】
第二実施形態を示す図2において、図1の第一実施形態と同一部位には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0051】
本実施形態では、第一実施形態の場合と同様に、除湿手段と、再生手段の両方を切り換え可能に有している同一構成の吸着塔を三つ有している。さらに、本実施形態では、除湿手段と再生手段とが三つの吸着塔A,B,Cに対して順次切り換え可能に設けられている。図示の例では、吸着塔Aに対しては除湿手段が作用している状態、吸着塔Bに対しては再生手段が作用している状態、そして吸着塔Cに対しては自然放冷等による冷却状態で示されている。
【0052】
かかる第二実施形態では、各吸着塔A,B,Cが除湿、再生、冷却工程を一サイクルとし順に繰り返すが、その際、各吸着塔A,B,Cは、それぞれ一工程ずつずれて、行われる。換言すれば、同一時期には、各吸着塔で除湿、再生、冷却がそれぞれ行われている。上記冷却は、第一実施形態の場合同様、自然放冷でも冷却後の乾留ガスの一部による冷却でもよい。
【0053】
このような第二実施形態では、三つの吸着塔A,B,Cに対して、再生手段のヒータは、常時いずれかの吸着塔に加熱ガスを供給すべく作動しているので、二つの吸着塔A,Bが設置され除湿、再生、冷却工程を繰り返し、冷却工程中はヒータが停止する場合に比べて、熱ロスがないので、その分、運転費を低減できる。
【0054】
図3に示される第三実施系形態では、一つの吸着塔内に2基のカートリッジ50,50を独立の2系統として分割して設置されている二段カートリッジの形態となっている。この場合、吸着塔内のそれぞれの系統において吸着除湿操作、あるいは脱着再生操作が可能となる。これにより、従来2塔必要であった吸着塔を1塔とすることが可能となり、装置全体を更にコンパクト化することが可能となる。なお、図3では図示を省略し、一つのカートリッジ50で原ガス中の水分の吸着除湿を行う場合の除湿手段と、他のカートリッジ50で吸着剤に吸着させた水分の脱着、再生を行う場合の再生手段とのみを記載しているが、二つのカートリッジ50には、それぞれ除湿手段及び再生手段を共に有しているか、除湿手段及び再生手段との接続を切り換えるようにしている。
【0055】
ここでは、図1に示す第一実施形態の場合と同様に、原ガス中から水分の除湿を行った乾燥ガス、つまり一つのカートリッジ50を通過した乾燥ガスの一部を脱着再生中の他のカートリッジ50に再生用ガスとして供給するようにしている。
【0056】
本発明においては、第四実施形態として図4に示されるように、一つの吸着塔内に3基のカートリッジ50,50,50を独立の3系統として分割して設置してもよい。この場合、吸着塔内のそれぞれの系統で、吸着除湿操作、脱着再生操作、冷却操作がそれぞれ可能になる。吸着塔が1塔となって装置がコンパクト化することは、第三実施形態と同様である。また、この第四実施形態でも三つのカートリッジ50には、それぞれ除湿手段及び再生手段を共に有しているか、除湿手段及び再生手段との接続を切り換えて、除湿、再生、そして冷却を順次行うようにすることができる点でも、第三実施形態に類似している。
【0057】
次に、第一ないし第四実施形態で採用されるカートリッジ式吸着剤充填層構造について説明する。
【0058】
<カートリッジ式吸着剤充填層構造>
本発明のカートリッジ式吸着剤充填層構造を側流式複層構造ということもある。
【0059】
図5に、本実施形態のカートリッジ50の構成の一例を示す。図5に示すように、該カートリッジ50は、例えば、原ガスに対して耐腐食性を有する剛体で構成される筺体51の内部に、既述の吸着剤により形成された平板状の充填層52を、それぞれが平行となるように、さらには、好ましくはそれぞれが面対称となるように複数配置することにより構成される。そして、この筺体51を吸着塔A,B内部に、装入及び取り外し可能、つまり着脱可能に構成することで、カートリッジとしての吸着剤が構成できる。ここでは、吸着剤をカートリッジ構造として、吸着塔内に着脱可能とすることで、吸着剤の交換や装置内の点検等のメンテナンスを容易に行なうことが可能となる。
【0060】
ここで、上記充填層52の構成の一例について説明する。この充填層52は、その外枠となる収納ケースに、吸着剤を充填することで構成できる。なお、該収納ケースには、その中に充填される吸着剤の交換を容易とするための開閉可能な蓋部が設けられており、吸着剤は、収納ケース内において、該蓋部との隙間がなく圧密充填される。収納ケース内に吸着剤を圧密充填する方法としては、例えば、バイブレータで振動を与えながら充填する、充填時に棒などで上から押さえつけるなどの方法が挙げられる。また、吸着剤と蓋部との間にも隙間が生じない様に、グラスウールなどの緩衝材を用いて圧着させてもよい。これにより、この充填層52を通過する原ガスのショートパス(吸着剤を透過しない吹き抜け)を防止でき、吸着剤と原ガスとの接触効率を高くすることが可能となる。さらに、原ガスの充填層52を通過する流速を速くした場合においても、吸着剤の流動を防止できる。
【0061】
上記収納ケースの形状は、充填層52内を原ガスが均一に通過できること、さらに、ケースの製作が比較的容易であることなどを考慮すると、平板状が一般的であるが、この収納ケースが、実質的に平行な表裏1組の面を、一方をガス流入側面、他方をガス流出側面として有していれば平板状に限られるものではない。
【0062】
また、上記収納ケースの材質は耐久性、耐熱性の観点から鋼鉄製、ステンレス製などの金属製とすることが好ましく、また、ガス流入側面及びガス流出側面は、これらの金属からなる金網、パンチングメタル(打抜金網)などの通気性を有する素材から形成することが好ましい。上記ガス流入側面及びガス流出側面は通常は平面であり、また、互いに実質的に平行であることが好ましい。なお、これらガス流入側面及びガス流出側面は通常は共に四角形で、かつ、面対称とすることが好ましい。
【0063】
また、吸着剤としては、シリカゲルやゼオライト等の無機吸着剤を用いることができ、吸着、脱着性能に優れた吸着剤が好ましい。使用する吸着剤の粒径は、小さいほど吸着/脱着速度が上がり有利である。しかし、粒径が小さすぎる場合は、充填層52での圧力損失が大きくなってしまう。また、上記収納ケースにおけるガス流入側面及びガス流出側面として必要な強度を確保しながら、より粒径の小さい吸着剤の保持が可能な、充分に小さい孔を有するガス透過面の作製が困難ないし実用的でなくなる。そのため、吸着剤の粒径は0.5〜2.4mm程度のものが好ましい。
【0064】
次に、図5により、カートリッジ50内でのガス流れの挙動を説明する。原ガスは、図5に示すように、上記カートリッジ50のガス流入側に設けられた流入口53から、上記カートリッジ50の内部に配置された充填層52の一方の側面側であるガス流入側面側にのみ供給される。そして、上記充填層52のガス流入側面側に供給された原ガスは、充填層52を通過して他方の側面側であるガス流出側面側に抜けて、上記カートリッジ50のガス流出側に設けられた流出口54から排出される。このように、カートリッジ50内に供給された原ガスは、いわゆる側流式のガス流れを形成するように、吸着剤の充填された充填層52を通過するように構成される。
【0065】
上記カートリッジ50の内部には、複数の充填層52が平行となるように、好ましくはそれぞれが面対称となるように配置されているが、充填層52を挟んで一方の側面がガス流入側面、他方の側面がガス流出側面となるように配置される。ここで、充填層52のガス流出側面側のガス流入側(図では上方)には、原ガスが直接供給されないように、ガスの進入を遮断するための遮断板55が設けられている。また、充填層52のガス流入側面側のガス流出側(図では下方)には、充填層52を通過しないガスがそのままカートリッジ50の外に排出されないように遮断板55が設けられている。これにより、充填層52のガス流入側面側に供給された原ガスは、必ず充填層52を通過して、ガス流出側面側から排出されるという側流式のガス流れが形成される。
【0066】
カートリッジ50内において、充填層52を、複数が平行となるように、好ましくはそれぞれが面対称となるように配置し、さらに、原ガスのガス流れを側流式のガス流れとすることで、カートリッジ50内における原ガスの流れが均一化され、原ガスが接触する充填層52の有効面積を大きくとることが可能となる。これにより、吸着剤と原ガスとの接触効率が高まり、高い吸着性能が発揮され、同じ吸着性能の装置であれば吸着塔A,Bの設置面積を小さくすることが可能となり、設備費及びランニングコストを低減でき経済的である。さらに、原ガスが接触する充填層52の有効面積を大きくとることができるため、充填層52を通過する原ガスの流速が遅くなり、充填層52での圧力損失が小さく、ファン又はブロワーが小型化でき経済的である。
【0067】
カートリッジ50内に供給された原ガスは、充填層52を通過する際に、その中に含有される水分が吸着剤に吸着される。これにより、充填層52を通過し、水分が吸着剤に吸着され除湿された乾燥ガスがカートリッジ50から排出される。
【0068】
ここで、上記充填層52の層厚は、10mm以上、100mm以下とすることが好ましく、さらに好ましくは30mm以上、50mm以下である。
【0069】
本発明においては、上述の構成とすることで、カートリッジ50内における原ガスのガス流れが均一化され、原ガスが接触する充填層52の有効面積を大きくとることが可能となる。そのため、充填層52の層厚を、好ましくは10mm以上、100mm以下、さらに好ましくは30mm以上、50mm以下と薄くした場合においても、原ガス中から水分を除湿するために必要な吸着剤との最低限の接触時間を確保できる。また、充填層52の層厚を薄くできるため、充填層52を通過する際の圧力損失を低く抑えることが可能となる。これにより、低圧損と吸着及び脱着性能を共に両立でき、非常に効率的である。
【0070】
また、充填層52は、層厚が100mm以下と薄いため、原ガス中の水分が吸着剤に吸着する時に発生する吸着熱の放熱が容易であり、吸着剤の温度上昇による吸着性能の低下が防止できる。さらに、加熱ガスを供給し吸着剤を加熱して脱着再生を行う場合は、吸着剤における熱の出入りを早くでき、温度変化が迅速に行われるため、効率的に再生運転することができる。
【0071】
ここで、上記充填層52の設置数は、原ガスの流量や水分の含有率等により適宜設定し得るものである。
【0072】
また、本発明においては、吸着塔内において、上記カートリッジ50を2基以上分割して吸着塔内に並列または直列に設置してもよい。この場合、それぞれのカートリッジ50を、独立に吸着塔A,B内に装入及び取り外し可能、つまり着脱可能に構成することが好ましい。
【0073】
吸着塔内にカートリッジを並列に設置する場合は、吸着塔の圧力損失を低く維持することが可能となる。また、カートリッジを直列に設置する場合には、その分圧力損失は上昇するものの、本発明においては、上述のカートリッジ構造とすることで、そもそもカートリッジ1基あたりの圧力損失が低いため、問題にならない程度に維持できる。
【0074】
さらに、吸着剤の性能が劣化した場合や、原ガス側のフィルタ等の除塵設備の不具合等により原ガス中に含まれるダストが増加し、それが吸着剤に堆積した場合等においても、上流側のカートリッジから交換することで、全ての吸着剤を交換する必要が無くなり、非常に効率的である。また、カートリッジ構造とすることで交換も容易である。なお、カートリッジの配置を並列、直列いずれに配置するか、あるいはどのようにこれらを組み合わせて配置するかは、装置の使用条件等に応じて適宜設定し得るものである。
【0075】
このように、吸着剤充填層を側流式複層構造とすることにより、吸着剤充填層の体積当たりの吸着剤比表面積を大きくすることができ、吸着除湿効率、脱着再生効率を高くすることができる。
【0076】
また、吸着剤層を薄く、多層にしているので、吸着除湿時に発生する吸着熱を効果的に放熱でき、吸着除湿性能の低下を抑制できる。
【0077】
さらに、吸着除湿時に吸着塔の抜熱を行うことを省略または小さくすることができるので、装置をコンパクトにできる。
【0078】
さらに、脱着再生時に吸着剤に供給する加熱ガス量を従来技術に比べて低減できるので装置をコンパクトにでき、再生ヒータの運転費を低減できる。
【0079】
上述のカートリッジ50内の吸着剤の各充填層52は、図6のごとく、冷却水管52Aを備えていることが好ましい。冷却水管52A内に冷却水を流通させることにより、除湿時には吸着剤を容易に冷却でき、再生後の冷却時には吸着剤を容易に冷却できる。また、これに代えて、図7のごとく、例えば充填層52の側面(図示では、両側面)に冷却ジャケット52Bを備えるようにしてもよい。冷却ジャケット52Bは、図示の例の場合、枠状をなしていて、その窓部で原ガスと乾燥ガスの貫流を許容しており、上記吸着剤あるいは乾燥ガスを冷却する。
【0080】
本発明にあっては、吸着塔は、吸着剤充填層を冷却及び加熱する冷却・加熱ジャケットを備え、冷却・加熱ジャケットは、原ガスの除湿を行う時に冷却媒体の供給を受け、吸着剤の再生を行う時に加熱媒体の供給を受けるようになっていることが好ましい。この構成は、図7のジャケットを冷却用と加熱用に切り換えて用い、ジャケットに流通させる媒体をその時期によって変えることにより実施できる。すなわち、除湿運転時には、冷却媒体(例えば、冷水)をジャケットに供給し、再生運転時には、加熱媒体(例えば、蒸気)を供給する。
【0081】
本発明にあっては、除湿されるべき原ガスの状況に応じて、再生運転条件を変えて装置を運転制御することが好ましい。例えば、図8のように、原ガスの露点温度を計測する原ガス露点計31をフィルタ12の手前位置に設けると共に、冷却前の乾燥ガスの一部を吸着塔Aから再生手段のファン24へ導く管路に乾燥ガスダンパ33を、そして上記ファン24へ大気を導く管路に大気ダンパ34を設け、再生運転制御装置32で、上記露点温度の計測値に基づき上記ファン24から送風する再生用加熱ガスの流量を調整する。上記乾燥ガスダンパ33、大気ダンパ34がファン24と相俟って加熱ガス流量調整手段を形成する。
【0082】
具体的には、原ガスの露点温度が低いとき(低水分率のとき)は、乾燥ガスの湿度が低いので、吸着剤充填層での水分が脱着し易くなるため、再生手段のファン24でのガスの引込量を低減させ、ヒータ23による加熱量を低減できる。その結果、運転費が抑制される。上記ファン24から送風する再生用加熱ガスの流量の調整は、図8のごとく、ファン24の回転数をインバータ等により調整して送風量を調整することによってできるし、図9のごとく、乾燥ガスダンパ33と大気ダンパ34の開度を変えることによってもできる。図9の実施形態では、原ガスの露点温度が低いとき、大気ダンパ34の開度を小さくし、乾燥ガスダンパ33の開度を大きくするか固定の開度として、乾燥ガスの割合を大きくして、かつファン24から送風する再生用ガスの流量を少なくする。その結果、ヒータ23による加熱量を低減でき、運転費が抑制される。また、上記原ガスの露点温度に応じて、加熱ガスの温度を変えるようにヒータ23の加熱量を調整することもできる。
【0083】
上記再生手段のファン24でのガスの引込量は、図8、図9のごとくに除湿手段への原ガスの露点温度の計測値に基づいて調整することに代え、除湿した乾燥ガスを供給する除湿空間(図示せず)に設けた露点計により計測した除湿空間の露点温度の計測値に基づいて調整するようにしてもよい。
【0084】
また、上記再生手段のファン24でのガスの引込量は、図8、図9のごとくに除湿手段への原ガスの露点温度の計測値に基づいて調整することに代え、図10、11のごとく、吸着塔Aからの冷却前の乾燥ガスの露点温度を乾燥ガス露点計31’を用いて計測し、その計測値に基づいて制御できる。この場合も、図8、図9のときと同様に、乾燥ガスの湿度が低いときには、再生手段のファン24でのガスの引込量を低減させる。これは、図10のように、ファン24の送風量を制御してもよいし、図11のように、乾燥ガスダンパ33あるいは大気ダンパ34の開度を制御してもよい。
【0085】
以上、本発明においては、吸着剤をカートリッジ構造としているため、吸着塔内でのレイアウトをある程度自由に変更することが可能となる。これにより、目的に合った最適のレイアウトに吸着剤を配置できる。さらに、カートリッジの内部構造を上述の構成とすることで、装置全体のコンパクト化を図ると共に原ガスからの水分の除湿、吸着剤の再生を効率的に行うことが可能な除湿装置が提供される。
【0086】
本発明にあっては、吸着塔が、原ガスを脱臭する吸着剤をさらに収納することが好ましい。こうすることにより、吸着剤により原ガス中の水分を吸着して除湿するとともに、脱臭用吸着剤により原ガスを脱臭することができる。除湿用吸着剤と脱臭用吸着剤を混合して充填層を形成してカートリッジ構造としてもよいし、除湿用吸着剤の充填層を設けたカートリッジの下流側に脱臭用吸着剤の充填層を設けたカートリッジを設けるように構成してもよい。吸着塔に原ガスを脱臭する吸着剤の充填層を設けることにより、空調対象の空間から導いた空気から、アンモニア系やアセトアルデヒド系臭気成分等の臭気を除去して、脱臭され除湿された快適な空気を供給することができる。脱臭用吸着剤としては、活性炭や、ゼオライト等の無機吸着剤を用いる。
【0087】
本発明にあっては、大気中から空気を導くファンの入り口側に、花粉を捕集するフィルタを設けるようにして、花粉が除去され除湿された快適な空気を供給することができる。フィルタとしては、数十マイクロメーターの花粉を捕集できるフィルタであればよく、中高性能フィルタを用いれば十分に除去できるが、必要に応じて、ULPAフィルタ、HEPAフィルタ、準HEPAフィルタを用いることができる。
【実施例1】
【0088】
図1に示す2塔式装置を用い、露点15℃の湿り空気を100Nm3/hの流量で吸着塔Aに供給し除湿処理を行った。除湿剤としては粒径2〜2.4mmのゼオライトを用いた。吸着塔Bで吸着剤の再生を行い、再生用加熱ガスを流量5Nm3/h(流量比1/20)、再生温度140℃の条件で供給し吸着剤を再生した。再生後、自然放冷にて冷却した。2塔切り換えによる除湿運転90分、再生運転45分、冷却運転45分の運転サイクルで、連続運転を行った。
【0089】
除湿運転中に吸着塔出口における除湿処理ガスの露点は常時−65〜−60℃に保持された。
【0090】
上記のような構成の除湿装置により、高い除湿性能で除湿できるとともに、少ない再生ガス量で吸着剤の再生を円滑に行うことができることを確認できた。
【0091】
また、新品の吸着剤を用いた時に露点−60℃以下に保持して除湿運転できる時間を100とした場合、連続運転後の定常状態にて吸着剤の除湿性能を評価した結果、露点−60℃に保持して除湿運転できる時間は70であり、吸着剤の再生率は70%であった。吸着剤の温度上昇について確認するため、除湿運転時の吸着剤層内の温度を連続測定した結果、最大温度は新品の吸着剤を用いた場合は60℃であったが、連続運転後の定常状態では40℃であり、吸着運転時の吸着熱による温度上昇を抑制することができることを確認できた。
【実施例2】
【0092】
実施例1と同じ手法にて、再生用加熱ガス流量を変化させた時の再生率の評価を行った。その結果、再生用加熱ガス流量2.5Nm3/h(流量比1/40)のとき、再生率は50%であった。また、これ以下の流量のときは再生率が著しく低下した。一方、再生ガス流量20Nm3/h(流量比1/5)のとき、再生率は80%であり、それ以上の流量のときは、再生率の大幅な向上は見られなかった。
【符号の説明】
【0093】
10 除湿手段
20 再生手段
31 露点計
32 再生運転制御手段
33,34 加熱ガス流量調整手段
50 カートリッジ
52 充填層
52A 冷却水管
52B 冷却ジャケット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水分を含有する原ガスから水分を除去し乾燥ガスを得る除湿装置であって、
原ガス中の水分を吸着して除湿する吸着剤を収納する吸着塔と、
原ガス中の水分を吸着させ除湿を行うために該吸着塔に送る除湿手段と、
水分を吸着した上記吸着剤から水分を脱着して吸着剤の再生を行うために上記吸着塔に加熱ガスを供給する再生手段とを備え、
上記吸着塔に収納される吸着剤が、吸着塔内に装入及び取り外し可能なカートリッジとして形成され、該カートリッジは、上記吸着剤により形成された平板状の充填層が、複数平行となるように配置されていると共に、各充填層の一方の側面側に供給された原ガスが、上記充填層を通過して他方の側面側に抜けるようなガス流を形成するように構成されていることを特徴とする除湿装置。
【請求項2】
吸着塔は、吸着剤充填層内に冷却水管を備えることとする請求項1に記載の除湿装置。
【請求項3】
吸着塔は、吸着剤充填層内に冷却・加熱管を備え、冷却・加熱管は、原ガスの除湿を行う時に冷却媒体の供給を受け、吸着剤の再生を行う時に加熱媒体の供給を受けることとする請求項1に記載の除湿装置。
【請求項4】
吸着塔は、吸着剤充填層を冷却する冷却ジャケットを備えることとする請求項1ないし請求項3のうちのいずれか一つに記載の除湿装置。
【請求項5】
吸着塔は、吸着剤充填層を冷却及び加熱する冷却・加熱ジャケットを備え、冷却・加熱ジャケットは、原ガスの除湿を行う時に冷却媒体の供給を受け、吸着剤の再生を行う時に加熱媒体の供給を受けることとする請求項1ないし請求項3のうちのいずれか一つに記載の除湿装置。
【請求項6】
再生手段は、原ガスの露点温度を計測する露点計と、露点計により計測された原ガスの露点温度計側値に基づき、吸着剤の再生を行う時に再生手段が吸着塔に供給する加熱ガスの温度及び流量のうち少なくとも一つを調整する再生運転制御手段を備えることとする請求項1ないし請求項5のうちのいずれか一つに記載の除湿装置。
【請求項7】
再生手段は、吸着塔から排出される乾燥ガスの露点温度を計測する露点計と、露点計により計測された乾燥ガスの露点温度計側値に基づき、吸着剤の再生を行う時に再生手段が吸着塔に供給する加熱ガスの温度及び流量のうち少なくとも一つを調整する再生運転制御手段を備えることとする請求項1ないし請求項5のうちのいずれか一つに記載の除湿装置。
【請求項8】
吸着塔は少なくとも二つ設けられていて、一つの吸着塔において除湿を行うとともに、他の吸着塔において吸着剤の再生を行うように、除湿手段と再生手段とが構成されていることとする請求項1ないし請求項7のうちのいずれか一つに記載の除湿装置。
【請求項9】
吸着塔は少なくとも二つのカートリッジを備え、一つのカートリッジにおいて除湿を行うとともに、他のカートリッジにおいて吸着剤の再生を行うように、除湿手段と再生手段とが構成されていることとする請求項1ないし請求項7のうちのいずれか一つに記載の除湿装置。
【請求項10】
再生手段が、吸着塔から抜き出された乾燥ガスの一部、大気中から得る空気及び乾燥ガスの一部と大気中から得る空気との混合ガスのうちいずれかを加熱し加熱ガスとして吸着塔に供給する手段を備えることとする請求項1ないし請求項9のうちのいずれか一つに記載の除湿装置。
【請求項11】
再生手段が、吸着塔から抜き出された乾燥ガスの一部、大気中から得る空気及び乾燥ガスの一部と大気中から得る空気との混合ガスのうちいずれかを、吸着剤に吸着させた水分を脱着して吸着塔から抜き出された含水ガスとの熱交換により、予熱する手段を備えることとする請求項10に記載の除湿装置。
【請求項12】
再生手段が、吸着塔に新品の吸着剤を収納した時に所定の除湿度を保持して除湿を行うことができる時間に対する、吸着剤を再生した後に所定の除湿度を保持して除湿を行うことができる時間の比率である再生率を50%以上80%以下とするように、吸着剤の再生のために供給する加熱ガスの流量を調整する加熱ガス流量調整手段を備えることとする請求項1ないし請求項11のうちのいずれか一つに記載の除湿装置。
【請求項13】
再生手段が、吸着塔に供給する加熱ガスの流量を、吸着塔から抜き出す乾燥ガスの流量の1/40以上1/5以下に調整して供給する加熱ガス流量調整手段を備えることとする請求項1ないし請求項12のうちのいずれか一つに記載の除湿装置。
【請求項14】
吸着塔が、原ガスを脱臭する吸着剤をさらに収納することとする請求項1ないし請求項13のうちのいずれか一つに記載の除湿装置。
【請求項1】
水分を含有する原ガスから水分を除去し乾燥ガスを得る除湿装置であって、
原ガス中の水分を吸着して除湿する吸着剤を収納する吸着塔と、
原ガス中の水分を吸着させ除湿を行うために該吸着塔に送る除湿手段と、
水分を吸着した上記吸着剤から水分を脱着して吸着剤の再生を行うために上記吸着塔に加熱ガスを供給する再生手段とを備え、
上記吸着塔に収納される吸着剤が、吸着塔内に装入及び取り外し可能なカートリッジとして形成され、該カートリッジは、上記吸着剤により形成された平板状の充填層が、複数平行となるように配置されていると共に、各充填層の一方の側面側に供給された原ガスが、上記充填層を通過して他方の側面側に抜けるようなガス流を形成するように構成されていることを特徴とする除湿装置。
【請求項2】
吸着塔は、吸着剤充填層内に冷却水管を備えることとする請求項1に記載の除湿装置。
【請求項3】
吸着塔は、吸着剤充填層内に冷却・加熱管を備え、冷却・加熱管は、原ガスの除湿を行う時に冷却媒体の供給を受け、吸着剤の再生を行う時に加熱媒体の供給を受けることとする請求項1に記載の除湿装置。
【請求項4】
吸着塔は、吸着剤充填層を冷却する冷却ジャケットを備えることとする請求項1ないし請求項3のうちのいずれか一つに記載の除湿装置。
【請求項5】
吸着塔は、吸着剤充填層を冷却及び加熱する冷却・加熱ジャケットを備え、冷却・加熱ジャケットは、原ガスの除湿を行う時に冷却媒体の供給を受け、吸着剤の再生を行う時に加熱媒体の供給を受けることとする請求項1ないし請求項3のうちのいずれか一つに記載の除湿装置。
【請求項6】
再生手段は、原ガスの露点温度を計測する露点計と、露点計により計測された原ガスの露点温度計側値に基づき、吸着剤の再生を行う時に再生手段が吸着塔に供給する加熱ガスの温度及び流量のうち少なくとも一つを調整する再生運転制御手段を備えることとする請求項1ないし請求項5のうちのいずれか一つに記載の除湿装置。
【請求項7】
再生手段は、吸着塔から排出される乾燥ガスの露点温度を計測する露点計と、露点計により計測された乾燥ガスの露点温度計側値に基づき、吸着剤の再生を行う時に再生手段が吸着塔に供給する加熱ガスの温度及び流量のうち少なくとも一つを調整する再生運転制御手段を備えることとする請求項1ないし請求項5のうちのいずれか一つに記載の除湿装置。
【請求項8】
吸着塔は少なくとも二つ設けられていて、一つの吸着塔において除湿を行うとともに、他の吸着塔において吸着剤の再生を行うように、除湿手段と再生手段とが構成されていることとする請求項1ないし請求項7のうちのいずれか一つに記載の除湿装置。
【請求項9】
吸着塔は少なくとも二つのカートリッジを備え、一つのカートリッジにおいて除湿を行うとともに、他のカートリッジにおいて吸着剤の再生を行うように、除湿手段と再生手段とが構成されていることとする請求項1ないし請求項7のうちのいずれか一つに記載の除湿装置。
【請求項10】
再生手段が、吸着塔から抜き出された乾燥ガスの一部、大気中から得る空気及び乾燥ガスの一部と大気中から得る空気との混合ガスのうちいずれかを加熱し加熱ガスとして吸着塔に供給する手段を備えることとする請求項1ないし請求項9のうちのいずれか一つに記載の除湿装置。
【請求項11】
再生手段が、吸着塔から抜き出された乾燥ガスの一部、大気中から得る空気及び乾燥ガスの一部と大気中から得る空気との混合ガスのうちいずれかを、吸着剤に吸着させた水分を脱着して吸着塔から抜き出された含水ガスとの熱交換により、予熱する手段を備えることとする請求項10に記載の除湿装置。
【請求項12】
再生手段が、吸着塔に新品の吸着剤を収納した時に所定の除湿度を保持して除湿を行うことができる時間に対する、吸着剤を再生した後に所定の除湿度を保持して除湿を行うことができる時間の比率である再生率を50%以上80%以下とするように、吸着剤の再生のために供給する加熱ガスの流量を調整する加熱ガス流量調整手段を備えることとする請求項1ないし請求項11のうちのいずれか一つに記載の除湿装置。
【請求項13】
再生手段が、吸着塔に供給する加熱ガスの流量を、吸着塔から抜き出す乾燥ガスの流量の1/40以上1/5以下に調整して供給する加熱ガス流量調整手段を備えることとする請求項1ないし請求項12のうちのいずれか一つに記載の除湿装置。
【請求項14】
吸着塔が、原ガスを脱臭する吸着剤をさらに収納することとする請求項1ないし請求項13のうちのいずれか一つに記載の除湿装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−166128(P2012−166128A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−27682(P2011−27682)
【出願日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(000004123)JFEエンジニアリング株式会社 (1,044)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(000004123)JFEエンジニアリング株式会社 (1,044)
【Fターム(参考)】
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