説明

集積回路

【課題】積層実装されるチップ間で誘導結合による通信を行う集積回路において、少ない所要面積でシステムクロックよりも高速に半導体チップ間の通信を行うことができる集積回路を提供すること。
【解決手段】送信データをシステムクロックよりも高速に多重化して、その多重化のためのタイミングパルスTxclkと多重化信号Txdataとを、それぞれ誘導結合による通信によって送信チップ100から受信チップ150に転送する。広帯域な超近接無線通信である誘導結合による転送のため、受信チップ150では簡易な発振器で発生されたジッタを含むタイミングパルスTxclkのタイミング情報を忠実に取得することができるので、高速伝送であってしかも正確に元のデータを復元することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層実装されるIC(Integrated Circuit)ベアチップなどのチップ間の通信を好適に行うことができる集積回路に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明者らは、LSI(Large Scale Integration)チップのチップ上の配線により形成されるコイルを介して積層実装されるチップ間で誘導結合による通信を行う電子回路を提案している(特許文献1参照。)。
【0003】
図5は、従来の送受信回路(その1)の構成を示す図である。その一部は特許文献1にも示されている。図6は、図5に示される回路の各部の波形を示す図である。送信回路300は、パルス発生器311、インバータ312、NOR回路313、トランジスタ314、315、インバータ316、NOR回路317、トランジスタ318、319、及び送信コイル320から成る。パルス発生器311は、送信クロックTxclkの立ち上がりエッジに同期して、インバータ遅延線の伝播遅延で決定されるパルス幅のパルスを発生する。そのパルスはHブリッジ回路に入力され、Hブリッジ回路は、送信クロックTxclkの立ち上がりにおいて送信信号Txdataがハイなら正(図の矢印の向き)のパルス電流ITを、送信信号Txdataがローなら負のパルス電流ITを送信コイル320に流す。この構成により、送信クロックTxclkの立ち上がりにおける送信信号Txdataに応じて正又は負の三角波の電流ITが送信コイル320に流れる。
【0004】
受信回路350は、受信コイル340、抵抗321、322、トランジスタ323〜332、NAND回路333、334、及びインバータ335、336から成り、全体としてラッチつき比較器を構成している。外部から受信クロック(同期信号)Rxclkをとり、受信データRxdataを出力する。トランジスタ323、324が差動アンプの差動対をなし、受信コイル340からの信号VRを受ける。NAND回路333、334はラッチを形成している。差動アンプで受信したデータはトランジスタ323〜325、329、331へ入力される受信クロックRxclkに同期してサンプリングされ、NAND回路333、334によりラッチされ、受信信号Rxdataが復元される。
【0005】
この送受信回路はデータの再生にシステムのクロックを用いる同期式である。したがって、システムクロックによって、データ転送速度が制限されてしまう。
【0006】
そこで、タイミングパルスを発生する高速リング発振器を送信側・受信側それぞれに独立に持ち、その発振開始/停止を制御する信号を送信するデータに並走して送ることで、高速データとタイミングパルスの同期をとることが提案されている(非特許文献1参照)。
【0007】
図7は、従来の送受信回路(その2)の構成を示す図である。図8は、図7に示される回路の各部の波形を示す図である。送信側は制御回路411、nビットカウンタ412、リング発振器413、モジュール(1)414、及び2n:1多重化器415から成る。制御回路411はfHzのシステムクロックによって動作し、リセットパルスをnビットカウンタ412に供給する(例えばn=4)。nビットカウンタ412は、リセットパルスによってリセットされて、そのMSBであるタイミング信号Txstopをローにして、これによりリング発振器413からパルスが発生され、nビットカウンタ412がそのパルスをカウントする。nビットカウンタ412は2n-1個(例えば8個)のパルスをカウントすると、タイミング信号Txstopをハイにしてリング発振器413の発生パルスを止める。2n:1多重化器415は、モジュール(1)414からのfb/sの2n個(例えば16個)の並列な送信データMtxdataを送信タイミングパルスTxclkの立ち上がりと立ち下がりによって2n倍に多重化して2nfb/sの直列の送信信号Txdataとして送信する。
【0008】
タイミング信号Txstopは、オンチップ配線421により、送信信号Txdataは、オンチップ配線422により、それぞれ送信側から受信側に伝送される。
【0009】
受信側はリング発振器431、1:2n逆多重化器432、及びモジュール(2)433から成る。リング発振器431は、タイミング信号Txstopに対応するタイミング信号Rxstopを受信して、受信タイミングパルスRxclkを発生し、1:2n逆多重化器432に供給する。1:2n逆多重化器432は、送信信号Txdataに対応する受信信号Rxdataを受信して、受信タイミングパルスRxclkによってfb/sの2n個の並列な受信データMrxdataに逆多重化して、モジュール(2)433に供給する。
【0010】
しかし、この技術はそれぞれのリング発振器が同じ特性を有することを前提とするものであるところ、チップが異なると同じ設計をしていても製造ばらつきで、それぞれのチップにおけるリング発振器の特性は大きく異なるし、チップが異なると電源電圧も異なるので、各チップにおけるリング発振器が発生するパルスのタイミングを揃えることは困難なことであり、この技術はチップ間の通信には向いていない。
【0011】
図9は、参考の送受信回路(その3)の構成を示す図である。この例は、送信チップ500と受信チップ550の間を配線により接続し、多重化信号と多重化のタイミングパルスをそれぞれ送信チップ500から受信チップ550に伝送して、受信チップ550で逆多重化するものである。送信チップ500は、PLL(Phase Locked Loop)510及び2n:1多重化器515から成る。PLL510は、PFD(Phase Frequency Detector)511、CP(Charge Pump)512、VCO(Voltage Controlled Oscillator)513、及び1/2n-1分周期514からなり、fHzのシステムクロックから2n-1fHzの送信タイミングパルスTxclkを発生して2n:1多重化器515に供給する。2n:1多重化器515は、fb/sの2n個の並列な送信データMtxdataを送信タイミングパルスTxclkによって2n倍に多重化して2nfb/sの直列の送信信号Txdataとして送信する。
【0012】
送信タイミングパルスTxclkは、チップ間配線521により、送信信号Txdataは、チップ間配線522により、それぞれ送信チップ500から受信チップ550に伝送される。
【0013】
受信チップ550は、1:2n逆多重化器531から成り、送信タイミングパルスTxclkに対応する受信タイミングパルスRxclkを受信して、2nfb/sの直列な受信信号Rrxdataを逆多重化してfb/sの2n個の並列な受信データMrxdataにする。
【0014】
しかし、この方法はPLLで高精度に発振周波数を制御された連続クロックの伝送には使用できても、リング発振器等で発生した所定数のパルスの伝送には適さない。
【0015】
図10は、2種類のパルス列を比較する図である。図10(a)はPLLによるパルス列を示し、図10(b)はリング発振器によるパルス列を示す。図10(a)に示すように、PLLで発生した連続クロックClkPLLは精度よく発振周波数が制御されており、ジッタが少ない。一方、PLLよりも簡易な構成であるリング発振器で発生した所定数のパルス列ClkRINGは発振周波数が一定せず、大きなジッタを持ち、連続クロックClkPLLよりも高い周波数成分を含んでいる。図9に示すデータ伝送技術では、チップ間配線の帯域制限により、伝送の過程で高い周波数成分がカットされ、パルス列ClkRINGのジッタが変化してしまう。そのため多重化した際のパルス列ClkRINGの位相情報が失われ、誤った位相情報が1:2n逆多重化器531に伝えられるため、正しく逆多重化することができない。
【0016】
図11は、従来の送受信回路(その4)の構成を示す図である。その一部は特許文献2にも示されている。図12は、図11に示される回路の各部の波形を示す図である。送信回路700は、トランジスタ711〜714、遅延線715、及び送信コイル716から成る。受信回路750は、受信コイル721、及びトランジスタ722〜727から成る。
【0017】
この例は、送信信号Txdataの論理が遷移するときに、正又は負のパルス電流ITを送信コイル716に流し、受信回路750は、ヒステリシス比較器により、ラッチによる閾値の変化を使って、受信電圧VRのダブルパルスの前半パルスを無視して後半パルスでデータを反転する結果、受信データRxdataを復元するものである。これにより非同期の誘導結合通信が可能である。
【特許文献1】特開2005−228981号公報
【特許文献2】特開2006−050354号公報
【非特許文献1】S. Kimura他, "An On-Chip High Speed Serial Communication Method Based onIndependent Ring Oscillators," In Proc. of International Solid-StateCircuits Conference (ISSCC2003), pp. 390-391, February 2003.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
しかし、図12に示す受信電圧VRのパルスは、送信信号Txdataの1つの論理遷移に対して正と負のダブルパルスになるで、次のパルスを発生するまでの時間を確保するため信号のパルス幅を大きくしなければならず、伝送速度を高速化することができない。
【0019】
本発明は、上記問題点に鑑み、少ない所要面積でシステムクロックよりも高速に半導体チップ間の通信を行うことができる集積回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
請求項1記載の本発明の集積回路は、システムクロックからデータを送信するi個(iはi≧2の整数)のタイミングパルスを発生するパルス発生器と、該タイミングパルスによって送信データをj:1(jは2≦j≦2iの整数)に多重化する多重化器と、該多重化器によって多重化された多重化信号を誘導結合送信する第1送信器と、前記タイミングパルスを誘導結合送信する第2送信器とを有する送信チップと、前記多重化信号を誘導結合受信する第1受信器と、前記タイミングパルスを誘導結合受信する第2受信器と、該タイミングパルスによって前記多重化信号を1:jに逆多重化する逆多重化器とを有し、前記送信チップに積層実装されている受信チップとを備えることを特徴とする。
【0021】
また、請求項2記載の本発明の集積回路は、前記タイミングパルスから前記タイミングパルスの中間の位相の補間タイミングパルスを発生する位相補間器を更に備え、前記逆多重化器は、該補間タイミングパルスによって前記多重化信号を逆多重化することを特徴とする。
【0022】
また、請求項3記載の本発明の集積回路は、前記第1送信器は、前記多重化信号を誘導結合送信する送信コイルを備え、該多重化信号に起因する信号を該送信コイルの一端に入力し、該多重化信号の逆極性信号に起因する信号を該送信コイルの他端に入力して、該送信コイルに該多重化信号の波形に相当する波形を入力することを特徴とする。
【0023】
また、請求項4記載の本発明の集積回路は、前記第1受信器は、前記多重化信号を誘導結合受信する受信コイルを備え、該受信コイルに誘起する電圧が第1閾値を上回ると出力を反転し、次に該受信コイルに誘起する電圧が第1閾値より小さい第2閾値を下回るとまた出力を反転し、次に該受信コイルに誘起する電圧が第1閾値を上回るとまた出力を反転することを繰り返すヒステリシス回路を構成していることを特徴とする。
【0024】
また、請求項5記載の本発明の集積回路は、前記第1受信器は、前記受信コイルの中央を所定電位にバイアスするものであり、そのバイアス電圧を発生する回路は、前記第1受信器と同じ構成の回路の入力と出力を短絡又は抵抗短絡した構成であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
請求項1記載の本発明の集積回路によれば、システムクロックよりも高速のタイミングパルスを発生し、そのタイミングパルスによってデータを多重化し、そのタイミングパルスを送信チップから受信チップへ誘導結合により伝送するので、そのタイミングパルスは送信チップで発生するだけでよいし、広帯域な超近接無線通信である誘導結合による伝送のため、受信チップでは簡易な発振器で発生されたジッタを含むタイミングパルスのタイミング情報を忠実に取得することができるので、高速伝送であってしかも正確に元のデータを復元することができるし、かつ、そのために必要なチップ上の面積も必要最小限とすることができる。
【0026】
請求項2記載の本発明の集積回路によれば、受信タイミングパルスの立ち上がり又は立ち下がりが受信信号のデータサイクルの中央に来るようにして、受信信号を確実にラッチできる。
【0027】
請求項3記載の本発明の集積回路によれば、多重化信号の遷移に際して、正又は負の単極性のパルスを受信コイルに誘起することができるので、その分だけパルス密度を高くしてデータ転送速度を高めることができる。
【0028】
請求項4記載の本発明の集積回路によれば、ノイズに強い受信器を構成することができる。
【0029】
請求項5記載の本発明の集積回路によれば、トランジスタ特性、電源電圧、温度が変動したとしても所望のバイアス電圧を適応的に発生することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、添付図面を参照しながら本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【0031】
図1は、本発明の一実施例による集積回路の構成を示す図である。図1(a)は、実施例の構成を示し、図1(b)は、実施例の各部の波形を示し、図1(c)は、位相補間器の構成を示す。送信チップ100は、制御回路11、nビットカウンタ12、リング発振器13、送信回路14、送信コイル15、2n:1多重化器21、送信回路22、及び送信コイル23から成る。送信タイミングパルスTxclkを発生する動作、及び送信データMtxdataを多重化する動作は図7に示すものと同じである。本実施例では送信タイミングパルスTxclkを、送信回路14及び送信コイル15を介して誘導結合により受信チップ150に送信し、送信信号Txdataを、送信回路22及び送信コイル23を介して誘導結合により受信チップ150に送信する。
【0032】
受信チップ150は、受信コイル31、受信回路32、位相補間器33、受信コイル41、受信回路42、ダミー位相補間器43、及び1:2n逆多重化器44から成る。逆多重化の動作は図7に示すものと同じであるが、本実施例では送信タイミングパルスTxclkに対応する受信タイミングパルスRxclkを、受信コイル31及び受信回路32を介して受信して、位相補間器33で位相を90度シフトして、受信タイミングパルスRxclkの立ち上がり又は立ち下がりが受信信号Rxdataのデータサイクルの中央に来るようにして、受信信号Rxdataを確実にラッチできるようにしている。
【0033】
図1(c)に示すように、位相補間器33は、トランジスタ51、52、54、55、電流源53、56、及び抵抗57、58から成る。これらにより、0度と180度の2入力から中間位相である90度の信号を補間して出力する。ダミー位相補間器43は、位相補間器33自身の遅延を相殺しており、受信信号Rxdataと受信タイミングパルスRxclkの間に常に90度の位相差を持たせる。
【0034】
図2は、本実施例の送信回路及び受信回路の具体的な構成を示す図である。図3は、図2に示される回路の各部の波形を示す図である。送信回路22は、トランジスタ111〜114から成る。これらを送信信号Txdataで直接駆動し、送信信号Txdataと同様の波形形状の送信電流ITを送信コイル23に流す。誘導結合チャネルを介して、受信コイル41に正負のパルス電圧が発生する。
【0035】
受信回路42は、トランジスタ122〜127から成る。受信コイル41は電源電圧の半分程度の電圧VBにバイアスされており、この電圧を中心に送信信号Txdataがローからハイに変化する際には正のパルス電圧が、送信信号Txdataがハイからローに変化する際には負のパルス電圧が発生する。
【0036】
受信回路42はヒステリシス比較器を構成しており、ゲイン回路とラッチ回路から成る。ゲイン回路はトランジスタ122とトランジスタ124、及びトランジスタ125とトランジスタ127からなるインバータであって、受信コイル41の両端子をゲートに接続し、入力されるパルス電圧VRを増幅する。パルス電圧VRが一定の閾値を超えると受信信号Rxdataが反転する。ラッチ回路はインバータの出力に接続された、クロスカップルのPMOSである。この回路が受信信号Rxdataを保持する機能を持っており、パルス電圧VRからディジタルデータを正しく復元することを可能にしている。このラッチ回路は保持しているデータに応じて入力インバータの閾値を変化させる。図3のVR波形中に点線で示したのは、トランジスタ122とトランジスタ124からなるインバータの閾値の変化を表している。初期状態で、受信信号Rxdataとしてローを保持していたラッチ回路は、インバータの閾値を+Vthだけ高くする。入力に正のパルスが入力されてこの閾値を超えると受信信号Rxdataが反転し、ハイになる。ラッチ回路により今度はインバータの閾値が−Vthだけ低くなり、次に閾値を超える負のパルス電圧が入力されるまで受信信号Rxdataが保持される。この繰り返しで正負のパルス電圧から正しくディジタルデータを復元することができる。
【0037】
この送受信回路22、42は、受信データの復元にクロックを必要としない非同期式である。従来の同期式のように、サンプリング余裕を保つためにパルス幅を大きくする必要はない。したがって、データ転送速度が同期式のようにタイミング制約によって律則されることはない。
【0038】
受信回路42を高感度に動作させることによって、幅の短いパルスを受信することが可能となり、データ転送速度を高めることができる。
【0039】
受信回路42の感度は、入力バイアス電圧VBによって決まる。VBをヒステリシスコンパレータが最も高感度に動作できる点に精度良く調節することによって、高速動作が可能となる。
【0040】
図4は、入力バイアス電圧を発生するバイアス発生回路の構成を示す図である。バイアス発生回路は、受信回路42に用いたものと同じヒステリシス比較器の入力と出力を短絡し、さらに差動の出力同士を短絡したもので、ヒステリシス比較器が最も高感度に動作できるバイアス電圧を自動的に発生する。また、このバイアス発生回路は受信回路42本体とトランジスタのサイズも全く同じレプリカ回路で構成する。これにより、トランジスタ特性、電源電圧、温度が変動したとしても所望のバイアス電圧を適応的に発生することができる。
【0041】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではない。
【0042】
本願実施例では、タイミングパルスの2倍の周波数に多重化する例を示したが、これに限られない。例えば、それらは等しくても良いし、タイミングパルスが多くても実施に差し支えない。
【0043】
位相補間器は、タイミングパルスの90度位相の補間タイミングパルスを発生する例を示したが、遅延によってラッチのタイミングパルスを作成しても良いし、多重化信号を遅延しても良い。
【0044】
送信回路は、送信コイルの両端に極性の異なる多重化信号を供給する例を説明したが、送信コイルの一端に多重化信号を供給して、他端はコンデンサを介して接地するなどの構成でも良い。
【0045】
受信回路は、閾値にヒステリシス特性を有する例を示したが、第1閾値を上回るか又は第2閾値を下回る信号を検出して、その中間の信号を無視する構成とすることもできる。
【0046】
バイアス回路は、ヒステリシス回路と同じ特性のトランジスタを用いる例を示したが、安定した環境で使用する場合などのように高い精度が必要ない場合には、単純な抵抗回路でも実施できる。
【0047】
送信チップと受信チップとを積層実装する例を示したが、これに限られず、例えば、各チップが送信回路及び受信回路を有する構成でも良い。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の一実施例による集積回路の構成を示す図である。
【図2】本実施例の送信回路及び受信回路の具体的な構成を示す図である。
【図3】図2に示される回路の各部の波形を示す図である。
【図4】入力バイアス電圧を発生するバイアス発生回路の構成を示す図である。
【図5】従来の送受信回路(その1)の構成を示す図である。
【図6】図5に示される回路の各部の波形を示す図である。
【図7】従来の送受信回路(その2)の構成を示す図である。
【図8】図7に示される回路の各部の波形を示す図である。
【図9】参考の送受信回路(その3)の構成を示す図である。
【図10】2種類のパルス列を比較する図である。
【図11】従来の送受信回路(その4)の構成を示す図である。
【図12】図11に示される回路の各部の波形を示す図である。
【符号の説明】
【0049】
11 制御回路
12 nビットカウンタ
13 リング発振器
14 送信回路
15、23 送信コイル
21 2n:1多重化器
22 送信回路
31、41 受信コイル
32 受信回路
33 位相補間器
42 受信回路
43 ダミー位相補間器
44 1:2n逆多重化器
51、52、54、55、111〜114、122〜127、211〜218、314、315、318、319、323〜336、711〜714、722〜727、 トランジスタ
53、56 電流源
57、58 抵抗
100 送信チップ
150 受信チップ
300 送信回路
311 パルス発生器
312、316、335、336 インバータ
313、317 NOR回路
320 送信コイル
321、322 抵抗
333、334 NAND回路
340 受信コイル
350 受信回路
411 制御回路
412 nビットカウンタ
413、431 リング発振器
415、515 2n:1多重化器
421、422 オンチップ配線
432、531 1:2n逆多重化器
500 送信チップ
514 1/2n-1分周期
521、522 チップ間配線
550 受信チップ
700 送信回路
715 遅延線
716 送信コイル
721 受信コイル
750 受信回路


【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムクロックからデータを送信するi個(iはi≧2の整数)のタイミングパルスを発生するパルス発生器と、
該タイミングパルスによって送信データをj:1(jは2≦j≦2iの整数)に多重化する多重化器と、
該多重化器によって多重化された多重化信号を誘導結合送信する第1送信器と、
前記タイミングパルスを誘導結合送信する第2送信器と
を有する送信チップと、
前記多重化信号を誘導結合受信する第1受信器と、
前記タイミングパルスを誘導結合受信する第2受信器と、
該タイミングパルスによって前記多重化信号を1:jに逆多重化する逆多重化器と
を有し、前記送信チップに積層実装されている受信チップと
を備えることを特徴とする集積回路。
【請求項2】
前記タイミングパルスから前記タイミングパルスの90度位相の補間タイミングパルスを発生する位相補間器を更に備え、
前記逆多重化器は、該補間タイミングパルスによって前記多重化信号を逆多重化することを特徴とする請求項1記載の集積回路。
【請求項3】
前記第1送信器は、前記多重化信号を誘導結合送信する送信コイルを備え、該多重化信号に起因する信号を該送信コイルの一端に入力し、該多重化信号の逆極性信号に起因する信号を該送信コイルの他端に入力して、該送信コイルに該多重化信号の波形に相当する波形を入力することを特徴とする請求項1又は2記載の集積回路。
【請求項4】
前記第1受信器は、前記多重化信号を誘導結合受信する受信コイルを備え、該受信コイルに誘起する電圧が第1閾値を上回ると出力を反転し、次に該受信コイルに誘起する電圧が第1閾値より小さい第2閾値を下回るとまた出力を反転し、次に該受信コイルに誘起する電圧が第1閾値を上回るとまた出力を反転することを繰り返すヒステリシス回路を構成していることを特徴とする請求項3記載の集積回路。
【請求項5】
前記第1受信器は、前記受信コイルの中央を所定電位にバイアスするものであり、そのバイアス電圧を発生する回路は、前記第1受信器と同じ構成の回路の入力と出力を短絡又は抵抗短絡した構成であることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の集積回路。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−188468(P2009−188468A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−23397(P2008−23397)
【出願日】平成20年2月2日(2008.2.2)
【出願人】(899000079)学校法人慶應義塾 (742)
【Fターム(参考)】