説明

電子機器および電子機器における制御方法

【課題】テレビ受信機に接続されたパーソナルコンピュータの画像解析能力を有効に活用する。
【解決手段】PC210とTV250を、HDMIケーブル351で接続する。PC210からTV250へのベースバンド映像信号の送信にはHDMIケーブル351のTMDSチャネルを用いる。HDMIケーブル351の所定ライン(例えば、リザーブライン、HPDライン)を用いた双方向通信を行う高速データラインを持つ。TV250の放送受信部(チューナ)で得られるストリームデータを、高速データラインを用いて、PC210に送信する。PC210は、受信したストリームデータの画像解析を行い、その解析結果を用いて、少なくともPC210自体またはTV250の動作を制御する。PC210は、例えば、テロップ認識または顔認識を行って、その認識結果を、ストリームデータを記録する際にタグ付けしておき、再生時のスキップ再生に使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えばパーソナルコンピュータ等の電子機器に関する。詳しくは、この発明は、外部機器に伝送路を介して映像信号を送信する送信装置にあって、伝送路を構成する所定のラインを用いて双方向通信をする通信部により、外部機器から、当該外部機器が持つ放送受信部で得られたストリームデータを受信して画像解析を行い、その解析結果を用いて少なくとも自己の電子機器の動作または外部機器の動作を制御することにより、画像解析能力を有効に活用できるようにした電子機器等に係るものである。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば、DVD(Digital Versatile Disc)レコーダや、セットトップボックス、その他のAVソース(Audio Visual source)から、テレビ受信機、プロジェクタ、その他のディスプレイに対して、デジタル映像信号、すなわち、非圧縮(ベースバンド)の映像信号(以下、「画像データ」という)と、その映像信号に付随するデジタル音声信号(以下、「音声データ」という)とを、高速に伝送する通信インタフェースとして、HDMI(High Definition Multimedia Interface)が普及しつつある。例えば、特許文献1には、HDMI規格の詳細についての記載がある。
【特許文献1】WO2002/078336号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
例えば、テレビ受信機とデジタルカメラがHDMIケーブルで接続されたAVシステムでは、CECという規格により、デジタルカメラ側からテレビ受信機の電源のオン/オフ、音量の上げ下げ程度の制御を行うことが可能になっている。しかし、テレビ受信機側の複雑な操作(例えば、ホームメニュー画面を表示する、番組表を表示する、本体設定を切り替える、受信チャネルを切り替える等)は、CECの規格になく、デジタルカメラ側から行うことはできず、テレビ受信機側のリモコン操作あるいは釦操作で行う必要があった。
【0004】
例えば、テレビ受信機とパーソナルコンピュータがHDMIケーブルで接続されたAVシステムも考えられる。この場合、パーソナルコンピュータ側の優れたユーザインタフェースを使用して、上述の複雑な操作をユーザが簡単にできるようにすることが望まれる。また、この場合、パーソナルコンピュータの画像解析能力を有効に活用できれば便利である。
【0005】
なお、パーソナルコンピュータ側のユーザインタフェースには、パーソナルコンピュータに有線または無線で接続されたキーボード、マウスなどのハードウェアのインタフェースの他、パーソナルコンピュータ画面に表示されたグラフィックユーザインタフェース(GUI)も含まれる。
【0006】
この発明の目的は、例えば、テレビ受信機に接続されたパーソナルコンピュータ等の画像解析能力を有効に活用することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の概念は、
映像信号を、複数チャネルで、差動信号により、伝送路を介して外部機器に送信する信号送信部と、
上記伝送路を構成する所定のラインを用いて双方向通信を行う通信部と、
上記外部機器から、上記通信部により、該外部機器が持つ放送受信部で得られたストリームデータを受信する信号受信部と、
上記信号受信部で受信されたストリームデータに対して画像解析を行う画像解析部と、 上記画像解析部の解析結果を用いて、少なくとも自己の電子機器の動作または外部機器の動作を制御する制御部と
を備えることを特徴とする電子機器にある。
【0008】
この発明においては、伝送路を構成する所定のラインを用いて双方向通信を行う通信部が備えられており、この通信部により、外部機器の放送受信部で得られたストリームデータが受信される。そして、受信されたストリームデータに対して画像解析が行われ、その解析結果を用いて、少なくとも自己の電子機器の動作または外部機器の動作を制御することが行われる。
【0009】
例えば、画像解析によりテロップ認識または顔認識が行われ、受信されたストリームデータを所定の記録メディアに記録する際に、その認識結果が付加される。このように、記録されるストリームデータに認識結果を付加しておくことで、テロップ毎のスキップ再生が可能となり、あるいは、特定人物のみ映っている部分だけの再生が可能となる。
【0010】
また、例えば、画像解析によりコマーシャルの開始および終了の検出が行われ、その検出結果に基づいて、外部機器におけるコマーシャル表示が抑制される。例えば、コマーシャル表示の抑制のために、外部機器における放送受信部の受信チャネルは、コマーシャルの開始時から終了時まで他のチャネルとされる。また、例えば、コマーシャル表示の抑制のために、コマーシャルの開始時から終了時まで、外部機器においてチャネルインデックス画面が表示される。チャネルインデックス画面とは、各チャネルの画像を一覧表示した画面である。また、例えば、コマーシャル表示の抑制のために、外部機器における放送受信部の受信チャネルは、コマーシャルの開始時から終了時まで、順次変化するようにされる。
【0011】
また、画像解析により特定の対象または特定のシーンの検出が行われ、特定の対象または特定のシーンが検出されるとき、外部機器の電源がオンとされる。
【0012】
このように、この発明においては、外部機器から放送受信部で得られたストリームデータが受信され、このストリームデータに対して画像解析が行われ、その解析結果を用いて、ストリームデータの記録動作、あるいは外部機器のストリームデータによる画像の表示動作が制御される。したがって、電子機器が持つ画像解析能力が有効に活用される。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、外部機器に伝送路を介して映像信号を送信する送信装置にあって、伝送路を構成する所定のラインを用いて双方向通信をする通信部により、外部機器から、当該外部機器が持つ放送受信部で得られたストリームデータを受信して画像解析を行い、その解析結果を用いて少なくと自己の電子機器の動作または外部機器の動作を制御するものであり、画像解析能力を有効に活用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態について説明する。図1、図2は、実施の形態としてのAV(Audio Visual)システム200の構成例を示している。
このAVシステム200は、ソース機器としてのパーソナルコンピュータ210と、シンク機器としてのテレビ受信機250と、ソース機器としてデジタルカメラ310とを有している。
【0015】
パーソナルコンピュータ210およびテレビ受信機250は、HDMIケーブル351を介して接続されている。パーソナルコンピュータ210には、HDMI送信部(HDMITX)212および高速データラインインタフェース(I/F)213が接続されたHDMI端子211が設けられている。テレビ受信機250には、HDMI受信部(HDMIRX)252,255および高速データラインインタフェース(I/F)253,256が接続されたHDMI端子251,254が設けられている。HDMIケーブル351の一端はパーソナルコンピュータ210のHDMI端子211に接続され、このHDMIケーブル351の他端はテレビ受信機250のHDMI端子251に接続されている。
【0016】
テレビ受信機250およびデジタルカメラ310は、HDMIケーブル352を介して接続されている。デジタルカメラには、HDMI送信部(HDMITX)312および高速データラインインタフェース(I/F)313が接続されたHDMI端子311が設けられている。HDMIケーブル352の一端はデジタルカメラ310のHDMI端子311に接続され、このHDMIケーブル352の他端はテレビ受信機250のHDMI端子254に接続されている。

【0017】
図3は、パーソナルコンピュータ210の構成例を示している。このパーソナルコンピュータ210は、HDMI端子211と、HDMI送信部212と、高速データラインインタフェース213と、CPU(Central Processing Unit)214と、ROM(Read OnlyMemory)215と、RAM(Random Access Memory)216と、バス217と、入出力インタフェース218と、入力部219と、出力部220と、記憶部221と、ドライブ222と、イーサネットインタフェース(Ethernet I/F)223と、ネットワーク端子224とを有している。なお、「イーサネット」および「Ethernet」は登録商標である。
【0018】
このパーソナルコンピュータ210において、CPU214、ROM215、RAM216は、バス217により相互に接続されている。バス217には、さらに、入出力インタフェース218が接続されている。入出力インタフェース218には、入力部219、出力部220、記憶部221、ドライブ222およびHDMI送信部(HDMI TX)212が接続されている。
【0019】
入力部219は、キーボード、マウス、マイクロホン等により構成されている。出力部220は、ディスプレイ、スピーカ等により構成されている。記憶部221は、HDD(Hard Disk Drive)、不揮発性メモリ等により構成されている。ドライブ222は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、あるいはメモリカード等のリムーバブルメディアを駆動する。
【0020】
また、バス217には、イーサネットインタフェース223が接続されている。このイーサネットインタフェース223には、ネットワーク端子224と、高速データラインインタフェース213が接続されている。高速データラインインタフェース213は、HDMIケーブルを構成する所定のライン(この実施の形態においては、リザーブライン、HPDライン)を用いた双方向通信のインタフェースである。この高速データラインインタフェース213の詳細は後述する。
【0021】
図3に示すように構成されたパーソナルコンピュータ210では、CPU214が、例えば、記憶部221に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース218およびバス217を介して、RAM216にロードして実行することにより、後述する一連の処理が行われる。
【0022】
図4は、テレビ受信機250の構成例を示している。このテレビ受信機250は、HDMI端子251,254と、HDMI受信部252,255と、高速データラインインタフェース253,256と、アンテナ端子257と、デジタルチューナ258と、デマルチプレクサ259と、MPEG(Moving Picture Expert Group)デコーダ260と、映像・グラフィック処理回路261と、パネル駆動回路262と、表示パネル263と、音声信号処理回路264と、音声増幅回路265と、スピーカ266と、DTCP回路267と、内部バス270と、CPU271と、フラッシュROM272と、DRAM273と、イーサネットインタフェース(Ethernet I/F)274と、ネットワーク端子275と、リモコン受信部276と、リモコン送信機277とを有している。
【0023】
アンテナ端子257は、受信アンテナ(図示しない)で受信されたテレビ放送信号を入力する端子である。デジタルチューナ258は、アンテナ端子257に入力されるテレビ放送信号を処理して、ユーザの選択チャネルに対応した所定のトランスポートストリームを出力する。デマルチプレクサ259は、デジタルチューナ258で得られたトランスポートストリームから、ユーザの選択チャネルに対応した、パーシャルTS(Transport Stream)(映像データのTSパケット、音声データのTSパケット)を抽出する。
【0024】
また、デマルチプレクサ259は、デジタルチューナ258で得られたトランスポートストリームから、PSI/SI(Program Specific Information/Service Information)を取り出し、CPU271に出力する。デジタルチューナ258で得られたトランスポートストリームには、複数のチャネルが多重化されている。デマルチプレクサ259で、当該トランスポートストリームから任意のチャネルのパーシャルTSを抽出する処理は、PSI/SI(PAT/PMT)から当該任意のチャネルのパケットID(PID)の情報を得ることで可能となる。ここで、デジタルチューナ258およびデマルチプレクサ259は、放送受信部を構成している。
【0025】
MPEGデコーダ260は、デマルチプレクサ259で得られる映像データのTSパケットにより構成される映像PES(Packetized Elementary Stream)パケットに対してデコード処理を行って映像データを得る。また、MPEGデコーダ260は、デマルチプレクサ259で得られる音声データのTSパケットにより構成される音声PESパケットに対してデコード処理を行って音声データを得る。なお、このMPEGデコーダ260は、必要に応じて、DTCP回路267で復号化されて得られた映像および音声のPESパケットに対してデコード処理を行って映像データおよび音声データを得る。
【0026】
映像・グラフィック処理回路261は、MPEGデコーダ260で得られた映像データに対して、必要に応じてマルチ画面処理、グラフィックスデータの重畳処理等を行う。パネル駆動回路262は、映像・グラフィック処理回路261から出力される映像データに基づいて、表示パネル263を駆動する。表示パネル263は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、PDP(Plasma DisplayPanel)等で構成されている。音声信号処理回路264はMPEGデコーダ260で得られた音声データに対してD/A変換等の必要な処理を行う。音声増幅回路265は、音声信号処理回路264から出力される音声信号を増幅してスピーカ266に供給する。
【0027】
DTCP回路267は、デマルチプレクサ259で抽出されたパーシャルTSを、必要に応じて暗号化する。また、DTCP回路267は、ネットワーク端子275あるいは高速データラインインタフェース253からイーサネットインタフェース274に供給される暗号化データを復号する。
【0028】
CPU271は、テレビ受信機250の各部の動作を制御する。フラッシュROM272は、制御ソフトウェアの格納およびデータの保管を行う。DRAM273は、CPU271のワークエリアを構成する。CPU271は、フラッシュROM272から読み出したソフトウェアやデータをDRAM273上に展開してソフトウェアを起動させ、テレビ受信機250の各部を制御する。リモコン受信部276は、リモコン送信機277から送信されたリモーコントロール信号(リモコンコード)を受信し、CPU271に供給する。CPU271、フラッシュROM272、DRAM273およびイーサネットインタフェース274は、内部バス270に接続されている。
【0029】
HDMI受信部(HDMIシンク)252,255は、HDMIに準拠した通信により、HDMI端子251,254に供給されるベースバンドの映像(画像)と音声のデータを受信する。このHDMI受信部252,255の詳細は後述する。高速データラインインタフェース253,256は、HDMIケーブルを構成する所定のライン(この実施の形態においては、リザーブライン、HPDライン)を用いた双方向通信のインタフェースである。この高速データラインインタフェース253,256の詳細は後述する。
【0030】
図4に示すテレビ受信機250の動作を簡単に説明する。
アンテナ端子257に入力されるテレビ放送信号はデジタルチューナ258に供給される。このデジタルチューナ258では、テレビ放送信号を処理して、ユーザの選択チャネルに対応した所定のトランスポートストリームが出力され、当該所定のトランスポートストリームはデマルチプレクサ259に供給される。このデマルチプレクサ259では、トランスポートストリームから、ユーザの選択チャネルに対応した、パーシャルTS(映像データのTSパケット、音声データのTSパケット)が抽出され、当該パーシャルTSはMPEGデコーダ260に供給される。
【0031】
MPEGデコーダ260では、映像データのTSパケットにより構成される映像PESパケットに対してデコード処理が行われて映像データが得られる。この映像データは、映像・グラフィック処理回路261において、必要に応じてマルチ画面処理、グラフィックスデータの重畳処理等が行われた後に、パネル駆動回路262に供給される。そのため、表示パネル263には、ユーザの選択チャネルに対応した画像が表示される。
【0032】
また、MPEGデコーダ260では、音声データのTSパケットにより構成される音声PESパケットに対してデコード処理が行われて音声データが得られる。この音声データは、音声信号処理回路264でD/A変換等の必要な処理が行われ、さらに、音声増幅回路265で増幅された後に、スピーカ266に供給される。そのため、スピーカ266から、ユーザの選択チャネルに対応した音声が出力される。
【0033】
テレビ放送信号の受信時において、デマルチプレクサ259で抽出されたパーシャルTSをネットワーク、あるいは、後述するHDMIケーブルの所定ラインで構成される高速データラインに送出する際には、当該パーシャルTSはDTCP回路267で暗号化された後、イーサネットインタフェース274を介してネットワーク端子275あるいは高速データラインインタフェース253,256に供給される。
【0034】
リモコン受信部276ではリモコン送信機277から送信されたリモコンコード(リモーコントロール信号)が受信され、当該リモコンコードはCPU271に供給される。CPU271は、このリモコンコードがテレビ受信機250の制御に関係する場合、このリモコンコードに基づいて、テレビ受信機250の各部を制御する。
【0035】
また、CPU271では、リモコン受信部276から供給されるリモコンコードを含むIPパケットが生成される。このIPパケットは、必要に応じてネットワークに送出される。その場合、当該IPパケットは、イーサネットインタフェース274を介してネットワーク端子275に出力される。また、このIPパケットは、必要に応じて、イーサネットインタフェース274および高速データラインインタフェース253,256を介して、HDMI端子251,254に出力される。
【0036】
また、ネットワーク端子275からイーサネットインタフェース274に供給される、あるいは、HDMI端子251,254から高速データラインインタフェース253,256を介してイーサネットインタフェース274に供給される、暗号化されているパーシャルTSは、DTCP回路267で復号化された後に、MPEGデコーダ260に供給される。以降は、上述したテレビ放送信号の受信時と同様の動作となり、表示パネル263に画像が表示され、スピーカ266から音声が出力される。
【0037】
また、ネットワーク端子275からイーサネットインタフェース274に、あるいは、HDMI端子251,254から高速データラインインタフェース253,256を介してイーサネットインタフェース274に供給される、外部機器からの制御信号、操作信号、通知信号等は、当該イーサネットインタフェース274からCPU271に供給される。CPU271は受け取った制御信号、操作信号、通知信号等に基づいて、テレビ受信機250の各部の動作を制御する。
【0038】
また、HDMI受信部252,255では、HDMIケーブルを通じてHDMI端子251,254に入力される映像(画像)データおよび音声データが取得される。この映像データおよび音声データは、それぞれ、映像・グラフィック処理回路261および音声信号処理回路264に供給される。以降は、上述したテレビ放送信号の受信時と同様の動作となり、表示パネル263に画像が表示され、スピーカ266から音声が出力される。
【0039】
図5は、デジタルカメラ310の構成例を示している。このデジタルカメラ310は、HDMI端子311と、HDMI送信部312と、高速データラインインタフェース313と、イメージャ321と、イメージャドライバ322と、撮像信号処理回路323と、カメラ制御CPU324と、静止画像信号処理回路325と、動画像信号処理回路326と、記録再生部328と、メモリカード329と、システム制御CP330と、フラッシュROM331と、SDRAM332と、キー333と、マイクロホン334と、音声信号処理回路335と、LCDコントローラ336と、LCDパネル337とを有している。
【0040】
イメージャ321は、例えば、C−MOS撮像素子、あるいはCCD撮像素子により構成される。イメージャドライバ322は、イメージャ321を駆動する。撮像信号処理回路323は、イメージャ321で得られる撮像信号を処理して、被写体に対応した画像データ(撮像画像データ)を生成する。カメラ制御CPU324は、イメージャドライバ322および撮像信号処理回路323の動作を制御する。
【0041】
静止画像信号処理回路325は、静止画の撮像時、撮像信号処理回路323で得られた画像データに対して、例えばJPEG(Joint Photographic Experts Group)方式の圧縮符号化処理を施して、静止画像データを生成する。
【0042】
音声信号処理回路335は、マイクロホン334で得られた音声信号に対して、A/D変換等の処理を施して、撮像画像データに対応した音声データを得る。動画像信号処理回路326は、動画の撮像時、撮像信号処理回路323で得られた画像データに対して、音声信号処理回路325で得られた音声データと共に、記録メディアフォーマットに準じた圧縮符号化等の処理を施し、音声データが付加された動画像データを生成する。
【0043】
記録再生部328は、静止画の撮像時、静止画信号処理回路325で生成された静止画像データを、装填されたメモリカード329に、あるいは、システム制御CPU330を経由してフラッシュROM331に書き込む。また、記録再生部328は、動画の撮像時、動画像信号処理回路326で生成された動画像データを、装填されたメモリカード329に、あるいは、システム制御CPU330を経由してフラッシュROM331に書き込む。さらに、記録再生部328は、静止画または動画の再生時、メモリカード329等から動画像データを読み出し、復号化処理等を施して、再生画像データを得る。
【0044】
LCDコントローラ336は、撮像信号処理回路323から出力された画像データ、または記録再生部328で生成された再生画像データに基づいて、LCD(Liquid Crystal Display)パネル327を駆動し、当該LCDパネル327に撮像画像(動画像)または再生画像(静止画像、動画像)を表示する。
【0045】
システム制御CPU330は、静止画像信号処理回路325、動画像信号処理回路326、記録再生部328等の動作を制御する。システム制御CPU330には、フラッシュROM331、SDRAM332およびキー333が接続されている。フラッシュROM331は、システム制御CPU330の制御プログラム等を記憶している。また、SDRAM332は、システム制御CPU330の制御処理で必要なデータの一時記憶等に用いられる。
【0046】
キー333は、ユーザ操作部を構成している。システム制御CPU330は、キー333の操作状態を判断し、デジタルカメラ310の動作を制御する。ユーザは、キー333により、撮像(記録)操作、再生操作の他に、各種付加情報の入力操作等を行うことができる。
【0047】
HDMI送信部(HDMIソース)312は、HDMIに準拠した通信により、ベースバンドの画像(映像)と音声のデータを、HDMI端子311からHDMIケーブルに送出する。HDMI送信部312の詳細は後述する。高速データラインインタフェース313は、HDMIケーブルを構成する所定のラインを用いた双方向通信のインタフェースである。この高速データラインインタフェース313は、システム制御CPU330とHDMI端子311との間に挿入されている。
【0048】
この高速データラインインタフェース313は、システム制御CPU330から供給される送信データを、HDMI端子311からHDMIケーブルに送出する。また、この高速データラインインタフェース313は、HDMIケーブルからHDMI端子311を介して相手側の機器から受信された受信データを、システム制御CPU330に供給する。この高速データラインインタフェース313の詳細は後述する。
【0049】
図5に示すデジタルカメラ310の動作を簡単に説明する。
イメージャ321で得られた撮像信号は撮像信号処理回路323に供給されて処理され、この撮像信号処理回路323からは被写体に対応した画像データ(撮像画像データ)が得られる。静止画撮像時には、静止画像信号処理回路325では、撮像信号処理回路323から出力される画像データに対して、圧縮符号化処理等が施されて、静止画像データが生成される。この静止画像データは、記録再生部328により、メモリカード329等に記録される。
【0050】
また、動画撮像時には、動画像信号処理回路326では、撮像信号処理回路323から出力される画像データに対して、音声信号処理回路335から出力される音声データと共に、記録メディアフォーマットに準じた圧縮符号化等の処理が施され、音声データが付加された動画像データが生成される。この動画像データは、記録再生部328により、メモリカード329等に記録される。
【0051】
静止画像の再生時には、メモリカード329等から静止画像データが読み出され、静止画像信号処理回路325で復号化等の処理が施されて再生画像データ得られる。この再生画像データはシステム制御CPU330および動画像信号処理回路326を介してLCDコントローラ326に供給され、LCDパネル327に、静止画像が表示される。
【0052】
動画像の再生時には、記録再生回路328によりメモリカード329等から動画像データが読み出され、動画像信号処理回路326で復号化等の処理が施されて再生画像データが得られる。そして、再生画像データはLCDコントローラ326に供給され、LCDパネル327に、動画像が表示される。
【0053】
メモリカード329等に記録されている静止画像データ、あるいは動画像データに係る画像、音声のデータを外部機器に送信する場合、メモリカード329から静止画画像データ、あるいは動画像データが読み出されて処理回路325,326に供給され、復号化等の処理が施されて、ベースバンドの画像、音声のデータが得られる。そして、このベースバンドの画像、音声のデータがHDMI送信部312に供給され、HDMI端子311に接続されたHDMIケーブルに送出される。
【0054】
HDMI端子311に接続されるHDMIケーブルとしては、映像データの伝送ラインの他に、制御データの伝送ラインについても用意してあり、制御データの伝送ラインについては、双方向でデータ伝送が行える構成としてある。したがって、HDMI送信部312は、映像信号を送信する機能の他に、制御データ(制御信号)を送受信する機能を備える。HDMI送信部312で受信された制御データはシステム制御CPU330に供給される。また、このHDMI送信部312で送信する制御データ(制御信号)はシステム制御CPU330から供給される。
【0055】
図6は、図1、図2のAVシステム200における、パーソナルコンピュータ210のHDMI送信部(HDMIソース)212と、テレビ受信機250のHDMI受信部(HDMIシンク)252の構成例を示している。
【0056】
HDMIソース212は、一の垂直同期信号から次の垂直同期信号までの区間から、水平帰線区間および垂直帰線区間を除いた区間である有効画像区間(以下、適宜、アクティブビデオ区間ともいう)において、非圧縮の1画面分の画像の画素データに対応する差動信号を、複数のチャネルで、HDMIシンク252に一方向に送信するとともに、水平帰線区間または垂直帰線区間において、少なくとも画像に付随する音声データや制御データ、その他の補助データ等に対応する差動信号を、複数のチャネルで、HDMIシンク252に一方向に送信する。
【0057】
すなわち、HDMIソース212は、トランスミッタ81を有する。トランスミッタ81は、例えば、非圧縮の画像の画素データを対応する差動信号に変換し、複数のチャネルである3つのTMDSチャネル#0,#1,#2で、HDMIケーブル351を介して接続されているHDMIシンク32に、一方向にシリアル伝送する。
【0058】
また、トランスミッタ81は、非圧縮の画像に付随する音声データ、さらには、必要な制御データその他の補助データ等を、対応する差動信号に変換し、3つのTMDSチャネル#0,#1,#2でHDMIケーブル351を介して接続されているHDMIシンク252に、一方向にシリアル伝送する。
【0059】
さらに、トランスミッタ81は、3つのTMDSチャネル#0,#1,#2で送信する画素データに同期したピクセルクロックを、TMDSクロックチャネルで、HDMIケーブル351を介して接続されているHDMIシンク252に送信する。ここで、1つのTMDSチャネル#i(i=0,1,2)では、ピクセルクロックの1クロックの間に、10ビットの画素データが送信される。
【0060】
HDMIシンク252は、アクティブビデオ区間において、複数のチャネルで、HDMIソース212から一方向に送信されてくる、画素データに対応する差動信号を受信するとともに、水平帰線区間または垂直帰線区間において、複数のチャネルで、HDMIソース212から一方向に送信されてくる、音声データや制御データに対応する差動信号を受信する。
【0061】
すなわち、HDMIシンク252は、レシーバ82を有する。レシーバ82は、TMDSチャネル#0,#1,#2で、HDMIケーブル351を介して接続されているHDMIソース212から一方向に送信されてくる、画素データに対応する差動信号と、音声データや制御データに対応する差動信号を、同じくHDMIソース212からTMDSクロックチャネルで送信されてくるピクセルクロックに同期して受信する。
【0062】
HDMIソース212とHDMIシンク252とからなるHDMIシステムの伝送チャネルには、HDMIソース212からHDMIシンク252に対して、画素データおよび音声データを、ピクセルクロックに同期して、一方向にシリアル伝送するための伝送チャネルとしての3つのTMDSチャネル#0乃至#2と、ピクセルクロックを伝送する伝送チャネルとしてのTMDSクロックチャネルの他に、DDC(Display Data Channel)83やCECライン84と呼ばれる伝送チャネルがある。
【0063】
DDC83は、HDMIケーブル351に含まれる図示せぬ2本の信号線からなり、HDMIソース212が、HDMIケーブル351を介して接続されたHDMIシンク252から、E−EDID(Enhanced Extended Display Identification Data)を読み出すために使用される。
【0064】
すなわち、HDMIシンク252は、HDMIレシーバ81の他に、自身の性能(Configuration/capability)に関する性能情報であるE−EDIDを記憶している、EDID ROM(Read Only Memory)85を有している。HDMIソース212は、HDMIケーブル351を介して接続されているHDMIシンク252から、当該HDMIシンク252のE−EDIDを、DDC83を介して読み出し、そのE−EDIDに基づき、HDMIシンク212の性能の設定、すなわち、例えば、HDMIシンク252を有する電子機器が対応している画像のフォーマット(プロファイル)、例えば、RGB、YCbCr4:4:4、YCbCr4:2:2等を認識する。
【0065】
CECライン84は、HDMIケーブル351に含まれる図示せぬ1本の信号線からなり、HDMIソース212とHDMIシンク252との間で、制御用のデータの双方向通信を行うのに用いられる。
【0066】
また、HDMIケーブル351には、HPD(Hot Plug Detect)と呼ばれるピンに接続されるライン86が含まれている。ソース機器は、当該ライン86を利用して、シンク機器の接続を検出することができる。また、HDMIケーブル351には、ソース機器からシンク機器に電源を供給するために用いられるライン87が含まれている。さらに、HDMIケーブル351には、リザーブライン88が含まれている。
【0067】
図7は、図6のHDMIトランスミッタ81とHDMIレシーバ82の構成例を示している。
【0068】
トランスミッタ81は、3つのTMDSチャネル#0,#1,#2にそれぞれ対応する3つのエンコーダ/シリアライザ81A,81B,81Cを有する。そして、エンコーダ/シリアライザ81A,81B,81Cのそれぞれは、そこに供給される画像データ、補助データ、制御データをエンコードし、パラレルデータからシリアルデータに変換して、差動信号により送信する。ここで、画像データが、例えばR(赤),G(緑),B(青)の3成分を有する場合、B成分(B component)はエンコーダ/シリアライザ81Aに供給され、G成分(Gcomponent)はエンコーダ/シリアライザ81Bに供給され、R成分(R component)はエンコーダ/シリアライザ81Cに供給される。
【0069】
また、補助データとしては、例えば、音声データや制御パケットがあり、制御パケットは、例えば、エンコーダ/シリアライザ81Aに供給され、音声データは、エンコーダ/シリアライザ81B,81Cに供給される。
【0070】
さらに、制御データとしては、1ビットの垂直同期信号(VSYNC)、1ビットの水平同期信号(HSYNC)、および、それぞれ1ビットの制御ビットCTL0,CTL1,CTL2,CTL3がある。垂直同期信号および水平同期信号は、エンコーダ/シリアライザ81Aに供給される。制御ビットCTL0,CTL1はエンコーダ/シリアライザ81Bに供給され、制御ビットCTL2,CTL3はエンコーダ/シリアライザ81Cに供給される。
【0071】
エンコーダ/シリアライザ81Aは、そこに供給される画像データのB成分、垂直同期信号および水平同期信号、並びに補助データを、時分割で送信する。すなわち、エンコーダ/シリアライザ81Aは、そこに供給される画像データのB成分を、固定のビット数である8ビット単位のパラレルデータとする。さらに、エンコーダ/シリアライザ81Aは、そのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#0で送信する。
【0072】
また、エンコーダ/シリアライザ81Aは、そこに供給される垂直同期信号および水平同期信号の2ビットのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#0で送信する。さらに、エンコーダ/シリアライザ81Aは、そこに供給される補助データを4ビット単位のパラレルデータとする。そして、エンコーダ/シリアライザ81Aは、そのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#0で送信する。
【0073】
エンコーダ/シリアライザ81Bは、そこに供給される画像データのG成分、制御ビットCTL0,CTL1、並びに補助データを、時分割で送信する。すなわち、エンコーダ/シリアライザ81Bは、そこに供給される画像データのG成分を、固定のビット数である8ビット単位のパラレルデータとする。さらに、エンコーダ/シリアライザ81Bは、そのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#1で送信する。
【0074】
また、エンコーダ/シリアライザ81Bは、そこに供給される制御ビットCTL0,CTL1の2ビットのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#1で送信する。さらに、エンコーダ/シリアライザ81Bは、そこに供給される補助データを4ビット単位のパラレルデータとする。そして、エンコーダ/シリアライザ81Bは、そのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#1で送信する。
【0075】
エンコーダ/シリアライザ81Cは、そこに供給される画像データのR成分、制御ビットCTL2,CTL3、並びに補助データを、時分割で送信する。すなわち、エンコーダ/シリアライザ81Cは、そこに供給される画像データのR成分を、固定のビット数である8ビット単位のパラレルデータとする。さらに、エンコーダ/シリアライザ81Cは、そのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#2で送信する。
【0076】
また、エンコーダ/シリアライザ81Cは、そこに供給される制御ビットCTL2,CTL3の2ビットのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#2で送信する。さらに、エンコーダ/シリアライザ81Cは、そこに供給される補助データを4ビット単位のパラレルデータとする。そして、エンコーダ/シリアライザ81Cは、そのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#2で送信する。
【0077】
レシーバ82は、3つのTMDSチャネル#0,#1,#2にそれぞれ対応する3つのリカバリ/デコーダ82A,82B,82Cを有する。そして、リカバリ/デコーダ82A,82B,82Cのそれぞれは、TMDSチャネル#0,#1,#2で差動信号により送信されてくる画像データ、補助データ、制御データを受信する。さらに、リカバリ/デコーダ82A,82B,82Cのそれぞれは、画像データ、補助データ、制御データを、シリアルデータからパラレルデータに変換し、さらにデコードして出力する。
【0078】
すなわち、リカバリ/デコーダ82Aは、TMDSチャネル#0で差動信号により送信されてくる画像データのB成分、垂直同期信号および水平同期信号、補助データを受信する。そして、リカバリ/デコーダ82Aは、その画像データのB成分、垂直同期信号および水平同期信号、補助データを、シリアルデータからパラレルデータに変換し、デコードして出力する。
【0079】
リカバリ/デコーダ82Bは、TMDSチャネル#1で差動信号により送信されてくる画像データのG成分、制御ビットCTL0,CTL1、補助データを受信する。そして、リカバリ/デコーダ82Bは、その画像データのG成分、制御ビットCTL0,CTL1、補助データを、シリアルデータからパラレルデータに変換し、デコードして出力する。
【0080】
リカバリ/デコーダ82Cは、TMDSチャネル#2で差動信号により送信されてくる画像データのR成分、制御ビットCTL2,CTL3、補助データを受信する。そして、リカバリ/デコーダ82Cは、その画像データのR成分、制御ビットCTL2,CTL3、補助データを、シリアルデータからパラレルデータに変換し、デコードして出力する。
【0081】
図8は、HDMIの3つのTMDSチャネル#0,#1,#2で各種の伝送データが伝送される伝送区間(期間)の例を示している。なお、図8は、TMDSチャネル#0,#1,#2において、横×縦が720×480画素のプログレッシブの画像が伝送される場合の、各種の伝送データの区間を示している。
【0082】
HDMIの3つのTMDSチャネル#0,#1,#2で伝送データが伝送されるビデオフィールド(Video Field)には、伝送データの種類に応じて、ビデオデータ区間(VideoData period)、データアイランド区間(Data Island period)、およびコントロール区間(Control period)の3種類の区間が存在する。
【0083】
ここで、ビデオフィールド区間は、ある垂直同期信号の立ち上がりエッジ(active edge)から次の垂直同期信号の立ち上がりエッジまでの区間であり、水平ブランキング期間(horizontal blanking)、垂直ブランキング期間(verticalblanking)、並びに、ビデオフィールド区間から、水平ブランキング期間および垂直ブランキング期間を除いた区間であるアクティブビデオ区間(Active Video)に分けられる。
【0084】
ビデオデータ区間は、アクティブビデオ区間に割り当てられる。このビデオデータ区間では、非圧縮の1画面分の画像データを構成する720画素×480ライン分の有効画素(Active pixel)のデータが伝送される。
【0085】
データアイランド区間およびコントロール区間は、水平ブランキング期間および垂直ブランキング期間に割り当てられる。このデータアイランド区間およびコントロール区間では、補助データ(Auxiliary data)が伝送される。
【0086】
すなわち、データアイランド区間は、水平ブランキング期間と垂直ブランキング期間の一部分に割り当てられている。このデータアイランド区間では、補助データのうち、制御に関係しないデータである、例えば、音声データのパケット等が伝送される。
【0087】
コントロール区間は、水平ブランキング期間と垂直ブランキング期間の他の部分に割り当てられている。このコントロール区間では、補助データのうちの、制御に関係するデータである、例えば、垂直同期信号および水平同期信号、制御パケット等が伝送される。
【0088】
ここで、現行のHDMIでは、TMDSクロックチャネルで伝送されるピクセルクロックの周波数は、例えば165MHzであり、この場合、データアイランド区間の伝送レートは約500Mbps程度である。
【0089】
図9は、HDMI端子29,31のピン配列を示している。このピン配列はタイプA(type-A)と呼ばれている。
【0090】
TMDSチャネル#iの差動信号であるTMDS Data#i+とTMDS Data#i−が伝送される差動線である2本のラインは、TMDS Data#i+が割り当てられているピン(ピン番号が1,4,7のピン)と、TMDS Data#i−が割り当てられているピン(ピン番号が3,6,9のピン)に接続される。
【0091】
また、制御用のデータであるCEC信号が伝送されるCECライン84は、ピン番号が13であるピンに接続され、ピン番号が14のピンは空き(Reserved)ピンとなっている。また、E−EDID等のSDA(SerialData)信号が伝送されるラインは、ピン番号が16であるピンに接続され、SDA信号の送受信時の同期に用いられるクロック信号であるSCL(Serial Clock)信号が伝送されるラインは、ピン番号が15であるピンに接続される。上述のDDC83は、SDA信号が伝送されるラインおよびSCL信号が伝送されるラインにより構成される。
【0092】
また、上述したようにソース機器がシンク機器の接続を検出するためのライン86は、ピン番号が19であるピンに接続される。また、上述したように電源を供給するためのライン87は、ピン番号が18であるピンに接続される。

【0093】
なお、図6は、図1、図2のAVシステム200における、パーソナルコンピュータ210のHDMI送信部(HDMIソース)212とテレビ受信機250のHDMI受信部(HDMIシンク)252の構成例を示している。詳細説明は省略するが、図1、図2のAVシステム200におけるその他のHDMI送信部、HDMI受信部も、同様に構成されている。
【0094】
図10は、図1のAVシステム200における、パーソナルコンピュータ210の高速データラインインタフェース213と、テレビ受信機250の高速データラインインタフェース253の構成例を示している。これらインタフェース213,253は、LAN(Local Area Network)通信を行う通信部を構成する。この通信部は、HDMIケーブル351を構成する複数のラインのうち、1対の差動ライン、この実施の形態においては、空き(Reserve)ピン(14ピン)に対応したリザーブライン(Ether−ライン)、およびHPDピン(19ピン)に対応したHPDライン(Ether+ライン)を用いて、通信を行う。
【0095】
パーソナルコンピュータ210は、LAN信号送信回路411、終端抵抗412、AC結合容量413,414、LAN信号受信回路415、減算回路416、プルアップ抵抗421、ローパスフィルタを構成する抵抗422および容量423、比較器424、プルダウン抵抗431、ローパスフィルタを形成する抵抗432および容量433、並びに比較器434を有している。ここで、高速データラインインタフェース213は、LAN信号送信回路411、終端抵抗412、AC結合容量413,414、LAN信号受信回路415、減算回路416により構成されている。
【0096】
電源線(+5.0V)と接地線との間には、プルアップ抵抗421、AC結合容量413、終端抵抗412、AC結合容量414およびプルダウン抵抗431の直列回路が接続される。AC結合容量413と終端抵抗412の互いの接続点P1は、LAN信号送信回路411の正出力側に接続されると共に、LAN信号受信回路415の正入力側に接続される。また、AC結合容量414と終端抵抗412の互いの接続点P2は、LAN信号送信回路411の負出力側に接続されると共に、LAN信号受信回路415の負入力側に接続される。LAN信号送信回路411の入力側には、送信信号(送信データ)SG411が供給される。
【0097】
また、減算回路416の正側端子には、LAN信号受信回路415の出力信号SG412が供給され、この減算回路416の負側端子には、送信信号(送信データ)SG411が供給される。この減算回路416では、LAN信号受信回路415の出力信号SG412から送信信号SG411が減算され、受信信号(受信データ)SG413が得られる
【0098】
また、プルアップ抵抗421およびAC結合容量413の互いの接続点Q1は、抵抗422および容量423の直列回路を介して接地線に接続される。そして、抵抗422および容量423の互いの接続点に得られるローパスフィルタの出力信号は比較器424の一方の入力端子に供給される。この比較器424では、ローパスフィルタの出力信号が他方の入力端子に供給される基準電圧Vref1(+3.75V)と比較される。この比較器424の出力信号SG414はCPU214に供給される。
【0099】
また、AC結合容量414およびプルダウン抵抗431の互いの接続点Q2は、抵抗432および容量433の直列回路を介して接地線に接続される。そして、抵抗432および容量433の互いの接続点に得られるローパスフィルタの出力信号は比較器434の一方の入力端子に供給される。この比較器434では、ローパスフィルタの出力信号が他方の入力端子に供給される基準電圧Vref2(+1.4V)と比較される。この比較器434の出力信号SG415は、CPU214に供給される。
【0100】
テレビ受信機250は、LAN信号送信回路441、終端抵抗442、AC結合容量443,444、LAN信号受信回路445、減算回路446、プルダウン抵抗451、ローパスフィルタを構成する抵抗452および容量453、比較器454、チョークコイル461、抵抗462、並びに抵抗463を有している。ここで、高速データラインインタフェース253は、LAN信号送信回路441、終端抵抗442、AC結合容量443,444、LAN信号受信回路445、減算回路446により構成されている。
【0101】
電源線(+5.0V)と接地線との間には、抵抗462および抵抗463の直列回路が接続される。そして、この抵抗462と抵抗463の互いの接続点と、接地線との間には、チョークコイル461、AC結合容量444、終端抵抗442、AC結合容量443およびプルダウン抵抗451の直列回路が接続される。
【0102】
AC結合容量443と終端抵抗442の互いの接続点P3は、LAN信号送信回路441の正出力側に接続されると共に、LAN信号受信回路445の正入力側に接続される。また、AC結合容量444と終端抵抗442の互いの接続点P4は、LAN信号送信回路441の負出力側に接続されると共に、LAN信号受信回路445の負入力側に接続される。LAN信号送信回路441の入力側には、送信信号(送信データ)SG417が供給される。
【0103】
また、減算回路446の正側端子には、LAN信号受信回路445の出力信号SG418が供給され、この減算回路446の負側端子には、送信信号SG417が供給される。この減算回路446では、LAN信号受信回路445の出力信号SG418から送信信号SG417が減算され、受信信号(受信データ)SG419が得られる。
【0104】
また、プルダウン抵抗451およびAC結合容量443の互いの接続点Q3は、抵抗452および容量453の直列回路を介して接地線に接続される。そして、抵抗452および容量453の互いの接続点に得られるローパスフィルタの出力信号は比較器454の一方の入力端子に供給される。この比較器454では、ローパスフィルタの出力信号が他方の入力端子に供給される基準電圧Vref3(+1.25V)と比較される。この比較器454の出力信号SG416は、CPU271に供給される。
【0105】
HDMIケーブル351に含まれるリザーブライン501およびHPDライン502は、差動ツイストペアを構成している。リザーブライン501のソース側端511はHDMI端子211の14ピンに接続され、当該リザーブライン501のシンク側端521はHDMI端子251の14ピンに接続される。また、HPDライン502のソース側端512はHDMI端子211の19ピンに接続され、当該HPDライン502のシンク側端522はHDMI端子251の19ピンに接続される。
【0106】
パーソナルコンピュータ210において、上述したプルアップ抵抗421とAC結合容量413の互いの接続点Q1はHDMI端子211の14ピンに接続され、また、上述したプルダウン抵抗431とAC結合容量414の互いの接続点Q2はHDMI端子211の19ピンに接続される。一方、テレビ受信機250において、上述したプルダウン抵抗451とAC結合容量443の互いの接続点Q3はHDMI端子251の14ピンに接続され、また、上述したチョークコイル461とAC結合容量444の互いの接続点Q4はHDMI端子251の19ピンに接続される。
【0107】
次に、上述したように構成された高速データラインインタフェース213,253によるLAN通信の動作を説明する。
【0108】
パーソナルコンピュータ210において、送信信号(送信データ)SG411はLAN信号送信回路411の入力側に供給され、このLAN信号送信回路411から送信信号SG411に対応した差動信号(正出力信号、負出力信号)が出力される。そして、LAN信号送信回路411から出力される差動信号は、接続点P1,P2に供給され、HDMIケーブル351の1対のライン(リザーブライン501、HPDライン502)を通じて、テレビ受信機250に送信される。
【0109】
また、テレビ受信機250において、送信信号(送信データ)SG417はLAN信号送信回路441の入力側に供給され、このLAN信号送信回路441から送信信号SG417に対応した差動信号(正出力信号、負出力信号)が出力される。そして、LAN信号送信回路441から出力される差動信号は、接続点P3,P4に供給され、HDMIケーブル351の1対のライン(リザーブライン501、HPDライン502)を通じて、パーソナルコンピュータ210に送信される。
【0110】
また、パーソナルコンピュータ210において、LAN信号受信回路415の入力側は接続点P1,P2に接続されていることから、当該LAN信号受信回路415の出力信号SG412として、LAN信号送信回路411から出力された差動信号(電流信号)に対応した送信信号と、上述したようにテレビ受信機250から送信されてくる差動信号に対応した受信信号との加算信号が得られる。減算回路416では、LAN信号受信回路415の出力信号SG412から送信信号SG411が減算される。そのため、この減算回路416の出力信号SG413は、テレビ受信機250の送信信号(送信データ)SG417に対応したものとなる。
【0111】
また、テレビ受信機250において、LAN信号受信回路445の入力側は接続点P3,P4に接続されていることから、当該LAN信号受信回路445の出力信号SG418として、LAN信号送信回路441から出力された差動信号(電流信号)に対応した送信信号と、上述したようにパーソナルコンピュータ210から送信されてくる差動信号に対応した受信信号との加算信号が得られる。減算回路446では、LAN信号受信回路445の出力信号SG418から送信信号SG417が減算される。そのため、この減算回路446の出力信号SG419は、パーソナルコンピュータ210の送信信号(送信データ)SG411に対応したものとなる。
【0112】
このように、パーソナルコンピュータ210の高速データラインインタフェース213と、テレビ受信機250の高速データラインインタフェース253との間では、双方向のLAN通信を行うことができる。
【0113】
なお、図10において、HPDライン502は、上述のLAN通信の他に、DCバイアスレベルで、HDMIケーブル351がテレビ受信機250に接続されたことをパーソナルコンピュータ210に伝達する。すなわち、テレビ受信機250内の抵抗462,463とチョークコイル461は、HDMIケーブル351がテレビ受信機250に接続されるとき、HPDライン502を、HDMI端子251の19ピンを介して、約4Vにバイアスする。パーソナルコンピュータ210は、HPDライン502のDCバイアスを、抵抗432と容量433からなるローパスフィルタで抽出し、比較器434で基準電圧Vref2(例えば、1.4V)と比較する。
【0114】
HDMI端子211の19ピンの電圧は、HDMIケーブル351がテレビ受信機250に接続されていなければ、プルダウン抵抗431が存在するために基準電圧Vref2より低く、逆に、HDMIケーブル351がテレビ受信機250に接続されていれば基準電圧Vref2より高い。したがって、比較器434の出力信号SG415は、HDMIケーブル351がテレビ受信機250に接続されているときは高レベルとなり、そうでないときは低レベルとなる。これにより、パーソナルコンピュータ210のCPU214は、比較器434の出力信号SG415に基づいて、HDMIケーブル351がテレビ受信機250に接続されたか否かを認識できる。
【0115】
また、図10において、リザーブライン501のDCバイアス電位で、HDMIケーブル351の両端に接続された機器が、LAN通信が可能な機器(以下、「e−HDMI対応機器」という)であるか、LAN通信が不可能な機器(以下、「e−HDMI非対応機器」かを、相互に認識する機能を有している。
【0116】
上述したように、パーソナルコンピュータ210はリザーブライン501を抵抗421でプルアップ(+5V)し、テレビ受信機250はリザーブライン501を抵抗451でプルダウンする。抵抗421,451は、e−HDMI非対応機器には存在しない。
【0117】
パーソナルコンピュータ210は、上述したように、比較器424で、抵抗422および容量423からなるローパスフィルタを通過したリザーブライン501のDC電位を基準電圧Vref1と比較する。テレビ受信機250が、e−HDMI対応機器でプルダウン抵抗451があるときには、リザーブライン501の電圧が2.5Vとなる。しかし、テレビ受信機250が、e−HDMI非対応機器でプルダウン抵抗451がないときには、リザーブライン501の電圧がプルアップ抵抗421の存在により5Vとなる。
【0118】
そのため、基準電圧Vref1が例えば3.75Vとされることで、比較器424の出力信号SG414は、テレビ受信機250がe−HDMI対応機器であるときは低レベルとなり、そうでないときは高レベルとなる。これにより、パーソナルコンピュータ210のCPU214は、比較器424の出力信号SG414に基づいて、テレビ受信機250がe−HDMI対応機器であるか否かを認識できる。
【0119】
同様に、テレビ受信機250は、上述したように、比較器454で、抵抗452および容量453からなるローパスフィルタを通過したリザーブライン501のDC電位を基準電圧Vref3と比較する。パーソナルコンピュータ210が、e−HDMI対応機器でプルアップ抵抗421があるときには、リザーブライン501の電圧が2.5Vとなる。しかし、パーソナルコンピュータ210が、e−HDMI非対応機器でプルアップ抵抗421がないときには、リザーブライン501の電圧がプルダウン抵抗451の存在により0Vとなる。
【0120】
そのため、基準電圧Vref3が例えば1.25Vとされることで、比較器454の出力信号SG416は、パーソナルコンピュータ210がe−HDMI対応機器であるときは高レベルとなり、そうでないときは低レベルとなる。これにより、テレビ受信機250のCPU271は、比較器454の出力信号SG416に基づいて、パーソナルコンピュータ210がe−HDMI対応機器であるか否かを認識できる。
【0121】
図10に示す構成例によれば、1本のHDMIケーブル351で映像と音声のデータ伝送と接続機器情報の交換および認証と機器制御データの通信とLAN通信を行うインタフェースにおいて、LAN通信が1対の差動伝送路を介した双方向通信で行われ、伝送路のうちの少なくとも片方のDCバイアス電位によってインタフェースの接続状態が通知されることから、物理的にSCLライン、SDAラインをLAN通信につかわない空間的分離を行うことが可能となる。その結果、その分割によりDDCに関して規定された電気的仕様と無関係にLAN通信のための回路を形成することができ、安定で確実なLAN通信が安価に実現できる。
【0122】
なお、図10は、図1、図2のAVシステム200における、パーソナルコンピュータ210の高速データラインインタフェース213と、テレビ受信機250の高速データラインインタフェース253の構成例を示している。詳細説明は省略するが、図1、図2のAVシステム200における、その他の高速データラインインタフェースも、同様に構成されている。
【0123】
次に、図1,図2に示すAVシステム200の動作を説明する。
【0124】
このAVシステム200においては、テレビ受信機250で受信されている所定番組をパーソナルコンピュータ210で録画し、必要に応じて再生することが行われる。
【0125】
この場合、テレビ受信機250は、デマルチプレクサ259で得られた所定番組のパーシャルTS(映像データのTSパケット、音声データのTSパケット)を、高速データラインを介して、パーソナルコンピュータ210に送信する。すなわち、テレビ受信機250は、パーシャルTSをDTCP回路267で暗号化した後、イーサネットインタフェース274を介して、高速データラインインタフェース253に供給する。高速データラインインタフェース253は、このパーシャルTSを、HDMI端子251からHDMIケーブル351に送出し、パーソナルコンピュータ210に送信する。
【0126】
パーソナルコンピュータ210の高速データラインインタフェース213は、テレビ受信機250からHDMIケーブル351を介して送信されてくる上述の所定番組のパーシャルTSを受信し、イーサネットインタフェース223を介してCPU214に供給する。そして、CPU214は、記録時には、このパーシャルTSを復号した後に、記憶部221で例えばHDDに記録する。
【0127】
この場合、パーソナルコンピュータ210のCPU214は、テレビ受信機250から受信されたパーシャルTS(ストリームデータ)に対して画像解析を行って、テロップ認識または顔認識を行う。そして、CPU214は、上述したようにパーシャルTSを記憶部221で記録する際に、認識結果をタグ付けする。
【0128】
また、パーソナルコンピュータ210のCPU214は、再生時には、記憶部221から所定番組のパーシャルTSを再生し、デコード処理を行って、ベースバンドの映像(画像)および音声のデータを得る。そして、CPU214は、この映像および音声のデータをHDMI送信部212に供給する。HDMI送信部212は、この映像および音声のデータを、HDMIのTMDSチャネルによりテレビ受信機250に送信する。
【0129】
テレビ受信機250のHDMI受信部252は、パーソナルコンピュータ210から送られてくる映像および音声のデータを受信する。この映像および音声のデータは、映像・グラフィック処理回路261および音声信号処理回路264に供給される。これにより、テレビ受信機250では、表示パネル263に再生画像が表示され、スピーカ266から再生音声が出力される。
【0130】
なお、パーソナルコンピュータ210側では、ユーザにより、スキップ指示(テロップまたは特定人物)がなされると、CPU214は、上述したように記録時にタグ付けされているテロップ認識または顔認識の認識結果に基づいて、テロップ毎のスキップ再生、または特定人物のみ映っている部分だけの再生を行う。これにより、テレビ受信機250ではテロップ毎の画像、音声の視聴が行われ、あるいは、特定人物のみが映っている部分だけの画像、音声の視聴が行われる。
【0131】
図11は、上述したようにテレビ受信機250で受信されている所定番組をパーソナルコンピュータ210で録画再生する場合の動作シーケンスの一例を示している。
【0132】
(a)ユーザが、テレビ受信機250で所定の番組(チャネル)を視聴している状態で、(b)テレビ受信機250は、パーソナルコンピュータ210に、高速データライン(Ether)を用いて、デマルチプレクサ259で得られる所定番組のパーシャルTSを送信する。(c)パーソナルコンピュータ210は、受信したパーシャルTSを記憶部221で記録する。この場合、パーソナルコンピュータ210は、パーシャルTSに対して画像解析を行って、テロップ認識または顔認識を行い、その認識結果を、記憶部221に記録するパーシャルTSにタグ付けしておく。すなわち、CPU214は、認識結果を、ストリームデータのヘッダに、認識結果タグとして付加する。
【0133】
(d)その後、ユーザがパーソナルコンピュータ210に再生指示を行うと、(e)パーソナルコンピュータ210は、記憶部221から所定番組のパーシャルTSを再生し、デコード処理を行って、映像(画像)および音声のベースバンドデータを、TMDSチャネルでテレビ受信機250に送信する。(f)これにより、テレビ受信機250は、再生番組の視聴状態となる。(g)この状態で、ユーザがパーソナルコンピュータ210にスキップ指示(テロップまたは特定人物)を行うと、パーソナルコンピュータ210は、上述したように記録されているパーシャルTSにタグ付けされているテロップ認識または顔認識の認識結果に基づいて、スキップ再生を行う。
【0134】
また、図1、図2に示すAVシステム200においては、待機状態のテレビ受信機250の放送受信部(チューナ)で受信されている所定番組に特定の対象(人物、物)または特定のシーンが検出されるとき、当該テレビ受信機250の電源をオンとすることが行われる。
【0135】
この場合、テレビ受信機250は、待機状態において、デマルチプレクサ259で得られた所定番組のパーシャルTS(映像データのTSパケット、音声データのTSパケット)を、高速データラインを用いて、パーソナルコンピュータ210に送信する。すなわち、テレビ受信機250は、DTCP回路267で暗号化した後、イーサネットインタフェース274を介して、高速データラインインタフェース253に供給する。高速データラインインタフェース253は、このパーシャルTSを、HDMI端子251からHDMIケーブル351に送出し、パーソナルコンピュータ210に送信する。
【0136】
パーソナルコンピュータ210の高速データラインインタフェース213は、テレビ受信機250からHDMIケーブル351を介して送信されてくる上述の所定番組のパーシャルTSを受信し、イーサネットインタフェース223を介してCPU214に供給する。CPU214は、このパーシャルTSに対して画像解析を行って、特定の対象または特定のシーンの検出を行う。
【0137】
パーソナルコンピュータ210のCPU214は、特定の対象または特定のシーンが検出されるとき、WakeOnLANパケットを生成し、このパケットを、高速データラインを用いて、テレビ受信機250に送信する。すなわち、CPU214は、WakeOnLANパケットをイーサネットインタフェース223を介して高速データラインインタフェース213に供給する。高速データラインインタフェース213は、このWakeOnLANパケットを、HDMI端子211からHDMIケーブル351に送出し、テレビ受信機250に送信する。
【0138】
テレビ受信機250の高速データラインインタフェース253は、パーソナルコンピュータ210からHDMIケーブル351を介して送信されてくる上述のWakeOnLANパケットを受信し、イーサネットインタフェース274を介してCPU271に供給する。CPU271は、このWakeOnLANパケットに基づいて、テレビ受信機250の電源をオンとする。
【0139】
図12は、上述したように待機状態のテレビ受信機250で受信されている所定番組から特定対象(人物、物)または特定シーンが検出されるとき当該テレビ受信機250の電源をオンとする場合の動作シーケンスの一例を示している。
【0140】
(a)待機状態において、(b)テレビ受信機250は、パーソナルコンピュータ210に、高速データライン(Ether)を用いて、デマルチプレクサ259で得られる所定番組のパーシャルTSを送信する。(c)パーソナルコンピュータ210は、受信したパーシャルTSに対して画像解析を行って、特定の対象または特定のシーンを検出する。
【0141】
(d)パーソナルコンピュータ210は、特定の対象または特定のシーンを検出したとき、テレビ受信機250に、高速データラインを用いて、WakeOnLANパケットを送信する。(e)これに対して、テレビ受信機250は、電源をオンとする。これにより、特定の対象または特定のシーンが含まれる番組の視聴が可能な状態となる。
【0142】
また、図1、図2に示すAVシステム200においては、テレビ受信機250の放送受信部(チューナ)で受信されている番組がコマーシャル期間となるとき、テレビ受信機250におけるコマーシャル表示を抑制することが行われる。
【0143】
この場合、テレビ受信機250は、ユーザが、テレビ受信機250で所定の番組(チャネル)を視聴している状態で、デマルチプレクサ259で得られた所定番組のパーシャルTS(映像データのTSパケット、音声データのTSパケット)を、高速データラインを用いて、パーソナルコンピュータ210に送信する。すなわち、テレビ受信機250は、パーシャルTSを、DTCP回路267で暗号化した後、イーサネットインタフェース274を介して、高速データラインインタフェース253に供給する。高速データラインインタフェース253は、このパーシャルTSを、HDMI端子251からHDMIケーブル351に送出し、パーソナルコンピュータ210に送信する。
【0144】
パーソナルコンピュータ210の高速データラインインタフェース213は、テレビ受信機250からHDMIケーブル351を介して送信されてくる上述の所定番組のパーシャルTSを受信し、イーサネットインタフェース223を介してCPU214に供給する。CPU214は、このパーシャルTSに対して画像解析を行って、コマーシャル開始の検出を行う。
【0145】
パーソナルコンピュータ210のCPU214は、コマーシャル開始が検出されるとき、コマーシャル表示を抑制する、チャネル変更等の操作パケットを生成し、この操作パケットを、高速データラインを用いて、テレビ受信機250に送信する。すなわち、CPU214は、チャネル変更等の操作パケットを、イーサネットインタフェース223を介して高速データラインインタフェース213に供給する。高速データラインインタフェース213は、この操作パケットを、HDMI端子211からHDMIケーブル351に送出し、テレビ受信機250に送信する。
【0146】
テレビ受信機250の高速データラインインタフェース253は、パーソナルコンピュータ210からHDMIケーブル351を介して送信されてくる上述の操作パケットを受信し、イーサネットインタフェース274を介してCPU271に供給する。CPU271は、この操作パケットに基づいて、テレビ受信機250におけるコマーシャル表示を抑制する。
【0147】
例えば、操作パケットは、テレビ受信機250の放送受信部(チューナ)における受信チャネルを他のチャネルに変更操作するためのパケットである。この場合、テレビ受信機250のCPU271は、操作パケットに基づいて放送受信部(チューナ)における受信チャネルを他のチャネルに変更する。
【0148】
また、例えば、操作パケットは、テレビ受信機250においてチャネルインデックス画面が表示されるように操作するためのパケットである。この場合、テレビ受信機250のCPU271は、放送受信部(デジタルチューナ258、デマルチプレクサ259)および映像・グラフィック処理回路261を制御して、各チャネルの画像を一覧表示するチャネルインデックス画面用の映像信号を生成し、表示パネル263にチャネルインデックス画面を表示する。
【0149】
また、例えば、操作パケットは、テレビ受信機250の放送受信部(チューナ)における受信チャネルを順次変える、ザッピング操作をするためのパケットである。この場合、テレビ受信機250のCPU271は、操作パケットに基づいて放送受信部(チューナ)における受信チャネルを順次変化させる。
【0150】
このように、テレビ受信機250におけるコマーシャル表示が抑制されている状態にあっても、テレビ受信機250は、パーソナルコンピュータ210に、間欠的に、高速データラインを用いて、もとの受信チャネルのパーシャルTSを送信する。パーソナルコンピュータ210のCPU214は、このパーシャルTSに対して画像解析を行って、コマーシャル終了の検出を行う。
【0151】
パーソナルコンピュータ210のCPU214は、コマーシャル終了が検出されるとき、テレビ受信機250の受信チャネルをもとのチャネルに復帰させるためのチャネル復帰操作パケットを生成し、この操作パケットを、高速データラインを用いて、テレビ受信機250に送信する。すなわち、CPU214は、チャネル復帰操作パケットを、イーサネットインタフェース223を介して高速データラインインタフェース213に供給する。高速データラインインタフェース213は、この操作パケットを、HDMI端子211からHDMIケーブル351に送出し、テレビ受信機250に送信する。
【0152】
テレビ受信機250の高速データラインインタフェース253は、パーソナルコンピュータ210からHDMIケーブル351を介して送信されてくる上述のチャネル復帰操作パケットを受信し、イーサネットインタフェース274を介してCPU271に供給する。CPU271は、この操作パケットに基づいて、テレビ受信機250の放送受信部における受信チャネルをもとのチャネルに戻す。これにより、テレビ受信機250はもとのチャネル(番組)を視聴できる状態となる。
【0153】
このように、コマーシャルの開始時から終了時までの間、テレビ受信機250においては、他のチャネル(番組)の視聴が可能となり、または、チャネルインデックス画面が表示され、あるいはチャネルザッピング状態となるので、ユーザ(視聴者)に飽きを感じさせないようになる。
【0154】
図13は、上述したようにテレビ受信機250で視聴されている所定番組がコマーシャル期間となるとき、当該コマーシャルとは別の画面をユーザに提供する場合の動作シーケンスの一例を示している。
【0155】
(a)ユーザが、テレビ受信機250で所定の番組(チャネル)を視聴している状態で、(b)テレビ受信機250は、パーソナルコンピュータ210に、高速データライン(Ether)を用いて、デマルチプレクサ259で得られる所定番組のパーシャルTSを送信する。(c)パーソナルコンピュータ210は、受信したパーシャルTSに対して画像解析を行って、コマーシャル開始の検出を行う。
【0156】
(d)パーソナルコンピュータ210は、コマーシャル開始を検出したとき、高速データラインを用いて、テレビ受信機250に、チャネル変更等の操作パケットを送信する。(e)これに対して、テレビ受信機250は、受信チャネルの変更等を行って、コマーシャルとは別の画面をユーザに提供し、コマーシャル表示を抑制する。
【0157】
(f)その後、パーソナルコンピュータ210は、テレビ受信機250から間欠的に送信されてくる元の受信チャネルのパーシャルTSに対して画像解析を行って、コマーシャル終了の検出を行う。(g)パーソナルコンピュータ210は、コマーシャル終了を検出したとき、高速データラインを用いて、テレビ受信機250に、チャネル復帰操作パケットを送信する。(h)これに対して、テレビ受信機250は、受信チャネルを元に戻し、元のチャネルの視聴を可能とする。
【0158】
また、図1、図2に示すAVシステム200においては、ユーザ(視聴者)の視聴情報に基づいてお任せ番組表を生成し、テレビ受信機250では当該番組表に基づいて自動的に受信していくことが行われる。
【0159】
この場合、テレビ受信機250のCPU271は、ユーザが番組を視聴する毎に、番組視聴情報(視聴時間、受信チャネル、番組名等の情報)を、高速データラインを介して、パーソナルコンピュータ210に送信する。すなわち、CPU271は、番組視聴情報をイーサネットインタフェース274を介して、高速データラインインタフェース253に供給する。高速データラインインタフェース253は、この番組視聴情報を、HDMI端子251からHDMIケーブル351に送出し、パーソナルコンピュータ210に送信する。
【0160】
パーソナルコンピュータ210の高速データラインインタフェース213は、テレビ受信機250からHDMIケーブル351を介して送信されてくる上述の番組視聴情報を受信し、イーサネットインタフェース223を介してCPU214に供給する。そして、CPU214は、この番組視聴情報を、例えば、記憶部221を構成するHDDに蓄積する。そして、CPU214は、蓄積された番組視聴情報により、番組視聴データベースを生成する。
【0161】
ユーザが、例えば、テレビ受信機250のリモコン送信機277を用いて「お任せ垂れ流し放送」のモードを選択した場合、テレビ受信機250は、高速データラインを用いて、モード選択通知パケットを、パーソナルコンピュータ210に送信する。
【0162】
すなわち、CPU271は、モード選択通知パケットを生成し、このモード選択通知パケットをイーサネットインタフェース274を介して、高速データラインインタフェース253に供給する。高速データラインインタフェース253は、このモード選択通知パケットを、HDMI端子251からHDMIケーブル351に送出し、パーソナルコンピュータ210に送信する。
【0163】
パーソナルコンピュータ210の高速データラインインタフェース213は、テレビ受信機250からHDMIケーブル351を介して送信されてくる上述のモード選択通知パケットを受信し、イーサネットインタフェース223を介してCPU214に供給する。そして、CPU214は、このモード選択通知パケットに基づいて、上述したように生成された番組視聴データベースを参照して、お任せ番組表を生成する。このお任せ番組表は、例えば、ユーザが、好みそうな番組をリストアップした番組視聴スケジューリングである。
【0164】
その後、パーソナルコンピュータ210のCPU214は、高速データラインを介して、お任せ番組表のスケジュールに基づき、チャネル変更通知パケットを、テレビ受信機250に送信する。すなわち、CPU214は、チャネル変更通知パケットを、イーサネットインタフェース223を介して高速データラインインタフェース213に供給する。高速データラインインタフェース213は、このチャネル変更通知パケットを、HDMI端子211からHDMIケーブル351に送出し、テレビ受信機250に送信する。
【0165】
テレビ受信機250の高速データラインインタフェース253は、パーソナルコンピュータ210からHDMIケーブル351を介して送信されてくる上述のチャネル変更通知パケットを受信し、イーサネットインタフェース274を介してCPU271に供給する。CPU271は、このチャネル変更通知パケットに基づいて、放送受信部における受信チャネルを変更する。
【0166】
これにより、テレビ受信機250においては、ユーザの好みの番組が順次自動的に受信される。この場合、ユーザは、番組表から好みの番組を探したりせずとも、好みの番組を続けて視聴できるようになる。
【0167】
図14は、上述したようにテレビ受信機250でお任せ番組表に基づいて自動的に受信していく場合の動作シーケンスの一例を示している。
【0168】
(a)ユーザが、テレビ受信機250で番組視聴を行う毎に、(b)テレビ受信機250は、高速データライン(Ether)を用いて、番組視聴情報を、パーソナルコンピュータ210に送信する。(c)パーソナルコンピュータ210は、受信した番組視聴情報を、例えば記憶部221のHDDに蓄積する。(d)そして、パーソナルコンピュータ210は、蓄積された番組視聴情報に基づいて、番組視聴データベースを生成する。
【0169】
(e)その後、ユーザのリモコン送信機277の操作によって、「お任せ垂れ流し放送」モードが選択されるとき、(f)テレビ受信機250は、高速データラインを用いて、モード選択通知パケットを、パーソナルコンピュータ210に送信する。(g)これに対して、パーソナルコンピュータ210は、番組視聴データベースを参照して、お任せ番組表を作成する。
【0170】
(h)そして、パーソナルコンピュータ210は、高速データラインを介して、お任せ番組表のスケジュールに基づき、チャネル変更通知パケットを、テレビ受信機250に、順次送信する。(i)これに対して、テレビ受信機250は、受信チャネルを順次変更する。これにより、ユーザの好みの番組が順次自動的に受信されていく。
【0171】
また、図1、図2に示すAVシステム200では、テレビ受信機250において、現在放送中の番組からユーザ嗜好に最も近い番組を自動的に受信することが行われる。
【0172】
この場合、テレビ受信機250のCPU271は、ユーザが番組を視聴する毎に、番組視聴情報(視聴時間、受信チャネル、番組名等の情報)を、高速データラインを介して、パーソナルコンピュータ210に送信する。すなわち、CPU271は、番組視聴情報をイーサネットインタフェース274を介して、高速データラインインタフェース253に供給する。高速データラインインタフェース253は、この番組視聴情報を、HDMI端子251からHDMIケーブル351に送出し、パーソナルコンピュータ210に送信する。
【0173】
パーソナルコンピュータ210の高速データラインインタフェース213は、テレビ受信機250からHDMIケーブル351を介して送信されてくる上述の番組視聴情報を受信し、イーサネットインタフェース223を介してCPU214に供給する。そして、CPU214は、この番組視聴情報を、例えば、記憶部221を構成するHDDに蓄積する。そして、CPU214は、蓄積された番組視聴情報により、番組視聴データベースを生成する。
【0174】
ユーザが、例えば、テレビ受信機250のリモコン送信機277を用いて「お任せチャネルソート」のモードを選択した場合、テレビ受信機250は、高速データラインを用いて、モード選択通知パケットを、パーソナルコンピュータ210に送信する。
【0175】
すなわち、CPU271は、モード選択通知パケットを生成し、このモード選択通知パケットをイーサネットインタフェース274を介して、高速データラインインタフェース253に供給する。高速データラインインタフェース253は、このモード選択通知パケットを、HDMI端子251からHDMIケーブル351に送出し、パーソナルコンピュータ210に送信する。
【0176】
パーソナルコンピュータ210の高速データラインインタフェース213は、テレビ受信機250からHDMIケーブル351を介して送信されてくる上述のモード選択通知パケットを受信し、イーサネットインタフェース223を介してCPU214に供給する。そして、CPU214は、このモード選択通知パケットに基づいて、上述したように生成された番組視聴データベースを参照して、現在放送中の番組からユーザ嗜好に最も近い番組を選択する。
【0177】
そして、パーソナルコンピュータ210のCPU214は、選択した番組のチャネルに変更するチャネル変更通知パケットを、高速データラインを用いて、テレビ受信機250に送信する。すなわち、CPU214は、チャネル変更通知パケットを、イーサネットインタフェース223を介して高速データラインインタフェース213に供給する。高速データラインインタフェース213は、このチャネル変更通知パケットを、HDMI端子211からHDMIケーブル351に送出し、テレビ受信機250に送信する。
【0178】
テレビ受信機250の高速データラインインタフェース253は、パーソナルコンピュータ210からHDMIケーブル351を介して送信されてくる上述のチャネル変更通知パケットを受信し、イーサネットインタフェース274を介してCPU271に供給する。CPU271は、このチャネル変更通知パケットに基づいて、放送受信部における受信チャネルを変更する。これにより、テレビ受信機250においては、現在放送中の番組から、ユーザ嗜好に最も近い番組が自動的に受信される。
【0179】
以下、ユーザが「お任せチャネルソート」モードを選択する毎に、上述したと同様の動作が繰り返される。
【0180】
図15は、上述したようにテレビ受信機250において、現在放送中の番組からユーザ嗜好に最も近い番組を自動的に受信する場合の動作シーケンスの一例を示している。
【0181】
(a)ユーザが、テレビ受信機250で番組視聴を行う毎に、(b)テレビ受信機250は、高速データライン(Ether)を用いて、番組視聴情報を、パーソナルコンピュータ210に送信する。(c)パーソナルコンピュータ210は、受信した番組視聴情報を、例えば記憶部221のHDDに蓄積する。(d)そして、パーソナルコンピュータ210は、蓄積された番組視聴情報に基づいて、番組視聴データベースを生成する。
【0182】
(e)その後、ユーザのリモコン送信機277の操作によって、「お任せチャネルソート」モードが選択されるとき、(f)テレビ受信機250は、高速データラインを用いて、モード選択通知パケットを、パーソナルコンピュータ210に送信する。(g)これに対して、パーソナルコンピュータ210は、番組視聴データベースを参照して、現在放送中の番組から、ユーザ嗜好に最も近い番組を選択する。
【0183】
(h)そして、パーソナルコンピュータ210は、高速データラインを介して、選択した番組のチャネルに変更するチャネル変更通知パケットを、テレビ受信機250に送信する。(i)これに対して、テレビ受信機250は、受信チャネルを変更する。これにより、テレビ受信機250では、ユーザが番組表から好みの番組を探したりとせずとも、現在放送中の番組からユーザ嗜好に最も近い番組が自動的に受信される。
【0184】
また、図1、図2に示すAVシステム200においては、パーソナルコンピュータ210からの操作で、テレビ受信機250にホーム(Home)メニュー画面の表示、およびメニュー画面の操作が可能とされる。
【0185】
この場合、パーソナルコンピュータ210において、例えば、入力部219に備えられる「TV Homeメニュー」釦が、ユーザにより操作される。このユーザ操作に対応した、パーソナルコンピュータ210のCPU214は、TV Homeメニュー表示指示通知パケットを生成し、このパケットを、高速データラインを介して、テレビ受信機250に送信する。すなわち、CPU214は、TV Homeメニュー表示指示通知パケットを、イーサネットインタフェース223を介して高速データラインインタフェース213に供給する。高速データラインインタフェース213は、この通知パケットを、HDMI端子211からHDMIケーブル351に送出し、テレビ受信機250に送信する。
【0186】
テレビ受信機250の高速データラインインタフェース253は、パーソナルコンピュータ210からHDMIケーブル351を介して送信されてくる上述のTV Homeメニュー表示指示通知パケットを受信し、イーサネットインタフェース274を介してCPU271に供給する。CPU271は、この通知パケットに基づいて、映像・グラフィック処理回路261等を制御して、ホーム(Home)メニュー画面を表示する。
【0187】
この状態で、パーソナルコンピュータ210で、マウス等によるメニュー操作があると、パーソナルコンピュータ210のCPU214は、高速データラインを介して、Homeメニュー操作パケットを、テレビ受信機250に送信する。すなわち、CPU214は、Homeメニュー操作パケットを、イーサネットインタフェース223を介して高速データラインインタフェース213に供給する。高速データラインインタフェース213は、この操作パケットを、HDMI端子211からHDMIケーブル351に送出し、テレビ受信機250に送信する。
【0188】
テレビ受信機250の高速データラインインタフェース253は、パーソナルコンピュータ210からHDMIケーブル351を介して送信されてくる上述のHomeメニュー操作パケットを受信し、イーサネットインタフェース274を介してCPU271に供給する。CPU271は、この操作パケットに基づいて、映像・グラフィック処理回路261等を制御して、ホーム(Home)メニューの画面を変化させる。
【0189】
図16は、上述したようにパーソナルコンピュータ210からの操作で、テレビ受信機250にホーム(Home)メニュー画面の表示、およびメニュー画面の操作を行う場合の動作シーケンスの一例を示している。
【0190】
(a)ユーザが、パーソナルコンピュータ210の「TV Homeメニュー」釦を押すと、(b)パーソナルコンピュータ210は、高速データラインを用いて、TV Homeメニュー表示指示通知パケットを、テレビ受信機250に送信する。(c)これに対して、テレビ受信機250はホーム(Home)メニュー画面を表示する。(d)この状態で、ユーザが、パーソナルコンピュータ210側でマウス等によるメニュー操作を行うと、(e)パーソナルコンピュータ210は、高速データラインを用いて、Homeメニュー操作パケットを、テレビ受信機250に送信する。(f)これに対して、テレビ受信機250はホーム(Home)メニュー画面を変化させる。
【0191】
また、図1、図2に示すAVシステム200においては、図4には示していないが、テレビ受信機250が録画機能付き、あるいは録画機器が外部接続されている場合において、パーソナルコンピュータ210からの録画の操作が可能とされる。
【0192】
この場合、テレビ受信機250に、パーソナルコンピュータ210の出力画面が表示され、かつこの出力画面にテレビ制御用のGUI(グラフィックユーザインタフェース)が出されているものとする。この状態で、ユーザのGUI操作により録画開始が指示される。
【0193】
このユーザ操作に対応して、パーソナルコンピュータ210のCPU214は、録画開始指示通知パケットを生成し、このパケットを、高速データラインを用いて、テレビ受信機250に送信する。すなわち、CPU214は、録画開始指示通知パケットを、イーサネットインタフェース223を介して高速データラインインタフェース213に供給する。高速データラインインタフェース213は、この通知パケットを、HDMI端子211からHDMIケーブル351に送出し、テレビ受信機250に送信する。
【0194】
テレビ受信機250の高速データラインインタフェース253は、パーソナルコンピュータ210からHDMIケーブル351を介して送信されてくる上述の録画開始指示通知パケットを受信し、イーサネットインタフェース274を介してCPU271に供給する。CPU271は、この通知パケットに基づいて、録画機能、または外付けの録画機器を制御し、録画を開始する。
【0195】
図17は、上述したようにパーソナルコンピュータ210からの操作で、テレビ受信機250の録画機能または外付けの録画機器の録画を開始させる場合の動作シーケンスの一例を示している。
【0196】
(a)ユーザが、GUI操作により録画開始の実行を操作すると、(b)パーソナルコンピュータ210は、高速データラインを用いて、録画開始指示通知パケットを、テレビ受信機250に送信する。(c)これに対して、テレビ受信機250は、録画機能、または外付けの録画機器を制御し、録画を開始する。
【0197】
また、図1,図2に示すAVシステム200は、パーソナルコンピュータ210の電源投入に連動してテレビ受信機250の電源をオンとすることが行われる。
【0198】
この場合、ユーザのパーソナルコンピュータ210の電源投入操作に対応して、パーソナルコンピュータ210のCPU214は、WakeOnLANパケットを生成し、このパケットを、高速データラインを用いて、テレビ受信機250に送信する。すなわち、CPU214は、WakeOnLANパケットを、イーサネットインタフェース223を介して高速データラインインタフェース213に供給する。高速データラインインタフェース213は、この通知パケットを、HDMI端子211からHDMIケーブル351に送出し、テレビ受信機250に送信する。
【0199】
テレビ受信機250の高速データラインインタフェース253は、パーソナルコンピュータ210からHDMIケーブル351を介して送信されてくる上述のWakeOnLANパケットを受信し、イーサネットインタフェース274を介してCPU271に供給する。CPU271は、この通知パケットに基づいて、テレビ受信機250の電源をオンとし、また、パーソナルコンピュータ210の画面が表示されるように入力切り替えを行う。
【0200】
図18は、上述したようにパーソナルコンピュータ210の電源投入に連動してテレビ受信機250の電源をオンとする場合の動作シーケンスの一例を示している。
【0201】
(a)ユーザがパーソナルコンピュータ210の電源投入操作をすると、(b)パーソナルコンピュータ210は、高速データラインを用いて、WakeOnLANパケットを、テレビ受信機250に送信する。(c)これに対して、テレビ受信機250は、電源をオンとし、また、PC入力に入力切り替えを行う。
【0202】
また、図1、図2に示すAVシステム200は、テレビ受信機250がインターネットに接続されている環境で、デジタルカメラ310が保持している写真(静止画)を、インターネット上のサーバにアップロードすることが行われる。
【0203】
この場合、図19に示すように、(a)ユーザが、デジタルカメラ310において、写真(静止画)のサーバアップデート操作を行うと、(b)デジタルカメラ310は、高速データラインを用いて、写真(静止画)を、テレビ受信機250に送信する。(c)これに対応して、テレビ受信機250は、デジタルカメラ310から送られてきた、写真(静止画)を、インターネット上のサーバにアップロードする。
【0204】
また、図1、図2に示すAVシステム200は、デジタルカメラ310がテレビ受信機250に静止画または動画のストリーミングを要求して記録することが可能とされている。この場合の静止画または動画は、テレビ受信機250が例えばフラッシュROM272に保持している写真(静止画)、テレビ画面キャプチャ、さらには番組のストリームデータである。
【0205】
この場合、図20に示すように、(a)例えば、ユーザがテレビ受信機250で、所定の番組を視聴している状態で、(b)ユーザが、デジタルカメラ310のシャッター操作を行うと、(c)デジタルカメラ310は、高速データラインを用いて、静止画または動画のストリーミング要求パケットを、テレビ受信機250に送信する。なお、テレビ受信機250に要求する画像データの種類(静止画、動画など)は、予め設定されている。
【0206】
(d)テレビ受信機250は、要求パケットの受信に対応して、高速データラインを用いて、静止画または動画のストリーミングを、デジタルカメラ310に送信する。(e)そして、デジタルカメラ310は、テレビ受信機250から送られてくる静止画または動画のストリーミングを、メモリカード、フラッシュROM等の記録メディアに記録する。
【0207】
上述したように、図1、図2に示すAVシステム200においては、パーソナルコンピュータ210は、テレビ受信機250から、高速データラインを用いて、ストリームデータを受信して画像解析を行い、その解析結果を用いて当該ストリームデータに関係する動作を制御している。例えば、パーソナルコンピュータ210は、ストリームデータを解析して、テロップ認識または顔認識を行って、その認識結果を、ストリームデータを記録する際にタグ付けする。また、例えば、パーソナルコンピュータ210は、ストリームデータを解析して、コマーシャルの開始および終了を検出し、テレビ受信機250におけるコマーシャルの表示を抑制する。また、例えば、パーソナルコンピュータ210は、ストリームデータを解析して、特定の対象(人物、物)または特定のシーンを検出し、テレビ受信機250における電源オンを抑制する。そのため、AVシステム200においては、パーソナルコンピュータ210の画像解析能力を有効に活用できる。
【0208】
なお、図1、図2に示すAVシステム200においては、双方向通信を行う通信部がHDMIケーブル351のリザーブライン(Ether−ライン)およびHPDライン(Ether+ライン)を用いて構成されるものを示したが、双方向通信を行う通信部の構成は、これに限定されるものではない。以下に、その他の構成例を説明する。以下の例では、パーソナルコンピュータ210をソース機器とし、テレビ受信機250をシンク機器として説明する。
【0209】
図21は、CECライン84、およびリザーブライン88を用いて、半二重通信方式によるIP通信を行う例である。なお、図21において図6と対応する部分については、同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0210】
ソース機器の高速データラインインタフェース213は、変換部131、復号部132、スイッチ133、切り換え制御部121、およびタイミング制御部122を有している。変換部131には、ソース機器とシンク機器との間での双方向のIP通信により、ソース機器からシンク機器に送信されるデータである、Txデータが供給される。
【0211】
変換部131は、例えば、差動アンプリファイアにより構成され、供給されたTxデータを2つの部分信号からなる差動信号に変換する。また、変換部131は、変換により得られた差動信号をCECライン84、およびリザーブライン88を介してシンク機器に送信する。すなわち、変換部131は、変換により得られた差動信号を構成する一方の部分信号をCECライン84、より詳細にはソース機器に設けられた信号線であって、HDMIケーブル351のCECライン84に接続される信号線を介してスイッチ133に供給し、差動信号を構成する他方の部分信号をリザーブライン88、より詳細には、ソース機器に設けられた信号線であって、HDMIケーブル351のリザーブライン88に接続される信号線、およびリザーブライン88を介してシンク機器に供給する。
【0212】
復号部132は、例えば、差動アンプリファイアにより構成され、その入力端子が、CECライン84およびリザーブライン88に接続されている。復号部132は、タイミング制御部122の制御に基づいて、CECライン84およびリザーブライン88を介してシンク機器から送信されてきた差動信号、つまりCECライン84上の部分信号およびリザーブライン88上の部分信号からなる差動信号を受信し、元のデータであるRxデータに復号して出力する。ここで、Rxデータとは、ソース機器とシンク機器との間での双方向のIP通信により、シンク機器からソース機器に送信されるデータである。
【0213】
スイッチ133には、データを送信するタイミングにおいて、ソース機器の制御部(CPU)からのCEC信号、または変換部131からのTxデータに対応する差動信号を構成する部分信号が供給され、データを受信するタイミングにおいて、シンク機器からのCEC信号、またはシンク機器からのRxデータに対応する差動信号を構成する部分信号が供給される。スイッチ133は、切り換え制御部121からの制御に基づいて、制御部(CPU)からのCEC信号、もしくはシンク機器からのCEC信号、またはTxデータに対応する差動信号を構成する部分信号、もしくはRxデータに対応する差動信号を構成する部分信号を選択して出力する。
【0214】
すなわち、スイッチ133は、ソース機器がシンク機器にデータを送信するタイミングにおいて、制御部(CPU)から供給されたCEC信号、または変換部131から供給された部分信号のうちのいずれかを選択し、選択したCEC信号または部分信号を、CECライン84を介してシンク機器に送信する。
【0215】
また、スイッチ133は、ソース機器がシンク機器から送信されてきたデータを受信するタイミングにおいて、CECライン84を介してシンク機器から送信されてきたCEC信号、またはRxデータに対応する差動信号の部分信号を受信し、受信したCEC信号または部分信号を、制御部(CPU)または復号部132に供給する。
【0216】
切り換え制御部121はスイッチ133を制御して、スイッチ133に供給される信号のうちのいずれかが選択されるようにスイッチ133を切り換える。タイミング制御部122は、復号部132による差動信号の受信のタイミングを制御する。
【0217】
また、シンク機器の高速データラインインタフェース253は、変換部134、復号部136、スイッチ135、切り換え制御部124、およびタイミング制御部123を有している。変換部134は、例えば、差動アンプリファイアにより構成され、変換部134にはRxデータが供給される。変換部134は、タイミング制御部123の制御に基づいて、供給されたRxデータを2つの部分信号からなる差動信号に変換し、変換により得られた差動信号をCECライン84およびリザーブライン88を介してソース機器に送信する。
【0218】
すなわち、変換部134は、変換により得られた差動信号を構成する一方の部分信号をCECライン84、より詳細にはシンク機器に設けられた信号線であって、HDMIケーブル351のCECライン84に接続される信号線を介してスイッチ135に供給し、差動信号を構成する他方の部分信号をリザーブライン88、より詳細には、シンク機器に設けられた信号線であって、HDMIケーブル351のリザーブライン88に接続される信号線、およびリザーブライン88を介してソース機器に供給する。
【0219】
スイッチ135には、データを受信するタイミングにおいて、ソース機器からのCEC信号、またはソース機器からのTxデータに対応する差動信号を構成する部分信号が供給され、データを送信するタイミングにおいて、変換部134からのRxデータに対応する差動信号を構成する部分信号、またはシンク機器の制御部(CPU)からのCEC信号が供給される。スイッチ135は、切り換え制御部124からの制御に基づいて、ソース機器からのCEC信号、もしくは制御部(CPU)からのCEC信号、またはTxデータに対応する差動信号を構成する部分信号、若しくはRxデータに対応する差動信号を構成する部分信号を選択して出力する。
【0220】
すなわち、スイッチ135は、シンク機器がソース機器にデータを送信するタイミングにおいて、シンク機器の制御部(CPU)から供給されたCEC信号、または変換部134から供給された部分信号のうちのいずれかを選択し、選択したCEC信号または部分信号を、CECライン84を介してソース機器に送信する。
【0221】
また、スイッチ135は、シンク機器がソース機器から送信されてきたデータを受信するタイミングにおいて、CECライン84を介してソース機器から送信されてきたCEC信号、またはTxデータに対応する差動信号の部分信号を受信し、受信したCEC信号または部分信号を、制御部(CPU)または復号部136に供給する。
【0222】
復号部136は、例えば、差動アンプリファイアにより構成され、その入力端子が、CECライン84およびリザーブライン88に接続されている。復号部136は、CECライン84およびリザーブライン88を介してソース機器から送信されてきた差動信号、つまりCECライン84上の部分信号およびリザーブライン88上の部分信号からなる差動信号を受信し、元のデータであるTxデータに復号して出力する。
【0223】
切り換え制御部124はスイッチ135を制御して、スイッチ135に供給される信号のうちのいずれかが選択されるようにスイッチ135を切り換える。タイミング制御部123は、変換部134による差動信号の送信のタイミングを制御する。
【0224】
図22は、CECライン84およびリザーブライン88と、SDA信号が伝送される信号線(SDAライン)およびSCL信号が伝送される信号線(SCLライン)とを用いて、全二重通信方式によるIP通信を行う例である。なお、図22において図21と対応する部分については、同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0225】
ソース機器の高速データラインインタフェース213は、変換部131、スイッチ133、スイッチ181、スイッチ182、復号部183、切り換え制御部121および切り換え制御部171を有している。
【0226】
スイッチ181には、データを送信するタイミングにおいて、ソース機器の制御部(CPU)からのSDA信号が供給され、データを受信するタイミングにおいて、シンク機器からのSDA信号、またはシンク機器からのRxデータに対応する差動信号を構成する部分信号が供給される。スイッチ181は、切り換え制御部171からの制御に基づいて、制御部(CPU)からのSDA信号、もしくはシンク機器からのSDA信号、またはRxデータに対応する差動信号を構成する部分信号を選択して出力する。
【0227】
すなわち、スイッチ181は、ソース機器がシンク機器から送信されてくるデータを受信するタイミングにおいて、SDA信号が伝送される信号線であるSDAライン191を介してシンク機器から送信されてきたSDA信号、またはRxデータに対応する差動信号の部分信号を受信し、受信したSDA信号または部分信号を、制御部(CPU)または復号部183に供給する。
【0228】
また、スイッチ181は、ソース機器がシンク機器にデータを送信するタイミングにおいて、制御部(CPU)から供給されたSDA信号を、SDAライン191を介してシンク機器に送信するか、またはシンク機器に何も送信しない。
【0229】
スイッチ182には、データを送信するタイミングにおいて、ソース機器の制御部(CPU)からのSCL信号が供給され、データを受信するタイミングにおいて、シンク機器からのRxデータに対応する差動信号を構成する部分信号が供給される。スイッチ182は、切り換え制御部171からの制御に基づいて、SCL信号またはRxデータに対応する差動信号を構成する部分信号のうちのいずれかを選択して出力する。
【0230】
すなわち、スイッチ182は、ソース機器がシンク機器から送信されてくるデータを受信するタイミングにおいて、SCL信号が伝送される信号線であるSCLライン192を介してシンク機器から送信されてきた、Rxデータに対応する差動信号の部分信号を受信し、受信した部分信号を復号部183に供給するか、または何も受信しない。
【0231】
また、スイッチ182は、ソース機器がシンク機器にデータを送信するタイミングにおいて、ソース機器の制御部(CPU)から供給されたSCL信号を、SCLライン192を介してシンク機器に送信するか、または何も送信しない。
【0232】
復号部183は、例えば、差動アンプリファイアにより構成され、その入力端子が、SDAライン191およびSCLライン192に接続されている。復号部183は、SDAライン191およびSCLライン192を介してシンク機器から送信されてきた差動信号、つまりSDAライン191上の部分信号およびSCLライン192上の部分信号からなる差動信号を受信し、元のデータであるRxデータに復号して出力する。
【0233】
切り換え制御部171はスイッチ181およびスイッチ182を制御して、スイッチ181およびスイッチ182のそれぞれについて、供給される信号のうちのいずれかが選択されるようにスイッチ181およびスイッチ182を切り換える。
【0234】
また、シンク機器を構成する高速データラインインタフェース253は、変換部184、スイッチ135、スイッチ185、スイッチ186、復号部136、切り換え制御部172および切り換え制御部124を有している。
【0235】
変換部184は、例えば、差動アンプリファイアにより構成され、変換部184にはRxデータが供給される。変換部184は、供給されたRxデータを2つの部分信号からなる差動信号に変換し、変換により得られた差動信号をSDAライン191およびSCLライン192を介してソース機器に送信する。すなわち、変換部184は、変換により得られた差動信号を構成する一方の部分信号をスイッチ185を介してソース機器に送信し、差動信号を構成する他方の部分信号をスイッチ186を介してソース機器に送信する。
【0236】
スイッチ185には、データを送信するタイミングにおいて、変換部184からのRxデータに対応する差動信号を構成する部分信号、またはシンク機器の制御部(CPU)からのSDA信号が供給され、データを受信するタイミングにおいて、ソース機器からのSDA信号が供給される。スイッチ185は、切り換え制御部172からの制御に基づいて、制御部(CPU)からのSDA信号、もしくはソース機器からのSDA信号、またはRxデータに対応する差動信号を構成する部分信号を選択して出力する。
【0237】
すなわち、スイッチ185は、シンク機器がソース機器から送信されてくるデータを受信するタイミングにおいて、SDAライン191を介してソース機器から送信されてきたSDA信号を受信し、受信したSDA信号を制御部(CPU)に供給するか、または何も受信しない。
【0238】
また、スイッチ185は、シンク機器がソース機器にデータを送信するタイミングにおいて、制御部(CPU)から供給されたSDA信号、または変換部184から供給された部分信号を、SDAライン191を介してソース機器に送信する。
【0239】
スイッチ186には、データを送信するタイミングにおいて、変換部184からの、Rxデータに対応する差動信号を構成する部分信号が供給され、データを受信するタイミングにおいて、ソース機器からのSCL信号が供給される。スイッチ186は、切り換え制御部172からの制御に基づいて、Rxデータに対応する差動信号を構成する部分信号、またはSCL信号のうちのいずれかを選択して出力する。
【0240】
すなわち、スイッチ186は、シンク機器がソース機器から送信されてくるデータを受信するタイミングにおいて、SCLライン192を介してソース機器から送信されてきたSCL信号を受信し、受信したSCL信号を制御部(CPU)に供給するか、または何も受信しない。
【0241】
また、スイッチ186は、シンク機器がソース機器にデータを送信するタイミングにおいて、変換部184から供給された部分信号を、SCLライン192を介してソース機器に送信するか、または何も送信しない。
【0242】
切り換え制御部172はスイッチ185およびスイッチ186を制御して、スイッチ185およびスイッチ186のそれぞれについて、供給される信号のうちのいずれかが選択されるようにスイッチ185およびスイッチ186を切り換える。
【0243】
ところで、ソース機器とシンク機器とがIP通信を行う場合に、半二重通信が可能であるか、全二重通信が可能であるかは、ソース機器およびシンク機器のそれぞれの構成によって定まる。そこで、ソース機器は、シンク機器から受信したE−EDIDを参照して、半二重通信を行うか、全二重通信を行うか、またはCEC信号の授受による双方向通信を行うかの判定を行う。
【0244】
ソース機器が受信するE−EDIDは、例えば、図23に示すように、基本ブロックと拡張ブロックとからなる。
【0245】
E−EDIDの基本ブロックの先頭には、“E−EDID1.3 Basic Structure”で表されるE−EDID1.3の規格で定められたデータが配置され、続いて“Preferred timing”で表される従来のEDIDとの互換性を保つためのタイミング情報、および“2nd timing”で表される従来のEDIDとの互換性を保つための“Preferred timing”とは異なるタイミング情報が配置されている。
【0246】
また、基本ブロックには、“2nd timing”に続いて、“Monitor NAME”で表される表示装置の名前を示す情報、および“Monitor Range Limits”で表される、アスペクト比が4:3および16:9である場合についての表示可能な画素数を示す情報が順番に配置されている。
【0247】
これに対して、拡張ブロックの先頭には、“Speaker Allocation”で表される左右のスピーカに関する情報が配置され、続いて“VIDEO SHORT”で表される、表示可能な画像サイズ、フレームレート、インターレースであるかプログレッシブであるかを示す情報、アスペクト比などの情報が記述されたデータ、“AUDIO SHORT”で表される、再生可能な音声コーデック方式、サンプリング周波数、カットオフ帯域、コーデックビット数などの情報が記述されたデータ、および“Speaker Allocation”で表される左右のスピーカに関する情報が順番に配置されている。
【0248】
また、拡張ブロックには、“Speaker Allocation”に続いて、“Vender Specific”で表されるメーカごとに固有に定義されたデータ、“3rd timing”で表される従来のEDIDとの互換性を保つためのタイミング情報、および“4th timing”で表される従来のEDIDとの互換性を保つためのタイミング情報が配置されている。
【0249】
さらに、“Vender Specific”で表されるデータは、図24に示すデータ構造となっている。すなわち、“Vender Specific”で表されるデータには、1バイトのブロックである第0ブロック乃至第Nブロックが設けられている。
【0250】
“Vender Specific”で表されるデータの先頭に配置された第0ブロックには、“Vendor−Specific tag code(=3)”で表されるデータ“Vender Specific”のデータ領域を示すヘッダ、および“Length(=N)”で表されるデータ“Vender Specific”の長さを示す情報が配置される。
【0251】
また、第1ブロック乃至第3ブロックには、“24bit IEEE Registration Identifier(0x000C03)LSB first”で表されるHDMI(R)用として登録された番号“0x000C03“を示す情報が配置される。さらに、第4ブロックおよび第5ブロックには、”A“、”B“、”C“、および”D“のそれぞれにより表される、24bitのシンク機器の物理アドレスを示す情報が配置される。
【0252】
第6ブロックには、“Supports−AI”で表されるシンク機器が対応している機能を示すフラグ、“DC−48bit”、“DC−36bit”、および“DC−30bit”のそれぞれで表される1ピクセル当たりのビット数を指定する情報のそれぞれ、“DC−Y444”で表される、シンク機器がYCbCr4:4:4の画像の伝送に対応しているかを示すフラグ、および“DVI−Dual”で表される、シンク機器がデュアルDVI(Digital Visual Interface)に対応しているかを示すフラグが配置されている。
【0253】
また、第7ブロックには、“Max−TMDS−Clock”で表されるTMDSのピクセルクロックの最大の周波数を示す情報が配置される。さらに、第8ブロックには、“Latency”で表される映像と音声の遅延情報の有無を示すフラグ、“Full Duplex”で表される全二重通信が可能であるかを示す全二重フラグ、および“Half Duplex”で表される半二重通信が可能であるかを示す半二重フラグが配置されている。
【0254】
ここで、たとえばセットされている(たとえば“1”に設定されている)全二重フラグは、シンク機器が全二重通信を行う機能を有している、つまり図22に示した構成とされることを示しており、リセットされている(たとえば“0”に設定されている)全二重フラグは、シンク機器が全二重通信を行う機能を有していないことを示している。
【0255】
同様に、セットされている(たとえば“1”に設定されている)半二重フラグは、シンク機器が半二重通信を行う機能を有している、つまり図21に示した構成とされることを示しており、リセットされている(たとえば“0”に設定されている)半二重フラグは、シンク機器が半二重通信を行う機能を有していないことを示している。
【0256】
また、“Vender Specific”で表されるデータの第9ブロックには、“Video Latency”で表されるプログレッシブの映像の遅延時間データが配置され、第10ブロックには、“Audio Latency”で表される、プログレッシブの映像に付随する音声の遅延時間データが配置される。さらに、第11ブロックには、“Interlaced Video Latency”で表されるインターレースの映像の遅延時間データが配置され、第12ブロックには、“Interlaced Audio Latency”で表される、インターレースの映像に付随する音声の遅延時間データが配置される。
【0257】
ソース機器は、シンク機器から受信したE−EDIDに含まれている全二重フラグおよび半二重フラグに基づいて、半二重通信を行うか、全二重通信を行うか、またはCEC信号の授受による双方向通信を行うかの判定を行い、その判定結果にしたがって、シンク機器との双方向の通信を行う。
【0258】
例えば、ソース機器が図21に示した構成とされている場合、ソース機器は、図21に示したシンク機器とは半二重通信を行うことができるが、図22に示したシンク機器とは半二重通信を行うことができない。そこで、ソース機器は、ソース機器の電源がオンされると通信処理を開始し、ソース機器に接続されたシンク機器の有する機能に応じた双方向の通信を行う。
【0259】
以下、図25のフローチャートを参照して、図21に示したソース機器による通信処理について説明する。
【0260】
ステップS11において、ソース機器は、ソース機器に新たな電子機器が接続されたか否かを判定する。例えば、ソース機器は、HPDライン86が接続されるHot Plug Detectと呼ばれるピンに対して付加された電圧の大きさに基づいて、新たな電子機器(シンク機器)が接続されたか否かを判定する。
【0261】
ステップS11において、新たな電子機器が接続されていないと判定された場合、通信は行われないので、通信処理は終了する。これに対して、ステップS11において、新たな電子機器が接続されたと判定された場合、ステップS12において、切り換え制御部121はスイッチ133を制御し、データの送信時においてソース機器の制御部(CPU)からのCEC信号が選択され、データの受信時においてシンク機器からのCEC信号が選択されるように、スイッチ133を切り換える。
【0262】
ステップS13において、ソース機器は、DDC83を介してシンク機器から送信されてきたE−EDIDを受信する。すなわち、シンク機器は、ソース機器の接続を検出するとEDIDROM85からE−EDIDを読み出し、読み出したE−EDIDを、DDC83を介してソース機器に送信するので、ソース機器は、シンク機器から送信されてきたE−EDIDを受信する。
【0263】
ステップS14において、ソース機器は、シンク機器との半二重通信が可能であるか否かを判定する。すなわち、ソース機器は、シンク機器から受信したE−EDIDを参照して、図24の半二重フラグ“Half Duplex”がセットされているか否かを判定し、例えば、半二重フラグがセットされている場合、ソース機器は、半二重通信方式による双方向のIP通信、つまり半二重通信が可能であると判定する。
【0264】
ステップS14において、半二重通信が可能であると判定された場合、ステップS15において、ソース機器は、双方向の通信に用いるチャネルを示すチャネル情報として、CECライン84およびリザーブライン88を用いた半二重通信方式によるIP通信を行う旨の信号を、スイッチ133およびCECライン84を介してシンク機器に送信する。
【0265】
すなわち、半二重フラグがセットされている場合、ソース機器は、シンク機器が図21に示した構成であり、CECライン84およびリザーブライン88を用いた半二重通信が可能であることが分かるので、チャネル情報をシンク機器に送信して、半二重通信を行う旨を通知する。
【0266】
ステップS16において、切り換え制御部121はスイッチ133を制御し、データの送信時において変換部131からのTxデータに対応する差動信号が選択され、データの受信時においてシンク機器からのRxデータに対応する差動信号が選択されるように、スイッチ133を切り換える。
【0267】
ステップS17において、ソース機器の各部は、半二重通信方式により、シンク機器との双方向のIP通信を行い、通信処理は終了する。すなわち、データの送信時において、変換部131は、制御部(CPU)から供給されたTxデータを差動信号に変換し、変換により得られた差動信号を構成する部分信号のうちの一方をスイッチ133に供給し、他方の部分信号をリザーブライン88を介してシンク機器に送信する。スイッチ133は、変換部131から供給された部分信号を、CECライン84を介してシンク機器に送信する。これにより、Txデータに対応する差動信号が、ソース機器からシンク機器に送信される。
【0268】
また、データの受信時において、復号部132は、シンク機器から送信されてきたRxデータに対応する差動信号を受信する。すなわち、スイッチ133は、CECライン84を介してシンク機器から送信されてきた、Rxデータに対応する差動信号の部分信号を受信し、受信した部分信号を復号部132に供給する。復号部132は、スイッチ133から供給された部分信号、およびリザーブライン88を介してシンク機器から供給された部分信号からなる差動信号を、タイミング制御部122の制御に基づいて、元のデータであるRxデータに復号し、制御部(CPU)に出力する。
【0269】
これにより、ソース機器は、シンク機器と制御データや画素データ、音声データなど、各種のデータの授受を行う。
【0270】
また、ステップS14において、半二重通信が可能でないと判定された場合、ステップS18において、ソース機器は、CEC信号の送受信を行うことで、シンク機器との双方向の通信を行い、通信処理は終了する。
【0271】
すなわち、データの送信時において、ソース機器は、スイッチ133およびCECライン84を介して、CEC信号をシンク機器に送信し、データの受信時において、ソース機器は、スイッチ133およびCECライン84を介してシンク機器から送信されてきたCEC信号を受信することで、シンク機器との制御データの授受を行う。
【0272】
このようにして、ソース機器は、半二重フラグを参照し、半二重通信が可能なシンク機器と、CECライン84およびリザーブライン88を用いて半二重通信を行う。
【0273】
このように、スイッチ133を切り換えて送信するデータ、および受信するデータを選択し、シンク機器と、CECライン84およびリザーブラインを用いた半二重通信、つまり半二重通信方式によるIP通信を行うことで、従来のHDMIとの互換性を保ちつつ、高速の双方向通信を行うことができる。
【0274】
また、ソース機器と同様に、シンク機器も、電源がオンされると通信処理を開始し、ソース機器との双方向の通信を行う。
【0275】
以下、図26のフローチャートを参照して、図21に示したシンク機器による通信処理について説明する。
【0276】
ステップS41において、シンク機器は、シンク機器に新たな電子機器(ソース機器)が接続されたか否かを判定する。例えば、シンク機器は、HPDライン86が接続されたHot Plug Detectと呼ばれるピンに対して付加された電圧の大きさに基づいて、新たな電子機器が接続されたか否かを判定する。
【0277】
ステップS41において、新たな電子機器が接続されていないと判定された場合、通信は行われないので、通信処理は終了する。これに対して、ステップS41において、新たな電子機器が接続されたと判定された場合、ステップS42において、切り換え制御部124はスイッチ135を制御し、データの送信時において、シンク機器の制御部(CPU)からのCEC信号が選択され、データの受信時においてソース機器からのCEC信号が選択されるように、スイッチ135を切り換える。
【0278】
ステップS43において、シンク機器は、EDIDROM85からE−EDIDを読み出し、読み出したE−EDIDを、DDC83を介してソース機器に送信する。
【0279】
ステップS44において、シンク機器は、ソース機器から送信されてきたチャネル情報を受信したか否かを判定する。
【0280】
すなわち、ソース機器からは、ソース機器およびシンク機器が有する機能に応じて、双方向の通信のチャネルを示すチャネル情報が送信されてくる。例えば、ソース機器が図21に示すように構成される場合、ソース機器とシンク機器とは、CECライン84およびリザーブライン88を用いた半二重通信が可能である。そのため、ソース機器からシンク機器には、CECライン84およびリザーブライン88を用いたIP通信を行う旨のチャネル情報が送信されてくる。シンク機器は、スイッチ135およびCECライン84を介してソース機器から送信されてきたチャネル情報を受信し、チャネル情報を受信したと判定する。
【0281】
これに対して、ソース機器が半二重通信を行う機能を有していない場合、ソース機器からシンク機器には、チャネル情報が送信されてこないので、シンク機器は、チャネル情報を受信していないと判定する。
【0282】
ステップS44において、チャネル情報を受信したと判定された場合、処理はステップS45に進み、切り換え制御部124は、スイッチ135を制御し、データの送信時において変換部134からのRxデータに対応する差動信号が選択され、データの受信時においてソース機器からのTxデータに対応する差動信号が選択されるように、スイッチ135を切り換える。
【0283】
ステップS46において、シンク機器は、半二重通信方式により、ソース機器との双方向のIP通信を行い、通信処理は終了する。すなわち、データの送信時において、変換部134は、タイミング制御部123の制御に基づいて、シンク機器の制御部(CPU)から供給されたRxデータを差動信号に変換し、変換により得られた差動信号を構成する部分信号のうちの一方をスイッチ135に供給し、他方の部分信号をリザーブライン88を介してソース機器に送信する。スイッチ135は、変換部134から供給された部分信号を、CECライン84を介してソース機器に送信する。これにより、Rxデータに対応する差動信号がシンク機器からソース機器に送信される。
【0284】
また、データの受信時において、復号部136は、ソース機器から送信されてきたTxデータに対応する差動信号を受信する。すなわち、スイッチ135は、CECライン84を介してソース機器から送信されてきた、Txデータに対応する差動信号の部分信号を受信し、受信した部分信号を復号部136に供給する。復号部136は、スイッチ135から供給された部分信号、およびリザーブライン88を介してソース機器から供給された部分信号からなる差動信号を元のデータであるTxデータに復号し、制御部(CPU)に出力する。
【0285】
これにより、シンク機器は、ソース機器と制御データや画素データ、音声データなど、各種のデータの授受を行う。
【0286】
また、ステップS44において、チャネル情報を受信していないと判定された場合、ステップS47において、シンク機器は、CEC信号の送受信を行うことでソース機器との双方向の通信を行い、通信処理は終了する。
【0287】
すなわち、データの送信時において、シンク機器は、スイッチ135およびCECライン84を介して、CEC信号をソース機器に送信し、データの受信時において、シンク機器は、スイッチ135およびCECライン84を介してソース機器から送信されてきたCEC信号を受信することで、ソース機器との制御データの授受を行う。
【0288】
このようにして、シンク機器は、チャネル情報を受信すると、シンク機器と、CECライン84およびリザーブライン88を用いて半二重通信を行う。
【0289】
このように、シンク機器がスイッチ135を切り換えて送信するデータ、および受信するデータを選択し、ソース機器とCECライン84およびリザーブライン88を用いた半二重通信を行うことで、従来のHDMIとの互換性を保ちつつ、高速の双方向通信を行うことができる。
【0290】
また、ソース機器が図22に示す構成とされる場合、ソース機器は、通信処理において、E−EDIDに含まれる全二重フラグに基づいてシンク機器が全二重通信を行う機能を有しているかを判定し、その判定結果に応じた双方向の通信を行う。
【0291】
以下、図27のフローチャートを参照して、図22に示したソース機器による通信処理について説明する。
【0292】
ステップS71において、ソース機器は、ソース機器に新たな電子機器が接続されたか否かを判定する。ステップS71において、新たな電子機器が接続されていないと判定された場合、通信は行われないので、通信処理は終了する。
【0293】
これに対して、ステップS71において、新たな電子機器が接続されたと判定された場合、ステップS72において、切り換え制御部171は、スイッチ181およびスイッチ182を制御し、データの送信時において、スイッチ181によりソース機器の制御部(CPU)からのSDA信号が選択され、スイッチ182によりソース機器の制御部(CPU)からのSCL信号が選択され、さらにデータの受信時において、スイッチ181によりシンク機器からのSDA信号が選択されるように、スイッチ181およびスイッチ182を切り換える。
【0294】
ステップS73において、切り換え制御部121はスイッチ133を制御し、データの送信時においてソース機器の制御部(CPU)からのCEC信号が選択され、データの受信時においてシンク機器からのCEC信号が選択されるように、スイッチ133を切り換える。
【0295】
ステップS74において、ソース機器は、DDC83のSDAライン191を介してシンク機器から送信されてきたE−EDIDを受信する。すなわち、シンク機器は、ソース機器の接続を検出するとEDIDROM85からE−EDIDを読み出し、読み出したE−EDIDを、DDC83のSDAライン191を介してソース機器に送信するので、ソース機器は、シンク機器から送信されてきたE−EDIDを受信する。
【0296】
ステップS75において、ソース機器は、シンク機器との全二重通信が可能であるか否かを判定する。すなわち、ソース機器は、シンク機器から受信したE−EDIDを参照して、図24の全二重フラグ“Full Duplex”がセットされているか否かを判定し、たとえば全二重フラグがセットされている場合、ソース機器は、全二重通信方式による双方向のIP通信、つまり全二重通信が可能であると判定する。
【0297】
ステップS75において、全二重通信が可能であると判定された場合、ステップS76において、切り換え制御部171は、スイッチ181およびスイッチ182を制御し、データの受信時において、シンク機器からのRxデータに対応する差動信号が選択されるようにスイッチ181およびスイッチ182を切り換える。
【0298】
すなわち、切り換え制御部171は、データの受信時において、シンク機器から送信されてくる、Rxデータに対応した差動信号を構成する部分信号のうち、SDAライン191を介して送信されてくる部分信号がスイッチ181により選択され、SCLライン192を介して送信されてくる部分信号がスイッチ182により選択されるように、スイッチ181およびスイッチ182を切り換える。
【0299】
DDC83を構成するSDAライン191およびSCLライン192は、シンク機器からソース機器にE−EDIDが送信された後は利用されないので、つまりSDAライン191およびSCLライン192を介したSDA信号やSCL信号の送受信は行われないので、スイッチ181およびスイッチ182を切り換えて、SDAライン191およびSCLライン192を、全二重通信によるRxデータの伝送路として利用することができる。
【0300】
ステップS77において、ソース機器は、双方向の通信のチャネルを示すチャネル情報として、CECライン84およびリザーブライン88と、SDAライン191およびSCLライン192とを用いた全二重通信方式によるIP通信を行う旨の信号を、スイッチ133およびCECライン84を介してシンク機器に送信する。
【0301】
すなわち、全二重フラグがセットされている場合、ソース機器は、シンク機器が図22に示した構成であり、CECライン84およびリザーブライン88と、SDAライン191およびSCLライン192とを用いた全二重通信が可能であることが分かるので、チャネル情報をシンク機器に送信して、全二重通信を行う旨を通知する。
【0302】
ステップS78において、切り換え制御部121はスイッチ133を制御し、データの送信時において変換部131からのTxデータに対応する差動信号が選択されるように、スイッチ133を切り換える。すなわち、切り換え制御部121は、変換部131からスイッチ133に供給された、Txデータに対応する差動信号の部分信号が選択されるようにスイッチ133を切り換える。
【0303】
ステップS79において、ソース機器は、全二重通信方式により、シンク機器との双方向のIP通信を行い、通信処理は終了する。すなわち、データの送信時において、変換部131は、ソース機器の制御部(CPU)から供給されたTxデータを差動信号に変換し、変換により得られた差動信号を構成する部分信号のうちの一方をスイッチ133に供給し、他方の部分信号をリザーブライン88を介してシンク機器に送信する。スイッチ133は、変換部131から供給された部分信号を、CECライン84を介してシンク機器に送信する。これにより、Txデータに対応する差動信号がソース機器からシンク機器に送信される。
【0304】
また、データの受信時において、復号部183は、シンク機器から送信されてきたRxデータに対応する差動信号を受信する。すなわち、スイッチ181は、SDAライン191を介してシンク機器から送信されてきた、Rxデータに対応する差動信号の部分信号を受信し、受信した部分信号を復号部183に供給する。また、スイッチ182は、SCLライン192を介してシンク機器から送信されてきた、Rxデータに対応する差動信号の他方の部分信号を受信し、受信した部分信号を復号部183に供給する。復号部183は、スイッチ181およびスイッチ182から供給された部分信号からなる差動信号を、元のデータであるRxデータに復号し、制御部(CPU)に出力する。
【0305】
これにより、ソース機器は、シンク機器と制御データや画素データ、音声データなど、各種のデータの授受を行う。
【0306】
また、ステップS75において、全二重通信が可能でないと判定された場合、ステップS80において、ソース機器は、CEC信号の送受信を行うことでシンク機器との双方向の通信を行い、通信処理は終了する。
【0307】
すなわち、データの送信時において、ソース機器は、スイッチ133およびCECライン84を介して、CEC信号をシンク機器に送信し、データの受信時において、ソース機器は、スイッチ133およびCECライン84を介してシンク機器から送信されてきたCEC信号を受信することで、シンク機器との制御データの授受を行う。
【0308】
このようにして、ソース機器は、全二重フラグを参照し、全二重通信が可能なシンク機器と、CECライン84およびリザーブライン88、並びにSDAライン191およびSCLライン192を用いて全二重通信を行う。
【0309】
このように、スイッチ133、スイッチ181、およびスイッチ182を切り換えて送信するデータ、および受信するデータを選択し、シンク機器とCECライン84およびリザーブライン88、並びにSDAライン191およびSCLライン192を用いた全二重通信を行うことで、従来のHDMIとの互換性を保ちつつ、高速の双方向通信を行うことができる。
【0310】
また、シンク機器が図22に示した構成とされる場合においても、シンク機器は、図21に示したシンク機器における場合と同様に、通信処理を行って、ソース機器との双方向の通信を行う。
【0311】
以下、図28のフローチャートを参照して、図22に示したシンク機器による通信処理について説明する。
【0312】
ステップS111において、シンク機器は、シンク機器に新たな電子機器(ソース機器)が接続されたか否かを判定する。ステップS111において、新たな電子機器が接続されていないと判定された場合、通信は行われないので、通信処理は終了する。
【0313】
これに対して、ステップS111において、新たな電子機器が接続されたと判定された場合、ステップS112において、切り換え制御部172は、スイッチ185およびスイッチ186を制御し、データの送信時において、スイッチ185によりシンク機器の制御部(CPU)からのSDA信号が選択され、さらにデータの受信時において、スイッチ185によりソース機器からのSDA信号が選択され、スイッチ186によりソース機器からのSCL信号が選択されるように、スイッチ185およびスイッチ186を切り換える。
【0314】
ステップS113において、切り換え制御部124はスイッチ135を制御し、データの送信時においてシンク機器の制御部(CPU)からのCEC信号が選択され、データの受信時においてソース機器からのCEC信号が選択されるように、スイッチ135を切り換える。
【0315】
ステップS114において、シンク機器は、EDIDROM85からE−EDIDを読み出し、読み出したE−EDIDを、スイッチ185およびDDC83のSDAライン191を介してソース機器に送信する。
【0316】
ステップS115において、シンク機器は、ソース機器から送信されてきたチャネル情報を受信したか否かを判定する。
【0317】
すなわち、ソース機器からは、ソース機器およびシンク機器が有する機能に応じて、双方向の通信のチャネルを示すチャネル情報が送信されてくる。例えば、ソース機器が図14に示すように構成される場合、ソース機器とシンク機器とは全二重通信が可能であるので、ソース機器からシンク機器には、CECライン84およびリザーブライン88と、SDAライン191およびSCLライン192とを用いた全二重通信方式によるIP通信を行う旨のチャネル情報が送信されてくるので、シンク機器は、スイッチ135およびCECライン84を介してソース機器から送信されてきたチャネル情報を受信し、チャネル情報を受信したと判定する。
【0318】
これに対して、ソース機器が全二重通信を行う機能を有していない場合、ソース機器からシンク機器には、チャネル情報が送信されてこないので、シンク機器は、チャネル情報を受信していないと判定する。
【0319】
ステップS115において、チャネル情報を受信したと判定された場合、処理はステップS116に進み、切り換え制御部172は、スイッチ185およびスイッチ186を制御し、データの送信時において変換部184からのRxデータに対応する差動信号が選択されるように、スイッチ185およびスイッチ186を切り換える。
【0320】
ステップS117において、切り換え制御部124は、スイッチ135を制御し、データの受信時においてソース機器からのTxデータに対応する差動信号が選択されるように、スイッチ135を切り換える。
【0321】
ステップS118において、シンク機器は、全二重通信方式により、ソース機器との双方向のIP通信を行い、通信処理は終了する。すなわち、データの送信時において、変換部184は、シンク機器の制御部(CPU)から供給されたRxデータを差動信号に変換し、変換により得られた差動信号を構成する部分信号のうちの一方をスイッチ185に供給し、他方の部分信号をスイッチ186に供給する。スイッチ185およびスイッチ186は、変換部184から供給された部分信号を、SDAライン191およびSCLライン192を介してソース機器に送信する。これにより、Rxデータに対応する差動信号がシンク機器からソース機器に送信される。
【0322】
また、データの受信時において、復号部136は、ソース機器から送信されてきたTxデータに対応する差動信号を受信する。すなわち、スイッチ135は、CECライン84を介してソース機器から送信されてきた、Txデータに対応する差動信号の部分信号を受信し、受信した部分信号を復号部136に供給する。復号部136は、スイッチ135から供給された部分信号、およびリザーブライン88を介してソース機器から供給された部分信号からなる差動信号を元のデータであるTxデータに復号し、制御部(CPU)に出力する。
【0323】
これにより、シンク機器は、ソース機器と制御データや画素データ、音声データなど、各種のデータの授受を行う。
【0324】
また、ステップS115において、チャネル情報を受信していないと判定された場合、ステップS119において、シンク機器は、CEC信号の送受信を行うことでソース機器との双方向の通信を行い、通信処理は終了する。
【0325】
このようにして、シンク機器は、チャネル情報を受信すると、シンク機器と、CECライン84およびリザーブライン88、並びにSDAライン191およびSCLライン192を用いて全二重通信を行う。
【0326】
このように、シンク機器がスイッチ135、スイッチ185、およびスイッチ186を切り換えて送信するデータ、および受信するデータを選択し、ソース機器とCECライン84およびリザーブライン88、並びにSDAライン191およびSCLライン192を用いた全二重通信を行うことで、従来のHDMIとの互換性を保ちつつ、高速の双方向通信を行うことができる。
【0327】
なお、図22の例では、ソース機器は、CECライン84およびリザーブライン88に変換部131が接続され、SDAライン191およびSCLライン192に復号部183が接続された構成とされているが、CECライン84およびリザーブライン88に復号部183が接続され、SDAライン191およびSCLライン192に変換部131が接続された構成とされてもよい。
【0328】
そのような場合、スイッチ181およびスイッチ182がCECライン84およびリザーブライン88に接続されるとともに復号部183に接続され、スイッチ133がSDAライン191に接続されるとともに変換部131に接続される。
【0329】
また、図22のシンク機器についても同様に、CECライン84およびリザーブライン88に変換部184が接続され、SDAライン191およびSCLライン192に復号部136が接続された構成とされてもよい。そのような場合、スイッチ185およびスイッチ186がCECライン84およびリザーブライン88に接続されるとともに変換部184に接続され、スイッチ135がSDAライン191に接続されるとともに復号部136に接続される。
【0330】
さらに、図21において、CECライン84およびリザーブライン88が、SDAライン191およびSCLライン192とされてもよい。つまり、ソース機器の変換部131および復号部132と、シンク機器の変換部134および復号部136とがSDAライン191およびSCLライン192に接続され、ソース機器とシンク機器とが半二重通信方式によるIP通信を行うようにしてもよい。さらに、この場合、リザーブライン88を用いて電子機器の接続を検出するようにしてもよい。
【0331】
さらに、ソース機器およびシンク機器のそれぞれが、半二重通信を行う機能、および全二重通信を行う機能の両方を有するようにしてもよい。そのような場合、ソース機器およびシンク機器は、接続された電子機器の有する機能に応じて、半二重通信方式または全二重通信方式によるIP通信を行うことができる。
【0332】
ソース機器およびシンク機器のそれぞれが、半二重通信を行う機能、および全二重通信を行う機能の両方を有する場合、ソース機器およびシンク機器は、例えば、図29に示すように構成される。なお、図29において、図21または図22における場合と対応する部分には、同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0333】
図29に示すソース機器の高速データラインインタフェース213は、変換部131、復号部132、スイッチ133、スイッチ181、スイッチ182、復号部183、切り換え制御部121、タイミング制御部122、および切り換え制御部171を有している。すなわち、図29のソース機器における高速データラインインタフェース213は、図22に示したソース機器における高速データラインインタフェース213に、図21のタイミング制御部122および復号部132がさらに設けられた構成とされている。
【0334】
また、図29に示すシンク機器の高速データラインインタフェース213は、変換部134、スイッチ135、復号部136、変換部184、スイッチ185、スイッチ186、タイミング制御部123、切り換え制御部124、および切り換え制御部172を有している。すなわち、図29のシンク機器は、図22に示したシンク機器に、図21のタイミング制御部123および変換部134がさらに設けられた構成とされている。
【0335】
次に、図29のソース機器およびシンク機器による通信処理について説明する。
【0336】
まず、図30のフローチャートを参照して、図29のソース機器による通信処理について説明する。なお、ステップS151乃至ステップS154の処理のそれぞれは、図27のステップS71乃至ステップS74の処理のそれぞれと同様であるので、その説明は省略する。
【0337】
ステップS155において、ソース機器は、シンク機器との全二重通信が可能であるか否かを判定する。すなわち、ソース機器は、シンク機器から受信したE−EDIDを参照して、図22の全二重フラグ“Full Duplex”がセットされているか否かを判定する。
【0338】
ステップS155において、全二重通信が可能であると判定された場合、すなわち図29、または図22に示したシンク機器がソース機器に接続されている場合、ステップS156において、切り換え制御部171は、スイッチ181およびスイッチ182を制御し、データの受信時において、シンク機器からのRxデータに対応する差動信号が選択されるようにスイッチ181およびスイッチ182を切り換える。
【0339】
一方、ステップS155において、全二重通信が可能でないと判定された場合、ステップS157において、ソース機器は、半二重通信が可能であるか否かを判定する。すなわち、ソース機器は、受信したE−EDIDを参照して、図22の半二重フラグ“Half Duplex”がセットされているか否かを判定する。換言すれば、ソース機器は、図21に示したシンク機器がソース機器に接続されたか否かを判定する。
【0340】
ステップS157において、半二重通信が可能であると判定された場合、またはステップS156において、スイッチ181およびスイッチ182が切り換えられた場合、ステップS158において、ソース機器は、チャネル情報を、スイッチ133およびCECライン84を介してシンク機器に送信する。
【0341】
ここで、ステップS155において全二重通信が可能であると判定された場合には、シンク機器は、全二重通信を行う機能を有しているので、ソース機器は、チャネル情報として、CECライン84およびリザーブライン88と、SDAライン191およびSCLライン192とを用いたIP通信を行う旨の信号を、スイッチ133およびCECライン84を介してシンク機器に送信する。
【0342】
また、ステップS157において半二重通信が可能であると判定された場合には、シンク機器は、全二重通信を行う機能は有していないが、半二重通信を行う機能を有しているので、ソース機器は、チャネル情報として、CECライン84およびリザーブライン88を用いたIP通信を行う旨の信号を、スイッチ133およびCECライン84を介してシンク機器に送信する。
【0343】
ステップS159において、切り換え制御部121は、スイッチ133を制御し、データの送信時において変換部131からのTxデータに対応する差動信号が選択され、データの受信時においてシンク機器から送信されてくるRxデータに対応する差動信号が選択されるように、スイッチ133を切り換える。なお、ソース機器とシンク機器とが全二重通信を行う場合には、ソース機器におけるデータの受信時には、シンク機器から、CECライン84およびリザーブライン88を介してRxデータに対応する差動信号は送信されてこないので、復号部132には、Rxデータに対応する差動信号は供給されない。
【0344】
ステップS160において、ソース機器は、シンク機器との双方向のIP通信を行い、通信処理は終了する。すなわち、ソース機器がシンク機器と全二重通信を行う場合、および半二重通信を行う場合、データの送信時において、変換部131は、ソース機器の制御部(CPU)から供給されたTxデータを差動信号に変換し、変換により得られた差動信号を構成する部分信号のうちの一方をスイッチ133およびCECライン84を介してシンク機器に送信し、他方の部分信号をリザーブライン88を介してシンク機器に送信する。
【0345】
また、ソース機器がシンク機器と全二重通信を行う場合、データの受信時において、復号部183は、シンク機器から送信されてきたRxデータに対応する差動信号を受信し、受信した差動信号を、元のデータであるRxデータに復号して、制御部(CPU)に出力する。
【0346】
これに対して、ソース機器がシンク機器と半二重通信を行う場合、データの受信時において、復号部132は、タイミング制御部122の制御に基づいて、シンク機器から送信されてきたRxデータに対応する差動信号を受信し、受信した差動信号を、元のデータであるRxデータに復号して、制御部(CPU)に出力する。
【0347】
これにより、ソース機器は、シンク機器と制御データや画素データ、音声データなど、各種のデータの授受を行う。
【0348】
また、ステップS157において、半二重通信が可能でないと判定された場合、ステップS161において、ソース機器は、CECライン84を介してCEC信号の送受信を行うことでシンク機器との双方向の通信を行い、通信処理は終了する。
【0349】
このようにして、ソース機器は、全二重フラグおよび半二重フラグを参照し、通信相手であるシンク機器の有する機能に応じて、全二重通信または半二重通信を行う。
【0350】
このように、通信相手であるシンク機器の有する機能に応じて、スイッチ133、スイッチ181、およびスイッチ182を切り換えて送信するデータ、および受信するデータを選択し、全二重通信または半二重通信を行うことで、従来のHDMIとの互換性を保ちつつ、より最適な通信方法を選択して、高速の双方向通信を行うことができる。
【0351】
次に、図31のフローチャートを参照して、図29のシンク機器による通信処理について説明する。なお、ステップS191乃至ステップS194の処理のそれぞれは、図28のステップS111乃至ステップS114の処理のそれぞれと同様であるので、その説明は省略する。
【0352】
ステップS195において、シンク機器は、スイッチ135およびCECライン84を介してソース機器から送信されてきたチャネル情報を受信する。なお、シンク機器に接続されているソース機器が、全二重通信を行う機能も、半二重通信を行う機能も有していない場合には、ソース機器からシンク機器には、チャネル情報は送信されてこないので、シンク機器は、チャネル情報を受信しない。
【0353】
ステップS196において、シンク機器は、受信したチャネル情報に基づいて、全二重通信を行うか否かを判定する。たとえば、シンク機器は、CECライン84およびリザーブライン88と、SDAライン191およびSCLライン192とを用いたIP通信を行う旨のチャネル情報を受信した場合、全二重通信を行うと判定する。
【0354】
ステップS196において、全二重通信を行うと判定された場合、ステップS197において、切り換え制御部172は、スイッチ185およびスイッチ186を制御し、データの送信時において変換部184からのRxデータに対応する差動信号が選択されるように、スイッチ185およびスイッチ186を切り換える。
【0355】
また、ステップS196において、全二重通信を行わないと判定された場合、ステップS198において、シンク機器は、受信したチャネル情報に基づいて、半二重通信を行うか否かを判定する。たとえば、シンク機器は、CECライン84およびリザーブライン88を用いたIP通信を行う旨のチャネル情報を受信した場合、半二重通信を行うと判定する。
【0356】
ステップS198において、半二重通信を行うと判定されるか、またはステップS197においてスイッチ185およびスイッチ186が切り換えられた場合、ステップS199において、切り換え制御部124は、スイッチ135を制御し、データの送信時において、変換部134からのRxデータに対応する差動信号が選択され、データの受信時においてソース機器からのTxデータに対応する差動信号が選択されるように、スイッチ135を切り換える。
【0357】
なお、ソース機器とシンク機器とが全二重通信を行う場合、シンク機器におけるデータの送信時には、変換部134からトランスミッタ81にRxデータに対応する差動信号が送信されないので、スイッチ135には、Rxデータに対応する差動信号は供給されない。
【0358】
ステップS200において、シンク機器は、ソース機器との双方向のIP通信を行い、通信処理は終了する。
【0359】
すなわち、シンク機器がソース機器と全二重通信を行う場合、データの送信時において、変換部184は、シンク機器の制御部(CPU)から供給されたRxデータを差動信号に変換し、変換により得られた差動信号を構成する部分信号のうちの一方を、スイッチ185およびSDAライン191を介してソース機器に送信し、他方の部分信号をスイッチ186およびSCLライン192を介してソース機器に送信する。
【0360】
また、シンク機器がソース機器と半二重通信を行う場合、データの送信時において、変換部134は、シンク機器の制御部(CPU)から供給されたRxデータを差動信号に変換し、変換により得られた差動信号を構成する部分信号のうちの一方を、スイッチ135およびCECライン84を介してトランスミッタ81に送信し、他方の部分信号をリザーブライン88を介してソース機器に送信する。
【0361】
さらに、シンク機器がソース機器と全二重通信を行う場合、および半二重通信を行う場合、データの受信時において、復号部136は、ソース機器から送信されてきたTxデータに対応する差動信号を受信し、受信した差動信号を元のデータであるTxデータに復号して、制御部(CPU)に出力する。
【0362】
また、ステップS198において、半二重通信を行わないと判定された場合、すなわち、たとえばチャネル情報が送信されてこなかった場合、ステップS201において、シンク機器は、CEC信号の送受信を行うことでソース機器との双方向の通信を行い、通信処理は終了する。
【0363】
このようにして、シンク機器は、受信したチャネル情報に応じて、すなわち通信相手であるソース機器の有する機能に応じて全二重通信または半二重通信を行う。
【0364】
このように、通信相手であるソース機器の有する機能に応じて、スイッチ135、スイッチ185、およびスイッチ186を切り換えて送信するデータ、および受信するデータを選択し、全二重通信または半二重通信を行うことで、従来のHDMI(R)との互換性を保ちつつ、より最適な通信方法を選択して、高速の双方向通信を行うことができる。
【0365】
また、互いに差動ツイストペア結線されてシールドされ、グランド線に接地されたCECライン84およびリザーブライン88と、互いに差動ツイストペア結線されてシールドされ、グランド線に接地されたSDAライン191およびSCLライン192とが含まれているHDMIケーブル351により、ソース機器とシンク機器とを接続することで、従来のHDMIケーブルとの互換性を保ちつつ、半二重通信方式または全二重通信方式による高速の双方向のIP通信を行うことができる。
【0366】
次に、上述した一連の処理は、専用のハードウェアにより行うこともできるし、ソフトウェアにより行うこともできる。一連の処理をソフトウェアによって行う場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、たとえば、ソース機器、シンク機器を制御するマイクロコンピュータ等にインストールされる。
【0367】
そこで、図32は、上述した一連の処理を実行するプログラムがインストールされるコンピュータの一実施の形態の構成例を示している。
【0368】
プログラムは、コンピュータに内蔵されている記録媒体としてのEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−only Memory)305やROM303に予め記録しておくことができる。
【0369】
あるいはまた、プログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magneto Optical)ディスク,DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体に、一時的あるいは永続的に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することができる。
【0370】
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトから、デジタル衛星放送用の人工衛星を介して、コンピュータに無線で転送し、あるいはLAN、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送し、コンピュータでは、そのようにして転送されてくるプログラムを、入出力インタフェース306で受信し、内蔵するEEPROM305にインストールすることができる。
【0371】
コンピュータは、CPU(Central Processing Unit)302を内蔵している。CPU302には、バス301を介して、入出力インタフェース306が接続されており、CPU302は、ROM(Read Only Memory)303やEEPROM305に格納されているプログラムを、RAM(Random Access Memory)304にロードして実行する。これにより、CPU302は、上述したフローチャートにしたがった処理、あるいは上述したブロック図の構成により行われる処理を行う。
【0372】
ここで、本明細書において、コンピュータに各種の処理を行わせるためのプログラムを記述する処理ステップは、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいは個別に実行される処理(たとえば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含むものである。また、プログラムは、1のコンピュータにより処理されるものであっても良いし、複数のコンピュータによって分散処理されるものであっても良い。
【0373】
上述した図10に示す構成例は、DDCに関して規定された電気的仕様と無関係にLAN通信のための回路を形成できるものであったが、図33は、同様の効果を持つ他の構成例を示している。
【0374】
この例は、1本のケーブルで映像と音声のデータ伝送と接続機器情報の交換および認証と機器制御データの通信とLAN通信を行うインタフェースにおいて、LAN通信が2対の差動伝送路を介する単方向通信で行われ、伝送路のうちの少なくともひとつのDCバイアス電位によってインタフェースの接続状態が通知される構成を有し、さらに、少なくとも二つの伝送路がLAN通信とは時分割で接続機器情報の交換と認証の通信に使われることを特徴とする。
【0375】
ソース機器は、LAN信号送信回路611、終端抵抗612,613、AC結合容量614〜617、LAN信号受信回路618、インバータ620、抵抗621、ローパルスフィルタを形成する抵抗622および容量623、比較器624、プルダウン抵抗631、ローパスフィルタを形成する抵抗632および容量633、比較器634、NORゲート640、アナログスイッチ641〜644、インバータ645、アナログスイッチ646,747、DDCトランシーバ651,652、並びにプルアップ抵抗653,654を有している。
【0376】
また、シンク機器602は、LAN信号送信回路661、終端抵抗662,663、AC結合容量664〜667、LAN信号受信回路668、プルダウン抵抗671、ローパルスフィルタを形成する抵抗672および容量673、比較器674、チョークコイル681、電源電位と基準電位間に直列接続された抵抗682および683、アナログスイッチ691〜694、インバータ695、アナログスイッチ696,697、DDCトランシーバ701,702、並びにプルアップ抵抗703,704を有している。
【0377】
HDMIケーブル351の中には、リザーブライン801とSCLライン803からなる差動伝送路とSDAライン804とHPDライン802からなる差動伝送路があり、それらのソース側端子811と〜814、並びにシンク側端子821〜824が形成されている。
【0378】
リザーブライン801とSCLライン803、並びにSDAライン804とHPDライン802は、差動ツイストペアとして結線されている。
【0379】
ソース機器内で、端子811、813は、AC結合容量614、605およびアナログスイッチ641、642を介してLAN送信信号SG611をシンクに送信する送信回路611および終端抵抗612に接続されている。端子814,812は、AC結合容量616,617とアナログスイッチ643、644を介してシンク機器からのLAN信号を受信する受信回路618および終端抵抗613に接続されている。
【0380】
シンク機器内で、端子821〜824はAC結合容量664,665,666,667とアナログスイッチ691〜694を介して送信回路661および受信回路668と、終端抵抗662,663に接続されている。アナログスイッチ641〜644、691〜694はLAN通信を行うときに導通し、DDC通信を行うときは開放となる。
【0381】
ソース機器は、端子813と端子814を、別のアナログスイッチ646、647を介してDDCトランシーバ651、652およびプルアップ抵抗653、654に接続する。
【0382】
シンク機器は、端子823と端子824を、アナログスイッチ696、697を介してDDCトランシーバ701、702およびプルアップ抵抗703に接続する。アナログスイッチ646、647はDDC通信を行うときに導通し、LAN通信を行うときは開放にする。
【0383】
リザーブライン801の電位によるe−HDMI対応機器の認識機構は、ソース機器601の抵抗62がインバータ620に駆動されていること以外は、基本的に、図9に示す例と同様である。
【0384】
インバータ620の入力がHIGHのとき抵抗621はプルダウン抵抗となるのでシンク機器からみるとe−HDMI非対応機器がつながれたのと同じ0V状態になる。この結果、シンク機器のe−HDMI対応識別結果を示す信号SG623はLOWとなり、信号SG623で制御されるアナログスイッチ691〜694は開放され、信号SG623をインバータ695で反転した信号で制御されるアナログスイッチ696、697は導通する。この結果、シンク機器602はSCLライン803とSDAライン804をLAN送受信機から切り離し、DDC送受信機に接続した状態になる。
【0385】
一方、ソース機器ではインバータ620の入力がNORゲート640にも入力されてその出力SG614はLOWとされる。NORゲート640の出力信号SG614に制御されたアナログスイッチ641〜644は開放され、信号SG614をインバータ645で反転した信号で制御されるアナログスイッチ646、647は導通する。この結果、ソース機器601もSCLライン803とSDAライン804をLAN送受信機から切り離し、DDC送受信機に接続した状態になる。
【0386】
逆に、インバータ620の入力がLOWのときは、ソース機器もシンク機器もともにSCLライン803とSDAライン804をDDC送受信機から切り離し、LAN送受信機に接続した状態になる。
【0387】
HPDライン802のDCバイアス電位による接続確認のための回路631〜634、681〜683は、図10に示す例と同様の機能を有する。すなわち、HPDライン802は、上述のLAN通信の他にDCバイアスレベルでケーブル351がシンク機器に接続されたことをソース機器に伝達する。シンク機器内の抵抗682、683とチョークコイル681はケーブル351がシンク機器に接続されるとHPDライン802を、端子822を介して約4Vにバイアスする。
【0388】
ソース機器はHPDライン802のDCバイアスを抵抗632と容量633からなるローパスフィルタで抽出し、比較器634で基準電位Vref2(たとえば1.4V)と比較する。ケーブル351がシンク機器に接続されていなければ端子812の電位はプルダウン抵抗631で基準電位Vref2より低く、接続されていれば高い。したがって、比較器634の出力信号SG613がHIGHならばケーブル351とシンク機器が接続されていることを示す。一方、比較器634の出力信号SG613がLOWならばケーブル351とシンク機器が接続されていないことを示す。
【0389】
このように、図33に示す構成例によれば、1本のケーブルで映像と音声のデータ伝送と接続機器情報の交換および認証と機器制御データの通信とLAN通信を行うインタフェースにおいて、LAN通信が2対の差動伝送路を介する単方向通信でおこなわれ、伝送路のうちの少なくともひとつのDCバイアス電位によってインタフェースの接続状態が通知される構成を有し、さらに、少なくとも二つの伝送路がLAN通信とは時分割で接続機器情報の交換と認証の通信に使われることから、SCLライン、SDAラインをスイッチでLAN通信回路に接続する時間帯とDDC回路に接続する時間帯に分ける時分割を行うことができ、この分割によりDDCに関して規定された電気的仕様と無関係にLAN通信のための回路を形成することができ、安定で確実なLAN通信が安価に実現できる。
【0390】
なお、SDAとSCLはHが1.5KΩプルアップでLがローインピーダンスのプルダウンであり、CECもHが27KΩプルアップでLがローインピーダンスのプルダウンの通信を行なうものである。既存HDMIとのコンパチビリティを持つためにそれらの機能を保持することは、伝送線路の終端を整合終端する必要がある高速データ通信を行なうLANの機能を共有することは困難となるおそれがある。
【0391】
図10、図33の構成例は、このような問題を回避できる。すなわち、図10の構成例では、SDA、SCL、CECラインを使うのを避けてリザーブラインとHPDラインを差動のペアとして1対双方向通信による全二重通信を行うように構成した。また、図33の構成例では、HPDラインおよびSDAラインと、SCLラインおよびリザーブラインとで2対の差動ペアをつくり各々で単方向通信を行なう2対全二重通信を行うように構成した。
【0392】
図34(A)〜(E)は、図10、あるいは図33の構成例における双方向通信波形を示している。
【0393】
図34(A)はソース機器から送った信号波形を、図34(B)はシンク機器が受けた信号波形を、図34(C)はケーブルを通る信号波形を、図34(D)はソース機器が受けた信号を、図34(E)はソース機器から送った信号波形を、それぞれ示している。この図34からも明らかなように、図10、あるいは図33の構成例によれば、良好な双方向通信を実現可能である。
【0394】
なお、上述実施の形態においては、各機器を接続する伝送路として、HDMI規格のインタフェースを前提として説明したが、その他の同様な伝送規格にも適用可能である。また、ソース機器としてパーソナルコンピュータ、デジタルカメラを使用し、シンク機器としてテレビ受信機を使用した例としたが、その他の電子機器を使用するものにも、この発明を同様に適用できる。
【0395】
また、上述実施の形態においては、電子機器間をHDMIケーブルで接続したものを示したが、この発明は、電子機器間の接続を無線で行うものにも、同様に適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0396】
この発明は、例えばパーソナルコンピュータの画像解析能力を有効に活用できるものであり、テレビ受信機にパーソナルコンピュータがHDMIケーブルを介して接続されてなるAVシステム等に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0397】
【図1】この発明の実施の形態としてのAVシステムの構成例を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態としてのAVシステムの構成例を示すブロック図である。
【図3】AVシステムを構成するパーソナルコンピュータ(ソース機器)の構成例を示すブロック図である。
【図4】AVシステムを構成するテレビ受信機(シンク機器)の構成例を示すブロック図である。
【図5】AVシステムを構成するデジタルカメラの構成例を示すブロック図である。
【図6】HDMI送信部(HDMIソース)とHDMI受信部(HDMIシンク)の構成例を示すブロック図である。
【図7】HDMIトランスミッタとHDMIレシーバの構成例を示すブロック図である。
【図8】TMDS伝送データの構造を示す図である。
【図9】HDMI端子のピン配列(タイプA)を示す図である。
【図10】パーソナルコンピュータおよびテレビ受信機の高速データラインインタフェースの構成例を示す接続図である。
【図11】テレビ受信機で受信されている所定番組をパーソナルコンピュータで録画再生する場合の動作シーケンスの一例を示す図である。
【図12】テレビ受信機(待機状態)で受信されている所定番組から特定対象(人物、物)または特定シーンが検出されるとき、当該テレビ受信機の電源をオンとする場合の動作シーケンスの一例を示す図である。
【図13】テレビ受信機で視聴されている所定番組がコマーシャル期間となるとき、当該コマーシャルとは別の画面をユーザに提供する場合の動作シーケンスの一例を示す図である。
【図14】テレビ受信機でお任せ番組表に基づいて自動的に受信していく場合の動作シーケンスの一例を示す図である。
【図15】テレビ受信機において、現在放送中の番組からユーザ嗜好に最も近い番組を自動的に受信する場合の動作シーケンスの一例を示す図である。
【図16】パーソナルコンピュータからの操作で、テレビ受信機にホーム(Home)メニュー画面の表示、およびメニュー画面の操作を行う場合の動作シーケンスの一例を示す図である。
【図17】パーソナルコンピュータからの操作で、テレビ受信機の録画機能または外付けの録画機器の録画を開始させる場合の動作シーケンスの一例を示す図である。
【図18】パーソナルコンピュータの電源投入に連動してテレビ受信機の電源をオンとする場合の動作シーケンスの一例を示す図である。
【図19】テレビ受信機がインターネットに接続されている環境で、デジタルカメラが保持している写真(静止画)を、インターネット上のサーバにアップロードする場合の動作シーケンスの一例を示す図である。
【図20】デジタルカメラがテレビ受信機から静止画または動画のストリーミングを取得して記録する場合の動作シーケンスの一例を示す図である。
【図21】パーソナルコンピュータおよびテレビ受信機の高速データラインインタフェースの他の構成例を示す接続図である。
【図22】パーソナルコンピュータおよびテレビ受信機の高速データラインインタフェースのさらに他の構成例を示す接続図である。
【図23】ソース機器が受信するE−EDIDの構造を示す図である。
【図24】E−EDID Vendor Specific Data Block構造を示す図である。
【図25】ソース機器による通信処理を説明するためのフローチャートである。
【図26】シンク機器による通信処理を説明するためのフローチャートである。
【図27】ソース機器による通信処理を説明するためのフローチャートである。
【図28】シンク機器による通信処理を説明するためのフローチャートである。
【図29】パーソナルコンピュータおよびテレビ受信機の高速データラインインタフェースの他の構成例を示す接続図である。
【図30】ソース機器による通信処理を説明するためのフローチャートである。
【図31】シンク機器による通信処理を説明するためのフローチャートである。
【図32】この発明を適用したコンピュータの構成例を示すブロック図である。
【図33】パーソナルコンピュータレコーダおよびテレビ受信機の高速データラインインタフェースのさらに他の構成例を示す接続図である。
【図34】双方向通信波形を示す図である。
【符号の説明】
【0398】
200・・・AVシステム、210・・・パーソナルコンピュータ、211・・・HDMI端子、212・・・HDMI送信部、213・・・高速データラインインタフェース、250・・・テレビ受信機、251,254・・・HDMI端子、252,255・・・HDMI受信部、253,256・・・高速データラインインタフェース、310・・・デジタルカメラ、311・・・HDMI端子、312・・・HDMI送信部、313・・・高速データラインインタフェース、351・・・HDMIケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像信号を、複数チャネルで、差動信号により、伝送路を介して外部機器に送信する信号送信部と、
上記伝送路を構成する所定のラインを用いて双方向通信を行う通信部と、
上記外部機器から、上記通信部により、該外部機器が持つ放送受信部で得られたストリームデータを受信する信号受信部と、
上記信号受信部で受信されたストリームデータに対して画像解析を行う画像解析部と、
上記画像解析部の解析結果を用いて、少なくとも自己の電子機器の動作または上記外部機器の動作を制御する制御部と
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
上記信号受信部で受信されたストリームデータを所定の記録メディアに記録する記録部をさらに備え、
上記画像解析部は、上記画像解析によりテロップ認識または顔認識を行い、
上記制御部は、上記信号受信部で受信されたストリームデータが上記記録部で記録される際に、上記テロップ認識または上記顔認識の認識結果が付加されるように制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
上記所定の記録メディアに記録されたストリームデータを再生する再生部と、
上記再生部における再生動作を上記ストリームデータに付加されている上記テロップ認識または上記顔認識の認識結果に基づいて制御する再生制御部とをさらに備える
ことを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
上記画像解析部は、上記画像解析によりコマーシャルの開始およびコマーシャルの終了を検出し、
上記制御部は、上記コマーシャルの開始および上記コマーシャルの終了の検出結果に基づいて、上記外部機器における上記コマーシャルの表示を抑制する
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器、
【請求項5】
上記制御部は、上記外部機器における放送受信部の受信チャネルが、コマーシャルの開始時から終了時まで他のチャネルとなるように制御する
ことを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
上記制御部は、コマーシャルの開始時から終了時まで、上記外部機器においてチャネルインデックス画面が表示されるように制御する
ことを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
【請求項7】
上記制御部は、上記外部機器における放送受信部の受信チャネルが、コマーシャルの開始時から終了時まで、順次変化するように制御する
ことを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
【請求項8】
上記画像解析部、上記画像解析により、特定の対象または特定のシーンを検出し、
上記制御部は、上記特定の対象または上記特定のシーンが検出されるとき、上記外部機器の電源がオンとなるように制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項9】
映像信号を、複数チャネルで、差動信号により、伝送路を介して外部機器に送信する信号送信部を備える電子機器における制御方法であって、
上記伝送路を構成する所定のラインを用いて双方向通信を行う通信部を設け、
上記外部機器から、上記通信部により、該外部機器が持つ放送受信部で得られたストリームデータを受信し、
上記受信されたストリームデータに対して画像解析を行い、
上記画像解析の解析結果を用いて、少なくとも自己の電子機器の動作または上記外部機器の動作を制御する
ことを特徴とする電子機器における制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【公開番号】特開2009−88968(P2009−88968A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−255670(P2007−255670)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】