説明

電子デバイス、およびそれを形成するためのプロセス

電子デバイスが、基板と、基板の上にあり、かつ開口部のアレイを画定するウェル構造とを含む。断面図から、ウェル構造は、開口部において、負の勾配を有する。平面図から、各開口部は有機電子構成要素に対応する。開口部のアレイ内の各開口部は幅を有し、開口部のアレイ内の2つのすぐ隣接した開口部が、各開口部の幅より小さい幅を有するチャネルによって接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、電子デバイス、および電子デバイスを形成するための方法に関する。より特定的には、本発明は、有機電子構成要素を含む電子デバイスに関する。
【0002】
本出願は、2004年12月30日に出願された米国仮特許出願第60/640,502号明細書の優先権を主張する。
【背景技術】
【0003】
ますます、活性有機分子が電子デバイスに使用されている。これらの活性有機分子は、エレクトロルミネセンスを含む電子特性または電気放射特性を有する。有機活性材料を組入れる電子デバイスは、電気エネルギーを放射線に変換するために使用することができ、発光ダイオード、発光ダイオードディスプレイ、またはダイオードレーザを挙げることができる。有機活性層を組入れる電子デバイスは、また、放射線に応答して信号を発生させる(たとえば、光検出器(たとえば、光伝導セル、フォトレジスタ、フォトスイッチ、フォトトランジスタ、光電管)、赤外線(「IR」)検出器、バイオセンサ);放射線を電気エネルギーに変換する(たとえば、光起電力デバイスまたは太陽電池);および論理機能(たとえば、トランジスタまたはダイオード)を行うために使用することができる。
【0004】
【特許文献1】米国特許第4,356,429号明細書
【特許文献2】米国特許第4,539,507号明細書
【特許文献3】米国特許第5,247,190号明細書
【特許文献4】米国特許第5,408,109号明細書
【特許文献5】米国特許第5,317,169号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、有機活性層を含む電子構成要素の製造は困難である。有機活性層の一定しない形成が、典型的には、劣ったデバイス性能、およびデバイス製造プロセスにおける劣った歩留りをもたらす。有機活性層の液体堆積の場合、電極の劣った濡れが、有機活性層内の空隙をもたらすことがある。
【0006】
液体組成物が、周囲の構造によって形成されたウェル内に堆積されると、空隙を形成することがある。そのような空隙は、放射線放出または放射線吸収のための利用可能な表面領域を減少させ、低減された性能をもたらす。空隙は、また、電極などの、下にある構造を露出させることがある。付加的な層が、液体組成物を硬化させることから生じる有機層の上に形成されると、これらの層は、下にある構造と接触することがあり、電極間の電気的短絡を可能にし、影響された有機電子構成要素を動作不能にする。
【0007】
負の勾配構造を使用して、空隙を防止することができる。しかし、そのような構造は、カソードなどの、上にある電極構造に破損を形成することがある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
1つの例示的な実施形態において、電子デバイスが、基板と、基板の上にあり、かつ開口部のアレイを画定するウェル構造とを含む。断面図から、ウェル構造は、開口部において、負の勾配を有する。平面図から、各開口部は有機電子構成要素に対応する。開口部のアレイ内の各開口部は幅を有し、開口部のアレイ内の2つのすぐ隣接した開口部が、各開口部の幅より小さい幅を有するチャネルによって接続される。
【0009】
別の例示的な実施形態において、電子デバイスが、基板と、基板の上にあり、かつ開口部のアレイを画定する第1の構造とを含む。断面図から、第1の構造は、開口部において、負の勾配を有する。平面図から、各開口部が有機電子構成要素に対応する。2つのすぐ隣接した開口部が、チャネルによって接続される。電子デバイスは、基板の上にあり、かつ、2つのすぐ隣接した開口部の間に、およびチャネル内に配置された第2の構造をさらに含む。
【0010】
さらなる例示的な実施形態において、電子デバイスを形成するための方法が、基板の上にウェル構造を形成する工程を含む。ウェル構造は開口部のアレイを画定する。断面図から、ウェル構造は、開口部において、負の勾配を有する。平面図から、各開口部は有機電子構成要素に対応する。開口部のアレイ内の各開口部は幅を有し、開口部のアレイ内の2つのすぐ隣接した開口部が、各開口部の幅より小さい幅を有するチャネルによって接続される。方法は、開口部内に有機活性層を堆積させる工程をさらに含む。
【0011】
先の一般的な説明および以下の詳細な説明は、例示および説明にすぎず、特許請求の範囲に規定されるような本発明を限定するものではない。
【0012】
本発明を、添付の図において、限定としてではなく、例として示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
電子デバイスが、基板と、基板の上にあり、かつ開口部のアレイを画定するウェル構造とを含む。断面図から、ウェル構造は、開口部において、負の勾配を有する。平面図から、各開口部は有機電子構成要素に対応する。開口部のアレイ内の各開口部は幅を有し、開口部のアレイ内の2つのすぐ隣接した開口部が、各開口部の幅より小さい幅を有するチャネルによって接続される。
【0014】
電子デバイスは、2つのすぐ隣接した開口部内に、およびチャネル内にある電極であって、電極に沿って、2つのすぐ隣接した開口部の間の導電経路を提供する電極をさらに含むことができる。電極は、開口部のアレイのベクトルに沿って、有機電子構成要素間の導電経路を形成することができる。
【0015】
一実施形態において、アレイ内の各開口部は長さを有する。たとえば、長さは幅に実質的に垂直であり、幅は長さ以下である。
【0016】
別の実施形態において、チャネル構造が基板の上にあり、平面図から、チャネル構造は、2つのすぐ隣接した開口部の間に、およびチャネル内に配置される。断面図から、チャネル構造は正の勾配を有することができる。あるいは、断面図から、チャネル構造は負の勾配を有する。さらなる実施形態において、断面図から、チャネル構造の高さは、ウェル構造の高さより低い。チャネル構造の表面は疎水性であることができる。ウェル構造の表面は疎水性であることができる。
【0017】
さらなる実施形態において、有機電子構成要素は、実質的に開口部内にある有機活性層を含む。電子デバイスは、基板と有機活性層との間にある電極をさらに含むことができる。電極の表面は親水性であることができる。電極はチャネルの下にない。
【0018】
一実施形態において、電子デバイスが、基板と、基板の上にあり、かつ開口部のアレイを画定する第1の構造とを含む。断面図から、第1の構造は、開口部において、負の勾配を有する。平面図から、各開口部は有機電子構成要素に対応する。2つのすぐ隣接した開口部が、チャネルによって接続される。電子デバイスは、基板の上にあり、かつ、2つのすぐ隣接した開口部の間に、およびチャネル内に配置された第2の構造をさらに含む。
【0019】
一例において、断面図から、第2の構造は正の勾配を有する。あるいは、断面図から、第2の構造は負の勾配を有する。断面図から、第2の構造の高さは、第1の構造の高さより低いことができる。
【0020】
別の例において、電子デバイスは、2つのすぐ隣接した開口部内にあり、かつ第2の構造の上にある電極を含む。電極は、電極に沿って、2つのすぐ隣接した開口部の間の導電経路を提供する。
【0021】
さらなる例において、第1の構造の表面は疎水性である。第2の構造の表面は疎水性であることができる。
【0022】
別の例において、有機構成要素は、実質的に各開口部内にある有機活性層を含む。電子デバイスは、基板と有機活性層との間にある電極をさらに含むことができる。基板は、有機電子構成要素に結合されたドライバ回路を含むことができる。
【0023】
さらなる例において、第1の構造の一部が、第2の構造の一部の上にある。各開口部は幅を有することができ、チャネルの幅は、各開口部の幅より小さい。
【0024】
電子デバイスを形成するための方法が、基板の上にウェル構造を形成する工程を含む。ウェル構造は開口部のアレイを画定する。断面図から、ウェル構造は、開口部において、負の勾配を有する。平面図から、各開口部は有機電子構成要素に対応する。開口部のアレイ内の各開口部は幅を有し、開口部のアレイ内の2つのすぐ隣接した開口部が、各開口部の幅より小さい幅を有するチャネルによって接続される。方法は、開口部内に有機活性層を堆積させる工程をさらに含む。
【0025】
別の例において、方法は、2つのすぐ隣接した開口部内にあり、かつチャネル内にある電極を形成する工程であって、2つのすぐ隣接した開口部内にあり、かつチャネル内にある電極の部分が、互いに接続される工程を含む。電極は、電極に沿って、2つのすぐ隣接した開口部の間の導電経路を形成する。
【0026】
さらなる例において、方法は、ウェル構造を形成する前、電極を形成する工程であって、ウェル構造を形成した後、電極の一部が、開口部のアレイの少なくとも1つの開口部の底部に沿って露出される工程を含む。一実施形態において、電極はチャネル内に延在しない。
【0027】
別の例において、方法は、チャネル構造を形成する工程であって、平面図から、チャネル構造が、2つのすぐ隣接した開口部の間に、およびチャネル内に配置される工程を含む。チャネル構造を形成する工程は、ウェル構造を形成する前、行うことができる。断面図から、チャネル構造は正の勾配を有することができる。あるいは、断面図から、チャネル構造は負の勾配を有することができる。一実施形態において、チャネル構造の高さは、ウェル構造の高さより低い。方法は、チャネル構造の表面を処理して、表面を疎水性にする工程をさらに含むことができる。方法は、また、ウェル構造の表面を処理して、表面を疎水性にする工程を含むことができる。
【0028】
本発明の他の特徴および利点は、次の詳細な説明から、および特許請求の範囲から明らかであろう。詳細な説明は、最初に、定義を扱い、次いで、構造、電子デバイスの層および構成要素、電子デバイスを形成するためのプロセス、他の実施形態、ならびに利点を扱う。
【0029】
(1.用語の定義および明確化)
以下で説明される実施形態の詳細を扱う前、いくつかの用語を定義または明確化する。
【0030】
「アレイ」、「周辺回路」、および「遠隔回路」という用語は、電子デバイスの異なった領域または構成要素を意味することが意図される。たとえば、アレイは、規則的な配列(通常、列および行によって示される)内のピクセル、セル、または他の構造を含むことができる。アレイ内のピクセル、セル、または他の構造は、アレイと同じ基板上であるがアレイ自体の外側にあることができる周辺回路によって局所的に制御することができる。遠隔回路は、典型的には、周辺回路から離れてあり、かつ、アレイに信号を送るか、アレイから信号を受けることができる(典型的には、周辺回路を介して)。遠隔回路は、また、アレイに無関係の機能を行うことができる。遠隔回路は、アレイを有する基板上に存在してもしなくてもよい。
【0031】
「チャネル」という用語は、開口部間の通路を意味することが意図される。
【0032】
「チャネル構造」という用語は、基板の上にある構造であって、別の1つまたは複数の構造によって規定されたチャネル内に少なくとも部分的に配置された構造を意味することが意図される。
【0033】
「導電経路」という用語は、回路の部分であって、(1)直流電力がそのような部分に与えられ、かつ(2)そのような部分の、すべてのスイッチ、トランジスタなどがオンであるとき、実質的に一定の電流が流れる回路の部分を意味することが意図される。たとえば、導電経路は、ワイヤを単独で、または、ワイヤを、1つまたは複数のダイオード、抵抗器、トランジスタ、またはそれらの任意の組合せと組合せて、含むことができる。トランジスタの場合、トランジスタの電流搬送電極が導体経路に接続される。導電経路はキャパシタまたはインダクタを含まず、というのは、最初に直流信号がそのようなキャパシタまたはインダクタに与えられると、導電経路を通って流れる電流が、時間とともに著しく変わるからである。
【0034】
開口部に対する「接続された」という用語は、2つ以上の開口部が、それらを画定する構造によって完全に分離されていないことを意味することが意図される。たとえば、2つの開口部をチャネルによって接続することができる。
【0035】
「駆動回路」という用語は、電子構成要素、別の回路、またはそれらの組合せに送られる信号を制御するように構成された回路を意味することが意図される。
【0036】
「電極」という用語は、電子構成要素内でキャリヤを輸送するように構成された部材または構造を意味することが意図される。たとえば、電極は、アノード、カソード、キャパシタ電極、ゲート電極などであることができる。電極としては、トランジスタ、キャパシタ、抵抗器、インダクタ、ダイオード、電子構成要素、電源、またはそれらの任意の組合せの一部を挙げることができる。
【0037】
「電子構成要素」という用語は、電気機能または電気放射(たとえば、電気光学)機能を行う回路の最も低いレベルのユニットを意味することが意図される。電子構成要素としては、トランジスタ、ダイオード、抵抗器、キャパシタ、インダクタ、半導体レーザ、光学スイッチなどを挙げることができる。電子構成要素は、寄生抵抗(たとえば、ワイヤの抵抗)または寄生キャパシタンス(たとえば、導体間のキャパシタが意図されないか偶発的である、異なった電子構成要素に接続された2つの導体の間の容量結合)を含まない。
【0038】
「電子デバイス」という用語は、適切に接続され適切な電位が供給されると、集合的に機能を行う、回路、電子構成要素、またはそれらの組合せの集まりを意味することが意図される。電子デバイスは、システムを含むか、システムの一部であることができる。電子デバイスの例としては、ディスプレイ、センサアレイ、コンピュータシステム、アビオニクスシステム、自動車、携帯電話、別の消費者用または産業用電子製品などが挙げられる。
【0039】
基板の上にある構造を指すときの、「高さ」、「長さ」、および「幅」という用語は、互いに実質的に垂直な寸法を指すことが意図される。「高さ」は、下にある基板より上の距離を指すことが意図される。「長さ」は、基板に実質的に平行な平面内の寸法を指すことが意図される。「幅」は、基板に実質的に平行な、かつ「長さ」寸法に実質的に垂直な平面内の寸法を指すことが意図される。一実施形態において、「幅」は「長さ」以下である。別の実施形態において、「幅」は円の直径である。
【0040】
「親水性」という用語は、液体の端縁が、それが接触する表面に対して90度未満の濡れ角を示すことを意味することが意図される。
【0041】
「疎水性」という用語は、液体の端縁が、それが接触する表面に対して90度以上の濡れ角を示すことを意味することが意図される。
【0042】
「すぐ隣接した」という用語は、層、部材、または構造が、別の層、部材、または構造のすぐ隣であることを意味することが意図される。すぐ隣接したは、対角線を含むいかなる方向も明白に網羅することが意図される。
【0043】
「液体媒体」という用語は、純粋な液体、液体の組合せ、溶液、分散液、懸濁液、およびエマルションを含む液体材料を意味することが意図される。液体媒体は、1つまたは複数の溶媒が存在するかどうかに関わらず使用される。
【0044】
「マトリックス」という用語は、2つの方向に延在する電子構成要素の構成を意味することが意図される。マトリックスは、少なくとも2つの行と、少なくとも2つの列とを含むことができる。
【0045】
「負の勾配」という用語は、構造の側面が、上に構造が形成された実質的に平面の表面に対して鋭角を形成する、構造の特徴を意味することが意図される。
【0046】
「開口部」という用語は、平面図の視点(perspective)から見ると、領域を画定する特定の構造がないことによって特徴づけられた領域を意味することが意図される。
【0047】
「有機活性層」という用語は、有機層の少なくとも1つが、単独で、または異なる材料と接触するとき、整流接合を形成することができる、1つまたは複数の有機層を意味することが意図される。
【0048】
「有機電子構成要素」という用語は、有機材料を含む1つまたは複数の層を含む電子構成要素を意味することが意図される。
【0049】
「上にある」という用語は、必ずしも、層、部材、または構造が、別の層、部材、または構造のすぐ隣であるか、別の層、部材、または構造と接触することを意味しない。
【0050】
「周囲」という用語は、平面図から、対応する構成要素または構造の少なくとも一部を囲む境界を意味することが意図される。
【0051】
「正の勾配」という用語は、構造の側面が、上に構造が形成された実質的に平面の表面に対して鈍角を形成する、構造の特徴を意味することが意図される。
【0052】
「構造」という用語は、単独で、または他のパターニングされた層または部材と組合されて、意図された目的を果たすユニットを形成する、1つまたは複数のパターニングされた層または部材を意味することが意図される。構造の例としては、電極、ウェル構造、チャネル構造などが挙げられる。
【0053】
「実質的に平行な」という用語は、1つまたは複数の線、1つまたは複数のベクトル、または1つまたは複数の平面の組合せのための配向が、平行またはほぼ平行であり、いかなるゆがみも、当業者にはあまり重要でないとみなされることを意味することが意図される。
【0054】
「実質的に垂直な」という用語は、1つまたは複数の線、1つまたは複数のベクトル、または1つまたは複数の平面の組合せのための配向が、垂直またはほぼ垂直であり、垂直からのいかなる角度差も、当業者にはあまり重要でないとみなされることを意味することが意図される。
【0055】
「基板」という用語は、剛性または可撓性であることができ、かつ、ガラス、ポリマー、金属、またはセラミック材料、またはそれらの組合せを含むことができるが、これらに限定されない1つまたは複数の材料の1つまたは複数の層を含むことができるベース材料を意味することが意図される。基板の基準点は、プロセスシーケンスの開始点である。基板は、電子構成要素、回路、または導電性部材を含んでも含まなくてもよい。
【0056】
「表面処理」という用語は、露出された表面の特性を変えるために行われる活動を意味することが意図される。一実施形態において、表面処理は、露出された表面を、より疎水性またはより親水性にする。フッ素化、または界面活性剤を露出された表面に加えることの各々は、表面処理の例である。
【0057】
「ベクトル」という用語は、線または線セグメントに沿った、電子構成要素または開口部の構成を意味することが意図される。たとえば、電子構成要素または開口部のベクトルは、行、列、対角線などに沿ってあることができる。
【0058】
「ウェル構造」という用語は、基板の上にある構造であって、基板内の、または基板の上にある、物体、領域、またはそれらの任意の組合せを、別の物体または領域から少なくとも部分的に分離する主機能を果たす構造を意味することが意図される。
【0059】
「濡れ角」という用語は、固体表面から液体を介して気体−液体界面まで測定された、(1)固体表面、および(2)固体表面における気体と液体との間の界面によって規定された接線角度を意味することが意図される。
【0060】
ここで使用されるように、「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」という用語、またはそれらのいかなる他の変形も、非排他的な包含を網羅することが意図される。たとえば、要素のリストを含むプロセス、方法、物品、または装置が、必ずしも、それらの要素のみに限定されないが、明白に記載されていないか、そのようなプロセス、方法、物品、または装置に固有の他の要素を含んでもよい。さらに、そうでないと明白に記載されていない限り、「または」は、排他的なまたはではなく、包含的なまたはを指す。たとえば、条件AまたはBが、次のいずれか1つによって満たされる。Aが真であり(または存在し)、かつBが偽である(または存在しない)、Aが偽であり(または存在せず)、かつBが真である(または存在する)、ならびに、AおよびBの両方が真である(または存在する)。
【0061】
さらに、明確にするため、および、ここで説明される実施形態の範囲の一般的な意味を与えるために、「a」または「an」の使用は、「a」または「an」が指す1つまたは複数の物品を説明するために使用される。したがって、説明は、「a」または「an」が使用されるときはいつでも、1つまたは少なくとも1つを含むように読まれるべきであり、単数形は、反対のことがそうでないように意味されることが明らかでない限り、また、複数形を含む。
【0062】
元素の周期表内の列に対応する族番号は、「CRC化学物理学ハンドブック(CRC Handbook of Chemistry and Physics)」、第81版、(2000年)に見られるような「新表記(New Notation)」法を使用する。
【0063】
特に定義されない限り、ここで使用される技術用語および科学用語はすべて、本発明が属する技術における当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。適切な方法および材料を、本発明の実施形態、またはそれらを製造または使用するための方法についてここで説明するが、説明されるものと同様のまたは同等の他の方法および材料を、本発明の範囲から逸脱することなく用いることができる。ここで挙げられる刊行物、特許出願、特許、および他の引例をすべて、それらの全体を引用により援用する。抵触の場合には、定義を含む本明細書は調整する。さらに、材料、方法、および例は、あくまでも例示であり、限定することは意図されない。
【0064】
(2.電子デバイスの構造、層、および構成要素)
特定の実施形態において、電子デバイスが、有機電子構成要素のアレイと、開口部および開口部を接続するチャネルを有する構造とを含む。開口部の各々は、平面図から見ると有機電子構成要素の各々の周囲に対応する。構造は、断面図から見ると開口部において負の勾配を有する。各有機電子構成要素は、有機活性層を含む1つまたは複数の層によって分離された第1および第2の電極(たとえば、アノードおよびカソード)を含むことができる。一実施形態において、例示的な電子デバイスは、また、少なくとも部分的にチャネル内に配置されたチャネル構造などの、正の勾配を有する第2の構造を含むことができる。
【0065】
1つの例示的な実施形態において、有機電子構成要素のアレイは、パッシブマトリックスの一部であることができる。別の例示的な実施形態において、有機電子構成要素のアレイは、アクティブマトリックスの一部であることができる。したがって、電子デバイスの例示的な実施形態は、アクティブマトリックスディスプレイおよびパッシブマトリックスディスプレイを含むことができる。
【0066】
一般に、各有機電子構成要素は、1つまたは複数の有機活性層によって分離された2つの電極を含む。さらに、バッファ層、電荷ブロッキング層、電荷注入層、および電荷輸送層などの、1つまたは複数の他の層を、2つの電極の間に含むことができる。有機電子構成要素の各々の周囲に対応する開口部を有する構造は、中に有機電子構成要素の部分が形成されるウェルを画定する。したがって、これらの構造は、ときどき、ここでウェル構造と説明することができる。
【0067】
ウェル構造の断面は、有機層形成に影響を及ぼすことができる。構造は、負の勾配壁または周囲を有し、かつ下にある構造と鋭角を形成することができる。例示的な構造の周囲の一部が、下にある構造の表面と構造壁との間に鋭角を形成する。1つの例示的な実施形態において、角度は、0°から60°、または10°から45°などの、0°から90°である。代替実施形態において、角度は、毛管角度にほぼ等しいかこれより大きいことができる。
【0068】
図1は、例示的な構造を形成するためのシーケンスにおけるある時点の平面図の図を含む。ウェル構造102が、基板の上にあり、かつ、開口部104と、開口部104間のチャネル106とを有する。断面図から、ウェル構造102は、開口部104において負の勾配を有する。開口部104は、チャネル106によって接続される。任意に、チャネル構造110がチャネル106内にある。
【0069】
ウェル構造102の下にある電極112が、開口部104によって少なくとも部分的に露出される。開口部104は有機電子構成要素に対応する。電子構成要素は、下にある電極112と、少なくとも部分的に周囲108内にある有機層(図示せず)と、上にある電極(図示せず)とを含むことができる。
【0070】
一例において、ウェル構造102は、約2から10マイクロメートルの厚さを有することができる。チャネル構造110は、10マイクロメートル以下の厚さを有することができる。たとえば、チャネル構造110は、約1から3マイクロメートルなどの3マイクロメートル未満、または約0.4マイクロメートルなどの1マイクロメートル未満の厚さを有することができる。ウェル構造102は、たとえば、チャネル構造110の厚さより少なくとも1.5倍大きい厚さを有することができる。あるいは、チャネル構造110の厚さは、ウェル構造102の厚さに等しいかこれより大きい。
【0071】
別の実施形態において、電子デバイスが、基板と、構造(たとえば、ウェル構造)と、第1の電極とを含む。構造は、開口部と、チャネルとを有し、断面図から見ると、開口部において負の勾配を有する。平面図から、開口部の各々は、有機電子構成要素に対応する。第1の電極は、開口部およびチャネル内にあり、かつチャネル内の構造の上にある。開口部およびチャネル内にある第1の電極の部分が、互いに接続される。特定の例において、有機電子構成要素は、1つまたは複数の有機活性層を含むことができる。一実施形態において、第1の電極は、共通電極(たとえば、有機電子構成要素のアレイのための共通カソードまたは共通アノード)であることができる。
【0072】
別の例示的な実施形態において、第2の電極が、基板と構造との間にあることができる。さらなる例示的な実施形態において、有機電子構成要素を、基板内にあるドライバ回路(図示せず)に結合することができる。一実施形態において、第2の電極を第1の電極の前に形成することができることに留意されたい。
【0073】
1つの例示的な実施形態において、負の勾配を有する1つまたは複数の構造は、実質的に疎水性の表面などの、劣った濡れを示す表面を有する。表面は、90°以上などの、45°より大きい、液体組成物との濡れ角を示す。対照的に、電極などの、下にある構造は、実質的に親水性の表面を有することができ、60°未満、または約0°から約45°などの、90°未満の、液体組成物の濡れ角を示す。
【0074】
(3.電子デバイスを形成するためのプロセス)
電子デバイスを形成するための例示的なプロセスが、基板の上にあり、かつ断面斜視図から負の勾配を有する1つまたは複数の構造を形成することを含む。アクティブマトリックスディスプレイを形成するために用いることができる1つの例示的なプロセスが、図2から図11に示されている。このプロセスの変形を、他の電子デバイスを形成するために用いることができる。
【0075】
図2は、例示的なプロセスシーケンスにおけるある時点の平面図の図を含み、図3は、図2の切断線3−3から見た断面図を示す。第1の電極1004を基板1002上に堆積させる。基板1002は、ガラスまたはセラミック材料、または少なくとも1つのポリマーフィルムを含む可撓性基板であることができる。1つの例示的な実施形態において、基板1002は透明である。任意に、基板1002は、均一なバリヤ層またはパターニングされたバリヤ層などのバリヤ層を含むことができる。
【0076】
第1の電極1004は、アノードまたはカソードであることができる。図2は、第1の電極1004を、矩形などの平面図形状を有する構造のパターニングされたアレイとして示す。あるいは、第1の電極1004は、正方形、矩形、円、三角形、楕円形、またはそれらの任意の組合せを含む平面図形状を有する構造のパターニングされたアレイであることができる。別の実施形態において、第1の電極1004は、平行なストリップであることができる。一般に、第1の電極1004は、従来のプロセス(たとえば、堆積、パターニング、またはそれらの組合せ)を用いて形成することができる。
【0077】
第1の電極1004は導電性材料を含むことができる。一実施形態において、導電性材料としては、酸化インジウムスズ(ITO)などの透明な導電性材料を挙げることができる。他の透明な導電性材料としては、たとえば、酸化インジウム亜鉛が挙げられる。別の例示的な導電性材料としては、酸化亜鉛スズ(ZTO)、元素金属、金属合金、またはそれらの組合せが挙げられる。第1の電極1004は、また、導電性リード(図示せず)に結合することができる。1つの例示的な実施形態において、第1の電極1004は親水性表面を有することができる。任意に、駆動回路1006を基板内に形成することができる。
【0078】
その後の層を堆積させパターニングして、図4に示されているようなチャネル構造を形成することができる。図5は、図4の切断線5−5から見た断面図を示す。チャネル構造1208が第1の電極1004間に配置される。一実施形態において、第1の電極1004に近接したその後形成された有機活性層の厚さが薄くなることを防止するために、チャネル構造1208は、第1の電極1004と接触せず、かつ、第1の電極1004から隔置される。チャネル構造1208は、たとえば、第1の電極から、少なくとも約5ミクロンなどの少なくとも約1ミクロンだけ隔置することができる。特定の実施形態において、有機活性層の厚さが薄くなることは、望ましくなく、電気的短絡および電流漏れをもたらすことがある。1つの例示的な実施形態において、チャネル構造1208は正の勾配を有する。あるいは、チャネル構造1208は垂直または負の勾配を有する。
【0079】
1つの例示的な実施形態において、チャネル構造1208は、1つまたは複数のレジスト層またはポリマー層から形成することができる。レジスト層は、たとえば、ネガティブレジスト材料またはポジティブレジスト材料であることができる。レジスト層は、基板1002上に、および第1の電極1004の上に堆積させることができる。液体堆積技術としては、スピンコーティング、グラビアコーティング、カーテンコーティング、ディップコーティング、スロットダイコーティング、スプレーコーティング、連続ノズルコーティング、連続分配技術、インクジェット印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷、またはそれらの任意の組合せが挙げられる。レジストは、紫外(UV)放射線などの放射線に選択的に曝すことによってパターニングすることができる。一実施形態において、レジスト層をスピン堆積させベークする(図示せず)。レジスト層を、マスク(図示せず)を介してUV放射線に曝し、現像し、ベークし、正の勾配を有するチャネル構造1208を残す。チャネル構造1208を、さらに、ハードベークするか、さらにUV硬化するか、両方を行うことができる。他の実施形態において、他の方法(たとえば、スクリーン印刷、グラビア印刷など)を用いて、正の勾配チャネル構造1208を形成することができる。
【0080】
あるいは、チャネル構造1208は、金属、酸化物、および窒化物などの無機材料から形成することができる。そのような無機材料は、従来の技術を用いて、堆積させパターニングすることができる。
【0081】
図6に示されているように、別の層をウェル構造内に堆積させパターニングすることができる。図7および図8は、それぞれ、切断線7−7および8−8から見た断面図を示す。ウェル構造1410が、開口部1412と、チャネル1414とを含む。開口部1412およびチャネル1414は、第1の電極1004の部分およびチャネル構造1208の部分を露出させることができる。平面図から見られるように、開口部1412の底部は、第1の電極1004の部分を含むことができるか、また、基板1002の一部を包含することができる。図8に示されているように、開口部1412において、ウェル構造1410は負の勾配を有する。
【0082】
ウェル構造1410はパターンを有することができる。パターンは、たとえば、図6に示されたパターンであることができる。他の実施形態のセクションで説明されるように、代替パターンが、図11、図12、図13、図14、図15、および図16に示されている。図6に示されているように、パターンは、開口部1412およびチャネル1414を画定する。開口部1412は、一般に、列および行でなど、アレイで配列される。チャネル1414は、列で、隣接した開口部1412を接続することができる。あるいは、チャネル1414は、列、行、対角線状に、またはそれらの任意の組合せで、隣接した開口部1412を接続することができる。
【0083】
開口部1412の各々は、幅および長さを有する。開口部1412の幅は、一般に、横の(すなわち、より短い)寸法であり、長さは、一般に、長手方向の(すなわち、より長い)寸法である。長さ寸法は、幅寸法に略垂直である。それらの最大において、開口部1412の長さは、開口部1412の幅に等しいかこれより大きい。開口部が円形である実施形態において、長さおよび幅は等しい。一実施形態において、開口部1412の幅は約50から100ミクロンであり、開口部1412の長さは約100から300ミクロンである。チャネル1414の幅は、最大における開口部1412の幅より小さいことができる。特定の実施形態において、チャネル1414の幅は約10から25ミクロンである。
【0084】
ウェル構造1410は、チャネル構造1208が、開口部1412間に配置され、かつチャネル1414内に少なくとも部分的に配置されるように形成される。第1の電極1004を、開口部1412の底部に沿って露出させることができる。一実施形態において、第1の電極1004は、開口部1412、およびチャネル1414の部分の両方の下にある。別の実施形態において、第1の電極1004は、チャネル1414まで延在し、チャネル1414において止まる。さらなる実施形態において、第1の電極1004は、開口部1412の一部の下にあり、開口部1412は、基板1002の一部を露出させる。
【0085】
1つの例示的な実施形態において、チャネル構造1208の高さは、ウェル構造1410の高さより低い。チャネル構造1208の高さがウェル構造1410の高さより低い場合、チャネル構造1208は、正の勾配であるか、負の勾配であるか、垂直であることができる。あるいは、チャネル構造1208の高さは、ウェル構造1410の高さに等しいかこれより大きい。特定の実施形態において、ウェル構造の高さ、チャネル構造の高さ、またはそれらの任意の組合せは、約2から10マイクロメートルである。
【0086】
1つの例示的な実施形態において、ウェル構造1410は、レジスト層またはポリマー層から形成することができる。レジスト層は、たとえば、ネガティブレジスト材料またはポジティブレジスト材料であることができる。レジスト層は、基板1002上に、および第1の電極1004の上に堆積させることができる。液体堆積技術としては、スピンコーティング、グラビアコーティング、カーテンコーティング、ディップコーティング、スロットダイコーティング、スプレーコーティング、連続ノズルコーティング、連続堆積コーティング、インクジェット印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷、またはそれらの任意の組合せが挙げられる。レジスト層は、紫外(UV)放射線などの放射線に選択的に曝すことによってパターニングすることができる。一実施形態において、レジスト層をスピン堆積させベークする(図示せず)。レジスト層を、マスク(図示せず)を介してUV放射線に曝し、現像し、ベークし、開口部において負の勾配を有する構造を残す。負の勾配は、(1)マスクを使用するときにUVフラッド照射(平行にされない)を用いるか、(2)マスクがレジスト層と放射線源(図示せず)との間にある間、レジスト層を過度に照射することによって達成することができる。いったん形成すると、ウェル構造1410を、ハードベークするか、さらにUV硬化するか、両方を行うことができる。
【0087】
別の例示的な実施形態(図示せず)において、犠牲構造を使用することができる。一実施形態において、犠牲層を堆積させパターニングして、正の勾配を有する犠牲構造を形成する。より特定的な実施形態において、断面図から、犠牲構造は、その後形成されたウェル構造1410と比較して相補的なプロファイルを有する。犠牲層の厚さは、その後形成されたウェル構造と実質的に同じである。一実施形態において、犠牲層を第1の電極1004および基板1002の上に堆積させる。パターニングされたレジスト層を、従来の技術を用いて、犠牲層の上に形成する。1つの特定の実施形態において、従来のレジスト腐食エッチング技術を用いて、傾斜側壁を形成する。別の特定の実施形態において、従来の等方性エッチを用いる。次に、パターニングされたレジスト層を、従来のレジスト除去プロセスを用いて除去する。
【0088】
ウェル構造1410のために使用される別の層を、犠牲構造の上に、および犠牲構造の開口部内に堆積させる。一実施形態において、その他の層は、少なくとも犠牲構造の厚さほど厚い厚さを有する。他の実施形態において、その、他の層は、犠牲層より実質的に厚い。犠牲構造の外側にある他の層の部分を、無機半導体技術の範囲内で従来のものであるエッチングまたは研磨技術を用いて除去する。これらの部分を除去した後、ウェル構造1410を形成する。次に、犠牲構造を除去して、ウェル構造1410内の開口部1412およびチャネル1414を形成する。
【0089】
一実施形態において、ウェル構造および犠牲構造のための材料は、ウェル構造および犠牲構造の一方の材料が、他方の構造と比較して選択的に除去されることを可能にするために、異なっている。例示的な材料としては、金属、酸化物、窒化物、レジスト材料、またはそれらの任意の組合せが挙げられる。犠牲層のための材料は、第1の電極1004への著しい損傷を引起すことなく、基板1002から選択的に除去することができるように選択することができる。本明細書を読んだ後、当業者は、要求または望みを満たす材料を選択することができるであろう。
【0090】
いったん、ウェル構造1410およびチャネル構造1208を形成すると、開口部の底部に沿って露出された第1の電極1004を、UV/オゾンクリーニングなどによってクリーニングすることができる。ウェル構造1410およびチャネル構造1208は、疎水性表面などの、有機層の形成に使用される液体組成物に対して劣って濡れる表面を生じさせるように処理することができる。たとえば、フッ素含有プラズマを用いて、チャネル構造1208およびウェル構造1410の表面を処理することができる。フッ素プラズマは、CF4、C26、NF3、SF6、またはそれらの任意の組合せなどのガスを使用して形成することができる。プラズマプロセスは、直接照射プラズマを含むか、下流プラズマを用いることができる。さらに、プラズマはO2を含むことができる。1つの例示的な実施形態において、フッ素含有プラズマが、約8%のO2などの、0〜20%のO2を含むことができる。
【0091】
1つの特定の実施形態において、カリフォルニア州コンコードのマーチ・プラズマ・システムズ(March Plasma Systems of Concord, California)によるマーチ(March)PX500モデルプラズマ発生器を使用して、プラズマを発生させる。この設備は、フロースルーモードで、穴のあいた接地(grounded)プレート、および浮動基板プレートで構成される。この実施形態において、15cm(6インチ)の浮動基板プレートを、CF4/O2ガス組成物から形成されたプラズマで処理する。ガス組成物は、約92体積%のCF4などの80〜100体積%のCF4と、約8体積%のO2などの0〜20体積%のO2とを含むことができる。基板は、約3分などの2〜5分間、400mTorrなどの300〜600mTorrの圧力で、400Wのプラズマなどの200〜500Wのプラズマを用いて照射することができる。
【0092】
図9および図10は、有機層1722および第2の電極1720を形成した後の断面図の図を含む。たとえば、有機層1722は、1つまたは複数の有機層を含むことができる。図9に示されているような一実施形態において、有機層1722は、電荷輸送層1716と、有機活性層1718とを含む。存在するとき、電荷輸送層1716を、第1の電極1004の上に、かつ有機活性層1718を形成する前に形成する。電荷輸送層1716は多数の目的を果たすことができる。一実施形態において、電荷輸送層1716は正孔輸送層である。示されていないが、付加的な電荷輸送層を有機活性層1718の上に形成することができる。したがって、有機層1722は、有機活性層1718と、電荷輸送層の1つまたは両方とを含むことができるか、電荷輸送層をまったく含まないことができる。電荷輸送層1716、有機活性層1718、および付加的な電荷輸送層の各々は、1つまたは複数の層を含むことができる。別の実施形態において、段階的なまたは連続的に変化する組成物を有する1つの層を、別個の電荷輸送層および有機活性層の代わりに使用することができる。
【0093】
図9および図10に戻ると、電荷輸送層1716および有機活性層1718を第1の電極1004の上に順次形成する。電荷輸送層1716および有機活性層1718の各々を、たとえば、スピンコーティング、グラビアコーティング、カーテンコーティング、ディップコーティング、スロットダイコーティング、スプレーコーティング、連続ノズルコーティング、連続堆積コーティング、インクジェット印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷、キャスティング.蒸着、またはそれらの任意の組合せによって形成することができる。たとえば、有機材料を含む液体組成物を、マイクロノズルなどの1つまたは複数のノズルを通して分配することができる。電荷輸送層1716および有機活性層1718の一方または両方を、付与後、硬化させることができる。
【0094】
この実施形態において、電荷輸送層1716は正孔輸送層である。正孔輸送層は、第1の電極1004が有機活性層1718と直接接触するデバイスと比較して、潜在的に、寿命を増加させ、かつデバイスの信頼性を向上させるために使用することができる。1つの特定の実施形態において、正孔輸送層は、ポリアニリン(「PANI」)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(「PEDOT」)などの有機ポリマー、またはテトラチアフルバレンテトラシアノキノジメタン(TTF−TCQN)などの有機電荷移動化合物を含むことができる。正孔輸送層は、典型的には、約100〜250nmの範囲内の厚さを有する。
【0095】
正孔輸送層は、典型的には、電子が、その後形成された活性領域から除去され、第1の電極1004に移動されることを可能にするために、導電性である。第1の電極1004および任意の正孔輸送層は導電性であるが、典型的には、第1の電極1004の導電性は、正孔輸送層より著しく大きい。
【0096】
有機活性層1718の組成物は、典型的には、有機電子デバイスの用途による。有機活性層1718が放射線放出有機電子デバイスに使用される場合、有機活性層1718の材料は、十分なバイアス電圧が電極層に印加されると、放射線を放出する。放射線放出活性層は、ほとんどいかなる有機エレクトロルミネセンス材料または他の有機放射線放出材料も含有することができる。
【0097】
そのような材料は、小分子材料またはポリマー材料であることができる。小分子材料としては、たとえば、米国特許公報(特許文献1)および米国特許公報(特許文献2)に記載されたものを挙げることができる。あるいは、ポリマー材料としては、米国特許公報(特許文献3)、米国特許公報(特許文献4)、および米国特許公報(特許文献5)に記載されたものを挙げることができる。例示的な材料が、半導性共役ポリマーである。そのようなポリマーの例が、ポリ(フェニレンビニレン)(「PPV」)である。発光材料は、添加剤とともにまたは添加剤なしで、別の材料のマトリックス内に分散させることができるが、典型的には、単独で層を形成する。有機活性層は、一般に、約40〜100nmの範囲内の厚さを有する。
【0098】
有機活性層1718が放射線受容有機電子デバイスに組入れられる場合、有機活性層1718の材料としては、多くの共役ポリマーおよびエレクトロルミネセンス材料を挙げることができる。そのような材料としては、たとえば、多くの共役ポリマーならびにエレクトロルミネセンス材料およびフォトルミネセンス材料が挙げられる。特定の例としては、ポリ(2−メトキシ,5−(2−エチル−ヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン)(「MEH−PPV」)、またはCN−PPVとのMEH−PPV複合体が挙げられる。有機活性層1718は、典型的には、約50〜500nmの範囲内の厚さを有する。
【0099】
示されていないが、任意の電子輸送層を有機活性層1718の上に形成することができる。電子輸送層は、電荷輸送層の別の例である。電子輸送層は、典型的には、電子が、その後形成されたカソードから注入され、有機活性層1718に移動されることを可能にするために、導電性である。その後形成されたカソードおよび任意の電子輸送層は導電性であるが、典型的には、カソードの導電性は、電子輸送層より著しく大きい。
【0100】
1つの特定の実施形態において、電子輸送層は、金属キレート化オキシノイド(oxinoid)化合物(たとえば、Alq3);フェナントロリンベースの化合物(たとえば、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(「DDPA」)、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(「DPA」));アゾール化合物(たとえば、2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(「PBD」)、3−(4−ビフェニル)−4−フェニル−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(「TAZ」);またはそれらの任意の1つまたは複数の組合せを含むことができる。あるいは、任意の電子輸送層は、無機であり、かつ、BaO、LiF、またはLi2Oを含むことができる。電子輸送層は、典型的には、約30〜500nmの範囲内の厚さを有する。
【0101】
電荷輸送層1716、有機活性層1718、および付加的な電荷輸送層の任意の1つまたは複数を、1つまたは複数の液体媒体を含む液体組成物として付与することができる。疎水性表面および親水性表面は、液体組成物中の液体媒体に対して特定的である。一実施形態において、液体組成物は、たとえば、アルコール、グリコール、グリコールエーテル、またはそれらの任意の組合せを含む共溶媒を含むことができる。有機活性層液体媒体のための溶媒を、電荷輸送層1716を溶解しないように選択することができる。あるいは、溶媒を、電荷輸送層1716がその溶媒に可溶性または部分的に可溶性であるように選択することができる。
【0102】
特定の実施形態において、ウェル構造1410の負の勾配は、毛管効果を引起し、有機層1722の液体組成物を開口部1412の周囲に引寄せる。いったん硬化させると、有機活性層1722は、第1の電極1004などの、開口部1412内の1つまたは複数の下にある層を被覆する。
【0103】
第2の電極1720を、この実施形態において、電荷輸送層1716と、有機活性層1718とを含む有機層1722の上に形成する。一実施形態において、層を蒸着して、導電性部材1824をウェル構造1410上に形成し、かつ第2の電極1720を有機活性層1718の上におよびチャネル構造1208の部分の上に形成する。第2の電極1720と導電性部材1824との間の高さの差は、それらを接続されないようにする。図9に示されているように、第2の電極1720は、開口部1412内の層、およびチャネル構造1208の部分の上にある。開口部1412内の有機層1722の上にある第2の電極1720の部分、およびチャネル構造1208の部分の上にある第2の電極1720の部分は、互いに接続されて、電気的に連続した構造を形成する。あるいは、層を、ステンシルマスクを使用して堆積させて、第2の電極1720を形成することができる。従来の蒸着技術またはスパッタリング技術を用いて、第2の電極1720を形成する。
【0104】
一実施形態において、第2の電極1720はカソードとして作用する。有機層1718に最も近い第2の電極1720の層を、1族金属(たとえば、Li、Cs)、2族(アルカリ土類)金属、ランタニド、アクチニドの任意の1つまたは複数を含む希土類金属、またはそれらの任意の組合せから選択することができる。第2の電極1720および導電性部材1824は、約300〜600nmの範囲内の厚さを有する。1つの特定の非限定的な実施形態において、約10nm未満のBa層、次いで、約500nmのAl層を、堆積させることができる。Al層は、第1の電極1004に関して先に説明されたように、金属および金属合金のより多くのうちのいずれか1つと取替えることができるか、金属および金属合金のより多くのうちのいずれか1つと関連して使用することができる。
【0105】
図9および図10に示されているように、第1の電極1004、有機層1722、および第2の電極1720を含む有機電子構成要素は、駆動回路1006を介してアドレス可能である。たとえば、第2の電極1720の各々、および1つの選択された駆動回路1006を横切って電位を与えることが、1つの有機電子構成要素を活性化する。
【0106】
カプセル化層(図示せず)をアレイならびに周辺回路および遠隔回路の上に形成して、電子ディスプレイ、放射線検出器、または光起電力セルなどの、実質的に完成した電気デバイスを形成することができる。カプセル化層を、それと基板との間に有機層がないように、レールに取付けることができる。放射線を、カプセル化層を透過させることができる。その場合、カプセル化層は、放射線に対して透明でなければならない。
【0107】
(4.他の実施形態)
電子デバイスを、代わりに、図11に示されているように、チャネル構造の形成なしで、形成することができる。ウェル構造1910は、開口部1912およびチャネル1914を画定する。チャネル1914の幅は、液体組成物ウィッキングを制限し、かつ液体組成物流動を制限するように調整することができる。一般に、より狭いチャネルが、よりウィッキングをもたらしやすく、より広いチャネルが、液体組成物流動を助ける。中くらいの幅のチャネルが、液体ウィッキングおよび液体組成物流動の両方を制限する。さらなる例示的な実施形態において、ウェル構造1910を、1つを超える層または構造から形成することができる。
【0108】
図12に示された別の例示的な実施形態において、ウェル構造2010によって規定されるような開口部2012を、対角線チャネル2014を使用して接続することができる。チャネル構造2008は、対角線チャネル2014内に少なくとも部分的にあることができる。あるいは、開口部およびチャネルは、図13、図14、および図15の平面図の図に含まれるパターンなどの、任意の1つまたは複数のパターンを形成することができる。たとえば、図13に示されているように、開口部2102は円形であることができ、チャネル2104は、列に沿って開口部2102を接続することができる。図14に示された別の例において、楕円形、カプセル形、またはピル形開口部であることができる開口部2202は、それらの主軸が、列に対してある角度で斜めにされ、チャネル2204によって列の方向に接続される。図15に示されたさらなる例において、開口部2302を、チャネル2304を含む三角形格子で接続することができる。
【0109】
図2〜10に示されたプロセスによって形成された電子デバイスは、アクティブマトリックスデバイスである。代替実施形態において、電子デバイスは、パッシブマトリックスデバイスであることができる。図16は、例示的なパッシブマトリックスデバイスを示す。たとえば、第1の電極2404の平行なストリップが、基板の上にあることができる。図16において、第1の電極2404は、水平方向に延在する長さを有し、かつ最も広い箇所における開口部の下にある。チャネル構造2406およびウェル構造2408は、一般に第1の電極2404に垂直に形成される第2の電極2410の形成を促進するパターンで形成することができる。あるいは、第1の電極2404の平行なストリップは、図16に示されたウェル構造の下にあることができ、チャネルおよび第2の電極2410は、開口部を水平に接続することができる。
【0110】
さらなる実施形態において、電子デバイスを形成するためのプロセスを、センサアレイ、光検出器、光伝導セル、フォトレジスタ、フォトスイッチ、フォトトランジスタ、光電管、IR検出器、バイオセンサ、光起電力装置、または太陽電池などの放射線応答デバイスを製造する際に用いることができる。放射線応答デバイスは、透明な基板と、透明な基板側の電極とを含むことができる。あるいは、放射線応答デバイスは、透明な上にある電極を含むことができる。
【0111】
さらなる実施形態において、電子デバイスを形成するためのプロセスを、無機デバイスのために用いることができる。一実施形態において、無機層を形成するための液体組成物が、使用され、負の勾配を有する同じまたは他の構造に隣接した液体組成物のより良好な被覆を可能にすることができる。
【0112】
(5.利点)
1つの特定の実施形態において、開口部と、チャネルと、任意にチャネル構造とを含むパターニングされたウェル構造は、隣接した有機電子構成要素の間の導電経路を提供する電極の形成を促進する。これらの構造は、カソードなどの電極を形成するのに有用な垂直入射角堆積技術と適合性がある。典型的には、これらの堆積技術は、より高価でなく、いくつかの例において、より迅速であり、より高価でない電子デバイスおよび向上された製造速度をもたらす。
【0113】
一般的な説明または例において上で説明された活動のすべてが必要とされるわけではなく、特定の活動の一部を必要としなくてもよく、説明されたものに加えて、さらなる活動を行ってもよいことに留意されたい。さらに、活動の各々が記載された順序は、必ずしも、それらが行われる順序ではない。本明細書を読んだ後、当業者は、どんな活動を特定の要求または望みのために用いることができるかを定めることができるであろう。
【0114】
先の明細書において、本発明を特定の実施形態に関して説明した。しかし、当業者は、特許請求の範囲に記載されるような本発明の範囲から逸脱することなく、さまざまな修正および変更を行うことができることを理解する。したがって、明細書および図は、限定的な意味ではなく例示的な意味でみなされるべきであり、そのような修正はすべて、本発明の範囲内に含まれることが意図される。
【0115】
利益、他の利点、および問題の解決策を、特定の実施形態に関して上述した。しかし、利益、利点、問題の解決策、および、いかなる利益、利点、または解決策が生じるかより顕著になることを引起し得るいかなる要素も、特許請求の範囲のいずれかまたはすべての、重要な、必要な、または本質的な特徴または要素と解釈されるべきではない。
【0116】
明確にするため、別個の実施形態に関連して上でおよび下で説明される本発明のいくつかの特徴を、また、1つの実施形態で組合せで提供することができることが理解されるべきである。逆に、簡潔にするため、1つの実施形態に関連して説明される本発明のさまざまな特徴を、また、別個に、または任意のサブコンビネーションで提供することができる。さらに、範囲内に記載された値への言及は、その範囲内のどの値も含む。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】例示的なウェル構造の平面図を含む。
【図2】基板の上に電極を形成した後の基板の一部の平面図を含む。
【図3】基板の上に電極を形成した後の基板の一部の断面図を含む。
【図4】基板の上にチャネル構造を形成した後の図2の基板の部分の平面図を含む。
【図5】基板の上にチャネル構造を形成した後の図3の基板の部分の断面図の図を含む。
【図6】基板の上のウェル構造の形成後の、図4および図5の基板の部分の平面図を含む。
【図7】基板の上のウェル構造の形成後の図4の基板の部分の断面図を含む。
【図8】基板の上のウェル構造の形成後の図5の基板の部分の断面図を含む。
【図9】ウェル構造の上に電極を形成した後の図7の基板の部分の断面図を含む。
【図10】ウェル構造の上に電極を形成した後の図8の基板の部分の断面図を含む。
【図11】基板の一部の上にある例示的なウェル構造の平面図の図を含む。
【図12】基板の一部の上にある例示的なウェル構造の平面図の図を含む。
【図13】基板の一部の上にある例示的なウェル構造の平面図の図を含む。
【図14】基板の一部の上にある例示的なウェル構造の平面図の図を含む。
【図15】基板の一部の上にある例示的なウェル構造の平面図の図を含む。
【図16】基板の一部の上にある例示的なウェル構造の平面図の図を含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の上にあり、かつ開口部のアレイを画定するウェル構造であって、
断面図から、前記ウェル構造が、前記開口部において、負の勾配を有し、
平面図から、各開口部が有機電子構成要素に対応し、前記開口部のアレイ内の各開口部が幅を有し、
前記開口部のアレイ内の2つのすぐ隣接した開口部が、各開口部の幅より小さい幅を有するチャネルによって接続される、ウェル構造とを含むことを特徴とする電子デバイス。
【請求項2】
前記2つのすぐ隣接した開口部内に、および前記チャネル内にある電極であって、前記電極に沿って、前記2つのすぐ隣接した開口部の間の導電経路を提供する電極をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項3】
前記電極が、前記開口部のアレイのベクトルに沿って、有機電子構成要素間の導電経路を形成することを特徴とする請求項2に記載の電子デバイス。
【請求項4】
前記アレイ内の各開口部が長さを有し、前記長さが前記幅に実質的に垂直であり、前記幅が前記長さ以下であることを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項5】
前記基板の上にあるチャネル構造であって、平面図から、前記チャネル構造が、前記2つのすぐ隣接した開口部の間に、および前記チャネル内に配置される、チャネル構造をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項6】
断面図から、前記チャネル構造が正の勾配を有することを特徴とする請求項5に記載の電子デバイス。
【請求項7】
断面図から、前記チャネル構造の高さが、前記ウェル構造の高さより低いことを特徴とする請求項5に記載の電子デバイス。
【請求項8】
前記ウェル構造の一部が、前記チャネル構造の一部の上にあることを特徴とする請求項5に記載の電子デバイス。
【請求項9】
前記チャネル構造の表面が疎水性であることを特徴とする請求項5に記載の電子デバイス。
【請求項10】
基板と、
前記基板の上にあり、かつ開口部のアレイを画定する第1の構造であって、
断面図から、前記第1の構造が、前記開口部において、負の勾配を有し、
平面図から、各開口部が有機電子構成要素に対応し、
2つのすぐ隣接した開口部が、チャネルによって接続される、第1の構造と、
前記基板の上にあり、かつ、前記2つのすぐ隣接した開口部の間に、および前記チャネル内に配置された第2の構造とを含むことを特徴とする電子デバイス。
【請求項11】
断面図から、前記第2の構造が正の勾配を有することを特徴とする請求項10に記載の電子デバイス。
【請求項12】
断面図から、前記第2の構造の高さが、前記第1の構造の高さより低いことを特徴とする請求項10に記載の電子デバイス。
【請求項13】
前記2つのすぐ隣接した開口部内にあり、かつ前記第2の構造の上にある電極であって、前記電極に沿って、前記2つのすぐ隣接した開口部の間の導電経路を提供する電極をさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の電子デバイス。
【請求項14】
前記第2の構造の表面が疎水性であることを特徴とする請求項10に記載の電子デバイス。
【請求項15】
前記有機構成要素が、実質的に各開口部内にある有機活性層を含むことを特徴とする請求項10に記載の電子デバイス。
【請求項16】
各開口部が幅を有し、前記チャネルの幅が、各開口部の幅より小さいことを特徴とする請求項10に記載の電子デバイス。
【請求項17】
電子デバイスを形成するための方法であって、
基板の上にウェル構造を形成する工程であって、前記ウェル構造が開口部のアレイを規定し、
断面図から、前記ウェル構造が、前記開口部において、負の勾配を有し、
平面図から、各開口部が有機電子構成要素に対応し、
前記開口部のアレイ内の各開口部が幅を有し、
前記開口部のアレイ内の2つのすぐ隣接した開口部が、各開口部の幅より小さい幅を有するチャネルによって接続される工程と、
前記開口部内に有機活性層を堆積させる工程とを含むことを特徴とする方法。
【請求項18】
前記2つのすぐ隣接した開口部内にあり、かつ前記チャネル内にある電極を形成する工程であって、前記2つのすぐ隣接した開口部内にあり、かつ前記チャネル内にある前記電極の部分が、互いに接続され、前記電極が、前記電極に沿って、前記2つのすぐ隣接した開口部の間の導電経路を形成する工程をさらに含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
チャネル構造を形成する工程であって、平面図から、前記チャネル構造が、前記2つのすぐ隣接した開口部の間に、および前記チャネル内に配置される工程をさらに含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記チャネル構造の表面を処理して、前記表面を疎水性にする工程をさらに含むことを特徴とする請求項19に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2008−527635(P2008−527635A)
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−549666(P2007−549666)
【出願日】平成17年12月29日(2005.12.29)
【国際出願番号】PCT/US2005/047514
【国際公開番号】WO2006/072019
【国際公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】