電子機器、および表示制御方法
【課題】ユーザが3次元表示された画像を視認しにくい場合には当該画像を2次元表示可能な電子機器を提供する。
【解決手段】電子機器は、CPUと、メモリと、ディスプレイ105と、ディスプレイ105の近傍に設置され、人物との間の距離を計測する測距センサとを備える。メモリは、距離d11および距離d11よりも大きい距離d12と、測距センサにおける出力電圧と距離との対応関係を示したデータとを格納している。CPUは、測距センサの出力と対応関係を示したデータとに基づいて、ディスプレイ105と人物との間の距離を算出する。CPUは、算出された距離が距離d11以上であって距離d12以下であるときには、ディスプレイ105に画像を3次元表示させる。CPUは、算出された距離が距離d11よりも小さい、または算出された距離が距離d12よりも大きいときには、ディスプレイ105に画像を2次元表示させる。
【解決手段】電子機器は、CPUと、メモリと、ディスプレイ105と、ディスプレイ105の近傍に設置され、人物との間の距離を計測する測距センサとを備える。メモリは、距離d11および距離d11よりも大きい距離d12と、測距センサにおける出力電圧と距離との対応関係を示したデータとを格納している。CPUは、測距センサの出力と対応関係を示したデータとに基づいて、ディスプレイ105と人物との間の距離を算出する。CPUは、算出された距離が距離d11以上であって距離d12以下であるときには、ディスプレイ105に画像を3次元表示させる。CPUは、算出された距離が距離d11よりも小さい、または算出された距離が距離d12よりも大きいときには、ディスプレイ105に画像を2次元表示させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、および表示制御方法に関する。本発明は、特に、3次元表示と2次元表示とが可能な電子機器、および当該電子機器における表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像の3次元表示が可能な電子機器が知られている。
特許文献1には、上記電子機器として、立体映像表示装置が開示されている。当該立体映像表示装置は、左眼用の画素と右眼用の画素とにより表示画面を構成する液晶パネルと、液晶パネルの光入射側に設けられたバックライトと、バックライトと液晶パネルとの間に配置された遮光板3分散型液晶パネルと、液晶パネルの光出射側に配置されたTN型液晶パネルとを備える。立体映像表示装置は、分散型液晶パネルの拡散効果のON−OFFとTN型液晶パネルのON−OFFとを切換えることにより立体映像の適視間距離を切換える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−123459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の電子機器は、3次元表示を行なうか、あるいは2次元表示を行なうかを、ユーザの指示等に基づいて判断する。
【0005】
また、電子機器が画像の3次元表示を行なっている場合において、当該画像を立体的に視認できる位置(電子機器のディスプレイに対するユーザの位置)は或る程度制限される。つまり、ユーザが電子機器に近づき過ぎた状態で画像を視認しても、ユーザは当該画像を立体的に視認できない。また、ユーザが電子機器から遠ざかり過ぎた状態で画像を視認しても、ユーザは当該画像を立体的に視認できない。このため、ユーザが電子機器に近づき過ぎた状態、およびユーザが電子機器から遠ざかり過ぎた状態では、画像を3次元表示するよりも2次元表示する方が好ましい。
【0006】
本願発明は、上記の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、ユーザが3次元表示された画像を視認しにくい場合には当該画像を2次元表示可能な電子機器、および当該電子機器における表示制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある局面に従うと、電子機器は、画像の2次元表示と画像の3次元表示とが可能な電子機器である。電子機器は、プロセッサと、プロセッサに接続されたメモリと、画像を表示するためのディスプレイと、ディスプレイの近傍に設置され、人物との間の距離を計測するセンサとを備える。メモリは、第1の閾値および当該第1の閾値よりも大きい第2の閾値を格納している。プロセッサは、センサにて計測された距離が第1の閾値以上であって第2の閾値以下であるときには、ディスプレイに画像を3次元表示させ、センサにて計測された距離が第1の閾値よりも小さい、またはセンサにて計測された距離が第2の閾値よりも大きいときには、ディスプレイに画像を2次元表示させる。
【0008】
好ましくは、電子機器は、音および光の少なくともいずれかによって報知を行なう報知装置をさらに備える。プロセッサは、センサにて計測された距離が第1の閾値以上であって第2の閾値以下であるときには、報知装置に予め定められた報知を行なわせる。プロセッサは、センサにて計測された距離が第1の閾値よりも小さい、またはセンサにて計測された距離が第2の閾値よりも大きいときには、報知装置に、予め定められた報知とは異なる報知を行なわせる。
【0009】
好ましくは、メモリは、第1の閾値よりも大きく第2の閾値よりも小さい第3の閾値と、第3の閾値よりも大きく第2の閾値よりも小さい第4の閾値とをさらに格納している。プロセッサは、センサにて計測された距離が第1の閾値以上であって第2の閾値以下である場合において、センサにて計測された距離が第3の閾値以上であって第4の閾値以下であるときと、センサにて計測された距離が第3の閾値よりも小さいまたは第4の閾値よりも大きいときとでは、互いに異なる報知を報知装置に行なわせる。
【0010】
本発明のさらに他の局面に従うと、電子機器は、画像の2次元表示と画像の3次元表示とが可能な電子機器である。電子機器は、プロセッサと、プロセッサに接続されたメモリと、画像を表示するためのディスプレイと、ディスプレイに対向する人物を撮像するための撮像装置と、ディスプレイの近傍に設置され、人物との間の距離を計測するセンサとを備える。メモリは、第1の画素数および当該第1の画素数よりも大きい第2の画素数と、人物の顔を表している画像データに基づいて、当該画像データにおける、顔の右眼と左眼との間の距離を算出するためのプログラムとを格納している。右眼と左眼との間の距離の長さの単位は、画素である。プロセッサは、プログラムと、撮像装置による撮像処理で得られた人物の顔を表す画像データとを用いて、当該顔における右眼と左眼との間の距離を算出する。センサは、撮像処理時のディスプレイと人物との間の距離を計測する。プロセッサは、算出された右眼と左眼との間の距離と、センサにて計測されたディスプレイと人物との間の距離との積を、第1の画素数で割ったときの商である第1の距離と、当該積を第2の画素数で割ったときの商である第2の距離とを算出する。センサは、撮像処理後において、ディスプレイと人物との間の距離を再び計測する。プロセッサは、再び計測された距離が第1の距離以上であって第2の距離以下であるときには、ディスプレイに画像を3次元表示させる。プロセッサは、再び計測された距離が第1の距離よりも小さい、または再び計測された距離が第2の距離よりも大きいときには、ディスプレイに画像を2次元表示させる。
【0011】
好ましくは、電子機器は、音および光の少なくともいずれかによって報知を行なう報知装置をさらに備える。プロセッサは、再び計測された距離が第1の距離以上であって第2の距離以下であるときには、報知装置に予め定められた報知を行なわせる。プロセッサは、再び計測された距離が第1の距離よりも小さい、または再び計測された距離が第2の距離よりも大きいときには、報知装置に、予め定められた報知とは異なる報知を行なわせる。
【0012】
好ましくは、メモリは、第1の画素数よりも大きく第2の画素数よりも小さい第3の画素数と、第3の画素数よりも大きく第2の画素数よりも小さい第4の画素数とをさらに格納している。プロセッサは、積を第3の画素数で割ったときの商である第3の距離と、当該積を第4の画素数で割ったときの商である第4の距離とを算出する。プロセッサは、センサにて計測された距離が第1の距離以上であって第2の距離以下である場合において、計測された距離が第3の距離以上であって第4の距離以下であるときと、計測された距離が第3の距離よりも小さいまたは第4の距離よりも大きいときとでは、互いに異なる報知を報知装置に行なわせる。
【0013】
好ましくは、プロセッサは、算出された第1の距離と第2の距離とを、入力された識別情報に対応付けてメモリに格納する。プロセッサは、入力された識別情報を指定する入力を受け付けたときには、メモリから第1の距離と第2の距離とを読み出す。センサは、ディスプレイと人物との間の距離をさらに計測する。プロセッサは、センサにて計測された距離と、読み出された第1の距離および第2の距離とを用いて、ディスプレイに画像を2次元表示させるか、または3次元表示させるかを決定する。
【0014】
本発明のさらに他の局面に従うと、表示制御方法は、画像の2次元表示と画像の3次元表示とが可能な電子機器における表示制御方法である。電子機器は、プロセッサと、プロセッサに接続されたメモリと、画像を表示するためのディスプレイと、ディスプレイの近傍に設置され、人物との間の距離を計測するセンサとを備える。メモリは、第1の閾値および当該第1の閾値よりも大きい第2の閾値を格納している。表示制御方法は、プロセッサが、センサにて計測された距離が第1の閾値以上であって第2の閾値以下であるときには、ディスプレイに画像を3次元表示させるステップと、プロセッサが、センサにて計測された距離が第1の閾値よりも小さい、またはセンサにて計測された距離が第2の閾値よりも大きいときには、ディスプレイに画像を2次元表示させるステップとを備える。
【0015】
本発明のさらに他の局面に従うと、表示制御方法は、画像の2次元表示と画像の3次元表示とが可能な電子機器における表示制御方法である。電子機器は、プロセッサと、プロセッサに接続されたメモリと、画像を表示するためのディスプレイと、ディスプレイに対向する人物を撮像するための撮像装置と、ディスプレイの近傍に設置され、人物との間の距離を計測するセンサとを備える。メモリは、第1の画素数および当該第1の画素数よりも大きい第2の画素数と、人物の顔を表している画像データに基づいて、当該画像データにおける、顔の右眼と左眼との間の距離を算出するためのプログラムとを格納している。右眼と左眼との間の距離の長さの単位は、画素である。表示制御方法は、プロセッサが、プログラムと、撮像装置による撮像処理で得られた人物の顔を表す画像データとを用いて、当該顔における右眼と左眼との間の距離を算出するステップと、センサが、撮像処理時のディスプレイと人物との間の距離を計測するステップと、と、プロセッサが、算出された右眼と左眼との間の距離と、センサにて計測されたディスプレイと人物との間の距離との積を、第1の画素数で割ったときの商である第1の距離と、当該積を第2の画素数で割ったときの商である第2の距離とを算出するステップと、センサが、撮像処理後において、ディスプレイと人物との間の距離を再び計測するステップと、プロセッサが、再び算出された距離が第1の距離以上であって第2の距離以下であるときには、ディスプレイに画像を3次元表示させるステップと、プロセッサが、再び算出された距離が第1の距離よりも小さい、または再び算出された距離が第2の距離よりも大きいときには、ディスプレイに画像を2次元表示させるステップとを備える。
【発明の効果】
【0016】
上記の構成によれば、ユーザが3次元表示された画像を視認しにくい場合には、当該画像を2次元表示可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施の形態に係る電子機器の外観を示した図である。
【図2】電子機器のハードウェア構成を示した図である。
【図3】測距センサの出力特性を示した図である。
【図4】3次元表示に適した、ディスプレイからの距離の範囲を説明するための図である。
【図5】データテーブルTB11を示した図である。
【図6】データテーブルTB12を示した図である。
【図7】電子機器1における処理の流れを示したフローチャートである。
【図8】他の実施の形態に係る電子機器の外観を示した図である。
【図9】電子機器のハードウェア構成を示した図である。
【図10】画像データにおける右眼と左眼との距離を説明するための図である。
【図11】データテーブルTB21を示した図である。
【図12】電子機器1Aにおける処理の流れを示したフローチャートである。
【図13】さらに他の実施の形態に係る電子機器の外観を示した図である。
【図14】電子機器のハードウェア構成を示した図である。
【図15】3次元表示に適した、ディスプレイからの距離の範囲を説明するための図である。
【図16】右眼と左眼との間の距離と、ディスプレイからの距離dとの関係を示した図である。
【図17】データテーブルTB31を示した図である。
【図18】電子機器における処理の一部の流れを示したフローチャートである。
【図19】電子機器における処理の残り部分の流れを示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しつつ、本発明の各実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0019】
[実施の形態1]
図1は、本実施の形態に係る電子機器1の外観を示した図である。図1を参照して、電子機器1は、ディスプレイ105と、スピーカ106と、LED(Light Emitting Diode)110と、測距センサ121とを備える。ディスプレイ105と、スピーカ106と、LED110と、測距センサ121とは、電子機器1の筐体における同一の側面に配置されている。
【0020】
電子機器1は、2次元表示と3次元表示とが可能に構成されている。電子機器1は、3次元表示の方法として視差バリア方式を用いている。電子機器1は、ディスプレイ105に、右目用画像と左目用画像とを、X軸方向において交互に表示する。なお、3次元表示の方法は、視差バリア方式に限定されるものではなく、たとえば、レンチキュラ方式、偏光板方式、液晶アクティブシャッターメガネ方式等の各種の方式を用いることもできる。
【0021】
図2は、電子機器1のハードウェア構成を示した図である。図2を参照して、電子機器1は、プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)101と、データやプログラムを不揮発的に格納するROM(Read Only Memory)102と、データやプログラムを揮発的に格納するRAM(Random Access Memory)103と、フラッシュメモリ104と、ディスプレイ105と、スピーカ106と、電子機器1のユーザによる指示の入力を受ける操作キー107と、通信IF(Interface)108と、IC(Integrated Circuit)カードリーダライタ109と、LED110と、A/D(Analog/Digital)コンバータ111と、測距センサ121とを備える。
【0022】
フラッシュメモリ104は、不揮発性の半導体メモリである。フラッシュメモリ104は、CPU101が実行するプログラム、および後述する対応付けデータを格納している。なお、対応付けデータについては後述する。また、フラッシュメモリ104は、電子機器1が生成したデータ、電子機器1の外部装置から取得したデータ等の各種データを揮発的に格納する。
【0023】
スピーカ106は、予め定められた条件が成立したときに、予め定められた音を発生する。LED110は、予め定められた条件が成立したときに、予め定められた色の光を出射する。通信IF108は、電子機器1が外部の通信装置と通信を行なうための信号処理を行なう。
【0024】
測距センサ121は、ディスプレイ105の近傍に設置されている。測距センサ121は、ディスプレイ105(正確には、測距センサ121)と測定対象物(人物)との間の距離を計測する。より詳しくは、測距センサ121は、ディスプレイ105と測定対象物との間の距離に基づいた電圧を出力する。より詳しくは、測距センサ121は、ディスプレイ105から離れる向きに光を出射する。具体的には、測距センサ121は、ディスプレイ105の表示面の法線方向(Z軸方向)に光を出射する。
【0025】
測距センサ121は、出射された光のうち測定対象物により反射された光を受光する。測距センサ121は、当該測定対象物までの距離に基づくアナログの電圧値をA/Dコンバータ111に出力する。
【0026】
A/Dコンバータ111は、アナログの電圧値をデジタルの電圧値に変換する。A/Dコンバータ111は、変換後のデジタルの電圧値を、CPU101に送る。
【0027】
CPU101は、フラッシュメモリ104に予め格納されているプログラムを実行する。また、CPU101は、A/Dコンバータ111から取得した電圧値および対応付けデータを参照して、後述する処理を実行する。
【0028】
各構成要素101〜111は、相互にデータバスによって接続されている。ICカードリーダライタ109には、メモリカード1091が装着される。
【0029】
電子機器1における処理は、各ハードウェアおよびCPU101により実行されるソフトウェアによって実現される。このようなソフトウェアは、フラッシュメモリ104に予め記憶されている場合がある。また、ソフトウェアは、メモリカード1091その他の記憶媒体に格納されて、プログラムプロダクトとして流通している場合もある。あるいは、ソフトウェアは、いわゆるインターネットに接続されている情報提供事業者によってダウンロード可能なプログラムプロダクトとして提供される場合もある。このようなソフトウェアは、ICカードリーダライタ109その他の読取装置によりその記憶媒体から読み取られて、あるいは、通信IFを介してダウンロードされた後、フラッシュメモリ104に一旦格納される。そのソフトウェアは、CPU101によってフラッシュメモリ104から読み出され、さらにフラッシュメモリ104に実行可能なプログラムの形式で格納される。CPU101は、そのプログラムを実行する。
【0030】
同図に示される電子機器1を構成する各構成要素は、一般的なものである。したがって、本発明の本質的な部分は、フラッシュメモリ104、メモリカード1091その他の記憶媒体に格納されたソフトウェア、あるいはネットワークを介してダウンロード可能なソフトウェアであるともいえる。なお、電子機器1の各ハードウェアの動作は周知であるので、詳細な説明は繰り返さない。
【0031】
なお、記録媒体としては、DVD-ROM、CD−ROM、FD(Flexible Disk)、ハードディスクに限られず、磁気テープ、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、光カード、マスクROM、EPROM(Electronically Programmable Read-Only Memory)、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュROMなどの半導体メモリ等の固定的にプログラムを担持する媒体でもよい。また、記録媒体は、当該プログラム等をコンピュータが読取可能な一時的でない媒体である。
【0032】
ここでいうプログラムとは、CPUにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム形式のプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0033】
図3は、測距センサ121の出力特性を示した図である。図3を参照して、測距センサ121は、距離xがx1より大きい場合には、センシング対象(人物)との距離が長くなるほど出力電圧が低下する特性を有する。なお、測距センサ121が検出可能な距離範囲は、距離x1から出力電圧が一定値以下にならない距離x2までの距離となる。
【0034】
フラッシュメモリ104に格納された対応付けデータは、図3の特性を示したデータである。具体的には、対応付けデータは、測距センサ121における出力電圧と距離との対応関係を示したデータである。
【0035】
図4は、3次元表示に適した、ディスプレイ105からの距離(図1のZ軸正方向の距離)の範囲を説明するための図である。図4を参照して、ディスプレイ105は、バックライト1051と、各色の画素を含んだ画素群1052と、カラーフィルタ(図示せず)と、視差バリア1053とを、この順に備える。
【0036】
たとえば青色(B)の画素521に着目すると、右眼901によって当該画素を視ることができるのは、破線J11と破線J12との間に右眼901が位置するときである。また、たとえば赤色(R)の画素522に着目すると、左眼902によって当該画素を視ることができるのは、破線J21と破線J22との間に左眼902が位置するときである。
【0037】
次に、ユーザが3次元画像を視認可能な範囲(ディスプレイ105からの距離)について説明する。図示した状態から、ユーザが顔をディスプレイ105に近づけた場合(つまり右眼901と左眼902とをZ軸の負方向に移動させた場合)、ディスプレイ105と両眼901,902と距離dがd11よりも小さくなると、ユーザは3次元画像を視認できなくなる。
【0038】
また、図示した状態から、ユーザが顔をディスプレイ105から離していった場合(つまり右眼901と左眼902とをZ軸の正方向に移動させた場合)、ディスプレイ105と両眼901,902と距離dがd12よりも大きくなると、ユーザは3次元画像を視認できなくなる。
【0039】
なお、図示した右眼901と左眼902との位置(ディスプレイ105から距離dp離れた位置)は、ディスプレイ105に表示された三次元画像を視認するために最も適した位置である。また、間隔L1は、ユーザの実際の右眼901と左眼902との間の距離である。なお、以下では、距離dpを、「最適距離」とも称する。
【0040】
また、以下では、電子機器1のフラッシュメモリ104に、上述した距離d11と距離d12とを格納しているものとする。また、電子機器1は、当該格納された距離d11,d12を用いて、後述する制御を行なうものとする。なお、距離d11と距離d12との各値は、たとえば、実験や理論計算により適宜決定すればよい。
【0041】
図5は、データテーブルTB11を示した図である。データテーブルTB11は、測距センサ121を用いて測定された距離dと、ディスプレイ105における画像の表示態様との対応関係を示している。なお、データテーブルTB11は、フラッシュメモリ104に予め格納されている。
【0042】
図5を参照して、データテーブルTB11では、測距センサ121を用いて測定された距離dが0≦d<d11の条件を満たす場合(つまり、範囲R1に含まれる場合)に、電子機器1において2次元表示が行なわれるようにするために、範囲R1と2次元表示とが対応付けられている。
【0043】
また、データテーブルTB11では、測定された距離dがd11≦d≦d12の条件を満たす場合(つまり、範囲R2に含まれる場合)に、電子機器1において3次元表示が行なわれるようにするために、範囲R2と3次元表示とが対応付けられている。
【0044】
さらに、データテーブルTB11では、測定された距離dがd>d12の条件を満たす場合(つまり、範囲R3に含まれる場合)に、電子機器1において2次元表示が行なわれるようにするために、範囲R3と2次元表示とが対応付けられている。
【0045】
図6は、データテーブルTB12を示した図である。図6を参照して、データテーブルTB12は、測距センサ121を用いて測定された距離dと、LED110の発光態様と、スピーカ106から出力する音声との対応関係を示している。なお、データテーブルTB12は、フラッシュメモリ104に予め格納されている。なお、d11<d13<d14<d12とする。なお、距離d13と距離d12との値も、距離d11,d12と同様に、実験等により適宜決定すればよい。
【0046】
データテーブルTB12では、測距センサ121を用いて測定された距離dが0≦d<d11の条件を満たす場合(つまり、範囲R1に含まれる場合)に、LED110を消灯させるとともにスピーカから「離れて下さい」といった音声案内を行なわせるために、範囲R1とLED110の発光態様と音声案内の内容とが対応付けられている。
【0047】
また、データテーブルTB12では、測定された距離dがd11≦d<d13の条件を満たす場合(つまり、範囲R21に含まれる場合)に、LED110に黄色の光を発光させるとともにスピーカから「もう少し離れて下さい」といった音声案内を行わせるために、範囲R21とLED110の発光態様と音声案内の内容とが対応付けられている。
【0048】
さらに、データテーブルTB12では、測定された距離dがd13≦d≦d14の条件を満たす場合(つまり、範囲R22に含まれる場合)に、LED110に緑色の光を発光させるとともにスピーカから音声案内を行なせないために、範囲R22とLEDの発光態様と音声案内の内容とが対応付けられている。
【0049】
また、データテーブルTB12では、測定された距離dがd14<d≦d12の条件を満たす場合(つまり、範囲R23に含まれる場合)に、LED110に黄色の光を発光させるとともにスピーカから「もう少し近づいて下さい」といった音声案内を行なわせるために、範囲R23とLED110の発光態様と音声案内の内容とが対応付けられている。
【0050】
さらに、データテーブルTB12では、測定された距離dがd>d12の条件を満たす場合(つまり、範囲R3に含まれる場合)に、LED110を消灯させるとともにスピーカから「離れて下さい」といった音声案内を行なわせるために、範囲R3とLED110の発光態様と音声案内の内容とが対応付けられている。
【0051】
図7は、電子機器1における処理の流れを示したフローチャートである。以下では、電子機器1が、測距センサ121を用いて測定された距離dに基づいて、2次元表示と3次元表示とを切換える制御をおこなう第1の動作モードと、距離dに基づいて2次元表示と3次元表示とを切換える制御を行なわない第2の動作モードとを有するものとして説明する。また、図7は、処理の開始時に電子機器1が第1の動作モードに設定されている場合を示した図である。
【0052】
図7を参照して、ステップS2において、CPU101は、測定された距離dに基づく2次元表示と3次元表示との切換制御を終了する指示を、操作キー107を介して、ユーザから受け付けたか否かを判断する。
【0053】
CPU101は、指示を受け付けていないと判断した場合(ステップS2においてNO)、ステップS4において、測距センサ121の出力を用いて、測定対象物である人物とディスプレイ105との間の距離dを算出する。CPU101は、指示を受け付けたと判断した場合(ステップS2においてYES)、ステップS18において、デフォルトの表示態様で画像をディスプレイ105に表示させる。たとえば、CPU101は、画像をディスプレイ105に2次元表示させる。CPU101は、その後、距離dに基づいて2次元表示と3次元表示とを切換える制御を終了する。
【0054】
ステップS6において、CPU101は、データテーブルTB12(図6)を参照して、算出された距離dに応じた報知処理を行なう。たとえば、算出された距離dが範囲R21に含まれる場合、CPU101は、LED110の発光色を黄色にする制御を行なう。また、CPU101は、スピーカ106に「もう少し離れて下さい」といった音声案内を出力させる制御を行なう。
【0055】
ステップS8において、CPU101は、データテーブルTB11(図5)を参照して、算出された距離dが、d11≦d≦d12の条件を満たすか否かを判断する。CPU101は、条件を満たすと判断した場合(ステップS8においてYES)、ステップS10において、画像を3次元表示中であるか否かを判断する。CPU101は、3次元表示中であると判断した場合(ステップS10においてYES)、処理をステップS2に進める。CPU101は、3次元表示中でないと判断した場合(ステップS10においてNO)、ステップS12において、2次元表示を3次元表示に切換える処理を行なう。CPU101は、ステップS12の後、処理をステップS2に進める。
【0056】
CPU101は、条件を満たさないと判断した場合(ステップS8においてNO)、ステップS14において、画像を3次元表示中であるか否かを判断する。CPU101は、3次元表示中であると判断した場合(ステップS14においてYES)、ステップS16において、3次元表示を2次元表示に切換える処理を行なう。CPU101は、3次元表示中でないと判断した場合(ステップS14においてNO)、処理をステップS2に進める。
【0057】
なお、図5のデータテーブルTB11と、図6のデータテーブルTB12とが一体となったデータテーブルを電子機器1が用いて、図7に基づいて説明した制御を行なってもよい。
【0058】
<電子機器1のまとめ>
(1)電子機器1は、画像の2次元表示と当該画像の3次元表示とが可能である。電子機器1は、CPU101と、CPU101に接続されたフラッシュメモリ104と、画像を表示するためのディスプレイ105と、ディスプレイ105と人物との間の距離に基づいた電圧を出力するための測距センサ121とを備える。
【0059】
フラッシュメモリ104は、第1の閾値である(つまり距離d11)および当該第1の閾値よりも大きい第2の閾値(つまり距離d12)を格納している。また、フラッシュメモリ104は、測距センサ121における出力電圧と距離との対応関係を示した対応付けデータを格納している。
【0060】
CPU101は、測距センサ121の出力と対応付けデータとに基づいて、ディスプレイ105と人物との間の距離を算出する。CPU101は、算出された距離が第1の閾値以上であって第2の閾値以下であるときには、ディスプレイ105に画像を3次元表示させる。CPU101は、算出された距離が第1の閾値よりも小さいときには、ディスプレイ105に画像を2次元表示させる。また、CPU101は、算出された距離が第2の閾値よりも大きいときには、ディスプレイ105に画像を2次元表示させる。
【0061】
以上のように、電子機器1は、3次元表示および2次元表示のうち、ユーザとの距離に応じた表示態様で画像をディスプレイ105に表示可能となる。具体的には、電子機器1は、ユーザとの距離が予め定められた範囲R2(3次元画像の視認に適した範囲)に含まれる場合には、画像を3次元表示し、当該範囲R2に含まれない場合には、当該画像を2次元表示する。このように、電子機器1は、ユーザが3次元表示された画像を視認しにくい場合には、当該画像を2次元表示可能となる。
【0062】
(2)電子機器1は、音によって報知を行なうスピーカ106と、光によって報知を行なうLED110とを備える。なお、以下では、スピーカ106とLED110とを総称して、「報知装置」と称する。
【0063】
CPU101は、算出された距離dが第1の閾値以上であって第2の閾値以下であるときには、報知装置に予め定められた報知を行なわせる。CPU101は、算出された距離dが第1の閾値よりも小さい、または算出された距離dが第2の閾値よりも大きいときには、報知装置に、上記予め定められた報知とは異なる報知を行なわせる。
【0064】
したがって、電子機器1は、ユーザが3次元画像の視認に適切でない位置にいる場合には、適切な位置にいる場合と異なる報知を行なうことができる。それゆえ、ユーザは、自身が3次元画像の視認に適切な位置にいるか否かを判断可能となる。
【0065】
なお、電子機器1は、音および光の少なくともいずれかによって報知を行なう構成であればよい。
【0066】
(3)フラッシュメモリ104は、第1の閾値よりも大きく第2の閾値よりも小さい第3の閾値(つまり距離d13)と、第3の閾値よりも大きく第2の閾値よりも小さい第4の閾値(つまり距離d14)とをさらに格納している。CPU101は、算出された距離dが第1の閾値以上であって第2の閾値以下である場合において、算出された距離dが第3の閾値以上であって第4の閾値以下であるときと、算出された距離dが第3の閾値よりも小さいまたは第4の閾値よりも大きいときとでは、互いに異なる報知を報知装置に行なわせる。
【0067】
したがって、電子機器1は、ユーザが3次元画像の視認に適切な位置にいる場合であっても、3次元画像の視認に適切でない位置に近い場合には、当該近い位置でない場合と異なる報知を行なうことができる。それゆえ、ユーザは、自身が3次元画像の視認により適切な位置にいるか否かを判断可能となる。
【0068】
[実施の形態2]
実施の形態1では、電子機器1は、ディスプレイ105とユーザ(特に顔)との距離に基づいて、2次元表示とするかあるいは3次元表示とするかを決定した。本実施の形態では、ディスプレイ105とユーザとの距離に基づくのではなく、撮像した画像データにおけるユーザの右眼と左眼との距離に基づいて、2次元表示とするかあるいは3次元表示とするかを決定する構成について説明する。
【0069】
図8は、本実施の形態に係る電子機器1Aの外観を示した図である。図8を参照して、電子機器1は、ディスプレイ105と、スピーカ106と、LED110と、カメラ112とを備える。ディスプレイ105と、スピーカ106と、LED110と、カメラ112とは、電子機器1Aの筐体における同一の側面に配置されている。
【0070】
電子機器1Aは、実施の形態1の電子機器1と同様に、2次元表示と3次元表示とが可能に構成されている。ただし、電子機器1Aは、測距センサ121の代わりにカメラ112を備える点において、電子機器1とは異なる。
【0071】
図9は、電子機器1Aのハードウェア構成を示した図である。図9を参照して、電子機器1Aは、CPU101と、ROM102と、RAM103と、フラッシュメモリ104と、ディスプレイ105と、スピーカ106と、操作キー107と、通信IF108と、ICカードリーダライタ109と、LED110と、カメラ112とを備える。
【0072】
カメラ112は、デジタルカメラである。カメラ112は、光軸がディスプレイ105の表示面の法線方向(Z軸方向)となるように電子機器1Aに配置されている。カメラ112は、ディスプレイ105に対向する人物を撮像するために用いられる。
【0073】
フラッシュメモリ104には、人物の顔を表している画像データに基づいて、当該画像データにおける、顔の右眼と左眼との間の距離を算出するためのプログラムが予め格納されている。当該プログラムは、顔認証技術により画像データから顔を抽出するためのプログラムである。さらに、当該プログラムは、顔に含まれる両眼を抽出して、各眼の位置から両眼の間隔を算出するためのプログラムである。
【0074】
各構成要素101〜112は、相互にデータバスによって接続されている。
CPU101は、フラッシュメモリ104に格納された上記プログラムと、カメラ112による撮像処理で得られた人物の顔を表す画像データとを用いて、当該顔における右眼と左眼との間の距離wを算出する。ここで、CPU101が算出する右眼と左眼との距離は、画像データにおける距離であり、等身大の人物における右眼と左眼との間の距離ではない。
【0075】
図10は、画像データにおける右眼と左眼との距離を説明するための図である。図10を参照して、画像データ700には、ユーザの顔800が含まれている。顔800には、右眼801と左眼802とが含まれる。画像データ700における右眼801と左眼802との距離wは、画素数(dot数)で表される。
【0076】
図11は、データテーブルTB21を示した図である。データテーブルTB21は、右眼と左眼との間の距離wと、ディスプレイ105における画像の表示態様と、LED110の発光態様と、スピーカ106から出力する音声との対応関係を示している。なお、データテーブルTB21は、フラッシュメモリ104に予め格納されている。
【0077】
図11を参照して、データテーブルTB21では、カメラ112を用いて測定された右眼と左眼との間の距離wがw>360dotの条件を満たす場合(つまり、範囲R4に含まれる場合)に、電子機器1Aにおいて2次元表示が行なわれるようにするために、範囲R4と2次元表示とが対応付けられている。さらに、距離wが範囲R4に含まれる場合、LED110を消灯させるとともにスピーカから「離れて下さい」といった音声案内を行なわせるために、範囲R4とLED110の発光態様と音声案内の内容とが対応付けられている。
【0078】
また、データテーブルTB21では、測定された右眼と左眼との間の距離wが360dot≧w>333dotの条件を満たす場合(つまり、範囲R51に含まれる場合)に、電子機器1Aにおいて3次元表示が行なわれるようにするために、範囲R51と3次元表示とが対応付けられている。さらに、距離wが範囲R51に含まれる場合、LED110に黄色の光を発光させるとともにスピーカから「もう少し離れて下さい」といった音声案内を行なわせるために、範囲R51とLED110の発光態様と音声案内の内容とが対応付けられている。
【0079】
また、データテーブルTB21では、測定された右眼と左眼との間の距離wが333dot≧w≧273dotの条件を満たす場合場合(つまり、範囲R52に含まれる場合)に、電子機器1Aにおいて3次元表示が行なわれるようにするために、範囲R52と3次元表示とが対応付けられている。さらに、距離wが範囲R52に含まれる場合、LED110に緑色の光を発光させるとともにスピーカから音声案内を行なせないために、範囲R52とLEDの発光態様と音声案内の内容とが対応付けられている。
【0080】
また、データテーブルTB21では、測定された右眼と左眼との間の距離wが273dot>w≧258dotの条件を満たす場合(つまり、範囲R53に含まれる場合)に、電子機器1Aにおいて3次元表示が行なわれるようにするために、範囲R52と3次元表示とが対応付けられている。さらに、距離wが範囲R53に含まれる場合、LED110に黄色の光を発光させるとともにスピーカから「もう少し近づいて下さい」といった音声案内を行なわせるために、範囲R53とLED110の発光態様と音声案内の内容とが対応付けられている。
【0081】
また、データテーブルTB21では、測定された右眼と左眼との間の距離wが258dot>wの条件を満たす場合(つまり、範囲R6に含まれる場合)に、電子機器1Aにおいて2次元表示が行なわれるようにするために、範囲R6と2次元表示とが対応付けられている。さらに、距離wが範囲R6に含まれる場合、LED110を消灯させるとともにスピーカから「離れて下さい」といった音声案内を行なわせるために、範囲R6とLED110の発光態様と音声案内の内容とが対応付けられている。
【0082】
図12は、電子機器1Aにおける処理の流れを示したフローチャートである。図12を参照して、ステップS102において、CPU101は、測定された距離dに基づく2次元表示と3次元表示との切換制御を終了する指示を、操作キー107を介して、ユーザから受け付けたか否かを判断する。
【0083】
CPU101は、指示を受け付けていないと判断した場合(ステップS102においてNO)、ステップS104において、カメラ112に撮像処理を実行させる。CPU101は、指示を受け付けたと判断した場合(ステップS102においてYES)、ステップS122において、デフォルトの表示態様で画像をディスプレイ105に表示させる。たとえば、CPU101は、画像をディスプレイ105に2次元表示させる。CPU101は、その後、距離wに基づいて2次元表示と3次元表示とを切換える制御を終了する。
【0084】
ステップS106において、CPU101は、フラッシュメモリ104に格納された上記プログラムを用いて、撮像により得られた画像データに人物の顔が含まれているか(つまり、人物の顔が写っているか)否かを判断する。CPU101は、人物の顔が写っていると判断した場合(ステップS106においてYES)、ステップS108において、上記プログラムを用いて、左眼と右眼との間の距離wを算出する。CPU101は、人物の顔が写っていないと判断した場合(ステップS106においてNO)、処理をステップS104に進める。
【0085】
ステップS110において、CPU101は、データテーブルTB21(図11)を参照して、算出された距離wに応じた報知処理を行なう。たとえば、算出された距離wが範囲R51に含まれる場合、CPU101は、LED110の発光色を黄色にする制御を行なう。また、CPU101は、スピーカ106に「もう少し離れて下さい」といった音声案内を出力させる制御を行なう。
【0086】
ステップS112において、CPU101は、データテーブルTB21を参照して、算出された距離wが、360dot≧w≧258dotの条件を満たすか否かを判断する。つまり、CPU101は、算出された距離wが、範囲R51,R52,R53の範囲のいずれかに含まれるか否かを判断する。なお、以下では、範囲R51と範囲R52と範囲R53とからなる範囲(つまり、360dot≧w≧258)を「範囲R5」とも称する。
【0087】
CPU101は、条件を満たすと判断した場合(ステップS112においてYES)、ステップS114において、画像を3次元表示中であるか否かを判断する。CPU101は、3次元表示中であると判断した場合(ステップS114においてYES)、処理をステップS102に進める。CPU101は、3次元表示中でないと判断した場合(ステップS114においてNO)、ステップS116において、2次元表示を3次元表示に切換える処理を行なう。CPU101は、ステップS116の後、処理をステップS102に進める。
【0088】
CPU101は、条件を満たさないと判断した場合(ステップS112においてNO)、ステップS118において、画像を3次元表示中であるか否かを判断する。CPU101は、3次元表示中であると判断した場合(ステップS118においてYES)、ステップS120において、3次元表示を2次元表示に切換える処理を行なう。CPU101は、3次元表示中でないと判断した場合(ステップS118においてNO)、処理をステップS102に進める。
【0089】
<電子機器1Aのまとめ>
(1)電子機器1Aは、画像の2次元表示と当該画像の3次元表示とが可能である。電子機器1Aは、CPU101と、CPU101に接続されたフラッシュメモリ104と、画像を表示するためのディスプレイ105と、ディスプレイ105に対向する人物を撮像するためのカメラ112とを備える。
【0090】
フラッシュメモリ104は、第1の閾値(258dot)および当該記第1の閾値よりも大きい第2の閾値(360dot)を格納している。また、フラッシュメモリ104は、人物の顔を表している画像データに基づいて、当該画像データにおける、顔の右眼と左眼との間の距離を算出するためのプログラムとを格納している。
【0091】
CPU101は、上記プログラムと、カメラ112による撮像処理で得られた人物の顔を表す画像データとを用いて、当該顔における右眼と左眼との間の距離を算出する。CPU101は、算出された距離が第1の閾値以上であって第2の閾値以下であるときには、ディスプレイ105に上記画像を3次元表示させる。CPU101は、算出された距離が第1の閾値よりも小さい、または算出された距離が第2の閾値よりも大きいときには、ディスプレイ105に上記画像を2次元表示させる。
【0092】
以上のように、電子機器1Aは、3次元表示および2次元表示のうち、算出されたユーザの両眼の間隔(画像データにおける間隔)に応じた表示態様で画像をディスプレイ105に表示可能となる。具体的には、電子機器1Aは、両眼の間隔が予め定められた範囲R3(3次元画像の視認に適した範囲)に含まれる場合には、画像を3次元表示し、当該範囲R5に含まれない場合には、当該画像を2次元表示する。このように、電子機器1Aは、ユーザが3次元表示された画像を視認しにくい場合には、当該画像を2次元表示可能となる。
【0093】
(2)また、電子機器1Aは、実施の形態1の電子機器1と同様に、CPU101が、算出された距離wが第1の閾値以上であって第2の閾値以下であるときには、報知装置に予め定められた報知を行なわせる。また、CPU101は、算出された距離wが第1の閾値よりも小さい、または算出された距離wが第2の閾値よりも大きいときには、報知装置に、上記予め定められた報知とは異なる報知を行なわせる。
【0094】
したがって、電子機器1Aは、電子機器1と同様、ユーザが3次元画像の視認に適切でない位置にいる場合には、適切な位置にいる場合と異なる報知を行なうことができる。それゆえ、ユーザは、自身が3次元画像の視認に適切な位置にいるか否かを判断可能となる。
【0095】
(3)フラッシュメモリ104は、第1の閾値(258dot)よりも大きく第2の閾値(360dot)よりも小さい第3の閾値(273dot)と、第3の閾値よりも大きく第2の閾値よりも小さい第4の閾値(333dot)とをさらに格納している。CPU101は、算出された距離wが第1の閾値以上であって第2の閾値以下である場合において、算出された距離wが第3の閾値以上であって第4の閾値以下であるときと、算出された距離wが第3の閾値よりも小さいまたは第4の閾値よりも大きいときとでは、互いに異なる報知を報知装置に行なわせる。
【0096】
したがって、電子機器1Aは、電子機器1と同様、ユーザが3次元画像の視認に適切な位置にいる場合であっても、3次元画像の視認に適切でない位置に近い場合には、当該近い位置でない場合と異なる報知を行なうことができる。それゆえ、ユーザは、自身が3次元画像の視認により適切な位置にいるか否かを判断可能となる。
【0097】
[実施の形態3]
実施の形態3では、実施の形態1と同様に、ディスプレイ105とユーザとの距離に基づいて、2次元表示とするかあるいは3次元表示とするかを決定する。さらに、実施の形態3では、実施の形態1で予め格納されていた各閾値(d11,d12,d13,d14)を、ユーザ毎に設定可能とする構成について説明する。
【0098】
図13は、本実施の形態に係る電子機器1Bの外観を示した図である。図13を参照して、電子機器1Bは、ディスプレイ105と、スピーカ106と、LED110と、カメラ112と、測距センサ121とを備える。ディスプレイ105と、スピーカ106と、LED110と、カメラ112と、測距センサ121とは、電子機器1の筐体における同一の側面に配置されている。
【0099】
電子機器1Bは、実施の形態1の電子機器1と同様に、2次元表示と3次元表示とが可能に構成されている。ただし、電子機器1Bは、測距センサ121に加えて、カメラ112をさらに備える点において、電子機器1とは異なる。
【0100】
図14は、電子機器1Bのハードウェア構成を示した図である。図14を参照して、電子機器1Bは、CPU101と、ROM102と、RAM103と、フラッシュメモリ104と、ディスプレイ105と、スピーカ106と、操作キー107と、通信IF108と、ICカードリーダライタ109と、LED110と、カメラ112と、A/Dコンバータ111と、測距センサ121とを備える。
【0101】
フラッシュメモリ104には、実施の形態1と同様に、対応付けデータ(図3の特性を示したデータ)が予め格納されている。また、フラッシュメモリ104には、実施の形態2と同様に、人物の顔を表している画像データに基づいて、当該画像データにおける、顔の右眼と左眼との間の距離を算出するためのプログラムが予め格納されている。
【0102】
さらに、フラッシュメモリ104は、第1の閾値としての第1の画素数(258dot)と、第2の閾値として、当該第1の画素数よりも大きい第2の画素数(360dot)とを格納している。また、フラッシュメモリ104は、第1の画素数よりも大きく第2の画素数よりも小さい第3の画素数(273dot)と、第3の画素数よりも大きく第2の画素数よりも小さい第4の画素数(333dot)とを格納している。
【0103】
次に、電子機器1Bがユーザ毎に閾値を設定する理由について説明する。
図15は、3次元表示に適した、ディスプレイ105からの距離(Z軸正方向の距離)の範囲を説明するための図である。図15(a)は、図4と同じ図である。図15(b)は、図15(a)よりも右眼と左眼との間の距離が小さいユーザ(たとえば、子供)にとって適した範囲を説明するための図である。なお、以下では、図15(a)の両眼901,902はユーザADの眼とし、図15(b)の両眼901A,901BはユーザCHの眼として説明する。
【0104】
図15(b)を参照して、たとえば青色(B)の画素521に着目すると、右眼901Aによって当該画素を視ることができるのは、破線J11と破線J12との間に右眼901Aが位置するときである。また、たとえば赤色(R)の画素522に着目すると、左眼902Aによって当該画素を視ることができるのは、破線J21と破線J22との間に左眼902Aが位置するときである。
【0105】
次に、ユーザCHが3次元画像を視認可能な範囲(ディスプレイ105からの距離)について説明する。図示した状態から、ユーザCHが顔をディスプレイ105に近づけた場合(つまり右眼901Aと左眼902AとをZ軸の負方向に移動させた場合)、ディスプレイ105と両眼901A,902Aと距離dがd21よりも小さくなると、ユーザCHは3次元画像を視認できなくなる。
【0106】
また、図示した状態から、ユーザCHが顔をディスプレイ105から離していった場合(つまり右眼901Aと左眼902AとをZ軸の正方向に移動させた場合)、ディスプレイ105と両眼901A,902Aと距離dがd22よりも大きくなると、ユーザCHは3次元画像を視認できなくなる。
【0107】
なお、図示した右眼901Aと左眼902Aとの位置(ディスプレイ105から距離dp′離れた位置)は、ディスプレイ105に表示された三次元画像を視認するために最も適した位置である。また、間隔L2は、ユーザCHの実際の右眼901Aと左眼902Aとの間の距離である。なお、以下では、距離dp′を「最適距離dp′」とも称する。
【0108】
ところで、図15(a)と図15(b)とを比較すると、右眼と左眼との間の距離がユーザADよりも狭いユーザCHの方が、3次元画像を視認可能な範囲が、ユーザADに比べてディスプレイ側に寄っていることが分かる。つまり、d11>d21、d12>d22、dp>dp′の関係が成立する。
【0109】
したがって、ユーザ毎に閾値を設定すれば、各ユーザは、3次元画像をより確実に視認可能となる。以下では、閾値の設定方法について説明する。
【0110】
CPU101は、上記プログラムと、カメラ112による撮像処理で得られた人物の顔を表す画像データとを用いて、当該顔における右眼と左眼との間の距離wを算出する。次いで、CPU101は、測距センサ121の出力と上記対応関係を示したデータとに基づいて、撮像処理時のディスプレイ105と人物との間の距離dを算出する。
【0111】
さらに、CPU101は、算出された右眼と左眼との間の距離wと、算出されたディスプレイ105と人物との間の距離dとの積を、上記第1の画素数(258dot)で割ったときの商である第1の距離と、当該積を上記第2の画素数(360dot)で割ったときの商である第2の距離とを算出する。また、CPU101は、上記積を第3の画素数(273dot)で割ったときの商である第3の距離と、上記積を第4の画素数(333dot)で割ったときの商である第4の距離とを算出する。つまり、CPU101は、画素数(距離w)を距離dに変換する。
【0112】
CPU101は、ユーザの識別情報に対応付けて、算出された第1の距離と第2の距離と第3の距離と第4の距離とを、フラッシュメモリ104に格納する。CPU101は、第1の距離、第2の距離、第3の距離、第4の距離を、それぞれ、実施の形態1における、距離d11、距離d12、距離d13、距離d14として利用する。つまり、第1の距離、第2の距離、第3の距離、第4の距離が、それぞれ、第1の閾値、第2の閾値、第3の閾値、第4の閾値となる。
【0113】
次に、第1の距離、第2の距離、第3の距離、および第4の距離の具体例について説明する。以下では、画像データにおける右眼と左眼との間の距離が300dotである場合に、最適距離dp(あるいは最適距離dp′)となる例に挙げて説明する。
【0114】
また、以下では、実際に撮像処理を行なうことにより得られた右眼と左眼との間の距離が270dotであって、当該撮像処理時のディスプレイ105とユーザとの距離dが30cmであったとする。
【0115】
このときの最適距離dpは、dp=30cm×(270dot/300dot)=27cmとなる。ここで、本実施の形態においても、実施の形態2で説明した図11における右眼と左眼との間の距離wについての各閾値(360dot,333dot,273dot,258dot)と同じ値を用いるとする。
【0116】
図16は、右眼と左眼との間の距離wと、ディスプレイ105からの距離dとの関係を示した図である。より詳しくは、図16は、右眼と左眼との間の距離wである4つの閾値をディスプレイ105からの距離dに換算した値と、当該各閾値よりも1つ大きい値または1つ小さい値を距離dに換算した値とを示した図である。たとえば、距離wについての閾値360dotは、CPU101によって、最適距離dpを用いて、27cm/360dot×300dot=22.50cmに換算される。
【0117】
つまり、距離wである閾値360dotは、30cm×(270dot/360dot)といった演算により距離22.50cm(第1の距離)に換算される。同様にして、閾値333dotは、30cm×(270dot/333dot)といった演算により距離24.32cm(第2の距離)に換算される。また、閾値273dotは、30cm×(270dot/273dot)といった演算により距離29.67cm(第3の距離)に換算される。さらに、閾値258dotは、30cm×(270dot/258dot)といった演算により距離31.39cm(第4の距離)に換算される。
【0118】
CPU101は、演算により求められた第1の距離、第2の距離、第3の距離、および第4の距離を用いて、上記撮影したユーザについてのデータテーブルTB31(図17参照)を生成する。
【0119】
図17は、データテーブルTB31を示した図である。図17を参照して、データテーブルTB31は、測距センサ121を用いて測定された距離dと、ディスプレイ105における画像の表示態様と、LED110の発光態様と、スピーカ106から出力する音声との対応関係を示している。なお、データテーブルTB31は、フラッシュメモリ104に予め格納されている。なお、データテーブルTB31は、第1の距離、第2の距離、第3の距離、および第4の距離の小数点第2位を四捨五入することにより得られた値(つまり、22.5cm,24.3cm,29.7cm,31.4cm)を用いて生成されている。
【0120】
図17を参照して、データテーブルTB31では、測距センサ121を用いて測定された距離dが0≦d<22.5の条件を満たす場合(つまり、範囲R7に含まれる場合)に、電子機器1Bにおいて2次元表示が行なわれるようにするために、範囲R7と2次元表示とが対応付けられている。さらに、距離dが範囲R7に含まれる場合、LED110を消灯させるとともにスピーカから「離れて下さい」といった音声案内を行なわせるために、範囲R7とLED110の発光態様と音声案内の内容とが対応付けられている。
【0121】
また、データテーブルTB31では、測定された距離dが22.5≦d<24.3の条件を満たす場合(つまり、範囲R81に含まれる場合)に、電子機器1Bにおいて3次元表示が行なわれるようにするために、範囲R81と3次元表示とが対応付けられている。さらに、距離dが範囲R81に含まれる場合、LED110に黄色の光を発光させるとともにスピーカから「もう少し離れて下さい」といった音声案内を行なわせるために、範囲R51とLED110の発光態様と音声案内の内容とが対応付けられている。
【0122】
また、データテーブルTB31では、測定された距離dが24.3≦d≦29.7の条件を満たす場合(つまり、範囲R82に含まれる場合)に、電子機器1Bにおいて3次元表示が行なわれるようにするために、範囲R82と3次元表示とが対応付けられている。さらに、距離dが範囲R82に含まれる場合、LED110に緑色の光を発光させるとともにスピーカから音声案内を行なせないために、範囲R82とLEDの発光態様と音声案内の内容とが対応付けられている。
【0123】
また、データテーブルTB31では、測定された距離dが29.7<d≦31.4の条件を満たす場合(つまり、範囲R83に含まれる場合)に、電子機器1Bにおいて3次元表示が行なわれるようにするために、範囲R83と3次元表示とが対応付けられている。さらに、距離wが範囲R83に含まれる場合、LED110に黄色の光を発光させるとともにスピーカから「もう少し近づいて下さい」といった音声案内を行なわせるために、範囲R83とLED110の発光態様と音声案内の内容とが対応付けられている。
【0124】
また、データテーブルTB31では、測定された距離dがd>31.4の条件を満たす場合(つまり、範囲R9に含まれる場合)に、電子機器1Bにおいて2次元表示が行なわれるようにするために、範囲R9と2次元表示とが対応付けられている。さらに、距離dが範囲R9に含まれる場合、LED110を消灯させるとともにスピーカから「離れて下さい」といった音声案内を行なわせるために、範囲R9とLED110の発光態様と音声案内の内容とが対応付けられている。
【0125】
図18は、電子機器1Bにおける処理の一部の流れを示したフローチャートである。図19は、電子機器1Bにおける処理の残り部分の流れを示したフローチャートである。図18を参照して、ステップS202において、CPU101は、測定された距離dに基づく2次元表示と3次元表示との切換制御を終了する指示を、操作キー107を介して、ユーザから受け付けたか否かを判断する。
【0126】
CPU101は、指示を受け付けていないと判断した場合(ステップS202においてNO)、ステップS204において、ユーザを識別するための識別情報の入力を受け付ける。たとえば、ユーザ名の入力の受け付けや、予め設定された番号や記号等から1つの番号や記号の選択処理を受け付ける。CPU101は、指示を受け付けたと判断した場合(ステップS202においてYES)、ステップS220において、デフォルトの表示態様で画像をディスプレイ105に表示させる。たとえば、CPU101は、画像をディスプレイ105に2次元表示させる。CPU101は、その後、距離dに基づいて2次元表示と3次元表示とを切換える制御を終了する。
【0127】
ステップS206において、CPU101は、測距センサ121の出力を用いて、測定対象物である人物とディスプレイ105との間の距離dを算出する。ステップS208において、CPU101は、画素数(距離w)を距離dに変換したか否かを判断する。CPU101は、変換していないと判断した場合(ステップS208においてNO)、ステップS210において、カメラ112に撮像処理を実行させる。
【0128】
ステップS212において、CPU101は、フラッシュメモリ104に格納された上記プログラムを用いて、撮像により得られた画像データに人物の顔が含まれているか(つまり、人物の顔が写っているか)否かを判断する。CPU101は、人物の顔が写っていると判断した場合(ステップS212においてYES)、ステップS214において、上記プログラムを用いて、左眼と右眼との間の距離wを算出する。CPU101は、人物の顔が写っていないと判断した場合(ステップS212においてNO)、処理をステップS210に進める。
【0129】
ステップS216において、CPU101は、距離w(画素数)と撮像時の距離dとを用いて、閾値となる4つの画素数(360dot,333dot,273dot,258dot)の各々を距離に変換する。ステップS218において、CPU101は、変換により得られた4つの距離(d11:22.5cm,d13:24.3cm,d14:29.7cm,d12:31.4cm)を、ステップS204において受け付けた識別情報に関連付けて、フラッシュメモリ104に格納する。具体的には、CPU101は、得られた4つの距離に基づいて、撮像されたユーザについてのデータテーブルTB31(図17)を生成する。
【0130】
CPU101は、画素数(距離w)を距離dに変換したと判断した場合(ステップS208においてYES)、図19を参照して、ステップS222において、CPU101は、データテーブルTB31を参照して、算出された距離dに応じた報知処理を行なう。たとえば、算出された距離dが範囲R81に含まれる場合、CPU101は、LED110の発光色を黄色にする制御を行なう。また、CPU101は、スピーカ106に「もう少し離れて下さい」といった音声案内を出力させる制御を行なう。
【0131】
ステップS224において、CPU101は、データテーブルTB31を参照して、算出された距離dが、d11≦d≦d12の条件を満たすか否かを判断する。CPU101は、条件を満たすと判断した場合(ステップS224においてYES)、ステップS226において、画像を3次元表示中であるか否かを判断する。CPU101は、3次元表示中であると判断した場合(ステップS226においてYES)、処理をステップS202に進める。CPU101は、3次元表示中でないと判断した場合(ステップS226においてNO)、ステップS228において、2次元表示を3次元表示に切換える処理を行なう。CPU101は、ステップS228の後、処理をステップS202に進める。
【0132】
CPU101は、条件を満たさないと判断した場合(ステップS224においてNO)、ステップS230において、画像を3次元表示中であるか否かを判断する。CPU101は、3次元表示中であると判断した場合(ステップS230においてYES)、ステップS232において、3次元表示を2次元表示に切換える処理を行なう。CPU101は、3次元表示中でないと判断した場合(ステップS230においてNO)、処理をステップS202に進める。
【0133】
ところで、ステップS218において、識別情報で識別されるユーザによる4つの距離d(閾値)のフラッシュメモリ104への格納が終了した後は、CPU101は、当該識別情報を指定する入力を受け付けたときには、フラッシュメモリ104から当該識別情報に対応付けられた4つの距離dとを読み出す。CPU101は、測距センサ121の出力と対応関係を示したデータとに基づいて、ディスプレイ105と人物との間の距離をさらに算出する。CPU101は、算出された距離と、読み出された第1の距離および第2の距離とを用いて、ディスプレイ105に画像を2次元表示させるか、または3次元表示させるかを決定する。
【0134】
このように、ユーザ登録を行なうことにより、当該ユーザについては、再度、撮像処理を行なうことなく、測定された距離dに基づく2次元表示と3次元表示との切換え制御を精度よく行なうことができる。
【0135】
なお、以下では、範囲R81と範囲R82と範囲R83とからなる範囲(つまり、22.5cm≦d≦31.4)を「範囲R8」とも称する。
【0136】
<電子機器1Bのまとめ>
(1)電子機器1Bは、画像の2次元表示と当該画像の3次元表示とが可能である。電子機器1Bは、CPU101と、CPU101に接続されたフラッシュメモリ104と、画像を表示するためのディスプレイ105と、ディスプレイ105に対向する人物を撮像するためのカメラ112と、ディスプレイと人物との間の距離に基づいた電圧を出力するための測距センサ121とを備える。
【0137】
フラッシュメモリ104は、第1の画素数(258dot)および当該第1の画素数よりも大きい第2の画素数(360dot)を格納している。フラッシュメモリ104は、測距センサ121における出力電圧と距離との対応関係を示した対応付けデータをさらに格納している。フラッシュメモリ104は、人物の顔を表している画像データに基づいて、当該画像データにおける、顔の右眼と左眼との間の距離を算出するためのプログラムを格納している。なお、右眼と左眼との間の距離の長さの単位は、画素である。
【0138】
CPU101は、上記プログラムと、カメラ112による撮像処理で得られた人物の顔を表す画像データとを用いて、当該顔における右眼と左眼との間の距離を算出する。また、CPU101は、測距センサ121の出力と対応付けデータとに基づいて、撮像処理時のディスプレイ105と人物との間の距離を算出する。
【0139】
さらに、CPU101は、算出された右眼と左眼との間の距離と、算出されたディスプレイと人物との間の距離との積を、第1の画素数で割ったときの商である第1の距離(31.39cm)と、当該積を第2の画素数で割ったときの商である第2の距離(22.50)とを算出する。
【0140】
CPU101は、撮像処理後において、測距センサ121の出力と対応付けデータとに基づいて、ディスプレイ105と人物との間の距離を再び算出する。CPU101は、再び算出された距離が第1の距離以上であって第2の距離以下であるとき(つまり、範囲R8に含まれる場合)には、ディスプレイ105に画像を3次元表示させる。一方、CPU101は、再び算出された距離が第1の距離よりも小さいとき(つまり、範囲R7に含まれる場合)、または再び算出された距離が第2の距離よりも大きいとき(つまり、範囲R9に含まれる場合)には、ディスプレイ105に画像を2次元表示させる。
【0141】
以上のように、電子機器1Bは、3次元表示および2次元表示のうち、ユーザとの距離に応じた表示態様で画像をディスプレイ105に表示可能となる。具体的には、電子機器1Bは、ユーザとの距離が予め定められた範囲R8(3次元画像の視認に適した範囲)に含まれる場合には、画像を3次元表示し、当該範囲R8に含まれない場合には、当該画像を2次元表示する。このように、電子機器1Bは、ユーザが3次元表示された画像を視認しにくい場合には、当該画像を2次元表示可能となる。
【0142】
また、電子機器1Bは、3次元表示と2次元表示との切換えに用いる閾値をユーザ毎に適切に設定可能となる。したがって、設定がなされたユーザについては、再度、撮像処理を行なうことなく、測定された距離dに基づく2次元表示と3次元表示との切換え制御を精度よく行なうことができる。
【0143】
さらに、一度ユーザの撮影を行なえば、当該ユーザに関しては、再度の撮影は不要となる。したがって、電子機器1Bでは、カメラ機能を常時オンする必要がなく、実施の形態2に比べて、消費電力の低減を図ることができる。
【0144】
(2)また、CPU101は、再び算出された距離dが第1の距離以上であって第2の距離以下であるときには、報知装置に予め定められた報知を行なわせる。また、CPU101は、再び算出された距離dが第1の距離よりも小さい、または再び算出された距離dが第2の距離よりも大きいときには、報知装置に、上記予め定められた報知とは異なる報知を行なわせる。
【0145】
したがって、電子機器1Bは、電子機器1,1Aと同様、ユーザが3次元画像の視認に適切でない位置にいる場合には、適切な位置にいる場合と異なる報知を行なうことができる。それゆえ、ユーザは、自身が3次元画像の視認に適切な位置にいるか否かを判断可能となる。
【0146】
(3)フラッシュメモリ104は、第1の画素数(258dot)よりも大きく第2の画素数(360dot)よりも小さい第3の画素数(273dot)と、第3の画素数よりも大きく第2の画素数よりも小さい第4の画素数(333dot)とをさらに格納している。
【0147】
CPU101は、上述した積を第3の画素数で割ったときの商である第3の距離(29.67cm)と、当該積を第4の画素数で割ったときの商である第4の距離(24.32cm)とを算出する。CPU101は、算出された距離が第1の距離以上であって第2の距離以下である場合において、算出された距離が第3の距離以上であって第4の距離以下であるときと、算出された距離が第3の距離よりも小さいまたは第4の距離よりも大きいときとでは、互いに異なる報知を報知装置に行なわせる。
【0148】
したがって、電子機器1Bは、電子機器1,1Aと同様、ユーザが3次元画像の視認に適切な位置にいる場合であっても、3次元画像の視認に適切でない位置に近い場合には、当該近い位置でない場合と異なる報知を行なうことができる。それゆえ、ユーザは、自身が3次元画像の視認により適切な位置にいるか否かを判断可能となる。
【0149】
(4)CPU101は、算出された第1の距離と第2の距離とを、入力された識別情報に対応付けてフラッシュメモリ104に格納する。CPU101は、入力された識別情報を指定する入力を受け付けたときには、フラッシュメモリ104から第1の距離と第2の距離とを読み出す。CPU101は、測距センサ121の出力と対応付けデータとに基づいて、ディスプレイ105と人物との間の距離をさらに算出する。CPU101は、算出された距離と、読み出された第1の距離および第2の距離とを用いて、ディスプレイ105に画像を2次元表示させるか、または3次元表示させるかを決定する。
【0150】
或るユーザについて、第1の距離と第2の距離とがフラッシュメモリ104に格納されれば(つまり、ユーザ登録されれば)、当該ユーザについては、以後の使用において、撮像処理と、第1の距離および第2の距離の算出処理とが不要となる。
【0151】
<付記>
(1)電子機器は、画像の2次元表示と前記画像の3次元表示とが可能である。電子機器は、プロセッサと、前記プロセッサに接続されたメモリと、前記画像を表示するためのディスプレイと、前記ディスプレイと人物との間の距離に基づいた電圧を出力するためのセンサとを備える。前記メモリは、第1の閾値および当該第1の閾値よりも大きい第2の閾値と、前記センサにおける出力電圧と距離との対応関係を示したデータとを格納している。前記プロセッサは、前記センサの出力と前記対応関係を示したデータとに基づいて、前記ディスプレイと前記人物との間の距離を算出する。前記プロセッサは、前記算出された距離が前記第1の閾値以上であって前記第2の閾値以下であるときには、前記ディスプレイに前記画像を3次元表示させる。前記プロセッサは、前記算出された距離が前記第1の閾値よりも小さい、または前記算出された距離が前記第2の閾値よりも大きいときには、前記ディスプレイに前記画像を2次元表示させる。
【0152】
(2)電子機器は、画像の2次元表示と前記画像の3次元表示とが可能である。電子機器は、プロセッサと、前記プロセッサに接続されたメモリと、前記画像を表示するためのディスプレイと、前記ディスプレイに対向する人物を撮像するための撮像装置と、前記ディスプレイと前記人物との間の距離に基づいた電圧を出力するためのセンサとを備える。前記メモリは、第1の画素数および当該第1の画素数よりも大きい第2の画素数と、前記センサにおける出力電圧と距離との対応関係を示したデータと、人物の顔を表している画像データに基づいて、当該画像データにおける、前記顔の右眼と左眼との間の距離を算出するためのプログラムとを格納している。前記右眼と前記左眼との間の距離の長さの単位は、画素である。前記プロセッサは、前記プログラムと、前記撮像装置による撮像処理で得られた人物の顔を表す画像データとを用いて、当該顔における前記右眼と前記左眼との間の距離を算出する。前記プロセッサは、前記センサの出力と前記対応関係を示したデータとに基づいて、前記撮像処理時の前記ディスプレイと前記人物との間の距離を算出する。前記プロセッサは、前記算出された前記右眼と前記左眼との間の距離と、前記算出された前記ディスプレイと前記人物との間の距離との積を、前記第1の画素数で割ったときの商である第1の距離と、当該積を前記第2の画素数で割ったときの商である第2の距離とを算出する。前記プロセッサは、前記撮像処理後において、前記センサの出力と前記対応関係を示したデータとに基づいて、前記ディスプレイと前記人物との間の距離を再び算出する。前記プロセッサは、前記再び算出された距離が前記第1の距離以上であって前記第2の距離以下であるときには、前記ディスプレイに前記画像を3次元表示させる。前記プロセッサは、前記再び算出された距離が前記第1の距離よりも小さい、または前記再び算出された距離が前記第2の距離よりも大きいときには、前記ディスプレイに前記画像を2次元表示させる。
【0153】
今回開示された実施の形態は例示であって、上記内容のみに制限されるものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0154】
1,1A,1B 電子機器、105 ディスプレイ、TB11,TB12,TB21,TB31 データテーブル、104 フラッシュメモリ、106 スピーカ、107 操作キー、111 コンバータ、112 カメラ、121 測距センサ、700 画像データ、801,901,901A 右眼、802,902,902A 左眼、1051 バックライト、1052 画素群、1053 視差バリア、dp,dp′ 最適距離。
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、および表示制御方法に関する。本発明は、特に、3次元表示と2次元表示とが可能な電子機器、および当該電子機器における表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像の3次元表示が可能な電子機器が知られている。
特許文献1には、上記電子機器として、立体映像表示装置が開示されている。当該立体映像表示装置は、左眼用の画素と右眼用の画素とにより表示画面を構成する液晶パネルと、液晶パネルの光入射側に設けられたバックライトと、バックライトと液晶パネルとの間に配置された遮光板3分散型液晶パネルと、液晶パネルの光出射側に配置されたTN型液晶パネルとを備える。立体映像表示装置は、分散型液晶パネルの拡散効果のON−OFFとTN型液晶パネルのON−OFFとを切換えることにより立体映像の適視間距離を切換える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−123459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の電子機器は、3次元表示を行なうか、あるいは2次元表示を行なうかを、ユーザの指示等に基づいて判断する。
【0005】
また、電子機器が画像の3次元表示を行なっている場合において、当該画像を立体的に視認できる位置(電子機器のディスプレイに対するユーザの位置)は或る程度制限される。つまり、ユーザが電子機器に近づき過ぎた状態で画像を視認しても、ユーザは当該画像を立体的に視認できない。また、ユーザが電子機器から遠ざかり過ぎた状態で画像を視認しても、ユーザは当該画像を立体的に視認できない。このため、ユーザが電子機器に近づき過ぎた状態、およびユーザが電子機器から遠ざかり過ぎた状態では、画像を3次元表示するよりも2次元表示する方が好ましい。
【0006】
本願発明は、上記の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、ユーザが3次元表示された画像を視認しにくい場合には当該画像を2次元表示可能な電子機器、および当該電子機器における表示制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある局面に従うと、電子機器は、画像の2次元表示と画像の3次元表示とが可能な電子機器である。電子機器は、プロセッサと、プロセッサに接続されたメモリと、画像を表示するためのディスプレイと、ディスプレイの近傍に設置され、人物との間の距離を計測するセンサとを備える。メモリは、第1の閾値および当該第1の閾値よりも大きい第2の閾値を格納している。プロセッサは、センサにて計測された距離が第1の閾値以上であって第2の閾値以下であるときには、ディスプレイに画像を3次元表示させ、センサにて計測された距離が第1の閾値よりも小さい、またはセンサにて計測された距離が第2の閾値よりも大きいときには、ディスプレイに画像を2次元表示させる。
【0008】
好ましくは、電子機器は、音および光の少なくともいずれかによって報知を行なう報知装置をさらに備える。プロセッサは、センサにて計測された距離が第1の閾値以上であって第2の閾値以下であるときには、報知装置に予め定められた報知を行なわせる。プロセッサは、センサにて計測された距離が第1の閾値よりも小さい、またはセンサにて計測された距離が第2の閾値よりも大きいときには、報知装置に、予め定められた報知とは異なる報知を行なわせる。
【0009】
好ましくは、メモリは、第1の閾値よりも大きく第2の閾値よりも小さい第3の閾値と、第3の閾値よりも大きく第2の閾値よりも小さい第4の閾値とをさらに格納している。プロセッサは、センサにて計測された距離が第1の閾値以上であって第2の閾値以下である場合において、センサにて計測された距離が第3の閾値以上であって第4の閾値以下であるときと、センサにて計測された距離が第3の閾値よりも小さいまたは第4の閾値よりも大きいときとでは、互いに異なる報知を報知装置に行なわせる。
【0010】
本発明のさらに他の局面に従うと、電子機器は、画像の2次元表示と画像の3次元表示とが可能な電子機器である。電子機器は、プロセッサと、プロセッサに接続されたメモリと、画像を表示するためのディスプレイと、ディスプレイに対向する人物を撮像するための撮像装置と、ディスプレイの近傍に設置され、人物との間の距離を計測するセンサとを備える。メモリは、第1の画素数および当該第1の画素数よりも大きい第2の画素数と、人物の顔を表している画像データに基づいて、当該画像データにおける、顔の右眼と左眼との間の距離を算出するためのプログラムとを格納している。右眼と左眼との間の距離の長さの単位は、画素である。プロセッサは、プログラムと、撮像装置による撮像処理で得られた人物の顔を表す画像データとを用いて、当該顔における右眼と左眼との間の距離を算出する。センサは、撮像処理時のディスプレイと人物との間の距離を計測する。プロセッサは、算出された右眼と左眼との間の距離と、センサにて計測されたディスプレイと人物との間の距離との積を、第1の画素数で割ったときの商である第1の距離と、当該積を第2の画素数で割ったときの商である第2の距離とを算出する。センサは、撮像処理後において、ディスプレイと人物との間の距離を再び計測する。プロセッサは、再び計測された距離が第1の距離以上であって第2の距離以下であるときには、ディスプレイに画像を3次元表示させる。プロセッサは、再び計測された距離が第1の距離よりも小さい、または再び計測された距離が第2の距離よりも大きいときには、ディスプレイに画像を2次元表示させる。
【0011】
好ましくは、電子機器は、音および光の少なくともいずれかによって報知を行なう報知装置をさらに備える。プロセッサは、再び計測された距離が第1の距離以上であって第2の距離以下であるときには、報知装置に予め定められた報知を行なわせる。プロセッサは、再び計測された距離が第1の距離よりも小さい、または再び計測された距離が第2の距離よりも大きいときには、報知装置に、予め定められた報知とは異なる報知を行なわせる。
【0012】
好ましくは、メモリは、第1の画素数よりも大きく第2の画素数よりも小さい第3の画素数と、第3の画素数よりも大きく第2の画素数よりも小さい第4の画素数とをさらに格納している。プロセッサは、積を第3の画素数で割ったときの商である第3の距離と、当該積を第4の画素数で割ったときの商である第4の距離とを算出する。プロセッサは、センサにて計測された距離が第1の距離以上であって第2の距離以下である場合において、計測された距離が第3の距離以上であって第4の距離以下であるときと、計測された距離が第3の距離よりも小さいまたは第4の距離よりも大きいときとでは、互いに異なる報知を報知装置に行なわせる。
【0013】
好ましくは、プロセッサは、算出された第1の距離と第2の距離とを、入力された識別情報に対応付けてメモリに格納する。プロセッサは、入力された識別情報を指定する入力を受け付けたときには、メモリから第1の距離と第2の距離とを読み出す。センサは、ディスプレイと人物との間の距離をさらに計測する。プロセッサは、センサにて計測された距離と、読み出された第1の距離および第2の距離とを用いて、ディスプレイに画像を2次元表示させるか、または3次元表示させるかを決定する。
【0014】
本発明のさらに他の局面に従うと、表示制御方法は、画像の2次元表示と画像の3次元表示とが可能な電子機器における表示制御方法である。電子機器は、プロセッサと、プロセッサに接続されたメモリと、画像を表示するためのディスプレイと、ディスプレイの近傍に設置され、人物との間の距離を計測するセンサとを備える。メモリは、第1の閾値および当該第1の閾値よりも大きい第2の閾値を格納している。表示制御方法は、プロセッサが、センサにて計測された距離が第1の閾値以上であって第2の閾値以下であるときには、ディスプレイに画像を3次元表示させるステップと、プロセッサが、センサにて計測された距離が第1の閾値よりも小さい、またはセンサにて計測された距離が第2の閾値よりも大きいときには、ディスプレイに画像を2次元表示させるステップとを備える。
【0015】
本発明のさらに他の局面に従うと、表示制御方法は、画像の2次元表示と画像の3次元表示とが可能な電子機器における表示制御方法である。電子機器は、プロセッサと、プロセッサに接続されたメモリと、画像を表示するためのディスプレイと、ディスプレイに対向する人物を撮像するための撮像装置と、ディスプレイの近傍に設置され、人物との間の距離を計測するセンサとを備える。メモリは、第1の画素数および当該第1の画素数よりも大きい第2の画素数と、人物の顔を表している画像データに基づいて、当該画像データにおける、顔の右眼と左眼との間の距離を算出するためのプログラムとを格納している。右眼と左眼との間の距離の長さの単位は、画素である。表示制御方法は、プロセッサが、プログラムと、撮像装置による撮像処理で得られた人物の顔を表す画像データとを用いて、当該顔における右眼と左眼との間の距離を算出するステップと、センサが、撮像処理時のディスプレイと人物との間の距離を計測するステップと、と、プロセッサが、算出された右眼と左眼との間の距離と、センサにて計測されたディスプレイと人物との間の距離との積を、第1の画素数で割ったときの商である第1の距離と、当該積を第2の画素数で割ったときの商である第2の距離とを算出するステップと、センサが、撮像処理後において、ディスプレイと人物との間の距離を再び計測するステップと、プロセッサが、再び算出された距離が第1の距離以上であって第2の距離以下であるときには、ディスプレイに画像を3次元表示させるステップと、プロセッサが、再び算出された距離が第1の距離よりも小さい、または再び算出された距離が第2の距離よりも大きいときには、ディスプレイに画像を2次元表示させるステップとを備える。
【発明の効果】
【0016】
上記の構成によれば、ユーザが3次元表示された画像を視認しにくい場合には、当該画像を2次元表示可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施の形態に係る電子機器の外観を示した図である。
【図2】電子機器のハードウェア構成を示した図である。
【図3】測距センサの出力特性を示した図である。
【図4】3次元表示に適した、ディスプレイからの距離の範囲を説明するための図である。
【図5】データテーブルTB11を示した図である。
【図6】データテーブルTB12を示した図である。
【図7】電子機器1における処理の流れを示したフローチャートである。
【図8】他の実施の形態に係る電子機器の外観を示した図である。
【図9】電子機器のハードウェア構成を示した図である。
【図10】画像データにおける右眼と左眼との距離を説明するための図である。
【図11】データテーブルTB21を示した図である。
【図12】電子機器1Aにおける処理の流れを示したフローチャートである。
【図13】さらに他の実施の形態に係る電子機器の外観を示した図である。
【図14】電子機器のハードウェア構成を示した図である。
【図15】3次元表示に適した、ディスプレイからの距離の範囲を説明するための図である。
【図16】右眼と左眼との間の距離と、ディスプレイからの距離dとの関係を示した図である。
【図17】データテーブルTB31を示した図である。
【図18】電子機器における処理の一部の流れを示したフローチャートである。
【図19】電子機器における処理の残り部分の流れを示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しつつ、本発明の各実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0019】
[実施の形態1]
図1は、本実施の形態に係る電子機器1の外観を示した図である。図1を参照して、電子機器1は、ディスプレイ105と、スピーカ106と、LED(Light Emitting Diode)110と、測距センサ121とを備える。ディスプレイ105と、スピーカ106と、LED110と、測距センサ121とは、電子機器1の筐体における同一の側面に配置されている。
【0020】
電子機器1は、2次元表示と3次元表示とが可能に構成されている。電子機器1は、3次元表示の方法として視差バリア方式を用いている。電子機器1は、ディスプレイ105に、右目用画像と左目用画像とを、X軸方向において交互に表示する。なお、3次元表示の方法は、視差バリア方式に限定されるものではなく、たとえば、レンチキュラ方式、偏光板方式、液晶アクティブシャッターメガネ方式等の各種の方式を用いることもできる。
【0021】
図2は、電子機器1のハードウェア構成を示した図である。図2を参照して、電子機器1は、プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)101と、データやプログラムを不揮発的に格納するROM(Read Only Memory)102と、データやプログラムを揮発的に格納するRAM(Random Access Memory)103と、フラッシュメモリ104と、ディスプレイ105と、スピーカ106と、電子機器1のユーザによる指示の入力を受ける操作キー107と、通信IF(Interface)108と、IC(Integrated Circuit)カードリーダライタ109と、LED110と、A/D(Analog/Digital)コンバータ111と、測距センサ121とを備える。
【0022】
フラッシュメモリ104は、不揮発性の半導体メモリである。フラッシュメモリ104は、CPU101が実行するプログラム、および後述する対応付けデータを格納している。なお、対応付けデータについては後述する。また、フラッシュメモリ104は、電子機器1が生成したデータ、電子機器1の外部装置から取得したデータ等の各種データを揮発的に格納する。
【0023】
スピーカ106は、予め定められた条件が成立したときに、予め定められた音を発生する。LED110は、予め定められた条件が成立したときに、予め定められた色の光を出射する。通信IF108は、電子機器1が外部の通信装置と通信を行なうための信号処理を行なう。
【0024】
測距センサ121は、ディスプレイ105の近傍に設置されている。測距センサ121は、ディスプレイ105(正確には、測距センサ121)と測定対象物(人物)との間の距離を計測する。より詳しくは、測距センサ121は、ディスプレイ105と測定対象物との間の距離に基づいた電圧を出力する。より詳しくは、測距センサ121は、ディスプレイ105から離れる向きに光を出射する。具体的には、測距センサ121は、ディスプレイ105の表示面の法線方向(Z軸方向)に光を出射する。
【0025】
測距センサ121は、出射された光のうち測定対象物により反射された光を受光する。測距センサ121は、当該測定対象物までの距離に基づくアナログの電圧値をA/Dコンバータ111に出力する。
【0026】
A/Dコンバータ111は、アナログの電圧値をデジタルの電圧値に変換する。A/Dコンバータ111は、変換後のデジタルの電圧値を、CPU101に送る。
【0027】
CPU101は、フラッシュメモリ104に予め格納されているプログラムを実行する。また、CPU101は、A/Dコンバータ111から取得した電圧値および対応付けデータを参照して、後述する処理を実行する。
【0028】
各構成要素101〜111は、相互にデータバスによって接続されている。ICカードリーダライタ109には、メモリカード1091が装着される。
【0029】
電子機器1における処理は、各ハードウェアおよびCPU101により実行されるソフトウェアによって実現される。このようなソフトウェアは、フラッシュメモリ104に予め記憶されている場合がある。また、ソフトウェアは、メモリカード1091その他の記憶媒体に格納されて、プログラムプロダクトとして流通している場合もある。あるいは、ソフトウェアは、いわゆるインターネットに接続されている情報提供事業者によってダウンロード可能なプログラムプロダクトとして提供される場合もある。このようなソフトウェアは、ICカードリーダライタ109その他の読取装置によりその記憶媒体から読み取られて、あるいは、通信IFを介してダウンロードされた後、フラッシュメモリ104に一旦格納される。そのソフトウェアは、CPU101によってフラッシュメモリ104から読み出され、さらにフラッシュメモリ104に実行可能なプログラムの形式で格納される。CPU101は、そのプログラムを実行する。
【0030】
同図に示される電子機器1を構成する各構成要素は、一般的なものである。したがって、本発明の本質的な部分は、フラッシュメモリ104、メモリカード1091その他の記憶媒体に格納されたソフトウェア、あるいはネットワークを介してダウンロード可能なソフトウェアであるともいえる。なお、電子機器1の各ハードウェアの動作は周知であるので、詳細な説明は繰り返さない。
【0031】
なお、記録媒体としては、DVD-ROM、CD−ROM、FD(Flexible Disk)、ハードディスクに限られず、磁気テープ、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、光カード、マスクROM、EPROM(Electronically Programmable Read-Only Memory)、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュROMなどの半導体メモリ等の固定的にプログラムを担持する媒体でもよい。また、記録媒体は、当該プログラム等をコンピュータが読取可能な一時的でない媒体である。
【0032】
ここでいうプログラムとは、CPUにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム形式のプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0033】
図3は、測距センサ121の出力特性を示した図である。図3を参照して、測距センサ121は、距離xがx1より大きい場合には、センシング対象(人物)との距離が長くなるほど出力電圧が低下する特性を有する。なお、測距センサ121が検出可能な距離範囲は、距離x1から出力電圧が一定値以下にならない距離x2までの距離となる。
【0034】
フラッシュメモリ104に格納された対応付けデータは、図3の特性を示したデータである。具体的には、対応付けデータは、測距センサ121における出力電圧と距離との対応関係を示したデータである。
【0035】
図4は、3次元表示に適した、ディスプレイ105からの距離(図1のZ軸正方向の距離)の範囲を説明するための図である。図4を参照して、ディスプレイ105は、バックライト1051と、各色の画素を含んだ画素群1052と、カラーフィルタ(図示せず)と、視差バリア1053とを、この順に備える。
【0036】
たとえば青色(B)の画素521に着目すると、右眼901によって当該画素を視ることができるのは、破線J11と破線J12との間に右眼901が位置するときである。また、たとえば赤色(R)の画素522に着目すると、左眼902によって当該画素を視ることができるのは、破線J21と破線J22との間に左眼902が位置するときである。
【0037】
次に、ユーザが3次元画像を視認可能な範囲(ディスプレイ105からの距離)について説明する。図示した状態から、ユーザが顔をディスプレイ105に近づけた場合(つまり右眼901と左眼902とをZ軸の負方向に移動させた場合)、ディスプレイ105と両眼901,902と距離dがd11よりも小さくなると、ユーザは3次元画像を視認できなくなる。
【0038】
また、図示した状態から、ユーザが顔をディスプレイ105から離していった場合(つまり右眼901と左眼902とをZ軸の正方向に移動させた場合)、ディスプレイ105と両眼901,902と距離dがd12よりも大きくなると、ユーザは3次元画像を視認できなくなる。
【0039】
なお、図示した右眼901と左眼902との位置(ディスプレイ105から距離dp離れた位置)は、ディスプレイ105に表示された三次元画像を視認するために最も適した位置である。また、間隔L1は、ユーザの実際の右眼901と左眼902との間の距離である。なお、以下では、距離dpを、「最適距離」とも称する。
【0040】
また、以下では、電子機器1のフラッシュメモリ104に、上述した距離d11と距離d12とを格納しているものとする。また、電子機器1は、当該格納された距離d11,d12を用いて、後述する制御を行なうものとする。なお、距離d11と距離d12との各値は、たとえば、実験や理論計算により適宜決定すればよい。
【0041】
図5は、データテーブルTB11を示した図である。データテーブルTB11は、測距センサ121を用いて測定された距離dと、ディスプレイ105における画像の表示態様との対応関係を示している。なお、データテーブルTB11は、フラッシュメモリ104に予め格納されている。
【0042】
図5を参照して、データテーブルTB11では、測距センサ121を用いて測定された距離dが0≦d<d11の条件を満たす場合(つまり、範囲R1に含まれる場合)に、電子機器1において2次元表示が行なわれるようにするために、範囲R1と2次元表示とが対応付けられている。
【0043】
また、データテーブルTB11では、測定された距離dがd11≦d≦d12の条件を満たす場合(つまり、範囲R2に含まれる場合)に、電子機器1において3次元表示が行なわれるようにするために、範囲R2と3次元表示とが対応付けられている。
【0044】
さらに、データテーブルTB11では、測定された距離dがd>d12の条件を満たす場合(つまり、範囲R3に含まれる場合)に、電子機器1において2次元表示が行なわれるようにするために、範囲R3と2次元表示とが対応付けられている。
【0045】
図6は、データテーブルTB12を示した図である。図6を参照して、データテーブルTB12は、測距センサ121を用いて測定された距離dと、LED110の発光態様と、スピーカ106から出力する音声との対応関係を示している。なお、データテーブルTB12は、フラッシュメモリ104に予め格納されている。なお、d11<d13<d14<d12とする。なお、距離d13と距離d12との値も、距離d11,d12と同様に、実験等により適宜決定すればよい。
【0046】
データテーブルTB12では、測距センサ121を用いて測定された距離dが0≦d<d11の条件を満たす場合(つまり、範囲R1に含まれる場合)に、LED110を消灯させるとともにスピーカから「離れて下さい」といった音声案内を行なわせるために、範囲R1とLED110の発光態様と音声案内の内容とが対応付けられている。
【0047】
また、データテーブルTB12では、測定された距離dがd11≦d<d13の条件を満たす場合(つまり、範囲R21に含まれる場合)に、LED110に黄色の光を発光させるとともにスピーカから「もう少し離れて下さい」といった音声案内を行わせるために、範囲R21とLED110の発光態様と音声案内の内容とが対応付けられている。
【0048】
さらに、データテーブルTB12では、測定された距離dがd13≦d≦d14の条件を満たす場合(つまり、範囲R22に含まれる場合)に、LED110に緑色の光を発光させるとともにスピーカから音声案内を行なせないために、範囲R22とLEDの発光態様と音声案内の内容とが対応付けられている。
【0049】
また、データテーブルTB12では、測定された距離dがd14<d≦d12の条件を満たす場合(つまり、範囲R23に含まれる場合)に、LED110に黄色の光を発光させるとともにスピーカから「もう少し近づいて下さい」といった音声案内を行なわせるために、範囲R23とLED110の発光態様と音声案内の内容とが対応付けられている。
【0050】
さらに、データテーブルTB12では、測定された距離dがd>d12の条件を満たす場合(つまり、範囲R3に含まれる場合)に、LED110を消灯させるとともにスピーカから「離れて下さい」といった音声案内を行なわせるために、範囲R3とLED110の発光態様と音声案内の内容とが対応付けられている。
【0051】
図7は、電子機器1における処理の流れを示したフローチャートである。以下では、電子機器1が、測距センサ121を用いて測定された距離dに基づいて、2次元表示と3次元表示とを切換える制御をおこなう第1の動作モードと、距離dに基づいて2次元表示と3次元表示とを切換える制御を行なわない第2の動作モードとを有するものとして説明する。また、図7は、処理の開始時に電子機器1が第1の動作モードに設定されている場合を示した図である。
【0052】
図7を参照して、ステップS2において、CPU101は、測定された距離dに基づく2次元表示と3次元表示との切換制御を終了する指示を、操作キー107を介して、ユーザから受け付けたか否かを判断する。
【0053】
CPU101は、指示を受け付けていないと判断した場合(ステップS2においてNO)、ステップS4において、測距センサ121の出力を用いて、測定対象物である人物とディスプレイ105との間の距離dを算出する。CPU101は、指示を受け付けたと判断した場合(ステップS2においてYES)、ステップS18において、デフォルトの表示態様で画像をディスプレイ105に表示させる。たとえば、CPU101は、画像をディスプレイ105に2次元表示させる。CPU101は、その後、距離dに基づいて2次元表示と3次元表示とを切換える制御を終了する。
【0054】
ステップS6において、CPU101は、データテーブルTB12(図6)を参照して、算出された距離dに応じた報知処理を行なう。たとえば、算出された距離dが範囲R21に含まれる場合、CPU101は、LED110の発光色を黄色にする制御を行なう。また、CPU101は、スピーカ106に「もう少し離れて下さい」といった音声案内を出力させる制御を行なう。
【0055】
ステップS8において、CPU101は、データテーブルTB11(図5)を参照して、算出された距離dが、d11≦d≦d12の条件を満たすか否かを判断する。CPU101は、条件を満たすと判断した場合(ステップS8においてYES)、ステップS10において、画像を3次元表示中であるか否かを判断する。CPU101は、3次元表示中であると判断した場合(ステップS10においてYES)、処理をステップS2に進める。CPU101は、3次元表示中でないと判断した場合(ステップS10においてNO)、ステップS12において、2次元表示を3次元表示に切換える処理を行なう。CPU101は、ステップS12の後、処理をステップS2に進める。
【0056】
CPU101は、条件を満たさないと判断した場合(ステップS8においてNO)、ステップS14において、画像を3次元表示中であるか否かを判断する。CPU101は、3次元表示中であると判断した場合(ステップS14においてYES)、ステップS16において、3次元表示を2次元表示に切換える処理を行なう。CPU101は、3次元表示中でないと判断した場合(ステップS14においてNO)、処理をステップS2に進める。
【0057】
なお、図5のデータテーブルTB11と、図6のデータテーブルTB12とが一体となったデータテーブルを電子機器1が用いて、図7に基づいて説明した制御を行なってもよい。
【0058】
<電子機器1のまとめ>
(1)電子機器1は、画像の2次元表示と当該画像の3次元表示とが可能である。電子機器1は、CPU101と、CPU101に接続されたフラッシュメモリ104と、画像を表示するためのディスプレイ105と、ディスプレイ105と人物との間の距離に基づいた電圧を出力するための測距センサ121とを備える。
【0059】
フラッシュメモリ104は、第1の閾値である(つまり距離d11)および当該第1の閾値よりも大きい第2の閾値(つまり距離d12)を格納している。また、フラッシュメモリ104は、測距センサ121における出力電圧と距離との対応関係を示した対応付けデータを格納している。
【0060】
CPU101は、測距センサ121の出力と対応付けデータとに基づいて、ディスプレイ105と人物との間の距離を算出する。CPU101は、算出された距離が第1の閾値以上であって第2の閾値以下であるときには、ディスプレイ105に画像を3次元表示させる。CPU101は、算出された距離が第1の閾値よりも小さいときには、ディスプレイ105に画像を2次元表示させる。また、CPU101は、算出された距離が第2の閾値よりも大きいときには、ディスプレイ105に画像を2次元表示させる。
【0061】
以上のように、電子機器1は、3次元表示および2次元表示のうち、ユーザとの距離に応じた表示態様で画像をディスプレイ105に表示可能となる。具体的には、電子機器1は、ユーザとの距離が予め定められた範囲R2(3次元画像の視認に適した範囲)に含まれる場合には、画像を3次元表示し、当該範囲R2に含まれない場合には、当該画像を2次元表示する。このように、電子機器1は、ユーザが3次元表示された画像を視認しにくい場合には、当該画像を2次元表示可能となる。
【0062】
(2)電子機器1は、音によって報知を行なうスピーカ106と、光によって報知を行なうLED110とを備える。なお、以下では、スピーカ106とLED110とを総称して、「報知装置」と称する。
【0063】
CPU101は、算出された距離dが第1の閾値以上であって第2の閾値以下であるときには、報知装置に予め定められた報知を行なわせる。CPU101は、算出された距離dが第1の閾値よりも小さい、または算出された距離dが第2の閾値よりも大きいときには、報知装置に、上記予め定められた報知とは異なる報知を行なわせる。
【0064】
したがって、電子機器1は、ユーザが3次元画像の視認に適切でない位置にいる場合には、適切な位置にいる場合と異なる報知を行なうことができる。それゆえ、ユーザは、自身が3次元画像の視認に適切な位置にいるか否かを判断可能となる。
【0065】
なお、電子機器1は、音および光の少なくともいずれかによって報知を行なう構成であればよい。
【0066】
(3)フラッシュメモリ104は、第1の閾値よりも大きく第2の閾値よりも小さい第3の閾値(つまり距離d13)と、第3の閾値よりも大きく第2の閾値よりも小さい第4の閾値(つまり距離d14)とをさらに格納している。CPU101は、算出された距離dが第1の閾値以上であって第2の閾値以下である場合において、算出された距離dが第3の閾値以上であって第4の閾値以下であるときと、算出された距離dが第3の閾値よりも小さいまたは第4の閾値よりも大きいときとでは、互いに異なる報知を報知装置に行なわせる。
【0067】
したがって、電子機器1は、ユーザが3次元画像の視認に適切な位置にいる場合であっても、3次元画像の視認に適切でない位置に近い場合には、当該近い位置でない場合と異なる報知を行なうことができる。それゆえ、ユーザは、自身が3次元画像の視認により適切な位置にいるか否かを判断可能となる。
【0068】
[実施の形態2]
実施の形態1では、電子機器1は、ディスプレイ105とユーザ(特に顔)との距離に基づいて、2次元表示とするかあるいは3次元表示とするかを決定した。本実施の形態では、ディスプレイ105とユーザとの距離に基づくのではなく、撮像した画像データにおけるユーザの右眼と左眼との距離に基づいて、2次元表示とするかあるいは3次元表示とするかを決定する構成について説明する。
【0069】
図8は、本実施の形態に係る電子機器1Aの外観を示した図である。図8を参照して、電子機器1は、ディスプレイ105と、スピーカ106と、LED110と、カメラ112とを備える。ディスプレイ105と、スピーカ106と、LED110と、カメラ112とは、電子機器1Aの筐体における同一の側面に配置されている。
【0070】
電子機器1Aは、実施の形態1の電子機器1と同様に、2次元表示と3次元表示とが可能に構成されている。ただし、電子機器1Aは、測距センサ121の代わりにカメラ112を備える点において、電子機器1とは異なる。
【0071】
図9は、電子機器1Aのハードウェア構成を示した図である。図9を参照して、電子機器1Aは、CPU101と、ROM102と、RAM103と、フラッシュメモリ104と、ディスプレイ105と、スピーカ106と、操作キー107と、通信IF108と、ICカードリーダライタ109と、LED110と、カメラ112とを備える。
【0072】
カメラ112は、デジタルカメラである。カメラ112は、光軸がディスプレイ105の表示面の法線方向(Z軸方向)となるように電子機器1Aに配置されている。カメラ112は、ディスプレイ105に対向する人物を撮像するために用いられる。
【0073】
フラッシュメモリ104には、人物の顔を表している画像データに基づいて、当該画像データにおける、顔の右眼と左眼との間の距離を算出するためのプログラムが予め格納されている。当該プログラムは、顔認証技術により画像データから顔を抽出するためのプログラムである。さらに、当該プログラムは、顔に含まれる両眼を抽出して、各眼の位置から両眼の間隔を算出するためのプログラムである。
【0074】
各構成要素101〜112は、相互にデータバスによって接続されている。
CPU101は、フラッシュメモリ104に格納された上記プログラムと、カメラ112による撮像処理で得られた人物の顔を表す画像データとを用いて、当該顔における右眼と左眼との間の距離wを算出する。ここで、CPU101が算出する右眼と左眼との距離は、画像データにおける距離であり、等身大の人物における右眼と左眼との間の距離ではない。
【0075】
図10は、画像データにおける右眼と左眼との距離を説明するための図である。図10を参照して、画像データ700には、ユーザの顔800が含まれている。顔800には、右眼801と左眼802とが含まれる。画像データ700における右眼801と左眼802との距離wは、画素数(dot数)で表される。
【0076】
図11は、データテーブルTB21を示した図である。データテーブルTB21は、右眼と左眼との間の距離wと、ディスプレイ105における画像の表示態様と、LED110の発光態様と、スピーカ106から出力する音声との対応関係を示している。なお、データテーブルTB21は、フラッシュメモリ104に予め格納されている。
【0077】
図11を参照して、データテーブルTB21では、カメラ112を用いて測定された右眼と左眼との間の距離wがw>360dotの条件を満たす場合(つまり、範囲R4に含まれる場合)に、電子機器1Aにおいて2次元表示が行なわれるようにするために、範囲R4と2次元表示とが対応付けられている。さらに、距離wが範囲R4に含まれる場合、LED110を消灯させるとともにスピーカから「離れて下さい」といった音声案内を行なわせるために、範囲R4とLED110の発光態様と音声案内の内容とが対応付けられている。
【0078】
また、データテーブルTB21では、測定された右眼と左眼との間の距離wが360dot≧w>333dotの条件を満たす場合(つまり、範囲R51に含まれる場合)に、電子機器1Aにおいて3次元表示が行なわれるようにするために、範囲R51と3次元表示とが対応付けられている。さらに、距離wが範囲R51に含まれる場合、LED110に黄色の光を発光させるとともにスピーカから「もう少し離れて下さい」といった音声案内を行なわせるために、範囲R51とLED110の発光態様と音声案内の内容とが対応付けられている。
【0079】
また、データテーブルTB21では、測定された右眼と左眼との間の距離wが333dot≧w≧273dotの条件を満たす場合場合(つまり、範囲R52に含まれる場合)に、電子機器1Aにおいて3次元表示が行なわれるようにするために、範囲R52と3次元表示とが対応付けられている。さらに、距離wが範囲R52に含まれる場合、LED110に緑色の光を発光させるとともにスピーカから音声案内を行なせないために、範囲R52とLEDの発光態様と音声案内の内容とが対応付けられている。
【0080】
また、データテーブルTB21では、測定された右眼と左眼との間の距離wが273dot>w≧258dotの条件を満たす場合(つまり、範囲R53に含まれる場合)に、電子機器1Aにおいて3次元表示が行なわれるようにするために、範囲R52と3次元表示とが対応付けられている。さらに、距離wが範囲R53に含まれる場合、LED110に黄色の光を発光させるとともにスピーカから「もう少し近づいて下さい」といった音声案内を行なわせるために、範囲R53とLED110の発光態様と音声案内の内容とが対応付けられている。
【0081】
また、データテーブルTB21では、測定された右眼と左眼との間の距離wが258dot>wの条件を満たす場合(つまり、範囲R6に含まれる場合)に、電子機器1Aにおいて2次元表示が行なわれるようにするために、範囲R6と2次元表示とが対応付けられている。さらに、距離wが範囲R6に含まれる場合、LED110を消灯させるとともにスピーカから「離れて下さい」といった音声案内を行なわせるために、範囲R6とLED110の発光態様と音声案内の内容とが対応付けられている。
【0082】
図12は、電子機器1Aにおける処理の流れを示したフローチャートである。図12を参照して、ステップS102において、CPU101は、測定された距離dに基づく2次元表示と3次元表示との切換制御を終了する指示を、操作キー107を介して、ユーザから受け付けたか否かを判断する。
【0083】
CPU101は、指示を受け付けていないと判断した場合(ステップS102においてNO)、ステップS104において、カメラ112に撮像処理を実行させる。CPU101は、指示を受け付けたと判断した場合(ステップS102においてYES)、ステップS122において、デフォルトの表示態様で画像をディスプレイ105に表示させる。たとえば、CPU101は、画像をディスプレイ105に2次元表示させる。CPU101は、その後、距離wに基づいて2次元表示と3次元表示とを切換える制御を終了する。
【0084】
ステップS106において、CPU101は、フラッシュメモリ104に格納された上記プログラムを用いて、撮像により得られた画像データに人物の顔が含まれているか(つまり、人物の顔が写っているか)否かを判断する。CPU101は、人物の顔が写っていると判断した場合(ステップS106においてYES)、ステップS108において、上記プログラムを用いて、左眼と右眼との間の距離wを算出する。CPU101は、人物の顔が写っていないと判断した場合(ステップS106においてNO)、処理をステップS104に進める。
【0085】
ステップS110において、CPU101は、データテーブルTB21(図11)を参照して、算出された距離wに応じた報知処理を行なう。たとえば、算出された距離wが範囲R51に含まれる場合、CPU101は、LED110の発光色を黄色にする制御を行なう。また、CPU101は、スピーカ106に「もう少し離れて下さい」といった音声案内を出力させる制御を行なう。
【0086】
ステップS112において、CPU101は、データテーブルTB21を参照して、算出された距離wが、360dot≧w≧258dotの条件を満たすか否かを判断する。つまり、CPU101は、算出された距離wが、範囲R51,R52,R53の範囲のいずれかに含まれるか否かを判断する。なお、以下では、範囲R51と範囲R52と範囲R53とからなる範囲(つまり、360dot≧w≧258)を「範囲R5」とも称する。
【0087】
CPU101は、条件を満たすと判断した場合(ステップS112においてYES)、ステップS114において、画像を3次元表示中であるか否かを判断する。CPU101は、3次元表示中であると判断した場合(ステップS114においてYES)、処理をステップS102に進める。CPU101は、3次元表示中でないと判断した場合(ステップS114においてNO)、ステップS116において、2次元表示を3次元表示に切換える処理を行なう。CPU101は、ステップS116の後、処理をステップS102に進める。
【0088】
CPU101は、条件を満たさないと判断した場合(ステップS112においてNO)、ステップS118において、画像を3次元表示中であるか否かを判断する。CPU101は、3次元表示中であると判断した場合(ステップS118においてYES)、ステップS120において、3次元表示を2次元表示に切換える処理を行なう。CPU101は、3次元表示中でないと判断した場合(ステップS118においてNO)、処理をステップS102に進める。
【0089】
<電子機器1Aのまとめ>
(1)電子機器1Aは、画像の2次元表示と当該画像の3次元表示とが可能である。電子機器1Aは、CPU101と、CPU101に接続されたフラッシュメモリ104と、画像を表示するためのディスプレイ105と、ディスプレイ105に対向する人物を撮像するためのカメラ112とを備える。
【0090】
フラッシュメモリ104は、第1の閾値(258dot)および当該記第1の閾値よりも大きい第2の閾値(360dot)を格納している。また、フラッシュメモリ104は、人物の顔を表している画像データに基づいて、当該画像データにおける、顔の右眼と左眼との間の距離を算出するためのプログラムとを格納している。
【0091】
CPU101は、上記プログラムと、カメラ112による撮像処理で得られた人物の顔を表す画像データとを用いて、当該顔における右眼と左眼との間の距離を算出する。CPU101は、算出された距離が第1の閾値以上であって第2の閾値以下であるときには、ディスプレイ105に上記画像を3次元表示させる。CPU101は、算出された距離が第1の閾値よりも小さい、または算出された距離が第2の閾値よりも大きいときには、ディスプレイ105に上記画像を2次元表示させる。
【0092】
以上のように、電子機器1Aは、3次元表示および2次元表示のうち、算出されたユーザの両眼の間隔(画像データにおける間隔)に応じた表示態様で画像をディスプレイ105に表示可能となる。具体的には、電子機器1Aは、両眼の間隔が予め定められた範囲R3(3次元画像の視認に適した範囲)に含まれる場合には、画像を3次元表示し、当該範囲R5に含まれない場合には、当該画像を2次元表示する。このように、電子機器1Aは、ユーザが3次元表示された画像を視認しにくい場合には、当該画像を2次元表示可能となる。
【0093】
(2)また、電子機器1Aは、実施の形態1の電子機器1と同様に、CPU101が、算出された距離wが第1の閾値以上であって第2の閾値以下であるときには、報知装置に予め定められた報知を行なわせる。また、CPU101は、算出された距離wが第1の閾値よりも小さい、または算出された距離wが第2の閾値よりも大きいときには、報知装置に、上記予め定められた報知とは異なる報知を行なわせる。
【0094】
したがって、電子機器1Aは、電子機器1と同様、ユーザが3次元画像の視認に適切でない位置にいる場合には、適切な位置にいる場合と異なる報知を行なうことができる。それゆえ、ユーザは、自身が3次元画像の視認に適切な位置にいるか否かを判断可能となる。
【0095】
(3)フラッシュメモリ104は、第1の閾値(258dot)よりも大きく第2の閾値(360dot)よりも小さい第3の閾値(273dot)と、第3の閾値よりも大きく第2の閾値よりも小さい第4の閾値(333dot)とをさらに格納している。CPU101は、算出された距離wが第1の閾値以上であって第2の閾値以下である場合において、算出された距離wが第3の閾値以上であって第4の閾値以下であるときと、算出された距離wが第3の閾値よりも小さいまたは第4の閾値よりも大きいときとでは、互いに異なる報知を報知装置に行なわせる。
【0096】
したがって、電子機器1Aは、電子機器1と同様、ユーザが3次元画像の視認に適切な位置にいる場合であっても、3次元画像の視認に適切でない位置に近い場合には、当該近い位置でない場合と異なる報知を行なうことができる。それゆえ、ユーザは、自身が3次元画像の視認により適切な位置にいるか否かを判断可能となる。
【0097】
[実施の形態3]
実施の形態3では、実施の形態1と同様に、ディスプレイ105とユーザとの距離に基づいて、2次元表示とするかあるいは3次元表示とするかを決定する。さらに、実施の形態3では、実施の形態1で予め格納されていた各閾値(d11,d12,d13,d14)を、ユーザ毎に設定可能とする構成について説明する。
【0098】
図13は、本実施の形態に係る電子機器1Bの外観を示した図である。図13を参照して、電子機器1Bは、ディスプレイ105と、スピーカ106と、LED110と、カメラ112と、測距センサ121とを備える。ディスプレイ105と、スピーカ106と、LED110と、カメラ112と、測距センサ121とは、電子機器1の筐体における同一の側面に配置されている。
【0099】
電子機器1Bは、実施の形態1の電子機器1と同様に、2次元表示と3次元表示とが可能に構成されている。ただし、電子機器1Bは、測距センサ121に加えて、カメラ112をさらに備える点において、電子機器1とは異なる。
【0100】
図14は、電子機器1Bのハードウェア構成を示した図である。図14を参照して、電子機器1Bは、CPU101と、ROM102と、RAM103と、フラッシュメモリ104と、ディスプレイ105と、スピーカ106と、操作キー107と、通信IF108と、ICカードリーダライタ109と、LED110と、カメラ112と、A/Dコンバータ111と、測距センサ121とを備える。
【0101】
フラッシュメモリ104には、実施の形態1と同様に、対応付けデータ(図3の特性を示したデータ)が予め格納されている。また、フラッシュメモリ104には、実施の形態2と同様に、人物の顔を表している画像データに基づいて、当該画像データにおける、顔の右眼と左眼との間の距離を算出するためのプログラムが予め格納されている。
【0102】
さらに、フラッシュメモリ104は、第1の閾値としての第1の画素数(258dot)と、第2の閾値として、当該第1の画素数よりも大きい第2の画素数(360dot)とを格納している。また、フラッシュメモリ104は、第1の画素数よりも大きく第2の画素数よりも小さい第3の画素数(273dot)と、第3の画素数よりも大きく第2の画素数よりも小さい第4の画素数(333dot)とを格納している。
【0103】
次に、電子機器1Bがユーザ毎に閾値を設定する理由について説明する。
図15は、3次元表示に適した、ディスプレイ105からの距離(Z軸正方向の距離)の範囲を説明するための図である。図15(a)は、図4と同じ図である。図15(b)は、図15(a)よりも右眼と左眼との間の距離が小さいユーザ(たとえば、子供)にとって適した範囲を説明するための図である。なお、以下では、図15(a)の両眼901,902はユーザADの眼とし、図15(b)の両眼901A,901BはユーザCHの眼として説明する。
【0104】
図15(b)を参照して、たとえば青色(B)の画素521に着目すると、右眼901Aによって当該画素を視ることができるのは、破線J11と破線J12との間に右眼901Aが位置するときである。また、たとえば赤色(R)の画素522に着目すると、左眼902Aによって当該画素を視ることができるのは、破線J21と破線J22との間に左眼902Aが位置するときである。
【0105】
次に、ユーザCHが3次元画像を視認可能な範囲(ディスプレイ105からの距離)について説明する。図示した状態から、ユーザCHが顔をディスプレイ105に近づけた場合(つまり右眼901Aと左眼902AとをZ軸の負方向に移動させた場合)、ディスプレイ105と両眼901A,902Aと距離dがd21よりも小さくなると、ユーザCHは3次元画像を視認できなくなる。
【0106】
また、図示した状態から、ユーザCHが顔をディスプレイ105から離していった場合(つまり右眼901Aと左眼902AとをZ軸の正方向に移動させた場合)、ディスプレイ105と両眼901A,902Aと距離dがd22よりも大きくなると、ユーザCHは3次元画像を視認できなくなる。
【0107】
なお、図示した右眼901Aと左眼902Aとの位置(ディスプレイ105から距離dp′離れた位置)は、ディスプレイ105に表示された三次元画像を視認するために最も適した位置である。また、間隔L2は、ユーザCHの実際の右眼901Aと左眼902Aとの間の距離である。なお、以下では、距離dp′を「最適距離dp′」とも称する。
【0108】
ところで、図15(a)と図15(b)とを比較すると、右眼と左眼との間の距離がユーザADよりも狭いユーザCHの方が、3次元画像を視認可能な範囲が、ユーザADに比べてディスプレイ側に寄っていることが分かる。つまり、d11>d21、d12>d22、dp>dp′の関係が成立する。
【0109】
したがって、ユーザ毎に閾値を設定すれば、各ユーザは、3次元画像をより確実に視認可能となる。以下では、閾値の設定方法について説明する。
【0110】
CPU101は、上記プログラムと、カメラ112による撮像処理で得られた人物の顔を表す画像データとを用いて、当該顔における右眼と左眼との間の距離wを算出する。次いで、CPU101は、測距センサ121の出力と上記対応関係を示したデータとに基づいて、撮像処理時のディスプレイ105と人物との間の距離dを算出する。
【0111】
さらに、CPU101は、算出された右眼と左眼との間の距離wと、算出されたディスプレイ105と人物との間の距離dとの積を、上記第1の画素数(258dot)で割ったときの商である第1の距離と、当該積を上記第2の画素数(360dot)で割ったときの商である第2の距離とを算出する。また、CPU101は、上記積を第3の画素数(273dot)で割ったときの商である第3の距離と、上記積を第4の画素数(333dot)で割ったときの商である第4の距離とを算出する。つまり、CPU101は、画素数(距離w)を距離dに変換する。
【0112】
CPU101は、ユーザの識別情報に対応付けて、算出された第1の距離と第2の距離と第3の距離と第4の距離とを、フラッシュメモリ104に格納する。CPU101は、第1の距離、第2の距離、第3の距離、第4の距離を、それぞれ、実施の形態1における、距離d11、距離d12、距離d13、距離d14として利用する。つまり、第1の距離、第2の距離、第3の距離、第4の距離が、それぞれ、第1の閾値、第2の閾値、第3の閾値、第4の閾値となる。
【0113】
次に、第1の距離、第2の距離、第3の距離、および第4の距離の具体例について説明する。以下では、画像データにおける右眼と左眼との間の距離が300dotである場合に、最適距離dp(あるいは最適距離dp′)となる例に挙げて説明する。
【0114】
また、以下では、実際に撮像処理を行なうことにより得られた右眼と左眼との間の距離が270dotであって、当該撮像処理時のディスプレイ105とユーザとの距離dが30cmであったとする。
【0115】
このときの最適距離dpは、dp=30cm×(270dot/300dot)=27cmとなる。ここで、本実施の形態においても、実施の形態2で説明した図11における右眼と左眼との間の距離wについての各閾値(360dot,333dot,273dot,258dot)と同じ値を用いるとする。
【0116】
図16は、右眼と左眼との間の距離wと、ディスプレイ105からの距離dとの関係を示した図である。より詳しくは、図16は、右眼と左眼との間の距離wである4つの閾値をディスプレイ105からの距離dに換算した値と、当該各閾値よりも1つ大きい値または1つ小さい値を距離dに換算した値とを示した図である。たとえば、距離wについての閾値360dotは、CPU101によって、最適距離dpを用いて、27cm/360dot×300dot=22.50cmに換算される。
【0117】
つまり、距離wである閾値360dotは、30cm×(270dot/360dot)といった演算により距離22.50cm(第1の距離)に換算される。同様にして、閾値333dotは、30cm×(270dot/333dot)といった演算により距離24.32cm(第2の距離)に換算される。また、閾値273dotは、30cm×(270dot/273dot)といった演算により距離29.67cm(第3の距離)に換算される。さらに、閾値258dotは、30cm×(270dot/258dot)といった演算により距離31.39cm(第4の距離)に換算される。
【0118】
CPU101は、演算により求められた第1の距離、第2の距離、第3の距離、および第4の距離を用いて、上記撮影したユーザについてのデータテーブルTB31(図17参照)を生成する。
【0119】
図17は、データテーブルTB31を示した図である。図17を参照して、データテーブルTB31は、測距センサ121を用いて測定された距離dと、ディスプレイ105における画像の表示態様と、LED110の発光態様と、スピーカ106から出力する音声との対応関係を示している。なお、データテーブルTB31は、フラッシュメモリ104に予め格納されている。なお、データテーブルTB31は、第1の距離、第2の距離、第3の距離、および第4の距離の小数点第2位を四捨五入することにより得られた値(つまり、22.5cm,24.3cm,29.7cm,31.4cm)を用いて生成されている。
【0120】
図17を参照して、データテーブルTB31では、測距センサ121を用いて測定された距離dが0≦d<22.5の条件を満たす場合(つまり、範囲R7に含まれる場合)に、電子機器1Bにおいて2次元表示が行なわれるようにするために、範囲R7と2次元表示とが対応付けられている。さらに、距離dが範囲R7に含まれる場合、LED110を消灯させるとともにスピーカから「離れて下さい」といった音声案内を行なわせるために、範囲R7とLED110の発光態様と音声案内の内容とが対応付けられている。
【0121】
また、データテーブルTB31では、測定された距離dが22.5≦d<24.3の条件を満たす場合(つまり、範囲R81に含まれる場合)に、電子機器1Bにおいて3次元表示が行なわれるようにするために、範囲R81と3次元表示とが対応付けられている。さらに、距離dが範囲R81に含まれる場合、LED110に黄色の光を発光させるとともにスピーカから「もう少し離れて下さい」といった音声案内を行なわせるために、範囲R51とLED110の発光態様と音声案内の内容とが対応付けられている。
【0122】
また、データテーブルTB31では、測定された距離dが24.3≦d≦29.7の条件を満たす場合(つまり、範囲R82に含まれる場合)に、電子機器1Bにおいて3次元表示が行なわれるようにするために、範囲R82と3次元表示とが対応付けられている。さらに、距離dが範囲R82に含まれる場合、LED110に緑色の光を発光させるとともにスピーカから音声案内を行なせないために、範囲R82とLEDの発光態様と音声案内の内容とが対応付けられている。
【0123】
また、データテーブルTB31では、測定された距離dが29.7<d≦31.4の条件を満たす場合(つまり、範囲R83に含まれる場合)に、電子機器1Bにおいて3次元表示が行なわれるようにするために、範囲R83と3次元表示とが対応付けられている。さらに、距離wが範囲R83に含まれる場合、LED110に黄色の光を発光させるとともにスピーカから「もう少し近づいて下さい」といった音声案内を行なわせるために、範囲R83とLED110の発光態様と音声案内の内容とが対応付けられている。
【0124】
また、データテーブルTB31では、測定された距離dがd>31.4の条件を満たす場合(つまり、範囲R9に含まれる場合)に、電子機器1Bにおいて2次元表示が行なわれるようにするために、範囲R9と2次元表示とが対応付けられている。さらに、距離dが範囲R9に含まれる場合、LED110を消灯させるとともにスピーカから「離れて下さい」といった音声案内を行なわせるために、範囲R9とLED110の発光態様と音声案内の内容とが対応付けられている。
【0125】
図18は、電子機器1Bにおける処理の一部の流れを示したフローチャートである。図19は、電子機器1Bにおける処理の残り部分の流れを示したフローチャートである。図18を参照して、ステップS202において、CPU101は、測定された距離dに基づく2次元表示と3次元表示との切換制御を終了する指示を、操作キー107を介して、ユーザから受け付けたか否かを判断する。
【0126】
CPU101は、指示を受け付けていないと判断した場合(ステップS202においてNO)、ステップS204において、ユーザを識別するための識別情報の入力を受け付ける。たとえば、ユーザ名の入力の受け付けや、予め設定された番号や記号等から1つの番号や記号の選択処理を受け付ける。CPU101は、指示を受け付けたと判断した場合(ステップS202においてYES)、ステップS220において、デフォルトの表示態様で画像をディスプレイ105に表示させる。たとえば、CPU101は、画像をディスプレイ105に2次元表示させる。CPU101は、その後、距離dに基づいて2次元表示と3次元表示とを切換える制御を終了する。
【0127】
ステップS206において、CPU101は、測距センサ121の出力を用いて、測定対象物である人物とディスプレイ105との間の距離dを算出する。ステップS208において、CPU101は、画素数(距離w)を距離dに変換したか否かを判断する。CPU101は、変換していないと判断した場合(ステップS208においてNO)、ステップS210において、カメラ112に撮像処理を実行させる。
【0128】
ステップS212において、CPU101は、フラッシュメモリ104に格納された上記プログラムを用いて、撮像により得られた画像データに人物の顔が含まれているか(つまり、人物の顔が写っているか)否かを判断する。CPU101は、人物の顔が写っていると判断した場合(ステップS212においてYES)、ステップS214において、上記プログラムを用いて、左眼と右眼との間の距離wを算出する。CPU101は、人物の顔が写っていないと判断した場合(ステップS212においてNO)、処理をステップS210に進める。
【0129】
ステップS216において、CPU101は、距離w(画素数)と撮像時の距離dとを用いて、閾値となる4つの画素数(360dot,333dot,273dot,258dot)の各々を距離に変換する。ステップS218において、CPU101は、変換により得られた4つの距離(d11:22.5cm,d13:24.3cm,d14:29.7cm,d12:31.4cm)を、ステップS204において受け付けた識別情報に関連付けて、フラッシュメモリ104に格納する。具体的には、CPU101は、得られた4つの距離に基づいて、撮像されたユーザについてのデータテーブルTB31(図17)を生成する。
【0130】
CPU101は、画素数(距離w)を距離dに変換したと判断した場合(ステップS208においてYES)、図19を参照して、ステップS222において、CPU101は、データテーブルTB31を参照して、算出された距離dに応じた報知処理を行なう。たとえば、算出された距離dが範囲R81に含まれる場合、CPU101は、LED110の発光色を黄色にする制御を行なう。また、CPU101は、スピーカ106に「もう少し離れて下さい」といった音声案内を出力させる制御を行なう。
【0131】
ステップS224において、CPU101は、データテーブルTB31を参照して、算出された距離dが、d11≦d≦d12の条件を満たすか否かを判断する。CPU101は、条件を満たすと判断した場合(ステップS224においてYES)、ステップS226において、画像を3次元表示中であるか否かを判断する。CPU101は、3次元表示中であると判断した場合(ステップS226においてYES)、処理をステップS202に進める。CPU101は、3次元表示中でないと判断した場合(ステップS226においてNO)、ステップS228において、2次元表示を3次元表示に切換える処理を行なう。CPU101は、ステップS228の後、処理をステップS202に進める。
【0132】
CPU101は、条件を満たさないと判断した場合(ステップS224においてNO)、ステップS230において、画像を3次元表示中であるか否かを判断する。CPU101は、3次元表示中であると判断した場合(ステップS230においてYES)、ステップS232において、3次元表示を2次元表示に切換える処理を行なう。CPU101は、3次元表示中でないと判断した場合(ステップS230においてNO)、処理をステップS202に進める。
【0133】
ところで、ステップS218において、識別情報で識別されるユーザによる4つの距離d(閾値)のフラッシュメモリ104への格納が終了した後は、CPU101は、当該識別情報を指定する入力を受け付けたときには、フラッシュメモリ104から当該識別情報に対応付けられた4つの距離dとを読み出す。CPU101は、測距センサ121の出力と対応関係を示したデータとに基づいて、ディスプレイ105と人物との間の距離をさらに算出する。CPU101は、算出された距離と、読み出された第1の距離および第2の距離とを用いて、ディスプレイ105に画像を2次元表示させるか、または3次元表示させるかを決定する。
【0134】
このように、ユーザ登録を行なうことにより、当該ユーザについては、再度、撮像処理を行なうことなく、測定された距離dに基づく2次元表示と3次元表示との切換え制御を精度よく行なうことができる。
【0135】
なお、以下では、範囲R81と範囲R82と範囲R83とからなる範囲(つまり、22.5cm≦d≦31.4)を「範囲R8」とも称する。
【0136】
<電子機器1Bのまとめ>
(1)電子機器1Bは、画像の2次元表示と当該画像の3次元表示とが可能である。電子機器1Bは、CPU101と、CPU101に接続されたフラッシュメモリ104と、画像を表示するためのディスプレイ105と、ディスプレイ105に対向する人物を撮像するためのカメラ112と、ディスプレイと人物との間の距離に基づいた電圧を出力するための測距センサ121とを備える。
【0137】
フラッシュメモリ104は、第1の画素数(258dot)および当該第1の画素数よりも大きい第2の画素数(360dot)を格納している。フラッシュメモリ104は、測距センサ121における出力電圧と距離との対応関係を示した対応付けデータをさらに格納している。フラッシュメモリ104は、人物の顔を表している画像データに基づいて、当該画像データにおける、顔の右眼と左眼との間の距離を算出するためのプログラムを格納している。なお、右眼と左眼との間の距離の長さの単位は、画素である。
【0138】
CPU101は、上記プログラムと、カメラ112による撮像処理で得られた人物の顔を表す画像データとを用いて、当該顔における右眼と左眼との間の距離を算出する。また、CPU101は、測距センサ121の出力と対応付けデータとに基づいて、撮像処理時のディスプレイ105と人物との間の距離を算出する。
【0139】
さらに、CPU101は、算出された右眼と左眼との間の距離と、算出されたディスプレイと人物との間の距離との積を、第1の画素数で割ったときの商である第1の距離(31.39cm)と、当該積を第2の画素数で割ったときの商である第2の距離(22.50)とを算出する。
【0140】
CPU101は、撮像処理後において、測距センサ121の出力と対応付けデータとに基づいて、ディスプレイ105と人物との間の距離を再び算出する。CPU101は、再び算出された距離が第1の距離以上であって第2の距離以下であるとき(つまり、範囲R8に含まれる場合)には、ディスプレイ105に画像を3次元表示させる。一方、CPU101は、再び算出された距離が第1の距離よりも小さいとき(つまり、範囲R7に含まれる場合)、または再び算出された距離が第2の距離よりも大きいとき(つまり、範囲R9に含まれる場合)には、ディスプレイ105に画像を2次元表示させる。
【0141】
以上のように、電子機器1Bは、3次元表示および2次元表示のうち、ユーザとの距離に応じた表示態様で画像をディスプレイ105に表示可能となる。具体的には、電子機器1Bは、ユーザとの距離が予め定められた範囲R8(3次元画像の視認に適した範囲)に含まれる場合には、画像を3次元表示し、当該範囲R8に含まれない場合には、当該画像を2次元表示する。このように、電子機器1Bは、ユーザが3次元表示された画像を視認しにくい場合には、当該画像を2次元表示可能となる。
【0142】
また、電子機器1Bは、3次元表示と2次元表示との切換えに用いる閾値をユーザ毎に適切に設定可能となる。したがって、設定がなされたユーザについては、再度、撮像処理を行なうことなく、測定された距離dに基づく2次元表示と3次元表示との切換え制御を精度よく行なうことができる。
【0143】
さらに、一度ユーザの撮影を行なえば、当該ユーザに関しては、再度の撮影は不要となる。したがって、電子機器1Bでは、カメラ機能を常時オンする必要がなく、実施の形態2に比べて、消費電力の低減を図ることができる。
【0144】
(2)また、CPU101は、再び算出された距離dが第1の距離以上であって第2の距離以下であるときには、報知装置に予め定められた報知を行なわせる。また、CPU101は、再び算出された距離dが第1の距離よりも小さい、または再び算出された距離dが第2の距離よりも大きいときには、報知装置に、上記予め定められた報知とは異なる報知を行なわせる。
【0145】
したがって、電子機器1Bは、電子機器1,1Aと同様、ユーザが3次元画像の視認に適切でない位置にいる場合には、適切な位置にいる場合と異なる報知を行なうことができる。それゆえ、ユーザは、自身が3次元画像の視認に適切な位置にいるか否かを判断可能となる。
【0146】
(3)フラッシュメモリ104は、第1の画素数(258dot)よりも大きく第2の画素数(360dot)よりも小さい第3の画素数(273dot)と、第3の画素数よりも大きく第2の画素数よりも小さい第4の画素数(333dot)とをさらに格納している。
【0147】
CPU101は、上述した積を第3の画素数で割ったときの商である第3の距離(29.67cm)と、当該積を第4の画素数で割ったときの商である第4の距離(24.32cm)とを算出する。CPU101は、算出された距離が第1の距離以上であって第2の距離以下である場合において、算出された距離が第3の距離以上であって第4の距離以下であるときと、算出された距離が第3の距離よりも小さいまたは第4の距離よりも大きいときとでは、互いに異なる報知を報知装置に行なわせる。
【0148】
したがって、電子機器1Bは、電子機器1,1Aと同様、ユーザが3次元画像の視認に適切な位置にいる場合であっても、3次元画像の視認に適切でない位置に近い場合には、当該近い位置でない場合と異なる報知を行なうことができる。それゆえ、ユーザは、自身が3次元画像の視認により適切な位置にいるか否かを判断可能となる。
【0149】
(4)CPU101は、算出された第1の距離と第2の距離とを、入力された識別情報に対応付けてフラッシュメモリ104に格納する。CPU101は、入力された識別情報を指定する入力を受け付けたときには、フラッシュメモリ104から第1の距離と第2の距離とを読み出す。CPU101は、測距センサ121の出力と対応付けデータとに基づいて、ディスプレイ105と人物との間の距離をさらに算出する。CPU101は、算出された距離と、読み出された第1の距離および第2の距離とを用いて、ディスプレイ105に画像を2次元表示させるか、または3次元表示させるかを決定する。
【0150】
或るユーザについて、第1の距離と第2の距離とがフラッシュメモリ104に格納されれば(つまり、ユーザ登録されれば)、当該ユーザについては、以後の使用において、撮像処理と、第1の距離および第2の距離の算出処理とが不要となる。
【0151】
<付記>
(1)電子機器は、画像の2次元表示と前記画像の3次元表示とが可能である。電子機器は、プロセッサと、前記プロセッサに接続されたメモリと、前記画像を表示するためのディスプレイと、前記ディスプレイと人物との間の距離に基づいた電圧を出力するためのセンサとを備える。前記メモリは、第1の閾値および当該第1の閾値よりも大きい第2の閾値と、前記センサにおける出力電圧と距離との対応関係を示したデータとを格納している。前記プロセッサは、前記センサの出力と前記対応関係を示したデータとに基づいて、前記ディスプレイと前記人物との間の距離を算出する。前記プロセッサは、前記算出された距離が前記第1の閾値以上であって前記第2の閾値以下であるときには、前記ディスプレイに前記画像を3次元表示させる。前記プロセッサは、前記算出された距離が前記第1の閾値よりも小さい、または前記算出された距離が前記第2の閾値よりも大きいときには、前記ディスプレイに前記画像を2次元表示させる。
【0152】
(2)電子機器は、画像の2次元表示と前記画像の3次元表示とが可能である。電子機器は、プロセッサと、前記プロセッサに接続されたメモリと、前記画像を表示するためのディスプレイと、前記ディスプレイに対向する人物を撮像するための撮像装置と、前記ディスプレイと前記人物との間の距離に基づいた電圧を出力するためのセンサとを備える。前記メモリは、第1の画素数および当該第1の画素数よりも大きい第2の画素数と、前記センサにおける出力電圧と距離との対応関係を示したデータと、人物の顔を表している画像データに基づいて、当該画像データにおける、前記顔の右眼と左眼との間の距離を算出するためのプログラムとを格納している。前記右眼と前記左眼との間の距離の長さの単位は、画素である。前記プロセッサは、前記プログラムと、前記撮像装置による撮像処理で得られた人物の顔を表す画像データとを用いて、当該顔における前記右眼と前記左眼との間の距離を算出する。前記プロセッサは、前記センサの出力と前記対応関係を示したデータとに基づいて、前記撮像処理時の前記ディスプレイと前記人物との間の距離を算出する。前記プロセッサは、前記算出された前記右眼と前記左眼との間の距離と、前記算出された前記ディスプレイと前記人物との間の距離との積を、前記第1の画素数で割ったときの商である第1の距離と、当該積を前記第2の画素数で割ったときの商である第2の距離とを算出する。前記プロセッサは、前記撮像処理後において、前記センサの出力と前記対応関係を示したデータとに基づいて、前記ディスプレイと前記人物との間の距離を再び算出する。前記プロセッサは、前記再び算出された距離が前記第1の距離以上であって前記第2の距離以下であるときには、前記ディスプレイに前記画像を3次元表示させる。前記プロセッサは、前記再び算出された距離が前記第1の距離よりも小さい、または前記再び算出された距離が前記第2の距離よりも大きいときには、前記ディスプレイに前記画像を2次元表示させる。
【0153】
今回開示された実施の形態は例示であって、上記内容のみに制限されるものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0154】
1,1A,1B 電子機器、105 ディスプレイ、TB11,TB12,TB21,TB31 データテーブル、104 フラッシュメモリ、106 スピーカ、107 操作キー、111 コンバータ、112 カメラ、121 測距センサ、700 画像データ、801,901,901A 右眼、802,902,902A 左眼、1051 バックライト、1052 画素群、1053 視差バリア、dp,dp′ 最適距離。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像の2次元表示と前記画像の3次元表示とが可能な電子機器であって、
プロセッサと、
前記プロセッサに接続されたメモリと、
前記画像を表示するためのディスプレイと、
前記ディスプレイの近傍に設置され、人物との間の距離を計測するセンサとを備え、
前記メモリは、第1の閾値および当該第1の閾値よりも大きい第2の閾値を格納しており、
前記プロセッサは、前記センサにて計測された距離が前記第1の閾値以上であって前記第2の閾値以下であるときには、前記ディスプレイに前記画像を3次元表示させ、前記センサにて計測された距離が前記第1の閾値よりも小さい、または前記センサにて計測された距離が前記第2の閾値よりも大きいときには、前記ディスプレイに前記画像を2次元表示させる、電子機器。
【請求項2】
前記電子機器は、
音および光の少なくともいずれかによって報知を行なう報知装置をさらに備え、
前記プロセッサは、前記センサにて計測された距離が前記第1の閾値以上であって前記第2の閾値以下であるときには、前記報知装置に予め定められた報知を行なわせ、前記センサにて計測された距離が前記第1の閾値よりも小さい、または前記センサにて計測された距離が前記第2の閾値よりも大きいときには、前記報知装置に、前記予め定められた報知とは異なる報知を行なわせる、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記メモリは、前記第1の閾値よりも大きく前記第2の閾値よりも小さい第3の閾値と、前記第3の閾値よりも大きく前記第2の閾値よりも小さい第4の閾値とをさらに格納しており、
前記プロセッサは、前記センサにて計測された距離が前記第1の閾値以上であって前記第2の閾値以下である場合において、前記センサにて計測された距離が前記第3の閾値以上であって前記第4の閾値以下であるときと、前記センサにて計測された距離が前記第3の閾値よりも小さいまたは前記第4の閾値よりも大きいときとでは、互いに異なる報知を前記報知装置に行なわせる、請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
画像の2次元表示と前記画像の3次元表示とが可能な電子機器であって、
プロセッサと、
前記プロセッサに接続されたメモリと、
前記画像を表示するためのディスプレイと、
前記ディスプレイに対向する人物を撮像するための撮像装置と、
前記ディスプレイの近傍に設置され、前記人物との間の距離を計測するセンサとを備え、
前記メモリは、第1の画素数および当該第1の画素数よりも大きい第2の画素数と、人物の顔を表している画像データに基づいて、当該画像データにおける、前記顔の右眼と左眼との間の距離を算出するためのプログラムとを格納し、
前記右眼と前記左眼との間の距離の長さの単位は、画素であり、
前記プロセッサは、前記プログラムと、前記撮像装置による撮像処理で得られた人物の顔を表す画像データとを用いて、当該顔における前記右眼と前記左眼との間の距離を算出し、
前記センサは、前記撮像処理時の前記ディスプレイと前記人物との間の距離を計測し、
前記プロセッサは、前記算出された前記右眼と前記左眼との間の距離と、前記センサにて計測された前記ディスプレイと前記人物との間の距離との積を、前記第1の画素数で割ったときの商である第1の距離と、当該積を前記第2の画素数で割ったときの商である第2の距離とを算出し、
前記センサは、前記撮像処理後において、前記ディスプレイと前記人物との間の距離を再び計測し、
前記プロセッサは、前記再び計測された距離が前記第1の距離以上であって前記第2の距離以下であるときには、前記ディスプレイに前記画像を3次元表示させ、前記再び計測された距離が前記第1の距離よりも小さい、または前記再び計測された距離が前記第2の距離よりも大きいときには、前記ディスプレイに前記画像を2次元表示させる、電子機器。
【請求項5】
前記電子機器は、
音および光の少なくともいずれかによって報知を行なう報知装置をさらに備え、
前記プロセッサは、前記再び計測された距離が前記第1の距離以上であって前記第2の距離以下であるときには、前記報知装置に予め定められた報知を行なわせ、前記再び計測された距離が前記第1の距離よりも小さい、または前記再び計測された距離が前記第2の距離よりも大きいときには、前記報知装置に、前記予め定められた報知とは異なる報知を行なわせる、請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記メモリは、前記第1の画素数よりも大きく前記第2の画素数よりも小さい第3の画素数と、前記第3の画素数よりも大きく前記第2の画素数よりも小さい第4の画素数とをさらに格納しており、
前記プロセッサは、
前記積を前記第3の画素数で割ったときの商である第3の距離と、当該積を前記第4の画素数で割ったときの商である第4の距離とを算出し、
前記センサにて計測された距離が前記第1の距離以上であって前記第2の距離以下である場合において、前記計測された距離が前記第3の距離以上であって前記第4の距離以下であるときと、前記計測された距離が前記第3の距離よりも小さいまたは前記第4の距離よりも大きいときとでは、互いに異なる報知を前記報知装置に行なわせる、請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記算出された前記第1の距離と前記第2の距離とを、入力された識別情報に対応付けて前記メモリに格納し、
前記入力された識別情報を指定する入力を受け付けたときには、前記メモリから前記第1の距離と前記第2の距離とを読み出し、
前記センサは、前記ディスプレイと前記人物との間の距離をさらに計測し、
前記プロセッサは、前記センサにて計測された距離と、前記読み出された第1の距離および第2の距離とを用いて、前記ディスプレイに前記画像を2次元表示させるか、または3次元表示させるかを決定する、請求項4から6のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項8】
画像の2次元表示と前記画像の3次元表示とが可能な電子機器における表示制御方法であって、
前記電子機器は、プロセッサと、前記プロセッサに接続されたメモリと、前記画像を表示するためのディスプレイと、前記ディスプレイの近傍に設置され、人物との間の距離を計測するセンサとを備え、
前記メモリは、第1の閾値および当該第1の閾値よりも大きい第2の閾値を格納しており、
前記表示制御方法は、
前記プロセッサが、前記センサにて計測された距離が前記第1の閾値以上であって前記第2の閾値以下であるときには、前記ディスプレイに前記画像を3次元表示させるステップと、
前記プロセッサが、前記センサにて計測された距離が前記第1の閾値よりも小さい、または前記センサにて計測された距離が前記第2の閾値よりも大きいときには、前記ディスプレイに前記画像を2次元表示させるステップとを備える、表示制御方法。
【請求項9】
画像の2次元表示と前記画像の3次元表示とが可能な電子機器における表示制御方法であって、
前記電子機器は、プロセッサと、前記プロセッサに接続されたメモリと、前記画像を表示するためのディスプレイと、前記ディスプレイに対向する人物を撮像するための撮像装置と、前記ディスプレイの近傍に設置され、前記人物との間の距離を計測するセンサとを備え、
前記メモリは、第1の画素数および当該第1の画素数よりも大きい第2の画素数と、人物の顔を表している画像データに基づいて、当該画像データにおける、前記顔の右眼と左眼との間の距離を算出するためのプログラムとを格納し、
前記右眼と前記左眼との間の距離の長さの単位は、画素であり、
前記表示制御方法は、
前記プロセッサが、前記プログラムと、前記撮像装置による撮像処理で得られた人物の顔を表す画像データとを用いて、当該顔における前記右眼と前記左眼との間の距離を算出するステップと、
前記センサが、前記撮像処理時の前記ディスプレイと前記人物との間の距離を計測するステップと、
前記プロセッサが、前記算出された前記右眼と前記左眼との間の距離と、前記センサにて計測された前記ディスプレイと前記人物との間の距離との積を、前記第1の画素数で割ったときの商である第1の距離と、当該積を前記第2の画素数で割ったときの商である第2の距離とを算出するステップと、
前記センサが、前記撮像処理後において、前記ディスプレイと前記人物との間の距離を再び計測するステップと、
前記プロセッサが、前記再び算出された距離が前記第1の距離以上であって前記第2の距離以下であるときには、前記ディスプレイに前記画像を3次元表示させるステップと、
前記プロセッサが、前記再び算出された距離が前記第1の距離よりも小さい、または前記再び算出された距離が前記第2の距離よりも大きいときには、前記ディスプレイに前記画像を2次元表示させるステップとを備える、表示制御方法。
【請求項1】
画像の2次元表示と前記画像の3次元表示とが可能な電子機器であって、
プロセッサと、
前記プロセッサに接続されたメモリと、
前記画像を表示するためのディスプレイと、
前記ディスプレイの近傍に設置され、人物との間の距離を計測するセンサとを備え、
前記メモリは、第1の閾値および当該第1の閾値よりも大きい第2の閾値を格納しており、
前記プロセッサは、前記センサにて計測された距離が前記第1の閾値以上であって前記第2の閾値以下であるときには、前記ディスプレイに前記画像を3次元表示させ、前記センサにて計測された距離が前記第1の閾値よりも小さい、または前記センサにて計測された距離が前記第2の閾値よりも大きいときには、前記ディスプレイに前記画像を2次元表示させる、電子機器。
【請求項2】
前記電子機器は、
音および光の少なくともいずれかによって報知を行なう報知装置をさらに備え、
前記プロセッサは、前記センサにて計測された距離が前記第1の閾値以上であって前記第2の閾値以下であるときには、前記報知装置に予め定められた報知を行なわせ、前記センサにて計測された距離が前記第1の閾値よりも小さい、または前記センサにて計測された距離が前記第2の閾値よりも大きいときには、前記報知装置に、前記予め定められた報知とは異なる報知を行なわせる、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記メモリは、前記第1の閾値よりも大きく前記第2の閾値よりも小さい第3の閾値と、前記第3の閾値よりも大きく前記第2の閾値よりも小さい第4の閾値とをさらに格納しており、
前記プロセッサは、前記センサにて計測された距離が前記第1の閾値以上であって前記第2の閾値以下である場合において、前記センサにて計測された距離が前記第3の閾値以上であって前記第4の閾値以下であるときと、前記センサにて計測された距離が前記第3の閾値よりも小さいまたは前記第4の閾値よりも大きいときとでは、互いに異なる報知を前記報知装置に行なわせる、請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
画像の2次元表示と前記画像の3次元表示とが可能な電子機器であって、
プロセッサと、
前記プロセッサに接続されたメモリと、
前記画像を表示するためのディスプレイと、
前記ディスプレイに対向する人物を撮像するための撮像装置と、
前記ディスプレイの近傍に設置され、前記人物との間の距離を計測するセンサとを備え、
前記メモリは、第1の画素数および当該第1の画素数よりも大きい第2の画素数と、人物の顔を表している画像データに基づいて、当該画像データにおける、前記顔の右眼と左眼との間の距離を算出するためのプログラムとを格納し、
前記右眼と前記左眼との間の距離の長さの単位は、画素であり、
前記プロセッサは、前記プログラムと、前記撮像装置による撮像処理で得られた人物の顔を表す画像データとを用いて、当該顔における前記右眼と前記左眼との間の距離を算出し、
前記センサは、前記撮像処理時の前記ディスプレイと前記人物との間の距離を計測し、
前記プロセッサは、前記算出された前記右眼と前記左眼との間の距離と、前記センサにて計測された前記ディスプレイと前記人物との間の距離との積を、前記第1の画素数で割ったときの商である第1の距離と、当該積を前記第2の画素数で割ったときの商である第2の距離とを算出し、
前記センサは、前記撮像処理後において、前記ディスプレイと前記人物との間の距離を再び計測し、
前記プロセッサは、前記再び計測された距離が前記第1の距離以上であって前記第2の距離以下であるときには、前記ディスプレイに前記画像を3次元表示させ、前記再び計測された距離が前記第1の距離よりも小さい、または前記再び計測された距離が前記第2の距離よりも大きいときには、前記ディスプレイに前記画像を2次元表示させる、電子機器。
【請求項5】
前記電子機器は、
音および光の少なくともいずれかによって報知を行なう報知装置をさらに備え、
前記プロセッサは、前記再び計測された距離が前記第1の距離以上であって前記第2の距離以下であるときには、前記報知装置に予め定められた報知を行なわせ、前記再び計測された距離が前記第1の距離よりも小さい、または前記再び計測された距離が前記第2の距離よりも大きいときには、前記報知装置に、前記予め定められた報知とは異なる報知を行なわせる、請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記メモリは、前記第1の画素数よりも大きく前記第2の画素数よりも小さい第3の画素数と、前記第3の画素数よりも大きく前記第2の画素数よりも小さい第4の画素数とをさらに格納しており、
前記プロセッサは、
前記積を前記第3の画素数で割ったときの商である第3の距離と、当該積を前記第4の画素数で割ったときの商である第4の距離とを算出し、
前記センサにて計測された距離が前記第1の距離以上であって前記第2の距離以下である場合において、前記計測された距離が前記第3の距離以上であって前記第4の距離以下であるときと、前記計測された距離が前記第3の距離よりも小さいまたは前記第4の距離よりも大きいときとでは、互いに異なる報知を前記報知装置に行なわせる、請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記算出された前記第1の距離と前記第2の距離とを、入力された識別情報に対応付けて前記メモリに格納し、
前記入力された識別情報を指定する入力を受け付けたときには、前記メモリから前記第1の距離と前記第2の距離とを読み出し、
前記センサは、前記ディスプレイと前記人物との間の距離をさらに計測し、
前記プロセッサは、前記センサにて計測された距離と、前記読み出された第1の距離および第2の距離とを用いて、前記ディスプレイに前記画像を2次元表示させるか、または3次元表示させるかを決定する、請求項4から6のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項8】
画像の2次元表示と前記画像の3次元表示とが可能な電子機器における表示制御方法であって、
前記電子機器は、プロセッサと、前記プロセッサに接続されたメモリと、前記画像を表示するためのディスプレイと、前記ディスプレイの近傍に設置され、人物との間の距離を計測するセンサとを備え、
前記メモリは、第1の閾値および当該第1の閾値よりも大きい第2の閾値を格納しており、
前記表示制御方法は、
前記プロセッサが、前記センサにて計測された距離が前記第1の閾値以上であって前記第2の閾値以下であるときには、前記ディスプレイに前記画像を3次元表示させるステップと、
前記プロセッサが、前記センサにて計測された距離が前記第1の閾値よりも小さい、または前記センサにて計測された距離が前記第2の閾値よりも大きいときには、前記ディスプレイに前記画像を2次元表示させるステップとを備える、表示制御方法。
【請求項9】
画像の2次元表示と前記画像の3次元表示とが可能な電子機器における表示制御方法であって、
前記電子機器は、プロセッサと、前記プロセッサに接続されたメモリと、前記画像を表示するためのディスプレイと、前記ディスプレイに対向する人物を撮像するための撮像装置と、前記ディスプレイの近傍に設置され、前記人物との間の距離を計測するセンサとを備え、
前記メモリは、第1の画素数および当該第1の画素数よりも大きい第2の画素数と、人物の顔を表している画像データに基づいて、当該画像データにおける、前記顔の右眼と左眼との間の距離を算出するためのプログラムとを格納し、
前記右眼と前記左眼との間の距離の長さの単位は、画素であり、
前記表示制御方法は、
前記プロセッサが、前記プログラムと、前記撮像装置による撮像処理で得られた人物の顔を表す画像データとを用いて、当該顔における前記右眼と前記左眼との間の距離を算出するステップと、
前記センサが、前記撮像処理時の前記ディスプレイと前記人物との間の距離を計測するステップと、
前記プロセッサが、前記算出された前記右眼と前記左眼との間の距離と、前記センサにて計測された前記ディスプレイと前記人物との間の距離との積を、前記第1の画素数で割ったときの商である第1の距離と、当該積を前記第2の画素数で割ったときの商である第2の距離とを算出するステップと、
前記センサが、前記撮像処理後において、前記ディスプレイと前記人物との間の距離を再び計測するステップと、
前記プロセッサが、前記再び算出された距離が前記第1の距離以上であって前記第2の距離以下であるときには、前記ディスプレイに前記画像を3次元表示させるステップと、
前記プロセッサが、前記再び算出された距離が前記第1の距離よりも小さい、または前記再び算出された距離が前記第2の距離よりも大きいときには、前記ディスプレイに前記画像を2次元表示させるステップとを備える、表示制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2012−93619(P2012−93619A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−242123(P2010−242123)
【出願日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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