説明

電子ファイル関連強度自動算出プログラム

【課題】 電子ファイルを記憶装置内に保管するため、一般には手動にてフォルダやディレクトリを構成するが、適切なディレクトリを構築することは難しく、電子ファイル相互の関連性を画面上で自動的に得ることはできない。
【解決手段】 利用者による電子ファイルのオープン状態を記録し、電子ファイル相互において、時間的にオープン状態が重複した時間の長さを積算する。重複時間の大きい電子ファイルの組合せは、利用者によって同時にオープンされている時間が長い組合せであるから、それら電子ファイル対は関連性が高いと判断させる。これらの手段によって、自動的に電子ファイル相互の関連性を得ることが可能になり、その結果を画面上に表示することにより、利用者が注目している電子ファイルに対して、関連性の強い電子ファイルを自動表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーソナルコンピュータやファイルサーバー、その他コンピュータ機器などに関し、特に多数の電子ファイルを扱う機器における、電子ファイル間の関連性の自動算出と、その結果を表示させる技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータなどのコンピュータ機器を操作する際、利用者は、文書ファイル、画像ファイル、データファイルなど、多様な電子ファイルを数多く扱う。
【0003】
利用者が作成した電子ファイルは、フォルダと呼ばれる電子的な収納場所に保管される。
【0004】
これらフォルダは、親フォルダや子フォルダなど、利用者によって入れ子的に整理収納され、全体として、木構造型のディレクトリと呼ばれる構造をとる。
【0005】
一般に、これらフォルダや、その全体構造であるディレクトリは、利用者が明示的に手作業で作成する必要がある。
【0006】
このディレクトリ形式でのファイル格納の手段は、その構造が複雑になるほど、ディレクトリ構造の見通しが悪化し、フォルダ間の移動に要する手間が増える。
【0007】
また、フォルダ数が増えるほど利用者が目的とする電子ファイルの格納場所を探索するのが困難になる。
【0008】
また、ディレクトリの構成が複雑になるほど、いったん構築したディレクトリ構造を変えるのは容易ではない。
【0009】
結果的に、電子ファイルやフォルダの数が多数になると、分類や階層分けなど、利用者の管理に要する手間が増大する。
【0010】
これらの状況は、近年において大容量化が進むコンピュータ機器の記憶装置を用いる場合に、特に顕著である。
【0011】
例えば、利用者が、コンピュータ機器上で行っている作業の特性によっては、電子ファイルの探索の際、異なる視点での分類や階層で電子ファイルを探索したい場合があるが、従来の技術では、コンピュータ機器上には、任意の時点において、その時点での分類法に基づく1通りのディレクトリ構造しか格納できず、そのディレクトリ構造に従ってのみフォルダ間の移動が可能であるため、電子ファイルの探索が困難になることが多い。
【0012】
さらに、大容量の記録機器を用いて大量の電子ファイルやフォルダを格納している場合は、人為的に構成されたフォルダやディレクトリ構造では、電子ファイル探索における一覧性が悪い。
【0013】
そのため、目的とする電子ファイルを探索する際、もしくは、関連する電子ファイルを見つけたいとする際、ディレクトリの構造にしたがってフォルダ間を上下横断の移動を繰り返し、それでも発見できない場合は、コンピュータ機器に備わっている検索機能を使って、網羅的に全フォルダの探索を行う場合がある。
【0014】
この全フォルダ検索は、コンピュータ機器に大きな負荷を要求し、また、検索の終了まで長い時間が必要となる。
【0015】
このような問題を解決するため、電子ファイルの利用日時情報を分析の対象として、注目する電子ファイルに対して、時間距離の近い電子ファイルを表示させる、特開2002−312402号公報(特許文献1)の技術が既存するが、そもそも前記技術は、表示させる時点での利用日時情報にのみ基づくものである。
【0016】
【特許文献1】特開2002−312402号
【0017】
電子ファイルは一般に、利用者によって作成されて以降、更新処理やアクセス処理が繰り返されるものであるが、このような技術の場合、過去に行われたそれらの行為が形跡として反映されないため、表示結果が一面的なものとなる。そのため、電子ファイル間における確度の高い関連性についての情報が得られにくい。
【0018】
また、このような問題を解決するため特許3806820号(特許文献2、非特許文献1)の技術があり、電子ファイルの利用日時情報に着目している点は類似する手法であるが、電子ファイル間において、OSが記録するを作成日時、アクセス日時、更新日時の間隔を分析の対象としており、それぞれの電子ファイルが重複してオープン状態であった時間の長さの大小は考慮していない。
【0019】
【特許文献2】特許3806820号
【0020】
【非特許文献1】著者:幸嘉平太、題名:タイムスタンプ蓄積情報に基づくファイル関連性推定システムの開発、情報処理学会第68回全国大会、講演論文集第3分冊55〜56ページ
【0021】
ここで電子ファイルのオープンとは、コンピュータ機器において、利用者が指定する電子ファイルを、コンピュータ機器の画面上にて閲覧できる状態にする操作をいう。
【0022】
ここで、電子ファイルのオープン状態とは、電子ファイルに対して利用者がオープン操作を行い、画面上に閲覧できる状態であることをいう。
【0023】
このオープン状態が重複しており、かつ、その重複時間の長い電子ファイル対は、利用者によって長い時間、同時に開かれていた電子ファイル対であるため、高い関連性があると判断することができる。
【0024】
そのため、オープン状態の時間的継続の数値を分析対象とする技術も有用である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
本発明は、コンピュータ機器の操作において、大量の電子ファイルと、それらを格納したフォルダを取り扱う際に、各電子ファイル間の関連性の強度を、同機器内の演算装置を用いて算出することにより、利用者が注目する電子ファイルに対して、関連性の高い電子ファイルを、利用者が作成したフォルダ、およびディレクトリ構造とは別途に、利用者に対して画面上に提示することにより、電子ファイルの探索における操作性を向上させる手段を有するプログラムを提供することを、目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明のプログラムは、
【0027】
情報を電子ファイルの形態で記録装置に格納するコンピュータ機器を、前記機器に格納されており、かつ、利用者の操作によって作成された情報を記録している電子ファイルに対し、利用者が、その電子ファイルをオープンさせる操作を指示した日時の情報と、その電子ファイルをクローズさせる操作を指示した日時の情報と、その電子ファイルのファイル名と、その電子ファイルが格納されているフォルダのフォルダ名の、4種類の情報を、オペレーティングシステムに読み取りを行うように指示することにより、前記機器の利用時間にわたって連続的に採取し、採取された4種類の情報を、前記機器内の記録装置内の利用日時情報データファイルに追記的に書き出し保存する手段と、
【0028】
利用日時情報データファイルに記録された電子ファイル全体に対して、電子ファイル名と、利用者がその電子ファイルをオープンした日時の情報と、その電子ファイルを利用者がクローズした日時の情報との、3つの情報を1単位とし、異なる電子ファイル間における全ての単位の組合せを、前記機器上の演算装置を用いて生成し、前記全ての組合せについて、組合せとなる電子ファイル対が、それぞれオープンされていた状態の時間的な重複時間の数値を、前記機器上の演算装置を用いて算出し、同じ電子ファイル対に対しては、重複時間の数値を積算し、その結果得られた重複時間を積算した値に対し、その数値の大きい電子ファイル対を、関連性の強い電子ファイル対として、その電子ファイル対のそれぞれのファイル名と、その電子ファイル対が格納されているそれぞれのフォルダ名と、その重複時間の数値と、を、関連性分析結果データファイルとして、前記機器内の記録装置に書き出し保存する手段と、
【0029】
保存された関連性分析結果データファイルの内容を読み取り、その内容に基づき、利用者から指示のあった電子ファイルに対して、関連性が強いとされた電子ファイルを、前記機器の画面上に表示する手段を、機能させるためのプログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
以上説明したように本発明のプログラムによれば、コンピュータ機器操作の各時点における、利用日時情報に基づく電子ファイル間の関連性を、連続的、かつ蓄積的に採取した利用者の電子ファイルの利用情報に基づき、同機器内の演算装置を用いて算出し、分析結果として得ることができる。
【0031】
そのため、利用者が、作業の過程において、ある特定の電子ファイルに注目する場合、その電子ファイルに対して、それらの過去の操作履歴に基づいた高い確度で関連性が強いと思われる電子ファイルを、それら分析結果に基づき、自動的に抽出し、画面上にそれらを提示することができるようになる。
【0032】
その結果、利用者が、関連する電子ファイルの探索に要する手間を軽減することや、関連性を反映させたフォルダやディレクトリ構成の作成にかかる手間の軽減を、実現することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明のプログラムの一実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0034】
図1は、本発明のプログラムの構成図である。
【0035】
本プログラムは、利用日時情報データファイル作成部101と、重複時間情報データファイル作成部102と、関連性分析結果データファイル作成部103との、3部からなる関連性分析部104と、関連ファイル表示部105とで、構成される。
【0036】
関連性分析部104は、利用者による本プログラムの開始指示後、コンピュータ機器の動作中、常駐的に動作し、電子ファイルの利用日時情報に基づいた、関連性の自動算出を行う。
【0037】
関連ファイル表示部105は、コンピュータ機器の動作中、常駐的に動作し、利用者の指定する電子ファイルに対して、関連性が高いとされた電子ファイルに関する情報を、関連性分析結果データファイルから抽出し、それらを画面上に表示する。
【0038】
図2は、本発明のプログラムと、そのプログラムが動作するコンピュータ機器のオペレーティングシステムと、そのプログラムが分析対象とする電子ファイル群と、そのプログラムが結果を表示する画面表示部と、の関係を示したものである。
【0039】
本プログラム201は、対象となるコンピュータ機器205のオペレーティングシステム202上で稼動する。
【0040】
本プログラム201は、分析に必要な電子ファイル群203に関する情報の取得を、オペレーティングシステム202に指示し、オペレーティングシステム202が、本プログラム201にその結果を返答し、本プログラムがその内容に基づき、分析を行う。
【0041】
本プログラム201は、利用者からの要求に応じて、本プログラム201の分析結果に基づいて、関連性の強い電子ファイルを、オペレーティングシステム202、および画面表示部204を経由して、コンピュータ機器の画面上に表示する。
【0042】
図3は、図1の関連性分析部104における、本プログラムのフローチャートである。
【0043】
本プログラムは、ステップ301において、前処理として、その動作に必要な、動作設定用ファイルと、利用日時情報データファイルと、重複時間情報データファイルと、関連性分析結果データファイルの、4種類の電子ファイルを、作成する。
【0044】
次に、ステップ302において、本プログラムの利用者によって入力された、分析対象とする電子ファイルの種別情報を、動作設定用ファイルに書き出す。
【0045】
ここで、電子ファイルの種別情報とは、一般のオペレーティングシステムで採用されている電子ファイルの拡張子などを対象として、入力をさせる。マイクロソフト社製のオペレーティングシステム、Windows(登録商標)の場合、文書ファイルの種別を指定するために、「doc」、「xls」、「ppt」などを判別できる情報を、利用者に入力をさせる。
【0046】
次に、利用日時情報データファイル作成部である、サブルーチン303において、本プログラムが分析の対象とする、電子ファイルのファイル名と、その電子ファイルが格納されているフォルダ名と、利用者がその電子ファイルのオープン操作を指示した日時の情報と、利用者がその電子ファイルのクローズ操作を指示した日時の情報との、4種類の情報を取得し、利用日時情報データファイルに書き出す。
【0047】
サブルーチン303は、OSの起動中において連続的に動作させるものであり、OSに対して指定された電子ファイルの種別に該当する電子ファイルに対して、利用者のオープン、またはクローズの操作があるたびに、その操作が行われた日時の情報をOSにリアルタイムに収集させ、書き出させるものである。
【0048】
ここで、サブルーチン303における利用日時情報の収集対象となる電子ファイル群は、スタンドアローン型のパーソナルコンピュータ機器に格納されている電子ファイル群だけではなく、複数のコンピュータ機器からネットワーク回線経由で利用される、ファイルサーバーに格納される電子ファイル群でもよい。
【0049】
次に、重複時間情報データファイル作成部である、サブルーチン304において、サブルーチン303で作成された、利用日時情報データファイルの内容を読み取り、各電子ファイル間の組み合わせにおける、オープン状態の重複時間を算出し、その結果を、重複時間情報データファイルに書き出す。
【0050】
次に、関連性分析結果データファイル作成部である、サブルーチン305において、サブルーチン304で作成された重複時間情報データファイルの内容を読み取り、各電子ファイルの組合せにおける、重複時間の数値に対して、それらが大きい順にソートし、その結果に基づき、電子ファイル間におけるそれぞれのファイル名と、その電子ファイルが格納されているフォルダ名と、を関連性分析結果データファイルに書き出す。
【0051】
ここで、フォルダ名は、サブルーチン303で作成された、利用日時情報データファイルから、取得する。
【0052】
ここで、電子ファイルのフォルダ名を読み取る際、利用日時情報データファイルにおける、利用日時がもっとも新しい記録であるところの、フォルダ名を取得する。
【0053】
ここで、サブルーチン304から、サブルーチン305の間の処理は、利用者が指定した分析の実行の時間間隔で繰り返し、周期的に実行するものである。
【0054】
図4は、図3中のサブルーチン303である利用日時情報データファイル作成部のフローチャートである。
【0055】
ステップ401において、動作設定用ファイルより、分析の対象となる電子ファイルの種別を読み取る。
【0056】
次に、ステップ402において、オペレーティングシステムに、利用者がコンピュータ機器で取り扱う電子ファイルの内、それら種別に該当する電子ファイルに対する、オープン操作、およびクローズ操作を常時、監視させることにより、その電子ファイル名と、その電子ファイルが格納されているフォルダ名と、その電子ファイルに対してオープン操作を指示した日時情報と、その電子ファイルに対してクローズ操作を指示した日時情報の、4種類の情報を取得させる。
【0057】
次に、ステップ403において、ステップ402にて得られた4種類の情報を、利用日時情報データファイルに書き出す。
【0058】
ここで、利用日時情報データファイルへの、この4種類の情報の書き出しは、追記的に行われるものである。
【0059】
図5は、図3中のサブルーチン304である重複時間情報データファイル作成部のフローチャートである。
【0060】
ステップ501において、利用日時情報データファイルに記録された、電子ファイル名と、そのオープン日時情報と、そのクローズ日時情報と、を読み取る。
【0061】
次に、ステップ502において、読み取った電子ファイルのファイル名とオープン日時情報とクローズ日時情報の3種類の情報を1単位とし、異なる電子ファイル間における全ての単位の組合せに対して、それぞれの電子ファイルのオープン状態が重複していた時間の長さを計算する。
【0062】
次に、ステップ503において、ステップ502での結果を、組み合わせとなるそれぞれの電子ファイル名と、重複時間を、重複時間情報データファイルに書き出す。
【0063】
図6は、図3中のサブルーチン305である関連性分析結果データファイル作成部のフローチャートである。
【0064】
ステップ601において、重複時間情報データファイルに記録された、電子ファイルの組み合わせのそれぞれのファイル名と、その組合せにおけるオープン状態の重複時間を読み取る。
【0065】
次に、ステップ602において、各電子ファイルのファイル名と、それぞれの電子ファイルから見た場合、重複時間の数値の大きい電子ファイルを、重複時間の大きい順にソートする。
【0066】
次に、ステップ603において、利用日時情報データファイルに記載された、それぞれの電子ファイルが格納されたフォルダ名を読み取る。
【0067】
次に、ステップ604において、基準となる電子ファイルのファイル名と、その電子ファイルが格納されているフォルダ名と、重複時間の数値の大きい電子ファイルのファイル名と、その電子ファイルが格納されているフォルダ名と、重複時間の数値との、4種類の情報を、関連性分析結果データファイルに書き出す。
【0068】
ここで、重複時間の数値が大きいものほど、関連性が強いと判断する。
【0069】
ここで、同じ電子ファイルの組合せにおいて、複数個の重複時間が記録されている場合は、それぞれの数値を積算して、その積算値を、その電子ファイル対における重複時間とする。
【0070】
ここで、電子ファイルのフォルダ名を読み取る際、利用日時情報データファイルにおける、利用日時がもっとも新しい記録であるところの、フォルダ名を取得する。
【0071】
図7は、図1における、関連性ファイル表示部105の、フローチャートである。
【0072】
ステップ701において、本表示部の常駐動作が開始される
【0073】
次に、ステップ702において、利用者が注目している電子ファイルに対して、関連する電子ファイルの利用者による表示指示を待機する。
【0074】
次に、ステップ703において、ステップ702での指示として、関連ファイルの表示の指示があったかどうかの分岐を行う。
【0075】
次に、ステップ704において、関連性分析結果データファイルを開く。
【0076】
次に、ステップ705において、開かれた関連性分析結果データファイルの内容から、利用者が注目している電子ファイルに対して、関連性が高いとされた電子ファイル電子ファイルの情報を、検索し、取得する。
【0077】
次に、ステップ706において、ステップ705にて取得された電子ファイルの名称とその電子ファイルが格納されているフォルダ名を、コンピュータ機器の画面上に表示する。
【0078】
その後、ステップ701に戻り、常駐状態を続ける。
【0079】
ここで、本表示部は、コンピュータ機器の動作時間内において、常駐的に動作するものである。
【0080】
図8は、利用日時情報データファイルに記録されたテーブルの例である。
【0081】
テーブルの1カラム目には、電子ファイルのファイル名が記録されている。ここで、ファイル名の例として、「fileA」などと記載している。
【0082】
Aテーブルの2カラム目には、1カラム目の電子ファイルが格納されているフォルダ名が記録されている。
【0083】
テーブルの3カラム目には、その電子ファイルが利用者によってオープンされた日時情報が記録されている。
【0084】
テーブルの4カラム目には、その電子ファイルが利用者によってクローズされた日時情報が記録されている。
【0085】
ここで、同一の電子ファイルに対して、利用者が複数回オープンすることもあることから、そのような場合は、同一の電子ファイルに対して、オープン日時情報とクローズ日時情報が、複数回、記録されることになる。
【0086】
ここで、利用者によってオープンされた電子ファイルに対し、利用者が明示的にクローズの指示を与えず、コンピュータ機器のシャットダウンまでオープン状態が継続された場合は、コンピュータ機器のシャットダウン処理が開始された日時をもって、その電子ファイルのクローズ日時情報とする。
【0087】
なお、この記録の処理は、利用者によって指定された時間間隔で本プログラムが実施するものである。
【0088】
図8のテーブル場合、収集対象とされた電子fileAと電子fileBの2つのファイルに対して、合計で12個の情報が記録されている。
【0089】
1行目の記録によると、fileAは、フォルダ「c:¥doc¥研究」に格納され、2006年10月2日8時24分00秒に、利用者によってオープンされ、2006年10月2日9時00分51秒に、利用者によってクローズされている。
【0090】
3行目の記録によると、fileBは、フォルダ「d:¥事務¥特許¥2006¥ファイル分析」に格納され、2006年10月2日9時21分36秒に、利用者によってオープンされ、2006年10月2日9時58分53秒に、利用者によってクローズされている。
【0091】
図9は、利用者の操作による複数の電子ファイルがオープンされている状態のサンプル図である。
【0092】
901から907まで、7個のサンプルが記載されている。それぞれ、fileAとfileBの2つの電子ファイルを例示として用い、その電子ファイルがオープンされていた時間帯を、横方向を時間軸とする○印、または●印で示している。
【0093】
901の例の場合、fileAが先にオープンされ、続いてfileBがオープンされ、続いてfileAがクローズされ、最後にfileBがクローズされている。この場合、本プログラムの演算の結果、fileAとfileBの間には、●印で示された時間帯が、重複時間として算出される。
【0094】
902の例の場合、fileBが先にオープンされ、続いてfileAがオープンされ、続いてfileBがクローズされ、最後にfileAがクローズされている。この場合、本プログラムの演算の結果、fileAとfileBの間には、●印で示された時間帯が、重複時間として算出される。
【0095】
903の例の場合、fileAが先にオープンされ、続いてfileBがオープンされ、続いてfileBがクローズされ、最後にfileAがクローズされている。この場合、本プログラムの演算の結果、fileAとfileBの間には、●印で示された時間帯が、重複時間として算出される。
【0096】
904の例の場合、fileBが先にオープンされ、続いてfileAがオープンされ、続いてfileAがクローズされ、最後にfileBがクローズされている。この場合、本プログラムの演算の結果、fileAとfileBの間には、●印で示された時間帯が、重複時間として算出される。
【0097】
905の例の場合、fileAが先にオープンされ、続いてfileAがクローズされ、続いてfileBがオープンされ、最後にfileBがクローズされている。この場合、本プログラムの演算の結果、fileAとfileBの間には、重複時間がゼロになる。
【0098】
906の例の場合、fileBが先にオープンされ、続いてfileBがクローズされ、続いてfileAがオープンされ、最後にfileAがクローズされている。この場合、本プログラムの演算の結果、fileAとfileBの間には、重複時間がゼロになる。
【0099】
907の例の場合、fileAが先にオープンされ、続いてfileAのクローズとfileBのオープンが同時に行われ、最後にfileBがクローズされている。この場合、本プログラムの演算の結果、fileAとfileBの間には、重複時間がゼロになる。
【0100】
図10は、重複時間情報データファイルに記録されたテーブルの例である。
【0101】
テーブルの1カラム目には、ファイルのオープン状態の重複時間の算出の際、基準となる電子ファイルのファイル名が記録されている。
【0102】
テーブルの2カラム目には、1カラム目の電子ファイルとオープン状態が、時間的に重複していた電子ファイルのファイル名が記録されている。
【0103】
3カラム目には、オープン状態が重複していた時間の長さが、秒を単位とする数値として記録されている。
【0104】
図11は、関連性分析結果データファイルに記録されたテーブルの例である。
【0105】
テーブルの1カラム目には、重複時間の算出の基準元となった電子ファイルのファイル名が、記録されている。
【0106】
テーブルの2カラム目には、1カラム目の電子ファイルが格納されているフォルダ名が記録されている。
【0107】
テーブルの3カラム目には、1カラム目の電子ファイルに対して、オープン状態の重複時間の数値の大きいものの順に、相手の電子ファイルのファイル名が記録されている。
【0108】
テーブルの4カラム目には、3カラム目の電子ファイルが格納されているフォルダ名が、記録されている。
【0109】
テーブルの5カラム目には、重複時間の数値が、記録されている。
【0110】
ここで数値は、秒を単位としている。
【0111】
ここで、重複時間の大きい電子ファイルの記録される数は、いくつでもよい。
【0112】
このテーブルの場合、fileAに対して重複時間がもっとも大きい電子ファイルは、重複時間が15089秒である、fileFであることが分かる。
【0113】
このテーブルの場合、fileAに対する重複時間が大きいファイルが5個、fileBに対する重複時間が大きいファイルが4個、fileCに対する重複時間が大きいファイルが1個、記載されている。
【0114】
図12は、関連ファイル表示部を用いた、コンピュータ機器の画面上における、関連性の高い電子ファイルの表示例である。
【0115】
利用者が注目している電子ファイルを中心として、関連性分析結果データファイルにて、その電子ファイルと関連性が高いとされた電子ファイルを、画面上に、複数個、表示している。
【0116】
ここで、従来のディレクトリ型電子ファイルの格納構造とは無関係に、表示を行っている。ここで、画面表示のレイアウトなどのデザインは、関連性の強弱が分かれば、いかなるものでもよい。
【0117】
図13は、関連ファイル表示部を用いた、コンピュータ機器の画面上における、関連性の高い電子ファイルのいもづる式的な表示例である。
【0118】
ここで、図12での表示例に加えて、関連する電子ファイルが、さらに関連する電子ファイルを、いもづる式に表示している。
【0119】
ここで、画面表示のレイアウトなどのデザインは、関連性の強弱が分かれば、いかなるものでもよい。

【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】本発明のプログラムの、全体構成図である。
【図2】本発明のプログラムと、そのプログラムが動作するコンピュータ機器との関係図である。
【図3】関連性分析部のフローチャートである。
【図4】利用日時情報データファイル作成部サブルーチンのフローチャートである。
【図5】重複時間情報データファイル作成部サブルーチンのフローチャートである。
【図6】関連性分析結果データファイル作成部のフローチャートである。
【図7】関連ファイル作成部のフローチャートである。
【図8】利用日時情報データファイルの例である。
【図9】電子ファイル間において、時間的な重複が発生する例である。
【図10】重複時間情報データファイルの例である。
【図11】関連性分析結果データファイルの例である。
【図12】関連ファイルの表示例である。
【図13】関連ファイルのいもづる的な表示例である。
【符号の説明】
【0121】

101 利用日時情報データファイル作成部
102 重複時間情報データファイル作成部
103 関連性分析結果データファイル作成部
104 関連性分析部
105 関連ファイル表示部
201 本発明のプログラム
202 本発明が動作するコンピュータ機器のオペレーティングシステム
203 電子ファイル群
204 画面表示部
205 コンピュータ機器
301 データファイルの作成ステップ
302 利用条件の入力ステップ
303 利用日時情報データファイル作成部サブルーチン
304 重複時間情報データファイル作成部サブルーチン
305 関連性分析結果データファイル作成部サブルーチン
401 分析対象のファイル種別を読み取るステップ
402 当該電子ファイルのファイル名とオープン日時情報とクローズ日時情報の読み取りオペレーティングシステムに指示するステップ
403 利用日時情報データファイルに書き込むステップ
501 電子ファイル名とオープン日時情報とクローズ日時情報を読み取るステップ
502 電子ファイル対におけるオープン状態の重複時間を算出ステップ
503 重複時間情報データファイルに書き込むステップ

601 電子ファイルの組み合わせとオープン状態の重複時間を読み取るステップ
602 重重複時間の大きい順にソートステップ
603 電子ファイルの格納されているフォルダ名を読み取るステップ
604 電子ファイル名、フォルダ名、重複時間を、重複時間の大きい順に書き出すステップ
701 常駐を開始するステップ
702 利用者による関連ファイル・関連フォルダの表示指示を監視するステップ
703 関連ファイル・関連フォルダの表示指示の判断分岐ステップ
704 関連性分析結果データファイルを開くステップ
705 関連ファイルを抽出するステップ
706 関連ファイルを画面表示するステップ
901 2つの電子ファイルのオープン状態の時間的重複のサンプル図
902 2つの電子ファイルのオープン状態の時間的重複のサンプル図
903 2つの電子ファイルのオープン状態の時間的重複のサンプル図
904 2つの電子ファイルのオープン状態の時間的重複のサンプル図
905 2つの電子ファイルのオープン状態の時間的重複のサンプル図
906 2つの電子ファイルのオープン状態の時間的重複のサンプル図
907 2つの電子ファイルのオープン状態の時間的重複のサンプル図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を電子ファイルの形態で記録装置に格納するコンピュータ機器を、前記機器に格納されており、かつ、利用者の操作によって作成された情報を記録している電子ファイルに対し、利用者が、その電子ファイルをオープンさせる操作を指示した日時の情報と、その電子ファイルをクローズさせる操作を指示した日時の情報と、その電子ファイルのファイル名と、その電子ファイルが格納されているフォルダのフォルダ名の、4種類の情報を、オペレーティングシステムに読み取りを行うように指示することにより、前記機器の利用時間にわたって連続的に採取し、採取された4種類の情報を、前記機器内の記録装置内の利用日時情報データファイルに追記的に書き出し保存する手段と、
利用日時情報データファイルに記録された電子ファイル全体に対して、電子ファイル名と、利用者がその電子ファイルをオープンした日時の情報と、その電子ファイルを利用者がクローズした日時の情報との、3つの情報を1単位とし、異なる電子ファイル間における全ての単位の組合せを、前記機器上の演算装置を用いて生成し、前記全ての組合せについて、組合せとなる電子ファイル対が、それぞれオープンされていた状態の時間的な重複時間の数値を、前記機器上の演算装置を用いて算出し、同じ電子ファイル対に対しては、重複時間の数値を積算し、その結果得られた重複時間を積算した値に対し、その数値の大きい電子ファイル対を、関連性の強い電子ファイル対として、その電子ファイル対のそれぞれのファイル名と、その電子ファイル対が格納されているそれぞれのフォルダ名と、その重複時間の数値と、を、関連性分析結果データファイルとして、前記機器内の記録装置に書き出し保存する手段と、
保存された関連性分析結果データファイルの内容を読み取り、その内容に基づき、利用者から指示のあった電子ファイルに対して、関連性が強いとされた電子ファイルを、前記機器の画面上に表示する手段として、機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−217087(P2008−217087A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−49638(P2007−49638)
【出願日】平成19年2月28日(2007.2.28)
【出願人】(591224788)大分県 (31)
【Fターム(参考)】