説明

電子デバイス、撮像装置、撮像システムおよびプログラム

【課題】電子デバイスがデータ通信可能になる前に、種々の情報を通信すること。
【解決手段】電子デバイスは、電子機器との間でデータ通信を行う。電子デバイスは、当該データ通信を行うデータ通信部と、電子デバイスに電力が供給されてからデータ通信部によるデータ通信が可能になるまでの間に、電子機器との間で情報を通信する情報通信部とを備える。電子デバイスは、データ通信を行うデータ通信部と、電子デバイスに電力が供給されてからデータ通信が可能になるまでに要する時間である所要時間を、電子機器に伝送するべく記憶する所要時間記憶部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子デバイス、撮像装置、撮像システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ホスト−カード間対話を監視することによってホスト−カード間対話のクロックレートを判断して、カードのシステムクロックレートを調整する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特表2008−518283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
電子デバイスが外部との間でデータ通信が可能になるには、電子デバイス内のデータ通信を担うICチップ、メモリ素子等の内部回路が初期化される必要がある。電子デバイスと通信する電子機器は、電子デバイスの内部回路の初期化が完了するまで通信を待つ必要があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様においては、電子デバイスは、電子機器との間でデータ通信を行う電子デバイスであって、データ通信を行うデータ通信部と、電子デバイスに電力が供給されてからデータ通信部によるデータ通信が可能になるまでの間に、電子機器との間で情報を通信する情報通信部と、を備える。
【0005】
本発明の第2の態様においては、電子デバイスは、電子機器との間でデータ通信を行う電子デバイスであって、データ通信を行うデータ通信部と、電子デバイスに電力が供給されてからデータ通信が可能になるまでに要する時間である所要時間を、電子機器に伝送するべく記憶する所要時間記憶部と、を備える。
【0006】
本発明の第3の態様においては、電子デバイスは、電子機器との間でデータ通信を行うデータ通信部と、電子機器から供給可能な電力を識別する情報を電子機器から伝送する情報伝送端子と、電力に応じて、データ通信部を制御する制御部と、を備える。
【0007】
本発明の第4の態様においては、撮像装置は、電子デバイスに画像データを転送する撮像装置であって、撮像部と、撮像部が撮像した画像の画像データを一時的に記憶する内部メモリと、電子デバイスが画像データの転送を開始するまでの間に実行する初期化処理に要する時間である所要時間を、電子デバイスから取得する所要時間取得部と、内部メモリに画像データを記憶することができる記憶可能容量および所要時間に基づいて、撮像部が連続して撮像することができる画像数を算出する算出部と、を備える。
【0008】
本発明の第5の態様においては、撮像装置は、電子デバイスに画像データを転送する撮像装置であって、撮像部と、撮像部が撮像した画像の画像データを一時的に記憶する内部メモリと、電子デバイスが画像データの転送を開始するまでの間に実行する初期化処理に要する時間である所要時間を、電子デバイスから取得する所要時間取得部と、内部メモリに画像データを記憶することができる記憶可能容量、所要時間および電子デバイスへのデータ転送速度に基づいて、撮像部が連続して撮像することができる撮影速度を算出する算出部と、を備える。
【0009】
本発明の第6の態様においては、撮像システムは、上記撮像装置と、上記電子デバイスと、を備える。
【0010】
本発明の第7の態様においては、プログラムは、撮像部により撮像された画像の画像データを内部メモリに一時的に記憶するステップと、電子デバイスが画像データの転送を開始するまでの間に実行する初期化処理に要する時間である所要時間を、電子デバイスから取得するステップと、内部メモリに画像データを記憶することができる記憶可能容量および所要時間に基づいて、撮像部が連続して撮像することができる画像数を算出するステップと、をコンピュータに実行させる。
【0011】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】一実施形態に係る撮像装置10の要部断面図である。
【図2】撮像装置10のシステム構成を概略的に示すブロック図である。
【図3】メモリカード100のブロック構成の一例を示す。
【図4】撮像装置10の起動から終了までの処理フローを示す。
【図5】メモリカード100の初期化に関する処理フローを示す。
【図6】メモリカード100における初期動作の一例を示す。
【図7】供給可能電力を決定するパラメータの一例をテーブル形式で示す。
【図8】メモリカード100が記憶する初期化情報の一例をテーブル形式で示す。
【図9】画像データの伝送経路の一例を模式的に示す。
【図10】連写撮影のタイムシーケンスの一例を示す。
【図11】連写撮影のタイムシーケンスの他の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0014】
図1は、一実施形態に係る撮像装置10の要部断面図である。撮像装置10は、レンズユニット20がカメラユニット30に装着されて、撮像装置として機能する。カメラユニット30には、焦点距離、開放F値等の異なる複数のレンズユニット20が、交換レンズとして交換可能に装着される。
【0015】
レンズユニット20は、光軸11に沿って配列され鏡筒26に支持されたレンズ群21と、絞り装置28とを備える。撮像レンズの一例としてのレンズ群21は、入射される被写体光束をカメラユニット30へ導く。図においては、レンズ群を構成するレンズとして前玉22および後玉23の他に、フォーカスレンズ24、ズームレンズ25等が含まれる。フォーカスレンズ24、ズームレンズ25は、それぞれ焦点調整、画角調整の指示に応じて光軸方向に移動できるように構成されている。
【0016】
鏡筒26は、レンズ回路基板27を支持しており、レンズ回路基板27は、レンズユニット20を制御する各種回路の電子素子等を搭載している。レンズユニット20は、カメラユニット30との接続部にレンズマウント29を備え、カメラユニット30が備えるカメラマウント31と係合して、カメラユニット30と一体化する。レンズマウント29とカメラマウント31はそれぞれ通信端子を備えており、マウント同士が係合したときに互いの通信端子が接続される。これにより、レンズ回路基板27に搭載された各種回路、電子素子等は、カメラユニット30側と電気的に接続される。カメラユニット30は、カメラユニット30およびレンズユニット20の通信端子を介して、レンズユニット20の固有情報のデータを、レンズユニット20から取得する。
【0017】
カメラユニット30は、レンズユニット20から入射される被写体光束を反射するメインミラー32と、メインミラー32で反射された被写体光束が結像するピント板33を備える。メインミラー32は、ミラーボックス35の内部でメインミラー回転軸34周りに揺動して、光軸11を中心とする被写体光束中に斜設される反射状態と、被写体光束から退避する退避状態を取り得る。サブミラー40は、メインミラー32が被写体光束から退避する場合は、メインミラー32に連動して被写体光束から退避する。メインミラー回転軸34は、ミラーボックス35の側壁に支持される。
【0018】
操作入力部の一部としてのライブビューボタンが押し下げられた場合、または、操作入力部の一部としてのレリーズボタンが最下部まで押し下げられた場合、図の破線で示した退避状態を取る。例えば、メインミラー32は、被写体光束中に斜設された状態で、ライブビューボタンが押し下げられた場合またはレリーズボタンが最下部まで押し下げられた場合、破線で示した退避位置に移動する。ライブビューボタンが押し下げられた場合、メインミラー32は、再度ライブビューボタンが押し下げられるまで退避位置に留まる。一方、レリーズボタンが押し下げられた場合は、所定の撮像動作を終えると、メインミラー32はダウンされ元の斜設状態の位置に戻される。
【0019】
シャッタの一例としてのフォーカルプレーンシャッタ43および撮像素子36は、光軸11に沿って配列されている。したがって被写体光束は、レンズ群21を透過してカメラユニットへ入射し、メインミラー32およびサブミラー40が退避状態となったミラーボックス35の内部と開放状態のフォーカルプレーンシャッタ43を通過して、撮像素子36の受光面で結像する。すなわち、この被写体光束の光路が撮影光路となる。フォーカルプレーンシャッタ43および撮像素子36は、撮像部の一部を構成する。
【0020】
撮像素子36は、受光面で結像した被写体像を電気信号として出力する複数の光電変換素子を有する。撮像素子36としては、CMOSセンサ等を例示することができる。撮像素子36は、メイン基板50と電気的に接続されている。メイン基板50には、撮像装置10全体を制御するMPU51、ASIC72等の電気素子が搭載されている。
【0021】
ASIC72は、被写体像の電気信号から画像データを生成する。また、ASIC72は、画像データから、1以上の画像領域、例えば予め定められた複数の焦点調整領域毎にコントラスト量を算出する。フォーカスレンズ24の位置は、MPU51等の制御によって、コントラスト量に基づき決定された目標位置に向けて制御される。また、MPU51は、位相差検出信号を相関演算することでフォーカスレンズ24の焦点状態を検出する。MPU51は、焦点状態に基づきフォーカスレンズ24の目標位置を決定し、決定した目標位置に向けてフォーカスレンズ24を制御する。
【0022】
カメラユニット30の背面には液晶モニタ等による表示部53が配設されている。表示部53は、ASIC72が被写体像の電気信号から生成した表示用画像データを用いて、被写体像を表示する。表示部53は、撮像後の静止画像に限らず、各種メニュー情報、撮像情報、告知情報等を表示する。ライブビュー時には、上述の焦点調節をしながら、撮像素子36の受光面に結像した被写体像の電気信号から表示用画像データが生成され、生成した表示用画像データに従って、表示部53が被写体像を表示する。
【0023】
ピント板33は、撮像素子36の受光面と共役の位置に配置されている。ピント板33で結像した被写体像は、ペンタプリズム37で正立像に変換され、接眼光学系38を介してユーザに観察される。また、ペンタプリズム37の射出面上方にはAEセンサ39が配置されており、被写体像の輝度分布を検出する。
【0024】
斜設状態におけるメインミラー32の光軸11の近傍領域は、ハーフミラーとして形成されており、入射される被写体光束の一部が透過する。透過した被写体光束は、メインミラー32と連動して揺動するサブミラー40で反射されて、合焦光学系41へ導かれる。合焦光学系41を通過した被写体光束は、合焦センサ42へ入射される。合焦センサ42は、受光した被写体光束から位相差信号を出力する複数の光電変換素子列を有する。合焦センサ42は、被写体像の特定の領域に対応して設けられる複数の焦点調整領域のそれぞれにおいて、合焦状態、前ピン状態、後ピン状態を検出でき、前ピン状態、後ピン状態の場合には、合焦状態からのずれ量も検出することができるように構成されている。すなわち、メインミラー32がダウンし斜設状態にある場合、合焦センサ42からの出力を用いて、位相差検出方式で焦点状態を検出して焦点調節することができる。
【0025】
また、カメラユニット30には電源部54が設けられる。電源部54は、カメラユニット30に限らず、レンズユニット20にも電力を供給する。電源部54は、着脱可能な二次電池を含むことができる。電源部54は、商用電源等の外部電源から電力を受け取って電力を供給してよい。
【0026】
図2は、撮像装置10のシステム構成を概略的に示すブロック図である。撮像装置10のシステムは、レンズユニット20とカメラユニット30のそれぞれに対応して、駆動ドライバ73を含むレンズ制御系と、MPU51を中心とするカメラ制御系により構成される。そして、レンズ制御系とカメラ制御系は、レンズマウント29とカメラマウント31によって接続される通信端子を介して、相互に各種データ、制御信号の授受を行う。
【0027】
操作入力部60は、レリーズボタン、ライブビューボタン等の操作入力部60がユーザに操作されたことを検出して、操作信号をMPU51へ出力する。操作入力部60の一部は、表示部53の一部とともにタッチパネルとして実装されてよい。
【0028】
MPU51は、操作信号に従って、撮像装置10の各部を制御する。例えば、MPU51は、レリーズボタンの押し下げを検出すると、メインミラー32を斜設状態として、フォーカルプレーンシャッタ43を制御して撮像素子36で露光する。
【0029】
撮像素子36が、出力したアナログの撮像信号は、アナログ処理部70で前処理されて、AD変換部71でデジタルの撮像信号に変換される。アナログ処理部70は、アナログフロントエンドとして機能するアナログ処理回路で実装される。AD変換部71から出力されたデジタルの撮像信号は、画像データとしてASIC72で処理される。SDRAM58は、ASIC72が処理中の画像データを一時的に保管するワークメモリとしての役割等を担う。
【0030】
例えば、ASIC72は、表示用の画像データを生成する。生成された表示用の画像データは、撮像後の一定時間の間、表示部53に表示される。これに並行して、ASIC72は、画像データを予め定められた画像フォーマットに加工して記録用の画像データを生成する。ASIC72は、記録用の画像データを、SDRAM58に一時的に記憶する。
【0031】
SDRAM58に記憶されている記録用の画像データは、記録媒体IF56を介して、不揮発性メモリの一例としてのメモリカード100に転送され記録される。また、SDRAM58に記憶されている画像データは、外部機器IF55から出力される。外部機器IF55としては、USB機器に記録用の画像データを出力するためのUSBIFを含む。USB機器としては、パーソナルコンピュータ等を例示することができる。外部機器IF55としては、USB−IFの他、HDMI機器へ表示用の画像データをデータ出力するためのHDMI−IF、外部表示機器へ表示用の画像データを映像信号として出力するための表示出力IF等を含む。
【0032】
図3は、メモリカード100のブロック構成の一例を、撮像装置10の接続端子とともに示す。メモリカード100は、接続端子320と、通信回路330、コントローラ340、初期化情報記憶部350、メモリ部360、電力制御部370を有する。
【0033】
接続端子320は、供給電力取得端子322、情報通信端子324、データ通信端子326および給電端子328を含む。通信回路330は、撮像装置10との間のデータ通信を担う。通信回路330は、例えば、PHYチップ332およびLINKチップ334を含む。PHYチップ332は、データ通信における物理層の通信を担う電子回路である。LINKチップ334は、リンク層の通信を担う電子回路である。一例として、通信回路330は、PCI Express規格に準拠してデータ通信を行う。
【0034】
メモリ部360は、複数のフラッシュメモリ380−1〜Nを含む。複数のフラッシュメモリ380−1〜Nを、フラッシュメモリ380と総称する場合がある。フラッシュメモリ380としては、NAND型のフラッシュメモリを例示することができる。撮像装置10との間で通信されるデータを記憶するための不揮発性メモリの一例である。PHYチップ332、LINKチップ334、フラッシュメモリ380は、動作を開始するまでに初期化を要する電子回路の一例である。
【0035】
接続端子320は、撮像装置10の接続端子310と接続される。接続端子310は、供給電力通知端子312、情報通信端子314、データ通信端子316および給電端子318を含む。なお、各端子は複数の端子を有してよい。例えば、情報通信端子314、データ通信端子316、情報通信端子324およびデータ通信端子326は、複数の端子を有してよい。
【0036】
給電端子328は、電源部54からの電力を給電端子328に供給する。供給電力通知端子312は、メモリカード100に供給可能な電力である供給可能電力を示す情報をメモリカード100へ伝送する端子である。供給電力取得端子322は、供給可能電力を取得する。情報通信端子324は、メモリカード100に電力が供給されてから複数の電子回路が初期化されるまでに要する時間である初期化時間を、撮像装置10に送信するための端子である。供給電力取得端子322および情報通信端子324は、メモリカード100に電力が供給されてからデータ通信部によるデータ通信が可能になるまでの間に、撮像装置10との間で情報を伝送する情報通信部の一部をなす端子である。
【0037】
通信回路330、メモリ部360が有する電子回路は、データ通信を行うデータ通信部の一部を構成する。コントローラ340は、撮像装置10から取得した情報に基づいて、通信回路330、メモリ部360が有する電子回路を初期化して、撮像装置10との間のデータ通信を可能にする。具体的には、コントローラ340は、供給可能電力に応じて、電子回路の初期化を制御する。具体的には、コントローラ340は、供給可能電力が大きいほど、より多くの電子回路を並列に初期化する。例えば、コントローラ340は、電力制御部370に各電子回路をそれぞれ駆動させて並列に初期化する。このため、メモリカード100は、供給可能電力が大きいほど、短時間で初期化される。したがって、メモリカード100は、供給可能電力が大きいほど、短時間でデータ通信を開始することが可能となる。また、コントローラ340は、データ通信部で通信されるデータを記憶するための不揮発性メモリの空き容量を、情報通信端子324を介して撮像装置10に送信してよい。不揮発性メモリの空き容量は、撮像装置10の動作終了時等に、フラッシュメモリ380の予め定められたメモリブロックに格納されてよい。不揮発性メモリの空き容量によって、連写可能枚数の上限値が定まる。
【0038】
初期化情報記憶部350は、メモリカード100に供給される複数の電力値に対応づけて初期化時間を記憶する。初期化情報記憶部350はROMで実装されてよい。コントローラ340は、供給可能電力の値に対応して初期化情報記憶部350に記憶されている初期化時間を、情報通信端子324を介して撮像装置10に送信する。また、初期化情報記憶部350は、並列して初期化する電子回路を、複数の電力値に対応づけて記憶する。コントローラ340は、供給可能電力の値に対応して初期化情報記憶部350に記憶されている情報に従って、複数の電子回路を初期化する。
【0039】
コントローラ340は、電子回路の初期化に先だって供給可能電力を取得して、供給可能電力が大きいほど多くの電子回路を並列に初期化する。このため、供給可能電力が大きいほど、初期化時間を短縮することができる。また、コントローラ340は、電子回路の初期化に先だって、初期化時間を撮像装置10に通知することができる。このため、撮像装置10は、初期化時間を考慮して撮像動作を制御することができる。例えば、連続して撮像することができる画像数を、予めユーザに提示することができる。
【0040】
図4は、撮像装置10の起動から終了までの処理フローを示す。本フローは、操作入力部60の一部としての電源ボタンがONされた場合に、開始される。本フローは、特に断らない限り、MPU51が主体となって撮像装置10の各部を制御することにより実行される。
【0041】
ステップS400において、MPU51は、初期設定を開始する。例えば、MPU51は、撮像装置10を制御するための各種パラメータ等を、システムメモリ57からSDRAM58に展開する。そして、MPU51は、例えば撮像モードスイッチ等を含む操作入力部60の状態、および、展開された各種パラメータに基づき、撮像装置10の各部の動作条件を設定する。例えば、撮像モードスイッチの位置に応じて、撮像モードを設定する。撮像モードとしては、撮像素子36で連続して画像を撮像する撮像モードを含む。撮像モードスイッチが連写モードの位置にある場合に、連写撮影の撮影速度である連写速度のデフォルト値を設定する。連写速度とは、単位時間あたりに撮像する画像数を示す。また、MPU51は、連写撮影において連続して撮像することができる画像数である連写可能枚数を算出する。なお、初期設定の一部の処理については、図5に関連して後述する。
【0042】
続いて、ステップS402において、表示部53に設定結果を表示する。例えば、MPU51は、ステップS402で設定した撮像モード、連写撮影の撮影速度、連写可能枚数を、表示部53に表示させる。
【0043】
続いて、ステップS404において、MPU51は、操作入力部60に対するユーザ指示を判断する。ユーザ指示が諸設定を実行する指示である場合、MPU51が主体となって、指示された設定処理を行う(ステップS406)。設定処理としては、撮像モードを設定する処理、撮像条件を設定する処理、画像処理条件を設定する処理等を例示することができる。ここで、連写撮影モード用の設定として、連写撮影の撮影速度のデフォルト値を設定してよい。また、連写撮影モード用の動作設定として、連写速度を自動調節するか否かを設定してよい。連写撮影の撮影速度を自動調節する動作モードを、連写速度自動調節モードと呼ぶ。
【0044】
ステップS404において、ユーザ指示が撮影実行に関する指示であると判断された場合、撮像実行に関する処理を行う(ステップS412)。撮影実行に関する指示としては、ライブビューボタン、動画撮影ボタン、レリーズボタンに対する操作等を例示することができる。撮像モードが連写撮影に設定されている場合、MPU51は、レリーズボタンが押下されている間、設定された連写速度で撮像素子36に連続して画像を撮像させる。
【0045】
ステップS404におけるユーザ指示が画像の再生を実行する指示である場合、再生処理を実行する(ステップS422)。再生処理としては、記録媒体に記録された画像をサムネイル表示する処理、ユーザにより指示された画像を表示する処理等を例示することができる。
【0046】
ステップS406、ステップS412、ステップS422の処理が完了すると、ステップS408に進み、電源をOFFするか否かを判断する。例えば、電源ボタンがOFF位置に切り替えられた場合や、電源がONされてから予め定められた期間、ユーザ指示無しの状態が継続した場合等に、電源をOFFすると判断する。電源をOFFすると判断した場合は動作を終了し、電源をOFFしないと判断した場合はステップS404に処理を移行させる。
【0047】
図5は、メモリカード100の初期化に関する処理フローを示す。本処理フローは、ステップS400の一部の処理として実行される。本フローは、特に断らない限り、MPU51が主体となって撮像装置10の各部を制御することにより実行される。
【0048】
ステップS502において、メモリカード100への電力供給を開始する。例えば、電源部54からの電力供給ラインを給電端子318に接続することにより、給電端子318および給電端子328を介するメモリカード100への電力供給を可能にする。
【0049】
ステップS504において、メモリカード100への供給可能電力を、メモリカード100に通知する。具体的には、MPU51は、供給電力通知端子312および供給電力取得端子322を介して、供給可能電力を電気信号により通知する。供給可能電力を決定するパラメータについては、図7に関連して説明する。
【0050】
ステップS506において、初期化時間、メモリカード100が保証するデータ転送速度、空き容量を含む初期化情報をメモリカード100から取得する。具体的には、MPU51は、情報通信端子324および情報通信端子314を介して、初期化情報を電気信号により取得する。メモリカード100による初期化情報の設定については、図7に関連して説明する。
【0051】
ステップS508において、連写速度を自動調節するか否かを判断する。例えば、MPU51は、連写速度自動調節モードに設定されているか否かを判断する。
【0052】
ステップS508の判断において連写速度を自動調節しないと判断した場合、連写可能枚数を算出する(ステップS510)。例えば、MPU51は、デフォルトの連写速度を用いて、連写可能枚数を算出する。ここで、MPU51は、異なる複数の連写速度のそれぞれについて連写可能枚数を算出してもよい。なお、連写可能枚数は、メモリカード100の空き容量により上限値が定められる。MPU51は、当該上限値を上限として、連写可能枚数を算出する。連写可能枚数の算出については、図10、図11等に関連して説明する。
【0053】
ステップS508の判断において連写速度を自動調節すると判断した場合、連写速度を算出する(ステップS512)。具体的には、MPU51は、SDRAM58に画像データを一時的にバッファリングするメモリ領域として確保された容量である記憶可能容量、ステップS506で取得した初期化情報を用いて、連写速度を算出する。連写速度の算出については、図10、図11等に関連して説明する。
【0054】
ステップS510、ステップS512の処理が完了すると、本処理フローを終了する。ステップS510で算出された連写可能枚数、ステップS512で算出された連写速度は、図4のステップS404において、表示部53に表示される。したがって、ユーザは、電源をONした場合に、メモリカード100が初期化される前に、連写可能枚数または連写速度を確認することができる。
【0055】
図6は、メモリカード100における初期動作の一例を示す。本フローは、撮像装置10からメモリカード100に電力供給が可能になった場合に、開始される。具体的には、図5のステップS502の処理によって、本フローが開始される。本フローは、特に断らない限り、コントローラ340が主体となってメモリカード100の各部を制御することにより実行される。
【0056】
ステップS602において、撮像装置10から供給された電力を用いてコントローラ340が起動する。続いて、コントローラ340は、供給可能電力を取得する(ステップS604)。具体的には、コントローラ340は、供給電力通知端子312および供給電力取得端子322を介して、供給可能電力を電気信号により取得する。
【0057】
ステップS606において、コントローラ340は、並列して初期化する電子回路ブロックを決定する。具体的には、コントローラ340は、フラッシュメモリ380、PHYチップ332、LINKチップ334を含む電子回路をいずれの組み合わせで並列して初期化するかを決定する。具体的には、コントローラ340は、ステップS604で取得した供給可能電力および初期化情報記憶部350に記憶された情報を参照して決定する。本処理については、図8に関連して説明する。
【0058】
そして、ステップS608において、コントローラ340は、初期化時間を特定して、撮像装置10に初期化時間を送信する。具体的には、コントローラ340は、ステップS604で取得した供給可能電力および初期化情報記憶部350に記憶された情報を参照して、初期化時間を特定する。本処理については、図8に関連して説明する。
【0059】
続いて、ステップS610において、フラッシュメモリ380、PHYチップ332、LINKチップ334を含む電子回路を初期化する。具体的には、コントローラ340は、ステップS606で決定した組み合わせで電子回路を初期化する。ステップS610の処理が完了すると、データ通信ラインの初期化が完了した旨を撮像装置10に通知する(ステップS612)。具体的には、コントローラ340は、初期化が完了した旨を、情報通信端子324および情報通信端子314を介して電気信号でMPU51に通知する。
【0060】
図7は、供給可能電力を決定するパラメータの一例をテーブル形式で示す。本情報は、例えばシステムメモリ57に予め記憶されている。供給可能電力を決定するパラメータとして、外部電源の接続状態、連写速度の設定状態、外部機器の接続状態を含む。システムメモリ57は、これらの状態の複数の組み合わせに対応づけて、メモリカード100に供給可能な電流を記憶する。MPU51は、撮像装置10の現在の状態に対応してシステムメモリ57に記憶されている供給可能電流を、メモリカード100に通知する。
【0061】
ここで、供給可能電力は、供給可能電流および供給電圧の積で表される。したがって、供給可能電流は、供給可能電力を表す情報の一例である。すなわち、システムメモリ57は、連写速度の設定状態、撮像装置への給電状態、および、撮像装置への外部機器の接続状態、の少なくともいずれかの状態に対応づけて、電力を記憶する供給電力記憶部として機能する。
【0062】
本テーブルを参照すると、撮像装置10に外部電源が接続され、撮像装置10に外部機器が接続されていない場合、連写速度が「高速」に設定されているときには、供給可能電流として最大値が設定される。例えば、外部電源としてACアダプタが接続されており、外部機器が接続されていない場合、メモリカード100はACアダプタから電力を取得することができ、外部機器へ給電する必要もない。したがって、連写速度が「高速」に設定されている場合には、最大の電流をメモリカード100に供給することで、メモリカード100の電子回路を並列して動作させ、メモリカード100を短時間で起動して高速連写に対応させる。
【0063】
一方、撮像装置10に外部電源が接続されておらず、外部機器としてUSB機器および外部モニタが撮像装置10に接続されている場合、連写速度が「低速」に設定されているときには、供給可能電流として最小値が設定される。例えば、撮像装置10の内蔵する二次電池がUSB機器に電力を供給する必要がある場合、メモリカード100に供給できる電力の上限値を低くする必要が生じる場合がある。また、外部モニタが接続されている場合、外部モニタへの表示用の処理に電力を消費するので、同様にメモリカード100に供給できる電力の上限値を低くする必要が生じる場合がある。また、モニタが接続されている場合、SDRAM58のワークエリアが満杯にならない程度に、連写速度を低下させることが必要となる場合もある。したがって、連写速度が「低速」に設定されている場合には、設定された連写速度に適合させつつ、メモリカード100に最小限の電流を供給することで、USB機器や外部機器用の処理に二次電池の電力を割り当てることができる。
【0064】
図8は、メモリカード100が記憶する初期化情報の一例をテーブル形式で示す。本情報は、例えば初期化情報記憶部350に予め記憶されている。
【0065】
初期化情報としては、並列して初期化する電子回路の組み合わせと、初期化時間とを含む。すなわち、初期化情報記憶部350は、並列して初期化する電子回路の組み合わせと、初期化時間とを、供給可能電流に対応づけて記憶する。コントローラ340は、撮像装置10から取得した供給可能電流に対応して初期化情報記憶部350に記憶されている初期化情報に従って、電子回路を初期化する。また、コントローラ340は、撮像装置10から取得した供給可能電流に対応して初期化情報記憶部350に記憶されている初期化時間を、撮像装置10に通知する。
【0066】
本テーブルを参照すると、供給可能電流が「大」である場合、全フラッシュメモリ380、PHYチップ332およびLINKチップ334が並列に初期化される。そして、初期化時間として最短の値が設定され、撮像装置10に送信される。一方、供給可能電流が「小」である場合、フラッシュメモリ380−1〜N、PHYチップ332およびLINKチップ334を順次に初期化される。そして、初期化時間として最長の値が設定され、撮像装置10に送信される。また、供給可能電流が「中」である場合、フラッシュメモリ380のうちM個のフラッシュメモリが並列で初期化された後に、フラッシュメモリ380のうちのm個(ただし、M+m=N)のフラッシュメモリ、PHYチップ332およびLINKチップ334を並列で初期化される。そして、初期化時間として、最長値よりも短く最短値よりも長い中間値が設定され、撮像装置10に送信される。したがって、コントローラ340は、初期化情報記憶部350に記憶された初期化情報に従って、供給可能電流に応じて、並列して初期化するべき電子回路の組み合わせと、初期化時間とを適切に設定することができる。
【0067】
ここで、フラッシュメモリ380の初期化処理としては、不良なメモリセルを検出する処理、検出された不良なメモリセルを予め用意された冗長メモリセルで置き換えるメモリリペア処理等を例示することができる。また、PHYチップ332およびLINKチップ334の初期化処理としては、PHYチップ332およびLINKチップ334が有する各制御レジスタの設定、撮像装置10の記録媒体IF56が含むPHYチップおよびLINKチップとの間のリンクアップ処理等を例示することができる。リンクアップ処理としては、トレーニング信号を送受信して通信パラメータを決定する処理等を例示することができる。
【0068】
図9は、画像データの伝送経路の一例を模式的に示す。撮像素子36、アナログ処理部70およびAD変換部71を含むセンサ部900から、デジタルの画像データが出力される。連写撮影においては、センサ部900から単位時間あたりに出力される画像データ量は、連写速度、画像の画素数により定められる。出力された画像データは、SDRAM58内に確保されたバッファ部910内にバッファリングされ、ASIC72の処理に供される。ここでは、説明を簡単にするために、3枚分の画像データをバッファリングするバッファA〜CがSDRAM58内に確保されているとする。メモリカード100に転送されていない画像データがバッファA〜C内に存在する場合、撮像素子36による撮像はMPU51によって禁止される。
【0069】
バッファ部910内にバッファリングされた画像データは、メモリカード100に出力される。単位時間あたりに転送される画像データ量は、撮像装置10とメモリカード100との間のデータ転送速度に対応して定まる。したがって、センサ部900からの単位時間あたりの画像データ量が当該データ転送速度よりも大きい場合には、いずれかの時点でバッファ部910は満杯となる(バッファフル)。このため、いずれかのバッファA〜C内の画像データが転送されるまでの間、撮影間隔を一定とする連写撮影は停止される。
【0070】
図10は、連写撮影のタイムシーケンスの一例を示す。本例は、初期化時間が比較的に長い場合のタイムシーケンスの一例である。本例において、撮影間隔を一定とする連写速度は、データ転送速度によって定められる。すなわち、連写速度は、データ転送速度と、センサ部900からの単位時間あたりの画像データ量が均衡するように設定される。そして、バッファ部910に確保された記憶可能容量により、撮影間隔を一定とする連写可能枚数が定まる。
【0071】
本タイムシーケンスを参照すると、時刻t0で電源がONされると、メモリカード100の初期化が開始される。メモリカード100の初期化は時刻t6に完了する。また、電源ONされると、時刻t1から速やかに連写撮影が開始され、時刻t1、時刻t3、時刻t5で連写撮影される。時刻t5は、時刻t6よりも前の時刻である。したがって、時刻t1、時刻t3、時刻t5の撮影によってそれぞれ生成された画像データ#1は、それぞれバッファA、B、Cに記憶される。時刻t5の撮影後、バッファ部910がバッファフルになることにより、MPU51は連写撮影を一旦停止する。
【0072】
時刻t6でメモリカード100の初期化が完了すると、MPU51は、バッファA〜Cに記憶された画像データの転送を時刻t6から順次に開始する。時刻t8でバッファAの画像データ#1の転送が完了すると、再び連写撮影を開始する。連写速度はデータ転送速度に均衡するように設定されるので、バッファB、C・・・の画像データの転送完了に略同期して連写撮影することができる。このため、略一定の時間間隔で連写撮影することができる。
【0073】
本タイムシーケンスでは、撮影間隔を一定とする連写可能枚数は3枚に定まる。MPU51は、メモリカード100が初期化される前に初期化時間およびデータ転送速度をメモリカード100から取得することができるので、連写可能枚数(3枚)を適切に算出して、ユーザに提示することができる。
【0074】
なお、本タイムシーケンスでは、電源ONされてから速やかに連写撮影を開始するとした。しかし、バッファフルが生じることを防ぐべく、連写撮影を遅らせてもよい。例えば、連写速度を一定にした場合の時刻t5の次の撮影タイミングが、バッファAがクリアされるタイミングと一致するように、連写撮影の開始時刻を遅らせてよい。これにより、実質的に一定の連写速度で連写撮影を続けることができる。
【0075】
図11は、連写撮影のタイムシーケンスの他の一例を示す。本例は、初期化時間が比較的に短く、ユーザが連写速度を設定した場合のタイムシーケンスの一例である。本例において、連写可能枚数は、バッファ部910に確保された記憶可能容量と、データ転送速度と、ユーザが設定した連写速度と、撮影画素数とによって定まる。
【0076】
本タイムシーケンスを参照すると、時刻t0で電源がONされると、メモリカード100の初期化が開始される。メモリカード100の初期化は時刻t3に完了する。また、電源ONされると、時刻t1から速やかに連写撮影が開始され、時刻t1、t3、t6、t9、t12、t15と連写撮影される。
【0077】
本タイムシーケンスにおいても、図10に関連して説明したように画像データはバッファ部910に順次に記憶され、メモリカード100に順次に転送される。本タイムシーケンスでは、センサ部900からの単位時間あたりの画像データ量がデータ転送速度よりも大きく、時刻t16においてバッファフルが生じる。このため、バッファAが空くまでの間、連写撮影は一時的に停止される。そして時刻t17においてバッファAがクリアされると、連写撮影を再開する。時刻t17以後は、バッファが一つクリアされる毎に、連写撮影が行われる。
【0078】
本タイムシーケンスによれば、ユーザが設定した連写速度による連写可能枚数は6枚となる。MPU51は、メモリカード100が初期化される前に初期化時間およびデータ転送速度をメモリカード100から取得することができるので、ユーザが設定した連写速度での連写可能枚数(6枚)を適切に算出して、メモリカード100が初期化される前にユーザに提示することができる。
【0079】
なお、本タイムシーケンスでは、センサ部900からの単位時間あたりの画像データ量が、データ転送速度より大きいとした。そして、ユーザが設定した連写速度における連写可能枚数を算出するとした。しかし、連写速度を小さくすることで、センサ部900からの単位時間あたりの画像データ量をデータ転送速度以下にすることができる。この場合、初期化時間内にバッファフルが生じないように連写速度を設定することで、メモリカード100の空き容量に対応する画像数を上限として、連写撮影し続けることができる。MPU51は、バッファ部910に確保された記憶可能容量、データ転送速度および初期化時間に基づいて、連写速度を設定してよい。本連写速度の設定により、一定の撮影間隔で連続的に画像を撮像することができる。本処理は、連写速度自動調節モードにおいて図5のステップS512の処理に適用できる。
【0080】
以上においては、撮像装置10が電源ONされた場合を取り上げて、メモリカード100の初期化に関するメモリカード100および撮像装置10の機能および動作を説明した。しかし、当該機能および動作は、メモリカード100が記録媒体IF56に接続された場合にも適用できる。
【0081】
また、メモリカード100は、メモリカード100が初期化される前に撮像装置10が通知した供給可能電流に従って、電子回路を初期化するとした。しかし、初期化処理中に撮像装置10から供給可能電流を変更する旨の通知があった場合、メモリカード100は変更された供給可能電流に従って内部の電子回路を制御してよい。
【0082】
本実施形態の撮像装置10に関連して説明した処理は、撮像装置10の各部、例えばMPU51等が、プログラムに従って動作することにより、実現することができる。すなわち、当該処理を、いわゆるコンピュータ装置によって実現することができる。コンピュータ装置は、上述した処理の実行を制御するプログラムをロードして、読み込んだプログラムに従って動作して、当該処理を実行してよい。コンピュータ装置は、当該プログラムを記憶しているコンピュータ読取可能な記録媒体を読み込むことによって、当該プログラムをロードすることができる。
【0083】
本実施形態において、撮像装置10を取り上げて電子機器の一例を説明した。撮像装置としては、レンズ交換式の一眼レフカメラ、コンパクトデジタルカメラ、ミラーレス一眼カメラ、ビデオカメラ、撮像機能付きの携帯電話機、撮像機能付きの携帯情報端末、撮像機能付きのゲーム機器等の娯楽装置、スキャナ、ファクシミリ等、撮像機能を有する機器を適用の対象とすることができる。また、電子機器は、テレビ、ビデオ、デジタルフォトフレーム、プロジェクタ装置、ゲーム機器等の娯楽装置等の電子画像機器として実現されてよい。
【0084】
また、メモリカード100を取り上げて電子デバイスの一例を説明した。しかし、電子デバイスとして、通信デバイス、データ中継装置等を適用の対象とすることができる。通信デバイスとして、無線通信デバイス、有線通信デバイスを適用の対象とすることができる。
【0085】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0086】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0087】
10 撮像装置、11 光軸、20 レンズユニット、21 レンズ群、22 前玉、23 後玉、24 フォーカスレンズ、25 ズームレンズ、26 鏡筒、27 レンズ回路基板、28 絞り装置、29 レンズマウント、30 カメラユニット、31 カメラマウント、32 メインミラー、33 ピント板、34 メインミラー回転軸、35 ミラーボックス、36 撮像素子、37 ペンタプリズム、38 接眼光学系、39 AEセンサ、40 サブミラー、41 合焦光学系、42 合焦センサ、43 フォーカルプレーンシャッタ、50 メイン基板、51 MPU、53 表示部、54 電源部、55 外部機器IF、56 記録媒体IF、57 システムメモリ、58 SDRAM、60 操作入力部、70 アナログ処理部、71 AD変換部、72 ASIC、73 駆動ドライバ、100 メモリカード、310 接続端子、312 供給電力通知端子、314 情報通信端子、316 データ通信端子、318 給電端子、320 接続端子、322 供給電力取得端子、324 情報通信端子、326 データ通信端子、328 給電端子、330 通信回路、332 PHYチップ、334 LINKチップ、340 コントローラ、350 初期化情報記憶部、360 メモリ部、370 電力制御部、380 フラッシュメモリ、900 センサ部、910 バッファ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器との間でデータ通信を行う電子デバイスであって、
前記データ通信を行うデータ通信部と、
前記電子デバイスに電力が供給されてから前記データ通信部による前記データ通信が可能になるまでの間に、前記電子機器との間で情報を通信する情報通信部と、
を備える電子デバイス。
【請求項2】
前記電子機器から取得した前記情報に基づいて、前記データ通信部が有する電子回路を初期化して前記データ通信を可能にする制御部
をさらに備える請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項3】
前記情報通信部は、記電子デバイスに供給可能な電力を識別する情報を前記電子機器から前記電子デバイスへ伝送し、
前記制御部は、前記電力に基づいて、前記データ通信部の初期化を制御する
請求項2に記載の電子デバイス。
【請求項4】
前記制御部は、前記電力が大きいほど、前記データ通信部が有するより多くの前記電子回路を並列に初期化する
請求項3に記載の電子デバイス。
【請求項5】
前記情報通信部は、前記電子デバイスに電力が供給されてから複数の前記電子回路が初期化されるまでに要する時間である所要時間を、前記電子機器に伝送する
請求項4に記載の電子デバイス。
【請求項6】
前記電子デバイスに供給される複数の電力値に対応づけて前記所要時間を記憶する所要時間記憶部
をさらに備え、
前記情報通信部は、前記電力の値に対応して前記所要時間記憶部に記憶されている所要時間を、前記電子機器に送信する
請求項5に記載の電子デバイス。
【請求項7】
前記データ通信部は、前記データ通信部で通信されるデータを記憶するための複数の不揮発性メモリを、前記電子回路として有する
請求項2から6のいずれか一項に記載の電子デバイス。
【請求項8】
前記データ通信部は、データ通信を担う通信回路を、前記電子回路として有する
請求項2から7のいずれか一項に記載の電子デバイス。
【請求項9】
前記通信回路は、通信の物理層の通信を担うPHYチップおよびリンク層の通信を担うLINKチップの少なくとも一方を、前記電子回路として有する
請求項8に記載の電子デバイス。
【請求項10】
前記情報通信部は、前記電子デバイスに電力が供給されてから前記データ通信部が有する電子回路が初期化されるまでに要する時間である所要時間を、前記電子機器に送信する
請求項1から9のいずれか一項に記載の電子デバイス。
【請求項11】
前記情報通信部は、前記データ通信部で通信されるデータを記憶するための不揮発性メモリの空き容量を、前記電子機器に送信する
請求項1から10のいずれか一項に記載の電子デバイス。
【請求項12】
電子機器との間でデータ通信を行う電子デバイスであって、
前記データ通信を行うデータ通信部と、
前記電子デバイスに電力が供給されてから前記データ通信が可能になるまでに要する時間である所要時間を、前記電子機器に伝送するべく記憶する所要時間記憶部と、
を備える電子デバイス。
【請求項13】
前記所要時間を前記電子機器に送信する情報通信部
をさらに備える請求項12に記載の電子デバイス。
【請求項14】
電子機器との間でデータ通信を行うデータ通信部と、
前記電子機器から供給可能な電力を識別する情報を前記電子機器から伝送する情報伝送端子と、
前記電力に応じて、前記データ通信部を制御する制御部と、
を備える電子デバイス。
【請求項15】
電子デバイスに画像データを転送する撮像装置であって、
撮像部と、
前記撮像部が撮像した画像の画像データを一時的に記憶する内部メモリと、
前記電子デバイスが前記画像データの転送を開始するまでの間に実行する初期化処理に要する時間である所要時間を、前記電子デバイスから取得する所要時間取得部と、
前記内部メモリに前記画像データを記憶することができる記憶可能容量および前記所要時間に基づいて、前記撮像部が連続して撮像することができる画像数を算出する算出部と、
を備える撮像装置。
【請求項16】
前記算出部は、前記電子デバイスへのデータ転送速度に更に基づいて、前記画像数を算出する
請求項15に記載の撮像装置。
【請求項17】
前記撮像部が連続して撮影する撮影速度を設定する撮影速度設定部
をさらに有し、
前記算出部は、前記記憶可能容量、前記所要時間、前記データ転送速度および前記撮影速度に基づいて、前記画像数を算出する
請求項16に記載の撮像装置。
【請求項18】
前記撮影速度設定部は、前記記憶可能容量、前記所要時間および前記データ転送速度に基づいて、前記撮像部が連続して撮像することができる撮影速度を設定する
請求項17に記載の撮像装置。
【請求項19】
前記算出部が算出した画像数を表示する表示部
をさらに備える請求項15から18のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項20】
前記電子デバイスに供給可能な電力を、前記電子デバイスに通知する電力通知部
をさらに備え、
前記所要時間取得部は、前記電力に対応する前記所要時間を、前記電子デバイスから取得する
請求項15から19のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項21】
前記撮像部が連続して撮影する撮影速度の設定状態、前記撮像装置への給電状態、および、前記撮像装置への外部機器の接続状態、の少なくともいずれかの状態に対応づけて、前記電力を記憶する供給電力記憶部
をさらに備え、
前記電力通知部は、前記撮像装置の現在の状態に対応して前記供給電力記憶部が記憶している電力を、前記電子デバイスに通知する
請求項20に記載の撮像装置。
【請求項22】
前記電子デバイスから取得した前記所要時間に基づいて、前記電子デバイスに供給する電力を決定する供給電力決定部
をさらに備える請求項20に記載の撮像装置。
【請求項23】
電子デバイスに画像データを転送する撮像装置であって、
撮像部と、
前記撮像部が撮像した画像の画像データを一時的に記憶する内部メモリと、
前記電子デバイスが前記画像データの転送を開始するまでの間に実行する初期化処理に要する時間である所要時間を、前記電子デバイスから取得する所要時間取得部と、
前記内部メモリに前記画像データを記憶することができる記憶可能容量、前記所要時間および前記電子デバイスへのデータ転送速度に基づいて、前記撮像部が連続して撮像することができる撮影速度を算出する算出部と、
を備える撮像装置。
【請求項24】
請求項15から23のいずれかに記載の撮像装置と、
前記電子デバイスと、
を備える撮像システム。
【請求項25】
前記電子デバイスは、不揮発性メモリを含む記録デバイスであり、
前記電子デバイスは、前記電子デバイスに電力が供給された場合に、電力が供給されてから前記不揮発性メモリが初期化されるまでの間に、前記不揮発性メモリを初期化するのに要する時間である所要時間を、前記撮像装置に通知する
請求項24に記載の撮像システム。
【請求項26】
撮像部により撮像された画像の画像データを内部メモリに一時的に記憶するステップと、
電子デバイスが前記画像データの転送を開始するまでの間に実行する初期化処理に要する時間である所要時間を、前記電子デバイスから取得するステップと、
前記内部メモリに前記画像データを記憶することができる記憶可能容量および前記所要時間に基づいて、前記撮像部が連続して撮像することができる画像数を算出するステップと、
をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−244303(P2012−244303A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−110695(P2011−110695)
【出願日】平成23年5月17日(2011.5.17)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】