説明

電力制御装置および電力制御システム

【課題】複数の情報処理装置の消費電力を制御する省電力制御装置において、情報処理装置の実際の使用実績に基づいた省電力制御を実現する。
【解決手段】複数の情報処理装置の電力制御を行う電力制御装置は、電力制御を行なう第1の期間と第1の期間を細分化した第2の期間と、複数の情報処理装置の全体の目標消費電力量とそこから個々の情報処理装置に配分する目標消費電力量を受付ける手段と、個別の目標消費電力量を個々の情報処理装置に送信する手段と、第2の期間が経過後、各情報処理装置から第2の期間における消費電力量の実績値を受信する手段と、受信した消費電力実績値の合計量を全体の目標消費電力量から差し引いた電力量を計算する手段と、次の第2の期間に対して、計算された電力量を用いて各情報処理装置の目標消費電力量を個別に受付ける再割当て受付け手段と、個別に再割当した目標消費電力量を各情報処理装置に再送信する手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の情報処理装置の消費電力量を制御するための電力制御装置及び電力制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の省電力のための電力制御技術としては、電源が駆動された装置が消費する電力に対して目標となる基準を定め、その基準に基づき電力制御を行う目標電力制御が知られている。例えば、画像形成装置に対する消費電力の基準は、一定の目標となる消費電力量が設定される。その基準に基づき、画像形成装置は、消費電力の少ないスリープモードのような省電力モードに移行させることで省電力化を実現するものである。
【0003】
また、特許文献1では、複数の画像形成装置がネットワークで接続されたシステムにおいて、全体の消費電力を効率的に制御する発明が提案されている。この発明は、ユーザが使用しようとする画像形成装置の待ち時間がなるべく少なくなるように、各画像形成装置の省電力モードにある状態を制御するものである。具体的には、最大優先度があると判断された画像形成装置を残して、他の各画像形成装置の合計電力が目標値を上回っているか否かを判断する。そして目標値を上回っていれば、他の画像形成装置を節電状態へ設定するというものである。つまり、最大優先度と判断された画像形成装置は、例外的にいつでも動作可能な状態にすることで利便性を向上させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-32397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
つまり、予め優先的にいつでも動作可能な状態の画像形成装置は、いつでも使える状態にあるが、システム全体の合計消費電力量は上限値で管理されている。従って、消費電力量が上限に達するとすべて節電状態になり、優先度の低い画像形成装置のユーザは、装置を使用できなくなるので、不公平感が生まれる。実際のオフィスネットワーク環境に存在する画像形成装置は、機能や性能、稼動時間帯や稼動内容にもばらつきがある。このように、ばらつく使用環境に置かれている画像形成装置が消費する電力量をシステム全体として制御するためには、そのばらつく要因を考慮して目標電力制御を行う必要がある。
【0006】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、複数の情報処理装置の消費電力を制御する電力制御装置において、情報処理装置の使用する際に、実際の使用状況実績に基づいた省電力のための電力制御技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、このような目的を達成するために、電力制御を行なう第1の期間と、該第1の期間を細分化した第2の期間と、前記複数の情報処理装置に対する全体の目標消費電力量と、該全体の目標消費電力量から割り当てる、該複数の情報処理装置の各々に対する個別の目標消費電力量とを受付ける受付け手段と、前記第1の期間と前記第2の期間と前記個別の目標消費電力量とを前記複数の情報処理装置の各々に送信する送信手段と、前記第2の期間が経過後、前記複数の情報処理装置の各々から該第2の期間における消費電力量の実績値を受信する受信手段と、前記複数の情報処理装置の各々から受信した消費電力の実績値の合計量を、前記全体の目標消費電力量から差し引いた電力量を計算する計算手段と、次の第2の期間に対して、前記計算手段により計算された電力量を用いて前記複数の情報処理装置の個別に再割り当てされる目標消費電力量を受付ける再割り当て受付け手段と、該個別に再配分した目標消費電力量を前記複数の情報処理装置の各々へ再送信する再送信手段とを備えること特徴とする。
特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
複数の情報処理装置の消費電力を制御する省電力制御装置において、情報処理装置の使用する際に、実際の使用状況実績に基づいた省電力のための電力制御技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】情報処理システムのネットワーク構成を示す図である。
【図2】画像形成装置の構成要素を示す図である。
【図3】消費電力量管理装置の構成要素を示す図である。
【図4】消費電力測定装置の構成要素を示す図である。
【図5】(a)システム全体の電力制御のための操作画面を示す図、(b)目標電力制御のための操作画面を示す図である。
【図6】(a)個別機器の曜日配分設定画面を示す図、(b)個別機器の時間配分設定画面を示す図である。
【図7】(a)個別機器の実績配分設定画面を示す図、(b)個別機器の手動配分設定画面を示す図である。
【図8】消費電力管理装置と画像形成装置との間の動作を示すフローチャートである。
【図9】画像形成装置と電力測定装置との間の動作を示すフローチャートである。
【図10】画像形成装置における省電力制御設定の画面を示す図である。
【図11】(a)省電力制御時のスリープ移行時間設定の画面を示す図、(b)印刷レイアウト設置の画面を示す図である。
【図12】(a)省電力制御時の印刷色設定の画面を示す図、(b)操作部バックライト設定の画面を示す図である。
【図13】画像形成装置における省電力制御動作を示すフローチャートである。
【図14】画像形成装置のジョブ登録に関わる動作を示すフローチャートである。
【図15】目標電力制御のための操作画面を示す図である。
【図16】通信切断時分配設定画面を示す図である。
【図17】消費電力管理装置と画像形成装置との間の動作を示すフローチャートである。
【図18】画像形成装置と消費電力管理装置106の動作を示すフローチャートである。
【図19】画像形成装置の通信切断時における処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施形態1>
図1は、ネットワークで接続された複数の情報処理装置の省電力制御システムの例を示す。本実施形態の例における省電力制御システムは、プリンタ、複合機、FAXなどの画像形成装置A〜Eと、各画像形成装置の消費電力を管理する消費電力管理装置106と、各装置の消費する電力を測定する電力測定装置(101a〜101f)とから構成されている。
【0011】
また、ネットワークで接続された省電力制御システムを構成する各機器間の情報伝達手段は、無線通信手段を例として図に示している。この場合、無線通信手段は、マルチホップ型無線通信である。無線通信手段の直接接続あるいは中継接続により、各画像形成装置A〜Eは、消費電力管理装置106および電力測定装置(101a〜101f)と相互の情報伝達が行われる。このように情報伝達手段は、無線の例を示しているが、無線に限らず、情報伝達ができるならば、有線接続により接続されていてもよい。また、電力測定装置は、画像形成装置の外部に配置されたものとして図示しているが、画像形成装置の消費電力が測定可能で、その測定情報を受信可能であれば、画像形成装置が電力測定装置を内蔵していてもよい。
【0012】
画像形成装置A〜Eは、電力測定装置101から消費電力の情報を受信する。また、画像形成装置A〜Eは、消費電力管理装置106から省電力制御期間情報及び目標電力制御のための目標値を受信する。画像形成装置A〜Eは、これら受信情報と操作部により設定される省電力制御設定とに基づき、目標消費電力制御を実施する。
【0013】
図2は、省電力制御システムを構成する画像形成装置の構成要素を示す図である。コントローラユニット1200は、省電力制御システムで省電力制御の主体的役割を担う画像形成装置のデータ処理を行う。コントローラユニット1200は、画像読取デバイスであるスキャナ10や画像出力デバイスであるプリンタ20と接続される。また一方、コントローラユニット1200は、LAN3300や無線通信1252と接続されることで、ホストコンピュータ1100、電力測定装置101、その他図示しない外部機器との間で、画像情報や通信制御に関わる情報、消費電力量の情報の入出力を行う。
【0014】
CPU1201は、システム全体を制御するコントローラである。RAM1202は、CPU1201を動作させるためのシステムワークメモリであり、画像データを一時記憶するための画像メモリでもある。ROM1203は、ブートROMであり、ROM1203には、システムのブートプログラムが格納されている。HDD1204は、ハードディスクドライブであって、HDD1204には、システムソフトウェア、画像データ、ソフトウェアカウンタ値、目標消費電力量や電力測定装置101から受信した消費電力量の情報、などが格納される。ソフトウェアカウンタ値には、画像出力枚数をカウントアップされた値が格納される。このカウンタ値の格納は、HDD1204に限らず、電源が切れても記憶保持する不揮発性メモリならば、いずれでも良い。
【0015】
操作部I/F1206は、操作部(UI)140とのインタフェース部で、操作部140に表示するための画像データを操作部140に対して出力する。また、操作部I/F1206は、操作部140から本システムのユーザが入力した情報を、CPU1201に伝える役割をする。Network1210は、LAN3300に接続され、出力用画像にかかわる各種データの入出力や機器制御にかかわる情報の入出力を行う。また、Network1210は、操作部140による入力操作に応じて、ネットワーク上のホストコンピュータ(不図示)や外部の出力用画像データを管理する装置(不図示)から出力用画像データを受信して画像出力を行うことが可能である。
【0016】
無線通信IF1270は、無線により接続されるデジタルカメラやPC(不図示)、消費電力測定装置101などの周辺機器と接続し、出力画像にかかわる各種データの入出力や機器制御にかかわる情報の入出力を行う。スキャナ・プリンタ通信I/F1208は、スキャナ10やプリンタ20のCPUとそれぞれ通信を行うためのインタフェースである。以上のデバイスが、システムバス1207に配置される。タイマー1211は、画像形成装置およびコントローラユニットの時刻設定や、一定時間周期に割り込みを発するタイマーとして機能する。
【0017】
Image Bus I/F1205は、システムバス1207の指示により、画像データを高速で転送する画像バス2008に接続する、データ構造を変換するためのバスブリッジである。画像バス2008には、以下のデバイスが配置される。ラスターイメージプロセッサ(RIP)1260は、PDLコードをビットマップイメージに展開する。デバイスI/F部1220は、画像入出力デバイスであるスキャナ10やプリンタ20とコントローラ30を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。スキャナ画像処理部1280は、入力画像データに対し補正、加工、編集を行う。プリンタ画像処理部1290は、プリント出力画像データに対して、プリンタの補正、解像度変換等を行う。画像回転部1230は、画像データの回転を行う。画像圧縮部1240は、多値画像データについてはJPEG、2値画像画像データについてはJBIG、MMR、MHの圧縮伸張処理を行う。
【0018】
また、画像形成装置A〜Eは、省電力化のためのスリープモードを備えている。CPU1201は、このスリープモードへの動作モードへ移行させる制御を行う。つまり、CPU1201は、画像形成装置の稼動状況を判断して、プリンタ20,スキャナ10、操作部140などの部分に対する電力供給を独立に遮断・供給を制御することができる。例えば、スキャナ機能のみ使用する場合には、プリンタ20部やプリンタ画像処理部1290への電力供給が遮断される。一方、プリンタ機能のみ使用する場合には、操作部140、スキャナ10部およびスキャナ画像処理部1280など必要とされない機能部への電力供給を遮断する。このようにして、画像形成装置A〜Eは、消費電力を削減するための仕組みを備えている。
【0019】
図3は、省電力制御システムを構成する消費電力管理装置の構成要素を示す図である。消費電力管理装置106は、省電力化制御システムで消費電力量の管理と目標消費電力量の管理を行う。CPU1301は、制御プログラムを実行して装置全体の制御を行う。RAM1302は、CPU1301が動作するためのシステムワークメモリである。ROM1303は、ブートROMであり、ROM1303には、システムのブートプログラムが格納される。HDD1304は、ハードディスクドライブであって、HDD1304には、システムソフトウェア、目標消費電力量及び画像形成装置A〜Eから受信する消費電力量などが格納される。
【0020】
Network1310は、LAN接続IFであり、外部機器と有線LANにて接続するためのインタフェースである。無線通信IF1307は、画像形成装置A〜Eとの通信を行う無線通信インタフェースであって、消費電力量の情報の受信や目標消費電力量の送信を行う。IO1305は、液晶ディスプレイやマウスなどの入出力デバイス(不図示)から構成される操作部1306との情報を入出力するインタフェースである。省電力化制御システムにおける、目標消費電力量の設定など各種設定指示は、この操作部1306で入力を受付けることができる。
【0021】
以上が消費電力管理装置106の構成であるが、この構成は、汎用コンピュータを基本にしている。しかしながら、省電力化制御システムにおける消費電力量の管理や目標消費電力量などの設定入力指示の受付けができれば、この構成に限定されるものではない。図2に示した省電力化制御システムを構成する画像形成装置の一つが、以上の消費電力管理装置106の役割を担っても良い。
【0022】
図4は、省電力制御システムを構成する消費電力測定装置の構成要素を示す図である。消費電力測定装置101は、省電力化制御システムで消費電力量の測定及び測定結果の送信を行う。CPU1401は、制御プログラムを実行して消費電力の測定及び測定結果の送信制御などの装置全体の制御を行う。RAM1402は、CPU1401が動作するためのシステムワークメモリである。画像形成装置102は、消費電力装置101の電力測定部1404を経由して電源が供給されるようになっており、電力測定部1404が画像形成装置102の電源部分に供給される1次時側の電力量を直接的に測定する。CPU1401は、この測定結果である消費電力量などの情報をRAM1402に記憶する。ROM1403は、ブートROMであり、ROM1403には、システムのブートプログラムやシステムソフトウェアが格納される。
【0023】
Network1410は、LAN接続IFであって、外部機器と有線LANで接続するためのインタフェースである。無線通信IF1407は、画像形成装置A〜Eとの通信を行うための無線通信インタフェースであって、画像形成装置からの要求に応じて消費電力量の情報の送信などを行う。なお、画像形成装置との情報の送受は図示したように無線通信に限らずNetwork1410を介した有線のLAN接続IFであってもよい。
【0024】
また、省電力化制御システムで消費電力を測定するという機能を実現するために、図4において、画像形成装置と通信可能な外部の消費電力測定装置として説明した。しかしながら、省電力化制御システムにおいては、画像形成装置の消費電力量が測定できるものであれば、図4記載の構成例に限るものではなく、画像形成装置内部に消費電力測定部としてその機能を備える構成であってもよい。
【0025】
図5(a)は、本発明の省電力化制御システムにおける消費電力管理装置106の操作部1306(図3)の画面であり、目標消費電力量設定画面1500の例を示す。図示した操作部画面は、省電力化制御システムを構成するシステム全体の目標消費電力量の入力欄1501とシステム全体の省電力化制御を行う目標電力制御期間の入力欄1502とから構成されている。この入力欄に入力された値は、システム全体の省電力化制御パラメータとして、個別機器の目標値を算出するために入力される。
【0026】
図5(b)は、省電力化システムにおける消費電力管理装置106の操作部1306(図3)の画面である。そして、ここに示されているのは、個別の画像形成装置に対して設定する消費電力量の目標値を算出するために、詳細条件を設定する画面である。詳細設定画面1600は、期間配分設定における配分単位を設定する配分単位設定欄1601を備えている。この配分単位設定欄1601は、図5(a)で示した目標電力制御期間に対して目標消費電力量を分割する単位を1日単位1601、あるいは1週間単位1602といった単位でチェックボックスにより選択することが可能な選択項目を備える。
【0027】
また、配分単位設定欄1601は、配分単位設定欄1601の設定の配分単位より詳細に配分設定を行うために、曜日毎に目標消費電力量の配分設定を行うための曜日配分設定ボタン1604と、曜日配分設定を有効するためのチェックボックスとを備える。このボタンを押下することにより、図6(a)に示す曜日配分設定画面に遷移する。更に、時間毎に目標消費電力量の配分設定を行うための時間配分設定ボタン1605と時間配分設定を有効にするためのチェックボックスを備えている。このボタンを押下することにより図6(b)に示す時間配分設定画面に遷移する。
【0028】
次に、詳細設定画面1600は、過去の消費電力量の実績、すなわち消費電力の実績値に応じた期間配分設定を行うための実績配分設定のためのボタンと、実績配分設定を有効するためのチェックボックスとを備えている。これは、消費電力管理装置106が蓄積している画像形成装置から受信した消費電力量から配分設定を決定することが可能となっている。画像形成装置毎の配分設定を行うための選択項目として、機器間で均等に目標消費電力量を配分設定するための選択ボタン1607と、均等配分を有効にするためのチェックボックスを備えている。また、機器間で実績に応じた割合で配分設定するためのボタン1608と、実績配分設定を有効にするためのチェックボックスとを備える。
【0029】
実績配分ボタン1608を押下することによって、実績配分設定画面である図7(a)に遷移する。この実績配分を選択する場合、稼働率が極端に少ない機器は配分が限りなく「0」に近くなることが想定されるので、最低限に使用可能な配分値を割り当て可能なように、下限設定欄1609が備えられている。これを選択することにより、設定された下限設定値入力欄1610に入力した値分の配分設定が可能となる。
【0030】
更に、詳細設定画面1600は、機器間の目標消費電力量の配分を手動で行うための手動配分設定ボタン1611と、それを有効にするためのチェックボックスを備えている。手動配分設定ボタン1611を押下することにより、図7(b)に示す手動設定画面に遷移する。
【0031】
図6(a)は、図5(b)の詳細設定画面1600における、曜日配分設定ボタン1604で表示される曜日配分設定画面1700を示している。曜日配分設定画面1700は、週に配分されたトータル配分値1701と、棒グラフで示す曜日毎の目標消費電力量の表示欄1703と、1週間の実績値の読み込み棒グラフ表示するための実績値読み込みボタン1704とを備える。曜日配分設定画面1700は、更に、曜日ごとの値を変更するための変更矢印1702も含む。この変更矢印1702による値の変更は、トータル配分値1701の範囲内での変更に限定されているので、その限定の範囲で、曜日間での増減調整が行なわれる。例えば、配分された目標電力量の下限に対して、未だ実績値が余裕のある画像形成装置については、今後も同様に少ない電力量で済むと予測される場合に、再配分する目標電力量を低く抑えることで、他の画像形成装置へ抑えた電力量を配分しても良い。各画像形成装置の消費電力の実績値に差がある場合には、その実績値に基づいて、画像形成装置毎に目標電力量の再配分を設定できる。
【0032】
図6(b)は、図5(b)の詳細設定画面1600における時間配分設定ボタン1605により表示される時間配分設定画面1705を示す。時間配分設定画面1705は、1日に配分されたトータル配分値の表示欄1706と、棒グラフで示す時間毎の目標消費電力量の表示欄1707と、1日の実績値を読み込み棒グラフ表示するための実績値読み込みボタン1708とを備える。時間配分設定画面1705は、時間ごとの値を変更するための変更矢印1702とから構成される。この変更矢印による変更方法は、図6(a)の説明と同様である。
【0033】
図7(a)は、図5(b)の詳細設定画面1600の実績配分設定ボタン1608により表示される実績配分設定画面1800を示している。実績配分設定画面1800は、日に配分されたトータル配分値の表示欄1801と、棒グラフで示すその日の各機器の目標消費電力量の棒グラフ欄1802と、1日の実績値を読み込み棒グラフ表示するための実績値読み込みボタン1803とを備える。また、実績配分設定画面1800は、機器毎の値を変更するための変更矢印1805を備える。この変更矢印による変更方法は、図6(a)の説明と同様である。図7(a)の場合、図5(b)で示した下限設定欄1609が設定されている状態を示している。この設定された下限値1804は、棒グラフ欄1802に破線で示されている。例えば機器Aの場合、実績値(グレー塗りつぶし部分)は、下限値1804を下回っている。この場合、目標消費電力量には、下限値1804の値が割り当てられる。
【0034】
図7(b)は、図6の詳細設定画面1600の手動配分設定ボタン1611により表示される手動配分設定画面1806を示している。手動配分設定画面1806は、日に配分されたトータル配分値の表示欄1807と、棒グラフで示すその日の各機器の目標消費電力量の表示欄1808と、1日の実績値を読み込み棒グラフ表示するための実績値読み込みボタン1809とを備える。また、手動配分設定画面1806は、機器毎の値を変更するための変更矢印1810を備える。この変更矢印による変更方法は、図6(a)の説明と同様である。
【0035】
以上、図6及び図7を用いて各配分設定画面について説明したが、各配分設定方法に基づく配分設定が行えるような操作手段を提供するものであれば、図示した例に限定するものではない。各配分設定画面は、例えば棒グラフや変更矢印でなくても、例えば、数値によって配分設定の確認と入力ができるものであっても良い。
【0036】
図8は、本実施形態の省電力化制御システムにおける画像形成装置A〜Eと消費電力管理装置106の動作フローの一例を示す図である。特に、画像形成装置A〜Eと消費電力管理装置106との間で互いに送受信する目標消費電力量などの情報を交えた相互の連携動作についても説明する。
【0037】
消費電力管理装置のフローのS1806で、CPU1301は、消費電力管理装置106において、操作部1306に表示される目標消費電力量設定画面1500における入力欄1501で、目標消費電力量の設定を受付ける。そして、CPU1301は、その設定値をRAM1302及びHDD1304に記録する。S1807で、CPU1301は、設定画面1500(図5(a))における入力欄1502(図5(a))で目標電力制御期間の設定を受付けて、その設定値をRAM1302及びHDD1304に記録する。この場合、第1の期間として1ヶ月(30日)と入力された例を図示している。 次にS1808で、CPU1301は、詳細設定画面1600(図5(b))にて個別の画像形成装置に対して設定する目標消費電力量を算出するための詳細設定の入力を受付けて、その入力値をRAM1302及びHDD1304に記録する。この場合、配分単位設定欄1601(図5(b))は、第2の期間として1日単位に設定されている場合を図示している。つまり、第1の期間の30日は、第2の期間の1日単位で細分化する。S1809で、CPU1301は、入力された個別の画像形成装置への配分の設定から、画像形成装置のための、第2の期間における個別の目標消費電力量を決定する。次にS1810で、CPU1301は、無線通信IF1307(図3)を介して画像形成装置A〜E(図1)の各々に対して個別の目標消費電力量の情報を送信する。
【0038】
画像形成装置に対するフローにおけるS1801で、CPU1201(図2)は、消費電力管理装置106から送信された目標消費電力量の情報を受信して、その情報をRAM1202(図2)及びHDD1204(図2)に記録する。次にS1802で、CPU1201は、この受信した目標消費電力量の情報に基づき目標消費電力制御を実施する。S1803で、CPU1201は、第2の期間である1日を経過したか否かを判断する。
【0039】
S1804で、画像形成装置A〜Eの各々のCPU1201は、第2期間(1日)が経過したと判断すると、第2期間(1日)の経過後に消費電力量管理装置へ消費電力測定装置101から受信した消費電力量の実績値を送信する(実績値送信手段による)。S1805で、CPU1201は、電力制御を開始してから、第1期間(30日)が経過したか否か判断する。画像形成装置A〜Eにおいては、この30日の期間中、S1801からS1805を繰り返す。
【0040】
次に、消費電力管理装置106において、S1811で、CPU1301は、詳細設定画面1600(図5(b))の期間配分設定に基づき、第2の期間、1日を待つ。次にS1812で、CPU1301は、画像形成装置A〜Eを含む他の画像形成装置から消費電力量の実績値を受信して、その実績値をRAM1302及びHDD1304に記録する。
【0041】
更にS1813で、CPU1301(図3)は、ネットワークシステム全体の消費電力量の実績値を求める。すなわち、画像形成装置A〜Eの各消費電力量の実績値を受け取りその合計量を求める。そして、設定されていた全体の目標消費電力からその合計量を差し引き、その期間の目標消費電力に対する収支を計算する。そしてその計算された消費電力に基づき、制御期間の次の第2の期間(1日)に対するシステム全体の目標消費電力量を計算する。そして、この計算した目標消費電力量を上限として、各画像形成装置A〜Eへ再割り当てされる目標電力量を個別に受付ける。次にS1814で、CPU1301は、目標消費電力制御期間が経過したか否か判断する。経過していない場合は、S1810へ戻り、次の第2の期間に対して再配分する目標電力量を各画像形成装置A〜Eへ個別に再送信する。経過している場合は、目標消費電力制御を終了する。以上、画像形成装置A〜Eと消費電力管理装置106との間で互いに送受信する目標消費電力量などの情報を交換する相互の連携動作フローについて説明した。
【0042】
図9は、本実施形態の省電力化制御システムにおける、画像形成装置A〜Eと消費電力測定装置101の動作フローの例を示す図である。特に、画像形成装置A〜Eにおける目標消費電力制御フローと消費電力測定装置101との間における消費電力量などの情報の送受信を交えた相互の連携動作についても説明する。
【0043】
図9における消費電力測定装置に対するS1906で、消費電力測定装置101は、電力測定部1404にて画像形成装置の一定期間の消費電力量を計測している。そしてCPU1401(図4)は、計測値をRAM1402(図4)に格納する。次にCPU1401は、画像形成装置から消費電力量送信要求を受信する。S1907で、CPU1401は、RAM1402に記録した消費電力量の情報を読み出して、その情報を画像形成装置A〜Eに送信する。次にS1909で、CPU1401は、測定終了するか否かを判断する。終了しない場合は、S1906からS1908を繰り返す。
【0044】
図9における画像形成装置のフローのS1901で、画像形成装置A〜E側では、図8のS1802における目標消費電力制御として、まずCPU1201(図2)は、消費電力測定装置101に対して消費電力測定開始の要求を送信する(要求送信手段による)。次にS1902で、CPU1201は、送信要求に基づき消費電力測定装置101から送信された自身の消費電力量の実績値受信を行なう。
【0045】
S1904で、CPU1201は、この消費電力量と消費電力管理装置106から設定された消費電力量の目標値と比較する。CPU1201は、消費電力量が目標値未満の場合には、目標消費電力制御を終了する。S1905で、消費電力量が目標値を上回った場合には、CPU1201は、画像形成装置A〜Eの省電力制御を実施する。
【0046】
図10は、本実施形態の画像形成装置A〜Eの操作部140(図2)に表示する省電力制御設定画面の例を示す図である。省電力制御設定画面2000は、消費電力を抑制するスリープ移行時間設定ボタン2001と、印刷レイアウト設定ボタン2002と、印刷色設定ボタン2003と、操作部バックライト設定ボタン2004とを備える。また、省電力制御設定画面2000には、以上のそれぞれのボタンによる設定を有効にするためのチェックボックスが備えられている。チェックボックスを有効に設定することで、それぞれの所定の省電力制御が可能となる。
【0047】
スリープ移行時間設定ボタン2001を設定することで、省電力制御が行われる場合にスリープ移行時間に関わる設定ができる。例えば、スリープ移行時間設定ボタン2001は、通常動作時のスリープ移行時間に対して短縮する時間設定の入力を受付ける。印刷レイアウト設定ボタン2002を設定することで、省電力制御が行われる場合に縮小レイアウト設定による印刷が行われるように設定できる。例えば、2−in−1、4−in−1、両面印刷などを含む印刷レイアウト設定を選択的に受付ける。
【0048】
また、印刷色設定ボタン2003を設定することで、省電力制御が行われる場合に、カラープリンタでもモノクロ設定に限定して印刷が行われるよう設定できる。例えば、印刷色設定ボタン2003は、スキャナ10(図2)によって読み取る原稿色の検知機能をOFFすることでのモノクロの設定を受付ける。操作部バックライト設定ボタン2004を設定することで、省電力制御が行われる場合には、操作部140(図2)のバックライトの光量を減らすよう設定できる。
【0049】
以上のような省電力制御設定画面による設定内容は、図2のCPU1201によりRAM1202またはHDD1204に記録される。また、図10に示した省電力制御設定は、本実施形態の省電力化制御システムにおける画像形成装置A〜Eを省電力動作させるための省電力制御の一例であって、図示した例に限定されるものではない。その他画像形成装置の省電力効果のあるパラメータ設定、動作モード設定であればよい。
【0050】
図11(a)は、本実施形態の省電力化制御システムの省電力制御設定画面におけるスリープ移行時間設定画面の例を示す。スリープ移行時間設定画面2200は、通常動作時のスリープ移行時間設定の入力欄2201と、省電力制御時のスリープに移行時間設定の入力欄2202とから構成されている。図の例では、通常モード時は5分、省電力制御時には2分でスリープモードに移行するよう設定している。
【0051】
図11(b)は、本実施形態の省電力化制御システムの省電力制御設定画面における印刷レイアウト設定画面の例を示す。印刷レイアウト設定画面2300は、省電力制御時に行う縮小レイアウト設定をチェックボックス2301によって選択的に行うことがでる選択項目と、省電力制御時に両面印刷をするか否かを選択するためのチェックボックス2302の項目とから構成されている。
【0052】
また、上記項目の設定結果をデフォルト設定としてユーザが変更可能とするための選択項目2303と、上記項目の設定結果を強制設定としてユーザが変更不可能とするための選択項目2304とを備える。図の例では、縮小レイアウト設定は、2−in―1指定、両面設定指定になっており、デフォルト指定でユーザが変更可能ないように設定されている。
【0053】
図12(a)は、本実施形態の省電力化制御システムの省電力制御設定画面における印刷色設定画面の例を示す図である。印刷色設定画面2400は、省電力制御時にモノクロ印刷指定するか否かを設定するための選択項目2401と、この設定結果をデフォルト設定としてユーザが変更可能とするための選択項目2402とを備える。また、印刷色設定画面2400は、上記項目の設定結果を強制設定としてユーザが変更不可能とするための選択項目2403も備える。図の例では省電力制御時にモノクロ印刷指定されており、強制指定されている。この場合、印刷は、モノクロ印刷に機能が限定される。
【0054】
図12(b)は、本実施形態の省電力化制御システムの省電力制御設定画面における操作部バックライト設定画面の例を示す図である。操作部バックライト設定画面2500は、省電力制御時のバックライトの光量設定を行うための調整項目2501と、設定結果をデフォルト設定としてユーザが変更可能とするための選択項目2502とを備える。また、操作部バックライト設定画面2500は、上記項目の設定結果を強制設定としてユーザが変更不可能とするための選択項目2503も備える。図の例では、バックライトの光量を普通よりやや暗く設定されており、ユーザが変更可能なように設定されている。
【0055】
図13は、本実施形態の省電力化制御システムにおける画像形成装置A〜Eの省電力制御動作フローの例を示す図である。省電力制御のためのS2101で、CPU1201(図2)は、図9で設定した省電力制御設定内容をRAM1202(図2)またはHDD1204(図2)から読み出す。次にS2102で、CPU1201は読み出した省電力制御設定に基づき、スリープ移行時間設定が有効になっているか否か判断する。スリープ移行時間設定が有効になっている場合には、ステップ2103で、設定としてスリープ移行時間を短く設定変更する。スリープ移行時間設定が有効になっていない場合には、S2104に移行する。
【0056】
S2104で、CPU1201は、印刷色設定が有効になっているか否か判断する。印刷色設定が有効になっている場合には、S2105で、設定としてモノクロ印刷設定をデフォルトに変更する。この場合、CPU1201は、スキャナによる原稿色検知をOFF設定するか、読取原稿タイプをモノクロ設定に固定するかなどの設定変更を行う。印刷色設定が有効になっていない場合には、S2106へ移行する。S2106で、CPU1201は、印刷レイアウト設定が有効になっているか否か判断する。印刷レイアウト設定が有効になっている場合には、S2107で、設定として2−in−1レイアウト印刷をデフォルトに変更する。印刷レイアウト設定が有効になっていない場合、S2108へ移行する。
【0057】
S2108で、CPU1201は、操作部バックライト設定が有効になっているか否か判断する。操作部バックライト設定が有効になっている場合には、S2109で、CPU1201は、バックライトの光量をダウンさせる設定変更を行う。操作部バックライト設定が有効になっていない場合には、S2110へ移行する。S2110で、省電力制御設定画面に基づく省電力設定が行われた後、CPU1201は、画像形成装置A〜Eをスリープモードに移行させる。
【0058】
図14は、本実施形態の省電力化制御システムにおける、画像形成装置A〜Eのジョブ登録に関わる動作フローの例を示すフローチャートである。画像形成装置のためのS2201で、ユーザがコピーやプリントを実行させるため、操作部140(図2)で行う詳細条件設定を含むジョブを登録する場合に、CPU1201(図2)は、省電力化制御を実施中であるか否かを判断する。省電力制御を実施中でない場合(OFF)、S2204で、CPU1201は、制限なしで通常のジョブ登録を受付ける。省電力制御を実施中の場合、S2202で、CPU1201は、操作部140に省電力制御内容を表示することで省電力制御実施中である旨をユーザに通知する。そしてS2203で、CPU1201は、省電力制御に基づくジョブ登録を受付ける。
【0059】
以上のように、本実施形態の省電力化制御システムにおける画像形成装置では、ユーザのジョブ登録時に省電力化制御中であるか否かを判断して、その判断に従ってジョブ登録を受付け、ジョブ実行条件が変更されることがないようにしている。
【0060】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2について説明する。なお、実施形態2は、実施形態1の変形例である。以下で特に説明する部分を除いては、実施形態1と同様であるものとし、説明を省略する。
【0061】
実施形態1は、画像形成装置A〜Eは、消費電力量管理装置106から第2の期間(1日)毎に目標消費電力値を受信し、受信した目標消費電力値に基づいて省電力制御を行うものであった。実施形態2は、消費電力量管理装置106から第2の期間(1日)毎に目標消費電力値を受信しない場合であっても、省電力制御を行うことができるようにしたものである。実施形態2によれば、例えば、画像形成装置Aと消費電力管理装置106の間の通信が切断された場合であっても、画像形成装置Aに省電力制御を実行させることができる。
【0062】
図15は、本発明の省電力化制御システムにおける省電力化システムにおける消費電力管理装置106の操作部1306(図3)の画面である。そして、ここに示されているのは、個別の画像形成装置に対して設定する消費電力量の目標値を算出するために、詳細条件を設定する画面である。なお、1601〜1611までは図5(b)で示したものと同様であるので説明を省略する。実施形態2の詳細設定画面2600は、通信切断時分配設定ボタン1612を備える。通信切断時分配設定ボタン1612が操作者により押下されると、図16の通信切断時分配設定画面2700に遷移する。
【0063】
図16には、管理装置原因チェックボックス2701がある。このボックスがチェックされている場合であって消費電力管理装置106が通信切断の要因である場合に、テキストボックス2702に入力されている数値を、通信切断時の目標電力量に乗算して画像形成装置102が第2の期間(1日)における省電力制御を行う。なお、チェックボックス2701がチェックされると、消費電力管理装置106は、テキストボックス2702に入力されている数値を画像形成装置102(A〜E)へ送信する。
【0064】
また、図16には、画像形成装置原因チェックボックス2703がある。このボックスがチェックされている場合であって画像形成装置102が通信切断の要因である場合に、テキストボックス2704に入力されている数値を、通信切断時の目標電力量に乗算して画像形成装置102が第2の期間(1日)における省電力制御を行う。なお、チェックボックス2702がチェックされると、消費電力管理装置106は、テキストボックス2704に入力されている数値を画像形成装置102(A〜E)へ送信する。
【0065】
図17は、本実施形態の省電力化制御システムにおける、画像形成装置A〜Eと消費電力管理装置106の動作フローの例を示す図である。なお、図17のステップS2801は、図8のステップS1806及びS1807と同様であるので説明を省略する。また、図17のステップS2806、S2808、S2810は、それぞれ図8のステップS1811、S1813、S1814と同様であるので説明を省略する。
【0066】
図17のS2802で、CPU1301は、図16の通信切断時分配設定画面2700を介して、操作者による通信切断時の目標電力量の設定を受け付ける。具体的には、管理装置原因チェックボックス2701及び画像形成装置原因チェックボックス2703に対するチェックを受け付ける。また、テキストボックス2702及びテキストボックス2704への数値の入力を受け付ける。そして、CPU1301は、入力結果をRAM1302又はHDD1304に記憶する。
【0067】
S2803で、CPU1301は、S2802における入力結果に基づいて、各画像形成装置(A〜E)に設定する通信切断時の目標消費電力量を算出する。具体的には、図8のS1809で算出される目標消費電力量にテキストボックス2702の値を乗算することにより、管理装置原因の通信切断時における目標消費電力量を算出する。また、図8のステップS1809で算出される目標消費電力量にテキストボックス2704の値を乗算することにより、画像形成装置原因の通信切断時における目標消費電力量を算出する。
【0068】
S2804で、CPU1301は、無線通信IF1307を介して画像形成装置(A〜E)と通信可能かどうかを判別して、通信可能であればS2805へ処理を進める。
【0069】
S2805で、CPU1301は、無線通信IF1307を介して通信可能と判別された画像形成装置に対して、S2803で算出された目標消費電力量(管理装置原因、画像形成装置原因)を送信する。なお、S2805にて送信された目標消費電力量を受信した画像形成装置における処理は、図18にて詳細に説明する。S2807で、CPU1301は、通信可能と判別された画像形成装置から、消費電力量の実績値を受信したかを判別し、受信したと判別した場合は、S2808へ処理を進め、そうでなければS2804へ処理を進める。CPU1301は、実績値を受信した場合は受信した実績値をRAM1302又はHDD1304へ記憶させる。また、S2809で、CPU1301は、S2802で受付けた設定とS2808で算出された目標消費電力量を用いて、通信切断時の画像形成装置の目標消費電力量を再計算する。
【0070】
次に、図18を用いて、画像形成装置A〜Eの動作フローについて説明する。図18は、本実施形態の省電力化制御システムにおける、画像形成装置A〜Eと消費電力管理装置106の動作フローの例を示す図である。S2901で、CPU1201は、画像形成装置102が消費電力管理装置106と通信できない場合に使用する目標消費電力量の初期値を画像形成装置102の操作者から受け付け、RAM1202又はHDD1204へ記憶させる。
【0071】
S2902で、CPU1201は、消費電力量管理装置106から目標消費電力量および通信切断時の目標消費電力量の情報を受信したかどうかを判定し、受信した場合には、受信した情報をRAM1202又はHDD1204へ記憶させる。S2903で、CPU1201は、S2901または後述のステップS2910で定めた通信切断時の目標消費電力量を、画像形成装置の目標消費電力量とする。また、CPU1301は、S2904とS2905を実行するが、本ステップは図9のS1802とS1803と同様であるため説明を省略する。
【0072】
次に、S2906で、CPU1201は、無線通信IF1270を介して消費電力量管理装置106と通信可能かどうかを判別し、通信可能である場合はS2907へ処理を進め、通信不能である場合には、S2909へ処理を進める。ここで、S2907とS2908は、図9のステップS1804とS1805と同様であるため、説明を省略する。S2909で、CPU1201は、図9のステップS1805と同様の判断を行うが、本ステップにてCPU1201が30日経過していないと判断した場合、S2910に処理を進める点が異なる。S2910で、CPU1201は、通信切断時に使用する目標消費電力量を決定する。なお、本ステップは、図19にて詳細に説明する。CPU1201は、S2910を実行した後にS2902へ処理を進める。
【0073】
次に、図19を用いて、本実施形態の省電力化制御システムにおける、画像形成装置102の通信切断時における処理フローを説明する。図19は、図18のS2910の処理を詳細に説明したものである。S3001で、CPU1201は、RAM1202またはHDD1204に記憶されている画像形成装置のネットワーク使用履歴から、通信実績のあるネットワーク装置(ネットワークに接続された任意の装置)のネットワークアドレスを抽出する。また、抽出結果をRAM1202又はHDD1204に一時的に記憶させる。
【0074】
S3002で、CPU1201は、S3001で記憶させた抽出結果から、後述のS3003で実施する通信テストが実施されていない任意のネットワークアドレスを1つ選択する。S3003で、CPU1201は、S3002で選択したネットワークアドレスに対して、PINGコマンドやTRACEROUTEコマンドを利用して通信を試みる。S3004で、CPU1201は、画像形成装置とネットワーク装置が通信可能であるかどうかを判別し、通信可能であると判別された場合はステップS3006へ処理を進め、通信不能であると判別された場合はS3005へ処理を進める。
【0075】
S3005で、CPU1201は、S3001で抽出した全てのネットワークアドレスで通信を試みたかどうかを判別し、YESであればS3007へ処理を進め、そうでなければS3002に処理を進める。S3006で、CPU1201は、通信切断の原因が消費電力量管理装置側にある場合の消費電力量の目標値を、図18のS2902で保存したRAM1202又はHDD1204から抽出する。
【0076】
S3007で、CPU1201は、通信切断の原因が画像形成装置側にある場合の消費電力量の目標値を、図18のS2902で保存したRAM1202又はHDD1204から抽出する。最後に、S3008で、CPU1201は、S3006又はS3007を実行した結果得られた目標値を、通信切断時の目標消費電力量として、RAM1202又はHDD1204に記憶させる。なお、ここで記憶された通信切断時の目標消費電力量は、図18のS2903で使用される。
【0077】
<その他の実施形態>
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の情報処理装置の電力制御を行う電力制御装置であって、
電力制御を行なう第1の期間と、該第1の期間を細分化した第2の期間と、前記複数の情報処理装置に対する全体の目標消費電力量と、該全体の目標消費電力量から割り当てる、該複数の情報処理装置の各々に対する個別の目標消費電力量とを受付ける受付け手段と、
前記第1の期間と前記第2の期間と前記個別の目標消費電力量とを前記複数の情報処理装置の各々に送信する送信手段と、
前記第2の期間が経過後、前記複数の情報処理装置の各々から該第2の期間における消費電力量の実績値を受信する受信手段と、
前記複数の情報処理装置の各々から受信した消費電力の実績値の合計量を、前記全体の目標消費電力量から差し引いた電力量を計算する計算手段と、
次の第2の期間に対して、前記計算手段により計算された電力量を用いて前記複数の情報処理装置の個別に再割り当てされる目標消費電力量を受付ける再割り当て受付け手段と、
該個別に再配分した目標消費電力量を前記複数の情報処理装置の各々へ再送信する再送信手段と
を備えること特徴とする電力制御装置。
【請求項2】
前記計算手段により計算された電力量を表示する表示手段を有することを特徴とする請求項1に記載の電力制御装置。
【請求項3】
複数の情報処理手段と該複数の情報処理手段の消費電力を測定する電力測定手段と該複数の情報処理手段の電力制御を行う電力制御手段とを備える電力制御システムであって、
前記電力制御手段は、
複数の情報処理装置の電力制御を行う電力制御装置であって、
電力制御を行なう第1の期間と、該第1の期間を細分化した第2の期間と、前記複数の情報処理装置に対する全体の目標消費電力量と、該全体の目標消費電力量から割り当てる、該複数の情報処理装置の各々に対する個別の目標消費電力量とを受付ける受付け手段と、
前記第1の期間と前記第2の期間と前記個別の目標消費電力量とを前記複数の情報処理装置の各々に送信する送信手段と、
前記第2の期間が経過後、前記複数の情報処理装置の各々から該第2の期間における消費電力量の実績値を受信する受信手段と、
前記複数の情報処理装置の各々から受信した消費電力の実績値の合計量を、前記全体の目標消費電力量から差し引いた電力量を計算する計算手段と、
次の第2の期間に対して、前記計算手段により計算された電力量を用いて前記複数の情報処理装置の個別に再割り当てされる目標消費電力量を受付ける再割り当て受付け手段と、
該個別に再配分した目標消費電力量を前記複数の情報処理装置の各々へ再送信する再送信手段と
を備え、
前記情報処理手段は、
前記電力制御手段から送信された、前記第1の期間と前記第2の期間と前記個別に再配分した目標消費電力量との受信に基づき、消費電力測定開始の要求を前記電力測定手段へ送信する要求送信手段と、
前記第2の期間が経過後、前記電力測定手段から該第2の期間における自身の消費電力の実績値を受信する実績値受信手段と、
前記受信した消費電力の実績値が前記個別の目標消費電力量を上回った場合に、所定の省電力制御を行う省電力制御手段と、
前記受信した消費電力の実績値を前記電力制御手段へ送信する実績値送信手段とを備え、
前記電力測定手段は、
前記情報処理手段から送信された前記消費電力測定開始の要求に基づき、前記情報処理手段の消費電力測定を行う測定手段と、
前記第2の期間が経過後、前記測定手段で測定された消費電力の実績値を前記情報処理手段へ送信する実績値送信手段と
を備えることを特徴とする電力制御システム。
【請求項4】
前記電力制御手段は、前記計算手段により計算された電力量を表示する表示手段を有することを特徴とする請求項3に記載の電力制御システム。
【請求項5】
前記情報処理手段は画像形成装置であって、
前記情報処理手段の省電力制御手段は、消費電力を抑制したスリープ移行時間設定、印刷レイアウト設定、印刷色設定および操作部のバックライト設定のうちの、いずれか少なくとも1つの設定を用いて、自身の省電力制御を行うことを特徴とする請求項3又は4に記載の電力制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2011−180764(P2011−180764A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−43065(P2010−43065)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】