説明

電圧供給回路、マイクユニットおよびマイクユニットの感度調整方法

【課題】
従来はセンサ装置、例えばコンデンサマイクユニットごとに、その感度にばらつきが生じてしまう場合があった。また、ばらつきが生じた場合はその感度を調整することは極めて困難であった。
【解決手段】
本発明の1態様による電圧供給回路は、電源昇圧部と、前記電源昇圧部によって生成された電圧を電源電圧として動作し、センサにバイアス電圧を供給する増幅器と、前記増幅器に対する帰還抵抗部を有し、該帰還抵抗部の抵抗値が前記センサのバイアス電圧の設定値に応じて決定される出力電圧設定回路とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電圧供給回路に関し、特にコンデンサマイクなどのセンサに用いる場合に、センサに対して電圧を供給する電圧供給回路およびそれを用いたマイクユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話などの携帯端末における音声通信に際し、コンデンサマイクと呼ばれるマイクを使う技術が普及している。コンデンサマイクとはコンデンサの一方の電極を振動板とし、音声などの振動を、静電容量の変化として取り出すことで電気信号に変えるマイクである。
【0003】
従来のコンデンサマイクを用いたコンデンサマイクユニット100の回路を図14に示す。図14に示すように従来のコンデンサマイクユニットは、コンデンサマイク101、JFET(接合型電界効果トランジスタ)102、キャパシタ103、抵抗104、105、および直流電源106、108を有している。
【0004】
コンデンサマイク101は、入力される音声などの音圧に対して出力信号を生成する振動センサである。コンデンサマイク101の一方の電極は、抵抗104を介して直流電源108に接続され、他方の電極は接地されている。コンデンサマイク101は、直流電源108より、特定のバイアス電圧が与えられている。またコンデンサマイク101の出力端はJFET102のゲートに接続されている。JFET102は、コンデンサマイクの出力信号を増幅して増幅信号を生成する増幅回路である。JFET102で生成された増幅信号は出力端子107を介して出力される。
【0005】
図14に示したコンデンサマイクユニットでは、2つの直流電源106および108を用いているが、直流電源106から供給される電圧を昇圧して、コンデンサマイク101に印加するバイアス電圧を生成することも可能である。
【0006】
このようなコンデンサマイクユニットでは、コンデンサマイク、JFETの製造時に、製造ばらつきが生じてしまう。この製造ばらつきは、コンデンサの電極間距離のばらつきや、JFETの増幅効率のばらつきとして現れるため、コンデンサマイクユニットごとにその感度がばらついてしまう原因となる。
【0007】
そのため、コンデンサマイクなどのセンサ装置に、製造ばらつきが発生した場合でも、そのばらつきに対応して、適切な感度で動作することが出来るコンデンサマイクユニットが望まれていた。
【0008】
また、従来のコンデンサマイクユニットで、コンデンサマイクユニットの感度を切り替えたい場合は、感度設定の異なる2つのコンデンサマイクユニットを用意し、コンデンサマイクユニット自体を切り替えることで、感度を切り替えている。しかし、この構成では、切り替えたい感度の段階に応じてコンデンサマイクユニットを用意しなければならない。そのため、1つのコンデンサマイクユニットで、複数の感度を選択することが可能なコンデンサマイクユニットが望まれていた。
【非特許文献1】PA音響システム:工学図書:平成8年度版
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述のように、従来はセンサ装置、例えばコンデンサマイクユニットごとに、その感度にばらつきが生じてしまう場合があった。また、ばらつきが生じた場合はその感度を調整することは困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の1態様による電圧供給回路は、電源昇圧部と、前記電源昇圧部によって生成された電圧を電源電圧として動作し、センサにバイアス電圧を供給する増幅器と、前記増幅器に対する帰還抵抗部を有し、該帰還抵抗部の抵抗値が前記センサのバイアス電圧の設定値に応じて決定される出力電圧設定回路とを有する。
【0011】
このような構成とすることによりコンデンサマイクなどのセンサに、供給するバイアス電圧を選択することが可能となる。
【0012】
本発明の1態様によるマイクユニットは、バイアス電圧が供給されるマイクと、電源昇圧部と、前記電源昇圧部によって生成された電圧を電源電圧として動作し、前記マイクにバイアス電圧を供給する増幅器と、前記増幅器に対する帰還抵抗部を有し、該帰還抵抗部の抵抗値が前記マイクのバイアス電圧の設定値に応じて決定される出力電圧設定回路とを有する。
【0013】
このような構成により、マイクユニットの感度のばらつきを低減させることが可能となる。
【0014】
また本発明の1態様によるマイクユニットの感度調整方法は、コンデンサマイクに、基準音を入力し、前記基準音に対する前記マイクの出力と基準電圧を比較し、前記比較した結果に基づいて、前記マイクにバイアスするバイアス電圧を設定する設定値を出力し、前記設定値を記憶し、該設定値に基づいて、前記バイアス電圧を出力する増幅器の帰還抵抗値を決定する。
【0015】
このような感度調整動作を行うことにより、マイクユニットの感度のばらつきを低減させることが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
マイクユニットの感度のばらつきを低減させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
実施の形態1
以下に示す実施の形態に関しては、マイクユニットとして、コンデンサマイクユニットを例に述べる。
【0018】
図1は、本発明の実施の形態1のコンデンサマイクユニットを示す図である。実施の形態1のコンデンサマイクユニットは、電圧供給回路1、コンデンサマイク2、増幅回路3、キャパシタ4、抵抗5、6、電源7を有している。
【0019】
電圧供給回路1は、電源7から与えられた電圧を昇圧し、バイアス電圧をコンデンサマイク2へと供給する回路である。このバイアス電圧は、抵抗5を介してコンデンサマイク2へと供給される。電圧供給回路1が出力するバイアス電圧に関しての詳細は後述する。コンデンサマイク2は、一方の電極が振動板とされたマイク素子(振動センサ)である。増幅回路3は、ゲートにコンデンサマイク2の出力が与えられた接合型電界効果トランジスタ(JFET)である。このJFET3は、電源7と接地電位の間に接続されている。
【0020】
このコンデンサマイクユニットは、音声などに応じて振動センサであるコンデンサマイクの振動板が振動する。振動板が振動すると静電容量が変化するため、コンデンサマイク2に蓄えられた電荷が変化する。この電荷の変動に基づいて、抵抗5とコンデンサマイク2の間のノードの電圧が変化する。この電圧の変化分がコンデンサマイク2の出力信号として、キャパシタ4を介してJFET3のゲート電極へと与えられる。JFET3では、コンデンサマイクの出力信号を増幅し、JFET3のソースと抵抗6の間のノードからコンデンサマイクユニットの出力信号として出力される。
【0021】
ここで、実施の形態1のコンデンサマイクユニットは、第1のバイアス電圧(例えば24V程度)をコンデンサマイク2に与えて動作する高感度モードと、第2のバイアス電圧(例えば12V程度)を与えて動作する低感度モードとを有するものとする。このモードを設定するモード指定信号は、コンデンサマイクユニット動作時に外部から電圧供給回路1に与えられている。電圧供給回路1は、モード指定信号に応じた第1あるいは第2のバイアス電圧をコンデンサマイク2に印加している。
【0022】
一連の動作において、電圧供給回路1がコンデンサマイク2に供給する基本的な電圧は、モード指定信号によって決定される。しかし、既述したように、コンデンサマイクユニットには、製造ばらつきが生じてしまう。実施の形態1の電圧供給回路1は、後述する感度調整が予め行われ、第1のバイアス電圧、第2のバイアス電圧の調整が可能な電圧供給回路とされている。そこで、この電圧供給回路1について以下に説明する。
【0023】
図2は、実施の形態1の電圧供給回路1の構成を示すブロック図である。実施の形態1の電圧供給回路1は、電源昇圧部21、レギュレータ部22、出力電圧設定部23を有している。
【0024】
電源昇圧部21は、電源7から与えられた電圧(例えば5V)を必要な電圧(例えば24V程度)まで昇圧し出力する部分である。電源昇圧部21は、例えばチャージポンプや、DC−DCコンバータで実現可能である。
【0025】
レギュレータ部22は、電圧供給回路1の出力するバイアス電圧を生成する回路である。レギュレータ部22は、基準電圧源222、非反転増幅器221を有している。基準電圧源222は、例えばバンドギャップ電圧源(BGR)などであり、電源7の電圧から安定した固定電圧を生成して供給する回路である。非反転増幅器221は、電源昇圧部21が生成した電圧を電源電圧として動作する増幅器である。この非反転増幅器221の非反転入力端子には、BGR222から安定した基準電圧が与えられ、反転入力端子には、帰還抵抗を介した帰還入力が与えられている。この帰還抵抗の抵抗値は、後述する出力電圧設定部23により、設定されている。
【0026】
非反転増幅器221は、非反転入力端子に与えられた電圧を増幅し、バイアス電圧として出力する。この時の増幅度は、帰還抵抗の抵抗値によって決定される。より詳細には帰還抵抗の抵抗値と、非反転増幅器221の反転入力端子と接地電位との間に接続された抵抗の抵抗値の比によって決定される。従って、電圧供給回路1の出力するバイアス電圧は、出力電圧設定部23の帰還抵抗値によって設定されると言うことが可能である。
【0027】
出力電圧設定部23は、レギュレータ部22が出力するバイアス電圧の設定を行う回路である。出力電圧設定部23は、増幅器221に対する帰還抵抗値を変化させることで、バイアス電圧の設定を行う。出力電圧設定部23には第1の帰還抵抗部231と第2の帰還抵抗部232が設けられている。第1の帰還抵抗部231は、上述の高感度モードの時に用いられる帰還抵抗部であり、第2の帰還抵抗部232は、低感度モードの時に用いられる帰還抵抗部である。出力電圧設定部23は、モード指定信号に応じて、第1あるいは第2の帰還抵抗部を選択的に使用することにより、高感度モード、低感度モードを切り替えている。
【0028】
実施の形態1の電圧供給回路1は、電源7から与えられた電圧を元にBGR222が基準電圧を生成し、この基準電圧を非反転増幅器221が増幅した電圧をバイアス電圧として出力している。この時に、出力電圧設定部23には、モード指定信号が与えられ、第1の帰還抵抗部231あるいは第2の帰還抵抗部232を選択している。また、増幅した電圧を出力するために非反転増幅器221が必要とする電源は、電源昇圧部21によって生成されている。このような構成の電圧供給回路1を用いることにより、高感度モード、低感度モードのバイアス電圧が生成され、コンデンサマイクユニットが動作している。
【0029】
上述したバイアス電圧の調整を行うための出力電圧設定部23のより詳細な構成について説明する。実施の形態1の出力電圧設定部23は、第1、第2の帰還抵抗部231、232、第1、第2のセレクタ回路233、234、データ処理部235および記憶部236を有している。帰還抵抗部231および232は、レギュレータ部22の非反転増幅器221の出力端子と接地電位の間に直列に接続された複数の抵抗を有している。実施の形態1の帰還抵抗部231、232では、8個の抵抗が直列に接続されている。帰還抵抗部231と232は、非反転増幅器221の出力に対して互いに並列に接続されている。
【0030】
これらの帰還抵抗部231、232には、それぞれセレクタ回路233および234が接続されている。それぞれのセレクタ回路233、234は、帰還抵抗部の各抵抗間のノードに接続された7つのスイッチを有している。セレクタ回路233、234では後述する記憶部236に保持された設定値に基づいて、7つのスイッチのうち任意のひとつが選択される。選択されたスイッチに対応するノードが上述した非反転増幅器の反転入力へと接続される。
【0031】
出力電圧設定部23は、後述する感度調整動作に基づいた設定値を記憶する記憶部236を有している。データ処理部235は、記憶部236に保持された設定値を出力し、上述のセレクタ回路233、234の中のスイッチを選択する信号を出力する回路である。この記憶部236に保持された設定値が、帰還抵抗値を設定する設定値に対応し、バイアス電圧の調整を行っている。またデータ処理部235には、モード指定信号も入力され、第1の帰還抵抗部231あるいは第2の帰還抵抗部232を選択的に増幅器221に接続するためのスイッチ制御信号も出力している。
【0032】
つまり、データ処理部235は、モード指定およびバイアス電圧の調整を行う設定値を出力する回路である。
【0033】
実施の形態1の電圧供給回路では、感度調整を行ったときに第1のバイアス電圧値、第2のバイアス電圧値の調整が行われ、その設定が帰還抵抗の設定値として記憶部236に記憶される。
【0034】
コンデンサマイクユニットを実際に使用する通常動作では、電圧供給回路1には、モード指定信号のみが与えられる。この時、電圧供給回路1内の出力電圧設定部23では、データ処理部235から、第1あるいは第2の帰還抵抗部を選択する信号と共に、記憶された設定値が出力される。セレクタ回路233、234では、設定値のデータに対応するスイッチが選択され、帰還抵抗部内の8個の抵抗のうち、任意の数(1〜7)の抵抗が非反転増幅器221に接続される。この動作によって帰還抵抗値が設定される。非反転増幅器221は、接続された第1あるいは第2の帰還抵抗部、および各帰還抵抗部内で反転入力端子に接続された抵抗の数によって増幅度が決定され、バイアス電圧を出力する。
【0035】
このような構成とすることにより、実施の形態1のコンデンサマイクユニットは、高感度モードあるいは低感度モードで動作する。このコンデンサマイクユニットの感度ばらつきに関しては、電圧供給回路1が感度調整に基づいて調整したバイアス電圧を与えることで、安定した感度とすることが可能である。
【0036】
以下、上述の感度調整について説明する。図3は、実施の形態1のコンデンサマイクユニットの感度調整に用いられる感度調整装置の構成を示す図である。
この感度調整装置は信号発生器31、スピーカー32、コンデンサマイクユニット33、検査調整機34を有している。
【0037】
信号発生器31は、例えば所定周波数の信号などを生成する装置であり、感度調整時の基準音に相当する信号を発生する。スピーカー32は、この信号発生器31が生成する信号を実際の音としてコンデンサマイクユニット33に与える。コンデンサマイクユニット33は、図1に示したコンデンサマイクユニットと同じであるため、その説明を省略する。検査調整機34は、コンデンサマイクユニットが出力した信号を計測し、コンデンサマイクユニットの電圧供給回路1に記憶させる設定値を出力する装置である。検査調整機34は、その内部に比較回路341、リファレンス回路342、調整信号発生回路343などを有している。
【0038】
実施の形態1の感度調整方法では、まず信号発生器31、スピーカー32から基準となる基準音がコンデンサマイクユニット33に与えられる。コンデンサマイクユニット33は基準音を電気信号に変換して出力する。コンデンサマイクユニット33から出力された信号は、検査調整機34内の比較回路341の一方の入力端子に与えられる。比較回路341の他方の入力端子には、比較対象としてリファレンス電圧が与えられている。このリファレンス電圧は、基準音が与えられたときにコンデンサマイクが出力すべき信号のレベルとしてリファレンス回路342内に記憶されている。比較回路341ではリファレンス電圧とコンデンサマイクユニットの出力レベルを比較し、比較結果を調整信号発生回路343へと出力している。調整信号発生回路343では、コンデンサマイクユニットの出力レベルと、リファレンス電圧のレベルの差から、バイアス電圧を変化させる電圧幅を決定する。そして、電圧供給回路1の出力する電圧を設定するための設定値(帰還抵抗部の帰還抵抗値を設定する設定値)を出力する。この設定値は、電圧供給回路1内の出力電圧設定部23に送られ、記憶部236に記憶される。
【0039】
図4は、コンデンサマイクユニットの感度と、バイアス電圧の関係を示す図である。また、図5は、調整信号発生回路343が出力する設定値と、バイアス電圧に対しての調整量を示す図である。
【0040】
上述したように、検査調整機34ではコンデンサマイクユニットの出力レベルとリファレンス電圧の差からバイアス電圧を変化させる電圧幅が決定される。図4は、この感度と調整量の関係も示されている。
【0041】
例えば、コンデンサマイクユニットの出力信号のレベルが低く、設定範囲よりも感度が低い場合は、コンデンサマイクに対するバイアス電圧を上げてやることで、感度は上昇する。この時、設定範囲からどの程度、感度がずれているかに応じてバイアス電圧を上げる電圧幅も決定される。コンデンサマイクユニットの感度が設定範囲より高かった場合は、コンデンサマイクユニットのバイアス電圧を下げる電圧幅が決定される。
【0042】
仮にコンデンサマイクのバイアス電圧を24Vとして、図4、A点に相当するような感度をコンデンサマイクユニットの出力レベルが示した場合、バイアス電圧を3V上げることが決定される。バイアス電圧を3V上げることにより、コンデンサマイクユニットは、図4、B点に示す感度を示し、設定範囲内の感度となる。調整信号発生回路343では、高感度モード時にはバイアス電圧を3V上げる設定に対応するデータが生成され、電圧供給回路1内の記憶部236へと送られる。図5は、この「高感度モードにおいてバイアス電圧+3V」のような設定を示すために調整信号発生回路343から出力される設定値の一覧を示す図である。図5に示されるように、この設定値は7ビットからなるシリアルデータで出力される。この7ビットのデータのうち最上位ビット(MSB)は、高感度モードか低感度モードかを示すためのビットであり、2桁目から4桁目の3ビットは、上記第1のセレクタ233に含まれる7個のスイッチのうちの1つを選択するためのビットである。また5桁目から7桁目の下位3ビットは、上述の第2のセレクタ234に含まれる7個のスイッチのうち1つを選択するビットである。すでに説明したようにセレクタ回路内のスイッチを選択することで帰還抵抗値が決定され、バイアス電圧が設定される。
【0043】
本実施の形態においては、高感度モード、低感度モードにおいてバイアス電圧を1Vずつ、±3Vまで調整可能としたため、上記のような7ビットのデータとしたが、このデータのビット数は電圧設定を行う幅や範囲、感度のモードの数などにおいて適宜変更可能である。
【0044】
このように実施の形態1の感度調整装置ではコンデンサマイクユニットの出力とリファレンス電圧の差から、電圧供給回路1に対する設定値が決定される。このデータは電圧供給回路1内の記憶部236に保持される。その結果、コンデンサマイクユニットのユニット毎の感度差が少ないコンデンサマイクユニットを得ることが可能である。
【0045】
ここで、図2にもどり、上述したような7ビットのデータが与えられるデータ処理回路235の詳細な構成について説明する。データ処理回路235内には、図6に示したような7段からなるシフトレジスタが形成されている。このシフトレジスタには感度調整動作において、外部から上記の設定値に対応する7ビットのシリアルデータ及びクロックが供給されている。シフトレジスタはクロックの立ち下がりに合わせて、上記のシリアルデータを順次取り込んでいくため7クロックで上記の7ビットシリアルデータを全て取り込むことが可能である。7ビットシリアルデータを取り込んだ段階で、シフトレジスタの各段の出力を見ることにより、シリアルデータをパラレルデータとすることが可能である。図6においては出力端子61〜67がこのパラレルデータ出力端子となる。
【0046】
ここで2桁目から4桁目に相当する出力端子62、63、64は第1のセレクタ回路に対する記憶部に接続され、5桁目から7桁目に相当する出力端子65、66、67は第2のセレクタ回路に対する記憶部に接続されている。
【0047】
図7は、第1のセレクタ回路233に対応する記憶部236から、第1のセレクタ233内のスイッチまでの構成を示す回路図である。図7に示すように、実施の形態1での記憶部236は、データ処理回路のシフトレジスタとセレクタの間に配置されたヒューズ素子で構成されている。図7に示すように第1のセレクタ回路に対応する記憶部236は3つのヒューズ素子711、712、713、スイッチ素子721、722、723を有している。ヒューズとスイッチは電源線と接地電位の間に直列に接続されている。スイッチ素子はヒューズに対して接地電位側に配置され、スイッチ素子と並列に高抵抗731、732、733がヒューズ−接地電位間に接続されている。このスイッチ素子721、722、723のそれぞれのゲートには、上述のパラレルデータに変換された2桁目から4桁目に対応するデータが入力されている。つまり、図6におけるパラレルデータ出力端子62、63、64に接続されている。仮に、ここでは上に述べた「高感度モードの時にバイアス電圧を3V上げる」設定に対応する信号(2桁目=1、3桁目、4桁目=0)が与えられているとする。その結果、2桁目のビットに対応するスイッチ素子721のみがオン、その他のスイッチ素子722、723はオフとされる。感度調整時には、この状態で検査調整機からヒューズ切断電圧VBIASが印加される。具体的には、感度調整時に電源線をヒューズ切断電圧VBIASへと接続する。ヒューズ切断電圧VBIASが印加されるとオン状態のスイッチ素子721に接続されたヒューズ711のみに過電流が流れ、ヒューズ711が切断される。その他のヒューズ素子712、713はスイッチ素子722、723がオフ状態であり、接地電位には高抵抗732、733のみを介して接続されるため過電流は流れない。ヒューズ切断が終了するとヒューズ切断電圧VBIASは電源線から切り離される。
【0048】
実施の形態1では、このヒューズの切断状態で上記の設定値を記憶している。ここで、通常動作時について説明する。通常動作時は、電源線は通常の回路電源VDDに接続され、ヒューズ711のみが切断されている。この記憶部236からはヒューズと高抵抗(スイッチ素子)の間のノードが第1のセレクタ回路236内の論理回路(図7に示す例ではセレクタ回路内の7個のスイッチそれぞれに接続されたANDゲート)に接続されている。この場合、ヒューズが切れている部分に対応するヒューズ711と高抵抗731の間のノードは、接地電位(Lレベル)となっているのに対し、ヒューズが切断されていない部分では、ヒューズ712、713と高抵抗732、733の間のノードは、電源電位(Hレベル)となっている。そのため、図7に示した回路例では全ての入力がHレベルとなるANDゲート(図7中、左端のANDゲート)がHレベルを出力することで、セレクタ回路のスイッチを選択する。
【0049】
図7では、第1のセレクタ回路233に対応する記憶部と第1のセレクタ回路の接続についてのみ示したが、第2のセレクタ回路234に対しても同様にヒューズによる記憶部236が形成され、このヒューズの切断により設定値が記憶されている。
【0050】
この様に感度調整動作で設定された設定値は、出力電圧設定部に記憶され、この設定値に基づいてバイアス電圧が生成される。
【0051】
以上、詳細に説明したように、本実施の形態では感度調整動作によって、コンデンサマイクユニットの感度を設定する設定値が決定され、コンデンサマイクに対する電圧供給回路に記憶される。コンデンサマイクの電圧供給回路は、その帰還抵抗値を設定値に基づいて設定するため、感度のばらつきがないコンデンサマイクユニットを提供することが可能となる。またバイアス電圧は、基準電圧を非反転増幅器により増幅した電圧であるため、リップルなどの低い安定したバイアス電圧を供給できる。
【0052】
実施の形態2
図8は、本発明の実施の形態2に関わるコンデンサマイクユニットを示す図である。図8において、実施の形態1と同じ構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0053】
実施の形態2では、第1の帰還抵抗部831、第2の帰還抵抗部832、第1のセレクタ833および第2のセレクタ834の構成が異なっている。実施の形態1では、帰還抵抗部231、232は、複数の抵抗が直列に接続され、スイッチは各抵抗の間のノードに接続される構成としている。実施の形態2の帰還抵抗部831、832は、7つの抵抗が並列に配置され、7つの抵抗に対して直列に1つの抵抗が接続されている。この1つの抵抗の一端は接地電位に接続されている。第1、第2のセレクタ回路833、834は、実施の形態1と同様にそれぞれ7つのスイッチを有しているが、その接続が異なっている。7つのスイッチ素子は、その一端が接地電位に接続された1つの抵抗と、並列に接続された7つの抵抗の間のノードに、それぞれ接続されている。スイッチの他端は、非反転増幅器221の反転入力端子に接続されている。
【0054】
この実施の形態では、並列に配置された7つの抵抗の抵抗値がそれぞれ異なっている。実施の形態1と同様に、データ処理回路235からはセレクタ回路833、834内の7つのスイッチのうち任意の1つを選択する設定値が与えられる。つまり、実施の形態2の回路では抵抗値が異なる7つの抵抗のうち任意の1つが非反転増幅器の反転入力端子に接続される。このように、実施の形態2では、抵抗値の異なる抵抗のうち任意の1つを選んで反転入力端子に接続することで、帰還抵抗値を設定している。
【0055】
実施の形態1においては直列に接続した抵抗の間の任意のノードを接続していたため、非反転増幅器の増幅度を精度よく設定することが困難な場合がある。例えば実施の形態1では、非反転増幅器の出力と反転入力端子に接続されるノードとの間の抵抗の数を1つとした場合は、このノードから接地電位までに接続される抵抗の数は、7つとなる。非反転増幅器の出力と反転入力端子に接続されるノードとの間の抵抗の数を2つとした場合は、このノードから接地電位までに接続される抵抗の数は、6つとなる。増幅器221の増幅度はこの反転入力に接続される帰還抵抗値と、反転入力端子と接地電位の間に接続される抵抗値の比によって変わるため、実施の形態1のような構成では直列に接続される個々の抵抗の抵抗値の設定が複雑になり、バイアス電圧を精度よく調整することが困難な場合がある。それに対し実施の形態2の電圧供給回路1の構成では、反転入力に接続される帰還抵抗値と、反転入力端子と接地電位の間に接続される抵抗値の比を調整することが容易となり、バイアス電圧の設定に対する精度も向上する。
【0056】
実施の形態3
図9は、本発明の実施の形態3に関わるコンデンサマイクユニットを示す図である。図9において、実施の形態1と同じ構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0057】
実施の形態3では、第1の帰還抵抗部、第2の帰還抵抗部、第1、第2のセレクタを一つにまとめて、1つの帰還抵抗部91、セレクタ回路92としている。帰還抵抗部91は、直列に接続された複数の抵抗を有している。セレクタ回路92は、各抵抗間のノードと反転入力端子の間に接続された複数のスイッチを有している。実施の形態3の電圧供給回路1では、セレクタ回路で選択されるスイッチの組み合わせで帰還抵抗値が決定される。
【0058】
実施の形態1では、8つの抵抗の抵抗間のノードに接続された7個のスイッチのうち1つを選択することで帰還抵抗値を設定していたが、この実施の形態3では複数のスイッチを選択することが可能とされる。これは感度調整時に設定される設定値のデータと選択されるスイッチの対応を変えることで可能となる。
【0059】
例えば、感度設定時に設定されるデータのビット数を多くして、セレクタ回路内のスイッチの数に対応したビット数とする。そして、感度調整時に、高感度モード時、低感度モード時の調整すべき電圧幅に合わせて、このスイッチ数に対応したビット数の設定値が記憶される。通常動作時は、この設定値に基づいて帰還抵抗部の各抵抗間のノードと反転入力端子の接続がセレクタ回路内のスイッチごとに決定される。
【0060】
実施の形態1のように8個の抵抗が直列に接続され、セレクタ回路に7つのスイッチが形成されていた場合、スイッチの選び方は128通り存在する。この場合、記憶部が記憶する設定値は、この組み合わせのうち、高感度モードにおけるスイッチの組み合わせデータと低感度モードにおけるスイッチの組み合わせデータとする。つまり、感度調整時に得られる設定値を各スイッチに対応した7ビットのデータとし、記憶部236は7ビットの組み合わせを2種類記憶する。このように記憶部に記憶される設定値とスイッチの対応を変えることで帰還抵抗部、セレクタ回路を高感度モード、低感度モードで共用し、1つの帰還抵抗部91、セレクタ回路92としてバイアス電圧の設定が可能となる。
【0061】
実施の形態4
図10は、本発明の実施の形態4に関わるコンデンサマイクユニットを示す図である。図10において、実施の形態1と同じ構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0062】
実施の形態4では非反転増幅器221の出力にログアンプ1001が接続されている。実施の形態4では非反転増幅器221から出力された電圧を、さらにログアンプと呼ばれる増幅器により増幅し、バイアス電圧としてコンデンサマイク2に供給している。ログアンプとは、その入力に対して出力が指数関数的に増加する増幅器である。
【0063】
実施の形態4ではログアンプ1001は、演算増幅器、ダイオード、バイポーラトランジスタおよび抵抗を有している。演算増幅器の非反転入力端子には入力抵抗を介して非反転増幅器221の出力が与えられている。演算増幅器の非反転入力端子は抵抗を介して接地電位に接続されている。この演算増幅器の出力は、出力抵抗および並列に接続されたダイオード、バイポーラトランジスタを介して反転入力端子にフィードバックされている。このログアンプには電源昇圧部で昇圧された電圧が電源電圧として与えられている。
【0064】
一般的にコンデンサマイクユニットに対するバイアス電圧が増加するにつれて、コンデンサマイクユニットの感度は指数関数的に増加することが知られている。そこで、実施の形態4では、コンデンサマイクのバイアス電圧に対する特性とほぼ同一の入出力特性を有するログアンプが用いられる。
【0065】
ログアンプは、上述したように、その入力の変化に対して出力が指数関数的に変化する。例えば実施の形態1の電圧供給回路では、コンデンサマイクに対するバイアス電圧を非反転増幅器が±3Vの範囲で調節している。しかし、実施の形態4ではこの非反転増幅器の出力をログアンプで増幅する構成としているため、±3Vよりも広い範囲のバイアス電圧の調整が可能である。
【0066】
変形例
実施の形態1では、記憶部236として3つのヒューズ素子を有する記憶部から、7つのスイッチのうち任意の1つを選択する構成としたが、記憶部としては他の構成を用いることも可能である。図11は、記憶部として他の回路を用いた場合を表した図である。実施の形態1では、記憶部236がデータ処理回路235とセレクタ回路233の間に存在していたがこの変形例では、記憶部が帰還抵抗部に並列に設けられている。帰還抵抗部の複数の抵抗のそれぞれに並列にヒューズが設けられている。
【0067】
そして、感度調整動作時に調節する電圧幅に応じて、7つのヒューズのうちの任意のヒューズが切断される。このように帰還抵抗部に並列にヒューズを設け、感度調整時にヒューズを切断することで記憶部とすることも可能である。なお、このような構成は実施の形態2から4のどの場合にも適用が可能である。図12は実施の形態2にさらに他の変形例を適用した例である。図12に示す記憶部は、各帰還抵抗とスイッチとの間にヒューズを設け、感度調整時に任意のヒューズを切断することにより設定値を記憶させる。
【0068】
また、実施の形態ではヒューズを用いて記憶部としたが、記憶部としてはヒューズ素子に限らず、ツェナーザップやEEPROMなどを用いることも可能である。ここで、ツェナーザップとは、ヒューズと反対の動作をする素子である。ヒューズが切断されることにより、ある2点間が常に"開放"状態であることを記憶するのに対し、ツェナーザップは降伏させることによりある2点間を常に"短絡"させて記憶する。このような記憶部は、例えば図11に示した変形例のヒューズを、そのままツェナーザップ素子に置き換えることなどで実現可能である。
【0069】
図13は、実施の形態1において図7に示した記憶部の構成をヒューズからEEPROMに置き換えた場合の構成を示す回路図である。図13のように構成した回路で実施の形態1の記憶部と同じ出力を得たい場合は、感度調整動作の時に、書き込み電圧としてVwriteに高電圧を印加する。また、EEPROM素子1321のコントロールゲートにはLレベル、EEPROM素子1322、1323のコントロールゲートにはHレベルの信号が与えられる。この結果、EEPROM素子1321は、フローティングゲートの電子が排出され、常時オン状態となる。一方、EEPROM素子1322、1323では、フローティングゲートの電子は排出されず消去状態のままとなる。感度調整動作が終了した後は、書き込み電圧およびコントロールゲートには電圧が印加されないため、消去状態の素子は常にオフとなり、図13中左端のインバータのみにLレベルが入力される。その結果、実施の形態1と同様に図13の左端のANDゲートのみがHレベルを出力し、スイッチを選択する。
【0070】
また、実施の形態では、電源昇圧部21はモード指定信号に関わらず電源電圧を一定に昇圧した電圧を出力しているが、モード指定信号を電源昇圧部21にも入力し、電源昇圧部21は、モードに応じて増幅器が必要とする電圧を生成する構成としても良い。
【0071】
以上、詳細に説明したように本発明による電圧供給回路によれば、コンデンサマイクなどのセンサに、感度に基づいた適切な電圧を印加することが可能である。また、コンデンサマイクユニットなどのマイクユニットごとの感度ばらつき低減させることが可能となる。また、本発明は実施の形態に示された構成に限られるものではなく、上述の変形例のように種々の変形が可能である。
【0072】
更に、本発明の電圧供給回路について、センサとして、特に振動センサ(コンデンサマイク)を用いた場合を実施の形態で詳細に述べたが、本発明の電圧供給回路の利用は、コンデンサマイクに限定されない。例えば、コンデンサマイクと同様の原理で動作する静電容量の変位を検出する他の音圧センサ、例えば半導体素子等を利用したものにも有用であることは言うまでもない。従って、本発明でいうマイクユニットには、静電容量の変位を検出する他の音圧センサ、例えば半導体素子等をマイクに用いたものなども含まれることはいうまでもないことである。また、振動センサで変位検出型、特に静電容量の変化を検出するタイプのものにも本発明の電圧供給回路は極めて有効である。さらに、直流バイアス電圧により出力を変えることができる他のセンサ、例えば温度センサや光センサなどにも本発明の電圧供給回路は適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明のコンデンサマイクユニットを示す図である。
【図2】実施の形態1に関するコンデンサマイクユニットの電圧供給回路を示す図である。
【図3】本発明の感度調整装置を示す図である。
【図4】コンデンサマイクユニットの感度と、バイアス電圧の関係を示す図である。
【図5】調整信号発生回路が出力する設定値と、バイアス電圧に対しての調整量を示す図である。
【図6】データ処理回路内のシフトレジスタを示す図である。
【図7】、第1のセレクタ回路に対応する記憶部から、第1のセレクタ内のスイッチまでの構成を示す回路図である。
【図8】実施の形態2に関わるコンデンサマイクユニットを示す図である。
【図9】実施の形態3に関わるコンデンサマイクユニットを示す図である。
【図10】実施の形態4に関わるコンデンサマイクユニットを示す図である。
【図11】記憶部として他の回路を用いた場合を表した図である。
【図12】記憶部として他の回路を用いた場合を表した図である。
【図13】記憶部として他の回路を用いた場合を表した図である。
【図14】従来のコンデンサマイクユニットを示す図である。
【符号の説明】
【0074】
1 電圧供給回路
2 コンデンサマイク
3 増幅回路
4 キャパシタ
5、6 抵抗
7 電源
21 電源昇圧部
22 レギュレータ部
23 出力電圧設定部
221 非反転増幅器
222 基準電圧源
231 第1の帰還抵抗部
232 第2の帰還抵抗部
233 第1のセレクタ回路
234 第2のセレクタ回路
235 データ処理部
236 記憶部
31 信号発生器
32 スピーカー
33 コンデンサマイクユニット
34 検査調整機
341 比較回路
342 リファレンス回路
343 調整信号発生回路
711、712、713 ヒューズ
721、722、723 スイッチ素子
731、732、733 高抵抗
831 第1の帰還抵抗部
832 第2の帰還抵抗部
833 第1のセレクタ回路
834 第2のセレクタ回路
91 帰還抵抗部
92 セレクタ回路
1001 ログアンプ
1111、1211 第1の帰還抵抗部および記憶部
1112、1212 第2の帰還抵抗部および記憶部
1113、1213 第1のセレクタ回路
1114、1214 第2のセレクタ回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源昇圧部と、
前記電源昇圧部によって生成された電圧を電源電圧として動作し、センサにバイアス電圧を供給する増幅器と、
前記増幅器に対する帰還抵抗部を有し、該帰還抵抗部の抵抗値が前記センサのバイアス電圧の設定値に応じて決定される出力電圧設定回路とを有する電圧供給回路。
【請求項2】
前記バイアス電圧の設定値を保持する記憶部を有することを特徴とする請求項1に記載の電圧供給回路。
【請求項3】
前記帰還抵抗部は、複数の抵抗から任意に選択された抵抗により定まる抵抗値を有することを特徴とする請求項1あるいは2に記載の電圧供給回路。
【請求項4】
前記帰還抵抗部は、複数の抵抗を有し、前記複数の抵抗のうち、前記バイアス電圧の設定値に対応した任意の数の抵抗を用いることにより前記帰還抵抗部の抵抗値を決定することを特徴とする請求項1あるいは2に記載の電圧供給回路。
【請求項5】
前記記憶部は、前記バイアス電圧の設定値をヒューズによって保持することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の電圧供給回路。
【請求項6】
前記記憶部は、前記バイアス電圧の設定値をツェナーザップによって保持することを特徴とする請求項2乃至4記載のいずれか1項に電圧供給回路。
【請求項7】
前記出力電圧設定部は、さらに
前記帰還抵抗部に接続されたセレクタ回路と、
前記セレクタ回路に選択信号を出力するデータ処理回路とを有し、
前記セレクタ回路は、前記選択信号に基づいて前記帰還抵抗部の抵抗値を設定し、前記増幅器の帰還抵抗とすることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電圧供給回路。
【請求項8】
前記帰還抵抗部は、少なくとも第1の帰還抵抗部および第2の帰還抵抗部を有し、前記出力電圧設定回路の外部から入力されるモード設定信号に基づいて、前記第1の帰還抵抗部あるいは第2の帰還抵抗部が前記増幅器に対する帰還抵抗として選択されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の電圧供給回路。
【請求項9】
バイアス電圧が供給されるマイクと、
電源昇圧部と、
前記電源昇圧部によって生成された電圧を電源電圧として動作し、前記マイクにバイアス電圧を供給する増幅器と、
前記増幅器に対する帰還抵抗部を有し、該帰還抵抗部の抵抗値が前記マイクのバイアス電圧の設定値に応じて決定される出力電圧設定回路とを有するマイクユニット。
【請求項10】
前記バイアス電圧の設定値を保持する記憶部を有することを特徴とする請求項9に記載のマイクユニット。
【請求項11】
マイクの感度調整方法であって、
マイクに、基準音を入力し、
前記基準音に対する前記マイクの出力と基準電圧を比較し、
前記比較した結果に基づいて、前記マイクにバイアスするバイアス電圧を設定する設定値を出力し、
前記設定値を記憶し、該設定値に基づいて、前記バイアス電圧を出力する増幅器の帰還抵抗値を決定する感度調整方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−191359(P2006−191359A)
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−1380(P2005−1380)
【出願日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願人】(302062931)NECエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】