説明

電力供給システム、充電制御装置及びバッテリ装置

【課題】使用したい時にエネルギーが使えて、またスケーラブルに構築でき、さらにインフラ初期投資を少なくすることが可能な充電システムを提供すること。
【解決手段】内部に二次電池を備える1以上のバッテリ装置と、電力をバッテリ装置へ非接触送電する充電装置と、充電装置とバッテリ装置との間の非接触送電を制御する充電制御装置と、を備え、バッテリ装置は、底面が略正六角形であって所定の高さを有する六角柱であり、充電装置は、底面が略正六角形であって所定の高さを有する六角柱であり、充電装置にバッテリ装置を積み重ねることで、充電制御装置の制御によって充電装置とバッテリ装置との間の非接触送電を実行する、充電システムが提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力供給システム、充電制御装置及びバッテリ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
既存の電力システムは、発電所で発電された電力を、変電所や電線等からなる電力網を通じてオフィスや家庭に送電するものである。従って、オフィスや家庭への電力の送電は、発電所で発電された電力を送電するための電力網が充実していることが前提となっている。従来の電力供給システムも、そのような充実した電力網が設けられていることを前提として考え出されているものが殆どである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、そのような電力供給システムと、配電インフラが整備されていない国や地域にそのまま適用することは困難であるという問題があった。また、配電経費は、発電所、変電所、配電インフラ等を考えると、発展途上国のような地域であっても劇的に安くなることはなく、その国や地域の経済力では配電が機能するレベルを維持できないので、インフラが不足したり、最悪の場合停電につながったりするという問題があった。
【0004】
そのような地域で各家庭に電力を供給するには、電線を各家庭に張り巡らせるには非常にコストがかかる。また、電力を1日中必要とするとも限らないので、電線を各家庭に張り巡らせたとしてもそれに見合うだけのリターンが得られない可能性が高い。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、使用したい時にエネルギーが使えて、またスケーラブルに構築でき、さらにインフラ初期投資を少なくすることが可能な、新規かつ改良された充電システム、充電制御装置及びバッテリ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、内部に二次電池を備える1以上のバッテリ装置と、電力を前記バッテリ装置へ非接触送電する充電装置と、前記充電装置と前記バッテリ装置との間の非接触送電を制御する充電制御装置と、を備え、前記バッテリ装置は、底面が略正六角形であって所定の高さを有する六角柱であり、前記充電装置は、底面が略正六角形であって所定の高さを有する六角柱であり、前記充電装置に前記バッテリ装置を積み重ねることで、前記充電制御装置の制御によって前記充電装置と前記バッテリ装置との間の非接触送電を実行する、充電システムが提供される。
【0007】
前記バッテリ装置は、平面中央部分に貫通して設けられる孔と、前記孔の周囲に設けられる、前記充電装置に位置を合わせて積み重ねるガイド部と、を備え、前記充電装置は、平面中央部分に貫通して設けられる孔と、前記ガイド部に対応する位置に、前記孔の周囲に上面から突出して設けられる凸部と、を備えていてもよい。
【0008】
前記ガイド部は、前記孔の貫通する方向に所定量揺動し、前記充電装置に前記バッテリ装置を積み重ねた際に前記バッテリ装置の平面から突出するようにしてもよい。
【0009】
前記充電制御装置は、上部が前記バッテリ装置に設けられる前記ガイド部と同じ大きさを有し、下部が前記孔に挿入可能な大きさを有していてもよい。
【0010】
前記バッテリ装置及び前記充電装置の底面は同一の大きさの略正六角形であってもよい。
【0011】
前記バッテリ装置の少なくとも一の側面には、持ち手が形成されていてもよい。
【0012】
上記充電システムは、底面が前記バッテリ装置と同一の形状を有する充電トレイと、前記充電トレイに設置することで充電され、底面が略正六角形であって所定の高さを有する六角柱である小型バッテリ装置と、を更に備えていてもよい。
【0013】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、内部に二次電池を備えるバッテリ装置と、電力を前記バッテリ装置へ非接触送電する充電装置と、前記充電装置と前記バッテリ装置との間の非接触送電を制御する充電制御装置と、を備え、前記バッテリ装置は、底面が略正六角形であって所定の高さを有する六角柱であって、平面中央部に貫通して設けられる孔を備え、前記充電装置は、前記孔に挿入することで、前記充電制御装置の制御によって前記充電装置と前記バッテリ装置との間の非接触送電を実行する、充電システムが提供される。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように本発明によれば、使用したい時にエネルギーが使えて、またスケーラブルに構築でき、さらにインフラ初期投資を少なくすることが可能な、新規かつ改良された充電システム、充電制御装置及びバッテリ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係る電力供給システム1の全体構成例を示す説明図である。
【図2A】本発明の一実施形態にかかる充電装置120の外観を示す説明図である。
【図2B】本発明の一実施形態にかかる充電装置120の外観を示す説明図である。
【図2C】本発明の一実施形態にかかる充電装置120の外観を示す説明図である。
【図2D】本発明の一実施形態にかかる充電装置120の外観を示す説明図である。
【図3A】充電装置120の他の構造を示す説明図である。
【図3B】充電装置120の他の構造を示す説明図である。
【図3C】充電装置120の他の構造を示す説明図である。
【図3D】充電装置120の他の構造を示す説明図である。
【図4A】バッテリ装置200の外観を示す説明図である。
【図4B】バッテリ装置200の外観を示す説明図である。
【図4C】バッテリ装置200の外観を示す説明図である。
【図5A】充電制御装置110の構造を示す説明図である。
【図5B】充電制御装置110の構造を示す説明図である。
【図5C】充電制御装置110の構造を示す説明図である。
【図5D】充電制御装置110の構造を示す説明図である。
【図5E】充電制御装置110の構造を示す説明図である。
【図6】充電装置120とバッテリ装置200との間で非接触給電処理を実行する際の設置例を示す説明図である。
【図7】充電装置120’とバッテリ装置200との間で非接触給電処理を実行する際の設置例を示す説明図である。
【図8】バッテリ装置300aの外観を斜視図で示す説明図である。
【図9A】バッテリ装置300aの外観を示す説明図である。
【図9B】バッテリ装置300aの外観を示す説明図である。
【図9C】バッテリ装置300aの外観を示す説明図である。
【図9D】バッテリ装置300aの外観を示す説明図である。
【図10】充電装置120の機能構成を示す説明図である。
【図11】バッテリ装置200の機能構成を示す説明図である。
【図12A】本発明の一実施形態にかかる充電装置120とバッテリ装置200との間の電力の非接触送受電処理の概要を示す説明図である。
【図12B】本発明の一実施形態にかかる充電装置120とバッテリ装置200との間の電力の非接触送受電処理の概要を示す説明図である。
【図12C】本発明の一実施形態にかかる充電装置120とバッテリ装置200との間の電力の非接触送受電処理の概要を示す説明図である。
【図13A】本発明の一実施形態にかかる充電装置120とバッテリ装置200との間の電力の非接触送受電処理の概要を示す説明図である。
【図13B】本発明の一実施形態にかかる充電装置120とバッテリ装置200との間の電力の非接触送受電処理の概要を示す説明図である。
【図13C】本発明の一実施形態にかかる充電装置120とバッテリ装置200との間の電力の非接触送受電処理の概要を示す説明図である。
【図14】充電トレイ400の外観を示す説明図である。
【図15】充電トレイ400にバッテリ装置300aを設置してバッテリ装置300aを充電する状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0017】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
<1.本発明の一実施形態>
[1−1.電力供給システムの全体構成例]
[1−2.各装置の具体的構造例]
[1−3.充放電制御処理]
<2.応用例>
<3.まとめ>
【0018】
<1.本発明の一実施形態>
[1−1.電力供給システムの全体構成例]
まず、本発明の一実施形態に係る電力供給システムの全体構成例について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る電力供給システム1の全体構成例を示す説明図である。以下、図1を用いて本発明の一実施形態に係る電力供給システム1の全体構成例について説明する。
【0019】
図1に示したように、本発明の一実施形態にかかる電力供給システム1は、充電制御システム100と、バッテリ装置200、300a、300b、300cと、を含んで構成される。
【0020】
充電制御システム100は、発電所10が発電した電力や、太陽電池20が太陽光の照射を受けて発電した電力、また風力発電機30が風の力を受けて発電した電力の供給を受け、その電力をバッテリ装置200、300a、300b、300cへ供給することで、バッテリ装置200、300a、300b、300cの充電を行うものである。
【0021】
もちろん、充電制御システム100が供給を受けられる電力は、発電所10が発電した電力や、太陽電池20が太陽光の照射を受けて発電した電力、また風力発電機30が風の力を受けて発電した電力に限られないことは言うまでもない。充電制御システム100は、その他自然エネルギーにより生じた電力の供給を受けることができる。
【0022】
充電制御システム100は、図1に示したように、充電制御装置110と、充電装置120と、を含んで構成される。
【0023】
充電制御装置110は、充電装置120からバッテリ装置200、300a、300b、300cへの電力の供給の制御、またバッテリ装置200、300a、300b、300cから充電装置120への電力の受電の制御を行うものである。充電制御装置110が電力の供給を制御することで、バッテリ装置200、300a、300b、300cに対して必要な量の電力を蓄えさせることが可能になる。
【0024】
また充電制御装置110は、充電装置120からバッテリ装置200、300a、300b、300cへ電力を供給する際に、情報を電力に重畳してもよい。充電装置120からバッテリ装置200、300a、300b、300cへ、情報が重畳された電力を供給することで、バッテリ装置200、300a、300b、300cに蓄えられた電力を使用する際に、電力に重畳した情報を、バッテリ装置200、300a、300b、300cに接続された装置に出力することができる。
【0025】
従って、充電制御装置110は、バッテリ装置200、300a、300b、300cとの間で無線による通信を実行する通信手段を内部に備えることが望ましい。無線による通信手段としては、例えば、RFID(Radio Frequency IDentification)技術を用いた通信、IEEE 802.15により規格化された無線通信手段、IEEE 802.15.4により規格化された短距離無線通信手段(Zigbee)等を用いてもよい。
【0026】
充電装置120は、バッテリ装置200、300a、300b、300cへの電力の供給、またはバッテリ装置200、300a、300b、300cからの電力の受電を行うものである。充電装置120からバッテリ装置200、300a、300b、300cへの電力の供給、及びバッテリ装置200、300a、300b、300cから充電装置120への電力の受電は、いずれも電極同士が物理的に接触しない電力伝送方式(ワイヤレス電力伝送)によって行われる。
【0027】
ワイヤレス電力伝送には、電磁誘導方式、磁気共鳴方式等の電力伝送方式がある。電磁誘導方式は、電力伝送効率は磁気共鳴方式に比べて良いものの、給電側のコイルと受電側のコイルとを対向させる必要がある。一方、磁気共鳴方式は、電力伝送効率は電磁誘導方式に比べると劣るもの、電力を伝送できる距離は電磁誘導方式に比べて長いというメリットがある。
【0028】
本発明では、ワイヤレス電力伝送の方式は特に限定しない。しかし、後述するように、充電装置120に複数のバッテリ装置200を重ねて、それぞれのバッテリ装置200への充電を行うことができるので、そのような充電を考慮すると磁気共鳴方式を用いることが望ましい。
【0029】
従って、充電装置120は、充電制御装置110やバッテリ装置200、300a、300b、300cとの間で無線による通信を実行する通信手段を内部に備えることが望ましい。無線による通信手段としては、例えば、RFID(Radio Frequency IDentification)技術を用いた通信、IEEE 802.15により規格化された無線通信手段、IEEE 802.15.4により規格化された短距離無線通信手段(Zigbee)等を用いてもよい。
【0030】
バッテリ装置200、300a、300b、300cは、内部に二次電池を備えており、充電装置120からワイヤレス電力伝送によって電力の供給を受けることで、内部の二次電池に電力を蓄えることができる。
【0031】
また、バッテリ装置200、300a、300b、300cは、充電制御装置110の制御によって、蓄えている電力を充電装置120へ供給することができる。従って、バッテリ装置200、300a、300b、300cは、充電制御装置110や充電装置120との間で無線による通信を実行する通信手段を内部に備えることが望ましい。無線による通信手段としては、例えば、RFID(Radio Frequency IDentification)技術を用いた通信、IEEE 802.15により規格化された無線通信手段、IEEE 802.15.4により規格化された短距離無線通信手段(Zigbee)等を用いてもよい。
【0032】
充電制御システム100や、バッテリ装置200、300a、300b、300cは、上述のように、内部に通信手段を備えていることが望ましく、当該通信手段を用いて、バッテリ装置200、300a、300b、300cの内部に設けられた二次電池の状態を外部に通信するようにしてもよい。
【0033】
充電制御装置110、充電装置120、バッテリ装置200、300a、300b、300cの形状については、後に詳述する。バッテリ装置300a、300b、300cは、バッテリ装置200に比べて小型であり、持ち運びが容易となるような形状を有している。バッテリ装置200、300a、300b、300cは、充電制御システム100によって充電された後は、各家庭等に持ち出して使用することができ、内部の二次電池の容量が無くなったり、少なくなったりすると、充電制御システム100が設置されている場所にバッテリ装置300a、300b、300cを持ち寄って、充電制御システム100によって充電を行うことができる。
【0034】
例えば、充電制御システム100は、学校や役場、病院等の、電力が常に供給される公共施設に設置することができる。そして、バッテリ装置300a、300b、300cは、そのような電力が常に供給される施設に設置された充電制御システム100によって、内部に備えられる二次電池を充電することができる。
【0035】
バッテリ装置200は、例えば、内部にリチウムイオン二次電池を16個直列に接続したものを8列並列に接続したものが備えられていてもよい。もちろん、本発明においては二次電池の種類や数はかかる例に限定されないことは言うまでもない。
【0036】
このように電力供給システム1を構成することで、利用者は、使用したい時に電気エネルギーが使えることになる。また、電力供給システム1は、スケーラブルに構築することが可能になり、さらに、電線を張り巡らせる必要も無いので、インフラ初期投資を少なくすることが可能となる。
【0037】
以上、図1を用いて本発明の一実施形態に係る電力供給システム1の全体構成例について説明した。次に、図1で示した電力供給システム1を構成する各装置の具体的な構造例について説明する。
【0038】
[1−2.各装置の具体的構造例]
図2A〜図2Dは、本発明の一実施形態にかかる充電装置120の外観を示す説明図である。図2Aは、本発明の一実施形態にかかる充電装置120の平面図、図2Bは、本発明の一実施形態にかかる充電装置120の側面図、図2Cは、本発明の一実施形態にかかる充電装置120の正面図、図2Dは、本発明の一実施形態にかかる充電装置120の背面図である。
【0039】
図2A〜図2Dに示したように、本発明の一実施形態にかかる充電装置120は、略正六角形の形状を有している。そして、図2A〜図2Fに示したように、本発明の一実施形態にかかる充電装置120は、その平面中央部に略正六角形の孔121が空いており、その孔121の周囲に、平面より所定の高さだけ飛び出ている凸部122を有している。
【0040】
このように、充電装置120に孔121及び凸部122を設けることで、バッテリ装置200を充電装置120の上に置いて充電する際に、充電装置120にバッテリ装置200を安定して設置させることができる。
【0041】
また、図2A〜図2Dに示したように、本発明の一実施形態にかかる充電装置120は、電力の供給を受けられる入力端子123及び電力を出力することができる出力端子124を備えている。充電装置120は、発電所10が発電した電力や、太陽電池20が太陽光の照射を受けて発電した電力、また風力発電機30が風の力を受けて発電した電力を、入力端子123から受け取って、バッテリ装置200へと供給する。もちろん、入力端子123及び出力端子124の位置は図示した位置に限られないことは言うまでもない。
【0042】
図3A〜図3Dは、本発明の一実施形態にかかる充電装置120の他の構造を示す説明図である。図3Aは、本発明の一実施形態にかかる充電装置120’の平面図、図3Bは、本発明の一実施形態にかかる充電装置120’の側面図、図3Cは、本発明の一実施形態にかかる充電装置120’の正面図、図3Dは、本発明の一実施形態にかかる充電装置120’の底面図である。
【0043】
充電装置120’は、後述するバッテリ装置200の孔201に挿入することができる形状を有している。具体的には、図3A〜図3Dに示したように、充電装置120’は底面が略正六角形の柱体125の上部に、入力端子123’及び出力端子124’が設けられ、柱体の底面の略正六角形より大きな略正六角形の形状を有する係止部126を有している。入力端子123’及び出力端子124’は、上述の入力端子123及び出力端子124と同じく、電力の供給を受けたり、電力を出力したりすることができる端子である。
【0044】
そして、充電装置120’をバッテリ装置200の孔201に挿入することで、充電装置120’とバッテリ装置200との間の非接触による送受電が可能になる。なお、ここでいう非接触による送受電とは、コネクタなどによる物理的な接触無しに電気エネルギーの移動を行うものをいう。
【0045】
図4A〜図4Cは、本発明の一実施形態にかかるバッテリ装置200の構造を示す説明図である。図4Cは、本発明の一実施形態にかかるバッテリ装置200の平面図、図4Bは、本発明の一実施形態にかかるバッテリ装置200の側面図、図4Cは、本発明の一実施形態にかかるバッテリ装置200の正面図である。
【0046】
図4A〜図4Cに示したように、本発明の一実施形態にかかるバッテリ装置200は、略正六角形の形状を有している。そして、図4A〜図4Cに示したように、本発明の一実施形態にかかるバッテリ装置200は、その平面中央部に略正六角形の孔201が空いており、その孔201の周囲に、ガイド部202を有している。
【0047】
バッテリ装置200の平面の大きさは充電装置120の平面の大きさと同じであり、バッテリ装置200を充電装置120に、平面で見た場合に正六角形の形状を保って重ねあわせることができる。
【0048】
また、バッテリ装置200の大きさは、上述したように、内部にリチウムイオン二次電池を16個直列に接続したものを8列並列に接続したものを備えることができる大きさを有することが望ましく、そのリチウムイオン電池の1つの大きさは、例えば直径26mm、長さ65mmである。
【0049】
また、バッテリ装置200の内部には、リチウムイオン二次電池の他に、リチウムイオン二次電池へ電力を供給するための回路や、充電装置120から電力を受け取ったり、充電装置120へ電力を放出したりするコイル、充電制御装置110と無線通信を実行する無線通信手段等が設けられる。従って、バッテリ装置200の大きさも、リチウムイオン二次電池の他に、これらの回路やコイル、無線通信手段等を設けることができるだけの大きさを有することが望ましい。
【0050】
そして、ガイド部202は、略正六角形の孔201が空いている方向に上下に揺動させることができる。バッテリ装置200を充電装置120に重ねて置いた際に、ガイド部202がバッテリ装置200の平面から所定の高さだけ突出すようになる。これにより、バッテリ装置200を充電装置120に安定して重ねて置くことができる。また、バッテリ装置200は表裏関係なく、充電装置120に重ねて置くことが可能になる。
【0051】
充電装置120及びバッテリ装置200は、一体成型されている樹脂、例えばプラスチックで外側が形成されていることが望ましい。充電装置120及びバッテリ装置200は、長期使用や屋外に持ち運んでの使用が想定されるので、耐久性、防水性、防塵性を備えた材質で、充電装置120及びバッテリ装置200の外側が形成されていることが望ましいからである。
【0052】
また、上述したように、バッテリ装置200の孔201に充電装置120’を挿入し、充電制御装置110からの制御によって、充電装置120’とバッテリ装置200との間の非接触による送受電を実行することもできる。
【0053】
バッテリ装置200の内部の二次電池に蓄えられた電力の使用方法については様々な形態が考えられる。例えば、バッテリ装置200の内部の二次電池に蓄えた電力を非接触送電によって取り出して電力を使用してもよく、バッテリ装置200に電力を出力するための端子(図示せず)を設けて、その端子から電力を取り出して使用してもよい。
【0054】
バッテリ装置200の側面には、持ち手203が形成されている。バッテリ装置200の側面に持ち手203が形成されていることで、バッテリ装置200の持ち運びを容易にすることができる。なお、持ち手203は、図4A〜図4Cに示したように、対向する側面に一対に設けられてもよく、少なくとも1つの側面に設けられてもよい。
【0055】
図5A〜図5Eは、本発明の一実施形態にかかる充電制御装置110の構造を示す説明図である。図5Aは充電制御装置110の平面図であり、図5Bは充電制御装置110の正面図であり、図5Cは充電制御装置110の背面図であり、図5Dは充電制御装置110の側面図であり、図5Eは充電制御装置110の底面図である。
【0056】
本発明の一実施形態にかかる充電制御装置110は、内部に無線通信手段を備えており、充電装置120やバッテリ装置200に対して通信処理を実行して、充電装置120とバッテリ装置200との間の充電をコントロールする。
【0057】
図5A〜図5Eに示したように、本発明の一実施形態にかかる充電制御装置110は、平面が略正六角形の形状を有している。この充電制御装置110は、充電装置120とバッテリ装置200との間の非接触給電処理に際して、バッテリ装置200の孔201に嵌合させることができる。
【0058】
図6は、充電装置120とバッテリ装置200との間で非接触給電処理を実行する際の設置例を示すものであり、充電装置120の上にバッテリ装置200を重ね、バッテリ装置200の孔201に充電制御装置110を置いた状態を図示する説明図である。このように、充電装置120の上にバッテリ装置200を重ねることで、充電装置120とバッテリ装置200との間の非接触給電が可能になって、バッテリ装置200を充電でき、また、バッテリ装置200の孔201に充電制御装置110を設置することで、充電装置120が設置できるスペースで、充電装置120とバッテリ装置200との間の非接触給電の制御が可能になる。
【0059】
図7は、充電装置120’とバッテリ装置200との間で非接触給電処理を実行する際の設置例を示す説明図であり、バッテリ装置200の孔201に、充電装置120’を挿入した状態を図示した説明図である。なお、図7には、充電制御装置110は図示していない。
【0060】
図7に示したように、バッテリ装置200の孔201に充電装置120’を挿入することによっても、充電制御装置110の制御によって、充電装置120’とバッテリ装置200との間の非接触給電が可能になって、バッテリ装置200を充電できる。
【0061】
次に、本発明の一実施形態にかかるバッテリ装置300aの外観について説明する。図8は、本発明の一実施形態にかかるバッテリ装置300aの外観を斜視図で示す説明図であり、図9A〜図9Dは、それぞれ、本発明の一実施形態にかかるバッテリ装置300aの平面図、正面図、側面図、底面図を示す説明図である。
【0062】
図8、及び図9A〜9Dに示したように、本発明の一実施形態にかかるバッテリ装置300aは、底面が略正六角形である角柱である。そして、後述するが、バッテリ装置300aは、充電装置120やバッテリ装置200に敷き詰めて配置することで、充電装置120からの非接触給電を可能としている。従って、バッテリ装置300aの内部には、充電装置120やバッテリ装置200との間で非接触による送受電が可能となるような、コイル等の受電手段が設けられる。
【0063】
図8、及び図9A〜9Dに示したように、バッテリ装置300aには、バッテリ装置300aの持ち運びを容易にするための持ち手301が設けられている。また、図9Dに示したように、バッテリ装置300aには支持部材302が設けられている。この支持部材302が設けられている孔は、後述する充電トレイ400の凸部401に嵌合させることができ、バッテリ装置300aを充電トレイ400に設置すると、その支持部材302がバッテリ装置300aの上面から所定の高さ突出する。この支持部材302により、バッテリ装置300aを積み重ねたり、後述の充電トレイ400に並べて配置したりすることが可能になる。
【0064】
バッテリ装置300aの内部の二次電池に蓄えられた電力の使用方法については様々な形態が考えられる。例えば、バッテリ装置300aの内部の二次電池に蓄えた電力を非接触送電によって取り出して電力を使用してもよく、バッテリ装置300aに電力を出力するための端子(図示せず)を設けて、その端子から電力を取り出して使用してもよい。
【0065】
なお、バッテリ装置300aの充電に際しては、バッテリ装置200を介するようにしてもよい。バッテリ装置200を介してバッテリ装置300aを充電する際には、まずバッテリ装置200に、後述する充電トレイ400を乗せ、その充電トレイ400にバッテリ装置300aを設置するようにしてもよい。
【0066】
以上、本発明の一実施形態にかかるバッテリ装置300aの外観について説明した。次に、本発明の一実施形態にかかる充電制御システム100による充放電制御について説明する。
【0067】
[1−3.充放電制御処理]
図10は、本発明の一実施形態にかかる充電装置120の機能構成を示す説明図である。以下、図10を用いて本発明の一実施形態にかかる充電装置120の機能構成について説明する。
【0068】
図10に示したように、本発明の一実施形態にかかる充電装置120は、コイル131と、受電回路132と、電源部133と、送電回路134と、を含んで構成される。
【0069】
コイル131は、離れた位置にあるコイルとの間で非接触による電力の送受電を実行するものである。具体的には、充電装置120にバッテリ装置200が乗せられて、充電制御装置110による制御によって充電処理が開始されると、コイル131と、後述するバッテリ装置200のコイル211との間で電力の送受電が実行される。
【0070】
なお、コイル131は、充電装置120にバッテリ装置200がどのように乗せられても、充電装置120のコイル131とバッテリ装置200のコイル211との間で非接触による電力の送受電を実行出来るようにするために、充電装置120の空洞部分を中心にして、バッテリ装置200が乗せられる面全体を覆うように、充電装置120の内部で巻かれていることが望ましい。
【0071】
受電回路132は、電力の非接触受電を行ったり、コイル131が受電した電力を検知したりする回路である。受電回路132には、図示しないが、電力の非接触受電を行うために所定の容量を有するキャパシタや、所定の抵抗値を有する抵抗が設けられる。受電回路132は、充電装置120にバッテリ装置200が乗せられて、充電制御装置110による制御によって充電処理が行われると、コイル131が受電した電力を電源部133へ供給する。そして受電回路132は、電源部133の蓄電量が所定の量に達したことを検知すると、コイル131が受電した電力の、電源部133への供給を停止する。
【0072】
電源部133は、送電回路134及びコイル131を通じてバッテリ装置200へ供給する電力が蓄えられているものである。電源部133は、充電装置120の外部から供給を受けた電力を、送電回路134及びコイル131を通じてバッテリ装置200へ供給するようにしてもよく、ある一定の容量を有するバッテリが内部に設けられていてもよい。
【0073】
送電回路134は、電力をバッテリ装置200へ供給するために、電源部133からの電力をコイル131に出力するものである。送電回路134には、図示しないが、電力の非接触受電を行うために所定の容量を有するキャパシタや、所定の抵抗値を有する抵抗が設けられる。充電装置120にバッテリ装置200が乗せられて、充電制御装置110による制御によって、充電装置120によるバッテリ装置200の充電処理が開始されると、送電回路134は、電源部133から電力をコイル131に出力する。送電回路134によって電源部133から電力がコイル131に出力され、コイル131に電流が流れると、充電装置120とバッテリ装置200との間で非接触給電が開始されることになる。
【0074】
以上、図10を用いて本発明の一実施形態にかかる充電装置120の機能構成について説明した。次に、本発明の一実施形態にかかるバッテリ装置200の機能構成について説明する。
【0075】
図11は、本発明の一実施形態にかかるバッテリ装置200の機能構成を示す説明図である。以下、図11を用いて、本発明の一実施形態にかかるバッテリ装置200の機能構成について説明する。
【0076】
図11に示したように、本発明の一実施形態にかかるバッテリ装置200は、コイル211と、受電回路212と、蓄電部213と、送電回路214と、を含んで構成される。
【0077】
コイル211は、離れた位置にあるコイルとの間で非接触による電力の送受電を実行するものである。具体的には、充電装置120にバッテリ装置200が乗せられて、充電制御装置110による制御によって充電処理が開始されると、コイル211と、充電装置120のコイル131との間で電力の送受電が実行される。
【0078】
受電回路212は、電力の非接触受電を行ったり、コイル211が受電した電力を検知したりする回路である。受電回路212には、図示しないが、電力の非接触受電を行うために所定の容量を有するキャパシタや、所定の抵抗値を有する抵抗が設けられる。受電回路212は、充電装置120にバッテリ装置200が乗せられて、充電制御装置110による制御によって充電処理が行われると、コイル211が受電した電力を蓄電部213へ供給する。そして受電回路212は、蓄電部213の蓄電量が所定の量に達したことを検知すると、コイル211が受電した電力の、蓄電部213への供給を停止する。
【0079】
蓄電部213は、コイル211が受電し、受電回路212から供給される電力を蓄えるものである。蓄電部213に蓄えられた電力は、送電回路214及びコイル211を通じて、外部に供給することが可能である。従って、蓄電部213は、所定の容量を有する二次電池からなってもよい。
【0080】
送電回路214は、電力をコイル211から外部(例えば充電装置120)へ供給するために、蓄電部213からの電力をコイル211に出力するものである。送電回路134には、図示しないが、電力の非接触受電を行うために所定の容量を有するキャパシタや、所定の抵抗値を有する抵抗が設けられる。充電装置120にバッテリ装置200が乗せられて、充電制御装置110による制御によって、バッテリ装置200から充電装置120への送電処理が開始されると、送電回路214は、蓄電部213から電力をコイル211に出力する。送電回路214によって蓄電部213から電力がコイル211に出力され、コイル211に電流が流れると、充電装置120とバッテリ装置200との間で非接触給電が開始されることになる。
【0081】
以上、図11を用いて本発明の一実施形態にかかるバッテリ装置200の機能構成について説明した。次に、本発明の一実施形態にかかる充電装置120とバッテリ装置200との間の電力の送受電処理について説明する。
【0082】
図12A〜図12Cは、本発明の一実施形態にかかる充電装置120とバッテリ装置200との間の電力の非接触送受電処理の概要を示す説明図である。図12A〜図12Cでは、充電装置120の上に、3つのバッテリ装置200が重ねて置かれ、充電制御装置110の制御により、充電装置120と、3つのバッテリ装置200との間で電力の非接触送受電処理が行われる場合について図示されている。以下、図12A〜図12Cを用いて、本発明の一実施形態にかかる充電装置120とバッテリ装置200との間の電力の非接触送受電処理について説明する。
【0083】
以下、3つのバッテリ装置200を、下に置かれているものから順にバッテリ装置200a、200b、200cとして説明する。
【0084】
図12A〜図12Cは、充電制御装置110の制御により、充電装置120からバッテリ装置200に対して非接触送電が行われる場合の動作について示したものである。まず、充電制御装置110は、充電装置120及びバッテリ装置200との間で通信を行い、充電装置120及びバッテリ装置200の情報を収集する初期設定を実行する。この初期設定は、充電装置120に積み重ねられているバッテリ装置200の数の取得、充電を実行するバッテリ装置200の順番の指定等が含まれていてもよい。
【0085】
充電制御装置110にはそれぞれ識別番号が割り当てられていてもよく、充電制御装置110の内部にメモリ等の記憶手段を備えておき、その記憶手段に充電制御装置110の識別番号を保持するようにしてもよい。
【0086】
また、バッテリ装置200が複数存在する場合に、それぞれのバッテリ装置200を個別に識別することができるように、バッテリ装置200にはそれぞれ識別番号が割り当てられていてもよく、バッテリ装置200の内部にメモリ等の記憶手段を備えておき、その記憶手段にバッテリ装置200の識別番号を保持するようにしてもよい。
【0087】
そして、初期設定の際には、充電制御装置110やバッテリ装置200に保持されている識別番号を充電制御装置110に送信してもよい。識別番号を充電制御装置110やバッテリ装置200から充電制御装置110に送信することで、充電制御装置110がバッテリ装置200の充電のためにどの程度電力を出力したかや、どのバッテリ装置200がどの程度電力を使用したかについて、充電制御装置110に把握させることができる。
【0088】
充電制御装置110が、個々の充電制御装置110やバッテリ装置200の電力使用状況を把握することで、充電制御装置110は、例えば、どのバッテリ装置200を優先的に充電させるかを決定したり、個々のバッテリ装置200の利用者に対する課金処理に必要となる電力使用量を把握したりすることができる。
【0089】
充電制御装置110が初期設定を完了すると、続いて、充電装置120は、最も下に置かれているバッテリ装置200aに対して電力の非接触送電を実行する。
【0090】
より具体的には、図12Aに示したように、充電装置120の送電回路134が作動し、電源部133からの電力を、コイル131を通じて、最も下に置かれているバッテリ装置200aに送電する。
【0091】
充電装置120から非接触送電される電力をコイル211で受電したバッテリ装置200aは、受電回路212によってその電力を蓄電部213に送る。これにより、バッテリ装置200aの蓄電部213は、充電装置120から非接触送電される電力を内部に蓄えることができる。
【0092】
蓄電部213の充電が完了したことを受電回路212が検出すると、バッテリ装置200aは、充電が完了したことを知らせる充電完了通知を充電制御装置110に送信する。充電制御装置110は、バッテリ装置200aからの充電完了通知を受け取ると、充電装置120に対して、電力の送電先をバッテリ装置200aからバッテリ装置200bに切り替えるよう通知する。
【0093】
充電制御装置110からの、送電先の切り替え通知を受けた充電装置120は、充電装置120の送電回路134が作動し、電源部133からの電力を、コイル131を通じて、下から2番目に置かれているバッテリ装置200bに送電する。
【0094】
充電装置120から非接触送電される電力をコイル211で受電したバッテリ装置200bは、受電回路212によってその電力を蓄電部213に送る。これにより、バッテリ装置200bの蓄電部213は、充電装置120から非接触送電される電力を内部に蓄えることができる。
【0095】
蓄電部213の充電が完了したことを受電回路212が検出すると、バッテリ装置200aは、充電が完了したことを知らせる充電完了通知を充電制御装置110に送信する。充電制御装置110は、バッテリ装置200aからの充電完了通知を受け取ると、充電装置120に対して、電力の送電先をバッテリ装置200bからバッテリ装置200cに切り替えるよう通知する。
【0096】
充電制御装置110からの、送電先の切り替え通知を受けた充電装置120は、充電装置120の送電回路134が作動し、電源部133からの電力を、コイル131を通じて、一番上に置かれているバッテリ装置200cに送電する。
【0097】
充電装置120から非接触送電される電力をコイル211で受電したバッテリ装置200cは、受電回路212によってその電力を蓄電部213に送る。これにより、バッテリ装置200cの蓄電部213は、充電装置120から非接触送電される電力を内部に蓄えることができる。
【0098】
このように、本発明の一実施形態にかかる充電装置120とバッテリ装置200との間の電力の送受電処理に際しては、充電装置120が、複数のバッテリ装置200に対して、選択的に送電先を切り替えることができる。充電装置120は、選択的に送電先を切り替える手法として、例えば、非接触送電の際に使用する周波数を変更する手法を採ることができる。
【0099】
以上、図12A〜図12Cを用いて、本発明の一実施形態にかかる充電装置120とバッテリ装置200との間の電力の非接触送受電処理について説明した。
【0100】
次に、図13A〜図13Cを用いて、本発明の一実施形態にかかる充電装置120とバッテリ装置200との間の電力の非接触送受電処理について説明する。
【0101】
図13A〜図13Cは、本発明の一実施形態にかかる充電装置120とバッテリ装置200との間の電力の非接触送受電処理の概要を示す説明図である。図13A〜図13Cでは、充電装置120の上に、3つのバッテリ装置200が重ねて置かれ、充電制御装置110の制御により、3つのバッテリ装置200から充電装置120へ電力の非接触送電処理が行われる場合について図示されている。以下、図13A〜図13Cを用いて、本発明の一実施形態にかかる充電装置120とバッテリ装置200との間の電力の非接触送受電処理について説明する。
【0102】
以下、3つのバッテリ装置200を、下に置かれているものから順にバッテリ装置200a、200b、200cとして説明する。
【0103】
図13A〜図13Cは、充電制御装置110の制御により、充電装置120からバッテリ装置200に対して非接触送電が行われる場合の動作について示したものである。まず、充電制御装置110は、充電装置120及びバッテリ装置200との間で通信を行い、充電装置120及びバッテリ装置200の情報を収集する初期設定を実行する。この初期設定は、充電装置120に積み重ねられているバッテリ装置200の数の取得、送電を実行するバッテリ装置200の順番の指定等が含まれていてもよい。
【0104】
充電制御装置110にはそれぞれ識別番号が割り当てられていてもよく、充電制御装置110の内部にメモリ等の記憶手段を備えておき、その記憶手段に充電制御装置110の識別番号を保持するようにしてもよい。
【0105】
また、バッテリ装置200が複数存在する場合に、それぞれのバッテリ装置200を個別に識別することができるように、バッテリ装置200にはそれぞれ識別番号が割り当てられていてもよく、バッテリ装置200の内部にメモリ等の記憶手段を備えておき、その記憶手段にバッテリ装置200の識別番号を保持するようにしてもよい。
【0106】
そして、初期設定の際には、充電制御装置110やバッテリ装置200に保持されている識別番号を充電制御装置110に送信してもよい。識別番号を充電制御装置110やバッテリ装置200から充電制御装置110に送信することで、充電制御装置110がバッテリ装置200の充電のためにどの程度電力を出力したかや、どのバッテリ装置200がどの程度電力を使用したかについて、充電制御装置110に把握させることができる。
【0107】
充電制御装置110が、個々の充電制御装置110やバッテリ装置200の電力使用状況を把握することで、充電制御装置110は、例えば、どのバッテリ装置200を優先的に充電させるかを決定したり、個々のバッテリ装置200の利用者に対する課金処理に必要となる電力使用量を把握したりすることができる。
【0108】
充電制御装置110が初期設定を完了すると、続いて、最も下に置かれているバッテリ装置200aは、充電装置120に対して電力の非接触送電を実行する。
【0109】
より具体的には、図13Aに示したように、バッテリ装置200aの送電回路214が作動し、蓄電部213からの電力を、コイル211を通じて充電装置120に送電する。
【0110】
バッテリ装置200aから非接触送電される電力をコイル131で受電した充電装置120は、受電回路132によってその電力を電源部133に送る。これにより、充電装置120の電源部133は、バッテリ装置200aから非接触送電される電力を内部に蓄えたり、充電装置120の外部に放出したりすることができる。
【0111】
蓄電部213からの放電が完了したこと、または蓄電部213に蓄えられている電力が所定量以下になったことをバッテリ装置200aの送電回路214が検出すると、バッテリ装置200aは、送電が完了したことを知らせる送電完了通知を充電制御装置110に送信する。充電制御装置110は、バッテリ装置200aからの送電完了通知を受け取ると、バッテリ装置200bに対して、充電装置120へ電力を送電するよう通知する。
【0112】
充電制御装置110からの、送電指示通知を受けたバッテリ装置200bは、バッテリ装置200bの送電回路214が作動し、蓄電部213からの電力を、コイル211を通じて充電装置120に送電する。
【0113】
バッテリ装置200bから非接触送電される電力をコイル131で受電した充電装置120は、受電回路132によってその電力を電源部133に送る。これにより、充電装置120の電源部133は、バッテリ装置200bから非接触送電される電力を内部に蓄えたり、充電装置120の外部に放出したりすることができる。
【0114】
蓄電部213からの放電が完了したこと、または蓄電部213に蓄えられている電力が所定量以下になったことをバッテリ装置200bの送電回路214が検出すると、バッテリ装置200bは、送電が完了したことを知らせる送電完了通知を充電制御装置110に送信する。充電制御装置110は、バッテリ装置200aからの送電完了通知を受け取ると、バッテリ装置200cに対して、充電装置120へ電力を送電するよう通知する。
【0115】
充電制御装置110からの、送電指示通知を受けたバッテリ装置200cは、バッテリ装置200cの送電回路214が作動し、蓄電部213からの電力を、コイル211を通じて充電装置120に送電する。
【0116】
バッテリ装置200cから非接触送電される電力をコイル131で受電した充電装置120は、受電回路132によってその電力を電源部133に送る。これにより、充電装置120の電源部133は、バッテリ装置200cから非接触送電される電力を内部に蓄えたり、充電装置120の外部に放出したりすることができる。
【0117】
このように、本発明の一実施形態にかかる充電装置120とバッテリ装置200との間の電力の送受電処理に際しては、充電装置120が、複数のバッテリ装置200から、選択的に電力を非接触で受電することができる。充電装置120は、選択的に電力を非接触で受電する手法として、例えば、非接触送電の際に使用する周波数を変更する手法を採ることができる。
【0118】
以上、図13A〜図13Cを用いて、本発明の一実施形態にかかる充電装置120とバッテリ装置200との間の電力の非接触送受電処理について説明した。
【0119】
次に、本発明の一実施形態にかかるバッテリ装置300aを充電する際のバッテリ装置300aの設置例を説明する。図14は、本発明の一実施形態にかかるバッテリ装置300aを充電する際、バッテリ装置300aを設置するための充電トレイ400の外観を示す説明図である。そして図15は、充電トレイ400にバッテリ装置300aを設置してバッテリ装置300aを充電する状態を示す説明図である。
【0120】
図14に示した充電トレイ400は、図のように7つの凸部401が設けられ、この凸部401に、図9Dで示したバッテリ装置300aの支持部材302を合わせると、支持部材が所定の高さ突出する。これにより、バッテリ装置300aを充電トレイに安定して設置することができる。
【0121】
また、図14に示した充電トレイ400は、平面の形状が充電装置120及びバッテリ装置200と同じ略正六角形である。そして、充電トレイ400の平面の大きさは充電装置120及びバッテリ装置200と同じである。従って、充電トレイ400を充電装置120やバッテリ装置200に重ねることで、充電装置120を設置できる広さがあれば、充電トレイ400に設置したバッテリ装置300aの充電が可能となる。
【0122】
上述したように、バッテリ装置300aの充電に際しては、バッテリ装置200を介するようにしてもよい。バッテリ装置200を介してバッテリ装置300aを充電する際には、まずバッテリ装置200に、後述する充電トレイ400を乗せ、その充電トレイ400にバッテリ装置300aを設置するようにしてもよい。
【0123】
そして、充電トレイ400の上に乗せたバッテリ装置300aを充電するための電力は、充電装置120から直接供給するようにしてもよく、バッテリ装置200から供給するようにしてもよい。バッテリ装置300aを充電するための電力をバッテリ装置200から供給することで、バッテリ装置200に一度蓄えた電力をバッテリ装置300aに小分けすることができる。
【0124】
<2.応用例>
上述したような電力供給システム1では、充電制御装置110の制御により、充電装置120からバッテリ装置200、300a、300b、300cへ非接触給電を実行することが可能となるが、充電装置120から出力する電力に所定の情報を重畳して、バッテリ装置200、300a、300b、300cへ非接触給電を実行してもよい。
【0125】
例えば、バッテリ装置200に蓄えられた電力によってテレビを動作させるような場合には、バッテリ装置200に、電力と共に映像による広告コンテンツを蓄えておき、テレビの使用時にはその広告コンテンツが表示されるようにしてもよい。また、バッテリ装置300aに蓄えられた電力によってラジオや携帯型音楽プレーヤー等を動作させるような場合には、バッテリ装置300aに電力と共に音声による広告コンテンツを蓄えておき、ラジオや携帯型音楽プレーヤー等の使用時にはその広告コンテンツが出力されるようにしてもよい。
【0126】
また、充電装置120やバッテリ装置200が略正六角形の平面形状を有することで、スケーラブルな電力供給システムを構築することが可能になる。例えば、略正六角形の平面形状を有する充電装置120を複数並べて、充電装置を構成することもでき、略正六角形の平面形状を有する充電装置120が複数結合したような形状を有する充電装置を構成することもできる。
【0127】
<3.まとめ>
以上説明したように本発明の一実施形態にかかる電力供給システム1によれば、充電装置120にバッテリ装置200を重ねて設置することで、充電制御装置110の制御により、充電装置120からバッテリ装置200へ非接触給電が行われ、バッテリ装置200の内部に設けられた二次電池の充電が可能となる。
【0128】
このように電力供給システム1を構成することで、利用者は、使用したい時に電気エネルギーが使えることになる。また、電力供給システム1は、スケーラブルに構築することが可能になり、さらに、電線を張り巡らせる必要も無いので、インフラ初期投資を少なくすることが可能となる。
【0129】
充電装置120には、バッテリ装置200を複数重ねて設置することが可能である。従って、本発明の一実施形態によれば、充電装置120に複数のバッテリ装置200を重ねて設置した状態で、充電装置120から複数のバッテリ装置200へ非接触給電が可能となる。その際には、充電制御装置110の制御により、充電装置120の給電先を順次切り替えることで、複数のバッテリ装置200への非接触給電を実行することができる。
【0130】
なお、上記実施形態では、充電装置120とバッテリ装置200との底面は、同じ大きさの略正六角形であり、それぞれ所定高さの柱体であったが、本発明は係る例に限定されない。例えば、充電装置120の底面の方がバッテリ装置200の底面よりも大きな正六角形を有していてもよく、またその逆であってもよい。
【0131】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0132】
1 電力供給システム
10 発電所
20 太陽電池
30 風力発電機
100 充電制御システム
110 充電制御装置
120 充電装置
121 孔
122 凸部
125 柱体
126 係止部
131 コイル
132 受電回路
133 電源部
134 送電回路
200、300a、300b、300c バッテリ装置
201 孔
202 ガイド部
203 持ち手
211 コイル
212 受電回路
213 蓄電部
214 送電回路
301 持ち手
302 支持部材
400 充電トレイ
401 凸部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に二次電池を備える1以上のバッテリ装置と、
電力を前記バッテリ装置へ非接触送電する充電装置と、
前記充電装置と前記バッテリ装置との間の非接触送電を制御する充電制御装置と、
を備え、
前記バッテリ装置は、底面が略正六角形であって所定の高さを有する六角柱であり、
前記充電装置は、底面が略正六角形であって所定の高さを有する六角柱であり、
前記充電装置に前記バッテリ装置を積み重ねることで、前記充電制御装置の制御によって前記充電装置と前記バッテリ装置との間の非接触送電を実行する、充電システム。
【請求項2】
前記バッテリ装置は、
平面中央部分に貫通して設けられる孔と、
前記孔の周囲に設けられる、前記充電装置に位置を合わせて積み重ねるガイド部と、
を備え、
前記充電装置は、
平面中央部分に貫通して設けられる孔と、
前記ガイド部に対応する位置に、前記孔の周囲に上面から突出して設けられる凸部と、
を備える、請求項1に記載の充電システム。
【請求項3】
前記ガイド部は、前記孔の貫通する方向に所定量揺動し、前記充電装置に前記バッテリ装置を積み重ねた際に前記バッテリ装置の平面から突出する、請求項2に記載の充電システム。
【請求項4】
前記充電制御装置は、上部が前記バッテリ装置に設けられる前記ガイド部と同じ大きさを有し、下部が前記孔に挿入可能な大きさを有する、請求項2に記載の充電システム。
【請求項5】
前記バッテリ装置及び前記充電装置の底面は同一の大きさの略正六角形である、請求項1に記載の充電システム。
【請求項6】
前記バッテリ装置の少なくとも一の側面には、持ち手が形成される、請求項1に記載の充電システム。
【請求項7】
底面が前記バッテリ装置と同一の形状を有する充電トレイと、
前記充電トレイに設置することで充電され、底面が略正六角形であって所定の高さを有する六角柱である小型バッテリ装置と、
を更に備える、請求項1に記載の充電システム。
【請求項8】
内部に二次電池を備えるバッテリ装置と、
電力を前記バッテリ装置へ非接触送電する充電装置と、
前記充電装置と前記バッテリ装置との間の非接触送電を制御する充電制御装置と、
を備え、
前記バッテリ装置は、底面が略正六角形であって所定の高さを有する六角柱であって、平面中央部に貫通して設けられる孔を備え、
前記充電装置は、前記孔に挿入することで、前記充電制御装置の制御によって前記充電装置と前記バッテリ装置との間の非接触送電を実行する、充電システム。



【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−65509(P2012−65509A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−209770(P2010−209770)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】