説明

電子回路装置

【課題】放熱専用の部品を用いることなく、電子部品の放熱を可能にする。
【解決手段】コネクタ端子22を介して外部電源から電力が供給される電源用バスバー2と、この電源用バスバー2を介して電力が供給される実装基板3と、この実装基板3に実装された電子部品4とを備え、電源用バスバー2と電子部品4の表面とを接触させる。これによると、電子部品4が発生する熱は、電源用バスバー2から放熱されるとともに、コネクタ端子22に接続された電力供給用のリード線からも放熱される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品を有する電子回路装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の電子回路装置は、電子部品の熱対策として、放熱専用の部品を用いて電子部品が発生する熱を放散させるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平9−148770号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の電子回路装置は、電子部品が発生する熱を放散させるために、放熱専用の部品が必要であった。
【0004】
本発明は上記点に鑑みて、放熱専用の部品を用いることなく、電子部品の放熱を可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、コネクタ端子(22)を介して外部電源から電力が供給される電源用バスバー(2)と、この電源用バスバー(2)を介して電力が供給される実装基板(3)と、この実装基板(3)に実装された電子部品(4)とを備え、電源用バスバー(2)と電子部品(4)の表面とが接触していることを特徴とする。
【0006】
これによると、電子部品(4)が発生する熱は、電源用バスバー(2)から放熱されるとともに、電源用バスバー(2)のコネクタ端子(22)に接続された電力供給用のリード線からも放熱される。すなわち、放熱専用の部品を用いることなく、電子部品(4)の放熱を行うことができる。
【0007】
また、請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の電子回路装置において、電源用バスバー(2)と電子部品(4)は、熱伝導性の接着剤にて接着されていることを特徴とする。
【0008】
これによると、電源用バスバー(2)と電子部品(4)との間の空気断熱層が接着剤により埋められるため、電子部品(4)から電源用バスバー(2)への伝熱性能が向上し、ひいては電子部品(4)の放熱性能が向上する。
【0009】
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を図に示す実施形態に基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態に係る電子回路装置を示す正面図であり、図2のB−B線に沿う断面図である。図2は図1のA−A線に沿う断面図、図3は図1の底面図である。
【0011】
この電子回路装置は集積回路や電磁リレーを内蔵し、例えば図示しない車両のヘッドランプやワイパモータ等の車両用電気機器の通電制御用として用いられる。
【0012】
図1〜図3において、電子回路装置は、樹脂製のケース1内に、2つのバスバー2、3が収納されている。これらのバスバー2、3は、導電性金属板(例えば、銅系金属板)をプレスにて打ち抜いて形成される。
【0013】
電源用バスバー2は、ヒューズ(図示せず)が装着される複数のヒューズ端子21や、外部のコネクタ端子(図示せず)と接続される1つのコネクタ端子22が形成されている。このコネクタ端子22は、ケース1から突出しており、車両電源の+端子(図示せず)から延びるリード線のコネクタ端子(図示せず)と接続される。
【0014】
実装用バスバー3は、ヒューズ(図示せず)が装着される複数のヒューズ端子(図示せず)や、外部のコネクタ端子(図示せず)と接続される多数のコネクタ端子31が形成されている。このコネクタ端子31は、ケース1から突出しており、ヘッドランプやワイパモータ等の車両用電気機器に接続される。
【0015】
2つのバスバー2、3は、対向して配置されており、実装用バスバー3における電源用バスバー2と対向する面には、集積回路4、コンデンサ5、レジスタ6、電磁リレー7等が実装されている。なお、実装用バスバー3は、本発明の実装基板に相当する。また、集積回路4は、本発明の電子部品に相当する。
【0016】
2つのバスバー2、3はヒューズを介して接続されており、車両電源からの電力は、電源用バスバー2からヒューズを介して実装用バスバー3に供給され、さらにこの実装用バスバー3を介して集積回路4等に供給される。
【0017】
電源用バスバー2は、集積回路4側に向かって延びるように折り曲げられた折り曲げ片23を備えている。この折り曲げ片23は、集積回路4の表面(例えば電気絶縁部)に接触している。
【0018】
上記構成になる電子回路装置では、電源用バスバー2と集積回路4とが接触しているため、集積回路4が発生した熱は、電源用バスバー2から放熱されるとともに、電源用バスバー2のコネクタ端子22に接続された電力供給用のリード線からも放熱される。また、集積回路4が発生した熱は、実装用バスバー3から放熱されるとともに、実装用バスバー3のコネクタ端子31に接続されたリード線、さらにはそのリード線に接続された車両用電気機器からも放熱される。
【0019】
(他の実施形態)
上記実施形態では、電源用バスバー2の折り曲げ片23と集積回路4とを接触させるだけであったが、両者の接触部間に熱伝導性の接着剤を配して両者を接着してもよい。これによると、電源用バスバー2の折り曲げ片23と集積回路4との接触部が点接触ないしは線接触であっても、両者間の非接触部(空気断熱層)が接着剤により埋められるため、集積回路4から電源用バスバー2への伝熱性能が向上し、ひいては集積回路4の放熱性能が向上する。
【0020】
また、上記実施形態では、集積回路4、コンデンサ5、レジスタ6、電磁リレー7等が実装される基板としてバスバーを用いたが、集積回路4、コンデンサ5、レジスタ6、電磁リレー7等が実装される基板はプリント基板であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態に係る電子回路装置を示す正面断面図である。
【図2】図1のA−A線に沿う断面図である。
【図3】図1の底面図である。
【符号の説明】
【0022】
2…電源用バスバー、3…実装用バスバー(実装基板)、4…集積回路(電子部品)、22…コネクタ端子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタ端子(22)を介して外部電源から電力が供給される電源用バスバー(2)と、この電源用バスバー(2)を介して電力が供給される実装基板(3)と、この実装基板(3)に実装された電子部品(4)とを備え、前記電源用バスバー(2)と前記電子部品(4)の表面とが接触していることを特徴とする電子回路装置。
【請求項2】
前記電源用バスバー(2)と前記電子部品(4)は、熱伝導性の接着剤にて接着されていることを特徴とする請求項1に記載の電子回路装置。
【請求項3】
前記電子部品は集積回路(4)であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子回路装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−329230(P2007−329230A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−158292(P2006−158292)
【出願日】平成18年6月7日(2006.6.7)
【出願人】(390001812)アンデン株式会社 (97)
【Fターム(参考)】