説明

電子デバイス用収納容器

【課題】 電子デバイス用収納容器に関し、スタックさせた電子デバイス収納容器内での電子デバイスチップの乗り上げを防止する。
【解決手段】 電子デバイスを収納する第1の仕切り部で分離された収納用凹部を有する収納部の前記収納用凹部の周囲の前記第1の仕切り部に係合用凹部を設けるとともに、前記収納用凹部に対向する位置に設けられ、第2の仕切り部で分離された空間用凹部を有する蓋部の前記空間用凹部の周囲の前記第2の仕切り部に前記係合用凹部と係合する係合用凸部を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子デバイス用収納容器に関し、例えば、半導体チップ等の電子デバイスを搬送時或いは出荷時において保持収容するためのトレー等の収納容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体ウェーハをダイシング工程により分割個片化した半導体チップは、次工程で使用するためにトレーに収納して搬送・出荷して次工程に供給している。
【0003】
このようなトレーを利用した搬送・出荷時に、輸送時の振動衝撃により半導体チップの表面がトレー蓋側に接触し破損してしまうことを保護するために、トレー蓋側に突起を設けチップが移動しないようにすることが提案されている。また、半導体チップに設けた電極端子が接触する箇所の材料を柔軟なものとしキズが付かないようにすることも提案されている。
【0004】
しかし、トレー蓋側に突起を設ける方法では、チップ表面全体に電極端子、例えば、エリアバンプが配置されたものでは電極端子にキズをつけてしまうという問題がある。また、電極端子との接触箇所だけを別の柔らかい材料を使う方式ではトレーのコストが上昇してしまうという問題がある。
【0005】
このような問題を解決する手法として、トレーの蓋側キャビティ形状をテーパ化して直接半導体チップの表面がトレーの蓋側に当たらないようにする方法がある。近年、半導体チップは、例えば、複数のチップを積み重ねるスタックMCP等において、半導体チップの薄型化の要請に伴って、年々、薄型化の傾向にあり、その出荷数に占める薄チップの割合も増加している。
【0006】
ここで、図10乃至図14を参照して、従来のトレーの一例を説明する。図10及び図11は、従来のトレーの構造説明図であり、図10(a)はポケット側平面図であり、図10(b)は蓋側平面図である。また、図11(a)は、側面図であり、図11(b)は、図10(a)におけるA−A′を結ぶ一点鎖線に沿った断面図であり、また、図11(c)は、図10(a)におけるB−B′を結ぶ一点鎖線に沿った断面図である。
【0007】
図に示すように、トレー50の上面側がポケット側となり、半導体チップを収納するポケット51がマトリクス状に設けられており、隣接するポケット51の間は仕切り部52となる。一方、トレー50の下面側は蓋側となり、逆四角錐台状のキャビティ53がポケット51に対向するように設けられており、隣接するキャビティ53の間は仕切り部54となる。また、トレー50の外周には嵌合部55が設けられる。
【0008】
このようなトレー50は一般的に、ABS樹脂で、金型によりポケット側と蓋側とが一体成形される。
【0009】
図12は、スタック状態のトレーの断面図であり、図12(a)に示すように、ポケット側の仕切り部52と蓋側のキャビティ53の端部が接触して、半導体チップ56がポケット51の内に納まるような設計基準となっている。なお、スタック数は、一般的には、5枚乃至10枚となる。
【0010】
この際、図12(b)に示すようにポケット側と蓋側の嵌合部の寸法は、嵌まり込みを防止する為に、ある程度の余裕を見越して設計されている。この余裕分はスタックガタと呼ばれ、ポケット51の開口形状より、蓋側のキャビティ53の端部形状が0.3mm程度大きく作られるのが一般的である。即ち、嵌まり込み防止のため、スタックガタは無くせない寸法である。
【0011】
そのため、輸送時にはスタックガタ分だけ、上段のトレーと下面の蓋側と下段のトレーの上面のポケット側とは位置ズレを起こすことになる。そこで、半導体チップの表面が上段のトレーの蓋に接触しないように蓋側に設けるキャビティ53は下側のトレーのポケット51のサイズに対しスタックガタ分大きめに作られている。即ち、スタックガタが0.3mmの場合、キャビティ53も0.3mm大きめに作られる。
【0012】
図13は、スタックガタとキャビティ/ポケットサイズの関係の説明図であり、図13(a)に示すように、スタックガタ分を無視してトレーのキャビティ/ポケットサイズを設計した場合には、振動等によりスタックガタ分だけ位置ずれを起こした場合に、半導体チップ56の表面とキャビティ53の端部(図における右端)とが接触することになる。なお、符号におけるサフィックスは、1は下段トレー、2は上段トレーを表す。
【0013】
一方、図13(b)に示すように、スタックガタ分を考慮してトレーのキャビティ/ポケットサイズを設計した場合には、振動等によりスタックガタ分だけ位置ずれを起こした場合にも、キャビティ53の端部はポケット51の端部を超えることはない。したがって、半導体チップ56の表面とキャビティ53の端部とが接触して半導体チップ56が損傷することはない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2002−110778号公報
【特許文献2】特開2002−002871号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、トレーの設計基準は、従来の厚チップの基準のまま運用しているのが現状であり、薄チップの出荷数に占める割合が増えるにつれ、従来見られなかった不具合が散見され始めてきたので、その事情を図14乃至図16を参照して説明する。なお、符号におけるサフィックスは、1は下段トレー、2は上段トレーを表す。
【0016】
図14はチップ乗り上げの説明図であり、図14(a)は薄チップの場合の説明図であり、図14(b)は厚チップの場合の説明図である。図14(a)に示すように、振動等によりスタックガタ分だけ位置ズレを起こした場合、上記の図13(b)で説明したように、半導体チップ56の乗り上げが発生する。これは、位置ズレによってずれた方向の端部において、キャビティ53のテーパエッジとポケット51の間の仕切り部52の間に、半導体チップ56が乗り上がれる程度の乗り上げスペース57が発生するためである。
【0017】
例えば、スタックガタが0.3mmで設計されている場合は、スタックガタ(0.3mm)/2+キャビティ/ポケットの差(0.3mm)/2であるので、0.3mmの乗り上げスペース57が発生する。
【0018】
一方、図14(b)に示すように、チップ厚が300μm(=0.3mm)以上厚い半導体チップ56の場合には、この程度のスペースが発生しても半導体チップ56が乗り上がる前にキャビティ54のテーパ状の側端部に衝突するため乗り上げが発生しない。
【0019】
これを半導体チップ56のピックアップ工程で説明する。図14で説明したように、図15(a)に示すように、トレー50に半導体チップ56を収納してスタックさせた状態で、振動等によりスタックガタ分だけ位置ズレを起こした場合、図15(b)に示すように、半導体チップ56の乗り上げが発生する。半導体チップ56が乗り上げた状態で,上段の蓋側のトレー50を開けると半導体チップ56がポケット51から飛び出した状態となり、半導体チップ56のピックアップ工程で不具合が発生することになる。
【0020】
例えば、ピックアップ工程においては、図15(c)に示すように、一般的にトレー50内の半導体チップ56のINDEX58をピックアップ装置のカメラ59によって認識している。しかし、半導体チップ56の乗り上げが発生している場合には、カメラ59に対し半導体チップ56が斜めに存在するためチップ位置の認識エラーが発生する。
【0021】
例えば、図15(d)の左図に示すように乗り上げが発生している場合には、乗り上げが発生していない右図の場合に比べて歪んだ画像となり、したがって、INDEX58の位置が正規の位置からずれて認識されることになる。
【0022】
この状態で、半導体チップ56をピックアップ装置の吸着コレット60によって、トレー50からピックアップする場合、図16(e)に示すように、乗り上げが発生していない場合には、正常な位置に吸着コレット60が誘導される。
【0023】
一方、乗り上げが発生している場合、図16(f)及び図16(g)に示すように、半導体チップ56を吸着するために、吸着コレット60を下降させていくと、トレー50と吸着コレット60と間に半導体チップ56が挟まる。場合によっては、半導体チップ56を破損させてしまう可能性がある。
【0024】
したがって、本発明は、スタックさせたトレー内での電子デバイスチップの乗り上げを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0025】
開示する一観点からは、電子デバイスを収納する第1の仕切り部で分離された収納用凹部を有する収納部と、前記収納用凹部に対向する位置に設けられるとともに、第2の仕切り部で分離された空間用凹部を有する蓋部からなる電子デバイス用収納容器であって、前記収納用凹部の周囲の前記第1の仕切り部に係合用凹部を設けるとともに、前記空間用凹部の周囲の前記第2の仕切り部に前記係合用凹部と係合する係合用凸部を設けたことを特徴とする電子デバイス用収納容器が提供される。
【発明の効果】
【0026】
開示の電子デバイス用収納容器によれば、スタックさせたトレー内での電子デバイスチップの乗り上げを防止することができ、これによって、薄チップのトレー出荷による品質低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態の電子デバイス用収納容器の構成説明図である。
【図2】本発明の実施の形態の電子デバイス用収納容器の作用効果の説明図である。
【図3】本発明の実施例1の半導体チップ用のトレーの平面図である。
【図4】本発明の実施例1の半導体チップ用のトレーの側面図及び断面図である。
【図5】半導体チップを収納した状態のトレーの平面図である。
【図6】半導体チップを収納した状態のトレーの側面図及び断面図である。
【図7】スタック状態のトレーの断面図である。
【図8】半導体チップのピックアップ工程の途中までの説明図である。
【図9】半導体チップのピックアップ工程の図8以降の説明図である。
【図10】従来の半導体チップ用のトレーの平面図である。
【図11】従来の半導体チップ用のトレーの側面図及び断面図である。
【図12】スタック状態のトレーの断面図である。
【図13】スタックガタとキャビティ/ポケットサイズの関係の説明図である。
【図14】チップ乗り上げの説明図である。
【図15】従来の半導体チップのピックアップ工程の途中までの説明図である。
【図16】従来の半導体チップのピックアップ工程の図15以降の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
ここで、図1及び図2を参照して本発明の実施の形態の電子デバイス用収納容器を説明する。図1は本発明の実施の形態の電子デバイス用収納容器の構成説明図であり、図1(a)は収納部側から見た斜視図であり、図1(b)は蓋側から見た斜視図である。なお、電子デバイスは典型的には半導体チップであるが、半導体チップに限られるものではなく、超電導デバイスチップや強誘電体光デバイスチップ等の他の電子デバイスチップにも適用されるものである。
【0029】
図1(a)に示すように、電子デバイス用収納容器1の収納部側には、電子デバイスを収納する収納用凹部2が仕切り部3で隔てられてマトリクス状に配置されており、隣接する収納用凹部2の間は係合用凹部4で接続されている。この係合用凹部4は収納用凹部2と同じ深さである必要は必ずしもなく、また、収納用凹部2と接して貫通している必要も必ずしもない。
【0030】
図1(b)に示すように、電子デバイス用収納容器1の蓋側には、収納用凹部2に対向する位置に空間用凹部5が仕切り部6で隔てられてマトリクス状に配置されており、隣接する空間用凹部5の間の仕切り部6には係合用凸部7が設けられている。
【0031】
この空間用凹部5は側端面が順テーパ状となった逆四角錐台状の凹部とすることが望ましく、また、側端面の傾斜角は30°乃至60°、例えば、45°程度とすることが望ましい。30°未満であれば、半導体チップの表面との接触を避けるための空間を形成するには不十分であり、一方、60°を超えると対応できるチップサイズの範囲が狭くなるという問題が発生する。
【0032】
また、係合用凸部7は、係合用凹部4と対向する位置に設けられて、電子デバイス用収納容器を複数枚スタックさせた場合に、係合用凹部4と系整合する。この係合用凸部7の空間用凹部5の端部側において側端面をテーパ状にすることが望ましい。なお、電子デバイス用収容容器1の周辺部には嵌合部8が設けられる。
【0033】
この電子デバイス用収納容器1は、従来のトレーと同様に、ABS樹脂で、通常は金型により収納部と蓋部とが表裏一体に一体成形される。なお、収納部と蓋部とを、収納トレーと蓋トレーとして別体で形成しても良い。
【0034】
図2は、本発明の実施の形態の電子デバイス用収納容器の作用効果の説明図である。図2(a)は、上段の電子デバイス用収容容器1と下段の電子デバイス用収納容器1が正位置で重なった状態を示す要部断面図である。ここでは、収納用凹部の中心線に沿った断面図として示す。図においてハッチングを施していない輪郭線は、断面から側面図的に見える下段の電子デバイス用収納容器1の収納用凹部2の側壁とその間に位置する係合用凹部4である。図から明らかなように、上段の電子デバイス用収納容器1の係合用凸部7は下段の電子デバイス用収納容器1の係合用凹部4とゆとりをもって係合している。
【0035】
図2(b)はスタックガタの1/2だけズレた場合の要部断面図であり、上段の電子デバイス用収納容器1が下段の電子デバイス用収納容器1に対して相対的に左側にずれた状態を示している。
【0036】
図2(c)は、スタックガタだけズレた場合の要部断面図であり、スタックガタ分ずれても、図の左側の半導体チップの乗り上げスペースが発生しない。これは、蓋部に設けた係合用凸部7が電子デバイス9のエッジに接触するためであり、電子デバイス9の乗り上げを防止することが可能となる。
【0037】
即ち、電子デバイス9が乗り上げる原因となるチップ乗り上げスペースを、蓋部の空間用凹部5の周辺に設けた係合用凸部7が収納用凹部2の周辺の仕切り部3に設けた係合用凹部4に食い込むことで物理的に無くすことが可能となる。
【0038】
このように、本発明においては、係合用凹部と係合用凸部との係合によりチップ乗り上げスペースを物理的になくしているので、薄チップのトレー出荷に際し、搬送中の振動等により蓋部が収納部に対しスタックガタ分移動した場合でも、乗り上げは発生しない。それによって、トレー出荷による搬送或いは実装時の不具合改善、製品の品質向上に寄与することができる。なお、上記の説明においては、電子デバイスの形状が正方形であることを前提に説明しているが、長方形状のチップの場合には、収納用凹部2及び空間用凹部5の平面形状は長方形となることは言うまでもない。
【実施例1】
【0039】
以上を前提として、次に、図3乃至図10を参照して、本発明の実施例1の半導体チップ用のトレーを説明する。なお、ここでは、20mm×20mm角で厚さが250μmの半導体チップを収納するトレーとして説明する。なお、トレー10は例えば、ABS樹脂を用いて金型により表裏一体成型する。
【0040】
図3(a)はポケット側平面図であり、図3(b)は蓋側平面図である。また、図4(a)は、側面図であり、図4(b)は、図3(a)におけるA−A′を結ぶ一点鎖線に沿った断面図であり、また、図4(c)は、図3(a)におけるB−B′を結ぶ一点鎖線に沿った断面図である。さらに、図4(d)は、図3(a)におけるC−C′を結ぶ一点鎖線に沿った断面図である。
【0041】
図に示すように、トレー10の上面側がポケット部となり、半導体チップを収納する21mm×21mm角のサイズで深さが1.0mmのポケット11がマトリクス状に設けられており、28.0mmのピッチで隣接するポケット11の間は仕切り部12となる。この仕切り部12に幅が10mmで深さが1.0mmの係合用凹部13を隣接するポケット11を連結するように形成する。
【0042】
一方、トレー10の下面側は蓋部となり、テーパ角が45°の逆四角錐台状のキャビティ21がポケット11に対向する位置に、スタックガタが0.3mmになるように21.3mm×21.3mm角で深さが3.0mmの大きさで設けられている。
【0043】
このキャビティ21の周囲の仕切り部22の係合用凹部13に対向する位置に、高さが1.0mmで幅が9mmの係合用凸部23が形成されており、この係合用凸部23のキャビティ21の端部に向かう側端面はテーパ角が45°の傾斜面となっている。
【0044】
また、トレー10の全体の厚さは8mmであり、101.6mm×101.6mm角の平面サイズであり、周辺部の幅4.9mm(=(101.6−91.8)/2)の部分が嵌合部24を構成する。また、ポケット11の底面とキャビティ21の底面との間隔は1.0mmである。
【0045】
図5は、半導体チップを収納した状態のトレーの構成説明図であり、図5(a)はポケット側平面図であり、図5(b)は蓋側平面図である。また、図6(a)は、側面図であり、図6(b)は、図5(a)におけるA−A′を結ぶ一点鎖線に沿った断面図であり、また、図6(c)は、図5(a)におけるB−B′を結ぶ一点鎖線に沿った断面図である。さらに、図6(d)は、図5(a)におけるC−C′を結ぶ一点鎖線に沿った断面図である。
【0046】
図7は、スタック状態のトレーの断面図であり、図7(a)は図5(a)におけるA−A′を結ぶ一点鎖線に対応する位置に沿った断面図であり、また、図7(b)は図5(a)におけるC−C′を結ぶ一点鎖線に対応する位置に沿った断面図である。図7(a)に示すように、係合用凸部23は係合用凹部13に食い込むように係合する。また、図7(b)に示すように、係合用凸部23は係合用凹部13の存在しないC−C′を結ぶ一点鎖線に沿った位置においては、従来と同様のスタック状態となる。
【0047】
次に、図8及び図9を参照して、本発明の実施例1のトレーを用いた場合の半導体チップ30のピックアップ工程を説明する。図8(a)に示すように、トレー10に半導体チップ30を収納してスタックさせた状態で、振動等によりスタックガタ分だけ位置ズレを起こした場合にも、図8(b)に示すように、半導体チップ30の乗り上げは発生しない。
【0048】
図8(c)に示すように、このような状態で上段の蓋側のトレー10を開けると半導体チップ10がポケット11に正常に収納された状態になっている。半導体チップ30をピックアップするために、トレー10内の半導体チップ30のINDEX31をピックアップ装置のカメラ41によって認識する。この時、図8(d)に示すように乗り上げが発生していないので、形状に歪のない画像となり、したがって、INDEX31の位置が正規の位置で観察される。
【0049】
この状態で、半導体チップ30をピックアップ装置の吸着コレット42によって、トレー10からピックアップする場合、図9(e)に示すように、INDEX31の位置を目印にして吸着コレット42の位置決めを行う。
【0050】
次いで、図9(f)に示すように、吸着コレット42を下降させて半導体チップ30を吸着したのち、図9(g)に示すように、吸着コレット42を上昇されることによって、半導体チップ30が正常にピックアップされることになる。
【0051】
本発明の実施例1においては、ポケットの周囲に係合用凹部を設けるとともに、キャビティの周囲に係合用凸部を設け、スタック状態において両者がゆとりをもって係合するようにしている。したがって、スタック状態で振動等によりスタックガタだけ移動したとしても、図2で説明したように、乗り上げスペースが生じないので、半導体チップの乗り上げが発生することがなく、ピックアップ工程において、半導体チップの破損等が発生することがない。
【符号の説明】
【0052】
1,1,1 電子デバイス用収納容器
2,2 収納用凹部
3 仕切り部
4,4 係合用凹部
5 空間用凹部
6 仕切り部
7,7 係合用凸部
8 嵌合部
9 電子デバイス
10,50 トレー
11,51 ポケット
12,52 仕切り部
13 係合用凹部
21,53 キャビティ
22,54 仕切り部
23 係合用凸部
24,55 嵌合部
30,56 半導体チップ
57 乗り上げスペース
31、58 INDEX
41,59 カメラ
42,60 吸着コレット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子デバイスを収納する第1の仕切り部で分離された収納用凹部を有する収納部と、
前記収納用凹部に対向する位置に設けられるとともに、第2の仕切り部で分離された空間用凹部を有する蓋部と
を含み、
前記収納用凹部の周囲の前記第1の仕切り部に係合用凹部を設けるとともに、
前記空間用凹部の周囲の前記第2の仕切り部に前記係合用凹部と係合する係合用凸部を設けたことを特徴とする電子デバイス用収納容器。
【請求項2】
前記収納部と前記蓋部とが、表裏一体に成型されていることを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス用収納容器。
【請求項3】
前記空間用凹部の側端面が、順テーパ状の側端面であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子デバイス用収納容器。
【請求項4】
前記収納用凹部の周囲の第1の仕切り部に設けた係合用凹部は、前記収納用凹部と同じ深さで、且つ、隣接する前記収納用凹部間を貫通する凹部であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の電子デバイス用収納容器。
【請求項5】
前記空間用凹部の周囲の第2の仕切り部に設けた前記係合用凸部は、前記空間用凹部の端部側において、順テーパ状の側端面を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の電子デバイス用収納容器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−12089(P2012−12089A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−151561(P2010−151561)
【出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【出願人】(308014341)富士通セミコンダクター株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】