説明

電子レンジ加熱および食品の調理のための支持器具

電子レンジによる食品(10)の加熱または調理に用いられる食品支持器具(20)は、接触領域に直接配置される食品の支持を可能にする土台から隆起しかつ本質的にそれと一体である複数の食品接触領域を含み、ここにおいて、食品がふやけるのを防ぐように、食品からの排気または水分の排出を可能にするように隆起した接触領域と土台との間に、空間が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマイクロ波による食品の加熱、乾燥または調理に利用される支持器具、パッケージング、および、方法に関する。特に本発明は、マイクロ波による加熱または調理プロセスの間、食品アイテムの表面領域に水分が集中するのを防止することができる。
【背景技術】
【0002】
電子レンジは、食品の加熱および調理において比較的安価かつ迅速な方法を提供するのでほとんどすべての家庭に普及している。しかしながら、マイクロ波で固形のタイプの食品を加熱および料理する場合、問題がある。特にそれらが、ペストリーおよびピザのように比較的高い含水率を有している場合、品質は失われ、必然的にふやけてしまう傾向がある。
【0003】
電子レンジは、食品内における水分を加熱することによって食品を加熱し、調理する。従来の自宅でのマイクロ波加熱および調理方法において、ユーザは、食品アイテムの下で空気循環をほとんど提供しない電子レンジターンテーブル・プレートまたは他の本質的に平面な皿上へ加熱または調理される食品アイテムを直接配置する。その結果、食品によって吸収される水分の集中により加熱または調理される場合、食品アイテムの表面下の湿度の集中により、食品を非常にふやけさせまずくさせてしまう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
WO94/16606は、それを通じた多くのスロットを有するベース、複数の上方へ延長した円筒状の食品支持部材、および、ベースの下から、支持部材、ベースと食品との間の空間まで気流を誘導するベースの下で延長された気流指示手段を有する装置を開示している。この装置を通じてマイクロ波において加熱される場合、食品の表面下での水分の集中を防止するのに効果があり、それは、比較的厚い材料から作成され、そして、台所器具として適用が限られている。加えて、空気の流動を食品周辺で循環するように制御するため、ベースにおいて支持手段およびスロットを必要とする。
【0005】
対照的に、本出願は驚くほど単純で、便利で、重量が軽くかつ費用効果のある、マイクロ波での加熱または調理の際、食品がふやけるのを妨げる可能性がある支持器具を開発した。加えて、装置は台所器具以外での用途を可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、一形態において、接触領域に直接配置される食品を支持するように適応する土台から隆起し、本質的に土台と一体である複数の食品接触領域を含むマイクロ波による食品の加熱、乾燥、または、調理に用いられる食品支持器具に属し、加熱、乾燥または調理されている食品からの水分の流出を可能にするように空間が、隆起した接触領域と土台との間で形成されることを特徴とする。
【0007】
本発明は特に、本質的にそれらの形状を維持する一方で、接触領域上で食品の直接的な支持を可能にする表面を有する食品アイテムに関する。
【0008】
好ましい実施例において、各々の食品接触領域と土台との間の空間は、食品から離れて排気または水分の放出を助ける溝またはチャネルを形成する可能性がある。
【0009】
土台は、隆起された食品接触領域が立つ、または、その上に配置される意図のある食品の重量に耐えるのを可能にするために支えられるいかなるベースであってもよいと理解される。土台は、各々の食品接触領域に相互に連結した1つまたはそれ以上の支持材を含んでもよい。さらに、土台はまた、各々の支持材に相互に連結したベースを含んでもよい。
【0010】
最適に、食品接触領域は、土台による荷重を十分に支える負荷を備える一方で、その上に配置される場合、食品の表面との接触を最小化するように大きさを設定されておよび形づくられる。これは、マイクロ波加熱または調理プロセスの間、最大の排気、または、食品からの水分の排出を潜在的に可能にする接触領域と土台との間の最大の大きさを設定された空間を提供する可能性がある。食品接触領域のサイズは、加熱、乾燥または調理された良質な食品を提供するために、排気または十分な量の水分の流出をそれでも可能にする空間を提供するために拡大されてもよいと理解される。当業者は、接触領域に配置される食品アイテムの重量、サイズおよび形状、食品アイテムを支持するために必要とされる接触領域のサイズ、材料の厚み、安定性、マイクロ波によって加熱または調理される場合の良質な味のよい食品アイテムのための耐力強度のような特徴に従い食品接触領域および土台の最小および最大サイズおよび形状を決定することが可能である。
【0011】
本発明の必要条件ではないが、支持器具上に広告または他のしるしを提供するために、電子レンジで調理される場合、加熱または調理された食品アイテムの品質を妥協せずに食品からの水分の排気または排出する適切な空間をそれでも提供するように、食品接触領域のサイズを増加させることによって支持器具上に十分なスペースを有する可能性がある。
【0012】
土台から食品接触領域の高さは、加熱または調理される食品のタイプの次第で加減される可能性がある。最適に、接触領域の高さは、約10mmからまで約15mmの領域である。一般に、食品の含水率が高いと、湿気を排気するためにより大きい空間を提供するように、接触領域は土台からより高い位置へとなる。
【0013】
食品接触領域は、本質的に規則的な配置がされた所で配列される。代替的に、食品接触領域はパターンを形成する。電子レンジで調理される場合、このような配置は食品から離れて湿気を排気する溝またはチャネルの作成を助けることができる。さらなる代替物において、食品接触領域は、ランダムにまたは不規則に配置されることもできる。
【0014】
好ましい実施例において、食品接触領域の下の空間は、マイクロ波によって食品が加熱または調理される場合、食品の水分が等方的に放出されるのを可能にする可能性がある。支持器具のサイズおよび構成は、その上に配置される意図のある食品のタイプ次第であり、円形、直角、矩形、八角形、または、他のいかなる多角形の形状であってもよい。
【0015】
本発明の食品支持器具は、マイクロ波放射を本質的に透過する材料で作成されてもよい。例えば、支持器具はポリマー、紙、ボール紙、板紙などから作成されてもよい。材料タイプに従い、支持器具は適切な成形プロセスによって形成されてもよい。これは、PETのようなポリマーおよび張子のような紙製品が適正である。
【0016】
代替的に、支持器具は折り畳み可能または小型化可能であってもよい。例えば、支持器具は、折り紙の数学的方法において公知である折畳みの実行によって形成されてもよい。1つの実施例において、支持器具は、薄葉紙、プラスチックフィルム等の一連の畳まれた折り畳み式の段の構造を含み、および、コンパクトな格納ができるようにするために拡がるように畳む、または、小型化可能にされてもよい。
【0017】
さらに、本発明の小型化可能な形状は、各々の段の端部で、折り紙の紙の折り畳み処理から導かれた垂直の三角折りを利用してもよい。これは、負荷を支える品質を改善することと同様に、垂直の折り目を経た薄膜のエッジでの搭載により、土台に追加的な安定性を提供することもできる。装置は、これらの固定された周辺の折り目の有無にかかわらず製造されてもよい。
【0018】
さらなる実施例において、支持装置は、開くと絵が飛び出す絵本のメカニズムのような自立構造を有してもよい。例えば、食品接触領域および関連する支持体は、土台の凹部または隠された位置から出現してもよい。食品接触領域および関連する支持体は、折り畳み式の溝付の折り目、または、支持装置が作動している形式に配置される場合、上昇する土台の切出しであってもよい。
【0019】
好ましい実施例において、本発明は、特にピザ、パラーター、ペストリーおよび他の食品の電子レンジ加熱および調理において適用可能である。本発明の用途に適切であると記載される他の食品は、マフィン、フィッシュ・フィンガー、ハーブ・タイプのパン、パイ、パン、焼いた野菜、焼き芋、ベーグル、ベークドポテト、クロワッサン、魚のバターフライ、ロールパン、シュニッツェル、ソーセージ・ロール、ケーキ、ペストリーなどである。
【0020】
電子レンジ加熱または調理の間、本発明が利用されない状態と比較して、電子レンジで加熱または調理される場合、本発明は食品アイテムの質および風合いを改良することができる。加えて、本発明は、典型的な火力オーブンで焼かれるものと同等の品質の同等の食品を提供することができる。もちろん、それでもユーザが加熱または調理される食品アイテムのタイプのための適正なレベルおよび時間で食品を電子レンジで調理するために常識を使用しなければならないことは、理解される。ユーザが長すぎる時間および/または誤ったレベルにおいて電子レンジで調理する場合、いかなる装置が使われても、まずい製品が得られることになる。発明に従って調理または加熱されるいくつかのペストリー・アイテムは、比較的固く、好ましくは前もって焼かれている点に留意する必要がある。比較的軟らかいペストリー食品アイテムは概して、食品接触領域で支えられることができないので発明の装置での電子レンジによる調理および加熱に適切でないことは、当業者によって認められる。
【0021】
必要ではないが、発明の食品支持器具は、食品を褐色に焼くのを助けるようにマイクロ波エネルギを赤外線のエネルギに変換することができる金属含有物のようなマイクロ波が相互作用する材料も含んでもよい。
【0022】
加えて、説明している本発明は、食品を乾燥させるために用いることができる。食品を加熱または調理する場合、まずくなってしまうので食品の乾燥は必要ない。しかしながら、サクサクした食品を作るために揚げられる多数の食品アイテムは、揚げるプロセスに不利益であるので食品内に水分がないことを必要とする。このような食品アイテムは、ポテトチップ、コーンチップ、トルティーヤなどを含む。伝統的に、これらのタイプの食品は、揚げる前に火力オーブンにおいて乾燥させられる。しかしながら、本発明の装置を用いることにより、装置が食品からの水分排出および排気を可能にするので、これらの食品は、マイクロ波によってより急速に、都合よくかつコスト的に効率よく乾燥することができる。乾燥させられ、食品はそれから揚げられ、およびさらに商品を作成するために処理されることができる。
【0023】
さらなる態様において、本発明は、
上述のような電子レンジでの食品支持器具上への直接の食品アイテムの配置、および、
食品アイテムの電子レンジ調理、
という手順を含むマイクロ波による食品の加熱または調理方法に属する。
【0024】
食品支持器具は、ユーザが、必要に応じて自宅の電子レンジで食品を加熱または調理することができる台所器具として利用されてもよい。代替的に、その食品支持器具は、パッケージング、小売食品業界および持ち帰り食品の業界において使われてもよいので、顧客が本発明によって梱包された食品アイテムを購入する場合、良質な食品を作成するため、電子レンジで急速なおよび効率的な方法で加熱されるように便利に家庭に持ち帰られる。
【0025】
なおさらなる態様によると、本発明は、
上述の食品支持器具および、
その間で空洞を定義する支持器具に取り付け可能な閉止具、
を含む食品パッケージに属する。
【0026】
1つまたはそれ以上の食品アイテムは、空洞内で含まれてもよい。食品支持装置食品は、パッケージに対して蓋になる。必要に応じて、食品アイテムは電子レンジによって加熱または調理され、ユーザは単純に直接食品アイテムを蓋にのせ、それを電子レンジで調理する。代替的に、食品支持装置は、1つまたはそれ以上の食品アイテムのためのベースであってもよい。ここにおいて、パッケージから閉止具を除去すると、食品アイテムおよび食品支持器具ベースは、電子レンジにおいて単純に配置され、調理されることができる。
【0027】
またさらなる態様において、本発明は、
上述のような食品支持器具、
該支持装置を受容するように適応された開いたベース、および
その間で空洞を定義する開いたベースに取り付け可能な閉止具、
を含む食品パッケージに属する。
【0028】
最適に閉止具が食品支持器具または開いたベースに取り付けられる場合、気密封止が成立する。それは例えば、補完的な隆起および溝配置のような、カバーおよび食品支持器具または開いたベースのどちらかの直面する表面を備えた補完的な締結配置でもよい。従来技術において公知の他の気密閉止配置もまた適切である。適切なサイズの空洞は、後で電子レンジによって加熱または調理される意図のある所望の食品アイテムの位置決めを可能にする。
【0029】
食品支持器具は、小売の持ち帰り業界において使われてもよいので、顧客が本発明によってパックされた食品アイテムを購入する場合、それは、急速なおよび効率的な方法でマイクロ波によって都合よく加熱されることができ、顧客に必要とされる場合便利な給仕トレイにおいて販売される。
【0030】
代替的に、食品支持器具は、前もって料理された、調理または乾燥プロセスにおいて使われる可能性がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本発明がより容易に理解され、実用的な効果を有するように、引例が、本発明の好ましい実施例を図示する添付の図面とともに示される。
【0032】
「上部」、「下部」、「ベース」、「頂部」、「下面」、「底部」、「基底部」、「外側」、「端部」、「内側」などの用語は、図によって使われる場合、発明の配向または構成を表し、添付の図を見る場合の参照の基準を示す際の援助となると理解される。
これらの用語が、発明の特定の配向または構成に対し本発明を必ずしも制限するというわけではないと理解される。
【実施例1】
【0033】
電子レンジでの食品の加熱の従来の方法における、電子レンジでの固形のタイプの食品を加熱する際の問題は、図1において最もよく図示される。ここで、食品アイテム10、この場合ピザは、本質的に平面な電子レンジターンテーブル・プレートまたは皿11に直接載置されている。プレート11は、マイクロ波手順の間、それが透過するので、冷たいままであり、一方で食品10は、電子レンジ流動12によって加熱され、空気はファン13によって循環される。電子レンジ流動13は、食品アイテム10の上部表面からの水分の排出を可能にする自然な空気循環を促進するいわゆる「熱い」および「冷たい」場所を作るように平坦でない。しかしながら、食品アイテム10の下では気流が不足して、加熱されている食品10と冷たい皿11との間の温度の違いにより湿度14の集中を生じる結果になる。これは、食品アイテムの下部表面下で水分を生成し、ふやけた食品アイテム10に吸収される。
【0034】
図2は、本発明による食品支持器具20を利用することにより、ふやけた食品を生じるマイクロ波食品アイテムの下での水分の立ち上がりの問題を本発明が解決する方法を図示する。支持器具20は、配列に配置される複数の食品接触領域21を含み、食品接触領域21のための土台を形成する支持体23を経てベース22から隆起する。食品接触領域22のサイズは、熱い表面と冷たい表面との間の接触領域を減少するために最小化される。食品アイテム10が食品接触領域21に配置される場合、空間が食品アイテム10およびベース22の下で形成され、食品の下での乾いた空気の流動を可能にし、および食品10の下面から水分の排出ができるようにし、電子レンジの凝縮物の蓄積を妨げる。この実施例において、水分は、配列の食品接触領域21の配置のため、同じ大きさで放出される。好ましい実施例において、上記空間は、水分の排出または放出を助ける溝またはチャネル19の形である。
【0035】
ペストリーのような食品は、低水分および低脂肪含有から、高水分および高脂肪含有までに及ぶ。当業者は、水分および脂肪含有のバランスが異なるレベルの熱および調理時間を必要とすることを理解する。
・低湿度および低脂肪は、短時間で、最大温度で再加熱される。
・低湿度および高脂肪含有の場合、温度を弱める必要があり、低温で長い再加熱時間を必要とする。
・高湿度および低および高脂肪の場合、低温で長い再加熱時間を必要とする。
このように、最高の結果を得るため、適正な電子レンジ加熱または調理手順は、食品タイプに従って実行されなければならない。
【0036】
マイクロ波流動が再加熱される食品を改質または損なわないように留意する必要がある。このように、高い含水率を有する食品は軟らかくなり、低い含水率を有する食品はパリパリになる。隆起した食品接触領域21の高さは、低い含水率の食品のための約10mmから、高い含水率の食品のための約15mmまでの高さにおいて最適に変動する。
【0037】
本発明は、食品の底部が比較的硬いあらかじめ焼かれた冷蔵または冷凍ペストリーを再加熱するために最も利用される。軟らかい底部を有する生の食品アイテムは、それらが食品接触領域22で支えられず、ひびが入る可能性があるので、適切ではない。
【実施例2】
【0038】
図3から6は、記載された発明によって、横に展開した溝付の支持器具20を示す。装置20は、食品接触領域22を生成する上部の折り畳まれたエッジ、および、その間で支持領域を相互接続する土台の基礎を形成する下部の折り畳まれたエッジ24になる、並列の段を形成するために紙を折畳んで作成される。図5および6は、土台に追加的な重量支え強度を提供することができる折り紙技術によって形成される三角形の堅くする折り曲げ部25を含む。
【0039】
驚くべきことに、それがわずか80ミリグラムの重量の紙で生成されているだけの場合であっても、これらの装置20の折畳み技術は重要な負荷を支える特性を備える。もちろん、それは薄いプラスチック、ボール紙等で作成されることができる。溝付の折り曲げ部はまた、格納を容易にするため、装置20を図3および5で図示されたように小型化可能にする。
【0040】
使用中に、食品は電子レンジの上部の折り畳まれたエッジまたは食品接触領域21に配置される。食品の下の空気の循環および水分の排出が可能である場合、空間は各々の折り目または段の間で形成される。
【実施例3】
【0041】
図7から8は、記載されている本発明による放射状に展開した溝付の支持器具20を示す。本質的に、これらの実施例は、配置される場合、角張った波形の段を生じるように、段の対向する端部が、一緒にのりまたは他の接着剤で拘束または固着されている。例えば図4および6において示されるもののように、並列の折り畳まれた溝付の支持器具から作成される。図7は、束の外端部で三角形の固定した折り曲げ部25を有し、図8は、束の両方の端部で三角形の固定した折り曲げ部を有する。
【0042】
配置において、三角形の端部の折り曲げ部は、ファンのように開けられるために、放射状に広げることができ、360°の回転の終了後、接触した段は、広げられた段が再び離れないように固定される。
【0043】
図9から11は、端部の溝が同じ回転軸の周りを回転する棒またはハンドル27上に載置された放射状に展開する溝付の支持器具20の別の実施例を図示する。このように、作動している形状である場合、支持器具20は、中央から放射して円の断面の形をとる。
【0044】
図12から15は、土台に追加された支持体を備える本型に折られたベース28で支えられた、放射状に展開した溝付の支持器具20のさらなる代替物を図示する。本型に折られたベース28は、支持器具20を格納が容易になるために、都合がよくコンパクトにさせることを可能とする。図13から15は、追加的な支持および負荷を支える特性のため、三角形の固定した折り曲げ部25をさらに含む。
【0045】
この例における放射状に展開できる溝付きの支持器具20は、優れた態様においていかなる幾何学的な図面にもなる可能性があることが理解される。
【0046】
使用中に、食品は電子レンジの中で上部が折り畳まれたエッジまたは食品接触領域21に配置される。作動している形状である場合、食品の下の空気の循環および水分の排出を可能にするように、空間は、隣接した角張った折り目の間で形成される。
【実施例4】
【0047】
図16から27は、食品接触領域21に追加された支持体を備え、コンパクト化を可能にする横に展開された溝付の本型に折られたベース28の一般の特徴をすべてを共有する支持器具20を図示する。
【0048】
図16から18において図示される支持器具20は、のりまたは締結具を必要とすることなく紙でできている。図19から21は、端部29が一緒に接着される実施例を図示する。図22から24は、端部29の横に展開された溝付の、台紙またはボール紙からできた裏当てベース31に接着されたさらなる実施例を図示する。なおさらなる実施例において、図25から27は、作動している形状となった時に、装置の端部29を一緒にしっかり固定または係止するタブ30およびスロット32の配置の使用を図示する。
【0049】
使用中に、支持器具20が図18、21、24および27にて図示したように、十分に広げられた作動している形状となった時に、食品10は電子レンジ内で食品接触領域21に配置される。作動している形状である場合、食品の下の空気の循環および水分の排出を可能にするように、空間は、隣接した横方向の並列の折り目の間で形成される。
【実施例5】
【0050】
図28から29は、本発明による横に配置された溝付の支持器具20のなおさらなる実施例を図示する。溝のサイズはいずれの側からも長さが増加し、中央の段が最も長い。好ましくは溝の端部は、土台へのさらなる支持体を備えるために三角形に固定された折り曲げ部25を含む。もちろん、数、対称性、長さおよびサイズは、加熱または調理される食品10のタイプに合うように変更されることができる。
【実施例6】
【0051】
図30から32は、本発明による自己展開型の本型に折られた支持器具20を図示する。この具体例は、ベース28において切抜き33を生成することによって形成される。作動している形状で、本型に折られたベース28が開けられた場合、切抜き33は、支持体22を経てベース28に相互に連結された隆起した食品接触領域21を形成するため、ベース28から飛び出す。食品接触領域21はまた、その上に配置される場合、食品へのさらなる支持体を備えるために、橋絡部分34を含んでもよい。
【0052】
使用において、この実施例は食品接触領域21上で食品を支持し、食品の重量が過剰な場合、橋絡部分34はたるみ部分を担持する。作動している形状において、食品の下の空気の循環および水分の排出を可能にするため、接触領域21、橋絡部分34、および、ベース28の間で、空間は形成される。
【実施例7】
【0053】
図33から37は、小型化不可能な細い剛性材料で作成された本発明による食品支持器具20を図示する。これらの実施例において示される装置は、永久に形成可能であるプラスチック、張子または類似した材料から作成されてもよい。これらの具体的な実施例は図面において円形であるが、装置20は、優れた態様においていかなる幾何学的図面であってもよいと理解される。
【0054】
図33から36において、本質的に前の実施例に記載された溝に類似した食品支持部材は、相互連結した支持体23経由してベース22に相互接続された食品接触領域21を有する。食品接触領域21は、その間で空気の循環を可能にし、水分がその上に配置した食品の下面から放出されるのを可能にするために離間する本質的に2つの同心の円に配置される。
【0055】
図36は、ピザのようなより大きい食品アイテムの電子レンジでの加熱または調理を可能にするように、食品支持器具20のサイズを増加させるために用いることができるエキスパンダ・リング35の利用をさらに図示する。より小さい支持器具20もまた、発明によって大きい食品支持器具20を提供するための食品接触領域20を含むエキスパンダ・リング35の中央に適合する。
【0056】
図37は、本発明による剛体タイプの食品支持器具20の他の実施例を図示する。この実施例は、食品接触領域21とベース22との間の空間を提供する複数の丸みのある支持体部材36を有するベース22を含む。
【実施例8】
【0057】
本発明による食品支持器具20および蓋38を含むパッケージング37は、図38および39において図示される。加熱または調理される食品を保持するため、空洞が、蓋38および支持器具20の間で形成される。蓋38および支持器具20は、気密封止を備えるために相補的な隆起39および溝40の配置を含む。図38において図示されるパッケージング37は、例えばパイのようなペストリーに適しており、図39において図示されるパッケージング37は、ピザに適しているかもしれない。
【0058】
使用において、食品はパッケージ37に封入される。ユーザが食品アイテムを購入した後、必要に応じて電子レンジで食品アイテムを加熱することができる。そして単純に蓋38を除去し、食品アイテム10および支持器具20を加熱のために電子レンジに入れる。加熱後、パッケージング37は簡単に廃棄されることができる。最適には、パッケージングは、リサイクル可能であるPETから作成される。
【実施例9】
【0059】
図40から42は、直接本発明から利益を得ることができる異なる小売業界を図示する。図40は、ペストリーが焼かれ、冷まされ、それから本発明の支持器具20を含むパッケージングに包装されるプロセスを示す。包装されたペストリーは、それから小売のためにスーパーマーケットに供給される。そして、顧客はペストリーを購入することができるので、必要に応じて急速かつ都合よく支持器具20上でペストリーを加熱することができる。
【0060】
伝統的に、小売業環境において購入されるペストリーは、湿り気を妨げるために従来のオーブンにおける加熱が推奨される。このために、オーブンを予熱するまでに30分以上かかってしまう。しかしながら本発明を利用することによって、ペストリーは、電子レンジで約2分加熱され、まるで焼かれたと同じような品質の製品を生成することができる。
【0061】
これらの利点はまた、図41および42に示されるテイクアウト産業に伝達されることができる。ピザ業界において、ピザ・ベースは、焼かれ、冷まされ、持ち帰り用の料理を売る小売店に供給される。プロセスは、単純にトッピングの追加および発明の支持器具20上での電子レンジによる調理を必要とする。良質なピザは、従来のオーブンの調理プロセスと比較して確かに時間およびエネルギの節約となる2分以下で手に入れることができる。
【0062】
同様に、本発明の支持器具上において約2分でそれらが電子レンジにおいて急速に加熱されることができる場合、ペストリーは作成され、購入されるまで持ち帰りショップで冷蔵庫に格納されることができる。このように、顧客は1日中加熱ボックスにあったペストリーでなく新たに加熱されたペストリーを受けとる。需要に応じてペストリーが加熱される必要があるだけなので、これはまた、浪費を妨げる可能性がある。
【実施例10】
【0063】
本発明が電子レンジでの調理の間、食品の水分吸収を妨げるので、食品のいかなる水分の集中も除去される必要がある乾燥プロセスにおいて有用であるかもしれない。これは、食品のいかなる水分も、最終製品に不利益であり、製品がパリパリしないようになる可能性がある特に揚げる処理に適用可能である。これらの食品タイプは、ポテトチップ、コーンチップ、トルティーヤなどを含む。このような食品アイテムを火力オーブンで乾燥させる従来のプロセスの代わりに、食品を乾燥させるために発明を利用することは、より速く、かつ、費用効果的である可能性がある。乾燥したならば、食品は、それから良質な食品を提供するために通常の方法で揚げられることができる。
【0064】
前述のことが本発明の図示する例として与えられる一方、当業者にとって明らかであるその他のこのような修正および変更のすべては、本願明細書において本発明の範囲および領域の範囲内で記載されたとみなされるともちろん理解されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】典型的な従来技術の方法における食品の電子レンジ加熱および調理を図示する。
【図2】記載された本発明の食品支持器具のメカニズムを図示する。
【図3】縮められた形の、横に展開した並列の溝付の支持器具である。
【図4】図3において図示された、広げられた作動している形における横に展開した並列の溝付の支持器具である。
【図5】縮められた形の、固定した折り曲げ部を有する、横に展開した並列の溝付の支持器具である。
【図6】図5において図示された、広げられた作動している形における横に展開した並列の溝付の支持器具である。
【図7】小型化されたものから作動している形への3つの配置で示された固定した折り曲げ部を有する、放射状に展開された溝付の支持器具である。
【図8】溝の両方の端部で固定された三角形の折り曲げ部を有する放射状に展開された溝付の支持器具である。
【図9】縮められた形の、取っ手付きの放射状に展開された溝付の支持器具である。
【図10】部分的に広げられた形の、図9において図示された放射状に展開された溝付の支持器具である。
【図11】作動している形の、完全に広げられた図9および10で図示された放射状に展開された溝付の支持器具である。
【図12】自己展開する本型で折られた放射状の溝付の支持器具である。
【図13】縮められた形の、固定された三角形の折り曲げ部を有する自己展開の本型で折られた放射状の溝付の支持器具である。
【図14】部分的に広げられた形の、図13において図示された固定された三角形の折り曲げ部を有する自己展開する本型で折られた放射状の溝付の支持器具である。
【図15】完全に広げられた作動している形の、図13および14において図示された固定された三角形の折り曲げ部を有する自己展開の本型で折られた放射状の溝付の支持器具である。
【図16】縮められた形の、横に展開した本型で折られた折り畳み式の溝付の支持器具である。
【図17】部分的に拡大された、図16で示された横に展開した本型で折られた折り畳み式の溝付の支持器具である。
【図18】作動している形の、完全に広げられた図16および17で示された横に展開した本型で折られた折り畳み式の溝付の支持器具である。
【図19】縮められた形の、固定された端部を有する横に展開した本型で折られた折り畳み式の溝付の支持器具である。
【図20】部分的に広げられた形の、図19において図示された固定された端部を有する横に展開した本型で折られた折り畳み式の溝付の支持器具である。
【図21】完全に広げられた作動している形の、図19および図20において図示された固定された端部を有する横に展開した本型で折られた折り畳み式の溝付の支持器具である。
【図22】縮められた形の、裏当てを有する横に展開した本型で折られた折り畳み式の溝付の支持器具である。
【図23】部分的に広げられた形の、図22において図示される裏当てを有する横に展開した本型で折られた折り畳み式の溝付の支持器具である。
【図24】完全に広げられた作動している形の、図22および23において図示される裏当てを有する横に展開した本型で折られた折り畳み式の溝付の支持器具である。
【図25】縮められた形の、固定タブを有する横に展開した本型で折られた折り畳み式の溝付の支持器具である。
【図26】部分的に広げられた形の、図25において図示される固定タブを有する横に展開した本型で折られた折り畳み式の溝付の支持器具である。
【図27】完全に広げられた作動している形の、図25および26において図示される固定タブを有する横に展開した本型で折られた折り畳み式の溝付の支持器具である。
【図28】縮められた形の、固定された三角形の折り曲げ部を有し、異なるサイズの溝を有する横に展開した折り畳み式の溝付の支持器具である。
【図29】完全に広げられた作動している形の、図28において図示される固定された三角形の折り曲げ部を有し、異なるサイズの溝を有する横に展開した折り畳み式の溝付の支持器具である。
【図30】縮められた形の、自立する切抜きを有する自己展開する本型に折られる支持器具である。
【図31】部分的に広げられた形の、図30において図示される自立する切抜きを有する自己展開する本型に折られる支持器具である。
【図32】完全に広げられて作動している形の、図30および図31において図示される自立する切抜きを有する自己展開する本型に折られる支持器具である。
【図33】本発明の支持器具の剛体形状の斜視図である。
【図34】図33において図示される支持器具の剛体形状の平面図である。
【図35】図33および34において図示される支持器具の剛体形状の側面図である。
【図36】本発明による支持器具のサイズを大きくさせるためのエキスパンダ・リングの斜視図である。
【図37】本発明による支持器具の剛体形状の第2の実施例の斜視図である。
【図38】本発明による支持器具を組み込んでいるパッケージングである。
【図39】本発明による支持器具を組み込んでいるパッケージングの第2の実施例である。
【図40】小売業界において、本発明による支持器具を組み込んでいるパッケージングを利用するプロセスを図示する。
【図41】ピザ・テイクアウト業界において、本発明による支持器具を組み込んでいるパッケージングを利用するプロセスを図示する。
【図42】ペストリー・テイクアウト業界において、本発明による支持器具を組み込んでいるパッケージングを利用するプロセスを図示する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子レンジでの食品の加熱または調理に用いられる食品支持器具であって、接触領域に直接配置される食品の支持を可能にする土台から隆起しかつ本質的にそれと一体である複数の食品接触領域を含み、加熱または調理される前記食品からの水分の排出を可能にするように前記隆起した接触領域と前記土台との間で空間が形成されることを特徴とする食品支持器具。
【請求項2】
前記土台は、各々の食品接触領域と相互連結された1つ以上の支持体を含むことを特徴とする請求項1に記載の食品支持器具。
【請求項3】
前記土台がベースを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の食品支持器具。
【請求項4】
前記空間は前記食品から湿気を排気するための溝を形成することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の食品支持器具。
【請求項5】
前記食品接触領域の高さが、約10mmから約15mmであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の食品支持器具。
【請求項6】
前記食品接触領域は整列で配置されることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の食品支持器具。
【請求項7】
前記食品接触領域はパターンを形成することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の食品支持器具。
【請求項8】
前記食品が前記電子レンジにおいて加熱または調理される場合、水分は本質的に等方的に前記空間から放出されることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の食品支持器具。
【請求項9】
前記食品支持器具はポリマー、紙、板紙または台紙から作成されることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の食品支持器具。
【請求項10】
前記支持器具は成形プロセスによって形成されることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の食品支持器具。
【請求項11】
前記支持器具はPETまたは張子から作成されることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の食品支持器具。
【請求項12】
前記支持器具は折り目を含むことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の食品支持器具。
【請求項13】
前記折り目は折り紙方法によって形成されることを特徴とする請求項12に記載の食品支持器具。
【請求項14】
前記支持器具は小型化可能であることを特徴とする請求項12または13に記載の食品支持器具。
【請求項15】
前記支持器具は、一連の畳まれた折り畳み式の溝を含むことを特徴とする請求項12から14のいずれか1項に記載の食品支持器具。
【請求項16】
前記支持器具は、紙、プラスチックフィルムまたは台紙でできていることを特徴とする請求項12から15のいずれか1項に記載の食品支持器具。
【請求項17】
前記支持器具は、本のように折り畳まれた前記ベースおよび、前前記ベースが作動している形に開けられる時に飛び出す前記食品接触領域を含むことを特徴とする請求項12から16のいずれか1項に記載の食品支持器具。
【請求項18】
前記ベースが作動している形に開けられる時に、前記食品接触領域は前記ベースにおいて切抜かれ、かつ、隆起することを特徴とする請求項17に記載の食品支持器具。
【請求項19】
前記支持器具は、ピザ、パラーターまたはペストリーを加熱または調理するために用いられることを特徴とする請求項1から18のいずれか1項に記載の食品支持器具。
【請求項20】
前記支持器具が広告またはしるしを含むことを特徴とする請求項1から19のいずれか1項に記載の食品支持器具。
【請求項21】
電子レンジで食品を加熱および調理する方法であって、請求項1から20のいずれか1項に記載の前記食品支持器具に食品アイテムを配置し電子レンジに入れ、前記食品を電子レンジで加熱するステップを含む方法。
【請求項22】
請求項1から20のいずれか1項に記載の前記食品支持器具、および、その間で空洞を定義するための前記支持器具に取り付け可能な閉止具を含むことを特徴とする食品パッケージ。
【請求項23】
前記閉止具が前記支持器具に取り付けられる時に、気密封止が形成されることを特徴とする請求項22に記載の食品パッケージ。
【請求項24】
請求項1から20のいずれか1つに記載の前記食品支持器具、前記支持装置を受容するように適応された開いたベース、および、その間で空洞を定義するための前記開いたベースに取り付け可能な閉止具を含むことを特徴とする食品パッケージ。
【請求項25】
前記閉止具が前記ベースに取り付けられる時に、気密封止が形成されることを特徴とする請求項24に記載の食品パッケージ。
【請求項26】
請求項1から20のいずれか1項に記載の前記食品支持器具に食品を配置し、前記食品が乾燥するまで、前記支持器具上で前記食品を電子レンジで乾燥するステップを含むことを特徴とする食品を乾燥させる方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【公表番号】特表2007−507258(P2007−507258A)
【公表日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−529464(P2006−529464)
【出願日】平成16年10月11日(2004.10.11)
【国際出願番号】PCT/AU2004/001386
【国際公開番号】WO2005/032318
【国際公開日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(506096246)
【Fターム(参考)】