説明

電力使用情報提供システム及び電力使用情報提供方法

【課題】部屋毎の電力使用状況を、住宅平面図の各部屋の領域に表示する電力使用情報提供システムを提供する。
【解決手段】住宅10のホームサーバ20又はセンターサーバ60は、複数の分岐ブレーカ32の識別情報とこれらの分岐ブレーカ32を流れた電力量を対応付けた分岐ブレーカ32毎の電力量データを分電盤30から受信し、住宅10の識別情報とこの住宅10の複数の分岐ブレーカ32の識別情報とこれらの分岐ブレーカ32が接続される部屋の識別情報を対応付けたブレーカ・部屋対応情報と、所定階の平面図上の各部屋の領域を座標で特定する部屋座標データを取得する。ブレーカ・部屋対応情報を用いて、分岐ブレーカ32毎の電力量データを、部屋毎の使用電力量を示す情報に変換し、部屋座標データで特定される各部屋の領域に、部屋の使用電力量を示す情報を付して、住宅10の所定階の平面図を画面表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電力使用情報提供システム及び電力使用情報提供方法に係り、特に住宅のディスプレイ画面上で、住宅の部屋毎の電力使用状況を、住宅の平面図上の該当する部屋の領域に表示する電力使用情報提供システム及び電力使用情報提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、住宅の居住者にエネルギー使用量の削減を促すための手段として、電気、ガス等のエネルギー使用量を計測してこの計測値を加工し、住宅に設置されたモニターに計測値を加工した情報を表示するエネルギー使用量管理装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1のエネルギー使用量管理装置は、ホーム分電盤に組み付けられており、ガス・水道メータ、変流器等からデジタル信号、電流情報を入力するインターフェース、入手した電流情報から測定対象の電流値を演算する電流計測処理部、測定データ等を保存する記憶部、各入力データに対して所定の演算を実施すると共にエネルギー使用量管理装置の各部を制御するCPUを備えた演算処理部を備えている。そして、インターフェースに入力された電流情報を基に、電流計測処理部において所定の演算が成され、測定対象電路の電流が演算される。この演算した電流情報と、エネルギー管理装置の電源部に設置された電圧センサの電圧情報を基に、演算処理部において使用電力が演算され、その都度記憶部に保存される。エネルギー使用量管理装置には、インターネット網を介してパーソナルコンピュータが接続され、宅内においてエネルギー使用量管理装置と通信して、使用電力量の折れ線グラフや、所定時間間隔の瞬時電力(使用電力)の棒グラフ等、エネルギー使用量状況を画面上に表示させ、容易に把握できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−298754号公報(段落0011〜0017、図1〜3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1等従来のエネルギー使用量管理装置では、住宅で消費しているエネルギー使用量を数値及び簡易なグラフで表示しているだけであり、また、表示の対象となっている情報の種類も、住宅の主幹部分、即ち住宅の分電盤全体である主幹ブレーカを流れる電流のみが対象となっている。従って、このような限られた範囲の情報の表示のみでは、具体的に住宅内のどの部分でどのように電力消費を抑えればよいかの示唆を与えることができず、住宅の居住者を省エネ生活へ十分誘導できるとはいえない。
更に、エネルギー使用量に関するデータが、住宅内に設置されたエネルギー使用量管理装置で処理、保存されていることから、エネルギー使用量管理装置に格納された各種情報の更新や追加が容易でなく、また、保存できるデータ量にも限界がある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、部屋毎の電力使用状況を居住者が一目で把握できるよう住宅の平面図の画像上に図示する電力使用情報提供システム及び電力使用情報提供方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、分電盤の分岐ブレーカ毎の使用電力量データと分電盤の配線情報を用いて、住宅内の電力使用状況を部屋毎や配線の用途毎等、種々の観点から表示可能な電力使用情報提供システム及び電力使用情報提供方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題は、請求項1に係る電力使用情報提供システムによれば、住宅に設置されたディスプレイ画面上に、前記住宅で使用された電力の使用状況を表示する電力使用情報提供システムであって、前記住宅には、前記ディスプレイと、該ディスプレイに接続されたホームサーバと、複数の分岐ブレーカ及び、該複数の分岐ブレーカ毎に設けられ、前記分岐ブレーカの電路を流れる電力量を測定する電力量検出手段を備えた分電盤と、が設けられ、前記ホームサーバとインターネットで接続され、前記住宅の各階の平面図に描かれた各部屋の領域を座標で特定する部屋座標データを格納する部屋座標テーブルと、前記住宅の識別情報と前記住宅の複数の前記分岐ブレーカの識別情報と前記分岐ブレーカが接続される部屋の識別情報を対応付けたブレーカ・部屋対応情報が登録された回路テーブルと、が格納されたセンターサーバを備え、前記ホームサーバ又は前記センターサーバは、複数の前記分岐ブレーカの識別情報と前記分岐ブレーカの電路を流れた電力量の値を対応付けた前記分岐ブレーカ毎の電力量測定データを前記分電盤から受信する手段と、前記回路テーブルに格納された前記住宅の前記ブレーカ・部屋対応情報を取得する手段と、前記部屋座標テーブルに格納された前記住宅の所定の階の前記部屋座標データを取得する手段と、取得した前記ブレーカ・部屋対応情報を用いて、前記分岐ブレーカ毎の電力量測定データを、前記部屋毎の使用電力量を示す情報に変換する手段と、前記部屋座標データにより特定される各前記部屋の領域に、前記各部屋を、該部屋の前記使用電力量を示す情報を付して描画して、前記住宅の前記所定の階の平面図を前記ディスプレイ画面上に表示する表示手段を備えること、により解決される。
【0008】
また、前記課題は、請求項5に係る電力使用情報提供方法によれば、住宅に設置されたディスプレイ画面上に、前記住宅で使用された電力の使用状況を表示する電力使用情報提供方法であって、前記住宅に設けられたホームサーバ又は該ホームサーバとインターネットで接続されたセンターサーバが、複数の分岐ブレーカの識別情報と前記分岐ブレーカの電路を流れた電力量の値を対応付けた前記分岐ブレーカ毎の電力量測定データを前記住宅に設けられた分電盤から受信する手順と、前記センターサーバに格納され、前記住宅の識別情報と前記住宅の複数の前記分岐ブレーカの識別情報と該分岐ブレーカが接続される部屋の識別情報を対応付けたブレーカ・部屋対応情報が登録された回路テーブルに格納された前記住宅の前記ブレーカ・部屋対応情報を、前記ホームサーバ又は前記センターサーバが取得するブレーカ・部屋対応情報取得手順と、前記センターサーバに格納され、前記住宅の各階の平面図に描かれた各部屋の領域を座標で特定する部屋座標データを格納する部屋座標テーブルに格納された前記住宅の前記所定の階の前記部屋座標データを、前記ホームサーバ又は前記センターサーバが取得する手順と、取得した前記ブレーカ・部屋対応情報を用いて、前記ホームサーバ又は前記センターサーバが、前記分岐ブレーカ毎の電力量測定データを、前記部屋毎の使用電力量を示す情報に変換する手順と、前記ホームサーバ又は前記センターサーバが、前記部屋座標データにより特定される各前記部屋の領域に、前記各部屋を、該部屋の前記使用電力量を示す情報を付して描画して、前記住宅の前記所定の階の平面図を前記ディスプレイ画面上に表示する表示手順を備えること、により解決される。
【0009】
このように、部屋座標データにより特定される各部屋の領域に、各部屋を、該部屋の使用電力量を示す情報を付して描画して、住宅の所定の階の平面図をディスプレイ画面上に表示する表示手段を備えるため、住宅の居住者にとっては、実際に住んでいる自宅の平面図が画面に表示されるので、親しみやすく、表示される電力の使用状況にも興味を持ちやすい電力使用情報提供システムとすることが可能となる。
また、各部屋の領域に、各部屋を部屋の使用電力量を示す情報を付して描画するため、住宅の平面図上に使用電力量を示す情報が表示されることとなり、見た目が分かりやすく一見して電力の使用状況を把握し易い画面を提供できる。
更に、住宅に居住する家族、同居者等の構成員にとっては、部屋毎に、平面図の部屋の各領域に使用電力量を示す情報が表示されるため、画面に表示された平面図上で自分の部屋の領域を見れば、自分が使用した電力についての情報を得ることができ、個々の構成員にとっても分かりやすい画面を提供できる。また、各部屋間の電力使用状況の差異も画面に表示された平面図上で視覚により一見して把握できるので、自分の部屋と他の部屋の間の電力使用状況の比較も容易である。
センターサーバが、住宅の識別情報と該住宅の複数の分岐ブレーカの識別情報と該分岐ブレーカが接続される部屋の識別情報を対応付けたブレーカ・部屋対応情報が登録された回路テーブルを備え、ホームサーバ又はセンターサーバが、複数の分岐ブレーカの識別情報と該分岐ブレーカの電路を流れた電力量の値を対応付けた分岐ブレーカ毎の電力量測定データを分電盤から受信する手段を備えるため、宅内の使用電力を部屋毎に表示することが可能となる。
【0010】
また、前記センターサーバは、前記住宅の前記平面図の画像データを階毎に格納する平面図記憶手段を更に備え、前記ホームサーバ又は前記センターサーバは、前記平面図記憶手段に格納された前記住宅の前記所定の階の前記平面図の画像データを取得する手段を備え、前記表示手段は、前記住宅の前記所定の階の平面図と前記部屋座標データとの座標原点を一致させ、前記所定の階の平面図と、前記部屋座標データにより特定される各前記部屋の領域に前記各部屋の使用電力量を示す情報を表示した画像とを、重ねて表示するように構成してもよい。
このように構成することにより、平面図の画像上に、部屋座標データにより再現される各部屋の画像と、各部屋の使用電力量を示す情報が表示され、平面図の画像自体も重ねて表示されるため、平面図の画像に含まれる柱や扉の図も表示されることとなり、より分かりやすく居住者にとって親しみやすい画面を提供できる。
【0011】
さらに、前記各部屋の領域に表示される前記各部屋の使用電力量を示す情報は、前記各部屋の使用電力の度合いを表す色彩、色調又は模様であるように構成してもよい。
このように構成しているので、視覚に訴えることにより、各部屋の使用電力の度合いが一見して把握でき、分かりやすい画面を提供できる。
【0012】
また、前記回路テーブルに登録された前記ブレーカ・部屋対応情報は、複数の前記分岐ブレーカの識別情報に更に、該分岐ブレーカが接続される配線の用途を示す情報が対応付けられてなり、前記ホームサーバ又は前記センターサーバは、取得した前記ブレーカ・部屋対応情報を用いて、前記分岐ブレーカ毎の電力量測定データを、所定の前記部屋の前記配線の用途毎の使用電力量を示す情報に変換する手段と、前記所定の部屋の前記配線の用途毎の使用電力量を示す情報をディスプレイ画面上に表示する手段を備えるように構成してもよい。
このように構成しているので、住宅の居住者が部屋の配線の用途毎の電力の使用状況を把握可能な電力使用情報提供システムとすることが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、部屋座標データにより特定される各部屋の領域に、各部屋を、該部屋の使用電力量を示す情報を付して描画して、住宅の前記所定の階の平面図をディスプレイ画面上に表示する表示手段を備えるため、住宅の居住者にとっては、実際に住んでいる自宅の平面図が画面に表示されるので、親しみやすく、表示される電力の使用状況にも興味を持ちやすい電力使用情報提供システムとすることが可能となる。
また、各部屋の領域に、各部屋を部屋の使用電力量を示す情報を付して描画するため、住宅の平面図上に使用電力量を示す情報が表示されることとなり、見た目が分かりやすく一見して電力の使用状況を把握し易い画面を提供できる。
更に、住宅に居住する家族、同居者等の構成員にとっては、部屋毎に、平面図の部屋の各領域に使用電力量を示す情報が表示されるため、画面に表示された平面図上で自分の部屋の領域を見れば、自分が使用した電力についての情報を得ることができ、個々の構成員にとっても分かりやすい画面を提供できる。また、各部屋間の電力使用状況の差異も画面に表示された平面図上で視覚により一見して把握できるので、自分の部屋と他の部屋の間の電力使用状況の比較も容易である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態に係る電力使用情報提供システムの全体構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係るホームサーバのハード構成図である。
【図3】本発明の実施形態に係る部屋座標テーブルである。
【図4】部屋の位置を示す座標の特定方法を示す説明図である。
【図5】本発明の実施形態に係る回路テーブルである。
【図6】本発明の実施形態に係る部屋座標テーブルにデータを登録する処理を示すフローチャートである。
【図7】作業座標原点指定画面を示す説明図である。
【図8】室名設定画面を示す説明図である。
【図9】本発明の実施形態に係る回路テーブルにデータを登録する処理を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施形態に係る電力使用情報提供システムの初期画面である。
【図11】階別電力使用状況画面を表示させるためのフローチャートである。
【図12】階別電力使用状況画面である。
【図13】部屋毎詳細画面である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下に説明する構成等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
【0016】
本実施形態の電力使用情報提供システムは、住宅10に設置された分電盤30の分岐ブレーカ32−1〜32−n毎の使用電力量のデータと、建築メーカー50のセンターサーバ60に格納された住宅の設計・リフォーム時又は配線計画時の平面図、回路データとを組み合わせることにより、住宅10内の使用電力量を分岐ブレーカ毎、部屋毎、分岐ブレーカが接続される配線の使用用途毎等に表示するシステムである。
図1は、本実施形態の電力使用情報提供システムの全体構成図である。本実施形態の電力使用情報提供システムは、住宅10と、建築メーカー50との間で構築され、インターネット1と、住宅10に設けられたホームサーバ20と、ディスプレイ22と、分電盤30と、太陽光発電装置40と、建築メーカー50に設けられたセンターサーバ60と、顧客情報サーバ70と、端末コンピュータ80と、を主要構成要素とする。
【0017】
本実施形態の住宅10は、個人が居住する一戸建て住宅として構成されるが、そのほか、集合住宅、マンション、アパート、団体構成員用の寮等のいずれであってもよい。また、本実施形態では、企業や団体等所有のビル、工場、店舗等の建物や、これらの建物のうち所定の個人又は法人が使用する一部分であってもよい。
住宅10内には、家庭内LANと呼ばれる各部屋を結ぶホームネットワーク21が構築されており、このホームネットワーク21には、図1に示すように、ホームサーバ20と、分電盤30と、太陽光発電装置40と、各種電気機器23が接続されている。なお、電気機器とは、家庭内で使用される機器の総称であり、冷蔵庫や電子レンジ等の家電製品やゲーム機、AV機器のほか、センサーや、照明等の家庭内のあらゆる電気機器を指すものである。
【0018】
ホームサーバ20は、ホームネットワーク21内の情報を管理する装置であって、ホームネットワーク21に接続された分電盤30、太陽光発電装置40、電気機器23等の機器のアドレスを管理すると共に、これらの機器と通信を行い、機器の状態などの情報を取得し、機器の状態を制御する機器管理機能を有する。ホームサーバ20の形態は、サーバコンピュータ、パーソナルコンピュータや、セットトップボックス等の専用装置、または、他の既存の機器に組み込まれるなどの形態にて実現される。
【0019】
ホームサーバ20のハード構成を図2に示す。
ホームサーバ20は、データの演算・制御処理装置としてのCPU201、記憶装置であるRAM202、ROM203、HDD204及び記憶媒体装置205を備えている。
CPU201は、ROM203又はHDD204に記憶されているプログラムにしたがって各種の処理を実行するようになされている。
RAM202には、CPU201が各種の処理を実行する上において必要なデータなどが適宜記憶される。
【0020】
HDD204には、分電盤30に設置された電流センサ33−1〜33−nで測定される各分岐ブレーカ32−1〜32−nの電路の使用電力量のデータ、太陽光発電装置40に設置された発電電力量検知部44、電力会社へ売却する売電電力の電力量を測定する売電電力量計45と電力会社から購入する買電電力の電力量を測定する買電電力量計46で測定される発電電力量、売電電力量、買電電力量のデータ、不図示の電子温度計が示す温度の値を取得するデータ収集プログラムが格納されている。
また、このデータ収集プログラムを用いて取得されたデータであって、その住宅10の所定時間、本実施形態では30分毎の各分岐ブレーカ32−1〜32−nの電路の使用電力量のデータ、その住宅10の所定時間、本実施形態では30分毎の発電電力量、売電電力量、買電電力量のデータをそれぞれ格納する使用電力量データ記憶部、発電・売買電電力量データ記憶部が格納されている。
HDD204には、定期的に分岐ブレーカ32−1〜32−nの使用電力量と太陽光発電機41による発電電力量のデータを取得してセンターサーバ60に送信するプログラムが格納されている。
【0021】
使用電力量データ記憶部には、30分を単位とする各時間帯の各分岐ブレーカ32−1〜32−nの電路の使用電力量のデータが格納されており、項目としては、各分岐ブレーカ32−1〜32−nの識別情報であるアドレス、年月日、30分を単位とする時間帯、その時間帯の各分岐ブレーカ32−1〜32−nの使用電力量を含む。
発電・売買電電力量データ記憶部には、30分を単位とする各時間帯の太陽光発電装置40による発電電力量及び電力会社との間の売買電力量のデータが格納されており、項目としては、年月日、30分を単位とする時間帯、その時間帯の発電電力量、その時間帯の売電電力量、その時間帯の買電電力量を含む。
【0022】
入力装置であるキーボード207とマウス208は、CPU201に所定の指令を入力するとき適宜操作される。
さらに表示装置209、プリンタ210には、所定の書式で表示される情報,画像等が出力表示される。
【0023】
記憶媒体装置205は、外付けハードディスク,光磁気ディスク,CD−R,DVD,メモリスティックなどにより構成され、インターネット1を介して送信されてきたデータを適宜記憶し、またこれを読み出すことができるようになされている。
【0024】
通信装置206は、インターネット1又はイントラネット21に対してデータを送信し、またインターネット1又はイントラネット21を介して供給されたデータを受信するようになされている。通信装置206は、イントラネット21を介してディスプレイ22に表示する画面のデータを送信し、ディスプレイ22で入力されたデータを受信する。
ディスプレイ22は、住宅10内のキッチン、リビングルーム、洗面所等の各所に設置され、ホームサーバ20との間の送受信機能及びタッチパネルを備えたディスプレイである。なお、ホームサーバ20の表示装置209をディスプレイ22として用いてもよい。
【0025】
分電盤30には、主幹ブレーカ31と、複数の分岐ブレーカ32−1〜32−nと、計測された電流値に基づき使用電力量を各分岐ブレーカ32−1〜32−nについて演算するCPU36と、CPU36で演算された使用電力量を記憶する記憶手段37が設置されている。
【0026】
主幹ブレーカ31は、公知の住宅用主幹ブレーカからなり、外部から住宅10に供給される商用電源及び太陽光発電装置40で発電された電源を太陽光発電装置40のインバータ部42を介して一次側に受ける。
分岐ブレーカ32−1〜32−nは、公知の住宅用分岐ブレーカからなり、主幹ブレーカ31の二次側から分岐した電路に介挿されており、住宅10内の電気機器23に動作電源を供給する。
分岐ブレーカ32−1〜32−nはそれぞれ、各分岐ブレーカ32−1〜32−nの電路の電流を計測する電流センサ33−1〜33−nと、各分岐ブレーカ32−1〜32−nにそれぞれ設けられた不図示のアドレス識別物からアドレス情報を読み取るアドレス検出部34−1〜34−nと、電流センサ33−1〜33−nの電流値をアドレス検出部34−1〜34−nで読み取ったアドレス情報と共に記憶手段37に送信する処理部35−1〜35−nが設けられている。
【0027】
電流センサ33−1〜33−nは、公知の電流センサであって、それぞれが各分岐ブレーカ32−1〜32−nの電路の電流を計測する。
アドレス検出部34−1〜34−nは、特開2008−228379号公報等に記載の公知の構成からなり、分岐ブレーカ32−1〜32−nの外壁面に設けられた不図示のアドレス識別物の複数の突起の配列及び高さを検知することにより、アドレスを検出可能に構成されている。なお、ここでいうアドレスは、分電盤30内において各分岐ブレーカ32−1〜32−nを一意に識別可能なアドレスをいう。
不図示のアドレス識別物は、複数の突起を備え、これらの突起はそれぞれ、2種類の高さのうちいずれかの高さとして形成されている。各分岐ブレーカ32−1〜32−nのアドレスは、高い突起と低い突起の配列により特定されている。
アドレス検出部34−1〜34−nは、アドレス識別物の各突起に対応する位置に、複数の押しボタンを備えており、アドレス識別物をアドレス検出部34−1〜34−nに対向させて固定することにより、高い突起に対向する押しボタンが押されて、アドレス識別物の突起の配列を検知可能に構成されている。
【0028】
分岐ブレーカ32−1〜32−nの回路設計を示す回路テーブルを図5に示す。
分岐ブレーカ32−1〜32−nの回路設計は、住宅10の新築時又はリフォーム時等に、施主の希望を聞きながら設計者が行うが、本実施形態の電力使用情報提供システムにおける使用電力量の回路毎、部屋毎、配線の使用用途毎等の表示がし易くなるよう、専用回路でないものは、部屋毎、種類毎を一つの回路にするような回路設計を行ってもよい。
図5において、左端の分岐ブレーカアドレス欄は、アドレス検出部34−1〜34nによって読み取られた各分岐ブレーカ32−1〜32−nのアドレスを示し、階数欄、部屋欄は、各分岐ブレーカ32−1〜32−nに接続される回路の階数及び室名、回路欄は、各分岐ブレーカ32−1〜32−nに接続される回路の用途を示している。
【0029】
記憶手段37には、電流センサ33−1〜33−nの電流計測値と、不図示の電圧センサで計測される電圧計測値から、各分岐ブレーカ32−1〜32−nの電路の使用電力量を演算するプログラムが格納されている。また、電流センサ33−1〜33−nの電流計測値を記憶する電流量記憶部、使用電力量を演算するプログラムを用いて演算された所定時間毎の各分岐ブレーカ32−1〜32−nの電路の使用電力量を一時的に記憶する使用電力量記憶部を備える。
【0030】
CPU36は、電流センサ33−1〜33−nについて計測された電流値と、不図示の電圧センサで計測される電圧計測値を用いて、記憶手段37に格納されたプログラムにより、各分岐ブレーカ32−1〜32−nの電路の使用電力量を演算し、この演算結果を記憶手段37の使用電力量記憶部に格納する。
【0031】
太陽光発電装置40は、太陽光エネルギを電気エネルギに変換する太陽光発電機41と、太陽光発電機41で発生した直流電流を交流電流に変換するインバータ部42と、太陽光発電機41及び各電力会社から供給される商用電力を各分岐ブレーカ32−1〜32−nに供給する開閉部43と、太陽光発電機41で発電された電力量を検知する発電電力量検知部44と、電力会社へ売却する売電電力の電力量を測定する売電電力量計45と、電力会社から購入する買電電力の電力量を測定する買電電力量計46と、太陽光発電機41で発電された電力のうち使用されなかった電力を蓄電する蓄電池47と、CPU48と、発電電力量検知部44、売電電力量計45、買電電力量計46で計測された発電電力量、売電電力量、買電電力量のデータを一時的に記憶する記憶手段49を備える。
記憶手段49は、CPU48の制御信号により、所定時間毎、本実施形態では30分毎に、発電電力量検知部44、売電電力量計45、買電電力量計46で計測された所定時間毎の発電電力量、売電電力量、買電電力量を記憶する。
【0032】
建築メーカー50は、住宅10の設計・建築を行ったメーカーである。なお、建築メーカー50の代わりに、本実施形態の電力使用情報提供システムの運用を行う業者等であって、住宅10の設計・建築を行った者から住宅10の設計図面データと回路データとを譲り受けた者でもよい。また、住宅10の設計を行った設計事務所や個人であってもよい。
建築メーカー50には、図1に示すように、センターサーバ60、顧客情報サーバ70、端末コンピュータ80が設置され、相互にイントラネット51で接続されている。
センターサーバ60は、サーバコンピュータであって、建築メーカー50の本実施形態の電力使用情報提供システムの運用管理を行う部署により、運営管理が行われている。
センターサーバ60のハード構成は、ホームサーバ20と同様であるため、説明を省略する。
【0033】
センターサーバ60のHDDには、各住宅10の各階の各部屋の位置を座標で表現したデータを格納する部屋座標テーブル61、各住宅10の各分岐ブレーカ32−1〜32−nと住宅10内の建物内配線との対応を示す回路テーブル62、平面図の画像データを格納する平面図記憶部63、建物立面図の画像データを格納する立面図記憶部64が格納されている。
【0034】
部屋座標テーブル61は、各住宅10の各階の部屋の位置を座標で表現したデータを格納する。2階建ての一戸建てからなる住宅10の部屋座標テーブル61を、図3に示す。
部屋座標テーブル61には、該当する住宅10の識別番号が付され、部屋毎のデータが含まれている。データの項目には、部屋が位置する階層(地階、1階、2階等の別)、部屋の位置、部屋の番号、部屋の室名が含まれる。部屋の位置は、図3に示すように、X、Y軸の座標で表されている。
【0035】
部屋の位置を示す座標の特定方法について、図4に基づき説明する。
図4は、住宅10の1階平面図である。
図4では、1階平面図に、後述する図6のフローチャートのステップS8で設定される作業座標原点及びX、Y軸が描かれ、各部屋の位置を、X、Y座標で特定するように構成されている。例えば、図4の1階和室は、作業座標原点に最も近い角が座標(3、21)、その座標よりもX軸の正の方向に移動した位置の角が座標(28、21)、その座標よりもY軸の正の方向に移動した位置の角が座標(28、54)、その座標よりもY軸の負の方向に移動した位置の角が座標(3、54)に位置しており、図3の部屋座標テーブル61の位置の項目に、(3、21)(28、21)(28、54)(3、54)が入力されている。
同様に、他の部屋についても、位置の項目に、図4から特定される座標の値が入力される。
【0036】
回路テーブル62は、各分岐ブレーカ32−1〜32−nと住宅10内の建物内配線との対応を示すテーブルであって、図5のように、項目として、各分岐ブレーカ32−1〜32−nのアドレス、そのアドレスに対応する各分岐ブレーカ32−1〜32−nに接続される回路の階数及び室名、建物内配線、そのアドレスに対応する各分岐ブレーカ32−1〜32−nに接続される回路を含む。
また、センターサーバ60の不図示のHDDには、各住宅10のホームサーバ20から受信したデータであって、各住宅10の所定時間、本実施形態では30分毎の各分岐ブレーカ32−1〜32−nの電路の使用電力量のデータ、その住宅10の所定時間、本実施形態では30分毎の発電電力量、売電電力量、買電電力量のデータをそれぞれ格納する使用電力量データ記憶部、発電・売買電電力量データ記憶部が格納されている。
更に、センターサーバ60の不図示のHDDには、各住宅10のホームサーバから受信した分岐ブレーカ32−1〜32−nの使用電力量と太陽光発電機41による発電電力量のデータを、センターサーバ60の部屋座標テーブル61、回路テーブル62に格納されたデータと組み合わせ、住宅10内の使用電力量を表示するWeb画面を作成するプログラムが格納されている。
【0037】
顧客情報サーバ70は、建築メーカー50の顧客及び顧客の建物に関する情報が登録されたサーバコンピュータである。顧客情報サーバ70のハード構成は、ホームサーバ20と同様であるため、説明を省略する。
顧客情報サーバ70の不図示のHDDには、住宅10の居住者のID、パスワードを含む建築メーカー50の顧客に関する情報が登録された顧客情報データベース70aと、顧客の建物に関する情報が登録された建物情報データベース70bと、設計者に各住宅10の部屋座標テーブル71、回路テーブル72のデータを入力させるための部屋座標登録プログラム、回路登録プログラムが格納されている。
建物情報データベース70bには、各住宅10の識別番号、施主である顧客番号、顧客名、住所、建築依頼から設計、建築、引渡しを経て現在までの顧客との間のやり取りの履歴、リフォームや修理等の履歴、図3の部屋座標テーブル61、図5の回路テーブル62と同様の部屋座標テーブル71、回路テーブル72、平面図の画像データを格納する平面図記憶部73、建物立面図の画像データを格納する立面図記憶部74が登録されている。なお、顧客情報サーバ70を備えず、顧客情報サーバ70の機能をセンターサーバ60で行ってもよい。
【0038】
端末コンピュータ80は、建築メーカー50の各担当者が使用するコンピュータである。端末コンピュータ80のハード構成は、ホームサーバ20と同様であるため、説明を省略する。
【0039】
次に、本実施形態の電力使用情報提供システムで行われる業務処理及び各プログラムにより実行される処理について説明する。
施主より住宅10建築の依頼を受けると、建築メーカー50の設計者は、施主の意向を聞きながら、CADを用いて住宅10の設計を行う。設計者は、住宅10の建物図面をCADで作成した後、端末コンピュータ80から顧客情報サーバ70にアクセスして、不図示のアイコンをクリックし、部屋座標登録プログラムを立ち上げる。
端末コンピュータ80から不図示のアイコンがクリックされると図6のフローチャートの処理がスタートする。図6の処理は、顧客情報サーバ70の不図示のCPUにより制御される。なお、顧客情報サーバ70を備えない場合は、センターサーバ60で制御してもよい。
【0040】
ステップS1で、不図示のCAD平面図入力画面を表示する。この画面は、設計者が既にCADを用いて作成した住宅10の平面図を登録するための画面であって、住宅10をイントラネット51で一意に識別可能な住宅識別番号を入力する欄、住宅10の全階数を入力する欄、平面図の該当階を入力する欄、CADで作成された住宅10の平面図のファイルを表示する欄、次の処理ステップに進むためのOKボタンを備える。
次いで、ステップS2で、不図示のCAD平面図入力画面で、OKボタンがクリックされたか判定する。
OKボタンがクリックされない場合(ステップS2:NO)、再びステップS2で、不図示のCAD平面図入力画面で、OKボタンがクリックされたか判定する。即ち、OKボタンがクリックされるまで、ステップS2を繰り返す。
【0041】
OKボタンがクリックされた場合(ステップS2:YES)、ステップS3で、不図示のCAD平面図入力画面で、住宅10の住宅識別番号、地上・地下の階数、平面図を登録しようとする階の階数を含む必要事項が入力され、平面図が表示されたか判定する。
必要事項及び平面図のうちいずれかが入力又は表示されない場合(ステップS3:NO)、ステップS4で、「必要事項及び平面図を入力して下さい」とのエラーメッセージを表示し、ステップS2で、不図示のCAD平面図入力画面で、OKボタンがクリックされたか判定する。即ち、不図示のCAD平面図入力画面で、必要事項及び平面図のすべてが入力又は表示されるまで、ステップS2〜S4を繰り返す。
【0042】
必要事項及び平面図のすべてが入力又は表示された場合(ステップS3:YES)、ステップS5で、図7の作業座標原点指定画面90を表示する。作業座標原点指定画面90は、住宅10の識別番号入力欄91、地上階数入力欄92、地下階数入力欄93、平面図を登録しようとする階の階数入力欄94、登録しようとする階の平面図表示欄95、原点設定欄96を含む。これらの欄のうち、原点設定欄96以外の欄は、すべてステップS3までで入力が完了している。
原点設定欄96は、平面図表示欄95に表示された平面図の尺度を設定する尺度設定欄96a、平面図表示欄95に表示された平面図の作業座標原点を設定する原点入力欄96b、原点設定欄96に入力した設定を保存するOKボタン96cを含む。
【0043】
次いで、ステップS6で、OKボタン96cがクリックされたか判断する。
OKボタン96cがクリックされない場合(ステップS6:NO)、ステップS6で、OKボタン96cがクリックされたか判断する。つまり、OKボタン96cがクリックされるまで、ステップS6を繰り返す。
OKボタン96cがクリックされた場合(ステップS6:YES)、ステップS7で、平面図表示欄95上の一点がクリックされると共に原点入力欄96bに(0,0)の数値が入力され、尺度設定欄96aに入力されることにより、原点が指定されたか判定する。
【0044】
平面図表示欄95上の一点がクリックされていない、原点入力欄96bに(0,0)の数値が入力されていない、又は尺度設定欄96aに入力されておらず、原点が指定されていない場合(ステップS7:NO)、ステップS6で、OKボタン96cがクリックされたか判断する。つまり、原点が指定されてOKボタン96cがクリックされるまで、ステップS6及びS7を繰り返す。
平面図表示欄95上の一点がクリックされ、かつ原点入力欄96bに(0,0)の数値が入力され、尺度設定欄96aに入力されることにより、原点が指定された場合(ステップS7:YES)、ステップS8で、クリックされた点を原点とし、尺度設定欄96aに入力された尺度とし、平面図表示欄95の横方向をX軸、縦方向をY軸とすることにより、平面図表示欄95の原点及びX、Y軸の設定を行う。
【0045】
次いで、ステップS9で、平面図表示欄95に表示された平面図を読込み、各部屋の位置を座標により特定し、特定した各部屋に通し番号を付して、部屋座標テーブル71に登録する。
このステップでは、顧客情報サーバ70の建物情報データベース70bの部屋座標テーブル71に、処理中の住宅10の識別番号と、処理中の階数と、各部屋の位置の座標値と、これらの座標値で特定される各部屋に付した通し番号である室番号とを対応付けて、部屋毎のデータとして追加する。
【0046】
次いで、ステップS10で、図8の室名設定画面97を表示する。図8の室名設定画面97は、図7の作業座標原点指定画面90と同様の住宅10の識別番号入力欄91、地上階数入力欄92、地下階数入力欄93、平面図を登録しようとする階の階数入力欄94のほか、登録しようとする階の平面図の各部屋の領域に部屋の通し番号が付された室番号表示欄98と、各部屋の室番号に対応する室名を入力するための室名設定画面99と、を備える。
室名設定画面99は、各部屋の通し番号を表示する室番号表示欄99a、室番号に対応する室名を入力する室名入力欄99bと、入力完了時にクリックするOKボタン99cを備える。
【0047】
次いで、ステップS11で、OKボタン99cがクリックされたか判定する。
OKボタン99cがクリックされていない場合(ステップS11:NO)、ステップS11で再度OKボタン99cがクリックされたか判定する。つまり、OKボタン99cがクリックされるまで、ステップS11を繰り返す。
OKボタン99cがクリックされた場合(ステップS11:YES)、ステップS12で、室名設定画面99に入力漏れがないか判定する。
室名設定画面99に入力漏れがある場合(ステップS12:NO)、ステップS13で、「入力漏れがあります。すべての室名を入力して下さい。」とのエラー表示をし、ステップS11で、OKボタン99cがクリックされたか判定する。つまり、室名設定画面99のすべての入力欄に入力されるまで、ステップS11〜S13を繰り返す。
室名設定画面99に入力漏れがない場合(ステップS12:YES)、ステップS14で、室名入力欄99bに入力されたすべての室名を、対応する室番号に紐付けして、顧客情報サーバ70の建物情報データベース70bの部屋座標テーブル71に登録する。また、図7の平面図表示欄95に表示された該当する階の平面図を、住宅識別番号及び階数をファイル名として、顧客情報サーバ70の平面図記憶部73に登録する。このステップにより、処理中の住宅10の処理中の階については、図3に示すすべてのデータの登録が完了する。
【0048】
次いで、ステップS15で、処理中の住宅10に、部屋座標テーブル71のデータ登録が済んでいない未登録階があるか判定する。
このステップでは、顧客情報サーバ70の建物情報データベース70bの部屋座標テーブル71を、処理中の住宅10の識別番号をキーとして検索して、すべての登録済みの処理中の住宅10のデータを取得する。これらのデータの階数欄と、図8の地上階数入力欄92、地下階数入力欄93に入力された全階数を比較し、図8の地上階数入力欄92、地下階数入力欄93に入力された全階数について、データが登録されているかを判定する。
【0049】
処理中の住宅10に、部屋座標テーブル71のデータ登録が済んでいない未登録階がある場合(ステップS15:YES)、ステップS1に戻り、不図示のCAD平面図入力画面を表示する。つまり、処理中の住宅10のすべての階について部屋座標テーブル71の登録が完了するまで、ステップS1〜S15を繰り返す。
処理中の住宅10に、部屋座標テーブル71のデータ登録が済んでいない未登録階がない場合(ステップS15:NO)、処理中の住宅10のすべての階について部屋座標テーブル71の登録が完了したとして、図6のフローチャートの処理を終了する。
以上で、建築メーカー50の設計者による部屋座標テーブル71の登録処理が完了する。
【0050】
その後、設計者は、施主の意向を聞きながら、住宅10内の電気回路設計を行う。設計者は、端末コンピュータ80から顧客情報サーバ70にアクセスして、不図示のアイコンをクリックし、回路登録プログラムを立ち上げる。
端末コンピュータ80から不図示のアイコンがクリックされると図9のフローチャートの処理がスタートする。図9の処理は、顧客情報サーバ70の不図示のCPUにより制御される。なお、顧客情報サーバ70を備えない場合は、センターサーバ60で制御してもよい。
ステップS21で、不図示の回路入力画面を表示する。この画面は、設計者が住宅10の電気回路を登録するための画面であって、住宅10をイントラネット51で一意に識別可能な住宅識別番号を入力する欄、分岐ブレーカ32−1〜32−nのアドレスと、これらの分岐ブレーカ32−1〜32−nにそれぞれ接続される電気回路との対応を登録するためのテーブル登録欄、入力内容を確定するOKボタン、入力作業を中止するキャンセルボタンを備えている。
テーブル登録欄は、分岐ブレーカ32−1〜32−nのアドレスを入力する分岐ブレーカアドレス欄、その分岐ブレーカが接続される階数を入力する階数欄、その分岐ブレーカが接続される室名を入力する室名欄、その分岐ブレーカが接続される回路(用途)欄を備えた表形式になっている。
【0051】
次いでステップS22で、不図示の回路入力画面でOKボタンがクリックされたか判定する。
OKボタンがクリックされない場合(ステップS22:NO)、ステップS23で、キャンセルボタンがクリックされたか判定する。
キャンセルボタンがクリックされない場合(ステップS23:NO)、ステップS22で、不図示の回路入力画面でOKボタンがクリックされたか判定する。即ち、OKボタンもキャンセルボタンもクリックされない場合、設計者が入力中であるとして、ステップS22とS23を繰り返す。
キャンセルボタンがクリックされた場合(ステップS23:YES)、設計者は入力の中止を望んでいるとして、図9の処理を終了する。
【0052】
ステップS22で、OKボタンがクリックされた場合(ステップS22:YES)、ステップS24で、不図示の回路入力画面に入力漏れがないか判定する。
入力漏れがあった場合(ステップS24:NO)、ステップS22で、不図示の回路入力画面でOKボタンがクリックされたか判定する。即ち、入力漏れがなくなるまで、ステップS22〜S24を繰り返す。
入力漏れがない場合(ステップS24:YES)、ステップS25で、入力された住宅10の識別番号をキーとして顧客情報サーバ70の建物情報データベース70bの部屋座標テーブル71を検索し、部屋座標テーブル71から処理中の住宅10のデータを取得する。
次いで、ステップS26で、不図示の回路入力画面の階数欄、室名欄に入力された階数と室名との組み合わせが、すべて、部屋座標テーブル71から取得した処理中の住宅10のデータに含まれているかを確認することにより、室名が一致するかを判定する。
【0053】
室名が一致しない場合(ステップS26:NO)、ステップS27で、「入力された室名が、識別番号XXの住宅にありません。室名を確認して再入力してください。」というエラー画面を表示し、ステップS22で不図示の回路入力画面でOKボタンがクリックされたか判定する。
室名が一致した場合(ステップS26:YES)、ステップS28で、入力された分岐ブレーカ32−1〜32nのアドレス、その分岐ブレーカが接続される階数、室名、回路(用途)と、この住宅10の識別番号を、分岐ブレーカ32−1〜32−n毎のデータとして、顧客情報サーバ70の建物情報データベース70bの回路テーブル72に登録し、図9の処理を終了する。
【0054】
以上のように、住宅10の各部屋を座標で表したデータを格納する部屋座標テーブル71、住宅10の分岐ブレーカ32−1〜32−nと電気回路との対応を表すデータを格納する回路テーブル72、平面図の画像データを格納する平面図記憶部73、建物立面図の画像データを格納する立面図記憶部74は、顧客情報サーバ70に登録されるが、これらのテーブルは、センターサーバ60にも、部屋座標テーブル61、回路テーブル62、平面図記憶部63、立面図記憶部64として格納されている。センターサーバ60は、定期的、例えば毎日午前0時に顧客情報サーバ70の部屋座標テーブル71、回路テーブル72、平面図記憶部73、立面図記憶部74をコピーし、部屋座標テーブル61、回路テーブル62、平面図記憶部63、立面図記憶部64に上書きしてアップデートする処理を行う。
【0055】
住宅10の建築が完了した後、居住者となる施主への引き渡しの際に、建築メーカー50は居住者に本実施形態の電力使用情報提供システムの画面を表示するためのID、パスワードを渡し、住宅10のディスプレイ22よりホームサーバ20を介して本実施形態の電力使用情報提供システムを利用可能にする。このID、パスワードは、顧客情報サーバ70の顧客情報データベース70aに登録されている。
居住者は、住宅10に入居すると、分電盤30の主幹ブレーカ31、分岐ブレーカ32−1〜32−n、太陽光発電装置40等をオンにすると共に、ホームサーバ20の電源を入れ、インターネット1に接続をし、ホームサーバ20を常時インターネット1に接続し、電源を入れた状態にする。
【0056】
これにより、ホームサーバ20は、所定時間毎、本実施形態では30分毎に分電盤30の記憶手段37の使用電力量記憶部にアクセスし、その住宅10の所定時間毎の各分岐ブレーカ32−1〜32−nの電路の使用電力量のデータを取得して、HDD204の使用電力量データ記憶部に登録すると共に、このデータをセンターサーバ60に送信する。
また、ホームサーバ20は、所定時間毎、本実施形態では30分毎に太陽光発電装置40の記憶手段49にアクセスし、その住宅10の所定時間毎の発電電力量、売電電力量、買電電力量のデータを取得して、HDD204の発電・売買電電力量データ記憶部に登録すると共に、このデータをセンターサーバ60に送信する。
【0057】
住宅10の居住者が、本実施形態の電力使用情報提供システムを利用する動作について説明する。本実施形態では、以下の電力使用情報提供システムの処理は、センターサーバ60で制御される。これにより、ホームサーバ20は、電力使用情報提供システムの処理を行う必要がなくなり、個人の住宅10に設置されることの多いホームサーバ20の処理の負荷が軽くなって、メンテナンス等が容易になる。その結果、建築メーカー50側からのホームサーバ20に関する住宅10の居住者へのメンテナンスや支援サービスの必要性を減らすことが可能となる。なお、電力使用情報提供システムの処理を、ホームサーバ20で制御するように構成してもよい。
居住者が、ディスプレイ22より、不図示の電力使用情報提供システムのアイコンをクリックすると、センターサーバ60は、ディスプレイ22画面上に、不図示のID及びパスワード入力画面を表示する。居住者により、正しいID及びパスワードが入力されると、ディスプレイ22は、住宅10の識別番号と、居住者により入力されたID及びパスワードをセンターサーバ60に送信する。センターサーバ60は、ID及びパスワードを受信すると、ディスプレイ22に図10の初期画面100を表示するための処理を行う。
【0058】
この処理ではまず、センターサーバ60は、ホームサーバ20のアドレスをキーとして、顧客情報データベース70aを検索し、該当する顧客のデータがあった場合には、該当する住宅10の識別番号をキーとして立面図記憶部64を検索して、この住宅10の立面図を取得する。
【0059】
次いで、その日の午前0時からその時点までにおける、全使用電力量に対する発電電力量の比率を示す発電電力量率、発電電力量のうちから消費した電力量の全使用電力量に対する比率を示す消費発電電力量率、全使用電力量に対する売電電力量の比率を示す売電電力量率、全使用電力量に対する蓄電電力量の比率を示す蓄電電力量率を計算する処理を行う。
この処理ではまず、センターサーバ60の不図示のHDDの使用電力量データ記憶部、発電・売買電電力量データ記憶部を、その日の年月日で検索し、その日のその時点までの使用電力量、発電電力量、売電電力量、買電電力量の30分毎のデータを抽出し、それぞれ積算することによって、その時点までの積算使用電力量、積算発電電力量、積算売電電力量、積算買電電力量を得る。
なお、ここで、積算使用電力量、積算発電電力量、積算売電電力量、積算買電電力量と、発電電力量のうちから消費した積算消費発電電力量と、発電電力量のうちから蓄電した積算蓄電電力量、蓄電池から消費した消費蓄電電力量の関係は、
積算発電電力量=積算売電電力量+積算蓄電電力量+積算消費電力量
積算使用電力量=積算買電電力量+積算消費電力量+消費蓄電電力量
である。
【0060】
次いで、次の各式より、各電力量率を求める。
発電電力量率=積算発電電力量/積算使用電力量
発電電力量のうちから消費した消費発電電力量率=(積算使用電力量−積算買電電力量−消費蓄電電力量)/積算使用電力量
売電電力量率=積算売電電力量/積算使用電力量
蓄電電力量率={積算発電電力量−(積算使用電力量−積算買電電力量−消費蓄電電力量)−積算売電電力量}/積算使用電力量
また、太陽光発電装置40による電力発電自給率を、消費発電電力量率×100(%)として算出する。
【0061】
センターサーバ60は、ホームサーバ20に、その時点の蓄電池47の電力残容量、外気及びリビング温度のデータ送信要求を送信する。ホームサーバ20は、この送信要求を受信すると、蓄電池47の不図示の残容量検出手段、屋外に設置された不図示の電子温度計、リビングルームに設置された不図示の電子温度計にアクセスして、その時点の蓄電池47の電力残容量のデータ、外気温度のデータ、リビング温度のデータを取得し、センターサーバ60に送信する。また、センターサーバ60の不図示のHDDに格納されたメッセージを適宜取得する。
その後、センターサーバ60は、ディスプレイ22画面上に取得した各データを含む図10の初期画面100を表示する。
【0062】
図10の初期画面100は、住宅10の建物立面図と共に概略情報を表示する宅外表示欄101を備え、画面左側に宅内の部屋別又は種類別電力使用状況等を表示させるための宅内ボタン102、不図示の電力使用状況をグラフ表示するグラフ画面を表示させるためのグラフボタン103、不図示のお知らせ画面を表示させるためのお知らせボタン104、不図示の設定画面を表示させるための設定ボタン105を備えている。
宅外表示欄101には、立面図記憶部64から取得した住宅10の建物立面図を表示する住宅外観表示欄101a、使用電力量中太陽光発電装置40で発電された電力量が占める比率を示す電力発電自給率、外気温度、リビングルームのリビング温度を表示する温度及び自給率表示欄101b、太陽光発電装置40による発電電力量の全使用電力量に対する比率を示す発電電力量率、発電電力量のうちから消費した電力量の全使用電力量に対する比率を示す消費発電電力量率、全使用電力量に対する蓄電電力量の比率を示す蓄電電力量率、蓄電池47の残容量を表示する発電収支表示欄101c、商用電源への売電電力量の全使用電力量に対する比率を示す売電量表示欄101dを備えている。
【0063】
図10の初期画面100で、宅内ボタン102がクリックされると、図11のフローチャートの処理がスタートする。図11の処理は、センターサーバ60のCPUにより制御される。
まずステップS31で、住宅10の識別番号及び当日の日付、当日の日付−1の日付をキーとして、不図示のHDDの使用電力量データ記憶部を検索し、当日及び前日の各分岐ブレーカ32−1〜32−nの電路の30分毎の使用電力量のデータを取得する。
次いで、ステップS32で、住宅10の識別番号をキーとして、不図示のHDDに格納された回路テーブル62を検索し、該当する住宅10の各分岐ブレーカ32−1〜32−nと住宅10内の建物内配線との対応を示すデータを取得する。
【0064】
ステップS33で、当日及び前日の部屋毎の使用電力量を算出する。
このステップでは、30分毎の使用電力量のデータのうち、当日の日付が付されたデータについて、全時間帯のデータを積算し、当日のその時刻までの各分岐ブレーカ32−1〜32−nの積算使用電力量データを得る。
また、30分毎の使用電力量のデータのうち、前日の日付が付されたデータについて、当日のその時刻と同じ時刻以前の全時間帯のデータを積算し、前日の同じ時刻までの各分岐ブレーカ32−1〜32−nの積算使用電力量データを得る。
次いで、回路テーブル62から取得した住宅10の各分岐ブレーカ32−1〜32−nと住宅10内の建物内配線との対応を示すデータのうち、各分岐ブレーカ32−1〜32−nのアドレスの項目と、そのアドレスに対応する各分岐ブレーカ32−1〜32−nに接続される回路の階数の項目、室名の項目を用いて、各分岐ブレーカ32−1〜32−nのアドレスを、そのアドレスの分岐ブレーカ32−1〜32−nに対応する階数及び室名に置換し、階数及び室名が同じ積算使用電力量を足し合わせて、部屋毎の積算使用電力量データを得る。
また、同様の処理を前日の日付が付されたデータについても行い、部屋毎の積算使用電力量データを得る。
【0065】
次に、ステップS34で、各部屋についての(当日の積算使用電力量/前日の積算使用電力量)×100(%)の値を算出する。
ステップS35で、当日の積算使用電力量の各部屋の比率を算出する。このステップでは、全部屋の積算使用電力量の合計値を算出し、各部屋について、その部屋の積算使用電力量/全部屋の積算使用電力量を算出する。
ステップS36で、住宅10の識別番号及び表示しようとしている階の階数をキーとして、不図示のHDDに格納された部屋座標テーブル61及び平面図記憶部63を検索し、該当する住宅10の階の各部屋の位置を示す座標データと平面図とを取得する。
【0066】
次いで、ステップS37で、ステップS31〜S36で取得・算出したデータに基づいてディスプレイ22に図12の階別電力使用状況画面110を表示する。
このステップでは、各部屋についての(当日の積算使用電力量/前日の積算使用電力量)×100(%)の値について、不図示のHDDに格納された不図示の色見本テーブルを参照して、各部屋の値に対応する色を取得する。
該当する住宅10の階の平面図のデータと各部屋の位置を示す座標データとの作業座標原点を合わせ、平面図のデータと重ねて、各部屋の座標データで特定される領域に、各部屋を表示することにより、1階の平面図112を表示する。このとき、各部屋は、部屋座標で特定される領域を不図示の色見本テーブルで参照した色として表示し、更に、色と(当日の積算使用電力量/前日の積算使用電力量)×100(%)の値との対応を示す参照バー112aも表示する。
また1階の平面図112の横には、ステップS35で算出した当日の積算使用電力量の各部屋の比率を公知の方法で円グラフ化し、円グラフ113を表示する。以上で、図11のフローチャートの処理を終了する。
【0067】
図11のフローチャートの処理により表示された図12の階別電力使用状況画面110は、所定の階、図12の例では1階の電力使用状況表示欄111を備え、画面左側に、図10の宅外表示欄101を表示させるための宅外ボタン115、2階の電力使用状況表示欄を表示させるための2階ボタン116、3階の電力使用状況表示欄を表示させるための3階ボタン117、前の画面に戻るための戻るボタン118を備えている。なお、2階ボタン116、3階ボタン117は、住宅10が何階建てかによって変わるものであり、住宅10が備える階数に応じたボタンが表示される。
【0068】
図12の1階の電力使用状況表示欄111には、1階の平面図112と、住宅10内のすべての部屋についての部屋別の電力の使用割合の円グラフ113が表示されている。
1階の平面図112は、各部屋が、前日と比較した電力使用量の比率によって色分けして表示されている。1階の平面図の上部には、各部屋の色と比率との対応を示す色彩と比率との参照バー112aが表示されており、各部屋の色をこの参照バー112aで参照することにより、前日よりもどの程度増減したかが一目で分かるようになっている。
また、1階の平面図112に含まれる各部屋の領域は、公知の方法により、図13の部屋毎詳細画面120を表示させるためのボタンとして構成されており、いずれかの部屋の領域をクリックすると、その部屋の部屋毎詳細画面120が表示されるように構成されている。
【0069】
ディスプレイ22で図12の1階の平面図112に含まれる各部屋の領域のうちいずれかがクリックされると、センターサーバ60は、ステップS33で算出した当日の部屋毎の使用電力量から、クリックされた部屋の値を抽出し、この値を「本日積算値」とする。
ステップS33で算出された当日の部屋毎の積算使用電力量のデータを用いて、公知の方法により、クリックされた部屋の使用電力量が、すべての部屋のうち何番目に多いかを求め、これを「部屋別使用量ランキング」とする。
また、ステップS33の処理中に得た当日のその時刻までの各分岐ブレーカ32−1〜32−nの積算使用電力量データから、クリックされた部屋に接続される分岐ブレーカのデータを抽出し、各分岐ブレーカについて、その分岐ブレーカの積算使用電力量/その部屋に接続される全分岐ブレーカの積算使用電力量の合計を算出する。
更に、ステップS32で回路テーブル62から取得した住宅10の各分岐ブレーカ32−1〜32−nと住宅10内の建物内配線との対応を示すデータを用いて、ステップS31で取得した当日の各分岐ブレーカ32−1〜32−nの電路の30分毎の使用電力量のデータから、クリックされた部屋の室名が付されたデータを抽出し、これらのデータを足し合わせてクリックされた部屋に接続される分岐ブレーカの30分毎の合計使用電力量とする。次いで、奇数番目と偶数番目の単位時間の値を足して、クリックされた部屋の当日の1時間毎の使用電力量を算出する。
【0070】
次いで、算出したこれらの数値を用いて、ディスプレイ22に図13の部屋毎詳細画面120を表示する。
この処理では、クリックされた部屋の名称121、算出した本日積算値122、部屋別使用量ランキング123を表示する。
ステップS36で取得した住宅10の該当階の平面図のデータと、クリックされた部屋の位置を示す座標データの作業座標原点を合わせ、平面図のデータと重ねて、クリックされた部屋の座標データで特定される領域を着色することにより、クリックされた部屋を強調表示した該当階の平面図124を表示する。
【0071】
また、各分岐ブレーカ32−1〜32−nについての、積算使用電力量/その部屋に接続される全分岐ブレーカの積算使用電力量の合計を、公知の方法で円グラフ125として表示する。
当日のクリックされた部屋の1時間毎の使用電力量を公知の方法で棒グラフ126として表示する。棒グラフ126の上には、昨日の1時間毎の使用電力量を棒グラフで表示させるための昨日表示ボタン、当日の1時間毎の使用電力量を棒グラフで表示させるための当日表示ボタン、月間の日毎の毎の使用電力量を棒グラフで表示させるための月間表示ボタン、年間の月毎の使用電力量を棒グラフで表示させるための年間表示ボタンが更に表示されている。
【0072】
また、画面左側には、図10の宅外表示欄101を表示させるための宅外ボタン127、2階の電力使用状況表示欄を表示させるための2階ボタン128、3階の電力使用状況表示欄を表示させるための3階ボタン129、前の画面に戻るための戻るボタン130を備えている。
【符号の説明】
【0073】
1 インターネット
10 住宅
20 ホームサーバ
21 ホームネットワーク
23 電気機器
30 分電盤
31 主幹ブレーカ
32−1〜32−n 分岐ブレーカ
33−1〜33−n 電流センサ
34−1〜34−n アドレス検出部
35−1〜35−n 処理部
36、48、201 CPU
37、49 記憶手段
40 太陽光発電装置
41 太陽光発電機
42 インバータ部
43 開閉部
44 発電電力量検知部
45 売電電力量計
46 買電電力量計
47 蓄電池
50 建築メーカー
51 イントラネット
60 センターサーバ
61、71 部屋座標テーブル
62、72 回路テーブル
63、73 平面図記憶部
64、74 立面図記憶部
70 顧客情報サーバ
70a 顧客情報データベース
70b 建物情報データベース
80 端末コンピュータ
90 作業座標原点指定画面
91 識別番号入力欄
92 地上階数入力欄
93 地下階数入力欄
94 階数入力欄
95 平面図表示欄
96 原点設定欄
96a 尺度設定欄
96b 原点入力欄
96c OKボタン
97 室名設定画面
98 室番号表示欄
99 室名設定画面
99a 室番号表示欄
99b 室名入力欄
99c OKボタン
100 初期画面
101 宅外表示欄
101a 住宅外観表示欄
101b 自給率表示欄
101c 発電収支表示欄
101d 売電量表示欄
102 宅内ボタン
103 グラフボタン
104 お知らせボタン
105 設定ボタン
110 階別電力使用状況画面
111 電力使用状況表示欄
112 1階の平面図
112a 参照バー
113 円グラフ
115、127 宅外ボタン
116、128 2階ボタン
117、129 3階ボタン
118、130 戻るボタン
120 部屋毎詳細画面
121 部屋の名称
122 本日積算値
123 部屋別使用量ランキング
124 平面図
125 円グラフ
126 棒グラフ
126a 昨日表示ボタン
126b 当日表示ボタン
126c 月間表示ボタン
126d 年間表示ボタン
202 RAM
203 ROM
204 HDD
205 記憶媒体装置
206 通信装置
207 キーボード
208 マウス
209 表示装置
210 プリンタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
住宅に設置されたディスプレイ画面上に、前記住宅で使用された電力の使用状況を表示する電力使用情報提供システムであって、
前記住宅には、前記ディスプレイと、該ディスプレイに接続されたホームサーバと、複数の分岐ブレーカ及び、該複数の分岐ブレーカ毎に設けられ、前記分岐ブレーカの電路を流れる電力量を測定する電力量検出手段を備えた分電盤と、が設けられ、
前記ホームサーバとインターネットで接続され、前記住宅の各階の平面図に描かれた各部屋の領域を座標で特定する部屋座標データを格納する部屋座標テーブルと、前記住宅の識別情報と前記住宅の複数の前記分岐ブレーカの識別情報と前記分岐ブレーカが接続される部屋の識別情報を対応付けたブレーカ・部屋対応情報が登録された回路テーブルと、が格納されたセンターサーバを備え、
前記ホームサーバ又は前記センターサーバは、
複数の前記分岐ブレーカの識別情報と前記分岐ブレーカの電路を流れた電力量の値を対応付けた前記分岐ブレーカ毎の電力量測定データを前記分電盤から受信する手段と、
前記回路テーブルに格納された前記住宅の前記ブレーカ・部屋対応情報を取得する手段と、
前記部屋座標テーブルに格納された前記住宅の所定の階の前記部屋座標データを取得する手段と、
取得した前記ブレーカ・部屋対応情報を用いて、前記分岐ブレーカ毎の電力量測定データを、前記部屋毎の使用電力量を示す情報に変換する手段と、
前記部屋座標データにより特定される各前記部屋の領域に、前記各部屋を、該部屋の前記使用電力量を示す情報を付して描画して、前記住宅の前記所定の階の平面図を前記ディスプレイ画面上に表示する表示手段を備えることを特徴とする電力使用情報提供システム。
【請求項2】
前記センターサーバは、前記住宅の前記平面図の画像データを階毎に格納する平面図記憶手段を更に備え、
前記ホームサーバ又は前記センターサーバは、前記平面図記憶手段に格納された前記住宅の前記所定の階の前記平面図の画像データを取得する手段を備え、
前記表示手段は、前記住宅の前記所定の階の平面図と前記部屋座標データとの座標原点を一致させ、前記所定の階の平面図と、前記部屋座標データにより特定される各前記部屋の領域に前記各部屋の使用電力量を示す情報を表示した画像とを、重ねて表示することを特徴とする請求項1に記載の電力使用情報提供システム。
【請求項3】
前記各部屋の領域に表示される前記各部屋の使用電力量を示す情報は、前記各部屋の使用電力の度合いを表す色彩、色調又は模様であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電力使用情報提供システム。
【請求項4】
前記回路テーブルに登録された前記ブレーカ・部屋対応情報は、複数の前記分岐ブレーカの識別情報に更に、該分岐ブレーカが接続される配線の用途を示す情報が対応付けられてなり、
前記ホームサーバ又は前記センターサーバは、取得した前記ブレーカ・部屋対応情報を用いて、前記分岐ブレーカ毎の電力量測定データを、所定の前記部屋の前記配線の用途毎の使用電力量を示す情報に変換する手段と、
前記所定の部屋の前記配線の用途毎の使用電力量を示す情報を前記ディスプレイ画面上に表示する手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の電力使用情報提供システム。
【請求項5】
住宅に設置されたディスプレイ画面上に、前記住宅で使用された電力の使用状況を表示する電力使用情報提供方法であって、
前記住宅に設けられたホームサーバ又は該ホームサーバとインターネットで接続されたセンターサーバが、複数の分岐ブレーカの識別情報と前記分岐ブレーカの電路を流れた電力量の値を対応付けた前記分岐ブレーカ毎の電力量測定データを前記住宅に設けられた分電盤から受信する手順と、
前記センターサーバに格納され、前記住宅の識別情報と前記住宅の複数の前記分岐ブレーカの識別情報と該分岐ブレーカが接続される部屋の識別情報を対応付けたブレーカ・部屋対応情報が登録された回路テーブルに格納された前記住宅の前記ブレーカ・部屋対応情報を、前記ホームサーバ又は前記センターサーバが取得するブレーカ・部屋対応情報取得手順と、
前記センターサーバに格納され、前記住宅の各階の平面図に描かれた各部屋の領域を座標で特定する部屋座標データを格納する部屋座標テーブルに格納された前記住宅の前記所定の階の前記部屋座標データを、前記ホームサーバ又は前記センターサーバが取得する手順と、
取得した前記ブレーカ・部屋対応情報を用いて、前記ホームサーバ又は前記センターサーバが、前記分岐ブレーカ毎の電力量測定データを、前記部屋毎の使用電力量を示す情報に変換する手順と、
前記ホームサーバ又は前記センターサーバが、前記部屋座標データにより特定される各前記部屋の領域に、前記各部屋を、該部屋の前記使用電力量を示す情報を付して描画して、前記住宅の前記所定の階の平面図を前記ディスプレイ画面上に表示する表示手順を備えることを特徴とする電力使用情報提供方法。
【請求項6】
前記表示手順よりも前に、前記センターサーバに格納された前記住宅の平面図の画像データを階毎に格納する平面図記憶手段に格納された前記住宅の前記所定の階の前記平面図の画像データを前記ホームサーバ又は前記センターサーバが取得する手順を更に備え、
前記表示手順では、前記住宅の前記所定の階の平面図と前記部屋座標データとの座標原点を一致させ、前記所定の階の平面図と、前記部屋座標データにより特定される各前記部屋の領域に前記各部屋の使用電力量を示す情報を表示した画像とを、重ねて表示することを特徴とする請求項5に記載の電力使用情報提供方法。
【請求項7】
前記表示手順では、前記部屋座標データにより特定される各前記部屋の領域に、前記各部屋を、該各部屋の使用電力の度合いを表す色彩、色調又は模様を付して表示することを特徴とする請求項5又は6に記載の電力使用情報提供方法。
【請求項8】
前記ブレーカ・部屋対応情報取得手順では、前記回路テーブルに登録された前記ブレーカ・部屋対応情報として、複数の前記分岐ブレーカの識別情報に更に、該分岐ブレーカが接続される配線の用途を示す情報が対応付けられてなる情報を取得し、
前記ホームサーバ又は前記センターサーバは、前記取得する手順の後の任意の時期に、
取得した前記ブレーカ・部屋対応情報を用いて、前記分岐ブレーカ毎の電力量測定データを、所定の前記部屋の前記配線の用途毎の使用電力量を示す情報に変換する手順と、
前記所定の部屋の前記配線の用途毎の使用電力量を示す情報を前記ディスプレイ画面上に表示する手順を備えることを特徴とする請求項5に記載の電力使用情報提供方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−160358(P2011−160358A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−22502(P2010−22502)
【出願日】平成22年2月3日(2010.2.3)
【出願人】(390037154)大和ハウス工業株式会社 (946)
【Fターム(参考)】