説明

電子棚札システム

【課題】電池を必要としない電子棚札システムを提供する。
【解決手段】物品を配置する棚に沿って敷設される、一次コイルを構成する給電線30と、この給電線に通信用の信号で変調された交流を供給する搬送波駆動回路40と、物品に関する情報を表示する表示部56と二次コイル51とを有する電子棚札50A、50Bと、を備え、一次コイル30と二次コイル51との間の電磁誘導を通じて電子棚札50A、50Bへの給電と物品に関する情報の通信とが行われる。電子棚札に電池を持たせる必要がないため、電池交換の負担が解消され、電池の廃棄に伴う環境への悪影響が回避できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スーパーマーケット等の商品陳列棚や倉庫の在庫管理棚などに設置される電子棚札のシステムに関し、電子棚札の電池交換を不要にしたものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電子棚札を導入するスーパーマーケットやコンビニエンスストアが急激に増加している。
電子棚札は、POSシステムの一部として導入され、電子棚札で表示する価格がPOS管理装置により書き換えられ、その価格に基づいてレジでの精算が行われる。
図9は、下記特許文献1に記載された電子棚札システムを示している。電子棚札管理装置1は、通信回線2を介して無線基地局3-1、3-kに接続し、各無線基地局は、個々の商品に対応して陳列棚に設置された電子棚札41-1、・・・4k-nと無線通信を行い、電子棚札管理装置の情報を各電子棚札に伝達する。
【0003】
電子棚札は、図10に示すように、マイクロプロセッサ21、アンテナ22を介して無線基地局3-1、3-kと無線通信を行う送受信回路23、マイクロプロセッサ21の制御の基に商品価格等を表示する表示器24、電池監視回路25、及び、各部に電力を供給する電池26を備えている。
この電子棚札の導入により、価格表示ミスから発生する顧客のクレームが減り、値札の入れ替えに要する人件費が削減できる。また、時間帯によって商品価格を変えるなど、きめ細かな販売戦略も可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−195660号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、電子棚札の電池は、約3年で交換する必要があると言われている。電子棚札の数は、中小店舗でも一店舗当たり数千〜数万に達するため、電子棚札の電池交換は、店舗経営に大きな負担を強いることになる。また、使用済み電池の大量廃棄は、環境への悪影響が懸念される。
【0006】
本発明は、こうした事情を考慮して創案したものであり、電池を必要としない電子棚札システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の電子棚札システムは、物品を配置する棚に沿って敷設される、一次コイルを構成する給電線と、この給電線に通信用の信号で変調された交流を供給する搬送波駆動回路と、物品に関する情報を表示する表示部と二次コイルとを有する電子棚札と、を備え、一次コイルと二次コイルとの間の電磁誘導を通じて電子棚札への給電と物品に関する情報の通信とが行われることを特徴とする。
このシステムでは、非接触給電を通じて、電子棚札への電力供給と、電子棚札に表示する情報の通信とが同時に行われる。
【0008】
また、本発明の電子棚札システムでは、搬送波駆動回路と給電線の一次コイルとの間に直列コンデンサを配置し、電子棚札の二次コイルの端子間に並列共振コンデンサを配置することが望ましい。
一次側に直列、二次側に並列のコンデンサを配置する方式(S/P方式)は、非接触給電の特性解析が容易であり、システムの最適設計が簡単に実行できる。
【0009】
また、本発明の電子棚札システムでは、直列コンデンサの容量をCs、電子棚札の個数をm、電子棚札に配置された並列共振コンデンサの容量をCp、搬送波の周波数をf0、一次コイルと二次コイルとで構成されるm個のトランスの各々における周波数f0での一次漏れリアクタンスをx1、一次側に換算された二次漏れリアクタンスをx2、一次側に換算された励磁リアクタンスをx0とするとき、
二次コイルの各々に接続する並列共振コンデンサの一次側に換算した値Cpを、
p=1/{2πf0×(x0+x2)} (数1)
に設定し、直列コンデンサの値Csを、
s=(x0+x2)/{m×2πf0×(x0×x1/m+x1×x2/m+x2×x0)}
(数2)
に設定することが望ましい。
二次側並列共振コンデンサの値Cpは、電源周波数f0において二次自己インダクタンスと共振するように(数1)によって決め、一次側直列コンデンサの値Csは、一次側電源力率が1となるように(数2)によって決める。こうすることで、システムの等価回路が理想トランスと略等価になり、システムの設計が容易になる。
【0010】
また、本発明の電子棚札システムでは、前記搬送波駆動回路を、信号で変調された周波数1KHz〜1MHzの搬送波を出力する変調回路と、直流を出力する直流電源と、直流電源から出力された直流を搬送波で変調された交流に変換して出力する駆動回路とで構成することができる。
【0011】
また、本発明の電子棚札システムでは、この直流電源を定電流駆動し、駆動回路から定電流が出力されるようにする。
直流電源の出力を監視して直流電源を定電流駆動することにより、駆動回路から定電流を出力させることができる。搬送波駆動回路から給電線への出力を定電流化することで、複数の電子棚札の内、一部の電子棚札の電力が変化しても他の電子棚札に加わる電圧は定電圧となる。
【0012】
また、本発明の電子棚札システムでは、変調回路が、搬送波をASK(amplitude shift keying)変調する。
ASK変調では、周波数が変化しないため、二次側並列共振コンデンサは、共振状態を維持することができる。
【0013】
また、本発明の電子棚札システムでは、電子棚札の各々への通信が、ブロードキャスト方式で行われる。
電子棚札の識別情報を含む価格情報等がブロードキャスト方式で送信され、各電子棚札は、その中から自己の識別情報を含む情報を取得して表示部に表示する。
【0014】
また、本発明の電子棚札システムでは、給電線は、断面形状がコの字形のアルミから成る桟の凹部内に敷設され、電子棚札は、この桟への着脱が可能な装着手段を有し、この装着手段で桟に装着されたときに、一次コイルと電子棚札の二次コイルとの間の電磁誘導が可能になる
電子棚札がアルミ桟に装着されて電子棚札の二次コイルと給電線とが接近することにより、一次コイルと二次コイルとの間の電磁誘導が可能になる。アルミ桟は外部磁界を遮蔽し、ノイズの侵入を抑制する。
【0015】
また、本発明の電子棚札システムでは、電子棚札の二次コイルの端子間に、並列共振コンデンサと並列接続する、逆方向に直列接続された2個のツェナーダイオードを設けることが望ましい。
このツェナーダイオードは、電子棚札の負荷が極めて小さいとき、二次コイルの端子間が過電圧になるのを防止する。また定電流駆動である直流電源の出力電圧が過大になるのを防止する。
【0016】
また、本発明の電子棚札システムでは、電子棚札に、表示部として電子ペーパーを設けることが好ましい。
電子ペーパーは、表示情報を書き換えるときだけ給電すれば足りるので、消費電力の低減を図ることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の電子棚札システムでは、電子棚札に対して非接触で給電や情報伝達が行われるので、電子棚札に電池を持たせる必要がない。そのため、電池交換の負担が解消され、また、電池の廃棄に伴う環境への悪影響が回避できる。
また、非接触での給電や情報伝達が可能なため、電子棚札を密閉構造化して、防塵性や防水性が要求される工場や倉庫などの劣悪環境下で使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係る電子棚札システムの基本回路構成を示す図
【図2】図1の電子棚札システムの給電線及び電子棚札の形状を示す図(断面図)
【図3】図2の給電線が横桟に設置される状態を示す図(分解斜視図)
【図4】図2の電子棚札の形状を示す図(正面図及び裏面図)
【図5】図2の電子棚札を横桟に装着した状態を示す図(断面図)
【図6】図1の基本回路の等価回路を示す図
【図7】図1の電子棚札システムの実施例を示す図(電子ペーパーを用いた場合)
【図8】図1の電子棚札システムの実施例を示す図(液晶表示器を用いた場合)
【図9】従来の電子棚札システムを示す図
【図10】従来の電子棚札の構成を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、本発明の実施形態である電子棚札システムの基本回路構成を示している。
このシステムは、商品陳列棚に沿って敷設される、一次コイルを構成する給電線30と、給電線30に通信用の信号で変調された交流を供給する搬送波駆動回路40と、商品陳列棚の商品位置に配置される複数の電子棚札50A、50Bとを備えている。
給電線30には、搬送波駆動回路40との間に直列コンデンサ31が配置されている。
搬送波駆動回路40は、信号波で変調された周波数1KHz〜1MHzの搬送波を出力する変調回路41と、直流電源42と、直流電源42からの直流を搬送波で変調された交流に変換して給電線30に出力する駆動回路43とを備えている。
【0020】
電子棚札50A(50Bも同様)は、一次コイルとの間で非接触給電トランスを構成する二次コイル51と、二次コイル51の端子間に配置される並列共振コンデンサ52と、整流ブリッジ53を構成する4個のダイオードと、整流ブリッジ53で生成された整流を平滑化する平滑コンデンサ54と、通信で取得した商品価格等の情報を表示する表示部56と、表示部56に給電される電圧・電流を一定に保持するレギュレータ55と、を備えている。
【0021】
このシステムでは、各電子棚札50A、50Bに対する通信がブロードキャスト方式で行われ、電子棚札50A、50Bの各々に伝達される情報に、それぞれの電子棚札50A、50Bの識別コードが付されて送信される。電子棚札50A、50Bの表示部56は、給電線30を通じて受信した信号から自己の識別コードが付された情報のみを取得して表示する。表示部56は、こうした処理を実行するマイクロプロセッサ(不図示)を備えているが、マイクロプロセッサの詳しい説明は省略する。
【0022】
このシステムでは、搬送波駆動回路40の変調回路41が搬送波を信号波でASK変調する。搬送波駆動回路40の駆動回路43は、ASK変調された搬送波をインバータ回路のスイッチング信号に用いて、直流電源42からの直流を交流電力に変換し、給電線30に出力する。
給電線30(一次コイル)に交流が流れると、一次コイルと二次コイル51との間の電磁誘導により、信号で変調された交流が、電子棚札50A、50Bの二次コイル51に誘起される。二次コイル51に誘起された交流は、整流ブリッジ53で整流され、平滑コンデンサ54やレギュレータ55で電圧・電流が一定に制御されて表示部56に給電される。
また、交流に多重化された信号は、復調され、自己の識別コードが付された情報が選択されて表示部56に表示される。
【0023】
図2、図3、図4及び図5には、給電線30の設置形態や電子棚札50の形状の一例を示している。給電線30は、図2(b)の断面図、及び図3の分解斜視図に示すように、横長のパネル板34の裏側に固定された横長の板状巻芯33の周りに巻回され、パネル板34が表に現われるように、断面形状がコの字形のアルミから成る横桟32の凹部内に収容される。このアルミ横桟32及びパネル板34は、商品陳列棚の棚札が配置される箇所の長さに相当する横長寸法に設定され、板状巻芯33は、巻回された給電線30がパネル板34により隠れる範囲で、できるだけ横長に設定される。
なお、ここでは、給電線30を板状巻芯33に一回だけ巻回した例を図示しているが、給電線30の巻回数は任意である。
【0024】
一方、電子棚札50は、図2(a)の断面図、図4(a)の裏面図、図4(b)の正面図に示すように、裏面に二次コイル51を収容する凹部59を有し、表面に表示部56が設置される基板57を備えており、また、この基板57をアルミ横桟32に着脱自在に装着する装着手段58を備えている。
図5は、装着手段58で電子棚札をアルミ横桟32に取り付けた状態を示している。この状態で給電線30の一次コイルと電子棚札50の二次コイル52とが接近し、非接触給電トランスでの電磁誘導が可能になる。
アルミ横桟32は、外部磁界を遮蔽し、この非接触給電トランスへのノイズの侵入を防いでいる。
【0025】
次に、給電線30に配置した直列コンデンサ31、及び、電子棚札50の二次コイル51の端子間に配置した並列共振コンデンサ52の作用について説明する。
このように一次側に直列、二次側に並列のコンデンサを配置する方式(S/P方式)を採用すると、非接触給電の特性解析が容易になり、システムの最適設計が簡単に実行できる。
S/P方式の非接触給電回路は、図1に示すように複数の二次側コイルを備える系の場合、図1のPP’より右側の回路が図6に示す等価回路で表される。
ただし、ここでは、簡単のため巻線抵抗や鉄心の損失を無視している。また、二次側の個数mを2としている。
【0026】
この等価回路では、一次コイルと二次コイルとで構成されるm個のトランスの各々における一次漏れリアクタンスをx1、一次側に換算された二次漏れリアクタンスをx2、一次側に換算された励磁リアクタンスをx0で表している。xs1は直列コンデンサ31の一次漏れ漏れリアクタンス、xp2は並列コンデンサ52の二次漏れリアクタンス、R1、R2は負荷抵抗、I1、I2は負荷電流、V21、V22は負荷電圧を表している。
このシステムでは、各電子棚札50A、50Bの二次コイル51に接続する並列コンデンサ52の値Cpを、各電子棚札50A、50Bの二次コイル51の自己インダクタンスと共振回路を構成するように、
p=1/{2πf0×(x0+x2)} (数1)
と設定する。f0は搬送波の周波数である。
【0027】
一方、一次コイル(給電線30)に接続する直列コンデンサ31の値Csは、一次側電源の力率が1になるように、即ち、図6に示す等価回路のインピーダンスのjを含む項が0になるように設定する。2次側負荷がm個のとき、Csは(数2)のようになる。
s=(x0+x2)/{m×2πf0×(x0×x1/m+x1×x2/m+x2×x0)}
(数2)
p、Csをこのように設定すると、各負荷抵抗R1、R2の電圧V21、V22及び電流I1、I2は、次式で近似できる。
21=(V1/b){R1/(R1+R2)} (数3)
22=(V1/b){R2/(R1+R2)} (数4)
21+V22=V1/b (数5)
1=I2=(V1/b){1/(R1+R2)} (数6)
ここで、b=x0/(x0+x2) (数7)
である。
【0028】
このように、(数3)〜(数6)により、図6の等価回路は、理想トランスの回路と等価になる。この理想トランスの巻数比bは、負荷R1、R2の値に依らない。
また、電源から見た負荷側のインピーダンスZは、
Z={x0/(x0+x2)}2×(R1+R2) (数8)
となる。
以上により、給電電力の変化、即ち、負荷抵抗の変化に対して、S/P方式では、定電流源で駆動すれば、一方の電子棚札50Aの電力が変化しても他方の電子棚札50Bの受電は定電圧となる。
しかし、軽負荷の受電部は過電圧になる虞がある。この対策については後述する。
【0029】
図7は、この電子棚札システムの回路構成の実施例を示している。
この回路の変調回路41は、100kHzの搬送波を発振し、パソコン70から「1」の信号が入力すると搬送波を出力し、「0」が入力すると搬送波の出力を停止することで搬送波のASK変調を行っている。
直流電源42は、定電流駆動する定電流電源回路で構成している。この回路は、駆動回路43に出力される直流を監視し、定電流になるように制御している。
駆動回路43は、変調された搬送波をインバータ回路のスイッチング信号に用いて、定電流電源回路から送られた直流を交流に変換する。そのため、駆動回路43から定電流が出力される。
【0030】
電子棚札50の二次コイル51の端子間には、並列共振コンデンサ52とともに、逆方向に直列接続した2個のツェナーダイオード71を、並列共振コンデンサ52と並列に接続している。このツェナーダイオード71は、電子棚札の負荷が極めて小さいとき、二次コイル51の端子間を短絡して負荷を切離し、軽負荷への過電圧を防ぐ作用をする。
また、復調回路60は、二次コイル51の端子電圧と基準電圧とをコンパレータ61で比較し、「1」または「0」の信号を復調する。
【0031】
ここでは、電子棚札50の表示部に電子ペーパー72を用いている。電子ペーパー72は、メモリー性を有しており、給電を停止しても安定した表示を続けることができる。そのため、電子ペーパー72の表示を変更するときにだけ、駆動回路43を起動してパソコン70から信号を送れば、その信号が復調回路60で復調されて電子ペーパー72の表示が切り替わる。
【0032】
また、図8は、電子棚札50の表示部56として液晶表示器73を用いる場合の実施例を示している。液晶表示器73の表示を維持するためには、液晶表示器73への給電を継続し、液晶表示器73に表示信号を送り続ける必要がある。そのため、ここでは、マイコン62を配置して、復調回路60で復調された情報をマイコン62で保持し、マイコン62から液晶表示器73に表示信号を送り続けるように構成している。
【0033】
このように、この電子棚札システムでは、電子棚札に電池を置く必要がないため、電池交換の負担が解消される。また、電池の廃棄に伴う環境への悪影響も回避できる。また、この電子棚札を密閉構造化して、工場や倉庫などの劣悪環境で使用することもできる。
また、表示部に電子ペーパーを用いる電子棚札は、表示内容を変更するときにだけ電力が消費され、表示の維持には電力が要らないため、レール(アルミ横桟)に多数の電子棚札を並べても、消費電力は殆ど増えない。
また、液晶では、バーコードの表示ができないが、電子ペーパーでは、バーコードを表示することが可能であり、用途の拡大が期待できる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、商品を陳列するスーパーマーケットやコンビニエンスストア等の販売店や、在庫を管理する倉庫や工場など、幅広い分野で利用することが可能である。
【符号の説明】
【0035】
30 給電線
31 直列コンデンサ
32 アルミ横桟
33 板状巻芯
34 パネル板
40 搬送波駆動回路
41 変調回路
42 直流電源
43 駆動回路
50A 電子棚札
50B 電子棚札
52 並列共振コンデンサ
53 整流ブリッジ
54 平滑コンデンサ
55 レギュレータ
56 表示部
57 基板
58 装着手段
59 凹部
60 復調回路
61 コンパレータ
62 マイコン
70 パソコン
71 ツェナーダイオード
72 電子ペーパー
73 液晶表示器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を配置する棚に沿って敷設される、一次コイルを構成する給電線と、
該給電線に通信用の信号で変調された交流を供給する搬送波駆動回路と、
前記物品に関する情報を表示する表示部と二次コイルとを有する電子棚札と、
を備え、前記一次コイルと前記二次コイルとの間の電磁誘導を通じて前記電子棚札への給電と前記物品に関する情報の通信とが行われることを特徴とする電子棚札システム。
【請求項2】
請求項1に記載の電子棚札システムであって、前記電子棚札の二次コイルの端子間に並列共振コンデンサが配置されることを特徴とする電子棚札システム。
【請求項3】
請求項2に記載の電子棚札システムであって、前記搬送波駆動回路と前記給電線の一次コイルとの間に直列コンデンサが配置され、前記直列コンデンサの容量をCs、前記電子棚札の個数をm、前記電子棚札に配置された並列共振コンデンサの容量をCp、搬送波の周波数をf0、前記一次コイルと前記二次コイルとで構成されるm個のトランスの各々における周波数f0での一次漏れリアクタンスをx1、一次側に換算された二次漏れリアクタンスをx2、一次側に換算された励磁リアクタンスをx0とするとき、
前記二次コイルの各々に接続する前記並列共振コンデンサの一次側に換算した値Cpが、
p=1/{2πf0×(x0+x2)}
に設定され、前記直列コンデンサの値Csが、
s=(x0+x2)/{m×2πf0×(x0×x1/m+x1×x2/m+x2×x0)}
に設定されることを特徴とする電子棚札システム。
【請求項4】
請求項1または2に記載の電子棚札システムであって、前記搬送波駆動回路が、前記信号で変調された周波数1KHz〜1MHzの搬送波を出力する変調回路と、直流を出力する直流電源と、前記直流電源から出力された直流を前記搬送波で変調された交流に変換して出力する駆動回路とを備えることを特徴とする電子棚札システム。
【請求項5】
請求項4に記載の電子棚札システムであって、前記直流電源が定電流駆動され、前記駆動回路から定電流が出力されることを特徴とする電子棚札システム。
【請求項6】
請求項4に記載の電子棚札システムであって、前記変調回路が、前記搬送波をASK変調することを特徴とする電子棚札システム。
【請求項7】
請求項1または4に記載の電子棚札システムであって、前記電子棚札の各々への通信が、ブロードキャスト方式で行われることを特徴とする電子棚札システム。
【請求項8】
請求項1に記載の電子棚札システムであって、前記給電線は、断面形状がコの字形のアルミから成る桟の凹部内に敷設され、前記電子棚札は、前記桟への着脱が可能な装着手段を有し、該装着手段により前記桟に装着されたとき、前記一次コイルと前記電子棚札の二次コイルとの間の電磁誘導が可能になることを特徴とする電子棚札システム。
【請求項9】
請求項2または3に記載の電子棚札システムであって、前記電子棚札は、前記二次コイルの端子間に、端子間の電圧が過電圧になるのを防止する素子、例えば前記並列共振コンデンサと並列接続する、逆方向に直列接続された2個のツェナーダイオードを有していることを特徴とする電子棚札システム。
【請求項10】
請求項1に記載の電子棚札システムであって、前記電子棚札は、前記表示部として電子ペーパーを有していることを特徴とする電子棚札システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2012−14383(P2012−14383A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−149783(P2010−149783)
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【出願人】(504190548)国立大学法人埼玉大学 (292)
【出願人】(508157451)株式会社インテグラル電子 (2)
【Fターム(参考)】