電子機器およびプログラム
【課題】バリフォーカルレンズの画角変化に影響され、部分画像を正しく評価することができない。
【解決手段】電子機器は、バリフォーカルレンズを通じて連続して撮像された複数の画像を取得する画像取得部と、バリフォーカルレンズの焦点位置の変化による画角変化を考慮して、複数の画像のそれぞれの部分領域を評価する評価部と、を備える。バリフォーカルレンズを通じて連続して撮像された複数の画像を取得する画像取得ステップと、バリフォーカルレンズの焦点位置の変化による画角変化を考慮して、複数の画像のそれぞれの部分領域を評価する評価ステップと、をコンピュータに実行させる。
【解決手段】電子機器は、バリフォーカルレンズを通じて連続して撮像された複数の画像を取得する画像取得部と、バリフォーカルレンズの焦点位置の変化による画角変化を考慮して、複数の画像のそれぞれの部分領域を評価する評価部と、を備える。バリフォーカルレンズを通じて連続して撮像された複数の画像を取得する画像取得ステップと、バリフォーカルレンズの焦点位置の変化による画角変化を考慮して、複数の画像のそれぞれの部分領域を評価する評価ステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
位相差AF及びコントラストAFを行って合焦制御を行う撮像装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2009−244429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
バリフォーカルレンズを通じて撮像された画像の部分領域を評価する場合、焦点位置だけでなく画角変化によって、評価結果が変化してしまう場合がある。したがって、バリフォーカルレンズの画角変化に影響され、部分画像を正しく評価することができない場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様においては、電子機器は、バリフォーカルレンズを通じて連続して撮像された複数の画像を取得する画像取得部と、バリフォーカルレンズの焦点位置の変化による画角変化を考慮して、複数の画像のそれぞれの部分領域を評価する評価部と、を備える。
【0005】
本発明の第2の態様においては、プログラムは、バリフォーカルレンズを通じて連続して撮像された複数の画像を取得する画像取得ステップと、バリフォーカルレンズの焦点位置の変化による画角変化を考慮して、複数の画像のそれぞれの部分領域を評価する評価ステップと、をコンピュータに実行させる。
【0006】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本実施形態に係る一眼レフカメラ10の要部断面図を示す。
【図2】本実施系地に係る一眼レフカメラのシステム構成を概略的に示す。
【図3】コントラストAFにおける焦点検出領域の設定例を模式的に示す。
【図4】焦点検出領域を幾何学的に調節するための情報をテーブル形式で示す。
【図5】コントラスト評価値を算出する処理の一例を模式的に示す。
【図6】コントラスト評価値を算出する処理の他の一例を模式的に示す。
【図7】コントラストAFの動作の一例を示す。
【図8】焦点検出領域の表示例を示す。
【図9】測光領域の設定例を模式的に示す。
【図10】顔検出領域の設定例を模式的に示す。
【図11】一眼レフカメラ10の起動から終了までの処理フローを示す。
【図12】撮像動作の一例を示す。
【図13】撮像動作の他の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0009】
図1は、本実施形態に係る一眼レフカメラ10の要部断面図である。一眼レフカメラ10は、レンズユニット20がカメラユニット30に装着されて、撮像装置として機能する。カメラユニット30には、焦点距離、開放F値等の異なる複数のレンズユニット20が、交換レンズとして交換可能に装着される。
【0010】
レンズユニット20は、光軸11に沿って配列され鏡筒26に支持されたレンズ系21を備える。撮像レンズの一例としてのレンズ系21は、入射される被写体光束をカメラユニット30へ導く。図においては、レンズ系21を構成するレンズとして前玉22および後玉23の他に、フォーカスレンズ24、ズームレンズ25等が含まれる。フォーカスレンズ24、ズームレンズ25は、それぞれ焦点調整、画角調整の指示に応じて光軸方向に移動できるように構成されている。例えば、フォーカスレンズ24およびズームレンズ25は、カメラユニット30からの指示に従って位置が制御される。また、フォーカスレンズ24は、レンズユニット20が備えるフォーカスリングを介してユーザ操作により位置が制御される。また、ズームレンズ25は、レンズユニット20が備えるズームリングを介してユーザ操作により位置が制御される。
【0011】
鏡筒26は、レンズ回路基板27を支持しており、レンズ回路基板27は、レンズユニット20を制御する各種回路、電子素子等を搭載している。レンズユニット20は、カメラユニット30との接続部にレンズマウント29を備え、カメラユニット30が備えるカメラマウント31と係合して、カメラユニット30と一体化する。レンズマウント29とカメラマウント31はそれぞれ通信端子を備えており、マウント同士が係合したときに互いの通信端子が接続される。これにより、レンズ回路基板27に搭載された各種回路、電子素子等は、カメラユニット30側と電気的に接続される。カメラユニット30は、カメラユニット30およびレンズユニット20の通信端子を介して、レンズユニット20の固有情報のデータを、レンズユニット20から取得する。
【0012】
カメラユニット30は、レンズユニット20から入射される被写体光束を反射するメインミラー32と、メインミラー32で反射された被写体光束が結像するピント板33を備える。メインミラー32は、ミラーボックス35の内部でメインミラー回転軸34周りに揺動して、光軸11を中心とする被写体光束中に斜設される反射状態と、被写体光束から退避する退避状態を取り得る。サブミラー40は、メインミラー32が被写体光束から退避する場合は、メインミラー32に連動して被写体光束から退避する。メインミラー回転軸34は、ミラーボックス35の側壁に支持される。
【0013】
ユーザ操作を検出する操作入力部の一部としてのライブビューボタンが押し下げられた場合、または、操作入力部の一部としてのレリーズボタンが最下部まで押し下げられた場合、破線で示した退避状態を取る。例えば、メインミラー32は、被写体光束中に斜設された状態で、ライブビューボタンが押し下げられた場合またはレリーズボタンが最下部まで押し下げられた場合、破線で示した退避位置に移動する。ライブビューボタンが押し下げられた場合、メインミラー32は、再度ライブビューボタンが押し下げられるまで退避位置に留まる。一方、レリーズボタンが押し下げられた場合は、所定の撮像動作を終えると、メインミラー32はダウンされ元の斜設状態の位置に戻される。
【0014】
フォーカルプレーンシャッタ43、撮像素子36は、基板44上に形成され、光軸11に沿って配列されている。したがって被写体光束は、レンズ系21を透過してカメラユニットへ入射し、メインミラー32およびサブミラー40が退避状態となったミラーボックス35の内部と開放状態のフォーカルプレーンシャッタ43を通過して、撮像素子36の受光面で結像する。すなわち、この被写体光束の光路が撮影光路となる。
【0015】
撮像素子36は、例えばCMOSセンサなどの光電変換素子を有する。撮像素子36は、受光面で結像した被写体像を電気信号として出力する複数の光電変換素子を有する。撮像素子36は、メイン基板50と電気的に接続される。メイン基板50には、撮像素子36で光電変換された電気信号を画像信号として処理する画像処理部51、カメラユニット30の全体を制御するカメラシステム制御部52等の電気素子が搭載されている。カメラシステム制御部52は、例えばMPUにより実装される。画像処理部51は、ASIC、DSP等により実装される。
【0016】
画像処理部51は、撮像素子36から出力された被写体像の電気信号から画像データを生成する。画像処理部51は、画像データから、1以上の部分領域毎にコントラスト量を検出する。例えば予め定められた複数の焦点検出領域毎にコントラスト量を算出する。カメラシステム制御部52等の制御によって、コントラスト量に基づき決定された目標位置に向けてフォーカスレンズ24の位置が制御される。このように、レンズユニット20に対して、コントラスト検出方式で焦点状態が検出されて焦点調節が行われる。コントラスト検出方式で焦点状態を検出して焦点調節することを、コントラストAFと呼ぶ。
【0017】
カメラユニット30の背面には液晶モニタ等による表示ユニット53が配設されている。表示ユニット53は、撮像素子36に含まれる撮像用素子が出力した画像信号に基づく画像を表示する表示部の一例である。表示ユニット53は、画像処理部51が被写体像の電気信号から生成した表示用画像データを用いて、被写体像を表示する。表示ユニット53は、撮像後の静止画像に限らず、各種メニュー情報、撮像情報、告知情報等を表示する。ライブビュー時には、上述の焦点調節をしながら、撮像素子36の受光面に結像した被写体像の電気信号から表示用画像データが生成され、生成した表示用画像データに基づき、表示ユニット53が被写体像を表示する。
【0018】
ピント板33は、撮像素子36の受光面と共役の位置に配置されている。ピント板33で結像した被写体像は、ペンタプリズム37で正立像に変換され、接眼光学系38を介してユーザに観察される。また、ペンタプリズム37の射出面上方には測光素子39が配置されており、測光素子39によって被写体像の輝度分布を検出する。
【0019】
斜設状態におけるメインミラー32の光軸11の近傍領域は、ハーフミラーとして形成されており、入射される被写体光束の一部が透過する。透過した被写体光束は、メインミラー32と連動して揺動するサブミラー40で反射されて、合焦光学系41へ導かれる。合焦光学系41を通過した被写体光束は、合焦センサ42へ入射される。合焦センサ42は、受光した被写体光束から位相差信号を出力する複数の光電変換素子列を有する。合焦センサ42は、被写体像の特定の領域に対応して設けられる複数の焦点調整領域のそれぞれにおいて、合焦状態、前ピン状態、後ピン状態を検出でき、前ピン状態、後ピン状態の場合には、合焦状態からのずれ量も検出することができるように構成されている。レンズ系21の焦点状態は、カメラシステム制御部52等の制御によって、位相差信号を相関演算することで特定される。そして、カメラシステム制御部52等の制御によって、焦点状態に基づきフォーカスレンズ24の目標位置が決定され、決定された目標位置に向けてフォーカスレンズ24の位置が制御される。このように、レンズユニット20に対して、位相差検出方式で焦点状態が検出されて焦点調節が行われる。すなわち、メインミラー32がダウンし斜設状態にある場合、合焦センサ42からの出力を用いて、位相差検出方式で焦点状態を検出して焦点調節することができる。位相差検出方式で焦点状態を検出して焦点調節することを、位相差AFと呼ぶ。
【0020】
また、カメラユニット30には着脱可能な二次電池54が収容される。二次電池54は、カメラユニット30に限らず、レンズユニット20にも電力を供給する。
【0021】
図2は、本実施系地に係る一眼レフカメラのシステム構成を概略的に示すブロック図である。一眼レフカメラ10のシステムは、レンズユニット20とカメラユニット30のそれぞれに対応して、レンズシステム制御部71を中心とするレンズ制御系と、カメラシステム制御部52を中心とするカメラ制御系により構成される。そして、レンズ制御系とカメラ制御系は、レンズマウント29とカメラマウント31によって接続される通信端子を介して、相互に各種データ、制御信号の授受を行う。
【0022】
カメラ制御系に含まれる画像処理部51は、カメラシステム制御部52からの指令に従って、撮像素子36から出力された画像信号を処理して画像データを生成する。すなわち、画像処理部51は、レンズ系21を通じて連続して撮像された複数の画像を取得する画像取得部として機能する。画像処理部51で生成された画像データは、表示制御部55へ送られて、例えば撮像後の一定時間の間、表示ユニット53に表示される。これに並行して、処理された画像データは、予め定められた画像フォーマットに加工され、外部接続IF56を介して記録媒体に記録される。画像処理部51は、カメラシステム制御部52からの指令に従って、撮像素子36から出力された画像信号を処理して、コントラスト量を示すコントラスト評価値を生成する。カメラシステム制御部52は、コントラスト評価値、および、合焦センサ42からの位相差検出信号の少なくとも一方に基づき焦点調節用の制御信号を生成して、レンズシステム制御部71に供給する。
【0023】
システムメモリ57は、例えばフラッシュメモリなどの不揮発性メモリであり、一眼レフカメラ10を制御するプログラム、各種パラメータなどを記憶する役割を担う。ワークメモリ58は、例えばRAMなどの高速アクセスできるメモリであり、処理中の画像データを一時的に保管する役割などを担う。
【0024】
駆動制御部59は、カメラシステム制御部52からの指令に従ってメインミラー32、サブミラー40、フォーカルプレーンシャッタ43等を駆動する。操作入力部60は、レリーズボタン、ライブビューボタン等の操作入力部60がユーザに操作されたことを検出して、カメラシステム制御部52へ出力する。
【0025】
レンズシステム制御部71は、カメラシステム制御部52からの制御信号を受けて各種動作を制御する。レンズメモリ72は、レンズ固有情報およびレンズシステム制御部71が実行するプログラム等を記憶している。レンズ固有情報としては、後述する画角変化情報を含む。レンズ駆動部73は、レンズシステム制御部71がカメラシステム制御部52から受け取った制御信号に従って、フォーカスレンズ24、ズームレンズ25、絞り28等を駆動する。
【0026】
図3は、コントラストAFにおける焦点検出領域の設定例を模式的に示す。画像301、画像302、画像303は、コントラストAFで一連の焦点調節する場合において、レンズ系21の焦点位置を異ならせて得た3つの画像とする。例えば、画像301、画像302、画像303は、フォーカスレンズ24の位置を異ならせて得た画像である。
【0027】
なお、本実施形態において、分かり易く図示することを目的として、レンズ系21による画角変化を強調して示す。また、本図では、合焦した被写体をより細い線で模式的に図示した。すなわち、画像301よりも画像302の方が、被写体に対し合焦した状態で得た画像である。また、画像302よりも画像303の方が、被写体に対して合焦した状態で得た画像である。
【0028】
レンズユニット20が備えるレンズ系21が画角と焦点位置とが連動するバリフォーカルレンズである場合、カメラシステム制御部52は、各画像の間で対応する被写体領域からコントラスト評価値が算出されるよう、コントラストAF中に焦点検出領域のサイズを調節する。また、カメラシステム制御部52は、対応する被写体領域からコントラスト評価値が算出されるよう、焦点検出領域の位置を調節する。
【0029】
例えば、カメラシステム制御部52は、画像301に対して、焦点検出領域310aおよび焦点検出領域310bを設定する。また、カメラシステム制御部52は、画像302に対しては、画角変化に応じてサイズを調節した焦点検出領域320aを設定する。また、カメラシステム制御部52は、画角変化に応じてサイズおよび位置を調節した焦点検出領域320bを設定する。本例において、カメラシステム制御部52は、画像301からの画角の減少分に対応して、焦点検出領域320aのサイズを焦点検出領域310aよりも拡大する。また、カメラシステム制御部52は、画像301からの画角の減少分に対応して、焦点検出領域320bのサイズを焦点検出領域310bよりも拡大する。
【0030】
同様に、カメラシステム制御部52は、画像303に対しては、画角変化に応じてサイズを調節した焦点検出領域330aを設定する。また、カメラシステム制御部52は、画角変化に応じてサイズおよび位置を調節した焦点検出領域330bを設定する。本例において、カメラシステム制御部52は、画像302からの画角の減少分に対応して、焦点検出領域330aのサイズを焦点検出領域320aよりも拡大する。また、カメラシステム制御部52は、画像302からの画角の減少分に対応して、焦点検出領域330bのサイズを焦点検出領域320bよりも拡大する。
【0031】
画像処理部51は、焦点検出領域内の画像データに画像フィルタを適用して、コントラスト評価値を算出する。例えば、画像処理部51は、高周波成分を抽出する画像フィルタを、各焦点検出領域に適用して、コントラスト評価値を算出する。カメラシステム制御部52の制御によれば、各画像において対応する被写体領域に焦点検出領域を設定するので、画角変化によるコントラスト評価値への影響を実質的に排除することができる。このため、焦点状態の変化を、コントラスト評価値の変化としてきちんと算出することができる。
【0032】
このように、カメラシステム制御部52および画像処理部51によれば、画角変化を考慮して、レンズ系21の焦点状態を、部分領域の一例としての焦点検出領域から検出することができる。具体的には、焦点検出領域のサイズおよび位置を、画角変化に応じて調節する。このため、バリフォーカルレンズの焦点状態として、コントラスト評価値を焦点検出領域からきちんと検出することができる。なお、焦点検出領域のサイズだけを、画角変化に応じて調節してもよい。また、焦点検出領域の位置だけを、画角変化に応じて調節してもよい。すなわち、焦点検出領域のサイズおよび位置の少なくとも一方を、画角変化に応じて調節してもよい。すなわち、焦点検出領域を、画角変化に応じて幾何学的に調節してもよい。
【0033】
図4は、焦点検出領域を幾何学的に調節するための情報の一例をテーブル形式で示す。本情報は、レンズメモリ72内に、レンズ固有情報の一部として記憶される。レンズ固有情報は、一眼レフカメラ10の起動時に、カメラシステム制御部52により読み込まれて、ワークメモリ58に記憶される。
【0034】
レンズメモリ72は、ズーム値zに対応づけて、画像領域の中心からの距離に対する拡縮係数Cを格納している。画像領域の中心位置は、レンズ系21の光軸11の位置に対応する。ここで、拡縮係数Cは、フォーカスレンズ24の位置に応じて変化する。拡縮係数Cは、フォーカスレンズ24の位置の関数としてレンズメモリ72に記憶されてよい。また、拡縮係数Cは、フォーカスレンズ24の位置に関するテーブルデータとしてレンズメモリ72に記憶されてよい。カメラシステム制御部52は、レンズ系21の現在のズーム値に対応する拡縮係数Cを用いて、フォーカスレンズ24の位置に応じて焦点検出領域のサイズおよび位置を算出することができる。
【0035】
例えば、カメラシステム制御部52は、撮像素子36の有効画素領域に対して設定された基準となる複数の焦点検出領域のそれぞれについて、拡縮係数を用いて焦点検出領域の座標値を算出する。一例として、カメラシステム制御部52は、矩形の焦点検出領域が設定されている場合、矩形の対角の座標を、拡縮係数を用いて補正する。具体的には、撮像素子36の有効画素領域上の光軸11に対応する点を原点として、設定された焦点検出領域の対角の座標に拡縮係数を乗じる。拡縮係数を乗じることで補正された対角の座標によって、補正後の焦点検出領域のサイズおよび位置が定まる。このようにして補正された焦点検出領域の幾何学情報は、コントラストAF時に画像処理部51において、コントラスト評価値を検出する焦点検出領域を特定するために使用される。
【0036】
本図において例示したように、レンズメモリ72は、画角変化に対応する焦点検出領域の幾何学的変化を示す情報を記憶する情報記憶部として機能する。具体的には、レンズメモリ72は、画角変化に対応する部分領域のサイズおよび位置の変化を示す情報を記憶する。カメラシステム制御部52は、評価対象とする焦点検出領域のサイズを、レンズメモリ72に記憶された情報に基づいて調節する。具体的には、カメラシステム制御部52は、評価対象とする部分領域のサイズおよび位置を、レンズメモリ72に記憶された情報に基づいて調節する。
【0037】
なお、本図において例示したように、レンズメモリ72は、ズーム値に対応する拡縮係数を格納する。レンズメモリ72に格納されたズーム値の集合は、レンズ系21がバリフォーカルレンズとみなされるズーム値の範囲を定める。すなわち、このズーム値の範囲以外のズーム値においては、レンズ系21は実質的にバリフォーカルレンズとはみなされない。したがって、画像処理部51は、レンズ系21のズーム値が本ズーム値の範囲内にある場合に、画角変化を考慮して焦点検出領域を評価対象とする。一方、画像処理部51は、レンズ系21のズーム値が本ズーム値の範囲外にある場合に、基準の焦点検出領域を評価対象とする。すなわち、レンズメモリ72は、対応する画角変化量が予め定められた値を超えるズーム値の範囲を記憶する範囲記憶部として機能する。そして、画像処理部51は、レンズ系21のズーム値がレンズメモリ72に記憶されている範囲内にある場合に、画角変化を考慮して複数の画像のそれぞれの焦点検出領域を評価する。
【0038】
なお、本図で例示した情報は、レンズ系21の焦点位置の変化に対応する画角変化を示す画角変化情報の一例である。すなわち、カメラシステム制御部52は、レンズユニット20が有するレンズ系21の画角変化情報をレンズユニット20から取得する。画像処理部51は、取得された画角変化情報に基づいて焦点検出領域を評価することができる。なお、レンズメモリ72は、レンズ系21がバリフォーカルレンズであるか否かを示す情報を記憶してもよい。例えば、レンズメモリ72は、レンズ系21がバリフォーカルレンズである旨を示す情報を、本図に例示した画角変化情報とともに記憶してよい。画像処理部51は、レンズ系21がバリフォーカルレンズである旨を示す情報をレンズユニット20から取得したことを条件として、レンズ系21の画格変化を考慮して焦点検出領域を評価してよい。
【0039】
図5は、コントラスト評価値を算出する処理の一例を模式的に示す。ここでは、焦点検出領域310a、焦点検出領域320aおよび焦点検出領域330aからコントラスト評価値を算出する処理を表す。ここで、焦点検出領域310a、焦点検出領域320aおよび焦点検出領域330aの面積を、それぞれS1、S2およびS3とする。面積は、焦点検出領域内の画素数に比例するものとする。
【0040】
画像処理部51は、高周波抽出フィルタ510を焦点検出領域310aに適用して、高周波成分を抽出する。画像処理部51は、抽出した高周波成分を焦点検出領域310a内で積算して、得られた積算値をコントラスト評価値として算出する。
【0041】
焦点検出領域320aに対しては、焦点検出領域310aと同様に、画像処理部51は、高周波抽出フィルタを適用して、焦点検出領域320a内で積算する。画像処理部51は、得られた積算値をS1/S2を乗じた値を、コントラスト評価値として算出する。焦点検出領域330aに対しては、得られた積算値をS1/S3で乗じる点を除いて、焦点検出領域320aと同様にコントラスト評価値を算出する。
【0042】
このように、画像処理部51は、焦点検出領域から検出されたコントラスト評価値を、調節された部分領域のサイズで規格化する。本例によると、コントラスト評価値を面積に応じて規格化するので、画角変化によるコントラスト評価値の変化分を実質的にキャンセルすることができる。このため、焦点状態の変化を表す指標値として、コントラスト評価値を適切に算出することができる。
【0043】
図6は、コントラスト評価値を算出する処理の他の一例を模式的に示す。ここでも、焦点検出領域310a、焦点検出領域320aおよび焦点検出領域330aからコントラスト評価値を算出する処理を表す。
【0044】
焦点検出領域310aに対して、図5の例と同様に、画像処理部51は、高周波抽出フィルタ510を適用して焦点検出領域310a内で積算し、得られた積算値をコントラスト評価値として算出する。焦点検出領域320aに対しては、画像処理部51は、焦点検出領域320aの画像を縮小して面積S1の画像620aを生成する。生成した画像620aに対して、高周波抽出フィルタ510を適用して焦点検出領域320a内で積算し、得られた積算値をコントラスト評価値として算出する。焦点検出領域330aに対しては、画像処理部51は、焦点検出領域320aと同様に、焦点検出領域330aの画像を縮小して面積S1の画像630aを生成し、高周波抽出フィルタ510を適用して焦点検出領域330a内で積算し、得られた積算値をコントラスト評価値として算出する。
【0045】
このように、画像処理部51は、焦点検出領域の画像を予め定められた基準サイズの画像に変換して、変換された画像から、コントラストの評価値を検出する。本例によれば、面積を規格化してからコントラスト評価値を抽出するので、画角変化によるコントラスト評価値の変化分を実質的にキャンセルすることができる。このため、本例によっても、焦点状態の変化を表す指標値として、コントラスト評価値を適切に算出することができる。
【0046】
なお、面積を規格化する場合においては画像の拡大処理が生じないよう、規格化の目標とする基準サイズを、予め定められた値以下のサイズに設定してよい。例えば、画角変化に応じて調節される焦点検出領域のサイズのうち、最小のサイズ以下のサイズを基準サイズとして適用してよい。調節後の焦点検出領域のサイズは、画角が最大となる場合に、最小となる。また、焦点検出領域のサイズは、フォーカスレンズ24の位置に応じて変化する。したがって、例えば図7に関連して説明するように、フォーカスレンズ24の位置について予め定められた範囲内から合焦位置を探索する場合に、当該範囲内において画角が最大となる場合の焦点検出領域のサイズを、基準サイズとして適用してよい。すなわち、画像処理部51は、複数の画像のそれぞれにおいて調節された焦点検出領域のサイズのうち最小サイズ以下のサイズを、基準サイズとして適用する。このように基準サイズを選択することで、焦点検出領域の面積を拡大することなく規格化することができる。
【0047】
なお、焦点検出領域の画像を縮小することで画像の高周波成分が強調される場合がある。例えば、縮小処理に適用する補間関数によっては、高周波成分が強調される場合がある。この場合、縮小による高周波成分の強調度合いに応じて、積算値を低減する補正係数を乗じてもよい。例えば、縮小率が大きいほど高周波成分が強調される場合、縮小率が大きいほど小さい補正係数を積算値に乗じることによって、コントラスト評価値を算出してもよい。
【0048】
図7は、コントラストAFの動作の一例を説明するための図である。カメラシステム制御部52は、レンズユニット20に対して、予め定められた範囲Z1〜Z6でフォーカスレンズ24を変位させるよう、レンズシステム制御部71に指示する。画像処理部51は、フォーカスレンズ24が各位置に変位された状態で、図5または図6等に例示した処理により、コントラスト評価値700−1〜6を算出する。
【0049】
カメラシステム制御部52は、コントラスト評価値700と、位置Z1〜Z6とを用いて、コントラスト評価値が最大となることが予測される目標位置Z7を算出する。そして、カメラシステム制御部52は、フォーカスレンズ24を目標位置Z7に変位させ、得られた画像データの焦点検出領域からコントラスト評価値700よりも大きいコントラスト評価値710が算出された場合に、合焦状態と判断してよい。
【0050】
なお、カメラシステム制御部52は、目標位置Z7の近傍の予め定められた範囲内でフォーカスレンズ24の位置を微小に変位させて、コントラスト評価値を算出してもよい。このようにフォーカスレンズ24の位置を微調整する場合には、焦点検出領域のサイズ等を調節しなくともよい。すなわち、レンズ系21の焦点位置を広い範囲で変化させる場合には、画角変化を考慮して焦点検出領域を設定してコントラスト評価値を算出してよい。そして、目標位置の近傍で合焦状態となる位置を詳細に探索する場合のように、焦点位置を狭い範囲で変化させる場合には、画角変化を考慮することなく規定の焦点検出領域を設定してコントラスト評価値を算出してもよい。
【0051】
このように、コントラスト評価値に対する画角変化の影響を無視できない範囲で焦点位置を変化させる場合には、画角変化を考慮して焦点検出領域を適用することで、目標位置を正確に決定することができる。一方、コントラスト評価値に対する画角変化の影響を無視できる範囲で焦点位置を変化させる場合には、規定の焦点検出領域を適用することで、コントラスト評価値を算出するための演算量を低減することができる。結果として高速に合焦制御を行うことができる場合がある。コントラスト評価値に対する画角変化の影響を無視できる範囲で焦点位置を変化させる場合としては、上述した目標位置Z7を算出後にフォーカスレンズ24の位置を微調整する場合の他に、特定被写体に追従してレンズ系21の焦点調節をする場合等を例示することができる。
【0052】
図8は、焦点検出領域の表示例を示す。カメラシステム制御部52は、表示制御部55を制御して、焦点検出領域を示すマーク800を表示ユニット53に表示する。このため、コントラストAF中に変化する焦点検出領域を、ユーザに視覚的に提示することができる。マーク800は、コントラストAF動作に応じて変化し得る。したがってユーザは、どの範囲の被写体に対して焦点調節されているかを意識して、撮影することができる。本表示に関する制御は、例えば後述するライブビュー撮影時において、レリーズボタンが押し込まれた後にコントラストAFで焦点調節する場合に適用することができる。
【0053】
なお、表示ユニット53は、焦点検出領域をユーザに提示する提示部の一例である。一眼レフカメラ10は、調節された焦点検出領域を示す情報を画像データに付帯して記録媒体等に記録することでユーザに提示してもよい。
【0054】
図9は、測光領域の設定例を模式的に示す。ここでは、撮像素子36が出力した画像信号を用いて、特定の被写体領域を測光する場合を例に挙げて説明する。ここで説明する測光領域の設定処理は、例えば測光部位を固定してスポット測光する場合に適用できる。画像901、画像902および画像903は、図3に例示した画像301、画像302および画像303と同様、コントラストAFにおいて焦点位置を異ならせて得た3つの画像とする。
【0055】
カメラシステム制御部52は、画像901に対して、測光領域910を設定する。また、カメラシステム制御部52は、画像902に対しては、画角変化に応じてサイズを拡大した測光領域920を設定する。また、カメラシステム制御部52は、画像903に対しては、画角変化に応じてサイズを更に拡大した測光領域930を設定する。本例において、カメラシステム制御部52は、画像901からの画角の減少分に対応して、測光領域920のサイズを測光領域910よりも大きく設定する。また、カメラシステム制御部52は、画像902からの画角の減少分に対応して、測光領域930のサイズを測光領域920よりも大きく設定する。
【0056】
カメラシステム制御部52の制御によって、各画像において対応する被写体領域に測光領域が設定されるので、画角変化により生じる測光評価値の影響を実質的に排除することができる。このため、焦点位置の変化に対応する測光評価値の変化をきちんと算出することができる。例えば、画像903において設定された測光領域930と同じサイズの測光領域を画像901に適用した場合、光源が測光領域に入ってしまう。しかし、本図に示したように画角変化を考慮して測光領域を設定するので、光源の存在によって測光評価値が大きく変動することを未然に防ぐことができる。
【0057】
なお、画像処理部51は、測光領域内の輝度信号を積算して、得られた積算値から測光評価値を算出する。例えば、画像処理部51は、図5に関連して説明したように、積算値を面積で規格化して測光評価値を算出して、測光評価値から撮像Ev値を算出する。そして、カメラシステム制御部52は、撮影Ev値から露出値を決定する。例えば、カメラシステム制御部52は、絞り28の絞り量及び撮像素子36の電荷蓄積時間等を決定する。このように、画像処理部51は、レンズ系21の画角変化を考慮して、複数の画像を撮像した撮像素子36の露出状態を、測光領域から検出する。
【0058】
なお、本例では、説明を分かり易くするために、中央部に設定した測光領域を取り上げた。しかし、カメラシステム制御部52は、焦点検出領域に関連して説明したように、対応する被写体領域から撮影Ev値を算出するために、測光領域の位置を調節してもよい。すなわち、カメラシステム制御部52は、測光領域のサイズおよび位置を調節してもよい。
【0059】
図10は、顔検出領域の設定例を模式的に示す。ここでは、撮像素子36が出力した画像信号から、人物像を検出する場合を例に挙げて説明する。画像1001、画像1002および画像1003は、図3に例示した画像301、画像302および画像303と同様、コントラストAFにおいて焦点位置を異ならせて得た3つの画像とする。
【0060】
画像処理部51は、撮像素子36が出力した画像信号から顔画像を検出する。例えば、画像処理部51は、ユーザが指定した領域に写り込んでいる顔画像を追尾するべく、顔検出領域を設定する。
【0061】
例えば、カメラシステム制御部52は、画像1001に対して、顔検出領域1010を設定する。また、カメラシステム制御部52は、画像1002に対しては、画角変化に応じてサイズを拡大した顔検出領域1020を設定する。また、カメラシステム制御部52は、画像1003に対しては、画角変化に応じてサイズを更に拡大した顔検出領域1030を設定する。例えば、カメラシステム制御部52は、画像1001からの画角の減少分に対応して、顔検出領域1020のサイズを顔検出領域1010よりも大きく設定する。同様に、カメラシステム制御部52は、画像1002からの画角の減少分に対応して、顔検出領域1030のサイズを、顔検出領域1020よりも大きく設定する。
【0062】
カメラシステム制御部52の制御によって、各画像において対応する被写体領域に顔検出領域が調節される。そして、画像処理部51は、調節された顔検出領域から人物像を検出する。例えば、画像処理部51は、調節された顔検出領域内の画像データから、パターンマッチング、特徴量抽出等の手法を用いて、顔画像を検出する。
【0063】
このため、顔検出領域を一度設定すると、画角変化が生じても、設定した領域に対応する被写体領域からきちんと人物の顔画像を検出することができる。顔検出領域を固定で設定した場合、画角変化によって他の被写体が顔検出領域に写り込む場合がある。しかし、一眼レフカメラ10によれば、画角変化を考慮して顔検出領域を設定するので、画角変化によって他の被写体が顔検出領域に写り込む可能性を著しく低減することができる。
【0064】
なお、本例では、説明を分かり易くするために、画像領域の中央部に設定した顔検出領域を取り上げた。しかし、カメラシステム制御部52は、焦点検出領域に関連して説明したように、対応する被写体領域から顔画像を検出するために、顔検出領域の位置を調節してもよい。すなわち、カメラシステム制御部52は、顔検出領域のサイズおよび位置を調節してもよい。
【0065】
なお、図9に関連して説明した測光領域、図10に関連して説明した顔検出領域の調節は、焦点検出領域の調節と同様に、図4に関連して説明した拡縮係数を用いて行うことができる。また、部分領域から抽出する被写体としては、人物の顔の他、動物、植物等、種々の被写体を例示することができる。なお、図9および図10においては、コントラストAF時の画像を対象として説明したが、フォーカスリングを回転させて焦点位置が異なる状態で撮像された画像も、本処理の対象とすることができる。
【0066】
図11は、一眼レフカメラ10の起動から終了までの処理フローを示す。本フローは、電源ボタンがONされた場合に、開始される。本フローは、特に断らない限り、カメラシステム制御部52が主体となって一眼レフカメラ10の各部を制御することにより実行される。
【0067】
ステップS1100において、カメラシステム制御部52は、初期設定を開始する。例えば、カメラシステム制御部52は、一眼レフカメラ10を制御するための各種パラメータ等を、システムメモリからワークメモリ58に展開する。また、レンズユニット20からレンズユニット20の固有情報を取得する。レンズ固有情報としては、例えば、図4に関連して説明したズーム値毎の画角変化情報を例示することができる。
【0068】
また、カメラシステム制御部52は、例えば撮像モードスイッチ等の操作入力部の状態、および、ワークメモリ58に展開された各種パラメータに基づき、一眼レフカメラ10の各部の動作条件を設定する。例えば、撮像モードスイッチの位置に応じて、撮像モードを設定する。撮像モードとしては、ポートレートモード、風景モード等を例示することができる。
【0069】
続いて、ステップS1102において、表示ユニット53に設定結果を表示する。例えば、カメラシステム制御部52は、ステップS1102で設定した撮像モード等を、表示ユニット53に表示させる。
【0070】
続いて、ステップS1104において、カメラシステム制御部52は、操作入力部60に対するユーザ操作を判断する。例えば、操作入力部60に対して諸設定を実行するユーザ指示があった場合、カメラシステム制御部52が主体となって、指示された設定処理を行う(ステップS1106)。設定処理としては、撮像モードを設定する処理、撮像条件を設定する処理、画像処理条件を設定する処理等を例示することができる。また、上述したスポット測光をする測光モード等を例示することができる。
【0071】
ステップS1104において、操作入力部60に対して画像の再生を実行するユーザ指示があった場合、再生処理を実行する(ステップS1122)。再生処理としては、記録媒体に記録された画像をサムネイル表示する処理、ユーザにより指示された画像を表示する処理等を例示することができる。
【0072】
ステップS1104において、操作入力部60に対して撮影実行に関するユーザ指示があった場合、撮像実行に関する処理を行う(ステップS1112)。なお、撮影指示を示す操作としては、ライブビューボタン、レリーズボタン等に対する操作を例示することができる。
【0073】
ステップS1104においてユーザ指示がない場合は、測光素子39による測光処理を行う(ステップS1132)。具体的には、測光素子39による測光を行い、露出値を決定する。ステップS1132で決定した露出値を示す情報は、表示ユニット53に表示され、ユーザに提示される。
【0074】
ステップS1106、ステップS1112、ステップS1122、ステップS1132の処理が完了すると、ステップS1108に進み、電源をOFFするか否かを判断する。例えば、電源ボタンがOFF位置に切り替えられた場合や、電源がONされてから予め定められた期間、ユーザ指示無しの状態が継続した場合等に、電源をOFFすると判断する。電源をOFFすると判断した場合は動作を終了し、電源をOFFしないと判断した場合はステップS1104に処理を移行させる。
【0075】
図12は、撮像を実行する場合の処理フローの一例を示す。すなわち、図10のステップS1112における動作の内部処理の一例である。本フローは、撮像実行に関するユーザ指示として、ライブビューボタンが操作された場合の動作フローを示す。
【0076】
ステップS1152において、カメラシステム制御部52は、メインミラー32をアップして、メインミラー32を被写体光束から退避させ、撮像素子36からの画像信号の読み出しを開始する。撮像素子36から順次に読み出された画像信号は、表示用の画像データに順次に加工されて、表示ユニット53に表示される。
【0077】
ステップS1154において、カメラシステム制御部52は、レンズ系21がバリフォーカルレンズとみなされるか否かを判断する。具体的には、カメラシステム制御部52は、現在設定されているズーム値において、レンズ系21がバリフォーカルレンズとみなされるか否かを判断する。より具体的には、現在設定されているズーム値が、図4に関連して説明したズーム値の範囲内にあるか否かを判断する。
【0078】
レンズ系21がバリフォーカルレンズとみなされる場合、コントラスト評価値および測光評価値を評価する処理モードを、画角変化に応じて補正する評価値補正モードに設定する(ステップS1156)。レンズ系21がバリフォーカルレンズとみなされない場合、当該処理モードを、コントラスト評価値および測光評価値を基準の評価領域で評価する評価値非補正モードに設定する(ステップS1158)。
【0079】
続いて、ステップS1160においてカメラシステム制御部52は、撮像素子36が出力した画像信号から露出値を決定して、決定した露出値に従って露出を制御する。ここで、ユーザがフォーカスリングを操作する等してレンズ系21の焦点位置が変化した場合、評価値補正モードが設定されていることを条件として、図9に関連して説明したように測光領域を動的に設定して測光評価値を算出し、露出値を決定する。
【0080】
続いて、ステップS1162において、カメラシステム制御部52は、撮像実行指示がなされた否かを判断する。例えば、撮像実行指示としてのレリーズボタンの押し込みが検出されたか否かを判断する。ステップS1162において撮像実行指示がなされていない場合、ステップS1160に処理を戻す。したがって、撮像実行指示があるまで自動的に露出が制御される。
【0081】
ステップS1162において撮像実行指示がなされたと判断された場合、カメラシステム制御部52は、コントラストAFでレンズ系21を焦点調節する(ステップS1164)。評価値補正モードが設定されている場合、上述したように焦点位置に応じて焦点検出領域を動的に調節してコントラスト評価値が算出される。
【0082】
コントラストAFにより合焦状態となったと判断された場合、撮像素子36で露光して撮像し(ステップS1166)、メインミラー32をダウンして被写体光束中に斜設する(ステップS1168)。続いて、撮像素子36から読み出された画像信号から画像処理部51が生成した画像データを、外部接続IF56を介して記録媒体に記録する(ステップS1170)。
【0083】
図13は、撮像動作を実行する場合の処理フローの他の一例を示す。すなわち、図10のステップS1112における動作の内部処理の一例である。本フローは、撮像実行に関するユーザ指示として、レリーズボタンが半押し操作された場合の動作フローを示す。この場合、一眼レフカメラ10はファインダモードで動作する。ファインダモードでは、接眼光学系38を介してユーザに被写体の光学像を提示して、撮像指示を受け付ける。
【0084】
本フローが開始すると、カメラシステム制御部52は、位相差AFによりレンズ系21の焦点調節を開始する(ステップS1202)。続いて、ステップS1204において、カメラシステム制御部52は、撮像実行指示がなされた否かを判断する。例えば、撮像実行指示としてのレリーズボタンの全押し操作が検出されたか否かを判断する。例えば、半押し操作と判断される深さよりもレリーズボタンが深く押し込まれたか否かを判断する。
【0085】
撮像実行指示がなされていない場合、ステップS1202に処理を戻す。したがって、撮像実行指示があるまで、位相差AFでレンズ系21の焦点調節が行われる。
【0086】
撮像実行指示がなされた場合、ステップS1206において、メインミラー32をアップして、メインミラー32を被写体光束から退避させる。続いて、カメラシステム制御部52は、撮像素子36から出力される画像信号を用いて、コントラストAFによるレンズ系21の焦点調節を開始する(ステップS1208)。また、コントラストAFに並行して、露出を制御する(ステップS1210)。
【0087】
なお、ここでのコントラストAFおよび露出制御は、レンズ系21がバリフォーカルレンズであるか否か、および、レンズ系21がバリフォーカルレンズとみなされるか否かにかかわらず、評価値非補正モードで行う。ステップS1202において既に位相差AFで焦点調節されているので、ステップS1208におけるコントラストAFでは、フォーカスレンズ24の位置を微調節することで、更に高い精度で焦点調節を行う。したがって、ここでのコントラストAFでは、焦点位置を大きく変化させる必要がない。このため、評価値非補正モードによっても十分な精度で評価値を算出することができる。
【0088】
コントラストAFにより合焦したと判断された場合、撮像素子36で露光して撮像し(ステップS1212)、メインミラー32をダウンして被写体光束中に斜設する(ステップS1214)。続いて、撮像素子36から読み出された画像信号から画像処理部51が生成した画像データを、外部接続IF56を介して記録媒体に記録する(ステップS11216)。
【0089】
なお、以上の説明において、撮像素子36が出力した画像信号から、レンズ系21による画角変化を考慮して部分領域に対する評価を行うとした。しかし、測光素子39が撮像素子としても機能できる場合、測光素子39が出力した画像信号から、レンズ系21による画角変化を考慮して部分領域に対する評価を行ってもよい。具体的には、測光素子39が撮像素子としても機能する場合、測光素子39が出力する画像信号から、画角変化を考慮してコントラスト評価値、測光評価値等の評価値を算出してもよい。また、測光素子39が出力した画像信号から、画角変化を考慮して顔等の特定被写体の像を検出してもよい。本動作は、測光素子39が例えばCCDセンサ、CMOSセンサ等で実装され、被写体像を形成するのに十分な数の光電変換素子を有する場合に適用できる。
【0090】
測光素子39が撮像素子として機能する場合、例えばファインダモードで撮像動作を開始したときに、測光素子39が出力した画像信号から測光評価値を算出することができる。例えば、図12のステップS1202において、被写体の位置に追従して位相差AFで焦点調節をしているときに、画角変化を考慮して測光評価値を算出してもよい。また、ファインダモードで撮像動作を開始した場合でも、測光素子39が出力した画像信号から、画角変化を考慮してコントラストAFで焦点調節を行うことができる。また、測光素子39が出力した画像信号から、画角変化を考慮して顔画像等を検出する処理を実行ことができる。このように測光素子39が出力する画像信号から部分領域を評価する場合においても、レンズ系21がバリフォーカルレンズであるか否か、および、レンズ系21がバリフォーカルレンズとみなされるか否かに応じて、評価値補正モードおよび評価値非補正モードのいずれかを選択して評価してよい。
【0091】
なお、以上において説明したコントラスト評価値の検出、測光評価値の検出、および、顔等の被写体像の検出は、画角変化を考慮して複数の画像のそれぞれの部分領域を評価することの一例である。これらの処理の他、部分領域の画像を元にホワイトバランス調節等をする場合にも、レンズ系21の画角変化を考慮して行うことができる。
【0092】
本実施形態の一眼レフカメラ10に関連して説明した処理は、一眼レフカメラ10の各部、例えばカメラシステム制御部52等を実装するプロセッサ等が、コンピュータプログラムに従って動作することにより、実現することができる。すなわち、当該処理を、いわゆるコンピュータ装置によって実現することができる。コンピュータ装置は、上述した処理の実行を制御するコンピュータプログラムをロードして、読み込んだコンピュータプログラムに従って動作して、当該処理を実行してよい。コンピュータ装置は、当該コンピュータプログラムを記憶しているコンピュータ読取可能な記録媒体を読み込むことによって、当該コンピュータプログラムをロードすることができる。
【0093】
本実施形態において、一眼レフカメラ10を取り上げて、電子機器の一例としての撮像装置の機能および動作を説明した。撮像装置としては、コンパクトデジタルカメラ、ミラーレス一眼カメラ、ビデオカメラ、撮像機能付きの携帯電話機、撮像機能付きの携帯情報端末、撮像機能付きのゲーム機器等の娯楽装置等、撮像機能を有する機器を適用の対象とすることができる。また、撮像装置の用途も特に限定されず、例えば監視用、工業用など、種々の用途に適用できる。
【0094】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0095】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0096】
10 一眼レフカメラ、11 光軸、20 レンズユニット、21 レンズ系、22 前玉、23 後玉、24 フォーカスレンズ、25 ズームレンズ、26 鏡筒、27 レンズ回路基板、29 レンズマウント、30 カメラユニット、31 カメラマウント、32 メインミラー、33 ピント板、34 メインミラー回転軸、35 ミラーボックス、36 撮像素子、37 ペンタプリズム、38 接眼光学系、39 測光素子、40 サブミラー、41 合焦光学系、42 合焦センサ、43 フォーカルプレーンシャッタ、44 基板、50 メイン基板、51 画像処理部、52 カメラシステム制御部、53 表示ユニット、54 二次電池、55 表示制御部、56 外部接続IF、57 システムメモリ、58 ワークメモリ、59 駆動制御部、60 操作入力部、71 レンズシステム制御部、72 レンズメモリ、73 レンズ駆動部、301、302、303、901、902、903、1001、1002、1003 画像、310、320、330 焦点検出領域、510 高周波抽出フィルタ、620、630 画像、700、710 コントラスト評価値、800 マーク、910、920、930 測光領域、1010、1020、1030 顔検出領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
位相差AF及びコントラストAFを行って合焦制御を行う撮像装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2009−244429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
バリフォーカルレンズを通じて撮像された画像の部分領域を評価する場合、焦点位置だけでなく画角変化によって、評価結果が変化してしまう場合がある。したがって、バリフォーカルレンズの画角変化に影響され、部分画像を正しく評価することができない場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様においては、電子機器は、バリフォーカルレンズを通じて連続して撮像された複数の画像を取得する画像取得部と、バリフォーカルレンズの焦点位置の変化による画角変化を考慮して、複数の画像のそれぞれの部分領域を評価する評価部と、を備える。
【0005】
本発明の第2の態様においては、プログラムは、バリフォーカルレンズを通じて連続して撮像された複数の画像を取得する画像取得ステップと、バリフォーカルレンズの焦点位置の変化による画角変化を考慮して、複数の画像のそれぞれの部分領域を評価する評価ステップと、をコンピュータに実行させる。
【0006】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本実施形態に係る一眼レフカメラ10の要部断面図を示す。
【図2】本実施系地に係る一眼レフカメラのシステム構成を概略的に示す。
【図3】コントラストAFにおける焦点検出領域の設定例を模式的に示す。
【図4】焦点検出領域を幾何学的に調節するための情報をテーブル形式で示す。
【図5】コントラスト評価値を算出する処理の一例を模式的に示す。
【図6】コントラスト評価値を算出する処理の他の一例を模式的に示す。
【図7】コントラストAFの動作の一例を示す。
【図8】焦点検出領域の表示例を示す。
【図9】測光領域の設定例を模式的に示す。
【図10】顔検出領域の設定例を模式的に示す。
【図11】一眼レフカメラ10の起動から終了までの処理フローを示す。
【図12】撮像動作の一例を示す。
【図13】撮像動作の他の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0009】
図1は、本実施形態に係る一眼レフカメラ10の要部断面図である。一眼レフカメラ10は、レンズユニット20がカメラユニット30に装着されて、撮像装置として機能する。カメラユニット30には、焦点距離、開放F値等の異なる複数のレンズユニット20が、交換レンズとして交換可能に装着される。
【0010】
レンズユニット20は、光軸11に沿って配列され鏡筒26に支持されたレンズ系21を備える。撮像レンズの一例としてのレンズ系21は、入射される被写体光束をカメラユニット30へ導く。図においては、レンズ系21を構成するレンズとして前玉22および後玉23の他に、フォーカスレンズ24、ズームレンズ25等が含まれる。フォーカスレンズ24、ズームレンズ25は、それぞれ焦点調整、画角調整の指示に応じて光軸方向に移動できるように構成されている。例えば、フォーカスレンズ24およびズームレンズ25は、カメラユニット30からの指示に従って位置が制御される。また、フォーカスレンズ24は、レンズユニット20が備えるフォーカスリングを介してユーザ操作により位置が制御される。また、ズームレンズ25は、レンズユニット20が備えるズームリングを介してユーザ操作により位置が制御される。
【0011】
鏡筒26は、レンズ回路基板27を支持しており、レンズ回路基板27は、レンズユニット20を制御する各種回路、電子素子等を搭載している。レンズユニット20は、カメラユニット30との接続部にレンズマウント29を備え、カメラユニット30が備えるカメラマウント31と係合して、カメラユニット30と一体化する。レンズマウント29とカメラマウント31はそれぞれ通信端子を備えており、マウント同士が係合したときに互いの通信端子が接続される。これにより、レンズ回路基板27に搭載された各種回路、電子素子等は、カメラユニット30側と電気的に接続される。カメラユニット30は、カメラユニット30およびレンズユニット20の通信端子を介して、レンズユニット20の固有情報のデータを、レンズユニット20から取得する。
【0012】
カメラユニット30は、レンズユニット20から入射される被写体光束を反射するメインミラー32と、メインミラー32で反射された被写体光束が結像するピント板33を備える。メインミラー32は、ミラーボックス35の内部でメインミラー回転軸34周りに揺動して、光軸11を中心とする被写体光束中に斜設される反射状態と、被写体光束から退避する退避状態を取り得る。サブミラー40は、メインミラー32が被写体光束から退避する場合は、メインミラー32に連動して被写体光束から退避する。メインミラー回転軸34は、ミラーボックス35の側壁に支持される。
【0013】
ユーザ操作を検出する操作入力部の一部としてのライブビューボタンが押し下げられた場合、または、操作入力部の一部としてのレリーズボタンが最下部まで押し下げられた場合、破線で示した退避状態を取る。例えば、メインミラー32は、被写体光束中に斜設された状態で、ライブビューボタンが押し下げられた場合またはレリーズボタンが最下部まで押し下げられた場合、破線で示した退避位置に移動する。ライブビューボタンが押し下げられた場合、メインミラー32は、再度ライブビューボタンが押し下げられるまで退避位置に留まる。一方、レリーズボタンが押し下げられた場合は、所定の撮像動作を終えると、メインミラー32はダウンされ元の斜設状態の位置に戻される。
【0014】
フォーカルプレーンシャッタ43、撮像素子36は、基板44上に形成され、光軸11に沿って配列されている。したがって被写体光束は、レンズ系21を透過してカメラユニットへ入射し、メインミラー32およびサブミラー40が退避状態となったミラーボックス35の内部と開放状態のフォーカルプレーンシャッタ43を通過して、撮像素子36の受光面で結像する。すなわち、この被写体光束の光路が撮影光路となる。
【0015】
撮像素子36は、例えばCMOSセンサなどの光電変換素子を有する。撮像素子36は、受光面で結像した被写体像を電気信号として出力する複数の光電変換素子を有する。撮像素子36は、メイン基板50と電気的に接続される。メイン基板50には、撮像素子36で光電変換された電気信号を画像信号として処理する画像処理部51、カメラユニット30の全体を制御するカメラシステム制御部52等の電気素子が搭載されている。カメラシステム制御部52は、例えばMPUにより実装される。画像処理部51は、ASIC、DSP等により実装される。
【0016】
画像処理部51は、撮像素子36から出力された被写体像の電気信号から画像データを生成する。画像処理部51は、画像データから、1以上の部分領域毎にコントラスト量を検出する。例えば予め定められた複数の焦点検出領域毎にコントラスト量を算出する。カメラシステム制御部52等の制御によって、コントラスト量に基づき決定された目標位置に向けてフォーカスレンズ24の位置が制御される。このように、レンズユニット20に対して、コントラスト検出方式で焦点状態が検出されて焦点調節が行われる。コントラスト検出方式で焦点状態を検出して焦点調節することを、コントラストAFと呼ぶ。
【0017】
カメラユニット30の背面には液晶モニタ等による表示ユニット53が配設されている。表示ユニット53は、撮像素子36に含まれる撮像用素子が出力した画像信号に基づく画像を表示する表示部の一例である。表示ユニット53は、画像処理部51が被写体像の電気信号から生成した表示用画像データを用いて、被写体像を表示する。表示ユニット53は、撮像後の静止画像に限らず、各種メニュー情報、撮像情報、告知情報等を表示する。ライブビュー時には、上述の焦点調節をしながら、撮像素子36の受光面に結像した被写体像の電気信号から表示用画像データが生成され、生成した表示用画像データに基づき、表示ユニット53が被写体像を表示する。
【0018】
ピント板33は、撮像素子36の受光面と共役の位置に配置されている。ピント板33で結像した被写体像は、ペンタプリズム37で正立像に変換され、接眼光学系38を介してユーザに観察される。また、ペンタプリズム37の射出面上方には測光素子39が配置されており、測光素子39によって被写体像の輝度分布を検出する。
【0019】
斜設状態におけるメインミラー32の光軸11の近傍領域は、ハーフミラーとして形成されており、入射される被写体光束の一部が透過する。透過した被写体光束は、メインミラー32と連動して揺動するサブミラー40で反射されて、合焦光学系41へ導かれる。合焦光学系41を通過した被写体光束は、合焦センサ42へ入射される。合焦センサ42は、受光した被写体光束から位相差信号を出力する複数の光電変換素子列を有する。合焦センサ42は、被写体像の特定の領域に対応して設けられる複数の焦点調整領域のそれぞれにおいて、合焦状態、前ピン状態、後ピン状態を検出でき、前ピン状態、後ピン状態の場合には、合焦状態からのずれ量も検出することができるように構成されている。レンズ系21の焦点状態は、カメラシステム制御部52等の制御によって、位相差信号を相関演算することで特定される。そして、カメラシステム制御部52等の制御によって、焦点状態に基づきフォーカスレンズ24の目標位置が決定され、決定された目標位置に向けてフォーカスレンズ24の位置が制御される。このように、レンズユニット20に対して、位相差検出方式で焦点状態が検出されて焦点調節が行われる。すなわち、メインミラー32がダウンし斜設状態にある場合、合焦センサ42からの出力を用いて、位相差検出方式で焦点状態を検出して焦点調節することができる。位相差検出方式で焦点状態を検出して焦点調節することを、位相差AFと呼ぶ。
【0020】
また、カメラユニット30には着脱可能な二次電池54が収容される。二次電池54は、カメラユニット30に限らず、レンズユニット20にも電力を供給する。
【0021】
図2は、本実施系地に係る一眼レフカメラのシステム構成を概略的に示すブロック図である。一眼レフカメラ10のシステムは、レンズユニット20とカメラユニット30のそれぞれに対応して、レンズシステム制御部71を中心とするレンズ制御系と、カメラシステム制御部52を中心とするカメラ制御系により構成される。そして、レンズ制御系とカメラ制御系は、レンズマウント29とカメラマウント31によって接続される通信端子を介して、相互に各種データ、制御信号の授受を行う。
【0022】
カメラ制御系に含まれる画像処理部51は、カメラシステム制御部52からの指令に従って、撮像素子36から出力された画像信号を処理して画像データを生成する。すなわち、画像処理部51は、レンズ系21を通じて連続して撮像された複数の画像を取得する画像取得部として機能する。画像処理部51で生成された画像データは、表示制御部55へ送られて、例えば撮像後の一定時間の間、表示ユニット53に表示される。これに並行して、処理された画像データは、予め定められた画像フォーマットに加工され、外部接続IF56を介して記録媒体に記録される。画像処理部51は、カメラシステム制御部52からの指令に従って、撮像素子36から出力された画像信号を処理して、コントラスト量を示すコントラスト評価値を生成する。カメラシステム制御部52は、コントラスト評価値、および、合焦センサ42からの位相差検出信号の少なくとも一方に基づき焦点調節用の制御信号を生成して、レンズシステム制御部71に供給する。
【0023】
システムメモリ57は、例えばフラッシュメモリなどの不揮発性メモリであり、一眼レフカメラ10を制御するプログラム、各種パラメータなどを記憶する役割を担う。ワークメモリ58は、例えばRAMなどの高速アクセスできるメモリであり、処理中の画像データを一時的に保管する役割などを担う。
【0024】
駆動制御部59は、カメラシステム制御部52からの指令に従ってメインミラー32、サブミラー40、フォーカルプレーンシャッタ43等を駆動する。操作入力部60は、レリーズボタン、ライブビューボタン等の操作入力部60がユーザに操作されたことを検出して、カメラシステム制御部52へ出力する。
【0025】
レンズシステム制御部71は、カメラシステム制御部52からの制御信号を受けて各種動作を制御する。レンズメモリ72は、レンズ固有情報およびレンズシステム制御部71が実行するプログラム等を記憶している。レンズ固有情報としては、後述する画角変化情報を含む。レンズ駆動部73は、レンズシステム制御部71がカメラシステム制御部52から受け取った制御信号に従って、フォーカスレンズ24、ズームレンズ25、絞り28等を駆動する。
【0026】
図3は、コントラストAFにおける焦点検出領域の設定例を模式的に示す。画像301、画像302、画像303は、コントラストAFで一連の焦点調節する場合において、レンズ系21の焦点位置を異ならせて得た3つの画像とする。例えば、画像301、画像302、画像303は、フォーカスレンズ24の位置を異ならせて得た画像である。
【0027】
なお、本実施形態において、分かり易く図示することを目的として、レンズ系21による画角変化を強調して示す。また、本図では、合焦した被写体をより細い線で模式的に図示した。すなわち、画像301よりも画像302の方が、被写体に対し合焦した状態で得た画像である。また、画像302よりも画像303の方が、被写体に対して合焦した状態で得た画像である。
【0028】
レンズユニット20が備えるレンズ系21が画角と焦点位置とが連動するバリフォーカルレンズである場合、カメラシステム制御部52は、各画像の間で対応する被写体領域からコントラスト評価値が算出されるよう、コントラストAF中に焦点検出領域のサイズを調節する。また、カメラシステム制御部52は、対応する被写体領域からコントラスト評価値が算出されるよう、焦点検出領域の位置を調節する。
【0029】
例えば、カメラシステム制御部52は、画像301に対して、焦点検出領域310aおよび焦点検出領域310bを設定する。また、カメラシステム制御部52は、画像302に対しては、画角変化に応じてサイズを調節した焦点検出領域320aを設定する。また、カメラシステム制御部52は、画角変化に応じてサイズおよび位置を調節した焦点検出領域320bを設定する。本例において、カメラシステム制御部52は、画像301からの画角の減少分に対応して、焦点検出領域320aのサイズを焦点検出領域310aよりも拡大する。また、カメラシステム制御部52は、画像301からの画角の減少分に対応して、焦点検出領域320bのサイズを焦点検出領域310bよりも拡大する。
【0030】
同様に、カメラシステム制御部52は、画像303に対しては、画角変化に応じてサイズを調節した焦点検出領域330aを設定する。また、カメラシステム制御部52は、画角変化に応じてサイズおよび位置を調節した焦点検出領域330bを設定する。本例において、カメラシステム制御部52は、画像302からの画角の減少分に対応して、焦点検出領域330aのサイズを焦点検出領域320aよりも拡大する。また、カメラシステム制御部52は、画像302からの画角の減少分に対応して、焦点検出領域330bのサイズを焦点検出領域320bよりも拡大する。
【0031】
画像処理部51は、焦点検出領域内の画像データに画像フィルタを適用して、コントラスト評価値を算出する。例えば、画像処理部51は、高周波成分を抽出する画像フィルタを、各焦点検出領域に適用して、コントラスト評価値を算出する。カメラシステム制御部52の制御によれば、各画像において対応する被写体領域に焦点検出領域を設定するので、画角変化によるコントラスト評価値への影響を実質的に排除することができる。このため、焦点状態の変化を、コントラスト評価値の変化としてきちんと算出することができる。
【0032】
このように、カメラシステム制御部52および画像処理部51によれば、画角変化を考慮して、レンズ系21の焦点状態を、部分領域の一例としての焦点検出領域から検出することができる。具体的には、焦点検出領域のサイズおよび位置を、画角変化に応じて調節する。このため、バリフォーカルレンズの焦点状態として、コントラスト評価値を焦点検出領域からきちんと検出することができる。なお、焦点検出領域のサイズだけを、画角変化に応じて調節してもよい。また、焦点検出領域の位置だけを、画角変化に応じて調節してもよい。すなわち、焦点検出領域のサイズおよび位置の少なくとも一方を、画角変化に応じて調節してもよい。すなわち、焦点検出領域を、画角変化に応じて幾何学的に調節してもよい。
【0033】
図4は、焦点検出領域を幾何学的に調節するための情報の一例をテーブル形式で示す。本情報は、レンズメモリ72内に、レンズ固有情報の一部として記憶される。レンズ固有情報は、一眼レフカメラ10の起動時に、カメラシステム制御部52により読み込まれて、ワークメモリ58に記憶される。
【0034】
レンズメモリ72は、ズーム値zに対応づけて、画像領域の中心からの距離に対する拡縮係数Cを格納している。画像領域の中心位置は、レンズ系21の光軸11の位置に対応する。ここで、拡縮係数Cは、フォーカスレンズ24の位置に応じて変化する。拡縮係数Cは、フォーカスレンズ24の位置の関数としてレンズメモリ72に記憶されてよい。また、拡縮係数Cは、フォーカスレンズ24の位置に関するテーブルデータとしてレンズメモリ72に記憶されてよい。カメラシステム制御部52は、レンズ系21の現在のズーム値に対応する拡縮係数Cを用いて、フォーカスレンズ24の位置に応じて焦点検出領域のサイズおよび位置を算出することができる。
【0035】
例えば、カメラシステム制御部52は、撮像素子36の有効画素領域に対して設定された基準となる複数の焦点検出領域のそれぞれについて、拡縮係数を用いて焦点検出領域の座標値を算出する。一例として、カメラシステム制御部52は、矩形の焦点検出領域が設定されている場合、矩形の対角の座標を、拡縮係数を用いて補正する。具体的には、撮像素子36の有効画素領域上の光軸11に対応する点を原点として、設定された焦点検出領域の対角の座標に拡縮係数を乗じる。拡縮係数を乗じることで補正された対角の座標によって、補正後の焦点検出領域のサイズおよび位置が定まる。このようにして補正された焦点検出領域の幾何学情報は、コントラストAF時に画像処理部51において、コントラスト評価値を検出する焦点検出領域を特定するために使用される。
【0036】
本図において例示したように、レンズメモリ72は、画角変化に対応する焦点検出領域の幾何学的変化を示す情報を記憶する情報記憶部として機能する。具体的には、レンズメモリ72は、画角変化に対応する部分領域のサイズおよび位置の変化を示す情報を記憶する。カメラシステム制御部52は、評価対象とする焦点検出領域のサイズを、レンズメモリ72に記憶された情報に基づいて調節する。具体的には、カメラシステム制御部52は、評価対象とする部分領域のサイズおよび位置を、レンズメモリ72に記憶された情報に基づいて調節する。
【0037】
なお、本図において例示したように、レンズメモリ72は、ズーム値に対応する拡縮係数を格納する。レンズメモリ72に格納されたズーム値の集合は、レンズ系21がバリフォーカルレンズとみなされるズーム値の範囲を定める。すなわち、このズーム値の範囲以外のズーム値においては、レンズ系21は実質的にバリフォーカルレンズとはみなされない。したがって、画像処理部51は、レンズ系21のズーム値が本ズーム値の範囲内にある場合に、画角変化を考慮して焦点検出領域を評価対象とする。一方、画像処理部51は、レンズ系21のズーム値が本ズーム値の範囲外にある場合に、基準の焦点検出領域を評価対象とする。すなわち、レンズメモリ72は、対応する画角変化量が予め定められた値を超えるズーム値の範囲を記憶する範囲記憶部として機能する。そして、画像処理部51は、レンズ系21のズーム値がレンズメモリ72に記憶されている範囲内にある場合に、画角変化を考慮して複数の画像のそれぞれの焦点検出領域を評価する。
【0038】
なお、本図で例示した情報は、レンズ系21の焦点位置の変化に対応する画角変化を示す画角変化情報の一例である。すなわち、カメラシステム制御部52は、レンズユニット20が有するレンズ系21の画角変化情報をレンズユニット20から取得する。画像処理部51は、取得された画角変化情報に基づいて焦点検出領域を評価することができる。なお、レンズメモリ72は、レンズ系21がバリフォーカルレンズであるか否かを示す情報を記憶してもよい。例えば、レンズメモリ72は、レンズ系21がバリフォーカルレンズである旨を示す情報を、本図に例示した画角変化情報とともに記憶してよい。画像処理部51は、レンズ系21がバリフォーカルレンズである旨を示す情報をレンズユニット20から取得したことを条件として、レンズ系21の画格変化を考慮して焦点検出領域を評価してよい。
【0039】
図5は、コントラスト評価値を算出する処理の一例を模式的に示す。ここでは、焦点検出領域310a、焦点検出領域320aおよび焦点検出領域330aからコントラスト評価値を算出する処理を表す。ここで、焦点検出領域310a、焦点検出領域320aおよび焦点検出領域330aの面積を、それぞれS1、S2およびS3とする。面積は、焦点検出領域内の画素数に比例するものとする。
【0040】
画像処理部51は、高周波抽出フィルタ510を焦点検出領域310aに適用して、高周波成分を抽出する。画像処理部51は、抽出した高周波成分を焦点検出領域310a内で積算して、得られた積算値をコントラスト評価値として算出する。
【0041】
焦点検出領域320aに対しては、焦点検出領域310aと同様に、画像処理部51は、高周波抽出フィルタを適用して、焦点検出領域320a内で積算する。画像処理部51は、得られた積算値をS1/S2を乗じた値を、コントラスト評価値として算出する。焦点検出領域330aに対しては、得られた積算値をS1/S3で乗じる点を除いて、焦点検出領域320aと同様にコントラスト評価値を算出する。
【0042】
このように、画像処理部51は、焦点検出領域から検出されたコントラスト評価値を、調節された部分領域のサイズで規格化する。本例によると、コントラスト評価値を面積に応じて規格化するので、画角変化によるコントラスト評価値の変化分を実質的にキャンセルすることができる。このため、焦点状態の変化を表す指標値として、コントラスト評価値を適切に算出することができる。
【0043】
図6は、コントラスト評価値を算出する処理の他の一例を模式的に示す。ここでも、焦点検出領域310a、焦点検出領域320aおよび焦点検出領域330aからコントラスト評価値を算出する処理を表す。
【0044】
焦点検出領域310aに対して、図5の例と同様に、画像処理部51は、高周波抽出フィルタ510を適用して焦点検出領域310a内で積算し、得られた積算値をコントラスト評価値として算出する。焦点検出領域320aに対しては、画像処理部51は、焦点検出領域320aの画像を縮小して面積S1の画像620aを生成する。生成した画像620aに対して、高周波抽出フィルタ510を適用して焦点検出領域320a内で積算し、得られた積算値をコントラスト評価値として算出する。焦点検出領域330aに対しては、画像処理部51は、焦点検出領域320aと同様に、焦点検出領域330aの画像を縮小して面積S1の画像630aを生成し、高周波抽出フィルタ510を適用して焦点検出領域330a内で積算し、得られた積算値をコントラスト評価値として算出する。
【0045】
このように、画像処理部51は、焦点検出領域の画像を予め定められた基準サイズの画像に変換して、変換された画像から、コントラストの評価値を検出する。本例によれば、面積を規格化してからコントラスト評価値を抽出するので、画角変化によるコントラスト評価値の変化分を実質的にキャンセルすることができる。このため、本例によっても、焦点状態の変化を表す指標値として、コントラスト評価値を適切に算出することができる。
【0046】
なお、面積を規格化する場合においては画像の拡大処理が生じないよう、規格化の目標とする基準サイズを、予め定められた値以下のサイズに設定してよい。例えば、画角変化に応じて調節される焦点検出領域のサイズのうち、最小のサイズ以下のサイズを基準サイズとして適用してよい。調節後の焦点検出領域のサイズは、画角が最大となる場合に、最小となる。また、焦点検出領域のサイズは、フォーカスレンズ24の位置に応じて変化する。したがって、例えば図7に関連して説明するように、フォーカスレンズ24の位置について予め定められた範囲内から合焦位置を探索する場合に、当該範囲内において画角が最大となる場合の焦点検出領域のサイズを、基準サイズとして適用してよい。すなわち、画像処理部51は、複数の画像のそれぞれにおいて調節された焦点検出領域のサイズのうち最小サイズ以下のサイズを、基準サイズとして適用する。このように基準サイズを選択することで、焦点検出領域の面積を拡大することなく規格化することができる。
【0047】
なお、焦点検出領域の画像を縮小することで画像の高周波成分が強調される場合がある。例えば、縮小処理に適用する補間関数によっては、高周波成分が強調される場合がある。この場合、縮小による高周波成分の強調度合いに応じて、積算値を低減する補正係数を乗じてもよい。例えば、縮小率が大きいほど高周波成分が強調される場合、縮小率が大きいほど小さい補正係数を積算値に乗じることによって、コントラスト評価値を算出してもよい。
【0048】
図7は、コントラストAFの動作の一例を説明するための図である。カメラシステム制御部52は、レンズユニット20に対して、予め定められた範囲Z1〜Z6でフォーカスレンズ24を変位させるよう、レンズシステム制御部71に指示する。画像処理部51は、フォーカスレンズ24が各位置に変位された状態で、図5または図6等に例示した処理により、コントラスト評価値700−1〜6を算出する。
【0049】
カメラシステム制御部52は、コントラスト評価値700と、位置Z1〜Z6とを用いて、コントラスト評価値が最大となることが予測される目標位置Z7を算出する。そして、カメラシステム制御部52は、フォーカスレンズ24を目標位置Z7に変位させ、得られた画像データの焦点検出領域からコントラスト評価値700よりも大きいコントラスト評価値710が算出された場合に、合焦状態と判断してよい。
【0050】
なお、カメラシステム制御部52は、目標位置Z7の近傍の予め定められた範囲内でフォーカスレンズ24の位置を微小に変位させて、コントラスト評価値を算出してもよい。このようにフォーカスレンズ24の位置を微調整する場合には、焦点検出領域のサイズ等を調節しなくともよい。すなわち、レンズ系21の焦点位置を広い範囲で変化させる場合には、画角変化を考慮して焦点検出領域を設定してコントラスト評価値を算出してよい。そして、目標位置の近傍で合焦状態となる位置を詳細に探索する場合のように、焦点位置を狭い範囲で変化させる場合には、画角変化を考慮することなく規定の焦点検出領域を設定してコントラスト評価値を算出してもよい。
【0051】
このように、コントラスト評価値に対する画角変化の影響を無視できない範囲で焦点位置を変化させる場合には、画角変化を考慮して焦点検出領域を適用することで、目標位置を正確に決定することができる。一方、コントラスト評価値に対する画角変化の影響を無視できる範囲で焦点位置を変化させる場合には、規定の焦点検出領域を適用することで、コントラスト評価値を算出するための演算量を低減することができる。結果として高速に合焦制御を行うことができる場合がある。コントラスト評価値に対する画角変化の影響を無視できる範囲で焦点位置を変化させる場合としては、上述した目標位置Z7を算出後にフォーカスレンズ24の位置を微調整する場合の他に、特定被写体に追従してレンズ系21の焦点調節をする場合等を例示することができる。
【0052】
図8は、焦点検出領域の表示例を示す。カメラシステム制御部52は、表示制御部55を制御して、焦点検出領域を示すマーク800を表示ユニット53に表示する。このため、コントラストAF中に変化する焦点検出領域を、ユーザに視覚的に提示することができる。マーク800は、コントラストAF動作に応じて変化し得る。したがってユーザは、どの範囲の被写体に対して焦点調節されているかを意識して、撮影することができる。本表示に関する制御は、例えば後述するライブビュー撮影時において、レリーズボタンが押し込まれた後にコントラストAFで焦点調節する場合に適用することができる。
【0053】
なお、表示ユニット53は、焦点検出領域をユーザに提示する提示部の一例である。一眼レフカメラ10は、調節された焦点検出領域を示す情報を画像データに付帯して記録媒体等に記録することでユーザに提示してもよい。
【0054】
図9は、測光領域の設定例を模式的に示す。ここでは、撮像素子36が出力した画像信号を用いて、特定の被写体領域を測光する場合を例に挙げて説明する。ここで説明する測光領域の設定処理は、例えば測光部位を固定してスポット測光する場合に適用できる。画像901、画像902および画像903は、図3に例示した画像301、画像302および画像303と同様、コントラストAFにおいて焦点位置を異ならせて得た3つの画像とする。
【0055】
カメラシステム制御部52は、画像901に対して、測光領域910を設定する。また、カメラシステム制御部52は、画像902に対しては、画角変化に応じてサイズを拡大した測光領域920を設定する。また、カメラシステム制御部52は、画像903に対しては、画角変化に応じてサイズを更に拡大した測光領域930を設定する。本例において、カメラシステム制御部52は、画像901からの画角の減少分に対応して、測光領域920のサイズを測光領域910よりも大きく設定する。また、カメラシステム制御部52は、画像902からの画角の減少分に対応して、測光領域930のサイズを測光領域920よりも大きく設定する。
【0056】
カメラシステム制御部52の制御によって、各画像において対応する被写体領域に測光領域が設定されるので、画角変化により生じる測光評価値の影響を実質的に排除することができる。このため、焦点位置の変化に対応する測光評価値の変化をきちんと算出することができる。例えば、画像903において設定された測光領域930と同じサイズの測光領域を画像901に適用した場合、光源が測光領域に入ってしまう。しかし、本図に示したように画角変化を考慮して測光領域を設定するので、光源の存在によって測光評価値が大きく変動することを未然に防ぐことができる。
【0057】
なお、画像処理部51は、測光領域内の輝度信号を積算して、得られた積算値から測光評価値を算出する。例えば、画像処理部51は、図5に関連して説明したように、積算値を面積で規格化して測光評価値を算出して、測光評価値から撮像Ev値を算出する。そして、カメラシステム制御部52は、撮影Ev値から露出値を決定する。例えば、カメラシステム制御部52は、絞り28の絞り量及び撮像素子36の電荷蓄積時間等を決定する。このように、画像処理部51は、レンズ系21の画角変化を考慮して、複数の画像を撮像した撮像素子36の露出状態を、測光領域から検出する。
【0058】
なお、本例では、説明を分かり易くするために、中央部に設定した測光領域を取り上げた。しかし、カメラシステム制御部52は、焦点検出領域に関連して説明したように、対応する被写体領域から撮影Ev値を算出するために、測光領域の位置を調節してもよい。すなわち、カメラシステム制御部52は、測光領域のサイズおよび位置を調節してもよい。
【0059】
図10は、顔検出領域の設定例を模式的に示す。ここでは、撮像素子36が出力した画像信号から、人物像を検出する場合を例に挙げて説明する。画像1001、画像1002および画像1003は、図3に例示した画像301、画像302および画像303と同様、コントラストAFにおいて焦点位置を異ならせて得た3つの画像とする。
【0060】
画像処理部51は、撮像素子36が出力した画像信号から顔画像を検出する。例えば、画像処理部51は、ユーザが指定した領域に写り込んでいる顔画像を追尾するべく、顔検出領域を設定する。
【0061】
例えば、カメラシステム制御部52は、画像1001に対して、顔検出領域1010を設定する。また、カメラシステム制御部52は、画像1002に対しては、画角変化に応じてサイズを拡大した顔検出領域1020を設定する。また、カメラシステム制御部52は、画像1003に対しては、画角変化に応じてサイズを更に拡大した顔検出領域1030を設定する。例えば、カメラシステム制御部52は、画像1001からの画角の減少分に対応して、顔検出領域1020のサイズを顔検出領域1010よりも大きく設定する。同様に、カメラシステム制御部52は、画像1002からの画角の減少分に対応して、顔検出領域1030のサイズを、顔検出領域1020よりも大きく設定する。
【0062】
カメラシステム制御部52の制御によって、各画像において対応する被写体領域に顔検出領域が調節される。そして、画像処理部51は、調節された顔検出領域から人物像を検出する。例えば、画像処理部51は、調節された顔検出領域内の画像データから、パターンマッチング、特徴量抽出等の手法を用いて、顔画像を検出する。
【0063】
このため、顔検出領域を一度設定すると、画角変化が生じても、設定した領域に対応する被写体領域からきちんと人物の顔画像を検出することができる。顔検出領域を固定で設定した場合、画角変化によって他の被写体が顔検出領域に写り込む場合がある。しかし、一眼レフカメラ10によれば、画角変化を考慮して顔検出領域を設定するので、画角変化によって他の被写体が顔検出領域に写り込む可能性を著しく低減することができる。
【0064】
なお、本例では、説明を分かり易くするために、画像領域の中央部に設定した顔検出領域を取り上げた。しかし、カメラシステム制御部52は、焦点検出領域に関連して説明したように、対応する被写体領域から顔画像を検出するために、顔検出領域の位置を調節してもよい。すなわち、カメラシステム制御部52は、顔検出領域のサイズおよび位置を調節してもよい。
【0065】
なお、図9に関連して説明した測光領域、図10に関連して説明した顔検出領域の調節は、焦点検出領域の調節と同様に、図4に関連して説明した拡縮係数を用いて行うことができる。また、部分領域から抽出する被写体としては、人物の顔の他、動物、植物等、種々の被写体を例示することができる。なお、図9および図10においては、コントラストAF時の画像を対象として説明したが、フォーカスリングを回転させて焦点位置が異なる状態で撮像された画像も、本処理の対象とすることができる。
【0066】
図11は、一眼レフカメラ10の起動から終了までの処理フローを示す。本フローは、電源ボタンがONされた場合に、開始される。本フローは、特に断らない限り、カメラシステム制御部52が主体となって一眼レフカメラ10の各部を制御することにより実行される。
【0067】
ステップS1100において、カメラシステム制御部52は、初期設定を開始する。例えば、カメラシステム制御部52は、一眼レフカメラ10を制御するための各種パラメータ等を、システムメモリからワークメモリ58に展開する。また、レンズユニット20からレンズユニット20の固有情報を取得する。レンズ固有情報としては、例えば、図4に関連して説明したズーム値毎の画角変化情報を例示することができる。
【0068】
また、カメラシステム制御部52は、例えば撮像モードスイッチ等の操作入力部の状態、および、ワークメモリ58に展開された各種パラメータに基づき、一眼レフカメラ10の各部の動作条件を設定する。例えば、撮像モードスイッチの位置に応じて、撮像モードを設定する。撮像モードとしては、ポートレートモード、風景モード等を例示することができる。
【0069】
続いて、ステップS1102において、表示ユニット53に設定結果を表示する。例えば、カメラシステム制御部52は、ステップS1102で設定した撮像モード等を、表示ユニット53に表示させる。
【0070】
続いて、ステップS1104において、カメラシステム制御部52は、操作入力部60に対するユーザ操作を判断する。例えば、操作入力部60に対して諸設定を実行するユーザ指示があった場合、カメラシステム制御部52が主体となって、指示された設定処理を行う(ステップS1106)。設定処理としては、撮像モードを設定する処理、撮像条件を設定する処理、画像処理条件を設定する処理等を例示することができる。また、上述したスポット測光をする測光モード等を例示することができる。
【0071】
ステップS1104において、操作入力部60に対して画像の再生を実行するユーザ指示があった場合、再生処理を実行する(ステップS1122)。再生処理としては、記録媒体に記録された画像をサムネイル表示する処理、ユーザにより指示された画像を表示する処理等を例示することができる。
【0072】
ステップS1104において、操作入力部60に対して撮影実行に関するユーザ指示があった場合、撮像実行に関する処理を行う(ステップS1112)。なお、撮影指示を示す操作としては、ライブビューボタン、レリーズボタン等に対する操作を例示することができる。
【0073】
ステップS1104においてユーザ指示がない場合は、測光素子39による測光処理を行う(ステップS1132)。具体的には、測光素子39による測光を行い、露出値を決定する。ステップS1132で決定した露出値を示す情報は、表示ユニット53に表示され、ユーザに提示される。
【0074】
ステップS1106、ステップS1112、ステップS1122、ステップS1132の処理が完了すると、ステップS1108に進み、電源をOFFするか否かを判断する。例えば、電源ボタンがOFF位置に切り替えられた場合や、電源がONされてから予め定められた期間、ユーザ指示無しの状態が継続した場合等に、電源をOFFすると判断する。電源をOFFすると判断した場合は動作を終了し、電源をOFFしないと判断した場合はステップS1104に処理を移行させる。
【0075】
図12は、撮像を実行する場合の処理フローの一例を示す。すなわち、図10のステップS1112における動作の内部処理の一例である。本フローは、撮像実行に関するユーザ指示として、ライブビューボタンが操作された場合の動作フローを示す。
【0076】
ステップS1152において、カメラシステム制御部52は、メインミラー32をアップして、メインミラー32を被写体光束から退避させ、撮像素子36からの画像信号の読み出しを開始する。撮像素子36から順次に読み出された画像信号は、表示用の画像データに順次に加工されて、表示ユニット53に表示される。
【0077】
ステップS1154において、カメラシステム制御部52は、レンズ系21がバリフォーカルレンズとみなされるか否かを判断する。具体的には、カメラシステム制御部52は、現在設定されているズーム値において、レンズ系21がバリフォーカルレンズとみなされるか否かを判断する。より具体的には、現在設定されているズーム値が、図4に関連して説明したズーム値の範囲内にあるか否かを判断する。
【0078】
レンズ系21がバリフォーカルレンズとみなされる場合、コントラスト評価値および測光評価値を評価する処理モードを、画角変化に応じて補正する評価値補正モードに設定する(ステップS1156)。レンズ系21がバリフォーカルレンズとみなされない場合、当該処理モードを、コントラスト評価値および測光評価値を基準の評価領域で評価する評価値非補正モードに設定する(ステップS1158)。
【0079】
続いて、ステップS1160においてカメラシステム制御部52は、撮像素子36が出力した画像信号から露出値を決定して、決定した露出値に従って露出を制御する。ここで、ユーザがフォーカスリングを操作する等してレンズ系21の焦点位置が変化した場合、評価値補正モードが設定されていることを条件として、図9に関連して説明したように測光領域を動的に設定して測光評価値を算出し、露出値を決定する。
【0080】
続いて、ステップS1162において、カメラシステム制御部52は、撮像実行指示がなされた否かを判断する。例えば、撮像実行指示としてのレリーズボタンの押し込みが検出されたか否かを判断する。ステップS1162において撮像実行指示がなされていない場合、ステップS1160に処理を戻す。したがって、撮像実行指示があるまで自動的に露出が制御される。
【0081】
ステップS1162において撮像実行指示がなされたと判断された場合、カメラシステム制御部52は、コントラストAFでレンズ系21を焦点調節する(ステップS1164)。評価値補正モードが設定されている場合、上述したように焦点位置に応じて焦点検出領域を動的に調節してコントラスト評価値が算出される。
【0082】
コントラストAFにより合焦状態となったと判断された場合、撮像素子36で露光して撮像し(ステップS1166)、メインミラー32をダウンして被写体光束中に斜設する(ステップS1168)。続いて、撮像素子36から読み出された画像信号から画像処理部51が生成した画像データを、外部接続IF56を介して記録媒体に記録する(ステップS1170)。
【0083】
図13は、撮像動作を実行する場合の処理フローの他の一例を示す。すなわち、図10のステップS1112における動作の内部処理の一例である。本フローは、撮像実行に関するユーザ指示として、レリーズボタンが半押し操作された場合の動作フローを示す。この場合、一眼レフカメラ10はファインダモードで動作する。ファインダモードでは、接眼光学系38を介してユーザに被写体の光学像を提示して、撮像指示を受け付ける。
【0084】
本フローが開始すると、カメラシステム制御部52は、位相差AFによりレンズ系21の焦点調節を開始する(ステップS1202)。続いて、ステップS1204において、カメラシステム制御部52は、撮像実行指示がなされた否かを判断する。例えば、撮像実行指示としてのレリーズボタンの全押し操作が検出されたか否かを判断する。例えば、半押し操作と判断される深さよりもレリーズボタンが深く押し込まれたか否かを判断する。
【0085】
撮像実行指示がなされていない場合、ステップS1202に処理を戻す。したがって、撮像実行指示があるまで、位相差AFでレンズ系21の焦点調節が行われる。
【0086】
撮像実行指示がなされた場合、ステップS1206において、メインミラー32をアップして、メインミラー32を被写体光束から退避させる。続いて、カメラシステム制御部52は、撮像素子36から出力される画像信号を用いて、コントラストAFによるレンズ系21の焦点調節を開始する(ステップS1208)。また、コントラストAFに並行して、露出を制御する(ステップS1210)。
【0087】
なお、ここでのコントラストAFおよび露出制御は、レンズ系21がバリフォーカルレンズであるか否か、および、レンズ系21がバリフォーカルレンズとみなされるか否かにかかわらず、評価値非補正モードで行う。ステップS1202において既に位相差AFで焦点調節されているので、ステップS1208におけるコントラストAFでは、フォーカスレンズ24の位置を微調節することで、更に高い精度で焦点調節を行う。したがって、ここでのコントラストAFでは、焦点位置を大きく変化させる必要がない。このため、評価値非補正モードによっても十分な精度で評価値を算出することができる。
【0088】
コントラストAFにより合焦したと判断された場合、撮像素子36で露光して撮像し(ステップS1212)、メインミラー32をダウンして被写体光束中に斜設する(ステップS1214)。続いて、撮像素子36から読み出された画像信号から画像処理部51が生成した画像データを、外部接続IF56を介して記録媒体に記録する(ステップS11216)。
【0089】
なお、以上の説明において、撮像素子36が出力した画像信号から、レンズ系21による画角変化を考慮して部分領域に対する評価を行うとした。しかし、測光素子39が撮像素子としても機能できる場合、測光素子39が出力した画像信号から、レンズ系21による画角変化を考慮して部分領域に対する評価を行ってもよい。具体的には、測光素子39が撮像素子としても機能する場合、測光素子39が出力する画像信号から、画角変化を考慮してコントラスト評価値、測光評価値等の評価値を算出してもよい。また、測光素子39が出力した画像信号から、画角変化を考慮して顔等の特定被写体の像を検出してもよい。本動作は、測光素子39が例えばCCDセンサ、CMOSセンサ等で実装され、被写体像を形成するのに十分な数の光電変換素子を有する場合に適用できる。
【0090】
測光素子39が撮像素子として機能する場合、例えばファインダモードで撮像動作を開始したときに、測光素子39が出力した画像信号から測光評価値を算出することができる。例えば、図12のステップS1202において、被写体の位置に追従して位相差AFで焦点調節をしているときに、画角変化を考慮して測光評価値を算出してもよい。また、ファインダモードで撮像動作を開始した場合でも、測光素子39が出力した画像信号から、画角変化を考慮してコントラストAFで焦点調節を行うことができる。また、測光素子39が出力した画像信号から、画角変化を考慮して顔画像等を検出する処理を実行ことができる。このように測光素子39が出力する画像信号から部分領域を評価する場合においても、レンズ系21がバリフォーカルレンズであるか否か、および、レンズ系21がバリフォーカルレンズとみなされるか否かに応じて、評価値補正モードおよび評価値非補正モードのいずれかを選択して評価してよい。
【0091】
なお、以上において説明したコントラスト評価値の検出、測光評価値の検出、および、顔等の被写体像の検出は、画角変化を考慮して複数の画像のそれぞれの部分領域を評価することの一例である。これらの処理の他、部分領域の画像を元にホワイトバランス調節等をする場合にも、レンズ系21の画角変化を考慮して行うことができる。
【0092】
本実施形態の一眼レフカメラ10に関連して説明した処理は、一眼レフカメラ10の各部、例えばカメラシステム制御部52等を実装するプロセッサ等が、コンピュータプログラムに従って動作することにより、実現することができる。すなわち、当該処理を、いわゆるコンピュータ装置によって実現することができる。コンピュータ装置は、上述した処理の実行を制御するコンピュータプログラムをロードして、読み込んだコンピュータプログラムに従って動作して、当該処理を実行してよい。コンピュータ装置は、当該コンピュータプログラムを記憶しているコンピュータ読取可能な記録媒体を読み込むことによって、当該コンピュータプログラムをロードすることができる。
【0093】
本実施形態において、一眼レフカメラ10を取り上げて、電子機器の一例としての撮像装置の機能および動作を説明した。撮像装置としては、コンパクトデジタルカメラ、ミラーレス一眼カメラ、ビデオカメラ、撮像機能付きの携帯電話機、撮像機能付きの携帯情報端末、撮像機能付きのゲーム機器等の娯楽装置等、撮像機能を有する機器を適用の対象とすることができる。また、撮像装置の用途も特に限定されず、例えば監視用、工業用など、種々の用途に適用できる。
【0094】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0095】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0096】
10 一眼レフカメラ、11 光軸、20 レンズユニット、21 レンズ系、22 前玉、23 後玉、24 フォーカスレンズ、25 ズームレンズ、26 鏡筒、27 レンズ回路基板、29 レンズマウント、30 カメラユニット、31 カメラマウント、32 メインミラー、33 ピント板、34 メインミラー回転軸、35 ミラーボックス、36 撮像素子、37 ペンタプリズム、38 接眼光学系、39 測光素子、40 サブミラー、41 合焦光学系、42 合焦センサ、43 フォーカルプレーンシャッタ、44 基板、50 メイン基板、51 画像処理部、52 カメラシステム制御部、53 表示ユニット、54 二次電池、55 表示制御部、56 外部接続IF、57 システムメモリ、58 ワークメモリ、59 駆動制御部、60 操作入力部、71 レンズシステム制御部、72 レンズメモリ、73 レンズ駆動部、301、302、303、901、902、903、1001、1002、1003 画像、310、320、330 焦点検出領域、510 高周波抽出フィルタ、620、630 画像、700、710 コントラスト評価値、800 マーク、910、920、930 測光領域、1010、1020、1030 顔検出領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バリフォーカルレンズを通じて連続して撮像された複数の画像を取得する画像取得部と、
前記バリフォーカルレンズの焦点位置の変化による画角変化を考慮して、前記複数の画像のそれぞれの部分領域を評価する評価部と、
を備える電子機器。
【請求項2】
前記評価部は、評価対象とする前記部分領域のサイズを、前記画角変化に応じて調節する
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記評価部は、前記部分領域のサイズおよび位置を、前記画角変化に応じて調節する
請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記評価部は、前記画角変化を考慮して、前記バリフォーカルレンズの焦点状態を前記部分領域から検出する
請求項2または3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記評価部は、前記バリフォーカルレンズの焦点状態として、コントラスト評価値を前記部分領域から検出する
請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記評価部は、前記部分領域から検出されたコントラスト評価値を、前記部分領域のサイズで規格化する
請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
前記評価部は、前記部分領域の画像を予め定められた基準サイズの画像に変換して、変換された画像から、前記コントラストの評価値を検出する
請求項5に記載の電子機器。
【請求項8】
前記評価部は、前記複数の画像のそれぞれにおける前記部分領域のサイズのうち最小サイズ以下のサイズを、前記基準サイズとして適用する
請求項7に記載の電子機器。
【請求項9】
前記バリフォーカルレンズの焦点状態に基づいて、前記バリフォーカルレンズを焦点調節する焦点調節部
をさらに備える請求項4から8のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項10】
前記画角変化に対応する前記部分領域の幾何学的変化を示す情報を記憶する情報記憶部
をさらに備え、
前記評価部は、評価対象とする前記部分領域のサイズを、前記情報記憶部に記憶された情報に基づいて調節する
請求項2から9のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項11】
前記情報記憶部は、前記画角変化に対応する前記部分領域のサイズおよび位置の変化を示す情報を記憶し、
前記評価部は、評価対象とする前記部分領域のサイズおよび位置を、前記情報記憶部に記憶された情報に基づいて調節する
請求項10に記載の電子機器。
【請求項12】
対応する画角変化量が予め定められた値を超えるズーム値の範囲を記憶する範囲記憶部
をさらに備え、
前記評価部は、前記バリフォーカルレンズのズーム値が前記範囲記憶部に記憶されている範囲内である場合に、前記画角変化を考慮して前記部分領域を評価する
請求項1から11のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項13】
前記評価部は、前記画角変化を考慮して、前記複数の画像を撮像した撮像素子の露出状態を前記部分領域から検出する
請求項1から12のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項14】
前記評価部は、前記部分領域から人物像を検出する
請求項1から13のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項15】
前記部分領域をユーザに提示する提示部
をさらに備える請求項2から11のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項16】
レンズ装置が有するレンズ系の焦点位置の変化に対応する画角変化を示す情報を、前記レンズ装置から取得するレンズ情報取得部
をさらに備え、
前記評価部は、前記レンズ情報取得部が取得した情報に基づいて、前記レンズ系の焦点位置の変化による画角変化を考慮して、前記レンズ系を通じて連続して撮像された前記複数の画像のそれぞれの部分領域を評価する
請求項1から15のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項17】
前記レンズ情報取得部は、前記レンズ系がバリフォーカルレンズであるか否かを示す情報を取得し、
前記評価部は、前記レンズ系がバリフォーカルレンズである旨を前記情報が示す場合に、前記レンズ系を通じて連続して撮像された前記複数の画像のそれぞれの部分領域を評価する
請求項16に記載の電子機器。
【請求項18】
バリフォーカルレンズを通じて連続して撮像された複数の画像を取得するステップと、
前記バリフォーカルレンズの焦点位置の変化による画角変化を考慮して、前記複数の画像のそれぞれの部分領域を評価するステップと、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項1】
バリフォーカルレンズを通じて連続して撮像された複数の画像を取得する画像取得部と、
前記バリフォーカルレンズの焦点位置の変化による画角変化を考慮して、前記複数の画像のそれぞれの部分領域を評価する評価部と、
を備える電子機器。
【請求項2】
前記評価部は、評価対象とする前記部分領域のサイズを、前記画角変化に応じて調節する
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記評価部は、前記部分領域のサイズおよび位置を、前記画角変化に応じて調節する
請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記評価部は、前記画角変化を考慮して、前記バリフォーカルレンズの焦点状態を前記部分領域から検出する
請求項2または3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記評価部は、前記バリフォーカルレンズの焦点状態として、コントラスト評価値を前記部分領域から検出する
請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記評価部は、前記部分領域から検出されたコントラスト評価値を、前記部分領域のサイズで規格化する
請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
前記評価部は、前記部分領域の画像を予め定められた基準サイズの画像に変換して、変換された画像から、前記コントラストの評価値を検出する
請求項5に記載の電子機器。
【請求項8】
前記評価部は、前記複数の画像のそれぞれにおける前記部分領域のサイズのうち最小サイズ以下のサイズを、前記基準サイズとして適用する
請求項7に記載の電子機器。
【請求項9】
前記バリフォーカルレンズの焦点状態に基づいて、前記バリフォーカルレンズを焦点調節する焦点調節部
をさらに備える請求項4から8のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項10】
前記画角変化に対応する前記部分領域の幾何学的変化を示す情報を記憶する情報記憶部
をさらに備え、
前記評価部は、評価対象とする前記部分領域のサイズを、前記情報記憶部に記憶された情報に基づいて調節する
請求項2から9のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項11】
前記情報記憶部は、前記画角変化に対応する前記部分領域のサイズおよび位置の変化を示す情報を記憶し、
前記評価部は、評価対象とする前記部分領域のサイズおよび位置を、前記情報記憶部に記憶された情報に基づいて調節する
請求項10に記載の電子機器。
【請求項12】
対応する画角変化量が予め定められた値を超えるズーム値の範囲を記憶する範囲記憶部
をさらに備え、
前記評価部は、前記バリフォーカルレンズのズーム値が前記範囲記憶部に記憶されている範囲内である場合に、前記画角変化を考慮して前記部分領域を評価する
請求項1から11のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項13】
前記評価部は、前記画角変化を考慮して、前記複数の画像を撮像した撮像素子の露出状態を前記部分領域から検出する
請求項1から12のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項14】
前記評価部は、前記部分領域から人物像を検出する
請求項1から13のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項15】
前記部分領域をユーザに提示する提示部
をさらに備える請求項2から11のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項16】
レンズ装置が有するレンズ系の焦点位置の変化に対応する画角変化を示す情報を、前記レンズ装置から取得するレンズ情報取得部
をさらに備え、
前記評価部は、前記レンズ情報取得部が取得した情報に基づいて、前記レンズ系の焦点位置の変化による画角変化を考慮して、前記レンズ系を通じて連続して撮像された前記複数の画像のそれぞれの部分領域を評価する
請求項1から15のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項17】
前記レンズ情報取得部は、前記レンズ系がバリフォーカルレンズであるか否かを示す情報を取得し、
前記評価部は、前記レンズ系がバリフォーカルレンズである旨を前記情報が示す場合に、前記レンズ系を通じて連続して撮像された前記複数の画像のそれぞれの部分領域を評価する
請求項16に記載の電子機器。
【請求項18】
バリフォーカルレンズを通じて連続して撮像された複数の画像を取得するステップと、
前記バリフォーカルレンズの焦点位置の変化による画角変化を考慮して、前記複数の画像のそれぞれの部分領域を評価するステップと、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−252163(P2012−252163A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−124632(P2011−124632)
【出願日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]