説明

電子機器、電子機器を制御するための方法、電子機器を制御するためのプログラム

【課題】一つのカメラを用いて三次元画像として視認される画像を表示する画像データを容易に取得できる電子機器を提供する。
【解決手段】電子機器の一態様である携帯電話が有するモニタ28は、2枚目の画像を得るための撮影が行なわれる前に、線510と線610とを表示する。線510は、1回目の撮影指示に基づいて撮影が行なわれた時の携帯電話の傾きを示す線を表わす。線610は、2回目の撮影が行なわれるまで取得される地面に平行な線を表わし、リアルタイムでモニタ28に表示される。携帯電話の使用者は、線510と線610とが一致するように携帯電話の傾きを変えることにより、一致した場合に2回目の撮影を行なうと、三次元画像として視認されるために用いられる2つの画像として、同じ傾きの画像が取得される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、撮影機能を有する電子機器に関し、より特定的には、三次元画像として視認される画像を表示するデータを取得可能な電子機器の制御に関する。
【背景技術】
【0002】
単眼カメラのような一つのカメラを用いて被写体の3次元情報を提供する場合、まず2つの異なる位置から少なくとも一つの被写体の写真を撮影する。カメラに連結される運動測定装置は、ある地点から他の地点へ移動した際のカメラの直線位置の変化及び角度方向の変化を測定し、測定して得られた情報から、被写体の3次元情報を導き出す。また、ある実施形態においては、写真の画像から被写体の3次元情報を導き出す。このような技術は、たとえば、特許文献1(特開2011−027718号公報)に開示されている。
【0003】
非特許文献1は、2枚の撮影画像の角度を合わせるために、XYZ軸の合計3軸のうちZ軸の角度を撮影時のファインダ上に表示する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−027718号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】「3DSteroid」,URL: http://market.android.com/details?id=jp.suto.stereoroidsh
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
単眼カメラで立体画像を生成する手法として、左目用画像と右目用画像を別々に2枚撮影して合成する方法がある。この2枚の画像は、被写体との距離を合わせた状態でカメラを水平方向に平行移動させて撮影されたものであることが望ましい。具体的には、1枚目の画像を得るための撮影後にカメラを平行移動させて2枚目の画像を得るための撮影を行なうことになるが、カメラを動かす距離は水平方向に数センチである。そのため、2枚の画像において被写体との距離の誤差はほとんど考慮する必要はない。しかし、手ぶれによってカメラの回転角度が変わってしまう点については考慮しなければならない。
【0007】
カメラの角度調整においては、カメラレンズに対してXYZ軸の合計3軸を基準にした角度を考慮する必要がある。ここで、X軸方向は、カメラの移動方向を表わし、実質的に水平方向に相当する。Y軸方向は、X軸方向に垂直な方向であって実質的に垂直方向に相当する。Z軸方向は、カメラから被写体に向かう方向を表わす。
【0008】
カメラのレンズに対して水平方向に数センチ移動させる場合、XY軸に関しては、ほとんど角度がずれない。従って、Z軸に対しての角度調整が重要となる。
【0009】
特開2011−027718号公報では、運動測定装置を用いて、2枚の画像撮影後に2枚の写真が平行となるように角度調整が行われ、三次元で視認される画像を提供するという手法が提案されている。しかしながら、この手法によると、画像撮影時に2枚の写真が水平方向に対して平行であるか否か不明なため、2枚の画像を合成して三次元表示用の画像を取得したとき、三次元画像として適切に視認されない場合がある。
【0010】
また、3DSteroidによると、撮影時点で2枚の画像の角度を合わせるために、XYZ軸の合計3軸のうちZ軸の角度が、撮影時にファインダ上に表示される。しかしながら、2枚目の撮影時にも現在の角度が表示されるだけであるため、1枚目の画像が水平でなかった場合には2枚目の撮影時に1枚目の画像と角度を合わせることが難しい。そのため、三次元画像として適切に表示されない場合がある。
【0011】
したがって、一つの撮影装置を有する電子機器を用いて、三次元画像として視認される画像を容易に取得できることが必要とされている。
【0012】
本発明は、上述のような問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、一つの撮影装置を有する電子機器を用いて三次元画像として視認可能な画像を表示するデータを取得できる電子機器を提供することである。他の局面における目的は、一つの撮影装置を有する電子機器を用いて三次元画像として視認可能な画像を表示するデータを取得できる電子機器を制御するための方法を提供することである。他の局面における目的は、一つの撮影装置を有する電子機器を用いて三次元画像として視認可能な画像を表示するデータを取得できる電子機器を制御するためのプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
一実施の形態に従うと、三次元画像として視認される画像を表示する画像データを取得するための電子機器が提供される。この電子機器は、画像を取得するための撮像手段と、電子機器の姿勢を検出するためのセンサと、画像を表示するためのモニタと、メモリと、電子機器の動作を制御するための制御手段とを備える。第1の撮影指示が電子機器に与えられた後に、モニタは、制御手段による制御に従って、センサの出力に基づいた角度を示す第1の線を表示する。第1の撮影の後に第2の撮影指示が電子機器に与えられる前に、モニタは、制御手段による制御に従って、第1の線に加えて、センサの出力に基づいて、地面に対して平行な第2の線を表示する。
【0014】
好ましくは、第1の線の表示態様と、第2の線の表示態様とは異なる。
好ましくは、第2の線が第1の線に重なると、モニタは、第1の線の表示態様または第2の線の表示態様とは異なる態様で、重なった線を表示する。
【0015】
好ましくは、第2の線が第1の線に重なると、モニタの表示領域は、第2の線が第1の線に重なる前の表示領域の輝度よりも明るくなる。
【0016】
好ましくは、第1の線と第2の線とが重なると、制御手段は、第2の撮影指示を受け付けるように構成されている。
【0017】
他の実施の形態に従うと、三次元画像として視認される画像を表示する画像データを取得可能な電子機器を制御するための方法が提供される。電子機器は、画像を取得するためのカメラと、電子機器の姿勢を検出するためのセンサと、画像を表示するためのモニタと、メモリと、電子機器の動作を制御するためのプロセッサとを備えている。この方法は、第1の撮影指示が電子機器に与えられた後に、モニタが、プロセッサによる制御に従って、センサの出力に基づいた角度を示す第1の線をモニタに表示するステップと、第1の撮影の後に第2の撮影指示が電子機器に与えられる前に、モニタが、プロセッサによる制御に従って、第1の線に加えて、センサの出力に基づいて、地面に対して平行な第2の線をモニタに表示するステップとを含む。
【0018】
他の実施の形態に従うと、三次元画像として視認される画像を表示する画像データを取得可能な電子機器を制御するためのプログラムが提供される。電子機器は、画像を取得するためのカメラと、電子機器の姿勢を検出するためのセンサと、画像を表示するためのモニタと、メモリと、電子機器の動作を制御するためのプロセッサとを備えている。プログラムは、プロセッサに、第1の撮影指示が電子機器に与えられた後に、センサの出力に基づいた角度を示す第1の線をモニタに表示するステップと、第1の撮影の後に第2の撮影指示が電子機器に与えられる前に、第1の線に加えて、センサの出力に基づいて、地面に対して平行な第2の線をモニタに表示するステップとを実行させる。
【0019】
好ましくは、第1の線の表示態様と第2の線の表示態様とは異なる。
好ましくは、プログラムは、さらに、プロセッサに、第2の線が第1の線に重なると、第1の線の表示態様または第2の線の表示態様とは異なる態様で、重なった線をモニタに表示するステップを実行させる。
【0020】
好ましくは、第2の線が第1の線に重なると、モニタの表示領域は、第2の線が第1の線に重なる前の表示領域の輝度よりも明るくなる。
【0021】
好ましくは、第1の線と第2の線とが重なると、プログラムは、プロセッサに、第2の撮影指示を受け付けるステップを実行させる。
【発明の効果】
【0022】
ある局面において、三次元画像として視認可能な画像を表示するデータを容易に取得することができる。
【0023】
この発明の上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解されるこの発明に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】情報機器の一態様である携帯電話100の外観を表わす図である。
【図2】携帯電話100のハードウェア構成を表わすブロック図である。
【図3】携帯電話100とX軸、Y軸、およびZ軸における傾きの定義を表わす図である。
【図4】携帯電話100のCPU10が実行する一連の処理の一部を表わすフローチャートである。
【図5】図4における第1の線として線510がモニタ28に表示されている状態を表わす図である。
【図6】2枚目の画像を撮影する際に第2の線としての線610が表示される態様を表わす図である。
【図7】コンピュータシステム700のハードウェア構成を表わすブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0026】
図1を参照して、本実施の形態に係る情報機器の外観について説明する。図1は、情報機器の一態様である携帯電話100の外観を表わす図である。携帯電話100は、レンズ110と、シャッタスイッチ120とを備える。なお、図1に示される例では、レンズ110のみを備える情報機器が示されているが、他の局面において、複数のレンズを備えることにより三次元の画像を取得可能な情報機器として構成されてもよい。
【0027】
<ハードウェア構成>
図2を参照して、本実施の形態に係る電子機器の一態様である携帯電話100のハードウェア構成について説明する。図2は、携帯電話100のハードウェア構成を表わすブロック図である。以下の説明では、携帯電話100が例示されるが、本実施の形態に係る技術思想の適用は、携帯電話100に限られない。たとえば、他の局面において、電子機器は、たとえば、スマートフォン、デジタルカメラ、ラップトップ型PC(Personal Computer)、タブレット型PC、電子書籍、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯型ゲーム機その他の端末装置であって、三次元表示可能な端末装置として実現される。
【0028】
携帯電話100は、通信装置13と、チューナ12と、アンテナ14,15と、CPU(Central Processing Unit)10と、音声信号処理回路11と、測位処理部25と、測位信号受信フロントエンド部24と、GPS(Global Positioning System)アンテナ23と、カメラ17と、スピーカ27と、フラッシュメモリ18と、RAM(Random Access Memory)19と、ROM(Read Only Memory)20と、モニタ28と、バックライト29と、マイク26と、LED(Light Emitting Diode)30と、メモリカード駆動装置21と、データ通信I/F(Interface)31と、バイブレータ32と、加速度センサ40とを備える。メモリカード駆動装置21には、メモリカード22が装着され得る。
【0029】
アンテナ14は、ワンセグ放送その他のテレビジョン放送信号を受信する。チューナ12は、CPU10の命令に従って番組を選局し、映像信号および音声信号をCPU10に伝送する。他の局面において、アンテナ14は、ラジオ放送を受信してもよい。アンテナ15によって受信された信号は、通信装置13によってフロントエンド処理が行なわれた後、処理後の信号は、CPU10に送られる。
【0030】
加速度センサ40は、携帯電話100の姿勢を検出する。より特定的に、加速度センサ40は、携帯電話100の水平方向に対する傾き(角度)を検出する。検出結果は、CPU10に入力される。
【0031】
CPU10は、携帯電話100に対して与えられる命令に基づいて携帯電話100の動作を制御するための処理を実行する。CPU10は、通信装置13から送られた信号に基づいて予め規定された処理を実行し、処理後の信号を音声信号処理回路11に送出する。音声信号処理回路11は、その信号に対して予め規定された信号処理を実行し、処理後の信号をスピーカ27に送出する。スピーカ27は、その信号に基づいて音声を出力する。
【0032】
マイク26は、携帯電話100に対する発話を受け付けて、発話された音声に対応する信号を音声信号処理回路11に対して送出する。音声信号処理回路11は、その信号に基づいて通話のために予め規定された処理を実行し、処理後の信号をCPU10に対して送出する。CPU10は、その信号を送信用のデータに変換し、変換後のデータを通信装置13に対して送出する。通信装置13は、そのデータを用いて送信用の信号を生成し、アンテナ15に向けてその信号を送出する。
【0033】
フラッシュメモリ18は、CPU10から送られるデータを格納する。また、CPU10は、フラッシュメモリ18に格納されているデータを読み出し、そのデータを用いて予め規定された処理を実行する。
【0034】
RAM19は、ボタン16に対して行なわれた操作に基づいてCPU10によって生成されるデータを一時的に保持する。ROM20は、携帯電話100に予め定められた動作を実行させるためのプログラムあるいはデータを格納している。CPU10は、ROM20から当該プログラムまたはデータを読み出し、携帯電話100の動作を制御する。
【0035】
メモリカード駆動装置21は、メモリカード22に格納されているデータを読み出し、CPU10に送出する。逆にメモリカード駆動装置21は、CPU10によって出力されるデータを、メモリカード22の空き領域に書き込む。
【0036】
音声信号処理回路11は、上述のような通話のための信号処理を実行する。なお、図1に示される例では、CPU10と音声信号処理回路11とが別個の構成として示されているが、他の局面において、CPU10と音声信号処理回路11とが一体として構成されていてもよい。
【0037】
モニタ28は、CPU10から取得されるデータに基づいて、当該データによって規定される画像を表示する。モニタ28は、ある局面において、液晶モニタとして構成される。たとえば、フラッシュメモリ18が格納している静止画像、動画像、文書、音楽ファイルの属性(当該ファイルの名前、演奏者、演奏時間など)を表示する。
【0038】
他の局面において、携帯電話100がカメラとして機能している時、モニタ28は、ファインダとして機能し、レンズ110を通して撮像された画像を表示する。
【0039】
ある局面において、モニタ28は、二次元の画像と三次元の画像とを表示することができる。三次元の画像の表示は、たとえば、視差バリアを形成することによって実現されるが、三次元の表示のために他の方式が用いられてもよい。また、他の局面において、モニタ28は、タッチパネル式のディスプレイであってもよい。この場合、タッチパネルの機構は特に限られない。なお、画像を表示するための手段の態様は、モニタ28に限られず、たとえば、有機EL(Electro Luminescence)パネルを用いたモニタであってもよい。
【0040】
バックライト29は、発光することにより、モニタ28に対して光を供給する。ある局面において、バックライト29は、CPU10からの制御信号に基づいて光量を増加させ、または減少させることができる。
【0041】
LED30は、CPU10からの信号に基づいて、予め定められた発光動作を実現する。たとえば、LED30が複数の色を表示可能な場合には、LED30は、CPU10から出力される信号に含まれるデータに関連付けられている色で発光する。発光の態様(間隔、発光する色の数、点滅パターンなど)は特に限られない。
【0042】
データ通信I/F31は、データ通信用のケーブルの装着を受け付ける。データ通信I/F31は、CPU10から出力される信号を当該ケーブルに対して送出する。あるいは、データ通信I/F31は、当該ケーブルを介して受信されるデータを、CPU10に対して送出する。
【0043】
バイブレータ32は、CPU10から出力される命令に基づいて、フラッシュメモリ18において設定されている周波数で発振する。
【0044】
GPSアンテナ23は、GPS衛星から発信される信号を受信し、受信した信号を測位信号受信フロントエンド部24に送出する。測位信号受信フロントエンド部24は、少なくとも3つ(望ましくは4つ以上)のGSP衛星から受信した各信号に基づいてパターンマッチングを行ない、各信号に含まれるコードパターンと携帯電話100が保持するコードパターンとが一致した場合に、その信号を測位処理部25に送出する。
【0045】
測位処理部25は、その信号を用いて、測位処理を実行し、当該信号を受信した携帯電話100の位置を算出する。CPU10は、その算出結果をモニタ28に表示する。ある局面において、モニタ28は、測位処理部25が算出した携帯電話100の位置情報(たとえば緯度、経度、高度など)を地図上に重ねて表示してもよい。他の局面において、モニタ28は、カメラ17によって撮影された場所の画像と、当該場所の位置情報とを重ねて表示してもよい。
【0046】
図3を参照して、本実施の形態に係る携帯電話100の位置について説明する。図3は、携帯電話100とX軸、Y軸、およびZ軸における傾きの定義を表わす図である。
【0047】
携帯電話100から被写体に向かう方向をZ軸とする。鉛直方向をY軸とする。Y軸およびZ軸に垂直な方向をX軸とする。このとき、各軸の傾きは、図3に示されるように定義される。
【0048】
以下の説明では、携帯電話100の使用者が2回の撮影を行うときにおいて、各撮影時の携帯電話100がZ軸を中心に傾く場合について説明する。
【0049】
<制御構造>
図4を参照して、本実施の形態に係る携帯電話100の制御構造について説明する。図4は、携帯電話100のCPU10が実行する一連の処理の一部を表わすフローチャートである。
【0050】
ステップS410にて、CPU10は、携帯電話100に対して与えられる指示に基づいて、携帯電話100の動作モードをカメラモードとして、三次元の画像を取得するモードを起動する。
【0051】
ステップS420にて、CPU10は、カメラ17のレンズ110を通して得られる被写体の画像をモニタ28に表示する。
【0052】
ステップS430にて、CPU10は、加速度センサ40からの出力に基づいて、携帯電話100の姿勢を検知する。具体的には、図3におけるZ軸を中心とした回転を表わす傾き(角度)を検出し、フラッシュメモリ18に傾き(角度)を格納する。
【0053】
ステップS440にて、CPU10は、地面に対して平行な第1の線をモニタ28に表示する。ある局面において、CPU10は、第1の線を赤色の線で表示する。
【0054】
ステップS450にて、CPU10は、シャッタスイッチ120に対して与えられる撮影指示に基づいて、1回目の撮影を実行し、その撮影によって得られた画像データをフラッシュメモリ18に保存する。
【0055】
ステップS460にて、CPU10は、加速度センサ40からの出力に基づいて1回目の撮影直後における携帯電話100の傾き(角度)を検出し、その傾きに基づいた角度を示す第1の線をモニタ28に表示し、その第1の線の表示位置を一定に維持する。
【0056】
ステップS470にて、CPU10は、2回目の撮影が行なわれる前に、第1の線に加えて、地面に対して平行な第2の線をモニタ28に表示させる。たとえば、CPU10は、第2の線を緑色で表示する。すなわち、モニタ28は、第1の線を表示しながら、ファインダとしてレンズ110を通して撮像された画像を表示している間、第2の線を表示する。第2の線は、携帯電話100の傾きに応じて逐次変化する。第1の線の表示は、1回目の撮影時に取得された携帯電話100の姿勢(傾き)と、モニタ28の表示領域における第1の線の座標値とに基づいて行なわれる。
【0057】
なお、第1の線の表示態様と第2の線の表示態様とは、区別可能な態様で表示されるが、その態様は、上述のように色に限られない。他の局面において、第1の線の太さと、第2の線の太さとが異なってもよい。または、第1の線の種類(たとえば、実線、点線、鎖線等)と、第2の線の種類とが異なってもよい。
【0058】
ステップS480にて、CPU10は、シャッタスイッチ120に対して与えられる撮影指示に基づいて、2回目の撮影を実行し、その撮影によって得られる画像データをフラッシュメモリ18に保存する。この撮影の際、携帯電話100の使用者は、第1の線と第2の線とが重なるように携帯電話100の向きを調整することができる。具体的には、第1の線と第2の線とが重なった状態が左目用の画像と右目用の画像とが平行な位置となり、左目用の画像と右目用の画像とが別々のタイミングで撮影された場合には、それらを合成することによって得られる三次元の画像は傾きのない画像として取得され得る。
【0059】
ステップS490にて、CPU10は、1回目の撮影によって得られた画像データ(ステップS450)と、2回目の撮影によって得られた画像データ(ステップS480)とに基づいて、三次元の画像を生成する。
【0060】
上記においては、携帯型電話機100の姿勢の変化を検知する手段とし加速度センサ40を用いる場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。たとえば、加速度センサの代わりに、ジャイロセンサおよび地磁気センサを用いてもよい。
【0061】
図5および図6を参照して、本実施の形態に係る携帯電話100における第1の線および第2の線の表示態様について説明する。図5は、図4における第1の線として線510がモニタ28に表示されている状態を表わす図である。具体的には、携帯電話100は、1枚目の画像撮影した後に、ファインダとして機能するモニタ28において、1回目の撮影直後における携帯電話100の傾き(角度)を示す線510を表示する。
【0062】
図6は、2枚目の画像を撮影する際に第2の線としての線610が表示される態様を表わす図である。具体的には、携帯電話100は、2回目の撮影を行なう前に、線510に加えて、線610をモニタ28に表示する。このとき、線510の位置がモニタ28に対して一定を維持するように、線510はモニタ28の表示領域に表示される。一方、線610は、携帯電話100の傾きに応じてリアルタイムで変化する。したがって、2番目の撮影を行なう場合に、携帯電話100のユーザは、線510と線610とが重なるように携帯電話100の向きを変えることにより、2回目の撮影が行なわれるときの携帯電話100の傾きを1回目の撮影が行なわれたときの携帯電話100の傾きに一致させることができる。このようにすると、2回の撮影によって得られた画像を合成する場合に、ブレの少ない三次元の画像が得られる。
【0063】
なお、2回の撮影において携帯電話100の傾きが一致していることを示す方法は、上記の態様に限られない。たとえば、線510が表示される時のモニタ28の明るさと、線610と線510とが重なった時(すなわち傾きが一致した時)のモニタ28の明るさとが異なってもよい。具体的には、線610と線510とが重なった時に、モニタ28の輝度が増加するように、携帯電話100が構成されてもよい。このようにすると、携帯電話100の使用者は、三次元画像として視認できる画像データを得るために2番目の撮影を行う場合に、最初の撮影時の傾きと一致した時にシャッタスイッチ120を押下するタイミングを容易に認識できる。
【0064】
なお、本実施の形態に係る携帯電話100によって実現される機能は、ある局面において当該機能を実現される処理ステップがプロセッサによって実行されることにより実現される。したがって、本実施の形態に係る技術思想は、周知の構成を有するコンピュータシステムに当該処理ステップを実現するプログラムを実行させることによって実現される。
【0065】
そこで、図7を参照して、本実施の形態に係る技術思想を実現するコンピュータシステム700の構成について説明する。図7は、コンピュータシステム700のハードウェア構成を表わすブロック図である。
【0066】
コンピュータシステム700は、主たる構成要素として、プログラムを実行するCPU1と、コンピュータシステム700の使用者による指示の入力を受けるマウス2およびキーボード3と、CPU1によるプログラムの実行により生成されたデータ、又はマウス2若しくはキーボード3を介して入力されたデータを揮発的に格納するRAM4と、データを不揮発的に格納するハードディスク5と、光ディスク駆動装置6と、モニタ8と、通信IF(Interface)9とを備える。各構成要素は、相互にバスによって接続されている。光ディスク駆動装置6には、CD−ROM9その他の光ディスクが装着される。
【0067】
コンピュータシステム700における処理は、各ハードウェアおよびCPU1により実行されるソフトウェアによって実現される。このようなソフトウェアは、ハードディスク5に予め格納されている場合がある。また、ソフトウェアは、CD−ROM9その他のコンピュータ読み取り可能なデータ記録媒体に格納されて、プログラム製品として流通している場合もある。あるいは、当該ソフトウェアは、インターネットその他のネットワークに接続されている情報提供事業者によってダウンロード可能なプログラム製品として提供される場合もある。このようなソフトウェアは、光ディスク駆動装置6その他のデータ読取装置によってデータ記録媒体から読み取られて、あるいは、通信IF7を介してダウンロードされた後、ハードディスク5に一旦格納される。そのソフトウェアは、CPU1によってハードディスク5から読み出され、RAM4に実行可能なプログラムの形式で格納される。CPU1は、そのプログラムを実行する。
【0068】
図7に示されるコンピュータシステム700を構成する各構成要素は、一般的なものである。したがって、本発明の本質的な部分は、RAM4、ハードディスク5、CD−ROM9その他のデータ記録媒体に格納されたソフトウェア、あるいはネットワークを介してダウンロード可能なソフトウェアであるともいえる。なお、コンピュータシステム700の各ハードウェアの動作は周知であるので、詳細な説明は繰り返さない。
【0069】
なお、データ記録媒体としては、CD−ROM、FD(Flexible Disk)、ハードディスクに限られず、磁気テープ、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、IC(Integrated Circuit)カード(メモリカードを含む)、光カード、マスクROM、EPROM(Electronically Programmable Read-Only Memory)、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュROMなどの半導体メモリ等の固定的にプログラムを担持する媒体でもよい。
【0070】
ここでいうプログラムとは、CPUにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム形式のプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含み得る。
【0071】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0072】
1 CPU、2 マウス、3 キーボード、4,19 RAM、5 ハードディスク、6 光ディスク駆動装置、8,28 モニタ、9,20 ROM、11 音声信号処理回路、12 チューナ、13 通信装置、14,15,23 アンテナ、16 ボタン、17 カメラ、18 フラッシュメモリ、21 メモリカード駆動装置、22 メモリカード、24 測位信号受信フロントエンド部、25 測位処理部、26 マイク、27 スピーカ、29 バックライト、31 データ通信IF、32 バイブレータ、40 加速度センサ、100 携帯電話、110 レンズ、120 シャッタスイッチ、510,610 線、700 コンピュータシステム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元画像として視認される画像を表示する画像データを取得するための電子機器であって、
画像を取得するための撮像手段と、
前記電子機器の姿勢を検出するためのセンサと、
画像を表示するためのモニタと、
メモリと、
前記電子機器の動作を制御するための制御手段とを備え、
第1の撮影指示が前記電子機器に与えられた後に、前記モニタは、前記制御手段による制御に従って、前記センサの出力に基づいた角度を示す第1の線を表示し、
前記第1の撮影の後に第2の撮影指示が前記電子機器に与えられる前に、前記モニタは、前記制御手段による制御に従って、前記第1の線に加えて、前記センサの出力に基づいて、地面に対して平行な第2の線を表示する、電子機器。
【請求項2】
前記第1の線の表示態様と、前記第2の線の表示態様とは異なる、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記第2の線が前記第1の線に重なると、前記モニタは、前記第1の線の表示態様または前記第2の線の表示態様とは異なる態様で、重なった線を表示する、請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記第2の線が前記第1の線に重なると、前記モニタの表示領域は、前記第2の線が前記第1の線に重なる前の前記表示領域の輝度よりも明るくなる、請求項1〜3のいずれかに記載の電子機器。
【請求項5】
前記第1の線と前記第2の線とが重なると、前記制御手段は、第2の撮影指示を受け付けるように構成されている、請求項1〜4のいずれかに記載の電子機器。
【請求項6】
三次元画像として視認される画像を表示する画像データを取得可能な電子機器を制御するための方法であって、前記電子機器は、画像を取得するためのカメラと、前記電子機器の姿勢を検出するためのセンサと、画像を表示するためのモニタと、メモリと、前記電子機器の動作を制御するためのプロセッサとを備えており、前記方法は、
第1の撮影指示が前記電子機器に与えられた後に、前記モニタが、前記プロセッサによる制御に従って、前記センサの出力に基づいた角度を示す第1の線を前記モニタに表示するステップと、
前記第1の撮影の後に第2の撮影指示が前記電子機器に与えられる前に、前記モニタが、前記プロセッサによる制御に従って、前記第1の線に加えて、前記センサの出力に基づいて、地面に対して平行な第2の線を前記モニタに表示するステップとを含む、電子機器を制御するための方法。
【請求項7】
三次元画像として視認される画像を表示する画像データを取得可能な電子機器を制御するためのプログラムであって、前記電子機器は、画像を取得するためのカメラと、前記電子機器の姿勢を検出するためのセンサと、画像を表示するためのモニタと、メモリと、前記電子機器の動作を制御するためのプロセッサとを備えており、前記プログラムは、前記プロセッサに、
第1の撮影指示が前記電子機器に与えられた後に、前記センサの出力に基づいた角度を示す第1の線を前記モニタに表示するステップと、
前記第1の撮影の後に第2の撮影指示が前記電子機器に与えられる前に、前記第1の線に加えて、前記センサの出力に基づいて、地面に対して平行な第2の線を前記モニタに表示するステップとを実行させる、プログラム。
【請求項8】
前記第1の線の表示態様と前記第2の線の表示態様とは異なる、請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記プログラムは、さらに、前記プロセッサに、
前記第2の線が前記第1の線に重なると、前記第1の線の表示態様または前記第2の線の表示態様とは異なる態様で、重なった線を前記モニタに表示するステップを実行させる、請求項7または8に記載のプログラム。
【請求項10】
前記第2の線が前記第1の線に重なると、前記モニタの表示領域は、前記第2の線が前記第1の線に重なる前の前記表示領域の輝度よりも明るくなる、請求項7〜9のいずれかに記載のプログラム。
【請求項11】
前記第1の線と前記第2の線とが重なると、前記プログラムは、前記プロセッサに、前記第2の撮影指示を受け付けるステップを実行させる、請求項7〜10のいずれかに記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−76912(P2013−76912A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−217578(P2011−217578)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】