説明

電子メール操作システム、電子メール操作装置、及び、電子メール操作方法

【課題】契約する通信事業者が変更された通信端末に対して電子メールの操作を行う。
【解決手段】電子メール操作システム2では、第1通信網N1に対して通信をする際に対象端末20により用いられる第1メールアドレスを宛先とする電子メール操作要求は、第1通信網N1に含まれる第1電子メール制御装置50において受信され、第1電子メール制御装置50及びSCP40を含んで構成される第1電子メール操作システム30において第1メールアドレスに対応付けられた対象端末20の電話番号が特定され、この電話番号を用いて第2通信網N2に対して、電子メールの操作要求が送信され、第2電子メール操作装置60において、当該操作要求中の電話番号を用いて対象端末20に対して電子メールの操作指示が送信される。これにより、対象端末20に対して、第1通信網N1とは異なる通信網である第2通信網N2を介して電子メールの操作指示が行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子メール操作システム、電子メール操作装置、及び、電子メール操作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子メールは、インターネットを利用した非同期のコミュニケーションツールとして、携帯電話等の通信端末においても多用されているが、誤情報の送信や宛先間違いの発生等も多い。このため、削除や差し換え等の操作要求をメールの送信相手に送信することで、メールサーバ又は相手の通信端末に保存されている既送信のメールを、相手が読む前に操作する方法が種々検討されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−55932号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、近年、ある通信網(旧通信網)を提供する通信事業者(旧通信事業者)と契約した通信端末のユーザが、契約先を旧通信網とは異なる通信網(新通信網)を提供する通信事業者(新通信事業者)に変更した場合にも、旧通信事業者と契約した際に取得した電話番号を引き続き使用することができるナンバーポータビリティ(番号ポータビリティ)制度が導入され、ユーザが契約する通信事業者の変更が増加している。ところが、通信端末に割り当てられたメールアドレスはナンバーポータビリティ制度の対象とされてないため、ユーザの契約する通信事業者が旧通信事業者から新通信事業者に変更された場合には、旧通信事業者から通信端末に対して割り当てられたメールアドレス(旧メールアドレス)の使用は中止され、当該通信端末に対して新通信事業者から新たにメールアドレスが割り当てられる。そして、旧通信事業者との契約中に送受信された電子メールに係る情報は、旧通信網に含まれるメールサーバから削除される。
【0004】
ここで、上記の特許文献1記載の技術を用いて、ナンバーポータビリティを利用して旧通信事業者から新通信事業者に契約先を変更した通信端末に対して、通信事業者を変更する前に当該通信端末が使用していた旧メールアドレスに対して送信され、現在通信端末において保持される電子メールの削除や差し換え等の操作要求を通信端末に送信したとする。しかしながら、旧通信事業者のメールサーバでは、上述のように、使用が中止された旧メールアドレスを用いて送受信された電子メールに係る情報は削除されてしまうことから、旧通信事業者のメールサーバでは当該操作要求に基づいた電子メールの削除等の操作を行うことができないという問題があった。
【0005】
本発明は、上記課題を鑑みてなされた発明であり、例えばナンバーポータビリティにより契約する通信事業者が変更された通信端末に対して電子メールの操作を行うことができる電子メール操作システム、電子メール操作装置、及び電子メール操作方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る電子メール操作システムは、第1の通信網に含まれ、当該第1の通信網に接続して通信を行う通信端末に対して送受信がなされる電子メールを操作する第1の電子メール操作装置と、第1の通信網とは異なる第2の通信網に含まれ、当該第2の通信網に接続して通信を行う通信端末に対して送受信がなされる電子メールを操作する第2の電子メール操作装置と、を含んで構成され、操作対象となる通信端末である対象端末に対して、第1の通信網に接続して対象端末が電子メールの送受信を行う際に用いられる第1のメールアドレスを用いて送信された電子メールを第2の通信網を介して操作するための電子メール操作システムであって、第1の電子メール操作装置は、第1の通信網と第2の通信網とにおいて対象端末を特定するために共通して用いられる情報である対象端末情報と、第1のメールアドレスと、を対応付けて格納する端末情報格納手段と、第1のメールアドレスと、電子メールを特定する情報と、が含まれた電子メール操作要求を受信する電子メール操作要求受信手段と、操作要求受信手段により受信された電子メール操作要求に含まれる第1のメールアドレスに基づいて、端末情報格納手段を参照して、第1のメールアドレスに対応付けて格納される対象端末情報を取得する対象端末情報取得手段と、第2の通信網に対して、対象端末情報と、電子メールを特定する情報と、が含まれる電子メールの操作要求を送信する電子メール操作要求送信手段と、を備え、第2の電子メール操作装置は、第1の電子メール操作装置から送信される操作要求を受信する操作要求受信手段と、操作要求受信手段により受信された操作要求に含まれる対象端末情報により特定される対象端末に対して、電子メールを特定する情報により特定される電子メールの操作を指示する電子メール操作指示を送信する操作指示送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る電子メール操作システムに含まれる電子メール操作装置は、第1の通信網に含まれ、当該第1の通信網に接続して通信を行う通信端末に対して送受信がなされる電子メールを操作する第1の電子メール操作装置と、第1の通信網とは異なる第2の通信網に含まれ、当該第2の通信網に接続して通信を行う通信端末に対して送受信がなされる電子メールを操作する第2の電子メール操作装置と、を含んで構成され、操作対象となる通信端末である対象端末に対して、第1の通信網に接続して対象端末が電子メールの送受信を行う際に用いられる第1のメールアドレスを用いて送信された電子メールを第2の通信網を介して操作するための電子メール操作システムに含まれる第1の電子メール操作装置であって、第1の通信網と第2の通信網とにおいて対象端末を特定するために共通して用いられる情報である対象端末情報と、第1のメールアドレスと、を対応付けて格納する端末情報格納手段と、第1のメールアドレスと、電子メールを特定する情報と、が含まれた電子メール操作要求を受信する電子メール操作要求受信手段と、操作要求受信手段により受信された電子メール操作要求に含まれる第1のメールアドレスに基づいて、端末情報格納手段を参照して、第1のメールアドレスに対応付けて格納される対象端末情報を取得する対象端末情報取得手段と、第2の通信網に対して、対象端末情報と、電子メールを特定する情報と、が含まれる電子メールの操作要求を送信する電子メール操作要求送信手段と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る電子メール操作システムに含まれる電子メール操作装置は、第1の通信網に含まれ、当該第1の通信網に接続して通信を行う通信端末に対して送受信がなされる電子メールを操作する第1の電子メール操作装置と、第1の通信網とは異なる第2の通信網に含まれ、当該第2の通信網に接続して通信を行う通信端末に対して送受信がなされる電子メールを操作する第2の電子メール操作装置と、を含んで構成され、操作対象となる通信端末である対象端末に対して、第1の通信網に接続して対象端末が電子メールの送受信を行う際に用いられる第1のメールアドレスを用いて送信された電子メールを第2の通信網を介して操作するための電子メール操作システムに含まれる第2の電子メール操作装置であって、第1の電子メール操作装置から送信され、第1の通信網と第2の通信網とにおいて共通して用いられる対象端末を特定する情報である対象端末情報と、電子メールを特定する情報と、が含まれる操作要求を受信する操作要求受信手段と、操作要求受信手段により受信された操作要求に含まれる対象端末情報により特定される対象端末に対して、電子メールを特定する情報により特定される電子メールの操作を指示する電子メール操作指示を送信する操作指示送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
上記の電子メール操作システム、電子メール操作装置では、第1の電子メール操作装置の電子メール操作要求受信手段により受信された電子メール操作要求に含まれる第1のメールアドレスに基づいて、対象端末情報取得手段により端末情報格納手段が参照することによって、対象端末情報が取得される。そして、この対象端末情報を用いて第2の通信網に対して電子メールの操作要求が送信される。一方、第2の電子メール操作装置では、操作要求受信手段において受信された当該操作要求に基づいて、第2の通信網に対して接続し、対象端末情報により特定される対象端末に対して電子メールの操作指示が送信される。このように、上記の電子メール操作システム、電子メール操作装置によれば、第1の通信網と第2の通信網との間で共通して対象端末を特定するために用いられる対象端末情報を用いて、第1の通信網とは異なる第2の通信網を介して電子メールの操作指示を対象端末に対して送信することができる。
【0010】
ここで、本発明に係る電子メール操作システムにおいて、第2の通信網は複数の通信網からなり、端末情報格納手段は、複数の通信網のうち対象端末が接続する通信網を特定する情報である通信網情報を、第1のメールアドレスにさらに対応付けて格納し、対象端末情報取得手段は、端末情報格納手段を参照して、第1のメールアドレスに対応付けて格納される対象端末情報と、通信網情報と、を取得し、電子メール操作要求送信手段は、第2の通信網に含まれる通信網のうち、通信網情報により特定される通信網に対して、対象端末情報と、電子メールを特定する情報と、が含まれる電子メールの操作要求を送信する態様とすることができる。
【0011】
上記の態様によれば、第1の通信網とは異なる第2の通信網に含まれる通信網のうち、対象端末が接続することのできる通信網に係る情報が通信網情報として端末情報格納手段に格納される。そして、電子メール操作要求送信手段では、この通信網情報を用いて、通信網情報により特定される通信網に対して電子メールの操作要求が送信される。このように、第2の通信網に含まれる通信網が複数ある場合であっても、通信網情報に基づいて対象端末が接続することができる通信網に対して電子メールの操作要求を送信し、第1の通信網とは異なる通信網を介して電子メールの操作指示を対象端末に対して送信することができる。
【0012】
ここで、本発明に係る電子メール操作システムは、第1の電子メール操作装置において、第1のメールアドレスに対して送信された電子メールを特定する情報と、電子メールの送信者を特定する情報と、を対応付けて格納する履歴情報格納手段をさらに備え、電子メール操作要求受信手段は、第1のメールアドレスと、電子メールを特定する情報と、送信者を特定する情報と、を含む電子メール操作要求を受信し、電子メールを特定する情報に基づき、履歴情報格納手段を参照して、当該電子メールの送信者と、電子メール操作要求の送信者とが一致しないと判断した場合は、電子メール操作要求に係る処理を中止する態様としてもよい。
【0013】
上記の態様の場合、第1の電子メール操作装置の電子メール操作要求受信手段において受信される電子メール操作要求の送信者が履歴情報格納手段に格納される電子メールの送信者と一致しない場合は、以降の電子メール操作要求に係る処理が中止される。したがって、このような態様とすることで、例えば、電子メール操作要求が電子メールの送信者とは異なる第三者から送信された場合に、当該電子メール操作要求に基づいて電子メールの操作を行うことを回避することができる。
【0014】
また、本発明に係る電子メール操作システムは、第1の電子メール操作装置において、第1のメールアドレスに対して送信された電子メールを特定する情報と、通信端末に対する電子メールの配信の有無を特定する情報と、を対応付けて格納し、配信情報格納手段をさらに備え、電子メール操作要求受信手段は、電子メールを特定する情報に基づき、配信情報格納手段を参照して、当該電子メールの対象端末に対する配信の有無を確認し、当該電子メールが対象端末に対して配信されていないと判断した場合は、電子メール操作要求に係る処理を中止する態様とすることもできる。
【0015】
上記の態様では、配信情報格納手段において電子メールの配信情報が格納され、電子メール操作要求受信手段が参照することにより電子メールが配信済みであるかを確認され、電子メールが未配信である場合には、電子メール操作要求に係る処理が中止される。したがって、上記の態様によれば、電子メールが未配信である場合に、対象端末に対して電子メールの操作指示を送信することが中止されることから、不要となる通信を減少させることができる。
【0016】
なお、本発明に係る電子メール操作システム及び電子メール操作装置は、以下に示すとおり、電子メール操作方法の発明としても記述することができる。これはカテゴリが異なるだけで、実質的に同一の発明であり、同様の作用及び効果を奏する。
【0017】
すなわち、本発明に係る電子メール操作方法は、第1の通信網に含まれ、当該第1の通信網に接続して通信を行う通信端末に対して送受信がなされる電子メールを操作する第1の電子メール操作装置と、第1の通信網とは異なる第2の通信網に含まれ、当該第2の通信網に接続して通信を行う通信端末に対して送受信がなされる電子メールを操作する第2の電子メール操作装置と、を含んで構成され、操作対象となる通信端末である対象端末に対して、第1の通信網に接続して対象端末が電子メールの送受信を行う際に用いられる第1のメールアドレスを用いて送信された電子メールを第2の通信網を介して操作するための電子メール操作システムによる電子メール操作方法であって、第1の電子メール操作装置において、第1の通信網と第2の通信網とにおいて対象端末を特定するために共通して用いられる情報である対象端末情報と、第1のメールアドレスと、を対応付けて格納する端末情報格納ステップと、第1の電子メール操作装置において、第1のメールアドレスと、電子メールを特定する情報と、が含まれた電子メール操作要求を受信する電子メール操作要求受信ステップと、第1の電子メール操作装置において、操作要求受信ステップにおいて受信された電子メール操作要求に含まれる第1のメールアドレスに基づいて、端末情報格納手段を参照して、第1のメールアドレスに対応付けて格納される対象端末情報を取得する対象端末情報取得ステップと、第1の電子メール操作装置において、第2の通信網に対して、対象端末情報と、電子メールを特定する情報と、が含まれる電子メールの操作要求を送信する電子メール操作要求送信ステップと、第2の電子メール操作装置において、第1の電子メール操作装置から送信される操作要求を受信する操作要求受信ステップと、第2の電子メール操作装置において、操作要求受信ステップにおいて受信された操作要求に含まれる対象端末情報により特定される対象端末に対して、電子メールを特定する情報により特定される電子メールの操作を指示する電子メール操作指示を送信する操作指示送信ステップと、を備えることを特徴とする。
【0018】
また、本発明に係る電子メール操作装置による電子メール操作方法は、第1の通信網に含まれ、当該第1の通信網に接続して通信を行う通信端末に対して送受信がなされる電子メールを操作する第1の電子メール操作装置と、第1の通信網とは異なる第2の通信網に含まれ、当該第2の通信網に接続して通信を行う通信端末に対して送受信がなされる電子メールを操作する第2の電子メール操作装置と、を含んで構成され、操作対象となる通信端末である対象端末に対して、第1の通信網に接続して対象端末が電子メールの送受信を行う際に用いられる第1のメールアドレスを用いて送信された電子メールを第2の通信網を介して操作するための電子メール操作システムに含まれる第1の電子メール操作装置による電子メール操作方法であって、第1の通信網と第2の通信網とにおいて対象端末を特定するために共通して用いられる情報である対象端末情報と、第1のメールアドレスと、を対応付けて格納する端末情報格納ステップと、第1のメールアドレスと、電子メールを特定する情報と、が含まれた電子メール操作要求を受信する電子メール操作要求受信ステップと、操作要求受信ステップにおいて受信された電子メール操作要求に含まれる第1のメールアドレスに基づいて、端末情報格納手段を参照して、第1のメールアドレスに対応付けて格納される対象端末情報を取得する対象端末情報取得ステップと、第2の通信網に対して、対象端末情報と、電子メールを特定する情報と、が含まれる電子メールの操作要求を送信する電子メール操作要求送信ステップと、を備えることを特徴とする。
【0019】
また、本発明に係る電子メール操作装置による電子メール操作方法は、第1の通信網に含まれ、当該第1の通信網に接続して通信を行う通信端末に対して送受信がなされる電子メールを操作する第1の電子メール操作装置と、第1の通信網とは異なる第2の通信網に含まれ、当該第2の通信網に接続して通信を行う通信端末に対して送受信がなされる電子メールを操作する第2の電子メール操作装置と、を含んで構成され、操作対象となる通信端末である対象端末に対して、第1の通信網に接続して対象端末が電子メールの送受信を行う際に用いられる第1のメールアドレスを用いて送信された電子メールを第2の通信網を介して操作するための電子メール操作システムに含まれる第2の電子メール操作装置による電子メール操作方法であって、第1の電子メール操作装置から送信され、第1の通信網と第2の通信網とにおいて共通して用いられる対象端末を特定する情報である対象端末情報と、電子メールを特定する情報と、が含まれる操作要求を受信する操作要求受信ステップと、第2の電子メール操作装置において、操作要求受信ステップにおいて受信された操作要求に含まれる対象端末情報により特定される対象端末に対して、電子メールを特定する情報により特定される電子メールの操作を指示する電子メール操作指示を送信する操作指示送信ステップと、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、例えばナンバーポータビリティにより契約する通信事業者が変更された通信端末に対して電子メールの操作を行うことができる電子メール操作システム、電子メール操作装置、及び電子メール操作方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。
【0022】
(電子メール操作システムの構成)
図1は本発明の好適な実施形態に係る電子メール操作システムを含む通信システム1の構成を示す図である。図1に示す通信システム1は、第1通信網N1に接続して通信を行う通信端末である送信端末10と、第2通信網N2に対して接続して通信を行う通信端末である対象端末20と、本発明の特徴をなすシステムである電子メール操作システム2と、加入者データベース70とを含んで構成される。電子メール操作システム2は、電子メール操作要求に基づいて、通信端末に対して既に配信された電子メールを操作するシステムである。この電子メール操作システム2には、第1の電子メール操作装置である第1電子メール操作システム30を構成するSCP40及び第1電子メール制御装置50と、第2の電子メール操作装置である第2電子メール操作装置60と、が含まれる。第1通信網N1及び第2通信網N2とは、例えば移動体通信網であり、それぞれ通信端末がパケット通信を行うために通信事業者により提供されるネットワークである。
【0023】
送信端末10と第1電子メール制御装置50との間は、第1通信網N1を介して、無線通信により情報の交換が行われる。また、対象端末20と第2電子メール操作装置60との間は、第2通信網N2を介して、無線通信により情報の交換が行われる。また、第1電子メール操作システム30とSCP40との間、第1電子メール操作システム30と第2電子メール操作装置60との間、及び、第2電子メール操作装置60と加入者データベース70との間は、それぞれ有線のネットワークを介して接続される。
【0024】
なお、図1では、通信網として第1通信網N1と第2通信網N2のみを記載しているが、以下の本実施形態に係る説明では、第1通信網N1とは異なる通信網が他に複数存在する場合について説明する。また、図1では、第1電子メール制御装置50に対して一台の通信端末である送信端末10が接続される態様を示しているが、実際には複数の通信端末が接続される。また、第2電子メール操作装置60に対しても一台の通信端末である対象端末20が接続されるが、実際には複数の通信端末が接続される。
【0025】
次に、通信システム1に含まれる各装置の詳細について説明する。送信端末10及び対象端末20は、それぞれの通信端末の所有者(ユーザ)により用いられる通信端末である。具体的には、例えば、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistance)等の通信機能を有する装置として実現される。また、この通信端末は、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、モニタ、通信モジュール等のハードウェアにより構成される。第1通信網N1や第2通信網N2に対して通信端末が接続して通信を行うためには、その通信端末のユーザが当該通信網を提供する通信事業者と通信網の利用に係る契約を行う必要がある。すなわち、図1に示す通信システム1に含まれる送信端末10は、送信端末10のユーザが第1通信網N1を提供する通信事業者と契約をすることにより第1通信網N1に対して接続する機能を有する。また、対象端末20のユーザが第2通信網N2を提供する通信事業者と契約をすることにより、対象端末20は第2通信網N2に対して接続する機能を有する。また、通信事業者と契約をすることにより、送信端末10及び対象端末20は、通信事業者からメールアドレスを割り当てられる。このメールアドレスは、通常、通信端末のユーザがメールアドレスを割り当てた通信事業者と契約をしている間は使用することができるが、通信端末のユーザが通信事業者との契約を終了した後は当該メールアドレスの使用は中止される。
【0026】
なお、本実施形態の以降の説明では、対象端末20がMNP(Mobile Number Portability:携帯電話番号ポータビリティ)により、接続先となる通信網を第1通信網N1から第2通信網N2へ変更した場合について説明する。MNPとは、携帯電話に係る番号ポータビリティ(ナンバーポータビリティ)制度であり、電話番号を変更することなく契約する通信事業者を変更することができる制度である。具体的には、対象端末20のユーザは、過去に第1通信網N1を提供する通信事業者と契約をしていたため、対象端末20を特定する電話番号として電話番号「09011111111」が付与され、第1通信網N1に対して接続して音声通信等を行うと共に、第1通信網N1を提供する通信事業者から割り当てられたメールアドレス(第1メールアドレス)である「address1@xxxxx.ne.jp」を用いて電子メールの送受信を行っていた。しかしながら、対象端末20のユーザがMNPにより契約先の通信事業者を変更したことにより、対象端末20を特定する電話番号「09011111111」は変更することなく、対象端末20が接続する通信網は第1通信網N1から第2通信網N2に変更される。このように、MNPにより契約する通信事業者を変更した場合、電話番号「09011111111」は、第1通信網N1と第2通信網N2とで共通して対象端末20を特定するために用いられる電話番号となる。一方、メールアドレスは上記のMNP制度の適用を受けないため、契約先の通信事業者の変更により対象端末20による電子メールの送受信において第1メールアドレスの使用は中止され、第2通信網N2を提供する通信事業者から割り当てられたメールアドレス(第2メールアドレス)である「addressx@yyyyy.ne.jp」が使用される。さらに、第1通信網N1のメールサーバでは、第1メールアドレスの使用中止に併せて、第1メールアドレスを用いて送受信が行われた電子メールを保持するメールボックスが削除される。
【0027】
本実施形態の以降の説明では、上記のようにMNPにより接続する通信網を第1通信網N1から第2通信網N2へ変更した対象端末20に対して送信端末10が第1メールアドレスを指定することにより送信され、対象端末20において保持される電子メールを操作する場合について説明する。すなわち、操作の対象となる電子メールは対象端末20が接続する通信網が第1通信網N1である時点で、送信端末10から対象端末20に対して送信され、対象端末20により受信された電子メールである。
【0028】
本実施形態では、送信端末10のユーザの操作によって、送信端末10から第1電子メール操作システム30に含まれる第1電子メール制御装置50に対して、先に対象端末20に対して送信した電子メールに対する電子メール操作要求が送信される。ここで、送信端末10が第1電子メール操作システム30に対して送信する電子メール操作要求には、例えば当該電子メールの削除や、電子メールに含まれる本文の変更や削除、電子メールに添付されたファイルの差し換え等が挙げられる。電子メール操作要求により電子メールに添付されたファイルを差し換える要求をする場合には、差し換え後のファイルが電子メール操作要求と共に送信される。この電子メール操作要求には、対象端末20の第1メールアドレスと、電子メールを特定する情報と、当該電子メール操作要求の送信者を特定する情報が含まれる。電子メールを特定する情報としては、例えば、発信元を特定する情報(発信元である送信端末10のメールアドレス等)と、送信先を特定する情報(送信先である対象端末20のメールアドレス等)と、当該電子メールの送信端末10からの送信日時と、等が含まれる。また、通信端末間で送受信される電子メールに、あらかじめ電子メールを特定するための識別子等が付与されている場合は、電子メールを特定する情報として当該識別子を用いることもできる。また、送信者を特定する情報としては、例えば、送信端末10のメールアドレスが含まれる。また、送信者を特定する情報として送信端末10の電話番号を用いることもできる。
【0029】
第1電子メール操作システム30及び第2電子メール操作装置60は、本発明の特徴をなすシステムである電子メール操作システム2に含まれるシステム及び装置である。第1電子メール操作システム30は、第1通信網N1に含まれ、SCP40と第1電子メール制御装置50とを含んで構成される。また、第2電子メール操作装置60は、第2通信網N2に含まれる装置である。また、加入者データベース70は、第2通信網N2に含まれ、第2電子メール操作装置60により対象端末20に対して電子メールの操作指示を送信する際に使用する情報が格納される装置である。SCP40、第1電子メール制御装置50、第2電子メール操作装置60、及び、加入者データベース70は、それぞれ、図2に示すように、CPU101、主記憶装置であるRAM(Random Access Memory)102及びROM(Read Only Memory)103、通信を行うための通信モジュール104、並びにハードディスク等の補助記憶装置105等のハードウェアを備えるコンピュータとして構成される。そして、これらの構成要素が動作することにより、各装置の後述の機能が発揮される。
【0030】
図1に戻り、電子メール操作システム2に含まれる各装置の機能について説明する。SCP(Service Control Point)40は、第1電子メール操作システム30に含まれ、第1通信網N1に接続して通信を行う通信端末に係るサービスを提供する装置である。具体的には、例えば、SCP40において、MNPにより第1通信網N1から異なる通信網に接続先を変更した通信端末の情報を格納しておき、当該通信端末に対する呼接続の要求があった際には、当該通信端末が第1通信網N1とは異なる通信網に対して接続している情報を提供する機能を有する。また、SCP40は、第1通信網N1と第2通信網N2とにおいて対象端末20により共通して用いられる電話番号と、第1メールアドレスと、を対応付けて格納する端末情報格納手段として機能する。SCP40において格納される情報の例を図3に示す。図3に示すように、SCP40では、接続先を第1通信網N1から異なる通信網へ変更した通信端末について、その通信端末の電話番号と、第1通信網N1において用いられていたメールアドレスと、その通信端末が接続して通信を行うことができる通信網の情報(通信網情報)が対応付けて格納される。通信網情報としては、図3では「第2」のように通信網を特定する名称を記載しているが、例えば、通信事業者毎に割り当てられる事業者番号(NRN:Network Routing Number)を用いることもできる。これらの情報は、対象端末20のユーザが契約する通信事業者を変更する手続を行った際に、その情報が例えば通信事業者により入力されることによってSCP40に格納される。SCP40に格納される情報は、後述の第1電子メール制御装置50からの要求に応じて、第1電子メール制御装置50に対して提供される。
【0031】
続いて、第1電子メール制御装置50について説明する。第1電子メール制御装置50は、第1電子メール操作システム30に含まれ、第1通信網N1に接続して通信を行う通信端末が送受信する電子メールを操作する装置である。第1電子メール制御装置50は、第1通信網N1に接続して通信を行う通信端末が送受信する電子メールを保持するメールサーバと同じ装置に含まれてもよいし、このメールサーバとは独立して設けられてもよい。以下の実施形態では、第1電子メール制御装置50がメールサーバとしての機能を有する場合について説明する。図1に示すように、第1電子メール制御装置50は、電子メール操作要求受信部51と、対象端末情報取得部52と、電子メール操作要求送信部53と、履歴データベース54と、を含んで構成される。
【0032】
まず履歴データベース54について説明する。履歴データベース54では、第1メールアドレスに対して送信された電子メールに係る情報が格納される。履歴データベース54に格納される情報の例を図4に示す。図4は、対象端末20に限らず、複数の通信端末に対して送信された電子メールに係る情報がまとめて保持される例であるが、通信端末毎に異なる表に格納する形式であってもよい。図4に示すように、履歴データベース54では、電子メールを特定する情報として、電子メールの送信時刻と、電子メールの送信者と、電子メールの宛先と、が対応付けて格納される。電子メールの送信者及び宛先を特定する情報としては、通信端末のメールアドレスが好適に用いられる。さらに、図4に示す例では、当該電子メールが宛先の通信端末に対して配信されたかが「状態」として格納される。ここでは、宛先の通信端末に対して既に配信済みであり、通信端末において当該電子メールが保持されると考えられる場合は「既達」とされ、宛先の通信端末が圏外である等の理由により当該電子メールが配信されていない場合は「未達」とされる。この情報は、メールサーバにおいて電子メールの送受信に係る処理が行われる毎に更新される。このように、履歴データベース54は、第1のメールアドレスに対して送信された電子メールを特定する情報(送信時刻、送信者、宛先)と、電子メールの送信者を特定する情報(送信者)と、を対応付けて格納する履歴情報格納手段として機能すると共に、第1のメールアドレスに対して送信された電子メールを特定する情報と、通信端末に対する電子メールの配信の有無を特定する情報(状態)と、を対応付けて格納する配信情報格納手段として機能する。履歴データベース54に格納される情報は、上記のように、電子メールを特定する情報に電子メールの送信者を特定する情報が含まれていてもよい。なお、この履歴データベース54における電子メールの送信に係る情報は、例えばあらかじめ通信事業者や通信端末のユーザ等により定められた保持時間(例えば、3日間)の間だけ保持しておき、保持時間を経過した情報は削除される態様とすることができる。この場合、当該履歴データベース54において保持される情報量を調整することができる。
【0033】
次に、電子メール操作要求受信部51について説明する。電子メール操作要求受信部51は、送信端末10から送信され、第1メールアドレスと、電子メールを特定する情報と、電子メール操作要求の送信者(送信端末10)を特定する情報と、が含まれた電子メール操作要求を受信する電子メール操作要求受信手段として機能する。
【0034】
ここで、電子メール操作要求受信部51において受信される電子メール操作要求が、上述のようにMNPにより接続先を変更した通信端末に対して送信されるものではない場合、すなわち、第1通信網N1に接続して接続する通信端末に対する電子メール操作要求である場合には、第1電子メール制御装置50に含まれるメールサーバに含まれる当該通信端末のメールボックスを参照し、電子メールの操作に係る処理を行うと共に通信端末に対して操作指示を行うことにより電子メール操作要求に基づく電子メールの操作が行われる。しかしながら、本実施形態における対象端末20のように、接続先を変更し第1メールアドレスの使用を中止した通信端末のメールボックスは、メールサーバから削除されている。したがって、電子メール操作要求受信部51では、メールサーバに第1メールアドレスに係るメールボックスが格納されているか確認し、メールボックスが格納されていない場合には、後述の電子メールの操作に係る処理を行う。
【0035】
さらに、本実施形態の電子メール操作要求受信部51は、下記の2つの機能を有する。すなわち、第一点目は、電子メール操作要求に含まれる電子メールを特定する情報と電子メール操作要求の送信者を特定する情報とに基づいて、履歴データベース54を参照して、電子メールを特定する情報により特定される電子メールの送信者と、電子メール操作要求を送信した通信端末(本実施形態では、送信端末10)と、が一致するかを確認する。そして、電子メールの送信者と電子メール操作要求を送信した通信端末(送信端末10)が一致しない場合に、以降の電子メールの操作に係る処理を中止する機能である。また、第二点目は、当該電子メールが、宛先の通信端末(本実施形態では、対象端末20)に対して配信されたか(配信の有無)を確認し、電子メールが宛先の通信端末に対して配信されていない場合に、以降の電子メールの操作に係る処理を中止する機能である。
【0036】
具体的には、例えば、電子メールを特定する情報(送信時刻、送信者、宛先等)に基づいて、図4を参照して送信端末10が電子メール操作要求を送信した電子メールが特定される。そして、図4に示す当該電子メールの「状態」が「既達」となり、且つ、電子メールの送信者が、電子メール操作要求を送信した送信端末10である場合には、電子メール操作要求受信部51により以降の処理が続けられるが、電子メールの「状態」が「未達」である場合や、電子メールの送信者が、送信端末10ではない場合には、以降の処理を中止し、電子メール操作要求に係る処理が終了される。この場合には、例えば、電子メールの操作に係る処理が中断された旨を送信端末10に対して通知する機能を有していてもよく、さらに、処理を中断した理由を含めたメッセージ(例えば「未配信であったため処理を中止しました」等)を送信端末10に対して送信する態様とすることもできる。なお、上記のように、履歴データベース54を参照して、電子メールの操作に係る処理(電子メール操作要求に係る処理)を継続するかを確認する処理は必須ではなく、電子メール操作要求の受信を契機として、後述の処理を全て行う態様とすることもできる。また、電子メールの送信者と電子メール操作要求の送信者とが一致するかによる判断と、電子メールが宛先の通信端末に配信されているかどうかによる判断と、のいずれか一方のみを、以降の処理を行うかどうかの判断基準とすることもできる。
【0037】
このように、電子メール操作要求受信部51により受信され、履歴データベース54を参照することにより、以降の電子メールの操作に係る処理を行うと判断された電子メール操作要求は、対象端末情報取得部52に送られる。
【0038】
対象端末情報取得部52は、電子メール操作要求受信部51により受信された電子メール操作要求に含まれる第1メールアドレスに基づいて、SCP40を参照して、第1メールアドレスに対応付けて格納される対象端末20の電話番号を取得する対象端末情報取得手段として機能する。本実施形態では、対象端末情報取得部52によって、第1メールアドレスに対応付けてSCP40において格納される通信網情報も電話番号と併せて取得される。このとき取得される通信網情報は、第1通信網N1とは異なる通信網が複数ある場合に、第1メールアドレスにより特定される対象端末20が接続する通信網を特定するために用いられる。対象端末情報取得部52により取得された対象端末20の電話番号及び通信網情報と、電子メール操作要求は、電子メール操作要求送信部53へ送られる。なお、電子メール操作要求に含まれる操作対象を特定するメールアドレスが、誤ったメールアドレスである場合等、過去に用いられたメールアドレスとは異なる場合には、SCP40において当該メールアドレスに対応付けられて格納される情報がないことから、メールアドレスが誤っていると判断され、以降の処理は中止される。
【0039】
電子メール操作要求送信部53は、第2の通信網に対して、対象端末20の電話番号と、電子メールを特定する情報と、が含まれる電子メールの操作要求を送信する電子メール操作要求送信手段として機能する。本実施形態では、対象端末情報取得部52により取得された通信網を特定する情報により特定される第2通信網N2に対して、この操作要求が送信される。
【0040】
次に、第2電子メール操作装置60及び加入者データベース70について説明する。第2電子メール操作装置60は、第2通信網N2に接続して通信を行う通信端末が送受信する電子メールを操作する装置である。第2電子メール操作装置60は、第2通信網N2に接続して通信を行う通信端末が送受信する電子メールを保持するメールサーバと同じ装置に含まれてもよいし、このメールサーバとは独立して設けられてもよく、例えば、第2通信網N2と他の通信網とを接続するGW(Gateway)装置等に第2電子メール操作装置60に係る機能を保持させることもできる。
【0041】
加入者データベース70は、第2通信網N2を提供する通信事業者と契約することにより、第2通信網N2に接続して通信を行う通信端末に係る情報を格納する装置である。この加入者データベース70において保持される情報のうち、本実施形態に係る通信システム1で用いられる情報の例を図5に示す。加入者データベース70では、例えば、第2通信網N2に接続して通信を行う通信端末の電話番号、第2通信網N2を介して電子メールの送受信を行う際のメールアドレス、在圏情報、その他のサービス等の契約情報等が格納されるが、図5に示すように、本実施形態に係る通信システム1においては、そのうちの通信端末の電話番号とメールアドレスとを対応付けた情報が用いられる。加入者データベース70において保持される情報は、例えば通信事業者等により更新される。なお、後述のように、対象端末20に対して第2メールアドレスを用いることなく電子メールの操作指示を送信することができる場合には、この加入者データベース70に保持される情報は電子メールの操作に使用されない。
【0042】
次に、第2電子メール操作装置60の各機能部の詳細について説明する。図1に示すように本実施形態に係る第2電子メール操作装置60は、操作要求受信部61と操作指示送信部62とを含んで構成される。
【0043】
操作要求受信部61は、第1電子メール制御装置50から送信される電子メールの操作要求を受信する操作要求受信手段として機能する。上述のように、第1電子メール制御装置50から送信される操作要求には、対象端末20の電話番号と、電子メールを特定する情報とが含まれる。操作要求受信部61により受信された操作要求は、操作指示送信部62へ送られる。
【0044】
操作指示送信部62は、操作要求受信部61から送られた操作要求に基づいて、電子メールを特定する情報により特定される電子メールに係る操作指示を対象端末20に対して送信する操作指示送信手段として機能する。具体的には、第1電子メール制御装置50から送信される操作要求に含まれる対象端末20の電話番号に基づいて、加入者データベース70に対して問い合わせを行うことにより、第2通信網N2で使用される対象端末20のメールアドレス(第2メールアドレス)を取得し、この第2メールアドレスを用いて対象端末20に対して電子メールの操作指示を送信する。なお、対象端末20の電話番号のみを用いて対象端末20に対して電子メールの操作指示を行うことができる場合には、加入者データベース70に対して第2メールアドレスの取得に係る問い合わせを行うことなく対象端末20に対して操作指示を行う態様とすることもできる。操作指示送信部62から対象端末20に対して、電子メールの操作指示が行われ、対象端末20において当該操作指示を受信し、その指示にしたがい処理を行うことによって電子メールの操作が行われる。
【0045】
以上のように、電子メール操作システム2に含まれる各部がそれぞれ上記のように機能することにより、送信端末10から第1通信網N1に含まれる第1電子メール制御装置50に対して送信された電子メールの操作要求に基づき、対象端末20において保持される電子メールを操作する指示が第2通信網N2を介してなされ、対象端末20において、電子メールの操作が行われる。なお、上記の説明では、第1電子メール制御装置50と第2電子メール操作装置60とは異なる機能を有する装置として説明したが、第1電子メール制御装置50及び第2電子メール操作装置60に係る機能を併せて有する装置が通信網毎に設けられていてもよい。
【0046】
(電子メール操作方法)
次に、上述の電子メール操作システム2による電子メール操作方法について、図6に示すシーケンス図を用いて説明する。なお、図6に示すシーケンス図では、まず、第1通信網N1に接続する対象端末20に対して、送信端末10から電子メールを送信する際の処理を説明する。次いで、対象端末20が接続する通信網が第1通信網N1から第2通信網N2に変更となった後に、送信端末10から電子メール操作要求が送信された場合の処理について説明する。
【0047】
まず、送信端末10から対象端末20に対して電子メールの送信が行われる。具体的には、送信端末10から第1電子メール制御装置50に対して、送信者と宛先に係る情報を含む電子メールが送信される(S01)。ここで、送信端末10から送信される電子メールは、第1通信網N1に対して接続する対象端末20に宛てて、第1メールアドレスを用いて送信される。第1電子メール制御装置50では、当該電子メールの宛先である第1メールアドレスにより特定される対象端末20に対して電子メールを送信する(S02)。さらに、この電子メールの送信に係る処理に基づいて、第1電子メール制御装置50の履歴データベース54が更新される(S03)。具体的には、送信端末10からの電子メールの送信日時と、送信者(送信端末10)のメールアドレスと、宛先(対象端末20)のメールアドレスと、を含む、電子メールを特定する情報と、当該電子メールの配信状態に係る情報が図4に示す表に追加される。本電子メール操作方法では、対象端末20に対して電子メールが送信された(S02)ので、図4に示す表の電子メールの配信状態は「既達」となる。
【0048】
次に、対象端末20のユーザが、MNPにより契約する通信事業者を変更したことにより、対象端末20の接続する通信網に関して第1通信網N1から第2通信網N2への変更処理が行われる(S04)。まず、第1電子メール制御装置50では、対象端末20の接続する通信網の変更に伴い第1メールアドレスの使用が中止される。そして、第1電子メール制御装置50に保持された第1メールアドレスに係る情報のうち、履歴データベース54において保持される電子メールの送受信に係る情報を除く情報(例えば、メールサーバにおいて保持される第1メールアドレスに対応付けられたメールボックス等)が第1電子メール制御装置50から削除される。一方、第1通信網N1に含まれるSCP40において保持される情報の更新が行われる(S05)。具体的には、図3に示すように、接続先の通信網を変更した通信端末の情報として、対象端末20の第1メールアドレス「address1@xxxxx.ne.jp」及び電話番号「09011111111」と、変更先の通信網を示す情報(「第2」)が対応付けられた行が追加される。一方、第2通信網N2に含まれる加入者データベース70では、新たに第2通信網N2に接続して通信を行うことになった対象端末20に係る情報が登録される(S06)。具体的には、図5に示すように、対象端末20の電話番号「09011111111」と、対象端末20が第2通信網N2に接続する際に用いる第2メールアドレス「addressx@yyyyy.ne.jp」が対応付けて格納される。
【0049】
次に、送信端末10から第1電子メール制御装置50に対して電子メール操作要求が送信される(S11)。このときの電子メール操作要求では、操作対象となる電子メールを保持する対象端末20は、第1メールアドレス「address1@xxxxx.ne.jp」により特定される。第1電子メール制御装置50の電子メール操作要求受信部51では、この電子メール操作要求を受信する(電子メール操作要求受信ステップ)。電子メール操作要求受信部51では、この電子メール操作要求に基づいて、メールサーバにおいて保持されるメールボックスを参照しようとするが、上述のように通信網変更処理(S04)において当該メールボックスが削除されているため、メールボックスの参照ができない。このことから、電子メール操作要求受信部51では、対象端末20の接続先が変更された可能性を考え、以降の処理へ進む。
【0050】
次に、電子メール操作要求受信部51において、この電子メール操作要求に含まれる電子メールを特定する情報と、当該電子メール操作要求の送信者の情報に基づいて、履歴データベース54の確認が行われる(S12、電子メール操作要求受信ステップ)。本実施形態に係る電子メール操作方法においては、電子メールを送信した送信者と電子メール操作要求の送信者との双方が送信端末10であり、且つ対象となる電子メールは既に送信されている(S02)ので、履歴データベース54を確認した結果、以降の電子メールの操作に係る処理を行うことが確認され、電子メール操作要求が電子メール操作要求受信部51から対象端末情報取得部52に対して送られる。
【0051】
対象端末情報取得部52では、電子メール操作要求受信部51から送信された電子メール操作要求に含まれる第1メールアドレスを用いてSCP40に対して通信端末の情報の問い合わせを行う(S13、接続先特定ステップ)。これに対して、SCP40に保持される情報から、メールアドレス「address1@xxxxx.ne.jp」に対応付けて格納される電話番号「09011111111」と、通信網情報「第2」とを取得する(S14、接続先特定ステップ)。このように対象端末情報取得部52により取得された対象端末20の電話番号と、接続先の通信網情報と、は、電子メール操作要求と共に対象端末情報取得部52から電子メール操作要求送信部53へ送られる。電子メール操作要求送信部53は、対象端末情報取得部52から送信されるこれらの情報を元に、第2通信網N2に対して電子メールの操作要求を送信する(S15、電子メール操作要求送信ステップ)。
【0052】
一方、第2通信網N2に含まれる第2電子メール操作装置60の操作要求受信部61では、第1電子メール制御装置50から送信される電子メールの操作要求を受信する(操作要求受信ステップ)。操作要求受信部61により受信された操作要求は、操作要求受信部61から操作指示送信部62に送られる。操作指示送信部62では、当該操作要求に含まれる対象端末20の電話番号「09011111111」に基づいて、加入者データベース70に対して対象端末20の情報が問い合わせられる(S16、操作指示送信ステップ)。そして、加入者データベース70において電話番号に対応付けて格納される対象端末20の第2メールアドレス「addressx@yyyyy.ne.jp」が、操作指示送信部62において取得される(S17、操作指示送信ステップ)。この第2メールアドレスを用いて、操作指示送信部62から対象端末20に対して電子メールの操作指示が送信される(S18、操作指示送信ステップ)。この操作指示が対象端末20において受信され、当該操作指示に基づいて対象端末20において保持される電子メールの操作が行われる(S19)。さらに、この電子メールの処理が行われた場合に、当該操作が行われたことを対象端末20のユーザに対して通知する機能を対象端末20が備える場合は、対象端末20において処理が行われたことを画面に表示する等の方法によりユーザに通知して、電子メールの操作に係る一連の処理が終了する。
【0053】
(電子メール操作システム2及び電子メール操作方法による効果)
上述の本実施形態に係る電子メール操作システム2及びこの電子メール操作システム2による電子メール操作方法による効果について説明する。
【0054】
本実施形態に係る電子メール操作システム2及び電子メール操作方法によれば、送信端末10から送信され第1メールアドレスを宛先とする電子メール操作要求は、第1通信網N1に含まれる第1電子メール制御装置50において受信される。そして、第1電子メール制御装置50及びSCP40を含んで構成される第1電子メール操作システム30において第1メールアドレスに対応付けられた対象端末20の電話番号が特定され、この電話番号を用いて第1電子メール制御装置50から第2通信網N2に対して、対象端末20が保持する電子メールの操作要求が送信される。そして、第2通信網N2に含まれる第2電子メール操作装置60において、当該操作要求に含まれる対象端末20の電話番号を用いて、対象端末20に対して電子メールの操作指示が送信される。このように、例えばナンバーポータビリティにより通信事業者を変更した通信端末である対象端末20に対して、第1通信網N1とは異なる通信網である第2通信網N2を介して電子メールの操作指示を行うことができる。
【0055】
また、本実施形態では、第1電子メール制御装置50の履歴データベース54において、電子メールの送信者を特定する情報が電子メールを特定する他の情報と対応付けて格納され、電子メール操作要求受信部51において、受信された電子メール操作要求の送信者と電子メールの送信者とが一致するか判断され、一致しない場合には、電子メール操作要求に係る処理が中止される。このような態様とすることで、例えば、電子メール操作要求が電子メールの送信者とは異なる第三者から送信された場合に、当該電子メール操作要求に基づいて電子メールの操作を行うことを回避することができる。
【0056】
さらに、本実施形態では、履歴データベース54において電子メールの配信情報が格納され、電子メール操作要求受信部51によって、履歴データベース54を参照することにより電子メールが配信済みであるかを確認し、電子メールが未配信である場合には、電子メール操作要求に係る処理が中止される。このような態様とすることで、電子メールが未配信である対象端末20に対して電子メールの操作要求を送信することなく、第1電子メール制御装置50と第2電子メール操作装置60との間、第2電子メール操作装置60と対象端末20との間の通信量を軽減して、上記の電子メールの操作を行うことができる。
【0057】
なお、上記実施形態では、電子メール操作要求受信部51において、履歴データベース54を参照して、電子メールの操作に係る以降の処理を行うか判断する態様について説明したが、上述のように、履歴データベース54を保持しない態様とした場合であっても、第1通信網N1とは異なる通信網である第2通信網N2を介して電子メールの操作指示を行うことができるという本発明に係る効果は奏される。
【0058】
(実施形態の変形例)
本発明に係る電子メール操作システム2及びこの電子メール操作システム2による電子メール操作方法は、上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の態様を取ることが可能である。本発明に係る電子メール操作システム2の種々の変形例について、以下説明する。
【0059】
まず、上記実施形態では、対象端末20のユーザが契約する通信事業者をMNPにより変更したことにより、電話番号の変更がなく対象端末20の接続する通信網が第1通信網N1から第2通信網N2に対して変更した場合について説明したが、本発明は上記の場合に限らず適用することができる。
【0060】
また、上記実施形態では、第1電子メール操作システム30はSCP40と第1電子メール制御装置50とを含んで構成されているが、これらの機能は一つの装置に全てまとめられる態様としてもよい。また、上記実施形態においてSCP40と第1電子メール制御装置50において保持される各機能を、それぞれSCP40と第1電子メール制御装置50に分散させて保持させる構成としてもよい。例えば、上記実施形態では、SCP40において、第1メールアドレスと、対象端末20の電話番号と、通信網の情報とを対応付けて格納しているが、例えば第1メールアドレスと対象端末20の電話番号とが、第1電子メール制御装置50に格納される態様とすることもできる。
【0061】
また、上記実施形態では、対象端末20を特定するために第1通信網N1と第2通信網N2とで共通して用いられる対象端末情報として電話番号が用いられる場合について説明したが、電話番号とは異なる情報として通信端末の識別番号等が第1通信網N1と第2通信網N2で共通して用いられる場合には、その情報を用いることもできる。
【0062】
また、上記実施形態では、SCP40において、通信網の情報が、第1メールアドレスと、対象端末20の電話番号と、に対応付けて格納されているが、通信網が例えば第1通信網N1と第2通信網N2との二つしかない場合には、この通信網の情報は必須ではない。すなわち、SCP40において第1メールアドレスと対象端末20の電話番号とが格納されていることから、第1通信網N1とは異なる通信網である第2通信網N2に接続先が変更されたことが判断できることから、第2通信網N2に対して電子メールの操作要求を送信することができ、以降の処理を進めることができる。
【0063】
また、上記実施形態において各装置で行われる処理についても、種々の変更を加えることができる。例えば、第1電子メール制御装置50において、第1通信網N1から異なる通信網へ接続先を変更した通信端末を特定する情報(例えば、MNPに伴い使用が中止されたメールアドレスの一覧等)を保持しておく。そして、送信端末10から送信される電子メール操作要求を受信し(図6のS11)、第1メールアドレスに係るメールボックスがないことを確認した後に当該情報を参照して第1メールアドレスにより特定される対象端末20がMNPにより接続先を変更したことを確認する。そして、MNPにより接続先が変更されたことが確認できた場合には、SCP40を参照する処理を行うという態様とすることにより、第1電子メール制御装置50とSCP40との間で行われる通信を減らすことができる。
【0064】
また、対象端末20が接続先を第1通信網N1から第2通信網N2に変更する際の変更処理(図6のS04)において、例えば、第1通信網N1のメールサーバの第1メールアドレスに係るメールボックスにおいて保持される電子メールを、第2通信網N2のメールサーバに新たに設けられた第2メールアドレスに係るメールボックスに移行する状況が発生する場合が考えられる。この場合には、第2電子メール操作装置60から対象端末20に対して電子メール操作指示(図6のS18)を送信する際に、当該指示を同じ指示を第2通信網N2のメールサーバに送信する態様としてもよい。これにより、第2通信網N2の第2メールアドレスに係るメールボックスに対しても電子メール操作指示が送信され、電子メールの操作に係る処理が行われると共に、対象端末20に対して電子メールの操作指示が送信されたことに関する履歴を記録することができる。
【0065】
また、上記実施形態では、電子メールの送信者と、電子メール操作要求の送信者が一致するかを、メールアドレスが一致するかにより確認し、一致する場合に限って以降の処理を行うことができる態様について説明している。しかしながら、メールアドレスを偽装することにより第三者から電子メール操作要求が送信されることを考慮して、例えば電子メール操作要求の送信者を確認する方法として、IDやパスワードを用いることもできる。
【0066】
また、上記実施形態では、第2電子メール操作装置60では、第1電子メール制御装置50からの操作要求を受信した際には、この操作要求に従って処理を行うこととしているが、操作要求に対応して処理を行うかどうかを対象端末20のユーザが決定する態様としてもよい。この場合、第2電子メール操作装置60は、操作要求に従って処理を行ってよいかを操作要求の受信毎に対象端末20のユーザに対して問い合わせることにより、対象端末20のユーザの意思が確認される。また、この操作要求に対応して応答を行うかどうかについての対象端末20のユーザの意思を反映した情報を設定データとしてあらかじめ第2電子メール操作装置60に記憶しておき、第1電子メール制御装置50からの操作要求を受信した際には、この情報に基づいて制御を行う態様とすることもできる。また、この設定データは、対象端末20のユーザに対して問い合わせることによって、対象端末20のユーザの意思を確認することにより作成する態様としてもよい。さらに、対象端末20のユーザが操作要求に対応した処理の実行の中止を希望した場合には、処理を中止し、送信端末10に対して通知する処理を加えてもよい。さらに、第2電子メール操作装置60が第1電子メール制御装置50からの操作要求に基づいて処理を行うかどうかは、第2通信網N2のネットワークポリシーで定めておく態様とすることもできる。すなわち、ネットワークポリシーで第1電子メール制御装置50からの操作要求に基づいて処理を行わないことを定めている場合には、第1電子メール制御装置50からの操作要求に従った処理を行わない態様とすることもできる。
【0067】
また、上記実施形態は、送信端末10から送信される電子メール(S01)が、例えばメーリングリストの投稿アドレスに対する送信であって、送信端末10から当該メーリングリストの投稿アドレスに対して電子メール操作要求を送信した場合にも適用できる。具体的には、例えば、送信端末10からのメーリングリストの投稿アドレスを宛先に指定した電子メール操作要求を第1電子メール制御装置50において受信した場合は、第1電子メール制御装置50において当該電子メール操作要求がメーリングリストに対して投稿された電子メールに対する操作要求であるかどうかを判断する。そして、メーリングリストに対して投稿された電子メールに対する電子メール操作要求であると判断される場合には、このメーリングリストを管理する管理サーバ等に問い合わせることにより、電子メールの操作を行う対象となるメーリングリスト参加者(電子メールの配信先)を特定する。そして、上記の処理により特定された電子メールの配信先となる通信端末(対象端末)のそれぞれについて電子メールの操作処理を実施する。ここで、メーリングリストに含まれる対象端末が接続する通信網を変更している場合には、上記実施形態と同様の処理を行うことによって、メーリングリストを用いて送信された電子メールに対して操作を行うことができる。
【0068】
また、上記実施形態は、対象端末20がローミング中である場合にも適用することができる。具体的には、対象端末20がローミング中である場合には、その情報が、例えば第2電子メール操作装置60において保持され、当該情報に基づいて、ローミング先の通信網に対して電子メールの操作指示を送信することにより、対象端末20の保持する電子メールの操作を行うことができる。
【0069】
また、上記実施形態では、対象端末20が接続する通信網を変更した後も電子メールを取り扱う場合について説明したが、第2通信網N2を提供する通信事業者との契約内容によっては第2通信網N2を介した電子メールの送受信ができない場合がある。この場合には、第2電子メール操作装置60は対象端末20に対して電話番号を指定して送信することのできる情報(例えば、ショートメッセージサービス)等を使用して、電子メールの操作に係る指示を送信する態様とすることもできる。
【0070】
また、上記実施形態では、第2電子メール操作装置60によって対象端末20に対して電子メールの操作指示を送信する処理について説明したが、対象端末20において操作指示に基づいて適切に電子メールの操作が行われたことを送信端末10に対して通知する態様としてもよい。この場合、電子メール操作要求、操作指示、及び電子メール操作指示が送信された順序とは逆順で、対象端末20から第2電子メール操作装置60に対して電子メールの操作結果を通知することで、第1電子メール制御装置50を介して送信端末10に対して電子メールの操作要求に対する応答としてこの操作結果を通知することができる。また、この態様とした場合には、例えば、対象端末20において、当該電子メールがユーザの操作等により既に削除されている場合には、その結果を通知することとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の好適な実施形態に係る電子メール操作システムを含む通信システムの構成と、それらの接続関係を示す図である。
【図2】本発明の実施形態におけるSCP、第1電子メール制御装置、第2電子メール操作装置、及び加入者データベースのハードウェア構成を示す図である。
【図3】SCPにおいて保持される情報の例を示す図である。
【図4】第1電子メール制御装置の履歴データベースにおいて保持される情報の例を示す図である。
【図5】加入者データベースにおいて保持される情報の例を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る電子メール操作システムを含む通信システムにおける電子メール操作方法を説明するシーケンス図である。
【符号の説明】
【0072】
1…通信システム、2…電子メール操作システム、10…送信端末、20…対象端末、30…第1電子メール操作システム、40…SCP、50…第1電子メール制御装置、60…第2電子メール操作装置、70…加入者データベース。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の通信網に含まれ、当該第1の通信網に接続して通信を行う通信端末に対して送受信がなされる電子メールを操作する第1の電子メール操作装置と、前記第1の通信網とは異なる第2の通信網に含まれ、当該第2の通信網に接続して通信を行う通信端末に対して送受信がなされる電子メールを操作する第2の電子メール操作装置と、を含んで構成され、操作対象となる通信端末である対象端末に対して、第1の通信網に接続して前記対象端末が電子メールの送受信を行う際に用いられる第1のメールアドレスを用いて送信された電子メールを前記第2の通信網を介して操作するための電子メール操作システムであって、
前記第1の電子メール操作装置は、
前記第1の通信網と前記第2の通信網とにおいて前記対象端末を特定するために共通して用いられる情報である対象端末情報と、前記第1のメールアドレスと、を対応付けて格納する端末情報格納手段と、
前記第1のメールアドレスと、前記電子メールを特定する情報と、が含まれた前記電子メール操作要求を受信する電子メール操作要求受信手段と、
前記操作要求受信手段により受信された前記電子メール操作要求に含まれる前記第1のメールアドレスに基づいて、前記端末情報格納手段を参照して、前記第1のメールアドレスに対応付けて格納される前記対象端末情報を取得する対象端末情報取得手段と、
前記第2の通信網に対して、前記対象端末情報と、前記電子メールを特定する情報と、が含まれる前記電子メールの操作要求を送信する電子メール操作要求送信手段と、
を備え、
前記第2の電子メール操作装置は、
前記第1の電子メール操作装置から送信される前記操作要求を受信する操作要求受信手段と、
前記操作要求受信手段により受信された前記操作要求に含まれる前記対象端末情報により特定される前記対象端末に対して、前記電子メールを特定する情報により特定される電子メールの操作を指示する電子メール操作指示を送信する操作指示送信手段と、
を備えることを特徴とする電子メール操作システム。
【請求項2】
前記第2の通信網は複数の通信網からなり、
前記端末情報格納手段は、前記複数の通信網のうち前記対象端末が接続する通信網を特定する情報である通信網情報を、前記第1のメールアドレスにさらに対応付けて格納し、
前記対象端末情報取得手段は、前記端末情報格納手段を参照して、前記第1のメールアドレスに対応付けて格納される前記対象端末情報と、前記通信網情報と、を取得し、
前記電子メール操作要求送信手段は、前記第2の通信網に含まれる通信網のうち、前記通信網情報により特定される通信網に対して、前記対象端末情報と、前記電子メールを特定する情報と、が含まれる前記電子メールの操作要求を送信することを特徴とする請求項1記載の電子メール操作システム。
【請求項3】
前記第1の電子メール操作装置は、
前記第1のメールアドレスに対して送信された前記電子メールを特定する情報と、前記電子メールの送信者を特定する情報と、を対応付けて格納する履歴情報格納手段をさらに備え、
前記電子メール操作要求受信手段は、前記第1のメールアドレスと、前記電子メールを特定する情報と、前記電子メール操作要求の送信者を特定する情報と、を含む前記電子メール操作要求を受信し、前記電子メールを特定する情報に基づき、前記履歴情報格納手段を参照して、当該電子メールの送信者と、前記電子メール操作要求の送信者とが一致するか確認し、一致しない場合は、前記電子メール操作要求に係る処理を中止することを特徴とする請求項1又は2記載の電子メール操作システム。
【請求項4】
前記第1の電子メール操作装置は、
前記第1のメールアドレスに対して送信された前記電子メールを特定する情報と、前記通信端末に対する前記電子メールの配信の有無を特定する情報と、を対応付けて格納し、配信情報格納手段をさらに備え、
前記電子メール操作要求受信手段は、前記電子メールを特定する情報に基づき、前記配信情報格納手段を参照して、当該電子メールの前記対象端末に対する配信の有無を確認し、当該電子メールが前記対象端末に対して配信されていない場合は、前記電子メール操作要求に係る処理を中止することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子メール操作システム。
【請求項5】
第1の通信網に含まれ、当該第1の通信網に接続して通信を行う通信端末に対して送受信がなされる電子メールを操作する第1の電子メール操作装置と、前記第1の通信網とは異なる第2の通信網に含まれ、当該第2の通信網に接続して通信を行う通信端末に対して送受信がなされる電子メールを操作する第2の電子メール操作装置と、を含んで構成され、操作対象となる通信端末である対象端末に対して、第1の通信網に接続して前記対象端末が電子メールの送受信を行う際に用いられる第1のメールアドレスを用いて送信された電子メールを前記第2の通信網を介して操作するための電子メール操作システムに含まれる第1の電子メール操作装置であって、
前記第1の通信網と前記第2の通信網とにおいて前記対象端末を特定するために共通して用いられる情報である対象端末情報と、前記第1のメールアドレスと、を対応付けて格納する端末情報格納手段と、
前記第1のメールアドレスと、前記電子メールを特定する情報と、が含まれた前記電子メール操作要求を受信する電子メール操作要求受信手段と、
前記操作要求受信手段により受信された前記電子メール操作要求に含まれる前記第1のメールアドレスに基づいて、前記端末情報格納手段を参照して、前記第1のメールアドレスに対応付けて格納される前記対象端末情報を取得する対象端末情報取得手段と、
前記第2の通信網に対して、前記対象端末情報と、前記電子メールを特定する情報と、が含まれる前記電子メールの操作要求を送信する電子メール操作要求送信手段と、
を備えることを特徴とする電子メール操作装置。
【請求項6】
第1の通信網に含まれ、当該第1の通信網に接続して通信を行う通信端末に対して送受信がなされる電子メールを操作する第1の電子メール操作装置と、前記第1の通信網とは異なる第2の通信網に含まれ、当該第2の通信網に接続して通信を行う通信端末に対して送受信がなされる電子メールを操作する第2の電子メール操作装置と、を含んで構成され、操作対象となる通信端末である対象端末に対して、第1の通信網に接続して前記対象端末が電子メールの送受信を行う際に用いられる第1のメールアドレスを用いて送信された電子メールを前記第2の通信網を介して操作するための電子メール操作システムに含まれる第2の電子メール操作装置であって、
前記第1の電子メール操作装置から送信され、前記第1の通信網と前記第2の通信網とにおいて共通して用いられる前記対象端末を特定する情報である対象端末情報と、前記電子メールを特定する情報と、が含まれる操作要求を受信する操作要求受信手段と、
前記操作要求受信手段により受信された前記操作要求に含まれる前記対象端末情報により特定される前記対象端末に対して、前記電子メールを特定する情報により特定される電子メールの操作を指示する電子メール操作指示を送信する操作指示送信手段と、
を備えることを特徴とする電子メール操作装置。
【請求項7】
第1の通信網に含まれ、当該第1の通信網に接続して通信を行う通信端末に対して送受信がなされる電子メールを操作する第1の電子メール操作装置と、前記第1の通信網とは異なる第2の通信網に含まれ、当該第2の通信網に接続して通信を行う通信端末に対して送受信がなされる電子メールを操作する第2の電子メール操作装置と、を含んで構成され、操作対象となる通信端末である対象端末に対して、第1の通信網に接続して前記対象端末が電子メールの送受信を行う際に用いられる第1のメールアドレスを用いて送信された電子メールを前記第2の通信網を介して操作するための電子メール操作システムによる電子メール操作方法であって、
前記第1の電子メール操作装置において、前記第1の通信網と前記第2の通信網とにおいて前記対象端末を特定するために共通して用いられる情報である対象端末情報と、前記第1のメールアドレスと、を対応付けて格納する端末情報格納ステップと、
前記第1の電子メール操作装置において、前記第1のメールアドレスと、前記電子メールを特定する情報と、が含まれた前記電子メール操作要求を受信する電子メール操作要求受信ステップと、
前記第1の電子メール操作装置において、前記操作要求受信ステップにおいて受信された前記電子メール操作要求に含まれる前記第1のメールアドレスに基づいて、前記端末情報格納手段を参照して、前記第1のメールアドレスに対応付けて格納される前記対象端末情報を取得する対象端末情報取得ステップと、
前記第1の電子メール操作装置において、前記第2の通信網に対して、前記対象端末情報と、前記電子メールを特定する情報と、が含まれる前記電子メールの操作要求を送信する電子メール操作要求送信ステップと、
前記第2の電子メール操作装置において、前記第1の電子メール操作装置から送信される前記操作要求を受信する操作要求受信ステップと、
前記第2の電子メール操作装置において、前記操作要求受信ステップにおいて受信された前記操作要求に含まれる前記対象端末情報により特定される前記対象端末に対して、前記電子メールを特定する情報により特定される電子メールの操作を指示する電子メール操作指示を送信する操作指示送信ステップと、
を備えることを特徴とする電子メール操作方法。
【請求項8】
第1の通信網に含まれ、当該第1の通信網に接続して通信を行う通信端末に対して送受信がなされる電子メールを操作する第1の電子メール操作装置と、前記第1の通信網とは異なる第2の通信網に含まれ、当該第2の通信網に接続して通信を行う通信端末に対して送受信がなされる電子メールを操作する第2の電子メール操作装置と、を含んで構成され、操作対象となる通信端末である対象端末に対して、第1の通信網に接続して前記対象端末が電子メールの送受信を行う際に用いられる第1のメールアドレスを用いて送信された電子メールを前記第2の通信網を介して操作するための電子メール操作システムに含まれる第1の電子メール操作装置による電子メール操作方法であって、
前記第1の通信網と前記第2の通信網とにおいて前記対象端末を特定するために共通して用いられる情報である対象端末情報と、前記第1のメールアドレスと、を対応付けて格納する端末情報格納ステップと、
前記第1のメールアドレスと、前記電子メールを特定する情報と、が含まれた前記電子メール操作要求を受信する電子メール操作要求受信ステップと、
前記操作要求受信ステップにおいて受信された前記電子メール操作要求に含まれる前記第1のメールアドレスに基づいて、前記端末情報格納手段を参照して、前記第1のメールアドレスに対応付けて格納される前記対象端末情報を取得する対象端末情報取得ステップと、
前記第2の通信網に対して、前記対象端末情報と、前記電子メールを特定する情報と、が含まれる前記電子メールの操作要求を送信する電子メール操作要求送信ステップと、
を備えることを特徴とする電子メール操作方法。
【請求項9】
第1の通信網に含まれ、当該第1の通信網に接続して通信を行う通信端末に対して送受信がなされる電子メールを操作する第1の電子メール操作装置と、前記第1の通信網とは異なる第2の通信網に含まれ、当該第2の通信網に接続して通信を行う通信端末に対して送受信がなされる電子メールを操作する第2の電子メール操作装置と、を含んで構成され、操作対象となる通信端末である対象端末に対して、第1の通信網に接続して前記対象端末が電子メールの送受信を行う際に用いられる第1のメールアドレスを用いて送信された電子メールを前記第2の通信網を介して操作するための電子メール操作システムに含まれる第2の電子メール操作装置による電子メール操作方法であって、
前記第1の電子メール操作装置から送信され、前記第1の通信網と前記第2の通信網とにおいて共通して用いられる前記対象端末を特定する情報である対象端末情報と、前記電子メールを特定する情報と、が含まれる操作要求を受信する操作要求受信ステップと、
前記第2の電子メール操作装置において、前記操作要求受信ステップにおいて受信された前記操作要求に含まれる前記対象端末情報により特定される前記対象端末に対して、前記電子メールを特定する情報により特定される電子メールの操作を指示する電子メール操作指示を送信する操作指示送信ステップと、
を備えることを特徴とする電子メール操作方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−135914(P2010−135914A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−307635(P2008−307635)
【出願日】平成20年12月2日(2008.12.2)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】