階調変換制御装置、画像処理装置及びプログラム
【課題】領域の輪郭部分にジャギーが発生する可能性を低下させ、かつ、2つの線群によりモアレが発生する可能性も低下させる。
【解決手段】画像処理装置の2値化処理部25において、画像分割部31が、多値画像データを単位画像に分割し、エッジ判定部32が、単位画像がオブジェクトのエッジを含むエッジ画像かを判定し、2次色判定部33が、エッジ画像内のオブジェクトの色が2次色で、2次色に対する2つのスクリーンの角度が特定範囲内であるかを判定し、角度検出部34が、エッジ画像内のオブジェクトの輪郭線の角度を検出し、エッジスクリーン決定部35が、輪郭線の角度と2つスクリーンの角度が特定範囲内にある場合に、2次色に対する2つのスクリーンをその一方を鏡像変換してから選択し、スクリーン処理部37が、選択したスクリーンによってオブジェクトにスクリーン処理を施して2値画像データを出力する。
【解決手段】画像処理装置の2値化処理部25において、画像分割部31が、多値画像データを単位画像に分割し、エッジ判定部32が、単位画像がオブジェクトのエッジを含むエッジ画像かを判定し、2次色判定部33が、エッジ画像内のオブジェクトの色が2次色で、2次色に対する2つのスクリーンの角度が特定範囲内であるかを判定し、角度検出部34が、エッジ画像内のオブジェクトの輪郭線の角度を検出し、エッジスクリーン決定部35が、輪郭線の角度と2つスクリーンの角度が特定範囲内にある場合に、2次色に対する2つのスクリーンをその一方を鏡像変換してから選択し、スクリーン処理部37が、選択したスクリーンによってオブジェクトにスクリーン処理を施して2値画像データを出力する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、階調変換制御装置、画像処理装置、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像データ中にある文字のフォントを解析してフォントの線分角度が万線スクリーンのスクリーン角度と閾値以下になるとジャギが発生すると判断し、この判断を文字毎に行って、ジャギが発生するか否かをカウントしておき、最終的に画像データ中のジャギ発生の文字毎のカウント結果に基づきジャギが発生すると判断した時には、例えば出力する用紙方向を90度回転した方向のものを選択したり、万線スクリーン角度を90度回転したりして、ジャギの発生を防ぐ画像出力装置は知られている(例えば、特許文献1参照)。
画像データが示す描画情報に基づいて、中間調オブジェクトの輪郭をエッジとして抽出し、中間調オブジェクト内の濃度値のうちの抽出されたエッジの近傍の濃度値を、濃度値が高くなるように補正し、補正された画像データを、複数画素により形成される網点を用いて補正された画像データに基づく画像を網点画像で構成する網点画像データに変換し、カラーレーザプリンタに対して、網点画像データに基づいて画像記録媒体上に網点画像を出力するように制御する画像出力システムも知られている(例えば、特許文献2参照)。
描画オブジェクトの輪郭を含まないマトリクスに対しては通常通り万線ディザ法を適用し、描画オブジェクトの輪郭を含むマトリクスに対しては各色濃度の最大値を算出して、この最大値が所定範囲内のマトリクスに対しては輪郭を含まないマトリクスとは異なる擬似階調処理を適用するカラー画像処理装置も知られている(例えば、特許文献3参照)。
高階調の画像データ内の数値データで表現される図形情報であるグラフィックデータの輪郭を抽出し、グラフィックデータの輪郭領域以外の他の領域に対して所定のスクリーン角を有する万線ディザパターンを適用し、輪郭のジャギーの発生を防止すべく、グラフィックデータの輪郭領域に対してその所定のスクリーン角を有する万線ディザパターンとは異なる疑似多階調方式を適用して階調変換を行う画像処理装置も知られている(例えば、特許文献4参照)。
入力した多値画像データ中の注目画素が、エッジに位置するエッジ画素であるか、非エッジ画素であるかを検出し、注目画素がエッジ画素であるとき、注目画素にスクリーン処理を施し、N階調の出力値を決定し、注目画素が非エッジ画素であるとき、注目画素を含む領域に、予め設定された視覚特性を有する第1のフィルタ処理することで注目画素の目標値を算出し、注目画素の値が目標値に近づくように補正し、N階調の出力値を決定し、決定した出力値を出力する画像処理装置も知られている(例えば、特許文献5参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−111815号公報
【特許文献2】特開2006−014135号公報
【特許文献3】特開2004−221695号公報
【特許文献4】特開2004−040499号公報
【特許文献5】特開2009−100228号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、領域の輪郭部分にジャギーが発生する可能性を低下させ、かつ、2つの線群によりモアレが発生する可能性も低下させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、N(N≧3)階調で表現された単色により構成されるK(K≧2)次色の領域を含む画像を取得する取得手段と、前記K次色を構成するK個の単色のうちの2つの単色をM(2≦M<N)階調で表現するための情報として当該2つの単色のそれぞれに対して予め定められた2つの線群の方向が、何れも特定の範囲内にあるかどうかを判定する判定手段と、前記判定手段により前記2つの線群の方向が何れも前記特定の範囲内にあると判定された場合に、前記2つの単色のうちの一の単色をM階調で表現するための情報を、当該一の単色に対して予め定められた線群に決定し、前記2つの単色のうちの他の単色をM階調で表現するための情報を、前記領域のうちの前記特定の範囲と重複しない他の範囲内の方向の輪郭線に隣接する第1の部分領域については、当該他の単色に対して予め定められた第1の線群に決定し、前記領域のうちの前記特定の範囲内の方向の輪郭線に隣接する第2の部分領域については、当該第1の線群の方向を前記他の範囲内の方向に変更した第2の線群に決定する決定手段とを備えたことを特徴とする階調変換制御装置である。
請求項2に記載の発明は、前記決定手段は、前記第1の線群を予め定められた軸を基準に鏡像変換した線群を、前記第2の線群として用いることを特徴とする請求項1に記載の階調変換制御装置である。
請求項3に記載の発明は、前記特定の範囲及び前記他の範囲は、一方が、前記画像における右方向と上方向とに挟まれた範囲で、他方が、前記画像における左方向と上方向とに挟まれた範囲であり、前記予め定められた軸は、前記画像における鉛直方向の軸であることを特徴とする請求項2に記載の階調変換制御装置である。
請求項4に記載の発明は、前記決定手段は、前記2つの単色の何れを前記一の単色とし何れを前記他の単色とするかを、前記画像において当該一の単色及び当該他の単色が占める面積に応じて決定することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の階調変換制御装置である。
請求項5に記載の発明は、前記決定手段は、前記2つの単色の何れを前記一の単色とし何れを前記他の単色とするかを、当該一の単色及び当該他の単色の明暗差に対する影響度に応じて決定することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の階調変換制御装置である。
請求項6に記載の発明は、前記決定手段は、前記他の単色をM階調で表現するための情報を、前記領域のうちの前記第1の部分領域及び前記第2の部分領域に隣接する第3の部分領域については、前記第1の線群及び前記第2の線群に応じた網点に決定することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の階調変換制御装置である。
請求項7に記載の発明は、前記画像の前記領域の輪郭線を含む部分画像における当該輪郭線を構成する一の画素から他の画素への方向の出現頻度に基づいて、当該輪郭線の方向を検出する検出手段を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかに記載の階調変換制御装置である。
請求項8に記載の発明は、N(N≧3)階調で表現された単色により構成されるK(K≧2)次色の領域を含む画像を、予め定められた大きさの複数の部分画像に分割する分割手段と、前記K次色を構成するK個の単色のうちの2つの単色をM(2≦M<N)階調で表現するための情報として当該2つの単色のそれぞれに対して予め定められた2つの線群の方向が、何れも特定の範囲内にあるかどうかを判定する判定手段と、前記複数の部分画像のうちの前記領域の輪郭線を含む特定の部分画像における当該輪郭線の方向を検出する検出手段と、前記判定手段により前記2つの線群の方向が何れも前記特定の範囲内にあると判定され、かつ、前記検出手段により検出された前記輪郭線の方向が前記特定の範囲内にある場合に、前記特定の部分画像について、前記2つの単色のうちの一の単色を、当該一の単色に対して予め定められた線群を用いてM階調に変換し、前記2つの単色のうちの他の単色を、当該他の単色に対して予め定められた線群の方向を前記特定の範囲と重複しない他の範囲内の方向に変更した線群を用いてM階調に変換する変換手段とを備えたことを特徴とする画像処理装置である。
請求項9に記載の発明は、コンピュータに、N(N≧3)階調で表現された単色により構成されるK(K≧2)次色の領域を含む画像を取得する機能と、前記K次色を構成するK個の単色のうちの2つの単色をM(2≦M<N)階調で表現するための情報として当該2つの単色のそれぞれに対して予め定められた2つの線群の方向が、何れも特定の範囲内にあるかどうかを判定する機能と、前記2つの線群の方向が何れも前記特定の範囲内にあると判定された場合に、前記2つの単色のうちの一の単色をM階調で表現するための情報を、当該一の単色に対して予め定められた線群に決定し、前記2つの単色のうちの他の単色をM階調で表現するための情報を、前記領域のうちの前記特定の範囲と重複しない他の範囲内の方向の輪郭線に隣接する第1の部分領域については、当該他の単色に対して予め定められた第1の線群に決定し、前記領域のうちの前記特定の範囲内の方向の輪郭線に隣接する第2の部分領域については、当該第1の線群の方向を前記他の範囲内の方向に変更した第2の線群に決定する機能とを実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、領域の輪郭部分にジャギーが発生する可能性を低下させ、かつ、2つの線群によりモアレが発生する可能性も低下させることができる。
請求項2の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、予め定められた線群の方向を変更した線群を容易に作成できる。
請求項3の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、予め定められた線群の方向を変更した線群を簡単な計算で作成できる。
請求項4の発明によれば、画像の見た目に与える影響を抑えつつ、領域の輪郭部分にジャギーが発生する可能性を低下させ、かつ、2つの線群によりモアレが発生する可能性も低下させることができる。
請求項5の発明によれば、画像の見た目に与える影響を抑えつつ、領域の輪郭部分にジャギーが発生する可能性を低下させ、かつ、2つの線群によりモアレが発生する可能性も低下させることができる。
請求項6の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、2つの線群の境界に干渉縞が生じる可能性を低下させることができる。
請求項7の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、領域の輪郭線が複雑な場合であっても輪郭線の方向として相応しい方向を決定することができる。
請求項8の発明によれば、領域の輪郭部分にジャギーが発生する可能性を低下させ、かつ、2つの線群によりモアレが発生する可能性も低下させることができる。
請求項9の発明によれば、領域の輪郭部分にジャギーが発生する可能性を低下させ、かつ、2つの線群によりモアレが発生する可能性も低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施の形態が適用されるコンピュータシステムの構成例を示した図である。
【図2】スクリーンの選択について示した図である。
【図3】スクリーンの選択の違いにより生じる画像の違いについて示した図である。
【図4】互いに鏡像関係にある2つのスクリーンの境界に生じるスジ及びその回避策について示した図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における2値化処理部の機能構成例を示したブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態における2値化処理部内の角度検出部の動作の概要を示した図である。
【図7】本発明の実施の形態における2値化処理部内の角度検出部の動作の概要を示した図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態における2値化処理部の動作例を示したフローチャートである。
【図9】本発明の第1の実施の形態における2値化処理部の動作例を示したフローチャートである。
【図10】本発明の第2の実施の形態における2値化処理部の機能構成例を示したブロック図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態における2値化処理部の動作例を示したフローチャートである。
【図12】本発明の実施の形態を実現可能なコンピュータのハードウェア構成例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態が適用されるコンピュータシステムの構成例を示したものである。
図示するように、このコンピュータシステムは、ホスト装置10と、画像処理装置20と、画像形成装置40とを備えている。
【0009】
ホスト装置10は、紙等の記録媒体に形成される画像の元となる画像データを供給する装置であり、アプリケーションプログラム(以下、単に「アプリケーション」という)11と、プリンタドライバ12とを少なくとも含む。ここで、ホスト装置10は、例えば、PC(Personal Computer)で実現される。
アプリケーション11は、文書処理ソフトウェアや表計算ソフトウェア等であり、作成したデータの印刷を要求するコマンドをプリンタドライバ12に出力する。
プリンタドライバ12は、このコマンドを受け取り、プリンタの描画コマンドであるPDL(Page Description Language:ページ記述言語)に変換する。
【0010】
画像処理装置20は、ホスト装置10が供給する画像データに対して画像処理を施す装置であり、PDL解釈部21と、描画部22と、レンダリング部23と、ガンマ補正部24と、2値化処理部25とを含む。ここで、画像処理装置20は、例えば、プリンタ内部で実現される。
【0011】
PDL解釈部21は、ホスト装置10からPDLが送られてくると、そのPDLを解釈する。
描画部22は、PDLで指定された色信号(図ではRGB)を画像形成装置40の色信号(CYMK)に変換する。その際、画像形成装置40の解像度に応じた中間コードで描画する。
レンダリング部23は、描画部22で描画された中間コードをラスタ画像データにレンダリングする。
【0012】
ガンマ補正部24は、C、M、Y、Kの各色信号についてガンマ補正を行う。
2値化処理部25は、ガンマ補正部24によるガンマ補正後の各色信号(多値画像データ)に対し、ディザパターン(スクリーン)を用いてスクリーン処理を施し、スクリーン処理された色信号(2値画像データ)を画像形成装置40に出力する。
【0013】
画像形成装置40は、2値化処理後の各色信号に対応するトナーを用いて、紙等の記録媒体に画像を形成する装置である。
【0014】
ところで、図1の2値化処理部25で2値化処理が施された画像には、画像内のオブジェクトのエッジの角度と2値化処理で用いられたスクリーンの角度とに不整合がある場合、具体的には、これらの角度が近い場合、ジャギーが発生することがある。
そこで、本実施の形態では、ジャギーを画像処理にて改善し、高画質な画像を出力できるようにする。具体的には、オブジェクトのエッジの角度とスクリーンの角度とに不整合が生じないようにスクリーンの角度を選択し、この選択したスクリーンによってスクリーン処理を行う。
【0015】
図2は、このようなスクリーンの選択について示した図である。
本実施の形態では、ラインスクリーン(線群)である第1スクリーンと、Y軸を基準に第1スクリーンと鏡像の関係にある第2スクリーンとを用いて、スクリーン処理を行う。図において、実線51は第1スクリーンの方向を示しており、その角度θ1は0≦θ1≦90°を満たすものとする。また、実線52は第2スクリーンの方向を示しており、第2スクリーンは第1スクリーンの鏡像であるので、その角度θ2はθ2=180°−θ1で表される。
一方、入力された画像からaピクセル×bピクセルの単位画像53を抽出し、スクリーン処理対象のオブジェクトのエッジのこの単位画像における支配的な角度(以下、「支配的角度」という)θ0を求める。そして、この支配的角度θ0に基づいて、第1スクリーン及び第2スクリーンのうちの適した方のスクリーンを選択し、この選択したスクリーンによってスクリーン処理を行う。具体的には、0≦θ0≦90°のときは第2スクリーンを選択し、90°≦θ0≦180°のときは第1スクリーンを選択する。図では、破線54が支配的角度θ0の方向を示しており、90°≦θ0≦180°であるので、第1スクリーンが選択される。
【0016】
図3は、支配的角度θ0が90°≦θ0≦180°を満たす場合に、第1スクリーンを用いてスクリーン処理を施した画像と、第2スクリーンを用いてスクリーン処理を施した画像とを比較する図である。
(a)は、第2スクリーンを用いたときの画像の例である。オブジェクトのエッジの角度とスクリーンの角度とが整合していないので、即ち、これらの角度が近いので、ジャギーが目だっている。
(b)は、第1スクリーンを用いたときの画像の例である。オブジェクトのエッジの角度とスクリーンの角度とが整合しているので、即ち、これらの角度が近くないので、ジャギーは軽微である。
【0017】
[第1の実施の形態]
このように、本実施の形態では、互いに鏡像の関係にある第1スクリーン及び第2スクリーンの中から、単位画像における支配的角度θ0に応じたスクリーンを選択し、この選択したスクリーンを用いてスクリーン処理を行うようにした。
ところが、第1スクリーン及び第2スクリーンの中から何れかのスクリーンを選択するだけだと、第1スクリーン及び第2スクリーンの境界では、これらのスクリーンによる干渉縞(スジ)が発生してしまう。
図4は、このようなスジの発生及びその回避策について示した図である。
(a)は、互いに鏡像の関係にある第1スクリーン及び第2スクリーンが隣接した場合に、これらのスクリーンが互いに干渉し、縦スジとなって現れている状態を示している。
このような状態を回避するには、第1スクリーン及び第2スクリーンの両方に隣接する単位画像に、(b)に示すように、例えば、第1スクリーン及び第2スクリーンと同角度かつ同線数のドットスクリーン(網点)である第3スクリーンを適用することが考えられる。第3スクリーンは2つの角度成分、つまり、第1スクリーンの角度及び第2スクリーンの角度を持つため、この場合、(a)のようなスジは生じ難い。
【0018】
図5は、このようなスクリーン処理を行う2値化処理部25の構成を示したブロック図である。
図示するように、2値化処理部25は、画像分割部31と、エッジ判定部32と、角度検出部34と、エッジスクリーン決定部35と、非エッジスクリーン決定部36と、スクリーン処理部37とを備える。
【0019】
画像分割部31は、入力された多値画像データ(例えば256階調の画像データ)をaピクセル×bピクセルの単位画像に分割する。本実施の形態では、画像を取得する取得手段の一例として、画像分割部31を設けている。また、部分画像の一例として、単位画像を用いており、画像を複数の部分画像に分割する分割手段の一例として、画像分割部31を設けている。
エッジ判定部32は、画像分割部31による分割で得られた各単位画像が、オブジェクトのエッジを含む画像(以下、「エッジ画像」という)であるか、オブジェクトのエッジを含まない画像(以下、「非エッジ画像」という)であるかを判定する。
角度検出部34は、エッジ判定部32によりエッジ画像と判定された単位画像における支配的角度θ0を検出する。尚、この支配的角度θ0の検出方法については、後述する。本実施の形態では、輪郭線の方向を検出する検出手段の一例として、角度検出部34を設けている。
【0020】
エッジスクリーン決定部35は、角度検出部34により検出された支配的角度θ0に基づいて、エッジ画像で用いるスクリーン(以下、「エッジスクリーン」という)を決定する。具体的には、0≦θ0≦90°であれば第2スクリーンを選択し、90°≦θ0≦180°であれば第1スクリーンを選択する。本実施の形態では、特定の範囲の一例として、0〜90°の範囲を、他の範囲の一例として、90°〜180°の範囲を用いており、特定の範囲内の方向の第1の線群の一例として、第1スクリーンを、他の範囲内の方向の第2の線群の一例として、第2スクリーンを用いている。また、本実施の形態では、単色をM階調で表現するための情報を輪郭線に隣接する部分領域について決定する決定手段の一例として、エッジスクリーン決定部35を設けている。
【0021】
非エッジスクリーン決定部36は、エッジスクリーン決定部35により決定されたエッジスクリーンの情報に基づいて、非エッジ画像で用いるスクリーン(以下、「非エッジスクリーン」という)を決定する。本実施の形態では、単色をM階調で表現するための情報を第1の線群が使用される部分領域及び第2の線群が使用される部分領域に隣接する部分領域について決定する決定手段の一例として、非エッジスクリーン決定部36を設けている。
【0022】
スクリーン処理部37は、エッジスクリーン決定部35により決定されたエッジスクリーンと、非エッジスクリーン決定部36により決定された非エッジスクリーンとに基づいて、入力された多値画像データにスクリーン処理を施す。本実施の形態では、単色をM階調に変換する変換手段の一例として、スクリーン処理部37を設けている。
【0023】
ここで、支配的角度θ0の検出方法について、具体的に説明する。
本実施の形態では、単位画像内のエッジの角度のうち最も出現頻度の高い角度を、支配的角度θ0とする。
図6は、単位画像内にエッジの角度として1つの角度しか出現しない場合の例である。
(a)は、単位画像内の各ピクセル(画素)を、エッジを表すピクセルを「1」、エッジを表さないピクセルを「0」として示したものである。
まず、(b)に示すように、エッジを表す各ピクセルから隣接するピクセルへの角度の出現頻度を調べる。
(c)は、角度の出現頻度をヒストグラムで示したものである。この例では、45°が最も出現頻度が高いので、単位画像における支配的角度θ0は45°となる。
【0024】
図7は、単位画像内にエッジの角度として複数の角度が出現する場合の例である。
(a)は、単位画像内の各ピクセル(画素)を、エッジを表すピクセルを「1」、エッジを表さないピクセルを「0」として示したものである。
まず、(b)に示すように、エッジを表す各ピクセルから隣接するピクセルへの角度の出現頻度を調べる。
(c)は、角度の出現頻度をヒストグラムで示したものである。この例では、0°、45°、135°が出現するが、このうち135°が最も出現頻度が高いので、単位画像における支配的角度θ0は135°となる。
【0025】
次に、第1の実施の形態における2値化処理部25の動作について説明する。
図8は、2値化処理部25のうちの非エッジスクリーン決定部36及びスクリーン処理部37以外の部分の動作例を示したフローチャートである。
図示するように、まず、画像分割部31が、入力された多値画像データをP個の単位画像に分割する(ステップ301)。ここで、P個の単位画像には、番号pが付与される。多値画像データ内の単位画像の位置に応じて番号pを付与することにより、単位画像内の各ピクセルを含む単位画像をその番号pによって特定可能になっているものとする。そして、画像分割部31による分割で得られたP個の単位画像は、エッジ判定部32に渡され、保持される。
【0026】
次に、エッジ判定部32は、単位画像の番号pに1を代入する(ステップ302)。そして、p番目の単位画像を取り出し、その単位画像がエッジ画像であるかどうかを判定する(ステップ303)。ここで、単位画像がエッジ画像であるかどうかの判定は、公知のエッジ検出方法を用いて行うとよい。
単位画像がエッジ画像であると判定された場合、単位画像及びその番号pは角度検出部34へと渡され、角度検出部34が、p番目の単位画像における支配的角度θ0を検出する(ステップ304)。ここで、支配的角度θ0の検出は、図6及び図7で述べたような方法で行うとよい。
そして、支配的角度θ0及び単位画像の番号pはエッジスクリーン決定部35へと伝えられ、エッジスクリーン決定部35が、支配的角度θ0が0≦θ0≦90°を満たすかどうかを判定する(ステップ305)。
【0027】
支配的角度θ0が0≦θ0≦90°を満たせば、エッジスクリーン決定部35は、p番目の単位画像のスクリーン処理で用いるスクリーンとして、第2スクリーンを選択する(ステップ306)。
【0028】
一方、支配的角度θ0が0≦θ0≦90°を満たさなければ、エッジスクリーン決定部35は、p番目の単位画像のスクリーン処理で用いるスクリーンとして、第1スクリーンを選択する(ステップ307)。
【0029】
尚、p番目の単位画像のスクリーン処理で用いるスクリーンとして第1スクリーン及び第2スクリーンの何れが選択されたかは、単位画像の番号pに対応付けて、スクリーン選択情報として、エッジスクリーン決定部35が保持しておくものとする。
【0030】
一方、ステップ303でp番目の単位画像が非エッジ画像であると判定された場合、エッジ判定部32は、単位画像に対し、非エッジ画像であることを示すタグ情報を付加する(ステップ308)。
【0031】
その後、エッジ判定部32は、単位画像の番号pが単位画像の個数Pに達したかどうかを判定する(ステップ309)。pがPに達していなければ、pに1を加算して(ステップ310)、ステップ303へ戻るが、pがPに達していれば、処理を終了する。
【0032】
図9は、2値化処理部25のうちの非エッジスクリーン決定部36の動作例を示したフローチャートである。
図示するように、まず、非エッジスクリーン決定部36は、エッジ判定部32が保持するP個の単位画像のうち、タグ情報が付加されたQ個の非エッジ画像を取り出す(ステップ321)。尚、このとき、非エッジ画像の単位画像としての番号pも取り出すものとする。
次に、非エッジスクリーン決定部36は、非エッジ画像の番号qに1を代入する(ステップ322)。そして、q番目の非エッジ画像を取り出し、その非エッジ画像が、第1スクリーンが選択されたエッジ画像及び第2スクリーンが選択されたエッジ画像の両方に隣接しているかどうかを判定する(ステップ323)。尚、このような判定は、q番目の非エッジ画像の単位画像としての番号pに基づいて、この非エッジ画像に隣接する単位画像の番号p1,p2,…を求め、エッジスクリーン決定部35内のスクリーン選択情報で単位画像の番号p1,p2,…のそれぞれに対応付けられたスクリーンの中に、第1スクリーン及び第2スクリーンの両方があるかどうかを調べることにより、行えばよい。
【0033】
q番目の非エッジ画像が、第1スクリーンが選択されたエッジ画像及び第2スクリーンが選択されたエッジ画像の両方に隣接していると判定された場合、非エッジスクリーン決定部36は、第1スクリーン及び第2スクリーンの境界にスジが発生しないように、q番目の非エッジ画像のスクリーン処理で用いるスクリーンとして、第1スクリーン及び第2スクリーンと同角度かつ同線数のドットスクリーンである第3スクリーンを選択する(ステップ324)。
【0034】
一方、q番目の非エッジ画像が、第1スクリーンが選択されたエッジ画像及び第2スクリーンが選択されたエッジ画像の両方に隣接しているわけではないと判定された場合、非エッジスクリーン決定部36は、q番目の非エッジ画像が、第2スクリーンが選択されたエッジ画像に隣接しているかどうかを判定する(ステップ325)。尚、このような判定は、q番目の非エッジ画像の単位画像としての番号pに基づいて、この非エッジ画像に隣接する単位画像の番号p1,p2,…を求め、エッジスクリーン決定部35内のスクリーン選択情報で単位画像の番号p1,p2,…のそれぞれに対応付けられたスクリーンの中に、第2スクリーンがあるかどうかを調べることにより、行えばよい。q番目の非エッジ画像が、第2スクリーンが選択されたエッジ画像に隣接していないと判定された場合、第1スクリーンを選択してもスジは発生しないので、非エッジスクリーン決定部36は、第1スクリーンを選択する(ステップ326)。また、q番目の非エッジ画像が、第2スクリーンが選択されたエッジ画像に隣接していると判定された場合、第1スクリーンを選択するとスジが発生するので、非エッジスクリーン決定部36は、第2スクリーンを選択する(ステップ327)。
尚、q番目の非エッジ画像のスクリーン処理で用いるスクリーンとして第1スクリーン、第2スクリーン、第3スクリーンの何れが選択されたかは、この非エッジ画像の単位画像としての番号pに対応付けて、スクリーン選択情報として、非エッジスクリーン決定部36が保持しておくものとする。
【0035】
その後、非エッジスクリーン決定部36は、非エッジ画像の番号qが非エッジ画像の個数Qに達したかどうかを判定する(ステップ328)。qがQに達していなければ、qに1を加算して(ステップ329)、ステップ323へ戻るが、qがQに達していれば、処理を終了する。
【0036】
そして、最後に、スクリーン処理部37が、入力された多値画像データに対してスクリーン処理を施す。具体的には、まず、多値画像データに含まれる各ピクセルがスクリーン処理の対象であるか、つまり、各ピクセルの色が中間調であるか判定する。次に、スクリーン処理の対象と判定されたピクセルについて、そのピクセルを含む単位画像を、単位画像の番号に基づいて特定する。そして、エッジスクリーン決定部35又は非エッジスクリーン決定部36が保持するスクリーン選択情報のうち、この特定された単位画像に対するスクリーン選択情報を参照することにより、第1スクリーン、第2スクリーン、第3スクリーンの何れかのスクリーンを選択し、そのピクセルについて、選択したスクリーンを用いてスクリーン処理を行う。
【0037】
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態では、主に単色のスクリーン処理について述べたが、第2の実施の形態では、2次色以上のスクリーン処理について述べる。
例えばYMCK4色のプリンタの場合、モアレを回避するために、4色のうち2色のスクリーン角度を0〜90°の範囲に設定し、4色のうち残りの2色のスクリーン角度を90°〜180°の範囲に設定することが多い。つまり、4つのスクリーン角度を、各スクリーン角度の差分が大きくなるように設定する。
ここでは、Y色とC色のスクリーンの角度を0〜90°の範囲内の角度とし、このようなスクリーンを「鋭角スクリーン」と呼ぶことにする。また、M色とK色のスクリーンの角度を、90°〜180°の範囲内の角度とし、このようなスクリーンを「鈍角スクリーン」と呼ぶことにする。
【0038】
このような条件の下、まず、3次色以上のスクリーン処理について考える。3次色以上の場合、その色を構成する少なくとも1つの単色のスクリーンの角度は、オブジェクトに対して有利な角度(オブジェクトのエッジの角度との差分が大きい角度)であることが多いが、その場合、各単色に対して予め定められたスクリーンをそのまま用いるとよい。或いは、1つのスクリーンの角度のみがオブジェクトに対して有利な角度である場合に、残りのスクリーンのうちの1つのスクリーンの角度をオブジェクトに対して有利な角度とすることも考えられるが、以下では、各単色に対して予め定められたスクリーンをそのまま用いるものとする。
【0039】
次に、2次色のスクリーン処理について考える。2次色の場合、その色を構成する2つの単色のスクリーンの両方が鋭角スクリーン又は鈍角スクリーンであれば、2つの単色のスクリーンの角度の両方をオブジェクトに対して有利な角度にするとモアレが出てしまうので、1つの単色のスクリーンの角度のみをオブジェクトに対して有利な角度とする。
その際、2つの単色のうち、入力された多値画像データでカバレッジが大きい方の単色のスクリーンの角度を有利な角度とすると効果的である。言い換えると、何れの単色のスクリーンの角度を有利な角度とするかを、画像において各単色が占める面積に応じて決定してもよい。
或いは、2つの単色のうちコントラストが得られ易い単色のスクリーンの角度を有利な角度としてもよい。上述したように、Y色とC色のスクリーンが鋭角スクリーンであれば、C色のスクリーンの角度を有利な角度とし、M色とK色のスクリーンが鈍角スクリーンであれば、K色のスクリーンの角度を有利な角度とするとよい。言い換えると、何れの単色のスクリーンの角度を有利な角度とするかを、各単色の明暗差に対する影響度に応じて決定してもよい。
【0040】
図10は、このようなスクリーン処理を行う2値化処理部25の構成を示したブロック図である。
図示するように、2値化処理部25は、画像分割部31と、エッジ判定部32と、2次色判定部33と、角度検出部34と、エッジスクリーン決定部35と、非エッジスクリーン決定部36と、スクリーン処理部37とを備える。
【0041】
画像分割部31、エッジ判定部32、角度検出部34、エッジスクリーン決定部35、非エッジスクリーン決定部36、スクリーン処理部37は、第1の実施の形態で既に述べたので、ここでは説明を省略する。
2次色判定部33は、エッジ判定部32によりエッジ画像と判定された単位画像の色が単色であるか、2次色であるか、3次色以上であるか、及び、2次色である場合は、鋭角スクリーンが用いられるか鈍角スクリーンが用いられるかを判定する。本実施の形態では、2つの線群の方向が何れも特定の範囲内にあるかどうかを判定する判定手段の一例として、2次色判定部33を設けている。
【0042】
次に、第2の実施の形態における2値化処理部25の動作について説明する。
図11は、2値化処理部25のうちの非エッジスクリーン決定部36及びスクリーン処理部37以外の部分の動作例を示したフローチャートである。
図示するように、まず、画像分割部31が、入力された多値画像データをP個の単位画像に分割する(ステップ351)。ここで、P個の単位画像には、番号pが付与される。多値画像データ内の単位画像の位置に応じて番号pを付与することにより、単位画像内の各ピクセルを含む単位画像をその番号pによって特定可能になっているものとする。そして、画像分割部31による分割で得られたP個の単位画像は、エッジ判定部32に渡され、保持される。
【0043】
次に、エッジ判定部32は、単位画像の番号pに1を代入する(ステップ352)。そして、p番目の単位画像を取り出し、その単位画像がエッジ画像であるかどうかを判定する(ステップ353)。ここで、単位画像がエッジ画像であるかどうかの判定は、公知のエッジ検出方法を用いて行うとよい。
単位画像がエッジ画像であると判定された場合、単位画像及びその番号pは2次色判定部33へと渡され、2次色判定部33が、p番目の単位画像の色が2次色以下であるかどうかを判定する(ステップ354)。尚、この動作例では、単位画像内に1つのオブジェクトの部分が含まれ、そのオブジェクトの部分が1つの色で塗り潰されることを前提としている。従って、ここでいう「単位画像の色」とは、このオブジェクトの部分を塗り潰す色のことである。
p番目の単位画像の色が2次色以下であると判定された場合、次に、2次色判定部33は、p番目の単位画像の色が単色(1次色)であるかどうかを判定する(ステップ355)。p番目の単位画像の色が単色であれば、そのままステップ357へ進む。一方、p番目の単位画像の色が単色でなければ、つまり、2次色であれば、2次色判定部33は、2次色を構成する2つの単色のスクリーンが、両方とも鋭角スクリーン、両方とも鈍角スクリーンの何れかであるかを判定する(ステップ356)。
【0044】
ステップ355でp番目の単位画像の色が単色であると判定された場合、又は、ステップ356で2つの単色のスクリーンが両方とも鋭角スクリーン又は両方とも鈍角スクリーンであると判定された場合、単位画像及びその番号pは角度検出部34へと渡され、角度検出部34が、p番目の単位画像における支配的角度θ0を検出する(ステップ357)。ここで、支配的角度θ0の検出は、図6及び図7で述べたような方法で行うとよい。
そして、支配的角度θ0及び単位画像の番号pはエッジスクリーン決定部35へと伝えられ、エッジスクリーン決定部35が、支配的角度θ0が0≦θ0≦90°を満たすかどうかを判定する(ステップ358)。
【0045】
支配的角度θ0が0≦θ0≦90°を満たせば、エッジスクリーン決定部35は、p番目の単位画像のスクリーン処理で用いるスクリーンとして、第2スクリーンを選択する(ステップ359)。具体的には、p番目の単位画像の色が単色の場合、その単色に対して予め定められたスクリーンが鋭角スクリーンであれば、そのスクリーンと鏡像の関係にあるスクリーンを第2スクリーンとして選択し、その単色に対して予め定められたスクリーンが鈍角スクリーンであれば、そのスクリーンをそのまま第2スクリーンとして選択する。また、p番目の単位画像の色が2次色の場合、2次色を構成する2つの単色に対して予め定められた2つのスクリーンが鋭角スクリーンであれば、その2つのスクリーンの一方と鏡像の関係にあるスクリーンを第2スクリーンとして選択し、2次色を構成する2つの単色に対して予め定められた2つのスクリーンが鈍角スクリーンであれば、その2つのスクリーンの一方を第2スクリーンとして選択する。但し、このとき、2つのスクリーンの他方はそのまま選択する。
【0046】
一方、支配的角度θ0が0≦θ0≦90°を満たさなければ、エッジスクリーン決定部35は、p番目の単位画像のスクリーン処理で用いるスクリーンとして、第1スクリーンを選択する(ステップ360)。具体的には、p番目の単位画像の色が単色の場合、その単色に対して予め定められたスクリーンが鋭角スクリーンであれば、そのスクリーンをそのまま第1スクリーンとして選択し、その単色に対して予め定められたスクリーンが鈍角スクリーンであれば、そのスクリーンと鏡像の関係にあるスクリーンを第1スクリーンとして選択する。また、p番目の単位画像の色が2次色の場合、2次色を構成する2つの単色に対して予め定められた2つのスクリーンが鋭角スクリーンであれば、その2つのスクリーンの一方を第1スクリーンとして選択し、2次色を構成する2つの単色に対して予め定められた2つのスクリーンが鈍角スクリーンであれば、その2つのスクリーンの一方と鏡像の関係にあるスクリーンを第1スクリーンとして選択する。但し、このとき、2つのスクリーンの他方はそのまま選択する。
【0047】
尚、p番目の単位画像のスクリーン処理で用いるスクリーンとして第1スクリーン及び第2スクリーンの何れが選択されたかは、色ごとに、単位画像の番号pに対応付けて、スクリーン選択情報として、エッジスクリーン決定部35が保持しておくものとする。
【0048】
また、ステップ354でp番目の単位画像の色が2次色以下でない、つまり、3次色以上であると判定された場合、又は、ステップ356で2つの単色のスクリーンが両方とも鋭角スクリーン又は両方とも鈍角スクリーンであるということはない、つまり、2つの単色のスクリーンの一方が鋭角スクリーンで他方が鈍角スクリーンであると判定された場合、単位画像及びその番号pはエッジスクリーン決定部35へと渡され、エッジスクリーン決定部35は、p番目の単位画像のスクリーン処理で用いるスクリーンとして、予め定められたスクリーンをそのまま選択する(ステップ361)。
【0049】
一方、ステップ353でp番目の単位画像が非エッジ画像であると判定された場合、エッジ判定部32は、単位画像に対し、非エッジ画像であることを示すタグ情報を付加する(ステップ362)。
【0050】
その後、エッジ判定部32は、単位画像の番号pが単位画像の個数Pに達したかどうかを判定する(ステップ363)。pがPに達していなければ、pに1を加算して(ステップ364)、ステップ353へ戻るが、pがPに達していれば、処理を終了する。
【0051】
次いで、非エッジスクリーン決定部36が動作するが、これは第1の実施の形態で図9のフローチャートを参照して説明したものとほぼ同様なので、詳細な説明は省略する。但し、第1の実施の形態では、色を考慮しなかったのに対し、この第2の実施の形態では、色ごとに、図9のフローチャートに示す処理を実行するものとする。その場合、第1スクリーンは、各単色について選択されたスクリーンのうち鋭角スクリーンを意味し、第2スクリーンは、各単色について選択されたスクリーンのうち鈍角スクリーンを意味することとなる。また、スクリーン選択情報も、単位画像の番号pだけでなく、色にも対応付けて、非エッジスクリーン決定部36に保持されるものとする。
【0052】
そして、最後に、スクリーン処理部37が、入力された多値画像データに対してスクリーン処理を施す。具体的には、まず、多値画像データに含まれる各ピクセルがスクリーン処理の対象であるか、つまり、各ピクセルの色を構成する何れかの単色が中間調であるか判定する。次に、スクリーン処理の対象と判定されたピクセルについて、そのピクセルを含む単位画像を、単位画像の番号に基づいて特定する。そして、エッジスクリーン決定部35又は非エッジスクリーン決定部36が保持するスクリーン選択情報のうち、この特定された単位画像及びその単色に対するスクリーン選択情報を参照することにより、第1スクリーン、第2スクリーン、第3スクリーンの何れかのスクリーンを選択し、そのピクセルにおけるその単色について、この選択したスクリーンを用いてスクリーン処理を行う。
【0053】
尚、本実施の形態では、多値画像データ(例えば256階調)を2値画像データに変換することを前提として説明したが、これには限らない。N(N≧3)階調の画像データをM(2≦M<N)階調の画像データに変換することを前提としてもよい。
また、本実施の形態では、オブジェクトに対するスクリーン処理に本発明を適用した場合について説明したが、イメージデータの特定の色の領域に対するスクリーン処理にも本発明は適用可能である。このような意味で、オブジェクトは、画像内の領域の一例である。
更に、本実施の形態では、第1スクリーンの角度を0〜90°の範囲内に設定し、第2スクリーンの角度を90°〜180°の範囲内に設定したが、この限りではない。第1スクリーンの角度及び第2スクリーンの角度は、それぞれ、互いに重複部分を持たない2つの如何なる範囲内に設定してもよい。
更にまた、本実施の形態では、第1スクリーンをY軸を基準に鏡像変換したものを第2スクリーンとしたが、鏡像変換の基準はY軸に限らず、予め定めた他の軸でもよい。また、第2スクリーンの角度は、第1スクリーンの角度を鏡像変換することによって求めるのではなく、第1スクリーンの角度を回転変換することによって求めてもよい。
【0054】
ところで、本実施の形態における画像処理装置20は、プリンタ内で実現するようにしてもよいが、PC等の汎用のコンピュータ内でも実現可能である。
以下、このような汎用のコンピュータをコンピュータ90として、そのハードウェア構成について説明する。
【0055】
図12は、コンピュータ90のハードウェア構成を示した図である。
図示するように、コンピュータ90は、演算手段であるCPU(Central Processing Unit)91と、記憶手段であるメインメモリ92及び磁気ディスク装置(HDD:Hard Disk Drive)93とを備える。ここで、CPU91は、OS(Operating System)やアプリケーション等の各種ソフトウェアを実行し、上述した各機能を実現する。また、メインメモリ92は、各種ソフトウェアやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域であり、磁気ディスク装置93は、各種ソフトウェアに対する入力データや各種ソフトウェアからの出力データ等を記憶する記憶領域である。
更に、コンピュータ90は、外部との通信を行うための通信I/F94と、ビデオメモリやディスプレイ等からなる表示機構95と、キーボードやマウス等の入力デバイス96とを備える。
【0056】
尚、本実施の形態を実現するプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD−ROM等の記録媒体に格納して提供することも可能である。
【符号の説明】
【0057】
10…ホスト装置、20…画像処理装置、21…PDL解釈部、22…描画部、23…レンダリング部、24…ガンマ補正部、25…2値化処理部、31…画像分割部、32…エッジ判定部、33…2次色判定部、34…角度検出部、35…エッジスクリーン決定部、36…非エッジスクリーン決定部、37…スクリーン処理部、40…画像形成装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、階調変換制御装置、画像処理装置、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像データ中にある文字のフォントを解析してフォントの線分角度が万線スクリーンのスクリーン角度と閾値以下になるとジャギが発生すると判断し、この判断を文字毎に行って、ジャギが発生するか否かをカウントしておき、最終的に画像データ中のジャギ発生の文字毎のカウント結果に基づきジャギが発生すると判断した時には、例えば出力する用紙方向を90度回転した方向のものを選択したり、万線スクリーン角度を90度回転したりして、ジャギの発生を防ぐ画像出力装置は知られている(例えば、特許文献1参照)。
画像データが示す描画情報に基づいて、中間調オブジェクトの輪郭をエッジとして抽出し、中間調オブジェクト内の濃度値のうちの抽出されたエッジの近傍の濃度値を、濃度値が高くなるように補正し、補正された画像データを、複数画素により形成される網点を用いて補正された画像データに基づく画像を網点画像で構成する網点画像データに変換し、カラーレーザプリンタに対して、網点画像データに基づいて画像記録媒体上に網点画像を出力するように制御する画像出力システムも知られている(例えば、特許文献2参照)。
描画オブジェクトの輪郭を含まないマトリクスに対しては通常通り万線ディザ法を適用し、描画オブジェクトの輪郭を含むマトリクスに対しては各色濃度の最大値を算出して、この最大値が所定範囲内のマトリクスに対しては輪郭を含まないマトリクスとは異なる擬似階調処理を適用するカラー画像処理装置も知られている(例えば、特許文献3参照)。
高階調の画像データ内の数値データで表現される図形情報であるグラフィックデータの輪郭を抽出し、グラフィックデータの輪郭領域以外の他の領域に対して所定のスクリーン角を有する万線ディザパターンを適用し、輪郭のジャギーの発生を防止すべく、グラフィックデータの輪郭領域に対してその所定のスクリーン角を有する万線ディザパターンとは異なる疑似多階調方式を適用して階調変換を行う画像処理装置も知られている(例えば、特許文献4参照)。
入力した多値画像データ中の注目画素が、エッジに位置するエッジ画素であるか、非エッジ画素であるかを検出し、注目画素がエッジ画素であるとき、注目画素にスクリーン処理を施し、N階調の出力値を決定し、注目画素が非エッジ画素であるとき、注目画素を含む領域に、予め設定された視覚特性を有する第1のフィルタ処理することで注目画素の目標値を算出し、注目画素の値が目標値に近づくように補正し、N階調の出力値を決定し、決定した出力値を出力する画像処理装置も知られている(例えば、特許文献5参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−111815号公報
【特許文献2】特開2006−014135号公報
【特許文献3】特開2004−221695号公報
【特許文献4】特開2004−040499号公報
【特許文献5】特開2009−100228号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、領域の輪郭部分にジャギーが発生する可能性を低下させ、かつ、2つの線群によりモアレが発生する可能性も低下させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、N(N≧3)階調で表現された単色により構成されるK(K≧2)次色の領域を含む画像を取得する取得手段と、前記K次色を構成するK個の単色のうちの2つの単色をM(2≦M<N)階調で表現するための情報として当該2つの単色のそれぞれに対して予め定められた2つの線群の方向が、何れも特定の範囲内にあるかどうかを判定する判定手段と、前記判定手段により前記2つの線群の方向が何れも前記特定の範囲内にあると判定された場合に、前記2つの単色のうちの一の単色をM階調で表現するための情報を、当該一の単色に対して予め定められた線群に決定し、前記2つの単色のうちの他の単色をM階調で表現するための情報を、前記領域のうちの前記特定の範囲と重複しない他の範囲内の方向の輪郭線に隣接する第1の部分領域については、当該他の単色に対して予め定められた第1の線群に決定し、前記領域のうちの前記特定の範囲内の方向の輪郭線に隣接する第2の部分領域については、当該第1の線群の方向を前記他の範囲内の方向に変更した第2の線群に決定する決定手段とを備えたことを特徴とする階調変換制御装置である。
請求項2に記載の発明は、前記決定手段は、前記第1の線群を予め定められた軸を基準に鏡像変換した線群を、前記第2の線群として用いることを特徴とする請求項1に記載の階調変換制御装置である。
請求項3に記載の発明は、前記特定の範囲及び前記他の範囲は、一方が、前記画像における右方向と上方向とに挟まれた範囲で、他方が、前記画像における左方向と上方向とに挟まれた範囲であり、前記予め定められた軸は、前記画像における鉛直方向の軸であることを特徴とする請求項2に記載の階調変換制御装置である。
請求項4に記載の発明は、前記決定手段は、前記2つの単色の何れを前記一の単色とし何れを前記他の単色とするかを、前記画像において当該一の単色及び当該他の単色が占める面積に応じて決定することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の階調変換制御装置である。
請求項5に記載の発明は、前記決定手段は、前記2つの単色の何れを前記一の単色とし何れを前記他の単色とするかを、当該一の単色及び当該他の単色の明暗差に対する影響度に応じて決定することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の階調変換制御装置である。
請求項6に記載の発明は、前記決定手段は、前記他の単色をM階調で表現するための情報を、前記領域のうちの前記第1の部分領域及び前記第2の部分領域に隣接する第3の部分領域については、前記第1の線群及び前記第2の線群に応じた網点に決定することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の階調変換制御装置である。
請求項7に記載の発明は、前記画像の前記領域の輪郭線を含む部分画像における当該輪郭線を構成する一の画素から他の画素への方向の出現頻度に基づいて、当該輪郭線の方向を検出する検出手段を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかに記載の階調変換制御装置である。
請求項8に記載の発明は、N(N≧3)階調で表現された単色により構成されるK(K≧2)次色の領域を含む画像を、予め定められた大きさの複数の部分画像に分割する分割手段と、前記K次色を構成するK個の単色のうちの2つの単色をM(2≦M<N)階調で表現するための情報として当該2つの単色のそれぞれに対して予め定められた2つの線群の方向が、何れも特定の範囲内にあるかどうかを判定する判定手段と、前記複数の部分画像のうちの前記領域の輪郭線を含む特定の部分画像における当該輪郭線の方向を検出する検出手段と、前記判定手段により前記2つの線群の方向が何れも前記特定の範囲内にあると判定され、かつ、前記検出手段により検出された前記輪郭線の方向が前記特定の範囲内にある場合に、前記特定の部分画像について、前記2つの単色のうちの一の単色を、当該一の単色に対して予め定められた線群を用いてM階調に変換し、前記2つの単色のうちの他の単色を、当該他の単色に対して予め定められた線群の方向を前記特定の範囲と重複しない他の範囲内の方向に変更した線群を用いてM階調に変換する変換手段とを備えたことを特徴とする画像処理装置である。
請求項9に記載の発明は、コンピュータに、N(N≧3)階調で表現された単色により構成されるK(K≧2)次色の領域を含む画像を取得する機能と、前記K次色を構成するK個の単色のうちの2つの単色をM(2≦M<N)階調で表現するための情報として当該2つの単色のそれぞれに対して予め定められた2つの線群の方向が、何れも特定の範囲内にあるかどうかを判定する機能と、前記2つの線群の方向が何れも前記特定の範囲内にあると判定された場合に、前記2つの単色のうちの一の単色をM階調で表現するための情報を、当該一の単色に対して予め定められた線群に決定し、前記2つの単色のうちの他の単色をM階調で表現するための情報を、前記領域のうちの前記特定の範囲と重複しない他の範囲内の方向の輪郭線に隣接する第1の部分領域については、当該他の単色に対して予め定められた第1の線群に決定し、前記領域のうちの前記特定の範囲内の方向の輪郭線に隣接する第2の部分領域については、当該第1の線群の方向を前記他の範囲内の方向に変更した第2の線群に決定する機能とを実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、領域の輪郭部分にジャギーが発生する可能性を低下させ、かつ、2つの線群によりモアレが発生する可能性も低下させることができる。
請求項2の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、予め定められた線群の方向を変更した線群を容易に作成できる。
請求項3の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、予め定められた線群の方向を変更した線群を簡単な計算で作成できる。
請求項4の発明によれば、画像の見た目に与える影響を抑えつつ、領域の輪郭部分にジャギーが発生する可能性を低下させ、かつ、2つの線群によりモアレが発生する可能性も低下させることができる。
請求項5の発明によれば、画像の見た目に与える影響を抑えつつ、領域の輪郭部分にジャギーが発生する可能性を低下させ、かつ、2つの線群によりモアレが発生する可能性も低下させることができる。
請求項6の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、2つの線群の境界に干渉縞が生じる可能性を低下させることができる。
請求項7の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、領域の輪郭線が複雑な場合であっても輪郭線の方向として相応しい方向を決定することができる。
請求項8の発明によれば、領域の輪郭部分にジャギーが発生する可能性を低下させ、かつ、2つの線群によりモアレが発生する可能性も低下させることができる。
請求項9の発明によれば、領域の輪郭部分にジャギーが発生する可能性を低下させ、かつ、2つの線群によりモアレが発生する可能性も低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施の形態が適用されるコンピュータシステムの構成例を示した図である。
【図2】スクリーンの選択について示した図である。
【図3】スクリーンの選択の違いにより生じる画像の違いについて示した図である。
【図4】互いに鏡像関係にある2つのスクリーンの境界に生じるスジ及びその回避策について示した図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における2値化処理部の機能構成例を示したブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態における2値化処理部内の角度検出部の動作の概要を示した図である。
【図7】本発明の実施の形態における2値化処理部内の角度検出部の動作の概要を示した図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態における2値化処理部の動作例を示したフローチャートである。
【図9】本発明の第1の実施の形態における2値化処理部の動作例を示したフローチャートである。
【図10】本発明の第2の実施の形態における2値化処理部の機能構成例を示したブロック図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態における2値化処理部の動作例を示したフローチャートである。
【図12】本発明の実施の形態を実現可能なコンピュータのハードウェア構成例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態が適用されるコンピュータシステムの構成例を示したものである。
図示するように、このコンピュータシステムは、ホスト装置10と、画像処理装置20と、画像形成装置40とを備えている。
【0009】
ホスト装置10は、紙等の記録媒体に形成される画像の元となる画像データを供給する装置であり、アプリケーションプログラム(以下、単に「アプリケーション」という)11と、プリンタドライバ12とを少なくとも含む。ここで、ホスト装置10は、例えば、PC(Personal Computer)で実現される。
アプリケーション11は、文書処理ソフトウェアや表計算ソフトウェア等であり、作成したデータの印刷を要求するコマンドをプリンタドライバ12に出力する。
プリンタドライバ12は、このコマンドを受け取り、プリンタの描画コマンドであるPDL(Page Description Language:ページ記述言語)に変換する。
【0010】
画像処理装置20は、ホスト装置10が供給する画像データに対して画像処理を施す装置であり、PDL解釈部21と、描画部22と、レンダリング部23と、ガンマ補正部24と、2値化処理部25とを含む。ここで、画像処理装置20は、例えば、プリンタ内部で実現される。
【0011】
PDL解釈部21は、ホスト装置10からPDLが送られてくると、そのPDLを解釈する。
描画部22は、PDLで指定された色信号(図ではRGB)を画像形成装置40の色信号(CYMK)に変換する。その際、画像形成装置40の解像度に応じた中間コードで描画する。
レンダリング部23は、描画部22で描画された中間コードをラスタ画像データにレンダリングする。
【0012】
ガンマ補正部24は、C、M、Y、Kの各色信号についてガンマ補正を行う。
2値化処理部25は、ガンマ補正部24によるガンマ補正後の各色信号(多値画像データ)に対し、ディザパターン(スクリーン)を用いてスクリーン処理を施し、スクリーン処理された色信号(2値画像データ)を画像形成装置40に出力する。
【0013】
画像形成装置40は、2値化処理後の各色信号に対応するトナーを用いて、紙等の記録媒体に画像を形成する装置である。
【0014】
ところで、図1の2値化処理部25で2値化処理が施された画像には、画像内のオブジェクトのエッジの角度と2値化処理で用いられたスクリーンの角度とに不整合がある場合、具体的には、これらの角度が近い場合、ジャギーが発生することがある。
そこで、本実施の形態では、ジャギーを画像処理にて改善し、高画質な画像を出力できるようにする。具体的には、オブジェクトのエッジの角度とスクリーンの角度とに不整合が生じないようにスクリーンの角度を選択し、この選択したスクリーンによってスクリーン処理を行う。
【0015】
図2は、このようなスクリーンの選択について示した図である。
本実施の形態では、ラインスクリーン(線群)である第1スクリーンと、Y軸を基準に第1スクリーンと鏡像の関係にある第2スクリーンとを用いて、スクリーン処理を行う。図において、実線51は第1スクリーンの方向を示しており、その角度θ1は0≦θ1≦90°を満たすものとする。また、実線52は第2スクリーンの方向を示しており、第2スクリーンは第1スクリーンの鏡像であるので、その角度θ2はθ2=180°−θ1で表される。
一方、入力された画像からaピクセル×bピクセルの単位画像53を抽出し、スクリーン処理対象のオブジェクトのエッジのこの単位画像における支配的な角度(以下、「支配的角度」という)θ0を求める。そして、この支配的角度θ0に基づいて、第1スクリーン及び第2スクリーンのうちの適した方のスクリーンを選択し、この選択したスクリーンによってスクリーン処理を行う。具体的には、0≦θ0≦90°のときは第2スクリーンを選択し、90°≦θ0≦180°のときは第1スクリーンを選択する。図では、破線54が支配的角度θ0の方向を示しており、90°≦θ0≦180°であるので、第1スクリーンが選択される。
【0016】
図3は、支配的角度θ0が90°≦θ0≦180°を満たす場合に、第1スクリーンを用いてスクリーン処理を施した画像と、第2スクリーンを用いてスクリーン処理を施した画像とを比較する図である。
(a)は、第2スクリーンを用いたときの画像の例である。オブジェクトのエッジの角度とスクリーンの角度とが整合していないので、即ち、これらの角度が近いので、ジャギーが目だっている。
(b)は、第1スクリーンを用いたときの画像の例である。オブジェクトのエッジの角度とスクリーンの角度とが整合しているので、即ち、これらの角度が近くないので、ジャギーは軽微である。
【0017】
[第1の実施の形態]
このように、本実施の形態では、互いに鏡像の関係にある第1スクリーン及び第2スクリーンの中から、単位画像における支配的角度θ0に応じたスクリーンを選択し、この選択したスクリーンを用いてスクリーン処理を行うようにした。
ところが、第1スクリーン及び第2スクリーンの中から何れかのスクリーンを選択するだけだと、第1スクリーン及び第2スクリーンの境界では、これらのスクリーンによる干渉縞(スジ)が発生してしまう。
図4は、このようなスジの発生及びその回避策について示した図である。
(a)は、互いに鏡像の関係にある第1スクリーン及び第2スクリーンが隣接した場合に、これらのスクリーンが互いに干渉し、縦スジとなって現れている状態を示している。
このような状態を回避するには、第1スクリーン及び第2スクリーンの両方に隣接する単位画像に、(b)に示すように、例えば、第1スクリーン及び第2スクリーンと同角度かつ同線数のドットスクリーン(網点)である第3スクリーンを適用することが考えられる。第3スクリーンは2つの角度成分、つまり、第1スクリーンの角度及び第2スクリーンの角度を持つため、この場合、(a)のようなスジは生じ難い。
【0018】
図5は、このようなスクリーン処理を行う2値化処理部25の構成を示したブロック図である。
図示するように、2値化処理部25は、画像分割部31と、エッジ判定部32と、角度検出部34と、エッジスクリーン決定部35と、非エッジスクリーン決定部36と、スクリーン処理部37とを備える。
【0019】
画像分割部31は、入力された多値画像データ(例えば256階調の画像データ)をaピクセル×bピクセルの単位画像に分割する。本実施の形態では、画像を取得する取得手段の一例として、画像分割部31を設けている。また、部分画像の一例として、単位画像を用いており、画像を複数の部分画像に分割する分割手段の一例として、画像分割部31を設けている。
エッジ判定部32は、画像分割部31による分割で得られた各単位画像が、オブジェクトのエッジを含む画像(以下、「エッジ画像」という)であるか、オブジェクトのエッジを含まない画像(以下、「非エッジ画像」という)であるかを判定する。
角度検出部34は、エッジ判定部32によりエッジ画像と判定された単位画像における支配的角度θ0を検出する。尚、この支配的角度θ0の検出方法については、後述する。本実施の形態では、輪郭線の方向を検出する検出手段の一例として、角度検出部34を設けている。
【0020】
エッジスクリーン決定部35は、角度検出部34により検出された支配的角度θ0に基づいて、エッジ画像で用いるスクリーン(以下、「エッジスクリーン」という)を決定する。具体的には、0≦θ0≦90°であれば第2スクリーンを選択し、90°≦θ0≦180°であれば第1スクリーンを選択する。本実施の形態では、特定の範囲の一例として、0〜90°の範囲を、他の範囲の一例として、90°〜180°の範囲を用いており、特定の範囲内の方向の第1の線群の一例として、第1スクリーンを、他の範囲内の方向の第2の線群の一例として、第2スクリーンを用いている。また、本実施の形態では、単色をM階調で表現するための情報を輪郭線に隣接する部分領域について決定する決定手段の一例として、エッジスクリーン決定部35を設けている。
【0021】
非エッジスクリーン決定部36は、エッジスクリーン決定部35により決定されたエッジスクリーンの情報に基づいて、非エッジ画像で用いるスクリーン(以下、「非エッジスクリーン」という)を決定する。本実施の形態では、単色をM階調で表現するための情報を第1の線群が使用される部分領域及び第2の線群が使用される部分領域に隣接する部分領域について決定する決定手段の一例として、非エッジスクリーン決定部36を設けている。
【0022】
スクリーン処理部37は、エッジスクリーン決定部35により決定されたエッジスクリーンと、非エッジスクリーン決定部36により決定された非エッジスクリーンとに基づいて、入力された多値画像データにスクリーン処理を施す。本実施の形態では、単色をM階調に変換する変換手段の一例として、スクリーン処理部37を設けている。
【0023】
ここで、支配的角度θ0の検出方法について、具体的に説明する。
本実施の形態では、単位画像内のエッジの角度のうち最も出現頻度の高い角度を、支配的角度θ0とする。
図6は、単位画像内にエッジの角度として1つの角度しか出現しない場合の例である。
(a)は、単位画像内の各ピクセル(画素)を、エッジを表すピクセルを「1」、エッジを表さないピクセルを「0」として示したものである。
まず、(b)に示すように、エッジを表す各ピクセルから隣接するピクセルへの角度の出現頻度を調べる。
(c)は、角度の出現頻度をヒストグラムで示したものである。この例では、45°が最も出現頻度が高いので、単位画像における支配的角度θ0は45°となる。
【0024】
図7は、単位画像内にエッジの角度として複数の角度が出現する場合の例である。
(a)は、単位画像内の各ピクセル(画素)を、エッジを表すピクセルを「1」、エッジを表さないピクセルを「0」として示したものである。
まず、(b)に示すように、エッジを表す各ピクセルから隣接するピクセルへの角度の出現頻度を調べる。
(c)は、角度の出現頻度をヒストグラムで示したものである。この例では、0°、45°、135°が出現するが、このうち135°が最も出現頻度が高いので、単位画像における支配的角度θ0は135°となる。
【0025】
次に、第1の実施の形態における2値化処理部25の動作について説明する。
図8は、2値化処理部25のうちの非エッジスクリーン決定部36及びスクリーン処理部37以外の部分の動作例を示したフローチャートである。
図示するように、まず、画像分割部31が、入力された多値画像データをP個の単位画像に分割する(ステップ301)。ここで、P個の単位画像には、番号pが付与される。多値画像データ内の単位画像の位置に応じて番号pを付与することにより、単位画像内の各ピクセルを含む単位画像をその番号pによって特定可能になっているものとする。そして、画像分割部31による分割で得られたP個の単位画像は、エッジ判定部32に渡され、保持される。
【0026】
次に、エッジ判定部32は、単位画像の番号pに1を代入する(ステップ302)。そして、p番目の単位画像を取り出し、その単位画像がエッジ画像であるかどうかを判定する(ステップ303)。ここで、単位画像がエッジ画像であるかどうかの判定は、公知のエッジ検出方法を用いて行うとよい。
単位画像がエッジ画像であると判定された場合、単位画像及びその番号pは角度検出部34へと渡され、角度検出部34が、p番目の単位画像における支配的角度θ0を検出する(ステップ304)。ここで、支配的角度θ0の検出は、図6及び図7で述べたような方法で行うとよい。
そして、支配的角度θ0及び単位画像の番号pはエッジスクリーン決定部35へと伝えられ、エッジスクリーン決定部35が、支配的角度θ0が0≦θ0≦90°を満たすかどうかを判定する(ステップ305)。
【0027】
支配的角度θ0が0≦θ0≦90°を満たせば、エッジスクリーン決定部35は、p番目の単位画像のスクリーン処理で用いるスクリーンとして、第2スクリーンを選択する(ステップ306)。
【0028】
一方、支配的角度θ0が0≦θ0≦90°を満たさなければ、エッジスクリーン決定部35は、p番目の単位画像のスクリーン処理で用いるスクリーンとして、第1スクリーンを選択する(ステップ307)。
【0029】
尚、p番目の単位画像のスクリーン処理で用いるスクリーンとして第1スクリーン及び第2スクリーンの何れが選択されたかは、単位画像の番号pに対応付けて、スクリーン選択情報として、エッジスクリーン決定部35が保持しておくものとする。
【0030】
一方、ステップ303でp番目の単位画像が非エッジ画像であると判定された場合、エッジ判定部32は、単位画像に対し、非エッジ画像であることを示すタグ情報を付加する(ステップ308)。
【0031】
その後、エッジ判定部32は、単位画像の番号pが単位画像の個数Pに達したかどうかを判定する(ステップ309)。pがPに達していなければ、pに1を加算して(ステップ310)、ステップ303へ戻るが、pがPに達していれば、処理を終了する。
【0032】
図9は、2値化処理部25のうちの非エッジスクリーン決定部36の動作例を示したフローチャートである。
図示するように、まず、非エッジスクリーン決定部36は、エッジ判定部32が保持するP個の単位画像のうち、タグ情報が付加されたQ個の非エッジ画像を取り出す(ステップ321)。尚、このとき、非エッジ画像の単位画像としての番号pも取り出すものとする。
次に、非エッジスクリーン決定部36は、非エッジ画像の番号qに1を代入する(ステップ322)。そして、q番目の非エッジ画像を取り出し、その非エッジ画像が、第1スクリーンが選択されたエッジ画像及び第2スクリーンが選択されたエッジ画像の両方に隣接しているかどうかを判定する(ステップ323)。尚、このような判定は、q番目の非エッジ画像の単位画像としての番号pに基づいて、この非エッジ画像に隣接する単位画像の番号p1,p2,…を求め、エッジスクリーン決定部35内のスクリーン選択情報で単位画像の番号p1,p2,…のそれぞれに対応付けられたスクリーンの中に、第1スクリーン及び第2スクリーンの両方があるかどうかを調べることにより、行えばよい。
【0033】
q番目の非エッジ画像が、第1スクリーンが選択されたエッジ画像及び第2スクリーンが選択されたエッジ画像の両方に隣接していると判定された場合、非エッジスクリーン決定部36は、第1スクリーン及び第2スクリーンの境界にスジが発生しないように、q番目の非エッジ画像のスクリーン処理で用いるスクリーンとして、第1スクリーン及び第2スクリーンと同角度かつ同線数のドットスクリーンである第3スクリーンを選択する(ステップ324)。
【0034】
一方、q番目の非エッジ画像が、第1スクリーンが選択されたエッジ画像及び第2スクリーンが選択されたエッジ画像の両方に隣接しているわけではないと判定された場合、非エッジスクリーン決定部36は、q番目の非エッジ画像が、第2スクリーンが選択されたエッジ画像に隣接しているかどうかを判定する(ステップ325)。尚、このような判定は、q番目の非エッジ画像の単位画像としての番号pに基づいて、この非エッジ画像に隣接する単位画像の番号p1,p2,…を求め、エッジスクリーン決定部35内のスクリーン選択情報で単位画像の番号p1,p2,…のそれぞれに対応付けられたスクリーンの中に、第2スクリーンがあるかどうかを調べることにより、行えばよい。q番目の非エッジ画像が、第2スクリーンが選択されたエッジ画像に隣接していないと判定された場合、第1スクリーンを選択してもスジは発生しないので、非エッジスクリーン決定部36は、第1スクリーンを選択する(ステップ326)。また、q番目の非エッジ画像が、第2スクリーンが選択されたエッジ画像に隣接していると判定された場合、第1スクリーンを選択するとスジが発生するので、非エッジスクリーン決定部36は、第2スクリーンを選択する(ステップ327)。
尚、q番目の非エッジ画像のスクリーン処理で用いるスクリーンとして第1スクリーン、第2スクリーン、第3スクリーンの何れが選択されたかは、この非エッジ画像の単位画像としての番号pに対応付けて、スクリーン選択情報として、非エッジスクリーン決定部36が保持しておくものとする。
【0035】
その後、非エッジスクリーン決定部36は、非エッジ画像の番号qが非エッジ画像の個数Qに達したかどうかを判定する(ステップ328)。qがQに達していなければ、qに1を加算して(ステップ329)、ステップ323へ戻るが、qがQに達していれば、処理を終了する。
【0036】
そして、最後に、スクリーン処理部37が、入力された多値画像データに対してスクリーン処理を施す。具体的には、まず、多値画像データに含まれる各ピクセルがスクリーン処理の対象であるか、つまり、各ピクセルの色が中間調であるか判定する。次に、スクリーン処理の対象と判定されたピクセルについて、そのピクセルを含む単位画像を、単位画像の番号に基づいて特定する。そして、エッジスクリーン決定部35又は非エッジスクリーン決定部36が保持するスクリーン選択情報のうち、この特定された単位画像に対するスクリーン選択情報を参照することにより、第1スクリーン、第2スクリーン、第3スクリーンの何れかのスクリーンを選択し、そのピクセルについて、選択したスクリーンを用いてスクリーン処理を行う。
【0037】
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態では、主に単色のスクリーン処理について述べたが、第2の実施の形態では、2次色以上のスクリーン処理について述べる。
例えばYMCK4色のプリンタの場合、モアレを回避するために、4色のうち2色のスクリーン角度を0〜90°の範囲に設定し、4色のうち残りの2色のスクリーン角度を90°〜180°の範囲に設定することが多い。つまり、4つのスクリーン角度を、各スクリーン角度の差分が大きくなるように設定する。
ここでは、Y色とC色のスクリーンの角度を0〜90°の範囲内の角度とし、このようなスクリーンを「鋭角スクリーン」と呼ぶことにする。また、M色とK色のスクリーンの角度を、90°〜180°の範囲内の角度とし、このようなスクリーンを「鈍角スクリーン」と呼ぶことにする。
【0038】
このような条件の下、まず、3次色以上のスクリーン処理について考える。3次色以上の場合、その色を構成する少なくとも1つの単色のスクリーンの角度は、オブジェクトに対して有利な角度(オブジェクトのエッジの角度との差分が大きい角度)であることが多いが、その場合、各単色に対して予め定められたスクリーンをそのまま用いるとよい。或いは、1つのスクリーンの角度のみがオブジェクトに対して有利な角度である場合に、残りのスクリーンのうちの1つのスクリーンの角度をオブジェクトに対して有利な角度とすることも考えられるが、以下では、各単色に対して予め定められたスクリーンをそのまま用いるものとする。
【0039】
次に、2次色のスクリーン処理について考える。2次色の場合、その色を構成する2つの単色のスクリーンの両方が鋭角スクリーン又は鈍角スクリーンであれば、2つの単色のスクリーンの角度の両方をオブジェクトに対して有利な角度にするとモアレが出てしまうので、1つの単色のスクリーンの角度のみをオブジェクトに対して有利な角度とする。
その際、2つの単色のうち、入力された多値画像データでカバレッジが大きい方の単色のスクリーンの角度を有利な角度とすると効果的である。言い換えると、何れの単色のスクリーンの角度を有利な角度とするかを、画像において各単色が占める面積に応じて決定してもよい。
或いは、2つの単色のうちコントラストが得られ易い単色のスクリーンの角度を有利な角度としてもよい。上述したように、Y色とC色のスクリーンが鋭角スクリーンであれば、C色のスクリーンの角度を有利な角度とし、M色とK色のスクリーンが鈍角スクリーンであれば、K色のスクリーンの角度を有利な角度とするとよい。言い換えると、何れの単色のスクリーンの角度を有利な角度とするかを、各単色の明暗差に対する影響度に応じて決定してもよい。
【0040】
図10は、このようなスクリーン処理を行う2値化処理部25の構成を示したブロック図である。
図示するように、2値化処理部25は、画像分割部31と、エッジ判定部32と、2次色判定部33と、角度検出部34と、エッジスクリーン決定部35と、非エッジスクリーン決定部36と、スクリーン処理部37とを備える。
【0041】
画像分割部31、エッジ判定部32、角度検出部34、エッジスクリーン決定部35、非エッジスクリーン決定部36、スクリーン処理部37は、第1の実施の形態で既に述べたので、ここでは説明を省略する。
2次色判定部33は、エッジ判定部32によりエッジ画像と判定された単位画像の色が単色であるか、2次色であるか、3次色以上であるか、及び、2次色である場合は、鋭角スクリーンが用いられるか鈍角スクリーンが用いられるかを判定する。本実施の形態では、2つの線群の方向が何れも特定の範囲内にあるかどうかを判定する判定手段の一例として、2次色判定部33を設けている。
【0042】
次に、第2の実施の形態における2値化処理部25の動作について説明する。
図11は、2値化処理部25のうちの非エッジスクリーン決定部36及びスクリーン処理部37以外の部分の動作例を示したフローチャートである。
図示するように、まず、画像分割部31が、入力された多値画像データをP個の単位画像に分割する(ステップ351)。ここで、P個の単位画像には、番号pが付与される。多値画像データ内の単位画像の位置に応じて番号pを付与することにより、単位画像内の各ピクセルを含む単位画像をその番号pによって特定可能になっているものとする。そして、画像分割部31による分割で得られたP個の単位画像は、エッジ判定部32に渡され、保持される。
【0043】
次に、エッジ判定部32は、単位画像の番号pに1を代入する(ステップ352)。そして、p番目の単位画像を取り出し、その単位画像がエッジ画像であるかどうかを判定する(ステップ353)。ここで、単位画像がエッジ画像であるかどうかの判定は、公知のエッジ検出方法を用いて行うとよい。
単位画像がエッジ画像であると判定された場合、単位画像及びその番号pは2次色判定部33へと渡され、2次色判定部33が、p番目の単位画像の色が2次色以下であるかどうかを判定する(ステップ354)。尚、この動作例では、単位画像内に1つのオブジェクトの部分が含まれ、そのオブジェクトの部分が1つの色で塗り潰されることを前提としている。従って、ここでいう「単位画像の色」とは、このオブジェクトの部分を塗り潰す色のことである。
p番目の単位画像の色が2次色以下であると判定された場合、次に、2次色判定部33は、p番目の単位画像の色が単色(1次色)であるかどうかを判定する(ステップ355)。p番目の単位画像の色が単色であれば、そのままステップ357へ進む。一方、p番目の単位画像の色が単色でなければ、つまり、2次色であれば、2次色判定部33は、2次色を構成する2つの単色のスクリーンが、両方とも鋭角スクリーン、両方とも鈍角スクリーンの何れかであるかを判定する(ステップ356)。
【0044】
ステップ355でp番目の単位画像の色が単色であると判定された場合、又は、ステップ356で2つの単色のスクリーンが両方とも鋭角スクリーン又は両方とも鈍角スクリーンであると判定された場合、単位画像及びその番号pは角度検出部34へと渡され、角度検出部34が、p番目の単位画像における支配的角度θ0を検出する(ステップ357)。ここで、支配的角度θ0の検出は、図6及び図7で述べたような方法で行うとよい。
そして、支配的角度θ0及び単位画像の番号pはエッジスクリーン決定部35へと伝えられ、エッジスクリーン決定部35が、支配的角度θ0が0≦θ0≦90°を満たすかどうかを判定する(ステップ358)。
【0045】
支配的角度θ0が0≦θ0≦90°を満たせば、エッジスクリーン決定部35は、p番目の単位画像のスクリーン処理で用いるスクリーンとして、第2スクリーンを選択する(ステップ359)。具体的には、p番目の単位画像の色が単色の場合、その単色に対して予め定められたスクリーンが鋭角スクリーンであれば、そのスクリーンと鏡像の関係にあるスクリーンを第2スクリーンとして選択し、その単色に対して予め定められたスクリーンが鈍角スクリーンであれば、そのスクリーンをそのまま第2スクリーンとして選択する。また、p番目の単位画像の色が2次色の場合、2次色を構成する2つの単色に対して予め定められた2つのスクリーンが鋭角スクリーンであれば、その2つのスクリーンの一方と鏡像の関係にあるスクリーンを第2スクリーンとして選択し、2次色を構成する2つの単色に対して予め定められた2つのスクリーンが鈍角スクリーンであれば、その2つのスクリーンの一方を第2スクリーンとして選択する。但し、このとき、2つのスクリーンの他方はそのまま選択する。
【0046】
一方、支配的角度θ0が0≦θ0≦90°を満たさなければ、エッジスクリーン決定部35は、p番目の単位画像のスクリーン処理で用いるスクリーンとして、第1スクリーンを選択する(ステップ360)。具体的には、p番目の単位画像の色が単色の場合、その単色に対して予め定められたスクリーンが鋭角スクリーンであれば、そのスクリーンをそのまま第1スクリーンとして選択し、その単色に対して予め定められたスクリーンが鈍角スクリーンであれば、そのスクリーンと鏡像の関係にあるスクリーンを第1スクリーンとして選択する。また、p番目の単位画像の色が2次色の場合、2次色を構成する2つの単色に対して予め定められた2つのスクリーンが鋭角スクリーンであれば、その2つのスクリーンの一方を第1スクリーンとして選択し、2次色を構成する2つの単色に対して予め定められた2つのスクリーンが鈍角スクリーンであれば、その2つのスクリーンの一方と鏡像の関係にあるスクリーンを第1スクリーンとして選択する。但し、このとき、2つのスクリーンの他方はそのまま選択する。
【0047】
尚、p番目の単位画像のスクリーン処理で用いるスクリーンとして第1スクリーン及び第2スクリーンの何れが選択されたかは、色ごとに、単位画像の番号pに対応付けて、スクリーン選択情報として、エッジスクリーン決定部35が保持しておくものとする。
【0048】
また、ステップ354でp番目の単位画像の色が2次色以下でない、つまり、3次色以上であると判定された場合、又は、ステップ356で2つの単色のスクリーンが両方とも鋭角スクリーン又は両方とも鈍角スクリーンであるということはない、つまり、2つの単色のスクリーンの一方が鋭角スクリーンで他方が鈍角スクリーンであると判定された場合、単位画像及びその番号pはエッジスクリーン決定部35へと渡され、エッジスクリーン決定部35は、p番目の単位画像のスクリーン処理で用いるスクリーンとして、予め定められたスクリーンをそのまま選択する(ステップ361)。
【0049】
一方、ステップ353でp番目の単位画像が非エッジ画像であると判定された場合、エッジ判定部32は、単位画像に対し、非エッジ画像であることを示すタグ情報を付加する(ステップ362)。
【0050】
その後、エッジ判定部32は、単位画像の番号pが単位画像の個数Pに達したかどうかを判定する(ステップ363)。pがPに達していなければ、pに1を加算して(ステップ364)、ステップ353へ戻るが、pがPに達していれば、処理を終了する。
【0051】
次いで、非エッジスクリーン決定部36が動作するが、これは第1の実施の形態で図9のフローチャートを参照して説明したものとほぼ同様なので、詳細な説明は省略する。但し、第1の実施の形態では、色を考慮しなかったのに対し、この第2の実施の形態では、色ごとに、図9のフローチャートに示す処理を実行するものとする。その場合、第1スクリーンは、各単色について選択されたスクリーンのうち鋭角スクリーンを意味し、第2スクリーンは、各単色について選択されたスクリーンのうち鈍角スクリーンを意味することとなる。また、スクリーン選択情報も、単位画像の番号pだけでなく、色にも対応付けて、非エッジスクリーン決定部36に保持されるものとする。
【0052】
そして、最後に、スクリーン処理部37が、入力された多値画像データに対してスクリーン処理を施す。具体的には、まず、多値画像データに含まれる各ピクセルがスクリーン処理の対象であるか、つまり、各ピクセルの色を構成する何れかの単色が中間調であるか判定する。次に、スクリーン処理の対象と判定されたピクセルについて、そのピクセルを含む単位画像を、単位画像の番号に基づいて特定する。そして、エッジスクリーン決定部35又は非エッジスクリーン決定部36が保持するスクリーン選択情報のうち、この特定された単位画像及びその単色に対するスクリーン選択情報を参照することにより、第1スクリーン、第2スクリーン、第3スクリーンの何れかのスクリーンを選択し、そのピクセルにおけるその単色について、この選択したスクリーンを用いてスクリーン処理を行う。
【0053】
尚、本実施の形態では、多値画像データ(例えば256階調)を2値画像データに変換することを前提として説明したが、これには限らない。N(N≧3)階調の画像データをM(2≦M<N)階調の画像データに変換することを前提としてもよい。
また、本実施の形態では、オブジェクトに対するスクリーン処理に本発明を適用した場合について説明したが、イメージデータの特定の色の領域に対するスクリーン処理にも本発明は適用可能である。このような意味で、オブジェクトは、画像内の領域の一例である。
更に、本実施の形態では、第1スクリーンの角度を0〜90°の範囲内に設定し、第2スクリーンの角度を90°〜180°の範囲内に設定したが、この限りではない。第1スクリーンの角度及び第2スクリーンの角度は、それぞれ、互いに重複部分を持たない2つの如何なる範囲内に設定してもよい。
更にまた、本実施の形態では、第1スクリーンをY軸を基準に鏡像変換したものを第2スクリーンとしたが、鏡像変換の基準はY軸に限らず、予め定めた他の軸でもよい。また、第2スクリーンの角度は、第1スクリーンの角度を鏡像変換することによって求めるのではなく、第1スクリーンの角度を回転変換することによって求めてもよい。
【0054】
ところで、本実施の形態における画像処理装置20は、プリンタ内で実現するようにしてもよいが、PC等の汎用のコンピュータ内でも実現可能である。
以下、このような汎用のコンピュータをコンピュータ90として、そのハードウェア構成について説明する。
【0055】
図12は、コンピュータ90のハードウェア構成を示した図である。
図示するように、コンピュータ90は、演算手段であるCPU(Central Processing Unit)91と、記憶手段であるメインメモリ92及び磁気ディスク装置(HDD:Hard Disk Drive)93とを備える。ここで、CPU91は、OS(Operating System)やアプリケーション等の各種ソフトウェアを実行し、上述した各機能を実現する。また、メインメモリ92は、各種ソフトウェアやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域であり、磁気ディスク装置93は、各種ソフトウェアに対する入力データや各種ソフトウェアからの出力データ等を記憶する記憶領域である。
更に、コンピュータ90は、外部との通信を行うための通信I/F94と、ビデオメモリやディスプレイ等からなる表示機構95と、キーボードやマウス等の入力デバイス96とを備える。
【0056】
尚、本実施の形態を実現するプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD−ROM等の記録媒体に格納して提供することも可能である。
【符号の説明】
【0057】
10…ホスト装置、20…画像処理装置、21…PDL解釈部、22…描画部、23…レンダリング部、24…ガンマ補正部、25…2値化処理部、31…画像分割部、32…エッジ判定部、33…2次色判定部、34…角度検出部、35…エッジスクリーン決定部、36…非エッジスクリーン決定部、37…スクリーン処理部、40…画像形成装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
N(N≧3)階調で表現された単色により構成されるK(K≧2)次色の領域を含む画像を取得する取得手段と、
前記K次色を構成するK個の単色のうちの2つの単色をM(2≦M<N)階調で表現するための情報として当該2つの単色のそれぞれに対して予め定められた2つの線群の方向が、何れも特定の範囲内にあるかどうかを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記2つの線群の方向が何れも前記特定の範囲内にあると判定された場合に、前記2つの単色のうちの一の単色をM階調で表現するための情報を、当該一の単色に対して予め定められた線群に決定し、前記2つの単色のうちの他の単色をM階調で表現するための情報を、前記領域のうちの前記特定の範囲と重複しない他の範囲内の方向の輪郭線に隣接する第1の部分領域については、当該他の単色に対して予め定められた第1の線群に決定し、前記領域のうちの前記特定の範囲内の方向の輪郭線に隣接する第2の部分領域については、当該第1の線群の方向を前記他の範囲内の方向に変更した第2の線群に決定する決定手段と
を備えたことを特徴とする階調変換制御装置。
【請求項2】
前記決定手段は、前記第1の線群を予め定められた軸を基準に鏡像変換した線群を、前記第2の線群として用いることを特徴とする請求項1に記載の階調変換制御装置。
【請求項3】
前記特定の範囲及び前記他の範囲は、一方が、前記画像における右方向と上方向とに挟まれた範囲で、他方が、前記画像における左方向と上方向とに挟まれた範囲であり、
前記予め定められた軸は、前記画像における鉛直方向の軸であることを特徴とする請求項2に記載の階調変換制御装置。
【請求項4】
前記決定手段は、前記2つの単色の何れを前記一の単色とし何れを前記他の単色とするかを、前記画像において当該一の単色及び当該他の単色が占める面積に応じて決定することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の階調変換制御装置。
【請求項5】
前記決定手段は、前記2つの単色の何れを前記一の単色とし何れを前記他の単色とするかを、当該一の単色及び当該他の単色の明暗差に対する影響度に応じて決定することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の階調変換制御装置。
【請求項6】
前記決定手段は、前記他の単色をM階調で表現するための情報を、前記領域のうちの前記第1の部分領域及び前記第2の部分領域に隣接する第3の部分領域については、前記第1の線群及び前記第2の線群に応じた網点に決定することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の階調変換制御装置。
【請求項7】
前記画像の前記領域の輪郭線を含む部分画像における当該輪郭線を構成する一の画素から他の画素への方向の出現頻度に基づいて、当該輪郭線の方向を検出する検出手段を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかに記載の階調変換制御装置。
【請求項8】
N(N≧3)階調で表現された単色により構成されるK(K≧2)次色の領域を含む画像を、予め定められた大きさの複数の部分画像に分割する分割手段と、
前記K次色を構成するK個の単色のうちの2つの単色をM(2≦M<N)階調で表現するための情報として当該2つの単色のそれぞれに対して予め定められた2つの線群の方向が、何れも特定の範囲内にあるかどうかを判定する判定手段と、
前記複数の部分画像のうちの前記領域の輪郭線を含む特定の部分画像における当該輪郭線の方向を検出する検出手段と、
前記判定手段により前記2つの線群の方向が何れも前記特定の範囲内にあると判定され、かつ、前記検出手段により検出された前記輪郭線の方向が前記特定の範囲内にある場合に、前記特定の部分画像について、前記2つの単色のうちの一の単色を、当該一の単色に対して予め定められた線群を用いてM階調に変換し、前記2つの単色のうちの他の単色を、当該他の単色に対して予め定められた線群の方向を前記特定の範囲と重複しない他の範囲内の方向に変更した線群を用いてM階調に変換する変換手段と
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項9】
コンピュータに、
N(N≧3)階調で表現された単色により構成されるK(K≧2)次色の領域を含む画像を取得する機能と、
前記K次色を構成するK個の単色のうちの2つの単色をM(2≦M<N)階調で表現するための情報として当該2つの単色のそれぞれに対して予め定められた2つの線群の方向が、何れも特定の範囲内にあるかどうかを判定する機能と、
前記2つの線群の方向が何れも前記特定の範囲内にあると判定された場合に、前記2つの単色のうちの一の単色をM階調で表現するための情報を、当該一の単色に対して予め定められた線群に決定し、前記2つの単色のうちの他の単色をM階調で表現するための情報を、前記領域のうちの前記特定の範囲と重複しない他の範囲内の方向の輪郭線に隣接する第1の部分領域については、当該他の単色に対して予め定められた第1の線群に決定し、前記領域のうちの前記特定の範囲内の方向の輪郭線に隣接する第2の部分領域については、当該第1の線群の方向を前記他の範囲内の方向に変更した第2の線群に決定する機能と
を実現させるためのプログラム。
【請求項1】
N(N≧3)階調で表現された単色により構成されるK(K≧2)次色の領域を含む画像を取得する取得手段と、
前記K次色を構成するK個の単色のうちの2つの単色をM(2≦M<N)階調で表現するための情報として当該2つの単色のそれぞれに対して予め定められた2つの線群の方向が、何れも特定の範囲内にあるかどうかを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記2つの線群の方向が何れも前記特定の範囲内にあると判定された場合に、前記2つの単色のうちの一の単色をM階調で表現するための情報を、当該一の単色に対して予め定められた線群に決定し、前記2つの単色のうちの他の単色をM階調で表現するための情報を、前記領域のうちの前記特定の範囲と重複しない他の範囲内の方向の輪郭線に隣接する第1の部分領域については、当該他の単色に対して予め定められた第1の線群に決定し、前記領域のうちの前記特定の範囲内の方向の輪郭線に隣接する第2の部分領域については、当該第1の線群の方向を前記他の範囲内の方向に変更した第2の線群に決定する決定手段と
を備えたことを特徴とする階調変換制御装置。
【請求項2】
前記決定手段は、前記第1の線群を予め定められた軸を基準に鏡像変換した線群を、前記第2の線群として用いることを特徴とする請求項1に記載の階調変換制御装置。
【請求項3】
前記特定の範囲及び前記他の範囲は、一方が、前記画像における右方向と上方向とに挟まれた範囲で、他方が、前記画像における左方向と上方向とに挟まれた範囲であり、
前記予め定められた軸は、前記画像における鉛直方向の軸であることを特徴とする請求項2に記載の階調変換制御装置。
【請求項4】
前記決定手段は、前記2つの単色の何れを前記一の単色とし何れを前記他の単色とするかを、前記画像において当該一の単色及び当該他の単色が占める面積に応じて決定することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の階調変換制御装置。
【請求項5】
前記決定手段は、前記2つの単色の何れを前記一の単色とし何れを前記他の単色とするかを、当該一の単色及び当該他の単色の明暗差に対する影響度に応じて決定することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の階調変換制御装置。
【請求項6】
前記決定手段は、前記他の単色をM階調で表現するための情報を、前記領域のうちの前記第1の部分領域及び前記第2の部分領域に隣接する第3の部分領域については、前記第1の線群及び前記第2の線群に応じた網点に決定することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の階調変換制御装置。
【請求項7】
前記画像の前記領域の輪郭線を含む部分画像における当該輪郭線を構成する一の画素から他の画素への方向の出現頻度に基づいて、当該輪郭線の方向を検出する検出手段を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかに記載の階調変換制御装置。
【請求項8】
N(N≧3)階調で表現された単色により構成されるK(K≧2)次色の領域を含む画像を、予め定められた大きさの複数の部分画像に分割する分割手段と、
前記K次色を構成するK個の単色のうちの2つの単色をM(2≦M<N)階調で表現するための情報として当該2つの単色のそれぞれに対して予め定められた2つの線群の方向が、何れも特定の範囲内にあるかどうかを判定する判定手段と、
前記複数の部分画像のうちの前記領域の輪郭線を含む特定の部分画像における当該輪郭線の方向を検出する検出手段と、
前記判定手段により前記2つの線群の方向が何れも前記特定の範囲内にあると判定され、かつ、前記検出手段により検出された前記輪郭線の方向が前記特定の範囲内にある場合に、前記特定の部分画像について、前記2つの単色のうちの一の単色を、当該一の単色に対して予め定められた線群を用いてM階調に変換し、前記2つの単色のうちの他の単色を、当該他の単色に対して予め定められた線群の方向を前記特定の範囲と重複しない他の範囲内の方向に変更した線群を用いてM階調に変換する変換手段と
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項9】
コンピュータに、
N(N≧3)階調で表現された単色により構成されるK(K≧2)次色の領域を含む画像を取得する機能と、
前記K次色を構成するK個の単色のうちの2つの単色をM(2≦M<N)階調で表現するための情報として当該2つの単色のそれぞれに対して予め定められた2つの線群の方向が、何れも特定の範囲内にあるかどうかを判定する機能と、
前記2つの線群の方向が何れも前記特定の範囲内にあると判定された場合に、前記2つの単色のうちの一の単色をM階調で表現するための情報を、当該一の単色に対して予め定められた線群に決定し、前記2つの単色のうちの他の単色をM階調で表現するための情報を、前記領域のうちの前記特定の範囲と重複しない他の範囲内の方向の輪郭線に隣接する第1の部分領域については、当該他の単色に対して予め定められた第1の線群に決定し、前記領域のうちの前記特定の範囲内の方向の輪郭線に隣接する第2の部分領域については、当該第1の線群の方向を前記他の範囲内の方向に変更した第2の線群に決定する機能と
を実現させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−205220(P2012−205220A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−70170(P2011−70170)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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