説明

電子機器の制御装置

【課題】 機構の動作の終了位置を、検知器で検知し、その後に機構を正確な位置で停止させることができる「電子機器の制御装置」を提供する。
【解決手段】 ディスクDが機構ユニット2内に挿入され、ディスクDの中心穴が回転駆動部4に一致すると、切換えモータによりスライダ3AがY1方向へ移動させられ、スライダ3Aの移動力で、ディスクDの中心穴が回転駆動部4にクランプされる。スライダ3AがY1方向へ移動すると、検知アーム40がα1方向へ回動させられ、スイッチ42がONに切換えられる。このとき、切換えモータを逆転し、スイッチ42がOFFになったら再びスライダ3AをY1方向へ移動させ、スイッチ42が再度ONになったら、間欠的な駆動信号を切換えモータに少なくとも1つ与えて、動作を終了する。これにより、機構を常に正確に停止させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切換え部材を動作させて各種モードが設定される電子機器に係り、特に、切換え部材によって機械的なスイッチなどの検知器が動作させられたときに、モード切換や動作停止などの動作状態が検出される電子機器の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスクまたはケースを収納したカートリッジなどの記録媒体が装填される電子機器では、例えば下記の特許文献1に記載のように、記録媒体のローディングが完了したときに、あるいは記録媒体の排出が完了したときに、スイッチアームが動作させられて、このスイッチアームでスイッチの出力が切換えられる。
【0003】
制御部では、前記スイッチの出力が切換えられるタイミングを監視し、スイッチの出力が切換えられたときにモータを停止させて、電子機器の動作を停止させる。
【0004】
しかし、スイッチアームでスイッチがONに切換えられた直後にモータを停止させると、スイッチに内蔵されたスプリングの付勢力によりスイッチアームが逆方向へ向けて動作し、スイッチがOFFに戻るなどの現象が生じやすい。したがって、この種の機構では、スイッチアームによってスイッチがONに切換えられた後に、短時間だけモータの駆動を継続し、その後にモータを停止させる制御を行っている。
【特許文献1】特開平7−65474号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記制御のように、スイッチがONになった後もモータの駆動を継続すると、スイッチの設置位置のばらつきや、スイッチアームの寸法のばらつきなどの公差によって、機構の停止位置にばらつきが生じやすくなる。また、同じ機器でも、温度変化による部品の膨張や潤滑状態の変化により、モータを停止したときの機構の停止位置にばらつきを生じることがある。
【0006】
また、切換え部材などの動作機構が、その移動範囲の終端に至ったときにスイッチアームが動作してスイッチがONになる機構では、その後に動作を継続するモータの動力によって、歯車が強く噛み合ってロック状態となったり、あるいは機構内のいずれかの部品がモータの動力により破損することもある。
【0007】
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、機構の動作状態を正確に検知し、検知後に機構を短時間で確実に停止させることができる電子機器の制御装置を提供することを目的としている。
【0008】
また、本発明は、機構の動作が停止するときに、歯車などの機構部分に無理な力が作用することを防止できる電子機器の制御装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、動作モードを切換える切換え部材と、前記切換え部材を移動させるモータと、前記切換え部材の移動位置を検出する検知器と、前記検知器の検知出力に基づいて前記モータを制御する制御部とが設けられ、
前記切換え部材が正方向へ移動して所定位置に至ったときに、この切換え部材によって前記検知器が第1の出力状態から第2の出力状態に切り換えられるものであり、
前記制御部は、前記切換え部材が正方向へ移動しているときに以下の制御を行なうことを特徴とするものである。
【0010】
(a)前記切換え部材が正方向へ移動して、前記検知器が第1の出力状態から第2の出力状態に切り換わったら、モータを逆転させて、前記切換え部材を逆方向へ向けて移動させる、
(b)前記切換え部材の逆方向への移動により、前記検知器が第2の出力状態から第1の出力状態に戻ったら、再度モータを正転させて、前記切換え部材を正方向へ向けて移動させる、
(c)前記検知器が再び第1の出力状態から第2の出力状態に切り換わったら、前記モータに対して1つ以上の間欠的な駆動信号を与えて、前記切換え部材を正方向へ移動させた後に前記モータを停止させる。
【0011】
さらに、本発明は、前記(b)の制御において、前記検知器が第2の出力状態から第1の出力状態に戻ったら、モータに間欠的な駆動信号を与え、前記切換え部材を正方向へ向けて移動させることが好ましく、さらに好ましくは、前記(a)の制御において、前記検知器が第1の出力状態から第2の出力状態に切り換わったら、モータに間欠的な駆動信号を与え、前記切換え部材を逆方向へ向けて移動させるものである。
【0012】
本発明の電子機器の制御装置では、切換え部材の正方向の移動において、検知器の出力が切り換わったときに、切換え部材を逆方向へ戻し、再度正方向へ動作させることにより、検知器が第1の出力状態から第2の出力状態に切り換わった後に、切換え部材が慣性力により長くオーバーランすることを防止でき、また、オーバーランの距離のばらつきにより、機構の停止状態が相違する現象を防止できる。しかも、再度、検知器が第2の出力状態となった後に、間欠的な駆動信号でモータを駆動することにより、検知器が第2の出力状態に切り換わった直後に、機構を確実に停止させることができる。
【0013】
そのためには、本発明は、前記間欠的な駆動信号は、その駆動信号の継続時間よりも、前記駆動信号の休止時間の方が長いことが好ましい。
【0014】
さらに、本発明は、前記切換え部材が、正方向の移動範囲の終端に至ったときに、前記(a)の制御において前記検知器が第1の出力状態から第2の出力状態に切換えられるものである。
【0015】
切換え部材が正方向の移動範囲の終端に至った後に、モータが長時間継続して動作することがないため、歯車やその他の機構の噛み合いロックや破損などの発生を防止しやすい。
【0016】
例えば、本発明は、筐体に設けられた挿入口から挿入されたディスクを搬送する搬送機構と、搬送機構で搬送されたディスクの中心穴が設置されるターンテーブルと、前記ターンテーブルにディスクの中心穴を保持させるクランプ機構とを有し、
前記切換え部材が正方向へ移動し、切換え部材の移動力で前記クランプ機構が動作してターンテーブルに対するディスクの中心穴の保持が完了したときに、前記(a)の制御において前記検知器が第1の出力状態から第2の出力状態に切換えられるものである。
【0017】
なお、本発明の検知器は、以下の実施の形態のような機械的なスイッチであってもよいし、あるいは光学検知器や磁気検知器であってもよい。
【0018】
また、本発明の電子機器は、ディスクやメモリなどの各種記録媒体が装填されるもの、または、可動式表示装置などのように、筐体内部に駆動機構を有する各種装置である。
【0019】
また、この種の電子機器において、各種記録媒体の装填が完了したときに、切換え部材の正方向の移動力により、検知器が第1の出力状態から第2の出力状態に切り換わるものであってもよいし、各種記録媒体の搬出が完了したときに、切換え部材の正方向の移動力により、検知器が第1の出力状態から第2の出力状態に切り換わるものであってもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明の電子機器の制御装置は、切換え部材が所定位置へ移動したときに、検知器の出力状態を確実に切換えることができ、また検知器の出力が切り換わった後に、切換え部材が長くオーバーランすることなく正確に停止できる。さらに、機構の移動範囲の終端において機構を停止させるときにも、機構を直ちに止めることができ、機構に大きな負荷を与えることを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1は本発明の実施の形態の記録媒体駆動装置としてのディスク装置を示すものであり、このディスク装置に設けられた機構ユニットを、底面を紙面手前側に向けて示す底面図である。図2(A)は機構ユニットの左側面図、(B)は機構ユニットの右側面図であり、共に上面を上に向けて示している。図3は前記実施の形態のディスク装置を上面を紙面手前側に向けて示した平面図である。
【0022】
全ての図面において、図示X1方向が右方向、X2方向が左方向、Y1方向が前方、Y2方向が後方、Z1方向が上方向、そしてZ2方向が下方向である。図1は、Z2方向を紙面の手前側に向けて示した底面図であり、図3はZ1方向を紙面の手前側に向けて示した平面図である。
【0023】
ディスク装置1は、CD(コンパクト・ディスク)やDVD(デジタル・バーサタイル・ディスク)などのディスクDが装填可能である。図3に示すディスクDは直径が12cmである。ディスク装置1は、車載用機器の1DINサイズよりも十分に薄い大きさの外部シャーシを有している。外部シャーシは、下部ベースと、下部ベースに重ねられる上部ベースとで構成されている。図1および図3に示す機構ユニット2は、下部ベースおよび上部ベースの内部に収納される。外部シャーシのY1側には、液晶表示パネルや各種スイッチ類を有するノーズ部が設けられ(図示せず)、ノーズ部に幅方向(X方向)に延びるスリット状の挿入口が設けられている。
【0024】
図1と図3に示すように、機構ユニット2には、搬送手段として2つの搬送ローラ6A,6Bが設けられており、ディスクDは、搬送ローラ6A,6Bによって挿入口からY2方向に搬入される。またディスクDを排出するときには、Y1方向に向けて搬出される。
【0025】
図1と図3に示すように、機構ユニット2の底面側には、ボトムシャーシ12が設けられている。図1に示すように、ボトムシャーシ12よりも中央から後方(Y2方向)の領域にかけてドライブベース8が設けられている。図2(A)(B)および図3に示すように、ドライブベース8の上方(Z1側)にはクランプベース9が対向している。クランプベース9よりも前方にはトップシャーシ10が設けられ、トップシャーシ10の両側部がボトムシャーシ12に固定されている。なお、図3ではトップシャーシ10の図示を省略している。トップシャーシ10とボトムシャーシ12とで機構ユニット2のユニットシャーシが構成されており、挿入口から挿入されたディスクDは、トップシャーシ10とボトムシャーシ12の中間の空間内に送り込まれる。
【0026】
図1に示すように、ドライブベース8のY1側の先部には回転駆動部4が設けられている。図2(A)(B)にも示すように、回転駆動部4では、ドライブベース8の上にスピンドルモータ5が固定されており、スピンドルモータ5の回転軸にターンテーブルが固定されている。図1に示すように、ドライブベース8にはヘッド部17が設けられている。ヘッド部17は、ドライブベース8に固定された案内軸16,16によって、ターンテーブルに載置されたディスクDの記録面に沿って移動自在に案内されている。また、ドライブベース8には、ヘッド部17をディスクDの半径方向へ移動させるスレッド駆動機構が設けられている。
【0027】
図2(A)(B)および図3に示すように、クランプベース9のY1側の先部の下面には、回転駆動部4のターンテーブルに対向するクランパ11が設けられ、クランパ11はクランプベース9に回転自在に支持されている。図1および図3に示すように、ドライブベース8のY2側の基部には、X1方向とX2方向の両側に支持片8c,8cが設けられ、それぞれの支持片8c,8cに、軸9a,9aが固定されている。クランプベース9のY2側の基端部は軸9a,9aに回動自在に支持されている。
【0028】
軸9aには、トーションコイルバネで形成された押圧付勢部材(図示せず)が設けられている。この押圧付勢部材の付勢力により、クランプベース9が軸9a,9aを支点として回動付勢され、クランパ11は、常にターンテーブルに押し付けられる方向へ付勢されている。
【0029】
一方、ドライブベース8のY2側の基端部の両側部には、図1に示す軸ピン8a1と軸ピン8a2が固定されている。トップシャーシ10のX1側には下方向(Z2方向)に垂直に折り曲げられた支持片10aが形成され、軸ピン8a1が支持片10aに回動自在に支持されている。また、ボトムシャーシ12のX2側には下方向に折り曲げられた支持片12aが形成されて、軸ピン8a2が支持片12aに回動自在に支持されている。このため、ドライブベース8は、軸ピン8a1,8a2を支点として、トップシャーシ10およびボトムシャーシ12から成るユニットシャーシに回動自在に支持され、さらにクランプベース9は、ドライブベース8の後方においてドライブベース8に回動自在に支持されている。
【0030】
ドライブベース8は、トップシャーシ10およびボトムシャーシ12と平行なドライブ姿勢と、図2(A)(B)に示すように、回転駆動部4を有するY1側がZ2方向へ下降した傾斜姿勢であるディスク待機姿勢との間で回動する。また、クランプベース9は、クランパ11がターンテーブルに圧接するクランプ姿勢と、クランパ11が上向きとなるように傾斜するクランプ解除姿勢との間で回動する。
【0031】
図1と図3に示すように、機構ユニット2のY1側の前端には、検知ピン26,26が設けられている。図3に示すように、トップシャーシ10のX1側には、検知アーム25aが軸24aによって回動自在に支持されており、この検知アーム25aはスプリング27aの付勢力により時計方向へ付勢されている。トップシャーシ10のX2側には検知アーム25bが軸24bにより回動自在に支持されており、この検知アーム25bがスプリング27bの付勢力により反時計方向へ付勢されている。前記検知ピン26,26は、それぞれの検知アーム25a,25bのY1側の端部に固定されている。
【0032】
図3に示すように、ディスクDが機構ユニット2に装填されていないときには、検知ピン26と検知ピン26との距離が最短である。このとき、検知アーム25aによって、X1側に位置するスイッチ28aがONに切換えられ、検知アーム25bによって、X2側に位置するスイッチ28bがONに切換えられている。
【0033】
ディスクDが挿入口からY2方向へ挿入されると、ディスクDの外周縁により検知ピン26,26が互いに離れる方向へ移動させられる。そして検知アーム25aが反時計方向へ回動させられ、検知アーム25bが時計方向へ回動させられて、スイッチ28aとスイッチ28bが共にOFFに切換えられる。このスイッチの出力の切り換わりにより、ディスクDが挿入されたことが検知される。また、ディスクDが排出されるときは、排出中のディスクの外周縁によって検知ピン26と検知ピン26との間隔が広げられ、その後に検知ピン26と検知ピン26との間隔が狭くなる。このとき、X2側の検知アーム25bの時計方向への回動によりスイッチ28cがONに切換えられ、その後の検知アーム25bの反時計方向への回動によってスイッチ28cがOFFに切換えられる。スイッチ28cがONになった後にOFFに切り換わったときに、ディスクDが搬出完了位置に至ったものと判断されて、搬送ローラ6A,6Bが停止する。
【0034】
図1に示すように、トップシャーシ10の左側部には、切換え部材として機能する左側方スライダ3Aが設けられ、右側部には右側方スライダ3Bが設けられている。図3では、左側方スライダ3Aのみを図示している。図2(A)に示すように、左側方スライダ3AにはY1−Y2方向に延びるガイド長穴47,48が形成されている。トップシャーシ10の両側部にはZ2方向に折り曲げられた側板が設けられ、この側板に支持軸51,52が固定されている。ガイド長穴47,48が支持軸51,52を摺動することにより、左側方スライダ3AはY1−Y2方向へ移動自在に支持されている。図2(B)に示すように、右側方スライダ3Bにも、Y1−Y2方向に直線的に延びるガイド長穴49,50が形成されている。ガイド長穴49,50が、トップシャーシ10の側板に固定された支持軸53,54を摺動することにより、右側方スライダ3BはY1−Y2方向へ移動自在である。
【0035】
図1に示すように、機構ユニット2の左後方では、ボトムシャーシ12に切換えモータ(駆動源)Mが設けられ、ボトムシャーシ12の下面には、切換えモータMの動力を減速して伝達する歯車群Hが設けられている。ボトムシャーシ12の左側部には軸21が固定されており、軸21に駆動部材20が回動自在に設けられている。切換えモータMの動力が歯車群Hを介して駆動部材20に伝達され、駆動部材20が回転駆動される。駆動部材20には駆動突起20aが設けられ、駆動突起20aが左側方スライダ3Aに係止されている。
【0036】
切換えモータMの動力により駆動部材20が回動させられると、駆動部材20と一体の駆動突起20aにより、左側方スライダ3AがY1方向およびY2方向へ直線的に移動させられる。よって、切換えモータMと歯車群Hおよび駆動部材20により駆動機構が構成されている。
【0037】
図1に示すように、ボトムシャーシ12の下面には、左側方スライダ3Aと右側方スライダ3Bを連結するリンク機構30が設けられている。リンク機構30にはスライダリンク31が設けられている。スライダリンク31には、X1−X2方向に延びるガイド長穴31a,31aが形成され、ボトムシャーシ12から下方へ折り曲げて形成されている案内突起12b,12bにガイド長穴31a,31aが挿通され、スライダリンク31がX1方向およびX2方向へ移動できるように支持されている。駆動部材20には連結ピン20bが設けられ、連結ピン20bが、スライダリンク31に形成された長穴内に係止されている。
【0038】
ボトムシャーシ12の下面の右側部には逆転リンク32が設けられている。逆転リンク32は、ボトムシャーシ12の下面に固定されている軸32aに回動自在に支持されている。逆転リンク32には連結ピン32bが固定され、連結ピン32bがスライダリンク31に形成された長穴内に掛止されている。逆転リンク32には駆動突起32cが一体に形成されており、駆動突起32cが右側方スライダ3Bに掛止されている。
【0039】
図1に示す動作状態では、駆動部材20が反時計方向へ回動させられ、駆動部材20と一体に形成された駆動突起20aによって、左側方スライダ3AがY2方向へ移動させられている。このとき、駆動部材20の反時計方向への回動力により、スライダリンク31がX2方向へ移動させられ、このスライダリンク31のX2方向への移動によって、逆転リンク32が時計方向へ回動させられている。よって、逆転リンク32の駆動突起32cにより、右側方スライダ3BもY2方向へ移動させられている。他方、切換えモータMによって駆動部材20が時計方向へ回動させられると、駆動部材20と一体の駆動突起20aによって、左側方スライダ3AがY1方向へ移動させられる。また、スライダリンク31がX1方向へ移動し、逆転リンク32が反時計方向へ回動させられて、逆転リンク32に設けられた駆動突起32cによって右側方スライダ3BがY1方向へ移動させられる。すなわち、リンク機構30が設けられていることにより、左側方スライダ3Aと右側方スライダ3Bが、同期して同じY1方向および同じY2方向へ一緒に駆動される。
【0040】
図1に示すように、スライダリンク31の中央部にはY2側の縁部から下側に直角に折り曲げられた制御板31bが設けられており、制御板31bに、Y2方向へ突出する制御ピンが設けられている。また、ドライブベース8のY1側の端部には、長穴形状の姿勢切換えカム8bが形成されており、前記制御ピンが姿勢切換えカム8b内に挿入されている。姿勢切換えカム8bは、X1側の端部がZ2側に向けられた持ち上げ部であり、X2側の端部が前記持ち上げ部よりもZ1側に位置する押し下げ部である。
【0041】
図1の動作状態では、スライダリンク31がX2方向へ移動し、前記制御ピンもX2方向へ移動している。このとき、前記制御ピンが、姿勢切換えカム8bの押し下げ部内に位置するため、ドライブベース8は、軸ピン8a1,8a2を支点として、回転駆動部4を有する先部が押し下げられて傾斜姿勢となり、ディスク待機姿勢(退避姿勢)となる。図1の動作状態から、スライダリンク31がX1方向へ移動すると、前記制御ピンが姿勢切換えカム8bの持ち上げ部内に移動し、ドライブベース8は、回転駆動部4を有する先部が持ち上げられて、ドライブベース8がボトムシャーシ12と同じ水平な向きとなってドライブ姿勢となる。
【0042】
図2(B)に示すように、右側方スライダ3BのY2側に寄った部分には、クランプ持ち上げカム45が一体に形成されている。クランプ持ち上げカム45は、Y1側の部分が持ち上げ部45aであり、Y2側に逃げ空間45bが形成されている。図1および図2(B)の動作状態では、右側方スライダ3BがY2方向へ移動しており、クランプ持ち上げカム45の持ち上げ部45aによって、クランプベース9と一体の制御片9bが持ち上げられて、クランパ11がターンテーブルから上方へ離れたクランプ解除姿勢である。
【0043】
すなわち、図1および図2(A)(B)に示す動作状態では、スライダリンク31がX2方向へ移動しているために、ドライブベース8が斜めに下降してディスク待機姿勢になるとともに、クランパ11が持ち上げられて、回転駆動部4のターンテーブルとクランパ11との間隔が広げられて、ディスクDの導入を待機できる状態となる。
【0044】
図1および図2(A)(B)に示す動作状態から右側方スライダ3BがY1方向へ移動すると、クランプベース9の制御片9bが逃げ空間45b内に位置するため、クランプベース9は、押圧付勢部材によりZ2方向へ付勢される。このとき、ドライブベース8が持ち上げられてドライブ姿勢となるため、回転駆動部4に設けられたターンテーブルとクランパ11とで、ディスクDの中心穴が保持される。
【0045】
図2(A)に示すように、左側方スライダ3AのY1側の端部には、ローラ制御カム46が設けられている。同様に右側方スライダ3BのY1側の端部にも同様にローラ制御カム46が設けられているが、図2(B)ではその図示を省略している。搬送ローラ6A,6Bのそれぞれのローラ軸6A1,6B1は、前記ローラ制御カム46によって制御される。
【0046】
図2(A)に示すように、左側方スライダ3AがY2方向へ移動しているときには、前記ローラ軸6A1,6B1がローラ制御カム46,46の逃げ空間46b,46b内に位置し、搬送ローラ6A,6Bは、スプリングなどの付勢力により、トップシャーシ10の下側に固定された滑り部材(図示せず)の下面に弾圧させられている。また、左側方スライダ3AがY1方向へ移動すると、ローラ制御カム46,46によってローラ軸6A1,6B1がZ2方向へ下降させられ、搬送ローラ6A,6Bが、ターンテーブルにクランプされているディスクDから離れる。
【0047】
図3に示すように、トップシャーシ10には、検知ピン26,26を有する前記検知アーム25a,25bと共に、クランプ完了を検知するための検知アーム40が設けられている。検知アーム40は、トップシャーシ10に固定された軸41に回動自在に支持されている。検知アーム40のX2側の端部には連結部40aが設けられ、この連結部40aが左側方スライダ3Aに連結されている。図3に示すように、左側方スライダ3AがY2方向へ移動していると、検知アーム40がα2方向へ回動させられており、左側方スライダ3AがY1方向へ移動すると、この左側方スライダ3Aの移動力により、検知アーム40がα1方向へ回動させられる。
【0048】
検知アーム40のX1側の端部には検出部40bが形成されている。また、トップシャーシ10には、前記検出部40bによって動作させられてクランプ完了検知器として機能するスイッチ42が固定されている。図4と図5に拡大して示すように、このスイッチ42は機械式であり、ケース42bの内部に接点が設けられている。ケース42bにはスプリングの付勢力で突出させられているアクチュエータ部42aが設けられ、このアクチュエータ部42aによって接点が切換えられる。
【0049】
図4に示すように、前記検出部40bがアクチュエータ部42aから離れていると、ケース42b内に設けられたスプリングの付勢力でアクチュエータ部42aが突出しており、このときケース42b内の接点はOFFである。図5に示すように、検知アーム40がα1方向へ回動して検出部40bでアクチュエータ部42aがケース42bに向けて押し込まれると、ケース42b内の接点がONに切り換えられる。この実施の形態では、スイッチ42がOFFのときが第1の出力状態であり、ONに切り換わると第2の出力状態である。ただし、スイッチ42は、ONのときが第1の出力状態で、OFFが第2の出力状態であってもよい。
【0050】
機構ユニット2では、図1ないし図3に示すように、左側方スライダ3Aと右側方スライダ3Bが共にY2方向に移動しているとき、クランパ11がターンテーブルから離れ、搬送ローラ6A,6Bが上昇してディスクDを搬送できる姿勢である。このとき、図3に示すように検知アーム40がα2方向へ回動させられて、検出部40bがスイッチ42のアクチュエータ部42aから離れており、スイッチ42は第1の出力状態のOFFである。
【0051】
図1および図3の状態から、左側方スライダ3AがY1方向へ移動し、その移動範囲の終端付近に至ると、クランパ11が下降し、ディスクDの中心穴がターンテーブルとクランパ11とで挟持されてディスクDがクランプされ、さらに搬送ローラ6A,6Bが下降させられてディスクDから離れる。この間、左側方スライダ3Aの移動力により検知アーム40がα1方向へ回動する。そして、左側方スライダ3AがY1方向の終端に至る直前の時点で、検出部40bによって、スイッチ42のアクチュエータ部42aが押されてスイッチ42がONになる。
【0052】
図7は、ディスク装置1の回路ブロック図である。
図3に示すスイッチ42の切換え出力はCPUおよびメモリを有する制御部51に与えられ、その他のスイッチ28a,28bおよびスイッチ28cの切換え出力も制御部51に与えられる。モータドライバ55は制御部51により制御され、このモータドライバ55により、図1に示す切換えモータMおよび搬送ローラ6A,6Bを駆動する搬送モータM1が制御される。なお、搬送モータM1が切換えモータMと共通化されているものであってもよい。この実施の形態での切換えモータMはDCモータである。
【0053】
ディスク装置1の外部シャーシを構成する下部ベースは金属板で形成されており、4辺に側板が形成された枠体である。下部ベースの4隅には、図1に示すダンパー70が保持されている。ダンパー70は、ゴムなどの可撓性の筐体内にオイルが封入された弾性支持部材である。図1に示すように、機構ユニット2は、トップシャーシ10の4隅D1,D2,D3,D4に支持突起が設けられ、それぞれの支持突起がダンパー支持部材に支持されている。
【0054】
機構ユニット2が、下部ベースの内部において4つのダンパー70を介して弾性支持されている状態で、機構ユニット2に設けられた左側方スライダ3Aが下部ベースの左側板の内側に対向し、右側方スライダ3Bが下部ベースの右側板の内側に対向する。
【0055】
また、図1および図3に示すように、左側方スライダ3Aと右側方スライダ3BがY2方向へ移動しているときには、両スライダ3A,3Bが、外部シャーシ内のロック部に係合し、外部シャーシ内で機構ユニット2が拘束されている。そして、左側方スライダ3Aと右側方スライダ3BがY1方向へ移動すると、両スライダ3A,3Bが、外部シャーシ内のロック部から外れ、外部シャーシ内で機構ユニット2がダンパー70により弾性支持された状態となる。
【0056】
次に、ディスク装置1の動作について説明する。
(ディスクの挿入待機モード)
ディスクDがディスク装置1に装填されることを待つ挿入待機モードでは、図1ないし図3に示すように、切換えモータMの動力が歯車群Hから駆動部材20に伝達され、図1において駆動部材20が反時計方向へ回動している。駆動部材20の駆動突起20aにより、左側方スライダ3AがY2方向へ移動させられ、且つ駆動部材20と連結ピン20bを介して連結されているスライダリンク31がX2方向へ移動させられている。そして、逆転リンク32が時計方向へ回動させられて、逆転リンク32の駆動突起32cによって右側方スライダ3BがY2方向へ移動させられている。
【0057】
図3に示すように、Y2方向へ移動している左側方スライダ3Aによって検知アーム40が時計方向へ回動させられており、検知アーム40の検出部40bがスイッチ42のアクチュエータ部42aから離れている。よって、検知器であるスイッチ42は第1の出力状態であるOFFである。
【0058】
このとき、図2(A)に示すように、搬送ローラ6A,6Bのそれぞれのローラ軸6A1,6B1は、左側方スライダ3Aに形成されたローラ制御カム46,46の逃げ空間46b,46b内に位置し、搬送ローラ6A,6Bは、スプリングなどの付勢力により、トップシャーシ10の下側に固定された滑り部材(図示せず)の下面に弾圧させられている。
【0059】
また、スライダリンク31がX2方向に移動していると、スライダリンク31に形成された制御板31bに固定されている制御ピンが、ドライブベース8に設けられた姿勢切換えカム8bの押し下げ部内に位置し、ドライブベース8は、軸ピン8a1,8a2を支点として、回転駆動部4を有する先部が下降したディスク待機姿勢(退避姿勢)となっている。
【0060】
また、図2(B)に示すように、右側方スライダ3Bに形成されたクランプ持ち上げカム45の持ち上げ部45aによって、クランプベース9の制御片9bが持ち上げられている。よって、ドライブベース8の回転駆動部4に設けられたターンテーブルと、クランプベース9に設けられたクランパ11との間に、大きな空間が形成されている。
【0061】
さらに、ディスク挿入待機モードでは、Y2方向へ移動している左側方スライダ3Aと右側方スライダ3Bが、外部シャーシ内のロック部に係合しており、ダンパー70で支持されている機構ユニット2が、外部シャーシ内で動けないように拘束されている。
【0062】
(ディスク装填動作)
ディスクDが挿入口から挿入されると、図1と図3に示す検知ピン26,26がディスクDの外周縁によって押し開かれ、検知アーム25aが反時計方向へ回動させられ、検知アーム25bが時計方向へ回動させられて、スイッチ28aおよびスイッチ28bの出力がOFFに切換えられる。このとき、搬送モータM1が始動して、搬送ローラ6Aと搬送ローラ6Bが、ディスク搬入方向へ回転し始める。挿入されたディスクDは、搬送ローラ6A,6Bと前記滑り部材との間に挟まれて装置奥方向(Y2方向)へ搬入される。
【0063】
搬入されるディスクDは、回転駆動部4に設けられたターンテーブルとクランパ11との間に送り込まれる。ディスクDの中心穴がターンテーブルの中心に一致したことが図示しない検知手段で検知されると、制御部51からモータドライバ55に指令が出され、切換えモータMが始動して、図1に示す駆動部材20が時計方向へ回動させられる。これにより、左側方スライダ3AがY1方向へ移動させられるとともに、スライダリンク31がX1方向へ移動させられる。スライダリンク31の移動力は、逆転リンク32を介して右側方スライダ3Bに与えられ、右側方スライダ3BもY1方向へ移動させられる。
【0064】
スライダリンク31がX1方向へ移動させられると、スライダリンク31の制御板31bに設けられた制御ピンが、ドライブベース8のY1側の端部に設けられた姿勢切換えカム8bの持ち上げ部内に移動し、ドライブベース8が持ち上げられてほぼ水平姿勢のドライブ姿勢となる。また、図2(B)に示す右側方スライダ3BがY1方向へ移動すると、クランプ持ち上げカム45の逃げ空間45bが、クランプベース9の制御片9bの位置に移動する。よって、クランプベース9は押圧付勢部材の付勢力で下降させられ、ディスクDの中心穴が、回転駆動部4に設けられたターンテーブルとクランパ11とで挟持される。
【0065】
また、左側方スライダ3Aと右側方スライダ3BがY1方向へ移動すると、ローラ制御カム46の押し下げ部46aによって、ローラ軸6A1とローラ軸6B1が押し下げられ、搬送ローラ6A,6BがディスクDの下面から離れる。
【0066】
さらに、左側方スライダ3Aと右側方スライダ3BがY1方向へ移動して、両スライダ3A,3Bが外部シャーシ内のロック部から離れ、機構ユニット2は、外部シャーシ内において、ダンパー70で弾性支持される。
【0067】
(ディスク装填完了検知および制御動作)
以上のように、図1および図3に示す状態から切換えモータMの動力によって左側方スライダ3Aと右側方スライダ3BがY1方向へ移動する間に、ドライブベース8とクランプベース9が動作させられ、且つ機構ユニット2の拘束が解除される。そして、左側方スライダ3Aと右側方スライダ3BがY1方向への移動範囲の終端に至る直前に、ディスクDがターンテーブルにクランプされ、スピンドルモータ5でディスクを回転駆動できる状態になる。
【0068】
左側方スライダ3AがY1方向へ移動すると、この左側方スライダ3Aによって検知アーム40がα1方向へ回動させられ、検知アーム40の検出部40bでスイッチ42のアクチュエータ部42aが押されて、スイッチ42がONに切り換わる。この切り換わりのタイミングに合わせて制御部51がモータドライバ55を制御し、切換えモータMが停止させられる。このとき、次のような検知動作および制御動作を行うことにより、ディスクDがターンテーブルにクランプされて回転駆動可能に設定された直後に、左側方スライダ3Aとリンク機構30および右側方スライダ3Bを、直ちに正確な位置で停止させることが可能になる。
【0069】
図1ないし図3に示す状態において、搬入されたディスクDの中心穴が回転駆動部4に一致したことが検知されると、制御部51でモータドライバ55が制御され、DCモータである切換えモータMに対し、連続駆動信号として、一定の電圧の例えば6Vの定格駆動電圧が連続して与えられ、切換えモータMが連続して回転する。これにより、図1に示す歯車群Hを介して駆動部材20が連続して回転駆動され、左側方スライダ3Aが正方向であるY1方向へ連続して移動させられる。その間、検知アーム40がα1方向へ回動する。
【0070】
左側方スライダ3AがY1方向への移動範囲の終端の直前まで移動すると、検知アーム40の検出部40bが図4の位置から図5の位置へ移動して、アクチュエータ部42aが押され、スイッチ42が第1の出力状態であるOFFから第2の出力状態であるONに切り換わる。
【0071】
スイッチ42がOFFからONに切換えられたときに、制御部51がモータドライバ55に指令を与え、切換えモータMへの定格駆動電圧の通電が停止させられる。そして、モータドライバ55から切換えモータMに逆転方向への駆動信号が与えられ、左側方スライダ3Aが逆方向であるY2方向へ移動させられて、検知アーム40がα2方向へ回動させられる。
【0072】
このとき、モータドライバ55から切換えモータMに対して、図6に示すパルス状の駆動信号が与えられる。この駆動信号は、定格駆動電圧である6Vの電圧が、休止時間T2を空けて時間T1だけ与えられる。すなわち、DCモータである切換えモータMに対して、6Vの駆動電圧が間欠的に与えられる。切換えモータMに与えられる駆動電圧の波形は、図6に示すような矩形波であることが好ましいが、電圧の立ち上がりに遅れが生じて電圧が曲線的変化を伴なって上昇するような間欠波であってもよい。
【0073】
切換えモータMにパルス状の間欠的な駆動電圧が与えられることにより、左側方スライダ3Aが逆方向であるY2方向へ遅い速度で少しだけ戻ることができる。そのために、切換えモータMに与えられる駆動電圧の継続時間T1は休止時間T2よりも短い。前記継続時間T1は30ms以下であり、好ましくは15ms以下である。また休止時間T2は継続時間T1の1.5倍以上で3倍以下程度が好ましい。例えば、継続時間が8msであり、休止時間T2が16msである。
【0074】
この間欠的な駆動信号により、左側方スライダ3AがY2方向へ駆動され、検知アーム40がα2方向へ回動し、図4に示すように検出部40bがアクチュエータ部42aから離れ、スイッチ42が第2の出力状態であるONから第1の出力状態であるOFFに切り換わる。この切り換わりが検知されたときに、制御部51がモータドライバ55に指令を与え、切換えモータMへの通電を停止する。
【0075】
ここまでの制御動作により、左側方スライダ3AがY1方向への移動範囲の終端の直前まで移動した後にさらに切換えモータMの動作が継続して、左側方スライダ3AがY1方向へ無理やり押し付けられることを防止でき、スイッチ42がOFFからONに切り換わる直前の位置まで左側方スライダ3Aを戻すことができる。
【0076】
スイッチ42がONからOFFに戻った直後に、モータドライバ55から切換えモータMに駆動信号が与えられ、左側方スライダ3Aに対し、再び正方向であるY1方向への駆動力が与えられる。ただし、このときに、切換えモータMに与えられる駆動信号は、図6に示したように、切換えモータMを逆転させたときと同じパルス状の間欠的な駆動信号である。
【0077】
切換えモータMにこの間欠的な駆動信号を与えることにより、左側方スライダ3Aがゆっくり且つ少しずつY1方向へ移動し、そして検知アーム40がα1方向へ回動させられる。この回動により、図5に示すように、検知アーム40の検出部40bでアクチュエータ部42aが押され、スイッチ42の出力状態が再びOFFからONに切り換わる。この切り換わりを検出した後に、さらに図6に示す継続時間T1の駆動信号を切換えモータMに少なくとも1パルス与えて、左側方スライダ3AをさらにY1方向へ移動させた時点で、切換えモータMへの通電を停止させる。
【0078】
上記制御により、検知アーム40の検出部40bがアクチュエータ部42aを完全に押して、スイッチ42の出力が確実にONに切り換わった状態で、機構を停止させることができ、その後の動作を開始するときに、動作モードを誤認識することを防止できる。また、スイッチ42がOFFからONになった後に、左側方スライダ3Aと検知アーム40とを直ちに且つ正確な位置で停止させることができる。そのため、左側方スライダ3Aがオーバーラン状態で停止することを防止でき、機構が停止したときに、歯車群Hが強引に噛み合わせられ、歯車の損傷を生じるなどの現象を防止できる。
【0079】
また、左側方スライダ3AをY1方向への移動範囲の終端位置で確実に止めることができ、従来のように、スイッチ42がOFFからONに切り換わった後に、一定時間Y1方向へ移動させてから停止させるという制御が不要になる。そのため、左側方スライダ3Aの移動距離を短くでき、機構ユニット2を小型に構成しやすい。
【0080】
なお、上記実施の形態では、切換え部材である左側方スライダ3Aが駆動されたときに、検知アーム40が動作させられてスイッチ42の出力が切換えられるが、この検知アーム40を設けずに、左側方スライダ3Aによって直接にスイッチ42が動作させられてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の電子機器の実施の形態としてディスク装置に設けられる機構ユニットを底面を紙面手前側に向けて示す底面図。
【図2】(A)は機構ユニットの左側面図、(B)は機構ユニットの右側面図であり、共に上面を上に向けて示す。
【図3】前記機構ユニットを上面を紙面手前側に向けて示す平面図。
【図4】検知アームとスイッチ42の動作を示す拡大平面図。
【図5】検知アームとスイッチ42の動作を示す拡大平面図。
【図6】切換えモータに与えられる間欠的な駆動信号の波形図。
【図7】ディスク装置の回路ブロック図。
【符号の説明】
【0082】
1 ディスク装置
2 機構ユニット
3A 左側方スライダ(切換え部材)
3B 右側方スライダ
4 回転駆動部
6A,6B 搬送ローラ
40 検知アーム
40b 検出部
42 スイッチ(検知器)
42b アクチュエータ部
51 制御部
55 モータドライバ
M 切換えモータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動作モードを切換える切換え部材と、前記切換え部材を移動させるモータと、前記切換え部材の移動位置を検出する検知器と、前記検知器の検知出力に基づいて前記モータを制御する制御部とが設けられ、
前記切換え部材が正方向へ移動して所定位置に至ったときに、この切換え部材によって前記検知器が第1の出力状態から第2の出力状態に切り換えられるものであり、
前記制御部は、前記切換え部材が正方向へ移動しているときに以下の制御を行なうことを特徴とする電子機器の制御装置。
(a)前記切換え部材が正方向へ移動して、前記検知器が第1の出力状態から第2の出力状態に切り換わったら、モータを逆転させて、前記切換え部材を逆方向へ向けて移動させる、
(b)前記切換え部材の逆方向への移動により、前記検知器が第2の出力状態から第1の出力状態に戻ったら、再度モータを正転させて、前記切換え部材を正方向へ向けて移動させる、
(c)前記検知器が再び第1の出力状態から第2の出力状態に切り換わったら、前記モータに対して、1つ以上の間欠的な駆動信号を与えて、前記切換え部材を正方向へ移動させた後に前記モータを停止させる。
【請求項2】
前記(b)の制御において、前記検知器が第2の出力状態から第1の出力状態に戻ったら、モータに間欠的な駆動信号を与え、前記切換え部材を正方向へ向けて移動させる請求項1記載の電子機器の制御装置。
【請求項3】
前記(a)の制御において、前記検知器が第1の出力状態から第2の出力状態に切り換わったら、モータに間欠的な駆動信号を与え、前記切換え部材を逆方向へ向けて移動させる請求項1または2記載の電子機器の制御装置。
【請求項4】
前記間欠的な駆動信号は、その駆動信号の継続時間よりも、前記駆動信号の休止時間の方が長い請求項1ないし3のいずれかに記載の電子機器の制御装置。
【請求項5】
前記切換え部材が、正方向の移動範囲の終端に至ったときに、前記(a)の制御において前記検知器が第1の出力状態から第2の出力状態に切換えられる請求項1ないし4のいずれかに記載の電子機器の制御装置。
【請求項6】
筐体に設けられた挿入口から挿入されたディスクを搬送する搬送機構と、搬送機構で搬送されたディスクの中心穴が設置されるターンテーブルと、前記ターンテーブルにディスクの中心穴を保持させるクランプ機構とを有し、
前記切換え部材が正方向へ移動し、切換え部材の移動力で前記クランプ機構が動作してターンテーブルに対するディスクの中心穴の保持が完了したときに、前記(a)の制御において前記検知器が第1の出力状態から第2の出力状態に切換えられる請求項1ないし5のいずれかに記載の電子機器の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−135105(P2008−135105A)
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−319598(P2006−319598)
【出願日】平成18年11月28日(2006.11.28)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】