説明

除湿装置

【課題】衣類を乾燥する機能を備えた除湿装置において、使用者の好みに応じた衣類の乾燥状態の調整を行う除湿装置を提供することを目的とする。
【解決手段】使用者による衣類乾燥運転の短縮または延長する嗜好を操作表示部8に接続された切タイマー設定スイッチ15の操作を受けて学習する運転要求確認手段27により運転時間短縮嗜好判断手段28と運転時間延長嗜好判断手段31にて切タイマー設定スイッチ15の操作がなくても運転の短縮または延長を実行するようにしたことにより、使用者の好みに応じた衣類の乾燥度合いに仕上げる衣類乾燥運転を行うことができ使い勝手の向上が図れた除湿装置が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内に吊り下げた衣類を乾燥する機能を備えた除湿装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の衣類乾燥機能を備えた除湿装置は、予め想定した衣類の量と部屋の広さに対応した運転を行い一定の乾燥状態にさせることを前提に、自動停止するまでのタイマー時間を設定してタイマー時間経過時に衣類乾燥運転を終了することが一般的であった(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−259350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の方法では、予め想定した衣類の量と部屋の広さにて運転を行い、一定の乾燥度合いに至ったときに衣類乾燥運転が停止するため、使用者がより乾燥度が高い状態まで衣類乾燥をしたい場合や乾燥度が低い状態で衣類乾燥運転を中断後に自然乾燥をしたい場合の使用者の好みに応じた衣類乾燥を行うためには、使用者が衣類乾燥運転中、または衣類乾燥運転終了後に衣類の乾燥度合いを確認しながら運転時間の調整をする必要があった。また、想定と異なる家族構成や季節により変化する衣類の量と衣類を干している部屋の広さや温湿度環境に応じて、使用者が衣類乾燥運転中、または衣類乾燥運転終了後に衣類の乾燥度合いを確認しながら運転時間の調整をする必要があった。
【0005】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、使用者の好みに合った乾燥状態の調整を行うことができる使い勝手の向上が図れた除湿装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の除湿機は上記目的を達成するために、衣類の乾燥度を算出して衣類の乾燥が完了したことを判断する乾燥判断手段と、前記乾燥判断手段の判断により運転を停止させる停止手段と、切タイマー設定スイッチの操作により所定時間のタイマー運転へ切り替えて運転をおこなうタイマー運転手段と、前記乾燥判断手段による乾燥の完了判断の前に実行される運転時間短縮嗜好判断手段と後に実行される運転時間延長嗜好判断手段の判断により乾燥運転の短縮と延長および続行を切り替えて衣類の乾燥を行う運転手段を備えた除湿装置において、前記運転手段は、乾燥運転中に行なわれた前記切タイマー設定スイッチ操作から運転の短縮または延長の要求を確認し記憶する運転要求確認手段を備え、前記運転要求確認手段は、前記乾燥判断手段の乾燥の完了判断の前に実行される前記切タイマー設定スイッチの操作を判定する短縮要求確認手段と前記停止手段の運転停止の後に実行される前記切タイマー設定スイッチの操作を判定する延長要求確認手段を備え、次回の乾燥運転時には切タイマー設定スイッチの操作がなくても前記運転要求確認手段の確認結果から前記運転時間短縮嗜好判定手段または運転時間延長嗜好判定手段が判断を行い運転の短縮または運転の延長を実行するようにし、運転終了時の乾燥状態の調節を行う構成としたものであり、これにより初期の目的を達成することができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、衣類の乾燥度を算出して衣類の乾燥が完了したことを判断する乾燥判断手段と、前記乾燥判断手段の判断により運転を停止させる停止手段と、切タイマー設定スイッチの操作により所定時間のタイマー運転へ切り替えて運転をおこなうタイマー運転手段と、前記乾燥判断手段による乾燥の完了判断の前に実行される運転時間短縮嗜好判断手段と後に実行される運転時間延長嗜好判断手段の判断により乾燥運転の短縮と延長および続行を切り替えて衣類の乾燥を行う運転手段を備えた除湿装置において、前記運転手段は、乾燥運転中に行なわれた前記切タイマー設定スイッチ操作から運転の短縮または延長の要求を確認し記憶する運転要求確認手段を備え、前記運転要求確認手段は、前記乾燥判断手段の乾燥の完了の判断の前に実行される前記切タイマー設定スイッチの操作を判定する短縮要求確認手段と前記停止手段の運転停止の後に実行される前記切タイマー設定スイッチの操作を判定する延長要求確認手段を備え、次回の乾燥運転時には切タイマー設定スイッチの操作がなくても前記運転要求確認手段の確認結果から前記運転時間短縮嗜好判断手段または運転時間延長嗜好判断手段が判断を行い運転の短縮または運転の延長を実行するようにし、運転終了時の乾燥状態の調節を行う構成としたことにより、使用者が衣類乾燥運転の短縮または延長する嗜好を、短縮要求確認手段は、使用者による切タイマー設定スイッチの操作を、衣類の乾燥を行う運転手段にて衣類の乾燥が終了したと判断する乾燥判断手段による運転停止する前に受け付けた回数にて運転の短縮嗜好を確認し、または延長要求確認手段は、前記乾燥判断手段による運転停止の後に受け付けた回数にて運転の延長嗜好を確認し、次回の乾燥運転時には切タイマー設定スイッチの操作がなくても、運転時間短縮嗜好判断手段と運転時間延長嗜好判断手段は、前記確認結果の記憶に基づいて、運転時間短縮嗜好判断手段は、乾燥判断手段によって衣類の乾燥が終了したと判断される前に運転の短縮を実行し、また運転時間延長嗜好判断手段は、乾燥判断手段によって衣類の乾燥が終了したと判断された後に運転の延長を実行することとなり、使用者の好みに合った乾燥状態の調整を行うことができ、使い勝手の向上が図れるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態1の除湿装置の構造を示す図
【図2】同除湿装置の操作表示部を示す図
【図3】同除湿装置の構成を示すブロック図
【図4】同動作手段の構成を示すフローチャート
【図5】同運転時間短縮嗜好判断手断の構成を説明するフローチャート
【図6】同運転時間延長嗜好判断手断の構成を説明するフローチャート
【図7】同短縮運転報知手段と延長運転報知手段を備えた実施の形態のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の請求項1記載の発明は、衣類の乾燥度を算出して衣類の乾燥が完了したことを判断する乾燥判断手段と、前記乾燥判断手段の判断により運転を停止させる停止手段と、切タイマー設定スイッチの操作により所定時間のタイマー運転へ切り替えて運転をおこなうタイマー運転手段と、前記乾燥判断手段による乾燥の完了判断の前に実行される運転時間短縮嗜好判断手段と後に実行される運転時間延長嗜好判断手段の判断により乾燥運転の短縮と延長および続行を切り替えて衣類の乾燥を行う運転手段を備えた除湿装置において、前記運転手段は、乾燥運転中に行なわれた前記切タイマー設定スイッチ操作から運転の短縮または延長の要求を確認し記憶する運転要求確認手段を備え、前記運転要求確認手段は、前記乾燥判断手段の乾燥の完了の判断の前に実行される前記切タイマー設定スイッチの操作を判定する短縮要求確認手段と前記停止手段の運転停止の後に実行される前記切タイマー設定スイッチの操作を判定する延長要求確認手段を備え、次回の乾燥運転時には切タイマー設定スイッチの操作がなくても前記運転要求確認手段の確認結果から前記運転時間短縮嗜好判断手段または運転時間延長嗜好判段手段が判断を行い運転の短縮または運転の延長を実行するようにし、運転終了時の乾燥状態の調節を行う構成としたことにより、使用者が衣類乾燥運転の短縮または延長する嗜好を、短縮要求確認手段は、使用者による切タイマー設定スイッチの操作を、衣類の乾燥を行う運転手段にて衣類の乾燥が終了したと判断する乾燥判断手段による運転停止する前に受け付けた回数にて運転の短縮嗜好を確認し、または延長要求確認手段は、前記乾燥判断手段による運転停止の後に受け付けた回数にて運転の延長嗜好を確認し、次回の乾燥運転時には切タイマー設定スイッチの操作がなくても、運転時間短縮嗜好判断手段と運転時間延長嗜好判断手段は、前記確認結果の記憶に基づいて、運転時間短縮手段は、乾燥判断手段によって衣類の乾燥が終了したと判断される前に運転の短縮を実行し、また運転時間延長手段は、乾燥判断手段によって衣類の乾燥が終了したと判断された後に運転の延長を実行する作用により、使用者の好みに合った乾燥状態の調整を行うことができ、使い勝手の向上が図れるという効果を有する。
【0010】
また、請求項2記載の発明は、運転手段は、運転の短縮要求を記憶する第1記憶手段と、衣類の乾燥量に範囲を持たせた複数の乾燥度合いのいずれか一つに判定する乾燥度合い判定手段を備え、短縮要求確認手段は、切タイマー設定スイッチが操作されたときに前記乾燥度合いを記憶する乾燥度合い記憶手段と、記憶した乾燥度合いのときに連続して前記切タイマー設定スイッチ操作が発生した回数が所定の回数に達したときに短縮要求があるという嗜好を学習し前記第1記憶手段へ記憶する運転嗜好記憶設定手段を備えたことにより、乾燥運転中に切タイマー設定スイッチが操作されたときに、短縮要求確認手段は、乾燥度合いを記憶するとともに、同一の乾燥度合いにおいて切タイマー設定スイッチの操作回数をカウントし、運転嗜好記憶設定手段は、記憶手段へ短縮要求があるという嗜好を記憶させることとなるので、次回の乾燥運転において、切タイマー設定スイッチの操作をしなくても、運転時間短縮嗜好判断手段は、短縮要求の嗜好があることを確認して、運転の短縮をおこなうという作用が得られ、使用者の好みに合った乾燥状態の調整を行うことができ、使い勝手の向上が図れるという効果を有する。
【0011】
また、請求項3記載の発明は、運転手段は、運転の延長要求を記憶する第1記憶手段と、延長要求確認手段で連続して切タイマー設定スイッチ操作が発生した回数が所定の回数に達したときに延長要求があるという嗜好を学習し前記第1記憶手段へ記憶する運転嗜好記憶設定手段を備えたことにより、乾燥判断手段が衣類の乾燥が終了したと判断して停止手断によって運転停止をさせた後(の一定時間内)に切タイマー設定スイッチが操作されたときに、延長要求確認手段は、切タイマー設定スイッチの操作回数をカウントし、運転嗜好記憶設定手段は、前記カウントが所定の回数を超えたときに延長要求があると判断し、運転嗜好記憶設定手段は、記憶手段へ延長要求があるという嗜好を記憶させることとなるので、次回の乾燥運転において、切タイマー設定スイッチの操作をしなくても、運転時間延長嗜好判断手段は、延長要求の嗜好があることを確認して、運転の延長をおこなうという作用が得られ、使用者の好みに合った乾燥状態の調整を行うことができ、使い勝手の向上が図れるという効果を有する。
【0012】
また、請求項4記載の発明は、短縮要求確認手段に記憶した乾燥度合いは除湿装置の電源を切っても記憶している機能を備えた構成にしたことにより、使用者が除湿装置を使用しないときに電源を切ったり、異なる場所へ移動するときに電源を切ったりしても、短縮要求手段により乾燥度合を記憶することにより、使用者が好む乾燥度合いで切りタイマーを操作する嗜好を電源を切る前から継続して学習することができ、使用者の好みに応じた衣類乾燥度合いに仕上げる衣類乾燥運転を効率良く実現することができ、使い勝手の向上が図れるという効果を有する。
【0013】
また、請求項5記載の発明は、学習手段で学習した嗜好を記憶する嗜好記憶手段を備え、除湿装置の電源を切っても記憶している機能を備えた構成にしたことにより、使用者が除湿装置を使用しないときに電源を切ったり、異なる場所へ移動するときに電源を切ったりしても、嗜好記憶手段により学習手段で学習した嗜好を記憶することにより、使用者による運転の短縮または延長する嗜好を電源を切る前から継続して学習することができ、使用者の好みに応じた衣類乾燥度合いに仕上げる衣類乾燥運転を効率良く実現することができ、使い勝手の向上が図れるという効果を有する。
【0014】
また、請求項6記載の発明は、運転手段は、短縮要求確認手段での確認した乾燥度合いとカウント値、および学習手段で学習した運転を短縮する嗜好を初期化する初期化手段を備えた構成にしたことにより、衣類乾燥の衣類の量または衣類を干す部屋の広さや温湿度環境が大きく変化するときに、変化した環境での使用者の好みに応じた衣類の乾燥度合いに仕上げることができ、使い勝手の向上が図れるという効果を有する。
【0015】
また、請求項7記載の発明は、運転手段は、延長要求確認手段での確認したカウント値、および学習手段で学習した運転を短縮する嗜好を初期化する初期化手段を備えた構成にしたことにより、衣類乾燥の衣類の量または衣類を干す部屋の広さや温湿度環境が大きく変化するときに、初期化手段にて延長要求確認手段での確認したカウント値、および学習手段で学習した運転を短縮する嗜好を初期化することができ、変化した環境での使用者の好みに応じた衣類の乾燥度合いに仕上げることができ、使い勝手の向上が図れるという効果を有する。
【0016】
また、請求項8記載の発明は、運転手段は、タイマー運転により運転時間の短縮または延長をしていることを報知する機能を備えた構成にしたことにより、使用者が運転時間の短縮または延長していることを認識することができ、使い勝手の向上が図れるという効果を有する。
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0018】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1について図1〜図4を参照しながら説明する。まず、図1を用いて除湿装置の構造を、図2を用いて電気的な構成を、図3を用いて除湿装置の操作表示部を説明する。
【0019】
図1に示すように、除湿装置1は、その本体内に設けた除湿部2と、送風機3と、再生ヒータ4と、制御部5に接続された本体の周辺空気の温度を検知する温度センサ6と前記本体の周辺空気の湿度を検知する湿度センサ7と、操作表示部8で構成される。
【0020】
除湿部2は、回転する除湿手段としての除湿ロータ9と、再生ヒータ4により加熱された空気を除湿ロータ9に送風する再生ファン10と、熱交換器11および水タンク12とで構成されている。
【0021】
つまり、本実施の形態の除湿装置は、送風機3の駆動により、室内から吸い込まれた空気は熱交換器11を冷却させた後に、除湿手段としての除湿ロータ9で吸湿され、除湿された空気が再び室内に放出されて室内の空気が除湿されるものである。
【0022】
また、除湿ロータ9で吸湿された水分は、除湿ロータ9の他方において、除湿ロータ9を加熱し再生する再生ヒータ4で加熱された温風により蒸発し、熱交換器11で冷却されて水分として凝縮して水タンク12に貯水されるものである。
【0023】
また、除湿装置1本体の前面には、図2に示すように、除湿装置1を操作する操作表示部8が備えられ、操作表示部8には、除湿装置1の運転を「切り」、「入り」する運転切入設定スイッチ13と、除湿装置の運転モードを設定する運転モード設定スイッチ14と、所定の時間を設定してタイマー運転をさせる切タイマー設定スイッチ15と、後述する衣類乾燥の運転の短縮嗜好または延長嗜好の判断に基づく運転(使用者の嗜好を考慮した運転)をしているときに点灯表示する嗜好運転中表示LED16を配置している。
【0024】
図3に示すように、除湿装置1には、この除湿装置1の運転動作を制御する制御部5を備え、除湿部2、送風機3、再生ヒータ4、温度センサ6、湿度センサ7、操作表示部8再生ファン10が接続されている。
【0025】
制御部5は、マイクロコンピュータを核とし、除湿装置1の運転の制御を行なう運転手段17と、除湿部2を駆動する除湿駆動手段18と、送風機3を駆動する送風駆動手段19と、再生ヒータ4を駆動するヒータ駆動手段20を備えたものである。
【0026】
除湿駆動手段18は、例えば、再生ファン10を駆動するためのモータの巻き線タップを切り換えるリレーである。
【0027】
送風駆動手段19は、例えば、送風機3を駆動するためのモータの巻き線タップを切り換えて、送風風量を調整するリレーである。
【0028】
また、ヒータ駆動手段20は、例えば、再生ヒータ4のタップを切り替えて加熱量を調整するリレーである。
【0029】
図4に示すように、運転手段17は、除湿装置1の運転開始時に参照する乾燥が完了したことを判定する乾燥完了の判定値を設定する初期設定手段21と、運転の短縮嗜好と延長嗜好を記憶させる第1記憶手段22をスイッチ操作により初期化させる初期化操作手段23と、除湿駆動手段18と送風駆動手段19とヒータ駆動手段20を制御する運転制御手段24と、乾燥させた衣類の乾燥量を算出する乾燥量算出手段25と、乾燥量算出手段25で算出した乾燥量を(乾燥量に範囲を持たせて設定した)複数の乾燥度合いのいずれか一つに判別する乾燥度合い判別手段26と、運転の短縮嗜好と延長嗜好の有無を確認して第1記憶手段22に記憶させる運転要求確認手段27と、第1記憶手段22に記憶された嗜好から運転の短縮嗜好の有ることを判断して短縮運転をさせる運転時間短縮嗜好判断手段28と、衣類の乾燥完了を判断する乾燥判断手段30と、第1記憶手段22に記憶された嗜好から延長嗜好のあることを判断して延長運転をさせる運転時間延長嗜好判断手段31と、衣類の乾燥完了であることが判定された後に運転を停止させるすなわち乾燥判断手段30の乾燥の完了判断により運転を停止させる停止手段32を備えたものである。
【0030】
また、運転要求確認手段27は、乾燥判断手段30の乾燥の完了判断の前に実行される切タイマー設定スイッチ15の操作を判定する短縮要求確認手段33と、停止手段32の運転停止の後に実行される切タイマー設定スイッチ15の操作を判定する延長要求確認手段34を備えたものである。
【0031】
さらに、運転時間短縮嗜好判断手段28によりタイマー運転による短縮運転を実行する短縮運転手段35と、運転時間延長嗜好判断手段31の判断によりタイマー運転による延長運転をする延長運転手段36とを備えたものである。
【0032】
また、前記初期設定手段21は、除湿装置1の乾燥運転時に参照する諸量として、予め空気線図39と、運転初期の温度センサ6からの室内温度と湿度センサ7からの相対湿度とから乾燥する衣類の乾燥終了を判定する乾燥完了の判定値を参照する常数テーブルである乾燥完了乾燥度テーブル40を予め記憶させた第2記憶手段37と、乾燥運転の開始時に乾燥完了の判定値を第2記憶手段37の乾燥完了乾燥度テーブル40から参照して、第2記憶手段37に記憶、設定する乾燥完了判定値参照手段38を備えている。
【0033】
乾燥完了の判定値とは、衣類が乾燥したと判断できるまでの乾燥量の総量である。乾燥運転中の乾燥量と区別するために以下、総乾燥量と呼ぶ。
【0034】
第1記憶手段22と第2記憶手段37は、例えば、制御部5に内蔵しているフラッシュメモリーを代表とする不揮発性メモリー、または、EEPROMが好ましく、電源を切っても記憶内容を保持することができる。
【0035】
前記乾燥量算出手段25は、一定期間毎に温度センサ6で検出した室内の温度Trと湿度センサ7で相対湿度Hrに基づいて衣類の乾燥速度を算出する乾燥速度算出手段41と、一定期間毎にこの期間における乾燥速度の累積値を加算して乾燥量を算出するものである。
【0036】
前記乾燥判断手段30は、前記乾燥量が乾燥完了判定値参照手段38の設定した乾燥完了の判定値に達したときに衣類乾燥が完了したと判断するものである。
【0037】
また、運転手段17は、切タイマー設定スイッチ15の操作により所定時間のタイマー運転へ切り替えて運転をおこなうタイマー運転手段43を備えたもので、前述の短縮運転手段35と延長運転手段36の運転は、このタイマー運転手段43によって行なわれるものである。
【0038】
さらに、運転手段17は、前記乾燥判断手段30の前段に配置して、すなわち乾燥判断手段30の乾燥の完了判断がされる前に運転時間の短縮の有無の判断を実行する運転時間短縮嗜好判断手段28と、前記乾燥判断手段30による衣類の乾燥完了の判断の後段に配置して、すなわち乾燥判断手段30の乾燥完了の判断がされた後で運転時間の延長の有無の判断を実行する運転時間延長嗜好判断手段31とを備えている。
【0039】
また、運転時間短縮嗜好判断手段28と運転時間延長嗜好判断手段31による判定は、第1記憶手段22に記憶した運転の短縮嗜好または運転の延長嗜好があるという使用者の嗜好を運転要求確認手段27による学習に基づいて行なわれるものである。
【0040】
すなわち、運転要求確認手段27によって運転の短縮嗜好または運転の延長嗜好があるという使用者の嗜好を確認して第1記憶手段22に記憶させるものである。
【0041】
この第1記憶手段22には、そのほかに運転中に算出または検出した諸量を記憶する手段でもあって制御部5に設けたものである。例えば、制御部5に内蔵するフラッシュメモリーを代表とする不揮発性メモリー、または、EEPROMが好ましく、電源を切っても記憶内容を保持することができる。
【0042】
また、初期化操作手段23は、例えば、運転モード設定スイッチ14と切タイマー設定スイッチ15を同時に押すことにより第1記憶手段22の記憶内容を初期化するものである。また、操作表示部8に記憶内容を初期化するスイッチを独立して設けてもよい。
【0043】
以下、運転要求確認手段27、すなわち短縮要求確認手段33と延長要求確認手段34の構成について説明を加える。
【0044】
図4に示すように、短縮要求確認手段33は、乾燥判断手段30の前段であって、乾燥度合い判別手段26の後段に配置されている。
【0045】
さらに、図5に示すように、短縮要求確認手段33は、切タイマー設定スイッチ15の操作されたことを判定する第1切タイマー設定判定手段46と、運転の短縮という嗜好を確認し記憶する第1学習手段44を有する。
【0046】
第1学習手段44は、切タイマー設定スイッチ15が操作されたときに、現在の乾燥度合いを第1記憶手段22へ記憶する乾燥度合い記憶手段47と、前記乾燥度合いが連続して発生した回数をカウントする第1連続発生カウント手段48とその連続回数をカウント(確認)し、所定の回数に達したときに短縮嗜好があるということを学習し第1記憶手段22に記憶する運転嗜好記憶設定手段49から構成される。
【0047】
また、図4に示すように、延長要求確認手段34は、乾燥判断手段30の乾燥の完了判断により運転を停止させる停止手段32の後段に配置されている。
【0048】
さらに、図6に示すように、延長要求確認手段34は、停止手段32による運転停止から一定時間内に切タイマー設定スイッチ15が操作されたことを判定する第2切タイマー設定判定手段50と、運転の延長という嗜好を確認し記憶する第2学習手段45を有する。
【0049】
第2学習手段45は、第2切タイマー設定判定手段50の判定の連続回数をカウント(確認)する第2連続発生カウント手段51と、所定の回数に達したときに延長嗜好があるということを学習する運転嗜好記憶設定手段52を有する。
【0050】
すなわち、運転嗜好記憶設定手段49は、運転の短縮嗜好があるということを第1学習手段44において学習した場合に、または、運転嗜好記憶設定手段52は、運転の延長嗜好があるということを第2学習手段45において学習した場合にその嗜好を第1記憶手段22に記憶するものである。
【0051】
つまり、以上の構成において、運転手段17は、前記乾燥判断手段30の前段で運転の短縮の有無を判段する運転時間短縮嗜好判断手段28と、前記乾燥判断手段30が衣類の乾燥終了の判断をしたその後段で運転時間の延長の有無を判断する運転時間延長嗜好判断手段31と、運転手段17による衣類の乾燥を行ったときに操作される切タイマー設定スイッチ15の操作状態から運転の短縮嗜好または運転の延長嗜好があるということを学習する学習手段として第1学習手段44と第2学習手段45を備えたものでもある。
【0052】
また、運転時間短縮嗜好判断手段28は、短縮嗜好の無い場合に乾燥度合いの記憶値を初期化する乾燥度合い初期化手段53を備えている。
【0053】
また、運転手段17は、運転時間延長嗜好判断手段31において運転延長嗜好のない場合に続いて延長要求のカウントの初期化を行なう延長要求カウント初期化手段54を備えたものである。
【0054】
上記構成において、以下本実施の形態の除湿装置1について、その運転動作を説明する。
【0055】
除湿装置1の運転は、使用者が乾燥する衣類を干した後に操作表示部8に接続された運転切入設定スイッチ13を押して開始させる。
【0056】
使用者はさらに運転モード設定スイッチ14を操作して衣類乾燥運転モードを選択すると、衣類乾燥の運転が開始される。
【0057】
衣類乾燥の運転は、図4のフローチャートに示すアルゴリズムによって、衣類の乾燥が完了したことを乾燥判断手段30で判定するまで進められる。
【0058】
まず、衣類乾燥の運転が開始されると、図4に示すように運転手段17は、初期設定手段21により乾燥完了の判定値として総乾燥量を設定する。
【0059】
乾燥完了の判定値の算出は、乾燥完了判定値参照手段38が、温度センサ6と湿度センサ7が検知した前記温度Trと相対湿度Hrに相当する乾燥完了までの総乾燥量を乾燥完了乾燥度テーブル40から参照して算出することで行なわれる。
【0060】
次に、初期化の操作がなければ、初期化操作手段23は実行されず、運転制御手段24が、除湿駆動手段18と送風駆動手段19とヒータ駆動手段20を制御して、除湿部2と送風機3と再生ヒータ4を駆動させる。
【0061】
なお、初期化の操作による第1記憶手段の内容の初期化は、第1学習手段44で記憶した衣類乾燥運転の短縮嗜好または延長嗜好は、「ないもの」、使用者が衣類の乾燥具合を確認して操作表示部8に接続された切タイマー設定スイッチ15で切タイマーを連続して設定を行った回数(カウント)は、「0回」、乾燥度合いは、「総乾燥量を含む乾燥度合い」にそれぞれを設定するものである。また、第2学習手段45で記憶した衣類乾燥運転の延長運転の嗜好は、「ないもの」、使用者が切タイマー設定スイッチ15で切タイマーを連続して設定を行った回数は、「0回」とするものである。
【0062】
そして、運転制御手段24は、除湿駆動手段18と送風駆動手段19とヒータ駆動手段20を制御して除湿部2と送風機3と再生ヒータ4によって、乾燥対象の衣類に除湿された空気を送風することになる。
【0063】
乾燥量算出手段25は、温度センサ6と湿度センサ7の信号をもとに検知された室内の温度Trと相対湿度Hrから、乾燥している衣類の運転開始から現在までの乾燥量を算出することとなる。そして、前記乾燥量は、運転手段17内の第1記憶手段22に記憶される。
【0064】
すなわち、乾燥量算出手段25は、一定期間毎(例えば1分毎)に温度センサ6と湿度センサ7で検出した温度Trと相対湿度Hrに基づいて衣類の乾燥速度を算出し、一定期間毎の乾燥速度の累積値を加算して乾燥量を算出する。
【0065】
ここで、衣類の乾燥速度の算出は、前記温度Trと相対湿度Hrデータに基づいて乾燥速度算出手段41が、以下の処理を実施する。すなわち、周辺空気の温度Trと相対湿度Hrとから、周辺空気の全熱量と絶対湿度を求める。さらに、周辺空気の全熱量と絶対湿度からが衣類近傍空気の絶対湿度を推定する(この場合衣類近傍空気の相対湿度は100%として推定する)。そして、温度センサ6と湿度センサ7の検出値から推定した衣類近傍空気の絶対湿度と温度センサ6と湿度センサ7の検出値から算出した周辺空気の絶対湿度との差に係数を乗じて乾燥速度を演算する。
【0066】
乾燥量が算出されると、乾燥度合い判別手段26は、現在の乾燥量に対して、前記総乾燥量を複数の範囲に区切った範囲を用意して、現在どの範囲の乾燥量に到達しているかという乾燥度合いの判別を行う。
【0067】
例えば、設定した総乾燥量を6000とすると、乾燥度合い「1」として0〜600、乾燥度合い「2」として601〜1200、・・・、乾燥度合い「10」として5401〜6000と10区間の範囲とするものとする。
【0068】
さて、使用者が衣類乾燥の運転中に衣類の乾燥具合を確認しながら衣類乾燥運転の短縮を行うことがあるために、図4に示すように、短縮要求確認手段33は、運転時間短縮嗜好判断手段28による判断がされる前段において、切タイマー設定スイッチ15が操作されたか否かの判定を行なう。すなわち、図5に示すように、まず、第1切タイマー設定判定手段46は、切タイマー設定スイッチ15の操作が行われたかの判定を行う。
【0069】
続いて、切タイマー設定スイッチ15の操作があった場合、第1学習手段44の乾燥度合い記憶手段47は、現在の乾燥度合いを第1記憶手段22に記憶する。そして、第1連続発生カウント手段48は、現在の乾燥度合いと前回切タイマー設定スイッチ15の操作があった場合の乾燥度合いが同じであるかの判定を行ない同じであった場合に、カウント値に1を加える。
【0070】
なお、使用者が異なった乾燥度合いで切タイマー設定スイッチ15の操作を行った場合、同じにはならず、第1連続発生カウント手段48は、カウント値を1とする。
【0071】
次に、運転嗜好記憶設定手段49は、前記カウント値が所定に値に達したか否かの判定を行ない、所定の値に達した場合には、使用者が衣類乾燥運転を短縮する嗜好にあるものと学習し、第1記憶手段22に運転の短縮嗜好があることを記憶させることとなる。
【0072】
例えば、使用者が連続して衣類乾燥運転をおこない、過去3回の乾燥運転において連続して衣類乾燥運転が終了する前に同じ衣類の乾燥度合いで切タイマー設定スイッチ15を操作して運転時間の短縮を行なったことに対して、その発生回数3回を検出して短縮嗜好があることを学習することになる。
【0073】
ここで連続した回数の判定値は、自動運転終了前に使用者が衣類の乾燥具合を確認して同じ乾燥度合いで複数回連続した場合に短縮運転を行う嗜好にあると判断できる回数とし、使用者が繰り返し設定する頻度の煩わしさに対する使い勝手を考慮して連続3回としている。
【0074】
そして、切タイマー設定スイッチ15の操作があったので、乾燥判断手段30で衣類乾燥の完了判定をせずに所定時間のタイマー運転をすることとなる。
【0075】
すなわち、運転中に切タイマー設定スイッチ15が押されると、タイマー運転手段43によって、乾燥判断手段30で衣類の乾燥完了をせずに所定時間タイマー運転をすることとなる。つまり、短縮運転手段35が作用して衣類乾燥運転は短縮される。
【0076】
また、このように、乾燥判断手段30の前段に短縮要求確認手段33を配置して切タイマー設定スイッチ15の操作を検出することで、短縮要求の確認が可能となる。
【0077】
一方、使用者が切タイマー設定スイッチ15の操作を行わなかった場合、切タイマー設定スイッチ15の操作は検出されず、図4に示すように、運転時間短縮嗜好判断手段28は、第1学習手段44にて確定した衣類乾燥運転の短縮運転を行うかの判定を行う。
【0078】
運転時間短縮嗜好判断手段28は、第1記憶手段22に記憶した短縮する嗜好の有無の判定を行い、短縮する嗜好のあることが確認されると衣類乾燥運転の短縮を確定し、進行中の衣類乾燥運転において乾燥度合い判別手段26で判別した現在の衣類の乾燥度合いが第2記憶手段37に記憶した乾燥度合いに到達したかの判定を行う。到達した場合には、前述した短縮運転手段35によってタイマー運転手段43による所定時間のタイマー運転を行う。
【0079】
このようにして、切タイマー設定スイッチ15が操作されなくても前回までの乾燥運転を通して第1学習手段44によって学習された乾燥運転を短縮させる嗜好に基づいて運転を短縮させることとなる。
【0080】
ここで、図7に示すように、運転時間短縮嗜好判断手段28の実行から短縮運転手段35の実行へ移行する間に短縮運転報知手段55を配置して、操作表示部8に接続した嗜好運転中表示LED16の点灯を行い、衣類乾燥の運転が短縮された運転を行なっていることを使用者に報知することで、運転状態を解かりやすくすることができる。
【0081】
また、衣類乾燥運転の短縮嗜好が確認されなかった場合、または、進行中の衣類乾燥運転にて乾燥度合い判別手段26で判別した衣類の乾燥度合いが第1学習手段44にて記憶した乾燥度合いに到達していない場合は、後段に配置した乾燥判断手段30にて乾燥の完了判定を行う。
【0082】
乾燥判断手段30は、先に乾燥量算出手段25が算出した乾燥量が乾燥完了判定値参照手段38の設定した総乾燥量に達したか否かを判定して衣類乾燥が完了したと判断するものである。
【0083】
総乾燥量に達していない場合に乾燥は完了していないと判定する。そして、運転手段17は、再び初期化操作手段23へ戻り、以下同様に衣類乾燥の運転を繰り返す。
【0084】
また、乾燥量が総乾燥量に達した場合には、乾燥判断手段30にて衣類の乾燥が完了したと判定する。そして、乾燥度合い初期化手段53は、第1記憶手段22に乾燥度合いとして総乾燥量を含む乾燥度合いを記憶させる。
【0085】
つまり、今回の衣類乾燥運転中に使用者が操作表示部8に接続された切タイマー設定スイッチ15の操作を行わなかったことにより、次回以降の衣類乾燥運転の途中で使用者が切タイマー設定スイッチ15を操作した場合、短縮要求確認手段33は、前回と異なる乾燥度合で使用者が切タイマー設定スイッチ15を操作した判定とさせるために、乾燥度合いとして総乾燥量を含む乾燥度合いの記憶を行う。
【0086】
すなわち、乾燥運転が停止するまでの乾燥度を複数に区切る範囲を10分割した場合、一番乾燥量の多い乾燥度合い「10」の値を記憶する。このことにより、短縮要求確認手段33は、第1連続発生カウント手段48において前回と異なる乾燥度合で使用者が切タイマー設定スイッチ15を操作したと判定することができる。
【0087】
また、乾燥量が総乾燥量に達した場合には、図4に示すように、乾燥判断手段30にて衣類の乾燥が完了したと判定する。
【0088】
次に、運転時間延長嗜好判断手段31は、第1記憶手段22に記憶されている運転を延長する嗜好の判定を行い、延長する嗜好がなければ、停止手段32にて運転の停止を行う。
【0089】
そして、停止手段32にて運転の停止を行った後、一定時間内に使用者が衣類の乾燥具合を確認してより高い乾燥を求めて、切タイマー設定スイッチ15で切タイマーを設定してさらに運転を行なうことがある。この場合、延長要求確認手段34は、図6に示すように、切タイマー設定スイッチ15の設定回数をカウントする。
【0090】
すなわち、延長要求確認手段34は、まず、第2切タイマー設定判定手段50が切タイマー設定スイッチ15の操作を行ったかの判定を行う。
【0091】
続いて、切タイマー設定スイッチ15の操作があった場合、第2学習手段45の第2連続発生カウント手段51は、カウント値に1を加える。
【0092】
そして、運転嗜好記憶設定手段52は、前記カウント値が所定の値に達したか否かの判定を行ない、所定の値に達した場合には、衣類乾燥運転の延長嗜好があるものと学習して、第1記憶手段22に延長する嗜好があることを記憶させることとなる。
【0093】
例えば、図6のように、運転嗜好記憶設定手段52は、過去3回の乾燥運転において衣類乾燥の運転停止後の一定時間内に使用者が切タイマー設定スイッチ15を操作する衣類乾燥運転の延長が連続して3回発生したかの判定を行う。
【0094】
ここで連続した回数の判定値は、自動運転終了後の一定時間内に使用者が衣類の乾燥具合を確認して複数回連続で延長運転を行う嗜好にあると判断できる回数とし、また、使用者が繰り返し設定する頻度の煩わしさに対する使い勝手を考慮して連続3回とする。
【0095】
使用者の操作による延長が連続して3回発生した場合には、第2学習手段45すなわち運転嗜好記憶設定手段52は、衣類乾燥運転において延長する嗜好があること学習して第2記憶手段37に延長する嗜好があることを記憶する。
【0096】
一定時間経過しても、切タイマー設定スイッチ15の操作が無い場合、延長要求カウント初期化手段54は、使用者が衣類乾燥の延長運転を要求した回数のカウント値を初期化すなわち「0」にする。
【0097】
なお、衣類乾燥の運転停止後の一定時間内に使用者が切タイマー設定スイッチ15を操作した後、すなわちカウント値が1または2の場合には、延長運転手段36は、タイマー運転手段43によるタイマー運転を行なうことで延長運転をおこなうことができる。
【0098】
ここで、図7に示すように運転時間延長嗜好判断手段31の実行から延長運転手段36の実行へ以降する間に延長報知手段56は実行を行なうように配置され、操作表示部8に接続した嗜好運転中表示LED16の点灯を行い、衣類乾燥の自動運転が延長された運転を行なっていることを使用者に報知することで、運転状態を解かりやすくすることができる。
【0099】
以上説明したように本発明の除湿装置1は、第1学習手段44と第2学習手段45によって、使用者が衣類乾燥運転の短縮または延長する嗜好を切タイマー設定スイッチ15の操作状態によって学習し、運転時間短縮嗜好判断手段28と運転時間延長嗜好判断手段31によって、衣類乾燥運転の短縮または延長する嗜好を判断することで、切タイマー設定スイッチ15の操作がなくても運転の短縮または延長を実行するようにしたものである。
【0100】
このことにより、使用者が衣類乾燥運転の短縮または延長する嗜好を、使用者による切タイマー設定スイッチ15の操作が、衣類の乾燥を行う運転手段17にて衣類の乾燥が終了したと判断する乾燥判断手段30による運転停止する前に受け付けた操作回数にて運転の短縮嗜好を学習し、または前記乾燥判断手段30による運転停止の後に受け付けた操作回数にて運転の延長嗜好を学習することにより、この学習結果に応じて切タイマー設定スイッチ15の操作がなくても衣類の乾燥を行う運転手段17にて衣類の乾燥が終了したと判断する乾燥判断手段30による運転停止する前に運転の短縮を実行、または乾燥判断手段30による運転停止の後に運転の延長を実行できるようになり、使用者の好みに合った乾燥状態の調整を行うことができ、使い勝手の向上が図れる。
【0101】
また、短縮要求確認手段33は、乾燥判断手段30の前段であって、乾燥度合い判別手段26の後段に配置し、延長要求確認手段34は、乾燥判断手段30の乾燥の完了判断により運転を停止させる停止手段32の後段に配置することによって、乾燥運転中に操作される切タイマー設定スイッチ15から運転の短縮嗜好と運転の延長嗜好を学習することができ、次回の乾燥運転において、切タイマー設定スイッチ15の操作をしなくても運転の短縮または延長を行なうようにでき、使用者の好みに合った乾燥状態の調整を行うことができ、使い勝手の向上が図れる。
【0102】
また、連続して同一の嗜好の確認がされなかったときには、乾燥度合い初期化手段53または延長要求カウント初期化手段54は、第1記憶手段22に記憶されている記憶を初期化することが可能となり、使用者の積極的な操作による嗜好の初期化と合わせて、乾燥運転中の切タイマー設定スイッチ15の操作状態からも第1記憶手段22への記憶の初期化もおこなうことができる。
【0103】
これによって、使用者の運転の短縮および延長の要求に応じてその嗜好を第1記憶手段22記憶するとともに、それを確認してその嗜好に合わせて乾燥運転を行なうことができる。
【0104】
なお、運転要求確認手段27は、切タイマー設定スイッチ15の操作時に割り込みを発生させて、運転手段17のアルゴリズムの進行段階(ステップ)から運転時間短縮嗜好判断手段28の前段階と、乾燥の完了判定後の停止手段32による運転停止から所定に時間内である段階を区別することで、短縮要求の確認と延長要求の確認を区別して行なうものであっても同様の作用効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明の除湿装置は、使用者による衣類乾燥運転の短縮または延長する嗜好を切タイマー設定スイッチの操作を受けて学習して切タイマー設定スイッチの操作がなくても運転の短縮または延長を実行することにより、使用者の好みに応じた衣類の乾燥度合いに仕上げる衣類乾燥運転を行うことができるので家庭用の除湿装置に関わらず旅館など業務用の用途にも適用できる。
【符号の説明】
【0106】
5 制御部
6 温度センサ
7 湿度センサ
8 操作表示部
13 運転切入設定スイッチ
14 運転モード設定スイッチ
15 切タイマー設定スイッチ
16 嗜好運転中表示LED
17 運転手段
21 初期設定手段
22 第1記憶手段
23 初期化操作手段
25 乾燥量算出手段
26 乾燥度合い判別手段
27 運転要求確認手段
28 運転時間短縮嗜好判断手段
30 乾燥判断手段
31 運転時間延長嗜好判断手段
32 停止手段
33 短縮要求確認手段
34 延長要求確認手段
35 短縮運転手段
36 延長運転手段
37 第2記憶手段
38 乾燥完了判定値参照手段
39 空気線図
40 乾燥完了乾燥度テーブル
41 乾燥速度算出手段
43 タイマー運転手段
44 第1学習手段
45 第2学習手段
46 第1切タイマー設定判定手段
47 乾燥度合い記憶手段
48 第1連続発生カウント手段
49 運転嗜好記憶設定手段
50 第2切タイマー設定判定手段
51 第2連続発生カウント手段
52 運転嗜好記憶設定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣類の乾燥度を算出して衣類の乾燥が完了したことを判断する乾燥判断手段と、前記乾燥判断手段の判断により運転を停止させる停止手段と、切タイマー設定スイッチの操作により所定時間のタイマー運転へ切り替えて運転をおこなうタイマー運転手段と、前記乾燥判断手段による乾燥の完了判断の前に実行される運転短縮嗜好判断手段と後に実行される運転延長嗜好判断手段の判断により乾燥運転の短縮と延長および続行を切り替えて衣類の乾燥を行う運転手段を備えた除湿装置において、前記運転手段は、乾燥運転中に行なわれた前記切タイマー設定スイッチ操作から運転の短縮または延長の要求を確認し記憶する運転要求確認手段を備え、前記運転要求確認手段は、前記乾燥判断手段の乾燥の完了の判断の前に実行される前記切タイマー設定スイッチの操作を判定する短縮要求確認手段と前記停止手段の運転停止の後に実行される前記切タイマー設定スイッチの操作を判定する延長要求確認手段を備えたことを特徴とする除湿装置。
【請求項2】
運転手段は、運転の短縮要求を記憶する第1記憶手段と、衣類の乾燥量に範囲を持たせた複数の乾燥度合いのいずれか一つに判定する乾燥度合い判定手段を備え、短縮要求確認手段は、運転切タイマー設定スイッチが操作されたときに前記乾燥度合いを記憶する乾燥度合い記憶手段と、記憶した乾燥度合いのときに連続して前記切タイマー設定スイッチ操作が発生した回数が所定の回数に達したときに短縮要求があるという嗜好を学習し第1記憶手段へ記憶する運転嗜好記憶設定手段を備えた請求項1記載の除湿装置。
【請求項3】
運転手段は、運転の延長要求を記憶する第1記憶手段と、延長要求確認手段で連続して切タイマー設定スイッチ操作が発生した回数が所定の回数に達したときに延長要求があるという嗜好を学習し前記第1記憶手段へ記憶する運転嗜好記憶設定手段を備えた請求項1または2記載の除湿装置。
【請求項4】
短縮要求確認手段に記憶した乾燥度合いは除湿装置の電源を切っても記憶していることを特徴とした請求項2記載の除湿装置。
【請求項5】
学習手段で学習した嗜好を記憶する嗜好記憶手段を備え、除湿装置の電源を切っても記憶していることを特徴とした請求項1または請求項2記載の除湿装置。
【請求項6】
運転手段は、短縮要求確認手段での確認した乾燥度合いとカウント値、および学習手段で学習した運転を短縮する嗜好を初期化する初期化手段を備えた請求項1、3、4、5のいずれか一つに記載の除湿装置。
【請求項7】
運転手段は、延長要求確認手段での確認したカウント値、および学習手段で学習した運転を短縮する嗜好を初期化する初期化手段を備えた請求項1、3のいずれか一つに記載の除湿装置。
【請求項8】
運転手段は、タイマー運転により運転時間の短縮または延長をしていることを報知することを特徴とした請求項1記載の除湿装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−24427(P2013−24427A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−156411(P2011−156411)
【出願日】平成23年7月15日(2011.7.15)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】