説明

除脂肪体重減少を抑えながら体重減少を高める組成物、方法およびキット

カロリー制限状態下で、被験者の除脂肪体重の減少を抑えるために有効な量の大豆タンパク質、クロムおよび遊離ロイシンの組合せが開示される。大豆タンパク質、クロムおよび遊離ロイシンは、液体飲料(例えばシェイク)へ混合可能である粉末、スナックバー、および栄養補助食品(1個または複数の錠剤など)を含む、いくつかの製品で投与されることができる。一部の態様は、コロソリン酸、および/または有効な投与量のタウリンを提供する茶飲料も、含む。本製品は、開示された組合せに加え、体重減少および体重減少時の被験者の除脂肪体重の減少の抑止のための製品の使用法を備えるキットに含まれてもよい。本製品および方法は、脂質プロファイルの改善(例えば、総コレステロールおよびLDLコレステロールレベルの低下)においても有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権
2006年6月12日に出願された米国特許出願第11/452,004号の恩典を主張する。
【0002】
分野
開示された製品および方法は、体重減少プログラムにおいて使用するためのダイエタリーサプリメントおよび栄養補助食品に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
肥満症は、米国においておよび世界中で、公衆衛生上の問題点として認識されている。過体重または肥満の個体は、高血圧、異常脂質血症、2型糖尿病(非インスリン依存型糖尿病またはNIDDM)、冠動脈性心臓病、脳卒中、胆嚢疾患、変形性関節症、睡眠時無呼吸、および呼吸困難のような疾患を発症するリスクがより高い。肥満は、子宮内膜、乳房、前立腺および結腸のより高い癌罹患率にも関連している。従って肥満症が、死亡率の上昇および早死にも関連していることは驚くことではない。
【0004】
製薬業界は、人々が体重を減らすのを補助する薬剤を開発している。しかし個体が、望むものを全て食しかつ座りがちな生活様式を維持しながら、同時に体重を減少することを可能にする薬剤は発見されていない。さらに一般の人々が入手可能な薬剤製品は、処方薬または市販製剤に関わらず、リスクがないわけではない。公知のリスクは、フェンフルラミンとフェンテルミンの併用(Fen-Phen)から生じる心臓弁膜症、およびフェニルプロパノールアミン(PPA)の使用に関連している不規則な心拍(不整脈)がある。これらのリスクにより、一部の国においては、体重減少の製品およびプログラムにおけるこれらの薬剤の使用禁止となっている。
【0005】
抗肥満調剤の健康リスクは、処方薬または市販薬に限定されるものではない。体重減少のために使用される栄養製品におけるエフェドラの使用は、易罹患性の(susceptible)個体における不整脈、さらには突然死に関連している。
【0006】
体重増加は、その基礎代謝機能および個体が関与する追加活動のために体が必要とするカロリーよりもより多くのカロリー消費により引き起こされる。人体は、これらの過剰なカロリーを、体中の脂肪蓄積(脂肪組織中の脂質)として貯蔵するが、必要なエネルギーを満たすためにこれらの脂肪蓄積を利用することは容易ではない。これらの貯蔵された脂質をエネルギー源として使用するためには、摂取されたカロリー数は、体の総エネルギー消費(基礎代謝率+活動レベル)よりも少なくなければならない。低カロリー状態下で、体は脂肪を燃料源として消費するが、貯蔵された脂肪のエネルギー利用への切替えは、瞬時ではない。身体は、今ある脂質貯蔵を維持しようと試みるフィードバック機構を有する。従って、カロリー摂取の最初の低下と脂質のエネルギーへの転換のその合間において、体はエネルギー源として除脂肪体重を消費する。肝臓のグルコース新生は、筋肉からのアミノ酸を用い、グルコースを生成し、これを体はその好ましいエネルギー源として使用する。こうして体は、この転換時に、一部の筋肉組織を、そのエネルギー源として消費する。
【0007】
エネルギー源としての除脂肪体重の使用は、正常な生理およびエネルギーホメオスタシスの維持に極めて重要である。カロリー制限状態下で、筋肉組織は、体の基礎代謝率の維持に使用される主要なエネルギー源となる。しかし除脂肪体重の低下は、体重減少を誘導しようとする意図的カロリー制限の期間中の脂肪の減少を遅らせる。除脂肪体重としての何らかの体重減少は、そうでなければ脂肪として減少される体重となる。除脂肪体重の減少は、筋肉量も低下し、このことは審美的および機能的に望ましくないと考えられることが多い。
【0008】
低下したカロリー摂取は通常、体重減少摂生規則の順守を低下する食物への渇望を誘導する。これらの渇望は、心理学的機構および生理学的機構の両方により引き起こされる。例えば摂取された炭水化物は、消化管から血流へ吸収され、血中グルコースレベルを上昇する。この血中グルコースの増加に反応して、膵臓はインスリンを放出し、グルコースがエネルギー源として使用される体の細胞への輸送を助ける。しかし放出されるインスリン量が、存在するグルコース量よりも多い場合(これは過体重の個体において頻発する症例である)、その体は、血流中のインスリン量のバランスをとるために、より多くの炭水化物を摂取するよう脳へシグナル送ることにより反応する。このインスリンが誘導した炭水化物への渇望は、カロリー制限時には、非常に一般的である。
【0009】
食物渇望は、特定の食物種の不足にも起因すると考えられる。例えば高タンパク質低脂肪の規定食を食することにより体重を減らそうと試みる人は、自分が脂肪を含有する食物を渇望することに気が付くことが多い。市販の製品中に多くの「無脂肪」食物が存在するが、これらは脂肪の存在により提供されるおいしさを欠くことが多い。
【0010】
大豆繊維と組合せた、ならびに任意に他のビタミンおよびミネラル(鉄、亜鉛、ヨウ素、マンガン、クロム、およびセレンなど)とも組合せた、大豆タンパク質の使用は、米国特許第6,268,011号(特許文献1)に開示されている。
【0011】
栄養製品におけるクロム塩の使用は、例えば米国特許第4,954,492号(特許文献2);同第5,087,623号(特許文献3);同第5,175,156号(特許文献4);同第5,194,615号(特許文献5);同第6,251,888号(特許文献6);同第6,251,889号(特許文献7);同第6,323,192号(特許文献8);同第6,432,942号(特許文献9);および、同第6,471,998号(特許文献10)など、多くの特許の主題である。これらの特許の一部は、血中脂質レベルの低下および/または血中グルコースレベルの管理における、単独または他の成分との組合せのいずれかでの、クロム塩の使用を開示している。米国特許第5,087,624号(特許文献11);同第6,251,889号(特許文献7);同第6,323,192号(特許文献8);同第6,432,942号(特許文献9);および、同第6,471,998号(特許文献10)は、除脂肪体重を増加するための、単独または他の物質との組合せのいずれかでの、クロム塩の使用を開示している。この後者の状況において、クロム塩は、筋力増強運動プログラムに従いながら摂取する場合に、筋肉量を増加するための同化剤として使用される。規定食調製品におけるクロム塩の使用も、米国特許第6,277,842号(特許文献12);同第6,399,089号(特許文献13);および、同第6,413,545号(特許文献14)に開示されている。
【0012】
Laymanらは最近、高タンパク質規定食が、体脂肪のエネルギー源としての利用を向上する一方で、除脂肪体重の減少を低下させる(しかし除脂肪体重の減少を無くすことはない)ことに注目している。J. Nutr. 133:411-417, 2003. Layman(非特許文献1)は、ロイシンのような分枝鎖アミノ酸(BCAA)が、グルコース−アラニンサイクルを介したグルコースの再利用を強化することにより、グルコースホメオスタシスに関連することにも注目している。BCCAは、インスリンシグナル伝達カスケードを通じて、筋肉のタンパク質合成の翻訳調節も強化する。増大したロイシン濃度は、翻訳開始因子eIF4およびp70s6Kを刺激するリン酸化カスケードの引き金を引くインスリン−シグナル伝達経路の要素により感知される。J. Nutr. 133:261S-267S, 2003。Layman(非特許文献2)は、高い内在性BCAAおよびロイシン含量を伴うタンパク質給源を含んだ低カロリー規定食(例えば赤味肉、ミルクおよびチーズなど)が除脂肪体重の減少を低下し、総体重減少の約12〜18%が除脂肪体重減少であることを発見した。
【0013】
広範な先行する研究にもかかわらず、体重減少が起こる場合に除脂肪体重を実質的に保持しながら、カロリー摂取の低下を支援するために満腹感の促進を補助する減量製品の必要性が依然存在している。多くの研究者らが、カロリー制限状態下の生理的エネルギー利用に関する複雑な体の知識に貢献してきたが、現在ある栄養補助食品および摂生規則は、依然望ましくない除脂肪体重の減少を招いている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国特許第6,268,011号
【特許文献2】米国特許第4,954,492号
【特許文献3】米国特許第5,087,623号
【特許文献4】米国特許第5,175,156号
【特許文献5】米国特許第5,194,615号
【特許文献6】米国特許第6,251,888号
【特許文献7】米国特許第6,251,889号
【特許文献8】米国特許第6,323,192号
【特許文献9】米国特許第6,432,942号
【特許文献10】米国特許第6,471,998号
【特許文献11】米国特許第5,087,624号
【特許文献12】米国特許第6,277,842号
【特許文献13】米国特許第6,399,089号
【特許文献14】米国特許第6,413,545号
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】J. Nutr. 133:411-417, 2003. Layman
【非特許文献2】J. Nutr. 133:261S-267S, 2003
【発明の概要】
【0016】
概要
カロリー制限状態(低カロリー状態)下で、除脂肪体重の驚くべき保持とともに、体重を減少することが可能であることが現時点でわかっている。この驚くべき結果は、大豆タンパク質、クロムおよび遊離ロイシンの有効な組合せ(これは本明細書において「SCL」と称される)を提供することにより実現される。大豆タンパク質は、タンパク質合成のためのアミノ酸のバランスのとれた混合物となる。グルコースの組織取り込みが、このために筋肉タンパク質の利用を控えることを促進するように、クロムは、インスリン感受性を高める。加えて遊離ロイシンは、骨格筋中で処理され、追加のエネルギー産生のために肝臓へグルコース新生前駆体を提供する。遊離ロイシンは、翻訳開始事象およびインスリンが誘導したタンパク質合成を強化することにより、タンパク質合成も刺激する。大豆タンパク質、クロムおよび遊離ロイシンの適切にバランスのとれた組合せの投与は、驚くべきことに、カロリー制限および体重減少の状態下で除脂肪体重の保持に有効であることがわかった。この組合せは、被験者の脂質プロファイルを改善することもできる。
【0017】
大豆タンパク質、クロムおよび遊離ロイシンは、大豆タンパク質少なくとも30g、クロム少なくとも400μg、および大豆タンパク質の遊離ロイシンに対する重量比が10:1よりも大きい、例えば、約11.8:1または12.2:1または13:1のような11:1よりも大きい十分量の遊離ロイシンの1日投与量を提供する剤形(例えば、ドリンクもしくはシェイクミックス、またはシェイクミックス、スナックバーおよびサプリメントの組合せ)で投与されてもよい。別の態様において、大豆タンパク質の遊離ロイシンに対する重量比は、10:1〜20:1、例えば10〜15:1である。一例において、遊離ロイシン少なくとも2gが存在する。特定の例において、剤形中に大豆タンパク質、クロムおよび遊離ロイシンは、大豆タンパク質32〜40g、クロム400〜800μg、および遊離ロイシン2.25〜4.0gの1日投与量を提供する量で、例えば、大豆タンパク質約35〜39g、クロム600μg、および遊離ロイシン2.9gの1日投与量を提供する量で存在する。
【0018】
ある例において、他の形のタンパク質(例えばホエータンパク質など)が、大豆タンパク質と代替される。
【0019】
一部の態様において、本剤形は、カロリー制限状態下で、被験者の除脂肪体重の減少を抑えるために有効なコロソリン酸量をさらに含有する。特定の例において、コロソリン酸の有効量は、コロソリン酸0.25〜1mg(例えば約0.3mg)であり、ならびにコロソリン酸は、バナバ葉抽出物により提供されてもよい。さらにより特定の態様において、本剤形は、コロソリン酸を約1%含有するバナバ葉抽出物25〜35mg、マグネシウム300〜500mg、亜鉛15〜25mg、バナジウム50〜150μg、およびタウリン600〜1000mgの1日投与量をさらに提供する。
【0020】
特に有利な態様は、大豆タンパク質、クロムおよび遊離ロイシンが各々、ドリンクミックス、消費(consumable)スナック、およびサプリメントのような複数の剤形へ分配され、本剤形を複数の剤形に分割する。例えば、本剤形は、大豆タンパク質26〜30g、クロム100〜300μg、および遊離ロイシン2〜3gの1日投与量を提供するドリンクミックス;大豆タンパク質6〜10g、および遊離ロイシン0.25〜1.0gの1日投与量を提供する、(スナックバーのような) 消費スナック;ならびに、クロム300〜500μgの1日投与量を提供する、(摂取可能なカプセル剤または錠剤のような)サプリメント (例えば、合計で1日投与量となるクロムの等しい分割量を送達するために、1日を通して様々な時点で摂取することができる、3個の個別の錠剤へ分配される)を含むことができる。一部の態様において、本剤形は、ティーバッグまたは予め包装されたユニット内の茶葉のような茶調製品もさらに含み、これはタウリン700〜900mgの1日投与量を提供するドリンク(例えば、1または複数のサービングで)を作製することができる。
【0021】
特定の例において、本剤形は、1日の栄養摂取に関する社会規範(social norm)と一致するパターンで投与される。例えばドリンクミックスは2投与量単位へ分割され、この2投与量単位は、1日投与量を、1日当たり該2単位に、例えば、(朝食と昼食、または朝食と夕食、または2つの食事のその他の組合せのような)2つの異なる食事と置き換える(シェイクのような)ドリンク2サービングに実質的に等しく分割する。ある具体例において、本剤形は、液体基剤中で1日2回(「bid」と略される)投与されるドリンクミックス、1日1回消費されるスナック、および1日1、2もしくは3回消費されるサプリメントのような3種の構成成分の剤形で作製され、本剤形により提供される投与量が、以下のように分配され、かつ示された1日総量を提供する。

例えば、適宜、以下である。

【0022】
この例において、ドリンクミックスは1日2回消費されるので、このドリンクミックスは、表の「ドリンクミックス」の項目で記載された1日投与量の2倍(大豆タンパク質約28.4g、クロム約200μg、マグネシウム約280mg、亜鉛約10.5mg、および遊離ロイシン約2.4g)を提供する。サプリメント投与量は、単位投与量として先に説明されているが、これらは複数の剤形(例えば、実質的に同時にまたは1日を通して様々な時点、例えば朝、昼および晩などに摂取することができる3個の錠剤など)へ分割されることが好ましい。サプリメントが3個の錠剤で投与される場合、各錠剤は、サプリメントの列に列記された量の約1/3を提供する(クロム約133μg、バナバ葉抽出物10.6mg、マグネシウム40mg、亜鉛3.25mg、およびバナジウム33μg)。
【0023】
さらに別の態様において、剤形が以下の形で実質的に以下の総1日投与量を送達し、ドリンクミックス投与量が、1日2回投与され(例えば、朝食と昼食または朝食と夕食)、このサプリメント投与量が、1回投与量で(例えば朝に)、または3回投与量へ分割されて(例えば朝、昼および晩)のいずれかで送達され、ならびにスナックおよびお茶の1日投与量が、各々の1サービング(例えば午後3時頃(mild-afternoon)において) で提供されるように、本剤形は、タウリン約700〜900mg、例えばタウリン800mgの単一の1日投与量を送達する茶調製品構成成分をさらに含む。

例えば

【0024】
当然、これらの1日投与量は、例えばドリンクミックス、スナック、サプリメントおよびお茶の構成成分の剤形の複数のサービングに分割されたような、サービングの任意の組合せで送達することができる。
【0025】
本明細書において、除脂肪体重を実質的にまたは完全にさえ保持しながら、被験者の体重減少を促進する方法も開示されている。この方法は、大豆タンパク質少なくとも30g、クロム少なくとも400μg、および大豆タンパク質の遊離ロイシンに対する重量比が10:1、例えば、10〜15:1のような10〜20:1よりも大きい十分量の遊離ロイシンの1日投与量を投与する段階を含む。特定の態様において、この比は、体重減少を誘導するために被験者のカロリー摂取を十分に制限しながら、約11.8:1、12.2:1または13:1のような11:1よりも大きい。一例において、遊離ロイシン少なくとも2gが存在する。この方法の利点は、驚くべきことに、除脂肪体重を実質的に減少することなく、体重減少が起こることであり、かつ除脂肪体重が、一部の例においては完全にさえ保持される(除脂肪体重は変化しないかまたは増加さえする場合を含む)。
【0026】
ある例において、1日投与量は、大豆タンパク質32〜40g、クロム400〜800μg、および遊離ロイシン2.25〜4.0gで送達され、例えば、大豆タンパク質約35〜39g(例えば約36.8g)、クロム約600μg、および遊離ロイシン約2.9gの1日投与量で送達される。任意のまたは全ての投与量は複数の投与量構成成分に分割することができるが、大豆タンパク質および遊離ロイシンの投与量が、1回のスナックに、および粉末化されたミックスが液体基剤(例えば水または減脂肪/低脂肪/スキムミルクなど)中に溶解された後またはそうでなければ懸濁された後に飲料として調合されるドリンクミックスの2サービングに分割されることが特に好都合であることがわかっている。特定の態様において、このドリンクミックスは、その中にそれが調合された液体に対し濃厚な稠度を提供する(例えば、その中でミックスが送達されるミルク基剤の稠度を濃厚化する)「シェイク」として送達される。
【0027】
別の例において、本方法は、体重減少を誘導するために被験者のカロリー摂取を十分に制限しながら、被験者の除脂肪体重の減少を抑えるために有効なコロソリン酸の量を投与する段階も含む。開示の態様において、投与されるコロソリン酸の量は、コロソリン酸0.25〜1mg、例えばコロソリン酸約0.3mgであり、これはバナバ葉抽出物(コロソリン酸の給源)で投与することができる。別の例において、本方法は、バナバ葉抽出物10〜35mg(抽出物の約1〜3重量%のコロソリン酸の給源として)、マグネシウム300〜500mg、亜鉛15〜25mg、バナジウム50〜150μg、およびタウリン600〜1000mgの1日投与量を投与する段階をさらに含む。
【0028】
本方法のある態様において、大豆タンパク質、クロムおよび遊離ロイシンは、各々複数の剤形へ分配される。これらの異なる剤形を1日を通して様々な時点で投与することは、より持続された様式におけるそれらの生理的利用可能性の維持を助ける。加えて、1日を通した投与量の分配は、被験者は慣例的に1日を通して3回の食事(朝食、昼食および夕食など)で食物を消費するという社会規範に従う、よりよい模倣的食物摂取となり得る。例えば大豆タンパク質は、2種の異なる送達ビヒクル(例えば粉末化された飲料ミックスおよびスナックバーなど)中で送達され、クロムは、2種の異なる送達ビヒクル(例えば粉末化された飲料ミックスおよびサプリメントなど)中で送達され、ならびに遊離ロイシン投与量は、粉末化されたドリンクミックスとスナックバーとに分割される。この方法は、例えばタウリン700〜900mgの投与量を提供するために、茶調製品を個別に投与する段階も含むことができる。
【0029】
本方法の特別な例は、大豆タンパク質26〜30g、クロム100〜300μg、および遊離ロイシン2〜3gを飲料(粉末化された飲料ミックスの形として)で1日投与量を投与する段階;大豆タンパク質6〜10gおよび遊離ロイシン0.25〜1gの1日投与量を提供する消費スナックを投与する段階;ならびに、クロム300〜500μgの1日投与量を提供するサプリメントを投与する段階を含む。特に開示の態様において、大豆タンパク質は、同日の2回の異なる食事の代替として、1日当たり実質的に等しい2投与量の飲料ミックス(このミックスは液体基剤中で送達される)を投与することにより、分割量で送達され、消費スナックは、食事間に(例えば、昼食と夕食の間の午後3時頃)1日1回食され、ならびに、サプリメントは、その日の様々な時点(例えば、朝、昼、および晩)に個別の3投与量で摂取される。一部の態様において、煎じた(brewed)ドリンク(例えばお茶)も、例えばタウリンの給源として投与される。
【0030】
本方法は、1日にわずか1回の完全な食事を提供する段階を含むが、補助食品も消費されてもよい。被験者を消費されたカロリーおよび消耗されたエネルギーに関してカロリー不足の状態に維持することを目的として、追加の食物は、特定の1日カロリー消費を維持するように選択することができる。食事および/または補助食品の提供は、その消費の助言または実際のその調合(包装された形として)のいずれかを含む(非限定的に)。食事または補助食品は、例えば飲料、スナック、サプリメントまたはお茶のいずれも含まない夕食であることができる。一部の態様において、補助食品は、単独でまたは個体のカロリー必要要件に応じたスナックと一緒に投与されてもよい。
【0031】
食事および補助食品は、バランスの良いようにデザインされ、かつ精肉、果実、野菜、パンおよび穀類ならびに脂肪のような様々な食品群からの栄養食品の選択を含む。食事および/または補助食品が、全体重減少プログラムの一部として本方法のある態様(例えば粉末化された飲料ミックスおよびスナック)において消費される場合、これらは炭水化物由来のカロリー約40%〜45%、タンパク質由来のカロリー25〜30%、および脂肪由来のカロリー25〜30%である、主要栄養素のバランスのとれた規定食を提供することができる。食事およびスナックで提供される炭水化物の給源は、主に複合炭水化物(全粒パンおよびデンプン、新鮮な果実および野菜)由来であり、これらは食物繊維の良好な給源でありかつ低い血糖症指数を有する傾向がある。タンパク質食物の選択は、低脂肪肉、鶏、七面鳥および魚からであり、ならびにこれらの食事中の脂肪含量は、可能な限り飽和脂肪およびトランス脂肪の摂取を制限するために、一価不飽和脂肪(すなわち、オリーブ油およびキャノーラ油)に由来する傾向がある。食事および補助食品は、幅のあるカロリーレベル(1200、1500、1800および2100)に組み込まれ、およびいくつかの変形は、乳製品なしプラン、赤身肉なしプランおよび乳卵菜食プランを含む。
【0032】
本方法は、例えば、大豆タンパク質、クロムおよび遊離ロイシンの任意の組合せを投与することによってか、または体重減少を促進するための前述の方法に従うことによって、総コレステロール、LDLコレステロール、および総コレステロール:HDL比のうちの1種または複数を低下することにより、高脂血症を低下する段階を含む段階もできる。
【0033】
大豆タンパク質、クロムおよび遊離ロイシン組成物を、除脂肪体重を保持しながら体重減少するためのその使用に関する指示書と組合せて、前述の剤形を含む体重減少キットに含むことができる。このキットの特定の態様は、除脂肪体重を保持しながら体重減少するそれらの作用を強化する様式で様々な構成成分の所望の投与量を提供する様式で、キットの構成成分(例えば粉末、スナック、お茶およびサプリメント)を消費することに関する指示書を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0034】
詳細な説明
略号
BID:1日2回
SCL:大豆/クロム/ロイシン(大豆タンパク質、クロムおよび遊離ロイシンを含有する組成物)
【0035】
用語の説明
投与量または剤形の「投与」とは、被験者による自己投与、被験者以外による投与、および被験者への投与に関する助言の提供(印刷された指示書またはコンピュータで読み取り可能な媒体上の助言などの、有形の媒体において提供される指示書として)を含む。被験者への他者による投与は、例えば、医師、看護師または他の医療従事者もしくはダイエットコンサルタントによる投与を含むことができる。投与は、消費される完成品(例えば混合された飲料など)、または他者(例えば被験者など)が消費のために調製することができる完成品を含む前駆体(例えば飲料中に調合される粉末化されたミックスなど)を提供することも含む。
【0036】
本明細書において百分率として表される量は、別に記さない限りは、重量百分率である。
【0037】
本明細書において使用される「カロリー制限状態」とは、被験者が、カロリーの制限された規定食に従っており、ならびに1日、1週間、1ヶ月またはそれよりも長いような妥当な期間に消耗されるよりもより少ないカロリーを平均して消費する状態を意味する。ある例において、被験者の活動に応じて、被験者は、1日当たり約2,100総カロリーよりも少ないまたはこれと等しい値(平均で)を、例えば1日当たり約1,800〜約2,100カロリーの規定食、または別の場合は、1日当たり約1,500〜約1,800カロリーの規定食、または別の場合は1日当たり約1,200〜約1,500カロリーの規定食を消費する。さらに別の場合において、個体は、1日当たり1,200カロリー未満の規定食に従う。一例において、個体は、約1日から約1年またはそれよりも長く、例えば約1週間、約1ヶ月、約8週間、約12週間もしくは約1年など、カロリー制限状態下で維持される。
【0038】
成分は、「複数の剤形へ分配される」ことができ、これは、1つの成分(例えば大豆タンパク質)が異なる剤形(例えばシェイクミックスとスナックの両方)で投与されてもよいことを意味する。
【0039】
「剤形」は、所望の投与量を提供する、任意の調製品または調製品の組合せを含む。従って剤形は、単独の組成物(例えば粉末化された飲料ミックスもしくは他の摂取可能な調製品)またはいくつかの異なる組成物の組合せ(例えば粉末化された飲料ミックス、スナックおよびサプリメントなど)を含むことができる。剤形は、1単位剤形(例えばその中に粉末ミックスが調合されている錠剤または液体飲料など)または1日を通して様々な時点で摂取される複数の投与量のいずれかで、「1日投与量を提供する」ことができる。従って複数の細分剤形(sub-dosage form)を含む剤形は、1日の様々な時点で(例えば、朝食および昼食時)、ならびに異なる形(例えば液体飲料およびチュアブルスナックバーとして)で、投与される1日摂取総量を提供することができる。剤形の特定の例は、薬学的担体を含む人工の調製品である。消費される通常の食物に加えられる外因性調製品と、食物調製品との間に、さらなる区別をつけることができる。
【0040】
「遊離ロイシン」は、そのアミノ酸の形態のロイシンを意味し、食物中で認められるように、タンパク質内に含まれない。遊離ロイシンは、例えば遊離塩基の形の、またはロイシンの塩(例えば非限定的にロイシン塩酸塩など)、またはロイシンのエステル(例えば非限定的にメチルエステルもしくはエチルエステルなど)、または非限定的に金属のようなロイシンのキレート(例えば銅キレートなど)としての、ロイシンの1つのアミノ酸であることができる。このアミノ酸の好ましい形は、L-ロイシンであり、これはこのアミノ酸の好ましい生物学的活性型である。遊離ロイシンは、同等の作用を提供するロイシンの類似体、変種、誘導体および前駆体も含むことができる。本明細書に含まれる製品製剤中の遊離ロイシンの量は、付随する対イオンを伴わずに、遊離塩基として表される。
【0041】
「高脂血症」は、被験者をアテローム性動脈硬化症に罹患しやすくする血流中の脂質(脂肪)の上昇を意味する。これらの脂質は、コレステロール、コレステロールエステル、リン脂質およびトリグリセリドを含む。これらは、リポタンパクと称される巨大分子の一部として、血液において運搬される。血液中のある種の脂質構成成分の高脂血症レベルの例は、130mg/dlを超えるLDL(低密度リポタンパク)、200mg/dlを超える総コレステロール、または150mg/dlを超えるトリグリセリドレベルを含む。「異常脂質血症」は、高脂血症またはいずれか他の脂質プロファイルの異常調節、例えば望ましくないレベルのHDLまたは総コレステロール/HDL比を意味する。
【0042】
一般に、保護的機能を提供すると考えられるHDLコレステロールは、男性において40mg/dlまたは女性において50mg/dlを下回らないことが好ましい。考慮される追加の因子は、総コレステロール/HDL比である。典型的に許容できる目標は、この比を5:1以下に維持することであり;最適比は3.5:1未満である。
【0043】
高脂血症または他の異常な脂質レベルの治療法は、これらの血液レベルの1種または複数のレベルを改善し、これらを所望の範囲へもしくは所望の範囲内に戻すことができる。例えば、本明細書に開示された方法により、その脂質レベルは、より高リスク範囲からより低リスク範囲へ(例えば、高から境界へ、または境界から望ましいへ)動かすことができる。
・望ましい:TC<150mg/dL、HDL>50mg/dL、LDL<130mg/dL
・境界:TC 200-239、HDL>40-50mg/dL、LDL 131-159mg/dL
・高:LDL>160またはTC>240mg/dLまたはHDL<40mg/dL。
【0044】
本明細書において使用される用語「個体」または「被験者」は、哺乳類などの動物、例えばヒトを意味する。
【0045】
被験者の「除脂肪体重」は、筋肉、重要臓器、骨、および結合組織である個体の質量(mass)である。カロリー制限状態下で、個体は、除脂肪体重および脂肪の両方の形で体重を減少する。カロリー制限状態下で、除脂肪体重の相対減少が、摂取されたカロリー数と消耗されたカロリー数の間の差を基に予想されるよりも低い場合に、除脂肪体重の減少は、「抑えられる」。除脂肪体重の減少の抑止の1つの測定は、総体重減少の百分率としての除脂肪体重減少のパーセントの低下である。除脂肪体重減少が部分的または完全に抑えられた場合に、除脂肪体重は「実質的に保持される」。本明細書に開示された特別な例において、本明細書において測定されるような除脂肪体重の減少が存在しないように、除脂肪体重減少は完全に抑えられる。除脂肪体重の減少は、キャリパーを用い体脂肪の割合を決定することにより、概算される。
【0046】
「メタボリック症候群」は、妨げられたグルコースおよびインスリン代謝、過体重および異常な脂肪分布、中等度の異常脂質血症、および高血圧の同時発生により示された状態であり、ならびに2型糖尿病および心臓血管疾患(CVD)の引き続いての発症に関連している。本明細書において使用されるように、メタボリック症候群を有する被験者は、以下の臨床特徴の少なくとも3種を有する:男性で約102cmおよび女性で約88cmよりも大きいウエスト周囲径;少なくとも約150mg/dL(1.69mmol/L)の血清トリグリセリドレベル;男性で約40mg/dL(1.04mmol/L)未満および女性で約50mg/dL(1.29mmol/L)未満の高密度リポタンパクコレステロールレベル;最低でも約130/85mmHgの血圧;または、少なくとも約110mg/dL(6.1mmol/L)の血清グルコースレベル。この定義は、JAMAの最新の定義に相当している。Fordら、Journal of the American Medical Association 287:356-359, 2002。
【0047】
「シェイクミックス」または「ドリンクミックス」または「飲料ミックス」は、その中に混合物が調合される飲料を被験者へ提供するために、液体基剤(例えば水またはミルクなど)中に混合するために適した、粉末化された混合物のような、混合物を意味する。このシェイク混合物は、液体基剤の濃さを増大する。
【0048】
「スナック」は、食物と一致する感覚刺激性の特徴を少なくともいくつか有する、可食性固形物を意味する。スナックの例は、スナックバー(チュアブルキャンデーバーに類似した外観および口内感触)、および固形スナック(ハードキャンデーにより類似した外観および口内感触)を含む。
【0049】
「サプリメント」は、液体飲料または固形スナック以外の投与量の投与についての非食品の形を意味する。サプリメントの例は、薬学的調製品(例えば錠剤、経腸液剤、非経口液剤、カプセル剤、鼻腔内液剤または他の形)である。特定の開示された例において、サプリメントは、薬学的調製品であり、特に錠剤またはカプセル剤である。
【0050】
「補助食品」は、ドリンクミックス、スナック、サプリメントおよびお茶に加えて提供される食品を意味する。
【0051】
ある態様において、シェイクミックス、スナックおよびサプリメントは、処方された規定食および補助食品のような食物調製品に加えて投与または消費される、外因性調製品である。
【0052】
その他の前述の基準は、任意の信頼できる手段、例えば医学試験において通常使用される手段により評価される。血清のトリグリセリドレベル、グルコースレベルおよび高密度リポタンパクコレステロールレベルは、例えば標準の血液化学パネル(blood chemistry panel)により測定される。血圧は、例えば血圧計により測定される。
【0053】
実施例1
出発材料
カロリー制限状態下で除脂肪体重の減少を抑えるための大豆タンパク質/クロム/遊離ロイシン(SCL)組成物が、本明細書において開示されている。このような組成物は、大豆タンパク質およびクロムおよび遊離ロイシンを、カロリー制限状態下の個体において、除脂肪体重の減少を抑えるかまたは回避さえするために有効な量で含有する。
【0054】
本明細書において使用される大豆タンパク質は、大豆植物からおよび/または大豆タンパク質単離物などの濃縮給源から得られたタンパク質構成成分を意味する。場合によっては、大豆タンパク質は、当技術分野において周知の方法により、大豆から単離される。例えば、単離された製品が、タンパク質を総重量(水分含量を含む)の少なくとも約80%含有するように、濃縮された大豆タンパク質画分は、非タンパク質構成成分の大半を除去することにより、掃除、脱皮された大豆から調製される。大豆タンパク質単離物は、大豆タンパク質部分が、大豆の残りの大半から分離される一連の工程により調製される。特別な例において、刺激の強くない味(bland tasting)の大豆タンパク質単離物が使用される。さらに遺伝子組換え大豆(GM大豆)タンパク質が、場合によっては使用され、非遺伝子組換え大豆(非GM大豆)タンパク質も使用されてもよい。このような大豆タンパク質単離物は、Protein Technologies, Inc.のような様々な会社から入手できる。大豆タンパク質単離物は、その一部が大豆タンパク質である大豆植物から単離された物質を意味する。本明細書において開示されたある例において、大豆タンパク質単離物は、約85%の大豆タンパク質を含有する。このような例において、大豆タンパク質投与量14.2gは、大豆タンパク質単離物16.7gに含有される(0.85×16.7=14.2)。
【0055】
本明細書において使用されるクロムは、クロムの生物学的に許容し得る塩またはキレートにおけるクロムを意味する。これは、任意の生体活性型および生理学的に許容し得る型で提供される。クロムは多くの形で提供されるが、本明細書においてクロム量に言及する場合、これは生物学的に許容し得る塩またはキレート中の実際のクロム量を意味する(例えば、クロム100μgは、生物学的に許容し得るニコチン酸クロムキレート約1.0mg により提供される)。場合によっては、クロムは、塩化クロムのような、クロム塩の形であるが、他方で別の場合、これはクロムキレートの形、例えばニコチン酸クロム(モノニコチネート、ジニコチネート、トリニコチネート、およびポリニコチネートを含む)、ピコリン酸クロム(モノピコリネート、ジピコリネート、およびトリピコリネートを含む)、タンパク質キレート、および任意に生物学的に利用可能な有機酸(例えばアミノ酸)のキレート、またはそれらの組成物もしくは組合せ、例えばクロムのモノニコチネート、ジニコチネート、トリニコチネートおよびポリニコチネートまたはモノピコリネート、ジピコリネート、およびトリピコリネートの組成物などである。特定の例において、クロムは、ニコチン酸クロムまたはピコリン酸クロムの形で提供される。除脂肪体重の減少の抑止において使用されるクロムの有効量は、1サービングまたは1投与量につき少なくとも約50μgまたは100μgであり、および1サービングまたは1投与量または総1日量につき約1ミリグラム(mg)までの範囲である。特定の例において、クロムの有効量は、約100μgから約200μg、400μgまたは600μgまでである。
【0056】
アミノ酸は、ペプチド結合により一緒に共有結合しているタンパク質の構成する構成要素である。これらのアミノ酸は、異なる構造および官能基のカテゴリーに群別されている。そのようなカテゴリーのひとつは、「分枝鎖アミノ酸」(BCAA)であり、これはロイシン、バリンおよびイソロイシンである。個別のまたは単離されたアミノ酸は、様々な供給業者から容易に商業的に入手することができる。L-アミノ酸は、生物学的活性型であり、サプリメント調製品において典型的に投与される型である。
【0057】
コロソリン酸(2-α-3-β-ジヒドロキシ-12-ウルセン-28-ノイック酸;3-α,3-β-ジ-ヒドロキシウルソル酸)は、植物ラゲルストロエミア・スペシオサ(Lagerstroemia speciosa)(バナバ葉)およびプニカ・グラナツム(Punica granatum)の葉から抽出することができるトリテルペン化合物を意味し、これはコロソリン酸および植物インスリンとしても公知である。本明細書において使用されるコロソリン酸は、例えば、所望のコロソリン酸の生物学的作用を保持しているメチルおよびグルコピラノ-シルエステル(カルボニル基で)、ならびにメチル、アセチル、またはシンナモイル置換(1個または複数のヒドロキシル基で)などの、コロソリン酸の薬学的に許容し得る類似体、誘導体、異性体、および代謝産物の同等の有効量も意味する。
【0058】
場合によっては、開示された組成物は、添加された栄養素、保存剤、またはフルクトースのような香味料、高オレイン酸ヒマワリ油粉末、アカシアゴム、キャノーラ油、イヌリン、短鎖フルクトオリゴ糖、リン酸水素カルシウム、二酸化ケイ素、クエン酸ナトリウム、塩化カリウム、酸化マグネシウム、レシチン、ホエータンパク質単離物、米タンパク質濃縮物、カカオ粉末、グアーガム、矯味矯臭剤、甘味料(例えばハチミツ)、ならびにビタミンおよびミネラルプレミックスに関する他の成分を含有する。ビタミンプレミックスは、例えば、アスコルビン酸、混合されたトコフェロール濃縮物、d-α酢酸トコフェリル、ビタミンAパルミテート、ビタミンB12、ビタミンD3、塩酸ピリドキシン、リボフラビン、第1硝酸チアミン、ナイアシンアミド、パントテン酸カルシウム、葉酸、およびビオチンのプレミックスを含む。ミネラルプレミックスは、例えば、フマル酸第一鉄、ヨウ化カリウム、モリブデン酵母、セレン酵母、酸化亜鉛、グルコン酸銅、硫酸マンガン、およびヨウ化カリウムを含む。
【0059】
ビタミンおよびミネラルプレミックスが一緒にした大豆タンパク質/クロム/遊離ロイシン組成物(シェイクミックスなど)中に含まれる具体例において、大豆タンパク質の重量は、組成物総重量の約10%〜約50%であり、例えば大豆タンパク質は、組成物総重量の約20〜40%または約25〜35%であり;提供された生体活性型(ニコチン酸クロムなど)中のクロム重量は、組成物総重量の約0.0005%〜約0.10%であり、例えばクロム重量は、組成物総重量の0.002%〜約0.01%であり、さらにより具体的な例では、組成物総重量の約0.002%〜約0.003%であり;ならびに、遊離ロイシンの重量は、組成物総重量の約1%〜約10%であり、例えば遊離ロイシンの重量は、組成物総重量の約1〜5%または約1〜3%である。ある例において、その他の成分も、ある相対量で使用される。場合によって、フルクトースの重量は、組成物総重量の約20%〜約35%であり、例えばフルクトースの重量は、組成物総重量の約30%〜約33%であり;高オレイン酸ヒマワリ油粉末の重量は、組成物総重量の約5%〜約7%であり、例えば組成物総重量の約6%〜約7%であり;アカシアゴムの重量は、組成物総重量の約8%〜約16%であり、例えば組成物総重量の約10〜15%であり;キャノーラ油の重量は、組成物総重量の約0.4%〜約4%であり、例えば組成物総重量の約0.6%であり;短鎖フルクトオリゴ糖の重量は、組成物総重量の約3%〜約5%であり、例えば組成物総重量の約4%であり;グアーガムの重量は、組成物総重量の約0.3%〜約0.5%であり;リン酸水素カルシウムは、約1〜3%、例えば約2%であり;二酸化ケイ素の重量は、約0.5〜2%、例えば約1%であり;クエン酸ナトリウムの量は、1〜2%、例えば約1.2%であり;塩化カリウムの量は、約0.5〜2%、例えば約1%であり;矯味矯臭剤(例えばバニラ香味料)の量は、約1〜3%、例えば約2%であり;レシチン(例えば大豆レシチン)の量は、約0.5〜2%、例えば約1%であり;ホエータンパク質単離物の量は、0.5〜2%、例えば約0.9%であり;米タンパク質濃縮物の量は、約0.1〜1%、例えば約0.4%であり、ならびに酸化マグネシウムの量は、組成物の約0.25〜2%、例えば約0.6重量%である。この組成物は、例えば約0.05〜0.15%のイヌリン、例えば約0.1%のイヌリンを含んでもよい。
【0060】
一部の例において、粉末化された飲料ミックスは、個別のまたは含有されたビタミンミックス構成成分を含み、これは組成物総重量の約0.05%〜約2%であり、例えばビタミンミックスの重量は、粉末化されたプレミックス総重量の約0.15%〜約0.2%である。ビタミンミックス構成成分は、例えばアスコルビン酸、混合トコフェロール濃縮物、d-α酢酸トコフェリル、ビタミンA(ビタミンAパルミテートとして)、ナイアシンアミド、パントテン酸(例えば、パントテン酸カルシウムの形で)、ビタミンB12、ビタミンD3、ピリドキシン(塩酸塩として)、リボフラビン、チアミン(モノニトレートの形で)、葉酸、およびビオチンの各々を0%よりも多いが、0.1%未満の量で含有することができる。開示された態様において、ビタミンミックス構成成分は、粉末化された飲料ミックスを総重量の0.2%未満含有する。
【0061】
粉末化された飲料ミックスは、粉末化されたミックスから分離されているまたはその中に含有されているミネラルミックス構成成分を含むこともでき、これは総飲料ミックスの1重量%未満、例えば0.5重量%未満、約0.1重量%未満などを含む。特定の例において、ミネラルミックス構成成分は、セレン(例えばセレン酵母として)、モリブデン(例えばモリブデン酵母として)、亜鉛(例えば酸化物として)、銅(例えばグルコネートとして)、マンガン(例えばサルフェートとして)、クロム(例えばニコチネートとして)、カリウム(例えばヨウ化物として)、および鉄(例えばフマル酸第一鉄として)を含む。追加の栄養補助食品、保存剤、および矯味矯臭剤が、場合によっては含まれる。当業者は、組成物へ栄養を添加し、腐敗から組成物を保護し、および/またはこれに香味料を添加するための、これらの成分および他のものの好適な組合せを決定することができると考えられる。
【0062】
既述のように、大豆タンパク質/クロム/遊離ロイシン組成物は、いくつかの例においては、乾燥ドリンク粉末である。例えば、本組成物の各構成成分は、粉末へ一緒に混合される。ひとつの具体的な場合において、このような粉末は、容器内で液体成分(レシチン、キャノーラ油および混合トコフェロール濃縮物)と一緒にし、かつこれらの成分を混合し、均質な混合物を形成することにより作製される。個別の容器内において、大豆タンパク質、クロムおよび遊離ロイシンを含む全ての乾燥成分は、一緒にされる(二酸化ケイ素および高オレイン酸ヒマワリ油粉末の一部を除いて)。この容器は、配合装置であってもよく、または乾燥成分は、好適な配合装置、好ましくは細断機が装備されたものへ移すことができる。その後この乾燥成分は、完全に混合される。
【0063】
乾燥成分を混合する一方で、液体成分を、良く配合された乾燥成分へ均等かつ一貫した様式で、好ましくは噴霧装置により導入される。液体成分の添加後、この混合物は、良く配合されるまで混合され(例えばタンブラーにより(tumbling))かつ細断される。その後高オレイン酸ヒマワリ油粉末の残りおよび二酸化ケイ素が、この混合物へ添加され、混合物全体が、これらの成分が同じく混合物へ良く配合されるまで、配合され、これは乾燥粉末を形成する。
【0064】
粉末化された混合物は、液体基剤の飲料として投与されてもよい。例えば、場合によっては、乾燥ドリンク粉末は、水(例えば精製水)、ミルク(例えば無脂肪ミルク)、またはジュースのような液体と混合され、かつ液体および粉末を混合するため激しく攪拌され、当初の液体基剤よりもより粘稠な稠度を有するシェイクドリンクを形成する。この混合は、組成物が包装される前に実行されることもあり、かつ組成物の消費者により実行されることもある。
【0065】
無脂肪ミルク1カップ(245g)が、シェイク粉末(48〜50g)と混合される例において、シェイクドリンクの総重量に対する成分の重量で表された、シェイクドリンクの構成成分の相対量についてのある具体例は、無脂肪ミルクのような液体約60%〜約95%、例えば液体約75%〜85%、大豆タンパク質約2%〜約30%、例えば大豆タンパク質約2%〜約15%(好ましくは5〜6%)、遊離ロイシン(タンパク質中に存在しない)約0.2〜約1%、ホエータンパク質もしくは米タンパク質またはそれらの組合せなどの他のタンパク質約0%〜約5%、他のタンパク質約0.05%〜約0.2%、炭水化物約2%〜約12%、例えば炭水化物約6%〜約10%、脂肪(脂質)約0.5%〜約5%、例えば脂肪約1%〜約3%、繊維約1%〜約10%、例えば繊維約1%〜約5%、ならびに微量の百分率のクロム、例えば約80μg〜約200μg、ならびに所望の場合にはビタミンプレミックス、ミネラルプレミックス、および他の成分である。
【0066】
シェイクミックスおよびサプリメントを含む規定食プログラムは、消費される総カロリーの約30%で本プログラムの総炭水化物含量を消費される総カロリーの50%を超えない(および好ましくは40〜45%に近い) タンパク質摂取を維持するようにデザインされる一方で、脂肪摂取は、総カロリーの30%を超えないか、または消費されるカロリーの20%未満である。開示の態様において、シェイク組成物それ自身は、タンパク質から約35%カロリー、炭水化物から50%カロリー、および脂肪から15%カロリーを提供する。開示のスナックバーは、おおまかにタンパク質から32%カロリー、炭水化物から48%カロリー、および脂肪から20%カロリーを提供する。
【0067】
投与された本組成物は、所望の量のカロリーを有するように作製することができる。一部の例において、この大豆タンパク質/クロム/遊離ロイシン組成物は、粉末として約100〜約200カロリー、および無脂肪ミルクと混合された場合に約250〜約300カロリーを含む。特定の場合において、本組成物は、粉末として約200カロリーを超えず、および無脂肪ミルクまたは豆乳のような他のビヒクルと混合された場合に350カロリーを超えないものを含む。投与される本組成物のカロリー量は、総カロリー摂取時に達するように、1日当たりに消費されるカロリー総数から推定され、これは所望のカロリー制限を実現すると考えられる。スナックバーのカロリー量は、例えば、100〜150カロリー、130カロリーなどであることができる。
【0068】
実施例2
体重減少の促進法
本実施例は、カロリー制限状態下で、除脂肪体重の減少を抑えるために十分な量で大豆タンパク質、クロムおよび遊離ロイシンの組合せを消費する段階を含む、体重減少および/または脂質プロファイルの改善を促進する一般的方法を開示している。本明細書において使用される減量法は、体重の測定または他の体重減少の測定値(例えばボディマスインデックスすなわちBMI)のいずれかに関わらず、体重を減少する意識的な努力を意味する。場合によっては、大豆タンパク質/クロム/遊離ロイシンの組合せは、前述のように、一緒にした大豆タンパク質/クロム/遊離ロイシン組合せ組成物として消費される。別の場合において、大豆タンパク質、遊離ロイシンおよびクロムは、個別に消費される。場合によっては、本方法は、カロリー制限規定食に関する指示をさらに含む。ある態様において、本方法は、メタボリック症候群を有する被験者における体重減少を促進する。
【0069】
過体重被験者を選択し、かつこの被験者へ、大豆タンパク質、遊離ロイシンおよびクロムの組合せを、カロリー制限状態下で、被験者の除脂肪筋肉量の減少を抑えるかまたは回避さえするために有効な量で投与する(例えば被験者に消費を指示するか、そうでなければ消費を引き起こす)ことにより、過体重被験者を治療する方法も開示されている。場合によっては、この組合せは、開示された大豆タンパク質/クロム/遊離ロイシンの粉末化された組成物として投与される。別の場合において、大豆タンパク質、クロムおよび遊離ロイシンは、個別に投与される。別の態様において、この組合せは、粉末化された組成物と、スナック調製品および/またはサプリメントのような他の調製品の間で分配される。
【0070】
過体重被験者の選択は、被験者を過体重であることに随伴する合併症のリスクに曝す過剰な体重を有する個体を選択することを含む。例えば、体重に関連した合併症は、高血圧、異常脂質血症、2型糖尿病(非インスリン依存型糖尿病またはNIDDM)、冠動脈性心臓病、脳卒中、胆嚢疾患、変形性関節症、睡眠時無呼吸、および呼吸困難を含む。典型的には過体重であることは、定められた基準に比べ、過剰な体重を有することを意味する。ヒトが過体重であるかどうかを決定するために一般に許容された基準は、BMIであり、これは身長の平方メートル(m2)で除算されたキログラム体重(kg)として計算される。一般に少なくとも25のボディマスインデックス(BMI)有する個体は、過体重とみなされる。しかしBMIは、個体の体重が健康リスクを構成するかどうかを決定するためには、個体が過体重であるかどうかの常に正確な測定値ではない。例えば筋肉質の運動選手は、過体重であることに一般に関連した健康リスクのない、個体が筋肉としての大量の体重を持つので、高いBMIを有することがある。体脂肪率のようなその他の指標も、この判断に使用される。加えて個体の体脂肪の場所も関連がある。腹部領域および/または臀部周囲に集まった体脂肪は、脚のような他の領域に集まった体脂肪よりも、大半の過体重に関連した合併症のリスクがより高い。当業者は、この医学的に関連した意義により、ヒトが過体重であるかどうかを決定することができると考えられる。
【0071】
肥満の個体は、本明細書に開示された方法により治療され得る過体重のヒトの特別な例である。本明細書において使用される用語の肥満は、異常に高い体脂肪率を有する個体を意味する。典型的にはBMIが30またはそれ以上の個体が、肥満とみなされる。
【0072】
ある場合において、過体重被験者の選択は、例えばメタボリック症候群の臨床特徴について被験者を試験することにより、メタボリック症候群を有する被験者を選択することをさらに含む。
【0073】
場合によっては、大豆タンパク質/クロム/遊離ロイシンの組合せは、任意の摂取可能な形で経口的に消費される。場合によっては、大豆タンパク質/クロム/遊離ロイシンの組合せは、本明細書の別所に記載された組成物で消費される。場合によっては、大豆タンパク質/クロム/遊離ロイシンの組成物は、乾燥粉末として消費され、別の場合はシェイクドリンクとして、さらに別の場合はバーの形で消費される。一部の例において、大豆タンパク質/クロム/遊離ロイシンの組合せは、例えば、経鼻胃チューブまたは経皮的内視鏡下胃瘻造設(PEG)チューブを通して、腸内送達法を用いて消費される。
【0074】
一部の例において、本組合せの構成成分の少なくとも一部は、個別に消費される。例えばクロムの少なくとも一部は、カプセル剤(硬または軟)、錠剤、エリキシル剤、散剤、顆粒剤、水もしくは非水性媒体中の懸濁剤、または食物もしくは飲料への添加剤としてのような、任意の摂取可能な形で、経口でまたは経腸的に個別に消費されてもよい。場合によっては、クロムは、薬学的担体(通常の錠剤成分、例えばトウモロコシデンプン、乳糖、マルトデキストリン、ショ糖、ソルビトール、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、リン酸水素カルシウムもしくはガム)および/または水のような他の薬学的希釈剤と混合され、本組成物もしくはそれらの無毒の薬学的に許容し得る塩の実質的に均質な混合物を含有する固形の予備処方組成物(preformulation composition)を形成する。実質的に均質な予備処方組成物について言及する場合、これは本組成物をカプセル剤、丸剤および錠剤などの同等に有効な単位剤形へ容易に分割することができるように、活性成分が、組成物全体に均等に分散されることを意味する。別の場合において、クロムは、液剤、シロップ剤または懸濁剤などの、経口投与のための液体調製品において消費される。
【0075】
開示された方法は、開示された大豆タンパク質/クロム/遊離ロイシンの組合せまたは組成物を被験者へ望ましい作用を有するために十分な長さの期間投与する段階を含む。ある場合において、大豆タンパク質/クロム/遊離ロイシンの組合せは、1週間またはそれよりも長く、例えば最長1年またはそれよりも長く、毎日消費される。特定の例において、本組合せは、約8週〜約12週の期間、例えば8週間または12週間のいずれか、消費される。別の場合において、本組合せは、約5日間またはそれよりも長い期間消費される。
【0076】
一部の状況において、個体または被験者は、カロリー制限された規定食に関して指導される。例えば被験者は、カロリー制限状態を実現するためにその被験者が消耗するよりもより少ないカロリーを消費する必要性に関して、口頭で指示されてもよい。別の場合において、指示は書面の形で提供される。ある場合には、被験者は、食品上の情報ラベルを読むか、または様々な食物のカロリー量に関する他のデータにアクセスすることにより、食物のカロリー量をどのように決定するかに関しても助言される。場合によっては、被験者は、様々な食物の一人前のサイズまたはサービングサイズの体重減少に対する作用に関して指示される。場合によっては、被験者は、カロリー制限期間中に適切な栄養を得ることに加え、不適切もしくは危険なカロリー制限および栄養不足の徴候を警戒することについても指示される。
【0077】
一部の例において、個体または被験者は、1週間につき少なくとも5日間の少なくとも1マイルもしくは短くとも30分間の散歩、または同様のもしくはより高いレベルの激しい活動による運動のような運動に参加するように口頭または書面による指示のいずれかにより、運動への参加に関して指示される。さらに別の態様は、被験者によるそのような運動の実行または被験者による運動の欠如を含む。
【0078】
これらの方法の一部の態様は、コロソリン酸、および任意にマグネシウム、亜鉛、タウリンおよびバナジウムの1種または複数を消費する段階をさらに含む。これらの作用物質は、例えば、大豆タンパク質/クロム/遊離ロイシンの粉末化された組成物の構成成分であってもよいか、またはこれらは本組成物とは別に、例えば個別の栄養補助食品またはサプリメント(錠剤など)で消費されてもよい。
【0079】
栄養補助食品が、大豆タンパク質/クロム/遊離ロイシンの粉末化された組成物とは別に消費される場合、栄養補助食品は、1日の任意の1回または複数回の時点で消費される。ある態様において、栄養補助食品は、1日のうちで1回または複数回の食事、例えばその日の最も大量の食事の時またはその前後、例えば食事の30分以内または食事中に消費される。一部の態様において、栄養補助食品は、2回またはそれよりも多い投与量で、例えば1日2回の最も大量の食事の時またはその前後、もしくは1日3回の各食事(朝食、昼食および夕食)の時またはその前後に消費される。
【0080】
大豆タンパク質/クロム/遊離ロイシンの組合せおよびコロソリン酸が投与されるようなある態様において、被験者は、カロリー制限された規定食に関して指示されず、かつ任意の特定の規定食に従うことは必要とされず、および/またはカロリー制限された規定食に意識的に従わない。
【0081】
実施例3
キット
本規定食摂生規則の構成成分は、カロリー制限された規定食に関する指示書;任意の特定の規定食に従うもしくは従わないことの指示書;および/または、カロリー制限された規定食に意識的に従うもしくは意識的に従わないことの指示書を含んでも含まなくてもよいパッケージのようなキットで提供されてもよい。別の態様において、被験者は、処方された運動摂生規則に従うよう指示されるか、または従うよう指示されない。
【0082】
これらのキットは、本明細書の別所に記載された組成物を含むことができる。例えばキットは、粉末化されたドリンクミックス、スナックバー、茶ミックス、およびサプリメントを含むことができる。
【0083】
キットと共に提供される指示書は、書面によるか、またはオーディオカセット、ビデオカセット、コンパクトディスクまたはデジタルビデオディスク上に記載もしくは記録されたもののような、一定した形(fixed form)である。これらの指示書は、個体に、ダイエットしながら除脂肪体重の減少を抑えるため、または血中脂肪レベルの改善を実現するために消費されるべきキット構成成分のおおよその量を指示する。
【0084】
場合によっては、このキットは、大豆タンパク質、クロムおよび遊離ロイシンを含有するシェイクドリンクのような、大豆タンパク質/クロム/遊離ロイシンの組成物を含む。別の場合には、本組成物は、乾燥ドリンク粉末の形で、液体送達ビヒクル中にそれを混合するための指示書と共に提供される。場合によっては、本組成物は、1個の容器内に1サービングよりも多くを備える、バルク型で提供される。このような場合、指示書は、本明細書に説明された量のような、1日当たりある量の組成物を消費するという情報を個体に与える。別の例において、本組成物は、1サービング、および1日当たり1サービングの一定の数を消費することを指示する指示書を有する容器で提供される。両方の場合において、これらの指示書に従う個体は、カロリー制限状態下で、除脂肪体重の減少を抑えるために有効である大豆タンパク質、クロムおよび遊離ロイシンの量を消費する。本組成物は、体重減少を促進しおよび/または脂質プロファイルを改善する方法における本製品の使用に関する指示書なしで販売されてもよい。指示書は、例えばウェブサイト上の掲示のように、販売される製品とは別に提供されてもよい。
【0085】
本キットの一部の態様は、開示された大豆タンパク質/クロム/遊離ロイシン組成物の一部としてまたは個別になど、任意の形でかつ被験者に減量を引き起こすために有効な量でコロソリン酸をさらに含む。特定の例において、コロソリン酸は、1%コロソリン酸を含有するバナバ葉抽出物で、例えばサプリメント中に含有されるバナバ葉抽出物32mgとして送達される。
【0086】
実施例4
体重減少を促進する追加法
本実施例は、除脂肪体重(例えば筋肉量)を実質的に保持しながら、被験者の体重減少を促進しおよび/または脂質プロファイルを改善する方法における本組成物の使用を開示している。本組成物の剤形は、体重減少を誘導するために被験者のカロリー摂取を十分に制限しながら、大豆タンパク質、クロムおよび遊離ロイシンの所望の1日投与量を、任意に他の作用物質と組合せて送達するために投与される。本組成物は、肥満症または高脂血症または他の異常脂質血症の治療のために、例えば、トリグリセリドおよび/もしくはLDLコレステロールの血液レベルならびに/または総コレステロールのHDLに対する比を低下するために、部分的代替食として使用することができる。
【0087】
これらの方法の特定の例において、本プログラムは、1日当たり500〜600カロリー不足を提供し、これは1週間に約1〜1.5lbの体重減少につながる。これは、過体重による使用に特に適しているが、他方で健康な成人における使用にも適している。キットで提供される本プログラム構成成分は、ドリンクミックス、スナックバー、ビタミン/ミネラルサプリメント、茶ドリンクミックス、および30日間メニュー/レシピプラン(メニュープランは、毎日の食事を作る際の指針として役立つ)を含む。本実施例において、参加者は、当初の体重に応じて3種のプランの中のひとつに従う。

【0088】
1日を通したエネルギー摂取は、以下の通りである。

【0089】
本実施例において、プログラム(製品および食事)は、タンパク質の30%を超えない、炭水化物の50%を超えない、および脂肪の30%を超えない範囲の、1日の主要栄養素の配分を提供する。特に望ましい範囲は、以下である。

【0090】
キットに含まれかつ本方法で投与される剤形(ビタミン/ミネラルサプリメント、ドリンクミックス、およびバー)は、ビタミンAおよびKならびに鉄以外の必須主要栄養素全てについて1日摂取量(Daily Value)の少なくとも100%を提供する。この食事プランの食物は、ビタミンAおよびKならびに鉄の栄養素を比較的豊富な量含有し、その結果本製品とメニュープランの食物の和は、これらの栄養素をそれらの1日必要量に合致する量または過剰量送達することが期待される。
【0091】
エネルギー(カロリー)量を含む製品(2回のドリンクミックス+1回のスナックバー)の毎日の摂取は、3種全てのカロリープランについて同じままである。これらのプランに関する追加の他のカロリーは、補助食品摂取の異なるレベルにより提供される。遊離ロイシンは、本プログラムの一部として投与されるが、追加のタンパク質結合型ロイシン摂取が行われる。本実施例において説明された方法は、1200kcalプランを摂取すると推測される。
【0092】
食品等級およびUSP規格に合致する遊離L-ロイシンは、各混合物の一体化した構成成分として両製品において使用され、その結果他の成分から分離されない(が、これは、個別の製品として投与することもできる)。ドリンクミックスおよびスナックバーは、各々、1サービング当たり追加の遊離ロイシン1.2gおよび0.5gを含有する。これらの製品は、大豆および米またはホエータンパク質単離物の混合物も含有する(このドリンクミックスおよびスナックバーのタンパク質含量は、各々、16gおよび10gである。)。ラベル指示書は、本ドリンクミックス粉末は、消費のために無脂肪ミルク1カップと混合されることを助言している。従って1回の食事の機会当たりに曝露される総ロイシンを計算するために、以下のように、遊離ロイシンの量が、タンパク質単離物および無脂肪ミルク内に含まれたロイシン量に追加される。

【0093】
開示された態様において、1回の食事の機会当たりの総ロイシンは、ドリンク(ミルク中に調合された粉末)において約2.8〜3.2gロイシンであり、およびスナックバー(遊離ロイシンおよび完全なタンパク質中のロイシンを含む)において約1.0〜1.5gロイシンである。
【0094】
推定されたロイシン曝露(1回の食事の機会および1日総量当たり)を計算するために、食事により提供されたロイシン量を考慮することもできる。本実施例において、製品および食物の両方からの1日当たりの総ロイシンおよびタンパク質曝露は、以下である。

a 8種の日中1日のメニュープラン(1200kcalプラン)から決定された平均値
b 推奨されたプランを基準とした(2回の無脂肪ミルクと混合されたドリンク、1回のバーおよび1回の食事の合計)
【0095】
従って1200カロリープランに関して、タンパク質摂取の1日総量は、タンパク質約90〜100g、およびロイシン約8〜12g(その中の約2〜4gは遊離ロイシンである)である。
【0096】
ドリンクミックス粉末およびスナックバーのサービングサイズは、各々、約50および35gである。
【0097】
摂取されたタンパク質結合型ロイシンの総量は、従う特定のプランに応じて変動することができ、本実施例は、本実施例において提示されたロイシンの量を必要とすることを意図するものではない。
【0098】
実施例5
異なる食事プランによる体重減少の促進
本実施例は、除脂肪体重(例えば筋肉量)を実質的に保持しながら、被験者の体重減少を促進しおよび/または脂質プロファイルを改善する方法における本組成物の追加の使用を開示している。本組成物の剤形は、体重減少を誘導するために被験者のカロリー摂取を十分に制限しながら、大豆タンパク質、クロムおよび遊離ロイシンの所望の1日投与量を、任意に他の作用物質と組合せて送達するために投与される。本組成物は、肥満症または高脂血症または他の異常脂質血症の治療のために、例えば、トリグリセリドおよび/もしくはLDLコレステロールの血液レベルならびに/または総コレステロールのHDLに対する比を低下するために、部分的代替食として使用することができる。本使用法は、別に本実施例において特定されたことを除いて、実施例4と同じである。
【0099】
本実施例において、プログラムは、1日当たり600〜1000カロリー不足を提供し、これは1週間に約1.5〜2.0 lbの体重の減少につながる。本実施例において、参加者は、当初の体重に応じて3種のプランの中のひとつに従う。

【0100】
1日を通したエネルギー摂取は、以下の通りである。

【0101】
本実施例において、プログラム(製品および食事)は、タンパク質の30%を超えない、炭水化物の45%を超えない、および脂肪の30%を超えない範囲の、1日の主要栄養素の配分を提供する。特に望ましい範囲は、以下である。

【0102】
実施例6
大豆/クロム/遊離ロイシン組成物の特定例
開示された製品の多くの様々な態様が可能であるが、本実施例は、除脂肪体重を保持しながら所望の減量を実現するための、大豆タンパク質、遊離ロイシンおよびクロムを有用な量含有する製品の特定例を示す。以下の表1は、サプリメント、飲料、お茶、およびスナック中の栄養素ならびに活性成分の分配を示し、活性成分は表の下部に太字で示している。
【0103】
(表1)調製品中の主要栄養素および他の活性構成成分含量


a 推奨された製品プランを基にして(ビタミン/ミネラルサプリメントの1サービング、ドリンクミックスの2サービング、お茶の1サービング、および1回のスナックバーの合計)
b β-カロテンとして
【0104】
本メニュープランで示された通常の食物を含む体重管理プログラムは、1200カロリー規定食プランで、総ロイシン1日当たり10〜12gを送達することを意図している。このロイシンのバルク量(約8g)は、消費されたタンパク質(シェイクおよびスナックバー、その中にシェイクが混合されるミルク、およびメニュープランで提供される食物/レシピ中の大豆タンパク質から)中に認められたロイシンである。シェイクおよびバーに添加される遊離ロイシンは合わせると、この合計で約2.9gとなるが、この遊離ロイシンを伴うダイエットサプリメントの量は、本発明の予想外に優れた結果を提供することがわかった。
【0105】
以下の表2は、タンパク質由来のカロリー30%を目的とする規定食中のロイシンおよびタンパク質の給源を示している。この表において、「他のロイシン」とは、各製品および食物中の完全なタンパク質(大豆および他の食物)内に認められるロイシンを意味する。食物の列は、1200kcalプランを説明し、ならびに総タンパク質およびロイシン(タンパク質結合した)量は、より高いカロリープランでは変化する(食物メニューは、1200cal、1500cal、1800calおよびさらには2100calプランで提示される)。これらのプランは全て、同数の遊離ロイシン含有製品(2回のシェイクおよび1回のスナックバー)を含み、従って同じ量の遊離ロイシンを含む。
【0106】
食物調節により可能となる量は、おおよそであり、従って一部の合計は、個々の構成成分の和よりも大きいように見える。この1日総量も、飲料用粉末の1日2サービング、お茶の1サービング、スナックの1サービング、およびサプリメントの1サービングを基にしている。表2は、飲料用粉末は各サービングについて典型的には無脂肪ミルクと混合されるので、ミルクの列を含む。ミルクは、タンパク質および「他のロイシン(タンパク質結合型)」に寄与し、その結果シェイクの各サービングは、指示されたように使用される場合、総タンパク質(遊離ロイシンを含む)24g、総ロイシン3.2gを送達し、そのうち大豆タンパク質を14.3g含み、および遊離ロイシンを1.2g含む。
【0107】
(表2)タンパク質に由来するカロリーの30%を目的とする規定食中のロイシンおよびタンパク質の給源

a 推奨された製品プランを基にして(ビタミン/ミネラルサプリメント1サービング、シェイク2サービング、お茶の1サービング、1回の食事、および1回のスナックバーの合計)
【0108】
実施例7
ドリンクミックスの例
ひとつの特定の態様において、本方法で使用するためのバニラ香味をつけた大豆タンパク質/クロム/遊離ロイシン飲料用粉末は、以下の表3に示された具体的成分を含有する。
【0109】
(表3)バニラ香味の大豆タンパク質/クロム/遊離ロイシン飲料用粉末

【0110】
実施例8
スナックの例
体重管理製品のスナック構成成分は、多くの異なる形をとることができるが、その特定例を表4に示している。本スナックの特定例は、例えばチョコレート香味料で香味づけることができるスナックバーの形である。
【0111】
(表4)チョコレート香味のスナックバー

【0112】
実施例9
サプリメント組成物
本栄養補助食品は、体重管理製品中の補充のクロムの主要な給源であり、本実施例においてコロソリン酸の唯一の給源である。この目的に役立つサプリメントの特定例は、表5に示されたサプリメントであり、これは錠剤の形状で投与される。この表に示された量は、1日投与量であり、これは本実施例において、同時にまたは1日の異なる時点で摂取することができる3個の錠剤に分割されている。
【0113】
(表5)サプリメント組成物

【0114】
他のビタミンおよびミネラルは、表1に記されている。
【0115】
実施例10
お茶の例
開示された製品および方法の一部の例は、タウリン給源として茶ミックスを提供する。この茶ミックスは、消費するために茶飲料を作製するように、水(例えば湯)中に溶解される粉末化された形で提供されてもよい。本実施例におけるタウリン給源は、活性成分0.98を提供し、従ってタウリン給源0.82gは、タウリン約0.8gを供給する。
【0116】
(表6)茶ミックス粉末

【0117】
実施例11
他のドリンクミックスの例
本方法において使用される大豆タンパク質/クロム/遊離ロイシン飲料用粉末の2つの追加の態様は、以下の表7および8に示された特定の成分を含有する。これらの実施例は、先に記された態様と、ホエーおよび短鎖フルクトオリゴ糖を除き、ならびに米タンパク質濃縮物、イヌリンおよびさらにアカシアゴムを追加する点で異なる。
【0118】
(表7)バニラ香味の大豆タンパク質/クロム/遊離ロイシン飲料用粉末

【0119】
(表8)チョコレート香味の大豆タンパク質/クロム/遊離ロイシン飲料用粉末

【0120】
実施例12
他のスナックの実施例
体重管理製品のスナック構成成分の2つの追加の態様は、表9および10に示されている。これらのスナックの特定例は、例えばピーナッツバターまたはレモン香味などの、香味をつけることができるバーの形である。
【0121】
(表9)ピーナッツバター香味のスナックバー

【0122】
(表10)レモン香味のスナックバー

【0123】
実施例13
組成物の使用
本試験例は、除脂肪体重を保持しながら体重減少の促進を補助するか、および/または有害な血中脂質レベルを低下するための、開示された製品の使用を例示している。27名の過体重であるが他は健康な被験者が最初に参加したが、その中の13名の女性および1名の男性が、12週間プログラムを完了した。本試験の被験者は、それらのボディマスインデックスにより測定し、臨床的に過体重と決定された。本試験の被験者は、12週間にわたる実施例4に説明されたカロリー制限された規定食を順守した1群を構成した。全ての被験者は以下を消費した:
−無脂肪ミルク中に調合され、1日当たり2回の食事について大豆タンパク質約14.2g、クロム100μg、遊離ロイシン1.2g、マグネシウム140mg、および亜鉛5.25mgを含有する、実施例7のドリンクミックス組成物;
−大豆タンパク質約8.4gおよび遊離ロイシン0.5gを提供する、1日1回の実施例8のスナックバー;
−1日3回摂取(朝、昼および晩)される、クロム約400μg、バナバ葉抽出物32mg(コロソリン酸0.32mg提供)、マグネシウム120mg、亜鉛9.75mg、およびバナジウム100μgの総投与量を含有する実施例9のサプリメント錠1個;ならびに
−タウリン800mgを含有する、実施例10の茶ミックス1サービング。
【0124】
被験者は、必要なカロリーに応じて540〜1140kcal/日を提供する1日当たり1回の追加の食事および任意の補助食品を消費するように指示された。加えて、被験者は、運動をするように激励され、散歩プログラムへの参加法に関する指示が提供された。
【0125】
これらの被験者の脂肪量および除脂肪量の減少は、一般に受け入れられている体脂肪の予測値である、体の皮下脂肪測定から決定した。皮下脂肪測定は、一人の訓練を受けた観察者が、Accu-Measure(登録商標)皮下脂肪キャリパーを使用し標準手法に従い行った(ACSM's Guidelines for Exercise Testing and Prescription、第6版、2000, フィラデルフィア:Lippincott Williams & Wilkinsを参照のこと)。身体密度は、DurninおよびWomersleyの式(Br J Nutr, 32(1): p.77-97, 1974)を使用し、上腕三頭筋と肩甲骨下筋の皮下脂肪測定を用いて算出し、体脂肪含有率は、Siriの式(Adv Biol Med Phys, 4: p.239-80, 1956)により、身体密度から算出した。
【0126】
除脂肪量は、体重と脂肪量の間の差として決定した。皮下脂肪および二重エネルギーx-線吸収法からの体脂肪の測定は、公表された相関性0.75〜0.94により良く補正される。
【0127】
ウエスト周囲径は、被験者の臍直下の点で実質的に水平な線に沿って、被験者のウエストの回りを巻き尺で測定した。
【0128】
ベースライン体重、脂肪量および除脂肪量を、各被験者について確立し、これらの被験者は、本12週間プログラムを通じて定期的に再試験した。ベースライン時、6週目および12週目の体重、脂肪量および除脂肪量の値を、平均±SEMとして以下の表に示している。反復測定に関する分散分析(ANOVA)とその後のTurkeyの事後解析を使用し、統計学的有意性を決定し、有意水準αは0.05に設定した。
【0129】
(表11)SCL法および製品を用いる体重減少の結果

データは、±SEMとして示す。*は、P<O.05を示す。
【0130】
表11の結果からわかるように、12週間の期間に被験者は平均で7.0kg減量した。被験者は脂肪量を7.4kg減少したが、除脂肪量0.5kgを獲得し、これは統計学的に有意ではなかった。これらのデータは、この体重減少は、全て体脂肪に由来し、除脂肪量は低カロリーの介入により保存されたことを示している。ウエスト周囲径およびヒップ周囲径は、各々、10.5cmおよび6.5cm減少し、ウエスト対ヒップ比は、0.04まで低下した。
【0131】
ベースライン時および12週目に、血漿トリグリセリド、総コレステロール、低密度リポタンパクおよび高密度リポタンパクを、各被験者について測定した。コレステロール、トリグリセリドおよび低密度リポタンパク(LDL)の低下に加え、高密度リポタンパク(HDL)の増加が、下記の表において示されている。対応のあるスチューデントt-検定を用い、統計学的有意性を決定し、αは0.05に設定した。
【0132】
(表12)SCL法および製品を使用する脂質プロファイルの改善

データは、±SEMとして示す。*は、P<O.05を示す。
【0133】
これらの結果は、血中脂質プロファイルの好ましい変化の存在を示している。トリグリセリド、総コレステロール、および総コレステロール対HDL比は、有意に低下した。総コレステロールは減少し、かつLDLは減少する傾向があったが(p=0.05)、HDLはわずかであったが有意ではなく増加した(これは一般に「保護的」コレステロールとみなされる)。
【0134】
本実施例のデータは、2週間間隔における体重の変化を示すために、さらに細分した。
【0135】
(表13)SCL製品および方法による体重減少

NM=測定せず
【0136】
追加の恩恵として、満足感(満腹感)について尋ねたところ、被験者は、自分は満足感を覚えたと回答した。これらの同じ被験者は、本プログラムの食物への渇望を低下する能力について質問した場合にも、肯定的に回答した。被験者は特に、炭水化物への渇望の低下に気がついた。加えて、これらの被験者は、本製品および方法を使用している期間中の、増大したエネルギーおよび活力の感覚も報告した。
【0137】
実施例14
従来のSSおよびSSS試験との比較データ
実施例13の組成物および方法は、大豆タンパク質、クロムまたはタンパク質結合型ロイシンを含む従来の規定食摂生規則と比べ、予想外に優れた除脂肪体重の保持をもたらす。
【0138】
この優位性を明らかにするために、本大豆タンパク質/クロム/遊離ロイシン(SCL)試験の結果を、2003年11月24日に出願され、かつ2004年8月26日にUS20040166181として公開された、本譲受人の先行する米国特許出願第10/722,368号に加え、対応する2004年6月10日に公開されたPCT公報04047765に開示された、組成物および方法と比較した。この比較は、SCL群と先願に開示されたサプリメント+スプレー(SS)群またはサプリメント+スプレー+シェイク(SSS)群の間で行った。
【0139】
特にSS群は、その先願の実施例6の栄養補助食品+実施例7の規定食組成物を受けた。先願の実施例6の栄養補助食品は、約1%コロソリン酸を含有するように標準化されたバナバ葉抽出物約32mgおよびポリニコチン酸クロムの形でクロム約400μg、加えてマグネシウム約200mg、亜鉛約5mg、タウリン約500mg、バナジウム約100μg、およびαリポ酸約10mgの総1日投与量を送達する2個のカプセル剤であった。その先願の実施例7の規定食組成物は、アルコール約20容量%と混合した、約3×フーカス・ベシキュロカス(Fucus vesiculosus)、約3×カンボジア・ガルシニア(Gambogia garcinia)、約30C ミツバチ(Apis mellifica)、約4×バディアガ(Badiaga)、約30×カルカレカーボニカ(Calcarea carbonica)、約3×パスシフロラ・インカルナタ(Passiflora incarnata)、約12×炭酸バリウム(Baryta carbonica)、約12×フッ素カルシウム(Calcarea fluorica)、約6×ヒカゲノカズラ(Lycopodium clavatum)、約6×バーバリス・ヴルガリス(Berberis vulgaris)、約3×ベロニカ・バージニカ(Leptandra virginica)、約6×ニオイヒバ(Thuja occidentalis)、約3×グースグラス(Galium aparine)、約30C ヒメイラクサ(Urtica urens)、約200C ヒスタミン塩酸(Histaminum muriaticum)、および約30C サバジラ(Sabadilla)の希釈物を等量含有し、1回の噴霧で本規定食組成物を約0.1〜0.5mL噴霧するように適合されたスプレーボトル内で提供した。
【0140】
SSS群は加えて、先願の実施例4の大豆タンパク質/クロムシェイクドリンク組成物を受けた。先願の大豆タンパク質/クロムドリンクは、以下の成分を含有する。

【0141】
表14に示したデータは、従来のSS群およびSSS群と比べ、本発明のSCL法による、優れた除脂肪体重の保持を示している。表14において、ダイエットおよび運動群は、いずれの体重減少製品も用いずに、カロリー制限および運動摂生規則を行った。
【0142】
(表14)SCL法の従来の方法との12週間使用時の比較

*本試行(SCL)からのデータは、除脂肪量および脂肪量を概算した。従来試験(SSおよびSSS)において、除脂肪体重は、DEXAにより測定したのに対し、SCL試行では、皮下脂肪キャリパーを使用し、体脂肪率を概算した。
【0143】
実施例15
Laymanらの従来のタンパク質結合型ロイシン含有規定食
一部の先行する刊行物は、タンパク質結合型ロイシンの除脂肪体重の保持に対する作用の試験結果を明らかにしている。このような試験は、例えばLaymanらの論文、J. Nutr. 133:411-417, 2003に見い出され、この論文では、24名の過体重女性(45〜56歳)を、12名の被験者の2群に分けた。両群共、1700cal/日(500cal/日不足)の等カロリーの規定食を10週間消費した。対照規定食は、USDA食品ピラミッド指針に従う様式であり、これはタンパク質から1日カロリーの16%(1日当たりタンパク質結合型ロイシン5.4g含有)、炭水化物から58%、および脂肪から26%提供された。タンパク質含有ロイシン試験規定食は、食肉、チーズおよび卵などの豊富な外因性ロイシン含量を含むタンパク質から1日カロリーの30%(1日の合計でおおまかに9.9gのタンパク質結合型ロイシン)、炭水化物41%、および脂肪29%で提供された。下記の表は、除脂肪体重の保持に関して得られた結果を示している。Laymanらの試験は、毎日9.9gのタンパク質結合型ロイシンを提供したにもかかわらず、その試験において、ほぼ12%の除脂肪体重が被験者により依然減少されたことは注目すべきである。Laymanらは、遊離ロイシンは投与せず;各群で消費されたロイシンの量の差は、規定食タンパク質の量の差を反映した。
【0144】
(表15) Laymanらのより高タンパク質の規定食の10週目の体重減少

【0145】
実施例16
Laymanらのタンパク質結合型ロイシン含有規定食との比較データ
Laymanらの試験における除脂肪体重減少の脂肪量減少に対する比は、0.16であるのに比べ、本発明のSCL体重管理製品では実質的にゼロであった。同様に総重量減少に対する百分率としての除脂肪体重減少は、Laymanらの規定食では12%であるのに対し、本SCL法では本質的にゼロであった。これらの予想外の優れた結果は、表16に例示している。
【0146】
(表16)SCL法対Laymanらのより高タンパク質の規定食の10週目の体重減少

【0147】
前述の例は、開示された組成物、方法およびキットの特定の具体的態様を単に明らかにしている。これらはいかなる意味においても限定を意図するものではない。さらにこれらの態様は詳述されているが、当業者は、本発明の精神および添付された特許請求の範囲から逸脱しない限りは、変更を行うことができることを理解すると考えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カロリー制限状態下で、除脂肪体重を実質的に保持する有効量の大豆タンパク質、クロムおよび遊離ロイシンを含有する剤形であって、
大豆タンパク質少なくとも30g、クロム少なくとも400μg、および大豆タンパク質の遊離ロイシンに対する重量比が10:1よりも大きい十分量の遊離ロイシンの1日投与量を提供する、剤形。
【請求項2】
大豆タンパク質、クロムおよび遊離ロイシンが、大豆タンパク質32〜40g、クロム400〜800μg、および遊離ロイシン2.25〜4.0gの1日投与量を提供する量で剤形中に存在する、請求項1記載の剤形。
【請求項3】
大豆タンパク質、クロムおよび遊離ロイシンが、大豆タンパク質約35〜39g、クロム600μg、および遊離ロイシン2.9gの1日投与量を提供する量で剤形中に存在する、請求項2記載の剤形。
【請求項4】
カロリー制限状態下で、被験者の除脂肪体重の減少を抑えるために有効なコロソリン酸量をさらに含有する、請求項3記載の剤形。
【請求項5】
コロソリン酸の有効量が、コロソリン酸0.25〜1mgである、請求項4記載の剤形。
【請求項6】
コロソリン酸が、バナバ葉抽出物により提供される、請求項5記載の剤形。
【請求項7】
バナバ葉抽出物25〜35mg、マグネシウム300〜500mg、亜鉛15〜25mg、バナジウム50〜150μg、およびタウリン600〜1000mgの1日投与量をさらに提供する、請求項2記載の剤形。
【請求項8】
剤形が複数の剤形を含み、
大豆タンパク質、クロムおよび遊離ロイシンが各々、複数の剤形へ分配されている、
請求項1記載の剤形。
【請求項9】
複数の剤形が、粉末化されたシェイクミックス、消費(consumable)スナック、およびサプリメントを含む、請求項8記載の剤形。
【請求項10】
シェイクミックスが、大豆タンパク質26〜30g、クロム100〜300μg、および遊離ロイシン2〜3gの1日投与量を提供し;
消費スナックが、大豆タンパク質6〜10g、および遊離ロイシン0.25〜1.0gの1日投与量を提供し;ならびに
サプリメントが、クロム300〜500μgの1日投与量を提供する、
請求項9記載の剤形。
【請求項11】
複数の剤形が茶調製品をさらに含む、請求項9記載の剤形。
【請求項12】
茶調製品がタウリン700〜900mgの1日投与量を提供する、請求項11記載の複数の剤形の投与量。
【請求項13】
シェイクミックスの1日投与量を2投与量単位に分割する2投与量単位に、シェイクミックスが分割される、請求項10記載の剤形。
【請求項14】
実質的に以下の1日投与量を送達する以下の剤形を含む、請求項13記載の剤形。

【請求項15】
実質的に以下の1日投与量を送達する以下の剤形を含む、請求項14記載の剤形。

【請求項16】
タウリン約700〜900mgの単一の1日投与量を送達する茶調製品をさらに含む、請求項14記載の剤形。
【請求項17】
剤形が以下の形で実質的に以下の1日投与量を送達するように、茶調製品がタウリン約800mgの単一の1日投与量を送達する、請求項16記載の剤形。

【請求項18】
除脂肪体重を実質的に保持しながら、被験者の体重減少を促進する方法であって、
大豆タンパク質少なくとも30g、クロム少なくとも400μg、および大豆タンパク質の遊離ロイシンに対する重量比が10:1よりも大きい十分量の遊離ロイシンの1日投与量を送達するために、請求項1記載の剤形を投与する段階;ならびに
体重減少を誘導するために被験者のカロリー摂取を十分に制限する段階
を含む、方法。
【請求項19】
大豆タンパク質32〜40g、クロム400〜800μg、および遊離ロイシン2.25〜4.0gの1日投与量を投与する段階を含む、請求項18記載の方法。
【請求項20】
大豆タンパク質約35〜39g、クロム約600μg、および遊離ロイシン約2.9gの1日投与量を投与する段階を含む、請求項19記載の方法。
【請求項21】
体重減少を誘導するために、被験者のカロリー摂取を十分に制限しながら、被験者の除脂肪体重の減少を抑えるために有効なコロソリン酸量を投与する段階をさらに含む、請求項20記載の方法。
【請求項22】
コロソリン酸量の投与が、コロソリン酸0.25〜1mgを投与する段階を含む、請求項21記載の方法。
【請求項23】
コロソリン酸がバナバ葉抽出物の投与により提供される、請求項22記載の方法。
【請求項24】
バナバ葉抽出物25〜35mg、マグネシウム300〜500mg、亜鉛15〜25mg、バナジウム50〜150μg、およびタウリン600〜1000mgの1日投与量を投与する段階をさらに含む、請求項21記載の方法。
【請求項25】
1日投与量の投与が、大豆タンパク質、クロム、およびロイシンが各々複数の剤形へ分配されている異なる剤形を投与する段階を含む、請求項18記載の方法。
【請求項26】
異なる剤形の投与が、粉末化されたシェイクミックス、消費スナック、およびサプリメントを投与する段階を含む、請求項25記載の方法。
【請求項27】
異なる剤形の投与が、茶調製品を投与する段階をさらに含む、請求項26記載の方法。
【請求項28】
茶調製品の投与が、該調製品から作製されタウリン700〜900mgの投与量を提供する茶飲料を1日1回投与する段階を含む、請求項27記載の方法。
【請求項29】
異なる剤形の投与が、
シェイクミックスが大豆タンパク質26〜30g、クロム100〜300μg、および遊離ロイシン2〜3gの1日投与量を提供する、シェイクミックスの分割量を飲料で投与する段階;
大豆タンパク質6〜10gおよび遊離ロイシン0.25〜1.0gの1日投与量を提供する消費スナックを投与する段階;ならびに
クロム300〜500μgの1日投与量を提供するサプリメントを投与する段階
を含む、
請求項25記載の方法。
【請求項30】
シェイクの分割量の投与が、同日の2回の異なる食事の代替として、1日当たりシェイクミックスの実質的に等しい2投与量を2つの異なる飲料で投与する段階を含み、
消費スナックの投与が、食事間に1日当たり1つの消費スナックを投与する段階を含み、ならびに
サプリメントの投与が、1日当たりサプリメント1サービングを投与する段階を含む、
請求項29記載の方法。
【請求項31】
被験者を消費されたカロリーおよび消耗されたエネルギーに関してカロリー不足の状態に維持するために、1日わずか1回の食事および選択されたカロリー摂取の補助食品を提供する段階をさらに含む、請求項30記載の方法。
【請求項32】
剤形が、

を含む、請求項31記載の方法。
【請求項33】
剤形が、

を含み、ならびに、
方法が、1日当たり2シェイクサービングでシェイクミックス1日投与量を投与する段階、および1日当たり1つの消費スナックおよびサプリメントを投与する段階を含む、
請求項32記載の方法。
【請求項34】
タウリン700〜900mgを含有する茶調製品を毎日投与する段階をさらに含む、請求項32記載の方法。
【請求項35】
剤形が以下の分配された1日投与量を含む、請求項34記載の方法。

【請求項36】
請求項1記載の剤形、および除脂肪体重を保持しながら体重減少するためのその使用に関する指示書を含む、体重減少キット。
【請求項37】
請求項17記載の剤形、および除脂肪体重を保持しながら体重減少するためのその使用に関する指示書を含む、体重減少キット。

【公表番号】特表2009−539405(P2009−539405A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−515466(P2009−515466)
【出願日】平成19年6月12日(2007.6.12)
【国際出願番号】PCT/US2007/013828
【国際公開番号】WO2007/146313
【国際公開日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(500491845)シャクリー コーポレイション (2)
【Fターム(参考)】