電子カメラ
【構成】光学/撮像系12Lは、左側視野を捉える撮像面を有してL側生画像データを出力する。また、光学/撮像系12Rは、右側視野を捉える撮像面を有してR側生画像データを出力する。ここで、左側視野および右側視野は共通視野を部分的に含む。また、共通視野において、R側生画像データのS/N比はL側生画像データのS/N比よりも低く、R側生画像データの解像感はL側生画像データの解像感よりも高い。信号処理回路14LはL側生画像データに基づいてYUV形式のL側画像データを作成し、信号処理回路14RはR側生画像データに基づいてYUV形式のR側画像データを作成する。画像合成回路24は、こうして作成されたL側画像データおよびR側画像データを共通視野を基準として合成する。
【効果】合成画像の作成に要する時間の短縮化と合成画像の品質の向上とが図られる。
【効果】合成画像の作成に要する時間の短縮化と合成画像の品質の向上とが図られる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子カメラに関し、特に共通視野を表す複数の画像を合成する、電子カメラに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のカメラの一例が、特許文献1に開示されている。この背景技術によれば、露出時間が短く感度が大きい条件で撮像された第1画像と露出時間が長く感度が小さい条件で撮像された第2画像とが、共通のイメージセンサの出力に基づいて作成される。LPF部は、第1画像の高周波成分を濾波して第3画像を出力する。第1合成部は、第2画像および第3画像の差分値に応じて異なる比率で第2画像と第3画像とを合成し、第4画像を出力する。第2合成部は、第3画像から得られるエッジ強度値に応じて異なる比率で第1画像と第4画像とを合成し、最終の合成画像を出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−284001号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、背景技術では、長時間露光画像および短時間露光画像の作成に2フレーム期間を要するため、合成画像の作成に時間がかかるという問題がある。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、合成画像の作成に要する時間を短縮することができる、電子カメラを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に従う電子カメラ(10:実施例で相当する参照符号。以下同じ)は、共通視野を部分的に含む第1視野を捉える第1撮像面を有し、第1S/N比と第1解像感とを共通視野に対応して有する第1画像を出力する第1撮像手段(12L, 14L)、共通視野を部分的に含む第2視野を捉える第2撮像面を有し、第1S/N比よりも低い第2S/N比と第1解像感以上の第2解像感とを共通視野に対応して有する第2画像を出力する第2撮像手段(12R, 14R)、共通視野を第1撮像手段から出力された第1画像および第2撮像手段から出力された第2画像の各々について指定する指定手段(20)、および第1撮像手段から出力された第1画像および第2撮像手段から出力された第2画像を指定手段の指定結果を参照して合成する合成手段(24)を備える。
【0007】
好ましくは、合成手段は、共通視野に属する第1部分画像を第1画像から抽出する第1抽出手段(40L, 42)、共通視野に属する第2部分画像を第2画像から抽出する第2抽出手段(40R, 44)、および第1抽出手段によって抽出された第1部分画像と第2抽出手段によって抽出された第2部分画像とに基づいて合成画像を作成する作成手段(46~56)を含む。
【0008】
或る局面では、第1撮像面は第1数の画素を有し、第2撮像面は第1数よりも大きい第2数の画素を有し、第1抽出手段は画像サイズを拡大する拡大手段(42)を含む。
【0009】
他の局面では、第1撮像面は第1感度を有し、第2撮像面は第1感度よりも小さい第2感度を有し、第2抽出手段は画像の明るさを増幅する増幅手段(44)を含む。
【0010】
その他の局面では、作成手段は、第2部分画像の低域周波数成分を抽出して低周波画像を出力するフィルタ手段(46)、フィルタ手段から出力された低周波画像と第1部分画像とを合成して第1合成画像を出力する第1合成画像出力手段(48, 50)、および第1合成画像出力手段から出力された第1合成画像と第2部分画像とを合成して第2合成画像を出力する第2合成画像出力手段(52, 54)を含む。
【0011】
さらに好ましくは、第1合成画像出力手段は、低周波画像と第1部分画像との差分を検出する差分検出手段(48)、および差分検出手段によって検出された差分が小さいほど第1部分画像が重視されるように合成処理を実行する第1合成処理手段(50)を含む。
【0012】
より好ましくは、第2合成処理手段は、低周波画像からエッジ成分を検出するエッジ成分検出手段(52)、およびエッジ成分検出手段によって検出されたエッジ成分が大きいほど第2部分画像が重視されるように合成処理を実行する第2合成処理手段(54)を含む。
【0013】
好ましくは、第1撮像面および第2撮像面は共通の画素数と共通の感度とを有し、第1画像は第1撮像面を第1時間露光して得られた画像に相当し、第2画像は第2撮像面を第1時間よりも短い第2時間露光して得られた画像に相当し、作成手段は、第1部分画像と第2部分画像とを合成して第1合成画像を出力する第1合成画像出力手段(44~50, 58)、および第1合成画像出力手段から出力された第1合成画像と第2部分画像とを合成して第2合成画像を出力する第2合成画像出力手段(44, 52~54)を含む。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、第1画像および第2画像は、共通視野を捉える第1撮像手段および第2撮像手段から個別に出力される。また、共通視野において、第2画像のS/N比は第1画像のS/N比よりも低く、第2画像の解像感は第1画像の解像感以上である。このような第1画像および第2画像を共通視野を基準として合成することで、合成画像の作成に要する時間の短縮化と合成画像の品質の向上とが図られる。
【0015】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明の一実施例の基本的構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図3】図2実施例の外観を示す斜視図である。
【図4】図2実施例によって捉えられるシーンの一例を示す図解図である。
【図5】図2実施例に適用される光学/撮像系の構成の一例を示す図解図である。
【図6】撮像面における評価エリアEVAの割り当て状態の一例を示す図解図である。
【図7】図2実施例に適用される画像合成回路の構成の一例を示すブロック図である。
【図8】(A)はL側画像データの一例を示す図解図であり、(B)は拡大画像データの一例を示す図解図である。
【図9】(A)はR側画像データの一例を示す図解図であり、(B)は増幅画像データの一例を示す図解図である。
【図10】加重加算回路によって参照される重み付け量αの特性の一例を示すグラフである。
【図11】他の加重加算回路によって参照される重み付け量βの特性の一例を示すグラフである。
【図12】図2実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図13】他の実施例に適用される画像合成回路の構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
[基本的構成]
【0018】
図1を参照して、この実施例の電子カメラは、基本的に次のように構成される。第1撮像手段1は、共通視野を部分的に含む第1視野を捉える第1撮像面を有し、第1S/N比と第1解像感とを共通視野に対応して有する第1画像を出力する。第2撮像手段2は、共通視野を部分的に含む第2視野を捉える第2撮像面を有し、第1S/N比よりも低い第2S/N比と第1解像感以上の第2解像感とを共通視野に対応して有する第2画像を出力する。指定手段3は、共通視野を第1撮像手段1から出力された第1画像および第2撮像手段2から出力された第2画像の各々について指定する。合成手段4は、第1撮像手段1から出力された第1画像および第2撮像手段2から出力された第2画像を指定手段3の指定結果を参照して合成する。
【0019】
第1画像および第2画像は、共通視野を捉える第1撮像手段1および第2撮像手段2から個別に出力される。また、共通視野において、第2画像のS/N比は第1画像のS/N比よりも低く、第2画像の解像感は第1画像の解像感以上である。このような第1画像および第2画像を共通視野を基準として合成することで、合成画像の作成に要する時間の短縮化と合成画像の品質の向上とが図られる。
[実施例]
【0020】
図2を参照して、この実施例のディジタルビデオカメラ10は、光学/撮像系12Lおよび12Rを含む。電源が投入されると、光学/撮像系12Lおよび12RがCPU34によって起動される。光学/撮像系12Lおよび12Rは、SG(Signal Generator)18から周期的に出力される垂直同期信号Vsyncに応答して、生画像データを繰り返し出力する。以下では、光学/撮像系12Lから出力される生画像データを“L側生画像データ”と定義し、光学/撮像系12Rから出力される生画像データを“R側生画像データ”と定義する。
【0021】
図3に示すように、光学撮像系12Lおよび光学撮像系12Rは、カメラ筐体CB1の前面に固定的に設けられる。光学/撮像系12Lはカメラ筐体CB1の前方に向かって左側に位置し、光学/撮像系12Rはカメラ筐体CB1の前方に向かって右側に位置する。
【0022】
光学/撮像系12Lおよび12Rはそれぞれ光軸AX_LおよびAX_Rを有し、カメラ筐体CB1の底面から光軸AX_Lまでの距離(=H_L)はカメラ筐体CB1の底面から光軸AX_Rまでの距離(=H_R)と一致する。また、水平方向における光軸AX_LおよびAX_Rの間隔(=W1)は、人間の両目の間隔を考慮して6cm程度に設定される。
【0023】
したがって、カメラ筐体CB1の前方に図4に示すシーンが広がっているとき、光学/撮像系12Lは左側視野VF_Lを捉える一方、光学/撮像系12Rは右側視野VF_Rを捉える。光学/撮像系12Lおよび12Rはカメラ筐体CB1において互いに同じ高さ位置に設けられるため、左側視野VF_Lおよび右側視野VF_Rの水平位置は僅かにずれるものの、左側視野VF_Lおよび右側視野VF_Rの垂直位置は互いに一致する。この結果、光学/撮像系12Lおよび12Rの両方で捉えられる共通視野VF_Cが、左側視野VF_Lおよび右側視野VF_Rの各々に部分的に出現する。
【0024】
図2に戻って、光学/撮像系12Lから出力されたL側生画像データは信号処理回路14Lに与えられ、光学/撮像系12Rから出力されたR側生画像データは信号処理回路14Rに与えられる。信号処理回路14Lおよび14Rはいずれも、与えられた生画像データに色分離,白バランス調整,YUV変換などの処理を施し、YUV形式の画像データをメモリ制御回路20を通してSDRAM22に書き込む。信号処理回路14Lから出力された画像データ(L側画像データ)はL側画像エリア22Lに格納され、信号処理回路14Rから出力された画像データ(R側画像データ)はR側画像エリア22Rに格納される。
【0025】
メモリ制御回路20は、共通視野VF_Cに対応する切り出しエリアをL側画像エリア22LおよびR側画像エリア22R上で指定する。画像合成回路24は、切り出しエリアに属する一部のL側画像データをメモリ制御回路20を通してL側画像エリア22Lから繰り返し読み出し、切り出しエリアに属する一部のR側画像データをメモリ制御回路20を通してR側画像エリア22Lから繰り返し読み出す。
【0026】
L側画像エリア22Lからの読み出し処理およびR側画像エリア22Rからの読み出し処理は並列的に実行され、これによって共通するフレームのL側画像データおよびR側画像データが同時に画像合成回路24に入力される。画像合成回路24は、こうして入力されたL側画像データおよびR側画像データを合成し、合成画像データを作成する。作成された各フレームの合成画像データは、メモリ制御回路20を通してSDRAM22の合成画像エリア22Cに書き込まれる。
【0027】
LCDドライバ26は、合成画像エリア22Cに格納された合成画像データをメモリ制御回路20を通して繰り返し読み出し、読み出された合成画像データに基づいてLCDモニタ28を駆動する。この結果、共通視野VF_Cを表すリアルタイム動画像(スルー画像)がモニタ画面に表示される。
【0028】
図5を参照して、光学/撮像系12Lは、ドライバ124L,125Lおよび126Lによってそれぞれ駆動されるフォーカスレンズ121L,絞り機構122Lおよび撮像装置123Lを備える。同様に、光学/撮像系12Rは、ドライバ124R,125Rおよび126Rによってそれぞれ駆動されるフォーカスレンズ121R,絞り機構122Rおよび撮像装置123Rを有する。
【0029】
左側視野VF_Lを表す光学像は、フォーカスレンズ121Lおよび絞り機構122Lを経由して撮像装置123Lの撮像面に照射される。ドライバ126Lは、SG18から与えられた垂直同期信号Vsyncに応答して撮像面を露光し、これによって生成された電荷をラスタ走査態様で読み出す。L側生画像データは、読み出された電荷に基づいて作成される。
【0030】
右側視野VF_Rを表す光学像は、フォーカスレンズ121Rおよび絞り機構122Rを経由して撮像装置123Rの撮像面に照射される。ドライバ126Rもまた、SG18から与えられた垂直同期信号Vsyncに応答して撮像面を露光し、これによって生成された電荷をラスタ走査態様で読み出す。R側生画像データは、読み出された電荷に基づいて作成される。
【0031】
ここで、撮像装置123Rの撮像面に設けられた各画素のサイズは、撮像装置123Lの撮像面に設けられた各画素のサイズよりも小さい。したがって、撮像装置123Rに設けられた撮像面の感度は撮像装置123Lに設けられた撮像面の感度よりも低く、R側生画像データのS/N比はL側生画像データのS/N比よりも低い。
【0032】
ただし、撮像装置123Rの撮像面に設けられた画素の数は、撮像装置123Lの撮像面に設けられた画素の数よりも大きい。したがって、R側生画像データの解像度または解像感は、L側生画像データの解像度または解像感よりも高い。また、共通視野VF_Cに注目したとき、R側生画像データのエッジ成分量は、L側生画像データのエッジ成分量よりも多い。
【0033】
撮像装置123Lおよび123Rの各々の撮像面には、評価エリアEVAが図6に示す要領で割り当てられる。図2に示すAE/AF評価回路16Lは、左側視野VF_Lを表す画像の明るさおよび鮮鋭度をそれぞれ示す輝度評価値およびフォーカス評価値を、信号処理回路14Lによって生成されたL側画像データのうち評価エリアEVAに属する一部のL側画像データに基づいて繰り返し作成する。
【0034】
同様に、AE/AF評価回路16Rは、右側視野VF_Rを表す画像の明るさおよび鮮鋭度をそれぞれ示す輝度評価値およびフォーカス評価値を、信号処理回路14Rによって生成されたR側画像データのうち評価エリアEVAに属する一部のR側画像データに基づいて繰り返し作成する。
【0035】
CPU34は、AE/AF評価回路16Lおよび16Rの各々から出力された輝度評価値に基づくAE処理を実行し、適正EV値を算出する。算出された適正EV値を定義する絞り量はドライバ125Lおよび125Rに設定され、算出された適正EV値を定義する露光時間はドライバ126Lおよび126Rに設定される。この結果、信号処理回路14Lおよび14Rからそれぞれ出力されるL側画像データおよびR側画像データの輝度が適正に調整される。
【0036】
CPU34はまた、AE/AF評価回路16Lおよび16Rの各々から出力されたフォーカス評価値に基づくAF処理を実行する。ドライバ124Lおよび124Rは、CPU34の制御の下でフォーカスレンズ121Lおよび121Rを合焦点が存在する方向に移動させる。この結果、信号処理回路14Lおよび14Rからそれぞれ出力されるL側画像データおよびR側画像データの鮮鋭度が適正に調整される。
【0037】
キー入力装置36に設けられたムービボタン36mvが操作されると、CPU34は、動画記録処理の実行をメモリI/F30に命令する。メモリI/F30は、新規の動画ファイルを記録媒体32に作成し(作成した動画ファイルはオープンされる)、SDRAM22の合成画像エリア22Cに格納された合成画像データをメモリ制御回路20を通して繰り返し読み出し、そして読み出された合成画像データをオープン状態の動画ファイルに収める。
【0038】
ムービボタン36mvが再度操作されると、CPU34は、動画記録処理の停止をメモリI/F30に命令する。メモリI/F30は、合成画像エリア22Cからの合成画像データの読み出しを終了し、オープン状態の動画ファイルをクローズする。これによって、共通視野VF_Cを継続的に表す動画像がファイル形式で記録媒体32に記録される。
【0039】
画像合成回路24は、図7に示すように構成される。バッファ回路40Lは、L側画像エリア22L上で指定された切り出しエリアに属するL側画像データを部分量ずつ読み出すべく、読み出し要求をメモリ制御回路20に向けて繰り返し発行する。同様に、バッファ回路40Rは、R側画像エリア22R上で指定された切り出しエリアに属するR側画像データを部分量ずつ読み出すべく、読み出し要求をメモリ制御回路20に向けて繰り返し発行する。
【0040】
メモリ制御回路20は、バッファ回路40Lから発行された読み出し要求に従う一部のL側画像データをL側画像エリア22Lから読み出し、読み出されたL側画像データをバッファ回路40Lに与える。メモリ制御回路20はまた、バッファ回路40Rから発行された読み出し要求に従う一部のR側画像データをR側画像エリア22Rから読み出し、読み出されたR側画像データをバッファ回路40Rに与える。こうして部分量ずつ与えられたL側画像データおよびR側画像データは、バッファ回路40Lおよび40Rから連続的に出力される。
【0041】
撮像面に設けられた画素の数および感度は、光学/撮像系12Lおよび12Rの間で上述のように相違する。したがって、図4に示すシーンが捉えられたとき、L側画像データは図8(A)に示すサイズおよび明るさを有し、R側画像データは図9(A)に示すサイズおよび明るさを有する。
【0042】
スケーラ42は、バッファ回路40Lから出力されたL側画像データに画素補間処理を施し、R側画像データのサイズと同じサイズを有する拡大画像データを作成する。拡大画像データは、図8(A)に示すL側画像データに基づいて図8(B)に示す要領で作成される。一方、増幅器44は、バッファ回路40Rから出力されたR側画像データを増幅し、L側画像データの明るさと同じ明るさを有する増幅画像データを作成する。増幅画像データは、図9(A)に示すR側画像データに基づいて図9(B)に示す要領で作成される。
【0043】
LPF46は、増幅器44から出力された増幅画像データから低域周波数成分を抽出し、抽出された低域周波数成分つまり低周波画像データを減算器48および加重加算回路50に与える。減算器48および加重加算回路50には、スケーラ42から出力された拡大画像データも与えられる。
【0044】
なお、増幅器44はノイズも増幅するため、低周波画像データのS/N比は拡大画像データのS/N比よりも低い。ただし、LPF46によって高域周波数成分が除去されるとは言え、低周波画像データが有するエッジ成分量は拡大画像データが有するエッジ成分量よりも多い。
【0045】
減算器48は、このような低周波画像データおよび拡大画像データの間の差分絶対値を画素毎に算出し、算出された差分絶対値を加重加算回路50に入力する。加重加算回路50は、入力された差分絶対値を図10に示すグラフに適用して重み付け量αを決定し、決定された重み付け量αに従う加重加算処理(合成処理)を数1に示す要領で実行する。
[数1]
Pcp1=Pscl*α+Plpf×(1−α)
α:重み付け量
Pscl:拡大画像データを形成する画素の値
Plpf:低周波画像データを形成する画素の値
Pcp1:中間合成画像データを形成する画素の値
【0046】
数1によれば、拡大画像データを形成する画素の値のα倍の値と低周波画像データを形成する画素の値の(1−α)倍の値とが互いに加算される。ここで、重み付け量αの値は、差分絶対値の増大に伴って減少するように“0”〜“1”の間で変化する(図10参照)。
【0047】
したがって、平坦部を形成する画素については、S/N比が高い拡大画像データが重視されるように加重加算処理が実行される。これに対して、エッジ部を形成する画素については、エッジ成分量が大きい低周波画像データが重視されるように加重加算処理が実行される。この結果、S/N比が改善されかつエッジがある程度鮮明な中間合成画像データが加重加算回路50から出力される。
【0048】
増幅器44から出力された増幅画像データおよび加重加算回路50から出力された中間合成画像データは、加重加算回路54に与えられる。また、エッジ検出回路52は、LPF46から出力された低周波画像データのエッジ強度を検出し、検出されたエッジ強度を加重加算回路54に入力する。加重加算回路54は、エッジ検出回路52から入力されたエッジ強度を図11に示すグラフに適用して重み付け量βを決定し、決定された重み付け量βに従う加重加算処理(合成処理)を数2に示す要領で実行する。
[数2]
Pcp2=Pamp*β+Pcp1×(1−β)
β:重み付け量
Pamp:増幅画像データを形成する画素の値
Pcp2:最終合成画像データを形成する画素の値
【0049】
数2によれば、増幅画像データを形成する画素の値のβ倍の値と中間合成画像データを形成する画素の値の(1−β)倍の値とが互いに加算される。ここで、重み付け量βの値は、エッジ強度の増大に伴って増大するように“0”〜“1”の間で変化する(図11参照)。
【0050】
したがって、平坦部を形成する画素については、S/N比が高い中間合成画像データが重視されるように加重加算処理が実行される。これに対して、エッジ部を形成する画素については、エッジ成分量が多い増幅画像データが重視されるように加重加算処理が実行される。この結果、S/N比が改善されかつエッジが鮮明な最終合成画像データが加重加算回路54から出力される。
【0051】
バッファ回路56は、こうして作成された合成画像データをSDRAM22の合成画像エリア22Cに部分量ずつ書き込むべく、部分量の合成画像データと書き込み要求とをメモリ制御回路20に向けて繰り返し出力する。合成画像データは、メモリ制御回路20によって合成画像エリア22Cに書き込まれる。
【0052】
CPU34は、図12に示す撮像タスクを含む複数のタスクをマルチタスクOSの制御の下で並列的に実行する。なお、これらのタスクに対応する制御プログラムは、フラッシュメモリ38に記憶される。
【0053】
図8を参照して、ステップS1では光学/撮像系12Lおよび12Rを起動する。この結果、L側画像データがSDRAM22のL側画像エリア22Lに書き込まれ、R側画像データがSDRAM22のR側画像エリア22Rに書き込まれ、そして合成画像データがSDRAM22の合成画像エリア22Cに書き込まれる。LCDモニタ28には、合成画像データに基づくスルー画像が表示される。
【0054】
ステップS3ではAE処理を実行し、ステップS5ではAF処理を実行する。この結果、L側画像データおよびR側画像データの輝度および鮮鋭度が適正に調整される。ステップS7ではムービボタン36mvが操作されたか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS3に戻る一方、判別結果がYESであればステップS9に進む。
【0055】
ステップS9では動画記録処理が実行中であるか否かを判別し、判別結果がYESであればステップS11で動画記録処理を開始する一方、判別結果がNOであればステップS13で動画記録処理を中止する。ステップS11またはS13の処理が完了すると、ステップS3に戻る。ステップS11およびS13の処理の結果、ムービボタン36mvの1回目の操作から2回目の操作までの期間に作成された合成画像データが動画ファイル形式で記録媒体30に記録される。
【0056】
以上の説明から分かるように、光学/撮像系12Lは、左側視野VF_Lを捉える撮像面を有し、左側視野VF_Lを表すL側生画像データを出力する。また、光学/撮像系12Rは、右側視野VF_Rを捉える撮像面を有し、右側視野VF_Rを表すR側生画像データを出力する。ここで、左側視野VF_Lおよび右側視野VF_Rは、共通視野VF_Cを部分的に含む。また、共通視野VF_Cにおいて、R側生画像データのS/N比はL側生画像データのS/N比よりも低く、R側生画像データの解像感はL側生画像データの解像感よりも高い。
【0057】
信号処理回路14LはL側生画像データに基づいてYUV形式のL側画像データを作成し、信号処理回路14RはR側生画像データに基づいてYUV形式のR側画像データを作成する。画像合成回路24は、こうして作成されたL側画像データおよびR側画像データを共通視野VF_Cを基準として合成する。
【0058】
このように、L側生画像データおよびR側生画像データは、各々が共通視野VF_Cを捉える光学/撮像系12Lおよび12Rから個別に出力される。また、共通視野VF_Cにおいて、R側生画像データのS/N比はL側生画像データのS/N比よりも低く、R側生画像データの解像感はL側生画像データの解像感よりも高い。このような生画像データに共通視野VF_Cを基準とする合成処理を施すことで、合成画像データの作成に要する時間の短縮化と合成画像データの品質の向上とが図られる。
【0059】
なお、この実施例では、動画像を記録するビデオカメラを想定しているが、この発明はシャッタボタンの操作に応答して静止画像を記録するスチルカメラにも適用できる。
【0060】
また、この実施例では、L側画像エリア22LおよびR側画像エリア22R上で指定される切り出しエリアは固定的である。しかし、共通視野VF_Cの水平サイズは合焦距離に応じて異なるため、切り出しエリアの指定態様を合焦距離を参照して調整するようにしてもよい。
【0061】
さらに、この実施例では、互いに異なる性能を有する撮像装置123Lおよび123Rに共通の露光時間を設定するようにしている。しかし、共通の性能を有する2つの撮像装置を準備し、標準の明るさが確保される露光時間(標準露光時間)を左側の撮像装置に設定する一方、標準よりも低い明るさが確保される露光時間(短露光時間)を右側の撮像装置に設定するようにしてもよい。
【0062】
この結果、標準露光時間が設定された撮像装置からは、S/N比は高いもののエッジ成分量(解像度または解像感)が手振れおよび/または被写体の動きに起因して低下した生画像データが出力される。一方、短露光時間が設定された撮像装置からは、エッジ成分量(解像度または解像感)は大きいもののS/N比が露光不足に起因して低下した生画像データが出力される。この場合、生画像データのサイズは共通するため、図7に示すスケーラ42は不要となる。なお、LPF46と同じ特性を有する別のLPFをスケーラ42の代わりに配置するようにしてもよい(図13参照)。
【符号の説明】
【0063】
10 …ディジタルビデオカメラ
12L,12R …光学/撮像系
14L,14R …信号処理回路
24 …画像合成回路
34 …CPU
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子カメラに関し、特に共通視野を表す複数の画像を合成する、電子カメラに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のカメラの一例が、特許文献1に開示されている。この背景技術によれば、露出時間が短く感度が大きい条件で撮像された第1画像と露出時間が長く感度が小さい条件で撮像された第2画像とが、共通のイメージセンサの出力に基づいて作成される。LPF部は、第1画像の高周波成分を濾波して第3画像を出力する。第1合成部は、第2画像および第3画像の差分値に応じて異なる比率で第2画像と第3画像とを合成し、第4画像を出力する。第2合成部は、第3画像から得られるエッジ強度値に応じて異なる比率で第1画像と第4画像とを合成し、最終の合成画像を出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−284001号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、背景技術では、長時間露光画像および短時間露光画像の作成に2フレーム期間を要するため、合成画像の作成に時間がかかるという問題がある。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、合成画像の作成に要する時間を短縮することができる、電子カメラを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に従う電子カメラ(10:実施例で相当する参照符号。以下同じ)は、共通視野を部分的に含む第1視野を捉える第1撮像面を有し、第1S/N比と第1解像感とを共通視野に対応して有する第1画像を出力する第1撮像手段(12L, 14L)、共通視野を部分的に含む第2視野を捉える第2撮像面を有し、第1S/N比よりも低い第2S/N比と第1解像感以上の第2解像感とを共通視野に対応して有する第2画像を出力する第2撮像手段(12R, 14R)、共通視野を第1撮像手段から出力された第1画像および第2撮像手段から出力された第2画像の各々について指定する指定手段(20)、および第1撮像手段から出力された第1画像および第2撮像手段から出力された第2画像を指定手段の指定結果を参照して合成する合成手段(24)を備える。
【0007】
好ましくは、合成手段は、共通視野に属する第1部分画像を第1画像から抽出する第1抽出手段(40L, 42)、共通視野に属する第2部分画像を第2画像から抽出する第2抽出手段(40R, 44)、および第1抽出手段によって抽出された第1部分画像と第2抽出手段によって抽出された第2部分画像とに基づいて合成画像を作成する作成手段(46~56)を含む。
【0008】
或る局面では、第1撮像面は第1数の画素を有し、第2撮像面は第1数よりも大きい第2数の画素を有し、第1抽出手段は画像サイズを拡大する拡大手段(42)を含む。
【0009】
他の局面では、第1撮像面は第1感度を有し、第2撮像面は第1感度よりも小さい第2感度を有し、第2抽出手段は画像の明るさを増幅する増幅手段(44)を含む。
【0010】
その他の局面では、作成手段は、第2部分画像の低域周波数成分を抽出して低周波画像を出力するフィルタ手段(46)、フィルタ手段から出力された低周波画像と第1部分画像とを合成して第1合成画像を出力する第1合成画像出力手段(48, 50)、および第1合成画像出力手段から出力された第1合成画像と第2部分画像とを合成して第2合成画像を出力する第2合成画像出力手段(52, 54)を含む。
【0011】
さらに好ましくは、第1合成画像出力手段は、低周波画像と第1部分画像との差分を検出する差分検出手段(48)、および差分検出手段によって検出された差分が小さいほど第1部分画像が重視されるように合成処理を実行する第1合成処理手段(50)を含む。
【0012】
より好ましくは、第2合成処理手段は、低周波画像からエッジ成分を検出するエッジ成分検出手段(52)、およびエッジ成分検出手段によって検出されたエッジ成分が大きいほど第2部分画像が重視されるように合成処理を実行する第2合成処理手段(54)を含む。
【0013】
好ましくは、第1撮像面および第2撮像面は共通の画素数と共通の感度とを有し、第1画像は第1撮像面を第1時間露光して得られた画像に相当し、第2画像は第2撮像面を第1時間よりも短い第2時間露光して得られた画像に相当し、作成手段は、第1部分画像と第2部分画像とを合成して第1合成画像を出力する第1合成画像出力手段(44~50, 58)、および第1合成画像出力手段から出力された第1合成画像と第2部分画像とを合成して第2合成画像を出力する第2合成画像出力手段(44, 52~54)を含む。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、第1画像および第2画像は、共通視野を捉える第1撮像手段および第2撮像手段から個別に出力される。また、共通視野において、第2画像のS/N比は第1画像のS/N比よりも低く、第2画像の解像感は第1画像の解像感以上である。このような第1画像および第2画像を共通視野を基準として合成することで、合成画像の作成に要する時間の短縮化と合成画像の品質の向上とが図られる。
【0015】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明の一実施例の基本的構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図3】図2実施例の外観を示す斜視図である。
【図4】図2実施例によって捉えられるシーンの一例を示す図解図である。
【図5】図2実施例に適用される光学/撮像系の構成の一例を示す図解図である。
【図6】撮像面における評価エリアEVAの割り当て状態の一例を示す図解図である。
【図7】図2実施例に適用される画像合成回路の構成の一例を示すブロック図である。
【図8】(A)はL側画像データの一例を示す図解図であり、(B)は拡大画像データの一例を示す図解図である。
【図9】(A)はR側画像データの一例を示す図解図であり、(B)は増幅画像データの一例を示す図解図である。
【図10】加重加算回路によって参照される重み付け量αの特性の一例を示すグラフである。
【図11】他の加重加算回路によって参照される重み付け量βの特性の一例を示すグラフである。
【図12】図2実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図13】他の実施例に適用される画像合成回路の構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
[基本的構成]
【0018】
図1を参照して、この実施例の電子カメラは、基本的に次のように構成される。第1撮像手段1は、共通視野を部分的に含む第1視野を捉える第1撮像面を有し、第1S/N比と第1解像感とを共通視野に対応して有する第1画像を出力する。第2撮像手段2は、共通視野を部分的に含む第2視野を捉える第2撮像面を有し、第1S/N比よりも低い第2S/N比と第1解像感以上の第2解像感とを共通視野に対応して有する第2画像を出力する。指定手段3は、共通視野を第1撮像手段1から出力された第1画像および第2撮像手段2から出力された第2画像の各々について指定する。合成手段4は、第1撮像手段1から出力された第1画像および第2撮像手段2から出力された第2画像を指定手段3の指定結果を参照して合成する。
【0019】
第1画像および第2画像は、共通視野を捉える第1撮像手段1および第2撮像手段2から個別に出力される。また、共通視野において、第2画像のS/N比は第1画像のS/N比よりも低く、第2画像の解像感は第1画像の解像感以上である。このような第1画像および第2画像を共通視野を基準として合成することで、合成画像の作成に要する時間の短縮化と合成画像の品質の向上とが図られる。
[実施例]
【0020】
図2を参照して、この実施例のディジタルビデオカメラ10は、光学/撮像系12Lおよび12Rを含む。電源が投入されると、光学/撮像系12Lおよび12RがCPU34によって起動される。光学/撮像系12Lおよび12Rは、SG(Signal Generator)18から周期的に出力される垂直同期信号Vsyncに応答して、生画像データを繰り返し出力する。以下では、光学/撮像系12Lから出力される生画像データを“L側生画像データ”と定義し、光学/撮像系12Rから出力される生画像データを“R側生画像データ”と定義する。
【0021】
図3に示すように、光学撮像系12Lおよび光学撮像系12Rは、カメラ筐体CB1の前面に固定的に設けられる。光学/撮像系12Lはカメラ筐体CB1の前方に向かって左側に位置し、光学/撮像系12Rはカメラ筐体CB1の前方に向かって右側に位置する。
【0022】
光学/撮像系12Lおよび12Rはそれぞれ光軸AX_LおよびAX_Rを有し、カメラ筐体CB1の底面から光軸AX_Lまでの距離(=H_L)はカメラ筐体CB1の底面から光軸AX_Rまでの距離(=H_R)と一致する。また、水平方向における光軸AX_LおよびAX_Rの間隔(=W1)は、人間の両目の間隔を考慮して6cm程度に設定される。
【0023】
したがって、カメラ筐体CB1の前方に図4に示すシーンが広がっているとき、光学/撮像系12Lは左側視野VF_Lを捉える一方、光学/撮像系12Rは右側視野VF_Rを捉える。光学/撮像系12Lおよび12Rはカメラ筐体CB1において互いに同じ高さ位置に設けられるため、左側視野VF_Lおよび右側視野VF_Rの水平位置は僅かにずれるものの、左側視野VF_Lおよび右側視野VF_Rの垂直位置は互いに一致する。この結果、光学/撮像系12Lおよび12Rの両方で捉えられる共通視野VF_Cが、左側視野VF_Lおよび右側視野VF_Rの各々に部分的に出現する。
【0024】
図2に戻って、光学/撮像系12Lから出力されたL側生画像データは信号処理回路14Lに与えられ、光学/撮像系12Rから出力されたR側生画像データは信号処理回路14Rに与えられる。信号処理回路14Lおよび14Rはいずれも、与えられた生画像データに色分離,白バランス調整,YUV変換などの処理を施し、YUV形式の画像データをメモリ制御回路20を通してSDRAM22に書き込む。信号処理回路14Lから出力された画像データ(L側画像データ)はL側画像エリア22Lに格納され、信号処理回路14Rから出力された画像データ(R側画像データ)はR側画像エリア22Rに格納される。
【0025】
メモリ制御回路20は、共通視野VF_Cに対応する切り出しエリアをL側画像エリア22LおよびR側画像エリア22R上で指定する。画像合成回路24は、切り出しエリアに属する一部のL側画像データをメモリ制御回路20を通してL側画像エリア22Lから繰り返し読み出し、切り出しエリアに属する一部のR側画像データをメモリ制御回路20を通してR側画像エリア22Lから繰り返し読み出す。
【0026】
L側画像エリア22Lからの読み出し処理およびR側画像エリア22Rからの読み出し処理は並列的に実行され、これによって共通するフレームのL側画像データおよびR側画像データが同時に画像合成回路24に入力される。画像合成回路24は、こうして入力されたL側画像データおよびR側画像データを合成し、合成画像データを作成する。作成された各フレームの合成画像データは、メモリ制御回路20を通してSDRAM22の合成画像エリア22Cに書き込まれる。
【0027】
LCDドライバ26は、合成画像エリア22Cに格納された合成画像データをメモリ制御回路20を通して繰り返し読み出し、読み出された合成画像データに基づいてLCDモニタ28を駆動する。この結果、共通視野VF_Cを表すリアルタイム動画像(スルー画像)がモニタ画面に表示される。
【0028】
図5を参照して、光学/撮像系12Lは、ドライバ124L,125Lおよび126Lによってそれぞれ駆動されるフォーカスレンズ121L,絞り機構122Lおよび撮像装置123Lを備える。同様に、光学/撮像系12Rは、ドライバ124R,125Rおよび126Rによってそれぞれ駆動されるフォーカスレンズ121R,絞り機構122Rおよび撮像装置123Rを有する。
【0029】
左側視野VF_Lを表す光学像は、フォーカスレンズ121Lおよび絞り機構122Lを経由して撮像装置123Lの撮像面に照射される。ドライバ126Lは、SG18から与えられた垂直同期信号Vsyncに応答して撮像面を露光し、これによって生成された電荷をラスタ走査態様で読み出す。L側生画像データは、読み出された電荷に基づいて作成される。
【0030】
右側視野VF_Rを表す光学像は、フォーカスレンズ121Rおよび絞り機構122Rを経由して撮像装置123Rの撮像面に照射される。ドライバ126Rもまた、SG18から与えられた垂直同期信号Vsyncに応答して撮像面を露光し、これによって生成された電荷をラスタ走査態様で読み出す。R側生画像データは、読み出された電荷に基づいて作成される。
【0031】
ここで、撮像装置123Rの撮像面に設けられた各画素のサイズは、撮像装置123Lの撮像面に設けられた各画素のサイズよりも小さい。したがって、撮像装置123Rに設けられた撮像面の感度は撮像装置123Lに設けられた撮像面の感度よりも低く、R側生画像データのS/N比はL側生画像データのS/N比よりも低い。
【0032】
ただし、撮像装置123Rの撮像面に設けられた画素の数は、撮像装置123Lの撮像面に設けられた画素の数よりも大きい。したがって、R側生画像データの解像度または解像感は、L側生画像データの解像度または解像感よりも高い。また、共通視野VF_Cに注目したとき、R側生画像データのエッジ成分量は、L側生画像データのエッジ成分量よりも多い。
【0033】
撮像装置123Lおよび123Rの各々の撮像面には、評価エリアEVAが図6に示す要領で割り当てられる。図2に示すAE/AF評価回路16Lは、左側視野VF_Lを表す画像の明るさおよび鮮鋭度をそれぞれ示す輝度評価値およびフォーカス評価値を、信号処理回路14Lによって生成されたL側画像データのうち評価エリアEVAに属する一部のL側画像データに基づいて繰り返し作成する。
【0034】
同様に、AE/AF評価回路16Rは、右側視野VF_Rを表す画像の明るさおよび鮮鋭度をそれぞれ示す輝度評価値およびフォーカス評価値を、信号処理回路14Rによって生成されたR側画像データのうち評価エリアEVAに属する一部のR側画像データに基づいて繰り返し作成する。
【0035】
CPU34は、AE/AF評価回路16Lおよび16Rの各々から出力された輝度評価値に基づくAE処理を実行し、適正EV値を算出する。算出された適正EV値を定義する絞り量はドライバ125Lおよび125Rに設定され、算出された適正EV値を定義する露光時間はドライバ126Lおよび126Rに設定される。この結果、信号処理回路14Lおよび14Rからそれぞれ出力されるL側画像データおよびR側画像データの輝度が適正に調整される。
【0036】
CPU34はまた、AE/AF評価回路16Lおよび16Rの各々から出力されたフォーカス評価値に基づくAF処理を実行する。ドライバ124Lおよび124Rは、CPU34の制御の下でフォーカスレンズ121Lおよび121Rを合焦点が存在する方向に移動させる。この結果、信号処理回路14Lおよび14Rからそれぞれ出力されるL側画像データおよびR側画像データの鮮鋭度が適正に調整される。
【0037】
キー入力装置36に設けられたムービボタン36mvが操作されると、CPU34は、動画記録処理の実行をメモリI/F30に命令する。メモリI/F30は、新規の動画ファイルを記録媒体32に作成し(作成した動画ファイルはオープンされる)、SDRAM22の合成画像エリア22Cに格納された合成画像データをメモリ制御回路20を通して繰り返し読み出し、そして読み出された合成画像データをオープン状態の動画ファイルに収める。
【0038】
ムービボタン36mvが再度操作されると、CPU34は、動画記録処理の停止をメモリI/F30に命令する。メモリI/F30は、合成画像エリア22Cからの合成画像データの読み出しを終了し、オープン状態の動画ファイルをクローズする。これによって、共通視野VF_Cを継続的に表す動画像がファイル形式で記録媒体32に記録される。
【0039】
画像合成回路24は、図7に示すように構成される。バッファ回路40Lは、L側画像エリア22L上で指定された切り出しエリアに属するL側画像データを部分量ずつ読み出すべく、読み出し要求をメモリ制御回路20に向けて繰り返し発行する。同様に、バッファ回路40Rは、R側画像エリア22R上で指定された切り出しエリアに属するR側画像データを部分量ずつ読み出すべく、読み出し要求をメモリ制御回路20に向けて繰り返し発行する。
【0040】
メモリ制御回路20は、バッファ回路40Lから発行された読み出し要求に従う一部のL側画像データをL側画像エリア22Lから読み出し、読み出されたL側画像データをバッファ回路40Lに与える。メモリ制御回路20はまた、バッファ回路40Rから発行された読み出し要求に従う一部のR側画像データをR側画像エリア22Rから読み出し、読み出されたR側画像データをバッファ回路40Rに与える。こうして部分量ずつ与えられたL側画像データおよびR側画像データは、バッファ回路40Lおよび40Rから連続的に出力される。
【0041】
撮像面に設けられた画素の数および感度は、光学/撮像系12Lおよび12Rの間で上述のように相違する。したがって、図4に示すシーンが捉えられたとき、L側画像データは図8(A)に示すサイズおよび明るさを有し、R側画像データは図9(A)に示すサイズおよび明るさを有する。
【0042】
スケーラ42は、バッファ回路40Lから出力されたL側画像データに画素補間処理を施し、R側画像データのサイズと同じサイズを有する拡大画像データを作成する。拡大画像データは、図8(A)に示すL側画像データに基づいて図8(B)に示す要領で作成される。一方、増幅器44は、バッファ回路40Rから出力されたR側画像データを増幅し、L側画像データの明るさと同じ明るさを有する増幅画像データを作成する。増幅画像データは、図9(A)に示すR側画像データに基づいて図9(B)に示す要領で作成される。
【0043】
LPF46は、増幅器44から出力された増幅画像データから低域周波数成分を抽出し、抽出された低域周波数成分つまり低周波画像データを減算器48および加重加算回路50に与える。減算器48および加重加算回路50には、スケーラ42から出力された拡大画像データも与えられる。
【0044】
なお、増幅器44はノイズも増幅するため、低周波画像データのS/N比は拡大画像データのS/N比よりも低い。ただし、LPF46によって高域周波数成分が除去されるとは言え、低周波画像データが有するエッジ成分量は拡大画像データが有するエッジ成分量よりも多い。
【0045】
減算器48は、このような低周波画像データおよび拡大画像データの間の差分絶対値を画素毎に算出し、算出された差分絶対値を加重加算回路50に入力する。加重加算回路50は、入力された差分絶対値を図10に示すグラフに適用して重み付け量αを決定し、決定された重み付け量αに従う加重加算処理(合成処理)を数1に示す要領で実行する。
[数1]
Pcp1=Pscl*α+Plpf×(1−α)
α:重み付け量
Pscl:拡大画像データを形成する画素の値
Plpf:低周波画像データを形成する画素の値
Pcp1:中間合成画像データを形成する画素の値
【0046】
数1によれば、拡大画像データを形成する画素の値のα倍の値と低周波画像データを形成する画素の値の(1−α)倍の値とが互いに加算される。ここで、重み付け量αの値は、差分絶対値の増大に伴って減少するように“0”〜“1”の間で変化する(図10参照)。
【0047】
したがって、平坦部を形成する画素については、S/N比が高い拡大画像データが重視されるように加重加算処理が実行される。これに対して、エッジ部を形成する画素については、エッジ成分量が大きい低周波画像データが重視されるように加重加算処理が実行される。この結果、S/N比が改善されかつエッジがある程度鮮明な中間合成画像データが加重加算回路50から出力される。
【0048】
増幅器44から出力された増幅画像データおよび加重加算回路50から出力された中間合成画像データは、加重加算回路54に与えられる。また、エッジ検出回路52は、LPF46から出力された低周波画像データのエッジ強度を検出し、検出されたエッジ強度を加重加算回路54に入力する。加重加算回路54は、エッジ検出回路52から入力されたエッジ強度を図11に示すグラフに適用して重み付け量βを決定し、決定された重み付け量βに従う加重加算処理(合成処理)を数2に示す要領で実行する。
[数2]
Pcp2=Pamp*β+Pcp1×(1−β)
β:重み付け量
Pamp:増幅画像データを形成する画素の値
Pcp2:最終合成画像データを形成する画素の値
【0049】
数2によれば、増幅画像データを形成する画素の値のβ倍の値と中間合成画像データを形成する画素の値の(1−β)倍の値とが互いに加算される。ここで、重み付け量βの値は、エッジ強度の増大に伴って増大するように“0”〜“1”の間で変化する(図11参照)。
【0050】
したがって、平坦部を形成する画素については、S/N比が高い中間合成画像データが重視されるように加重加算処理が実行される。これに対して、エッジ部を形成する画素については、エッジ成分量が多い増幅画像データが重視されるように加重加算処理が実行される。この結果、S/N比が改善されかつエッジが鮮明な最終合成画像データが加重加算回路54から出力される。
【0051】
バッファ回路56は、こうして作成された合成画像データをSDRAM22の合成画像エリア22Cに部分量ずつ書き込むべく、部分量の合成画像データと書き込み要求とをメモリ制御回路20に向けて繰り返し出力する。合成画像データは、メモリ制御回路20によって合成画像エリア22Cに書き込まれる。
【0052】
CPU34は、図12に示す撮像タスクを含む複数のタスクをマルチタスクOSの制御の下で並列的に実行する。なお、これらのタスクに対応する制御プログラムは、フラッシュメモリ38に記憶される。
【0053】
図8を参照して、ステップS1では光学/撮像系12Lおよび12Rを起動する。この結果、L側画像データがSDRAM22のL側画像エリア22Lに書き込まれ、R側画像データがSDRAM22のR側画像エリア22Rに書き込まれ、そして合成画像データがSDRAM22の合成画像エリア22Cに書き込まれる。LCDモニタ28には、合成画像データに基づくスルー画像が表示される。
【0054】
ステップS3ではAE処理を実行し、ステップS5ではAF処理を実行する。この結果、L側画像データおよびR側画像データの輝度および鮮鋭度が適正に調整される。ステップS7ではムービボタン36mvが操作されたか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS3に戻る一方、判別結果がYESであればステップS9に進む。
【0055】
ステップS9では動画記録処理が実行中であるか否かを判別し、判別結果がYESであればステップS11で動画記録処理を開始する一方、判別結果がNOであればステップS13で動画記録処理を中止する。ステップS11またはS13の処理が完了すると、ステップS3に戻る。ステップS11およびS13の処理の結果、ムービボタン36mvの1回目の操作から2回目の操作までの期間に作成された合成画像データが動画ファイル形式で記録媒体30に記録される。
【0056】
以上の説明から分かるように、光学/撮像系12Lは、左側視野VF_Lを捉える撮像面を有し、左側視野VF_Lを表すL側生画像データを出力する。また、光学/撮像系12Rは、右側視野VF_Rを捉える撮像面を有し、右側視野VF_Rを表すR側生画像データを出力する。ここで、左側視野VF_Lおよび右側視野VF_Rは、共通視野VF_Cを部分的に含む。また、共通視野VF_Cにおいて、R側生画像データのS/N比はL側生画像データのS/N比よりも低く、R側生画像データの解像感はL側生画像データの解像感よりも高い。
【0057】
信号処理回路14LはL側生画像データに基づいてYUV形式のL側画像データを作成し、信号処理回路14RはR側生画像データに基づいてYUV形式のR側画像データを作成する。画像合成回路24は、こうして作成されたL側画像データおよびR側画像データを共通視野VF_Cを基準として合成する。
【0058】
このように、L側生画像データおよびR側生画像データは、各々が共通視野VF_Cを捉える光学/撮像系12Lおよび12Rから個別に出力される。また、共通視野VF_Cにおいて、R側生画像データのS/N比はL側生画像データのS/N比よりも低く、R側生画像データの解像感はL側生画像データの解像感よりも高い。このような生画像データに共通視野VF_Cを基準とする合成処理を施すことで、合成画像データの作成に要する時間の短縮化と合成画像データの品質の向上とが図られる。
【0059】
なお、この実施例では、動画像を記録するビデオカメラを想定しているが、この発明はシャッタボタンの操作に応答して静止画像を記録するスチルカメラにも適用できる。
【0060】
また、この実施例では、L側画像エリア22LおよびR側画像エリア22R上で指定される切り出しエリアは固定的である。しかし、共通視野VF_Cの水平サイズは合焦距離に応じて異なるため、切り出しエリアの指定態様を合焦距離を参照して調整するようにしてもよい。
【0061】
さらに、この実施例では、互いに異なる性能を有する撮像装置123Lおよび123Rに共通の露光時間を設定するようにしている。しかし、共通の性能を有する2つの撮像装置を準備し、標準の明るさが確保される露光時間(標準露光時間)を左側の撮像装置に設定する一方、標準よりも低い明るさが確保される露光時間(短露光時間)を右側の撮像装置に設定するようにしてもよい。
【0062】
この結果、標準露光時間が設定された撮像装置からは、S/N比は高いもののエッジ成分量(解像度または解像感)が手振れおよび/または被写体の動きに起因して低下した生画像データが出力される。一方、短露光時間が設定された撮像装置からは、エッジ成分量(解像度または解像感)は大きいもののS/N比が露光不足に起因して低下した生画像データが出力される。この場合、生画像データのサイズは共通するため、図7に示すスケーラ42は不要となる。なお、LPF46と同じ特性を有する別のLPFをスケーラ42の代わりに配置するようにしてもよい(図13参照)。
【符号の説明】
【0063】
10 …ディジタルビデオカメラ
12L,12R …光学/撮像系
14L,14R …信号処理回路
24 …画像合成回路
34 …CPU
【特許請求の範囲】
【請求項1】
共通視野を部分的に含む第1視野を捉える第1撮像面を有し、第1S/N比と第1解像感とを前記共通視野に対応して有する第1画像を出力する第1撮像手段、
前記共通視野を部分的に含む第2視野を捉える第2撮像面を有し、前記第1S/N比よりも低い第2S/N比と前記第1解像感以上の第2解像感とを前記共通視野に対応して有する第2画像を出力する第2撮像手段、
前記共通視野を前記第1撮像手段から出力された第1画像および前記第2撮像手段から出力された第2画像の各々について指定する指定手段、および
前記第1撮像手段から出力された第1画像および前記第2撮像手段から出力された第2画像を前記指定手段の指定結果を参照して合成する合成手段を備える、電子カメラ。
【請求項2】
前記合成手段は、前記共通視野に属する第1部分画像を前記第1画像から抽出する第1抽出手段、前記共通視野に属する第2部分画像を前記第2画像から抽出する第2抽出手段、および前記第1抽出手段によって抽出された第1部分画像と前記第2抽出手段によって抽出された第2部分画像とに基づいて合成画像を作成する作成手段を含む、請求項1記載の電子カメラ。
【請求項3】
前記第1撮像面は第1数の画素を有し、
前記第2撮像面は前記第1数よりも大きい第2数の画素を有し、
前記第1抽出手段は画像サイズを拡大する拡大手段を含む、請求項2記載の電子カメラ。
【請求項4】
前記第1撮像面は第1感度を有し、
前記第2撮像面は前記第1感度よりも小さい第2感度を有し、
前記第2抽出手段は画像の明るさを増幅する増幅手段を含む、請求項2または3記載の電子カメラ。
【請求項5】
前記作成手段は、前記第2部分画像の低域周波数成分を抽出して低周波画像を出力するフィルタ手段、前記フィルタ手段から出力された低周波画像と前記第1部分画像とを合成して第1合成画像を出力する第1合成画像出力手段、および前記第1合成画像出力手段から出力された第1合成画像と前記第2部分画像とを合成して第2合成画像を出力する第2合成画像出力手段を含む、請求項2ないし4のいずれかに記載の電子カメラ。
【請求項6】
前記第1合成画像出力手段は、前記低周波画像と前記第1部分画像との差分を検出する差分検出手段、および前記差分検出手段によって検出された差分が小さいほど前記第1部分画像が重視されるように合成処理を実行する第1合成処理手段を含む、請求項5記載の電子カメラ。
【請求項7】
前記第2合成処理手段は、前記低周波画像からエッジ成分を検出するエッジ成分検出手段、および前記エッジ成分検出手段によって検出されたエッジ成分が大きいほど前記第2部分画像が重視されるように合成処理を実行する第2合成処理手段を含む、請求項5または6記載の電子カメラ。
【請求項8】
前記第1撮像面および前記第2撮像面は共通の画素数と共通の感度とを有し、
前記第1画像は前記第1撮像面を第1時間露光して得られた画像に相当し、
前記第2画像は前記第2撮像面を前記第1時間よりも短い第2時間露光して得られた画像に相当し、
前記作成手段は、前記第1部分画像と前記第2部分画像とを合成して第1合成画像を出力する第1合成画像出力手段、および前記第1合成画像出力手段から出力された第1合成画像と前記第2部分画像とを合成して第2合成画像を出力する第2合成画像出力手段を含む、請求項2記載の電子カメラ。
【請求項1】
共通視野を部分的に含む第1視野を捉える第1撮像面を有し、第1S/N比と第1解像感とを前記共通視野に対応して有する第1画像を出力する第1撮像手段、
前記共通視野を部分的に含む第2視野を捉える第2撮像面を有し、前記第1S/N比よりも低い第2S/N比と前記第1解像感以上の第2解像感とを前記共通視野に対応して有する第2画像を出力する第2撮像手段、
前記共通視野を前記第1撮像手段から出力された第1画像および前記第2撮像手段から出力された第2画像の各々について指定する指定手段、および
前記第1撮像手段から出力された第1画像および前記第2撮像手段から出力された第2画像を前記指定手段の指定結果を参照して合成する合成手段を備える、電子カメラ。
【請求項2】
前記合成手段は、前記共通視野に属する第1部分画像を前記第1画像から抽出する第1抽出手段、前記共通視野に属する第2部分画像を前記第2画像から抽出する第2抽出手段、および前記第1抽出手段によって抽出された第1部分画像と前記第2抽出手段によって抽出された第2部分画像とに基づいて合成画像を作成する作成手段を含む、請求項1記載の電子カメラ。
【請求項3】
前記第1撮像面は第1数の画素を有し、
前記第2撮像面は前記第1数よりも大きい第2数の画素を有し、
前記第1抽出手段は画像サイズを拡大する拡大手段を含む、請求項2記載の電子カメラ。
【請求項4】
前記第1撮像面は第1感度を有し、
前記第2撮像面は前記第1感度よりも小さい第2感度を有し、
前記第2抽出手段は画像の明るさを増幅する増幅手段を含む、請求項2または3記載の電子カメラ。
【請求項5】
前記作成手段は、前記第2部分画像の低域周波数成分を抽出して低周波画像を出力するフィルタ手段、前記フィルタ手段から出力された低周波画像と前記第1部分画像とを合成して第1合成画像を出力する第1合成画像出力手段、および前記第1合成画像出力手段から出力された第1合成画像と前記第2部分画像とを合成して第2合成画像を出力する第2合成画像出力手段を含む、請求項2ないし4のいずれかに記載の電子カメラ。
【請求項6】
前記第1合成画像出力手段は、前記低周波画像と前記第1部分画像との差分を検出する差分検出手段、および前記差分検出手段によって検出された差分が小さいほど前記第1部分画像が重視されるように合成処理を実行する第1合成処理手段を含む、請求項5記載の電子カメラ。
【請求項7】
前記第2合成処理手段は、前記低周波画像からエッジ成分を検出するエッジ成分検出手段、および前記エッジ成分検出手段によって検出されたエッジ成分が大きいほど前記第2部分画像が重視されるように合成処理を実行する第2合成処理手段を含む、請求項5または6記載の電子カメラ。
【請求項8】
前記第1撮像面および前記第2撮像面は共通の画素数と共通の感度とを有し、
前記第1画像は前記第1撮像面を第1時間露光して得られた画像に相当し、
前記第2画像は前記第2撮像面を前記第1時間よりも短い第2時間露光して得られた画像に相当し、
前記作成手段は、前記第1部分画像と前記第2部分画像とを合成して第1合成画像を出力する第1合成画像出力手段、および前記第1合成画像出力手段から出力された第1合成画像と前記第2部分画像とを合成して第2合成画像を出力する第2合成画像出力手段を含む、請求項2記載の電子カメラ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−227898(P2012−227898A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−96491(P2011−96491)
【出願日】平成23年4月22日(2011.4.22)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月22日(2011.4.22)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]