説明

集中ケア及び全体的トリートメントを同時に送達することができるトリートメント物品

本発明は、集中ケア及び全体的ケアを同時に送達することができるトリートメント物品に関する。この物品は、第1の基材と、使用時に第1の基材を実質的に覆う第2の基材と、第1のトリートメント組成物と、第2のトリートメント組成物と、を含み、スキンケア活性物質の皮膚への送達がトリートメント組成物によって開始される。この物品はまた、第1のトリートメント組成物を含有する第1の基材と、使用時に第1の基材を実質的に覆う第2の基材と、トリートメント組成物とを含み、第1のトリートメント組成物の送達が第2のトリートメント組成物によって開始される。本発明の好ましい物品は、顔用トリートメントマスクを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集中ケア及び全体的ケアを同時に送達することができるトリートメント物品に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚にトリートメントを提供するよう設計されたマスクを包含する美容トリートメント物品は当該技術分野において既知である。このような物品は、典型的に基材とこの基材中に浸漬されたトリートメント組成物とでできており、基材は、多孔質で、水不溶性の基材である。この物品は、トリートメント組成物が付着される哺乳類の皮膚に適用される。これらの美容物品は、通常、皮膚のクレンジング及び全体的なケアのため並びに集中ケアを提供することによって皮膚の健康的及び肉体的外観を改良するために、皮膚に適用される。
【0003】
フェイシャルトリートメントにおいて、顔の特定の領域は、他の領域と比べて集中ケアを必要とする。例えば、目の周辺領域のような、よりしわになりやすい領域は、より集中的な老化防止ケアを必要とするのに対し、年齢による染み、そばかす及び日光による変色のような、皮膚の老化及び環境によるダメージによって生じる色素沈着過剰の領域は、より集中的な美白ケアを必要とする。標的領域に集中ケアを提供するため、アイマスク及び染み美白製品のような標的領域のための、より小さい寸法のマスクが提供される。このような集中ケア製品は、標的領域だけに適用されることから、マスク適用の間、顔の他の領域はトリートメントされないままとなり、続いて、顔の全領域に全体的スキンケア効果を提供するための顔全体用マスクを適用する必要がある。
【0004】
一方で、皮膚への効果を最大にするため、複数の皮膚利益剤を一緒に使用することが推奨される。マスクは種々の皮膚利益剤を皮膚に送達するのに適するが、不安定性、カラー化といった理由から一緒に配合することが困難な特定の皮膚利益剤及び化合物が存在する。例えば、安定なpH範囲が異なる皮膚利益剤は、安定性の問題から、同一のトリートメント組成物に配合することが困難である。同様に、特定の化合物は他の化合物と反応して不快な色及び/又は臭いを生じる。これらの要因は、製品の性能及び/又は美観に大きく影響し、1つのトリートメント物品が提供できる化合物の範囲を限定することがある。
【0005】
PCT国際公開特許WO 2004/110414号は、皮膚に皮膚利益剤を効果的に送達するための予備形成されたヒドロゲル製品を含む使用時調製デバイスに関する。このデバイスは、ヒドロゲルと接触したときに不安定な化合物を効果的に送達することができるが、適用皮膚領域に1つのスキンケア効果しか提供できず、標的領域への特化された効果と他の領域への全体的トリートメントとを同時に提供しない。
【0006】
湿潤した、典型的には水性環境を提供するマスクを通じた、皮膚へのスキンケア活性物質の送達は、皮膚が豊富な量のそのような剤に長時間さらされるという点で有利である。この使用法は、マスクと皮膚との間の十分な接触を確保するために消費者が一定の時間大きく動かずに座るか又は横たわることを奨励することから、皮膚に種々のスキンケア効果を提供するための複数回の適用は消費者に不便をもたらす。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、標的領域への集中ケア及び他の領域への全体的ケアを同時に送達し、それによって消費者に時間及びマスク適用の労力の削減による利便性を送達する、トリートメント物品に対する必要性が残る。既存の技術には、本発明の利点及び効果の全てを提供するものは存在しない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、第1の基材と、第2の基材と、トリートメント組成物と、を含むトリートメント物品に関する。本発明によるトリートメント物品は、1回の適用で、集中ケア及び全体的ケアを同時に送達する。
【0009】
本発明は、第1の基材と、使用時に第1の基材を実質的に覆う形状を有する第2の基材と、第1のトリートメント組成物と、第2のトリートメント組成物と、を含み、第2の基材が水不溶性基材である、トリートメント物品に関する。
【0010】
本発明は、第1のトリートメント組成物を含有する第1の基材と、使用時に第1の基材を実質的に覆う形状を有する第2の基材と、第2のトリートメント組成物と、を含み、第2の基材が水不溶性基材であり、第1のトリートメント組成物の皮膚への送達が、第1の基材を第2のトリートメント組成物と接触させることで開始される、トリートメント物品にも関する。
【0011】
本発明は更に、第1の基材と、第2の基材と、第1のトリートメント組成物と、第2のトリートメント物品とを含み、第2の基材が水不溶性基材であるトリートメント物品を提供する工程と、第1の基材を第1のトリートメント組成物と共に、皮膚の標的領域に適用する工程と、第2の基材を第2のトリートメント組成物と共に、第1の基材及び皮膚のその他の領域を覆うやり方で皮膚に適用する工程と、トリートメント物品を、美容トリートメントを提供するのに有効な時間にわたって皮膚上に残存させる工程と、を含む、美容トリートメント方法に関する。
【0012】
本発明は更に、第1の基材と、第2の基材と、第1のトリートメント組成物と、第2のトリートメント組成物とを含み、第2の基材が水不溶性基材である、トリートメント物品を提供する工程と;第1の基材を第1のトリートメント組成物と共に、皮膚の標的領域上に置かれるべき第2の基材の一部上に適用する工程と;第2の基材を第2のトリートメント組成物と共に、第1の基材を皮膚の標的領域上に置き、第2の基材のその他の領域が皮膚の他の領域を覆うやり方で皮膚に適用する工程と;トリートメント物品を、美容トリートメントを提供するのに有効な時間にわたって皮膚上に残存させる工程とを含む、美容トリートメント方法に関する。
【0013】
本発明のこれら及びその他の特徴、態様及び利点は、以下の説明及び添付の特許請求の範囲を読むことで、更に理解が深まる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本明細書では、本発明を特に指摘し、明確に請求する請求項を記載するが、本発明は、添付図面と併せて提供される次の説明から更なる理解が得られると考えられる。
【0015】
本発明によると、この物品は、1回の適用中に、皮膚の標的領域への集中ケアと皮膚の他の領域への全体的ケアとを同時に提供する。
【0016】
本発明の物品は顔用マスクとの関係において記載されているが、当業者であれば、本発明をトリートメント物品全般に容易に応用できることを理解し、実際に応用できるであろう。本明細書で使用するとき、「トリートメント物品」及び「美容トリートメント物品」という用語は、体、とりわけ人体に使用するように適応させた考案品を意味する。
【0017】
更に、「含む」とは、最終結果に影響を及ぼさない他の工程及び他の成分を加えることができることを意味する。この用語には、「からなる」及び「から本質的になる」という用語が包含される。
【0018】
本明細書で使用するとき、「局所適用」とは、皮膚の表面上に物質を適用する又は広げることを意味する。
【0019】
本明細書で使用するとき、「化粧品として許容可能」とは、そのように記載される組成物又はそれらの構成成分が、過度の毒性、不適応性、不安定性、アレルギー反応などを伴うことなくヒトの皮膚に接触させて用いるのに好適であることを意味する。
【0020】
本明細書で使用するとき、「混合物」とは、物質の単純な組み合わせ及びそのような組み合わせの結果として生じ得るあらゆる化合物を包含することを意味する。
【0021】
本明細書で使用するとき、「集中ケア」は、本発明の第1のトリートメント組成物と第2のトリートメント組成物との組み合わせによって提供される累積されたスキンケア効果を意味する。
【0022】
本明細書で使用するとき、「全体的ケア」は、本発明の第2のトリートメント組成物によって提供されるスキンケア効果を意味する。
【0023】
本明細書で使用するとき、「他の領域」は、本発明の第1のトリートメント組成物が適用されない皮膚領域を意味する。
【0024】
本明細書において有用な活性物質及びその他の成分のような成分は全て、美容上及び/若しくは治療上の効果又はそれらの想定される作用様式によって分類又は記載されてもよい。ただし、本明細書に有用な活性物質及び他の成分が、場合によっては美容及び/若しくは治療的な効果を複数もたらすこと、又は複数の作用様式で作用することもあることを理解すべきである。従って、本明細書での分類は便宜上実施されるものであって、成分を特に規定した用途又は列挙した用途に制限しようとするものではない。
【0025】
百分率、部分及び比率は全て、特に指定されない限り、本発明の組成物の総重量を基準とする。提示された成分に関するこのような重量は全て、活性物質の濃度に基づき、従って市販材料に包含される可能性があるキャリア又は副生成物を包含しない。
【0026】
本発明の物品は、好ましくは1つ以上の第1の基材と、1つ以上の第2の基材と、1つ以上のトリートメント組成物と、を含む。本明細書で、「基材」又は「この基材」は、第1の基材及び/若しくは第2の基材を指す。
【0027】
第1の基材
本発明で、第1の基材は、水不溶性基材及び水溶性フィルムから選択できる。
【0028】
水溶性フィルム
「水溶性」とは、水溶性フィルムを水に浸したときに、溶解又は容易に分解できることを意味する。理想的には、水溶性フィルムは、水又はトリートメント組成物がこの水溶性フィルムに適用されたときに皮膚上に長時間存在しない。種々広範な材料が水溶性フィルムとして使用できる。次の非限定的な特徴が望ましい:(i)適切な溶解時間、(ii)十分な可撓性、及び(iii)取扱うための十分な強度。
【0029】
水溶性フィルムは、天然及び合成の両方の種々の材料を含んでもよい。好適な水溶性ポリマーの非限定例としては、メチルセルロースのようなアルキルセルロース;ヒドロキシブチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースのようなヒドロキシアルキルセルロース;ヒドロキシプロピルメチルセルロースのようなヒドロキシアルキルアルキルセルロース;カルボキシメチルセルロースのようなカルボキシアルキルセルロース;カルボキシメチルセルロースナトリウムのようなカルボキシアルキルセルロースのアルカリ金属塩;カルボキシメチルエチルセルロースのようなカルボキシアルキルアルキルセルロース;カルボキシアルキルセルロースエステル;デンプン;ゼラチン;寒天;糖;カルボキシルメチルアミロペクチンナトリウムのようなペクチン;海藻抽出物;キトサンのようなキチン誘導体;ポリクアテルニウム−10、ポリクアテルニウム−16、ポリクアテルニウム−28、ポリクアテルニウム−44、ポリクアテルニウム−46、ポリクアテルニウム−55、ビニルピロリドン/ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドコポリマー、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマーのようなカチオン性ポリマー、アルギン酸、そのアルカリ金属塩及びアンモニウム塩、カラギーナン、ガラクトマンナン、トラガカント(traganth)、寒天、アラビアゴム、グアーガム及びキサンタンガムのような多糖、ポリアクリル酸及びその塩;ポリメタクリル酸及びその塩、例えばメタクリレート−ビニルアルコ−ルコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー又は誘導体、酢酸ビニル−ビニルアルコールポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン加水分解物、ポリアクリルアミド、ポリ(メタクリルアミド)、デキストラン、ポリエチレングリコール、並びにポリオキシエチレン及びポリオキシプロピレンブロックコポリマー及びこれらの混合物が挙げられる。
【0030】
水溶性フィルムは、米国特許第6,596,298号及び同第6,419,903号、並びに日本特許公開第2005−112957号に開示されているような、当該技術分野において既知の種々の従来の水溶性フィルム作製技術を用いて作製されてもよい。例えば、フィルム構成成分を水又はその他の溶媒に分散し、フィルム形態に乾燥してもよい。或いは、乾燥構成成分をブレンドし、その後任意の追加のフィルム構成成分と共に水又はその他の溶媒中に分散し、フィルム形態に乾燥してもよい。フィルムは、ウェットキャスティング(wet casting)、凍結乾燥及び押出成形が挙げられるがこれらに限定されない当該技術分野において既知の任意の技術によって、そのような分散液又は溶液から好適な厚さの固化形態に形づくることによって形成されてもよい。
【0031】
本発明の水溶性フィルムは、単層又は多層からなることができる。水溶性フィルムが多層からなるとき、フィルムは別の水溶性フィルム分散液又は溶液と共にコーティング又は噴霧できる。
【0032】
本発明で有用な水溶性フィルムはまた、多様な市販品から入手することができる。本明細書で有用な好適な水溶性フィルムの非限定例としてはリステリン・ポケットパック(Listerin Pocketpack){ファイザー(Pfizer)、米国}、ブレスケアフィルム{小林製薬(Kobayashi Seiyaku)、日本}、メトロース(Metolose){信越化学工業(ShinEtsu Chemical)、日本}、ポルフィラン(Porphyran)フィルム{白子(Shirako)、日本}及びオブラートが挙げられる。
【0033】
好ましくは、水溶性フィルムは、水との接触によって0.1〜60分以内、好ましくは3〜30分以内、より好ましくは5〜15分以内に完全に溶解又は容易に分解してもよい。フィルムの溶解が速すぎる場合、空気中の水分に対して不安定である又は取扱いが困難であることから、消費者の使用に不便であり得る。溶解が遅すぎる場合、適用時間が長くなると考えられる。水溶性フィルムは、それが適用される皮膚の表面に沿って適合するように十分に可撓性であるべきである。更に、フィルムが、取扱い中、例えば消費者がフィルムを取扱うときに、破裂しないように最低強度が必要である。好ましくは、水溶性フィルムは、1〜300μmの範囲、好ましくは10〜100μmの範囲、より好ましくは30〜60μmの範囲の厚さを有してもよい。
【0034】
水不溶性基材
「水不溶性」とは、基材を水に浸したときに、溶解もせず、容易に分解もしないことを意味する。水不溶性基材は、トリートメント組成物を皮膚に送達するための手段又は媒体である。
【0035】
種々広範な材料が水不溶性基材として使用できる。望ましい非限定的な特性は、(i)使用のための十分な湿潤強度、(ii)十分な柔軟性、(iii)十分な厚さ、(iv)適切な大きさ、(v)空気透過性、(vi)親水性、及び(vii)永久ひずみ増分をもたらす能力、すなわち漸増的に伸長する能力である。
【0036】
上記の基準を満たす好適な水不溶性基材の非限定的な例としては、不織布基材、織布基材、水流交絡基材、空気交絡基材、天然の海綿、合成スポンジ、ポリマーでできた網状メッシュ、及び類似のものが挙げられる。好ましい実施形態では、経済的であり、様々な材料で容易に入手できることから、不織布基材が用いられている。「不織布」とは、布地状に織り上げられたものではなく、シート、マット、又はパッド層として形成されたような繊維で、層が構成されていることを意味する。
【0037】
水不溶性基材は、天然及び合成両方の種々の材料を含んでいてもよい。本発明で有用な天然材料の非限定例としては、絹繊維、羊毛繊維及びラクダ被毛繊維などのケラチン繊維等、並びに木材パルプ繊維、綿繊維、麻繊維、黄麻繊維、及び亜麻繊維のようなセルロース繊維が挙げられる。本発明において有用な合成材料の非限定的な例としては、アセテート繊維、アクリル繊維、セルロースエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維のようなポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維及びポリエチレン繊維のようなポリオレフィン繊維、ポリビニルアルコール繊維、レーヨン繊維、並びにポリウレタン発泡体が挙げられる。
【0038】
本発明で有用な水不溶性基材はまた、種々広範な市販品からも入手することができる。本明細書で有用な好適な不織布基材の非限定的な例としては、次のものが挙げられる。ハビックス(Havix)(日本)から入手可能なハビックス(Havix)2360。更に好適なのは、クラレ(Kuraray)(日本)から入手可能なTT463Q60である。同じく好適なのは、ウォーキソフトU.S.A.(Walkisoft U.S.A.)から入手可能なセルロース基材のウォーキソフト(WALKISOFT)(登録商標);ベラテック社(Veratec, Inc.){マサチューセッツ州ウォルポール(Walpole)}から入手可能なノボネット(NOVONET)(登録商標)149〜801及び149〜191;PGI/チコピー(Chicopee){ニュージャージー州ダイトン(Dayton)}から入手可能なキーバック(KEYBAK)(登録商標)951V及び1368;大和紡績株式会社(Daiwabo K.K.)(日本)から入手可能なRMT−90RFP−90及びDFS(SH)T−70である。更に好適な基材としては、クラレ(Kuraray)TT463Q60が挙げられる。
【0039】
水不溶性基材は、トリートメント組成物を含浸させた場合に、皮膚に沿って容易に適合するのに十分なほど柔軟であるが、使用時に容易に裂けたり崩れたりしないほど十分な強度を備えている。基材の厚さは、基材を製造する材料、並びに製品の用途及び特性に応じて、約100μm〜約1cm、より好ましくは約300μm〜約3mmであるのが好ましい。
【0040】
水不溶性基材は、親水性材料単独で、又は親水性材料と疎水性材料との混合物から製造することができる。本発明の水不溶性基材は、単層又は多層からなることができる。1つの好ましい実施形態では、基材は、少なくとも部分的に、綿、パルプ、レーヨン、及びこれらの混合物から選択される親水性材料から製造されている。「部分的に」とは、親水性材料の一層を単一層基材用に使用する場合、親水性材料の少なくとも一層を多層基材用に使用する場合、親水性材料及び別の材料の混合物の一層を単一層基材用に使用する場合、並びに親水性材料及び別の材料の混合物の少なくとも一層を多層基材用に使用する場合の状態を含むことを意味する。
【0041】
水不溶性基材が多層からなる場合、基材はフィルム及び他の非繊維性材料を包含することができる。1つの実施形態において、基材はまた、基材上にポリマーフィルムで積層してもよく、基材をコーティングしてもよく、又は基材をヒートシールしてもよい。ポリマーフィルムによる積層、コーティング、又はヒートシールの結果として生じる基材は、基材の一方の側面に閉塞側面を備えており、これは皮膚及び皮膚表面上に配置される皮膚に面する側面とは反対方向を向いている。基材に閉塞側面をもたせることにより、基材は低空気透過性を得る。「低空気透過性」とは、フィルム、コーティング、又はヒートシールした基材の側面が、基材の中へほとんど空気を通さず、また基材からもほとんど蒸気を排出させないことを意味する。好ましくは、空気透過性は約5mg/cm2/分未満、より好ましくは約0.01mg/cm2/分〜約4.8mg/cm2/分である。空気透過性は、完全に飽和した基材サンプルの重量を測り、基材を大気にさらした後の基材の重量を測ることにより測定することができる。
【0042】
第2の基材
本発明で、第2の基材は水不溶性基材である。上に表題「水不溶性基材」の下に開示された水不溶性基材の説明及び例は、第2の基材にも適用される。
【0043】
トリートメント組成物
本発明の物品は、皮膚に適用するための1つ以上のトリートメント組成物を包含する。本明細書で、「トリートメント組成物」又は「このトリートメント組成物」は、第1のトリートメント組成物と第2のトリートメント組成物との両方又はそのいずれかを指す。
【0044】
トリートメント組成物は、様々な方法で基材上に提供されてもよい。トリートメント組成物は、液体の形態で提供され、水不溶性基材中に浸漬されてもよい。その後、水不溶性基材は続いて密封包装して、消費者に届け、密封包装容器の開封後、直ちに使用することができる。或いは、トリートメント組成物は、消費者が適用前に再度濡らすように乾燥させてもよい。本発明の更に別の実施形態では、トリートメント組成物及び水不溶性基材は別々に包装され、皮膚に適用する前に消費者が組み合わせてもよい。このような例では、トリートメント組成物は乾燥又は液体のいずれの形態で提供されてもよい。トリートメント組成物は、例えば、このトリートメント組成物をフィルム形成分散液又は溶液と混和した後フィルムを形成することによって、又は皮膚利益剤のフィルム内への含浸を引き起こす条件下でフィルムをトリートメント組成物にさらすことによって、このトリートメント組成物をフィルムに含浸することにより提供されてもよい。トリートメント組成物は、このトリートメント組成物を、既知の、例えば、印刷、例えば、サイロスクリーン印刷(silo screen printing)、含浸ローラー間を通すこと、計量供給(dosing)、ポンプ及びノズル、噴霧、浸漬などでフィルム表面に付着することによって、水溶性フィルムに提供されてもよい。水溶性フィルムが多層型フィルムの場合、少なくとも1つの層が他の層とは異なるトリートメント組成物を含有してもよい。
【0045】
本発明のトリートメント組成物は、好ましくは、皮膚に利益を提供する皮膚利益剤を、組成物の約0.01重量%〜約30重量%、好ましくは約0.1重量%〜約20重量%の量で包含する。本発明の皮膚利益剤は、当該技術分野において既知のものを包含し、これには、酸化防止剤、クレンジング剤、フリーラジカルスカベンジャー、保湿剤、長期持続美白剤、抗ニキビ剤、抗ふけ剤、老化防止剤、軟化剤、しわ防止剤、角質溶解剤、抗炎症剤、油性成分、皮膚のきめトリートメント剤、フラボノイド、フレッシュナー、回復剤、脂肪調整剤(liporegulator)、血管保護剤、抗菌剤、抗真菌剤、制汗剤、防臭剤、皮膚コンディショナー、麻酔剤、栄養剤、皮脂吸収剤、及び水分吸収剤が挙げられる。これらの成分については、本明細書で更に詳しく記載する。
【0046】
酸化防止剤及びラジカルスカベンジャーは、角質層の鱗屑状の剥がれの増加又は質感の変化を引き起こし得る紫外線放射、並びに皮膚の損傷を引き起こし得るその他の環境要因に対する保護の提供に特に有用であり、任意にトリートメント組成物に包含されてもよい。酸化防止剤及びラジカルスカベンジャーとして、トコフェロール(ビタミンE)、ソルビン酸トコフェロール、酢酸トコフェロール、トコフェロールのその他のエステル、ブチル化ヒドロキシ安息香酸及びそれらの塩、6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−カルボン酸{商品名トロロックス(Trolox)(登録商標)で市販されている}、没食子酸及びそのアルキルエステル、特に没食子酸プロピル、尿酸及びその塩及びアルキルエステル、ソルビン酸及びその塩、アミン(すなわち、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、アミノ−グアニジン)、スルフヒドリル化合物(すなわち、グルタチオン)、ジヒドロキシフマル酸及びその塩、リシンピドレート、アルギニンピロレート、ノルジヒドログアイアレチン酸、バイオフラボノイド、リジン、メチオニン、プロリン、スーパーオキシドジスムターゼ、シリマリン、茶抽出物、ブドウの皮/種の抽出物、メラニン、並びに、ローズマリー抽出物などを使用してもよい。好ましい酸化防止剤/ラジカルスカベンジャーは、フラボノイド、ソルビン酸トコフェロール、トコフェロールのその他のエステルから選択され、より好ましくはソルビン酸トコフェロールである。例えば、局所適用組成物におけるソルビン酸トコフェロールの使用、及び本発明に適用できるソルビン酸トコフェロールの使用については、米国特許第4,847,071号{ビセット(Bissett)ら、1989年7月11日発行}に記載されている。
【0047】
本明細書で有用な「長期持続美白剤」とは、皮膚の外観を改変するだけでなく、更に処置前と比較して色素沈着過多を改善する活性成分を意味する。「長期持続」とは、定義上、対象の有効期間中に長期間にわたる、好ましくは少なくとも約1週間、より好ましくは少なくとも約1か月間、更により好ましくは少なくとも約3か月間、更により好ましくは少なくとも約1年間にわたる、本組成物の連続的な局所塗布を意味する。通常は、塗布はこのような長期間にわたって、1日当たり約1回程度であるが、塗布頻度は1週間当たり約1回から1日当たり約3回以上まで変化させることができる。
【0048】
本明細書で有用な長期持続美白剤としては、アスコルビン酸化合物、ビタミンB3化合物、アゼライン酸、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸とその誘導体、グリシルリジン酸、ヒドロキノン(hydroquinoine)、コウジ酸、アルブチン、クワ抽出物、及びエルゴチオネイン(ergothionein)、及びこれらの混合物が挙げられる。これらのうち、好ましいものは、アスコルビン酸化合物、ビタミンB3化合物、及びこれらの混合物である。長期持続美白剤の組み合わせの使用は、それらが異なる機構により美白の効果をもたらす可能性があるという点で、有利であると考えられている。
【0049】
抗ニキビ活性物質は、尋常性座瘡、すなわち毛包脂腺毛嚢の慢性疾患の治療及び予防において有効であり得る。トリートメント組成物に任意に包含される好ましい抗ニキビ剤としては、サリチル酸、4−メトキシサリチル酸、過酸化ベンゾイル、乳酸、メトロニダゾール、パンテノール、レチノイン酸及びその誘導体、イオウ、トリクロサン、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0050】
本明細書で有用な老化防止剤又はしわ防止剤としては、例えば、ペプチドが挙げられる。本明細書で使用するとき、「ペプチド」は、天然由来ペプチドと合成ペプチドとの両方を指し、ジ−、トリ−、テトラ−、及びペンタペプチド及びこれらの誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。ペプチドを含有する天然由来の組成物及び市販の組成物も本発明で有用である。本明細書に用いるのに好適なジペプチドとしては、カルノシン(Carnosine)(登録商標)(β−ala−his)が挙げられる。本明細書に用いるのに好適なトリペプチドとしては、gly−his−Lys、arg−lys−arg、his−gly−glyが挙げられる。好ましいトリペプチド及びその誘導体としては、バイオペプチド(Biopeptide)CL(登録商標){フランス、セダーマ(Sederma)から入手可能な100ppmのパルミトイル−gly−his−lys}として購入され得るパルミトイル−gly−his−lys;ペプチドCK(arg−lys−arg);ペプチドCK+(ac−arg−lys−arg−NH2);及びイアミン(IAMIN)としてシグマ(Sigma){ミズーリ州セントルイス(St. Louis)}から市販されているhis−gly−glyの銅誘導体が挙げられる。テトラペプチド及びペンタペプチドも本明細書に用いるのに好適である。好ましい市販のペンタペプチド誘導体組成物は、パルミトイル−lys−thr−thr−lys−ser{フランス、セダーマ(Sederma)から入手可能}である。ペプチドは、本組成物に包含される場合、好ましくは組成物の約1×10-6%重量%〜約10重量%、より好ましくは約1×10-6重量%〜約0.1重量%、更に好ましくは約1×10-5重量%〜約0.01重量%の濃度で包含される。
【0051】
本発明のトリートメント組成物は、皮膚利益剤として抗炎症剤を含有してもよい。抗炎症剤は、例えば均一性及び許容可能な皮膚の色調及び/又は色の助けによって、皮膚の外観上の効果を向上させ、これらの抗炎症剤は、任意に本発明のトリートメント組成物に包含される。好ましくは、抗炎症剤には、ステロイド性抗炎症剤及び非ステロイド性抗炎症剤が包含される。使用に好ましいステロイド性抗炎症剤は、ヒドロコルチゾンである。この群に包含される多様な化合物は、当業者に周知である。非ステロイド性抗炎症剤の化学構造、合成、副作用などの詳細な開示内容については、「抗炎症及び抗リウマチ剤(Anti-inflammatory and Anti-Rheumatic Drugs)」{K.D.レインズフォード(K. D. Rainsford)、I〜III巻、CRCプレス(CRC Press)、ボカ・レイトン(Boca Raton)、1985年}、及び「抗炎症剤(Anti-inflammatory Agents)」{「化学及び薬理学(Chemistry and Pharmacology)」1巻、R.A.スケラー(R. A. Scherrer)ら、アカデミック・プレス(Academic Press)、ニューヨーク、1974年}などの標準的な文献を参照してもよく、これらの各文献は参照として本明細書に組み込まれている。いわゆる「天然の」抗炎症剤もまた有用である。このような薬剤は、好適な物理的及び/又は化学的単離により自然源(すなわち、植物、真菌類、微生物の副産物)より抽出物として好適に得られてもよい。
【0052】
本明細書で有用な油性成分は、皮膚コンディショニング効果、つまり皮膚に滑らかさ及び柔らかさを与えることができる。本明細書で有用な油性成分としては、例えば、脂肪族アルコール、シリコーンオイル、鉱油、ワセリン、C7〜40直鎖及び分枝炭化水素、例えばイソヘキサデカン、C1〜30アルコールエステル、例えばイソステアリン酸イソプロピル、グリセリド、アルキレングリコールエステル、プロポキシル化及びエトキシル化誘導体、糖エステル、例えばポリ綿実脂肪酸スクロース、植物油、例えばココヤシ油、硬化植物油、動物油脂、及びポリプロピレングリコールのC4〜20アルキルエーテル、ポリプロピレングリコールのC1〜20カルボン酸エステル、及びジ−C8〜30アルキルエーテルが挙げられる。水不溶性であり、10未満のHLB値を有する疎水性の非イオン性界面活性剤は、油性成分として使用することができる。本明細書で有用な疎水性の非イオン性界面活性剤としては、例えば、セテアリルグルコシド、ステアレス−2、ラウレス−4、スクロースココエート(cocate)、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンジイソステアレート、ソルビタンセスキイソステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンジオレエート、ソルビタンセスキオレエート、グリセリルモノイソステアレート、グリセリルジイソステアレート、グリセリルセスキイソステアレート、グリセリルモノオレエート、グリセリルジオレエート、グリセリルセシキオレエート、ジグリセリルジイソステアレート、ジグリセリルジオレエート、ジグリセリンモノイソステアリルエーテル、ジグリセリンジイソステアリルエーテル、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0053】
トリートメント組成物は、任意に皮膚のきめトリートメント剤を包含してもよい。皮膚のきめトリートメント剤は、表皮の天然の湿分バリア機能を修復及び補充するのを助け、それによって質感の改善などの皮膚効果を与える。本明細書において有用な皮膚のきめ改善剤は、ニコチン酸アミド、ニコチン酸及びそのエステル、ニコチニルアルコール、パンテノール、パンテニルエチルエーテル、n−アセチルシステイン、n−アセチル−L−セリン、ホスホジエステラーゼ阻害物質、トリメチルグリシン、トコフェリルニコチネート、ビタミンB3、及び類似体又は誘導体、並びにこれらの混合物である。
【0054】
本明細書で有用なフラボノイド化合物には、非置換フラバノン、置換フラバノン、非置換フラボン、置換フラボン、非置換カルコン、置換カルコン、非置換イソフラボン、及び置換イソフラボンが挙げられる。本明細書で使用するとき、用語「置換」は、上述の骨格構造の1つ以上の水素原子が、独立して、ヒドロキシル、C1〜C8アルキル、C1〜C4アルコキシル、O−グリコシドなど又はこれらの置換基の混合物で置換されているフラボノイド化合物を意味する。本明細書で特に有用なフラボノイド化合物は、置換フラバノン、置換フラボン、置換カルコン、置換イソフラボン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明の1つの特に好ましい実施形態において、グリコシドフラボノイドは、グルコシルヘスペリジン、グルコシルルチン、グルコシルミリシトリン、グルコシルイソケルシトリン、グルコシルクエルシトリン、メチルヘスペリジン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。これらのグルコシドフラボノイド化合物は、関連する天然のフラボノイド化合物から生化学的な方法によって得ることができる。
【0055】
本発明のトリートメント組成物は、好ましくは皮膚利益剤として水溶性保湿剤を含有する。水溶性保湿剤は、潤いを与える効果を皮膚にもたらすために好ましくは包含される。更に水溶性保湿剤は、水溶性増粘剤の分散及び水性キャリア中で処理するのが比較的困難である他の構成成分の溶解/分散を助ける可能性がある。
【0056】
本明細書で有用な水溶性保湿剤には、グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ソルビトール、エトキシル化グルコース、1,2−ヘキサンジオール、ヘキサントリオール、エリスリトール、トレハロース、キシリトール、マルチトール、マルトース、グルコース、フルクトース、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、アデノシンリン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ピロリドンカーボネート、グルコサミン、シクロデキストリン及びそれらの混合物のような多価アルコールが挙げられる。本明細書で有用な水溶性湿潤剤としてはまた、CTFA名称PEG−200、PEG−400、PEG−600、PEG−1000、及びこれらの混合物などの約1000までの分子量を有するポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールのような水溶性アルコキシル化非イオン性ポリマーが挙げられる。
【0057】
本発明のトリートメント組成物は、皮膚の色調変化剤を包含してもよい。皮膚の色調変化剤は、約0.001重量%〜約50重量%、好ましくは約0.1重量%〜約25重量%、より好ましくは約1重量%〜約10重量%の濃度で組成物に包含されてもよい。
【0058】
本明細書で有用な皮膚の色調変化剤は、皮膚の色調変化顔料、反射微粒子物質、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本明細書で有用な皮膚の色調変化剤とは、皮膚の色及び/又は色調の外観を改変するものであり、例えば皮膚の美白が挙げられるが、これらに限定されない。皮膚の色調変化剤は、好ましくは少なくとも約100nmの粒径を有する。本明細書に有用な皮膚の色調変化顔料としては、例えば、タルク、雲母、シリカ、マグネシウムシリケート、酸化チタン、酸化亜鉛、及び酸化チタン被覆雲母が挙げられる。
【0059】
本発明のトリートメント組成物は、好ましくは液体の形態であり、水溶性増粘化ポリマーを包含する。本明細書の水溶性増粘化ポリマーは、水溶性又は水混和性ポリマーであり、組成物の粘度を高める能力を有し、組成物に使用される他の構成成分と適合性がある。水溶性増粘化ポリマーは、本組成物の液体組成物が約500mPa・s〜約60,000mPa・s、好ましくは約1000mPa・s〜約30,000mPa・s、より好ましくは約2000mPa・s〜約15,000mPa・sの所望の粘度を有するように選択される。粘度は、ヘリパス(Helipath)T−Cバー型スピンドルを用いた、ブルックフィールド(BROOKFIELD)DV II+粘度計{ブルックフィールド・エンジニアリング・ラボラトリーズ社(BROOKFIELD ENGINEERING LABORATORIES, INC.)}で、5rpm/分、25℃にて測定してもよい。本明細書で有用な水溶性増粘化ポリマーは、アニオン性ポリマー及び非イオン性ポリマーを包含する。本明細書で有用な水溶性増粘化ポリマーとしては、例えば、アクリルポリマー、約10000を超える分子量を有するポリアルキレングリコールポリマー、ヒドロキシエチルセルロースのようなセルロース及びその誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、グアーガム及びキサンタンガムのようなガム、カラゲーナン、ペクチン、寒天、マルメロ種子(シドニア・アブロンガ・ミル(Cydonia oblonga Mill))、デンプン(米、トウモロコシ、ジャガイモ、小麦)、藻類コロイド(藻類抽出物)、デキストラン、スクシノグルカン、プレラン、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン、アルギン酸ナトリウム、及びアルギン酸プロピレングリコールエステルが挙げられる。中和剤は、上記のアニオン性増粘剤を中和するために包含されてもよい。このような中和剤の非限定例には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム(potssium hydroxide)、水酸化アンモニウム、モノエタノールアミン(monethanolamine)、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、アミノメチルプロパノール、トロメタミン、テトラヒドロキシプロピルエチレンジアミン及びこれらの混合物が挙げられる。
【0060】
本発明のトリートメント組成物は、任意に、親水性界面活性剤を含む。親水性界面活性剤は、好ましくは約0.01重量%〜約10重量%、好ましくは約0.05重量%〜約5重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約2重量%の濃度で組成物中に包含されてもよい。
【0061】
本明細書に有用な親水性界面活性剤は、水溶性であり、好ましくは10を超えるHLB値を有するものである。本明細書で有用な親水性界面活性剤としては、例えば、化粧品として許容可能ないかなる界面活性剤、すなわち、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、双極性界面活性剤、両性イオン系界面活性剤、及びそれらの混合物が挙げられる。これらのうち、本明細書で好ましいものは、皮膚への刺激が少なく、コンディショニング効果という観点から、化粧品として許容可能な非イオン性界面活性剤である。本明細書で有用な親水性の非イオン性界面活性剤としては、例えば、PEG−100ステアレート、ポリソルベート−20、ポリソルベート−60、セテアレス−21、イソセテス−20及びオレス−20、ラウレス−23、セテアレス−12、ステアレス−100、PEG40硬化ヒマシ油、PEG−60硬化ヒマシ油、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0062】
本発明の組成物は冷却剤を包含してもよい。本明細書で有用な冷却剤としては、メントール、ペパーミント油、カンファー、ボルネオール、ユーカリプトール、ユーカリ油、茶木油、ケタール、カルボキシアミド、シクロヘキサノール誘導体、シクロヘキシル誘導体類及びこれらの混合物のような天然の冷却剤が挙げられる。
【0063】
本発明のトリートメント組成物は、好ましい液体の形態である場合、更に水性キャリアを包含する。このキャリアの濃度と種は、他の構成成分との適合性、及び当該製品の他の所望の特性に応じて選択される。
【0064】
水性キャリアは組成物中に、約0.1重量%〜約30重量%、好ましくは約1重量%〜約25重量%、より好ましくは約30重量%〜約10重量%の濃度で包含されてもよい。
【0065】
本発明において有用なキャリアとしては、水、及び低級アルキルアルコールの水溶液が挙げられる。本明細書において有用な低級アルキルアルコールは、1〜6個の炭素を有する一価アルコール、より好ましくはエタノールである。好ましくは、水性キャリアは実質的に水である。脱イオン水を使用するのが好ましい。ミネラルカチオンを包含する天然供給源からの水もまた、製品の所望の特性に応じて使用することができる。
【0066】
液体組成物のpHは、好ましくは約4〜約8である。皮膚利益剤が液体組成物に包含されるとき、pHは、皮膚利益剤の最適な有効性をもたらすpHに調整されてもよい。望ましいpHを達成するために、緩衝剤及び他のpH調整剤を包含することができる。本明細書に適したpH調整剤としては、アセテート、ホスフェート、シトレート、トリエタノールアミン及びカーボネートが挙げられる。
【0067】
上記の構成成分に加え、本発明の組成物は、水溶性又は分散性防腐剤のような防腐剤及び防腐増強剤を更に包含してもよい。
【0068】
局所使用製品
好ましい実施形態では、本発明の物品は、皮膚利益剤を皮膚に送達するのに有用な美容トリートメント物品である。
【0069】
本発明の物品は、皮膚利益剤、好ましい実施形態ではスキンケア剤を皮膚に送達する上で、皮膚がこうした薬剤の十分な量に長期間にわたってさらされるという点から特に有利である。更に、低い空気透過性を有する第2の基材を用いる場合には、皮膚利益剤のより有効な皮膚への浸透が期待される。本発明の物品はまた、使用時に消費者に、爽快感、及びリラックス感のような感情的効果をもたらすこともある。
【0070】
好ましい実施形態では、美容トリートメント物品は、第1の基材と、第2の基材と、第1のトリートメント組成物と、第2のトリートメント組成物と、を含み、前記第2の基材が水不溶性基材である。
【0071】
この実施形態では、トリートメント組成物は基材と共に提供されることができ、又は皮膚若しくは基材に適用されるように別々に提供されることができる。
【0072】
この実施形態で、第1の基材又は第2の基材のいずれかの基材は、この物品の所望の用途及び特徴に応じて、平坦なパッド、厚いパッド、薄いシート、不規則な厚さのシートのような種々広範な形状及び形態に作ることができる。基材は、通常、局所適用が望ましい皮膚の領域に適合するように設計される。
【0073】
第1の基材は、目の周りの領域、瞼、鼻、口の周りの領域、額、頬、顎、顔の輪郭全体、首、腕、体の他の特定の場所、又はこれらの組み合わせのような領域を覆うために、例えば、正方形、円形、半円形、長方形、楕円形、環状、三日月形、涙形、又はこれらの複合物でもよい更に複雑な他の形状であることができる。
【0074】
第2の基材は、例えば、第1の基材を使用時に実質的に覆うために第1の基材と同じ形状であることも、一体成形の全顔用マスクであることもできる。ただし、本発明の物品が、一体成形式又は複数部分からなる物品を含むことは、当業者であれば容易に理解するであろう。図1を参照すると、一体成形の全顔用マスク(10)のために好適な第2の基材の好ましい実施形態の平面図が描写されている。図1の基材の外周は、目及び口のための複数個の開口部(12)と共に、顔の輪郭とほぼ適合するように設計されており、その際、複数個の切れ目(13)は、マスクが鼻、頬及び口に適合するように作られている。ただし、本発明の第2の基材が、一体成形式又は複数部分からなるマスクを含んでもよいことは、当業者であれば容易に理解するであろう。例えば、複数部分からなるマスクは、顔の皮膚のほぼ全域を覆うように構成されており、複数の断片から作られている。最も一般的には、複数部分からなるマスクは2つの要素を含み、第1の断片は顔の上部、すなわち鼻から上を覆い、第2の断片は顔の下部、すなわち上唇及び頬から下を覆う。当然のことながら、3つ以上の断片を備えた物品も構想可能であることは、当業者であれば理解するであろう。更に、複数部分からなるマスクの適用範囲の正確な領域は、個々の断片について異なっていてもよい。第2の基材は、皮膚上のマスクの装着及び/又は除去を促進するために、取っ手、引き手、又は輪を有するように形成されてもよい。第2の基材は、PCT国際公開特許WO 06/053332号に開示されているように、基材と皮膚との間のより良好な接触を提供するため伸長領域の少なくとも一部分に漸増的伸長が設けられた、少なくとも1つの伸長領域を有してもよい。
【0075】
好ましい実施形態では、本発明の第1のトリートメント組成物は、第2のトリートメント組成物単独では送達されない追加の効果を標的領域に送達することで、特異的なトリートメントを必要とする皮膚の標的領域に集中ケアを提供する。前記第1のトリートメント組成物は、前記第2のトリートメント組成物と同じであっても異なってもよい。第1のトリートメント組成物は、第2のトリートメント組成物と接触すると不安定な化合物、例えば、第2のトリートメント組成物と接触したときに、シネレシスを増強するか、不快な色、味、風味、及び/若しくは臭いを生じるか、又はその物理的特性を改変する若しくはその性能を低下する化合物を含有してもよい。第1のトリートメント組成物は、水に不安定であることが既知の化合物、例えばアスコルビン酸化合物のような容易に酸化される水溶性化合物、無水硫酸マグネシウムのような発熱化合物、粉末化合物、電解質及びイオン性界面活性剤のような帯電化合物、及びこれらの混合物を含有してもよい。
【0076】
別の好ましい実施形態では、第1の基材は特異的な処置を必要とする複数の標的領域に適用される複数の断片として提供されてもよい。例えば高濃度の皮膚保湿処理剤を含有してもよい2つの断片からなる第1の基材が、使用時に頬の位置に適用されるべく提供される。同様に、高濃度の美白剤を含有してもよい複数の断片からなる第1の基材が、使用時に色素沈着過剰な領域に適用されるべく提供される。
【0077】
別の好ましい実施形態では、第1の基材は異なる特異的な処置を必要とする複数の標的領域に適用される複数の断片として提供されてもよい。この実施形態において、第1の基材の少なくとも1つの断片は、第1の基材の別の断片が含有しない皮膚利益剤を含有するか又は第1の基材の別の断片が含有するのと同じ皮膚利益剤を異なる濃度で含有するかのいずれかであってもよい。例えば、頬の位置に適用された2つの断片からなる第1の基材は、高濃度の皮膚保湿処理剤を含有してもよく、一方、鼻の位置に適用される1つの断片からなる第1の基材は、より少ない皮膚保湿処理剤及び/又は抗ニキビ処理剤を含有してもよい。同様に、目の輪郭領域及び/又は鼻唇溝の位置に選択的に適用される第1の基材はしわ防止剤を含有してもよく、一方、色素沈着過剰領域に適用される複数の断片からなる第1の基材は美白剤を含有する。第1の基材を第1のトリートメント組成物と共に皮膚の対応する位置に選択的に適用することによって特異的な処置を必要とする皮膚の標的領域に所望の処理剤を提供することには、多数の変異が存在し、全ての変異及びそのいかなる組み合わせも本発明の範囲内である。
【0078】
別の好ましい実施形態では、第1の基材は、好ましくは第1のトリートメント組成物を液体形態で含有する、水不溶性基材であってもよい。好ましくは、第1の基材の厚さは、第2の基材と比べてより薄い。
【0079】
非常に好ましい実施形態では、好ましくは、第1の基材は、第1のトリートメント組成物を乾燥形態で含有する水溶性フィルムである。水溶性フィルムは第2のトリートメント組成物又は水と接触したときに溶解し、この水溶性フィルムに含有される第1のトリートメント組成物の皮膚への送達が、それによって開始される。
【0080】
別の実施形態では、本発明の物品は、a)第1の区画内に置かれた第1のトリートメント組成物を含有する第1の基材と、b)第2の区画内に置かれた第2のトリートメント組成物を含有する第2の基材と、を含み、第2の基材が水不溶性であり、使用時に第1の基材を実質的に覆う形状を有し;第1及び第2の基材が使用前に接触しておらず、第1及び第2の区画が1つのパッケージに収容されている製品として提供されてもよい。
【0081】
使用方法
本発明の物品は、人体の皮膚、特に顔の皮膚への局所適用に好適である。
【0082】
別の好ましい実施形態では、美容物品は、
a)第1の基材と、第2の基材と、第1のトリートメント組成物と、第2のトリートメント組成物とを含み、第2の基材が水不溶性基材である、トリートメント組成物を提供する工程と、
b)第1の基材を第1のトリートメント組成物と共に、皮膚の標的領域に適用する工程と、
c)第2の基材を第2のトリートメント組成物と共に、第1の基材を覆うように皮膚に適用する工程と、
d)第2の基材を、美容トリートメントを提供するのに有効な時間にわたって皮膚上に維持させる工程と、によって顔の皮膚を処置するために使用される。
【0083】
別の好ましい実施形態では、美容物品は、
a)第1の基材と、第2の基材と、第1のトリートメント組成物と、第2のトリートメント組成物とを含み、第2の基材が水不溶性基材である、トリートメント組成物を提供する工程と、
b)第1の基材を第1のトリートメント組成物と共に、皮膚の標的領域上に置かれた第2の基材上のそのような領域に適用する工程と、
c)第2の基材を第2のトリートメント組成物と共に、第1の基材が皮膚の標的領域上に置かれるやり方で皮膚に適用する工程と、
d)第2の基材を、美容トリートメントを提供するのに有効な時間にわたって皮膚上に維持させる工程と、によって顔の皮膚を処置するために使用される。
【0084】
本発明の物品の使用のこれらの実施形態は、第1の基材が第1のトリートメント組成物と共に適用される皮膚の標的領域に集中ケアを送達し、第2の基材が第2のトリートメント組成物と共に単独で適用される領域に全体的ケアを送達することができることから、消費者に最大のスキンケア効果を提供すると考えられる。第1のトリートメント組成物と共に、第1の基材は標的領域に集中ケアを提供する。第2のトリートメント組成物と共に、第2の基材は皮膚に全体的ケアを提供する。好ましくは、第2の基材は、目、鼻孔及び/又は口の領域が開いた状態で第1の基材が置かれた標的領域を包含する顔の皮膚の全領域を覆うために置かれる。目、鼻孔及び/又は口の領域は、開口部の変わりに切れ目を有することができる。図2を参照すると、2つの断片からなる第1の基材(1)が第1のトリートメント組成物と共に目の領域に適用され、第2の基材(10)が第2のトリートメント組成物と共に、第1の基材が適用された目の下の領域を包含する顔の皮膚の全領域を覆うやり方で第1の基材の上に適用される。
【0085】
これらの実施形態では、この物品はトリートメント組成物のいずれかの部分が乾燥するまでの時間にわたって皮膚上に維持され、その後すぐに皮膚から取り除かれる。顔用マスクの好ましい実施形態では、第2の基材のマスクはトリートメント組成物に浸漬するか、ないしは別の方法で第2のトリートメント組成物を備え、このマスクは皮膚上にそっと置くことで顔の皮膚に適合される。
【0086】
本明細書で使用するとき、「乾燥する」とは、水、及び包含されている場合には香料のような他の揮発性構成成分が、水不溶性基材のマスクから蒸発し、それにより基材のトリートメント組成物を皮膚に送達する能力が大幅に低下する状態を指す。従って、一旦マスクの一部が乾燥すると、組成物の分配さえ期待することはできない。更に、乾燥した場合、マスクは適用時に不快なこわばった、堅い感じを皮膚に与える。
【0087】
本発明の組成物は、通常の大気条件ヘの露出により容易に乾燥するため、ぬれた状態が提供されている物品は、貯蔵の間、好ましくは密封包装容器の中に収容する。
【0088】
乾燥した部分が現れるまでに必要な時間は、使用される周りの状況、すなわち温度、湿度、空気循環、並びに構造及び消費者の体温によって決まる。通常は、組成物は、室温において、湿度約50%で使用した場合に、約15分以内に乾燥した部分が現れないように設計しなければならない。空気透過性の低い不溶性基材を用いる場合には、組成物が乾燥するまでの時間を、好ましくは約5分〜約45分延長することができる。
【実施例】
【0089】
以下の実施例は、本発明の範囲内にある実施形態を更に説明及び実証する。実施例は単に説明を目的とするものであって、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく多くの変更が可能であることから、実施例を本発明の限定として解釈すべきではない。成分は、適用可能な場合は、化学名又はCTFA名称で識別し、そうでない場合には以下で定義する。
【0090】
(実施例1〜8)第1の基材に適した水溶性フィルム
単層水溶性フィルムは、実施例1〜4及び8に従って調製されてもよい。実施例1の単層水溶性フィルムは次のように作製されてもよい:
工程1:水及びグリセリンを均質に混合して混合物を得る。
工程2:アルギン酸ナトリウム及びワキシーコーンスターチを、工程1の混合物に添加し、混合物を得て、それを80℃まで加熱することでゼラチン化する。
工程3:工程2のゼラチン化された混合物を40℃まで冷却し、PETフィルム上に流延し、80℃で乾燥する。
【0091】
実施例2のフィルムは、アスコルビン酸グルコシドを水に溶解してpHを5.5に調節することで調製されたアスコルビン酸グルコシド溶液を、ゼラチン化された第2の混合物に添加し、これを60℃に冷却することで作製されてもよい。その後、実施例1の工程3を実施する。実施例3のフィルムは、アスコルビン酸グルコシドをN−アセチルグルコシドに置き換えて、実施例2に記載のように作製されてもよい。実施例4のフィルムは、全ての組成物を混合し、得られた層Bの混合物をPETフィルム上に流延し、それを80℃で乾燥することで作製されてもよい。
【0092】
多層水溶性フィルムは、実施例5〜7に従って調製されてもよい。実施例5のフィルムは、層Bを表1に設定された構成成分と共にPETフィルム上に流延し、それを80℃で乾燥し、実施例2に記載された層Aを、PETフィルムでなく層Bの上に流延することで調製されてもよい。実施例6及び7のフィルムは、実施例4に記載されているように作製されてもよい。
【0093】
【表1】

【0094】
構成成分の定義
*1 アルギン酸ナトリウム:キミカ(KIMICA)から入手可能
*2 ワキシーコーンスターチ:ナショナルスターチ(National Starch)から入手可能
*3 アスコルビルグルコシド:林原(Hayashibara)から入手可能なアスコルビン酸2−グルコシド
*4 N−アセチルグルコサミン:ジェネラルトピックス(General Topics)から入手可能
*5 高分子量デンプン:ナショナルスターチ(National Starch)から入手可能
*6 ヒドロキシプロピルメチルセルロース:信越化学工業株式会社(Shinetsu Chemical Co., Ltd.)から入手可能
【0095】
(実施例9〜16)
実施例9〜16のトリートメント組成物を含有する第2の基材は、大和紡績(Daiwabo)から入手可能な基材RFP−90約2.5gから作られ、図1に従って切断及び成形され、以下に規定する液体組成物各30gに浸漬される。マスク組成物はまた、上に指定された基材の代わりに、3.5gの綿の基材からも製造することができる。
【0096】
【表2】

【0097】
構成成分の定義
*1 二酸化チタン:コボ・プロダクツ社(Kobo Products Inc.)から入手可能なコボ(Kobo)GLW75CAP−MP
*2 耐性デンプン:ナショナルスターチ・アンド・ケミカル・カンパニー(National Starch and Chemical Company Inc.)から入手可能なノベロース(Novelose)240(登録商標)
*3 キサンタンガム:ケルコ(Kelco)から入手可能なケルトロール(Keltrol)
*4 ポリソルベート20:ICIサーファクタンツ(ICI Surfactants)から入手可能なツイーン(Tween)20
*5 酵母発酵素ろ液:カシワヤマ(Kashiwayama)から入手可能なSKIIピテラ(Pitera)
【0098】
本明細書に開示されている寸法及び値は、列挙した正確な数値に厳しく制限されるものとして理解すべきではない。それよりむしろ、特に規定がない限り、こうした各寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【0099】
「発明を実施するための最良の形態」で引用した全ての文献は、関連部分において本明細書に参照により組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを容認するものと解釈されるべきではない。この文書における用語のいずれかの意味若しくは定義が、参照として組み込まれる文献における用語のいずれかの意味若しくは定義と対立する範囲については、本文書におけるその用語に与えられた定義を適用するものとする。
【0100】
本発明にかかる具体的な実施形態を図示し、記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の種々の変更及び修正を実施できることが当業者には自明である。従って、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明の第2の基材の好ましい実施形態の平面図。
【図2】本発明のトリートメント物品の好ましい実施形態の平面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)第1の基材と、
b)使用時に前記第1の基材を実質的に覆う形状を有する第2の基材と、
c)第1のトリートメント組成物と、
d)第2のトリートメント組成物と、
を含み、前記第2の基材が水不溶性基材である、トリートメント物品。
【請求項2】
前記第1の基材が水溶性フィルムである、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記第1の基材が水不溶性基材である、請求項1に記載の物品。
【請求項4】
前記水溶性フィルムが多層の水溶性フィルムである、請求項2に記載の物品。
【請求項5】
前記第1のトリートメント組成物及び前記第2のトリートメント組成物が、少なくとも1つのスキンケア活性物質を包含する、請求項1に記載の物品。
【請求項6】
前記第1のトリートメント組成物が前記第2のトリートメント組成物と異なる、請求項5に記載の物品。
【請求項7】
前記第1のトリートメント組成物が、前記第2のトリートメント組成物と接触したときに不安定である皮膚利益剤を更に含む、請求項6に記載の物品。
【請求項8】
前記スキンケア活性物質が、皮膚のきめ改良剤、抗ニキビ活性物質、酸化防止剤、ペプチド、抗炎症剤、保湿剤、美白剤、皮膚の色調変化剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項5に記載の物品。
【請求項9】
a)第1のトリートメント組成物を含有する第1の基材と、
b)使用時に前記第1の基材を実質的に覆う形状を有する、第2の基材と、
c)第2のトリートメント組成物と、
を含み、前記第2の基材が水不溶性基材であり、前記第1のトリートメント組成物の皮膚への送達が、前記第1の基材を前記第2のトリートメント組成物と接触させることで開始される、トリートメント物品。
【請求項10】
前記第1の基材が水溶性フィルムである、請求項9に記載の物品。
【請求項11】
前記水溶性フィルムが、水と接触したときに1〜60分以内に溶解する、請求項10に記載の物品。
【請求項12】
前記第2のトリートメント組成物が水性キャリアを含む、請求項10に記載の物品。
【請求項13】
前記第1のトリートメント組成物が、前記第2のトリートメント組成物と接触したときに不安定である皮膚利益剤を含有する、請求項9に記載の物品。
【請求項14】
前記物品が顔用マスクである、請求項9に記載の物品。
【請求項15】
a)第1の基材と、第2の基材と、第1のトリートメント組成物と、第2のトリートメント組成物とを含み、前記第2の基材が水不溶性基材である、トリートメント物品を提供する工程と、
b)前記第1の基材を前記第1のトリートメント組成物と共に、皮膚の標的領域に適用する工程と、
c)前記第2の基材を前記第2のトリートメント組成物と共に、前記第1の基材及び皮膚のその他の領域を覆うやり方で皮膚に適用する工程と、
d)前記トリートメント物品を、美容トリートメントを提供するのに有効な時間にわたって皮膚上に残存させる工程と、を含む、皮膚を処置する方法。
【請求項16】
a)第1の基材と、第2の基材と、第1のトリートメント組成物と、第2のトリートメント組成物とを含み、前記第2の基材が水不溶性基材である、トリートメント物品を提供する工程と、
b)前記第1の基材を前記第1のトリートメント組成物と共に、皮膚の標的領域上に置かれるべき前記第2の基材の一部に適用する工程と、
c)前記第2の基材を前記第2のトリートメント組成物と共に、前記第1の基材を皮膚の標的領域上に置き、前記第2の基材のその他の領域が皮膚の他の領域を覆うやり方で、皮膚に適用する工程と、
d)前記トリートメント物品を、美容トリートメントを提供するのに有効な時間にわたって皮膚上に残存させる工程と、を含む、皮膚を処置する方法。
【請求項17】
a)第1の区画内に置かれた第1のトリートメント組成物を含有する第1の基材と、
b)第2の区画内に置かれた第2の組成物を含有する第2の基材と、を含み;前記第2の基材が水不溶性であり使用時に前記第1の基材を実質的に覆う形状を有し、
前記第1及び第2の基材が使用前に接触しておらず、
前記第1及び第2の区画が1つのパッケージに収容されている、スキンケア製品。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−541301(P2009−541301A)
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−516059(P2009−516059)
【出願日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際出願番号】PCT/IB2007/052795
【国際公開番号】WO2008/010167
【国際公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】