電子機器および接続検出方法、並びに接続検出システム
【課題】カメラ本体からの離脱を迅速に検出できるようにする。
【解決手段】カメラ本体2の検出回路21は、検出用端子12の電圧の変化に基づいてマイクロコンピュータ17への入力電圧を変化させる。マイクロコンピュータ17は、検出回路21からの入力電圧の変化を検出することで、交換用レンズ3からの離脱を迅速に検出する。交換用レンズ3は、カメラ本体2が接続状態の検出に用いる検出用端子12と接触している検出用端子32の電圧の変化に基づいてカメラ本体2との接続状態を検出する。検出回路41は、検出用端子32の電圧の変化に基づいてマイクロコンピュータ36への入力電圧を変化させる。マイクロコンピュータ36は、検出回路41からの入力電圧の変化を検出することで、交換用レンズ3のカメラ本体2からの離脱を検出する。本発明は、例えば交換用レンズに適用できる。
【解決手段】カメラ本体2の検出回路21は、検出用端子12の電圧の変化に基づいてマイクロコンピュータ17への入力電圧を変化させる。マイクロコンピュータ17は、検出回路21からの入力電圧の変化を検出することで、交換用レンズ3からの離脱を迅速に検出する。交換用レンズ3は、カメラ本体2が接続状態の検出に用いる検出用端子12と接触している検出用端子32の電圧の変化に基づいてカメラ本体2との接続状態を検出する。検出回路41は、検出用端子32の電圧の変化に基づいてマイクロコンピュータ36への入力電圧を変化させる。マイクロコンピュータ36は、検出回路41からの入力電圧の変化を検出することで、交換用レンズ3のカメラ本体2からの離脱を検出する。本発明は、例えば交換用レンズに適用できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子機器および接続検出方法、並びに接続検出システムに関し、特に、カメラ本体からの離脱を迅速に検出できるようにした電子機器および接続検出方法、並びに接続検出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
カメラ本体に交換用レンズを接続して使用されるカメラがある(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1のカメラにおいては、カメラ本体と交換用レンズの電気的な接続を安定させるために、交換用レンズをカメラ本体から取り外すとき、他の全ての端子の接続が切断されてから最後に、電源供給用端子の接続が解除される。
【0004】
また、交換用レンズの接続状態を検出するために、図1に示されるような構成を有するカメラも知られている。図1のカメラ200は、カメラ本体201と、それに必要に応じて接続される交換用レンズ202とにより構成されている。
【0005】
カメラ本体201は、電源用端子211、検出用端子212、電池213、抵抗214−1乃至214−3、電界効果トランジスタ215、演算増幅器216、およびマイクロコンピュータ217から構成されている。
【0006】
カメラ本体201に交換用レンズ202が装着されたとき、カメラ本体201の電源用端子211と検出用端子212は、交換用レンズ202の電源用端子231と検出用端子232にそれぞれ接触する。
【0007】
電源用端子211が電源用端子231と接触することで、電池213から直流電圧が交換用レンズ202に供給される。
【0008】
カメラ本体201は、検出回路221を用いて検出用端子212と検出用端子232の接続および離脱を検出する。
【0009】
図1の例では、検出回路221は、抵抗214−1,214−2、電界効果トランジスタ215、および演算増幅器216から構成されている。
【0010】
検出用端子212と接続する電界効果トランジスタ215のゲートの電圧の変化に応じて、演算増幅器216の出力電圧、すなわちマイクロコンピュータ217への入力電圧が変化する。
【0011】
マイクロコンピュータ217は、この入力電圧の変化を検出することで、カメラ本体201と交換用レンズ202の接続および離脱を検出する。
【0012】
次に交換用レンズ202の接続検出回路について説明する。交換用レンズ202は、電源用端子231、検出用端子232、抵抗233、離脱電圧検出器234、マイクロコンピュータ235、リセット電圧検出器236、およびコンデンサ237から構成されている。
【0013】
交換用レンズ202は、離脱電圧検出器234を用いてカメラ本体201との接続および離脱を検出する。
【0014】
離脱電圧検出器234は、入力電圧が所定の閾値電圧よりも大きいと判定した場合、マイクロコンピュータ235への出力電圧をハイとし、入力電圧が所定の閾値電圧よりも小さいと判定した場合、マイクロコンピュータ235への出力電圧をローとする。
【0015】
マイクロコンピュータ235は、この離脱電圧検出器234からの出力電圧、すなわちマイクロコンピュータ235の入力電圧のハイからローへの変化を検出することで、カメラ202からの離脱を検出する。
【0016】
また交換用レンズ202は、リセット電圧検出器236を用いてマイクロコンピュータ235のリセットのタイミングを検出する。
【0017】
リセット電圧検出器236は、離脱電圧検出器234が検出する所定の閾値電圧よりも小さい所定の閾値電圧(例えば動作保障電圧)を検出する。
【0018】
そしてリセット電圧検出器236は、入力電圧が所定の閾値電圧よりも大きいと判定した場合、マイクロコンピュータ235への出力電圧をハイとし、入力電圧が所定の閾値電圧よりも小さいと判定した場合、マイクロコンピュータ235への出力電圧をローとする。
【0019】
マイクロコンピュータ235は、このリセット電圧検出器236からの出力電圧のハイからローへの変化を検出したとき、リセット動作を実行する。
【0020】
コンデンサ237は、カメラ本体201との接続時に電池213から供給される直流電圧により充電され、交換用レンズ202がカメラ本体201から離脱された後、所定の時間だけマイクロコンピュータ235に充電した電荷に基づく電力を供給する。
【0021】
図2は、従来の交換用レンズ202の接続検出のタイミングを示す図である。
【0022】
図2Aは、電源用端子231の電圧を示している。電源用端子231には、カメラ本体201が離脱されるまで、カメラ本体201の電池213から一定の直流電圧が供給されている。
【0023】
カメラ本体201が離脱された場合、電源用端子231が電源用端子211と離れるので、電源用端子231にはコンデンサ237に蓄えられた電圧が供給される。
【0024】
コンデンサ237の電荷は、マイクロコンピュータ235で消費され、徐々に減少していく。これによりコンデンサ237の電圧、従ってマイクロコンピュータ235に供給される電圧が徐々に低下する。
【0025】
図2Bは、カメラ本体201と交換用レンズ202との物理的な接続状態を示している。図中、低いレベルは、カメラ本体201に交換用レンズ202が接続された状態を表し、高いレベルは、離脱された状態を表している。
【0026】
図2Cは、マイクロコンピュータ235の入力電圧、すなわち、離脱電圧検出器234から出力された電圧を示している。交換用レンズ202がカメラ本体201から離脱されると、電源用端子231の電圧は図2Aに示すように徐々に低下する。
【0027】
そして離脱検出器234は、電源用端子231の電圧が所定の閾値電圧(すなわち離脱電圧)まで低下した場合、マイクロコンピュータ235への出力電圧をハイからローに変更する。
【0028】
マイクロコンピュータ235は、離脱検出器234からの入力電圧の変化を検出することで、交換用レンズ202がカメラ本体201から取り外されたことを検知する。
【0029】
図2Dは、終了処理が実行される時間t’を示している。終了処理は、マイクロコンピュータ235により離脱が検出されてからリセット電圧が検出されるまでの時間t内に実行される。
【0030】
図1を参照して説明したように、リセット電圧検出器236は、電源用端子231の電圧が所定の閾値電圧(すなわちリセット電圧)まで低下した場合、マイクロコンピュータ235への出力電圧をハイからローに変更する。
【0031】
マイクロコンピュータ235は、リセット電圧検出器236からの入力電圧の変化を検出することで、電圧がリセット電圧にまで低下したことを検知する。
【0032】
終了処理は、具体的には、交換用レンズ202のレンズ部分を駆動させるアクチュエータの動作を停止する処理である。
【0033】
これにより、交換用レンズ202がカメラ本体201から突然離脱された場合にも、交換用レンズ202を安全に停止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0034】
【特許文献1】特開2007−101656号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0035】
このように、図1の交換用レンズ202は、電源用端子231の電圧の変化を検出することでカメラ本体201からの離脱を検出している。
【0036】
そのため、交換用レンズ202がカメラ本体201から物理的に離脱されてから、それが検出されるまでに時間的遅れ(図2の例では時間T)が生じてしまう。
【0037】
近年の交換用レンズ等のカメラ本体と接続するアクセサリは複雑化されており、終了処理に長い時間を必要とする。またアクセサリが複雑化されることで、本来想定されていない動作が実行されると故障などの不都合が発生しやすくなる。
【0038】
さらにアクセサリの複雑化により、アクセサリを制御するマイクロコンピュータの消費電力が大きくなり、図2Aに示した電圧の低下速度はより早くなる(すなわち、傾きが急になる)ことがある。
【0039】
このようにカメラ本体201から離脱された後の電圧は、マイクロコンピュータの消費電力に依存してばらつきが生じる。そのため電圧が最も早く低下する場合を想定して、マイクロコンピュータをリセットする必要がある。
【0040】
しかし、離脱が検出されてからリセットが開始されるまでの時間tが短くなり、複雑化するアクセサリを正常に終了するための終了処理に必要な時間t’が確保できなくなるおそれがあった。
【0041】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、カメラ本体からの離脱を迅速に検出できるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0042】
本発明の一側面の電子機器は、カメラ本体と接続し、アクチュエータを有する電子機器であって、前記電子機器が前記カメラ本体と接続されたとき、前記カメラ本体が前記電子機器との接続を検出するための端子と接触する検出用端子と、前記検出用端子の電圧を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された前記電圧の変化に基づいて、前記カメラ本体との接続状態を検出する接続検出手段と、前記接続検出手段により検出された前記カメラ本体との接続または離脱に基づいて、前記アクチュエータの動作を制御する制御手段とを備える。
【0043】
前記検出手段は、前記電子機器と前記カメラ本体が接続されたときオンまたはオフし、離脱されたときオフまたはオンするスイッチング素子を有することができる。
【0044】
前記電子機器は、交換用レンズであり、前記アクチュエータは、前記交換用レンズのレンズを駆動することができる。
【0045】
前記電子機器は、前記カメラ本体を設置するクレードルであり、前記アクチュエータは、前記カメラ本体をパン方向またはチルト方向に駆動することができる。
【0046】
本発明の一側面の接続検出方法は、電子機器がカメラ本体と接続されたとき、前記カメラ本体が前記電子機器との接続を検出するための端子と接触する検出用端子の電圧を検出し、検出された前記電圧の変化に基づいて、前記カメラ本体との接続状態を検出し、検出された前記カメラ本体との接続または離脱に基づいて、アクチュエータの動作を制御する。
【0047】
本発明の一側面においては、電子機器がカメラ本体と接続されたとき、カメラ本体が電子機器との接続を検出するための端子と接触する検出用端子が設置され、検出用端子の電圧が検出され、検出された電圧の変化に基づいて、カメラ本体との接続状態が検出され、検出されたカメラ本体との接続または離脱に基づいて、アクチュエータの動作が制御される。
【0048】
本発明の一側面の接続検出システムは、カメラ本体が、電子機器の第1の検出用端子と接触する第2の検出用端子と、前記第2の検出用端子の電圧の変化から前記電子機器との接続を検出する第1の検出手段とを備え、前記電子機器が、前記電子機器を駆動させるアクチュエータと、前記カメラ本体の前記第2の検出用端子と接触する前記第1の検出用端子と、前記第1の検出用端子の電圧を検出する第2の検出手段と、前記第2の検出手段により検出された前記電圧の変化に基づいて、前記カメラ本体との接続状態を検出する接続検出手段と、前記接続検出手段により検出された前記カメラ本体との接続または離脱に基づいて、前記アクチュエータの動作を制御する制御手段とを備える。
【0049】
本発明の一側面においては、カメラ本体に、電子機器の第1の検出用端子と接触する第2の検出用端子が設置され、第2の検出用端子の電圧が検出される。また、電子機器に、電子機器を駆動させるアクチュエータと、カメラ本体の第2の検出用端子と接触する第1の検出用端子とが設置され、第1の検出用端子の電圧が検出され、検出された電圧の変化に基づいて、カメラ本体との接続状態が検出され、検出されたカメラ本体との接続または離脱に基づいて、アクチュエータの動作が制御される。
【発明の効果】
【0050】
本発明の側面によれば、カメラ本体からの離脱を迅速に検出することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】従来のカメラ本体と交換用レンズの離脱を検出する回路の構成を示す図である。
【図2】従来の交換用レンズの接続検出のタイミングを示す図である。
【図3】本実施の形態のカメラ本体と交換用レンズの接続状態を検出する回路の構成を示す図である。
【図4】カメラ本体と交換用レンズの接続部の構成を示す正面図である。
【図5】交換用レンズのレンズ駆動部の構成例を示すブロック図である。
【図6】カメラ本体と交換用レンズの接続時の回路の動作を説明する図である。
【図7】離脱状態のカメラ本体の回路の構成を示す図である。
【図8】カメラ本体の接続検出のタイミングを示す図である。
【図9】離脱状態の交換用レンズの回路の構成を示す図である。
【図10】交換用レンズの接続検出のタイミングを示す図である。
【図11】マイクロコンピュータの終了処理を説明するフローチャートである。
【図12】クレードルの構成を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0052】
[カメラ本体2と交換用レンズ3の構成]
【0053】
図3は、カメラ1を構成するカメラ本体2と交換用レンズ3の接続状態を検出するための回路の構成を示す図である。
【0054】
まずカメラ本体2の接続検出回路について説明する。カメラ本体2は電源用端子11、検出用端子12、電池13、抵抗14−1乃至14−3、電界効果トランジスタ15、演算増幅器16、およびマイクロコンピュータ17から構成されている。
【0055】
カメラ本体2に交換用レンズ3が装着されたとき、電源用端子11と検出用端子12は、交換用レンズ3の電源用端子31と検出用端子32にそれぞれ接触する。電源用端子11が電源用端子31と接触することで、電池13からの直流電圧が交換用レンズ3に供給される。
【0056】
カメラ本体2は、検出回路21を用いて検出用端子12の電圧を検出することで、検出用端子12と検出用端子32の接触の有無を検出する。
【0057】
検出回路21は、図3の例に示すように、抵抗14−1,14−3、電界効果トランジスタ15、および演算増幅器16から構成されている。
【0058】
マイクロコンピュータ17は、演算増幅器16からの入力電圧の変化を検出することで、カメラ本体2と交換用レンズ3の接続および離脱を検出する。
【0059】
次に交換用レンズ3の接続検出回路について説明する。交換用レンズ3は電源用端子31、検出用端子32、抵抗33−1,33−2、電界効果トランジスタ34、演算増幅器35、マイクロコンピュータ36、リセット電圧検出器37、およびコンデンサ38から構成されている。
【0060】
なお、図5を参照して後述するように、交換用レンズ3は、さらにレンズ62、それを駆動するドライバ81およびアクチュエータ82を有している。
【0061】
交換用レンズ3は、検出回路41を用いて検出用端子32の電圧を検出することで、検出用端子12と検出用端子32の接続および離脱を判定する。なお検出回路41の構成は、カメラ本体2の検出回路21と同じ構成である。
【0062】
すなわち検出回路41は、図3の例に示すように、抵抗33−1,33−2、電界効果トランジスタ34、および演算増幅器35から構成されている。
【0063】
マイクロコンピュータ36は、演算増幅器35からの入力電圧の変化を検出することで、カメラ本体2と交換用レンズ3の接続および離脱を検出する。
【0064】
リセット電圧検出器37は、マイクロコンピュータ36と並列に接続されており、電源用端子31の電圧を監視することでマイクロコンピュータ36をリセットする電圧を検出する。
【0065】
リセット電圧検出器37は、所定の値の閾値のリセット電圧を基準として、リセット電圧検出器37への入力電圧(すなわち、マイクロコンピュータ36に供給される電源用の電圧)がリセット電圧にまで低下したかを検出する。
【0066】
リセット電圧検出器37は、入力電圧がリセット電圧より大きいと判定した場合、マイクロコンピュータ36への出力電圧をハイとする。一方、入力電圧がリセット電圧より小さいと判定した場合、リセット電圧検出器37は、マイクロコンピュータ36への出力電圧をローとする。
【0067】
マイクロコンピュータ36は、このリセット電圧検出器37からの出力電圧のハイからローへの変化を検出したとき、リセットの動作を実行する。
【0068】
なおリセット電圧検出器37のリセット電圧の値は、マイクロコンピュータ36の消費電力が最も多い場合の動作保障電圧を想定して設定される。これによりマイクロコンピュータ36を確実にリセットすることができる。
【0069】
コンデンサ38は、一方が電源用端子31と接続され、他方が接地されている。コンデンサ38は、カメラ本体2と交換用レンズ3が接続されている場合、電池13から供給される直流電圧により充電される。
【0070】
そしてカメラ本体2から交換用レンズ3が離脱された場合、所定の時間、マイクロコンピュータ36に電力を供給する。マイクロコンピュータ36により消費されるので、コンデンサ38の電圧は、時間とともに減少し、やがて0になる。
【0071】
マイクロコンピュータ36は、コンデンサ38から供給されるの電力を利用することで、カメラ本体2からの電源電圧の供給が突然終了しても、終了処理を実行することができる。
【0072】
図4は、カメラ本体2と交換用レンズ3の接続部の構成を示す正面図である。
【0073】
図4Aは、カメラ本体2の接続部の正面図を示している。カメラ本体2の接続部としてのマウント51の内側には、電源用端子11および検出用端子12を含む複数の端子が設けられている。
【0074】
図4Bは、交換用レンズ3の接続部の正面図を示している。交換用レンズ3の接続部としてのマウント61には、電源用端子31および検出用端子32を含む複数の端子、並びにレンズ62が設けられている。
【0075】
カメラ本体2に交換用レンズ3を装着する場合、カメラ本体2のマウント51と交換用レンズ3のマウント61とを接触させる。そして交換用レンズ3のマウント61を所定の方向に回動させることで、カメラ本体2に交換用レンズ3が装着される。
【0076】
カメラ本体2の複数の端子と交換用レンズ3の複数の端子は、同じ個数あり、各々対になっている。交換用レンズ3のマウント61を所定の方向に回動し、カメラ本体2に交換用レンズ3が装着された時、各々の端子が接続され、電気的に導通する。
【0077】
カメラ本体2から交換用レンズ3を離脱する場合、交換用レンズ3のマウント61は装着時とは逆の方向に回動される。
【0078】
なお、図4の例では交換用レンズ3のマウント61を回動させることで、カメラ本体2に装着またはカメラ本体2から離脱するようにしたが、カメラ本体2と交換用レンズ3との接続方法は、この例に限られない。
【0079】
[交換用レンズ3の構成]
【0080】
図5は、交換用レンズ3のレンズ62の駆動部の構成を示すブロック図である。
【0081】
交換用レンズ3は、マイクロコンピュータ36、撮像用のレンズ62、レンズ62を駆動するアクチュエータ82、アクチュエータ82を駆動するドライバ81を有し、マイクロコンピュータ36により制御されている。
【0082】
マイクロコンピュータ36は、レンズ62の動作命令をドライバ81に通知する。ドライバ81は、マイクロコンピュータ36からの動作命令を受信し、レンズ62を制御する制御命令をアクチュエータ82に通知する。
【0083】
アクチュエータ82は、ドライバ81からの制御命令に基づいて、レンズ62を駆動する。これにより、例えば、レンズ62の焦点位置が調節される。
【0084】
次に、マイクロコンピュータ36のレンズ62を駆動する機能を説明する。マイクロコンピュータ36は、検出部101、通信部102、および制御部103の機能ブロックを有している。
【0085】
なお、マイクロコンピュータ36の各ブロックは、必要に応じて相互に信号、データを授受することが可能とされている。
【0086】
マイクロコンピュータ36の検出部101は、検出回路41およびリセット電圧検出器37からの出力電圧の変化から、カメラ本体2との接続状態とリセット処理のタイミングを検出する。通信部102は、ドライバ81に命令を通知することで、アクチュエータ82の動作を制御する。制御部103は、マイクロコンピュータ36をリセットする。
【0087】
[接続状態のカメラ本体2の検出回路21の動作]
【0088】
図6は、カメラ本体2と交換用レンズ3が接続されている場合の検出回路21の動作を説明する図である。
【0089】
電界効果トランジスタ15は、ゲートが抵抗14−2,14−3、および検出用端子12と接続され、ドレインが抵抗14−1、および演算増幅器16と接続され、ソースが接地されている。
【0090】
電池13の電圧をEとし、抵抗14−2,14−3,33−2の抵抗値をそれぞれR1,R2,R3とすると、電界効果トランジスタ15のゲート電圧V1は、以下の式(1)で表わされる。
【0091】
【数1】
【0092】
ゲート電圧V1が、電界効果トランジスタ15の閾値電圧Vthより小さい(すなわち、V1<Vth)とすると、スイッチング素子としての電界効果トランジスタ15は、「OFF」となる。
【0093】
よって、演算増幅器16には、電池13から供給され、抵抗14−1を介して電圧Eが入力されるので、演算増幅器16の入力電圧はハイ(図6に示す「H」)となる。
【0094】
演算増幅器16は、反転増幅器を構成し、入力電圧がハイなので出力電圧はロー(図6に示す「L」)となる。従って、マイクロコンピュータ17に入力される電圧はローとなる。
【0095】
これによりマイクロコンピュータ17は、カメラ本体2に交換用レンズ3が装着されていることを検出する。
【0096】
なお、演算増幅器16は反転増幅器としたが、同様の機能を有するものであればこの例に限られない。またマイクロコンピュータ17が電界効果トランジスタ15のゲート電圧の変化を検出することができれば、演算増幅器16は設置しなくてもよい。
【0097】
[離脱状態のカメラ本体2の検出回路21の動作]
【0098】
次に、図7を参照して離脱状態のカメラ本体2の検出回路21の動作について説明する。
【0099】
カメラ本体2から交換用レンズ3が離脱された場合、検出用端子32の検出用端子12との接続が解除されるので、電界効果トランジスタ15のゲート電圧V2は、以下の式(2)で表わされようになる。
【0100】
【数2】
【0101】
式(1)および式(2)から、ゲート電圧V2は、ゲート電圧V1より大きくなる(すなわち、V2>V1)。そしてゲート電圧V2が、電界効果トランジスタ15の閾値電圧Vthより大きい(すなわち、V2>Vth)とすると、スイッチング素子としての電界効果トランジスタ15は、「ON」となる。
【0102】
電界効果トランジスタ15のソースは、接地されているので、演算増幅器16の入力電圧はローとなる。これにより演算増幅器16の出力電圧はハイとなる。
【0103】
従って、マイクロコンピュータ17に入力される電圧はハイとなる。これにより、マイクロコンピュータ17は、カメラ本体2から交換用レンズ3が離脱されたことを検知する。その結果、撮影動作が禁止される。
【0104】
[カメラ本体2の接続状態検出のタイミング]
【0105】
以上のカメラ本体2における接続状態の検出動作のタイミングは図8に示すようになる。
【0106】
図8は、カメラ本体2の接続状態検出のタイミングを示す図である。
【0107】
図8Aは、カメラ本体2と交換用レンズ3との物理的な接続状態を示している。接続状態は低レベルで示され、離脱状態は高レベルで示されている。
【0108】
図8Bは、電界効果トランジスタ15のゲート電圧の値を示している。
【0109】
カメラ本体2と交換用レンズ3が接続されている場合、図6を参照して説明したように、ゲート電圧はV1となる。交換用レンズ3が離脱された場合、図7を参照して説明したように、ゲート電圧はV2(V1<V2)となる。
【0110】
図8Cは、検出回路21(すなわち、演算増幅器16)からマイクロコンピュータ17への入力電圧を示している。
【0111】
カメラ本体2と交換用レンズ3が接続されている場合、図6を参照して説明したように、入力電圧はローとなる。交換用レンズ3が離脱された場合、図7を参照して説明したように、入力電圧はハイとなる。
【0112】
交換用レンズ3の接続状態が、接続から離脱に変化した場合、変化したタイミングで、マイクロコンピュータ17の入力電圧も変化する。
【0113】
従ってカメラ本体2は、検出回路21からマイクロコンピュータ17への入力電圧の変化を検出することで、より迅速に交換用レンズ3との離脱を検出することができる。
【0114】
[接続状態の交換用レンズ3の検出回路41の動作]
【0115】
次に図6を参照して、接続状態の交換用レンズ3の検出回路41の動作について説明する。
【0116】
電界効果トランジスタ34は、ゲートが抵抗33−2、および検出用端子32と接続され、ドレインが抵抗33−1、および演算増幅器35と接続され、ソースが接地される。
【0117】
また抵抗33−2は、一端が検出用端子32および電界効果トランジスタ34のゲートと接続され、他端が接地される。
【0118】
交換用レンズ3の電界効果トランジスタ34のゲートとカメラ本体2の電界効果トランジスタ15のゲートは、検出用端子12,32を介して接続されている。
【0119】
したがって、交換用レンズ3の電界効果トランジスタ34のゲート電圧は、カメラ本体2の電界効果トランジスタ15のゲート電圧V1と同じになる。
【0120】
ゲート電圧V1が、電界効果トランジスタ34の閾値電圧V’thより大きい(すなわち、V1>V’th)とすると、スイッチング素子としての電界効果トランジスタ34は、「ON」となる。
【0121】
電界効果トランジスタ34のソースは接地されているので、演算増幅器35の入力電圧はローとなる。演算増幅器35は、反転増幅器を構成しているので、出力電圧はハイとなる。
【0122】
従って、マイクロコンピュータ36に入力される電圧はハイとなる。これによりマイクロコンピュータ36は、交換用レンズ3がカメラ本体2に装着されていることを検知する。
【0123】
なお、演算増幅器35は反転増幅器としたが、同様の機能を有するものであればこの例に限られない。またマイクロコンピュータ36が電界効果トランジスタ34のゲート電圧の変化を検出することができれば、演算増幅器35は設置しなくてもよい。
【0124】
[離脱状態の交換用レンズ3の検出回路41の動作]
【0125】
次に、図9を参照して離脱状態の交換用レンズ3の検出回路41の動作について説明する。
【0126】
カメラ本体2と交換用レンズ3が離脱された場合、電界効果トランジスタ34のゲートは、抵抗33−2を介して接地されているので、ゲート電圧は0となる。
【0127】
電界効果トランジスタ34のゲート電圧が0であり、閾値電圧V’thより小さく(すなわち、V’th>0)なるので、電界効果トランジスタ34は、「OFF」となる。
【0128】
よって、演算増幅器35には、コンデンサ38、抵抗33−1を介して電圧が入力されるので、演算増幅器35の入力電圧はハイ(図9に示す「H」)となる。
【0129】
演算増幅器35は、入力電圧がハイなので出力電圧はロー(図9に示す「L」)となる。従って、マイクロコンピュータ36に入力される電圧はローとなる。これによりマイクロコンピュータ36は、交換用レンズ3がカメラ本体2から離脱されていることを検知する。
【0130】
[交換用レンズ3の接続状態検出のタイミング]
【0131】
以上の交換用レンズ3における接続状態の検出動作のタイミングは図10されるようになる。
【0132】
図10は、交換用レンズ3の接続状態検出のタイミングを示す図である。
【0133】
図10Aは、マイクロコンピュータ36に供給される電圧を示している。
【0134】
カメラ本体2と交換用レンズ3が接続されている場合、図6を参照して説明したように、カメラ本体2の電池13から直流電圧Eが、電源用端子11,31を介して交換用レンズ3側に供給される。
【0135】
カメラ本体2が離脱された場合、図9を参照して説明したように、コンデンサ38に蓄えられた電力が供給される。
【0136】
コンデンサ38の電力は、主にマイクロコンピュータ36で消費され、徐々に減少していく。これによりコンデンサ38からマイクロコンピュータ36に供給されている電圧も徐々に低下する。この状態が図10Aに示されている。
【0137】
また、リセット電圧検出器37は、マイクロコンピュータ36に供給される電圧が所定のリセット電圧まで低下した場合、マイクロコンピュータ36への出力電圧をハイからローに変更する。
【0138】
マイクロコンピュータ36は、リセット電圧検出器37からの入力電圧の変化を検出することで、供給される電圧がリセット電圧まで低下したことを検知する。このときマイクロコンピュータ36はリセット動作を実行する。
【0139】
図10Bは、カメラ本体2と交換用レンズ3との物理的な接続状態を示している。接続状態は低レベルで、離脱状態は高レベルで示されている。
【0140】
図10Cは、電界効果トランジスタ34のゲート電圧の値を示している。
【0141】
カメラ本体2と交換用レンズ3が接続されている場合、図6を参照して説明したように、ゲート電圧の値はV1となる。カメラ本体2が離脱された場合、図9を参照して説明したように、ゲート電圧は0となる。
【0142】
図10Dは、検出回路41(すなわち、演算増幅器35)からマイクロコンピュータ36への入力電圧を示している。
【0143】
カメラ本体2と交換用レンズ3が接続されている場合、図6を参照して説明したように、入力電圧はハイとなる。カメラ本体2が離脱された場合、図9を参照して説明したように、入力電圧はローとなる。
【0144】
図10Eは、終了処理が実行される時間T’を示している。終了処理は、マイクロコンピュータ36がカメラ本体2からの離脱を検出してからリセット電圧を検出するまでの時間t1内に実行される。
【0145】
このように、検出回路41は、電源用端子31の電圧ではなく、検出用端子32の電圧を検出するので、より迅速にカメラ本体2からの離脱を検出することができる。従って終了処理に要する時間t’1も長くすることができ、確実に終了処理を実行することが可能になる。
【0146】
またカメラ本体2で接続状態を検出するための検出用端子12と接触する検出用端子32を利用するので、端子を新たに増設する必要がなく、より多くの種類のカメラに適用することができるとともに、より安価に接続検出回路を組み込むことができる。
【0147】
[終了処理]
【0148】
図11は、マイクロコンピュータ36の終了処理を説明するフローチャートである。
【0149】
ステップS1において、マイクロコンピュータ36の検出部101は、電圧の変化を検出する。すなわち検出部101は図10Dに示されている検出回路41の出力をモニタし、マイクロコンピュータ36の入力電圧のハイからローへの変化を検出する。
【0150】
ステップS1で電圧の変化、すなわち、交換用レンズ3のカメラ本体2からの離脱が検出されたとき、ステップS2において、通信部102は、アクチュエータ82の停止コマンドをドライバ81に送信する。
【0151】
停止コマンドを受信したドライバ81は、アクチュエータ82を停止させる。これにより、レンズ62が予期していない不都合な動作の発生を回避することができる。
【0152】
ステップS3において、検出部101は、マイクロコンピュータ36のリセット電圧を検出する。
【0153】
すなわち、リセット電圧検出器37はマイクロコンピュータ36に供給される電源電圧をモニタし、電源電圧がリセット電圧よりも小さくなった場合、マイクロコンピュータ36に対して出力電圧ローを出力する。
【0154】
検出部101は、リセット電圧検出器37から出力された出力電圧ローを検出することで、リセット電圧を検出する。
【0155】
ステップS4において、制御部103は、マイクロコンピュータ36をリセットする。ステップS4の処理の後、交換用レンズ3の終了処理は終了する。
【0156】
このようにマイクロコンピュータ36は、入力電圧の変化、すなわちカメラ本体2からの離脱をより迅速に検出することで、より確実にアクチュエータ82の動作を停止することができる。
【0157】
なお、以上においては、演算増幅器16,35を反転増幅器としたが、一方または両方を非反転増幅器とすることも可能である。また、電界効果トランジスタ34の「ON」、「OFF」は、Nチャンネル型を用いた場合と、Pチャンネル型を用いた場合とで逆になる。
【0158】
また本実施の形態では、カメラ本体2と接続する電子機器として交換用レンズ3について説明したが、カメラと接続する電子機器は、カメラ本体2が設置されるスタンドであり、内蔵するアクチュエータを用いて、パン方向またはチルト方向にカメラ本体2を動作させるクレードルその他の電子機器とすることができる。
【0159】
図12は、カメラ本体2と接続する電子機器としてのクレードル120の構成を示す図である。クレードル120は、接続部121を介して、カメラ本体2の底部と接続する。
【0160】
クレードル120は、内蔵するアクチュエータを駆動することで、接続部121に接続されたカメラ本体2をパン方向141またはチルト方向142に移動させる。カメラ1は、所定のタイミングで画像を自動的に撮像する。
【0161】
この実施の形態の場合、図3の交換用レンズ3側に示される構成と同様の構成がクレードル120側に設けられ、それと接続されるカメラ本体2側の構成として、図3に示される場合と同様の構成が別途設けられる。但し、電池13とマイクロコンピュータ17は共通とされる。
【0162】
また、クレードル120のアクチュエータは、図5に示される場合と同様に、内蔵されるマイクロコンピュータとドライバにより制御される。但し、そのアクチュエータが駆動するのは、レンズ62ではなく、交換用レンズ3が装着された状態のカメラ本体2(すなわち、カメラ1)である。
【0163】
なお、レンズが交換できない固定されているカメラをクレードル120上に載置し、同様に制御することができるのは勿論である。
【0164】
このように本発明は、アクチュエータを内蔵し、カメラ本体から離脱された時にアクチュエータを停止させる処理を必要とする電子機器に適用できる。
【0165】
また本明細書において、システムの用語は、複数の装置、手段などより構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0166】
本発明の実施の形態は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0167】
1 カメラ, 2 カメラ本体, 3 交換用レンズ, 12 検出用端子, 21 検出回路, 32 検出用端子, 34 電界効果トランジスタ, 41 検出回路, 81 ドライバ, 82 アクチュエータ, 101 検出部, 102 通信部
【技術分野】
【0001】
本発明は電子機器および接続検出方法、並びに接続検出システムに関し、特に、カメラ本体からの離脱を迅速に検出できるようにした電子機器および接続検出方法、並びに接続検出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
カメラ本体に交換用レンズを接続して使用されるカメラがある(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1のカメラにおいては、カメラ本体と交換用レンズの電気的な接続を安定させるために、交換用レンズをカメラ本体から取り外すとき、他の全ての端子の接続が切断されてから最後に、電源供給用端子の接続が解除される。
【0004】
また、交換用レンズの接続状態を検出するために、図1に示されるような構成を有するカメラも知られている。図1のカメラ200は、カメラ本体201と、それに必要に応じて接続される交換用レンズ202とにより構成されている。
【0005】
カメラ本体201は、電源用端子211、検出用端子212、電池213、抵抗214−1乃至214−3、電界効果トランジスタ215、演算増幅器216、およびマイクロコンピュータ217から構成されている。
【0006】
カメラ本体201に交換用レンズ202が装着されたとき、カメラ本体201の電源用端子211と検出用端子212は、交換用レンズ202の電源用端子231と検出用端子232にそれぞれ接触する。
【0007】
電源用端子211が電源用端子231と接触することで、電池213から直流電圧が交換用レンズ202に供給される。
【0008】
カメラ本体201は、検出回路221を用いて検出用端子212と検出用端子232の接続および離脱を検出する。
【0009】
図1の例では、検出回路221は、抵抗214−1,214−2、電界効果トランジスタ215、および演算増幅器216から構成されている。
【0010】
検出用端子212と接続する電界効果トランジスタ215のゲートの電圧の変化に応じて、演算増幅器216の出力電圧、すなわちマイクロコンピュータ217への入力電圧が変化する。
【0011】
マイクロコンピュータ217は、この入力電圧の変化を検出することで、カメラ本体201と交換用レンズ202の接続および離脱を検出する。
【0012】
次に交換用レンズ202の接続検出回路について説明する。交換用レンズ202は、電源用端子231、検出用端子232、抵抗233、離脱電圧検出器234、マイクロコンピュータ235、リセット電圧検出器236、およびコンデンサ237から構成されている。
【0013】
交換用レンズ202は、離脱電圧検出器234を用いてカメラ本体201との接続および離脱を検出する。
【0014】
離脱電圧検出器234は、入力電圧が所定の閾値電圧よりも大きいと判定した場合、マイクロコンピュータ235への出力電圧をハイとし、入力電圧が所定の閾値電圧よりも小さいと判定した場合、マイクロコンピュータ235への出力電圧をローとする。
【0015】
マイクロコンピュータ235は、この離脱電圧検出器234からの出力電圧、すなわちマイクロコンピュータ235の入力電圧のハイからローへの変化を検出することで、カメラ202からの離脱を検出する。
【0016】
また交換用レンズ202は、リセット電圧検出器236を用いてマイクロコンピュータ235のリセットのタイミングを検出する。
【0017】
リセット電圧検出器236は、離脱電圧検出器234が検出する所定の閾値電圧よりも小さい所定の閾値電圧(例えば動作保障電圧)を検出する。
【0018】
そしてリセット電圧検出器236は、入力電圧が所定の閾値電圧よりも大きいと判定した場合、マイクロコンピュータ235への出力電圧をハイとし、入力電圧が所定の閾値電圧よりも小さいと判定した場合、マイクロコンピュータ235への出力電圧をローとする。
【0019】
マイクロコンピュータ235は、このリセット電圧検出器236からの出力電圧のハイからローへの変化を検出したとき、リセット動作を実行する。
【0020】
コンデンサ237は、カメラ本体201との接続時に電池213から供給される直流電圧により充電され、交換用レンズ202がカメラ本体201から離脱された後、所定の時間だけマイクロコンピュータ235に充電した電荷に基づく電力を供給する。
【0021】
図2は、従来の交換用レンズ202の接続検出のタイミングを示す図である。
【0022】
図2Aは、電源用端子231の電圧を示している。電源用端子231には、カメラ本体201が離脱されるまで、カメラ本体201の電池213から一定の直流電圧が供給されている。
【0023】
カメラ本体201が離脱された場合、電源用端子231が電源用端子211と離れるので、電源用端子231にはコンデンサ237に蓄えられた電圧が供給される。
【0024】
コンデンサ237の電荷は、マイクロコンピュータ235で消費され、徐々に減少していく。これによりコンデンサ237の電圧、従ってマイクロコンピュータ235に供給される電圧が徐々に低下する。
【0025】
図2Bは、カメラ本体201と交換用レンズ202との物理的な接続状態を示している。図中、低いレベルは、カメラ本体201に交換用レンズ202が接続された状態を表し、高いレベルは、離脱された状態を表している。
【0026】
図2Cは、マイクロコンピュータ235の入力電圧、すなわち、離脱電圧検出器234から出力された電圧を示している。交換用レンズ202がカメラ本体201から離脱されると、電源用端子231の電圧は図2Aに示すように徐々に低下する。
【0027】
そして離脱検出器234は、電源用端子231の電圧が所定の閾値電圧(すなわち離脱電圧)まで低下した場合、マイクロコンピュータ235への出力電圧をハイからローに変更する。
【0028】
マイクロコンピュータ235は、離脱検出器234からの入力電圧の変化を検出することで、交換用レンズ202がカメラ本体201から取り外されたことを検知する。
【0029】
図2Dは、終了処理が実行される時間t’を示している。終了処理は、マイクロコンピュータ235により離脱が検出されてからリセット電圧が検出されるまでの時間t内に実行される。
【0030】
図1を参照して説明したように、リセット電圧検出器236は、電源用端子231の電圧が所定の閾値電圧(すなわちリセット電圧)まで低下した場合、マイクロコンピュータ235への出力電圧をハイからローに変更する。
【0031】
マイクロコンピュータ235は、リセット電圧検出器236からの入力電圧の変化を検出することで、電圧がリセット電圧にまで低下したことを検知する。
【0032】
終了処理は、具体的には、交換用レンズ202のレンズ部分を駆動させるアクチュエータの動作を停止する処理である。
【0033】
これにより、交換用レンズ202がカメラ本体201から突然離脱された場合にも、交換用レンズ202を安全に停止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0034】
【特許文献1】特開2007−101656号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0035】
このように、図1の交換用レンズ202は、電源用端子231の電圧の変化を検出することでカメラ本体201からの離脱を検出している。
【0036】
そのため、交換用レンズ202がカメラ本体201から物理的に離脱されてから、それが検出されるまでに時間的遅れ(図2の例では時間T)が生じてしまう。
【0037】
近年の交換用レンズ等のカメラ本体と接続するアクセサリは複雑化されており、終了処理に長い時間を必要とする。またアクセサリが複雑化されることで、本来想定されていない動作が実行されると故障などの不都合が発生しやすくなる。
【0038】
さらにアクセサリの複雑化により、アクセサリを制御するマイクロコンピュータの消費電力が大きくなり、図2Aに示した電圧の低下速度はより早くなる(すなわち、傾きが急になる)ことがある。
【0039】
このようにカメラ本体201から離脱された後の電圧は、マイクロコンピュータの消費電力に依存してばらつきが生じる。そのため電圧が最も早く低下する場合を想定して、マイクロコンピュータをリセットする必要がある。
【0040】
しかし、離脱が検出されてからリセットが開始されるまでの時間tが短くなり、複雑化するアクセサリを正常に終了するための終了処理に必要な時間t’が確保できなくなるおそれがあった。
【0041】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、カメラ本体からの離脱を迅速に検出できるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0042】
本発明の一側面の電子機器は、カメラ本体と接続し、アクチュエータを有する電子機器であって、前記電子機器が前記カメラ本体と接続されたとき、前記カメラ本体が前記電子機器との接続を検出するための端子と接触する検出用端子と、前記検出用端子の電圧を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された前記電圧の変化に基づいて、前記カメラ本体との接続状態を検出する接続検出手段と、前記接続検出手段により検出された前記カメラ本体との接続または離脱に基づいて、前記アクチュエータの動作を制御する制御手段とを備える。
【0043】
前記検出手段は、前記電子機器と前記カメラ本体が接続されたときオンまたはオフし、離脱されたときオフまたはオンするスイッチング素子を有することができる。
【0044】
前記電子機器は、交換用レンズであり、前記アクチュエータは、前記交換用レンズのレンズを駆動することができる。
【0045】
前記電子機器は、前記カメラ本体を設置するクレードルであり、前記アクチュエータは、前記カメラ本体をパン方向またはチルト方向に駆動することができる。
【0046】
本発明の一側面の接続検出方法は、電子機器がカメラ本体と接続されたとき、前記カメラ本体が前記電子機器との接続を検出するための端子と接触する検出用端子の電圧を検出し、検出された前記電圧の変化に基づいて、前記カメラ本体との接続状態を検出し、検出された前記カメラ本体との接続または離脱に基づいて、アクチュエータの動作を制御する。
【0047】
本発明の一側面においては、電子機器がカメラ本体と接続されたとき、カメラ本体が電子機器との接続を検出するための端子と接触する検出用端子が設置され、検出用端子の電圧が検出され、検出された電圧の変化に基づいて、カメラ本体との接続状態が検出され、検出されたカメラ本体との接続または離脱に基づいて、アクチュエータの動作が制御される。
【0048】
本発明の一側面の接続検出システムは、カメラ本体が、電子機器の第1の検出用端子と接触する第2の検出用端子と、前記第2の検出用端子の電圧の変化から前記電子機器との接続を検出する第1の検出手段とを備え、前記電子機器が、前記電子機器を駆動させるアクチュエータと、前記カメラ本体の前記第2の検出用端子と接触する前記第1の検出用端子と、前記第1の検出用端子の電圧を検出する第2の検出手段と、前記第2の検出手段により検出された前記電圧の変化に基づいて、前記カメラ本体との接続状態を検出する接続検出手段と、前記接続検出手段により検出された前記カメラ本体との接続または離脱に基づいて、前記アクチュエータの動作を制御する制御手段とを備える。
【0049】
本発明の一側面においては、カメラ本体に、電子機器の第1の検出用端子と接触する第2の検出用端子が設置され、第2の検出用端子の電圧が検出される。また、電子機器に、電子機器を駆動させるアクチュエータと、カメラ本体の第2の検出用端子と接触する第1の検出用端子とが設置され、第1の検出用端子の電圧が検出され、検出された電圧の変化に基づいて、カメラ本体との接続状態が検出され、検出されたカメラ本体との接続または離脱に基づいて、アクチュエータの動作が制御される。
【発明の効果】
【0050】
本発明の側面によれば、カメラ本体からの離脱を迅速に検出することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】従来のカメラ本体と交換用レンズの離脱を検出する回路の構成を示す図である。
【図2】従来の交換用レンズの接続検出のタイミングを示す図である。
【図3】本実施の形態のカメラ本体と交換用レンズの接続状態を検出する回路の構成を示す図である。
【図4】カメラ本体と交換用レンズの接続部の構成を示す正面図である。
【図5】交換用レンズのレンズ駆動部の構成例を示すブロック図である。
【図6】カメラ本体と交換用レンズの接続時の回路の動作を説明する図である。
【図7】離脱状態のカメラ本体の回路の構成を示す図である。
【図8】カメラ本体の接続検出のタイミングを示す図である。
【図9】離脱状態の交換用レンズの回路の構成を示す図である。
【図10】交換用レンズの接続検出のタイミングを示す図である。
【図11】マイクロコンピュータの終了処理を説明するフローチャートである。
【図12】クレードルの構成を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0052】
[カメラ本体2と交換用レンズ3の構成]
【0053】
図3は、カメラ1を構成するカメラ本体2と交換用レンズ3の接続状態を検出するための回路の構成を示す図である。
【0054】
まずカメラ本体2の接続検出回路について説明する。カメラ本体2は電源用端子11、検出用端子12、電池13、抵抗14−1乃至14−3、電界効果トランジスタ15、演算増幅器16、およびマイクロコンピュータ17から構成されている。
【0055】
カメラ本体2に交換用レンズ3が装着されたとき、電源用端子11と検出用端子12は、交換用レンズ3の電源用端子31と検出用端子32にそれぞれ接触する。電源用端子11が電源用端子31と接触することで、電池13からの直流電圧が交換用レンズ3に供給される。
【0056】
カメラ本体2は、検出回路21を用いて検出用端子12の電圧を検出することで、検出用端子12と検出用端子32の接触の有無を検出する。
【0057】
検出回路21は、図3の例に示すように、抵抗14−1,14−3、電界効果トランジスタ15、および演算増幅器16から構成されている。
【0058】
マイクロコンピュータ17は、演算増幅器16からの入力電圧の変化を検出することで、カメラ本体2と交換用レンズ3の接続および離脱を検出する。
【0059】
次に交換用レンズ3の接続検出回路について説明する。交換用レンズ3は電源用端子31、検出用端子32、抵抗33−1,33−2、電界効果トランジスタ34、演算増幅器35、マイクロコンピュータ36、リセット電圧検出器37、およびコンデンサ38から構成されている。
【0060】
なお、図5を参照して後述するように、交換用レンズ3は、さらにレンズ62、それを駆動するドライバ81およびアクチュエータ82を有している。
【0061】
交換用レンズ3は、検出回路41を用いて検出用端子32の電圧を検出することで、検出用端子12と検出用端子32の接続および離脱を判定する。なお検出回路41の構成は、カメラ本体2の検出回路21と同じ構成である。
【0062】
すなわち検出回路41は、図3の例に示すように、抵抗33−1,33−2、電界効果トランジスタ34、および演算増幅器35から構成されている。
【0063】
マイクロコンピュータ36は、演算増幅器35からの入力電圧の変化を検出することで、カメラ本体2と交換用レンズ3の接続および離脱を検出する。
【0064】
リセット電圧検出器37は、マイクロコンピュータ36と並列に接続されており、電源用端子31の電圧を監視することでマイクロコンピュータ36をリセットする電圧を検出する。
【0065】
リセット電圧検出器37は、所定の値の閾値のリセット電圧を基準として、リセット電圧検出器37への入力電圧(すなわち、マイクロコンピュータ36に供給される電源用の電圧)がリセット電圧にまで低下したかを検出する。
【0066】
リセット電圧検出器37は、入力電圧がリセット電圧より大きいと判定した場合、マイクロコンピュータ36への出力電圧をハイとする。一方、入力電圧がリセット電圧より小さいと判定した場合、リセット電圧検出器37は、マイクロコンピュータ36への出力電圧をローとする。
【0067】
マイクロコンピュータ36は、このリセット電圧検出器37からの出力電圧のハイからローへの変化を検出したとき、リセットの動作を実行する。
【0068】
なおリセット電圧検出器37のリセット電圧の値は、マイクロコンピュータ36の消費電力が最も多い場合の動作保障電圧を想定して設定される。これによりマイクロコンピュータ36を確実にリセットすることができる。
【0069】
コンデンサ38は、一方が電源用端子31と接続され、他方が接地されている。コンデンサ38は、カメラ本体2と交換用レンズ3が接続されている場合、電池13から供給される直流電圧により充電される。
【0070】
そしてカメラ本体2から交換用レンズ3が離脱された場合、所定の時間、マイクロコンピュータ36に電力を供給する。マイクロコンピュータ36により消費されるので、コンデンサ38の電圧は、時間とともに減少し、やがて0になる。
【0071】
マイクロコンピュータ36は、コンデンサ38から供給されるの電力を利用することで、カメラ本体2からの電源電圧の供給が突然終了しても、終了処理を実行することができる。
【0072】
図4は、カメラ本体2と交換用レンズ3の接続部の構成を示す正面図である。
【0073】
図4Aは、カメラ本体2の接続部の正面図を示している。カメラ本体2の接続部としてのマウント51の内側には、電源用端子11および検出用端子12を含む複数の端子が設けられている。
【0074】
図4Bは、交換用レンズ3の接続部の正面図を示している。交換用レンズ3の接続部としてのマウント61には、電源用端子31および検出用端子32を含む複数の端子、並びにレンズ62が設けられている。
【0075】
カメラ本体2に交換用レンズ3を装着する場合、カメラ本体2のマウント51と交換用レンズ3のマウント61とを接触させる。そして交換用レンズ3のマウント61を所定の方向に回動させることで、カメラ本体2に交換用レンズ3が装着される。
【0076】
カメラ本体2の複数の端子と交換用レンズ3の複数の端子は、同じ個数あり、各々対になっている。交換用レンズ3のマウント61を所定の方向に回動し、カメラ本体2に交換用レンズ3が装着された時、各々の端子が接続され、電気的に導通する。
【0077】
カメラ本体2から交換用レンズ3を離脱する場合、交換用レンズ3のマウント61は装着時とは逆の方向に回動される。
【0078】
なお、図4の例では交換用レンズ3のマウント61を回動させることで、カメラ本体2に装着またはカメラ本体2から離脱するようにしたが、カメラ本体2と交換用レンズ3との接続方法は、この例に限られない。
【0079】
[交換用レンズ3の構成]
【0080】
図5は、交換用レンズ3のレンズ62の駆動部の構成を示すブロック図である。
【0081】
交換用レンズ3は、マイクロコンピュータ36、撮像用のレンズ62、レンズ62を駆動するアクチュエータ82、アクチュエータ82を駆動するドライバ81を有し、マイクロコンピュータ36により制御されている。
【0082】
マイクロコンピュータ36は、レンズ62の動作命令をドライバ81に通知する。ドライバ81は、マイクロコンピュータ36からの動作命令を受信し、レンズ62を制御する制御命令をアクチュエータ82に通知する。
【0083】
アクチュエータ82は、ドライバ81からの制御命令に基づいて、レンズ62を駆動する。これにより、例えば、レンズ62の焦点位置が調節される。
【0084】
次に、マイクロコンピュータ36のレンズ62を駆動する機能を説明する。マイクロコンピュータ36は、検出部101、通信部102、および制御部103の機能ブロックを有している。
【0085】
なお、マイクロコンピュータ36の各ブロックは、必要に応じて相互に信号、データを授受することが可能とされている。
【0086】
マイクロコンピュータ36の検出部101は、検出回路41およびリセット電圧検出器37からの出力電圧の変化から、カメラ本体2との接続状態とリセット処理のタイミングを検出する。通信部102は、ドライバ81に命令を通知することで、アクチュエータ82の動作を制御する。制御部103は、マイクロコンピュータ36をリセットする。
【0087】
[接続状態のカメラ本体2の検出回路21の動作]
【0088】
図6は、カメラ本体2と交換用レンズ3が接続されている場合の検出回路21の動作を説明する図である。
【0089】
電界効果トランジスタ15は、ゲートが抵抗14−2,14−3、および検出用端子12と接続され、ドレインが抵抗14−1、および演算増幅器16と接続され、ソースが接地されている。
【0090】
電池13の電圧をEとし、抵抗14−2,14−3,33−2の抵抗値をそれぞれR1,R2,R3とすると、電界効果トランジスタ15のゲート電圧V1は、以下の式(1)で表わされる。
【0091】
【数1】
【0092】
ゲート電圧V1が、電界効果トランジスタ15の閾値電圧Vthより小さい(すなわち、V1<Vth)とすると、スイッチング素子としての電界効果トランジスタ15は、「OFF」となる。
【0093】
よって、演算増幅器16には、電池13から供給され、抵抗14−1を介して電圧Eが入力されるので、演算増幅器16の入力電圧はハイ(図6に示す「H」)となる。
【0094】
演算増幅器16は、反転増幅器を構成し、入力電圧がハイなので出力電圧はロー(図6に示す「L」)となる。従って、マイクロコンピュータ17に入力される電圧はローとなる。
【0095】
これによりマイクロコンピュータ17は、カメラ本体2に交換用レンズ3が装着されていることを検出する。
【0096】
なお、演算増幅器16は反転増幅器としたが、同様の機能を有するものであればこの例に限られない。またマイクロコンピュータ17が電界効果トランジスタ15のゲート電圧の変化を検出することができれば、演算増幅器16は設置しなくてもよい。
【0097】
[離脱状態のカメラ本体2の検出回路21の動作]
【0098】
次に、図7を参照して離脱状態のカメラ本体2の検出回路21の動作について説明する。
【0099】
カメラ本体2から交換用レンズ3が離脱された場合、検出用端子32の検出用端子12との接続が解除されるので、電界効果トランジスタ15のゲート電圧V2は、以下の式(2)で表わされようになる。
【0100】
【数2】
【0101】
式(1)および式(2)から、ゲート電圧V2は、ゲート電圧V1より大きくなる(すなわち、V2>V1)。そしてゲート電圧V2が、電界効果トランジスタ15の閾値電圧Vthより大きい(すなわち、V2>Vth)とすると、スイッチング素子としての電界効果トランジスタ15は、「ON」となる。
【0102】
電界効果トランジスタ15のソースは、接地されているので、演算増幅器16の入力電圧はローとなる。これにより演算増幅器16の出力電圧はハイとなる。
【0103】
従って、マイクロコンピュータ17に入力される電圧はハイとなる。これにより、マイクロコンピュータ17は、カメラ本体2から交換用レンズ3が離脱されたことを検知する。その結果、撮影動作が禁止される。
【0104】
[カメラ本体2の接続状態検出のタイミング]
【0105】
以上のカメラ本体2における接続状態の検出動作のタイミングは図8に示すようになる。
【0106】
図8は、カメラ本体2の接続状態検出のタイミングを示す図である。
【0107】
図8Aは、カメラ本体2と交換用レンズ3との物理的な接続状態を示している。接続状態は低レベルで示され、離脱状態は高レベルで示されている。
【0108】
図8Bは、電界効果トランジスタ15のゲート電圧の値を示している。
【0109】
カメラ本体2と交換用レンズ3が接続されている場合、図6を参照して説明したように、ゲート電圧はV1となる。交換用レンズ3が離脱された場合、図7を参照して説明したように、ゲート電圧はV2(V1<V2)となる。
【0110】
図8Cは、検出回路21(すなわち、演算増幅器16)からマイクロコンピュータ17への入力電圧を示している。
【0111】
カメラ本体2と交換用レンズ3が接続されている場合、図6を参照して説明したように、入力電圧はローとなる。交換用レンズ3が離脱された場合、図7を参照して説明したように、入力電圧はハイとなる。
【0112】
交換用レンズ3の接続状態が、接続から離脱に変化した場合、変化したタイミングで、マイクロコンピュータ17の入力電圧も変化する。
【0113】
従ってカメラ本体2は、検出回路21からマイクロコンピュータ17への入力電圧の変化を検出することで、より迅速に交換用レンズ3との離脱を検出することができる。
【0114】
[接続状態の交換用レンズ3の検出回路41の動作]
【0115】
次に図6を参照して、接続状態の交換用レンズ3の検出回路41の動作について説明する。
【0116】
電界効果トランジスタ34は、ゲートが抵抗33−2、および検出用端子32と接続され、ドレインが抵抗33−1、および演算増幅器35と接続され、ソースが接地される。
【0117】
また抵抗33−2は、一端が検出用端子32および電界効果トランジスタ34のゲートと接続され、他端が接地される。
【0118】
交換用レンズ3の電界効果トランジスタ34のゲートとカメラ本体2の電界効果トランジスタ15のゲートは、検出用端子12,32を介して接続されている。
【0119】
したがって、交換用レンズ3の電界効果トランジスタ34のゲート電圧は、カメラ本体2の電界効果トランジスタ15のゲート電圧V1と同じになる。
【0120】
ゲート電圧V1が、電界効果トランジスタ34の閾値電圧V’thより大きい(すなわち、V1>V’th)とすると、スイッチング素子としての電界効果トランジスタ34は、「ON」となる。
【0121】
電界効果トランジスタ34のソースは接地されているので、演算増幅器35の入力電圧はローとなる。演算増幅器35は、反転増幅器を構成しているので、出力電圧はハイとなる。
【0122】
従って、マイクロコンピュータ36に入力される電圧はハイとなる。これによりマイクロコンピュータ36は、交換用レンズ3がカメラ本体2に装着されていることを検知する。
【0123】
なお、演算増幅器35は反転増幅器としたが、同様の機能を有するものであればこの例に限られない。またマイクロコンピュータ36が電界効果トランジスタ34のゲート電圧の変化を検出することができれば、演算増幅器35は設置しなくてもよい。
【0124】
[離脱状態の交換用レンズ3の検出回路41の動作]
【0125】
次に、図9を参照して離脱状態の交換用レンズ3の検出回路41の動作について説明する。
【0126】
カメラ本体2と交換用レンズ3が離脱された場合、電界効果トランジスタ34のゲートは、抵抗33−2を介して接地されているので、ゲート電圧は0となる。
【0127】
電界効果トランジスタ34のゲート電圧が0であり、閾値電圧V’thより小さく(すなわち、V’th>0)なるので、電界効果トランジスタ34は、「OFF」となる。
【0128】
よって、演算増幅器35には、コンデンサ38、抵抗33−1を介して電圧が入力されるので、演算増幅器35の入力電圧はハイ(図9に示す「H」)となる。
【0129】
演算増幅器35は、入力電圧がハイなので出力電圧はロー(図9に示す「L」)となる。従って、マイクロコンピュータ36に入力される電圧はローとなる。これによりマイクロコンピュータ36は、交換用レンズ3がカメラ本体2から離脱されていることを検知する。
【0130】
[交換用レンズ3の接続状態検出のタイミング]
【0131】
以上の交換用レンズ3における接続状態の検出動作のタイミングは図10されるようになる。
【0132】
図10は、交換用レンズ3の接続状態検出のタイミングを示す図である。
【0133】
図10Aは、マイクロコンピュータ36に供給される電圧を示している。
【0134】
カメラ本体2と交換用レンズ3が接続されている場合、図6を参照して説明したように、カメラ本体2の電池13から直流電圧Eが、電源用端子11,31を介して交換用レンズ3側に供給される。
【0135】
カメラ本体2が離脱された場合、図9を参照して説明したように、コンデンサ38に蓄えられた電力が供給される。
【0136】
コンデンサ38の電力は、主にマイクロコンピュータ36で消費され、徐々に減少していく。これによりコンデンサ38からマイクロコンピュータ36に供給されている電圧も徐々に低下する。この状態が図10Aに示されている。
【0137】
また、リセット電圧検出器37は、マイクロコンピュータ36に供給される電圧が所定のリセット電圧まで低下した場合、マイクロコンピュータ36への出力電圧をハイからローに変更する。
【0138】
マイクロコンピュータ36は、リセット電圧検出器37からの入力電圧の変化を検出することで、供給される電圧がリセット電圧まで低下したことを検知する。このときマイクロコンピュータ36はリセット動作を実行する。
【0139】
図10Bは、カメラ本体2と交換用レンズ3との物理的な接続状態を示している。接続状態は低レベルで、離脱状態は高レベルで示されている。
【0140】
図10Cは、電界効果トランジスタ34のゲート電圧の値を示している。
【0141】
カメラ本体2と交換用レンズ3が接続されている場合、図6を参照して説明したように、ゲート電圧の値はV1となる。カメラ本体2が離脱された場合、図9を参照して説明したように、ゲート電圧は0となる。
【0142】
図10Dは、検出回路41(すなわち、演算増幅器35)からマイクロコンピュータ36への入力電圧を示している。
【0143】
カメラ本体2と交換用レンズ3が接続されている場合、図6を参照して説明したように、入力電圧はハイとなる。カメラ本体2が離脱された場合、図9を参照して説明したように、入力電圧はローとなる。
【0144】
図10Eは、終了処理が実行される時間T’を示している。終了処理は、マイクロコンピュータ36がカメラ本体2からの離脱を検出してからリセット電圧を検出するまでの時間t1内に実行される。
【0145】
このように、検出回路41は、電源用端子31の電圧ではなく、検出用端子32の電圧を検出するので、より迅速にカメラ本体2からの離脱を検出することができる。従って終了処理に要する時間t’1も長くすることができ、確実に終了処理を実行することが可能になる。
【0146】
またカメラ本体2で接続状態を検出するための検出用端子12と接触する検出用端子32を利用するので、端子を新たに増設する必要がなく、より多くの種類のカメラに適用することができるとともに、より安価に接続検出回路を組み込むことができる。
【0147】
[終了処理]
【0148】
図11は、マイクロコンピュータ36の終了処理を説明するフローチャートである。
【0149】
ステップS1において、マイクロコンピュータ36の検出部101は、電圧の変化を検出する。すなわち検出部101は図10Dに示されている検出回路41の出力をモニタし、マイクロコンピュータ36の入力電圧のハイからローへの変化を検出する。
【0150】
ステップS1で電圧の変化、すなわち、交換用レンズ3のカメラ本体2からの離脱が検出されたとき、ステップS2において、通信部102は、アクチュエータ82の停止コマンドをドライバ81に送信する。
【0151】
停止コマンドを受信したドライバ81は、アクチュエータ82を停止させる。これにより、レンズ62が予期していない不都合な動作の発生を回避することができる。
【0152】
ステップS3において、検出部101は、マイクロコンピュータ36のリセット電圧を検出する。
【0153】
すなわち、リセット電圧検出器37はマイクロコンピュータ36に供給される電源電圧をモニタし、電源電圧がリセット電圧よりも小さくなった場合、マイクロコンピュータ36に対して出力電圧ローを出力する。
【0154】
検出部101は、リセット電圧検出器37から出力された出力電圧ローを検出することで、リセット電圧を検出する。
【0155】
ステップS4において、制御部103は、マイクロコンピュータ36をリセットする。ステップS4の処理の後、交換用レンズ3の終了処理は終了する。
【0156】
このようにマイクロコンピュータ36は、入力電圧の変化、すなわちカメラ本体2からの離脱をより迅速に検出することで、より確実にアクチュエータ82の動作を停止することができる。
【0157】
なお、以上においては、演算増幅器16,35を反転増幅器としたが、一方または両方を非反転増幅器とすることも可能である。また、電界効果トランジスタ34の「ON」、「OFF」は、Nチャンネル型を用いた場合と、Pチャンネル型を用いた場合とで逆になる。
【0158】
また本実施の形態では、カメラ本体2と接続する電子機器として交換用レンズ3について説明したが、カメラと接続する電子機器は、カメラ本体2が設置されるスタンドであり、内蔵するアクチュエータを用いて、パン方向またはチルト方向にカメラ本体2を動作させるクレードルその他の電子機器とすることができる。
【0159】
図12は、カメラ本体2と接続する電子機器としてのクレードル120の構成を示す図である。クレードル120は、接続部121を介して、カメラ本体2の底部と接続する。
【0160】
クレードル120は、内蔵するアクチュエータを駆動することで、接続部121に接続されたカメラ本体2をパン方向141またはチルト方向142に移動させる。カメラ1は、所定のタイミングで画像を自動的に撮像する。
【0161】
この実施の形態の場合、図3の交換用レンズ3側に示される構成と同様の構成がクレードル120側に設けられ、それと接続されるカメラ本体2側の構成として、図3に示される場合と同様の構成が別途設けられる。但し、電池13とマイクロコンピュータ17は共通とされる。
【0162】
また、クレードル120のアクチュエータは、図5に示される場合と同様に、内蔵されるマイクロコンピュータとドライバにより制御される。但し、そのアクチュエータが駆動するのは、レンズ62ではなく、交換用レンズ3が装着された状態のカメラ本体2(すなわち、カメラ1)である。
【0163】
なお、レンズが交換できない固定されているカメラをクレードル120上に載置し、同様に制御することができるのは勿論である。
【0164】
このように本発明は、アクチュエータを内蔵し、カメラ本体から離脱された時にアクチュエータを停止させる処理を必要とする電子機器に適用できる。
【0165】
また本明細書において、システムの用語は、複数の装置、手段などより構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0166】
本発明の実施の形態は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0167】
1 カメラ, 2 カメラ本体, 3 交換用レンズ, 12 検出用端子, 21 検出回路, 32 検出用端子, 34 電界効果トランジスタ, 41 検出回路, 81 ドライバ, 82 アクチュエータ, 101 検出部, 102 通信部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラ本体と接続し、アクチュエータを有する電子機器であって、
前記電子機器が前記カメラ本体と接続されたとき、前記カメラ本体が前記電子機器との接続を検出するための端子と接触する検出用端子と、
前記検出用端子の電圧を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された前記電圧の変化に基づいて、前記カメラ本体との接続状態を検出する接続検出手段と、
前記接続検出手段により検出された前記カメラ本体との接続または離脱に基づいて、前記アクチュエータの動作を制御する制御手段と
を備える電子機器。
【請求項2】
前記検出手段は、前記電子機器と前記カメラ本体が接続されたときオンまたはオフし、離脱されたときオフまたはオンするスイッチング素子を有する
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記電子機器は、交換用レンズであり、
前記アクチュエータは、前記交換用レンズのレンズを駆動する
請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記電子機器は、前記カメラ本体を設置するクレードルであり、
前記アクチュエータは、前記カメラ本体をパン方向またはチルト方向に駆動する
請求項2に記載の電子機器。
【請求項5】
カメラ本体と接続し、アクチュエータを有する電子機器の接続検出方法において、
前記電子機器が前記カメラ本体と接続されたとき、前記カメラ本体が前記電子機器との接続を検出するための端子と接触する検出用端子の電圧を検出し、
検出された前記電圧の変化に基づいて、前記カメラ本体との接続状態を検出し、
検出された前記カメラ本体との接続または離脱に基づいて、前記アクチュエータの動作を制御する
接続検出方法。
【請求項6】
カメラ本体と電子機器の接続を検出する接続検出システムにおいて、
前記カメラ本体は、
前記電子機器の第1の検出用端子と接触する第2の検出用端子と、
前記第2の検出用端子の電圧の変化から前記電子機器との接続を検出する第1の検出手段と
を備え、
前記電子機器は、
前記電子機器を駆動させるアクチュエータと、
前記カメラ本体の前記第2の検出用端子と接触する前記第1の検出用端子と、
前記第1の検出用端子の電圧を検出する第2の検出手段と、
前記第2の検出手段により検出された前記電圧の変化に基づいて、前記カメラ本体との接続状態を検出する接続検出手段と、
前記接続検出手段により検出された前記カメラ本体との接続または離脱に基づいて、前記アクチュエータの動作を制御する制御手段と
を備える接続検出システム。
【請求項1】
カメラ本体と接続し、アクチュエータを有する電子機器であって、
前記電子機器が前記カメラ本体と接続されたとき、前記カメラ本体が前記電子機器との接続を検出するための端子と接触する検出用端子と、
前記検出用端子の電圧を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された前記電圧の変化に基づいて、前記カメラ本体との接続状態を検出する接続検出手段と、
前記接続検出手段により検出された前記カメラ本体との接続または離脱に基づいて、前記アクチュエータの動作を制御する制御手段と
を備える電子機器。
【請求項2】
前記検出手段は、前記電子機器と前記カメラ本体が接続されたときオンまたはオフし、離脱されたときオフまたはオンするスイッチング素子を有する
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記電子機器は、交換用レンズであり、
前記アクチュエータは、前記交換用レンズのレンズを駆動する
請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記電子機器は、前記カメラ本体を設置するクレードルであり、
前記アクチュエータは、前記カメラ本体をパン方向またはチルト方向に駆動する
請求項2に記載の電子機器。
【請求項5】
カメラ本体と接続し、アクチュエータを有する電子機器の接続検出方法において、
前記電子機器が前記カメラ本体と接続されたとき、前記カメラ本体が前記電子機器との接続を検出するための端子と接触する検出用端子の電圧を検出し、
検出された前記電圧の変化に基づいて、前記カメラ本体との接続状態を検出し、
検出された前記カメラ本体との接続または離脱に基づいて、前記アクチュエータの動作を制御する
接続検出方法。
【請求項6】
カメラ本体と電子機器の接続を検出する接続検出システムにおいて、
前記カメラ本体は、
前記電子機器の第1の検出用端子と接触する第2の検出用端子と、
前記第2の検出用端子の電圧の変化から前記電子機器との接続を検出する第1の検出手段と
を備え、
前記電子機器は、
前記電子機器を駆動させるアクチュエータと、
前記カメラ本体の前記第2の検出用端子と接触する前記第1の検出用端子と、
前記第1の検出用端子の電圧を検出する第2の検出手段と、
前記第2の検出手段により検出された前記電圧の変化に基づいて、前記カメラ本体との接続状態を検出する接続検出手段と、
前記接続検出手段により検出された前記カメラ本体との接続または離脱に基づいて、前記アクチュエータの動作を制御する制御手段と
を備える接続検出システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−33999(P2012−33999A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−169239(P2010−169239)
【出願日】平成22年7月28日(2010.7.28)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月28日(2010.7.28)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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