説明

電子写真画像形成装置及びプロセスカートリッジ

【課題】 使用済みのプロセスカートリッジの識別を確実に行うことを可能とする。
【解決手段】 感光体ドラムと該感光体ドラムに形成した像を現像する現像ローラを有するプロセスカートリッジを着脱可能な電子写真画像形成装置において、前記現像ローラを前記感光体ドラムから離間させるための現像離間カム34と、前記プロセスカートリッジの寿命を検出する寿命検出手段と、を有し、前記寿命検出手段が前記プロセスカートリッジの寿命を検出したとき、前記現像離間カム34を動作させる現像離間カム軸32と同軸上に設けられたトリガレバー35を動作させ、前記プロセスカートリッジに設けられたリブ38を不可逆的に変形させることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真画像形成装置及びこれに用いるプロセスカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真画像プロセスを用いた電子写真画像形成装置では、その使用が長時間に及ぶと電子写真感光体ドラムの交換、現像剤の補給、現像ローラの交換や調整等が必要であった。
【0003】
そこで、前記電子写真画像形成装置においては、電子写真感光体及び前記電子写真感光体に作用するプロセス手段を一体的にカートリッジ化して、このカートリッジを画像形成装置本体に着脱可能とするプロセスカートリッジ方式が採用されている。このプロセスカートリッジ方式によれば、装置のメンテナンスをサービスマンによらずにユーザ自身で行うことができるので、格段に操作性を向上させることができた。そこでこのプロセスカートリッジ方式は、電子写真画像形成装置において広く用いられている。
【0004】
上記の電子写真画像形成装置にあっては、プロセスカートリッジの寿命検出を行い、それを装置本体のオペレーションパネルやコンピュータのディスプレイ上に表示するという手法をとっている(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開平10−133456号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のように寿命検出においては、プロセスカートリッジ単体で寿命に達したか否かの識別は行われないため、寿命がきたプロセスカートリッジを装置本体から取り外しておいた場合、それが新しいプロセスカートリッジか寿命に達したプロセスカートリッジかの区別がつき難かった。そのため、誤まって使用済みのプロセスカートリッジを装置本体に再装着してしまうことがあった。
【0007】
本発明は上記点に鑑みてなされたものであり、その目的は、使用済みのプロセスカートリッジの識別を確実に行うことが可能な電子写真画像形成装置及びこれに用いるプロセスカートリッジを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本発明における代表的な手段は、プロセスカートリッジを着脱可能な電子写真画像形成装置において、第一の位置と前記第一の位置から退避した第二の位置とを取り得るカム部材と、前記カム部材と同軸線上に移動可能に設けられたレバー部材と、電子写真感光体ドラムと、前記電子写真感光体ドラムに接触して、前記電子写真感光体に形成した静電潜像を現像するための現像ローラと、前記電子写真感光体ドラムを支持する第一枠体と、前記現像ローラを支持する、前記第一枠体に移動可能に結合している第二枠体であって、前記カム部材が第一の位置に位置する際に、前記カム部材と当接して、前記電子写真感光体ドラムと前記現像ローラとを離間する力を前記カム部材から受けるカム係合部を有する第二枠体と、前記プロセスカートリッジが寿命に達したと前記装置本体が判断した際に、前記レバー部材が当接することによって不可逆的に変形させられる力を受ける突出部材と、を有するプロセスカートリッジを取り外し可能に装着する装着部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、寿命に達したプロセスカートリッジに設けられた突出部材を不可逆的に変形させることで、該プロセスカートリッジを装置本体から取り外した後でも寿命に達したものか否かを容易に認識できる。また、電子写真感光体ドラムと現像ローラとを接触離間させるためのカム部材と同軸線上に設けたことによって、部品点数を大幅に増加することなく簡単に構成することができる。また、電子写真画像形成装置を小型することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
次に本発明の一実施形態に係る電子写真画像形成装置(以下、「画像形成装置」という)及びこれに用いるプロセスカートリッジ(以下、「カートリッジ」という)について図面を参照して説明する。
【0011】
〔第1実施形態〕
図1乃至図5を参照して第1実施形態に画像形成装置及びカートリッジについて説明する。
【0012】
{画像形成装置及びカートリッジの全体構成}
まず、画像形成装置の全体構成について、図3を参照して画像形成動作とともに説明する。なお、図3は画像形成装置の模式断面説明図である。
【0013】
本実施形態の画像形成装置は画像形成部へ記録媒体を搬送する。そして、画像形成部でもって記録媒体に電子写真方式によって画像形成するものである。そして、画像形成部には4個の画像形成する手段が配置され、色の異なる現像剤像を順次電子写真感光体ドラム(以下、「感光体ドラム」という。)から記録媒体に転写してカラー画像を記録するものである。
【0014】
4個のカートリッジ20(20Y,20M,20C,20K)は、下から順にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色トナー像を形成するものであり、トナーの色が異なる以外は同一の構成である。すなわち、それぞれのカートリッジ20Y,20M,20C,20Kは感光体ドラム1の周囲に帯電手段2、現像手段4、クリーニング手段5が配置されている。そして、回転する感光体ドラム1の表面が帯電ローラ2によって一様に帯電され、露光装置3から画信号に応じたレーザ光照射をすることで静電潜像が形成される。そして、感光体ドラム1に形成された静電潜像を現像手段4によって、現像剤を用いて可視像化される。
【0015】
各感光体ドラム1に対して記録媒体搬送ベルト6が当接可能に配置されている。この搬送ベルト6は駆動ローラ7a、従動ローラ7b、テンションローラ7cに掛け渡されたエンドレスベルトであり、駆動ローラ7aが駆動回転することで画像形成動作に応じて矢印d方向へ回転する。また、搬送ベルト6を挟んで各感光体ドラム1と対向した位置には転写ローラ8が配置されている。
【0016】
画像形成に際しては、各カートリッジ20Y,20M,20C,20Kによる現像剤像の形成と同期するように、カセット9から給送ローラ10によって記録媒体であるシートを給送する。そして、そのシートを吸着ローラ11へのバイアス印加によって矢印d方向へ回転する搬送ベルト6に吸着させて搬送する。そして、転写ローラ8へのバイアス印加によって感光体ドラム1上の現像剤像をシートに転写し、各色現像剤像が重畳されてカラー画像が形成されたシートを定着手段12に搬送してトナー定着した後に排出部13へと排出するものである。
【0017】
なお、本実施形態の画像形成装置は上記フルカラー画像動作のみならず、モノクロ画像を形成し得るようになっている。モノクロ画像を形成する場合には、ブラックのカートリッジ20Kの転写ローラ8のみを搬送ベルト6に当接させ、他のイエロー、マゼンタ、シアンの各カートリッジ20Y、20M、20Cの転写ローラ8を搬送ベルト6から離間させる。そして、搬送ベルト6で搬送したシートに対してブラックのカートリッジ20Kで形成したブラック画像のみをシートに転写することでモノクロ画像を得るものである。
【0018】
なお、本実施形態にあっては前記カートリッジ20Y,20M,20C,20Kを装置本体100に対して着脱可能としている。そして、カートリッジ20Y,20M,20C,20Kを装置本体100に設けられたカートリッジ装着部104に着脱可能とすることで、感光体ドラム1等の部材が寿命に達したとき、あるいはトナーを使い切ったとき等の寿命に達したカートリッジの交換を容易にしている。
【0019】
そして、前記カートリッジ20Y,20M,20C,20Kには感光体ドラム1にトナーを供給するための、現像手段4としての現像ローラ4aが設けられている。この現像ローラ4aは内部にマグネットを有し、感光体ドラム1に当接して回転することで該感光体ドラム1に形成された静電潜像に対応したトナーを供給するものである。
【0020】
次に、図10を用いて、カートリッジ20の構成について説明する。カートリッジ20は、
感光体ドラム1、転写ローラ2、クリーニング手段(5a、5b)を支持する第一枠体61と、現像手段(4a〜4e)を支持する第二枠体50から構成されている。ここで、クリーニング手段であるブレード5aは、感光体ドラム1に残留する現像剤を除去するためのものである。そして、クリーニング手段である除去現像剤収納部5bでブレード5aによって除去された現像剤を収納する。また、現像手段は、感光体ドラム1に現像剤を供給する現像ローラ4a、現像ローラ4aの周面上の現像剤の量を規制するブレード4c、現像ローラ4aへ現像剤を搬送する供給ローラ4b、現像剤を収納する収納部4e、収納部4eから供給ローラ4bへ現像剤を搬送する搬送部材4dから構成されている。
【0021】
そして、第一枠体61と第二枠体50とは、第二枠体50に設けられた回転中心50bにおいて、回転(移動)可能に結合している。さらに、第二枠体50には、装置本体100に設けられた、後述する離間カム(以下、「カム」という。)34が退避位置(第二の位置)から矢印a方向に回転した際に当接するカム係合部50aを有する。その際には、カム係合部50aは、カム34のカム面34aと当接することによって、第二枠体50が回転中心50bを中心に矢印c方向に回転する。したがって、第二枠体50に支持された現像ローラ4aは感光体ドラム1と離間することになる。尚、本実施例では、現像ローラ4aと感光体ドラム1とを離間させるための、カム34の位置を離間位置(第一の位置)とする。
【0022】
{現像部材離間手段}
画像形成時には付勢バネ(不図示)によって、現像ローラ4aは感光体ドラム1に当接するように付勢されている。しかし、現像ローラ4aによって感光体ドラム1の表面が常時付勢されていると、該感光ドラム1の周面に常時負荷がかかることになって好ましくない。そこで、本実施形態の画像形成装置にあっては非画像形成時には現像ローラ4aを感光体ドラム1から離間可能とするために現像部材離間手段が設けられている。次に現像部材離間手段の構成及び動作について説明する。
【0023】
スタンバイ状態のカートリッジ20においては、現像ローラ4aを感光ドラム1から離間した状態になっている。その際、カム34は離間位置に位置する。そして、スタンバイ状態から画像形成状態になると、カムを180°回転動作をして、離間位置から退避位置に移動することで、現像ローラ4aを感光体ドラム1に当接させる。そして画像形成が終わるとスタンバイ状態に移行し、再度カム34を180°回転動作させて現像ローラ離間状態となるように動作させるものである。
【0024】
すなわち、当接状態にある感光体ドラム1と現像ローラ4aとをカム部材としてのカム34を180°回転させることで離間させる。また、離間状態にある感光体ドラム1と現像ローラ4aとをカム34を180°回転させることで当接させるように構成されている。
【0025】
前記カム34を180°回転させるための駆動伝達制御は、図4に示すように、欠歯ギア対とソレノイドより伝達制御されている。すなわち、画像形成に際しては駆動手段である駆動モータ102(図3参照)からの駆動力によって回転する入力ギア21が、これと噛合可能な欠歯ギア対の欠歯部と対向して空転しており、そこで伝達が途切れている。欠歯ギア対は第1欠歯ギア23と第2欠歯ギア22、バネ24(ここでは圧縮バネ)の3部品から構成されており、係止爪25が第2欠歯ギア22と同軸上並列に配置されている。第2欠歯ギア22は第1欠歯ギア23の回転軸に軸嵌合しており、第2欠歯ギア22のスラスト方向は係止爪25により抜け止め規制されている。
【0026】
回転方向について第2欠歯ギア22は第1欠歯ギア23とバネ24を介してある一方向に付勢されているが、決められた回転位相が決められている。図5の状態は第2欠歯ギア22にある係止爪25が駆動手段であるソレノイド26のフラッパ26aにより規制された状態を示している。また、第1欠歯ギア23はそれに設置された2つのボス30と、それに対して付勢力を与えるバネ27とカムレバー28により回転を止められている。このとき第2欠歯ギア22と第1欠歯ギア23はその中にあるバネ24にバネ力が蓄えられた状態で静止している。
【0027】
カム34を回転させる場合にはフラッパ26aを動作させ、係止爪25の係止を解除する。これにより、第2欠歯ギア22が第1欠歯ギア23との間に組み込まれたバネ24のバネ力により回転動作を開始し、第2欠歯ギア22が回転して第1欠歯ギア23の欠歯部をカバーするように決められた位相で両ギアが係合する。このため、この欠歯ギア対と入力ギア21との駆動が連結され、駆動モータ102からの駆動力を伝達する入力ギア21が第2欠歯ギア22から第1欠歯ギア23と噛み合うことで駆動力が伝達される。
【0028】
欠歯ギア対が一周すると、フラッパ26aが係止爪25に掛かり、第2欠歯ギア22の回転駆動が止められる。このとき、第1欠歯ギア23は入力ギア21と噛み合っているため駆動され続け、第2欠歯ギア22との間のバネ24が圧縮され、バネ力が蓄えられる。そして、入力ギア21が第1欠歯ギア23の欠け歯部に到達する直前の最後の1歯は第2欠歯ギア22との間にあるバネ24の圧縮力に抗して回らなくてはいけない。そこで、本実施形態では第1欠歯ギア23に2つのボス10を配置し、別途配置しているバネ27に付勢されているカムレバー28により欠歯部直前まで来たボス10を付勢して第1欠歯ギア23を早回しする。これによって入力ギア21が欠歯ギア対の欠歯部の中央で止まり、図5の状態に戻って駆動伝達が切断される。このようにして、フラッパ26aの駆動により第1欠歯ギア23を1回転させる。
【0029】
一方、前記第1欠歯ギア23と嵌合し、同時に駆動する第1出力ギア31と第1出力ギア31に対して2倍のギア比を持つカム軸32に嵌合される第2出力ギア33が駆動され、第1出力ギア31が1回転すると第2出力ギア33は180°回転することにより、カム3434が180°回転し、現像離間動作が行われる。即ち、図11のブロック図に示すように、カム34は、装置本体100に設けられた本体制御手段101によって、駆動手段である駆動モータ、ソレノイド26を動作させることで、カム34を回転制御する。
【0030】
{カートリッジ寿命警告手段}
本実施形態の画像形成装置はカートリッジ20が寿命に達したときに、カートリッジ自体にその痕跡を残すように構成されている。次にそのための構成について説明する。
【0031】
ここで、カートリッジ20の寿命とは、図10に示す現像剤収納部4e内の現像剤が無くなった状態や、除去現像剤収納部5bが満タンになった状態や、感光体ドラム1、現像ローラ4a、帯電ローラ2、ブレード5a等が摩耗した状態である。現像剤収納部4e内の現像剤が無くなった状態、除去現像剤収納部5bが満タンになった状態は、装置本体100に設けられた寿命検知手段であるセンサ(不図示)によって検知される。また、感光体ドラム1等の摩耗については、カートリッジ20に設けられたメモリ70が有する情報を、寿命検知手段である読み取り部材(不図示)が読み込んで検知される。そして、寿命検知手段で検知された信号は、図11に示すように本体制御手段101に送信される。そして、本体制御手段101で、図12に示すフロー図ように、検知した信号が所定値に達したかいなかの判断をおこなう。そして、本体制御手段101で所定値に達した場合は、カートリッジ20が寿命に達したことになりレバー35を動作させることになる。本実施例においては、クラッチ36でレバー35を動作させる。また、表示部(不図示)にカートリッジ20が寿命に達したことを表示する。
【0032】
本実施形態のカートリッジ20には、図1に示すように、後述する作用部によって不可逆的に変形させることが可能な片持ち突出部材であるリブ38が設けられている。このリブ38は押圧されると塑性変形する部材で構成されている。尚、図1は、図10において、カートリッジ20を矢印V方向からみた図である。リブ38は、カートリッジ20の長手方向において、カム係合部50aと略重なる位置に設けられている。
【0033】
一方、前述したカム34が取り付けられているカム軸であるカム軸32と同軸上には、前記リブ38を変形させるためのレバー部材としてのトリガレバー35が設けられている。さらに、前記トリガレバー35にはカム軸32の駆動力がクラッチ手段としての電磁クラッチ36を介して伝達される。電磁クラッチ36がOFFのときはトリガレバー35は回転せず、電磁クラッチ36がONになるとトリガレバー35が回転する。
【0034】
また、画像形成装置には、前述の寿命検知手段によって、カートリッジ20が寿命に達したと、本体制御手段で判断した際は、その旨を装置本体100の表示部103に表示する。
【0035】
そして、前記カートリッジ寿命検出手段で検出した信号によって、カートリッジ20が寿命に達したと本体制御手段101で判断したときは、図12に示すようにカム34を動作させのカム軸32と同軸上に設けられたトリガレバー35を動作させる。それによって、トリガレバー35がリブ38を不可逆的に変形させる。
【0036】
具体的には、通常は電磁クラッチ36はOFFとなっていてトリガレバー35に駆動力は伝達されない。しかし、カートリッジ20が寿命に達したと本体制御手段101で判断したときは、図12に示すように本体制御手段101によって電磁クラッチ36がON(励磁)される。これにより、空転していたトリガレバー35が軸32と連動して、図10に示す矢印a方向に回転する。すると、トリガレバー35がカートリッジ20に設けられたリブ38と当接して、リブ38を折り曲げて塑性変形させる。このため、カートリッジを装置本体100から取り外したとしても前記リブ38が折り曲げられていることにより、寿命に達したカートリッジであることを容易に認識できる。よって、単体で置かれたカートリッジが寿命がきたものか否かを誤ることがなく、寿命がきたカートリッジを装置本体に誤装着することを防止できる。
【0037】
なお、図1に示すように、ユーザがリブ38にアクセスできないように、壁37に囲まれている。そして、壁37には、トリガレバー35が通過することができる程度の幅を有するスリット37aが設けられている。即ち、ユーザによって、誤まってリブ38を変形させることを防ぐように構成されている。
【0038】
また、リブ38は片持ち支持形状のみならず、図2に示すように、両持ち支持形状であっても良い。リブ38の中央部は、その他の部分と比較して細いまたは薄い形状になっている。即ち、トリガレバー35が当接することによって、リブ38が破断できる形状にしてもよい。このようにすれば、トリガレバー35がリブ38と当接する際に、駆動モータ102は大きな負荷を必要としない。。
【0039】
〔第2実施形態〕
次に第2実施形態に係る装置について図6を参照して説明する。なお、本実施形態の装置の基本構成は前述した第1実施形態と同一であるため重複する説明は省略し、ここでは本実施形態の特徴となる構成についてのみ説明する。また、前述した実施形態と同一機能を有する部材には同一符号を付す。
【0040】
前述した第1実施形態ではカム軸32をカム34を回転させる方向と同方向に回転させてトリガレバー35を動作させた。しかし、第2実施形態ではカム軸32をカム34を動作させる方向と逆方向に回転させてトリガレバー35を作動させるようにしたものである。
【0041】
具体的には、クラッチ手段としてカム軸32にあるトリガレバー35がカム軸32に対して一方向回転のみにトルク伝達をするワンウェイクラッチ40を介して接続されている。
【0042】
カム軸32がカム34を動作させる方向である矢印a方向に正回転する場合は、ワンウェイクラッチ40からトリガレバー35へ駆動力が伝達されない。即ち、リブ38にカム34が当接して変形させることなく停止している。そして、カートリッジ20が寿命に達したと本体制御手段101で判断したときは、図13のブロック図、及び、図6に示すように本体制御手段101によってカム軸32を矢印b方向に逆回転する。この逆回転により、ワンウェイクラッチ40を介してトリガレバー35に駆動力が伝達される。そして、トリガレバー35がカートリッジ20に設けられたリブ38と当接して、リブ38を折り曲げて塑性変形させる。
【0043】
このようにクラッチ手段としてワンウェイクラッチを用いることで、カム軸32の正逆転でコストダウンを図りつつ、前述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0044】
〔第3実施形態〕
次に第3実施形態に係る装置について図7を参照して説明する。なお、本実施形態の装置の基本構成も前述した第1実施形態と同一であるため重複する説明は省略する。ここでは本実施形態の特徴となる構成についてのみ説明する。また、前述した実施形態と同一機能を有する部材には同一符号を付す。
【0045】
本実施形態は前述した第2実施形態と同様であるが、ワンウェイクラッチとしてラチェット機構を用いたものである。すなわち、カム軸32に、トリガレバー35がラチェット機構を介して接続されている。ラチェット機構はラチェットカム41、トリガレバー35、カム押圧バネ42の3部品から構成されている。
【0046】
ラチェットカム41はカム軸32に対しスラスト方向に移動可能であり、、ラジアル方向には固定されている。即ち、カム押圧バネ42によりラチェットカム41をトリガレバー35に付勢されている。トリガレバー35はカム軸32に対しスラスト方向には固定され、ラジアル方向には回転可能に支持されている。
【0047】
カム軸32が正回転をした場合は、斜面カム43がカム軸32と同時に回転し、最初はそれにつられてトリガレバー35が回転する。しかし、トリガレバー35がリブ38に当たると、その負荷によりラチェットカム41とトリガレバー35のカム面43が滑り、カム押圧バネ42のバネ力に抗して斜面を乗り上げ空転する。このため、トリガレバー35がリブ38を塑性変形もしくは破断することなく、リブ38に当接した状態で停止する。
【0048】
そして、カートリッジ20が寿命に達したと本体制御手段101で判断したときは、図13のブロック図、及び、図7に示すように本体制御手段101によって、カム軸32が矢印b方向に逆回転する。これにより、ラチェットカム41とトリガレバー35の垂直のカム面44が係合し、ラチェットカム41よりトリガレバー35に駆動力が伝達される。そして、トリガレバー35がリブ38に当接して、リブ38を不可逆的に変形させる。このようにしても前述した第2実施形態と同様の効果を得ることができるものである。
【0049】
〔第4実施形態〕
次に第4実施形態に係る装置について図8を参照して説明する。なお、本実施形態の装置の基本構成も前述した第1実施形態と同一であるため重複する説明は省略する。ここでは本実施形態の特徴となる構成についてのみ説明する。また、前述した実施形態と同一機能を有する部材には同一符号を付す。
【0050】
本実施形態も前述した第2実施形態と同様であるが、ワンウェイクラッチとして締まりバネを用いたものである。すなわち、図8に示すように、カム軸32に設けられたトリガレバー35が、絞まりバネ45を介して、カム軸32に取り付いている。
【0051】
即ち、絞まりバネ45はカム軸32に対して一方端45aが固定されている。そして、絞まりバネ45の内径部45cははトリガレバー35に嵌合している。そして、絞まりバネ45のもう他端側45bはトリガレバー35に引っ掛けるよう取り付けられている。また、トリガレバー35はカム軸32に対しスラスト方向固定、ラジアル方向回転自由で取り付けられている。
【0052】
カム軸32がa方向に正回転した際は、カム軸32と同時に絞まりバネ45が回転し、最初はそれにつられてトリガレバー35が回転する。しかしリブ38に当たるとその負荷により絞まりバネ45が緩み側に広がり、カム軸32とトリガレバー35は空転する。トリガレバー35はリブ38を塑性変形もしくは破断させることなく、リブ38に当接した状態で停止している。
【0053】
次に、カートリッジ20が寿命に達したと本体制御手段101で判断したときは、図13のブロック図、及び、図8に示すように本体制御手段101によって、カム軸32を矢印b方向に逆回転させる。これにより、絞まりバネ45の折り曲げ部がトリガレバー35に引っ掛かるとトリガレバー35がカム軸32に同期して回転する。そして、負荷が掛かると絞まりバネ45がトリガレバー35の胴を締め付けてトルクが伝達されて駆動力が伝達されてトリガレバー35が矢印b方向に回転する。そして、リブ38を不可逆的に変形させる。このように、ワンウェイクラッチとして締まりバネを用いれば、より簡単な構成で使用済みカートリッジを認識させることができる。
【0054】
〔第5実施形態〕
次に第5実施形態に係る装置について図9を参照して説明する。なお、本実施形態の装置の基本構成も前述した第1実施形態と同一であるため重複する説明は省略する。ここでは本実施形態の特徴となる構成についてのみ説明する。また、前述した実施形態と同一機能を有する部材には同一符号を付す。
【0055】
本実施形態においては、トリガレバー35が弾性部材で構成され、これがカム34軸32に固定されている。トリガレバー35の弾性特性はカム34軸32が現像部材離間手段を動作させる正回転するときは弾性変形する。一方、カム34軸32が逆回転するとき、トリガレバー35は弾性変形しないようになっている。
【0056】
このため、カム軸がa方向に回転した際は、トリガレバー35は先端部46がリブ38に当接して弾性変形する。したがって、リブ38を塑性変形もしくは破断させることはない。一方、カートリッジ20が寿命に達したと本体制御手段101で判断したときは、図13のブロック図、及び、図9に示すように本体制御手段101によって、カム軸32を矢印b方向に逆回転させる。すると、先端部46は撓まず、先端部46の端面がリブ38に当接して塑性変形もしくは破断させる。
【0057】
このように構成することで、前述した実施形態のようにクラッチを用いることなくカートリッジの寿命警告を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】電磁クラッチを用いたカートリッジ寿命検出機構の概略図である。
【図2】寿命検出部材の形状が違う例の概略図である。
【図3】画像形成装置の全体断面説明図である。
【図4】現像離間機構の概略図である。
【図5】現像離間機構を図4と逆から見た概略図である。
【図6】第2実施形態に係るワンウェイクラッチを用いたカートリッジ寿命検出機構の概略図である。
【図7】第3実施形態に係るワンウェイクラッチとしてラチェット機構を用いたカートリッジ寿命検出機構の概略図である。
【図8】第4実施形態に係るワンウェイクラッチとしてバネクラッチ機構を用いたカートリッジ寿命検出機構の概略図である。
【図9】第5実施形態に係るカム部材に材料の弾性特性を用いたカートリッジ寿命検出機構の概略図である。
【図10】実施形態に係るプロセスカートリッジの断面図である。
【図11】第1実施形態に係るブロック図である。
【図12】実施形態に係るフローチャートである。
【図13】第2実施形態から第5実施形態に係るブロック図である。
【符号の説明】
【0059】
1 …感光体ドラム
2 …帯電ローラ
3 …露光装置
4 …現像手段
4a …現像ローラ
5 …クリーニング手段
6 …記録媒体搬送ベルト
7a …駆動ローラ
7b …従動ローラ
7c …テンションローラ
8 …転写ローラ
9 …カセット
10 …給送ローラ
11 …吸着ローラ
12 …定着手段
13 …排出部
20Y,20M,20C,20K …画像形成手段
21 …入力ギア
22 …第2欠歯ギア
23 …第1欠歯ギア
24 …バネ
25 …係止爪
26 …ソレノイドフラッパ
27 …バネ
28 …カムレバー
30 …ボス
31 …第1出力ギア
32 …カム34軸
33 …第2出力ギア
34 …現像離間カム
35 …トリガレバー
36 …電磁クラッチ
37 …壁
38 …寿命警告部材
39 …スリット形状
40 …ワンウェイクラッチ
41 …ラチェットカム
42 …カム押圧バネ
44 …カム面
45 …絞まりバネ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセスカートリッジを着脱可能な電子写真画像形成装置において、
第一の位置と前記第一の位置から退避した第二の位置とを取り得るカム部材と、
前記カム部材と同軸線上に移動可能に設けられたレバー部材と、
電子写真感光体ドラムと、前記電子写真感光体ドラムに接触して、前記電子写真感光体に形成した静電潜像を現像するための現像ローラと、前記電子写真感光体ドラムを支持する第一枠体と、前記現像ローラを支持する、前記第一枠体に移動可能に結合している第二枠体であって、前記カム部材が第一の位置に位置する際に、前記カム部材と当接して、前記電子写真感光体ドラムと前記現像ローラとを離間する力を前記カム部材から受けるカム係合部を有する第二枠体と、前記プロセスカートリッジが寿命に達したと前記装置本体が判断した際に、前記レバー部材が当接することによって不可逆的に変形させられる力を受ける突出部材と、を有するプロセスカートリッジを取り外し可能に装着する装着部と、
を有することを特徴とする電子写真画像形成装置。
【請求項2】
前記レバー部材は、前記プロセスカートリッジが寿命に達したと前記装置本体が判断した際に、前記レバー部材が当接することによって、前記レバー部材を塑性変形又は破断させることを特徴とする請求項1に記載の電子写真画像形成装置。
【請求項3】
前記レバー部材は、前記カム部材を動作させるカム軸からクラッチ手段を介して駆動力が伝達されることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真画像形成装置。
【請求項4】
前記クラッチ手段は、前記カム軸からの駆動力を前記レバー部材に選択的に伝達する電磁クラッチであることを特徴とする請求項3に記載の電子写真画像形成装置。
【請求項5】
前記クラッチ手段は、前記カム軸がカム部材を動作させる方向と逆方向に回転したときのみ駆動力を前記レバー部材に伝達するワンウェイクラッチであることを特徴とする請求項3に記載の電子写真画像形成装置。
【請求項6】
前記レバー部材は、前記カム軸が前記カム部材を動作させる正回転するときは弾性変形し、逆回転するときは弾性変形せずに前記突出部材に当接して、前記突出部材を不可逆的に変形させることを特徴とする請求項2に記載の電子写真画像形成装置。
【請求項7】
第一の位置と前記第一の位置から退避した第二の位置とを取り得るカム部材を有する電子写真画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジにおいて、
電子写真感光体ドラムと、
前記電子写真感光体ドラムに接触して、前記電子写真感光体に形成した静電潜像を現像するための現像ローラと、
前記電子写真感光体ドラムを支持する第一枠体と、
前記現像ローラを支持する、前記第一枠体に移動可能に結合している第二枠体であって、前記カム部材が第一の位置に位置する際に、前記カム部材と当接して、前記電子写真感光体ドラムと前記現像ローラとを離間する力を前記カム部材から受けるカム係合部を有する第二枠体と、
前記プロセスカートリッジが寿命に達したと前記装置本体が判断した際に、前記装置本体に移動可能に設けられたレバー部材が当接することによって不可逆的に変形させられる力を受ける突出部材と、ここで、前記レバー部材は前記カム部材と同軸線上に設けられている、
を有するプロセスカートリッジ。
【請求項8】
前記突出部材は、前記第二枠体に設けられていることを特徴とする請求項7に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項9】
前記突出部材は、前記レバー部材が通過可能なスリットを有する壁に囲まれていることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項10】
前記突出部材は、前記不可逆的に変形させられる力を受けることによって、塑性変形又は破断させることを特徴とする請求項7乃至請求項9のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−276136(P2006−276136A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−90935(P2005−90935)
【出願日】平成17年3月28日(2005.3.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】