説明

電子ディスプレイ装置用フィルター

本発明は、一般式(I)


[式中、Xは、以下の式(A)


(式中、R、R、RおよびRは、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子等を表し、RおよびRは、同一または異なって、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基等を表す)で表される基等を表し、Yは、以下の式(C)


(式中、Rは、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基等を表し、R10は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基等を表す)で表される基等を表し、nは、0〜5の整数を表す]で表されるスクアリリウム化合物を含有する電子ディスプレイ装置用フィルター等を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、電子ディスプレイ装置用フィルターに関する。
【背景技術】
電子ディスプレイ装置は、理想的には、赤、青、緑の3原色の組み合わせにより、カラー画像を表示する。これまで、より鮮明な色調を有する画像を提供するために、色補正機能を有するフィルターを装備することが考案されている。
色補正機能を有するフィルターに用いられる色調用化合物として、スクアリリウム化合物を使用することが知られている(特開2000−345059号公報参照)。また、480〜520nm前後の光を選択的に遮蔽する電子ディスプレイ装置フィルター用の色素として特定のスクアリリウム化合物を使用することが知られている(特開2002−97383号公報参照)。
【発明の開示】
本発明は、以下の[1]〜[11]を提供する。
[1] 一般式(I)

[式中、Xは、以下の式(A)

(式中、R、R、RおよびRは、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基または置換基を有していてもよい複素環基を表し、RおよびR、またはRおよびRがそれぞれが隣接する2つの炭素原子と一緒になって、置換基を有していてもよい炭化水素環または置換基を有していてもよい複素環を形成してもよく、RおよびRは、同一または異なって、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよい複素環基を表し、RおよびRが隣接する窒素原子と一緒になって置換基を有していてもよい複素環を形成するか、RおよびR、またはRおよびRがそれぞれが隣接するN−C−Cと一緒になって、置換基を有していてもよい複素環を形成してもよい)で表される基、または以下の式(B)

(式中、RおよびRは、同一または異なって、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよい複素環基を表す)で表される基を表し、Yは、以下の式(C)

(式中、Rは、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、置換基を有していてもよいアミノ基、−N=N−R9A(式中、R9Aは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、または置換基を有していてもよい複素環基を表す)または置換基を有していてもよい複素環基を表し、nは0〜5の整数を表し、ここに、nが2〜5の場合、それぞれのRは、同一または異なっていてもよく、さらに互いに隣り合う2つのRがそれぞれが隣接する2つの炭素原子と一緒になって、置換基を有していてもよい炭化水素環または置換基を有していてもよい複素環を形成してもよく、R10は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよい複素環基を表す)で表される基、または以下の式(D)

(式中、R11およびR12は、同一または異なって、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、置換基を有していてもよいアミノ基または置換基を有していてもよい複素環基を表し、pおよびqは、同一または異なって、0〜4の整数を表し、ここに、pまたはqが2〜4の場合、それぞれのR11およびR12は、同一または異なっていてもよい)で表される基を表す]で表されるスクアリリウム化合物を含有する電子ディスプレイ装置用フィルター。
[2] 一般式(Ia)

(式中、R、R、R、R、R、R、R、R10およびnは、それぞれ前記と同義である)で表されるスクアリリウム化合物を含有する電子ディスプレイ装置用フィルター。
[3] R、R、RおよびRが同一または異なって、水素原子、アルキル基またはヒドロキシル基であり、RおよびRが同一または異なって、アルキル基であり、Rがアルキル基またはアルコキシル基であり、R10が水素原子またはアルキル基であり、nが0〜2の整数である[2]記載の電子ディスプレイ装置用フィルター。
[4] 一般式(Ib)

(式中、R、R、R、R10およびnは、それぞれ前記と同義である)で表されるスクアリリウム化合物を含有する電子ディスプレイ装置用フィルター。
[5]RおよびRが同一または異なって、アルキル基またはアリール基であり、Rがアルコキシル基、置換基を有しているアミノ基または−N=N−R9A(式中、R9Aは前記と同義である)であり、R10が水素原子であり、nが0〜2の整数である[4]記載の電子ディスプレイ装置用フィルター。
[6]一般式(Ic)

(式中、R、R、R11、R12、pおよびqは、それぞれ前記と同義である)で表されるスクアリリウム化合物を含有する電子ディスプレイ装置用フィルター。
[7] RおよびRが同一または異なって、アルキル基であり、pおよびqが0である[6]記載の電子ディスプレイ装置用フィルター。
[8] 一般式(Ib)

(式中、R、R、R、R10およびnは、それぞれ前記と同義である)で表されるスクアリリウ厶化合物。
[9] RおよびRが同一または異なって、アルキル基またはアリール基であり、Rがアルコキシル基、置換基を有しているアミノ基または−N=N−R9A(式中、R9Aは前記と同義である)であり、R10が水素原子であり、nが0〜2の整数である[8]記載のスクアリリウ厶化合物。
[10] 一般式(Ic)

(式中、R、R、R11、R12、pおよびqは、それぞれ前記と同義である)で表されるスクアリリウム化合物。
[11] RおよびRが同一または異なって、アルキル基であり、pおよびqが0である[10]記載のスクアリリウム化合物。
以下、一般式(I)で表される化合物を化合物(I)という。他の式番号を付した化合物についても同様に表現する。
一般式の各基の定義において、アルキル基およびアルコキシル基におけるアルキル部分としては、例えば、直鎖もしくは分岐状の炭素数1〜6のアルキル基または炭素数3〜8の環状アルキル基があげられ、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、tert−ペンチル基、ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等があげられる。
アラルキル基としては、例えば、炭素数7〜15のアラルキル基があげられ、具体的には、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基等があげられる。
アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基等があげられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子があげられる。
複素環基における複素環としては、芳香族複素環および脂環式複素環があげられる。
芳香族複素環としては、例えば、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む5員または6員の単環性芳香族複素環、3〜8員の環が縮合した二環または三環性で窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む縮環性芳香族複素環等があげられ、より具体的にはピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、キノリン環、イソキノリン環、フタラジン環、キナゾリン環、キノキサリン環、ナフチリジン環、シンノリン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、チオフェン環、フラン環、チアゾール環、オキサゾール環、インドール環、イソインドール環、インダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、プリン環、カルバゾール環等があげられる。
脂環式複素環としては、例えば、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む5員または6員の単環性脂環式複素環、3〜8員の環が縮合した二環または三環性で窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む縮環性脂環式複素環等があげられ、より具体的にはピロリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、チオモルホリン環、ホモピペリジン環、ホモピペラジン環、テトラヒドロピリジン環、テトラヒドロキノリン環、テトラヒドロイソキノリン環、テトラヒドロフラン環、テトラヒドロピラン環、ジヒドロベンゾフラン環、テトラヒドロカルバゾール環等があげられる。
およびR、またはRおよびRがそれぞれが隣接する2つの炭素原子と一緒になって形成される炭化水素環、ならびに互いに隣り合う2つのRがそれぞれが隣接する2つの炭素原子と一緒になって形成される炭化水素環としては、例えば、炭素数5〜10の不飽和の炭化水素環があげられ、具体的には、シクロペンテン環、シクロヘキセン環、シクロヘプテン環、シクロオクテン環、ベンゼン環、ナフタレン環等があげられる。
およびR、またはRおよびRがそれぞれが隣接する2つの炭素原子と一緒になって形成される複素環ならびに互いに隣り合う2つのRがそれぞれが隣接する2つの炭素原子と一緒になって形成される複素環としては、例えば、前記であげた芳香族複素環があげられる。
およびR、またはRおよびRがそれぞれが隣接するN−C−Cと一緒になって形成される複素環ならびにRおよびRが隣接する窒素原子と一緒になって形成される複素環としては、例えば、少なくとも1個の窒素原子を含む5員または6員の単環性複素環(該単環性複素環は、他の窒素原子、酸素原子または硫黄原子を含んでいてもよい)、3〜8員の環が縮合した二環または三環性で少なくとも1個の窒素原子を含む縮環性複素環(該縮環性複素環は、他の窒素原子、酸素原子または硫黄原子を含んでいてもよい)等があげられ、より具体的には、ピロリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、チオモルホリン環、ホモピペリジン環、ホモピペラジン環、テトラヒドロピリジン環、テトラヒドロキノリン環、テトラヒドロイソキノリン環、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、インドール環、インドリン環、イソインドール環等があげられる。ただし、RおよびR、またはRおよびRがそれぞれが隣接するN−C−Cと一緒になって形成される複素環は、少なくとも一つ以上の炭素−炭素間二重結合を環内に含む。
アルキル基、およびアルコキシル基の置換基としては、例えば、同一または異なって1〜3個の置換基、具体的には、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、アルコキシル基、アルコキシアルコキシル基等があげられる。ハロゲン原子およびアルコキシル基は、それぞれ前記と同義である。アルコキシアルコキシル基の2つのアルコキシ部分は、それぞれ前記と同義である。
アラルキル基、アリール基、複素環基、RおよびR、またはRおよびRがそれぞれが隣接する2つの炭素原子と一緒になって形成される炭化水素環、互いに隣り合う2つのRがそれぞれが隣接する2つの炭素原子と一緒になって形成される炭化水素環、RおよびR、またはRおよびRがそれぞれが隣接する2つの炭素原子と一緒になって形成される複素環、RおよびR、またはRおよびRがそれぞれが隣接するN−C−Cと一緒になって形成される複素環、RおよびRが隣接する窒素原子と一緒になって形成される複素環ならびに互いに隣り合う2つのRがそれぞれが隣接する2つの炭素原子と一緒になって形成される複素環の置換基としては、例えば、同一または異なって1〜5個の置換基、具体的には、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、ニトロ基、置換基を有していてもよいアミノ基(アミノ基の置換基としては、例えば、後述するアミノ基の置換基の例示で記載するものがあげられる)等があげられる。ハロゲン原子、アルキル基およびアルコキシル基は、それぞれ前記と同義である。
アミノ基の置換基としては、例えば、同一または異なって1または2個の置換基、具体的には、アルキル基、アラルキル基、アリール基等があげられる。アルキル基、アラルキル基およびアリール基は、それぞれ前記と同義である。
化合物(I)は、公知の方法(WO01/44233、WO01/44375等)に準じて製造することができる。
例えば、化合物(Ib)および化合物(Ic)については、以下のように製造することができる。
反応式(1−a)

反応式(1−b)

(式中、R、R、R、R10、R11、R12、n、pおよびqは、それぞれ前記と同義である)
反応式(1−a)
化合物(V)は、公知の方法(WO01/44233等)に準じて製造することができる。
化合物(Ib)は、化合物(V)と1〜5倍モルの化合物(VI)とを溶媒中、80〜120℃の温度で、1〜15時間反応させることにより得られる。
溶媒としては、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、オクタノール等のアルコール系溶媒、または該アルコール系溶媒(50容量%以上)とベンゼン、トルエンもしくはキシレンとの混合溶媒等が用いられる。
反応後、必要に応じて、目的化合物を有機合成化学で通常用いられる方法(カラムクロマトグラフィー法、再結晶法または溶媒での洗浄等)で精製してもよい。
反応式(1−b)
化合物(Ic)は、化合物(V)と1〜5倍モルの化合物(VII)とを溶媒中、80〜120℃の温度で、1〜15時間処理することにより得られる。
溶媒としては、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、オクタノール等のアルコール系溶媒、または該アルコール系溶媒(50容量%以上)とベンゼン、トルエンもしくはキシレンとの混合溶媒等が用いられる。
反応後、必要に応じて、目的化合物を有機合成化学で通常用いられる方法(カラムクロマトグラフィー法、再結晶法または溶媒での洗浄等)で精製してもよい。
以下に、化合物(I)の好ましい具体例を記載する。化合物1〜17の構造式において、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表し、Prはn−プロピル基を表し、Buはn−ブチル基を表す。


次に、本発明の電子ディスプレイ装置用フィルターについて説明する。
電子ディスプレイとしては、例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ等があげられ、中でも、プラズマディスプレイ等が好ましい。
本発明の電子ディスプレイ装置用フィルターに使用される化合物(I)においては、クロロホルム溶液中で、450〜570nmの吸収域に吸収極大を有することが好ましい。また、化合物(I)においては、モル吸光係数の対数値が4.5以上であるのが好ましく、4.8以上であるのがより好ましい。化合物(I)は、モル吸光係数が大きいため、本発明の電子ディスプレイ装置用フィルターに化合物(I)を使用する際、化合物(I)を少量、使用するたけで、十分な性能を出すことができる。
本発明の電子ディスプレイ装置用フィルターにおいては、450〜570nmの吸収域に吸収極大を有することが好ましい。
本発明の電子ディスプレイ装置用フィルターは、化合物(I)を含む塗工液を、透明基板に塗布して、有機溶媒を蒸発させて、製造するのが好ましい。また、必要に応じて、さらに他の透明基板を張り合わせてもよい。
塗工液は、化合物(I)を含む有機溶媒の溶液をバインダーと共に該有機溶媒に溶解させて調製してもよい。
有機溶媒としては、例えば、ジメトキシエタン、メトキシエトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、モノクロロベンゼン等の芳香族炭化水素類等があげられ、これらは、化合物(I)に対して10〜3000倍量(重量)使用されるのが好ましい。
バインダーとしては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリカーボナート系樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂等があげられ、これらは、化合物(I)に対して10〜500倍量(重量)使用されるのが好ましい。
透明基板としては、透明で、吸収、散乱が少ない樹脂またはガラスであれば特には限定されないが、例えば、該樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ポリカーボナート系樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂等があげられる。
化合物(I)を含む塗工液を透明基板に塗布する手法としては、バーコート法、スプレー法、ロールコート法、ディッピング法等の公知の塗布法が利用できる(米国特許2681294号等)。
化合物(I)は、有機溶媒に対する溶解性が高く、前記の塗工液を使用した電子ディスプレイ装置用フィルターの製造法に適している。
また、本発明の電子ディスプレイ装置用フィルターは、化合物(I)を透明基板を構成する樹脂に直接溶解、または分散させた後、成形して、フィルム化し、必要に応じて、その片側または両側に他の透明基板を張り合わせて製造してもよい。
化合物(I)を成形したフィル厶においては、吸収極大波長近傍での透過率50%の吸収幅(吸収極大波長近傍における透過率50%以下を示す最大吸収波長と最小吸収波長の差)が、80nm以下であることが好ましい。また、化合物(I)を成形したフィルムにおいては、500〜600nmの領域にて、十分な透過率を有することが好ましく、例えば、450〜570nmの吸収域に吸収極大を有するものに関しては、600nmでの透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
本発明の電子ディスプレイ装置用フィルターは、視野の明るさを保ちつつ、色純度を低下させる波長の光を選択的に遮蔽し、色補正機能に優れ、色彩に優れた鮮明な画像を提供することができる。
本発明の電子ディスプレイ装置用フィルターは、例えば、ブラウン管、蛍光表示管、電界発光パネル、発光ダイオード、プラズマディスプレイパネル、発熱電球、レーザーディスプレイ、液晶ディスプレイまたはエレクトロクロミックディスプレイ等に使用することができる。
特に本発明の電子ディスプレイ装置用フィルターは、視感度が高い緑の蛍光体の発光強度を調節できる。
以下に、実施例、参考例、試験例により、本発明をさらに具体的に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【実施例1】
(化合物1の製造)
原料である3−ヒドロキシ−4−(1−tert−ブチル−5−ヒドロキシ−3−イソプロピルピラゾール−4−イル)シクロブテン−1,2−ジオンは、WO01/44233記載の方法に準じて合成した。
3−ヒドロキシ−4−(1−tert−ブチル−5−ヒドロキシ−3−イソプロピルピラゾール−4−イル)シクロブテン−1,2−ジオン2.00gとカルバゾール1.60gを、ブタノール20mlとトルエン20mlの混合溶媒に入れ、100〜110℃で12時間反応させた。その後、反応溶液を20〜30℃まで冷却し、析出固体を濾取した。取得した固体1.19gにメタノール70mlを加え、75℃で1時間攪拌した。その後20〜30℃まで冷却し、析出した橙色固体を濾取することにより化合物1(0.49g)を得た。
H−NMR δ(CDCl)ppm:1.32(6H,d,J=6.8Hz),1.64(9H,s),3.64(1H,m),7.38(2H,td,J=7.6Hz,1.2Hz),7.47(2H,td,J=7.6Hz,1.2Hz),7.89(1H,dd,J=7.6Hz,0.8Hz),8.92(1H,d,J=8.4Hz).
【実施例2】
(化合物2の製造)
3−ヒドロキシ−4−(1−tert−ブチル−5−ヒドロキシ−3−イソプロピルピラゾール−4−イル)シクロブテン−1,2−ジオン1.50gと2−メトキシ−4−ニトロアニリン1.18gを、ブタノール20mlとトルエン20mlの混合溶媒に入れ、100〜110℃で5時間反応させた。その後、反応溶液を20〜30℃まで冷却し、析出した橙色固体を濾取することにより化合物2(1.27g)を得た。
H−NMR δ(CDCl)ppm:1.27(6H,d,J=6.8Hz),1.59(9H,s),3.51(1H,m),4.05(3H,s),7.79(1H,d,J=2.4Hz),7.97(1H,dd,J=8.8Hz,2.4Hz),8.53(1H,brs).
【実施例3】
(化合物3の製造)
3−ヒドロキシ−4−(1−tert−ブチル−5−ヒドロキシ−3−イソプロピルピラゾール−4−イル)シクロブテン−1,2−ジオン2.00gとp−アミノアゾベンゼン1.70gを、ブタノール20mlとトルエン20mlの混合溶媒に入れ、100〜110℃で5時間反応させた。その後、反応溶液を20〜30℃まで冷却し、析出した橙色固体を濾取することにより化合物3(2.46g)を得た。
【実施例4】
(化合物4の製造)
3−ヒドロキシ−4−(1−tert−ブチル−5−ヒドロキシ−3−イソプロピルピラゾール−4−イル)シクロブテン−1,2−ジオン1.0gと4’−アミノ−2,3’−ジメチルアゾベンゼン1.05gを、ブタノール10mlとトルエン10mlの混合溶媒に入れ、100〜110℃で2.5時間反応させた。その後、反応溶液を20〜30℃まで冷却し、析出した橙色固体を濾取することにより化合物4(1.26g)を得た。
【実施例5】
(化合物5の製造)
原料である3−ヒドロキシ−4−(5−ヒドロキシ−1,3−ジフェニルピラゾール−4−イル)シクロブテン−1,2−ジオンは、WO01/44233記載の方法に準じて合成した。
3−ヒドロキシ−4−(5−ヒドロキシ−1,3−ジフェニルピラゾール−4−イル)シクロブテン−1,2−ジオン1.00gと2,4−ジメトキシアニリン0.65gを、ブタノール10mlとトルエン10mlの混合溶媒に入れ、100〜110℃で3.5時間反応させた。その後、反応溶液を20〜30℃まで冷却し、析出した橙色固体を濾取することにより化合物5(1.45g)を得た。
【実施例6】
(化合物6の製造)
原料である3−ヒドロキシ−4−(1−tert−ブチル−5−ヒドロキシ−3−イソプロピルピラゾール−4−イル)シクロブテン−1,2−ジオンは、WO01/44233記載の方法に準じて合成した。
3−ヒドロキシ−4−(1−tert−ブチル−5−ヒドロキシ−3−イソプロピルピラゾール−4−イル)シクロブテン−1,2−ジオン0.36gとN,N−ジエチル−1,4−フェニレンジアミン0.38gを、ブタノール4mlとトルエン4mlの混合溶媒に入れ、100〜110℃で5時間反応させた。その後、反応溶液を20〜30℃まで冷却し、析出した橙色固体を濾取することにより化合物6(0.26g)を得た。
H−NMR δ(CDCl)ppm:1.18(6H,t,J=7.2Hz),1.30(6H,d,J=6.8Hz),1.59(9H,s),3.38(4H,q,J=7.2Hz),3.69(1H,m),6.67(2H,d,J=9.6Hz),7.77(2H,d,J=9.6Hz),11.64(1H,brs),13.73(1H,brs).
【実施例7】
(化合物7の製造)
原料である3−ヒドロキシ−4−(5−ヒドロキシ−1−フェニル−3−プロピルピラゾール−4−イル)シクロブテン−1,2−ジオンは、WO01/44233記載の方法に準じて合成した。
3−ヒドロキシ−4−(5−ヒドロキシ−1−フェニル−3−プロピルピラゾール−4−イル)シクロブテン−1,2−ジオン1.50gとN,N−ジエチル−1,4−フェニレンジアミン1.16gを、ブタノール20mlとトルエン20mlの混合溶媒に入れ、100〜110℃で4.5時間反応させた。その後、反応溶液を20〜30℃まで冷却し、析出した赤色固体を濾取することにより化合物7(2.05g)を得た。
H−NMR δ(CDCl)ppm:0.96(3H,t,J=7.2Hz),1.09(6H,t,J=6.8Hz),1.67(2H,m),2.83(2H,t,J=7.6Hz),3.37(4H,q,J=6.8Hz),6.71(2H,d,J=9.2Hz),7.32(1H,t,J=7.6Hz),7.49(2H,t,J=8.0Hz),7.64(2H,d,J=12.8Hz),7.76(2H,d,J=7.6Hz),12.68(1H,brs).
[参考例1](化合物8の製造)
原料である3−ヒドロキシ−4−[4−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル]シクロブテン−1,2−ジオンは、WO01/44375記載の方法に準じて合成した。
3−ヒドロキシ−4−[4−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル]シクロブテン−1,2−ジオン1.18gとアニリン0.68gを、ブタノール20mlとトルエン10mlの混合溶媒に入れ、100〜110℃で4.0時間反応させた。その後、反応溶液を20〜30℃まで冷却し、析出した赤紫色固体を濾取することにより化合物8(1.45g)を得た。
H−NMR δ(CDCl)ppm:1.15(6H,t,J=7.2Hz),3.48(4H,q,J=7.2Hz),6.84(2H,d,J=9.2Hz),7.27(1H,t,J=7.2Hz),7.46(2H,t,J=8.0Hz),7.95(2H,dd,J=8.4Hz and 1.2Hz),8.04(2H,d,J=9.2Hz).
[参考例2](化合物9の製造)
原料である3−ヒドロキシ−4−[4−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル]シクロブテン−1,2−ジオンは、WO01/44375記載の方法に準じて合成した。
3−ヒドロキシ−4−[4−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル]シクロブテン−1,2−ジオン0.18gとアニリン0.07gを、ブタノール2mlとトルエン1mlの混合溶媒に入れ、100〜110℃で2.0時間反応させた。その後、反応溶液を20〜30℃まで冷却し、析出した赤色固体を濾取することにより化合物9(0.15g)を得た。
H−NMR δ(CDCl)ppm:0.99(6H,t,J=7.6Hz),1.40(4H,m),1.64(4H,m),3.39(4H,t,J=7.6Hz),6.71(2H,d,J=9.2Hz),7.25(1H,t,J=7.2Hz),7.46(2H,t,J=7.2Hz),8.20(2H,d,J=7.6Hz),8.26(2H,d,J=9.2Hz).
[参考例3](化合物10の製造)
3−ヒドロキシ−4−[4−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル]シクロブテン−1,2−ジオン0.30gと2,6−ジイソプロピルアニリン0.26gを、ブタノール5mlとトルエン2.5mlの混合溶媒に入れ、100〜110℃で1.5時間反応させた。反応溶液を濃縮した後に、メタノール5mlを加え65℃で30分間攪拌した。0〜5℃まで冷却後、析出した橙色固体を濾取することにより化合物10(0.19g)を得た。
H−NMR δ(CDCl)ppm:0.94(6H,t,J=7.6Hz),1.25(12H,d,J=6.8Hz),1.34(4H,m),1.57(4H,m),3.23(2H,m),3.32(4H,t,J=7.6Hz),6.57(2H,d,J=9.6Hz),7.25(2H,d,J=5.6Hz),7.40(1H,t,J=7.6Hz),8.03(2H,d,J=9.6Hz).
[参考例4](化合物11の製造)
3−ヒドロキシ−4−[4−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル]シクロブテン−1,2−ジオン0.28gと2,6−ジエチルアニリン0.18gを、ブタノール4mlとトルエン2mlの混合溶媒に入れ、100〜110℃で1.5時間反応させた。反応溶液を濃縮した後に、メタノール5mlを加え65℃で30分間攪拌した。0〜5℃まで冷却後、析出した橙色固体を濾取することにより化合物11(0.17g)を得た。
H−NMR δ(CDCl)ppm:0.95(6H,t,J=7.6Hz),1.24(6H,t,J=7.6Hz),1.35(4H,m),1.57(4H,m),2.76(4H,q,J=7.6Hz),3.33(4H,t,J=7.6Hz),6.59(2H,d,J=8.8Hz),7.20(2H,d,J=8.0Hz),7.32(1H,dd,J=8.0Hz,7.2Hz),8.05(2H,d,J=8.8Hz).
[参考例5](化合物12の製造)
原料である3−ヒドロキシ−4−[4−(N,N−ジブチルアミノ)−3−メチルフェニル]シクロブテン−1,2−ジオンは、WO01/44375記載の方法に準じて合成した。
3−ヒドロキシ−4−[4−(N,N−ジブチルアミノ)−3−メチルフェニル]シクロブテン−1,2−ジオン0.28gと2,6−ジエチルアニリン0.25gを、ブタノール4mlとトルエン2mlの混合溶媒に入れ、100〜110℃で1時間反応させた。反応溶液を濃縮した後に、メタノール3mlを加え65℃で30分間攪拌した。20〜30℃まで冷却後、析出した橙色固体を濾取することにより化合物12(0.22g)を得た。
H−NMR δ(CDCl)ppm:0.95(6H,t,J=7.6Hz),1.23(6H,t,J=7.6Hz),1.34(4H,m),1.56(4H,m),2.65(1H,s),2.76(4H,q,J=7.6Hz),3.31(4H,t,J=7.6Hz),6.39(1H,s),6.41(1H,dd,J=8.8Hz,2.8Hz),7.18(2H,d,J=7.6Hz),7.30(1H,dd,J=8.0Hz,6.8Hz),8.42(1H,d,J=8.8Hz).
[参考例6](化合物13の製造)
原料である3−ヒドロキシ−4−[4−(N,N−ジエチルアミノ)−3−ヒドロキシフェニル]シクロブテン−1,2−ジオンは、WO01/44375記載の方法に準じて合成した。
3−ヒドロキシ−4−[4−(N,N−ジエチルアミノ)−3−ヒドロキシフェニル]シクロブテン−1,2−ジオン0.50gとN−メチルアニリン0.29gを、ブタノール2mlとトルエン2mlの混合溶媒に入れ、100〜110℃で5時間反応させた。0〜5℃まで冷却後、析出した橙色固体を濾取することにより化合物13(0.57g)を得た。
[参考例7](化合物14の製造)
3−ヒドロキシ−4−[4−(N,N−ジエチルアミノ)−3−ヒドロキシフェニル]シクロブテン−1,2−ジオン0.50gと2−メトキシ−4−ニトロアニリン0.42gを、ブタノール2mlとトルエン2mlの混合溶媒に入れ、100〜110℃で5時間反応させた。室温まで冷却後、析出した灰色固体を濾取することにより化合物14(0.71g)を得た。
[参考例8](化合物15の製造)
3−ヒドロキシ−4−[4−(N,N−ジエチルアミノ)−3−ヒドロキシフェニル]シクロブテン−1,2−ジオン0.50gと2−メトキシ−4−ニトロアニリン0.36gを、ブタノール2mlとトルエン2mlの混合溶媒に入れ、100〜110℃で5時間反応させた。室温まで冷却後、メタノール2mlを添加し、析出した緑色固体を濾取することにより化合物15(0.12g)を得た。
[参考例9](化合物16の製造)
原料である3−ヒドロキシ−4−[4−(N,N−ジブチルアミノ)−3−メチルフェニル]シクロブテン−1,2−ジオンは、WO01/44375記載の方法に準じて合成した。
3−ヒドロキシ−4−[4−(N,N−ジブチルアミノ)−3−メチルフェニル]シクロブテン−1,2−ジオン0.40gと2,4−ジメチルアニリン0.19gを、ブタノール5mlとトルエン2.5mlの混合溶媒に入れ、100〜110℃で4.5時間反応させた。反応溶液を濃縮した後に、メタノール3mlを加え75℃で10分間攪拌した。0〜5℃まで冷却後、析出した赤褐色固体を濾取することにより化合物16(0.39g)を得た。
[参考例10](化合物17の製造)
3−ヒドロキシ−4−[4−(N,N−ジブチルアミノ)−3−メチルフェニル]シクロブテン−1,2−ジオン0.40gと2,4,6−トリメチルアニリン0.21gを、ブタノール5mlとトルエン2.5mlの混合溶媒に入れ、100〜110℃で2.5時間反応させた。0〜5℃まで冷却後、析出した橙色固体を濾取することにより化合物17(0.22g)を得た。
[試験例1]
U−4000型自記分光光度計[(株)日立製作所製]を使用し、化合物1〜12のクロロホルム溶液中での吸収極大波長(λmax)とモル吸光係数の対数値(logε)を測定(800〜300nm)した。その結果を表1に示す。

【実施例8】
化合物1、2、10、11または12の1.0重量%ジメトキシエタン溶液とポリエステル樹脂[バイロン200(東洋紡績(株)社製)]の20重量%ジメトキシエタン溶液を7:2の割合で混合し、ガラス基板上にスピンコーターで塗工、乾燥後、コーティングフィルムを作成した。U−4000型自記分光光度計[(株)日立製作所製]を使用し、このフィルムにおける吸収極大波長、透過率50%の吸収幅および600nmでの透過率を測定(800〜300nm)した。その結果を表2に示す。

以上の結果より、例えば、本発明の電子ディスプレイ装置用フィルターは、緑色付近の色調を改善し、色純度を低下させる波長の光を選択的に遮蔽し、鮮明な画像を提供できることがわかる。
【産業上の利用可能性】
本発明により、例えば、電子ディスプレイ装置用フィルターの色調を向上させる電子ディスプレイ装置用フィルター等を提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)

[式中、Xは、以下の式(A)

(式中、R、R、RおよびRは、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基または置換基を有していてもよい複素環基を表し、RおよびR、またはRおよびRがそれぞれが隣接する2つの炭素原子と一緒になって、置換基を有していてもよい炭化水素環または置換基を有していてもよい複素環を形成してもよく、RおよびRは、同一または異なって、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよい複素環基を表し、RおよびRが隣接する窒素原子と一緒になって置換基を有していてもよい複素環を形成するか、RおよびR、またはRおよびRがそれぞれが隣接するN−C−Cと一緒になって、置換基を有していてもよい複素環を形成してもよい)で表される基または、以下の式(B)

(式中、RおよびRは、同一または異なって、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよい複素環基を表す)で表される基を表し、Yは、以下の式(C)

(式中、Rは、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、置換基を有していてもよいアミノ基、−N=N−R9A(式中、R9Aは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、または置換基を有していてもよい複素環基を表す)または置換基を有していてもよい複素環基を表し、nは0〜5の整数を表し、ここに、nが2〜5の場合、それぞれのRは、同一または異なっていてもよく、さらに互いに隣り合う2つのRがそれぞれが隣接する2つの炭素原子と一緒になって、置換基を有していてもよい炭化水素環または置換基を有していてもよい複素環を形成してもよく、R10は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよい複素環基を表す)で表される基または、以下の式(D)

(式中、R11およびR12は、同一または異なって、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、置換基を有していてもよいアミノ基または置換基を有していてもよい複素環基を表し、pおよびqは、同一または異なって、0〜4の整数を表し、ここに、pまたはqが2〜4の場合、それぞれのR11およびR12は、同一または異なっていてもよい)で表される基を表す]で表されるスクアリリウム化合物を含有する電子ディスプレイ装置用フィルター。
【請求項2】
一般式(Ia)

(式中、R、R、R、R、R、R、R、R10およびnは、それぞれ前記と同義である)で表されるスクアリリウム化合物を含有する電子ディスプレイ装置用フィルター。
【請求項3】
、R、RおよびRが同一または異なって、水素原子、アルキル基またはヒドロキシル基であり、RおよびRが同一または異なって、アルキル基であり、Rがアルキル基またはアルコキシル基であり、R10が水素原子またはアルキル基であり、nが0〜2の整数である請求の範囲2記載の電子ディスプレイ装置用フィルター。
【請求項4】
一般式(Ib)

(式中、R、R、R、R10およびnは、それぞれ前記と同義である)で表されるスクアリリウム化合物を含有する電子ディスプレイ装置用フィルター。
【請求項5】
およびRが同一または異なって、アルキル基またはアリール基であり、Rがアルコキシル基、置換基を有しているアミノ基または−N=N−R9A(式中、R9Aは前記と同義である)であり、R10が水素原子であり、nが0〜2の整数である請求の範囲4記載の電子ディスプレイ装置用フィルター。
【請求項6】
一般式(Ic)

(式中、R、R、R11、R12、pおよびqは、それぞれ前記と同義である)で表されるスクアリリウム化合物を含有する電子ディスプレイ装置用フィルター。
【請求項7】
およびRが同一または異なって、アルキル基であり、pおよびqが0である請求の範囲6記載の電子ディスプレイ装置用フィルター。
【請求項8】
一般式(Ib)

(式中、R、R、R、R10およびnは、それぞれ前記と同義である)で表されるスクアリリウム化合物。
【請求項9】
およびRが同一または異なって、アルキル基またはアリール基であり、Rがアルコキシル基、置換基を有しているアミノ基または−N=N−R9A(式中、R9Aは前記と同義である)であり、R10が水素原子であり、nが0〜2の整数である請求の範囲8記載のスクアリリウム化合物。
【請求項10】
一般式(Ic)

(式中、R、R、R11、R12、pおよびqは、それぞれ前記と同義である)で表されるスクアリリウム化合物。
【請求項11】
およびRが同一または異なって、アルキル基であり、pおよびqが0である請求の範囲10記載のスクアリリウム化合物。

【国際公開番号】WO2005/059608
【国際公開日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【発行日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−516395(P2005−516395)
【国際出願番号】PCT/JP2004/019474
【国際出願日】平成16年12月17日(2004.12.17)
【出願人】(000162607)協和発酵ケミカル株式会社 (60)
【Fターム(参考)】