説明

難燃性樹脂発泡体及び難燃性発泡部材

【課題】高発泡であり、微少なクリアランスに対しても追従可能な優れた柔軟性を有する難燃性の樹脂発泡体を提供する。
【解決手段】本発明の樹脂発泡体は、樹脂及び難燃成分を含む樹脂発泡体であって、難燃成分がポリシロキサンコーティングされた難燃剤であることを特徴とする。また、ポリシロキサンコーティングされた難燃剤がポリシロキサンコーティングされた金属水酸化物であり、該ポリシロキサンコーティングされた金属水酸化物の含有量が樹脂発泡体中で30〜60重量%である前記の樹脂発泡体を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、柔軟で、高い発泡倍率を有する難燃性発泡体及び該難燃性発泡体を用いて形成される難燃性発泡部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、プラズマディスプレイ等の画像表示装置に固定された画像表示部材や、いわゆる「携帯電話」や「携帯情報端末」等に固定されたカメラやレンズなどの光学部材を、所定の部位(固定部など)に固定する際に、発泡部材が使用されている。近年、製品安全性の観点から難燃性を有する防塵材が求められている。
【0003】
また、従来、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、プラズマディスプレイ等の画像表示装置に装着された画像表示部材や、いわゆる「携帯電話」や「携帯情報端末」等に装着されたカメラやレンズなどの光学部材において、発泡部材が使用される部分のクリアランス(clearance;すきま、間隔)は、十分に大きく、そのため、発泡部材をあまり圧縮しなくても使用することが可能であった。従って、発泡部材の持つ圧縮反発力については特に気にする必要がなかった。なお、このような発泡部材としては、例えば発泡体基体と、該基体の片面に固着されたプラスチックフィルムとからなるガスケット(特許文献1参照)、発泡体に粘着剤層を設けた電気・電子機器用シール材(特許文献2参照)が知られている。
【0004】
しかしながら、近年、光学部材(画像表示装置、カメラ、レンズなど)が装着(セット)される製品が薄型化されていくにつれ、防塵材が使われる部分のクリアランスが減少していく傾向にある。そのため、従来使用されていた発泡部材がその反発力の大きさゆえ使用できない状況が発生しつつある。中でも、難燃性発泡部材は、難燃剤成分の影響により反発力が大きくなる傾向が顕著であり使用時に筐体のひずみや表示部分の破壊・表示ムラなどが課題となっている。そのため、優れた防塵性及び難燃性を発揮できるとともに、微少なクリアランスに対しても追従可能な優れた柔軟性を有している発泡部材が求められている(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−100216号公報
【特許文献2】特開2002−309198号公報
【特許文献3】特開2005−97566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
通常、金属酸化物を使用する難燃性発泡体において、発泡時に樹脂と金属酸化物の界面の親和性が低いことからガス抜けしやすくなり、発泡倍率が非常に低くフォームが硬くなりやすいことが挙げられる。また、添加量が多くなると樹脂の流動性が損なわれ発泡時に樹脂が伸びにくく発泡倍率が低下する傾向が生じる。
【0007】
従って、本発明の目的は、高発泡であり、微少なクリアランスに対しても追従可能な優れた柔軟性を有する難燃性の樹脂発泡体を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記の問題を解決するために鋭意検討した結果、難燃剤の表面を樹脂と親和性の高いシリコーンで被覆することで発泡時の樹脂と難燃剤との界面からのガス抜けを防ぎ、これまで成しえなかった高い発泡倍率の難燃性樹脂発泡体が得られることを見出した。また同時に、難燃剤の表面を樹脂と親和性の高いシリコーンで被覆することで樹脂の流動性が改善され発泡倍率の上昇が得られやすくなることを見出した。
【0009】
すなわち、本発明は、樹脂及び難燃成分を含む樹脂発泡体であって、難燃成分がポリシロキサンコーティングされた難燃剤であることを特徴とする樹脂発泡体を提供する。
【0010】
さらに、本発明は、ポリシロキサンコーティングされた難燃剤がポリシロキサンコーティングされた金属水酸化物であり、該ポリシロキサンコーティングされた金属水酸化物の含有量が樹脂発泡体中で30〜60重量%である前記の樹脂発泡体を提供する。
【0011】
さらに、本発明は、50%圧縮時の圧縮荷重値が3.0N/cm2以下であり、UL94規格の難燃性試験で判定されるグレードでHBFグレード以上の難燃性を有する前記の樹脂発泡体を提供する。
【0012】
さらに、本発明は、発泡倍率が9倍以上である前記の樹脂発泡体を提供する。
【0013】
さらに、本発明は、密度が0.030〜0.120g/cm3である前記の樹脂発泡体を提供する。
【0014】
さらに、本発明は、樹脂が熱可塑性樹脂である前記の樹脂発泡体を提供する。
【0015】
さらに、本発明は、独立気泡構造又は半連続半独立気泡構造を有している前記の樹脂発泡体を提供する。
【0016】
さらに、本発明は、樹脂発泡体が、樹脂に高圧の不活性ガスを含浸させた後、減圧する工程を経て形成されている前記の樹脂発泡体を提供する。
【0017】
さらに、本発明は、含浸時の不活性ガスが二酸化炭素である前記の樹脂発泡体を提供する。
【0018】
さらに、本発明は、含浸時の不活性ガスが、超臨界状態である前記の樹脂発泡体を提供する。
【0019】
さらにまた、本発明は、前記の樹脂発泡体から構成されている発泡部材を提供する。
【0020】
さらに、本発明は、樹脂発泡体の片面側又は両面側に、粘着層を有している前記の発泡部材を提供する。
【0021】
さらに、本発明は、粘着層が、フィルム層を介して、樹脂発泡体上に形成されている前記の発泡部材を提供する。
【0022】
さらに、本発明は、粘着層が、アクリル系粘着剤層である前記の発泡部材を提供する。
【発明の効果】
【0023】
本発明の発泡体によれば、前記構成を有しているので、高発泡であって、微少なクリアランスに対しても追従可能な優れた柔軟性を有し、さらに難燃性を備えている。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の樹脂発泡体は、樹脂及び難燃成分を含む樹脂発泡体であって、難燃成分がポリシロキサンコーティングされた難燃剤であることを特徴とする。本発明の樹脂発泡体は、通常、樹脂及び難燃成分を含む樹脂組成物を、発泡・成形することにより作製される。
【0025】
(樹脂組成物)
樹脂組成物は、少なくとも樹脂及び難燃成分を含んでおり、樹脂発泡体を形成する組成物である。
【0026】
本発明において、樹脂発泡体(発泡体)の素材である樹脂としては、熱可塑性を示すポリマー(熱可塑性ポリマー)であって、高圧ガスを含浸可能なものであれば特に制限されない。このような熱可塑性ポリマーとしては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンとプロピレンとの共重合体、エチレン又はプロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体、エチレンと他のエチレン性不飽和単量体(例えば、酢酸ビニル、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、ビニルアルコール等)との共重合体などのオレフィン系重合体;ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)などのスチレン系重合体;6−ナイロン、66−ナイロン、12−ナイロンなどのポリアミド;ポリアミドイミド;ポリウレタン;ポリイミド;ポリエーテルイミド;ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂;ポリ塩化ビニル;ポリフッ化ビニル;アルケニル芳香族樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル;ビスフェノールA系ポリカーボネートなどのポリカーボネート;ポリアセタール;ポリフェニレンスルフィドなどが挙げられる。
【0027】
また、前記熱可塑性ポリマーには、常温ではゴムとしての性質を示し、高温では熱可塑性を示す熱可塑性エラストマーも含まれる。このような熱可塑性エラストマーとして、例えば、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリブテン、ポリイソブチレン、塩素化ポリエチレンなどのオレフィン系エラストマー;スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体、スチレン−イソプレン−ブタジエン−スチレン共重合体、それらの水素添加物ポリマーなどのスチレン系エラストマー;熱可塑性ポリエステル系エラストマー;熱可塑性ポリウレタン系エラストマー;熱可塑性アクリル系エラストマーなどが挙げられる。これらの熱可塑性エラストマーは、例えば、ガラス転移温度が室温以下(例えば20℃以下)であるため、樹脂発泡体としたとき柔軟性及び形状追随性に著しく優れる。
【0028】
熱可塑性ポリマーは単独で又は2種以上混合して使用できる。また、発泡体の素材として、熱可塑性エラストマー、熱可塑性以外の熱可塑性ポリマー、熱可塑性エラストマーと熱可塑性エラストマー以外の熱可塑性ポリマーとの混合物の何れを用いることもできる。
【0029】
前記熱可塑性エラストマーと熱可塑性エラストマー以外の熱可塑性ポリマーとの混合物として、例えば、エチレン−プロピレン共重合体等のオレフィン系エラストマーとポリプロピレン等のオレフィン系重合体との混合物などが挙げられる。熱可塑性エラストマーと熱可塑性エラストマー以外の熱可塑性ポリマーとの混合物を用いる場合、その混合比率は、例えば、前者/後者=1/99〜99/1程度(好ましくは10/90〜90/10程度、さらに好ましくは20/80〜80/20程度)である。
【0030】
本発明では、難燃成分としては、通常、ポリシロキサンコーティングされた難燃剤が用いられる。ポリシロキサンコーティングされた難燃剤は、樹脂発泡体の難燃性を向上させる難燃剤を、耐熱性の高いポリシロキサンでコーティングした構造を有しているので、より高度に難燃性や耐熱性を発揮する。また、このような難燃成分は、ポリシロキサンコーティングにより樹脂との親和性が高くなっていることから、樹脂への分散性に優れ、樹脂の流動性を損なうことはなく、さらに、樹脂組成物を用いて発泡成形する際に、樹脂と難燃成分との界面でのガス抜けを生じることはない。さらには、難燃成分としてポリシロキサンコーティングされた難燃剤が用いられていると、難燃成分の使用量を減らすことができ、この難燃成分の使用量の減少は発泡倍率の向上に寄与する。
【0031】
難燃剤としては、特に制限されず、ポリオレフィン系樹脂などに用いられる公知慣用の難燃剤を用いることができる。中でも、金属水酸化物が好ましく用いられる。
【0032】
上記金属水酸化物における金属元素としては、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、スズ(Sn)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、鉄(Fe)、チタン(Ti)、ホウ素(B)等が挙げられる。中でも、アルミニウム、マグネシウムなどが好ましい。金属水酸化物は、1種の金属元素で構成されていてもよく、2種以上の金属元素で構成されていてもよい。本発明では、1種の金属元素で構成された金属水酸化物としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどが好適に用いられる。
【0033】
また、上記金属水酸化物としては、2種以上の金属元素で構成された金属水酸化物である複合化金属水酸化物も好適に用いることができる。このような複合化金属水酸化物の具体的な代表例としては、sMgO・(1−s)NiO・cH2O[0<s<1、0<c≦1]、sMgO・(1−s)ZnO・cH2O[0<s<1、0<c≦1]、sA123・(1−s)Fe23・cH2O[0<s<1、0<c≦3]等が挙げられる。これらのなかでも、マグネシウムと、ニッケル、亜鉛とで構成された複合化金属水酸化物が最適である。具体的には、sMgO・(1−s)Q1O・cH2O[但し、Q1はNi又はZnを示し、0<s<1、0<c≦1である]で表される複合化金属水酸化物、例えば、酸化マグネシウム・酸化ニッケルの水和物、酸化マグネシウム・酸化亜鉛の水和物が特に好ましく用いられる。複合化金属水酸化物は、多面体形状を有していてもよく、薄平板形状を有していてもよい。多面体形状の複合化金属水酸化物を用いると、より高発泡の樹脂発泡体を得ることができる。
【0034】
難燃剤(特に上記金属水酸化物)の平均粒子径(平均粒径)は、特に制限されないが、0.1〜10μm程度が好ましく、好ましくは0.2〜7μm程度である。平均粒径は、例えばレーザー式粒度測定器により測定できる。なお、粒子径が小さいほど、比表面積が大きくなり難燃性が高くなる。粒子径が10μmを超えると、発泡倍率の低下が生じやすくなり、高発泡の樹脂発泡体を得るのが難しくなる。また、粒子径が0.1μm未満である場合には粉塵として舞いやすいなどから取り扱いが難しくなる場合がある。
【0035】
本発明において、難燃剤はポリシロキサンコーティングされているが、ポリシロキサンコーティングされる前の難燃剤は、表面処理されていてもよい。つまり、本発明おいて、ポリシロキサンコーティングされた難燃剤は、核成分となる難燃剤に表面処理が施され、該表面処理が施された難燃剤にさらにポリシロキサンコーティングがされたものであってもよい。本発明において、ポリシロキサンコーティングされる前の難燃剤として、表面処理が施された難燃剤を用いると、ポリシロキサンコーティングとの密着性が向上し、コーティング処理性が向上する点で有利である。
【0036】
表面処理としては、特に制限されないが、表面処理剤による表面処理方法を採用することができる。表面処理剤としては、特に制限されないが、例えば、アルミニウム系化合物(アルミニウム系カップリング剤)、シラン系化合物(シラン系カップリング剤)、チタネート系化合物(チタネート系カップリング剤)、アミノ系化合物(アミノ系カップリング剤)、エポキシ系化合物、イソシアネート系化合物、高級脂肪酸又はその塩、高級不飽和脂肪酸、リン酸エステル類、シリコーンオリゴマー、反応性シリコーンオイル、熱可塑性樹脂などが挙げられる。中でも、シラン系化合物が、ポリシロキサンコーティングとの密着性の点から好ましい。なお、表面処理剤は単独で又は2種以上混合して使用することができる。
【0037】
表面処理剤の使用量は、特に制限されないが、例えば、難燃剤として金属水酸化物が用いられている場合、金属水酸化物100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましく、より好ましくは0.3〜8重量部である。0.1重量部未満であると表面処理剤を用いることによる効果が得られない場合があり、一方10重量部を超えると、粒径が大きくなりすぎて、発泡時のガス抜けの原因となる場合がある。
【0038】
また、表面処理剤による表面処理方法としては、特に制限されないが、難燃剤として金属水酸化物が用いられている場合、例えば、公知慣用の方法である乾式方法、湿式方法、インテグラルブレンド方法などが挙げられる。
【0039】
難燃剤のコーティングに用いられるポリシロキサンとしては、主骨格としてシロキサン結合を有するポリマーである限り特に制限されないが、平均組成式が式(1)で表されるポリオルガノシロキサンが好ましい。なお、ポリシロキサンの分子構造は、直鎖状が好適であるが、一部に分岐鎖状の構造を含んでいてもよい。
【化1】

(式(1)において、Rは置換又は非置換の一価の炭化水素基を示し、aは正数を示す)
【0040】
平均組成式(1)で表されるポリオルガノシロキサンにおけるRの炭素数は、通常、1〜10であり、好ましくは1〜8である。
【0041】
平均組成式(1)で表されるポリオルガノシロキサンにおいて、炭化水素基Rとしては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基などのアルケニル基;フェニル基、トリル基などのアリール基;前記アルキル基、アルケニル基、及びアリール基において炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部がハロゲン原子、シアノ基で置換された置換炭化水素基などが挙げられる。なお、炭化水素基Rは、すべて同一の基であってもよいし、互いに異なる基であってもよい。
【0042】
炭化水素基Rとしての置換炭化水素基の具体例としては、例えば、クロロメチル基、クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、2−シアノエチル基等が挙げられる。
【0043】
平均組成式(1)中のaは、平均組成式(1)で表されるポリオルガノシロキサンの分子構造は直鎖状が好適であるが、一部で分岐鎖状の構造であってもよいことから、1.95〜2.05の範囲の正数である。
【0044】
ポリシロキサンでコーティングされている難燃剤において、ポリシロキサンの量は、特に制限されないが、難燃性やハンドリング性の点から、難燃剤とポリシロキサンの総量に対して0.1〜15重量%が好ましく、好ましくは1.0〜10重量%である。0.1重量%未満であると難燃性が向上しない場合がり、また流動性の低下が懸念される。15重量%を超えると難燃成分の平均粒子径が大きくなりすぎて発泡倍率の低下が発生する場合がある。
【0045】
ポリシロキサンでコーティングされている難燃剤は、ポリシロキサンと難燃剤とを、混合分散することや混練することにより作製することができる。なお、混合分散や混練は、
0.1〜10MPa程度の加圧下で行ってもよい。
【0046】
本発明では、難燃剤としては金属酸化物が好ましく、また難燃剤をコーティングするポリシロキサンとしては平均組成式(1)で表されるポリオルガノシロキサンが好ましいことから、難燃成分としてのポリシロキサンコーティングされた難燃剤としては、平均組成式(1)で表されるポリオルガノシロキサンでコーティングされた金属酸化物が好ましい。
【0047】
樹脂組成物中の難燃成分の含有量は、高発泡の発泡体を得る観点からは、少ない方が好ましい。例えば樹脂組成物中の難燃成分としてのポリシロキサンコーティングされた難燃剤(例えば、ポリシロキサンコーティングされた金属酸化物)の含有量は、特に制限されないが、発泡倍率と難燃性の点から、樹脂発泡体全量に対して、30〜60重量%が好ましく、好ましくは35〜55重量%である。30重量部未満であると、難燃性が十分に得られない場合があり、一方、60重量部を超えると、樹脂組成物の伸長粘度の増加に伴い発泡倍率が低下し、高発泡の発泡体が得られない場合がある。
【0048】
本発明では、必要に応じて、添加剤が添加されていてもよい。添加剤の種類は特に限定されず、発泡成形に通常使用される各種添加剤を用いることができる。このような添加剤として、例えば、気泡核剤、結晶核剤、可塑剤、滑剤、着色剤(顔料、染料等)、紫外線吸収剤、酸化防止剤、老化防止剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、界面活性剤、加硫剤、表面処理剤などが挙げられる。添加剤の添加量は、気泡の形成等を損なわない範囲で適宜選択でき、通常の樹脂の発泡・成形に用いられる添加量を採用できる。なお、添加剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0049】
前記滑剤は樹脂の流動性を向上させるとともに、樹脂の熱劣化を抑制する作用を有する。本発明において用いられる滑剤としては、樹脂の流動性の向上に効果を示すものであれば特に制限されず、例えば、流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、ポリエチレンワックスなどの炭化水素系滑剤;ステアリン酸、ベヘニン酸、12−ヒドロキシステアリン酸などの脂肪酸系滑剤;ステアリン酸ブチル、ステアリン酸モノグリセリド、ペンタエリスリトールテトラステアレート、硬化ヒマシ油、ステアリン酸ステアリルなどのエステル系滑剤などが挙げられる。なお、このような滑剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0050】
滑剤の添加量としては、例えば、樹脂100重量部に対して、0.5〜10重量部(好ましくは0.8〜8重量部、より好ましくは1〜6重量部)である。添加量が10重量部を超えると、流動性が高くなりすぎて発泡倍率が低下するおそれがある。また、0.5重量部未満であると、流動性の向上が図れず、発泡時の延伸性が低下して発泡倍率が低下するおそれがある。
【0051】
また前記収縮防止剤は、発泡体の気泡膜の表面に分子膜を形成して発泡剤ガスの透過を効果的に抑制する作用を有する。本発明において用いられる収縮防止剤としては、発泡剤ガスの透過を抑制する効果を示すものであれば特に限定されず、例えば、脂肪酸金属塩(例えば、ステアリン酸、ベヘニン酸、12−ヒドロキシステアリン酸などの脂肪酸のアルミニウム、カルシウム、マグネシウム、リチウム、バリウム、亜鉛、鉛の塩など);脂肪酸アミド[脂肪酸の炭素数12〜38程度(好ましくは12〜22程度)の脂肪酸アミド(モノアミド、ビスアミドのいずれであってもよいが、微細セル構造を得るためにはビスアミドが好適に用いられる。)、例えば、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、ラウリン酸ビスアミドなど]等が挙げられる。なお、このような収縮防止剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0052】
収縮防止剤の添加量としては、例えば、樹脂100重量部に対して、0.5〜10重量部(好ましくは0.7〜8重量部、さらに好ましくは1〜6重量部)である。添加量が10重量部を超えると、セル成長過程においてガス効率を低下させてしまうため、セル径は小さいものが得られるものの未発泡部分も多くなり、発泡倍率が低下するおそれがある。また、0.5重量部未満であると、被膜の形成が十分ではなく、発泡時にガス抜けが発生して、収縮がおこり、発泡倍率が低下するおそれがある。
【0053】
なお、添加剤は、例えば前記滑剤と前記収縮防止剤を組み合わせて用いてもよい。例えば、ステアリン酸モノグリセリドなどの滑剤と、エルカ酸アミド、ラウリン酸ビスアミドなどの収縮防止剤を組み合わせて用いてもよい。
【0054】
樹脂組成物は、公知・慣用の方法により得られる。例えば、樹脂組成物は、発泡体の原料となる樹脂に、難燃成分(ポリシロキサンコーティングされた難燃剤)及び必要に応じて添加剤を添加して、混練することにより得られる。なお、混練の際には、加熱されてもよい。
【0055】
樹脂組成物は、ポリシロキサンコーティングされた難燃剤を含むことから、難燃成分により樹脂の流動性が損なわれることなく、良好なハンドリング性を有する。
【0056】
樹脂組成物は、キャピラリーレオメーターで測定される伸長粘度(温度180℃、せん断速度100[1/s])が30〜90kPa・sであり、好ましくは40〜70kPa・sである。樹脂組成物は、このような伸長粘度を有することから、その発泡成形時に気泡壁の破壊が生じにくく、高発泡倍率を得ることができる。またダイでの圧力をギャップが広い条件においても保持でき、発泡体の厚みを厚くすることができる。なお、樹脂組成物の伸長粘度が、30kPa・s未満であると発泡成形時に所望の発泡倍率が得られなかったり、ガス抜けが生じたりする場合があり、一方、伸長粘度が90kPa・sを超えると成形性が低下して、滑らかな発泡体表面が得られない場合がある。
【0057】
(樹脂発泡体の製造)
本発明の樹脂発泡体は、樹脂と難燃成分とを少なくとも含む樹脂組成物から形成される。本発明の樹脂発泡体において、樹脂発泡体を製造する方法としては、特に制限されず、例えば、物理的方法、化学的方法等の通常用いられる方法が挙げられる。一般的な物理的方法は、クロロフルオロカーボン類又は炭化水素類などの低沸点液体(発泡剤)を樹脂に分散させ、次に加熱し発泡剤を揮発することにより気泡を形成させる方法である。また、一般的な化学的方法は、樹脂に添加した化合物(発泡剤)の熱分解により生じたガスにより気泡を形成させる方法である。しかし、一般的な物理的方法は、発泡剤として用いられる物質の可燃性や毒性、及びオゾン層破壊などの環境への影響が懸念される。また、一般的な化学的方法では、発泡ガスの残渣が発泡体中に残存ずるため、特に低汚染性の要求が高い電子機器用途においては、腐食性ガスやガス中の不純物による汚染が問題となる。しかも、これらの物理的方法及び化学的方法では、いずれにおいても、微細な気泡構造を形成することは難しく、特に300μm以下の微細気泡を形成することは極めて困難である。
【0058】
このため、本発明では、セル径が小さく且つセル密度の高い発泡体を容易に得ることができる点から、発泡剤として高圧の不活性ガスを用いる方法が好ましい。
【0059】
具体的には、本発明の樹脂発泡体を、発泡剤として高圧の不活性ガスを用いる方法により樹脂組成物から形成する方法としては、例えば、樹脂に、不活性ガスを高圧下で含浸させるガス含浸工程、該工程後に圧力を低下させて樹脂を発泡させる減圧工程、及び必要に応じて加熱により気泡を成長させる加熱工程を経て形成する方法などが挙げられる。この場合、樹脂組成物を予め成形し未発泡成形物を得てから、該未発泡成形物を不活性ガスに含浸させてもよく、また、樹脂組成物を溶融してから、溶融した樹脂に不活性ガスを加圧状態下で含浸させた後、減圧の際に成形に付してもよい。これらの工程は、バッチ方式、連続方式の何れの方式で行ってもよい。
【0060】
本発明で用いられる不活性ガスとしては、上記樹脂に対して不活性で且つ含浸可能なものであれば特に制限されず、例えば、二酸化炭素、窒素ガス、空気等が挙げられる。これらのガスは混合して用いてもよい。これらのうち、発泡体の素材として用いる樹脂への含浸量が多く、含浸速度の速い二酸化炭素が好適である。また、不純物の少ないクリーンな樹脂発泡体を得る観点からも二酸化炭素が好ましい。
【0061】
また、樹脂に含浸させる際の不活性ガスは超臨界状態であるのが好ましい。超臨界状態では、樹脂へのガスの溶解度が増大し、高濃度の混入が可能である。また、含浸後の急激な圧力降下時には、前記のように高濃度であるため、気泡核の発生が多くなり、その気泡核が成長してできる気泡の密度が、気孔率が同じであっても、大きくなるため、微細な気泡を得ることができる。なお、二酸化炭素の臨界温度は31℃、臨界圧力は7.4MPaである。
【0062】
不活性ガスの樹脂への含浸量は、特に制限されないが、発泡時の圧力制御の点から、樹脂全量に対して1.0〜10.0重量%が好ましく、好ましくは1.5〜7.5重量%である。不活性ガスの樹脂への含浸量が少なすぎると発泡時の圧力制御のコントロールの幅が小さくなるおそれがあり、一方多すぎると圧力制御が困難となる。
【0063】
バッチ方式によれば、例えば以下のようにして樹脂発泡体を形成できる。すなわち、まず、単軸押出機、二軸押出機等の押出機を使用して樹脂組成物を押し出すことにより、未発泡成形物(発泡体成形用樹脂シート等)を形成する。或いは、ローラ、カム、ニーダ、バンバリ型の羽根を設けた混練機を使用して、樹脂組成物を均一に混練しておき、これを熱板のプレス機を用いてプレス成形し、未発泡成形物(発泡体成形用樹脂シート等)を形成する。そして、得られた未発泡成形物を耐圧容器中に入れ、高圧の不活性ガスを導入し、該不活性ガスを未発泡成形物中に含浸させる。この場合、未発泡成形物の形状は特に限定されず、ロール状、板状等の何れであってもよい。また、高圧の不活性ガスの導入は連続的に行ってもよく不連続的に行ってもよい。十分に高圧の不活性ガスを含浸させた時点で圧力を解放し(通常、大気圧まで)、樹脂中に気泡核を発生させる。気泡核はそのまま室温で成長させてもよく、また、必要に応じて加熱することによって成長させてもよい。加熱の方法としては、ウォーターバス、オイルバス、熱ロール、熱風オーブン、遠赤外線、近赤外線、マイクロ波などの公知乃至慣用の方法を採用できる。このようにして気泡を成長させた後、冷水などにより急激に冷却し、形状を固定化する。
【0064】
一方、連続方式によれば、例えば以下のようにして樹脂発泡体を形成できる。すなわち、樹脂組成物を単軸押出機、二軸押出機等の押出機を使用して混練しながら高圧の不活性ガスを注入し、十分にガスを樹脂中に含浸させた後、押し出して圧力を解放し(通常、大気圧まで)、発泡と成形とを同時に行い、場合によっては加熱することにより気泡を成長させる。気泡を成長させた後、冷水などにより急激に冷却し、形状を固定化する。
【0065】
前記ガス含浸工程における圧力は、例えば6MPa以上(例えば6〜100MPa程度)、好ましくは8MPa以上(例えば8〜100MPa程度)である。圧力が6MPaより低い場合には、発泡時の気泡成長が著しく、気泡径が大きくなりすぎて、前記範囲の小さな平均セル径(平均気泡径)を得ることができず、防塵効果が低下する。これは、圧力が低いとガスの含浸量が高圧時に比べて相対的に少なく、気泡核形成速度が低下して形成される気泡核数が少なくなるため、1気泡あたりのガス量が逆に増えて気泡径が極端に大きくなるからである。また、6MPaより低い圧力領域では、含浸圧力を少し変化させるだけで気泡径、気泡密度が大きく変わるため、気泡径及び気泡密度の制御が困難になりやすい。
【0066】
ガス含浸工程における温度は、用いる不活性ガスや樹脂の種類等によって異なり、広い範囲で選択できるが、操作性等を考慮した場合、例えば、10〜350℃程度である。例えば、シート状などの未発泡成形物に不活性ガスを含浸させる場合の含浸温度は、バッチ式では10〜250℃程度、好ましくは40〜230℃程度である。また、ガスを含浸させた溶融した樹脂組成物を押し出して発泡と成形とを同時に行う場合の含浸温度は、連続式では60〜350℃程度が一般的である。なお、不活性ガスとして二酸化炭素を用いる場合には、超臨界状態を保持するため、含浸時の温度は32℃以上、特に40℃以上であるのが好ましい。
【0067】
前記減圧工程において、減圧速度は、特に限定されないが、均一な微細気泡を得るため、好ましくは5〜300MPa/秒程度である。また、前記加熱工程における加熱温度は、例えば、40〜250℃程度、好ましくは60〜250℃程度である。
【0068】
(樹脂発泡体)
本発明の樹脂発泡体は、通常、樹脂及び難燃成分を含む樹脂組成物を用いて、発泡・成形することにより作製され、難燃成分としてポリシロキサンコーティングされた難燃剤を含むことから、高度な難燃性を有する。具体的には、本発明の樹脂発泡体は、UL94規格の難燃性試験で判定されるグレードでHBFグレード以上の難燃性を有することが好ましい。
【0069】
樹脂発泡体の50%圧縮時の対反発荷重値は、機器に使用した際に生じる反発力によるひずみの点から、3.0N/cm2以下が好ましく、より好ましくは2.0N/cm2以下である。なお、樹脂発泡体の50%圧縮時の対反発荷重は、JIS K 6767に記載されている圧縮硬さ測定法に準じて測定される。
【0070】
本発明の樹脂発泡体では、衝撃吸収性、軽量性、柔軟性の点から、発泡倍率は、9倍以上(例えば9倍〜50倍)であることが好ましく、さらに好ましくは12倍以上(例えば12倍〜30倍)であることが好ましい。発泡倍率が9倍未満であると、樹脂発泡体において十分な衝撃吸収性が得られない場合や微小なクリアランスに追従可能な柔軟性が得られない場合があり、一方発泡倍率が50倍を超えると強度が著しく低下する場合がある。
【0071】
なお、本願において、微小なクリアランスの具体例としては、0.10〜0.30mmのクリアランスが挙げられる。
【0072】
樹脂発泡体の発泡倍率は、下記の式より算出される。
発泡倍率(倍)=(発泡前の密度)/(発泡後の密度)
なお、発泡前の密度は、例えば、未発泡成形物の密度や、樹脂組成物を溶融してから、溶融した樹脂に不活性ガスを含浸させて樹脂発泡体を形成する場合の発泡前の樹脂組成物の密度に相当する。また、発泡後の密度は、下記の樹脂発泡体の密度に相当する。
【0073】
本発明の樹脂発泡体では、衝撃吸収性や柔軟性の点から、密度は0.030〜0.120g/cm3であることが好ましく、さらに好ましくは0.045〜0.100g/cm3である。0.030g/cm3未満であると、強度が著しく低下する場合があり、一方0.120g/cm3を超えると、十分な衝撃吸収性が得られない場合や微小なクリアランス追従できない場合がある。
【0074】
本発明の樹脂発泡体では、シール性、防塵性、防水性の点から、気泡構造は、独立気泡構造又は半連続半独立気泡構造(独立気泡構造と半連続半独立気泡構造とが混在している気泡構造であり、その割合は特に制限されない)が好ましい。特に、樹脂発泡体中に独立気泡構造部が80%以上(中でも90%以上)となっている気泡構造が好適である。
【0075】
樹脂発泡体の難燃性は、樹脂を選択すること、コーティングされる難燃剤の種類を選択すること、ポリシロキサンの構造を選択すること、難燃成分の量を調整することなどにより、制御することができる。
【0076】
本発明の樹脂発泡体において、樹脂発泡体の50%圧縮時の対反発荷重、密度、発泡倍率、及び気泡構造は、樹脂の種類、発泡剤の種類、難燃成分やその他の添加剤の種類等に応じて、発泡成形する際の条件、例えば、ガス含浸工程における温度、圧力、時間などの操作条件、減圧工程における減圧速度、温度、圧力などの操作条件、減圧後の加熱温度などを適宜選択、設定することにより調整することができる。
【0077】
このように、本発明の樹脂発泡体は、柔軟性及び難燃性を兼ね備え、高発泡且つ軽量である。また、微小なクリアランスに対して追従できる。このため、シール材、緩衝シール材、衝撃吸収材、防塵材、防音材、防水材として好適に用いることができる。
【0078】
本発明の樹脂発泡体は、前記特性を有し、高密度化された部品間の微小なクリアランスを埋めることが可能であることから、各種部材又は部品、電子部品、電子機器等に用いることができ、特に小型化、薄型化のものに有用である。例えば、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、プラズマディスプレイ等の液晶表示装置、携帯電話、携帯情報端末等の移動体通信の装置に好適に用いることができる。
【0079】
(難燃性発泡部材)
難燃性発泡部材は、少なくとも前記樹脂発泡体から構成されている。具体的には、難燃性発泡部材は、樹脂発泡体のみからなる構成であってもよいし、樹脂発泡体の片面又は両面に、他の層や基材(特に粘着層など)が設けられている構成であってもよい。
【0080】
難燃性発泡部材は、樹脂発泡体の片面又は両面に粘着層が設けられている構成を有していると、光学部材等の部材又は部品を被着体へ固定ないし仮止めすることができる。
【0081】
前記粘着層を形成する粘着剤としては、特に制限されず、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤(天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤など)、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、エポキシ系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、フッ素系粘着剤などの公知の粘着剤を適宜選択して用いることができる。粘着剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。なお、粘着剤は、エマルジョン系粘着剤、ホットメルト型粘着剤、溶剤系粘着剤、オリゴマー系粘着剤、固系粘着剤などのいずれの形態の粘着剤であってもよい。中でも、粘着剤としては、被着体への汚染防止などの観点から、アクリル系粘着剤が好適である。
【0082】
粘着層は、公知乃至慣用の形成方法を利用して形成することができ、例えば、所定の部位又は面上に粘着剤を塗布する方法(塗布方法)、剥離ライナーなどの剥離フィルム上に、粘着剤を塗布して粘着層を形成した後、該粘着層を、所定の部位又は面上に転写する方法(転写方法)などが挙げられる。なお、粘着層の形成に際しては、公知乃至慣用の塗布方法(流延方法、ロールコーター方法、リバースコータ方法、ドクターブレード方法など)を適宜利用することができる。
【0083】
粘着層の厚みとしては、通常、2〜100μm(好ましくは10〜100μm)程度である。粘着層は、薄層であるほど、端部のゴミや埃の付着を防止する効果が高いため、厚みは薄い方が好ましい。なお、粘着層は、単層、積層体のいずれの形態を有していてもよい。
【0084】
また、粘着層は、他の層(下層)を介して、発泡体上に形成されていてもよい。このような下層としては、例えば、基材層(特に、フィルム層)や、他の粘着層の他、中間層、下塗り層などが挙げられる。
【0085】
さらにまた、粘着層が発泡体の一方の面(片面)にのみ形成されている場合、発泡体の他方の面には、他の層が形成されていてもよく、例えば、他の種類の粘着層や、基材層などが挙げられる。
【0086】
難燃性発泡部材や難燃性発泡部材を構成する樹脂発泡体は、所望の形状や厚みなどを有するように加工が施されていてもよい。例えば、難燃性発泡部材をスライスすることにより、所望の厚さを有する難燃性発泡部材を得ることができる。また、用いられる装置や機器等に合わせて種々の形状に加工が施されていてもよい。
【0087】
難燃性発泡部材は、例えば、シール材、緩衝シール材、衝撃吸収材、防塵材、防音材、防水材として好適に用いることができる。
【0088】
難燃性発泡部材は、特に電子機器等の内部に好適に利用される。これは、難燃性発泡部材を構成する樹脂発泡体は、柔軟性に優れており、さらに製造時の発泡剤として通常二酸化炭素等の不活性ガスが用いられているので、有害物質の発生や汚染物質の残存がなくクリーンであることによる。
【0089】
難燃性発泡部材は、例えば、各種部材又は部品(例えば、光学部材など)を、所定の部位に取り付ける(装着する)際に用いられる。特に、小型の部材又は部品(例えば、小型の光学部材など)を、薄型化の製品に装着する際であっても好適に用いられる。
【0090】
難燃性発泡部材を利用して取付(装着)される光学部材としては、例えば、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、プラズマディスプレイ等の画像表示装置に装着される画像表示部材(特に、小型の画像表示部材)や、いわゆる「携帯電話」や「携帯情報端末」等の移動体通信の装置に装着されるカメラやレンズ(特に、小型のカメラやレンズ)などが挙げられる。
【0091】
また、その他、難燃性発泡部材を利用して取付(装着)される部材としては、バッテリー、HDD(ハードディスクドライブ)などが挙げられる。
【実施例】
【0092】
以下に実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
【0093】
(実施例1)
ポリプロピレン[メルトフローレート(MFR):0.35g/10min]:45重量部、ポリオレフィン系エラストマー[メルトフローレート(MFR):6g/10min、JIS A硬度:79°]:55重量部、ポリシロキサンコーティング処理された水酸化マグネシウム(商品名「FRX−100」信越化学工業社製、平均粒径:1.0μm、コーティング量:6.0重量%):60重量部、カーボン(商品名「旭♯35」旭カーボン株式会社製):10重量部、ステアリン酸モノグリセリド:1重量部、及び脂肪酸ビスアミド(ラウリン酸ビスアミド):1重量部を、日本製鋼所(JSW)社製の二軸混練機にて、200℃の温度で混練した後、ストランド状に押出し、水冷後ペレット状に成形した。このペレットを、日本製鋼所社製の単軸押出機に投入し、220℃の雰囲気下、13(注入後12)MPaの圧力で、二酸化炭素ガスを注入した。二酸化炭素ガスは、ポリマー全量に対して6.0重量%の割合で注入した。二酸化炭素ガスを十分飽和させた後、発泡に適した温度まで冷却後、ダイから押出して、発泡体を得た。
【0094】
(実施例2)
ポリプロピレン[メルトフローレート(MFR):0.35g/10min]:45重量部、ポリオレフィン系エラストマー[メルトフローレート(MFR):6g/10min、JIS A硬度:79°]:55重量部、ポリシロキサンコーティング処理された水酸化マグネシウム(商品名「FRX−100」信越化学工業社製、平均粒径:1.0μm、コーティング量:6.0重量%):90重量部、カーボン(商品名「旭♯35」旭カーボン株式会社製):10重量部、ステアリン酸モノグリセリド:1重量部、及び脂肪酸ビスアミド(ラウリン酸ビスアミド):1重量部を、日本製鋼所(JSW)社製の二軸混練機にて、200℃の温度で混練した後、ストランド状に押出し、水冷後ペレット状に成形した。このペレットを、日本製鋼所社製の単軸押出機に投入し、220℃の雰囲気下、13(注入後12)MPaの圧力で、二酸化炭素ガスを注入した。二酸化炭素ガスは、ポリマー全量に対して6.0重量%の割合で注入した。二酸化炭素ガスを十分飽和させた後、発泡に適した温度まで冷却後、ダイから押出して、発泡体を得た。
【0095】
(実施例3)
ポリプロピレン[メルトフローレート(MFR):0.35g/10min]:45重量部、ポリオレフィン系エラストマー[メルトフローレート(MFR):6g/10min、JIS A硬度:79°]:55重量部、ポリシロキサンコーティング処理された水酸化マグネシウム(商品名「FRX−100」信越化学工業社製、平均粒径:1.0μm、コーティング量:6.0重量%):120重量部、カーボン(商品名「旭♯35」旭カーボン株式会社製):10重量部、ステアリン酸モノグリセリド:1重量部、及び脂肪酸ビスアミド(ラウリン酸ビスアミド):1重量部を、日本製鋼所(JSW)社製の二軸混練機にて、200℃の温度で混練した後、ストランド状に押出し、水冷後ペレット状に成形した。このペレットを、日本製鋼所社製の単軸押出機に投入し、220℃の雰囲気下、13(注入後12)MPaの圧力で、二酸化炭素ガスを注入した。二酸化炭素ガスは、ポリマー全量に対して6.0重量%の割合で注入した。二酸化炭素ガスを十分飽和させた後、発泡に適した温度まで冷却後、ダイから押出して、発泡体を得た。
【0096】
(実施例4)
ポリプロピレン[メルトフローレート(MFR):0.35g/10min]:50重量部、ポリオレフィン系エラストマー[メルトフローレート(MFR):6g/10min、JIS A硬度:79°]:50重量部、ポリシロキサンコーティング処理された水酸化マグネシウム(商品名「FRX−100」信越化学工業社製、平均粒径:1.0μm、コーティング量:6.0重量%):120重量部、カーボン(商品名「旭♯35」旭カーボン株式会社製):10重量部、ステアリン酸モノグリセリド:1重量部、及び脂肪酸ビスアミド(ラウリン酸ビスアミド):1重量部を、日本製鋼所(JSW)社製の二軸混練機にて、200℃の温度で混練した後、ストランド状に押出し、水冷後ペレット状に成形した。このペレットを、日本製鋼所社製の単軸押出機に投入し、220℃の雰囲気下、13(注入後12)MPaの圧力で、二酸化炭素ガスを注入した。二酸化炭素ガスは、ポリマー全量に対して6.0重量%の割合で注入した。二酸化炭素ガスを十分飽和させた後、発泡に適した温度まで冷却後、ダイから押出して、発泡体を得た。
【0097】
(実施例5)
ポリプロピレン[メルトフローレート(MFR):0.35g/10min]:50重量部、ポリオレフィン系エラストマー[メルトフローレート(MFR):6g/10min、JIS A硬度:79°]:50重量部、ポリシロキサンコーティング処理された水酸化マグネシウム(商品名「FRX−100」信越化学工業社製、平均粒径:1.0μm、コーティング量:6.0重量%):75重量部、カーボン(商品名「旭♯35」旭カーボン株式会社製):10重量部、ステアリン酸モノグリセリド:1重量部、及び脂肪酸ビスアミド(ラウリン酸ビスアミド):1重量部を、日本製鋼所(JSW)社製の二軸混練機にて、200℃の温度で混練した後、ストランド状に押出し、水冷後ペレット状に成形した。このペレットを、日本製鋼所社製の単軸押出機に投入し、220℃の雰囲気下、13(注入後12)MPaの圧力で、二酸化炭素ガスを注入した。二酸化炭素ガスは、ポリマー全量に対して6.0重量%の割合で注入した。二酸化炭素ガスを十分飽和させた後、発泡に適した温度まで冷却後、ダイから押出して、発泡体を得た。
【0098】
(実施例6)
ポリプロピレン[メルトフローレート(MFR):0.35g/10min]:65重量部、ポリオレフィン系エラストマー[メルトフローレート(MFR):6g/10min、JIS A硬度:79°]:35重量部、ポリシロキサンコーティング処理された水酸化マグネシウム(商品名「FRX−100」信越化学工業社製、平均粒径:1.0μm、コーティング量:6.0重量%):75重量部、カーボン(商品名「旭♯35」旭カーボン株式会社製):10重量部、ステアリン酸モノグリセリド:1重量部、及び脂肪酸ビスアミド(ラウリン酸ビスアミド):1重量部を、日本製鋼所(JSW)社製の二軸混練機にて、200℃の温度で混練した後、ストランド状に押出し、水冷後ペレット状に成形した。このペレットを、日本製鋼所社製の単軸押出機に投入し、220℃の雰囲気下、13(注入後12)MPaの圧力で、二酸化炭素ガスを注入した。二酸化炭素ガスは、ポリマー全量に対して6.0重量%の割合で注入した。二酸化炭素ガスを十分飽和させた後、発泡に適した温度まで冷却後、ダイから押出して、発泡体を得た。
【0099】
(比較例1)
ポリプロピレン[メルトフローレート(MFR):0.35g/10min]:45重量部、ポリオレフィン系エラストマー[メルトフローレート(MFR):6g/10min、JIS A硬度:79°]:55重量部、シランカップリング剤処理された水酸化マグネシウム(商品名「キスマ5A」協和化学工業社製、平均粒径0.8μm):10重量部、カーボン(商品名「旭♯35」旭カーボン株式会社製):10重量部、ステアリン酸モノグリセリド:1重量部、及び脂肪酸ビスアミド(ラウリン酸ビスアミド):1重量部を、日本製鋼所(JSW)社製の二軸混練機にて、200℃の温度で混練した後、ストランド状に押出し、水冷後ペレット状に成形した。このペレットを、日本製鋼所社製の単軸押出機に投入し、220℃の雰囲気下、13(注入後12)MPaの圧力で、二酸化炭素ガスを注入した。二酸化炭素ガスは、ポリマー全量に対して6.0重量%の割合で注入した。二酸化炭素ガスを十分飽和させた後、発泡に適した温度まで冷却後、ダイから押出して、発泡体を得た。
【0100】
(比較例2)
ポリプロピレン[メルトフローレート(MFR):0.35g/10min]:45重量部、ポリオレフィン系エラストマー[メルトフローレート(MFR):6g/10min、JIS A硬度:79°]:55重量部、シランカップリング剤処理された水酸化マグネシウム(商品名「キスマ5A」協和化学工業社製、平均粒径0.8μm):60重量部、カーボン(商品名「旭♯35」旭カーボン株式会社製):10重量部、ステアリン酸モノグリセリド:1重量部、及び脂肪酸ビスアミド(ラウリン酸ビスアミド):1重量部を、日本製鋼所(JSW)社製の二軸混練機にて、200℃の温度で混練した後、ストランド状に押出し、水冷後ペレット状に成形した。このペレットを、日本製鋼所社製の単軸押出機に投入し、220℃の雰囲気下、13(注入後12)MPaの圧力で、二酸化炭素ガスを注入した。二酸化炭素ガスは、ポリマー全量に対して6.0重量%の割合で注入した。二酸化炭素ガスを十分飽和させた後、発泡に適した温度まで冷却後、ダイから押出して、発泡体を得た。
【0101】
(比較例3)
ポリプロピレン[メルトフローレート(MFR):0.35g/10min]:45重量部、ポリオレフィン系エラストマー[メルトフローレート(MFR):6g/10min、JIS A硬度:79°]:55重量部、シランカップリング剤処理された水酸化マグネシウム(商品名「キスマ5A」協和化学工業社製、平均粒径0.8μm):90重量部、カーボン(商品名「旭♯35」旭カーボン株式会社製):10重量部、ステアリン酸モノグリセリド:1重量部、及び脂肪酸ビスアミド(ラウリン酸ビスアミド):1重量部を、日本製鋼所(JSW)社製の二軸混練機にて、200℃の温度で混練した後、ストランド状に押出し、水冷後ペレット状に成形した。このペレットを、日本製鋼所社製の単軸押出機に投入し、220℃の雰囲気下、13(注入後12)MPaの圧力で、二酸化炭素ガスを注入した。二酸化炭素ガスは、ポリマー全量に対して6.0重量%の割合で注入した。二酸化炭素ガスを十分飽和させた後、発泡に適した温度まで冷却後、ダイから押出して、発泡体を得た。
【0102】
(比較例4)
ポリプロピレン[メルトフローレート(MFR):0.35g/10min]:45重量部、ポリオレフィン系エラストマー[メルトフローレート(MFR):6g/10min、JIS A硬度:79°]:55重量部、シランカップリング剤処理された水酸化マグネシウム(商品名「キスマ5A」協和化学工業社製、平均粒径0.8μm):120重量部、カーボン(商品名「旭♯35」旭カーボン株式会社製):10重量部、ステアリン酸モノグリセリド:1重量部、及び脂肪酸ビスアミド(ラウリン酸ビスアミド):1重量部を、日本製鋼所(JSW)社製の二軸混練機にて、200℃の温度で混練した後、ストランド状に押出し、水冷後ペレット状に成形した。このペレットを、日本製鋼所社製の単軸押出機に投入し、220℃の雰囲気下、13(注入後12)MPaの圧力で、二酸化炭素ガスを注入した。二酸化炭素ガスは、ポリマー全量に対して6.0重量%の割合で注入した。二酸化炭素ガスを十分飽和させた後、発泡に適した温度まで冷却後、ダイから押出して、発泡体を得た。
【0103】
(評価)
実施例及び比較例に係る発泡体について、伸長粘度、発泡倍率、50%圧縮時の圧縮荷重値(50%圧縮荷重値)、及び難燃性を、測定又は評価した。これらの結果を表1に示した。
【0104】
(伸長粘度の測定)
伸長粘度は以下の方法により測定した。
測定装置:ロザンドプレシジョン社製ツインキャピラリーレオメーター「RH7−2型」
ロングダイ:φ1mm、長さ16mm、入射角180°(L/D=16)
ショートダイ:φ1mm、長さ0.25mm、入射角180°(L/D=0.25)
キャピラリーレオメーターのキャピラリー中にペレット状の樹脂を投入し、180℃で10分程度加熱する。溶融した樹脂は、ピストンがある一定速度で押し下げられることによって、下側のキャピラリーを通して樹脂が押し出される。この時の樹脂の圧力をキャピラリーの入り口近くに設置された圧力センサーにより測定する。このようにして測定された圧力を、以下の式により粘度の値として算出した。
0=(PS・LL−PL・LL)/(LL−LS
0:圧力損失[MPa]
L:ロングダイで測定した圧力損失[MPa]
S:ショートダイで測定した圧力損失[MPa]
L:ロングダイの長さ[mm]
S:ショートダイの長さ[mm]
これより、伸長粘度λ[kPa・s]は、以下の式により算出した。
λ=9(n+1)2P0/(32ηγ)
η:せん断速度[1/s]=(100[1/s])
γ:せん断粘度[kpa・s] τ=k・γnより算出され、τはせん断応力[kpa]である。
n:パワーローインデックス
k:定数
【0105】
(密度)
40mm×40mmの打抜き刃型にて発泡体を打抜き、打抜いた試料の寸法を測定する。また、測定端子の直径(φ)20mmである1/100ダイヤルゲージにて厚みを測定する。これらの値から発泡体の体積を算出した。次に、発泡体の重量を最小目盛り0.01g以上の上皿天秤にて測定する。これらの値より発泡体の密度(g/cm3)を算出した。なお、発泡体の密度は、発泡後の密度の意味である。
【0106】
(発泡倍率)
発泡前の密度を上記(密度)と同様の方法により測定し、下記式より求めた。
発泡倍率(倍)=(発泡前の密度)/(発泡後の密度)
発泡前の密度は実施例及び比較例のペレットの密度のことであり、また発泡後の密度は実施例及び比較例の発泡体の密度のことである。
【0107】
(50%圧縮時の圧縮荷重値)
JIS K 6767に記載されている発泡体の圧縮硬さ測定方法に準じて測定した。 発泡体を直径20mmの円形状に切り出して得た試験片を、10mm/minの速度にて、初期厚みの50%まで圧縮を行ったのち20秒後の荷重値(N)を測定し、得た値を単位面積(1cm2)当たりに換算して、50%圧縮時の圧縮荷重値(N/cm2)を求めた。
【0108】
(難燃性の評価)
UL−94規格の水平燃焼試験(試験方法・条件は、JIS K 6400−6に準拠)を実施することにより、難燃性を評価した。試験片(長さ:150±1mm、幅:50±1mm、厚さ:0.3mm及び1.2mm)を水平に保持し、38mm炎を60秒間接炎し、標線間100mmの燃焼速度及び燃焼挙動により判定を行った。
【0109】
【表1】

【0110】
実施例より、難燃成分の含有量を30重量%以上とすれば、より難燃性が発現した。また、実施例1と比較例2とを比較すると、同じ含有量でも難燃性に大きな違いがあることから、ポリシロキサンコーティング難燃剤によって難燃性が向上していることは明らかであった。実施例1〜3と比較例2〜4とを比較すると、難燃成分の含有量が同じであっても、実施例1〜3の発泡倍率の方が大きいことから、ポリシロキサンコーティング難燃剤によって高発泡の樹脂発泡体が得られたことは明らかであった。さらにまた、比較例1及び比較例2のように、シランカップリング剤処理難燃剤の添加量が少ないと、柔軟な発泡体は得られるが、難燃性が発現しなかった。このように、実施例では、ポリシロキサンコーティング難燃剤を使用することで、高発泡で、高い難燃性を有し、かつ優れた柔軟性を有する発泡体を得ることが可能であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂及び難燃成分を含む樹脂発泡体であって、難燃成分がポリシロキサンコーティングされた難燃剤であることを特徴とする樹脂発泡体。
【請求項2】
ポリシロキサンコーティングされた難燃剤がポリシロキサンコーティングされた金属水酸化物であり、該ポリシロキサンコーティングされた金属水酸化物の含有量が樹脂発泡体中で30〜60重量%である請求項1記載の樹脂発泡体。
【請求項3】
50%圧縮時の圧縮荷重値が3.0N/cm2以下であり、UL94規格の難燃性試験で判定されるグレードでHBFグレード以上の難燃性を有する請求項1又は2に記載の樹脂発泡体。
【請求項4】
発泡倍率が、9倍以上である請求項1〜3の何れかの項に記載の樹脂発泡体。
【請求項5】
密度が、0.030〜0.120g/cm3である請求項1〜4の何れかの項に記載の樹脂発泡体。
【請求項6】
樹脂が、熱可塑性樹脂である請求項1〜5の何れかの項に記載の樹脂発泡体。
【請求項7】
独立気泡構造又は半連続半独立気泡構造を有している請求項1〜6の何れかの項に記載の樹脂発泡体。
【請求項8】
樹脂発泡体が、樹脂に高圧の不活性ガスを含浸させた後、減圧する工程を経て形成されている請求項1〜7の何れかの項に記載の樹脂発泡体。
【請求項9】
含浸時の不活性ガスが、二酸化炭素である請求項8記載の樹脂発泡体。
【請求項10】
含浸時の不活性ガスが、超臨界状態である請求項8又は9に記載の樹脂発泡体。
【請求項11】
請求項1〜10の何れかの項に記載の樹脂発泡体から構成されている発泡部材。
【請求項12】
樹脂発泡体の片面側又は両面側に、粘着層を有している請求項11記載の発泡部材。
【請求項13】
粘着層が、フィルム層を介して、樹脂発泡体上に形成されている請求項12記載の発泡部材。
【請求項14】
粘着層が、アクリル系粘着剤層である請求項12又は13に記載の発泡部材。

【公開番号】特開2010−242061(P2010−242061A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−38050(P2010−38050)
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】