説明

電子会議システム、情報処理装置、情報処理方法及びプログラム

【課題】閲覧対象となるメモ画像付き共有ドキュメントに対して、メモ画像の表示/非表示を詳細設定することが可能な電子会議システム、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置はサーバから共有ドキュメント及び各情報処理装置の書込情報を受信する(S101、S102)。情報処理装置は、他の全ての情報処理装置の書込情報に基づく画像を全て表示し、書込情報及び表示/非表示情報をサーバに送信する(S106)。サーバは、送信された書込情報及び表示/非表示情報を記憶部に送信先の情報処理装置毎に記憶する。会議参加者が自端末装置にて少なくとも1名の他の会議参加者の情報処理装置にて書き込まれたメモ画像の表示オンを選択した場合、当該他の会議参加者のメモ画像は共有ドキュメントと共に画面に表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、会議参加者全員が同じ共有ドキュメントをそれぞれの端末装置の画面上で共有しながら会議の進行を実現する電子会議システム、当該電子会議システムを構成する情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
会議又はプレゼンテーションの際に会議参加者が同時に閲覧する会議資料等の共有ドキュメントを会議参加者毎に設置された複数の端末装置の画面上に一斉に表示させることにより、ペーパーレスな会議を実現する電子会議システムが知られている。また、端末装置の画面に表示されている共有ドキュメントに対する電子的なメモ書きを可能にする共有メモ機能を有する電子会議システムも知られている。この共有メモ機能を有する電子会議システムでは、タッチスクリーン、ペン、ペン入力用タブレット、マウス等の入力用機器が端末装置に接続され、会議参加者は、これらの入力用機器を操作することにより、自分が使用する端末装置の画面に表示されている共有ドキュメントに対して自由に電子的なメモ書きを行うことができる。自分の端末装置に表示中の共有ドキュメントに書き込まれたメモ画像は他の会議参加者の端末装置に送信され、当該端末装置の表示部に表示される。したがって、会議参加者の各々は、他の会議参加者が書き込んだメモ画像を自分の端末装置で閲覧することができる。このように、会議参加者の各々が共有ドキュメントに対して書き込んだメモ画像は、共有ドキュメントと同様に会議参加者の中で共有されるため、各会議参加者は、当該メモを使って、共有ドキュメントの内容に対する自分の意見等を他の会議参加者に伝達することができる。
【0003】
一方、会議終了後には、会議参加者は、ネットワークを介して他の者がメモ画像付きの共有ドキュメントを閲覧できるようにするために、メモ画像付きの共有ドキュメントをサーバ等の情報処理装置に保存しておく。これによって、会議参加者は、別途、インターネット又はイントラネットのネットワークを介して当該情報処理装置からメモ画像付きの共有ドキュメントを取得でき、会議内容を確認することができる(例えば、特許文献1参照)。一方、特許文献2には、アドレスとしてURL(Uniform Resource Locator)が割り当てられたデータベースに会議の議事録を保存し、そのアドレスを会議メンバーの利用者端末に送信する会議支援端末が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−9107号公報
【特許文献2】特開2005−130257号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1には、共有ドキュメントに対して会議の参加者が個々にメモを付加し、メモ付き配付資料ファイルを電子文書として記憶する電子会議システムが記載されている。特許文献1に記載されたものでは、文書情報記憶手段の記憶内容及びメモ記憶手段の記憶内容を重ね合わせた表示情報からメモ付き配付資料ファイルを作成する。つまり、特許文献1に記載のものは、複数の会議参加者が各自で書き込んだメモを、共有ドキュメントに重ね合わせて表示した状態で保存アイコンがタッチされたときの表示情報をそのままメモ付き配付資料ファイルとして保存する構成である。メモ付き配付資料ファイルは各会議参加者が用いる会議端末毎に作成されて記憶されるから、記憶されるメモ付き配付資料ファイルの量は膨大になりかねない。また、メモ付き配付資料ファイルは、複数の会議参加者によって書き込まれたメモを取捨選択せずに表示された状態のまま情報処理装置に保存している。そのため、会議終了後にメモ付き配付資料の保存先である情報処理装置からメモ付き配付資料を取得し、閲覧又は印刷を行う際、配付資料内の同一箇所に複数人が書き込んだメモが重なっているためにメモの判読が困難な場合があるという課題がある。また、メモ付き配付資料を公開しようとする会議参加者にとって複数のメモの中には閲覧者に対して非公開にしておきたいメモが含まれている場合がある。ところが、特許文献1に記載のものは、メモ付き配付資料に対して、公開するメモ及び非公開にするメモの詳細設定を行うことができないという課題がある。
【0006】
更に閲覧者にとっては、一旦保存されたメモ付き配付資料ファイルにより表示される画面上のメモの変更を望む場合もある。例えば、メモ付き配付資料ファイルを作成した会議参加者は、A氏が書き込んだメモ画像を表示するように設定していたが、閲覧者にとってはそれを非表示にすることを選択したい場合もある。このような場合、メモ付き配付資料ファイルを保存した後であってもメモの表示/非表示の設定を変更できることが望まれる。特許文献1に記載された発明では、表示された状態をそのまま保存する構成であるからメモの表示/非表示を事後的に変更することはできない。
なお、特許文献2はアドレスとしてURLが割り当てられたデータベースに会議の議事録を保存し、そのアドレスを会議メンバーの利用者端末に送信するものであって、上述した課題を解決するものではない。
【0007】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、共有ドキュメントに対する各会議参加者によって書き込まれたメモの表示/非表示を各端末装置で選択することを可能とし、会議中に表示していたメモ画像付きの共有ドキュメントの情報を保存し、各端末装置から取得することができる電子会議システム、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供することにある。また、その目的は、メモ画像付きの共有ドキュメントを保存後に、メモの表示/非表示の設定を変更することができる電子会議システム、情報処理装置、情報処理方法及びコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の電子会議システムは、ドキュメントを記憶するサーバ装置と、該サーバ装置から該ドキュメントを受信し、受信した該ドキュメントを表示部に表示させる複数の情報処理装置とを備える電子会議システムにおいて、前記情報処理装置は、受信したドキュメントに対して書き込まれる画像に対応する第1の画像情報を受け付ける手段と、他の情報処理装置にてドキュメントに対して書き込まれた画像に対応する第2の画像情報を前記サーバ装置から受信する手段と、前記第2の画像情報に対応する画像を前記表示部に表示するか否かを示す表示/非表示情報を該他の情報処理装置毎に受け付ける手段と、受け付けた表示/非表示情報が表示を示す場合には、前記第1及び第2の画像情報のそれぞれに対応する画像を前記表示部に表示させる手段と、前記第1の画像情報及び前記表示/非表示情報を前記サーバ装置へ送信する手段とを備え、前記サーバ装置は、各情報処理装置から送信された前記第1の画像情報及び前記表示/非表示情報を受信する手段と、各情報処理装置から受信したそれぞれの第1の画像情報を送信元の情報処理装置とは別の情報処理装置に第2の画像情報として送信する手段と、各情報処理装置から受信したそれぞれの第1の画像情報及び表示/非表示情報を送信元の情報処理装置毎に記憶する記憶手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の電子会議システムにあっては、ドキュメント、各会議端末でドキュメントに対して書き込まれた画像に対応する画像情報(書込情報)、及びどの会議端末での書き込みを表示させるか否かが示された表示/非表示情報といった必要最小限の情報が情報処理装置(例えば、サーバ装置)に記憶されるため、端末装置の表示部に「表示されている状態」を各端末装置の数だけ記憶しておく必要がないので、情報処理装置の記憶容量を圧迫しない。
【0010】
本発明の電子会議システムにおいて、前記第1及び第2の画像情報には、オブジェクトの種類及び該オブジェクトの階層構造情報が含まれることを特徴とする。
【0011】
本発明の電子会議システムにあっては、会議端末の使用者によって入力される画像情報は、オブジェクトの種類及びオブジェクトの階層構造情報である。
【0012】
本発明の電子会議システムは、通信ネットワークを介して前記サーバ装置と接続される端末装置を更に備え、前記サーバ装置は、前記記憶手段を特定するアドレス情報を生成する生成手段と、該生成手段が生成したアドレス情報を電子メールで前記端末装置に送信する手段とを更に備えることを特徴とする。
【0013】
本発明の電子会議システムにあっては、サーバ装置は、記憶手段を特定するアドレス情報(例えば、URL)を生成し、該アドレス情報を端末装置に送信する。端末装置は、サーバ装置から受け取ったアドレス情報により特定されるメモ画像付きのドキュメントにアクセスし、利用者はその内容を閲覧することができる。
【0014】
本発明の電子会議システムにおいて、前記端末装置は、前記サーバ装置の記憶手段に情報処理装置毎に記憶されている表示/非表示情報を変更する手段を備えることを特徴とする。
【0015】
本発明の電子会議システムにあっては、例えば会議終了後にメモ画像付きの共有ドキュメントを閲覧することができる端末装置(例えば、パーソナルコンピュータ。以下、PCと呼ぶ。)を更に備え、利用者は、端末装置を操作して表示/非表示情報の設定を変更することができる。これにより、利用者は、特定の会議出席者のメモ画像だけが表示されるように、表示画面を自分にとって使い易いレイアウトにカスタマイズすることができる。
【0016】
本発明の情報処理装置は、ドキュメントを表示部に表示する手段と、ドキュメントに対して書き込まれる第1の画像に対応する第1の画像情報を受け付ける手段と、外部から送信された第2の画像に対応する第2の画像情報を受信する手段と、前記第2の画像を前記表示部に表示するか否かを示す表示/非表示情報を他の情報処理装置毎に受け付ける手段と、受け付けた表示/非表示情報が表示を示す場合には、前記第1及び第2の画像を前記表示部に表示させると決定する手段と、前記第1の画像情報及び前記表示/非表示情報を出力する手段とを備えることを特徴とする。
【0017】
本発明の情報処理装置(例えば、端末装置)にあっては、ドキュメント、各会議端末でドキュメントに対して書き込まれた画像に対応する画像情報、及びどの会議端末での書き込みを表示させるか否かが示された表示/非表示情報といった必要最小限の情報のみを出力するため、当該情報を受信して記憶するサーバ装置の記憶容量を圧迫しない。
【0018】
本発明の情報処理方法は、ドキュメントを表示部に表示するステップと、ドキュメントに対して書き込まれる第1の画像に対応する第1の画像情報を受け付けるステップと、外部から送信された第2の画像に対応する第2の画像情報を受信するステップと、前記第2の画像を前記表示部に表示するか否かを示す表示/非表示情報を他の情報処理装置毎に受け付けるステップと、受け付けた表示/非表示情報を識別するステップと、前記表示/非表示情報が表示を示す場合には、前記第1及び第2の画像を前記表示部に表示させると決定するステップとを含むことを特徴とする。
【0019】
本発明の情報処理方法にあっては、ドキュメント、各会議端末でドキュメントに対して書き込まれた画像に対応する画像情報、及びどの会議端末での書き込みを表示させるか否かが示された表示/非表示情報といった必要最小限の情報のみを利用する。
【0020】
本発明のプログラムは、ドキュメントを表示部に表示するコンピュータに用いられるプログラムにおいて、コンピュータを、ドキュメントを表示部に表示する手段と、ドキュメントに対して書き込まれる第1の画像に対応する第1の画像情報を受け付ける手段と、外部から送信された第2の画像に対応する第2の画像情報を取得する手段と、前記第2の画像を前記表示部に表示するか否かを示す表示/非表示情報を他の情報処理装置毎に受け付ける手段と、受け付けた表示/非表示情報を識別する手段と、前記表示/非表示情報が表示を示す場合には、前記第1及び第2の画像を前記表示部に表示させると決定する手段と
して機能させることを特徴とする。
【0021】
本発明のプログラムにあっては、ドキュメント、各会議端末でドキュメントに対して書き込まれた画像情報、及びどの会議端末での書き込みを表示させるか否かが示された表示/非表示情報等の必要最小限の情報のみを利用する。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、共有ドキュメントに対する各会議参加者によって書き込まれるメモの表示/非表示を各端末装置で選択することができ、会議中に表示していたメモ画像付きの共有ドキュメントの情報を保存し、各端末装置から取得することができる。また、本発明によれば、メモ画像付きの共有ドキュメントを保存後に、メモの表示/非表示の設定を変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施の形態1に係る電子会議システムの構成例を示す説明図である。
【図2】実施の形態1に係る電子会議システムにおける端末装置の内部構成例を示すブロック図である。
【図3】実施の形態1に係る電子会議システムにおける会議サーバ装置の内部構成例を示すブロック図である。
【図4】実施の形態1に係る電子会議システムにおいて、端末装置間で共有ドキュメントが共有される仕組みの一例を示す説明図である。
【図5】端末装置のディスプレイに表示される会議端末用アプリケーション画面の一例を示す説明図である。
【図6】実施の形態1に係る電子会議システムにおける端末装置に記憶される書込情報を示す説明図である。
【図7】実施の形態1に係る電子会議システムにおける端末装置の会議中の表示処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図8】実施の形態1に係る電子会議システムにおける端末装置による処理の結果得られる画面の例を示す説明図である。
【図9】実施の形態1における閲覧案内の電子メールの一例を示す説明図である。
【図10】実施の形態1における会議端末用アプリケーションのブラウザ版の画面を示す説明図である。
【図11】実施の形態1に係る電子会議システムにおける端末装置の会議終了後の表示処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図12】実施の形態2に係る電子会議システムにおける端末装置の内部構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
実施の形態1
図面を参照して本発明に係る実施の形態を具体的に説明する。以下の説明において、「電子ドキュメント」とは、音声データ、画像データ、テキストデータ等の電子データで作成されたドキュメントのことである。本実施の形態では、会議資料、プレゼンテーション資料等を電子ドキュメントの例として挙げて説明する。さらに、本実施の形態では、「共有ドキュメント」とは、会議参加者が共有化する会議資料等の電子データのことである。
【0025】
図1は、実施の形態1に係る電子会議システムの構成例を示す説明図である。実施の形態1に係る電子会議システムは、会議中に各会議参加者が使用する端末装置1a〜1f、端末装置1a〜1fでの電子データの共有を実現する会議サーバ装置3、会議サーバ装置3に保存されているメモ画像付きの共有ドキュメントを会議終了後に閲覧することができるPC4並びに端末装置1a〜1f、会議サーバ装置3及びPC4を接続するネットワーク2を備える。端末装置1a〜1f、会議サーバ装置3及びPC4を接続するネットワーク2は、会議が行われる会社内に構築された社内LANでもよいし、インターネットなどの公衆通信網でもよい。また、本例では、端末装置の台数を6台としたが、この台数に制限されるものではない。
【0026】
会議開始前に、会議参加者は、端末装置1a〜1fを会議サーバ装置3に通信接続し、会議サーバ装置3による認証を受ける。認証とは、正当性を検証する処理である。例えば、ユーザ名とパスワードの組み合わせを使って、コンピュータを利用しようとする者にその権利があるかどうか、及び、その者が名乗っている本人かどうかなどを確認することである。会議資料等は機密性が非常に高いため、認証は機密情報漏洩防止のために有効である。会議サーバ装置3は、認証を受けた端末装置1a〜1fに対して共有ドキュメントを送信する。これにより、全ての端末装置1a〜1fが共有ドキュメントを表示することができる状態となり、会議開始の準備が整う。
【0027】
図2は、実施の形態1に係る電子会議システムにおける端末装置1の内部構成例を示すブロック図である。端末装置1はPC等の情報処理装置である。
【0028】
端末装置1は、制御部100、一時記憶部101、記憶部102、入力処理部103、表示処理部104、通信処理部105、映像処理部106、入力音声処理部107、出力音声処理部108及び読取部109を備える。さらに、端末装置1は、キーボード112、タブレット113、ディスプレイ114、ネットワークI/F部115、カメラ116、マイク117及びスピーカ118を内蔵し又は外付けする。端末装置1は、例えば、マウス、ペン等のポインティングデバイス130で文字、絵などを手書き入力できるタブレット型の情報処理装置、又は、液晶ディスプレイの表面に設置されたタッチパネルをペン等のポインティングデバイス130でなぞることで文字、絵などを手書き入力できるタッチパネル型の情報処理装置であることが好ましいが、それらに限られるものではない。以下に説明する実施の形態1では、タブレット型のPCが端末装置として使用されるものとする。
【0029】
制御部100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)であり、記憶部102から会議端末用プログラム1Pを読み出し、当該プログラムにしたがった処理を実行する。一時記憶部101は、例えば、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等である。一時記憶部101は、会議端末用プログラム1Pを一時的に記憶すると共に、制御部100による処理中に一時的に使用されるデータ又は変数等を記憶する。記憶部102は、例えばハードディスク等の大容量記憶装置である。記憶部102は、会議端末用プログラム1Pを記憶する。記憶部102には、会議端末用プログラム1Pの他に、端末装置1で使用されるアプリケーションプログラムを記憶してもよい。
【0030】
入力処理部103には、マウス(図示せず)又はキーボード112等の入力用機器が接続される。実施の形態1では、端末装置1はポインティングデバイス130による入力を受け付けるタブレット113を内蔵するので、タブレット113も入力処理部103に接続される。入力処理部103は、端末装置1の使用者である会議参加者が入力するボタンの選択情報及び画面中の位置を示す座標情報等の情報を受け付け、制御部100へ通知する。
表示処理部104には、ディスプレイ114が接続される。制御部100は、表示処理部104を制御して、ディスプレイ114に会議端末用のアプリケーション画面を表示させ、次いで、共有ドキュメントを表示させる。
【0031】
通信処理部105は、ネットワークI/F部115及びネットワーク2を介して会議サーバ装置3及び他の端末装置1との間でデータの送受信を行う。通信処理部105は、H.323、SIP(Session Initiation Protocol)、又はHTTP(Hypertext Transfer Protocol )などの通信プロトコルを用いて画像及び音声を送受信するが、他の通信プロトコルを用いてもよい。
【0032】
映像処理部106は、端末装置1が備えるカメラ116に接続され、カメラ116の動作を制御すると共にカメラ116が撮像した映像データを取得する。映像処理部106は、カメラ116にて撮像された映像をH.264、MPEGなどの映像規格のデータへ変換する処理を行うエンコーダを備えてもよい。
【0033】
入力音声処理部107は、端末装置1が備えるマイク117に接続され、マイク117によって集音された音声をサンプリングしてデジタルの音声データへ変換するA/D変換機能を有する。また、入力音声処理部107は、エコーキャンセラを有してもよい。
出力音声処理部108は、端末装置1が備えるスピーカ118に接続される。出力音声処理部108は、D/A変換機能を有し、制御部100から与えられた音声データをD/A変換し、音声信号としてスピーカ118に出力する。
【0034】
読取部109は、例えば、CD−R(Compact Disc Recordable)、DVD(Digital Versatile Disc)、ブルーレイディスク(Blu-ray disk:登録商標)又はフレキシブルディスクなどの外付けの記録媒体9から会議端末用プログラム9Pを読み取る。制御部100は、読取部109が記録媒体9から読み取った会議端末用プログラム9Pを一時記憶部101に記憶させ、又は記憶部102に記憶させる。記憶部102に記憶されている会議端末用プログラム1Pは、制御部100が記録媒体9から読み出した会議端末用プログラム9Pの複製であってもよい。
【0035】
図3は、実施の形態1に係る電子会議システムにおける会議サーバ装置3の内部構成例を示すブロック図である。会議サーバ装置3は、サーバコンピュータ等の情報処理装置である。会議サーバ装置3は、制御部30、一時記憶部31、記憶部32、画像処理部33、通信処理部34及びネットワークI/F部35を備える。
【0036】
制御部30は、例えば、CPUであり、記憶部32から会議サーバ用プログラム3Pを読み出して、当該プログラムにしたがった処理を実行する。
【0037】
一時記憶部31は、例えば、SRAM、DRAM等である。一時記憶部31は、会議サーバ用プログラム3Pを記憶し、更に、制御部30による制御を受けて、書込情報311を一時的に記憶する。書込情報311の詳細については後述する。
【0038】
記憶部32は、例えばハードディスク等の大容量記憶装置である。記憶部32は、会議サーバ用プログラム3Pを記憶する。また、記憶部32は、端末装置1a〜1fの認証を行うための認証データを記憶する。更に、記憶部32は、1つ又は複数のドキュメントデータを共有ドキュメント36として記憶する。共有ドキュメント36は、音声データ、画像データ又はテキストデータ又はそれらの組み合わせであり、フォーマットは問わない。更に、記憶部32は、各端末装置1から書込情報311及び表示/非表示情報415を受け取り、記憶する。
【0039】
画像処理部33は、記憶部32が記憶する共有ドキュメント36の内、各端末装置1a〜1fにて表示対象となる共有ドキュメント36を記憶部32から読み出し、該共有ドキュメント36を画像データに変換して出力する。
【0040】
通信処理部34は、ネットワークI/F部115及びネットワーク2を介して端末装置1a〜1fとの間でデータの送受信を行う。通信処理部34は、H.323、SIP、又はHTTPなどの通信プロトコルを用いて画像及び音声を送受信するが、他の通信プロトコルを用いてもよい。
【0041】
実施の形態1に係る電子会議システムにおいて、会議参加者は、端末装置1のキーボード112、タブレット113又はポインティングデバイス130等の入力用機器を操作して、端末装置1の会議端末用アプリケーションを起動させる。会議端末用アプリケーションが起動すると、会議サーバ装置3は、端末装置1を使用しようとする会議参加者の認証を開始する。まず始めに、会議サーバ装置3は、認証情報の入力を要求する認証画面を端末装置1のディスプレイ114に表示させる。認証確認の要求を受けると、会議参加者は、認証画面にユーザ名及びパスワード等の認証情報を入力する。端末装置1の入力処理部103は、認証情報の入力を受け付け、制御部100に通知する。制御部100は、通信処理部105を用いて、受け付けた認証情報を会議サーバ装置3へ送信する。会議サーバ装置3は、受け取った認証情報が正当か否かを判定し、その判定結果を端末装置1に送信する。このとき、端末装置1に割り振られているIPアドレスの情報が認証情報と共に会議サーバ装置3へ送信されるようにしてある。こうすることにより、以後の処理において、会議サーバ装置3は、IPアドレスを用いて各端末装置1a〜1fを識別することができる。
【0042】
会議サーバ装置3による認証の結果、端末装置1を使用しようとする者が正規の会議参加者であると判定された場合、端末装置1はその者に対してログインを許可する旨のメッセージをディスプレイ114に表示させ、この正規の会議参加者に対して電子会議システムの使用を許可する。次いで、端末装置1は会議端末用アプリケーションの画面を表示する。これに対して、認証の結果、端末装置1を使用しようとする者が正規の会議参加者でないと判定された場合、端末装置1は、端末装置へのログインを許可しない旨のメッセージをディスプレイ114に表示させ、当該者に対して電子会議システムの使用を拒否する。
【0043】
図4は、実施の形態1に係る電子会議システムにおいて、端末装置間で共有ドキュメント36が共有される仕組みの一例を示す説明図である。
【0044】
会議サーバ装置3の記憶部32は、共有ドキュメント36を記憶する。画像処理部35は、共有ドキュメント36を頁単位に画像データに変換する。画像データに変換された共有ドキュメント36は、ネットワーク2を介して、端末装置1に送られる。ここでは、例えば、2つの端末装置が共有ドキュメント36を受け取ったものとする。以下、これら2つの端末装置を区別するために、一方の端末装置をA端末装置1と呼び、他方の端末装置をB端末装置1と呼ぶ。
【0045】
A端末装置1及びB端末装置1は、会議サーバ装置3が記憶する共有ドキュメント36の頁毎の画像データを会議サーバ装置3から受け取り、表示処理部104で所定の処理を行い、ディスプレイ114に出力する。表示処理部104での所定の処理とは、共有ドキュメント36の各頁の画像データを、表示画面の最下位レイヤに配置することである。図4からわかるように、共有ドキュメント36の内の「ABC」と書かれた頁の画像が表示画面の最下位レイヤに配置される。
【0046】
A端末装置1及びB端末装置1のいずれの端末においても、タブレット113及びポインティングデバイス130を用いて、共有ドキュメント36に対してメモを書き込むことができる。制御部100は、入力処理部103を介してポインティングデバイス130からの入力を受付け、その入力にしたがって画像を作成する。以後の説明では、作成された画像を「メモ画像」と呼ぶ。A端末装置1及びB端末装置1で作成されたメモ画像は、各表示画面の最上位レイヤに配置される。A端末装置1では、表示画面の最上位レイヤに「自由曲線」の画像が配置され、B端末装置1では、表示画面の最上位レイヤに「矢印」の画像が配置される。
【0047】
また、A端末装置1及びB端末装置1は、A端末装置1及びB端末装置1の夫々で作成されたメモ画像に関する情報である書込情報311を会議サーバ装置3へ送信する。書込情報とは、例えば、メモ画像に含まれるオブジェクトの種類、色、太さ、線種、塗りなどの書式、座標に関する情報である。
【0048】
実施の形態1では、会議サーバ装置3は、A端末装置1及びB端末装置1の各々が送信した書込情報311を定期的に一時記憶部31に記憶する。このとき、会議サーバ装置3は、A端末装置1及びB端末装置1から受け取った書込情報311を端末装置毎に設けられた記憶領域に記憶する。
【0049】
次いで、会議サーバ装置3は、A端末装置1から受け取った書込情報311AをB端末装置1へ送信する一方、B端末装置1から受け取った書込情報311BをA端末装置1へ送信する。
【0050】
A端末装置1の表示処理部104は、会議サーバ装置3から受け取ったB端末装置1の書込情報311Bに基づいてメモ画像を作成し、当該メモ画像をディスプレイ114に表示させる。同様に、B端末装置1の表示処理部104は、会議サーバ装置3から受け取ったA端末装置1の書込情報311Aに基づいてメモ画像を作成し、当該メモ画像をディスプレイ114に表示させる。このとき、B端末装置1の書込情報311Bに基づいて作成されたメモ画像は、A端末装置1の表示画面の最下位レイヤと最上位レイヤの間の中間レイヤに配置される。この場合、A端末装置1の表示画面の最下位レイヤには、共有ドキュメント36の頁毎の画像が配置され、最上位レイヤには、A端末装置1の書込情報311Aに基づいて作成されたメモ画像が配置される。同様に、A端末装置1の書込情報311Aに基づいて作成されたメモ画像は、B端末装置1の表示画面の最下位レイヤと最上位レイヤの間の中間レイヤに配置される。このとき、B端末装置1の表示画面の最下位レイヤには、共有ドキュメント36の頁毎の画像が配置され、最上位レイヤには、B端末装置1の書込情報311Bに基づいて作成されたメモ画像が配置される。
【0051】
上述の書込情報311に基づく画像作成により、A端末装置1及びB端末装置1のいずれの表示画面においても、端末装置1の表示画面の最下位レイヤに配置された共有ドキュメント36(ABC)の画像の上に、他方の端末装置1の書込情報311に基づき作成されたメモ画像が配置される。例えば、A端末装置1の表示画面において、共有ドキュメント36(ABC)の画像は最下位レイヤに配置され、B端末装置1の書込情報311Bに基づき作成されたメモ画像(矢印)は中間レイヤに配置され、A端末装置1の書込情報311Aに基づき作成された画像(自由曲線)は最上位レイヤに配置される。一方、B端末装置1の表示画面において、共有ドキュメント36(ABC)の画像は最下位レイヤに配置され、A端末装置1の書込情報311Aに基づき作成された画像(自由曲線)は中間レイヤに配置され、B端末装置1の書込情報311Bに基づき作成された画像は最上位レイヤに配置される。
【0052】
さらに、A端末装置1及びB端末装置1は、共有ドキュメント36の中のいずれの画像、又は、いずれの頁を表示しているかを示す情報(以下、「閲覧情報312A」、「312B」と呼ぶ。)を会議サーバ装置3に送信する。会議サーバ装置3は、閲覧情報312A及び閲覧情報312Bを一時記憶部31に記憶させる。これにより、会議サーバ装置3は、共有ドキュメント36のどの頁が各端末装置で表示されているかを把握することができる。そして、会議サーバ装置3は、全ての端末装置1a〜1fにおける共有ドキュメント36を同期して表示させることができる。なお、記憶される表示情報は、各端末装置1で各レイヤに配置された画像が重ねられた画像に関する情報でもよい。
【0053】
上述したように、A端末装置1及びB端末装置1にて共有ドキュメント36を共有すると共に、表示画面において当該共有ドキュメント36上に、A端末装置1及びB端末装置1を使用する各会議参加者が作成したメモ画像が表示される。したがって、A端末装置1及びB端末装置1を使用する各会議参加者は、同じ共有ドキュメント36を同時に閲覧しつつ、互いに他の会議参加者が書いたメモ画像を閲覧することができる。
【0054】
A端末装置1を使用する会議参加者は、タブレット113を用いて自分自身が書き込んだメモ画像をディスプレイ114で閲覧することができる。一方、当該メモ画像に対応する書込情報311Aは、会議サーバ装置3を介して、B端末装置1へ送信される。B端末装置1は、書込情報311Aに基づきメモ画像を作成し、ディスプレイ114に表示させる。
【0055】
図5は、端末装置1のディスプレイ114に表示される会議端末用アプリケーション画面400の一例を示す説明図である。会議端末用アプリケーションの画面400は、一例として、略中央に、共有ドキュメント36の画像を表示する共有画面401を含む。図5に示す例では、共有画面401には、共有ドキュメント36の1頁の画像402の全体が表示されるように、必要に応じて当該1頁の画像402が縮小される。共有画面401の高さ方向に略中央の左端の位置には、共有ドキュメント36の前頁への移動を指示するための前頁ボタン403が表示されている。同様に、共有画面401の高さ方向に略中央の右端の位置には、共有ドキュメント36の後頁(次頁)への移動を指示するための後頁ボタン404が表示されている。共有画面401の右側には、メモを描画する際の道具を選択するための各種操作ボタンが表示されている。各種操作ボタンには、色又は太さ選択ボタン408、消しゴムボタン409、図形ボタン410、オブジェクト選択ボタン411、ズームボタン412及び同期/非同期ボタン413が含まれる。
【0056】
端末装置1を使用する会議参加者が、ポインティングデバイス130を用いて、ディスプレイ114上のカーソルを前頁ボタン403又は後頁ボタン404に位置合わせして当該ボタンを選択した場合、表示されている共有ドキュメント36の前頁又は後頁の画像が共有画面401に表示される。
【0057】
共有画面401の左側には他の会議参加者が書き込んだメモ画像を表示するか否かを選択するための表示/非表示選択ボタン405が配置されている。例えば、表示/非表示選択ボタン405が選択された場合、該当する他の会議参加者のメモ画像の表示/非表示が切り替わる。例えば、Aさんに対する表示/非表示選択ボタン405(例えば、‘001’に対応するボタン)に対して非表示を設定した場合には、Aさんが作成したメモ画像は表示されない。一方、そのボタンに対して表示を設定した場合には、Aさんが作成したメモ画像は表示される。後述するように、表示/表示選択ボタン405により選択された情報は、表示/非表示情報415として、会議終了後に会議サーバ装置3に記憶される。
【0058】
図6は、実施の形態1に係る電子会議システムにおける端末装置1に記憶される書込情報311を示す説明図である。図6に示すように、書込情報311には、メモ画像に含まれるオブジェクトの種類及びオブジェクトの座標情報が含まれる。オブジェクトの種類には、円(楕円)、四角形、三角形、自由曲線がある。また、円のオブジェクトの座標情報には中心点の座標及び半径が含まれ、四角形又は三角形のオブジェクトの座標情報には左上頂点及び右下頂点の座標が含まれ、自由曲線のオブジェクトの座標情報には自由曲線を構成する複数の点の座標が含まれる。
【0059】
また、図6に示す書込情報311においては、オブジェクトの種類が円、四角形、三角形、自由曲線の順に表記されている。この順番は、オブジェクトの重なり順に対応する。すなわち、円のオブジェクトの上に四角形、三角形のオブジェクトが重畳され、その上に自由曲線のオブジェクトが重畳される。なお、各オブジェクトに対して重なり順序を示す番号を付与し、その番号にしたがって各オブジェクトが重畳表示されるようにしてもよい。
【0060】
(会議中)
図7は、実施の形態1に係る電子会議システムにおける端末装置1の会議中の表示処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0061】
端末装置1内の制御部100は、ネットワーク2、ネットワークI/F部115及び通信処理部105を介して会議サーバ装置3から共有ドキュメント36を受信する(S101)。制御部100は、会議サーバ装置3から他端末装置1の書込情報311を受信する(S102)。制御部100は、S101で受信した共有ドキュメント36に基づき画面400内に共有画面401を表示させる(S103)。
【0062】
制御部100は、全ての他端末装置1の書込情報311に基づくメモ画像を表示したか否かを判定する(S104)。制御部100は、全ての他端末装置1の書込情報311に基づくメモ画像を表示したと判定した場合(S104:YES)、自端末装置1で作成されたメモ画像を表示し(S105)、書込情報311及び表示/非表示情報415を会議サーバ装置3に送信する(S106)。会議サーバ装置3は、各端末装置1から送信された書込情報311及び表示/非表示情報415を記憶部32に記憶する。これらの情報は、各端末装置1に対してそれぞれ設けられた記憶領域に記憶される。
【0063】
一方、制御部100は、全ての他端末装置1の書込情報311に基づくメモ画像を表示していないと判定した場合(S104:NO)、一の他端末装置1の書込情報311を読み出し(S107)、当該一の他端末装置に対応する表示/非表示選択ボタン405が表示設定されているか否か(表示オン/オフ)を判定する(S108)。
【0064】
当該一の他端末装置に対応する表示/非表示選択ボタン405が表示設定されていると判定した場合、すなわち表示オンの場合には(S108:YES)、制御部100は、S109の処理に進み、そうでないと判定した場合、すなわち表示オフの場合には(S108:NO)、S104の処理に戻る。
【0065】
S108にて表示/非表示選択ボタン405が表示設定されていると判定した場合、制御部100は、当該一の他端末装置の書込情報に基づき全オブジェクトを処理したか否かを判定し(S109)、全オブジェクトを処理したと判定した場合には(S109:YES)、S104の処理に戻り、そうでないと判定した場合には(S109:NO)、S110の処理に進む。制御部100は、未処理のオブジェクトを読み出し(S110)、当該オブジェクトに基づきメモ画像を作成、表示し(S111)、S109の処理に戻る。
【0066】
S108及びS111の処理についてより具体的に説明する。前述した通り、共有画面401の左側には他の会議参加者が書き込んだメモ画像を表示するか否かを選択するための表示/非表示選択ボタン405が配置されている。ここで、会議参加者が自端末装置1にて少なくとも1名の他の会議参加者の端末装置1に対応する表示/非表示選択ボタン405を操作して表示設定を選択した場合、すなわち、会議参加者が入力した表示/非表示情報415が表示を示している場合、当該他の会議参加者のメモ画像は共有ドキュメント36と共に画面に表示される。これに対して、会議参加者が入力した表示/非表示情報415が非表示を示している場合、非表示設定された他の会議参加者のメモ画像は画面に表示されない。
【0067】
図8は、実施の形態1に係る電子会議システムにおける端末装置1による処理の結果得られる画面の例を示す説明図である。なお、本例では、A端末装置1で生成された書込情報311に基づいたメモ画像が共有ドキュメント36に重畳して描画されている。
【0068】
図8は、A端末装置1の画面400中の共有画面401を示す。A端末装置1の共有画面401には、共有ドキュメント36の画像が最下位レイヤで表示され、それよりも上位のレイヤにA端末装置1を使用する会議参加者が描画したメモ画像が表示される。図8に示す例では、円、四角形、三角形が重畳表示されており、円は四角形に隠れ、四角形は三角形に隠されて表示されている。これは、オブジェクトの重なり順が書込情報311により規定されているためである。つまり、図6に示す書込情報311には、円のオブジェクトの上に四角形、三角形のオブジェクトが重畳されることが示されているからである。また、A端末装置1の共有画面401には、共有ドキュメント36の画像中の「開発日程」の部分を指し示した文字(「再検討」)が自由曲線で作成されて表示されている。また、図4に示されるA端末装置1で作成された書込情報311(図6参照)は、会議サーバ装置3へ送信されてA端末装置1に対応付けられて書込情報311Aとして会議サーバ装置3に一時的に記憶される。そして、会議サーバ装置3は、A端末装置1での書込情報311として書込情報311AをB端末装置1に送信する。
【0069】
(会議終了後)
会議終了後に、会議参加者の指示を受け、端末装置1は、端末装置1が有する書込情報及び当該端末装置1で設定された表示/非表示情報415を会議サーバ装置3に送信する。会議サーバ装置3は、受け取った書込情報及び表示/非表示情報415を会議サーバ装置3の記憶部32に記憶する。これらの情報は、各端末装置1に対してそれぞれ設けられた記憶領域に記憶され、該記憶領域を特定するアドレスを表すURL(例えば、http://abc.co.jp/aaa/bbb/A.doc)が生成される。このとき、URLから、共有ドキュメント36、書込情報311、及び表示/非表示情報415を辿れるような構成にしてもよい。または、メモ画像付きの共有ドキュメント36をマルチレイヤからレイヤのない画像などのメモ画像付きの共有ドキュメント36に変換して、そのメモ画像付きの共有ドキュメント36のアドレスを表すURLを生成するようにしてもよい。また、URLをあらかじめ用意しておいて、そのURLに対応するアドレスにメモ画像付きの共有ドキュメント36を記憶するような手順にしても構わない。次いで、会議サーバ装置3は、上記の生成したURLを例えば会議参加者A氏のPC4(端末装置)に電子メールで自動送信する。尚、会議参加者全員の電子メールのアドレスは電子会議システムの使用の予約時に会議サーバ装置3に登録されている。
【0070】
図9は、実施の形態1における閲覧案内の電子メールの一例を示す説明図である。図9の左部に、電子メールの一例を示し、右部に、電子メール内の本文に記されているURLの部分をクリックすることにより現れるメッセージボックスの一例を示す。電子メールは、会議サーバ装置3から会議参加者A氏のPC4に自動送信される。電子メールのタイトルは、“会議資料(メモ付き)”であり、そこには、会議の資料を送る旨と当日の資料が保存されているインターネット上のアドレスを表すURL(http://abc.co.jp/aaa/bbb/A.doc)が記されている。電子メールを受け取ったA氏は、当該URLの記入部分をマウスでクリックするとメッセージボックスが画面内に表示される。メッセージボックスには、指定したファイルを開くか、記憶するかを問い合わせるメッセージが記されている。ここで、「開く」が選択されると、会議中に使用していた会議端末用アプリケーション又はそのブラウザ版がA氏のPC4上に起動する。図10は、実施の形態1における会議端末用アプリケーションのブラウザ版の画面を示す説明図である。当該アプリケーションの操作方法及び機能は、図5を用いて説明したものと略同一である。会議端末用アプリケーション又はそのブラウザ版が起動すると、共有ドキュメント36、A氏が使用した端末装置1が有する書込情報及び表示/非表示情報415が会議サーバ装置3から読み込まれ、会議中にA氏が自分の端末装置1で表示させていたメモ画像付きの共有ドキュメント36がPC4の画面上に表示される。これによって、A氏は、自分のPC4で、メモ画像付きの共有ドキュメント36を閲覧することができる。さらに、A氏は、会議端末用アプリケーション又はそのブラウザ版に表示されている表示/非表示選択ボタン405の設定を変更することによって、画面に表示されているメモ画像を自由に変更できる。すなわち、A氏は、会議参加者の内の誰のメモ画像を表示させるかを自分自身で選択できる。
【0071】
図11は、実施の形態1に係る電子会議システムにおける端末装置の会議終了後の表示処理手順の一例を示すフローチャートである。本図は、会議終了後に会議参加者が、会議サーバ装置3において生成されたURLを用いて、会議サーバ装置3にアクセスして、会議サーバ装置3に記憶されているメモ画像付きの共有ドキュメント36を自分の端末装置で閲覧するための処理の流れを示す。
【0072】
会議サーバ装置3は、メモ画像付きのドキュメントを特定するURLを生成し(S200)、当該URLを上記の電子メールの形式で会議参加者A氏のPC4に自動送信する(S201)。PC4は、当該電子メールを受信すると(S202)、会議参加者A氏の指示を受け、電子メールの本文中に記されたURL(http://abc.co.jp/aaa/bbb/A.doc)に基づき会議サーバ装置3にリクエストを送信する(S203)。会議サーバ装置3は、当該リクエストを受信すると(S204)、PC4に共有ドキュメント36、書込情報及び表示/非表示情報415を送信する(S205)。PC4は、共有ドキュメント36、書込情報及び表示/非表示情報415を受信する(S206)。PC4は、受信した共有ドキュメント36、書込情報及び表示/非表示情報415に基づいてメモ画像付きの共有ドキュメント36を生成し画面に表示する(S207)。PC4の表示部には、会議中に使用された端末装置1と略同一の画面が表示される。すなわち、PC4の画面の左側には表示/非表示選択ボタン405が表示される。ここで、A氏は、表示/非表示選択ボタン405の設定(表示オン/オフ)を選択することにより、表示/非表示情報415を変更することができる。PC4は、表示/非表示情報415の変更を受け付けたか否かを判定する(S208)。PC4は、表示/非表示情報415が変更されると(S208:YES)、その変更に応じて画面に表示するメモ画像を変更し(S209)、そうでない場合には(S208:NO)、メモ画像を変更せず、表示を継続する。
【0073】
実施の形態2
図12は、実施の形態2に係る電子会議システムにおける端末装置1の内部構成例を示すブロック図である。実施の形態2は、実施の形態1が端末装置1内の記憶部12に記憶してあるプログラムを実行するのに対して、書き換え可能なEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)又は内部記憶装置25に記憶されたプログラムを読み出して実行するようにしてある。端末装置1は、EEPROM24、内部記憶装置25及び記録媒体読込部23を備える。CPU17は、記録媒体読込部23に挿入されたCD(Compact Disk)−ROM又はDVD(Digital Versatile Disk)−ROM等の記録媒体230からプログラム231を読み込んでEEPROM24又は内部記憶装置25に記憶するようにしてある。CPU17は、EEPROM24又は内部記憶装置25に記憶したプログラム231をRAM18に読み出して実行する構成となっている。
【0074】
本発明に係るプログラム231は、記録媒体230から読み出してEEPROM24又は内部記憶装置25に記憶される場合に限るものではなく、メモリカード等の外部メモリに記憶させても良い。この場合、CPU17に接続される図示しない外部メモリからプログラム231を読み出してEEPROM24又は内部記憶装置25に記憶させる。さらにCPU17に接続された図示しない通信部と外部のコンピュータとの間で通信を確立し、プログラム231をEEPROM24又は内部記憶装置25へダウンロードしても良い。
【符号の説明】
【0075】
1 端末装置
100 制御部
101 一時記憶部
102 記憶部
105 通信処理部
1P 会議端末用プログラム(コンピュータプログラム)
9P 会議端末用プログラム(コンピュータプログラム)
2 ネットワーク
3 会議サーバ装置
4 パーソナルコンピュータ
30 制御部
31 一時記憶部
32 記憶部
34 通信処理部
36 共有ドキュメント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドキュメントを記憶するサーバ装置と、該サーバ装置から該ドキュメントを受信し、受信した該ドキュメントを表示部に表示させる複数の情報処理装置とを備える電子会議システムにおいて、
前記情報処理装置は、
受信したドキュメントに対して書き込まれる画像に対応する第1の画像情報を受け付ける手段と、
他の情報処理装置にてドキュメントに対して書き込まれた画像に対応する第2の画像情報を前記サーバ装置から受信する手段と、
前記第2の画像情報に対応する画像を前記表示部に表示するか否かを示す表示/非表示情報を該他の情報処理装置毎に受け付ける手段と、
受け付けた表示/非表示情報が表示を示す場合には、前記第1及び第2の画像情報のそれぞれに対応する画像を前記表示部に表示させる手段と、
前記第1の画像情報及び前記表示/非表示情報を前記サーバ装置へ送信する手段と
を備え、
前記サーバ装置は、
各情報処理装置から送信された前記第1の画像情報及び前記表示/非表示情報を受信する手段と、
各情報処理装置から受信したそれぞれの第1の画像情報を送信元の情報処理装置とは別の情報処理装置に第2の画像情報として送信する手段と、
各情報処理装置から受信したそれぞれの第1の画像情報及び表示/非表示情報を送信元の情報処理装置毎に記憶する記憶手段と
を備えることを特徴とする電子会議システム。
【請求項2】
前記第1及び第2の画像情報には、オブジェクトの種類及び該オブジェクトの階層構造情報が含まれることを特徴とする請求項1に記載の電子会議システム。
【請求項3】
通信ネットワークを介して前記サーバ装置と接続される端末装置を更に備え、
前記サーバ装置は、
前記記憶手段を特定するアドレス情報を生成する生成手段と、
該生成手段が生成したアドレス情報を電子メールで前記端末装置に送信する手段と
を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子会議システム。
【請求項4】
前記端末装置は、前記サーバ装置の記憶手段に情報処理装置毎に記憶されている表示/非表示情報を変更する手段を備えることを特徴とする請求項3に記載の電子会議システム。
【請求項5】
ドキュメントを表示部に表示する手段と、
ドキュメントに対して書き込まれる第1の画像に対応する第1の画像情報を受け付ける手段と、
外部から送信された第2の画像に対応する第2の画像情報を受信する手段と、
前記第2の画像を前記表示部に表示するか否かを示す表示/非表示情報を他の情報処理装置毎に受け付ける手段と、
受け付けた表示/非表示情報が表示を示す場合には、前記第1及び第2の画像を前記表示部に表示させると決定する手段と、
前記第1の画像情報及び前記表示/非表示情報を出力する手段と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
ドキュメントを表示部に表示するステップと、
ドキュメントに対して書き込まれる第1の画像に対応する第1の画像情報を受け付けるステップと、
外部から送信された第2の画像に対応する第2の画像情報を受信するステップと、
前記第2の画像を前記表示部に表示するか否かを示す表示/非表示情報を他の情報処理装置毎に受け付けるステップと、
受け付けた表示/非表示情報を識別するステップと、
前記表示/非表示情報が表示を示す場合には、前記第1及び第2の画像を前記表示部に表示させると決定するステップと
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項7】
ドキュメントを表示部に表示するコンピュータに用いられるプログラムにおいて、
コンピュータを、
ドキュメントを表示部に表示する手段と、
ドキュメントに対して書き込まれる第1の画像に対応する第1の画像情報を受け付ける手段と、
外部から送信された第2の画像に対応する第2の画像情報を取得する手段と、
前記第2の画像を前記表示部に表示するか否かを示す表示/非表示情報を他の情報処理装置毎に受け付ける手段と、
受け付けた表示/非表示情報を識別する手段と、
前記表示/非表示情報が表示を示す場合には、前記第1及び第2の画像を前記表示部に表示させると決定する手段と
して機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−138438(P2011−138438A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−299240(P2009−299240)
【出願日】平成21年12月29日(2009.12.29)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】