説明

電動締付機

【課題】電池の温度測定手段やデータテーブルを含まない簡素な構成で、ナットを締め付けできるか否かを正確に作業者に報知する。
【解決手段】制御部1は、モータMの起動時に生じる起動電流に伴って低下する電源電圧の極小値と、記憶部10内のしきい値を比較し、該極小値がしきい値未満の場合に電源端子電圧の不足を報知して、モータMを停止させる。また、制御部1は、モータMの起動時に生じる起動電流に伴って低下する電源電圧を一定時間分だけ積分した値と、記憶部10内のしきい値を比較し、該積分値がしきい値未満の場合に電源端子電圧の不足を報知して、モータMを停止させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄骨等の被締付け部材にボルトを締め付ける電動締付機に関する。
【背景技術】
【0002】
図7は、鉄骨等の被締付け部材(91)の複数箇所に、仮止めされた建築、橋梁用のボルト(90)とナット(9)、及びボルト(90)にナット(9)を1つずつ締め付ける従来の電動締付機(8)を示す側面図である(例えば、特許文献1参照)。電動締付機(8)は締付機本体(80)内に、モータ(M)と減速ギアを含む遊星歯車機構(82)を収納し、締付機本体(80)の先端部にアウタソケット(7)を連結して構成される。締付機本体(80)の取手(81)には、運転開始及び停止用のスイッチ(SW)が設けられている。
アウタソケット(7)は、外周に突起状の反力受け(70)を一体に有し、内部にはナット(9)に嵌合して回転させるインナソケット(6)を有する。また、遊星歯車機構(82)は、中心ギア(太陽ギア)にモータ(M)の回転軸を連結し、中心ギアに噛み合った複数の遊星ギアにインナソケット(6)を連結し、遊星ギアに噛み合った公転ギアにアウタソケット(7)が連結される。インナソケット(6)をナット(9)に嵌合させ、電源投入でモータ(M)を回転させると、遊星歯車機構(82)により反力受け(70)が回転し、これが隣のナット(9a)に当たった時点から、インナソケット(6)が回転することでナット(9)が回転して、ナット(9)の締め付けが行われる。
モータ(M)には電源である電池(図示せず)から給電され、電池の残量が十分でない場合は、その旨がパイロットランプ等にて示される。尚、電源は電池に限らず、外部からの直流又は交流電源でも良いが、以下の記載では電池を電源とした場合について例示する。但し、交流電源の場合、「電池の残量不足」は、「交流電源又は電路の容量不足」に相当する。
【0003】
【特許文献1】特開2000−117649号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電池の残量が不足しているか否かの判断手段としては、種々のものがあるが、モータ(M)起動前の電池の端子電圧のみを検出して判断すると、以下の問題がある。
即ち、モータ(M)起動前の端子電圧が十分であっても、例えば、劣化が進んだ電池では、劣化の少ない電池に比べ、モータ(M)起動時の電池端子電圧の電圧降下がより一層大きくなる。
従って、劣化が進んだ電池は、モータ(M)を起動する前の電池端子電圧が起動可能な電圧であっても、ナット(9)を締め付けて負荷が大きくなると、電池端子電圧が大きく低下し、モータ(M)が運転途中で動作不良を起こしてしまい、ナット(9)を正しく締め付けできない虞れがある。
また、電池の温度測定手段や、電池の残量を記憶する手段、さらには予め実験によって得られた放電効率値をデータテーブルに入力し、該データテーブルから読み込んだ値に基づいて厳密な電池残量を演算する手段を組み込んだ電動締付機もあるが、コストが掛かりすぎるという問題がある。
本発明の目的は、電池の温度測定手段やデータテーブルなどを含まない簡素な構成で、ナットを締め付けできるか否かを正確に作業者に報知することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
制御部(1)は、モータ(M)の起動時に生じる電源電圧の極小値と、記憶部(10)内のしきい値を比較し、該極小値がしきい値未満の場合に電源端子電圧の不足を報知する。
或いは、制御部(1)は、モータ(M)の起動時に生じる起動電流の極大値と記憶部(10)内のしきい値を比較し、該極大値がしきい値未満の場合に電源端子電圧の不足を報知する。
また、制御部(1)は、モータ(M)の起動時に生じる起動電流に伴って低下する電源電圧を一定時間分だけ積分した値と、記憶部(10)内のしきい値を比較し、該積分値がしきい値未満の場合に電源端子電圧の不足を報知する。
或いは、制御部(1)は、モータ(M)の起動時に生じる起動電流を一定時間だけ積分した値と記憶部(10)内のしきい値を比較し、該積分値がしきい値未満の場合に電源端子電圧の不足を報知する。
【発明の効果】
【0006】
本発明にあっては、モータ起動時の、電源電圧の極小値、或いは起動電流の極大値からモータ(M)の運転が続行可能か否かを判断しているので、残量が不足している電池では勿論のこと、残量が十分であるにも拘わらず劣化が進んだ電池であっても、ナット(9)締め付け途中にモータ(M)が動作不良を起こす虞れはない。また、電池の温度を測定するセンサや、電池の残量を記録する手段などを必要としない簡素な構成で、ナット(9)を締め付けできるか否かを正確に作業者に報知することができる。
また、電源電圧、或いは起動電流を一定時間だけ積分した値に基づいて、モータ(M)の運転を継続させるか否かを判断しても、同様にナット(9)を締め付けできるか否かを正確に作業者に報知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下に本発明の一実施例を図を用いて詳述する。
締付機本体(80)内に、インナソケット(6)及びアウタソケット(7)を設けた点は従来と同様である。図1は、本例に於ける電動締付機(8)の内部ブロック図である。モータ(M)はモータドライブ回路(5)によって回転され、電池(2)とモータドライブ回路(5)との間には、電池(2)の端子電圧を検出する電池端子電圧センサ(3)、及び回路電流Icを検出する回路電流センサ(4)が設けられている。両センサ(3)(4)からの信号は、制御部(1)に入力され、該制御部(1)は両センサ(3)(4)からの信号を受けて、モータドライブ回路(5)を制御する。制御部(1)には、作業者が締め付けトルクを設定する際に操作するトルク設定ダイアル(12)が接続され、制御部(1)は回路電流Icが、設定された締め付けトルクに対応した制御電流値となると、モータ(M)の運転を停止する。
制御部(1)は、電池端子電圧のしきい値が格納されたメモリである記憶部(10)及び各種ランプ群からなる表示部(11)に繋がる。ランプ群は、具体的にはモータ運転中である「運転ランプ」、ナット(9)を締め付け始めたことを示す「締付中ランプ」、ナット(9)の締め付け完了を示す「締付完了ランプ」、電池残量の不足を知らせる「残量不足ランプ」から構成される。
【0008】
図2は、電池端子電圧センサ(3)によって検出される電池端子電圧Vsと、回路電流センサ(4)によって検出される回路電流Icを縦軸に、経過時間を横軸にして、正常な締め付け作業が行われたときに電池端子電圧Vsと回路電流Icの変化を示すグラフである。 先ず、スイッチ(SW)を投入してモータ(M)を起動させると、図2にA1部で示すように、一時的な起動電流により回路電流Icが大きくなる。これに伴い、A2部で示すように電池端子電圧Vsが低下し、点A3で示す極小値となる。この時、起動電流は極大値となる。
モータ(M)の回転数(図示せず)は、数百ミリ秒の時間経過とともに速くなり、無負荷回転数に収束する。回転数の収束と同期して回路電流Icは低下し、B1部に示す電流値に収束する。電流値の変化に対応して電池端子電圧は上昇し、B2部に示す電圧値に収束する。
反力受け(70)が隣のナット(9a)に当たり(図7参照)、ナット(9)の被締付け部材(91)への締め付けが開始されると、モータ(M)に負荷が掛かり始め、図2のC1部で示すように回路電流Icが次第に大きくなる。これに伴い、C2部で示すように電池端子電圧Vsが低下する。このC1部の回路電流Icを負荷電流と呼ぶ。制御部(1)は回路電流センサ(4)によって、この負荷電流を監視し、トルク設定ダイアル(12)で設定された負荷電流に達すると、モータ(M)の運転を停止させ、ナット(9)の締め付けを完了とする。締め付けが完了すると、制御部(1)によりモータ(M)への電力供給は停止され、回路電流Icはゼロとなり、電池端子電圧Vsは初期電圧に復帰する。
【0009】
残量が十分でない電池では、モータ(M)を起動する前の電池端子電圧Vsが低く、モータ(M)を起動しても、モータ(M)の回転数が十分に上がらないので、モータ(M)が途中で動作不良を起こすことになり、正常な締め付けが不可能である。
残量が十分であっても、劣化が進んだ電池では、劣化が少ない電池に比べて、回路電流Icが大きくなったときに、電池端子電圧Vsの電圧降下がより一層大きくなる。従って、劣化の進んだ電池は、モータ(M)を起動する前の電池端子電圧Vsがモータ(M)の起動が可能な電圧であっても、ナット(9)を締め付けて負荷が大きくなると、電池端子電圧Vsが大きく低下し、モータ(M)が運転途中で動作不良を起こすことになり、正常な締め付けが不可能である。
【0010】
(第1実施例)
本実施例にあっては、モータ(M)を起動する前の初期電池端子電圧を検出して判定する従来からの検出方法と、本発明による電池端子電圧の検出方法を組み込んでいる。図3は、電動締付け機の制御フローチャートを示す。以下の記載では、電池端子電圧Vsが第1しきい値である12V以上でモータ(M)を起動可能とし、更に電池端子電圧Vsが第2しきい値である10V以上で締め付け可能とするが、第1、第2しきい値はこの値に限定されない。
図3のフローチャートに示すように、先ずインナソケット(6)にナット(9)を嵌め、スイッチ(SW)を操作して、電源をONにする。制御部(1)は電池端子電圧センサ(3)を介して、モータ(M)に通電して起動させる前の電池端子電圧Vsをサンプリングし(S1)、該電池端子電圧Vsと記憶部(10)に格納された第1しきい値12Vとを比較する(S2)。電池端子電圧センサ(3)からの値が第1しきい値未満であれば、モータ(M)が起動不可能と判断し、表示部(11)の「残量不足ランプ」を点灯させて(S11)、モータ(M)に通電すること無く制御を終了させる。
電池端子電圧センサ(3)からの値が第1しきい値以上で、モータ(M)が起動可能であれば、制御部(1)はモータ(M)への通電を開始して(S3)、「運転ランプ」を点灯させ(S4)、図4のサブルーチンに基く動作を行い(S5)、モータ(M)が起動した直後に発生する起動電流を検出する。
【0011】
図4のサブルーチンに於いて、制御部(1)は回路電流Ic値のサンプリングを行い(S12)、起動電流が収束したか否かを判断する(S15)。制御部(1)は、起動電流が収束する間に、電池端子電圧Vs値のサンプリングも行い(S13)、電池端子電圧Vsが点A3を通過して上昇し始め、点A3が極小値であることを検出すると(S14)、該点A3の電圧と記憶部(10)に格納された第2しきい値である10Vと比較する(S16)。極小値である点A3が第2しきい値未満であれば、正常な締め付けが不可能であると判断し、モータ(M)への通電を停止させ(S17)、表示部(11)の「残量不足ランプ」を点灯させて(S18)、制御を終了させる。
点A3が第2しきい値以上であれば、正常な締め付けが可能と判断し、起動電流の収束を確認して、ステップS5に戻る。制御部(1)は、回路電流Icを監視して、ナット(9)の締め付けに伴う負荷電流を検出すると(S6)、「締付中ランプ」を点灯させる(S7)。負荷電流の値が、設定された締め付けトルクに対応した制御電流値となると(S8)、モータ(M)の運転を停止して(S9)、「締付完了ランプ」を点灯させ(S10)、ナット(9)の締め付けが完了する。
【0012】
本実施例にあっては、モータ(M)の起動直後の起動電流が発生する過程での、電池端子電圧Vsの極小値から、モータ(M)の運転が続行可能か否かを判断しているので、残量が不足している電池では勿論のこと、残量が十分であるにも拘わらず劣化が進んだ電池であっても、モータ(M)運転中にモータ(M)が動作不良を起こす虞れはない。また、電池の温度を測定するセンサや、電池の残量を記録する手段などを必要としない簡素な構成で、ナット(9)を締め付けできるか否かを正確に作業者に報知し、事前にモータ(M)を停止させることができる。
【0013】
上記の記載では、モータ(M)の起動電流を検出し、起動電流の発生に伴う電池端子電圧Vsの極小値を求め、該極小値と記憶部(10)内のしきい値とを比較して、モータ(M)の運転が続行可能か否かを判断している。
しかし、これに代えて、モータ(M)の起動電流を検出せず、電池端子電圧Vsのみを検出して、電池端子電圧Vsの極小値を求め、該極小値と記憶部(10)内のしきい値とを比較して、モータ(M)の運転が続行可能か否かを判断してもよい。即ち、極小値がしきい値未満であれば、モータ(M)の運転が続行不可能と判断し、極小値がしきい値以上であれば、モータ(M)の運転を続行する。
また、予め記憶部(10)に、起動電流のしきい値を格納しておく。電池端子電圧Vsを検出し、モータ(M)を起動した際の電池端子電圧Vsの極小値を求め、該電圧極小値を検出した際の起動電流の極大値を求め、該電流極大値としきい値とを比較して、モータ(M)の運転が続行可能か否かを判断してもよい。即ち、電流極大値がしきい値未満であれば、モータ(M)の運転が続行不可能と判断し、電流極大値がしきい値以上であれば、モータ(M)の運転を続行する。
更に、予め記憶部(10)に、起動電流のしきい値を格納しておく。起動電流のみを検出して、起動電流の極大値を求め、該極大値と記憶部(10)内のしきい値とを比較して、モータ(M)の運転が続行可能か否かを判断してもよい。
【0014】
(第2実施例)
本例にあっては、モータ起動時の電池端子電圧の低下量に代えて、電池端子電圧を一定時間だけ積分した値に基づいて、モータ(M)の運転を継続させるか否かを判断する。この動作を、図5及び図6のフローチャートを用いて説明する。記憶部(10)には、積分値の為のしきい値として、電源の端子電圧を積分した値が格納されている。
本実施例に於ける全体の動作は、図5のフローチャートに示されるが、本例にあっては、図6のサブルーチンに特徴がある。従って、図5のフローチャートのステップS19からステップS22までとステップS29の動作は、図3のフローチャートのステップS1からステップS4までとステップS11の動作と同じであり、詳細な記載を省く。以下、ステップS23に於いての起動電流を検出する時の動作を、図6のサブルーチンを用いて説明する。
【0015】
図6のサブルーチンに於いて、制御部(1)は回路電流Ic値のサンプリングを行い(S30)、起動電流が収束したか否かを判断する(S33)。制御部(1)は、起動電流が収束する間に、電池端子電圧Vs値のサンプリングも行う(S31)。回路電流Icと電池端子電圧Vs値のサンプリングは、10msec毎に行う。
制御部(1)は電池端子電圧Vs値のサンプリングの後に、過去の200msec分のサンプリングした電池端子電圧Vs値を累計して電圧積分値とし、この電圧積分値と記憶部(10)に格納された積分しきい値と比較する(S32)。
電圧積分値が積分しきい値未満であれば、正常な締め付けが不可能であると判断し、モータ(M)への通電を停止させ(S34)、表示部(11)の「残量不足ランプ」を点灯させて(S35)、制御を終了させる。
尚、サンプリング速度である10msecと、積分しきい値である200msecは例示であり、これに限定されない。
【0016】
積分値が積分しきい値以上であれば、正常な締め付けが可能と判断し、起動電流の収束を確認して(S33)、ステップS23に戻る。
これ以後の動作は、図5のフローチャートのステップS24からステップS28に示されるが、この動作は図3のフローチャートのステップS6からステップS10までの動作と同じであり、詳細な記載を省く。
【0017】
本実施例にあっては、モータ(M)の起動電流に伴って低下する電池端子電圧Vsを積分した値からモータ(M)の運転が続行可能か否かを検出しているので、残量が不足している電池では勿論のこと、残量が十分であるにも拘わらず劣化が進んだ電池であっても、モータ(M)運転中にモータ(M)が停止する虞れはない。また、電池の温度を測定するセンサや、電池の残量を記録する手段などを必要としない簡素な構成で、ナット(9)を締め付けできるか否かを正確に作業者に報知し、事前にモータ(M)を停止させることができる。
出願人は、電圧値を積分した値からモータ(M)の運転が続行可能か否かを検出した方が、モータ起動時の電池端子電圧の極小値からモータ(M)の運転が続行可能か否かを検出するよりも、精度が高かったことを確認している。
【0018】
上記例にあっては、モータ(M)の起動電流に伴って低下する電池端子電圧Vsを一定時間だけ積分した値と、積分しきい値を比較してモータ(M)の運転が続行可能か否かを検出している。しかし、これに代えて、予め記憶部(10)に、起動電流を積分した値の積分しきい値を格納しておき、電池端子電圧Vsの低下に伴って上昇する起動電流を一定時間だけ積分した値と、積分しきい値を比較してモータ(M)の運転が続行可能か否かを検出してもよい。
即ち、電流値を積分した値がしきい値未満であれば、モータ(M)の運転が続行不可能と判断し、積分した値がしきい値以上であれば、モータ(M)の運転を続行する。
【0019】
上記実施例の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
電池は一次電池であっても、二次電池であってもよい。また、上記例では電池の残量が少ないことを作業者に知らせるのに、ランプを用いたが、例えばブザーでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本例に係わる電動締付機の内部ブロック図である。
【図2】電池端子電圧Vsと回路電流Icを縦軸に、経過時間を横軸にして示すグラフである。
【図3】電動締付機の第1実施例の動作を示すフローチャートである。
【図4】図3のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図5】電動締付機の第2実施例の動作を示すフローチャートである。
【図6】図5のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図7】従来の電動締付機を示す側面図である。
【符号の説明】
【0021】
(1) 制御部
(2) 電池
(3) 電池端子電圧センサ
(4) 回路電流センサ
(10) 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータ(M)に通電する電源と、電源の端子電圧を検出する電圧検出手段と、電源の端子電圧のしきい値が格納された記憶部(10)と、電圧検出手段と記憶部(10)に繋がった制御部(1)を具え、
制御部(1)は、モータ(M)の起動時に生じる電源端子電圧の極小値を電圧検出手段により検出し、
該電圧極小値と記憶部(10)内のしきい値を比較し、該電圧極小値がしきい値未満の場合に電源端子電圧の不足を報知することを特徴とする電動締付機。
【請求項2】
モータ(M)に通電する電源と、電源の端子電圧を検出する電圧検出手段と、モータ(M)に流れる電流を検出する電流検出手段と、電源の端子電圧のしきい値が格納された記憶部(10)と、電圧検出手段と電流検出手段と記憶部(10)に繋がった制御部(1)を具え、
制御部(1)は、モータ(M)の起動時に生じる起動電流を電流検出手段により検出し、起動電流を検出したときに得られる電源電圧の極小値を電圧検出手段により検出し、該電圧極小値と記憶部(10)内のしきい値を比較し、該電圧極小値がしきい値未満の場合に電源端子電圧の不足を報知することを特徴とする電動締付機。
【請求項3】
モータ(M)に通電する電源と、モータ(M)に流れる電流を検出する電流検出手段と、起動電流のしきい値が格納された記憶部(10)と、電流検出手段と記憶部(10)に繋がった制御部(1)を具え、
制御部(1)は、モータ(M)の起動時に生じる起動電流の極大値を電流検出手段により検出し、該電流極大値と記憶部(10)内のしきい値を比較し、該電流極大値がしきい値未満の場合に電源端子電圧の不足を報知することを特徴とする電動締付機。
【請求項4】
モータ(M)に通電する電源と、電源の端子電圧を検出する電圧検出手段と、モータ(M)に流れる電流を検出する電流検出手段と、起動電流のしきい値が格納された記憶部(10)と、電圧検出手段と電流検出手段と記憶部(10)に繋がった制御部(1)を具え、
制御部(1)は、モータ(M)の起動時に生じる電源端子電圧の極小値を電圧検出手段により検出し、該電圧極小値を検出したときに得られる起動電流の極大値を電流検出手段により検出し、該電流極大値がしきい値未満の場合に電源端子電圧の不足を報知することを特徴とする電動締付機。
【請求項5】
モータ(M)に通電する電源と、電源の端子電圧を検出する電圧検出手段と、電源の端子電圧を積分した値のしきい値が格納された記憶部(10)と、電圧検出手段と記憶部(10)に繋がった制御部(1)を具え、
制御部(1)は、モータ(M)の起動時に生じる起動電流に伴って低下する電源端子電圧を一定時間分だけ積分し、
該電圧積分値と記憶部(10)内のしきい値を比較し、該積分値がしきい値未満の場合に電源端子電圧の不足を報知することを特徴とする電動締付機。
【請求項6】
モータ(M)に通電する電源と、モータ(M)に流れる電流を検出する電流検出手段と、モータ(M)に流れる電流を積分した値のしきい値が格納された記憶部(10)と、電流検出手段と記憶部(10)に繋がった制御部(1)を具え、
制御部(1)は、モータ(M)の起動時に生じる起動電流を一定時間だけ積分し、
該電流積分値と記憶部(10)内のしきい値を比較し、該積分値がしきい値未満の場合に電源端子電圧の不足を報知することを特徴とする電動締付機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−150547(P2006−150547A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−348019(P2004−348019)
【出願日】平成16年12月1日(2004.12.1)
【出願人】(000201467)前田金属工業株式会社 (22)
【Fターム(参考)】