説明

除菌用成形物及び除菌方法

【課題】維持費用を低減でき且つスライム形成を持続的に抑制できる除菌用成形物及び除菌方法を提供する。
【解決手段】樹脂及び除菌成分を含有する樹脂組成物から成形され、除菌対象に設けられて前記除菌対象を除菌するために用いられる除菌用成形物であって、望ましくは、前記樹脂はゴムを主成分とし、成形体はシート状又はフィルム状である。除菌用成形物が変形された筒状体15は、樹脂及び除菌成分を含有する樹脂組成物から成形され、配管80の内壁85に設けられて配管80を除菌するために用いられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、除菌対象を除菌する除菌用成形物及び除菌方法に関する。
【背景技術】
【0002】
空調機や冷凍機のような装置では、作動時に低温になる配管等に結露水が発生する。そこで、従来、結露水を回収しドレイン水として排出するために、ドレインパンと呼ばれる集水盤が使用されている。
【0003】
しかし、ドレインパンは湿潤な環境に常時曝されるため、微生物や真菌に由来するスライムがドレインパンに形成されやすい。スライムが形成されると、ドレイン水の流路が閉塞したり、悪臭が発生したりという種々の問題が生じることから、スライム形成を抑制する必要がある。
【0004】
そこで、特許文献1には、除菌成分を含有する熱可塑性樹脂組成物から成形されたドレインパンが開示されている。このドレインパンによれば、除菌成分によって微生物や真菌が除菌されるため、スライム形成を抑制できる。
【特許文献1】特開平11−80557号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前述したドレインパンでは、時間の経過とともに除菌成分が劣化し、スライム形成が活発化するという問題がある。また、スライム形成を再び抑制するためには、ドレインパンそのものを交換する必要があり、維持費用が嵩む。
【0006】
本発明は、以上の実情に鑑みてなされたものであり、維持費用を低減でき且つスライム形成を持続的に抑制できる除菌用成形物及び除菌方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、ドレインパン等の除菌対象そのものに除菌成分を含有するのではなく、除菌成分を含有する成形物を除菌対象に設けることで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
【0008】
(1) 樹脂及び除菌成分を含有する樹脂組成物から成形され、
除菌対象に設けられて前記除菌対象を除菌するために用いられる除菌用成形物。
【0009】
(1)の発明によれば、除菌用成形物が除菌対象に設けられると、成形物に含有される除菌成分によって除菌対象が除菌される。また、時間の経過とともに除菌成分が劣化した場合には、除菌用成形物のみを交換すればよく、除菌対象(例えばドレインパン)自体を交換する必要性が低い。このため、維持費用を低減でき且つスライム形成を持続的に抑制できる。
【0010】
(2) 前記樹脂は、ゴムを主成分とする(1)記載の除菌用成形物。
【0011】
(2)の発明によれば、成形物に可撓性が付与されるため、成形物は設置条件(例えば、設置箇所の形状)に応じて所望の形状へと変形する。このため、種々の除菌対象を適切に除菌でき、汎用性を向上できる。
【0012】
(3) シート状又はフィルム状に成形された(1)又は(2)記載の除菌用成形物。
【0013】
(3)の発明によれば、シート状又はフィルム状という比較的薄い形状を採用したので、単位体積当たりの表面積が大きく、除菌対象及び成形物の接触面積が増加するため、除菌効果をより向上できる。また、成形物は嵩張らないため、種々の箇所に容易に設置できる。しかも、設置箇所の形状等に応じて、部分的に切断したり、屈曲して筒状としたりといった加工を容易に行うことができ、汎用性をより向上できる。
【0014】
(4) 周囲に比べ強度が相対的に低い強度低下部位を有する(1)から(3)いずれか記載の除菌用成形物。
【0015】
(4)の発明によれば、強度低下部位を利用して、切断や屈曲といった加工をより容易に行うことができる。
【0016】
(5) 前記強度低下部位には、水が侵入可能な孔が形成されている(4)記載の除菌用成形物。
【0017】
(5)の発明によれば、孔を形成したので、周囲よりも強度が相対的に低下し、切断や屈曲といった加工をより容易化できる。しかも、水が成形物の表面のみならず、孔に侵入して成形物と接触する。これにより、水及び成形物の接触面積が増加するため、除菌効果をより向上できる。
【0018】
(6) (1)から(5)いずれか記載の除菌用成形物を除菌対象の所定箇所に設けることで、前記除菌対象を除菌する方法。
【0019】
(6)の発明によれば、除菌用成形物を所定箇所に設けることで、成形物に含有される除菌成分によって除菌対象が除菌される。また、時間の経過とともに除菌成分が劣化した場合には、除菌用成形物のみを交換すればよく、除菌対象自体を交換する必要性が低い。このため、維持費用を低減でき且つスライム形成を持続的に抑制できる。
【0020】
(7) 前記所定箇所は、水と接触する箇所である(6)記載の方法。
【0021】
水と接触する箇所には、スライムがとりわけ形成されやすい。
そこで(7)の発明によれば、除菌用成形物を水と接触する箇所に設けたので、必要十分な量の成形物を用いて、スライム形成を効率的に抑制できる。
【0022】
(8) 前記除菌用成形物の形状を前記所定箇所に適合させる手順を更に有する(6)又は(7)記載の方法。
【0023】
(8)の発明によれば、設置される箇所に適合された除菌用成形物が設けられるので、除菌効果をより向上できる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、除菌用成形物が除菌対象に設けられると、成形物に含有される除菌成分によって除菌対象が除菌される。また、時間の経過とともに除菌成分が劣化した場合には、除菌用成形物のみを交換すればよく、除菌対象(例えばドレインパン)自体を交換する必要性が低い。このため、維持費用を低減でき且つスライム形成を持続的に抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の一実施形態について説明するが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0026】
<除菌用成形物>
本発明に係る除菌用成形物は、樹脂組成物から成形され、除菌対象に設けられて除菌対象を除菌するために用いられる。
【0027】
〔樹脂組成物〕
樹脂組成物は、樹脂及び除菌成分を含有する。樹脂は、従来周知の方法によって成形可能なものであれば特に限定されず、合成樹脂又は天然樹脂のいずれでもよい。樹脂はエラストマ及び非エラストマ(例えば、熱硬化性樹脂、汎用プラスチック、エンジニアリングプラスチック)を包含し、射出成形、押出成形、ブロー成形、シート成形、発泡成形等といった容易に実施できる方法で成形可能な点でエラストマが好ましい。エラストマはゴム又は熱可塑性エラストマを包含し、常温にて容易に変形可能であり加工性に優れる点で、ゴムが好ましい。
【0028】
ゴムとしては、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、クロロスルフォン化ポリエチレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、天然ゴム等が挙げられ、親水性に優れて除菌成分を水中へ迅速に放出できる点で、ウレタンゴム及びブチルゴムが好ましい。
【0029】
熱可塑性エラストマとしては、スチレン系樹脂、オレフィン系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、フッ素樹脂等の従来周知の樹脂が挙げられる。
【0030】
除菌成分は、微生物や真菌の少なくとも1種を除菌可能な成分であり、除菌対象を劣化させる等の悪影響が小さく、人体への安全性、効果の持続性等の点において優れるものであることが好ましい。具体的には、銀、ニトリル系抗菌成分、ピリジン系抗菌成分、ハロアルキルチオ系抗菌成分、有機ヨード系抗菌成分、及びチアゾール系抗菌成分が挙げられる。
【0031】
ニトリル系抗菌成分としてはハロイソフタロニトリル化合物が挙げられ、ピリジン系抗菌成分としてはスルホニルハロピリジン化合物、ピリジンチオール−1−オキシド化合物が挙げられ、ハロアルキルチオ系抗菌成分としてはハロアルキルチオスルフィミド化合物が挙げられ、有機ヨード系抗菌成分としてはヨードスルフォニルベンゼン化合物が挙げられ、チアゾール系抗菌成分としてはイソチアゾリン化合物が挙げられ、ベンツイミダゾール系抗菌成分としてはベンツイミダゾールカルバミン酸化合物、チアゾリルベンチイミダゾール化合物が挙げられる。
【0032】
これらの中でも、銀は、塩化物等のハロゲンと容易に結合することから、ドレイン水等の塩化物イオンの少ない系で効率良く殺菌作用を発揮する一方で、廃水処理の段階において塩化物イオンにより処理することで容易に無毒化できるという観点から好ましい。また、広い抗菌スペクトルを有する観点でイソチアゾリン化合物が好ましく、イソチアゾリン化合物としては、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−イソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−イソチアゾリン−3−オン及び1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン等の3−イソチアゾロン系化合物が挙げられる。
【0033】
樹脂組成物は、樹脂及び除菌成分の特性を著しく阻害しない範囲で、従来の周知の任意成分を更に含有してもよい。かかる任意成分としては、充填剤や着色剤が挙げられる。充填剤としては、炭酸カルシウム、炭酸ウィスカル、珪酸カルシウム、タルク、シリカ、カーボン繊維、グラファイト、ガラス繊維、ガラス球、ガラスフレーク、シラスバルーン、クレー、アルミナ、二硫化モリブデン、硫酸バリウム、マイカ、ケイソウ土、硫酸アルミニウム、硫酸カルシュウム、塩基性硫酸マグネシウム、チタン酸カリウム、ウォラストナイト、セピオライト、ゾノトライト、アスベスト等が挙げられ、着色剤としては、カーボンブラック、酸化チタン、亜鉛華、ベンガラ、群青、紺青、アゾ顔料、ニトロソ顔料、レーキ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン系顔料等が挙げられる。
【0034】
その他、任意成分としては、フェノール系、フェニルアルカン系、フォスファイト系等の酸化防止剤、ヒンダードアミン系等の安定剤、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系等の紫外線吸収剤、芳香族カルボン酸金属塩、ソルビトール系誘導体、ロジン系、有機リン酸塩及びタルク等の結晶化核剤、高級脂肪酸金属塩、ハイドロタルサイト系等の塩素補足剤、アミド系、ワックス系、ビスアミド系、有機金属塩系等の分散剤、アミド系、ワックス系、有機金属塩系、エステル系等の滑剤、有機過酸化物等の分解剤、ヒドラジン系、アミン系等の金属不活性剤、含臭素有機系、リン酸系、三酸化アンチモン、水酸化マグネシウム、赤リン等の難燃剤、発泡剤、有機充填剤等が挙げられる。
【0035】
[樹脂組成物の調製]
樹脂組成物は、上記各成分を所定の配合比でヘンシェルミキサやタンブラ内に投入し、混合した後、混合物を単軸又は二軸以上の押出機、バンバリーミキサ、ニーダ、ロール等の公知の混練装置を用いて溶融混練を行うことで調製できる。
【0036】
ここで、投入する除菌成分は、粉体又は液体等の流体の形態であればよいが、混練性に優れる点で粉体が好ましい。また、除菌成分の配合量は、多ければスライム形成の抑制能を向上できる一方、少なければ容易に成形できることを考慮して適宜設定されてよく、通常、組成物の全質量に対して30質量%以下であることが好ましく、より好ましくは20%以下である。なお、混練は、特に限定されないが、通常190〜210℃の温度条件下で行われる。
【0037】
〔成形〕
以上の樹脂組成物を用い、樹脂の種類に応じた適切な方法で成形を行う。樹脂としてエラストマを用いた場合には、射出成形、押出成形、ブロー成形、インフレーション成形、真空成形等の方法で成形を行う。
【0038】
このようにして作製される除菌用成形物は、フィルム(例えば二軸延伸フィルム)、シート、発泡シート、発泡ビーズ、タブレット等の種々の形状を有する。これらの形状の中でも、単位体積当たりの表面積が大きく、除菌対象及び成形物の接触面積が増加するため、除菌効果をより向上できる点、成形物が嵩張らずに種々の箇所に容易に設置できる点で、シート又はフィルムが好ましい。
【0039】
<除菌方法>
以上の除菌用成形物を除菌対象の所定箇所に設けることで、除菌対象を除菌することができる。ここで除菌対象とは、微生物や真菌に由来するスライムの形成を抑制すべき対象を指し、例えば、各種のOA機器、冷蔵庫、エアコンディショナ(特に、配管、ドレインパン、吹き出し口)、布団乾燥機、皿洗い機等の家電製品、便座、洗面台用部品等の各種サニタリ用品、浴室用品、キッチン用品、アウターハンドルベゼル、ドアハンドル、シフトレバーヘッド、方向指示器、ハンドル等の自動車内外装部品、壁紙床材等の建材、その他車両部品、日用品、玩具、雑貨が挙げられる。
【0040】
除菌用成形物を設置する「所定箇所」は、水と成形物との接触面積の増加、設置された成形物の姿勢の安定、及び水の流路の閉塞の抑制等を考慮して、適宜選択される。とりわけ「所定箇所」は、水と接触する箇所であることが好ましい。除去対象の全体ではなく、「所定箇所」に選択的に除菌用成形物を設置することで、成形物の浪費を抑えて、必要十分な量の成形物によってスライム形成を効率的に抑制できる。
【0041】
本発明に係る除菌方法では、除菌用成形物の形状を所定箇所に適合させることが好ましい。ここで「適合」とは、所定箇所に設置された際に充分な除菌効果が得られるよう形状を設定することを指す。例えば、所定箇所に設置された成形物の姿勢が安定するよう、成形物が所定箇所の形状に沿うように、成形物の形状を設定することができる。また、除菌用成形物の使用量は、具体的な条件に応じて適宜設定されてよいが、一年間に排出されるドレイン水1mあたり15gが目安となる。
【0042】
図1は、一実施形態に係る除菌用成形物10の平面図であり、図2は図1の除菌用成形物10が変形した状態の一例を示す斜視図である。図1に示されるように、除菌用成形物10はシート状に成形され、その厚みが比較的薄い。このため、設置箇所の形状等に応じて、屈曲して筒状としたり、部分的に切断したりといった加工を容易に行うことができる。
【0043】
図2は、屈曲された筒状体15の状態を示す図である。かかる筒状体15は、例えば除菌対象としての円環状の配管80の内壁85に好適に設けることができる。ただし、除菌用成形物10は、筒状に限られず、配管等の形状に応じて種々の形状に屈曲できる。
【0044】
図3は、切断された切断体15Aの状態を示す図である。かかる切断体15Aは、例えばドレインパン90の細い溝95の底部に好適に設けることができる。この際、溝95の底部に沿うように、切断体15Aを適宜屈曲することが好ましい。
【0045】
図1に戻って、本実施形態における除菌用成形物10には複数の孔11が形成され、孔11で挟まれた挟部13は強度低下部位を構成する。かかる挟部13は周囲に比べ強度が相対的に低いため、この挟部13を利用して切断や屈曲といった加工をより容易に行うことができる。また、除菌対象に存在する水が成形物10の表面のみならず、孔11に侵入して成形物10と接触する。これにより、水及び成形物10の接触面積が増加するため、除菌効果をより向上できる。
【0046】
なお、強度低下部位は、孔で挟むのみならず、厚みを相対的に薄くする、切れ込みを設ける等の方法で形成されてもよい。
【0047】
本実施形態では、孔11が略均等間隔で形成され、除菌用成形物10は格子状になっている。これにより、挟部13が除菌用成形物10の全体に略均等に配置されるため、除菌用成形物10をいかなる形状に切断又は屈曲する場合にも、加工を容易に行うことができる。
【0048】
このように、除菌用成形物を除菌対象の所定箇所に設けた後、時間の経過とともに除菌成分が劣化すると、スライム形成が活発化し始める。この場合、使用済みの除菌用成形物を、除菌成分がいまだ劣化していない除菌用成形物と交換することで、スライム形成を持続的に抑制できる。
【0049】
交換のタイミングは、スライム形成の活発化を確認した後であってもよいが、交換からスライムが低減されるまでの間、スライム形成による不具合(例えば、流路の閉塞、悪臭発生)を甘受しなければならない。このため、除菌用成形物の組成及び形状、除菌対象の条件、所定箇所の位置等を考慮して、交換のタイミング(例えば、一年ごと)を予め設定し、スライム形成の活発化を予防することが好ましい。
【実施例】
【0050】
各成分を表1に示す配合比でヘンシェルミキサ内に投入し、混合した後、混合物をニーダ内に導入した。このニーダ内、210℃にて2時間に亘り溶融混練を行うことで、1〜2mm径のマスターバッチ(樹脂組成物)を得た。
【0051】
【表1】

【0052】
マスターバッチを溶解し、射出成形機にて金型に導入し成形することで、200mm×200mm×1mmのシート状成形物を作製した。金型としては、7.5mm×7.5mm×20mmの凸部が5.5mm間隔で均等配置されたものを用い、これにより成形物は複数の孔が形成された格子状であった。
【0053】
作製した成形物を18.5mm×18.5mmに切断し、クロコウジカビ(Asperillus niger)を接種した培地の中央に載置した。その後、培地を37℃に保持し、ポリエチレン製の袋に梱包して湿度を保ち、10日経過後にカビの繁殖状態を観察した。この結果を図4(a)に示す。なお、図4(b)は除菌用成形物の設置を行わなかった対照区である。
【0054】
対照区の培地ではカビが依然として全面に繁殖していたのに対し、成形物15Bを設置した培地では、成形物15Bの周辺71においてカビの繁殖が劇的に抑制されていた。また、保持時間を更に延長することで、最終的には培地全面においてカビの繁殖が抑制されるに至った(図示せず)。これにより、実施例に係る除菌用成形物を除菌対象に設けることで、除菌対象を除菌できることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の一実施形態に係る除菌用成形物の平面図である。
【図2】図1の除菌用成形物の使用例を示す図である。
【図3】図1の除菌用成形物の別の使用例を示す図である。
【図4】本発明の一実施例に係る除菌用成形物の除菌効果を示す写真である。
【符号の説明】
【0056】
10 除菌用成形物
11 孔
13 挟部(強度低下部位)
80 配管(除菌対象)
85 内壁(所定箇所)
90 ドレインパン(除菌対象)
95 溝(所定箇所)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂及び除菌成分を含有する樹脂組成物から成形され、
除菌対象に設けられて前記除菌対象を除菌するために用いられる除菌用成形物。
【請求項2】
前記樹脂は、ゴムを主成分とする請求項1記載の除菌用成形物。
【請求項3】
シート状又はフィルム状に成形された請求項1又は2記載の除菌用成形物。
【請求項4】
周囲に比べ強度が相対的に低い強度低下部位を有する請求項1から3いずれか記載の除菌用成形物。
【請求項5】
前記強度低下部位には、水が侵入可能な孔が形成されている請求項4記載の除菌用成形物。
【請求項6】
請求項1から5いずれか記載の除菌用成形物を除菌対象の所定箇所に設けることで、前記除菌対象を除菌する方法。
【請求項7】
前記所定箇所は、水と接触する箇所である請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記除菌用成形物の形状を前記所定箇所に適合させる手順を更に有する請求項6又は7記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−185234(P2009−185234A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−28612(P2008−28612)
【出願日】平成20年2月8日(2008.2.8)
【出願人】(000001063)栗田工業株式会社 (1,536)
【Fターム(参考)】