説明

電子カメラ

【構成】撮像装置16は、カメラ筐体の前方の被写界を表す生画像データを繰り返し出力する。CPU30は、撮像装置16から出力された生画像データに基づくスルー画像の表示をカメラ筐体の後方に向けられたモニタ画面40を有するLCDユニット36に要求する。CPU30はまた、セルフポートレートモードを含む複数の撮像モードのいずれか1つをモード選択操作に応答して選択し、選択された撮像モードに適合する態様で撮像条件を調整する。CPU30はさらに、選択された撮像モードがセルフポートレートモードであるとき、モード選択操作から3秒が経過した後にLCDユニット36の表示動作を制限する。
【効果】操作性を確保しつつ消費電力を削減することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子カメラに関し、特に操作者自身を撮影するセルフポートレートモードを有する、電子カメラに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のカメラの一例が、特許文献1に開示されている。この背景技術によれば、セルフポートレートモードが設定されたときには、測距結果および/または測光結果に関わらず、撮影レンズの合焦位置や絞り値が固定される。一方、通常の撮影を行うためにセルフポートレートモードを解除すると、測距結果や測光結果が有効化され、撮影レンズの合焦位置や絞り値が通常の被写体の撮影に適した値に設定される。これによって、画質を被写体に応じて適応的に調整することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−305133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、背景技術は、被写界を表すリアルタイム動画像をLCD表示パネルに表示することを想定しておらず、LCD表示パネルの電力消費量の削減についても何ら開示されていない。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、操作性を確保しつつ消費電力を削減することができる、電子カメラを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に従う電子カメラ(10:実施例で相当する参照符号。以下同じ)は、カメラ筐体(CB1)の前方の被写界を表す画像データを繰り返し出力する撮像手段(16)、撮像手段から出力された画像データに基づく動画像の表示をカメラ筐体(CB1)の後方に向けられた画面を有するモニタ(36)に要求する第1要求手段(S1)、自己撮像モードを含む複数の撮像モードのいずれか1つをモード選択操作に応答して選択する選択手段(S21~S23, S27~S33)、選択手段によって選択された撮像モードに適合する態様で撮像条件を調整する調整手段(S5~S9)、および選択手段によって選択された撮像モードが自己撮像モードであるときモード選択操作から第1時間が経過した後にモニタの表示動作を制限する制限手段(S57)を備える。
【0007】
好ましくは、制限手段の制限に関連して撮像手段の撮像周期を延長する延長手段(S55)がさらに備えられる。
【0008】
好ましくは、記録指示に対応して撮像手段から出力された画像データに記録処理を施す記録手段(S15)、および記録指示から第2時間が経過した後に制限手段の制限を解除する第1解除手段(S63)がさらに備えられる。
【0009】
さらに好ましくは、記録指示に先立つ別の指示に応答して制限手段の制限を解除する第2解除手段(S61)がさらに備えられる。
【0010】
好ましくは、選択手段によって選択された撮像モードに対応するグラフィック画像の表示をモニタに要求する第2要求手段(S25, S35)がさらに備えられる。
【0011】
この発明に従う撮像制御プログラムは、カメラ筐体(CB1)の前方の被写界を表す画像データを繰り返し出力する撮像手段(16)を備える電子カメラ(10)のプロセッサ(30)に、撮像手段から出力された画像データに基づく動画像の表示をカメラ筐体(CB1)の後方に向けられた画面を有するモニタ(36)に要求する要求ステップ(S1)、自己撮像モードを含む複数の撮像モードのいずれか1つをモード選択操作に応答して選択する選択ステップ(S21~S23, S27~S33)、選択ステップによって選択された撮像モードに適合する態様で撮像条件を調整する調整ステップ(S5~S9)、および選択ステップによって選択された撮像モードが自己撮像モードであるときモード選択操作から既定時間が経過した後にモニタの表示動作を制限する制限ステップ(S57)を実行させるための、撮像制御プログラムである。
【0012】
この発明に従う撮像制御方法は、カメラ筐体(CB1)の前方の被写界を表す画像データを繰り返し出力する撮像手段(16)を備える電子カメラ(10)によって実行される撮像制御方法であって、撮像手段から出力された画像データに基づく動画像の表示をカメラ筐体(CB1)の後方に向けられた画面を有するモニタ(36)に要求する要求ステップ(S1)、自己撮像モードを含む複数の撮像モードのいずれか1つをモード選択操作に応答して選択する選択ステップ(S21~S23, S27~S33)、選択ステップによって選択された撮像モードに適合する態様で撮像条件を調整する調整ステップ(S5~S9)、および選択ステップによって選択された撮像モードが自己撮像モードであるときモード選択操作から既定時間が経過した後にモニタの表示動作を制限する制限ステップ(S57)を備える。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、被写界を表す動画像は、自己撮像モードが選択されてから第1時間が経過するまでは、モニタの画面に表示される。操作者は、モニタの表示動作に違和感を覚えることなく撮像動作に移行する。また、モニタの表示動作は、第1時間が経過した時点で制限される。このため、不要な表示動作が抑制される。こうして、操作性を確保しつつ消費電力を削減することができる。
【0014】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明の基本的構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図3】(A)は通常モードを示すアイコンの表示状態を示す図解図であり、(B)はセルフポートレートモードを示すアイコンの表示状態を示す図解図である。
【図4】撮像面における評価エリアの割り当て状態の一例を示す図解図である。
【図5】(A)は図2実施例を前方から眺めた状態を示す図解図であり、(B)は図2実施例を後方から眺めた状態を示す図解図である。
【図6】図2実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図7】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図8】図2実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
[基本的構成]
【0017】
図1を参照して、この発明の電子カメラは、基本的に次のように構成される。撮像手段1は、カメラ筐体の前方の被写界を表す画像データを繰り返し出力する。第1要求手段2は、撮像手段1から出力された画像データに基づく動画像の表示をカメラ筐体の後方に向けられた画面を有するモニタ6に要求する。選択手段3は、自己撮像モードを含む複数の撮像モードのいずれか1つをモード選択操作に応答して選択する。調整手段4は、選択手段3によって選択された撮像モードに適合する態様で撮像条件を調整する。制限手段5は、選択手段3によって選択された撮像モードが自己撮像モードであるときモード選択操作から第1時間が経過した後にモニタ6の表示動作を制限する。
【0018】
被写界を表す動画像は、自己撮像モードが選択されてから第1時間が経過するまでは、モニタ6の画面に表示される。操作者は、モニタ6の表示動作に違和感を覚えることなく撮像動作に移行する。また、モニタ6の表示動作は、第1時間が経過した時点で制限される。このため、不要な表示動作が抑制される。こうして、操作性を確保しつつ消費電力を削減することができる。
[実施例]
【0019】
図2を参照して、この実施例のディジタルカメラ10は、ドライバ18aおよび18bによってそれぞれ駆動されるフォーカスレンズ12および絞り機構14を含む。フォーカスレンズ12および絞り機構14を経た被写界の光学像は、撮像装置16の撮像面に照射され、光電変換を施される。これによって、被写界像を表す電荷が生成される。
【0020】
電源が投入されると、CPU30は、設定制御タスクの下で、SG(Signal Generator)20から出力される垂直同期信号Vsyncの周期を1/60秒に設定するとともに、LCDユニット36をオンする。CPU30はまた、撮像タスクの下で動画取り込み処理を実行するべく、ドライバ18cにプリ露光動作および間引き読み出し動作の繰り返しを命令する。
【0021】
ドライバ18cは、SG20から出力された垂直同期信号Vsyncに応答して、撮像面にプリ露光を施し、かつ撮像面で生成された電荷の一部をラスタ走査態様で読み出す。撮像装置16からは、読み出された電荷に基づく生画像データが、60fpsのフレームレートで出力される。
【0022】
信号処理回路22は、撮像装置16から出力された生画像データに白バランス調整,色分離,YUV変換などの処理を施し、これによって作成されたYUV形式の画像データをメモリ制御回路32を通してSDRAM34に書き込む。LCDユニット36を構成するLCDドライバ38は、SDRAM34に書き込まれた画像データをメモリ制御回路32を通して繰り返し読み出し、読み出された画像データに基づくリアルタイム動画像をモニタ画面40に表示する。
【0023】
撮像モードは、キー入力装置28に設けられたモード切換スイッチ28mの操作に応答して、通常モードとセルフポートレートモード(自己撮像モード)との間で切換えられる。CPU30は、選択された撮像モードに対応するグラフィック画像データの出力を、モード制御タスクの下でグラフィックジェネレータ46に要求する。
【0024】
LCDドライバ38は、CPU30からの要求に応答してグラフィックジェネレータ46から出力されたグラフィック画像データに基づいて、撮像モードを識別するアイコンをモニタ画面40に表示する。この結果、通常モードが選択されたときは、アイコンIC1が図3(A)に示す要領でモニタ画面40に表示される。また、セルフポートレートモードが選択されたときは、アイコンIC2が図3(B)に示す要領でモニタ画面40に表示される。
【0025】
図4を参照して、撮像面の中央には評価エリアEVAが割り当てられる。評価エリアEVAは、垂直方向および水平方向の各々において16分割される。つまり、評価エリアEVAは、合計256個の分割エリアの集合に相当する。
【0026】
輝度評価回路24は、信号処理回路22から出力されたYデータのうち評価エリアEVAに属するYデータを、垂直同期信号Vsyncに応答して分割エリア毎に積分する。この結果、256個の分割エリアにそれぞれ対応する256個のAE評価値が、垂直同期信号Vsyncに応答してAE評価回路24から出力される。
【0027】
AF評価回路26は、信号処理回路22から出力されたYデータのうち評価エリアEVAに属するYデータの高域周波数成分を垂直同期信号Vsyncに応答して分割エリア毎に積分する。これによって、256個の分割エリアにそれぞれ対応する256個のAF評価値が、垂直同期信号Vsyncに応答してAF評価回路26から出力される。
【0028】
キー入力装置28に設けられたシャッタボタン28mは、状態ST0〜ST3の間で遷移する。状態ST0は非操作状態に相当し、状態ST1はシャッタボタン半押し状態に相当し、状態ST2はシャッタボタン全押し状態に相当する。シャッタボタン28mの状態が“ST0”であるとき、CPU30は、輝度評価回路24から出力された256個の輝度評価値に基づいて適正EV値を算出するべく、撮像タスクの下で簡易AE処理を繰り返し実行する。算出された適正EV値を定義する絞り量および露光時間は、ドライバ18bおよび18cにそれぞれ設定される。この結果、LCDモニタ38に表示されるスルー画像の明るさが適度に調整される。
【0029】
シャッタボタン28mの状態が“ST1”に遷移すると、CPU30は、輝度評価回路24から出力された256個の輝度評価値に基づいて最適EV値を算出するべく、撮像タスクの下で厳格AE処理を実行する。算出された最適EV値を定義する絞り量および露光時間は、上述と同様、ドライバ18bおよび18cにそれぞれ設定される。
【0030】
CPU30は続いて、撮像タスクの下でAF処理を実行する。フォーカスレンズ12は光軸方向に移動され、フォーカス評価回路26から出力された256個のAF評価値はフォーカスレンズ12の移動処理と並列して繰り返し取り込まれる。合焦点は取り込まれたAF評価値に基づいて探索され、フォーカスレンズ12は発見された合焦点に配置される。
【0031】
CPU30は、通常モードが設定されたとき、通常モードに対応するAE基準およびAF基準をモード制御タスクの下で選択する。CPU30はまた、セルフポートレートモードが設定されたとき、セルフポートレートモードに対応するAE基準およびAF基準をモード制御タスクの下で選択する。簡易AE処理および厳格AE処理は選択されたAE基準に沿って実行され、AF処理は選択されたAF基準に沿って実行される。
【0032】
シャッタボタン28mの状態が“ST2”に遷移すると、記録処理が実行される。CPU30は、本露光動作および全画素読み出しを1回ずつ実行することをドライバ18cに命令する。ドライバ18cは、垂直同期信号Vsyncの発生に応答して撮像面に本露光を施し、撮像面で生成された全ての電荷をラスタ走査態様で読み出す。この結果、被写界を表す高解像度の生画像データが撮像装置16から出力される。
【0033】
出力された生画像データは上述と同様の処理を施され、この結果、YUV形式に従う高解像度の画像データがSDRAM34に確保される。I/F40は、こうしてSDRAM34に格納された高解像度の画像データをメモリ制御回路32を通して読み出し、読み出された画像データをファイル形式で記録媒体42に記録する。なお、動画取込み処理は、高解像度の画像データがSDRAM34に格納された時点で再開される。
【0034】
図5(A)〜図5(B)を参照して、撮像装置16は撮像面がカメラ筐体CB1の前方の被写界を捉えるように設けられ、LCDユニット36はモニタ画面40がカメラ筐体CB1の後方を向くように設けられる。セルフポートレートモードは操作者の顔を撮影するためのモードであるため、セルフポートレートモードが選択された後に撮像面が操作者の顔に向けられると、操作者がモニタ画面40を視認することはできなくなる。この状態でのLCDユニット36への給電は、電力の浪費につながる。
【0035】
その一方で、セルフポートレートモードの選択と同時にLCDユニット36をオフすると、操作者はLCDユニット36の表示動作に違和感を覚える。また、セルフポートレートを示すアイコンIC2がモニタ画面40に表示されないため、操作性の低下を引き起こす。
【0036】
そこで、CPU30は、撮像モードがセルフポートレートモードに切り換えられたとき、設定制御タスクの下でタイマTM1のリセット&スタートを実行し、タイマTM1のタイムアウトに応答してLCDユニット36をオフする。ここで、タイマTM1にタイムアウトが生じるまでの時間は、たとえば3秒である。
【0037】
操作者は、セルフポートレートへの切り換えをアイコンIC2の表示によって確認し、その後に撮像面を操作者の顔に向ける。LCDユニット36はその後にオフされる。これによって、操作性を確保しつつ消費電力を削減することができる。
【0038】
なお、セルフポートレートモードでは、シャッタチャンスを重視する必要性が低い。そこで、CPU30は、タイマTM1にタイムアウトが生じたとき、LCDユニット36のオフに加えて、SG20から出力される垂直同期信号Vsyncの周期を1/60秒から1/30秒に延長する。これによって、消費電力のさらなる削減が可能となる。
【0039】
こうして変更されたLCDユニット36およびSG20の設定は、シャッタボタン28sの状態が“ST2”に移行してから0.5秒後に元に戻され、或いはモード切り換え操作に応答して速やかに元に戻される。これによって、操作性が確保される。
【0040】
CPU30は、図6〜図8に示す撮像タスクに従う処理を実行する。この撮像タスクに対応する制御プログラムは、フラッシュメモリ46に記憶される。
【0041】
図6を参照して、ステップS1では動画取込み処理を実行する。この結果、被写界を表すリアルタイム動画像がモニタ画面40に表示される。ステップS3ではシャッタボタン28sの状態が“ST0”であるか否かを判別し、判別結果がYESである限り、ステップS3の簡易AE処理を繰り返す。この結果、スルー画像の明るさが適度に調整される。
【0042】
シャッタボタン28sの状態が“ST1”または“ST2”に移行すると、ステップS7で厳格AE処理を実行し、ステップS9でAF処理を実行する。ステップS7の処理によってスルー画像の明るさが厳格に調整され、ステップS9の処理によってフォーカスレンズ12が合焦点に配置される。
【0043】
ステップS11ではシャッタボタン28sの状態が“ST2”であるか否かを判別し、ステップS13ではシャッタボタン28sの状態が“ST1”であるか否かを判別する。ステップS11でYESであれば、ステップS15で記録処理を実行し、ステップS17で動画取込み処理を再開してから、ステップS3に戻る。ステップS13でNOであれば、そのままステップS3に戻る。ステップS13でYESであればステップS11に戻る。
【0044】
図7を参照して、ステップS21では通常モードに対応するAE基準を選択し、ステップS23では通常モードに対応するAF基準を選択する。この結果、ステップS5の簡易AE処理およびステップSS7の厳格AE処理は、通常モードに対応するAE基準に沿って実行される。また、ステップS9のAF処理は、通常モードに対応するAF基準に沿って実行される。ステップS25では、通常モードに対応するグラフィック画像データの出力をグラフィックジェネレータ44に要求する。この結果、アイコンIC1が図3(A)に示す要領でモニタ画面40に表示される。
【0045】
ステップS27では、モード切り換え操作が行われたか否かを判別する。判別結果がNOからYESに更新されると、切り換え後の撮像モードがセルフポートレートモードであるか否かを判別する。判別結果がNOであればステップS21に戻り、判別結果がYESであればステップS31に進む。
【0046】
ステップS31ではセルフポートレートモードに対応するAE基準を選択し、ステップS33ではセルフポートレートモードに対応するAF基準を選択する。この結果、ステップS5の簡易AE処理およびステップSS7の厳格AE処理は、セルフポートレートモードに対応するAE基準に沿って実行される。また、ステップS9のAF処理は、セルフポートレートモードに対応するAF基準に沿って実行される。ステップS35では、セルフポートレートモードに対応するグラフィック画像データの出力をグラフィックジェネレータ44に要求する。この結果、アイコンIC2が図3(B)に示す要領でモニタ画面40に表示される。ステップS35の処理が完了すると、ステップS27に戻る。
【0047】
図8を参照して、ステップS41では垂直同期信号Vsyncの発生周期を1/60秒に設定し、ステップS43ではLCDユニット36をオンする。撮像装置16からは60fpsのフレームレートで生画像データが出力され、モニタ画面40には出力された生画像データに基づくリアルタイム動画像が表示される。
【0048】
ステップS45では、セルフポートレートモードが選択されたか否かを繰り返し判別する。判別結果がNOからYESに更新されると、ステップS47でタイマTM1のリセット&スタートを実行する。ステップS49ではタイマTM1にタイムアウトが生じたか否か(3秒が経過したか否か)を判別し、ステップS51ではモード切り換え操作が行われたか否かを判別する。タイムアウトが生じる前にモード切り換え操作が実行されると、ステップS51でYESと判断し、ステップS53でタイマTM1をストップしてからステップS45に戻る。
【0049】
モード切り換え操作が行われる前にタイムアウトが生じると、ステップS49でYESと判断し、ステップS55で垂直同期信号Vsyncの発生周期を1/30秒に設定するとともに、ステップS57でLCDモニタ38をオフする。この結果、撮像装置16から出力される生画像データのフレームレートが60fpsから30fpsに低減し、生画像データに基づくスルー画像の表示が中断される。
【0050】
ステップS59ではシャッタボタン28sの状態が“ST2”に移行したか否かを判別し、ステップS61ではモード切り換え操作が行われたか否かを判別する。ステップS59でYESであれば、ステップS63で0.5秒待機し、その後にステップS41に戻る。一方、ステップS61でYESであれば、そのままステップS41に戻る。
【0051】
以上の説明から分かるように、撮像装置16は、カメラ筐体CB1の前方の被写界を表す生画像データを繰り返し出力する。CPU30は、撮像装置16から出力された生画像データに基づくスルー画像の表示をカメラ筐体CB1の後方に向けられたモニタ画面40を有するLCDユニット36に要求する。CPU30はまた、セルフポートレートモードを含む複数の撮像モードのいずれか1つをモード選択操作に応答して選択し(S21~S23, S27~S33)、選択された撮像モードに適合する態様で撮像条件を調整する(S5~S9)。CPU30はさらに、選択された撮像モードがセルフポートレートモードであるとき、モード選択操作から3秒が経過した後にLCDユニット36の表示動作を制限する(S57)。
【0052】
被写界を表す動画像は、セルフポートレートモードが選択されてから3秒が経過するまでは、モニタ画面40に表示される。操作者は、LCDユニット36の表示動作に違和感を覚えることなく撮像動作に移行する。また、LCDユニット36の表示動作は、3秒が経過した時点で制限される。このため、不要な表示動作が抑制される。こうして、操作性を確保しつつ消費電力を削減することができる。
【0053】
なお、この実施例では、SG20およびLCDユニット36の設定が変更された後のモード切り換え操作に応答して速やかに設定を元に戻るようにしている(図8のステップS61参照)。しかし、モード切り換え操作と異なる操作(ただし、シャッタボタン28mの操作は除く)に応答して、速やかに設定を元に戻すようにしても良い。
【符号の説明】
【0054】
10 …ディジタルカメラ
12 …フォーカスレンズ
16 …撮像装置
24 …輝度評価回路
26 …AF評価回路
30 …CPU
44 …フラッシュメモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラ筐体の前方の被写界を表す画像データを繰り返し出力する撮像手段、
前記撮像手段から出力された画像データに基づく動画像の表示を前記カメラ筐体の後方に向けられた画面を有するモニタに要求する第1要求手段、
自己撮像モードを含む複数の撮像モードのいずれか1つをモード選択操作に応答して選択する選択手段、
前記選択手段によって選択された撮像モードに適合する態様で撮像条件を調整する調整手段、および
前記選択手段によって選択された撮像モードが前記自己撮像モードであるとき前記モード選択操作から第1時間が経過した後に前記モニタの表示動作を制限する制限手段を備える、電子カメラ。
【請求項2】
前記制限手段の制限に関連して前記撮像手段の撮像周期を延長する延長手段をさらに備える、請求項1記載の電子カメラ。
【請求項3】
記録指示に対応して前記撮像手段から出力された画像データに記録処理を施す記録手段、および
前記記録指示から第2時間が経過した後に前記制限手段の制限を解除する第1解除手段をさらに備える、請求項1または2記載の電子カメラ。
【請求項4】
前記記録指示に先立つ別の指示に応答して前記制限手段の制限を解除する第2解除手段をさらに備える、請求項3記載の電子カメラ。
【請求項5】
前記選択手段によって選択された撮像モードに対応するグラフィック画像の表示を前記モニタに要求する第2要求手段をさらに備える、請求項1ないし4のいずれかに記載の電子カメラ。
【請求項6】
カメラ筐体の前方の被写界を表す画像データを繰り返し出力する撮像手段を備える電子カメラのプロセッサに、
前記撮像手段から出力された画像データに基づく動画像の表示を前記カメラ筐体の後方に向けられた画面を有するモニタに要求する要求ステップ、
自己撮像モードを含む複数の撮像モードのいずれか1つをモード選択操作に応答して選択する選択ステップ、
前記選択ステップによって選択された撮像モードに適合する態様で撮像条件を調整する調整ステップ、および
前記選択ステップによって選択された撮像モードが前記自己撮像モードであるとき前記モード選択操作から既定時間が経過した後に前記モニタの表示動作を制限する制限ステップを実行させるための、撮像制御プログラム。
【請求項7】
カメラ筐体の前方の被写界を表す画像データを繰り返し出力する撮像手段を備える電子カメラによって実行される撮像制御方法であって、
前記撮像手段から出力された画像データに基づく動画像の表示を前記カメラ筐体の後方に向けられた画面を有するモニタに要求する要求ステップ、
自己撮像モードを含む複数の撮像モードのいずれか1つをモード選択操作に応答して選択する選択ステップ、
前記選択ステップによって選択された撮像モードに適合する態様で撮像条件を調整する調整ステップ、および
前記選択ステップによって選択された撮像モードが前記自己撮像モードであるとき前記モード選択操作から既定時間が経過した後に前記モニタの表示動作を制限する制限ステップを備える、撮像制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−130220(P2011−130220A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−287113(P2009−287113)
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】