説明

電力変換器のゲート駆動回路

【課題】ゲート信号のオン状態が所定期間以上継続することを防止すること。
【解決手段】電力変換器(3)のスイッチング素子(301〜304)のオン期間を規定するパルス信号(S1〜S4)を絶縁用のトランス(201)に入力し、トランス(201)から出力される信号を用いてスイッチング素子(301〜304)のゲートに与えるゲート信号を形成するゲート駆動回路である。トランス(201)から出力される信号を整形する整形手段(202)と、整形手段(202)によって整形された信号が所定期間オン状態を継続した場合に前記ゲート信号をオフ状態にさせる信号オフ手段(203、204、205)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力変換器のスイッチング素子のオン期間を規定するパルス信号を絶縁用のトランスに入力し、該トランスの出力信号を整形処理した信号に基づいて上記スイッチング素子のゲートに与えるゲート信号を形成するゲート駆動回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複数のスイッチング素子をブリッジ接続した電力変換器は、ゲート駆動回路から出力されるゲート信号で個々のスイッチング素子のゲートをオンオフ制御することによって所定の電力を出力する。
特許文献1に記載の上記ゲート駆動回路は、上記電力変換器のスイッチング素子のオン期間を規定するパルス信号を絶縁用のトランスに入力し、このトランスの出力信号から上記ゲート信号を形成するように構成されている。
【特許文献1】特開平7-15949号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記絶縁用のトランス(パルストランス)に図5(a)に示すようなパルス信号が入力された場合、このトランスから図5(b)に示すような信号、すなわち、リアエッジ側に向かって徐々に電圧が低下しかつ振動が重畳した信号が出力されることになる。このため、このトランスの出力信号に基づいてゲート信号を形成する場合には、その出力信号をバッファ等の波形整形手段に入力して、図5(c)に示すような整形処理された信号を得る必要がある。
なお、上記電圧の低下は、上記トランスのコア小型化による磁気飽和に起因して発生し、また上記振動の重畳は、回路のインダクタンスとストレー容量に起因して発生する。
【0004】
ところで、上記電力変換器に接続された負荷に短絡等の事故が発生すると、該電力変換器のスイッチング素子に過大な負荷電流が流れることになる。そこで、過大負荷電流の発生時には、上記パルストランスへのパルス信号の入力を停止して、上記スイッチング素子に対するゲート信号の供給を停止することが従来から実施されている。
しかし、上記過大負荷電流の発生時点、つまり、上記トランスへのパルス信号の入力停止タイミングが例えば図5のto時点である場合、ゲート信号の供給を停止することができなくなることがある。
【0005】
すなわち、上記to時点では、コアの飽和によるパルストランスの出力電圧の低下割合が小さく、しかも、該出力電圧に振動が重畳されてその電圧が上昇している場合がある。この場合、図示のように、トランスの出力が「Lo」レベルまで落ちきらず、このため、上記波形整形手段が入力信号のレベルを「Lo」レベルとして認識しないこと、すなわち、図5(c)に示すように、この波形整形手段の出力が「Hi」レベルのまま維持されることになる。
ゲート信号のオン期間は、上記波形整形手段の出力信号のオン期間に対応するので、上記のような状況が生じた場合、電力変換器のスイッチング素子がオン状態を継続することになる。これは、スイッチング素子が過大負荷電流から保護されないことを意味する。
【0006】
そこで、本発明の目的は、ゲート信号のオン状態が所定期間以上継続することを防止することができる電力変換器のゲート駆動回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、電力変換器のスイッチング素子のオン期間を規定するパルス信号を絶縁用のトランスに入力し、該トランスから出力される信号を用いて前記スイッチング素子のゲートに与えるゲート信号を生成するゲート駆動回路であって、前記トランスから出力される信号を整形する整形手段と、前記整形手段によって整形された信号が所定期間オン状態を継続した場合に前記ゲート信号をオフ状態にさせる信号オフ手段と、を備えることによって上記の目的を達成している。
【0008】
前記電力変換器に接続される負荷は、共振回路を構成しても良い。この電力変換器には、負荷として例えば誘導加熱用のコイルが接続される。
前記所定期間は、前記パルス信号の最大パルス幅期間よりも長く設定される。
【0009】
前記信号オフ手段は、前記整形処理された信号のオン期間をタイマ手段の設定時間と比較し、前記オン期間が前記設定時間を超えた場合に、前記整形処理された信号をオフ状態にさせるように構成することができる。
前記電力変換器は、例えば前記スイッチング素子をHブリッジ接続した構成を有する。しかし、本発明は、スイッチング素子をハーブブリッジ接続した構成の電力変換器にも適用可能である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、例えば、電力変換器に接続された負荷に短絡等の事故が発生してパルストランスへのパルスの入力がオフされた場合に、ゲート信号のオン状態が所定期間以上継続することが回避されるので、上記短絡事故等の拡大を防止して信頼性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る電力変換器のゲート駆動回路の実施形態について説明する。
図1に示すように、本発明に係るゲート駆動回路2−1〜2−4は、信号発生部1と電力変換器3との間に設けられる。各ゲート駆動回路2−1〜2−4は、信号発生部1から出力されるパルス信号S1〜S4に基づいてゲート駆動信号Q1〜Q4をそれぞれ形成し、このゲート駆動信号Q1〜Q4によって電力変換器3のスイッチング素子を制御する。
【0012】
図2は、信号発生部1の構成例を示している。この図2において、電流調節器101には、電流指令(目標電流値)と後述の負荷電流値との偏差が入力される。流調節器101は、この電流偏差に対応する信号(電流偏差にPID等の補償を施した信号)を生成してコンパレータ102の一方の入力に与える。
なお、上記負荷電流値は、整流手段等を備える絶対値変換部103によって絶対値に変換される。
【0013】
上記コンパレータ102の他方の入力には、図示していないキャリア信号発生回路から鋸刃状波形を有するキャリア信号が入力される。
キャリア信号発生回路は、特開昭62-77063号公報にも記載されているように、積分器を備えている。この積分器は、上記負荷電流の零クロス点でリセットされた後、該負荷電流の周波数に対応する電圧を積分する。したがって、この積分器からは、負荷電流の周期に同期した一定レベルの上記鋸刃状キャリア信号が出力される。
【0014】
コンパレータ102は、上記キャリア信号と上記電流偏差に対応する信号とを比較し、上記キャリア信号が上記電流偏差信号のレベルを超える期間において「Hi」レベルの信号を出力する。
このコンパレータ102の出力信号は、その立ち上がりのタイミングでフリップフロップ105をトリガする。その結果、このフリップフロップ105の非反転出力端子からは、上記立ち上がりのタイミングで論理値が変化する信号が出力されることになる。
【0015】
一方、コンパレータ104は、予め設定された過電流判定用のしきい値と上記負荷電流値とを比較し、該負荷電流値が上記しきい値以上になった場合に過電流指示信号を発生する。この過電流指示信号が発生した場合、この信号によってフリップフロップ106がトリガされて、その反転出力端子が「Lo」の状態におかれる。
【0016】
フリップフロップ105の非反転出力端子は、アンド回路107の一方の入力に接続されると共に、インバータ108を介してアンド回路109の一方の入力に接続されている。一方、フリップフロップ106の反転出力端子は、アンド回路107およびアンド回路109の他方の入力に接続されている。そして、アンド回路107の出力は端子T1、T4に接続され、アンド回路109の出力は端子T2、T3に接続されている。
したがって、上記コンパレータ104から過電流指示信号が出力されないときには、フリップフロップ105の出力信号がパルス信号S1、S4として端子T1、T4から出力されるとともに、フリップフロップ105の出力信号をインバータ108によって反転したパルス信号S2、S3が端子T2、T3から出力される。
また、コンパレータ104から過電流指示信号が出力されたときには、端子T1〜T4がいずれも「Lo」状態におかれる。すなわち、パルス信号S1〜S4の出力が停止されることになる。
【0017】
図3は、上記ゲート駆動回路2−1の構成例を示している。このゲート駆動回路2−1は、入力信号を絶縁するためのパルストランス201を備えている。このパルストランス201は、一次側が上記信号発生部1の端子T1に接続され、二次側がバッファ202を介してアンド回路203の一方の入力に接続されている。
アンド回路203の出力は、タイマ回路204およびインバータ205を介して該アンド回路203の他方の入力に接続され、更に増幅回路206および絶縁用のパルストランス207を介して上アームのMOSFET208のゲートに接続されると共に、インバータ209および増幅回路210を介して下アームのMOSFET211のゲートに接続されている。
なお、他のゲート駆動回路2−2〜2−4は、上記ゲート駆動回路2−1の構成に準じた構成を有するのでその説明を省略する。
【0018】
図4は、上記電力変換器3の構成例を示している。この電力変換器3は、スイッチング素子であるMOSFET301〜304をHブリッジ接続してなるブリッジ回路305と、このブリッジ回路305に所定の直流電圧を印加する直流電源306とを備えている。なお、MOSFET301〜304には、それぞれ還流ダイオードD1〜D4が並列接続されている。
ブリッジ回路305の出力には、共振負荷回路4が接続されている。この共振負荷回路4は、共振コンデンサ(力率改善コンデンサ)401と負荷である高周波加熱用誘導コイル402とを直列接続した構成を有する。なお、符号403は、誘導コイル402の抵抗成分を示している。
電流センサ5は、負荷電流を検出し、その検出した負荷電流を図1に示した信号発生部1に入力する。
【0019】
図2に示すコンパレータ104から過電流指示信号が出力されない場合、端子T1から例えば図5(a)に示すようなパルス信号S1が出力される。このパルス信号S1は、図3のパルストランス201の一次側に入力されるので、このパルストランス201の二次側から図5(b)に示すような信号、つまり、リアエッジ側に向かって徐々に電圧が低下しかつ振動が重畳した信号が出力される。
前述したように、上記電圧の低下現象は、パルストランス201のコアの小型化に伴う磁気飽和に起因して発生し、また、上記振動が重畳される現象は、回路のインダクタンスとストレー容量に起因して発生する。
【0020】
上記パルストランス201の出力信号は、バッファ202によって図5(c)に示すように整形された後、アンド回路203の一方の入力に加えられる。
前記タイマ回路204は、アンド回路203の出力が「Hi」レベルの状態を所定時間(設定時間)Ts継続した場合に、それ自身の出力を「Lo」レベルから「Hi」レベルに変化させるように動作する。なお、このタイマ回路204の設定時間Tsについては後述する。常態時においては、このタイマ回路204の出力が「Lo」レベルにおかれるので、図5(c)、(d)に示すように、バッファ202の出力信号とアンド回路203の出力信号が等しくなる。
【0021】
常態時におけるアンド回路203の出力信号は、増幅回路206および絶縁用のパルストランス207を介してMOSFET208のゲートに入力されると共に、インバータ209および増幅回路210を介してMOSFET211のゲートに入力される。この結果、MOSFET208、211が交互にオン、オフされ、これによって、ゲート駆動回路2−1からは図6に示すようなゲート駆動信号Q1が出力される。
図1に示す他のゲート駆動回路2−2〜2−4は、信号発生部1のパルス信号S2〜S4に基づいて上記ゲート駆動回路2−1の動作に準じた動作を行う。したがって、ゲート駆動回路2−2〜2−4からは、それぞれ図6に示すようなゲート駆動信号Q2〜Q4が出力される。
上記ゲート駆動信号Q1〜Q4は、電力変換器3のMOSFET301〜304のゲートにそれぞれ加えられる。この結果、電力変換器3から図6に例示するような交流の電圧Voおよび電流Ioが共振負荷回路4に出力される。
【0022】
負荷電流Ioは、図2に示す電流調節器101の出力に応じて変化し、例えば、該電流調節器101の出力が低下した場合には、上記負荷電流Ioと出力電圧Voの位相差が増大されて、該負荷電流Ioが減少されることになる。なお、電力変換器3の出力電圧Voおよび出力電流Ioの周波数は、L−C−R共振回路である共振負荷回路4の共振周波数にほぼ対応する。そして、電流調節器101の出力が低下した場合には、上記出力電圧Voおよび出力電流Ioの周波数が上昇する。
【0023】
つぎに、負荷電流が過大になって図2に示すコンパレータ104が過電流指示信号を出力した場合について説明する。この場合、前記したように、パルス信号S1〜S4の出力が停止されることになる。
したがって、通常においては、各ゲート駆動回路2−1〜2−4におけるバッファ202(図3参照)の出力が「Lo」レベルになって、このゲート駆動回路2−1〜2−4から出力されるゲート駆動信号Q2〜Q4が「Lo」レベルに固定されることになる。
この場合、電力変換器3のMOSFET301〜304がオフされるので、共振負荷回路4への電力の供給が停止されて、上記過大負荷電流からMOSFET301〜304が保護される。
【0024】
しかし、上記過電流指示信号の出力タイミングによっては、ゲート駆動回路2−1、2−4もしくはゲート駆動回路2−2、2−3においてバッファ202(図3参照)の出力が「Lo」レベルにならないことがある。
例えば、上記過電流指示信号の出力に基づいて、ゲート駆動回路2−1に対して図5に示すto時点でパルス信号S1の入力が停止されたとすると、前述したように、このto時点ではコアの飽和に起因したパルストランス201の出力電圧の低下割合は小さい。したがって、この出力電圧に重畳された振動によってこの出力電圧が上昇されている場合には、図5(b)に示すよう、パルストランス201の出力が零レベルまで落ちきらないことがある。
【0025】
この場合、バッファ202がパルストランス201の出力レベルを「Lo」レベルと認識することができなくなるため、図5(c)に示すように、バッファ202の出力が「Hi」レベルの状態を継続する。そこで、図6に示すように、ゲート駆動回路2−1から出力されるゲート駆動信号Q1が上記to時点後においても「Hi」レベルの状態を継続し、その結果、電力変換器3のMOSFET301がオン状態を継続することになる。
ゲート駆動回路2−4には、ゲート駆動回路2−1に入力されるパルス信号S1と同じパルス信号S4が入力される。したがって、このゲート駆動回路2−4でも上記と同様の現象を生じ、その結果、電力変換器3のMOSFET304がオン状態を継続することになる。
このように、MOSFET301、304がオン状態にあるときには、共振負荷回路4に図6に示す直流電圧Voが印加される。
なお、図5(a)に示すパルス信号がゲート駆動回路2−2、2−3に入力されるパルス信号S2、S3である場合には、to時点後にMOSFET302、303がオン状態を継続することになる。
【0026】
ゲート駆動回路2−1〜2−4に設けられた図3に示すタイマ回路204は、前記したように、バッファ202の出力がこのタイマ回路204の設定時間Tsだけ「Hi」レベル状態(オン状態)を継続した場合に、それ自身の出力を「Lo」レベルから「Hi」レベルに変化させる。
タイマ回路204の設定時間Tsは、前記信号発生部1から出力されるパルス信号S1〜S4の最大パルス幅期間(負荷回路4の共振周波数に基づいて予知される)よりも長く、かつ、該最大パルス幅期間に近い適宜な時間に設定されている。したがって、常態時におけるバッファ202の出力のオン状態期間においてタイマ回路204の出力が「Hi」レベルに変化することはない。
【0027】
パルス信号S1〜S4の出力が停止される上記to時点において、バッファ202の出力が「Lo」レベル状態にならなかった場合、このバッファ202の出力の「Hi」レベル状態が設定時間Tsに到達したことをタイマ回路204が判定して、それ自身の出力を「Hi」レベルに変化させる。これに伴い、図5dに示すように、アンド回路203の出力が「Lo」レベルに変化されることになるので、例えば、現時点においてゲート駆動回路2−1、2−4からのゲート駆動信号Q1、Q4が「Hi」レベル状態にあるとすると、図6に示すように、このゲート駆動信号Q1、Q4が「Lo」レベル状態になって、オン状態にあった電力変換器3のMOSFET301、304がオフされる。
【0028】
なお、現時点においてゲート駆動回路2−2、2−3からのゲート駆動信号Q2、Q3が「Hi」レベル状態にある場合には、このゲート駆動信号Q1、Q4が「Lo」レベル状態になって、オン状態にあった電力変換器3のMOSFET302、303がオフされることになる。
【0029】
このように、本実施形態に係るゲート駆動回路2−1〜2−4によれば、それらから出力されるゲート駆動信号Q1〜Q4のオン状態が所定期間(設定期間)Ts以上継続することが回避される。
したがって、タイマ回路204によって規定される上記所定期間Tsを適宜な期間に設定しておくことにより、例え、図5に示すto時点(過大負荷電流の発生時点)で電力変換器3のスイッチング素子であるMOSFET301、304又はMOSFET302、303がオフされなかったとしても、これらのスイッチング素子が設定時間Tsだけオン状態を継続した時点でオフされることになり、これによって、過大負荷電流に伴う事故の拡大が防止される。
【0030】
なお、負荷である誘導コイル402は、共振負荷回路4を構成している。したがって、上記過大負荷電流が負荷4の部分短絡等に起因した比較的軽度なものである場合には、図6に示すように、負荷電流Ioが回路4の共振周波数に基づく振動を継続しながら誘導コイル402の抵抗成分403により徐々に減衰し、その後、MOSFET301〜304に並列接続された還流ダイオードD1〜D4を介して直流電源306に回生されて急速に減衰する。
【0031】
本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の変形例を含むことができる。例えば、上記実施形態では、電力変換器3がHブリッジ構成を有しているが、本発明に係るゲート駆動回路は、電力変換器3がハーフブリッジ構成を有している場合にも適用することができる。
また、上記実施形態では、電力変換器3に誘導コイル402を含む共振負荷回路4が接続されているが、本発明は電力変換器3に共振回路を構成しない通常の負荷が接続されている場合でも適用可能である。
さらに、本発明は、電力変換器3をパルス幅変調されたゲート信号で制御する場合にも適用することができる。この場合、タイマ回路204の設定時間は、予知可能なゲート信号の最大パルス幅期間に基づいて、この最大パルス幅期間よりも長くかつこの最大パルス幅期間に近い長さに設定される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明に係るゲート駆動回路の接続形態を示すブロック図である。
【図2】信号発生部の構成例を示す回路図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るゲート駆動回路を示す回路図である。
【図4】電力変換器の構成および負荷回路の構成を示す回路図である。
【図5】図3のゲート駆動回路の通常時の動作および過電流指示信号の発生後における動作を示す波形図である。
【図6】各ゲート駆動回路が出力する通常時のゲート信号とそれに基づく電力変換器の出力信号、および、各ゲート駆動回路が出力する過電流指示信号発生後のゲート信号とそれに基づく電力変換器の出力信号を例示した波形図である。
【符号の説明】
【0033】
1 信号発生部
101 電流調節器
102、104 コンパレータ
105、106 フリップフロップ
107 アンド回路
2−1〜2−4 ゲート駆動回路
201 パルストランス
202 バッファ
203 アンド回路
204 タイマ回路
205 インバータ
206、210 増幅回路
207 パルストランス
208、211 MOSFET
209 インバータ
3 電力変換器
301〜304 MOSFET
305 ブリッジ回路
306 直流電源
4 共振負荷回路
401 共振コンデンサ
402 誘導コイル
403 抵抗成分
5 電流センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力変換器のスイッチング素子のオン期間を規定するパルス信号を絶縁用のトランスに入力し、該トランスから出力される信号を用いて前記スイッチング素子のゲートに与えるゲート信号を生成するゲート駆動回路であって、
前記トランスから出力される信号を整形する整形手段と、
前記整形手段によって整形された信号が所定期間オン状態を継続した場合に前記ゲート信号をオフ状態にさせる信号オフ手段と、
を備えることを特徴とする電力変換器のゲート駆動回路。
【請求項2】
前記電力変換器に接続される負荷が共振回路を構成することを特徴とする請求項1に記載の電力変換器のゲート駆動回路。
【請求項3】
前記負荷が誘導加熱用のコイルであることを特徴とする請求項1または2に記載の電力変換器のゲート駆動回路。
【請求項4】
前記所定期間は、前記パルス信号の最大パルス幅期間よりも長く設定されることを特徴とする請求項1に記載の電力変換器のゲート駆動回路。
【請求項5】
前記信号オフ手段は、前記整形処理された信号のオン期間をタイマ手段の設定時間と比較し、前記オン期間が前記設定時間を超えた場合に、前記整形処理された信号をオフ状態にさせるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電力変換器のゲート駆動回路。
【請求項6】
前記電力変換器は、前記スイッチング素子をHブリッジ接続した構成を有することを特徴とする請求項1に記載の電力変換器のゲート駆動回路。





【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−130876(P2010−130876A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−306160(P2008−306160)
【出願日】平成20年12月1日(2008.12.1)
【出願人】(591083244)富士電機システムズ株式会社 (1,717)
【Fターム(参考)】