説明

隣接セル測定のための基準信号構造の情報

【課題】セルラ無線通信に関連し、隣接セルにおいて端末の隣接セル測定を実行可能とする情報を提供する。
【解決手段】無線ネットワークの全セルの領域に制限されるMBSFN領域の状況、または、アップリンクおよびダウンリンクの方向の伝送におけるサブフレームの割り当てが異なる異なる領域が存在するTDDモードが適用される状況において、サブフレーム特有の所定のシンボルにより搬送される第1の物理構造を有する第1の基準信号を第1のセル内でブロードキャストし(S1)、隣接セルのサブフレーム特有の構造を表す第2の基準信号構造の表示である情報をブロードキャストする(S2)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はセルラ無線通信に関し、特に端末がキャンプしているセルに隣接するセルの測定を実行を可能とする情報の端末への提供に関するものである。本発明は、当該情報を提供するのに適した無線基地局、移動端末および移動端末の方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
GSMおよびWCDMAのような移動セルラ標準のこの次の進化において、OFDMのような新規な伝送技術が出てきている。さらに、既存のセルラシステムから既存の電波スペクトル内での新規の高容量高データレートのシステムにスムーズに移行するために、新規のシステムはフレキシブルなバンド幅で動作可能でなければならない。この種の新規のフレキシブルなセルラシステムの例は、3G WCDMA標準の進化とみなされている3Gロングタームエボリューション(3G LTE)である。このシステムは、ダウンリンク伝送方式としてOFDMを使用し、1.25MHzから20MHzの範囲のバンド幅で動作可能である。さらにまた、最大のバンド幅で最大100Mb/sのデータレートをサポートする。LTEは、アップリンク/ダウンリンクの二重化方式としてFDDおよびTDDをサポートする。さらにまた、LTEは、ユニキャスト・データと同じキャリア上でのマルチキャスト/ブロードキャスト・サービス(MBSFN)をサポートする。
【0003】
任意のセルラシステムの本質的な部分は、モビリティ(すなわち、あるセルから他のセルまでの端末とネットワークとの間の接続の移動の実現性)をサポートすることである。これをサポートするために、隣接セル測定が使用される。接続はサービング・セルにおいて維持されると共に、端末は隣接するセルの幾つかの明確な信号を測定し測定結果をネットワークに報告する。それから、ネットワークは、たとえば端末によってなされた信号対雑音量の測定に基づいて、サービング・セルから新規のセルまで接続を移動すべきかどうかを決定をすることが出来る。
【0004】
ダウンリンクのコヒーレント復調を実行するために、移動端末は、ダウンリンクのチャネル推定を必要とする。OFDM伝送の場合、チャネル推定を可能にする直接の方法は、OFDMの時間−周波数グリッドに既知の基準シンボルを挿入することである。LTEにおいて、これらの基準シンボルは、LTEダウンリンク基準信号と共同して称される。
【0005】
図1は、時間周波数領域のグリッドであり、グリッド内の各正方形は1個のOFDMシンボルの1個のサブキャリアを表している。それは、通常のサイクリック・プレフィックス(すなわちスロット当たり7個のOFDMシンボル)を仮定するLTEダウンリンク基準信号構造を示すのに役立つ。図1に示したように、ダウンリンク基準シンボルは、各スロット内の1番目および後ろの3番目に、周波数領域において6個のサブキャリア間隔でOFDMシンボル内に挿入される。さらにまた、第1および第2の基準シンボルの間の3個のサブキャリアが周波数領域で交互に配置される。1個のスロットおよび12個のサブキャリアから構成されるリソース・ブロックの各々には4個の基準シンボルが存在する。これは、MBSFNベースのブロードキャスト/マルチキャストに使用するサブフレーム以外の全てのサブフレームについて真であり、更に以下で説明する。
【0006】
図1の構造は、単一アンテナの場合の基準信号構造を示している。さまざまなマルチ・アンテナ伝送技術のため、該して、各アンテナ(3GPP仕様においては用語”アンテナ・ポート”が使用される)に対して1個の基準信号が送信され、異なるアンテナに対する基準信号の位置は異なり得る。
【0007】
また、基準信号は、コヒーレント復調以外にも使用され得る。その例の1つは、上述のモビリティをサポートするために端末が隣接説の基準信号を測定する、モビリティのための隣接セル測定である。
【0008】
スペクトルのフレキシビリティに関するLTE要求条件の1つ重要な部分は、対(ペア)および不対のスペクトルの双方でのLTEベースの無線アクセスの展開の実現性であり、すなわち、LTEはFDDおよびTDDベースの二重構成をサポートしなければならない。図2の左に示す周波数分割二重(FDD)において、ダウンリンクおよびアップリンクの伝送は十分に離隔した別の周波数バンドで行なわれる。図2の右に示す時間分割二重(TDD)において、ダウンリンクおよびアップリンクの伝送はオーバラップしない別のタイムスロットで行なわれる。このように、TDDは不対のスペクトルにおいて動作可能であるが、FDDは対のスペクトルを必要とする。
【0009】
TDD動作をサポートするため、ダウンリンクおよびアップリンクのタイムスロット間にガードタイムが必要である。これは、ダウンリンクからアップリンクへの切り替え前に、最後のサブフレームの1つまたはいくつかのOFDMシンボルを省略する(”パンクチャリング”)ことによって作成可能である。長いガードタイムが必要な場合、切り替え点の前の最後のサブフレームにおいていくつかの基準シンボルのパンクチャリングが必要かもしれない。ダウンリンク伝送に使用されるサブフレームの非パンクチャリング部分はDwPTSとも呼ばれる。
【0010】
TDD動作の場合、アップリンクおよびダウンリンク伝送の動作は、隣接セル間で調整されなければならない。これがなされない場合、図3に示すように、あるセルのアップリンク伝送が隣接セルのダウンリンク伝送に干渉し得る(また、その逆も成り立つ)。測定に関連して、端末は、隣接セル測定をダウンリンク伝送スロットの間のみで実行しなければならない。
【0011】
マルチ・セル・ブロードキャストは、多数のセルからの同一の情報の伝送を意味する。端末においてこれを利用することにより、検出における多数のセル・サイトからの信号電力を効率的な使用、利用可能範囲の実質的改善、または、より高いブロードキャストのデータレートが実現される。LTEにおいて、これは、同一の符号化および変調により多数のセル・サイトからの同一の信号を送信するだけでなく、セル間の伝送タイミングを同期することにより実現され、端末における信号は、単一のセル・サイトから送信された信号と正確に現れ、マルチパス伝搬を受ける。マルチパス伝搬に対するOFDMのロバスト性により、この種のマルチ・セル伝送(マルチキャスト・ブロードキャスト単一周波数ネットワーク(MBSFN)伝送とも称される)は、受信信号強度を改善するだけでなく、セル間干渉をも除去する。このように、OFDMについては、マルチ・セルのブロードキャスト/マルチキャスト容量は、結局ノイズにより制限されるだけであり、小さいセルの場合には極めて高い値に達する。
【0012】
マルチ・セルのブロードキャスト/マルチキャストのためのMBSFN伝送の使用が、異なるセル・サイトから送信される信号の厳しい同期および時間整列の使用を仮定する点に注意しなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
MBSFNに対して、図4に示す異なる基準信号構造が使用される。これは、MBSFN伝送において単一セルのユニキャスト伝送よりより多くの周波数選択として現れる場合に、端末により観測される有効チャネルとして必要とされる。このように、ユニキャスト・データおよびMBSFNの伝送が異なるタイムスロットにおいて多重送信される場合、ユニキャストおよびMBSFNのサービスの双方を送信している混合キャリアにおいて基準信号構造はスロット間で異なる。これは、MBSFNサブフレームにおいて、セル特有の基準信号の部分のみが存在する場合、図4に示すようにサブフレームの幾つかの最初のOFDMシンボルに発生する。図1と図4との比較により結論付けられるように、MBSFNサブフレーム内のセル特有の基準信号を搬送するOFDMシンボルは、通常のサブフレームにおいてセル特有の基準信号を搬送するために使用されるシンボルのサブセットである。
【0014】
一般に、端末は、隣接セルが現在のセルと同一の構成であると仮定する。隣接セルが異なって構成される場合(例えば、隣接セルにおいて異なるガードタイムが使用される場合、または、MBSFNサブフレームが隣接セルで異なって割り当てられる場合)、端末においてなされる測定は状況を正しく反映しないことになる。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、隣接セルのサブフレーム特有の基準信号構造を示す情報を第1のセルでブロードキャストする方法によって、上述の課題を解決する。情報をブロードキャストする目的は、第1のセルの端末による隣接セル測定の実行を可能にすることである。
【0016】
本発明は、移動端末がキャンプしているセル内でブロードキャストすることにより示される物理構造を有すると仮定される隣接セルの基準信号を測定する移動局のための方法にも関連する。
【0017】
本発明は、また、方法を実行するのに適した無線基地局にも関連する。
【0018】
ある実施形態において、TDDアクセスモードが使用され、さまざまなサブフレームにおけるアップリンクおよびダウンリンクの伝送の割り当てが全ての隣接セルで同一というわけではない。本発明の第1実施形態によれば、第1のセルに隣接している全てのセルによるダウンリンク伝送に使用されるサブフレームのみが、ブロードキャストにおいて通知される。あるいは、それぞれの隣接セルによって使用されるダウンリンクのサブフレームが第1のセルにより示される。
【0019】
第2の別の実施形態において、いくつかのサブフレームが1以上の隣接セルでのマルチ・ブロードキャスト伝送に使用され、いくつかの他の隣接セルまたは第1のセルは同一の時間ウインドウで通常のサブフレーム構造を送信する。マルチ・ブロードキャストのサブフレームは、通常のサブフレーム基準構造に対し他のいくらか制限された、セル特有の基準信号のシンボルの割り当てを有する。第2実施形態において、シンボルに割り当てられたシンボルのサブセットの構造をブロードキャストし、マルチ・ブロードキャストのサブフレームおよび通常のサブフレームの双方に対して共通である。これにより、端末は、隣接セルの基準信号において測定のためのシンボルのサブセットのみを使用することになる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の効果は、端末が基準信号を搬送するシンボルのみの基準信号を検出を試行することである。これにより、同一のマルチキャスト情報がブロードキャストされ、または、アップリンクおよびダウンリンク伝送の各々のためのサブフレームに同一の割り当てが使用される、異なるセルの領域を有することが可能となる。本発明は、異なるセルの領域に接しているセルにおいて特に必要であり、端末が正確に全ての隣接セルの基準信号を検出することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】時間周波数領域のグリッドを示す図であり、グリッド内の各正方形はOFDMシンボルを示している。
【図2】FDDモードおよびTDDモードを例示する図であり、アップリンクおよびダウンリンク伝送の各々に対する時間および周波数の割り当てを示している。
【図3】TDDモードでの干渉状況にある2つのセルおよび各々のセル内の端末を示す図である。
【図4】図1と同じ形式の図であり、基準信号を搬送するシンボルの異なる割り当てを示す図である。
【図5】複数のセルを示す図である。
【図6】方法のフローチャートである。
【図7】3つのセルにおけるアップリンクおよびダウンリンク伝送のそれぞれに対するサブフレームの割り当てを示す図である。
【図8】無線基地局のブロック図である。
【図9】移動局の方法のフローチャートである。
【図10】移動端末のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
隣接セル測定のために、セル特有の基準信号が使用される。サービング・セルにおける構成とは別に隣接セル測定のための使用される基準信号構造を通知することにより、いくつかの利点を提供する。
【0023】
隣接セルにおけるMBSFN伝送は、正確な隣接セル測定の実行可能性に影響を及ぼすこと無く異なるサブフレームを使用し得る。MBSFNの全ての利点が利用されることになるMBSFNのための時間整列された伝送の使用が役立つが、異なるMBSFN領域間の境界においてはこれは当てはまらない。本発明は、同一のMBSFNデータをブロードキャストする異なる領域のセットアップを可能にする。領域内において、MBSFNデータをブロードキャストするために同一のサブフレーム割り当てが使用される。これにより、特定の地理的領域のみに関心がある情報のブロードキャストを、当該領域に制限することができる。図5は地理的に広がった多数のセルを示す図であり、それらの一部がMBSFN領域に含まれる。MBSFN領域に隣接している第1のセルは、MBSFN領域においてMBSFNサブフレームに使用される時間ウインドウと同一の時間ウインドウで通常のサブフレームを送信する。また、第1のセルに隣接している他のセルは、同一の時間ウインドウで通常のサブフレームを送信する。通常フレームの基準信号の物理構造が図1に示される。MBSFNサブフレームの基準信号構造は図4に示される。MBSFNサブフレームの基準信号の搬送に割り当てられるシンボルは、連続した位置の通常のサブフレームの基準信号の搬送に使用するシンボルを有する周波数サブキャリアにオーバラップする。第1のセルは、MBSFNブロードキャストの構造として、シンボルとして搬送される基準信号の情報をブロードキャストする。そして、第1のセルにキャンプしている端末は、一部は通常のサブフレームを送信している全ての隣接セルのMBSFNサブフレームの基準信号の物理構造に従ってセル特有の基準信号の検出を試行する。MBSFNサブフレームにおいてセル特有の基準信号を搬送するシンボルは、同じ目的のために通常のサブフレームにおいても使用される。
【0024】
図6は、2つのステップによる、第1のセルにおけるブロードキャストの方法のフローチャートである:
・第1の物理構造を有する第1の基準信号をブロードキャストする(S1)。記載されている状況は、第1のセルはMBSFN領域に含まれず、第1の基準信号構造は通常のサブフレームの構造である一例である。
【0025】
・端末による隣接セル測定の実行に使用される第2の基準信号構造示す情報をブロードキャストする。
【0026】
別の実施形態は、ULおよびDLの各々に対して異なるサブフレーム割り当てを適用している2つの領域の間に第1のセルが位置するTDDアクセスモードのシステムに関連する。端末は、隣接セルにおいてDL伝送方向が適用される場合にのみ隣接セル測定が可能である。TDDアクセスモードが適用されるとき、領域の伝送を同期させるために領域の全てのセルの同一のサブフレームのULおよびDL伝送を調整することは、基地局間および端末間の干渉が緩和されるため有益である。しかしながら、異なる領域における異なる要求に応えるため、ULリソースおよびDLリソースの割り当てのバランスを異ならせる必要があるかもしれない。異なるセルにおいて、異なるアップリンク−ダウンリンク割り当てを使用し、適切な計画を仮定することが出来る。これは図7において3個のセルにより示され、セルNo.1およびセルNo.3は、中間にセルNo.2を有する2つの異なる領域に帰属する。3つのセルは、ULおよびDLそれぞれの伝送方向のためのサブフレームの異なる割り当てを有する。左のセルNo.1は、10個のサブフレームのうち8個をDL専用に有し、サブフレームはシーケンス番号0,1,2,3,5,6,7,8を有し、残りの2つのサブフレームNo.4および9をUL方向に残している。図5の中央のセルNo.2は、DL方向に割り当てられた5個のサブフレーム(すなわちサブフレーム番号0,1,2,3,5)を有する。2個のサブフレームはUL方向に割り当てられ、4および9の番号が振られる。3個のサブフレーム(No.6〜8)は未使用のままである。図5の右のセルNo.3は、ULおよびDL方向の各々に5のサブフレームを有する。DLサブフレームはサブフレーム番号0,1,2,3,5が割り当てられ、残りのサブフレームはUL方向に割り当てられる。この場合、従来のTDDシステムにおける”アップリンク”または”ダウンリンク”の何れか一方への割り当てとは対照的に、”アップリンク”,”ダウンリンク”または”未使用”の3つの目的のうち1つにサブフレームを予約するメカニズムがある。
【0027】
セルNo.2において、隣接セル測定を実行するためにどのサブフレームを使用するかについての情報をブロードキャストすると、第1の変形例では、サブフレームNo.0,1,2,3,5に制限される(当該グループが隣接セルNo.1および隣接セルNo.3の双方に対して共通であるため)。また、セルNo.1およびセルNo.3の各隣接セルの測定のためのブロードキャスト情報は、サブフレームNo.0,1,2,3,5の使用に制限されるべきである。
【0028】
代替の実施形態において、サブフレーム特定の情報だけでなく隣接セル特定の情報もブロードキャストする。このように、セルNo.2は、サブフレームNo.0,1,2,3,5,6,7,8がセルNo.1での測定に利用でき、セルNo.3での測定にはサブフレーム0,1,2,3,5のみが使用される。この代替の実施形態は、図7のテキストにおいて示される。
【0029】
MBSFN伝送の場合も、サブフレーム構造は隣接セル特有である。基準信号構造に関する情報は、代替でさまざまな隣接セルについてセル特有である。
【0030】
TDDモードにおいて、DLおよびUL伝送のサブフレーム間のガード期間を増やすため、基準信号を搬送するために通常使用されるいくつかのシンボルをパンクチャリングしても良い。最後のDLサブフレームの最後の基準シンボルを消失してもよい。そして、MBSFNの実施形態に記載されているものと同様に、第1のセルは基準信号の物理構造の情報をブロードキャストする。
【0031】
MBSFN伝送がFDDモードおよびTDDモードの双方でなされることに更に注意しなければならない。TDDモードの場合、物理的な基準信号構造と同様に各々のサブフレーム内でどのサブフレームを使用するかについての情報がブロードキャストされる。
【0032】
基準信号構造を示す情報は、基準信号を搬送する全てのシンボルまたはDLに使用される全てのサブフレームと関連する必要は無く、移動端末によって隣接セル測定のために使用されるサブフレームまたはシンボルに制限されるかもしれない。これは特に、情報が、全ての隣接セルによって使用されるサブフレームまたはシンボルの最小のサブセットを示す場合の実施形態に関連する。
【0033】
さらに、ブロードキャスト情報は、物理構造を示さなければならないだけである。たとえば、物理構造の異なる種類(クラス)が定義済みであってもよく、第1のセルは単に異なるサブフレームの分類をブロードキャストしてもよい。
【0034】
図8は、本発明の実行に適した無線基地局のブロック図である。無線基地局は、アンテナシステムを含む無線送受信機を有し、ソフトウェアに従って無線基地局の動作を制御するデータプロセッサを備える。ソフトウェアは、上述の方法に従って第2の基準信号の表示を含むブロードキャストを制御するために更新されている。また、無線基地局は、隣接無線基地局に接続するためのX2インタフェースを含んでいる。X2インタフェースを介して受信されるシグナリング情報はデータプロセッサにより検出され、X2インタフェースを介して受信された情報に従う無線基地局によって、ブロードキャストされた第2の基準信号構造の表示が自律的に更新される。
【0035】
図9は、移動端末(またはLTEの移動端末の名称であるUE(ユーザ装置)により実行されるステップのフローチャートである。まず最初に、移動端末は、第1のセルにキャンプし、サービング・セルとして動作する第1のセルとの接続モードまたはアイドルモードにある。第1のセルは、第1の物理構造に従ってセル特有の基準信号を送信する。第1のステップ(91)において、移動端末は、基準信号のための第2の物理構造の表示を読み込む。表示は、第1のセルにおいてブロードキャストされている。次のステップ(92)において、基準信号が第2の物理構造に従ったシンボルによって搬送されると仮定して、端末は1以上の隣接セルの基準信号を測定する。第2の物理構造の表示は、概して、定義済みの物理構造セットの1つを示す。移動端末は、製造時にまたはSIMカード(加入識別モジュール)を含むことにより、基準信号のための可能な物理構造のセットに関する情報を備えている。
【0036】
図10は、移動端末のブロック図である。アンテナを含む送受信機およびソフトウェアを含むコンピュータを含んでいる。コンピュータおよびソフトウェアは分散され、その一部はSIMカードに配置しても良い。ソフトウェアは、基準信号の第2の物理構造のブロードキャスト表示を検出し、基準信号を搬送すると示されたシンボル上で隣接セルの基準信号の測定するよう制御するのに適している。
【0037】
本発明は、単一アンテナを使用するLTEシステムに関して記載した。しかし、LTEは、代替のマルチ・アンテナ伝送技術に対しても標準化されている、その場合、一般に、ある基準信号は各々のアンテナに対して送信され、サブフレーム内でそれぞれの基準信号を搬送するために割り当てられたシンボルの物理構造はほぼ同一である。キャリア0上のシンボルに対しOFDMシンボルが周波数領域において3個のサブキャリア分シフトしていることを除くと、アンテナ1の基準信号構造はアンテナ0の基準信号と同一である。2個のアンテナのフレーム・タイミングは同期している。
【0038】
マルチ・アンテナ・セルに割り当てられた複数の基準信号の物理構造は、移動端末が情報を保持している物理構造の所定のセットの1つである。したがって、マルチ・アンテナ・システムの物理構造は、セル内でブロードキャストされ、移動端末は隣接セル測定を実行するときに当該物理構造を仮定する。
【0039】
略語:
DL ダウンリンク
UL アップリンク
UE ユーザ装置(LTEシステムにおける移動端末の名称)
MBSFN マルチブロードキャスト(複数セルにおける同一情報の同期ブロードキャスト)に対して使用される3GPP特有の用語。幾つかの文献において、単一周波数ネットワーク(SFN)とも称される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サブフレーム特有の所定のシンボルにより搬送される第1の物理構造を有する第1の基準信号を第1のセル内でブロードキャストする方法であって、さらに、
端末が隣接セル測定を実行するために使用される第2の基準信号を搬送するための第2のサブフレーム特有のシンボルの物理構造を示す情報をブロードキャストすることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第2の物理構造の前記情報は、前記隣接セル測定に何れのサブフレームを使用するかを示す情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の物理構造の前記情報は、隣接セル測定に各サブフレームの何れのシンボルを使用するかを示す情報を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記基準信号を搬送している前記シンボルは、サブキャリアの1以上の組および各サブフレーム内のシンボルのシーケンス内の所定の1以上の位置に割り当てられることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記隣接セル測定に使用される前記サブフレームは、全ての隣接セルによりダウンリンク伝送に使用されるサブフレームであることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項6】
各サブフレーム内の基準信号を搬送するための前記全ての隣接セルにより使用されるシンボルのみが基準信号測定を目的として通知されることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記第2の物理構造は、サブフレーム分類により示されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1および第2の基準信号は、それらがブロードキャストされるセルに特有であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記サブフレーム特有のシンボルはOFDMシンボルであることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法を実行するのに適した無線基地局。
【請求項11】
サブフレーム特有の所定のシンボルにより搬送される第1の物理構造を有する基準信号を送信している第1のセルにキャンプしている端末に適した方法であって、
基準信号を搬送するための第2の物理構造のブロードキャスト表示を検出するステップ(91)と、
前記第2の物理構造として搬送される隣接セルの基準信号を測定するステップ(92)と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法を実行するのに適した移動端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−165436(P2012−165436A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−88748(P2012−88748)
【出願日】平成24年4月9日(2012.4.9)
【分割の表示】特願2010−502973(P2010−502973)の分割
【原出願日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
2.WCDMA
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】