除細動電極、除細動装置および内視鏡装置
【課題】心膜に対する心臓の相対的な移動にかかわらず、電極部がずれてしまう不都合の発生を防止し、効果的に所望の位置に除細動電圧を加える。
【解決手段】心膜Aの表面に沿って配置される電極部6と、該電極部6に接続され、心膜Aを貫通するリード線5と、該リード線5に設けられ、電極部6を心膜Aの表面に配置した状態で心膜Aの貫通部近傍に配置され、リード線5から半径方向外方に突出して、リード線5の長手方向の移動を制限するストッパ7とを備える除細動電極1を提供する。
【解決手段】心膜Aの表面に沿って配置される電極部6と、該電極部6に接続され、心膜Aを貫通するリード線5と、該リード線5に設けられ、電極部6を心膜Aの表面に配置した状態で心膜Aの貫通部近傍に配置され、リード線5から半径方向外方に突出して、リード線5の長手方向の移動を制限するストッパ7とを備える除細動電極1を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、除細動電極、除細動装置および内視鏡装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、開胸手術することなく除細動装置を体内に植え込むために、患者の剣状突起の下部から挿入した除細動電極を心膜または心外膜に貫通させた後に、その先端に設けたコイル状の電極部を心膜内に配置する除細動装置とその設置方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開平1−148276号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の除細動装置は、心膜を貫通させて電極部を心膜と心臓との間の空間に配置しているが、電極部は単に心膜または心臓に固定することなく心膜と心臓との間の空間に挿入して配置しているだけであるため、心膜に対する心臓の相対的な移動によって電極部の位置がずれてしまい、効果的に除細動電圧を心臓に加えることができないという不都合がある。
【0005】
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、心膜に対する心臓の相対的な移動にかかわらず、電極部がずれてしまう不都合の発生を防止し、効果的に所望の位置に除細動電圧を加えることができる除細動電極、除細動装置およびこれを設置するための内視鏡装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
心膜の表面に沿って配置される電極部と、該電極部に接続され、心膜を貫通するリード線と、該リード線に設けられ、前記電極部を心膜の表面に配置した状態で心膜の貫通部近傍に配置され、リード線から半径方向外方に突出して、リード線の長手方向の移動を制限するストッパとを備える除細動電極を提供する。
【0007】
本発明によれば、リード線を心膜に貫通させた状態で心膜の表面に電極部を配置すると、半径方向外方に突出するストッパが、心膜の貫通部に突き当たってリード線の長手方向の移動を制限するので、電極部が心膜に固定された状態に維持される。したがって、心膜に対して心臓が移動しても、電極部の位置が一定の位置に保持され、効果的に除細動電圧を心臓に加えることが可能となる。
【0008】
上記発明においては、前記電極部が、弾性によって外形寸法を縮小・拡大する弾性部材を備えていてもよい。
このようにすることで、細長い挿入部を有する内視鏡のチャネルやシース内に、弾性部材を縮小させた状態に収容して、心膜の近傍に挿入し、チャネルやシース内から押し出すことで弾性部材を拡大させて心膜に比較的広い面積で接触する形態で配置することができる。これにより、設置作業を容易にし、除細動電圧を効果的に心臓に加えることができる。
【0009】
また、上記発明においては、前記弾性部材が、外力により略直線状の形態になり、外力が解放されることによってコイル状の形態になるように構成されたリード線の部分からなっていてもよい。
このようにすることで、リード線の一部を解放状態でコイル状になるように形成しているので、略直線状に延ばした状態で細長い内視鏡の挿入部のチャネル内やシース内に収容し、チャネルあるいはシース内から押し出すだけで、コイル状に形態に拡大させることができる。
【0010】
また、上記発明においては、前記ストッパが、前記電極部との間に心膜を挟む程度の間隔をあけて、リード線に固定されていてもよい。
このようにすることで、電極部とストッパとの間のリード線が心膜を貫通した状態に配置すると、心膜の外面または内面のいずれかに電極部が配置され、心膜を挟んで電極部とは反対側にストッパが配置される。これにより、電極部とストッパとの間に心膜が挟まれ、電極部がさらに確実に心膜に固定されることになる。
【0011】
また、上記発明においては、前記リード線が前記電極部を挟んで両側に設けられ、前記ストッパが、前記電極部を挟んだ両側のリード線に設けられ、先端側のストッパは、前端に配置されリード線を心膜に貫通させる尖鋭部と、後端に配置された後退方向への心膜の貫通を制限する突出部とを備えていてもよい。
【0012】
このようにすることで、先端側に設けられたストッパの尖鋭部によって心膜を2回貫通させると、当該ストッパの後端に設けられた突出部によってそのリード線が逆方向に抜けることが防止され、電極部が心膜に固定される。電極部を挟んで両側に設けられたリード線をそれぞれ心膜に貫通させてストッパによりリード線の長手方向への移動を制限することで、電極部を心膜により確実に固定することができる。
【0013】
また、上記発明においては、前記ストッパに、心電信号を検出し、ペーシング信号を出力するペーシング電極部が設けられていてもよい。
このようにすることで、除細動電極の電極部とは別個にペーシング電極部を心膜に固定することができ、心電信号をより正確に検出して、適正なペーシング信号を出力することができる。
また、本発明は上記いずれかの除細動電極を備える除細動装置を提供する。
【0014】
また、本発明は、上記いずれかの除細動電極を設置する際に使用される内視鏡装置であって、体内に挿入される挿入部と、該挿入部の先端から照明光を照射し戻り光を集光する観察光学系と、前記挿入部の長手方向に沿って先端面まで貫通形成され、前記除細動電極を挿入するためのチャネルとを備え、前記挿入部の先端部に、該挿入部の先端面の方向を変更するために少なくとも一方向に湾曲可能な湾曲部が設けられ、該湾曲部の横断面形状が、該湾曲部を湾曲させたときの外周側に略直線状部分を有する内視鏡装置を提供する。
【0015】
本発明によれば、例えば、剣状突起の下部から挿入部の先端部を体内に挿入し、観察光学系によって照明光を体内に照射して戻り光を集光し、内視鏡観察を行いながら、挿入部の先端部によって心膜を貫通させて心膜内面に配置する。この状態で挿入部の先端の湾曲部を湾曲させて挿入部の先端面を心膜内面に密着させる。そして、チャネルを介して除細動電極を挿入することにより、除細動電極のリード線が心膜を1回貫通して電極部を心膜の外側に配置することができる。このとき、リード線に設けられたストッパにより電極部の移動が制限されるので、電極部を心膜に固定した状態に保持することができる。
【0016】
この場合において、湾曲部の横断面形状に設けられた略直線状部分を心臓側に配置して湾曲部を湾曲させると、挿入部の先端面が心膜の内面側に向かうようになり、心膜内面に容易に密着させることができる。心臓の外面が外側に凸の曲面形状を有しているので、湾曲部の湾曲の外周側も凸形状になっていると、挿入部の軸線回りの姿勢が安定しないが、略直線状部分を設けることで構成された平坦面を心臓の凸形状の外面に接触させることで、挿入部の軸線回りの姿勢を安定させて、湾曲動作を容易に行わせることができる。
【0017】
上記発明においては、前記挿入部の先端面が、軸線に対して、前記直線状部分とは反対側に向かって傾斜していることが好ましい。
このようにすることで、湾曲部の湾曲角度が小さくても簡易に挿入部の先端面を心膜内面に沿う方向に配置することができる。
【0018】
また、上記発明においては、前記チャネルを介して前記挿入部の先端面から出没可能に設けられ、先端開口から前記除細動電極を突出可能な外装チューブを備え、該外装チューブが、前記挿入部の先端面から突出させられた状態で、前記湾曲部とは逆方向に湾曲するように形成されていてもよい。
このようにすることで、挿入部の湾曲部を湾曲させて挿入部の先端面を心膜の内面に密着され、チャネルから外装チューブを突出させて心膜を貫通させると、外装チューブが湾曲部の湾曲方向とは逆方向に湾曲してその先端が心膜の外面に向かうようになる。この状態で外装チューブ内から除細動電極を突出させると、除細動電極によって心膜を再度貫通させることができ、リード線を心膜に2回貫通させて、間に配置されている電極部を心膜の外面に沿う位置により確実に固定することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、心膜に対する心臓の相対的な移動にかかわらず、電極部がずれてしまう不都合の発生を防止し、効果的に所望の位置に除細動電圧を加えることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の一実施形態に係る除細動電極1、除細動装置2およびこれを設置するための内視鏡装置3、さらには除細動電極1の設置方法について、図1〜図15を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る除細動装置2は、図1に示されるように、一対の除細動電極1と、該除細動電極1間に除細動電圧を加える装置本体4とを備えた体内埋め込み式の除細動装置2である。
【0021】
本実施形態に係る除細動電極1は、図1に示されるように、装置本体4から延びるリード線5と、該リード線5の先端に設けられたコイル状の電極部6と、該電極部6近傍のリード線5に設けられたストッパ7とを備えている。
装置本体4から電極部6までのリード線5には図示しない絶縁被覆が施されている。
【0022】
電極部6は、リード線5の一部を構成する裸線により構成され、図1に示される自由状態ではコイル状に形成されており、外力によって略直線状に引き延ばすことができるようになっている。
図6に、(a)電極部6が略直線状に引き延ばされて内視鏡装置3の挿入部8のチャネル9内に収容された状態、(b)電極部6がチャネル9の先端開口9aから突出させられて、自由状態のコイル状に戻っていく状態をそれぞれ示している。
【0023】
電極部6を構成する裸線の先端には、心膜Aを貫通しやすいように尖った尖鋭部6aが設けられている。
ストッパ7は、リード線5の途中位置に固定されて、リード線5よりも半径方向外方に突出した部材である。
【0024】
次に、このように構成された本実施形態に係る除細動電極1を設置するための内視鏡装置3について説明する。
図2は、内視鏡装置3の全体構成図である。内視鏡装置3は、患者Bの体内に挿入するための細長い挿入部8と、該挿入部8の先端に備えられた湾曲部10を湾曲させるためのハンドル11と、挿入部8を介して導光し挿入部8の先端面8aから射出させる照明光を発生する光源装置12と、患者Bの体内から戻る戻り光を撮影する撮像素子(図示略)を備える撮影装置13と、取得された画像を表示するモニタ14とを備えている。
【0025】
挿入部8は、図3に示されるように、周方向の一部に、略直線状部分15を有する横断面形状を有しており、図5に示されるように、内側に光源装置12からの照明光を導光するライトガイドファイバ16と、生体からの戻り光を導光するイメージファイバ17とを束ねたファイババンドル18を収容するチャネル19と、図4に示されるように、除細動電極1を案内するためのチャネル9とを備えている。
【0026】
ファイババンドル18の前方には、図5に示されるように、光源装置12から導光されてきた照明光を拡散させて生体に照射する一方、戻り光を集光してイメージファイバ17に入射させる対物レンズ20が設けられている。図3において、符号21は、ハンドル11の操作によって引っ張り力を作用させることにより、図6に示されるように湾曲部10を湾曲させるための湾曲ワイヤである。
【0027】
挿入部8の先端面8aは、一方向に傾斜している。先端面8aの傾斜方向は、上述した挿入部8の横断面の略直線状部分15が設けられている方向とは軸線を挟んで逆方向である。これにより、湾曲部10の湾曲角度が小さくても、挿入部8の先端面8aを容易に横向きにすることができるようになっている。
【0028】
また、挿入部8に設けられた湾曲部10は、図7に示されるように、略直線状部分15が湾曲の外側になるように湾曲させられるようになっている。これにより、心臓Cのような外側に凸の物体を略直線状部分15の形成されている側面側に配置した状態で、湾曲部10を湾曲させると、略直線状部分15の形成されている側面が外側になるように湾曲させられるようになっている。
【0029】
そして、その結果、挿入部8と心臓Cの表面との接触面積は、円形断面の湾曲部10を湾曲させた場合よりも大きく確保されるようになっている。したがって、湾曲部10の湾曲動作中に挿入部8がその軸線回りに回転してしまう不都合の発生を防止して、挿入部8の先端面8aを所望の方向に安定して向けることができるようになっている。
【0030】
ハンドル11の側方には、除細動電極1をチャネル9内に挿入するための挿入口9bが設けられている。挿入口9bから外部に延びる除細動電極1を手動で押し引きすることにより、挿入部9の先端開口9aから除細動電極1を進退させることができるようになっている。
【0031】
次に、本実施形態に係る除細動電極1の設置方法について説明する。
本実施形態に係る除細動電極1を患者Bの体内に設置するには、まず、図9に示されるように、患者Bの腹部の剣状突起Dの下部に皮膚を貫通する貫通孔Eを設け、ガイドワイヤ22を挿入するステップを行う。ガイドワイヤ22は、例えば、X線撮影装置(図示略)によって患者Bの体内におけるガイドワイヤ22の位置を確認しながら行われる。
【0032】
ガイドワイヤ22は、図9に示す例では、患者Bの腹部から横隔膜Fと心膜Aとの間の空間を介して心膜Aの下部において心膜Aを貫通し、先端が心膜A内の心臓Cとの隙間に配置されるまで挿入する。
この状態で、図10に示されるように、腹部に設けた貫通孔Eからガイドワイヤ22に沿ってシース23を挿入するステップを行う。次いで、シース23の先端が心膜A内の心臓Cとの隙間に配置されるように挿入された状態で、ガイドワイヤ22を引き抜くステップを行う。
【0033】
次に、図11に示されるように、シース23内に内視鏡装置3の挿入部8を挿入するステップを行う。挿入部8が挿入された内視鏡装置3によって、光源装置12から発生した照明光を患者Bの体内に照射し、戻り光を撮影して得られた画像をモニタ14に表示しながら、挿入部8の先端を心膜A内において前進させていく。このとき、挿入部8に設けられた略直線状部分15が心臓C側に向けて配置されるように進行させていく。
【0034】
そして、モニタ14によって、挿入部8の先端が心臓Cの左心室の所望の位置に配置されたことが確認された状態で、ハンドル11を操作して、図12に示されるように、湾曲部10を湾曲させるステップを行う。挿入部8の先端面8aは軸線を挟んで略直線状部分15とは逆方向に向かうように傾斜しているので、略直線状部分15が外側になるように湾曲部10を比較的小さい角度だけ湾曲させるだけで、挿入部8の先端面8aを容易に心膜Aの内面に正対させ密着させることができる。
【0035】
この状態で、内視鏡装置3のハンドル11近傍に配置されている挿入口9bから外側に延びている除細動電極1を手動で押して、挿入部8の先端から除細動電極1の先端を突出させるステップを行う。除細動電極1の先端には尖鋭部6aが設けられているので、先端面8aのチャネル9の先端開口9aから突出した除細動電極1は、その尖鋭部6aによって心膜Aを貫通し、心膜A外にその先端を配置するようになる。
【0036】
そして、さらに、除細動電極1を押し込んで行くステップを行うと、図8に示されるように、コイル状の電極部6全体が心膜A外に送り出される。電極部6の近傍にはストッパ7が設けられているので、ストッパ7が心膜Aにおける貫通部に突き当たってそれ以上の除細動電極1の進行が妨げられる。
【0037】
この後に、挿入部8を引き抜くステップを行い、シース23を引き抜くステップを行うことにより、図13に示されるように、左心室に対向する心膜Aの外側に電極部6を配置した状態に除細動電極1を設置することができる。
【0038】
また、右心室に対向する位置に電極部6を配置する場合においても、上記と同様にして、ガイドワイヤ22を配置し、シース23を挿入し、シース23内を介して内視鏡装置3の挿入部8を挿入し、内視鏡装置3を介して除細動電極1を挿入し、除細動電極1によって心膜Aを貫通させ、心膜Aの外側にコイル状に広がる電極部6を配置し、電極部6とストッパ7との間に心膜Aを挟み、挿入部8およびシース23を引き抜く各ステップを行うことにより、図14に示されるように、簡易かつ確実に除細動電極1を設置することができる。そして、腹部に設けた貫通孔Eを介して固定した2本のリード線5を装置本体4に接続し、図15に示されるように、同じ貫通孔Eを介して患者Bの剣状突起Dの内側に装置本体4も埋め込むことにより、体内植え込み型の除細動装置2の設置が可能となる。
【0039】
このように、本実施形態に係る除細動電極1によれば、リード線5が心膜Aを貫通し、その貫通部分の外側においてコイル状に広がった電極部6と、貫通部分の内側に配されるストッパ7との間に心膜Aが挟まれるので、心臓Cの拍動にかかわらず、電極部6の位置が変動しないように固定することができる。その結果、心臓Cの所望の部位に、除細動電圧を加えて、効果的に心臓Cの細動を除去することができる。特に、比較的大きく広がった電極部6を心膜Aの外側に配置しているので、心臓Cの拍動が電極部6によって阻害される不都合の発生を未然に防止することができる。
【0040】
なお、本実施形態に係る除細動電極1においては、除細動電極1を構成するリード線5の先端を鋭利な尖鋭部6aとして、該リード線5の先端によって心膜Aを貫通させることとしたが、これに代えて、図16に示されるように、リード線5の先端にも鋭利な尖鋭部24aと突出部24bとを有するストッパ24を設けることにしてもよい。
【0041】
このストッパ24は、リード線5の先端に取り付けられた板状部材であって、心膜Aを貫通させるときには、例えば、チャネル9内あるいは後述する外装チューブ25内に配置されて、図16(a)に示されるように、リード線5に沿うように配されて尖鋭部24aを前方に向け、突出部24bがリード線5の半径方向に突出しないように配置されている。これにより、リード線5を長手方向に押すことで、心膜Aを容易に貫通することができるようになっている。
一方、このストッパ24は、心膜Aを貫通させた後には、図16(b)に示されるように、リード線5に対して直交するように配されて、突出部24bが半径方向外方に突出し、戻る方向へのリード線5の移動を制限するようになっている。
【0042】
このように構成された除細動電極1を取り付けるには、図17に示されるような内視鏡装置3を使用する。すなわち、この内視鏡装置3は、図17(a)に示されるように、図7と同様に一方向に湾曲可能な湾曲部10内のチャネル9内を移動可能な外装チューブ25を備え、該外装チューブ25内にリード線5を延ばした状態で収容している。外装チューブ25は、図17(b)に示されるように、先端に鋭利な尖鋭部25aが設けられるとともに、チャネル9の先端開口9aから突出させられると、内視鏡装置3の挿入部8の湾曲部10の湾曲方向とは逆方向に湾曲するように癖付け(形状記憶)されている。
【0043】
これにより、図18に示されるように、湾曲部10を湾曲させて先端面8aを心膜Aに密着させた状態で、外装チューブ25をチャネル9内から突出させると、外装チューブ25の尖鋭部25aが心膜Aを貫通して心膜A外に突出し、その後、湾曲部10の湾曲方向とは逆方向に湾曲して先端面25bを心膜Aの外面に密着させるようになる。この状態で、外装チューブ25の先端面25bからリード線5を突出させると、リード線5の先端に取り付けたストッパ24の尖鋭部24aが心膜Aを貫通して心膜A内に入る。
【0044】
そして、ストッパ24が完全に心膜A内に入った状態で、図19に示されるように、リード線5を若干引き戻す方向に移動させる。これにより、ストッパ24がリード線5に対して直交する方向に開いて心膜Aの内面に突き当たり、リード線5の戻る方向への移動を制限する。
【0045】
この後に、外装チューブ25を挿入部8のチャネル9内に引き戻しながら、リード線5を外装チューブ25内から送り出していくことにより、コイル状の電極部6が心膜A外部に放出される。そして、外装チューブ25を完全にチャネル9内に収容した後に、挿入部8を引き抜いていくことで、図20に示されるように、心膜Aの外部に電極部6が配置され、その両側に設けられているストッパ7,24によって移動しないようにより確実に固定される。
【0046】
また、上記実施形態において、心膜Aに先端面8aが密着させられる挿入部8のチャネル9内および外装チューブ25内を減圧状態に吸引することにしてもよい。このようにすることで、心膜Aの表面に挿入部8または外装チューブ25の先端面8a,25bを密着させた状態で除細動電極1の心膜Aへの貫通作業を容易にすることができる。
【0047】
また、本実施形態においては、図21に示されるように、ストッパ7を絶縁材26によってリード線5から絶縁し、ストッパ7にペーシング電極部27を固定してもよい。このようにすることで、除細動電極1の電極部6とは別個にペーシング電極部27を心膜Aに固定することができ、心電信号をより正確に検出して、適正なペーシング信号を出力することができる。
【0048】
また、本実施形態においては、コイル状に形成された電極部6を有するものを例示したが、これに代えて、図22に示されるように、チャネル9内または外装チューブ25内から放出されることにより平板状に広がる導電性の金属材料からなるメッシュ状の電極部28を採用してもよい。
【0049】
また、本実施形態においては、内視鏡装置3の挿入部8の先端面8aまで、観察光学系を収容するチャネル19と、除細動電極1を進退させるチャネル9とを独立に設けることとしたが、これに代えて、図23および図24に示されるように、挿入部8の先端部分に2つのチャネル9,19を合流させる空間29を設けることにしてもよい。このようにすることで、挿入部8の先端面8aを心膜に密着させた状態においても、チャネル9内から送り出されて心膜Aを貫通する際の除細動電極1や外装チューブ25の様子を観察することができる。
また、挿入部8の傾斜した先端面8aに対物レンズ20を配置してもよい。このようにすることで、観察光学系の視界を最大限に広げることができる。
【0050】
また、本実施形態においては、心膜Aの外側にコイル状に広がる電極部6を配置することとしたが、これに代えて、図25に示されるように、リード線5を心膜Aに縫いつけるように2回貫通させて、心膜Aの内側に電極部6を配置することにしてもよい。この場合には、ストッパ7として心膜を貫通した後に半径方向外方に突出する弾性部材により構成したものを採用することが好ましい。
また、除細動装置2の装置本体4として、図26に示されるように、薄型のコンパクトな構成ものを採用することで、心膜Aと横隔膜Fとの隙間に収容することができる。
なお、心膜に除細動電極を設置する方法は、剣状突起から心嚢内に挿入する上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば、経静脈的に右心房内から右心耳を突き破って心嚢内に挿入した後、上述した各実施形態と同様の方法で心膜に固定することにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の一実施形態に係る除細動電極を備える除細動装置を示す全体構成図である。
【図2】図1の除細動装置を体内に埋め込むために使用される本発明の一実施形態に係る内視鏡装置を示す全体構成図である。
【図3】図2の内視鏡装置の挿入部の湾曲部の横断面図である。
【図4】図2の内視鏡装置の挿入部の湾曲部の除細動電極を進退させるためのチャネル部分の縦断面図である。
【図5】図2の内視鏡装置の挿入部の湾曲部の観察光学系を収容したチャネル部分の縦断面図である。
【図6】図2の内視鏡装置の挿入部の湾曲部の動作を説明する側面図である。
【図7】(a)挿入部のチャネル内に収容された状態、(b)挿入部のチャネル内から一部送り出された状態の除細動電極をそれぞれ示す縦断面図である。
【図8】心膜の外部に電極部が設置された状態の除細動電極を示す図である。
【図9】図1の除細動装置の除細動電極を患者の体内に設置する設置方法におけるガイドワイヤの挿入ステップを説明する図である。
【図10】図9において挿入されたガイドワイヤに沿ってシースを挿入するステップを説明する図である。
【図11】図10において挿入されたシースを介して内視鏡装置の挿入部を挿入するステップを説明する図である。
【図12】図11において挿入された内視鏡装置の挿入部先端から突出させた除細動電極を心膜に貫通させた状態を示す図である。
【図13】図12において貫通させた除細動電極の電極部を左心室に対向する心膜の外側に設置した状態を示す図である。
【図14】除細動電極の2つの電極部を左心室および右心室に対向する心膜の外側に設置した状態を示す図である。
【図15】除細動電極を接続した装置本体を患者の体内に埋設した状態を示す図である。
【図16】図1の除細動電極の変形例であって、先端に尖鋭部を有する他のストッパを有する除細動電極の(a)心膜の貫通前、(b)心膜の貫通後の状態をそれぞれ示す図である。
【図17】図2の内視鏡装置の(a)挿入部の湾曲部の動作、(b)挿入部のチャネルから外装チューブを押し出した状態をそれぞれ示す図である。
【図18】図17の内視鏡装置を使用して、一旦心膜外に貫通させた外装チューブから除細動電極を心膜内に突出させた状態を示す図である。
【図19】図18の状態からストッパを心膜内面に固定し、コイル状の電極部を外装チューブから送り出した状態を示す図である。
【図20】図19の状態から外装チューブおよび挿入部を引き抜いた状態を示す図である。
【図21】図1の除細動電極に設けられたストッパにペーシング電極部を取り付けた変形例を示す図である。
【図22】図1の除細動電極に設けられた電極部の変形例を示す図である。
【図23】図2の内視鏡装置の変形例を示す挿入部を先端側から見た図である。
【図24】図23の内視鏡装置の挿入部の湾曲部を示す縦断面図である。
【図25】図20の設置方法の変形例であって、電極部を心膜内に配置した状態を示す図である。
【図26】図15の変形例であって、より薄いコンパクトな装置本体を備える除細動装置を患者の体内に埋設した状態を示す図である。
【符号の説明】
【0052】
A 心膜
1 除細動電極
2 除細動装置
3 内視鏡装置
5 リード線
6 電極部
6a,24a 尖鋭部
7,24 ストッパ
8 挿入部
8a 先端面
9,19 チャネル
10 湾曲部
15 略直線状部分
18 ファイババンドル(観察光学系)
20 対物レンズ(観察光学系)
24b 突出部
25 外装チューブ
27 ペーシング電極部
【技術分野】
【0001】
本発明は、除細動電極、除細動装置および内視鏡装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、開胸手術することなく除細動装置を体内に植え込むために、患者の剣状突起の下部から挿入した除細動電極を心膜または心外膜に貫通させた後に、その先端に設けたコイル状の電極部を心膜内に配置する除細動装置とその設置方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開平1−148276号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の除細動装置は、心膜を貫通させて電極部を心膜と心臓との間の空間に配置しているが、電極部は単に心膜または心臓に固定することなく心膜と心臓との間の空間に挿入して配置しているだけであるため、心膜に対する心臓の相対的な移動によって電極部の位置がずれてしまい、効果的に除細動電圧を心臓に加えることができないという不都合がある。
【0005】
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、心膜に対する心臓の相対的な移動にかかわらず、電極部がずれてしまう不都合の発生を防止し、効果的に所望の位置に除細動電圧を加えることができる除細動電極、除細動装置およびこれを設置するための内視鏡装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
心膜の表面に沿って配置される電極部と、該電極部に接続され、心膜を貫通するリード線と、該リード線に設けられ、前記電極部を心膜の表面に配置した状態で心膜の貫通部近傍に配置され、リード線から半径方向外方に突出して、リード線の長手方向の移動を制限するストッパとを備える除細動電極を提供する。
【0007】
本発明によれば、リード線を心膜に貫通させた状態で心膜の表面に電極部を配置すると、半径方向外方に突出するストッパが、心膜の貫通部に突き当たってリード線の長手方向の移動を制限するので、電極部が心膜に固定された状態に維持される。したがって、心膜に対して心臓が移動しても、電極部の位置が一定の位置に保持され、効果的に除細動電圧を心臓に加えることが可能となる。
【0008】
上記発明においては、前記電極部が、弾性によって外形寸法を縮小・拡大する弾性部材を備えていてもよい。
このようにすることで、細長い挿入部を有する内視鏡のチャネルやシース内に、弾性部材を縮小させた状態に収容して、心膜の近傍に挿入し、チャネルやシース内から押し出すことで弾性部材を拡大させて心膜に比較的広い面積で接触する形態で配置することができる。これにより、設置作業を容易にし、除細動電圧を効果的に心臓に加えることができる。
【0009】
また、上記発明においては、前記弾性部材が、外力により略直線状の形態になり、外力が解放されることによってコイル状の形態になるように構成されたリード線の部分からなっていてもよい。
このようにすることで、リード線の一部を解放状態でコイル状になるように形成しているので、略直線状に延ばした状態で細長い内視鏡の挿入部のチャネル内やシース内に収容し、チャネルあるいはシース内から押し出すだけで、コイル状に形態に拡大させることができる。
【0010】
また、上記発明においては、前記ストッパが、前記電極部との間に心膜を挟む程度の間隔をあけて、リード線に固定されていてもよい。
このようにすることで、電極部とストッパとの間のリード線が心膜を貫通した状態に配置すると、心膜の外面または内面のいずれかに電極部が配置され、心膜を挟んで電極部とは反対側にストッパが配置される。これにより、電極部とストッパとの間に心膜が挟まれ、電極部がさらに確実に心膜に固定されることになる。
【0011】
また、上記発明においては、前記リード線が前記電極部を挟んで両側に設けられ、前記ストッパが、前記電極部を挟んだ両側のリード線に設けられ、先端側のストッパは、前端に配置されリード線を心膜に貫通させる尖鋭部と、後端に配置された後退方向への心膜の貫通を制限する突出部とを備えていてもよい。
【0012】
このようにすることで、先端側に設けられたストッパの尖鋭部によって心膜を2回貫通させると、当該ストッパの後端に設けられた突出部によってそのリード線が逆方向に抜けることが防止され、電極部が心膜に固定される。電極部を挟んで両側に設けられたリード線をそれぞれ心膜に貫通させてストッパによりリード線の長手方向への移動を制限することで、電極部を心膜により確実に固定することができる。
【0013】
また、上記発明においては、前記ストッパに、心電信号を検出し、ペーシング信号を出力するペーシング電極部が設けられていてもよい。
このようにすることで、除細動電極の電極部とは別個にペーシング電極部を心膜に固定することができ、心電信号をより正確に検出して、適正なペーシング信号を出力することができる。
また、本発明は上記いずれかの除細動電極を備える除細動装置を提供する。
【0014】
また、本発明は、上記いずれかの除細動電極を設置する際に使用される内視鏡装置であって、体内に挿入される挿入部と、該挿入部の先端から照明光を照射し戻り光を集光する観察光学系と、前記挿入部の長手方向に沿って先端面まで貫通形成され、前記除細動電極を挿入するためのチャネルとを備え、前記挿入部の先端部に、該挿入部の先端面の方向を変更するために少なくとも一方向に湾曲可能な湾曲部が設けられ、該湾曲部の横断面形状が、該湾曲部を湾曲させたときの外周側に略直線状部分を有する内視鏡装置を提供する。
【0015】
本発明によれば、例えば、剣状突起の下部から挿入部の先端部を体内に挿入し、観察光学系によって照明光を体内に照射して戻り光を集光し、内視鏡観察を行いながら、挿入部の先端部によって心膜を貫通させて心膜内面に配置する。この状態で挿入部の先端の湾曲部を湾曲させて挿入部の先端面を心膜内面に密着させる。そして、チャネルを介して除細動電極を挿入することにより、除細動電極のリード線が心膜を1回貫通して電極部を心膜の外側に配置することができる。このとき、リード線に設けられたストッパにより電極部の移動が制限されるので、電極部を心膜に固定した状態に保持することができる。
【0016】
この場合において、湾曲部の横断面形状に設けられた略直線状部分を心臓側に配置して湾曲部を湾曲させると、挿入部の先端面が心膜の内面側に向かうようになり、心膜内面に容易に密着させることができる。心臓の外面が外側に凸の曲面形状を有しているので、湾曲部の湾曲の外周側も凸形状になっていると、挿入部の軸線回りの姿勢が安定しないが、略直線状部分を設けることで構成された平坦面を心臓の凸形状の外面に接触させることで、挿入部の軸線回りの姿勢を安定させて、湾曲動作を容易に行わせることができる。
【0017】
上記発明においては、前記挿入部の先端面が、軸線に対して、前記直線状部分とは反対側に向かって傾斜していることが好ましい。
このようにすることで、湾曲部の湾曲角度が小さくても簡易に挿入部の先端面を心膜内面に沿う方向に配置することができる。
【0018】
また、上記発明においては、前記チャネルを介して前記挿入部の先端面から出没可能に設けられ、先端開口から前記除細動電極を突出可能な外装チューブを備え、該外装チューブが、前記挿入部の先端面から突出させられた状態で、前記湾曲部とは逆方向に湾曲するように形成されていてもよい。
このようにすることで、挿入部の湾曲部を湾曲させて挿入部の先端面を心膜の内面に密着され、チャネルから外装チューブを突出させて心膜を貫通させると、外装チューブが湾曲部の湾曲方向とは逆方向に湾曲してその先端が心膜の外面に向かうようになる。この状態で外装チューブ内から除細動電極を突出させると、除細動電極によって心膜を再度貫通させることができ、リード線を心膜に2回貫通させて、間に配置されている電極部を心膜の外面に沿う位置により確実に固定することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、心膜に対する心臓の相対的な移動にかかわらず、電極部がずれてしまう不都合の発生を防止し、効果的に所望の位置に除細動電圧を加えることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の一実施形態に係る除細動電極1、除細動装置2およびこれを設置するための内視鏡装置3、さらには除細動電極1の設置方法について、図1〜図15を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る除細動装置2は、図1に示されるように、一対の除細動電極1と、該除細動電極1間に除細動電圧を加える装置本体4とを備えた体内埋め込み式の除細動装置2である。
【0021】
本実施形態に係る除細動電極1は、図1に示されるように、装置本体4から延びるリード線5と、該リード線5の先端に設けられたコイル状の電極部6と、該電極部6近傍のリード線5に設けられたストッパ7とを備えている。
装置本体4から電極部6までのリード線5には図示しない絶縁被覆が施されている。
【0022】
電極部6は、リード線5の一部を構成する裸線により構成され、図1に示される自由状態ではコイル状に形成されており、外力によって略直線状に引き延ばすことができるようになっている。
図6に、(a)電極部6が略直線状に引き延ばされて内視鏡装置3の挿入部8のチャネル9内に収容された状態、(b)電極部6がチャネル9の先端開口9aから突出させられて、自由状態のコイル状に戻っていく状態をそれぞれ示している。
【0023】
電極部6を構成する裸線の先端には、心膜Aを貫通しやすいように尖った尖鋭部6aが設けられている。
ストッパ7は、リード線5の途中位置に固定されて、リード線5よりも半径方向外方に突出した部材である。
【0024】
次に、このように構成された本実施形態に係る除細動電極1を設置するための内視鏡装置3について説明する。
図2は、内視鏡装置3の全体構成図である。内視鏡装置3は、患者Bの体内に挿入するための細長い挿入部8と、該挿入部8の先端に備えられた湾曲部10を湾曲させるためのハンドル11と、挿入部8を介して導光し挿入部8の先端面8aから射出させる照明光を発生する光源装置12と、患者Bの体内から戻る戻り光を撮影する撮像素子(図示略)を備える撮影装置13と、取得された画像を表示するモニタ14とを備えている。
【0025】
挿入部8は、図3に示されるように、周方向の一部に、略直線状部分15を有する横断面形状を有しており、図5に示されるように、内側に光源装置12からの照明光を導光するライトガイドファイバ16と、生体からの戻り光を導光するイメージファイバ17とを束ねたファイババンドル18を収容するチャネル19と、図4に示されるように、除細動電極1を案内するためのチャネル9とを備えている。
【0026】
ファイババンドル18の前方には、図5に示されるように、光源装置12から導光されてきた照明光を拡散させて生体に照射する一方、戻り光を集光してイメージファイバ17に入射させる対物レンズ20が設けられている。図3において、符号21は、ハンドル11の操作によって引っ張り力を作用させることにより、図6に示されるように湾曲部10を湾曲させるための湾曲ワイヤである。
【0027】
挿入部8の先端面8aは、一方向に傾斜している。先端面8aの傾斜方向は、上述した挿入部8の横断面の略直線状部分15が設けられている方向とは軸線を挟んで逆方向である。これにより、湾曲部10の湾曲角度が小さくても、挿入部8の先端面8aを容易に横向きにすることができるようになっている。
【0028】
また、挿入部8に設けられた湾曲部10は、図7に示されるように、略直線状部分15が湾曲の外側になるように湾曲させられるようになっている。これにより、心臓Cのような外側に凸の物体を略直線状部分15の形成されている側面側に配置した状態で、湾曲部10を湾曲させると、略直線状部分15の形成されている側面が外側になるように湾曲させられるようになっている。
【0029】
そして、その結果、挿入部8と心臓Cの表面との接触面積は、円形断面の湾曲部10を湾曲させた場合よりも大きく確保されるようになっている。したがって、湾曲部10の湾曲動作中に挿入部8がその軸線回りに回転してしまう不都合の発生を防止して、挿入部8の先端面8aを所望の方向に安定して向けることができるようになっている。
【0030】
ハンドル11の側方には、除細動電極1をチャネル9内に挿入するための挿入口9bが設けられている。挿入口9bから外部に延びる除細動電極1を手動で押し引きすることにより、挿入部9の先端開口9aから除細動電極1を進退させることができるようになっている。
【0031】
次に、本実施形態に係る除細動電極1の設置方法について説明する。
本実施形態に係る除細動電極1を患者Bの体内に設置するには、まず、図9に示されるように、患者Bの腹部の剣状突起Dの下部に皮膚を貫通する貫通孔Eを設け、ガイドワイヤ22を挿入するステップを行う。ガイドワイヤ22は、例えば、X線撮影装置(図示略)によって患者Bの体内におけるガイドワイヤ22の位置を確認しながら行われる。
【0032】
ガイドワイヤ22は、図9に示す例では、患者Bの腹部から横隔膜Fと心膜Aとの間の空間を介して心膜Aの下部において心膜Aを貫通し、先端が心膜A内の心臓Cとの隙間に配置されるまで挿入する。
この状態で、図10に示されるように、腹部に設けた貫通孔Eからガイドワイヤ22に沿ってシース23を挿入するステップを行う。次いで、シース23の先端が心膜A内の心臓Cとの隙間に配置されるように挿入された状態で、ガイドワイヤ22を引き抜くステップを行う。
【0033】
次に、図11に示されるように、シース23内に内視鏡装置3の挿入部8を挿入するステップを行う。挿入部8が挿入された内視鏡装置3によって、光源装置12から発生した照明光を患者Bの体内に照射し、戻り光を撮影して得られた画像をモニタ14に表示しながら、挿入部8の先端を心膜A内において前進させていく。このとき、挿入部8に設けられた略直線状部分15が心臓C側に向けて配置されるように進行させていく。
【0034】
そして、モニタ14によって、挿入部8の先端が心臓Cの左心室の所望の位置に配置されたことが確認された状態で、ハンドル11を操作して、図12に示されるように、湾曲部10を湾曲させるステップを行う。挿入部8の先端面8aは軸線を挟んで略直線状部分15とは逆方向に向かうように傾斜しているので、略直線状部分15が外側になるように湾曲部10を比較的小さい角度だけ湾曲させるだけで、挿入部8の先端面8aを容易に心膜Aの内面に正対させ密着させることができる。
【0035】
この状態で、内視鏡装置3のハンドル11近傍に配置されている挿入口9bから外側に延びている除細動電極1を手動で押して、挿入部8の先端から除細動電極1の先端を突出させるステップを行う。除細動電極1の先端には尖鋭部6aが設けられているので、先端面8aのチャネル9の先端開口9aから突出した除細動電極1は、その尖鋭部6aによって心膜Aを貫通し、心膜A外にその先端を配置するようになる。
【0036】
そして、さらに、除細動電極1を押し込んで行くステップを行うと、図8に示されるように、コイル状の電極部6全体が心膜A外に送り出される。電極部6の近傍にはストッパ7が設けられているので、ストッパ7が心膜Aにおける貫通部に突き当たってそれ以上の除細動電極1の進行が妨げられる。
【0037】
この後に、挿入部8を引き抜くステップを行い、シース23を引き抜くステップを行うことにより、図13に示されるように、左心室に対向する心膜Aの外側に電極部6を配置した状態に除細動電極1を設置することができる。
【0038】
また、右心室に対向する位置に電極部6を配置する場合においても、上記と同様にして、ガイドワイヤ22を配置し、シース23を挿入し、シース23内を介して内視鏡装置3の挿入部8を挿入し、内視鏡装置3を介して除細動電極1を挿入し、除細動電極1によって心膜Aを貫通させ、心膜Aの外側にコイル状に広がる電極部6を配置し、電極部6とストッパ7との間に心膜Aを挟み、挿入部8およびシース23を引き抜く各ステップを行うことにより、図14に示されるように、簡易かつ確実に除細動電極1を設置することができる。そして、腹部に設けた貫通孔Eを介して固定した2本のリード線5を装置本体4に接続し、図15に示されるように、同じ貫通孔Eを介して患者Bの剣状突起Dの内側に装置本体4も埋め込むことにより、体内植え込み型の除細動装置2の設置が可能となる。
【0039】
このように、本実施形態に係る除細動電極1によれば、リード線5が心膜Aを貫通し、その貫通部分の外側においてコイル状に広がった電極部6と、貫通部分の内側に配されるストッパ7との間に心膜Aが挟まれるので、心臓Cの拍動にかかわらず、電極部6の位置が変動しないように固定することができる。その結果、心臓Cの所望の部位に、除細動電圧を加えて、効果的に心臓Cの細動を除去することができる。特に、比較的大きく広がった電極部6を心膜Aの外側に配置しているので、心臓Cの拍動が電極部6によって阻害される不都合の発生を未然に防止することができる。
【0040】
なお、本実施形態に係る除細動電極1においては、除細動電極1を構成するリード線5の先端を鋭利な尖鋭部6aとして、該リード線5の先端によって心膜Aを貫通させることとしたが、これに代えて、図16に示されるように、リード線5の先端にも鋭利な尖鋭部24aと突出部24bとを有するストッパ24を設けることにしてもよい。
【0041】
このストッパ24は、リード線5の先端に取り付けられた板状部材であって、心膜Aを貫通させるときには、例えば、チャネル9内あるいは後述する外装チューブ25内に配置されて、図16(a)に示されるように、リード線5に沿うように配されて尖鋭部24aを前方に向け、突出部24bがリード線5の半径方向に突出しないように配置されている。これにより、リード線5を長手方向に押すことで、心膜Aを容易に貫通することができるようになっている。
一方、このストッパ24は、心膜Aを貫通させた後には、図16(b)に示されるように、リード線5に対して直交するように配されて、突出部24bが半径方向外方に突出し、戻る方向へのリード線5の移動を制限するようになっている。
【0042】
このように構成された除細動電極1を取り付けるには、図17に示されるような内視鏡装置3を使用する。すなわち、この内視鏡装置3は、図17(a)に示されるように、図7と同様に一方向に湾曲可能な湾曲部10内のチャネル9内を移動可能な外装チューブ25を備え、該外装チューブ25内にリード線5を延ばした状態で収容している。外装チューブ25は、図17(b)に示されるように、先端に鋭利な尖鋭部25aが設けられるとともに、チャネル9の先端開口9aから突出させられると、内視鏡装置3の挿入部8の湾曲部10の湾曲方向とは逆方向に湾曲するように癖付け(形状記憶)されている。
【0043】
これにより、図18に示されるように、湾曲部10を湾曲させて先端面8aを心膜Aに密着させた状態で、外装チューブ25をチャネル9内から突出させると、外装チューブ25の尖鋭部25aが心膜Aを貫通して心膜A外に突出し、その後、湾曲部10の湾曲方向とは逆方向に湾曲して先端面25bを心膜Aの外面に密着させるようになる。この状態で、外装チューブ25の先端面25bからリード線5を突出させると、リード線5の先端に取り付けたストッパ24の尖鋭部24aが心膜Aを貫通して心膜A内に入る。
【0044】
そして、ストッパ24が完全に心膜A内に入った状態で、図19に示されるように、リード線5を若干引き戻す方向に移動させる。これにより、ストッパ24がリード線5に対して直交する方向に開いて心膜Aの内面に突き当たり、リード線5の戻る方向への移動を制限する。
【0045】
この後に、外装チューブ25を挿入部8のチャネル9内に引き戻しながら、リード線5を外装チューブ25内から送り出していくことにより、コイル状の電極部6が心膜A外部に放出される。そして、外装チューブ25を完全にチャネル9内に収容した後に、挿入部8を引き抜いていくことで、図20に示されるように、心膜Aの外部に電極部6が配置され、その両側に設けられているストッパ7,24によって移動しないようにより確実に固定される。
【0046】
また、上記実施形態において、心膜Aに先端面8aが密着させられる挿入部8のチャネル9内および外装チューブ25内を減圧状態に吸引することにしてもよい。このようにすることで、心膜Aの表面に挿入部8または外装チューブ25の先端面8a,25bを密着させた状態で除細動電極1の心膜Aへの貫通作業を容易にすることができる。
【0047】
また、本実施形態においては、図21に示されるように、ストッパ7を絶縁材26によってリード線5から絶縁し、ストッパ7にペーシング電極部27を固定してもよい。このようにすることで、除細動電極1の電極部6とは別個にペーシング電極部27を心膜Aに固定することができ、心電信号をより正確に検出して、適正なペーシング信号を出力することができる。
【0048】
また、本実施形態においては、コイル状に形成された電極部6を有するものを例示したが、これに代えて、図22に示されるように、チャネル9内または外装チューブ25内から放出されることにより平板状に広がる導電性の金属材料からなるメッシュ状の電極部28を採用してもよい。
【0049】
また、本実施形態においては、内視鏡装置3の挿入部8の先端面8aまで、観察光学系を収容するチャネル19と、除細動電極1を進退させるチャネル9とを独立に設けることとしたが、これに代えて、図23および図24に示されるように、挿入部8の先端部分に2つのチャネル9,19を合流させる空間29を設けることにしてもよい。このようにすることで、挿入部8の先端面8aを心膜に密着させた状態においても、チャネル9内から送り出されて心膜Aを貫通する際の除細動電極1や外装チューブ25の様子を観察することができる。
また、挿入部8の傾斜した先端面8aに対物レンズ20を配置してもよい。このようにすることで、観察光学系の視界を最大限に広げることができる。
【0050】
また、本実施形態においては、心膜Aの外側にコイル状に広がる電極部6を配置することとしたが、これに代えて、図25に示されるように、リード線5を心膜Aに縫いつけるように2回貫通させて、心膜Aの内側に電極部6を配置することにしてもよい。この場合には、ストッパ7として心膜を貫通した後に半径方向外方に突出する弾性部材により構成したものを採用することが好ましい。
また、除細動装置2の装置本体4として、図26に示されるように、薄型のコンパクトな構成ものを採用することで、心膜Aと横隔膜Fとの隙間に収容することができる。
なお、心膜に除細動電極を設置する方法は、剣状突起から心嚢内に挿入する上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば、経静脈的に右心房内から右心耳を突き破って心嚢内に挿入した後、上述した各実施形態と同様の方法で心膜に固定することにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の一実施形態に係る除細動電極を備える除細動装置を示す全体構成図である。
【図2】図1の除細動装置を体内に埋め込むために使用される本発明の一実施形態に係る内視鏡装置を示す全体構成図である。
【図3】図2の内視鏡装置の挿入部の湾曲部の横断面図である。
【図4】図2の内視鏡装置の挿入部の湾曲部の除細動電極を進退させるためのチャネル部分の縦断面図である。
【図5】図2の内視鏡装置の挿入部の湾曲部の観察光学系を収容したチャネル部分の縦断面図である。
【図6】図2の内視鏡装置の挿入部の湾曲部の動作を説明する側面図である。
【図7】(a)挿入部のチャネル内に収容された状態、(b)挿入部のチャネル内から一部送り出された状態の除細動電極をそれぞれ示す縦断面図である。
【図8】心膜の外部に電極部が設置された状態の除細動電極を示す図である。
【図9】図1の除細動装置の除細動電極を患者の体内に設置する設置方法におけるガイドワイヤの挿入ステップを説明する図である。
【図10】図9において挿入されたガイドワイヤに沿ってシースを挿入するステップを説明する図である。
【図11】図10において挿入されたシースを介して内視鏡装置の挿入部を挿入するステップを説明する図である。
【図12】図11において挿入された内視鏡装置の挿入部先端から突出させた除細動電極を心膜に貫通させた状態を示す図である。
【図13】図12において貫通させた除細動電極の電極部を左心室に対向する心膜の外側に設置した状態を示す図である。
【図14】除細動電極の2つの電極部を左心室および右心室に対向する心膜の外側に設置した状態を示す図である。
【図15】除細動電極を接続した装置本体を患者の体内に埋設した状態を示す図である。
【図16】図1の除細動電極の変形例であって、先端に尖鋭部を有する他のストッパを有する除細動電極の(a)心膜の貫通前、(b)心膜の貫通後の状態をそれぞれ示す図である。
【図17】図2の内視鏡装置の(a)挿入部の湾曲部の動作、(b)挿入部のチャネルから外装チューブを押し出した状態をそれぞれ示す図である。
【図18】図17の内視鏡装置を使用して、一旦心膜外に貫通させた外装チューブから除細動電極を心膜内に突出させた状態を示す図である。
【図19】図18の状態からストッパを心膜内面に固定し、コイル状の電極部を外装チューブから送り出した状態を示す図である。
【図20】図19の状態から外装チューブおよび挿入部を引き抜いた状態を示す図である。
【図21】図1の除細動電極に設けられたストッパにペーシング電極部を取り付けた変形例を示す図である。
【図22】図1の除細動電極に設けられた電極部の変形例を示す図である。
【図23】図2の内視鏡装置の変形例を示す挿入部を先端側から見た図である。
【図24】図23の内視鏡装置の挿入部の湾曲部を示す縦断面図である。
【図25】図20の設置方法の変形例であって、電極部を心膜内に配置した状態を示す図である。
【図26】図15の変形例であって、より薄いコンパクトな装置本体を備える除細動装置を患者の体内に埋設した状態を示す図である。
【符号の説明】
【0052】
A 心膜
1 除細動電極
2 除細動装置
3 内視鏡装置
5 リード線
6 電極部
6a,24a 尖鋭部
7,24 ストッパ
8 挿入部
8a 先端面
9,19 チャネル
10 湾曲部
15 略直線状部分
18 ファイババンドル(観察光学系)
20 対物レンズ(観察光学系)
24b 突出部
25 外装チューブ
27 ペーシング電極部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
心膜の表面に沿って配置される電極部と、
該電極部に接続され、心膜を貫通するリード線と、
該リード線に設けられ、前記電極部を心膜の表面に配置した状態で心膜の貫通部近傍に配置され、リード線から半径方向外方に突出して、リード線の長手方向の移動を制限するストッパとを備える除細動電極。
【請求項2】
前記電極部が、弾性によって外形寸法を縮小・拡大する弾性部材を備える請求項1に記載の除細動電極。
【請求項3】
前記弾性部材が、外力により略直線状の形態になり、外力が解放されることによってコイル状の形態になるように構成されたリード線の部分からなる請求項2に記載の除細動電極。
【請求項4】
前記ストッパが、前記電極部との間に心膜を挟む程度の間隔をあけて、リード線に固定されている請求項2に記載の除細動電極。
【請求項5】
前記リード線が前記電極部を挟んで両側に設けられ、前記ストッパが、前記電極部を挟んだ両側のリード線に設けられ、
先端側のストッパは、前端に配置されリード線を心膜に貫通させる尖鋭部と、後端に配置された後退方向への心膜の貫通を制限する突出部とを備える請求項3に記載の除細動電極。
【請求項6】
前記ストッパに、心電信号を検出し、ペーシング信号を出力するペーシング電極部が設けられている請求項1から請求項4のいずれかに記載の除細動電極。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれかに記載の除細動電極を備える除細動装置。
【請求項8】
請求項1から請求項6のいずれかに記載の除細動電極を設置する際に使用される内視鏡装置であって、
体内に挿入される挿入部と、
該挿入部の先端から照明光を照射し戻り光を集光する観察光学系と、
前記挿入部の長手方向に沿って先端面まで貫通形成され、前記除細動電極を挿入するためのチャネルとを備え、
前記挿入部の先端部に、該挿入部の先端面の方向を変更するために少なくとも一方向に湾曲可能な湾曲部が設けられ、
該湾曲部の横断面形状が、該湾曲部を湾曲させたときの外周側に略直線状部分を有する内視鏡装置。
【請求項9】
前記挿入部の先端面が、軸線に対して、前記直線状部分とは反対側に向かって傾斜している請求項8に記載の内視鏡装置。
【請求項10】
前記チャネルを介して前記挿入部の先端面から出没可能に設けられ、先端開口から前記除細動電極を突出可能な外装チューブを備え、
該外装チューブが、前記挿入部の先端面から突出させられた状態で、前記湾曲部とは逆方向に湾曲するように形成されている請求項8または請求項9に記載の内視鏡装置。
【請求項1】
心膜の表面に沿って配置される電極部と、
該電極部に接続され、心膜を貫通するリード線と、
該リード線に設けられ、前記電極部を心膜の表面に配置した状態で心膜の貫通部近傍に配置され、リード線から半径方向外方に突出して、リード線の長手方向の移動を制限するストッパとを備える除細動電極。
【請求項2】
前記電極部が、弾性によって外形寸法を縮小・拡大する弾性部材を備える請求項1に記載の除細動電極。
【請求項3】
前記弾性部材が、外力により略直線状の形態になり、外力が解放されることによってコイル状の形態になるように構成されたリード線の部分からなる請求項2に記載の除細動電極。
【請求項4】
前記ストッパが、前記電極部との間に心膜を挟む程度の間隔をあけて、リード線に固定されている請求項2に記載の除細動電極。
【請求項5】
前記リード線が前記電極部を挟んで両側に設けられ、前記ストッパが、前記電極部を挟んだ両側のリード線に設けられ、
先端側のストッパは、前端に配置されリード線を心膜に貫通させる尖鋭部と、後端に配置された後退方向への心膜の貫通を制限する突出部とを備える請求項3に記載の除細動電極。
【請求項6】
前記ストッパに、心電信号を検出し、ペーシング信号を出力するペーシング電極部が設けられている請求項1から請求項4のいずれかに記載の除細動電極。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれかに記載の除細動電極を備える除細動装置。
【請求項8】
請求項1から請求項6のいずれかに記載の除細動電極を設置する際に使用される内視鏡装置であって、
体内に挿入される挿入部と、
該挿入部の先端から照明光を照射し戻り光を集光する観察光学系と、
前記挿入部の長手方向に沿って先端面まで貫通形成され、前記除細動電極を挿入するためのチャネルとを備え、
前記挿入部の先端部に、該挿入部の先端面の方向を変更するために少なくとも一方向に湾曲可能な湾曲部が設けられ、
該湾曲部の横断面形状が、該湾曲部を湾曲させたときの外周側に略直線状部分を有する内視鏡装置。
【請求項9】
前記挿入部の先端面が、軸線に対して、前記直線状部分とは反対側に向かって傾斜している請求項8に記載の内視鏡装置。
【請求項10】
前記チャネルを介して前記挿入部の先端面から出没可能に設けられ、先端開口から前記除細動電極を突出可能な外装チューブを備え、
該外装チューブが、前記挿入部の先端面から突出させられた状態で、前記湾曲部とは逆方向に湾曲するように形成されている請求項8または請求項9に記載の内視鏡装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2010−29564(P2010−29564A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−197044(P2008−197044)
【出願日】平成20年7月30日(2008.7.30)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月30日(2008.7.30)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
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