説明

難燃性感圧接着剤及び難燃性感圧接着テープ

【課題】 環境保全、人体安全性(発ガン性の疑い)に問題のあるハロゲン系難燃剤やアンチモンを使用せず、高い難燃性と優れた接着性を両立した難燃性感圧接着剤及び感圧接着テープ類を提供する。
【解決手段】 アクリル酸エステル共重合体、ポリリン酸アンモニウム、水酸化アルミニウム、脂肪族多価アルコール類を必須成分とし、粘着付与樹脂を含有してもよい難燃性感圧接着剤であって、アクリル酸エステル共重合体100重量部に対して、脂肪族多価アルコール及び脂肪族多価アルコールの誘導体の含有量が18〜55重量部であり、ポリリン酸アンモニウムの含有量が50〜115重量部であり、水酸化アルミニウムの含有量が40〜85重量部であり、アクリル酸エステル共重合体、脂肪族多価アルコール類及び粘着付与樹脂の総量100重量部に対して、ポリリン酸アンモニウム及び水酸化アルミニウムの総量が60〜150重量部である難燃性感圧接着剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、難燃性感圧接着剤及び感圧接着テープ類に関し、特に、優れた難燃性と接着性を合わせ持ち、電子部品、OA機器部品、家電部品、車両、航空機、船舶、建材等の各分野での部材の固定用途に有用である難燃性感圧接着剤及び感圧接着テープ類に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、エレクトロニクス技術の格段なる進歩により電気、電子、OA機器の高集積化・高性能化が進み、内部の高温化や蓄熱による発火危険性の防止のため接着部材にも高い難燃性が要求されている。また、家電、車両、建材等の各分野でもプラスチック材料の難燃化について種々の研究がなされており、それらの固定に用いられる接着部材にも高い難燃性が要求されている。しかしながら感圧接着剤の難燃化においては、プラスチック材料と同様な難燃化手法では難燃性と本来の目的である粘着性能の両立が困難であることからハロゲン系の難燃剤使用やハロゲン系/アンチモン併用の手法が一般的であった。しかしながら、環境保全、人体安全性(発ガン性の疑い)の観点から最近ではハロゲン系難燃剤の使用を規制する動きが見られ、非ハロゲン系での難燃化要求が高まっている。特開平08−193187では赤リンと含窒素リン化合物を含有した難燃性粘着剤が記載されているが、粘着テープの製造時に赤リンによる発火危険性や、ホスフィンガス発生の問題があった。また、特開平11−1669には特定の粒径のポリリン酸アンモニウムを含む難燃性接着テープが記載されているが、高い難燃性を要求されるUL94VTM試験を満足するには至っておらず、高い難燃性と粘着性能の両立に苦慮している。
【0003】
【特許文献1】特開平08−193187
【特許文献2】特開平11−1669
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、環境保全、人体安全性(発ガン性の疑い)に問題のあるハロゲン系難燃剤やアンチモンを使用せず、高い難燃性と優れた接着性を併せ持つ難燃性感圧接着剤及び感圧接着テープ類を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは鋭意検討の結果、アクリル酸エステル共重合体、ポリリン酸アンモニウム、水酸化アルミニウム、脂肪族多価アルコール及び/又は脂肪族多価アルコールの誘導体を必須成分とし、ポリリン酸アンモニウムと水酸化アルミニウムの特定比率及びその総量の可燃成分に対する含有量を制御することにより、高い難燃性とともに良好な接着性をあわせ持つ粘着剤及びテープ類を見い出し本発明を完成するに至った。
【0006】
即ち、本発明の第一の構成は、アクリル酸エステル共重合体、ポリリン酸アンモニウム、水酸化アルミニウム、脂肪族多価アルコール及び/又は脂肪族多価アルコールの誘導体を必須成分とし、粘着付与樹脂を含有してもよい難燃性感圧接着剤であって、前記アクリル酸エステル共重合体100重量部に対して、脂肪族多価アルコール及び脂肪族多価アルコールの誘導体の含有量が18〜55重量部であり、ポリリン酸アンモニウムの含有量が50〜115重量部であり、水酸化アルミニウムの含有量が40〜85重量部であり、前記アクリル酸エステル共重合体、脂肪族多価アルコール、脂肪族多価アルコールの誘導体及び粘着付与樹脂の総量100重量部に対して、ポリリン酸アンモニウム及び水酸化アルミニウムの総量が60〜150重量部であることを特徴とする難燃性感圧接着剤である。
【0007】
本発明の第二の構成は、基材の少なくとも一面に前記した難燃性感圧接着剤を設けた難燃性感圧接着テープ類である。又、本発明は、前記した難燃性感圧接着テープの難燃性がUL94VTM試験に合格する性能である難燃性感圧接着テープを含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明の難燃性感圧接着剤及び感圧接着テープは優れた難燃性と接着性を併せ持ち、電子部品、家電、車両、建材等の各分野における火災防止及び接着固定に有用である。更に、ハロゲン系難燃剤やアンチモンを含有していないため環境や人体への影響を低減させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に於いて用いられるアクリル酸エステル共重合体としては種々のものが利用できるが、(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーとしては、炭素数が2〜14個のアルキル基を有するものであって、例としては、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸イソノリル、アクリル酸イソデシル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸イソデシル、メタクリル酸ラウリル等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0010】
また感圧接着剤を架橋するために、アクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4ヒドロキシブチルアクリレート等の官能基含有モノマーを添加してもよい。
【0011】
上記アクリル酸エステル共重合体の重合方法としては、例えば溶液重合、隗状重合、懸濁重合、乳化重合等の公知の重合方法で共重合させることにより得ることが出来る。重合開始方法も、過酸化ベンゾイルや過酸化ラウロイル等の過酸化物系や、アゾビスイソブチルニトリル等のアゾ系の熱重合開始剤を用いた熱による開始方法を任意に選択できる。
【0012】
本発明に使用される感圧接着剤の凝集力向上のため適宜架橋してもよい。架橋剤としては、エポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、キレート系架橋剤、メラミン系架橋剤を用いることができる。
【0013】
本発明で使用するポリリン酸アンモニウムは、耐水性を向上するため熱硬化性樹脂で被覆もしくはマイクロカプセル化等の表面処理を適宜行っても良い。その平均粒径は約1〜100μm、好ましくは3〜30μmである。
【0014】
本発明で使用する水酸化アルミニウムは、感圧接着剤への分散性を向上するためカップリング処理、ステアリン酸処理等の表面処理を適宜行っても良い。その平均粒径は約0.5〜100μm、好ましくは1〜30μmである。粒子形状は、球状、針状、フレーク状が挙げられる。化合物種類及び平均粒径、形状は単独で使用しても2種以上組み合わせて使用しても良い。
【0015】
本発明で使用する脂肪族多価アルコールとしては、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。脂肪族多価アルコールは、必要に応じて粉砕等の処理を適宜行っても良い。その平均粒径は約1〜100μm、好ましくは1〜60μm、更に好ましくは1〜30μmである。ポリリン酸アンモニウム及び水酸化アルミニウムの添加量にもよるが、脂肪族多価アルコールの添加により難燃性の向上が図られ、その添加量は、ポリリン酸アンモニウムと重量比で1:1〜1:1/20の範囲にあることが望ましい。
【0016】
本発明で使用する脂肪族多価アルコール誘導体には、重合ロジン等のロジン系化合物のペンタエリスリトールエステル体が挙げられる。ポリリン酸アンモニウム及び水酸化アルミニウムの添加量にもよるが、脂肪族多価アルコール誘導体の添加により難燃性の向上が図られ、その添加量は、ポリリン酸アンモニウムと重量比で1:1〜1:1/5の範囲にあることが望ましい。
【0017】
ポリリン酸アンモニウムと水酸化アルミニウムの比率が8:2〜3:7の範囲で、その総量が可燃成分100重量部に対し60〜150重量部を含有し、且つ可燃成分中に脂肪族多価アルコール及び/又は脂肪族多価アルコール誘導体を含有する場合に難燃性と接着性を両立した難燃性感圧接着剤が得られる。添加量が60部未満では難燃性が極端に悪化し、150部以上では感圧接着性が極端に悪化する。
【0018】
本発明の難燃性感圧接着剤には、メラミンシアヌレート等のメラミン誘導体を粘着性能を損なわない範囲で適当量添加することで難燃性を更に向上、或いはポリリン酸アンモニウムと水酸化アルミニウムの総添加量を減少させることもできる。
【0019】
また、必要とする難燃性を消失しない範囲で粘着付与樹脂を添加して非極性被着体への粘着力向上等を図ることができる。これら樹脂には、テルペン系樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジン系樹脂、石油系樹脂、クマロン−インデン樹脂、フェノール系樹脂等が挙げられる。形状としては、常温で固体、粘稠な液体のものが使用でき、化合物種類は単独で使用しても2種以上組み合わせて使用しても良い。
【0020】
本発明で使用するポリリン酸アンモニウム、水酸化アルミニウム、多価アルコール及び/又は多価アルコール誘導体をアクリル酸エステル共重合体溶液中に添加し、高速分散機で撹拌分散することにより難燃性感圧接着剤が得られる。
【0021】
本発明で粘着剤層を設ける基材としては特に限定されず、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリイミド等のフィルム類、アルミ、銅、鉄等の金属箔類、不織布、和紙類等の単体あるいはこれらの複合材料等が用いられる。これらの基材には、不燃性、自己消火性等の処理を施したものを使用すれば更に良い。
【実施例】
【0022】
以下に実施例について具体的に説明するが、これに限定されるものではない。
【0023】
(実施例1)
冷却管、撹拌機、温度計、摘下漏斗を備えた反応容器に2−エチルヘキシルアクリレート50部、n−ブチルアクリレート46部、アクリル酸3.5部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.5部と重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2部とを酢酸エチル100部に溶解し、窒素置換後、80℃で8時間重合して固形分50%、重量平均分子量40万のアクリル酸エステル共重合体溶液を得た。
【0024】
この得られたアクリル酸エステル共重合体の固形分100重量部に対し、ポリリン酸アンモニウム(チッソ社製テラージュC60)を80重量部、水酸化アルミニウム(昭和電工社製H−32)を40重量部、多価アルコール(広栄化学工業社製ジ・ペンタリット300)を18重量部、更にエポキシ系架橋剤(綜研化学社製E−05X、固形分0.5%)3重量部、トルエンを添加し均一になるまで充分撹拌して難燃性感圧接着剤を得た。
【0025】
得られた難燃性感圧接着剤を、乾燥後の厚みが65μmになるように剥離紙に塗工して乾燥した後、14g/m2のレーヨン繊維不織布の両面に積層して、両面感圧接着テープを得た。
【0026】
(実施例2)
実施例1と同様にして得られたアクリル酸エステル共重合体の固形分100重量部に対し、ポリリン酸アンモニウム(チッソ社製テラージュC60)を115重量部、水酸化アルミニウム(昭和電工社製H−32)を45重量部、多価アルコール誘導体(理化ハーキュレス社製ペンタリンC−J:重合ロジンのペンタエリスリトールエステル)を40重量部、更にエポキシ系架橋剤(綜研化学社製E−05X、固形分0.5%)3重量部、トルエンを添加し均一になるまで充分撹拌して難燃性感圧接着剤を得た。得られた難燃性感圧接着剤を実施例1と同様にして両面感圧接着テープを得た。
【0027】
(実施例3)
実施例1と同様にして得られたアクリル酸エステル共重合体の固形分100重量部に対し、ポリリン酸アンモニウム(チッソ社製テラージュC60)を55重量部、水酸化アルミニウム(昭和電工社製H−32)を85重量部、多価アルコール(広栄化学工業社製ジ・ペンタリット300)を20重量部、多価アルコール誘導体(理化ハーキュレス社製ペンタリンC−J:重合ロジンのペンタエリスリトールエステル)を35重量部、更にエポキシ系架橋剤(綜研化学社製E−05X、固形分0.5%)3重量部、トルエンを添加し均一になるまで充分撹拌して難燃性感圧接着剤を得た。得られた難燃性感圧接着剤を実施例1と同様にして両面感圧接着テープを得た。
【0028】
(実施例4)
実施例1と同様にして得られたアクリル酸エステル共重合体の固形分100重量部に対し、ポリリン酸アンモニウム(チッソ社製テラージュC60)を65重量部、水酸化アルミニウム(昭和電工社製H−32)を65重量部、多価アルコール(広栄化学工業社製ジ・ペンタリット300)を10重量部、多価アルコール誘導体(理化ハーキュレス社製ペンタリンC−J:重合ロジンのペンタエリスリトールエステル)を30重量部、液状粘着付与樹脂(ヤスハラケミカル社製YP−90LL:テルペンフェノール共重合体)を10重量部、更にエポキシ系架橋剤(綜研化学社製E−05X、固形分0.5%)3重量部、トルエンを添加し均一になるまで充分撹拌して難燃性感圧接着剤を得た。得られた難燃性感圧接着剤を実施例1と同様にして両面感圧接着テープを得た。
【0029】
(実施例5)
実施例1と同様にして得られたアクリル酸エステル共重合体の固形分100重量部に対し、ポリリン酸アンモニウム(チッソ社製テラージュC60)を50重量部、水酸化アルミニウム(昭和電工社製H−32)を50重量部、多価アルコール(広栄化学工業社製ジ・ペンタリット300)を15重量部、多価アルコール誘導体(理化ハーキュレス社製ペンタリンC−J:重合ロジンのペンタエリスリトールエステル)を30重量部、メラミン誘導体(日産化学工業社製MC−610:メラミンシアヌレート)を15重量部(粉砕して使用)、更にエポキシ系架橋剤(綜研化学社製E−05X、固形分0.5%)3重量部、トルエンを添加し均一になるまで充分撹拌して難燃性感圧接着剤を得た。得られた難燃性感圧接着剤を実施例1と同様にして両面感圧接着テープを得た。
【0030】
(比較例1)
実施例1と同様にして得られたアクリル酸エステル共重合体の固形分100重量部に対し、ポリリン酸アンモニウム(チッソ社製テラージュC60)を100重量部、更にエポキシ系架橋剤(綜研化学社製E−05X、固形分0.5%)3重量部、トルエンを添加し均一になるまで充分撹拌して感圧接着剤を得た。得られた感圧接着剤を実施例1と同様にして両面感圧接着テープを得た。
【0031】
(比較例2)
実施例1と同様にして得られたアクリル酸エステル共重合体の固形分100重量部に対し、ポリリン酸アンモニウム(チッソ社製テラージュC60)を70重量部、水酸化アルミニウム(昭和電工社製H−32)を30重量部、更にエポキシ系架橋剤(綜研化学社製E−05X、固形分0.5%)3重量部、トルエンを添加し均一になるまで充分撹拌して感圧接着剤を得た。得られた感圧接着剤を実施例1と同様にして両面感圧接着テープを得た。
【0032】
(比較例3)
実施例1と同様にして得られたアクリル酸エステル共重合体の固形分100重量部に対し、ポリリン酸アンモニウム(チッソ社製テラージュC60)を100重量部、水酸化アルミニウム(昭和電工社製H−32)を15重量部、更にエポキシ系架橋剤(綜研化学社製E−05X、固形分0.5%)3重量部、トルエンを添加し均一になるまで充分撹拌して感圧接着剤を得た。得られた感圧接着剤を実施例1と同様にして両面感圧接着テープを得た。
【0033】
(比較例4)
実施例1と同様にして得られたアクリル酸エステル共重合体の固形分100重量部に対し、ポリリン酸アンモニウム(チッソ社製テラージュC60)を45重量部、水酸化アルミニウム(昭和電工社製H−32)を20重量部、多価アルコール(広栄化学工業社製ジ・ペンタリット300)を30重量部、更にエポキシ系架橋剤(綜研化学社製E−05X、固形分0.5%)3重量部、トルエンを添加し均一になるまで充分撹拌して感圧接着剤を得た。得られた感圧接着剤を実施例1と同様にして両面感圧接着テープを得た。
【0034】
(比較例5)
実施例1と同様にして得られたアクリル酸エステル共重合体の固形分100重量部に対し、ポリリン酸アンモニウム(チッソ社製テラージュC60)を170重量部、水酸化アルミニウム(昭和電工社製H−32)を45重量部、多価アルコール(広栄化学工業社製ジ・ペンタリット300)を35重量部、更にエポキシ系架橋剤(綜研化学社製E−05X、固形分0.5%)3重量部、トルエンを添加し均一になるまで充分撹拌して感圧接着剤を得た。得られた感圧接着剤を実施例1と同様にして両面感圧接着テープを得た。
【0035】
実施例、比較例として作成したテープサンプルついて、以下に示す方法により、〔接着力〕、〔定荷重剥離力〕、〔UL94燃焼試験〕を測定し、評価結果をその配合と共に表1及び2に記した。
【0036】
〔接着力〕
ポリエステルフィルム25μmで一方の粘着面をバッキングした20mm×100mmのテープサンプルを、ステンレス板に2kgローラー1往復加圧貼付し室温で1時間放置後、180°方向に剥離速度300mm/minで引き剥がし接着力を測定した。
【0037】
〔定荷重剥離力〕
ポリエステルフィルム25μmで一方の粘着面をバッキングした10mm×50mmのテープサンプルを、ステンレス板に2kgローラー1往復加圧貼付し40℃で1時間養生後、室温で0.2kgの荷重を掛けテープサンプルの1時間後のハガレ距離を測定した。1時間以内に落下したテープサンプルに関しては「落下」と記載した。
【0038】
〔UL94燃焼試験〕
UL規格(UL94「機器の部品用プラスチック材料の燃焼試験方法」)に記載のVTM試験に準じ、燃焼試験を行い判定を行った。
【0039】
【表1】

【0040】
【表2】

【0041】
表1及び2の各成分は以下を示す。A:アクリル酸エステル共重合体(重量平均分子量40万)B:脂肪族多価アルコール(ジ・ペンタリット300、広栄化学工業社製)C:脂肪族多価アルコール誘導体(重合ロジンのペンタエリスリトールエステル:ペンタリンC−J、理化ハーキュレス社製)D:液状粘着付与樹脂(テルペンフェノール共重合体:YP−90LL、ヤスハラケミカル社製)E:ポリリン酸アンモニウム(テラージュC60、チッソ社製)F:水酸化アルミニウム(H−32、昭和電工社製)G:メラミン誘導体(メラミンシアヌレート:MC−610、日産化学工業社製)H:エポキシ系架橋剤(E−05X、固形分0.5%、綜研化学社製)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクリル酸エステル共重合体、ポリリン酸アンモニウム、水酸化アルミニウム、脂肪族多価アルコール及び/又は脂肪族多価アルコールの誘導体を必須成分とし、粘着付与樹脂を含有してもよい難燃性感圧接着剤であって、
前記アクリル酸エステル共重合体100重量部に対して、脂肪族多価アルコール及び脂肪族多価アルコールの誘導体の含有量が18〜55重量部であり、ポリリン酸アンモニウムの含有量が50〜115重量部であり、水酸化アルミニウムの含有量が40〜85重量部であり、
前記アクリル酸エステル共重合体、脂肪族多価アルコール、脂肪族多価アルコールの誘導体及び粘着付与樹脂の総量100重量部に対して、ポリリン酸アンモニウム及び水酸化アルミニウムの総量が60〜150重量部であることを特徴とする難燃性感圧接着剤。
【請求項2】
脂肪族多価アルコールがペンタエリスリトール又はジペンタエリスリトールであり、脂肪族多価アルコール誘導体がロジン系化合物とペンタエリスリトールのエステル体である請求項1に記載の難燃性感圧接着剤。
【請求項3】
ポリリン酸アンモニウムと水酸化アルミニウムの比率が8:2〜3:7の範囲である請求項1又は2に記載の難燃性感圧接着剤。
【請求項4】
架橋剤として、エポキシ系架橋剤を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の難燃性感圧接着剤。
【請求項5】
基材の少なくとも一面に請求項1〜4のいずれかに記載の難燃性感圧接着剤を設けたことを特徴とする難燃性感圧接着テープ。

【公開番号】特開2012−31422(P2012−31422A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−216925(P2011−216925)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【分割の表示】特願平11−32636の分割
【原出願日】平成11年2月10日(1999.2.10)
【出願人】(000002886)DIC株式会社 (2,597)
【Fターム(参考)】