説明

電力用直流同軸ケーブル接続部

【課題】接続部の帰路導体素線5a間に生じる隙間Sにテープ巻きモールドにより形成される帰路内部半導電層33が落ち込むおそれのない電力用直流同軸ケーブルの接続部を提供する。
【解決手段】ケーブルの主絶縁層3より外径が大きい接続部主補強絶縁層23の外側に帰路導体5の接続部25が配置され、その外側に両ケーブルの帰路内部半導電層間に跨る接続部帰路内部半導電層が設けられ、その外側に両ケーブルの帰路絶縁層間に跨る接続部帰路補強絶縁層が設けられた電力用直流同軸ケーブルの接続部において、前記接続部帰路内部半導電層と接続部帰路補強絶縁層を、内部半導電層付き熱収縮絶縁チューブ32を熱収縮させて形成した部分と、テープ巻きモールドで形成した部分33、34とで構成すると共に、少なくとも、前記テープ巻きモールド33、34で形成した部分と帰路導体素線5aとの間に金属テープ巻き層31を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中心の主導体と同軸状に帰路導体を有する電力用直流同軸ケーブルの接続部に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電力用直流同軸ケーブルは一般に図3に示すような構造となっている。すなわち、中心に主導体1を有し、その外側に主内部半導電層2、主絶縁層3、主外部半導電層4を介して帰路導体(中性線導体、外部導体ともいう)5を設け、その外側に帰路内部半導電層6、帰路絶縁層7、帰路外部半導電層8を介して鉛被9を設け、その外側にポリエチレン等からなる防食層10を設けた構造となっている(特許文献1参照)。なお、電力用直流同軸ケーブルを海底ケーブルとして使用する場合には、防食層10の外側に、さらに座床、鉄線鎧装、サービング層が設けられる。
【0003】
帰路導体5は、多数の帰路導体素線5a(通常は銅線)を同心撚りすることにより形成される。主絶縁層3は架橋ポリエチレンにより形成され、帰路絶縁層7は非架橋のポリエチレンにより形成される。主内部半導電層2及び主外部半導電層4は主絶縁層3との同時押出等により形成され、帰路内部半導電層6及び帰路外部半導電層8は半導電性テープ巻き等により形成される。
【0004】
電力用直流同軸ケーブルは、連系線として長距離海底ケーブルなどに使用されることが多い。しかし工場において一連続で製造できるケーブルの長さは限られているため、工場では製造可能な長さのケーブルを複数本製造し、これらのケーブルを接続することで、長距離用の直流同軸ケーブルを製造している。工場で製作される直流同軸ケーブル同士の接続部は一般に工場ジョイントといわれる。この工場ジョイントは、敷設船への積み込みや敷設船からの繰り出しの際に加わる曲げに対応できるように、できるだけ外径を小さく抑えること(ケーブル外径に近い外径で接続すること)が要求される。
【0005】
直流同軸ケーブルを接続する場合には、中心の主導体を接続した後、主内部半導電層の接続、主絶縁層の接続、主外部半導電層の接続、帰路導体の接続、帰路内部半導電層の接続、帰路絶縁層の接続、帰路外部半導電層の接続、鉛被の接続、防食層の接続が順次行われる。接続部外径を小さく抑えるため、主導体の接続は突き合わせ溶接により行われ、帰路導体の接続は素線突き合わせ溶接、素線周方向重ね合わせ溶接又は素線割り入れ溶接などにより行われる。また、接続部の主内部半導電層、主絶縁層、主外部半導電層の形成には通常のCVケーブルの接続技術をそのまま適用できる。また、接続部の帰路内部半導電層、帰路絶縁層の形成は、TJ方式(絶縁ゴムテープ巻き絶縁)又はTMJ方式(ポリエチレンテープ巻きモールド絶縁)により行うことが提案されている(非特許文献1、非特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】特開平11−120836号公報
【特許文献2】特開昭49−021685号公報
【非特許文献1】2000年電線ケーブル技術研究会発表論文EC−00−21「直流同軸ケーブルの開発」
【非特許文献2】平成14年電気学会全国大会発表論文7−139「小容量直流同軸XLPEケーブル並びに工場ジョイント」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
電力用直流同軸ケーブルの接続部に形成される主補強絶縁層は、ケーブルの主絶縁層よりも外径が大きくなるため、図4に示すように、主補強絶縁層23の外側で接続される帰路導体5は、素線5aの間隔が広がり、素線5a間に隙間Sができる。なお図4はケーブル接続部の要部の横断面を示したもので、23は両ケーブルの主絶縁層間に跨る主補強絶縁層、24は両ケーブルの主外部半導電層間に跨る接続部の主外部半導電層、26は両ケーブルの帰路内部半導電層間に跨る接続部の帰路内部半導電層、27は両ケーブルの帰路絶縁層間に跨る帰路補強絶縁層である。
【0008】
接続部の帰路導体素線5a間に隙間Sができると、その上に形成される接続部の帰路内部半導電層26は、加熱および加圧モールドにより形成される場合には、隙間Sに落ち込んで変形する。特に帰路補強絶縁層27の形成に加熱および加圧モールドを必要とする接続工法では、上記のような変形が発生しやすい。帰路内部半導電層26が上記のように変形すると、帰路内部半導電層26や、帰路内部半導電層26と帰路補強絶縁層27の界面等に欠陥が発生するおそれがあり、絶縁性能の低下が懸念される。
【0009】
なお、帰路導体素線5a間の隙間Sを電気的に保障するために、帰路導体5の上に金属パイプを設けることが提案されている(特許文献2)が、これは帰路内部半導電層26と帰路補強絶縁層27の変形を防止することを目的としたものではない。また、帰路導体素線5aを接続した上に剛性の金属パイプを上手く装着させることは、熟練を要する作業になる。さらに、パイプ形状の場合には、ケーブルが曲げられたり、ねじれたりする場合に金属パイプが追従できず、パイプが局部的に変形するなどの支障が生じる危険性がある。
【0010】
本発明の目的は、上記の問題点に鑑み、接続部の帰路導体素線間に生じる隙間に帰路内部半導電層が落ち込むおそれのない電力用直流同軸ケーブルの接続部を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため本願の請求項1に係る発明は、接続される2本のケーブルの主絶縁層より外径が大きい接続部主補強絶縁層の外側に帰路導体が配置され、前記帰路導体の外側に両ケーブルの帰路内部半導電層間に跨る接続部帰路内部半導電層が設けられ、前記接続部帰路内部半導電層の外側に両ケーブルの帰路絶縁層間に跨る接続部帰路補強絶縁層が設けられた電力用直流同軸ケーブルの接続部において、
前記接続部帰路内部半導電層と接続部帰路補強絶縁層を、内部半導電層付き熱収縮絶縁チューブを熱収縮させて形成した部分と、テープ巻きモールドで形成した部分とで構成すると共に、少なくとも、前記テープ巻きモールドで形成された部分と帰路導体との間に金属テープ巻き層を設けたことを特徴とするものである。
【0012】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記内部半導電層付き熱収縮絶縁チューブは、一軸延伸フィルムをその収縮方向が周方向に向くように多層巻きしてなるものであることを特徴とするものである。
【0013】
また、請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記ケーブルの帰路内部半導電層および帰路絶縁層と内部半導電層付き熱収縮絶縁チューブとの間のテープ巻きモールド部分が、前記帰路導体の直ぐ内側の層の外径がケーブルの部分より大きくなった位置にあり、少なくとも、このテープ巻きモールド部分の下に前記金属テープ巻き層が設けられていることを特徴とするものである。
【0014】
また、請求項4に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記熱収縮絶縁チューブによって形成された部分が接続部の軸方向に複数に分かれており、それらの間にテープ巻きモールド部分が設けられており、少なくとも、このテープ巻きモールド部分の下に前記金属テープ巻き層が設けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
ケーブルの主絶縁層より外径が大きい接続部主補強絶縁層の外側に配置された帰路導体には素線間に隙間ができるが、本発明によれば、素線間に隙間が生じた帰路導体上に形成する接続部帰路内部半導電層および接続部帰路補強絶縁層を、これらが一体となった内部半導電層付き熱収縮絶縁チューブを収縮させることにより形成し、また、素線間に隙間が生じた範囲であって、少なくとも、接続部帰路内部半導電層および接続部帰路補強絶縁層を、加熱および加圧を必要とするテープ巻きモールドにより形成する部分には、その内側に金属テープ巻き層を設けたので、帰路内部半導電層が帰路導体素線間の隙間に落ち込むのを抑制できる。このため半導電層と絶縁層との間に欠陥が発生する要因が少なくなり、電力用直流同軸ケーブル接続部の品質を安定させることができる。
【0016】
接続部帰路内部半導電層および接続部帰路補強絶縁層を形成するほとんどの領域で絶縁チューブによる収縮力のみであることや、予め内部半導電層を形成された絶縁チューブであれば、隙間Sへの落ち込みはほとんどないし、金属層がなくとも問題は生じない。一部の狭い範囲でテープ巻きモールドによる加熱・加圧処理がなされているため、この部位に変形を防止できる適切な厚みの金属層が金属テープで形成されていればよいので、柔軟性のある金属テープでも接続部帰路内部半導電層が帰路導体素線間の隙間に落ち込むのを十分に抑制できると考えられる。
なお、金属テープ巻き層は、帰路導体の接続が完了したときの形状に容易に合わせることができる利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1(A)は本発明に係る電力用直流同軸ケーブル接続部の一実施形態を示す。接続すべき直流同軸ケーブル20A、20Bはそれぞれ、中心に主導体1を有し、その外側に主内部半導電層2、主絶縁層3、主外部半導電層4を順次設け、その外側に多数の帰路導体素線5aを同心撚りしてなる帰路導体5を設け、その外側に帰路内部半導電層6、帰路絶縁層7、帰路外部半導電層8、鉛被9、防食層10を順次設けたものである。
【0018】
両ケーブル20A、20Bの端部は段剥ぎされ、主導体1、1同士は外径増大を抑制するため突き合わせ溶接により接続されている。21はその溶接接続部である。また、両ケーブルの主内部半導電層2、2同士は両者の端部に跨るように接続部主内部半導電層22を形成することにより接続され、主絶縁層3、3同士は両者の端部に跨るように接続部主補強絶縁層23を形成することにより接続され、主外部半導電層4、4同士は両者の端部に跨るように接続部主外部半導電層24を形成することにより接続されている。接続部の主内部半導電層22、主補強絶縁層23、主外部半導電層24の形成には、周知のCVケーブルの接続技術がそのまま適用できる。接続部主補強絶縁層23は図示のようにケーブルの主絶縁層3よりも厚さが厚くなり、外径が大きくなる。これに伴い接続部主外部半導電層24もケーブルの主外部半導電層4より外径が大きくなる。
【0019】
両ケーブル20A、20Bの帰路導体5、5は接続部主外部半導電層24上で接続される。帰路導体5、5の接続は、外径増大を抑制するため、例えば素線5aを突き合わせ溶接することにより行われる。25はその溶接接続部である。接続部主補強絶縁層23はケーブルの主絶縁層3より外径が大きいため、接続部の帰路導体5の素線5a間には図1(B)に示すように隙間Sができる。
【0020】
本発明では、このように素線5a間に隙間が生じた接続部の帰路導体5a上に金属テープ巻き層31を設ける。金属テープ巻き層31は金属テープ(通常は銅テープ)を1/2ラップ巻きで形成することが好ましい。金属テープ巻き層31の両端はハンダ付けにより帰路導体5に固定する。
【0021】
金属テープ巻き層31の外側には、図2に示すような内部半導電層付き熱収縮絶縁チューブ32を被せて熱収縮させる。内部半導電層付き熱収縮絶縁チューブ32は、径方向に熱収縮可能な円筒状の内部半導電層26の上に、径方向に熱収縮可能な円筒状の絶縁層27を一体に形成したものである。この実施形態では、金属テープ巻き層31のストレート区間(外径一定区間)に2本の内部半導電層付き熱収縮絶縁チューブ32を直列に配置して熱収縮させている。
【0022】
図2に示す内部半導電層付き熱収縮絶縁チューブ32は、マンドレル上に、半導電性材料製の一軸延伸フィルム(一軸延伸半導電性フィルム)をその延伸方向が周方向に向くように多層巻きして所要厚さの径方向に熱収縮可能な内部半導電層26を形成し、その上に絶縁性材料製の一軸延伸フィルム(一軸延伸絶縁フィルム)をその延伸方向が周方向に向くように多層巻きして所要厚さの径方向に熱収縮可能な絶縁層27を形成した後、マンドレルを引き抜くことにより製造できる。
【0023】
内部半導電層付き熱収縮絶縁チューブ32は、主導体1、1の接続を行う前に予めどちらかのケーブル20A又は20Bの外側に配置しておき、帰路導体5、5の接続、金属テープ巻き層31の形成が終わった時点で接続部に引き戻す。このようにして金属テープ巻き層31の外側に被せられた内部半導電層付き熱収縮絶縁チューブ32を、加熱して金属テープ巻き層31上に熱収縮させる。
【0024】
金属テープ巻き層31の両端部のテーパー区間(外径漸減区間)では、熱収縮したチューブ32の内部半導電層26とケーブルの帰路内部半導電層6とが接続され、当該チューブ32の絶縁層27とケーブルの帰路絶縁層7とが接続される。これらの接続は次のように行われる。すなわち、熱収縮したチューブ32の端部並びに両ケーブルの帰路内部半導電層6及び帰路絶縁層7の端部をそれぞれ、予め外径が漸減するテーパー形状に形成し、前記チューブ32の内部半導電層26とケーブルの帰路内部半導電層6とを、前記テーパー形状の間のV字状凹部の底部を埋めるようにテープ巻きモールドにより形成した半導電層テープ巻きモールド部33により接続し、前記チューブ32の絶縁層27とケーブルの帰路絶縁層7とを、前記V字状凹部を埋めるようにテープ巻きモールドにより形成した絶縁層テープ巻きモールド部34により接続する。半導電層テープ巻きモールド部33及び絶縁層テープ巻きモールド部34を形成する際には、ポリエチレンからなる半導電性テープあるいは絶縁テープを巻いた上に加圧テープを巻き、この状態で加圧モールドする。すなわち、テープ巻き層の加熱、加圧が行われるが、接続部の帰路導体5、5上には金属テープ巻き層31が設けられているので、テープ巻きモールドの際に、半導電層テープ巻きモールド部33が帰路導体の素線5a間の隙間に落ち込むおそれはない。
【0025】
また、金属テープ巻き層31のストレート区間の中間部では、熱収縮したチューブ32の内部半導電層26同士、絶縁層27同士が接続される。この接続も上記と同様に行われる。すなわち、熱収縮したチューブ32の端部をそれぞれ、予め外径が漸減するテーパー形状に形成し、前記チューブ32の内部半導電層26同士を、前記テーパー形状の間のV字状凹部の底部を埋めるようにテープ巻きモールドにより形成した半導電層テープ巻きモールド部33により接続し、前記チューブ32の絶縁層27同士を、前記V字状凹部を埋めるようにテープ巻きモールドにより形成した絶縁層テープ巻きモールド部34により接続する。この場合も、半導電層テープ巻きモールド部33及び絶縁層テープ巻きモールド部34を形成する際には、テープ巻き層の加熱、加圧が行われるが、接続部の帰路導体5、5上には金属テープ巻き層31が設けられているので、テープ巻きモールドの際に、半導電層テープ巻きモールド部33が帰路導体の素線5a間の隙間に落ち込むおそれはない。
【0026】
以上のようにして形成された帰路補強絶縁層27及び絶縁層テープ巻きモールド部34の上には、両ケーブルの帰路外部半導電層8、8間に跨るように接続部帰路外部半導電層28が形成される。接続部帰路外部半導電層28は従来同様、半導電性テープ巻きにより形成される。
【0027】
この後、両ケーブルの鉛被9、9の端部間を鉛管29により接続し、防食層10、10の端部間を熱収縮性防食スリーブ30により接続する。この点も従来同様である。
【0028】
以上のように構成された電力用直流同軸ケーブルの接続部は、素線5a間に隙間が生じた接続部の帰路導体5a上に金属テープ巻き層31が設けられているので、その上に形成される半導電層テープ巻きモールド部33が素線5a間の隙間Sに落ち込むのを抑制でき、絶縁性能を安定させることができる。
【0029】
なお、上記の実施形態では、金属テープ巻き層31を、接続のために帰路導体5を露出させた区間の全長に設けたが、金属テープ巻き層31は、半導電層テープ巻きモールド部33及び絶縁層テープ巻きモールド部34を形成する区間だけに設けてもよい。内部半導電層付き熱収縮絶縁チューブ32を熱収縮させる場合は、外部からの加圧が不要であるため、金属テープ巻き層31がなくても、素線5a間の隙間Sへの接続部帰路内部半導電層26の落ち込みは少ないからである。
【0030】
また、上記の実施形態では、金属テープ巻き層31のストレート区間のほぼ半分の長さを有する内部半導電層付き熱収縮絶縁チューブ32を2本直列に配置して熱収縮させたが、これは、1本の内部半導電層付き熱収縮絶縁チューブ32の長さが短くて済むようにするためである。金属テープ巻き層31のストレート区間を1本の内部半導電層付き熱収縮絶縁チューブでカバーできれば、内部半導電層付き熱収縮絶縁チューブは1本でもよい。その場合は、中間の半導電層テープ巻きモールド部33及び絶縁層テープ巻きモールド部34は不要となる。
【0031】
接続部帰路内部半導電層26及び接続部帰路補強絶縁層27を、内部半導電層付き熱収縮絶縁チューブ32を用いて形成すると、これらをテープ巻きモールドにより形成する場合に比べ、欠陥の発生が少なく、品質を安定させることができると共に、接続部外径の増大を抑制でき、また接続時間の短縮を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明に係る電力用直流同軸ケーブル接続部の一実施形態を示す、(A)は縦断面図、(B)は要部の横断面図。
【図2】図1の接続部に用いる内部半導電層付き熱収縮絶縁チューブを示す、(A)は一部切開正面図、(B)は端面図。
【図3】電力用直流同軸ケーブルの一例を示す横断面図。
【図4】従来の電力用直流同軸ケーブル接続部の問題点を示す要部の横断面図。
【符号の説明】
【0033】
1:主導体
2:主内部半導電層
3:主絶縁層
4:主外部半導電層
5:帰路導体
5a:素線
6:帰路内部半導電層
7:帰路絶縁層
8:帰路外部半導電層
9:鉛被
10:防食層
20A、20B:電力用直流同軸ケーブル
21:主導体の溶接接続部
22:接続部主内部半導電層
23:接続部主補強絶縁層
24:接続部主外部半導電層
25:帰路導体の素線の溶接接続部
26:接続部帰路内部半導電層
27:接続部帰路補強絶縁層
31:金属テープ巻き層
32:内部半導電層付き熱収縮絶縁チューブ
33:半導電層テープ巻きモールド部
34:絶縁層テープ巻きモールド部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続される2本のケーブルの主絶縁層より外径が大きい接続部主補強絶縁層の外側に帰路導体が配置され、前記帰路導体の外側に両ケーブルの帰路内部半導電層間に跨る接続部帰路内部半導電層が設けられ、前記接続部帰路内部半導電層の外側に両ケーブルの帰路絶縁層間に跨る接続部帰路補強絶縁層が設けられた電力用直流同軸ケーブルの接続部において、
前記接続部帰路内部半導電層と接続部帰路補強絶縁層を、内部半導電層付き熱収縮絶縁チューブを熱収縮させて形成した部分と、テープ巻きモールドで形成した部分とで構成すると共に、少なくとも、前記テープ巻きモールドで形成された部分と帰路導体との間に金属テープ巻き層を設けたことを特徴とする電力用直流同軸ケーブルの接続部。
【請求項2】
前記内部半導電層付き熱収縮絶縁チューブは、一軸延伸フィルムをその収縮方向が周方向に向くように多層巻きしてなるものであることを特徴とする請求項1記載の電力用直流同軸ケーブルの接続部。
【請求項3】
前記ケーブルの帰路内部半導電層および帰路絶縁層と内部半導電層付き熱収縮絶縁チューブとの間のテープ巻きモールド部分が、前記帰路導体の直ぐ内側の層の外径がケーブルの部分より大きくなった位置にあり、少なくとも、このテープ巻きモールド部分の下に前記金属テープ巻き層が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電力用直流同軸ケーブルの接続部。
【請求項4】
前記熱収縮絶縁チューブによって形成された部分が接続部の軸方向に複数に分かれており、それらの間にテープ巻きモールド部分が設けられており、少なくとも、このテープ巻きモールド部分の下に前記金属テープ巻き層が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電力用直流同軸ケーブルの接続部。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2009−213265(P2009−213265A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−53900(P2008−53900)
【出願日】平成20年3月4日(2008.3.4)
【出願人】(502308387)株式会社ビスキャス (205)
【出願人】(000217686)電源開発株式会社 (207)
【Fターム(参考)】