説明

電子機器、及び音声信号増幅方法

【課題】非稼動状態においても音声出力を可能とすると共に非稼働状態におけるバッテリ残量に応じた音声出力を制御する。
【解決手段】パーソナルコンピュータ10は、スピーカ18、外部機器からの音声信号を入力するラインイン端子19と、入力された音声信号を増幅してスピーカ18から音声を出力させるスピーカアンプ54と、電力を蓄積するバッテリ47と、バッテリ47からアンプ54に対して電源供給するための電源回路46と、非稼働状態にある時にバッテリ47の残量と予め設定されたバッテリレベルとに基づいて、電源回路46によるアンプ54に対する電源供給を制御するEC/KBC45とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スピーカを有する電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外部からの音声信号を入力する端子にプラグの挿抜検知があった場合に、そのプラグの挿抜を有効なトリガーとして各処理を実行可能とするAV装置が知られている(特許文献1)。特許文献1に記載されたAV装置は、視聴のための処理をする処理部と、処理部へ信号を出力する信号出力部と、モバイルオーディオ入力端子を含む複数の第1信号入力部と、モバイルオーディオ入力端子へのプラグの挿抜を検知する第1検知部と、第1検知部の検知結果に応じて、複数の第1信号入力部と信号出力部との接続制御をするための第2制御部とを有している。
【0003】
従来のAV装置では、例えばモバイルオーディオ端子にプラグが挿入された場合には、モバイルオーディオから入力される音声信号をAV装置の音声出力信号として出力することができる。また、AV装置は、モバイルオーディオからの音声を出力すると共に、映像信号のための処理を中止する、液晶ディスプレイのバックライトを消す、あるいはバックライトを消すといった各処理をすることができる。
【0004】
また従来では、バッテリ残量に応じてハンズフリー機能が制御される子機を含む電話装置が知られている(特許文献2)。ハンズフリー機能は、通話状態においてスピーカより出力する音声の音量をパワーアンプにより大幅に増幅させて出力させることができる。特許文献2の子機は、バッテリ残量が所定値より下回ることが検知された場合にはハンズフリー機能の動作を禁止する。これにより、親機からハンズフリー機能の実施命令が送られてきた場合であっても、ハンズフリー機能を動作させないバッテリの消費量を軽減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−108769号公報
【特許文献2】特開2008−258730号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来技術のAV装置(例えばテレビ装置)は、映像や音声を出力可能な通常の稼働状態において、モバイルオーディオ端子にプラグが挿入された場合に、モバイルオーディオからの音声を出力することができるものであって、電源オフされている非稼働状態においてモバイルオーディオからの音声を出力することができなかった。
【0007】
また、電話装置の子機では、稼働時のバッテリ残量に応じてハンズフリー機能を制御するだけであって、非稼働状態においてバッテリ残量に応じた制御をすることができなかった。
【0008】
本発明は上述の事情を考慮してなされたものであり、非稼動状態においても音声出力を可能とすると共に非稼働状態におけるバッテリ残量に応じた音声出力を制御することが可能な電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の課題を解決するため、本発明は、スピーカを有する電子機器において、外部機器からの音声信号を入力する端子と、前記端子から入力された音声信号を増幅して前記スピーカから音声を出力させるアンプと、電力を蓄積するバッテリと、前記バッテリから前記アンプに対して電源供給するための電源回路と、前記電子機器が非稼働状態にある時に、前記バッテリの残量と予め設定されたバッテリレベルとに基づいて、前記電源回路による前記アンプに対する電源供給を制御する制御手段とを具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、非稼動状態においても音声出力を可能とすると共に非稼働状態におけるバッテリ残量に応じた音声出力を制御することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態における電子機器の構成を示す外観図。
【図2】本実施形態におけるパーソナルコンピュータのシステム構成を示すブロック図。
【図3】本実施形態におけるパーソナルコンピュータの各システムステートにおいて供給される電源を示す図。
【図4】本実施形態におけるシステムステート毎の各モジュールへの電源の供給の有無を示す図。
【図5】本実施形態における音声出力モード選択処理を示すフローチャート。
【図6】本実施形態における音声出力モード選択画面の一例を示す図。
【図7】本実施形態における電源オフ処理を示すフローチャート。
【図8】本実施形態におけるACアダプタ48の接続の有無に応じて遷移する状態を示す状態遷移図。
【図9】本実施形態におけるシステムステート、バッテリ残量、及びラインイン端子へのプラグの挿入有無に応じて遷移する状態を示す状態遷移図。
【図10】本実施形態におけるスピーカアンプ54への電源供給(A電源)のオン/オフ制御を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
図1は、本実施形態における電子機器の構成を示す外観図である。この電子機器は、例えば、ノートブック型の携帯型パーソナルコンピュータ10として実現されている。本実施形態におけるパーソナルコンピュータ10は、非稼働状態の時に、ラインアウト付き外部機器(例えば、携帯型のオーディオプレーヤ25)から出力されたアナログ音声信号を入力して、筐体に実装されたスピーカ18から出力させる音声出力機能(スリープ&ミュージック機能)を有している。
【0013】
オーディオプレーヤ25からの出力を直接スピーカに接続した場合、オーディオプレーヤ25の出力がスピーカの能力に比べて小さいため、十分な音量の音声を出力することができない。本実施形態におけるパーソナルコンピュータ10に設けられた音声出力機能は、パーソナルコンピュータ10が非稼働状態にある場合でも、内蔵された音声信号増幅のためのアンプに電源を供給して、オーディオプレーヤ25からの音声信号を増幅してスピーカから出力させることができる。
【0014】
なお、パーソナルコンピュータ10の非稼働状態とは、例えば電源オフ状態(システムステートS5)の他、スタンバイ/スリープ/サスペンド(システムステートS3)、ハイバネーション(休止状態)(システムステートS4)と称される状態を含むものとする。すなわち、非稼働状態は、プロセッサ(CPU30)が動作していない状態である。なお、電源オン状態は、システムステートS0である。
【0015】
本実施形態におけるパーソナルコンピュータ10は、ユーザからの要求に基づいて、非稼働状態においてもオーディオプレーヤ25から出力されたアナログ音声信号に応じた音声をスピーカから出力できるように制御する。ユーザからの音声出力機能に対する要求は、例えば、ユーザからの指示に応じた音声出力機能の有効(Enable)/無効(Disable)の設定、ユーザの操作によって切り替えられるパーソナルコンピュータ10に備えられた各種センサやスイッチの状態検出などにより判別される。詳細については後述する。
【0016】
図1は、パーソナルコンピュータ10のディスプレイユニットを開いた状態における斜視図である。パーソナルコンピュータ10は、コンピュータ本体11と、ディスプレイユニット12とから構成されている。ディスプレイユニット12には、LCD(Liquid Crystal Display)17から構成される表示装置が組み込まれており、そのLCD17の表示画面はディスプレイユニット12のほぼ中央に位置されている。
【0017】
ディスプレイユニット12は、コンピュータ本体11に対して開放位置と閉塞位置との間を、ヒンジ機構21により回動自在に取り付けられている。ヒンジ機構21には、ディスプレイユニット12が開放位置(ディスプレイユニット12がコンピュータ本体11と密着されていない位置)にあることを検出するためのLCD開閉センサ55(図2参照)が収納されている。コンピュータ本体11は、バッテリが取り外し自在に装着可能な薄い箱形の筐体を有している。
【0018】
コンピュータ本体11の上面には、キーボード13、パワーオン/オフするためのパワーボタンスイッチ14、汎用ハードウェアボタン15、タッチパッド16、スピーカ18などが配置されている。
【0019】
スピーカ18は、コンピュータ本体11の上面に配置されているため、ディスプレイユニット12が閉塞位置にあると前面を塞がれてしまう。すなわち、スピーカ18から本来の音量/音質による音声を出力することができなくなる。LCD開閉センサ55は、スピーカ18からの音声が十分な音量/音質で外部に出力される程度にスピーカ18の前面が開放された状態、すなわちディスプレイユニット12が所定以上開かれた状態を開放位置にあるとして検出する。
【0020】
コンピュータ本体11の側面には、オーディオプレーヤ25から出力されたアナログ音声信号を入力するためのラインイン端子19(ジャック)、非稼働時に音声出力機能が有効な場合に音量調節するために使用されるボリュームつまみ20が設けられている。ラインイン端子19には、オーディオプレーヤ25のラインアウト端子と接続されたケーブル26を、プラグ27により接続することができる。
【0021】
次に、図2を参照して、本実施形態におけるパーソナルコンピュータ10のシステム構成について説明する。
【0022】
パーソナルコンピュータ10は、図2に示すように、CPU30、MCH31(ノースブリッジ)、メインメモリ32、表示コントローラ35、ICH40(サウスブリッジ)、ハードディスクドライブ(HDD)41、BIOS−ROM42、エンベデッドコントローラ/キーボードコントローラIC(EC/KBC)45、電源回路46等を備えている。
【0023】
CPU30は、パーソナルコンピュータ10の動作を制御するために設けられたプロセッサであり、HDD41からメインメモリ32にロードされる、オペレーティングシステム(OS)、各種ハードウェアを制御するドライバ、および各種アプリケーションプログラム等を実行する。さらに、CPU30は、BIOS−ROM42に格納されたシステムBIOS(Basic Input Output System)も実行する。システムBIOSはハードウェア制御のためのプログラムである。
【0024】
MCH31は、CPU30のローカルバスとICH40との間を接続するブリッジデバイスである。MCH31には、メインメモリ32をアクセス制御するメモリコントローラも内蔵されている。
【0025】
表示コントローラ35は、パーソナルコンピュータ10のディスプレイモニタとして使用されるLCD17を制御する。表示コントローラ35は、MCH31を介してCPU30から送信される描画要求に基づいてビデオメモリ(VRAM)にフレーム群を描画するための表示処理(グラフィクス演算処理)を実行する。
【0026】
ICH40は、HDD41および光ディスクドライブ(図示せず)を制御するためのIDE(Integrated Drive Electronics)コントローラやSerial ATAコントローラを内蔵している。
【0027】
エンベデッドコントローラ/キーボードコントローラIC(EC/KBC)45は、電力管理のためのエンベデッドコントローラと、キーボード(KB)13、タッチパッド15、及び汎用ハードウェアボタン18を制御するためのキーボードコントローラとが集積された1チップマイクロコンピュータである。
【0028】
EC/KBC45は、ユーザによるパワーボタンスイッチ14の操作に応じて電源回路46を制御し、パーソナルコンピュータ10をパワーオン/パワーオフする機能を有している。パーソナルコンピュータ10のパワーオン/パワーオフの制御は、EC/KBC45と電源回路46との共同動作によって実行される。また、EC/KBC45は、パーソナルコンピュータ10が非稼働状態(電源オフ状態)にある場合でも電源供給されるモジュールであり、パーソナルコンピュータ10が非稼働時に使用される音声出力機能(スリープ&ミュージック機能)を制御するためのコントローラとして使用される。
【0029】
EC/KBC45は、音声出力機能の制御のために、LCD開閉センサ55からのディスプレイユニット12が閉塞位置にあるか否かを示すオープン/クローズ信号C4、電源回路46からのバッテリ47の残量を示すバッテリレベル信号C6を受ける。オープン/クローズ信号C4は、例えば1ビットの信号で、例えば“1”ならばディスプレイユニット12が開放位置(「OPEN」)にあることを示し、“0”ならばディスプレイユニット12が閉塞位置(「CLOSE」)にあることを示す。EC/KBC45は、オープン/クローズ信号C4が“0”、すなわちディスプレイユニット12が閉塞位置にある場合には、音声出力機能を動作させないように制御する。
【0030】
また、EC/KBC45は、バッテリレベル信号C6が示すバッテリ47の残量とバッテリレベルL1,L2とに応じて音声出力機能を制御する。バッテリレベルL1,L2は、予めEC/KBC45が設定として保持しているものとする。
【0031】
バッテリレベルL2は、システムステートS3から復帰(再起動)することが可能なバッテリ47の残量を判断するためのレベルを示している。本実施形態では、システムステートS3(非稼働状態)において音声出力機能を用いるが、バッテリ残量がシステムステートS3から復帰することができるバッテリレベルL2を下回る前に音声出力機能を停止させる。EC/KBC45は、音声出力機能を機能させている時にバッテリ残量がバッテリレベルL2以下になると、スピーカアンプ54とアナログスイッチ53に対する電源供給を停止させる。なお、システムステートS3において音声出力機能を機能させていない場合に、そのままバッテリ残量が減っていくと、システムステートを管理するオペレーティングシステムの機能により自動的にシステムステートS4へ移行する。
【0032】
バッテリレベルL1は、過放電を起こさずに済むバッテリ残量を判断するためのバッテリレベルを示している。バッテリ47は、過放電した状態で時間が経過すると内部の化学物質が結晶化して充電を妨げて劣化してしまう。このため、バッテリ47の劣化を回避するために、一定以上のバッテリ残量が必要となる。EC/KBC45は、システムステートS4,S5のときに、バッテリ47のバッテリ残量がバッテリレベルL1以下になると、スピーカアンプ54とアナログスイッチ53に対する電源供給を停止させる。なお、通常、バッテリレベルL1とバッテリレベルL2の関係は、L1<L2の関係となる。
【0033】
なお、EC/KBC45の他に電源オフ状態において動作可能なコントローラが実装されていれば、このコントローラによって音声出力機能を制御するようにしても良い。
【0034】
電源回路46は、コンピュータ本体11に装着されたバッテリ47、またはACアダプタ48を介して接続された外部電源から電源供給を受けて、各コンポーネントへの動作電源を生成して供給する。電源回路46には、電源マイコンが設けられている。電源マイコンは、各コンポーネントとバッテリに対する電源供給(充放電)や、バッテリの充電状態を監視する。
【0035】
電源回路46は、パーソナルコンピュータ10のシステムステートに応じて、EC/KBC45の制御によって各モジュールへの電源供給を切り替える。電源回路46は、パーソナルコンピュータ10のシステムステートに応じたEC/KBC45の制御によって、S電源、B電源、A電源、P電源のそれぞれの電源系について供給をオン/オフすることができる。
【0036】
S電源は、システムが電源オフされた状態においても常に供給される電源であり、EC/KBC45に供給される。
【0037】
B電源は、スタンバイ状態においてメインメモリ32に記録されたデータをバックアップするために供給される電源である。
【0038】
A電源は、パーソナルコンピュータ10が非稼働状態にある時に音声出力機能を有効にするための電源であり、アナログ音声信号を処理するアナログスイッチ53及びスピーカアンプ54に供給される電源である。
【0039】
P電源は、パーソナルコンピュータ10が電源オン状態にある場合に供給される電源である。
【0040】
図3は、パーソナルコンピュータ10の各システムステート(S0,S3,S4,S5)において供給される電源を示す図である。
図3に示すように、パーソナルコンピュータ10が電源オン(S0)の状態(稼働状態)にある場合には、電源回路46は、S電源、B電源、P電源、A電源の全ての供給をオンする。
【0041】
また、パーソナルコンピュータ10がスタンバイ状態(S3)(あるいはスリープ/サスペンドの状態)にある場合には、S電源、B電源の供給をオンする。さらに、本実施形態のパーソナルコンピュータ10では、スタンバイ状態において音声出力機能を使用するため、ケーブル26(オーディオプレーヤ25)を接続するためのプラグ27がラインイン端子19に挿入され、かつバッテリ47の残量が予め設定されたバッテリレベルL2以上である場合には、さらにA電源の供給をオンして、音声出力機能で動作させるアナログスイッチ53及びスピーカアンプ54に対して電源供給する。
【0042】
また、パーソナルコンピュータ10が電源オフの状態(S5)、及びメインメモリ32へのバックアップが不要なハイバネーション(休止状態)(S4)の状態にある場合には、S電源の供給のみをオンする。さらに、本実施形態のパーソナルコンピュータ10では、電源オフ状態において音声出力機能を使用するため、ケーブル26(オーディオプレーヤ25)を接続するためのプラグ27がラインイン端子19に挿入され、かつバッテリ47の残量が予め設定されたバッテリレベルL1以上である場合には、さらにA電源の供給をオンして、音声出力機能で動作させるアナログスイッチ53及びスピーカアンプ54に対して電源供給する。
【0043】
EC/KBC45にはS電源が供給されるため、何れのシステムステートにおいても電源供給がオンされ、非稼働時における音声出力機能の制御が可能である。
【0044】
なお、ACアダプタ48が接続されている場合には、バッテリ47の消費よりもACアダプタ48からの電力供給が上回るため、バッテリ47の残量に関係無く音声出力機能を動作させることができる。このため、プラグ27がラインイン端子19に挿入されている場合には、何れのシステムステートにおいてもA電源を供給する。
【0045】
図4には、システムステート毎の各モジュールへの電源の供給の有無を示している。
システムステートS3では、非稼働状態に移行する直前の作業状態を揮発性の記憶領域であるメモリ上に記憶させ、メモリを除く他のモジュールへの電源供給を停止させる。この状態でメモリへの電源供給(B電源)まで停止してしまうと、メモリ上へ保存した直前までの作業データが全て消えてしまう。
【0046】
システムステートS4では、非稼働状態に移行する直前の作業状態をメモリではなく不揮発性の記憶領域であるHDD41へ記憶させてから、各モジュールへの電源供給をオフする。次に、電源を入れた時は、HDD41に記憶させたデータをもとに、ユーザが直前まで作業していた状態に戻すために、プログラムを起動する手間などを省ける。
【0047】
システムステートS5では、全ての作業を終了して、各モジュールに対して完全に電源の供給をオフする。
【0048】
なお、システムステートS3で、非稼動状態に移行する直前の作業状態を揮発性の記憶領域であるメモリ上に記憶させると同時に、不揮発性の記憶領域であるHDD41へも記憶させてから、メモリを除く他のモジュールへの電源供給を停止させるようにしても良い。そして、ユーザが直前まで作業していた状態に戻す際は、基本的にはメモリからデータ復帰を行い、メモリに保持していたデータが消えてしまった場合にはHDD41からデータ復帰を行うようにしても良い。
【0049】
本実施形態におけるパーソナルコンピュータ10では、システムステートS3において音声出力機能を動作させる場合、システムステートS3から再起動できるだけのバッテリ残量を確保するために、バッテリ残量がバッテリレベルL2を下回ると音声出力機能を停止させる。
【0050】
サウンドコントローラ50(オーディオコーデック)は、ICH40を通じて入力されるデジタルオーディオデータをアナログ音声信号に変換すると共に、OSやデバイスドライバ、音声再生プログラム等の制御による音量あるいは音質(音響効果)等の調整をしてアナログスイッチ53に出力する。また、サウンドコントローラ50は、パーソナルコンピュータ10が稼働時にある場合には、同様にして、ラインイン端子19を介して入力されたオーディオプレーヤ25からのアナログ音声信号の音量調整をしてアナログスイッチ53に出力する。
【0051】
アナログスイッチ53は、EC/KBC45からのセレクト信号C2に応じて、サウンドコントローラ50側あるいはラインイン端子19側の何れかの経路に切り替える。アナログスイッチ53は、EC/KBC45の制御により、パーソナルコンピュータ10が稼働時には、サウンドコントローラ50側に切り替えられ、非稼働時に音声出力機能が有効である場合に、サウンドコントローラ50をバイパスするラインイン端子19側に切り替えられる。
【0052】
スピーカアンプ54は、アナログスイッチ53を介して入力されるアナログ音声信号を増幅し、スピーカ18から音声信号に応じた音声を出力させる。スピーカアンプ54は、EC/KBC45からのミュート信号C3に応じて、音声のミュート/ミュート解除を切り替えることができる。
【0053】
なお、ラインイン端子19には、スイッチ52(あるいはセンサ)が内蔵されている。スイッチ52は、ラインイン端子19にケーブル26を接続するためのプラグ27の挿入によってオン/オフが切り替えられ、オン/オフの状態に応じたステータス信号C1をEC/KBC45に出力する。
【0054】
次に、本実施形態におけるパーソナルコンピュータ10の動作について説明する。
図5は、本実施形態における音声出力モード選択処理を示すフローチャートである。音声出力モード選択処理は、パーソナルコンピュータ10が非稼働時に、音声出力機能による音声出力を許可するか、あるいは禁止にするかを、ユーザからの指示に応じて選択するための処理である。
【0055】
本実施形態における音声出力モード選択処理は、例えばBIOSセットアップ、あるいはハードウェアセットアップの処理内で実行できる。例えば、BIOSセットアップは、電源オン時に所定のキー操作をすることにより起動させて、実行することができる。また、ハードウェアセットアップは、ハードウェアセットアップ用のユーティリティプログラム(あるいはアプリケーションプログラム)を起動させて、実行することができる。本実施形態では、何れによって音声出力モード選択処理を実行しても良い。
【0056】
音声出力モード選択処理の実行が指示されると、CPU30は、音声出力モード選択画面をLCD17において表示させる(ステップA1)。
【0057】
図6には、音声出力モード選択画面の一例を示している。音声出力モード選択画面では、音声出力モードを「許可」(Enable)あるいは「禁止」(Disable)の何れかに指定することができる。
【0058】
CPU30は、例えばユーザによるキーボード13の操作によって「許可」あるいは「禁止」の何れかを選択する指示が入力され(ステップA2)、確定が指示されると(ステップA3、Yes)、音声出力モードを示すデータ、すなわち「許可」あるいは「禁止」を示すデータを不揮発性メモリに記録する(ステップA4)。不揮発性メモリに記録される音声出力モードを示すデータは、BIOSセットアップあるいはハードウェアセットアップの何れによって実行された場合も共通して交信されるものとする。
【0059】
なお、音声出力モードを示すデータを記録する不揮発性メモリとして、例えばBIOS−ROM42とする他、後述する電源オフ処理において読み取ることができれば他の記憶媒体とすることもできる。
【0060】
図7は、本実施形態における電源オフ処理を示すフローチャートである。
CPU30は、ユーザからの指示、あるいはプログラムからの要求に応じて、電源オフが要求された場合に電源オフ処理を開始する。なお、ここでの電源オフは、パーソナルコンピュータ10を非稼働状態にすることを示すもので、完全に電源オフ(S0)する場合だけでなく、スタンバイ/スリープ/サスペンド(S3)、ハイバネーション(休止状態)(S4)と称される状態にする場合も含むものとする。
【0061】
CPU30は、音声出力モード選択処理によって音声出力モードを示すデータを不揮発性メモリ(例えばBIOS−ROM42)から読み取る(ステップB1)。
【0062】
音声出力モードを示すデータが音声出力の「禁止」を示す場合(ステップB2、No)、CPU30は、EC/KBC45に対して、非稼動時の音声出力を禁止に設定する(ステップB4)。すなわち、EC/KBC45の所定のフラグレジスタに音声出力モード「禁止」(Disable)を示すデータをコピーする。
【0063】
一方、音声出力モードを示すデータが音声出力の「許可」を示す場合(ステップB2、Yes)、CPU30は、EC/KBC45に対して、非稼動時の音声出力を許可に設定する(ステップB3)。すなわち、EC/KBC45の所定のフラグレジスタに音声出力モード「許可」(Enable)を示すデータをコピーする。
その後、パーソナルコンピュータ10を電源オフ(非稼働状態)する(ステップB5)。
【0064】
次に、本実施形態におけるパーソナルコンピュータ10の非稼働状態における状態遷移について、図8及び図9を参照しながら説明する。
図8は、ACアダプタ48の接続の有無に応じて遷移する状態を示す状態遷移図である。
【0065】
EC/KBC45は、非稼働状態の移行時に音声出力モード(音声出力機能)が「許可」(Enable)に設定され、かつACアダプタ48が接続されて外部から電源供給されている場合には、バッテリ47の残量に関係無く、音声出力機能を動作させる(状態M0)。すなわち、EC/KBC45は、電源回路46に対して、スピーカアンプ54とアナログスイッチ53に対する電源供給(A電源)をオンさせる。ACアダプタ48が接続された状態M0では、システムステートS3,S4,S5の何れの場合においても、ラインイン端子19にプラグ27が接続されていれば、音声出力機能による音声の出力が可能である。
【0066】
ACアダプタ48が外されて、バッテリ47から電源供給する状態となった場合には(M01)、状態M1に移行する。ACアダプタ48が外され、ラインイン端子19にプラグ27が接続された状態M1からは、更に図9に示すように状態が遷移する。
【0067】
状態M1においてACアダプタ48が接続された場合には(M10)、状態M0に移行する。
【0068】
図9は、システムステート、バッテリ残量、及びラインイン端子19へのプラグ27の挿入有無に応じて遷移する状態を示す状態遷移図である。
スピーカアンプ54への電源供給がオフの状態(状態N0)とは、音声出力モード(音声出力機能)が「禁止」(Disable)に設定されている場合の他に、ラインイン端子19にプラグ27が挿入されていない場合、またはバッテリ47の残量が不足している場合の3種類がある。バッテリ47の残量が不足している場合としては、第1に、音声出力モード(音声出力機能)が「許可」(Enable)に設定され、かつシステムステートS4,S5において、バッテリ47の残量がバッテリレベルL1より低い状態と、第2に、音声出力モード(音声出力機能)が「許可」(Enable)に設定され、かつシステムステートS3において、バッテリ47の残量がバッテリレベルL2より低い状態がある。
【0069】
すなわち、システムステートS4,S5において音声出力機能を利用することにより、バッテリ47の残量がバッテリレベルL1より低くなると、バッテリ47の劣化を防ぐために、スピーカアンプ54への電源供給(A電源)をオフして、音声出力機能を停止させる。また、システムステートS3において音声出力機能を利用することにより、バッテリ47の残量がバッテリレベルL2より低くなると、システムステートS3からの再起動が可能なバッテリ残量を確保するために、スピーカアンプ54への電源供給(A電源)をオフして、音声出力機能を停止させる。
【0070】
次に、スピーカアンプ54への電源供給がオンでシステムステートS3の状態(状態N3)とは、音声出力モードが許可(Enable)に設定され、システムステートがS3であり、ラインイン端子19にプラグ27が挿入されており、かつバッテリ残量がバッテリレベルL2以上での状態である。
【0071】
EC/KBC45は、音声出力モードが許可(Enable)に設定されており、システムステートS3の状態でバッテリ残量がバッテリレベルL2以上である状態において、ラインイン端子19にプラグ27が挿入されていなければスピーカアンプ54への電源供給をオフさせている(状態N0)。ここで、EC/KBC45は、ラインイン端子19にプラグ27が挿入されたことをステータス信号C1により検知すると(N03)、スピーカアンプ54への電源供給をオンする(状態N3に移行する)。
【0072】
また、EC/KBC45は、状態N3において、ラインイン端子19からプラグ27が抜かれたことをステータス信号C1により検知すると(N30)、スピーカアンプ54への電源供給をオフする(状態N0に移行する)。
【0073】
次に、スピーカアンプ54への電源供給がオンでシステムステートS4の状態(状態N4)とは、音声出力モードが許可(Enable)に設定され、システムステートがS4であり、ラインイン端子19にプラグ27が挿入されており、かつバッテリ残量がバッテリレベルL1以上の状態である。
【0074】
EC/KBC45は、音声出力モードが許可(Enable)に設定されており、システムステートS4の状態でバッテリ残量がバッテリレベルL1以上である状態において、ラインイン端子19にプラグ27が挿入されていなければ、スピーカアンプ54への電源供給をオフさせている(状態N0)。ここで、EC/KBC45は、ラインイン端子19にプラグ27が挿入されたことをステータス信号C1により検知すると(N04)、スピーカアンプ54への電源供給をオンする(状態N4に移行する)。
【0075】
また、EC/KBC45は、状態N4において、ラインイン端子19からプラグ27が抜かれたことをステータス信号C1により検知すると(N40)、スピーカアンプ54への電源供給をオフする(状態N0に移行する)。あるいは、EC/KBC45は、状態N4において、バッテリ47の残量がバッテリレベルよりL1より少ないことがバッテリレベル信号C6により検知すると(N40)、スピーカアンプ54への電源供給をオフする(状態N0に移行する)。
【0076】
次に、スピーカアンプ54への電源供給がオンでシステムステートS5の状態(状態N5)とは、音声出力モードが許可(Enable)に設定され、システムステートがS5であり、ラインイン端子19にプラグ27が挿入されており、かつバッテリ残量がバッテリレベルL1以上の状態である。
【0077】
EC/KBC45は、音声出力モードが許可(Enable)に設定されており、システムステートS5の状態でバッテリ残量がバッテリレベルL1以上である状態において、ラインイン端子19にプラグ27が挿入されていなければ、スピーカアンプ54への電源供給をオフさせている(状態N0)。ここで、EC/KBC45は、ラインイン端子19にプラグ27が挿入されたことをステータス信号C1により検知すると(N05)、スピーカアンプ54への電源供給をオンする(状態N5に移行する)。
【0078】
また、EC/KBC45は、状態N5において、ラインイン端子19からプラグ27が抜かれたことをステータス信号C1により検知すると(N50)、スピーカアンプ54への電源供給をオフする(状態N0に移行する)。あるいは、EC/KBC45は、状態54において、バッテリ47の残量がバッテリレベルよりL1より少ないことがバッテリレベル信号C6により検知すると(N50)、スピーカアンプ54への電源供給をオフする(状態N0に移行する)。
【0079】
このようにして、本実施形態におけるパーソナルコンピュータ10では、音声出力モードが許可(Enable)に設定されている場合に、システムステート、ACアダプタ48の接続の有無、プラグ27の挿入の有無をEC/KBC45により判別し、この判別結果に応じて電源回路46からのスピーカアンプ54に対する電源供給(A電源)のオン/オフを切り替えて、音声出力機能を制御することができる。さらに、本実施形態では、システムステートに応じたバッテリレベルL1,L2が予め設定されており、バッテリ47の残量に応じた音声出力機能を制御することができる。従って、システムステートS3において音声出力機能を利用している場合に、バッテリ47の残量がバッテリレベルL2より少なくなると、システムステートS3からの復帰が可能なバッテリ残量を確保するように音声出力機能を停止させることができる。また、システムステートS4,S5において音声出力機能を利用している場合に、バッテリ47の残量がバッテリレベルL1より少なくなると、バッテリ47が劣化しない程度のバッテリ残量を残して音声出力機能を停止させることができる。
【0080】
次に、非稼働状態におけるEC/KBC45のスピーカアンプ54への電源供給(A電源)のオン/オフ制御の詳細について、図10のフローチャートを参照しながら説明する。
EC/KBC45は、電源モード(A電源)をオンする場合(ステップE1、Yes)、ミュート信号C3によりスピーカアンプ54をミュート状態にしておく(ステップE2)。すなわち、スピーカアンプ54への電源投入時やアナログスイッチ53の切り替え時にノイズが発生するため、スピーカアンプ54によりスピーカ18から音が出力されないようにしておく。
【0081】
スピーカアンプ54をミュート状態にした後、EC/KBC45は、電源回路46に対してA電源の供給をオンさせる(ステップE3)。すなわち、パーソナルコンピュータ10を非稼働状態にしたままで、音声出力機能に関係するスピーカアンプ54とアナログスイッチ53に対してのみA電源を供給する。
【0082】
サウンドコントローラ50は、プログラムによって制御されるため、システムステートS3,S4,S5では動作しない。このため、EC/KBC45は、セレクト信号C2によりアナログスイッチ53を制御して、ラインイン端子19から入力されたアナログ音声信号がサウンドコントローラ50をバイパスしてスピーカアンプ54へ伝わるように経路を切り替える(ステップE4)。
【0083】
EC/KBC45は、アナログスイッチ53の切り替えが終わった後に、ミュート信号C3により、スピーカアンプ54のミュート状態を解除する(ステップE5)。
【0084】
音声出力機能が有効(電源モードオン)にされると、ラインイン端子19に接続されたオーディオプレーヤ25において例えば音楽が再生されると、この音楽のアナログ音声信号がラインイン端子19を通じてスピーカアンプ54に入力される。スピーカアンプ54は、電源回路46によりA電源が供給されているため、アナログ音声信号を増幅して、スピーカ18から音楽が出力させることができる。この時、パーソナルコンピュータ10は、音声出力機能に関係しないモジュールに対しては電源供給されていない。このため、パーソナルコンピュータ10の消費電力は、電源オン状態にある場合よりも大幅に少なくすることができる。
【0085】
EC/KBC45は、電源モード(A電源)をオフする場合(ステップE6、Yes)、ミュート信号C3によりスピーカアンプ54をミュート状態にしておく(ステップE7)。
【0086】
スピーカアンプ54をミュート状態にした後、EC/KBC45は、セレクト信号C2によりアナログスイッチ53を制御して、サウンドコントローラ50側に切り替えて、ラインイン端子19から入力されたアナログ音声信号がサウンドコントローラ50を介してスピーカアンプ54へ伝わるように経路を切り替える(ステップE8)。
【0087】
その後、EC/KBC45は、電源回路46に対してA電源の供給をオフさせて(ステップE9)、電源モードをオフ状態へ移行させる。
【0088】
すなわち、電源オフ(S5)あるいはハイバネーション(S4)の場合にはS電源のみを供給をオンし、スタンバイモード(S3)の場合にはB電源とS電源の供給をオンさせる。すなわち、アナログスイッチ53とスピーカアンプ54に対するA電源の供給をオフする。
【0089】
EC/KBC45は、電源供給の切り替えが完了した後、ミュート信号C3により、スピーカアンプ54のミュート状態を解除する(ステップE10)。
【0090】
こうして、本実施形態におけるパーソナルコンピュータ10では、電源オフやスタンバイモード等の非稼働状態(システムステートS3,S4,S5)において、音声出力機能がオン/オフされる場合には、スピーカアンプ54に対する電源供給(A電源)のオン/オフ、及びアナログスイッチ53の切り替えが制御される。
【0091】
なお、前述した説明では、予めバッテリレベルL1、L2がEC/KBC45に設定されているものとしているが、ユーザからの指示により、バッテリレベルL1、L2を変更できるようにしても良い。通常、同じ種類のバッテリでも個体差があるため、異なるバッテリ47を使用する際に、例えばバッテリレベルL1を同じ「バッテリ残量5%」として設定したとしても、バッテリレベルL1に到達するまでの時間が異なる可能性があるからである。また、同一のバッテリ47であっても購入したばかりの時と数年使用した後では、バッテリ47の性能が変化しているため、同様にしてバッテリレベルL1,L2に到達するまでの時間が異なる。従って、例えばバッテリ47の性能が良い状態の場合は、バッテリレベルL1をデフォルトの「バッテリ残量5%」よりもさらに低い「バッテリ残量3%」に設定することで、バッテリ47を劣化させない程度でより長い時間で音声出力機能を利用することができる。こうして、ユーザからの指示により、バッテリレベルL1、L2を変更できるようにすることで、音声出力機能を利用するユーザのニーズにきめ細やかに対応できるようになる。
【0092】
また、バッテリレベルL1,L2をユーザによって設定できるようにするだけでなく、バッテリレベルL1,L2をもとに判別されたバッテリ47の状態に応じた制御内容を設定できるようにしてもよい。
【0093】
前述したユーザによるバッテリレベルや制御内容の設定については、例えば音声出力モード選択処理と同様にして、BIOSセットアップ、あるいはハードウェアセットアップの処理内で実行できるようにする。
【0094】
また、非稼働時に音声出力機能によって音声を出力されている間に、バッテリ47の残量をユーザに通知できる出力モジュールを設けても良い。例えば、出力モジュールとしてLED(Light Emitting Diode)60を実装する。EC/KBC45は、電源回路46からのバッテリレベル信号C6が示すバッテリ47の残量に応じて、LEDの色や点滅速度を変化させる。EC/KBC45は、パーソナルコンピュータ10が非稼働状態にあっても動作可能である。このため、パーソナルコンピュータ10が起動(電源オン)されなくても、音声出力機能を利用可能なおおよその時間をユーザに通知することができる。なお、LED以外の出力モジュールを実装することも可能である。
【0095】
また、前述した説明では、ラインイン端子19(ジャック)にプラグ27が挿入されたことをスイッチ52により検出しているが、ラインイン端子19から入力された音声信号C7の音量レベルをもとにして検出するようにしても良い。すなわち、オーディオプレーヤ25において音楽等が再生されて、スピーカ18から出力すべき音声(音楽)が存在することを検出して、前述したプラグ27の挿入を検出する場合と同様の制御を行う。これにより、単にプラグ27がラインイン端子19に挿入されただけで、スピーカ18から出力すべき音声がない場合に、スピーカアンプ54とアナログスイッチ53に対して不要な電源供給(A電源)がされなくなるので、省電力化を図ることができる。
【0096】
また、前述した説明では、ラインイン端子19を音声信号入力用として説明しているが、マイク接続用と兼用しても良い。この場合、サウンドコントローラ50を介してマイク用の電源をラインイン端子19に供給するものとする。サウンドコントローラ50に対しては、電源オフまたはスタンバイモードにおいてはP電源の供給がオフされるため、ラインイン端子19に対してマイク用の電源は供給されない。
【0097】
また、ラインイン端子19に内蔵されたスイッチ52に代えて、独立したスイッチを設けて、ユーザの手動動作によってオン/オフを切り替えられるようにしても良い。このスイッチのオン/オフに応じたステータス信号S1がEC/KBC45に入力される。ユーザは、オーディオプレーヤ25をパーソナルコンピュータ10に接続して使用する場合に、このスイッチをオンに切り替えることで、音声出力機能を有効にすることを要求できる。
【0098】
また、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0099】
10…パーソナルコンピュータ、11…コンピュータ本体、17…LCD、18…スピーカ、19…ラインイン端子、30…CPU、32…メインメモリ、42…BIOS−ROM、45…EC/KBC、46…電源回路、52…スイッチ、53…アナログスイッチ、54…スピーカアンプ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スピーカを有する電子機器において、
外部機器からの音声信号を入力する端子と、
前記端子から入力された音声信号を増幅して前記スピーカから音声を出力させるアンプと、
電力を蓄積するバッテリと、
前記バッテリから前記アンプに対して電源供給するための電源回路と、
前記電子機器が非稼働状態にある時に、前記バッテリの残量と予め設定されたバッテリレベルとに基づいて、前記電源回路による前記アンプに対する電源供給を制御する制御手段と
を具備したことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記電子機器には第1の非稼働状態と第2の非稼働状態とがあり、
前記制御手段は、前記第1の非稼働状態である場合には、前記バッテリの残量と第1のバッテリレベルとに基づいて電源供給を制御し、前記第2の非稼働状態である場合には、前記バッテリの残量と前記第1のバッテリレベルとは異なる第2のバッテリレベルとに基づいて電源供給を制御することを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記電子機器の非稼働時に前記スピーカからの音声出力を許可あるいは禁止の何れにするかを示すデータを設定する設定手段とをさらに具備し、
前記制御手段は、前記バッテリの残量、前記バッテリレベル、及び前記データに基づいて、電源供給を制御することを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項4】
前記バッテリレベルを設定するバッテリレベル設定手段をさらに具備したことを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項5】
前記制御手段は、前記バッテリの残量を通知する出力モジュールを有することを特徴とする請求項1記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−159043(P2011−159043A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−19222(P2010−19222)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】